臨床症状の予測および監視技術
喘息発作の発症を予測する方法であって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する方法を開示する。また、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、この検出したパラメータの少なくとも一部に応じて鬱血性心不全(CHF)に係わる発作の発症を予測する方法も開示する。他の実施例も開示提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的異常状態を予測および監視に関するもので、特に、生理的乃至物理的パラメータの特徴の非接触測定および分析によって生理的異常状態を予測および監視する方法および装置に関するものである。
【0002】
また、本発明は、(a)(1)米国特許仮出願第60/692105号(出願日2005年6月21日)と、(2)米国特許仮出願第60/674382号(出願日2005年4月25日)を相互参照している米国特許出願第11/197786号(発明者Halperinなど/出願日2005年8月3日)「臨床症状の予測と監視技術」、および、(b)米国特許仮出願第60/692105号(出願日2005年6月21日)を参照した技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
慢性疾患は臨床症状が発作的に悪化することで発現することが多い。慢性疾患の予防的治療によって、所要の薬剤の総合的な投薬量を減らし、あるいは、使用薬物の副作用を軽減することができ、死亡率や罹病率を低減させる。通常、初期段階で臨床症状が認められたら可及的速やかに予防的治療を施すべきで、この予防的治療によって臨床症状の進行・悪化を食い止めることができ、病態生理学的過程を中断し、あるいは、逆行させることができる。よって、発作予兆指標を正確に監視する性能が慢性疾患の予防的治療の有効性を向上させる。
【0004】
多くの慢性疾患は、様々な生理学的機序を通して呼吸や心拍などの生命徴候にシステム変化を起こす。たとえば、喘息や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの一般的な呼吸器疾患、嚢胞性線維症(CF)は、呼吸乃至心拍の直接的な変調因子となる。糖尿病、癲癇、特定の心臓疾患(例えば、鬱血性心不全(CHF))などの慢性疾患も心臓活動や呼吸活動を一時変異させることが知られている。特定の心臓疾患の場合、体液鬱滞や一般的な心血管不全に係わる病態生理学のためにそうした一時変異は普通に発生する。咳や睡眠障害などの徴候も数種の臨床的な重要な症状として知られている。
【0005】
多くの慢性疾患が生命徴候の全身的作用を誘発させ、たとえば、いくつかの慢性疾患は、覚醒状態や睡眠中の正常な呼吸や心臓作用を阻害して、異常呼吸や異常心拍を引き起こす。
【0006】
呼吸および心拍が様々な直接的および間接的生理学的機序を介して変調され、一時変異の原因に係わる異常パターンをもたらすことがある。喘息などの呼吸器系疾患やCHFなどの心臓疾患は直接的な呼吸変調因子である。低血糖症などの代謝系の異常や自律神経系の活動に影響する他の神経的な病変は間接的な呼吸変調因子である。喘息は既知の治療法がない慢性疾患である。
【0007】
喘息症状の実質的軽減は、気管支拡張薬や抗炎症薬を使用する予防療法によって可能である。喘息管理は、喘息患者の生活の質を改善する目的があるが、予防療法には肺機能を恒常的な監視と薬剤の種類と投与量に対応する順応性が要求されるので、当該喘息管理には、患者と医師の深刻な課題がある。ところが、肺機能のモニタリングは簡単でなく、通常は非臨床的環境または家庭環境では利用できない高性能の計測機器と専門知識を要する。
【0008】
肺機能のモニタリングは、適切な処理を決めるだけでなく患者の追跡治療を決める主要因子と見られており、望ましい療法としてはエアゾール薬剤がよく用いられ、全身性副作用を最小限にするようにしている。エアゾール療法の有効性は、判断と維持が困難な患者の協力によるところが大きいが、肺機能監視の重要性に寄与する。
【0009】
喘息の症状は時折突発的に発作を起こすように見えるが、通常は数日間継続する。喘息症状が緩やかに始まると、炎症過程を停止し逆進させる対応措置を開始する機会が得られる。発作予兆段階での早期治療が臨床症状の発現を著しく緩和する可能性があり、発作予兆段階から臨床症状の発現への移行をも共に妨げる可能性さえある。
【0010】
2つの技法が通常、喘息のモニタリングに用いられる。第一の技法は肺活量測定法で、肺で空気を給排する量を測定する装置である肺活量計を用いて肺機能を診断する。肺活量計に管を介して接続したマウスピースに患者が力強く給排した空気循環の動的状態を測定する。最大流量計は、肺活量計に似た簡単な構造の装置で、同じように使用される。第二の技法は専用の一酸化炭素モニタを用いて一酸化炭素濃度を測定することで肺機能を監視診断する方法である。この方法では、患者はチューブを介してモニタに繋がれたマウスピースに息を吹き込む。
【0011】
効率的な喘息管理には呼吸機能を日々モニタリングする必要があり、通常は非臨床的環境または家庭環境では実行困難な非現実的である。最大流量計や一酸化炭素モニタは肺機能状態の一般的な適応症を示すが、これらの計器には予測機能はなく、発作記録装置として用いられる。また、最大流量計や一酸化炭素モニタの稼働には患者の積極的な努力が必要であるが、子供や幼児から有効な監視結果を得ることは困難または不可能である。
【0012】
CHFは、弱っている心臓の状態や、身体の要求に合わせた血液の循環ができない状態である。それによる脚部、腎臓、肺の体液の増量が鬱血などの状態を特徴づける。その弱体状態は、異なった病因を有する心臓の左心と右心の一方もしくは両方に関連していることがある。大抵の場合、機能不全の左心であり、血液を全身循環させるために効率的に送り出すことができなくなる。その後の肺での流動鬱血は、呼吸困難や頻呼吸などを伴って呼吸速度や呼吸パターンなどに変化をもたらす。
【0013】
斯かる異常呼吸の定量化が、CHF経過を監視診断する基礎となる。たとえば、チェーン・ストークス呼吸(CSR)は、無呼吸と過呼吸を交互に繰り返す規則的な循環節の一回換気量の周期的振動に特徴付けられる呼吸パターンである。CSRは、多くの異なった病変(脳炎、脳循環障害、呼吸中枢の障害など)で観察され、心不全を悪化させる個々の危険因子として、また、CHF罹患患者の生存性の低下因子として認識されている。CHFは、CSRが睡眠を寸断する頻回の覚醒や交感神経同時活性化を伴う。他の異常呼吸パターンは周期性呼吸、呼気乃至吸息延長や、通常頻呼吸につながる呼吸数の段階的変化などを誘発することがある。
【0014】
胎児の健康については、遺伝的障害や発育障害用のスクリーニング手段として、あるいは、胎児成長を監視するための超音波画像装置と共に、ドプラ超音波変換法を利用して胎児の心電図を監視する装置を含むいくつかの検出撮画手段を用いて妊娠中全般に亘って監視することが行われる。活動期と休息期によって異なる成人の心拍数を観察方法と同じように、健康な乳児が高心拍数を示して活発に反応する状態を見ることができる。胎児の心拍数は、正常で健康な胎児で概ね毎分80〜250回の範囲で心拍数が変化し、運動に応じて多くなる。出生前に斯かる変動が不十分な場合は胎児の死亡率が高くなるという関連性がある。妊娠後期、特に、ハイリスク妊娠の場合、胎児の健康を監視診断して胎児仮死の初期徴候を識別するために定期的に胎児の心拍を監視する。胎児の健康を監視診断する現在の解決法はおおむね家庭環境には適していない。
【0015】
心弾動図記録法は、循環系の心臓および血液の運動に起因する身体の反跳運動の測定であって、トランスデューサによって循環系で血液が移動する際に血液の加速によって生じる身体のわずかな運動を検出する。たとえば、ここでの参照文献である米国特許第4657025号公報(発明者:Orlando)には一台のトランスデューサで心拍と呼吸数を検知する装置が開示されている。トランスデューサは、患者の心拍機能および呼吸機能の活動によって従来のベッド上で生じる振動の垂直方向の感度を高めるように構成された電磁センサーであり、ベッド上で休む患者と、ベッド上に患者から離して置かれたセンサーとの間には物理的接続がない状態で十分な感度を達成できる技術として開示されている。奇脈は、様々な心臓および心外状態に顕れる身体的徴候であり、これらは有用な診断的および予後的有意性を持つ。奇脈は通常、吸息中に10mmHg以上最大血圧が低下する現象として定義されている。奇脈は次の条件と関連づけられている。すなわち、心臓タンポナーデ、心外膜液、収縮性心内膜炎、拘束型心筋症、肺塞栓症、急性心筋梗塞、心臓性ショック、気管支喘息、緊張性気胸、アナフィラキシー性ショック、胃軸捻症、横隔膜ヘルニア、上大静脈閉塞などである。気管支喘息では、奇脈は軽度の障害と関連づけられることが多く、初期徴候として意味を持つので、奇脈には有意性がある。一般に、子供で奇脈を看ることは困難で、特に、緊急治療室では困難が伴う(例として、ブレンナー・BE等著「成人および子供の急性喘息の臨床所見」、ブレンナー・BE・エマージェンシー・アズマ(ニューヨーク:マーセル・デッカー、1999年:201〜232頁))。
【0016】
以下の特許公報および特許出願公報をここで参照する。
【特許文献1】米国特許第6,468,234号(Van der Loos)
【特許文献2】国際公開第WO 05/037077号(Tehrani)
【特許文献3】米国特許第6,547,743号(Brydon)
【特許文献4】米国特許第6,599,251号(Chen)
【特許文献5】米国特許第6,840,907号(Brydon)
【特許文献6】米国特許第6,290,654号(Karakasoglu)
【特許文献7】米国特許第6,485,441号(Woodward)
【特許文献8】米国特許第6,375,623号(Gavriely)
【特許文献9】米国特許第5,448,996号(Bellin)
【特許文献10】米国特許第6,223,064号(Lynn)
【特許文献11】米国特許第6,517,497号(Rymut)
【特許文献12】米国出願公開第2004/0225226号(Lehrman)
【特許文献13】米国特許第5,002,060号(Nedivi)
【特許文献14】米国出願公開第2004/0133079号(Mazar)
【特許文献15】米国特許第6,450,957号(Yoshimi)
【特許文献16】米国特許第5,522,382号(Sullivan)
【特許文献17】米国特許第5,853,005号(Scanlon)
【特許文献18】国際公開第WO 05/028029号(Stahmann)
【特許文献19】米国特許第6,666,830号(Lehrman)
【特許文献20】米国出願公開第2005/0043644号(Stahmann)
【特許文献21】米国特許第6,790,183号(Murphy)
【特許文献22】米国出願公開第60/504,229号(Stahmann)
【特許文献23】米国特許第6,168,568号(Gavriely)
【特許文献24】米国特許第6,047,203号(Sackner)
【特許文献25】米国特許第6,261,238号(Gavriely)
【特許文献26】米国出願公開第2003/0135127号(Sackner)
【特許文献27】米国特許第5,738,102号(Lemelson)
【特許文献28】米国特許第6,015,388号(Sackner)
【特許文献29】米国特許出願第2005/0085866号(Tehrani)
【特許文献30】米国出願公開第2004/0111040号(Ni)
【特許文献31】国際公開第WO05/037366号(Tehrani)
【特許文献32】米国出願公開第2005/0061315号(Lee)
【特許文献33】米国特許出願第2003/0004423号(Lavie)
【特許文献34】米国特許第5,879,313号(Raviv)
【特許文献35】米国特許第6,512,949号(Combs)
【特許文献36】米国特許第6,064,910号(Andersson)
【特許文献37】米国特許第6,454,719号(Greenhut)
【特許文献38】米国特許第6,126,595号(Amano)
【特許文献39】米国特許第6,600,949号(Turcott)
【特許文献40】米国特許第5,520,176号(Cohen)
【特許文献41】米国特許第6,527,729号(Turcott)
【特許文献42】米国特許第5,944,680号(Christopherson)
【特許文献43】米国特許第6,641,542号(Cho)
【特許文献44】米国特許第6,033,370号(Reinbold)
【特許文献45】米国特許第6,830,548号(Bonnet)
【特許文献46】米国特許第6,135,970号(Kadhiresan)
【特許文献47】米国特許第6,589,188号(Street)
【特許文献48】米国特許第6,751,498号(Greenberg)
【特許文献49】米国特許第5,902,250号(Verrier)
【特許文献50】米国出願公開第2004/0210155号(Takemura)
【特許文献51】米国特許第5,590,650号(Genova)
【特許文献52】米国特許第4,657,026号(Tagg)
【特許文献53】米国特許第6,893,404号(Ragnarsdottir)
【特許文献54】米国特許第5,235,989号(Zomer)
【特許文献55】米国特許第6,752,766号(Kowallik)
【特許文献56】米国特許第5,957,861号(Combs)
【特許文献57】米国特許第6,368,287号(Hadas)
【特許文献58】米国特許第6,383,142号(Gavriely)
【特許文献59】米国特許第6,375,621号(Sullivan)
【特許文献60】米国特許第6,436,057号(Goldsmith)
【特許文献61】米国特許第5,964,720号(PeIz)
【特許文献62】米国特許第6,856,141号(Ariav)
【特許文献63】米国特許第6,239,706号(Yoshiike)
【0017】
ショチャット・M等著「PedemaTOR:前臨床病期で肺浮腫を検知する革新的方法」(http://www.isramed。info/rsmm_rabinovich/pedemator.htmのサイトで閲覧可能)もここでの参照技術文献であり、肺水腫の前臨床検知用のインピーダンス・モニタを開示している。このインピーダンス・モニタは、皮膚電極インピーダンスを自動計算し、測定経胸腔インピーダンスを引くことで肺インピーダンスにほぼ等しい「内胸インピーダンス」を演算測定するものである。
【0018】
この文献では、呼吸数と心拍数の生物学的変調が喘息とCHFなどの慢性症状、および、ストレスなどの他の症状に有効であると示唆している。(米国特許第5,076,281号、同第5,800,337号、同第6,090,037号(Gavish)、同第6,662,032号(Gavish等)、米国特許出願公開第2004/0116784号(Gavish)参照)
前記生物学的変調は、連続測定を基にしたバイオフィードバック技法を用いる試みをしており、測定したパラメータの強度に係わる視覚/聴覚フィードバックを構成している。
