腫瘍の治療のための組成物と方法
【課題】ヒトを含む哺乳類における腫瘍性細胞の成長及び増殖の診断と治療についての組成物及び方法の提供。
【解決手段】腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅する遺伝子の同定に基づいている。このような遺伝子増幅は、同じ組織型の正常細胞に比べて遺伝子産物の過剰発現に関連しており、腫瘍形成の一因であると予想される。従って、増幅遺伝子によってコードされているタンパク質は、ある癌の診断及び/治療(予防を含む)にとって有用な標的であると考えられ、腫瘍治療の予後の予測指標となりうる。解決手段としては新規ポリペプチド及びこれらのポリペプチドをコードする核酸分子、これらの核酸分子、異種ポリペプチド配列へ融合しているポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド、ポリペプチドと結合する抗体を含んでなるベクター及び宿主細胞、そしてポリペプチドを生産する方法である。
【解決手段】腫瘍細胞のゲノムにおいて増幅する遺伝子の同定に基づいている。このような遺伝子増幅は、同じ組織型の正常細胞に比べて遺伝子産物の過剰発現に関連しており、腫瘍形成の一因であると予想される。従って、増幅遺伝子によってコードされているタンパク質は、ある癌の診断及び/治療(予防を含む)にとって有用な標的であると考えられ、腫瘍治療の予後の予測指標となりうる。解決手段としては新規ポリペプチド及びこれらのポリペプチドをコードする核酸分子、これらの核酸分子、異種ポリペプチド配列へ融合しているポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチド、ポリペプチドと結合する抗体を含んでなるベクター及び宿主細胞、そしてポリペプチドを生産する方法である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号:8で示されているポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はその相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離された核酸。
【請求項2】
(a)哺乳動物から得た組織細胞の試験試料、及び、(b)同じ細胞型の既知の正常細胞のコントロール試料から配列番号:8で示されるポリペプチドをコードする核酸からなる遺伝子の発現のレベルを検出することを含んでなり、コントロール試料と比較して試験試料でのより高い発現レベルが、試験組織細胞が得られた哺乳動物における腫瘍の存在を示す、哺乳動物における腫瘍を検査する方法。
【請求項3】
前記試験試料が腫瘍細胞の成長又は増殖があると疑われる個体から得られた、請求項2の方法。
【請求項4】
同じ組織型の正常細胞と比較して、配列番号:8で示されるポリペプチドを過剰発現する肺及び結腸腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、前記腫瘍細胞を、前記ポリペプチドをコードする核酸又はその相補鎖とハイブリダイゼーションするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量に曝露することを含んでなり、前記腫瘍細胞の成長がそれによって阻害される前記方法。
【請求項5】
前記腫瘍細胞が、さらに放射線治療、細胞毒性剤又は化学療法剤へ曝露される、請求項4の方法。
【請求項6】
以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離された核酸:
(a) 配列番号:8に示されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチド。
【請求項7】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) 配列番号:7に示されているヌクレオチド配列からなる核酸、及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は結腸において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項8】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) 配列番号:7で示される塩基配列の完全長コード化配列からなる核酸;及び
(b) (a)のポリヌクレオチドと相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項9】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) ATCC受入番号PTA−481で寄託されたDNAの完全長コード化配列からなる核酸;及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか一項の核酸を含んでなるクローニングベクター。
【請求項11】
ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識される制御配列と作用可能に連結している請求項10のベクター。
【請求項12】
請求項10のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項13】
前記細胞がCHO細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項14】
前記細胞が大腸菌である、請求項12の宿主細胞。
【請求項15】
前記細胞が酵母細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項16】
前記細胞がバキュロウイルス感染昆虫細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項17】
配列番号:8で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの発現に適した条件下で請求項12の宿主細胞を培養すること、及び、細胞培養から前記ポリペプチドを回収することを含んでなる、前記ポリペプチドを生産する方法。
【請求項18】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) 配列番号:8で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺腫瘍で過剰発現しているポリペプチド。
【請求項19】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) ATCC受入番号PTA−481で寄託された核酸によってコードされているアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a) において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺腫瘍で過剰発現しているポリペプチド。