【0019】
深い睡眠段階よりも軽度の睡眠乃至REM睡眠中に覚醒するほうが最適に目覚めることができると一部の研究者は信じている。たとえば、アクソン睡眠研究所(Axon Sleep Research Laboratories)(米国ロードアイランド州プロビデンス)で知的目覚まし時計(「スリープスマート」と呼称)が開発されており、睡眠サイクルをモニタして、その睡眠サイクル中の最適ポイントで使用者を起こすようになっている。「スリープスマート」は、使用者に生理データを測定するヘッドバンドを着けて睡眠をとらせる必要があり、睡眠中の呼吸と心拍情報から睡眠段階を認識できるとしている(例として、ここでの参照文献であるシャイナー・Z等著「心拍間隔の変化による覚醒の検証」、睡眠21(補3)、294頁(1998年)参照)。
【0020】
以下の文献をここで参照する。
【非特許文献1】アリハンカ・J等著「心弾動図、心拍数、呼吸の長期モニタリングの新方法」、Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 240、384〜392頁(1981年)
【非特許文献2】ベンツール・L等著「夜間喘息の評価と治療の反応のための子供における喘鳴モニタリング」、Eur Respir J 21(4)、621〜626頁(2003年)
【非特許文献3】チャン・AB等著「咳、気道炎症および軽度喘息悪化」、幼児期の疾病記録第86号、270〜275頁(2002年)
【非特許文献4】スウ・JY等著「頑固な咳症状の患者の咳頻度:24時間携帯レコーダによる評価」、Eur Respir J第7号、1246〜1253頁(1994年)
【非特許文献5】マック・D等著「生理学信号の非侵襲性の分析/NAPS/睡眠の質の低価格受動モニタと応用」、バージニア健康システム大学
【非特許文献6】コーパス・J著「咳音の分析/概説」、肺の薬物学第9号、261〜268頁(1996年)
【非特許文献7】ピーリラ・T等著「咳の客観的評価」、Eur Respir J 第8号、1949〜1956頁(1995年)
【非特許文献8】サルミ・T等著「フィルタ処理した音響信号おおび正電荷感知ベッドの運動を利用した咳の長期記録と自動分析」、胸第94号、970〜975頁(1988年)
【非特許文献9】サルミ・T等著「正電荷感知ベッドを用いた睡眠記録の自動分析」、脳波記録臨床神経生理学第64号、84〜87頁(1986年)
【非特許文献10】シュテークメイヤ-ストラッカ・PA等著「ファジー分類を用いた咳検出」、応用コンピュータ・シンポジューム、応用コンピュータについての1995年ACMシンポジューム議事録、米国テネシー州ナッシュビル、440〜444頁(1995年)
【非特許文献11】ヴァン・ダー・ロス・HFM等著「マルチセンサーベッドシーツからの微小生命徴候モニタリング」、北米リハビリテーション技術学会2001年、米国ニューヨーク州レノ、2001年6月22〜26日
【非特許文献12】ワリス・M等著「喘鳴自動検出の新方法」、Technol Health Care第6(1)号、33〜40(1998年)
【非特許文献13】「喘息管理についての英国ガイドライン/国立臨床ガイドライン」、英国胸部協会、スコットランド大学対抗ガイドライン・ネットワーク、2004年4月改訂版
【非特許文献14】ブレンナー・BE等著「成人および子供の急性喘息の臨床所見」、ブレンナー・BE・エマージェンシー・アズマ、ニューヨーク:マーセル・デッカー、1999年:201〜232頁
【非特許文献15】バレン等著「小児喘息のED治療の最新概念」、呼吸器医療総意報告(トムソン・アメリカン・ヘルス・コンサルタント、2003年12月28日)
【非特許文献16】「喘息管理」、KidsHealthウェブサイト(kidshealth.org/parent/medical/lungs/asthma_mgmt.html)
【非特許文献17】「喘息の徴候と症状」、インド胸部協会(インド、ムンバイ)(http://www.indianchestsociety.org/symptomsofasthma.htm)
【非特許文献18】「喘息で軽くなる呼吸」、Intermountain Health Care Clinical Education Services (http://www.ihc.com/xp/ihc/documents/clinical/10l/3/l/asthma_breathe.pdf)
【非特許文献19】「喘息のための医学相互臨床実用ガイドライン」、Medical Mutual、(米国オハイオ州クリーブランド) (http://www.medmutual.com/provider/pdf/resources/asthma4.pdf)
【非特許文献20】「ピーク・フロー学習センター」、National Jewish Medical and Research Center (http://www.njc.org/disease−info/diseases/asthma/living/tools/peak/index.aspx)
【非特許文献21】ミンツァー・R著「喘息発作について教師が知るべきこと」、家庭教育ネットワーク (http://www.familyeducation.com/article/0,L 12O,65−415,OO.html)
【非特許文献22】「私の子供は喘息ですか?」、ソラノ喘息協会、イーストベイ米国肺協会、(http://www.alaebay.org/misc_pdf7solano_asthma_coalition_child_asthma.pdf)
【非特許文献23】ポーテーッ・J著「喘息」(http://www.nku.edu/〜rad350/asthmajp.html)
【非特許文献24】プルーツ・T著「幼児喘息の追跡と治療」、J Respir Dis Pediatrician 5(2),67〜72頁(2003年)
【0021】
上記発明の背景で列挙した外国文献が、ここに開示する本発明に関する先行技術乃至類似技術であるとは限らない。
【発明の開示】
【0022】
本発明の実施例としての慢性症状のモニタリング方法は、主に夜間睡眠中の対象者の少なくとも一つの呼吸パターンと少なくとも一つの心拍パターンの一方もしくは両方を非侵襲的に監視することからなる。(a)喘息発作あるいは鬱血性心不全悪化などの迫り来る臨床症状を予測することと、(b)臨床症状が生じると臨床症状の重症性と進行度をモニタすることのいずれか一方乃至両方のために前記パターンを分析する。前記パターンを分析するには主に、当該パターンを夫々の基準パターンと比較する。迫り来る臨床症状の予測によって早期予防治療を容易にし、通常は必要な薬剤投与量を少なくすることができる。本発明の適用例として、身体温度、咳、睡眠不安定、血圧などの迫り来る臨床症状可能性の補足的潜在指標をモニタリングすることが含まれる。更なる応用として、臨床症状の予測乃至モニタリングは、1以上の補足的潜在指標のみを基にして行う。
【0023】
本発明の一実施例において、特に夜間睡眠全体(例えば、夜間睡眠の少なくとも80%)に亘る睡眠中における対象者の呼吸及び心拍に関係する身体運動をほぼ連続して取得することで呼吸および心拍パターンをモニタする。運動データを処理して、呼吸パターンを抽出できる少なくとも一つの周期的呼吸関連運動パターン、および、心拍パターンを抽出できる少なくとも一つの周期的心拍関連運動パターンのいずれか一方乃至両方を作りだす。本発明の他の応用として、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認できない検出装置を用いて運動データを取得する。他の応用として、上記検出装置は、主に対象者が睡眠するマットレス、マットレスパッド、マットレスカバー、シーツなどの下もしくは中に設けた、あるいは、呼吸および心臓活動によって起こる機械的摂動を検出する圧力ゲージまたは歪み計を備えてなる。本発明の更に他の応用として、咳および睡眠不安定などの補足的潜在指標を運動データからも抽出できる。データの収集は非侵襲(特に顕著でない)であるので、家庭環境において子供にも成人にも最適なモニタリングを適用できる。
【0024】
上記技術を利用することで、特に、対象者が症状を自覚する前に迫り来る臨床症状の検出が可能となる。例えば、特に喘息の発作も、対象者が呼吸数などの知覚可能な早期徴候を認識する前に予測することができる。また、特に、対象者の呼吸数が増加する前、例えば、呼吸数が基準(つまり、対象者が喘息症状を起こしていない時点での正常呼吸数)に対して10%若しくは5%程度ずつ20%ほど増加する前に喘息発作を予測できる。更に、対象者の毎秒の努力呼気肺活量(FEVl)が基準に対して10%減少する前に喘息発作を予測できる。臨床症状は、おおむね発作開始の少なくとも1時間、例えば、少なくとも4時間前に予測できる。ここに開示の検出技術は、対象者もしくは別の人間(例えば、対象患者もしくは医療従事者)の補助協力の態様を選ばない。
【0025】
本発明で定義するここでの「協力」とは、対象者の生理的パラメータを手作業もしくは実験的に(例えば、ある基準に立脚して)観察するようにして臨床症状を予測乃至監視する際に用いるための1以上の生理的パラメータを測定するヒトの積極的行動を意味する。夜、睡眠をとるために単純にベッドに横たわるような行動は、ここでの「協力」の範疇には入らない。同様に、最初に適切な場所(例えば、マットレスの下、あるいは、患者のいる着床部位)に検出装置を一回限り設置したり、あるいは、電池交換などのための定期保守を行うことも、測定の継続を容易にする「協力」の範疇に入らないと考える。同じように、測定した生理的パラメータの測定位置あるいは測定位置から離れたところでの人による処理も「協力」の範疇にならない。
【0026】
ここに記載の技術の有効性は一部、数種の慢性症状が睡眠中と覚醒時の正常な呼吸と心周期を妨害し、疾患特異な異常呼吸及び心拍パターンを引き起こす。様々な生理学的機序が呼吸および心拍パターンに変調を起こし、変調原因に関与する特殊なパターンをもたらす。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、生理学的異常などの呼吸器系疾患が呼吸および心拍パターンに変調を起こす。例えば、呼吸パターン変調生理学的異常には、(a)チェーン・ストークス呼吸(CSR)などの異常呼吸パターンや周期性呼吸を引き起こすことがある鬱血性心不全(CHF)、(b)糖尿病によって起こるような低血糖症、(c)神経系疾病によって起こるような異常自律神経系活動がある。
【0027】
心臓病にける周期的悪化中に起こりがちな肺細胞の体液鬱滞は心臓活動や呼吸パターンの変化と相関がある。本発明の一実施例において、特に、家庭における慢性心不全対象者のモニタリング方法を提供する。本発明の他の実施例において、夜間睡眠中の呼吸および心拍パターンを非侵襲的にモニタすることによって対象者の心臓状態の予測と評価診察する方法を提供する。本発明の更に他の実施例において、肺体液の早期増量が見られた上の心臓病の迫り来る臨床悪化の早期警告を出し、臨床症状が劇症に移行する前の治療を容易にする方法を提供する。
【0028】
本発明の他の実施例において、迫り来る臨床症状あるいは発症を伴う咳発作を検出および診断評価のいずれか一方もしくは両方を行う。喘息の場合、軽度の咳症状は臨床的喘息発作の迫り来る発症を示す重要な早期の発作予兆指標となることが多い。鬱血性心不全(CHF)では、咳症状が、心不全悪化あるいは心血管不全による肺の体液鬱滞の早期警告になることがある。本発明の他の実施例において、睡眠中の過度の身体運動によって発症する夜行性の情動不安の客観的尺度を求める方法を提供する。
【0029】
典型的には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認できない検出装置を用いて運動データを取得する。適用例としては、睡眠時周期的脚運動(PLMS)を判別する。この症状の発症およびその程度が、CHF、糖尿病、貧血症、腎臓病、喘息などの慢性症状の発現乃至悪化の指標となる。
【0030】
本発明の他の実施例において、夜間睡眠中に呼吸数、心拍数、咳症状などのパラメータを監視測定する。前記パラメータを連続的に分析するか、午前中など睡眠終結後に分析して迫り来る臨床発作を予測する。午前中乃至午後遅くに対象者に対して臨床発作の徴候を予知警報する。臨床発作の徴候を予知した後少なくとも数時間の間は臨床徴候は見られない。よって、その日の午前乃至午後遅くまでの臨床発作を発症する前に、対象者が不必要に睡眠を阻害されることなく予防措置をとるための時間を十分確保できる。本発明の適用例として、迫り来る臨床発作の重症度と緊急性を予測し、斯かる重大と緊急症状に対応して対象者を覚醒させるかどうかを判断するために前記パラメータを分析する。
【0031】
本発明の他の実施例において、医療に関して対象者がその時点で受ける薬剤および投与量の情報などを考慮して、測定パラメータの基準パラメータとの偏差を評価分析して臨床発作を予測または監視する。本発明の適用例として、前記情報を他の用途に用いる場合に対象患者もしくは医療従事者によって手動で薬剤投与装置から薬物療法を直接に受けることができる。
【0032】
本発明の実施例における方法は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の睡眠中に対象者の運動関連パラメータを検出し分析する処理を含む。前記分析の少なくとも一部に応じて、対象者に投与する薬剤の投与量を決定し、対象者自身が投与薬剤投与装置に投与量を設定する。通常は、薬剤の臨床効果を観察して、薬剤投与装置にフィードバックし、薬剤投与量を維持更新する。本発明の実施例において、妊婦の胎児を監視する方法を提供する。
【0033】
この方法は、対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する。応用例として、対象者が寄りかかる支持面(標準的なベッド等)の中、上、下のいずれかの圧力を測定して運動関連パラメータを検出する。運動関連パラメータを分析して、胎児の心拍または胎児の運動量を求める。
【0034】
本発明の実施例において、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理を含む。心拍関連信号および呼吸関連信号は運動関連パラメータから導く。呼吸関連信号によって心拍関連信号を逓倍するなどして呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する。
【0035】
本発明の実施例において、臨床症状の発症を予測する方法を提供する。この方法は、対象者の心拍関連身体運動の時間領域信号を取得して、この時間領域信号を周波数領域信号に変換する。ピーク周波数の1以上の高調波を識別し、当該1以上の高調波とピーク周波数とのエネルギレベルの1以上の比率を計算し、1以上の基準比率と比較する。症状の発症は、比較結果の少なくとも一部に応じて予測する。
【0036】