【請求項20】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a)配列番号:8で示されているアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列の1位〜15位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項21】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) 配列番号:8で示されているアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列の1位〜15位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチド;及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチド。
【請求項1】
配列番号:8で示されているポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はその相補鎖とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離された核酸。
【請求項2】
(a)哺乳動物から得た組織細胞の試験試料、及び、(b)同じ細胞型の既知の正常細胞のコントロール試料から配列番号:8で示されるポリペプチドをコードする核酸からなる遺伝子の発現のレベルを検出することを含んでなり、コントロール試料と比較して試験試料でのより高い発現レベルが、試験組織細胞が得られた哺乳動物における腫瘍の存在を示す、哺乳動物における腫瘍を検査する方法。
【請求項3】
前記試験試料が腫瘍細胞の成長又は増殖があると疑われる個体から得られた、請求項2の方法。
【請求項4】
同じ組織型の正常細胞と比較して、配列番号:8で示されるポリペプチドを過剰発現する肺及び結腸腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、前記腫瘍細胞を、前記ポリペプチドをコードする核酸又はその相補鎖とハイブリダイゼーションするアンチセンスオリゴヌクレオチドの有効量に曝露することを含んでなり、前記腫瘍細胞の成長がそれによって阻害される前記方法。
【請求項5】
前記腫瘍細胞が、さらに放射線治療、細胞毒性剤又は化学療法剤へ曝露される、請求項4の方法。
【請求項6】
以下の(a)又は(b)のポリペプチドをコードする単離された核酸:
(a) 配列番号:8に示されているアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチド。
【請求項7】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) 配列番号:7に示されているヌクレオチド配列からなる核酸、及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は結腸において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項8】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) 配列番号:7で示される塩基配列の完全長コード化配列からなる核酸;及び
(b) (a)のポリヌクレオチドと相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項9】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a) ATCC受入番号PTA−481で寄託されたDNAの完全長コード化配列からなる核酸;及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか一項の核酸を含んでなるクローニングベクター。
【請求項11】
ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識される制御配列と作用可能に連結している請求項10のベクター。
【請求項12】
請求項10のベクターを含んでなる宿主細胞。
【請求項13】
前記細胞がCHO細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項14】
前記細胞が大腸菌である、請求項12の宿主細胞。
【請求項15】
前記細胞が酵母細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項16】
前記細胞がバキュロウイルス感染昆虫細胞である、請求項12の宿主細胞。
【請求項17】
配列番号:8で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドの発現に適した条件下で請求項12の宿主細胞を培養すること、及び、細胞培養から前記ポリペプチドを回収することを含んでなる、前記ポリペプチドを生産する方法。
【請求項18】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) 配列番号:8で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺腫瘍で過剰発現しているポリペプチド。
【請求項19】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) ATCC受入番号PTA−481で寄託された核酸によってコードされているアミノ酸配列からなるポリペプチド;及び
(b)アミノ酸配列(a) において1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、肺腫瘍で過剰発現しているポリペプチド。
【請求項20】
以下の(a)又は(b)の単離された核酸:
(a)配列番号:8で示されているアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列の1位〜15位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、及び
(b) (a)の核酸と相補的なヌクレオチド配列からなる核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチドをコードする核酸。
【請求項21】
以下の(a)又は(b)の単離されたポリペプチド:
(a) 配列番号:8で示されているアミノ酸配列からなり、該アミノ酸配列の1位〜15位に位置するシグナルペプチドを欠くポリペプチド;及び
(b) アミノ酸配列(a)において1若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ肺又は大腸腫瘍細胞において過剰発現しているポリペプチド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−6332(P2006−6332A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−181588(P2005−181588)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【分割の表示】特願2004−186386(P2004−186386)の分割
【原出願日】平成12年5月15日(2000.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【分割の表示】特願2004−186386(P2004−186386)の分割
【原出願日】平成12年5月15日(2000.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】
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