本発明の実施例において、ある程度の生理的振戦の高まりを識別することで糖尿病患者の低血糖症の発症の早期徴候を特定するための方法を提供する。特に、約4Hz〜約18Hz、更には、約8Hz〜約12Hzの身体の運動を監視して生理的振戦を検出する。別の方法として、生理的振戦の度合いの高まりは、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳梗塞、本態性振戦、癲癇、ストレス、心細動、アナフィラキシー性ショックなどの症候群から選ばれた一症状の発症または進行経過を意味するものと考えられる。本発明の実施例において、低血糖症は動悸を識別する心臓信号の分析によって特定する。
【0037】
本発明の実施例において、呼吸関連運動収集モジュールと、呼吸パターン分析モジュールと、出力モジュールからなる慢性症状の監視システムを提供する。
【0038】
したがって、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて症状の発現を予測することを特徴とする臨床症状の発症を予測する方法を提供する。
【0039】
本発明の適用例として、呼吸パターンには、対象者の呼吸数パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸数パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸パターンとの比較が含まれている。
【0040】
本発明の他の応用として、前記比較処理には、少なくとも一つの無症候性期中に対象者の呼吸を分析することで呼吸数パターンを測定する処理が含まれている。本発明の別の応用として、前記比較処理には母集団平均の呼吸数パターンに対応する基準呼吸パターンの設定処理が含まれている。
【0041】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、対象者の長い吸息時間もしくは長い呼気時間に対応する発症を予測する処理が含まれている。本発明の適用例として、呼吸パターンは、連続する吸息期および呼気期よりなり、発症の予測には、吸息期および呼気期の少なくとも一方が長くなる傾向にある現象に対応して発症を予測する処理が含まれている。
【0042】
本発明別の応用として、臨床発作には、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、CHF、糖尿病、癲癇などの症候群から選ばれた一症状に関係する症状を含む。
【0043】
本発明の実施例における呼吸パターンには、呼吸負荷サイクルパターンが含まれ、発症の予測には、対象者の呼吸負荷サイクルの増加に対応させた発症の予測が含まれる。
【0044】
本発明の適用例として、対象者の呼吸検出には、喘鳴によって生じる音、咳による音などの少なくとも一つの呼吸関連音を検出する処理が含まれ、その発症の予測には、呼吸関連音の態様に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0045】
本発明の別の応用として、対象者の呼吸の検出には、喘鳴によって生じる機械的振動および咳などによって生じる機械的な振動などの少なくとも一つの呼吸関連機械振動を検出する処理が含まれ、その発症の予測には、呼吸関連機械振動の態様に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0046】
本発明の実施例における呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その発症の予測には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して発症を予測することによって実行する。本発明の他の適用例として、呼吸検出には、対象者の呼吸音および呼吸気流量のうちの少なくとも一方を検出する処理が含まれている。本発明の別の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0047】
本発明の実施例における呼吸パターンと基準呼吸パターンには夫々、徐呼吸数傾向パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとの比較処理が含まれる。本発明の適用例として、基準徐呼吸数傾向パターンには、少なくとも1時間に亘る呼吸数単調減少が含まれ、発症予測には、徐呼吸数傾向パターンと呼吸数単調減少との差に対応する発症の予測処理が含まれる。
【0048】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。本発明の他の適用例として、呼吸パターンの測定には、呼吸関連運動パターンを決定する身体運動データを分析し、呼吸関連運動パターンに応じて呼吸パターンを測定する処理が含まれる。本発明の別の適用例として、呼吸パターンの測定には、身体運動データから非呼吸関連運動データを除去する処理が含まれる。たとえば、身体運動データからの非呼吸関関連運動データの除去には、周波数領域スペクトル分析または時間領域回帰分析などの分析技術を適用する処理が含まれる。
【0049】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。本発明の適用例において臨床発作には、喘息発作が含まれ、この発作の発症の予測には、喘息の発作の発症を予測する処理が含まれる。本発明の他の適用例として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の適用例として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0050】
本発明の適用例として、呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その発症の予測には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して発症を予測することによって実行する。
【0051】
本発明の実施例において、臨床発作中の対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも一つの比較結果に応じて発作の進行経過を診断評価する方法を提供する。
【0052】
本発明の適用例として、呼吸パターンには、対象者の呼吸数パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸数パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸パターンとの比較が含まれている。
【0053】
本発明の適用例として、症状経過の診断評価には、対象者の長い吸息時間もしくは長い呼気時間に対応する症状経過を診断評価する処理が含まれている。
【0054】
本発明の適用例として、呼吸パターンは、連続する吸息期および呼気期よりなり、症状経過の診断評価には、吸息期および呼気期の少なくとも一方が長くなる傾向にある現象に対応して症状の診断評価する処理が含まれている。
【0055】
本発明別の適用例として、臨床発作には、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、CHF、糖尿病、癲癇などの症候群から選ばれた一症状に関係する症状を含む。
【0056】
本発明の実施例における呼吸パターンには、呼吸負荷サイクルパターンが含まれ、症状経過の診断評価には、対象者の呼吸負荷サイクルの増加に対応させた症状経過の診断評価が含まれる。
【0057】
本発明の適用例として、対象者の呼吸検出には、喘鳴によって生じる音、咳などの症状から選ばれた少なくとも一つの呼吸関連音を検出する処理が含まれ、その症状経過の診断評価には、呼吸関連音の態様に応じて臨床症状の経過の診断評価する処理が含まれる。本発明の他の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0058】
本発明の別の適用例として、対象者の呼吸の検出には、喘鳴によって生じる機械的振動および咳などによって生じる機械的な振動などの少なくとも一つの呼吸関連機械振動を検出する処理が含まれ、その臨床症状の経過を診断評価には、呼吸関連機械振動の態様に応じて発症の経過の診断評価する処理が含まれる。本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、症状の状態に応じて喘息発作の経過の診断評価する処理が含まれる。
【0059】
本発明の実施例における呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その臨床症状の経過を診断評価には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて臨床症状の経過を診断評価する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して臨床症状の経過を診断評価することによって実行する。本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の重症度を診断評価する処理が含まれる。
【0060】
本発明の実施例における呼吸パターンと基準呼吸パターンには夫々、徐呼吸数傾向パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとの比較処理が含まれる。本発明の適用例として、基準徐呼吸数傾向パターンには、少なくとも1時間に亘る呼吸数単調減少が含まれ、発症の経過の診断評価には、徐呼吸数傾向パターンと呼吸数単調減少との差に対応して症状の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0061】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の他の応用として、呼吸パターンの測定には、呼吸関連運動パターンを決定する身体運動データを分析し、呼吸関連運動パターンに応じて呼吸パターンを測定する処理が含まれる。
【0062】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。本発明の適用例において臨床発作には、喘息発作が含まれ、この症状の経過の診断評価には、喘息の発作の重症度を診断評価する処理が含まれる。本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0063】
本発明の適用例として、呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その症状の経過の診断評価には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて症状の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0064】
本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して症状の経過を診断評価することによって実行する。
【0065】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを求め、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて鬱血性心不全(CHF)に関連する異常呼吸パターンを検出する方法を提供する。
【0066】
本発明の適用例として、呼吸パターンの測定には対象者の呼吸数パターンを測定する処理が含まれ、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には呼吸数パターンと基準呼吸パターンとを比較する処理が含まれる。
【0067】
本発明の適用例として、異常呼吸パターンの検出にはチェーン・ストークス呼吸(CSR)を検出し、周期性呼吸および頻呼吸のいずれか一方もしくは両方を検出する処理が含まれる。
【0068】
本発明の実施例において、呼吸検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。
【0069】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。
【0070】
本発明の適用例として、異常呼吸パターンの検出にはチェーン・ストークス呼吸(CSR)を検出し、周期性呼吸および頻呼吸のいずれか一方もしくは両方を検出する処理が含まれる。
【0071】
本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0072】
本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを求め、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて対象者の症状に関連する異常呼吸パターンを検出し、斯かる対象者の症状が慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、癲癇のいずれかであることを特徴とする方法を提供する。
【0073】
本発明の適用例として、呼吸パターンの測定には対象者の呼吸数パターンを測定する処理が含まれ、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には呼吸数パターンと基準呼吸パターンとを比較する処理が含まれる。
【0074】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。
【0075】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。
【0076】
本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0077】
本発明の実施例によって、更に、対象者の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0078】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の経過を診断評価する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0079】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて鬱血性心不全(CHF)に関連する異常呼吸パターンを検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0080】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて対象者の症状に関連する異常呼吸パターンを検出する制御ユニットよりなり、前記対象者の症状が慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、癲癇のいずれかであることを特徴とする装置を提供する。
【0081】
更に、本発明の実施例によって、夜間睡眠中の呼吸数変動パターンを測定し、前記測定呼吸数変動パターンを正常呼吸数変動パターンと比較し、迫り来る臨床発作の可能性あるいは進行中の発作の経過乃至重症度を測定することからなる臨床発作予測および診断評価方法を提供する。
【0082】
本発明の適用例として、呼吸数変動パターンの測定は、複合身体運動信号の測定と、前記複合身体運動信号からの周期的呼吸関連運動信号の抽出によって実行する。または、呼吸数変動パターンの測定は、口と鼻のいずれか一方もしくは両方からの呼吸作用の空気循環を測定することで実行する。または、呼吸数変動パターンの測定は、胸部、背部、首、顔のうちのいずれか一つもしくは組み合わせたところの気道音および肺音の音響測定によって実行する。
【0083】
本発明の適用例として、前記正常呼吸数パターンの測定は、無症候期の患者から情報を求めて行う。本発明の他の応用として、正常呼吸数パターンの測定は、年齢、身長、体重、性別などの同じ特徴を持つ正常な健常対象の平均的パターンから情報を求めて行う。
【0084】
本発明の適用例として、呼吸数変動パターンの測定には、(1)数秒から数分の標準的持続時間の周期性パターンと、(2)通常数時間継続する時間において区分化された単調減少呼吸数の減少傾向のいずれか一方もしくは両方が含まれる。
【0085】
本発明の適用例として、前記比較は、前記呼吸数変動パターンの前記正常呼吸数変動パターンからの偏差度の計算に基づいて行う。
【0086】
本発明の実施例における臨床発作は臨床的喘息発作である。
【0087】
本発明の適用例として、臨床発作は、呼吸数パターンに影響を及ぼす糖尿病、心臓異常、神経障害、癲癇などの何らかの慢性疾患に関連する。
【0088】
更に、本発明の実施例によって、呼吸を測定する呼吸センサーと、呼吸センサーからの出力を増幅する増幅器と、増幅出力をデジタル化するA/Dカードと、呼吸数パターンを抽出して当該パターンを正常パターンと比較する処理装置と、数値、文字列、グラフなどの結果を表示乃至臨床予後支援センターへの送信を行う出力装置とからなる臨床発作診断評価および予測装置を提供する。
【0089】
本発明の適用例として、呼吸センサーを、ベッドマットレスの下あるいは中に取り付ける運動感知センサーとして備え付ける。あるいは、呼吸センサーを、対象者の顔に向ける空気循環検出器として備え付ける。あるいは、呼吸センサーを、対象者の顔、胸部、背部に向けるか取り付ける音響検出器として備え付ける。
【0090】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理し、前記運動関連パラメータから心拍関連信号乃至呼吸関連信号を抽出し、前記呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を変調することからなる方法を提供する。
【0091】
本発明の適用例として、心拍関連信号の変調には、呼吸関連信号による心拍関連信号の変調処理が含まれる。本発明の他の応用として、運動関連パラメータからの心拍関連信号乃至呼吸関連信号の抽出には、心拍関連周波数範囲と呼吸関連周波数範囲における運動関連信号を選別する処理が含まれる。本発明の別の応用として、心拍関連周波数範囲は0.8Hz〜5Hzの範囲である。本発明の更に他の応用として、呼吸関連周波数範囲は0.05Hz〜0.8Hzの範囲である。
【0092】
本発明の実施例によって、対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出し、前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求めることからなる妊婦の胎児の心拍を測定する方法を提供する。
【0093】
本発明の実施例における運動関連パラメータの検出には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0094】
本発明の実施例における方法には、胎児モニタによる音をシミュレートすることで検出した胎児の心拍の音響信号を生成する処理が含まれる。
【0095】
本発明の適用例として、本発明の方法には検出した胎児の心拍を分析して胎児の心拍変動の測定値を判定する処理が含まれる。本発明の適用例として、胎児の心拍の抽出には、胎児の心拍と母体の心拍の双方を表す運動関連パラメータから第一の信号を求め、前記第一の信号から、母体の心拍を除いた胎児の心拍のみを表す第二の信号を求める処理が含まれる。
【0096】
本発明の適用例として、前記胎児の心拍の抽出には、運動関連パラメータから(a)母体の呼吸関連信号と、(b)胎児の心拍関連信号を抽出し、母体の呼吸関連信号を用いて胎児の心拍関連信号を変調する処理が含まれる。
【0097】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに妊婦の運動関連パラメータを検知し、前記運動関連パラメータから胎児の運動測定値を導き出すことからなる妊婦内の胎児の運動を監視する方法を提供する。
【0098】
本発明の実施例における運動関連パラメータの検知には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0099】
また、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、当該パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する
ことからなる方法を提供する。
【0100】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸関連時間領域信号を求め、時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求め、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、
前記関係を基準関係レベルと比較し、
比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症を予測する方法を提供する。
【0101】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する血圧監視方法を提供する。
【0102】
本発明の適用例として、運動関連パラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する処理が含まれる。
【0103】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、当該パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて対象者に投与する薬剤の初期投与量を決定し、対象者によって薬剤投与装置で初期薬剤投与量を設定することからなる血圧監視方法を提供する。
【0104】
本発明の適用例として、パラメータ分析には、薬剤投与装置から設定初期投与量で投与される薬剤の臨床効果を分析し、分析結果に応じて決まる薬剤投与量が初期投与量と異なる場合は更新設定し、斯かる更新設定投与量を薬剤投与装置に設定する処理が含まれる。
【0105】
更に、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、 前記パラメータを分析し、対象者に投与する薬剤に関するデータを取得し、前記分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作発症予測方法を提供する。
【0106】
本発明の適用例として、前記薬剤投与データを取得する処理には、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置からの薬剤投与データを取得する処理が含まれる。本発明の他の応用として、前記薬剤投与データには、薬剤投与量が含まれる。本発明の別の応用として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0107】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を評定し、評定臨床発作に応じて対象者に備えた装置を用いて臨床発作の治療を行うことを特徴とする臨床発作治療方法を提供する。
【0108】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定することからなる方法を提供する。
【0109】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0110】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出することからなる方法を提供する。
【0111】
この実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0112】
また、本発明の実施例によって、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けた単一センサーを用いて対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、前記パラメータを分析して対象者の咳を検出する方法を提供する。
【0113】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0114】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、対象者の心拍を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定すると共に、検出心拍に応じて対象者の少なくとも1つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較すると共に心拍パターンと基準心拍パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0115】
この実施例における少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンの測定には、対象者の少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンを夫々測定する処理が含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを比較する処理が含まれ、少なくとも1つの心拍パターンの測定には心拍数パターンと基準心拍数パターンを比較する処理が含まれる。
【0116】
この実施例における呼吸と心拍の検出には、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを検出し、前記少なくとも一つの運動関連パラメータから呼吸と心拍を導き出す処理が含まれる。本発明の適用例として、前記方法には、前記運動関連パラメータから少なくとも一つの付加生理的パラメータを導き出し、発症の予測には比較結果の少なくとも一部および前記付加生理的パラメータに応じて発症の予測を行う処理が含まれる。本発明の適用例として、前記付加生理的パラメータは、対象者の咳症状の程度、対象者の吸気に対する呼気率、対象者の血圧、睡眠不安定度、睡眠中の中途覚醒度などを基に設定される。
【0117】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、対象者の咳症状の程度を測定し、斯かる比較結果と測定咳症状の程度の結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0118】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、対象者の血圧を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、斯かる比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法を提供する。
【0119】
更に、本発明の実施例によって、対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定することを特徴とする心拍数測定方法を提供する。
【0120】
本発明の適用例として、心拍数の測定には、第一および第二パルス信号の相互相関信号を計算し、心拍数を相互相関信号の周波数と定める処理を含む。本発明の他の応用として、対象者の第二部位には対象者の脚部近傍をも含まれる。
【0121】
本発明の実施例における第一および第二パルス信号の検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで第一および第二パルス信号を検出する処理も含まれる。
【0122】
本発明の適用例として、第一パルス信号の検出には、第一部位近傍における対象者の第一運動関連パラメータを検出し、第一運動関連パラメータから第一パルス信号を導き出す処理が含まれ、第二パルス信号の検出には、第二部位近傍における対象者の第二運動関連パラメータを検出し、第二運動関連パラメータから第二パルス信号を導き出す処理が含まれる。
【0123】
本発明の他の応用として、本実施例における方法には、心拍数に応じて臨床発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0124】
更に、本発明の実施例によって、対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定することからなる方法を提供する。
【0125】
本発明の適用例として、第一および第二運動関連信号の分析には、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理が含まれる。
【0126】
本発明の他の応用として、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれると共に、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0127】
更に、本発明の実施例によって、対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定することからなる方法を提供する。
【0128】
本発明の適用例として、第一および第二運動関連信号の分析には、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理が含まれる。本発明の他の応用として、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれ、検出に脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0129】
更に、本発明の実施例によって、異なる第一および第二閾値を設定し、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成することを特徴とする対象者をモニタリングする方法を提供する。
【0130】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含み、スコアを生成するためのパラメータ分析に、複数のパラメータを分析してスコアを生成する処理を含む。
【0131】
本発明の適用例として、前記パラメータに対象者の呼吸関連パラメータを含み、パラメータの分析には、前記パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較する処理が含まれる。
【0132】
本発明の適用例として、少なくとも一つの前記パラメータには対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも一つの運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0133】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出することを特徴とする奇脈検出方法を提供する。
【0134】
この実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0135】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0136】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0137】
本発明の適用例として、発症の予測には、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理が含まれる。
【0138】
本発明の適用例として、発症予測には、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0139】
本発明の他の応用として、発症予測には、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。別の態様としての方法は、対象者の咳の程度を測定し、前記検出パラメータと斯かる咳の程度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0140】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。本発明の実施例における方法は、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を含む。
【0141】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの呼吸関連パラメータの検出処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する処理が含まれ、喘息発作の発症予測には、呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0142】
本発明の適用例として、発症予測には、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0143】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。本発明の適用例として、前記少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる面上あるいはその下に設けた単一センサーを用いて圧力を測定する処理を含む。
【0144】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法を提供する。
【0145】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0146】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0147】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0148】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧の検出処理が含まれ、発症の予測には、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0149】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測方法を提供する。
【0150】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含む。
【0151】
本発明の実施例における臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0152】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の110%未満、特に、基準無症候性呼吸数の105%未満の時に発症を予測する処理を含む。
【0153】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、 対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0154】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含む。
【0155】
本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測することを特徴とする臨床症状の発症予測方法を提供する。
【0156】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0157】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理が含まれている。
【0158】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0159】
本発明の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0160】
更に、本発明の実施例によって、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作発症予測方法を提供する。
【0161】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含む。
【0162】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0163】
本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0164】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理が含まれている。
【0165】
本発明の適用例として、前記設定時間は少なくとも4時間の継続時間であり、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも4時間の間、ほぼ連続して少なくとも1つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0166】
更に、本発明の実施例によって、対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症の少なくとも1時間前に臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床症状の発症予測方法を提供する。
【0167】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0168】
本発明の実施例における臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症の予測処理が含まれる。
【0169】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0170】
更に、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算することからなる方法を提供する。
【0171】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者の少なくとも2つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて前記確率を計算する処理が含まれる。
【0172】
本発明の他の応用として、上記方法には、前記確率が閾値を越えた場合に対象者に通知する処理が含まれる。
【0173】
本発明の実施例における臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症の予測処理が含まれる。
【0174】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0175】
本発明の実施例における確率の計算には、前記パラメータの統計的平均値を含むデータの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理が含まれる。別の方法として、可能性の計算には、前回発生の臨床発作を分析して前記パラメータに係わる対象者固有のデータを生成し、前記データの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理が含まれる。
【0176】
更に、本発明の実施例によって、人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する方法を提供する。本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0177】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0178】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理が含まれる。
【0179】
本発明の他の応用として、人の協力なく少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0180】
本発明の実施例における臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0181】
他の実施例における臨床発作には、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、発症の予測にはCHFに伴う発作の発症を予測する処理が含まれる。更に代替実施例における臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、その発症の予測には低血糖症の発作の発症を予測する処理が含まれる。更に他の代替実施例における臨床発作には、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作などが含まれ、この実施例における発作発症の予測には前記臨床発作を予測する処理が含まれる。
【0182】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する処理が含まれる。本発明の適用例として、発症予測には、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0183】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、運動関連パラメータから心拍関連信号および呼吸関連信号を導き出して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する制御ユニットからなる装置を提供する。
【0184】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める制御ユニットからなる妊婦の胎児の心拍を測定する装置を提供する。
【0185】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の胎児の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、 前記運動関連パラメータから胎児の運動値を求める制御ユニットからなる妊婦の胎児の運動を監視する装置を提供する。
【0186】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、ユーザーインターフェースと、前記パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0187】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸関連時間領域信号を求めるセンサーと、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求める制御ユニットとからなり、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、前記関係を基準関係レベルと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0188】
更に、本発明の実施例によって、象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで運動関連パラメータを検出する被接触センサーと、当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0189】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、分析結果の少なくとも一部に応じてパラメータを分析し、薬剤の初期投与量を決定し、初期投与量を薬剤投与装置に指示する制御ユニットとからなる対象者治療装置を提供する。
【0190】
また、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、前記パラメータを分析し、対象者へ投与する薬剤のデータを受け取り、分析結果と薬剤投与データの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0191】
本発明の適用例として、前記装置に、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、前記薬剤投与装置からの薬剤投与データを受け取る制御ユニットとを備えることができる。
【0192】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、対象者に埋め込まれた治療装置と、前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を検出し、臨床発作の検出に応じて臨床発作を治療する治療装置を駆動する制御ユニットとからなる臨床発作治療装置を提供する。
【0193】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する制御装置とからなる装置を提供する。
【0194】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに検出するセンサーと、前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0195】
更に、本発明の実施例によって、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けられ対象者の少なくとも一つのパラメータを検知する単一センサーと、前記パラメータを分析して対象者の咳症状を検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0196】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸および対象者の心拍を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出心拍の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、且つ、心拍パターンを基準心拍パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0197】
本発明の適用例として、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、心拍を検出する第二センサーとからなる。
【0198】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、対象者の咳の程度を測定し、比較結果および咳の程度の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0199】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸および対象者の血圧を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットとからなる鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症予測装置を提供する。
【0200】
本発明の適用例として、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、血圧を検出する第二センサーとからなる。
【0201】
更に、本発明の実施例によって、対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第一非接触センサーと、対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第二非接触センサーと、第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する制御ユニットとからなる拍数測定装置を提供する。
【0202】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0203】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0204】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、ユーザーインターフェースと、異なる第一および第二閾値を設定し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する制御ユニットとからなる対象者を監視する装置を提供する。
【0205】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する制御ユニットとからなる奇脈検出装置を提供する。
【0206】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0207】
本発明の適用例として、前記装置は、ユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する制御ユニットとを備えている。本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。本発明の別の応用として、圧力計には単一の圧力計を用いる。
【0208】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて発作を予測する制御ユニットとからなる鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測装置を提供する。
【0209】
本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。
【0210】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーを有し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0211】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0212】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、 臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0213】
また、本発明の実施例によって、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0214】
また、本発明の実施例によって、対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作が発症する少なくとも1時間前に発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0215】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0216】
また、本発明の実施例によって、人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0217】
本発明の一実施例における、センサーには、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーが設けられている。本発明の別の応用として、センサーによって対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記装置にユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットを設けてなる。
【0218】
本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。
【0219】
本発明における実施例に係わる上記の装置は上記の1以上の方法を実行する。たとえば、上記装置の制御ユニットに、前記方法(分析プロセス)の1以上の処理を実践させてもよく、また、上記装置のセンサーに、前記方法の1以上の検出処理を実践させてもよい。
【0220】
本発明を、添付図面を参照に以下に説明する実施例に基づいて明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0221】
図1は、本発明の実施例による対象者12の臨床的病状をモニタリングするシステム10の概略図である。システム10は主に、運動センサー30と、制御ユニット14と、ユーザーインターフェース24とからなる。本発明の一適用例としては、ユーザーインターフェース24を図示のように制御ユニット14に合体でき、別の適用例では、ユーザーインターフェースと制御ユニットを分離した構成にできる。本発明の適用例として、運動センサー30を図示のように制御ユニット14に合体でき、この場合も、ユーザーインターフェースを制御ユニットに合体あるいは分離した構成にできる。
【0222】
図2は、発明の実施例おける制御ユニット14の構成を示す概略ブロック図である。制御ユニット14は主に、運動データ取得モジュール20とパターン分析モジュール16とからなる。
【0223】
パターン分析モジュール16は主に、次のモジュールを1以上からなる。すなわち、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23と、咳分析モジュール26と、不安分析モジュール28と、血圧分析モジュール29と、覚醒分析モジュール31とからなる。本発明の適用例として、2以上の分析モジュール20、22、23、26、28、29、31を1つのハウジングにパッケージしている。本発明の他の適用例として、複数のモジュールを別々にパッケージしている(たとえば、運動データ取得モジュール20によって局所的に得られる呼吸信号の1以上のパターン分析モジュールによって遠隔分析が可能になるようにする)。本発明の別の適用例として、LCDやCRTモニタなどの専用表示装置でユーザーインターフェース24を構成する。別の方法として、ユーザーインターフェース24に、未処理データ乃至処理済みデータを離れた場所に送って分析乃至判定を行うための通信ラインを備えている。
【0224】
本発明の実施例における運動データ取得モジュール20は、対象者の呼吸パターンおよび心拍パターンを非侵襲的にモニタする機能を備えている。呼吸パターン分析モジュール22および心拍パターン分析モジュール23は、(a)喘息発作や心臓疾患関連肺液鬱滞などの迫り来る臨床発作を予測し、(b)臨床発作が起こった時点で発作の重症度および経過をモニタするために夫々のパターンを分析する機能を有する。ユーザーインターフェース24は、対象者12乃至医療従事者に予想される発作あるいは発症した発作を通知する機能を有する。迫り来る臨床発作の予測によって早期予防的治療を容易にし、通常、薬剤の必要投与量を少なくし、死亡率や疾病率を低下させる効果がある。喘息を治療する際、投与量を少なくすると、通常、一旦発作が始まると炎症状態をなくすのに要する高投与量による副作用を最小限に抑えることが可能になる。
【0225】
本発明による実施例におけるパターン分析モジュール16によって、2以上の分析モジュール20、22、23、26、28、29で生成するパラメータデータを連結し、臨床徴候の予測およびモニタのいずれか一方もしくは両方を行うために連結データを分析する。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16によって、(特定患者用、もしくは、母集団平均に基づく)基準値からのパラメータ偏差に基づく夫々のパラメータのスコアを導き出す。パターン分析モジュール16によって、平均、最大、標準をとるようなスコア、あるいは、機能スコアを組み合わせる。連結スコアを1以上の閾値(既定値)と比較し、発作を予測するか、その時点で発作を発症しているのか、あるいは、予測も発症もしていないかどうかを判断することと、発作を起こしている場合は、その重症度と経過をモニタすることのいずれか一方もしくは両方を行う。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16は、特定患者もしくは個人履歴に基づく患者群の個人パラメータスコアを組み合わせるための基準乃至機能を学習する。たとえば、パターン分析モジュール16に前回の臨床徴候に先立って測定したパラメータを分析することで学習を実行させるようにできる。
【0226】
システム10にいつでも呼吸パターンおよび心拍パターンをモニタさせることで、いくつかの症例について夜間睡眠中のこれらのパターンを監視するのが効果的になる。対象者が覚醒している時、監視状態に関係のない肉体的・精神的な活動が呼吸パターンや心拍パターンに影響を与えることが多い。そうした関係のない活動は通常、夜間睡眠中に影響を及ぼすことは少ない。本発明の適用例として、システム10によって、夜間の全時間あるいは大半に亘ってパターンを監視および記録する。結果的に得られる一連のデータには通常、典型的な長期呼吸パターンおよび心拍パターンが含まれ包括的な分析を容易にする。大量の一連のデータによって、統計的に有意な分析に必要なデータを保持しながら運動や他の人為的動作で損なわれる要素を無効にすることができる。
【0227】
図2に参照できるように、運動データ取得モジュール20は主に、運動センサー30が生成した未処理運動信号を処理する回路からなり、当該回路には少なくとも一つのプリアンプ32と、少なくとも一つのフィルタ34と、アナログ−デジタル(A/D)コンバータ36などが含まれる。フィルタ34は主に、サンプリングレートの半分以下のカットオフ周波数を有するアンチエイリアスフィルタとして機能するバンドパスフィルタ乃至ローパスフィルタよりなる。通常、ローパスデータを少なくとも10Hzのサンプリングレートでデジタル化してメモリに格納する。たとえば、アンチエイリアスフィルタでのカットオフ周波数を5Hzに定め、サンプリングレートを40Hzに設定する。
【0228】
図1に示すように、本発明の実施例における運動センサー30は、圧力計(たとえば、圧電センサー)、あるいは、歪み計(たとえば、シリコン等の歪みゲージや、金属歪みゲージなど)よりなり、通常は、たとえば、対象者が睡眠をとる時などに対象者が寄りかかる支持面37の中、上、下のいずれかに設け、対象者の呼吸関連運動や心拍関連運動を検出するのに使用される。ここでの「圧力計」は特に限定するものでなく、ここでの使用態様に適した計器を用いる。「支持面37」は主に、マットレス、マットレス掛け布、シーツ、マットレスパッド、マットレスカバーなどを指す。本発明の適用例として、運動センサー30を、たとえばマットレスなどの支持面37に組み込んで、運動センサーと支持面を一体化させる。また、本発明の他の適用例として、運動センサー30を、対象者の腹部38や胸部39に近いたとえばマットレスなどの支持面37の中、上、下のいずれかに設けてもよい。別の方法として、運動センサー30を、対象者の腰部下位部あるいは脚部近傍などの対象者12の解剖学的部位の近傍の支持面37の中、上、下のいずれかに設けても良い。本発明の適用例として、斯かる設置位置では、対象者の腹部38または胸部39の近傍にセンサーを位置させたよりも明瞭なパルス信号を拾うことができる。本発明の別の適用例として、運動センサー30は、たとえば「応用光学第17号」(2867〜2869頁;1978年9月15日)でバター(Butter)とホーカー(Hocker)が提案するような光ファイバーセンサーであってもよい。
【0229】
本発明の適用例として、圧力計または歪み計を、少なくとも10平方cmの表面と5mm以下の厚さを有する剛性容器に入れてカプセル化してもよい。この計器からの出力を、通常は圧電型加速度計や容量性トランスデューサと共に用いられる電荷増幅器などの電子増幅器に送り、変換器の超高出力インピーダンスを低インピーダンス電圧に調整する。歪み計と電子増幅器で、機械的振動を電気信号に変換する。別の方法として、歪み計の出力を、ホイートストンブリッジ、あるいは、最小帯域幅用の「アナログ・ディバイス・モジュール」モデル3B16、広帯域用のモデル3B18(いずれも、米国テキサス州オースティンのナショナル・インストゥルメンツ社製)などの増幅器を用いて増幅する。
【0230】
本発明の実施例におけるモニタセンサー30は、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなる。単一の計器より格子状に並べたほうが呼吸信号や心拍信号を検知する性能が向上する。
【0231】
呼吸パターン分析モジュール22は、図3に示すように、運動データから呼吸パターンを作り出す機能を有し、心拍パターン分析モジュール23は、運動データから心拍パターンを作り出す機能を有する。別の方法として、センサー10として、対象者の顔、首、胸、背中などに取り付けるか、指向させた音響センサーあるいは気流センサーなどのような他のセンサーを用いてもよい。
【0232】
図3は、本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22を概略的に示したブロック図である。呼吸パターン分析モジュール22は主に、デジタル信号プロセッサ(DSP)41と、デュアルポートRAM(DPR)42と、EEPROM44と、I/Oポート46とからなる。呼吸パターン分析モジュール22は、運動データ取得モジュール20によって生成した未処理データから呼吸パターンを導き出し、呼吸パターンの処理および分類を実行する機能がある。呼吸パターン分析モジュール22は、主に睡眠中の呼吸パターンの変化を分析する。この分析結果に応じて、モジュール22は、(a)迫り来る臨床発作を予測し、(b)発作の重症度と経過を監視する。
【0233】
図1に示すように、ユーザーインターフェース24は主に、LCDやCRTモニタなどの専用表示装置よりなる。別の方法として、出力モジュールは、未処理データ乃至処理済みデータを離れた分析場所に送って判定、専門的検討、臨床予後支援を行うための無線もしくは有線通信ポートを備えている。たとえば、データを電話回線やインターネット、あるいは、他の広域ネットワークを介して無線有線に拘わらず送信するようにしてもよい。
【0234】
図4A〜Cに示す本発明の実施例において測定した運動信号の分析のグラフを参照して説明すると、一実施例における運動センサー30として、支持面37の下に設けた圧力計あるいは歪み計を用いて、対象者12の運動を検出することができる。睡眠中の対象者の運動には、後述するように、通常の呼吸運動、心拍関連運動や、関連性のない他の身体運動が含まれる。図4Aはマットレス下に設けた圧電素子歪み計センサーで測定した未処理機械信号50であり、呼吸関連信号と心拍関連信号の合成成分を含んでいる。図4Bに示した信号50は、下記の技法によって、呼吸関連成分52と図4Cに示す心拍関連成分54に分解したものである。本発明の適用例で示した全ての実験結果は1以上の圧電センサーを用いて測定したものである(しかし、本発明の権利範囲には、他の圧力計として図1に従って上述した運動センサー30で行った測定も含む)。
【0235】
図2に示したように、本発明の適用例におけるフィルタ34は、約0.03Hz〜0.2Hzの範囲(たとえば、0.05Hz)の低域カットオフ周波数と、約1Hz〜10Hzの範囲(たとえば、5Hz)の広域カットオフ周波数を有するバンドパスフィルタよりなる。別の方法として、運動センサー30の出力を、所期の信号に従って調整した利得とフィルター設定を施したいくつかの信号調整回線を介して送出する。たとえば、呼吸信号に、比較的低利得で約5Hzまでの周波数帯域を用い、心拍信号には適度の利得と10Hz程度の少し高めのカットオフ周波数を用いることができる。 本発明の適用例における運動センサー30は、約100Hzから8kHzの周波数通過帯域が有効な音響信号の記録に用いられる。
【0236】
本発明の実施例における運動データ取得モジュール20が、約0.05Hzから約0.8Hzの範囲でスペクトルフィルタリングを実行することで呼吸関連信号を生成し、且つ、約0.8Hzから約5.0Hzの範囲でスペクトルフィルタリングを実行することで心拍関連信号を生成する。本発明の他の適用例おける運動データ取得モジュール20では、対象者12の年齢を基にしたスペクトルフィルタリングを採用している。たとえば、幼児はおおむね呼吸数と心拍数が高く、通常、スペクトルフィルタリングを、呼吸数で約0.1Hzから約0.8Hzの範囲、心拍数で約1.2Hzから約5Hzの範囲の周波数特性高端に厳格に設定している。成人については、通常、スペクトルフィルタリングを、呼吸数で約0.05Hzから約0.5Hzの範囲、心拍数で約0.5Hzから約2.5Hzの範囲の周波数特性低端に厳格に設定している。
【0237】
本発明の適用例として、運動データ取得モジュール20で、ゼロ交差法またはパワースペクトル分析を用いてフィルタ処理された信号から呼吸数および心拍数を抽出する。
【0238】
上記のように、睡眠中の対象者の運動には、通常の呼吸関連運動および心拍関連運動を他の非関連身体運動と同じように含んでいる。一般に、呼吸関連運動は、睡眠中の身体運動の主要な原因である。パターン分析モジュール16は、運動データ取得モジュール20から受ける運動信号のうちの呼吸と心拍に関係のない運動を表す部分をほぼ排除する機能を有する。たとえば、パターン分析モジュールが、非呼吸関連運動および非心拍関連運動に影響を受けた信号の部分を取り除く。呼吸関連運動および心拍関連運動は周期的であるが、通常、他の運動はランダムで予測不能である。本発明の適用例として、パターン分析モジュールで、周波数領域スペクトル分析または時間領域スペクトル分析を用いた非呼吸関連運動および非心拍関連運動を除去する。当該分野の技術者であればこれらの分析技術を本発明に適用できることは容易に理解できよう。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16では、線形予測や異常値分析などの統計的方法を用いており、信号から非呼吸関連運動および非心拍関連運動を除去する。低域周波数は本適用例に適しているが、運動データ取得モジュール20で主に、少なくとも10Hzのサンプリングレートで運動データをデジタル化する。
【0239】
呼吸パターン分析モジュール22は主に、夫々が吸気/呼気のサイクルを有する一連の過渡呼吸パルスから呼吸パターンを抽出する。夜間睡眠中の呼吸パターンは次の分類のいずれかに該当する:
● 主にREM睡眠中に起こる比較的早く変化するランダムな呼吸パターン
● たとえば、チェーン・ストークス呼吸(CSR)や周期性呼吸などの数秒から数分の持続時間を有する周期的呼吸数変動パターン
● 徐呼吸数傾向(主に、健常対象者の通常の睡眠中の徐呼吸数傾向には、通常数時間継続する時間において区分化された単調減少呼吸が含まれるが、例として図5を参照に後述するように喘息など特定の慢性症状を持つ対象者では単調減少呼吸数が僅かに顕れるか、顕れないことがある。)
● 咳や他の睡眠を阻害する症状のような呼吸パターンの中断や、一時的な覚醒によって起こる呼吸パターンの中断
これらの呼吸パターンは睡眠期の不安定性および体温などの様々な生理的パラメータに関連する。たとえば、REM睡眠は通常、不規則で多様な呼吸パターンになるが、熟睡期ではより規則的で安定したパターンになる。異常に高い体温が呼吸数を増加させるが、通常は正常な周期的呼吸数の変動パターンを示す。不安感などの心理学的要因もまた、睡眠中の呼吸パターンの変調を起こし、更には、その効果は通常、睡眠の経過とともに低下する。喘息などの咳や一時的な覚醒など、あるいは、それらに関連しない病変によって起こる呼吸パターンの中断は前後関係で診断評価する。
【0240】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、喘息発作の発症の予測および発作の重症度と経過の監視のいずれか一方または両方を実行するように構成されている。呼吸パターン分析モジュール22および心拍パターン分析モジュール23は主に、呼吸数パターンと、呼吸数変動パターンと、心拍数パターンと、心拍数変動パターンのいずれか、あるいは、組み合わせた変化を分析して、喘息発作の発症を予測する。本発明の適用例として、フィルタ処理した信号のフーリエ変換値を演算し、呼吸数および心拍数に対応する許容範囲内の最大スペクトルピーク値の周波数を求める、あるいは、ゼロ交差法、または、時間領域信号のピーク値を求め、1分以上のパルス間隔時間の平均から毎分当たりの心拍数を求めるなどの処理によって、呼吸数および心拍数のどちらか一方もしくは両方を導き出す。本発明の適用例として、対象範囲外の値を除いた上で斯かる平均化処理を実行する。
【0241】
通常、呼吸数は発作発症前に若干増加するが、この増加それ自体が発作発症の特異的マーカーであるとは限らない。したがって、発作発症をより正確に予測し、且つ、発作の重症度と経過を監視するには、本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22で呼吸数変動パターンの変化を更に分析する。
【0242】
本発明の適用例として、モジュール22で、下記の1以上のパターンを夫々基準パターンと比較し、基準からの偏差を、(a)発作の発症、(b)進行中の発作の重症度のいずれか一方もしくは両方であると判定する。
【0243】
● 徐呼吸数傾向パターン: モジュール22は、増加対基準を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。たとえば、通常の健常対象者には、主に少なくとも1時間以上の、たとえば、発作の重症度に依存して少なくとも2、3、4時間のいずれかの時間に亘っての呼吸数の単調減少の減衰、あるいは、斯かる減少の増加呼吸数パターンへの変換などがある。
【0244】
● 呼吸数パターン: モジュール22は、睡眠における最初の数時間、たとえば、最初の2、3、4時間における呼吸数の増加もしくは減少不足を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。
【0245】
● 呼吸数変動パターン: モジュール22は、呼吸数変動の低下を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。
【0246】
● 呼吸負荷サイクルパターン: モジュール22は、呼吸負荷サイクルにおける実質的増加を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。呼吸負荷サイクルパターンには、限定的ではないが、吸気時間/吸気サイクル合計時間、呼気時間/吸気サイクル合計時間、(吸気+呼気)時間/吸気サイクル合計時間がある。
【0247】
● 夜間睡眠の終わりごろの呼吸数パターンの変化(主に、おおよそ午前3時からおおよそ午前6時の間)
● 咳、睡眠障害、覚醒などによる呼吸パターンの中断: モジュール22は、これらの症状を定量化し、潜在的な喘息発作の予測の関連性を判定する。
【0248】
パターン分析モジュール22、23は主に、対象者の無症候夜間中の呼吸数および心拍数パターンの夫々を分析して基準パターンを確定する。別の方法として、パターン分析モジュール22、23に、母集団平均を基にした基準パターンをプログラムしておく。
【0249】
本発明の適用例として、前記母集団平均を、年齢、身長、体重、性別などの特徴によって区分化する。本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16において、測定呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを、および、測定心拍数パターンと基準心拍数パターンのいずれかまたは両方の組み合わせを比較し、発作の発症あるいは発作中に発作の重症度を判定する。
【0250】
本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22は、対象者睡眠時間のために算出した呼吸速度パターンをローパスフィルタ(たとえば、有限インパルス応答フィルタ)に通してREM睡眠などの短期効果を低減する。本発明の適用例として、心拍パターン分析モジュール23に心拍データに同様のフイルタ選別を行う。
【0251】
本発明の実施例によって実施した実験で測定した慢性喘息患者の呼吸するパターンを図5に示す。喘息患者の呼吸を数夜に亘って監視した。患者の呼吸数を各睡眠時間で平均化した(REM睡眠の短期効果を低減するために監視睡眠時間は、ローパスフィルタを用いてREM睡眠時間を除いた。別の方法として、REM睡眠を識別して監視対象から除いてもよい)。患者を監視した最初の約2ヶ月間は、患者に喘息発作は起きなかった。図におけるグラフの線分200は無症状期に記録された典型的な徐呼吸傾向パターンであり、この患者の基準徐呼吸傾向パターンとなる。無症状患者において主に観察できた呼吸数の単調減少とは異なり、被検対象の慢性喘息患者の基準呼吸数パターンは、監視対象外のほとんどの時間全体における呼吸数の漸増に後に、睡眠初期の数時間における呼吸数の初期減少に影響する。
【0252】
図中グラフの線分202、204は、ほぼ2ヶ月の監視期間終了時の連続する2晩に記録されたものである。2晩のうちの最初が線分202で、2晩目が線分204である。患者は2番目に喘息の発作に襲われた。つまり、線分202、204は、発作前の徐呼吸数傾向パターンと発作後の徐呼吸数傾向パターンである。図示グラフで明らかなように、発作前の夜通し患者の呼吸数は基準に対して毎分約1〜3回ずつ呼吸が増加し、夜間発作時は基準に対して更に呼吸が増加した。
【0253】
上記技術を用いて、呼吸パターン分析モジュール22により、線分202のパターンと線分200の基準パターンを比較し、患者が喘息発作に襲われることを予測する。また、モジュール22で、線分204のパターンと基準線分200を比較して、喘息発作の進行経過を診断評価する。
【0254】
本発明の実施例における基準値からの偏差は、測定パターンの基準パターンからの累積偏差として定義できる。臨床病態を表す閾値を、一定数の標準誤差(たとえば、単一の標準誤差)に等しく設定する。別の方法として、測定パターンと基準パターンとの偏差に関する他の測定値、たとえば、相関係数、平均平方誤差、パターン間の最大差、パターン間の面積を利用する。更に別の方法として、パターン分析モジュール16で、パターンに沿う重量解析を重視した特定領域、たとえば、倍の重みを睡眠の初期2時間あるいは午前3時〜6時に与えるなどの処置を施す。
【0255】
図6および図7は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。線分100、102(図6、7に夫々示す)は、喘息発作がない場合の正常な基準パターンである。棒線は標準誤差である。線分104、106(図6、7に夫々示す)は、喘息発作の発症前の夜間パターンである。線分100と線分102および線分104と線分106とのパターン変化の検出によって、迫り来る喘息発作の早期予測が可能となる。
【0256】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、心不全の臨床徴候の発症の予測、および、発作の重症度および進行経過の監視のいずれか一方または両方の機能を有している。モジュール16は主に、高心拍数に併発する過呼吸を検出した場合、あるいは、監視呼吸および心拍パターンが心不全に関連する特徴、たとえば、無呼吸、チェーン・ストークス呼吸、周期性呼吸などの以上を示した場合に、発作が重篤であると判定する。
【0257】
本発明の実施例において、呼吸周期を吸気と呼気の連続区分に分割する。呼吸パターン分析モジュール22において、睡眠中(特に夜間睡眠中)の呼気に比例して吸気区分が長くなる傾向を、迫り来る発作または進行中の発作として解釈する。本発明の別の実施例において、無呼吸運動に対する呼吸活動の負荷サイクル(吸気区分に呼気区分を加えた期間)を迫り来る発作あるいは進行中の発作を表すものと解釈する。
【0258】
再度、図2を参照すると、本発明の実施例におけるシステム10は更に、喘鳴や咳などの呼吸関連音を測定する音響センサー110を備えている。(圧力計を備えた呼吸センサー30を用いる本発明の適用例において、音響センサー110を圧力計と合体させてもよく、たとえば、単一センサーで音響検出と身体運動を検出し、あるいは、音響センサー110を別に設けてもよい。)パターン分析モジュール16は、前記呼吸音を別々に処理し、あるいは、時間を固定した吸気乃至呼気を処理する。たとえば、喘鳴音のSN比を高めるためにスペクトル平均化をする。本発明の適用例において、喘鳴のレベルおよび吸気と呼気のタイミングには迫り来る喘息発作の予測と発作の重症度と進行経過の情報が含まれている。
【0259】
喘鳴は、呼吸周期の特定箇所(主に、吸気と呼気)が識別でき、迫り来る症状および進行中の呼吸困難に関する有用な情報を含んでいる。また、喘鳴を呼吸周期の周期性によってフィルタ処理が可能で、閉塞された空気路の呼吸に係わる音の識別性を高め、これによって、呼吸活動に関係のない環境音を消す能力を高めることができる。断続的な呼吸周期関連喘鳴には、迫り来る症状および進行中の呼吸困難の態様に関する情報も含まれている。
【0260】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、迫り来る臨床発作あるいは発症中の臨床発作に伴う咳発作を検出乃至診断評価する咳分析モジュール26が備えられている。喘息における軽度の咳にはたいてい、臨床喘息発作の迫り来る発症を表す重要な発作前の早期指標が含まれている(前記チャン・ABの文献参照)。鬱血性心不全(CHF)における咳は、心不全の悪化あるいは心血管不全の発症によって起こる肺内における体液鬱滞を早期に警告する働きがある。
【0261】
本発明の適用例として、咳音を、対象者支持面の中、上、下のいずれかに設けた運動センサー30で検出し、特に、約50Hzから約8kHzの間の音響帯域、たとえば、約100Hzから約1kHzの間でフィルタ処理する。別の方法として、信号を2以上の周波数帯域にフィルタ処理し、運動データ取得モジュール20では、記録身体運動のために5Hzまでの領域の超低周波数のうちの少なくとも1つの周波数と、記録聴覚音のために約50Hzから約8kHzまでの間の高周波領域の少なくとも別の周波数1つを用いる。本発明の適用例として、モジュールに、約200Hzから約1kHzの狭音響帯域を用いる。
【0262】
本発明の他の実施例による運動信号の異なった周波数成分をグラフで示した図8A〜8Bを参照すると、咳症状には身体運動と音声に続く非音声の破裂音が含まれ、咳分析モジュール26では、音響信号からの咳音を運動信号からの身体運動信号を関連づけて咳症状を求めている。主に、モジュール26は、咳症状を積極的に検出するために機械的成分と音響成分に依存している。図8Aに測定信号の低周波成分(5Hz未満)を示し、図8Bに測定信号の高周波成分(200Hz〜1kHz)を示している。咳分析モジュール26では主に、低周波成分114と高周波成分116に顕れる症状のみを咳として識別する。たとえば、成分116における高周波の症状Aは成分114において対応する低周波の反応に伴うものではない。モジュール26では症状Aを咳とは認定しない。一方、成分116における高周波症状B、C、D、Eは、成分114の対応する低周波症状に伴うもので、咳と認定する。本発明の適用例として、咳分析モジュール26には、前記コーパス・Jおよびピーリラ・Tおよびサルミ・Tによる文献に開示の技術を適用する。
【0263】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16において、たとえば、標準FM復調技術などの周波数復調によって連続する心拍信号から呼吸数を求める。心拍数信号は通常、正常な呼吸関連洞性不整脈パターンを表すので心拍信号から呼吸数を求めることが可能になる。
【0264】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16によって、たとえば、標準AM復調技術などの振幅復調によって連続する心拍数信号から呼吸数を求める。呼吸関連胸壁運動には心拍信号の機械的変調がふくまれているので心拍数信号から呼吸数を求めることが可能になる。
【0265】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16で、振幅および/または周波数復調心拍信号を用いており、呼吸数信号を心拍信号から得られる復調洞性不整脈パターンと比較することで呼吸および心拍信号を適切に捕獲している。本発明の適用例として、洞性不整脈パターンは、連続する心拍間の一連の時差をとって周波数復調される。別の方法として、心拍を、ハイパスフィルタ、全波整流、ローパスフィルタによって振幅復調してもよい。
【0266】
本発明の一実施例における時間と対応する周波数領域の信号のグラフを示した図9を参照すると、グラフ120と122はそれぞれ、時間と周波数領域における呼吸信号を示している。グラフ124と126は、グラフ128に示した心拍信号から求めた振幅復調および周波数復調の呼吸パターンを表している。
【0267】
これらのグラフから、(a)グラフ120、122に示された呼吸信号から直接求めた呼吸数パターンと、(b)グラフ124、126、130、132に示された心拍信号から間接的に求めた呼吸数パターンとの間の類似性が分かる。この類似性はとりわけ、グラフ122、130、132に示した周波数領域で明示している。
【0268】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16では、呼吸関連信号から心拍信号を求めている。この試みは、たとえば、呼吸関連信号が直接監視した心拍信号より明瞭である場合に有効であり、このことは、心拍関連信号におけるよりもっと有意な機械的身体運動によって呼吸関連信号が生成されるので、珍しくはない。
【0269】
本発明の実施例における測定呼吸関連信号を復調に用いて、心拍関連信号の検出を向上させることができる。本発明の適用例として、呼吸パターン分析モジュール22によって、約0.05Hzから約0.8Hzの範囲のスペクトルフイルタリングを用いて呼吸関連信号を求め、心拍パターン分析モジュール23によって、約0.8Hzから約5Hzの範囲のフィルタリングを用いて心拍関連信号を求める。心拍パターン分析モジュール23で、呼吸関連信号で心拍関連信号を逓倍するなどによって呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する。この復調によって、心拍数関連信号のより明瞭な復調信号が得られ、検出を向上できる。
【0270】
場合によっては、復調信号のパワースペクトルが復調心拍数に対応する明らかなピークを示すことがある。
【0271】
図10A〜Cは、本発明の実施例において測定した周波数スペクトルを示すグラフであり、図10Aは未処理心拍関連信号の周波数スペクトル信号140(未処理信号は図示せず)であり、図10Bは、同時に測定した呼吸関連周波数スペクトル信号142であり、図10Cは、呼吸関連周波数スペクトル信号142(図10B)と周波数スペクトル信号140(図10A)の積である復調スペクトル信号144を示している。明瞭なピーク150は、復調心拍周波数を表す復調スペクトル信号144に見られる。
【0272】
本発明の適用例として、復調処理に用いられる呼吸関連信号を周波数の上端をカットオフして下げた周波数(たとえば、上記0.8Hzの代わりに0.5Hz)でフィルタ処理をする。一般にこうした低減が、呼吸関連信号の基本正弦波だけを復調計算に用いることの裏付けになっている。
【0273】
本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22は、主に、頻呼吸、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、周期性呼吸などの夜間睡眠時のCHFを伴う異常呼吸パターンを検出するように構成されている。
【0274】
本発明の実施例におけるシステム10によって胎児心拍数を測定する。典型的には、リラックスした状態での母体の心拍数は100BPM以下で、健康な胎児心拍数は110BPM以上である。システム10の心拍パターン分析モジュール23において、主に母体の心拍信号用のローパスフィルタと胎児心拍信号用の肺パスフィルタを用いて、胎児の心拍信号を母体の心拍信号と区別している。
【0275】
図11は、本発明の実施例において測定した胎児の心拍信号の合成成分および分解西部を示すグラフである。グラフ220、222はそれぞれ、時間と周波数領域で測定した母体と胎児の呼吸信号および心拍信号を示している。
【0276】
グラフ220で示した信号を2つの要素に分解した。つまり、(1)グラフ224、226の時間と周波数領域に示した母体の心拍信号と、(2)グラフ228、230の時間と周波数領域に示した胎児の心拍信号の2要素に分解した。
【0277】
本発明の実施例において、母体呼吸信号を母体心洞性不整脈パターンに整合させることで母体心拍パターンを区別もしくは確認するために母体呼吸信号を用いている。これは、母体パルスを母体呼吸数で周波数変調および振幅変調するので可能になる。母体心拍が正確に識別できたことの確認が胎児の心拍パターンの検証を可能にする。
【0278】
本発明の実施例において、母体の呼吸関連信号(胎児の心拍関連信号より強いことが多い)を胎児の心拍関連信号の変調処理に用いる。これは、胎児の心拍数信号を母体の呼吸信号によって振幅変調することがあるので可能となる。これらの場合、比較的検出が簡単な母体呼吸信号を、暗騒音から比較的区別しにくい胎児の心拍数信号を抽出するのに用いる。一例として、胎児の心拍信号は次の処理によって確定できる。すなわち、(1)上記した技術を用いて母体の呼吸数を検出し、(2)胎児心拍数に適したバンドパスフィルター(たとえば、約1.2Hzから約3Hz)で運動信号をフィルタ処理し、(3)フィルタ処理した信号を呼吸信号で逓倍し、(4)その結果得られた信号を高速フーリエ変換し、(5)変換信号のピークを胎児の心拍数に対応する信号として識別する処理から胎児の心拍信号を確定する。
【0279】
本発明の実施例におけるシステム10は、母体の運動とは異なる振幅特性または周波数特性を有する胎児の運動パターンを測定するのに用いる。胎児の運動で生成された信号は母体の運動によってもたらされる信号より弱く、母体の運動による信号より高い周波数を有する(周波数領域で分析した場合)。加えて、胎児の運動は通常、腹部センサーによって最初に(少なくとも最も強く)記録され、母体の運動は通常、腹部センサーと他のセンサー(たとえば、脚部センサー)の両センサーによって記録される。本発明の他の適用例におけるシステム10は、複数の運動センサー30よりなり、システム10によって、胎児の運動を識別し計測するために母体の腹部近傍の高周波運動を監視する。
【0280】
本発明の他の実施例におけるシステム10では、図2を参照にして上述したように胎児の運動および胎児の心拍数を測定する。胎児の運動と相関を持つ胎児の心拍数の変化を胎児の健常状態の指標として用いることができる。健康な胎児は通常、胎児の心拍数について相関のある増加を伴う運動期を持つ。病的胎児は通常、運動が弱いか、運動が見られないか、あるいは、比較的心拍数が一定である。
【0281】
図2を参照すると、本発明の一実施例におけるシステム10では、ここに開示した技術を用いて胎児の心拍数を測定する。本発明の他の適用例におけるユーザーインターフェース24は、スピーカ240を備え、このユーザーインターフェースによって、スピーカを駆動して測定胎児心拍数データを表す音響信号をスピーカから出力する。本発明の別の適用例におけるユーザーインターフェース24では心臓の鼓動を標準胎児モニタによって生成した胎児の心拍音を模倣した心拍数を出力する。別の方法としては、ユーザーインターフェース24から、単純な音色の音を用いて心拍を出力する。
【0282】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16で、1以上の監視胎児パラメータ(心拍数、呼吸数、運動)を夫々の基準パターンと比較し、基準からの偏差を特定する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16で、図2を参照に上述したようなパラメータ組み合わせ技術によって1以上の胎児パラメータおよび母体パラメータを組み合わせ、組み合わせたパラメータを組み合わせ基準パラメータと比較する。分析モジュールで、基準との偏差を状態の指標もしくは状態の予兆として同定する。たとえば、母体パラメータと胎児パラメータの変化が子癇前症の発症を表しているとすることができる。
【0283】
本発明の実施例におけるシステム10によって、胎児の心拍を検出し、且つ、心拍を分析して胎児の心拍数変動を測定する。心拍数の変動を胎児の運動と活発状態の指標と見ることができる。たとえば、健康な胎児の心拍数が、10分間に2度以上もしくは20分間に5回以上の頻度で15〜30秒間、少なくとも毎分15心拍速度だけ変化すると予想される。これらの数値からの有意の偏差をシステム10で用いて可能性ある病変を認識する。
【0284】
対象者を支持する支持面37の中あるいは下に設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなる運動センサー30を用いた本発明の実施例におけるシステム10は、(a)身体の姿勢を判断して腹部乃至脚部の一を特定する処理、(b)呼吸の吸気信号および呼気信号の最適な検知を確保する処理、(c)胸腹部大動脈瘤(TAA)として認知されている胸部-腹部二相性呼吸の喘息関連パターンを監視する処理の1以上の処理を行う。TAAでは、胸郭と腹部の呼吸運動の移相がみられる。複数のセンサーを用いることで、システム10に、夫々のセンサーの近傍に位置した異なった身体部位に関連して異なったセンサーが測定する歪み乃至圧力の位相差を測定させることができる。
【0285】
対象者を支持する支持面37の中あるいは下に設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなるモニタセンサー30を用いた本発明の実施例におけるシステム10では、格子構造で肺重量偏差を評価することができる。CHFにおける肺鬱血期において、肺組織における体液鬱滞が有意のある肺重量偏差をもたらす。そうした体液鬱滞には通常、迅速な薬剤介入が必要である。本発明の他の適用例として、システム10によって肺重量偏差を日々あるいは毎夜監視できるよう構成する。
【0286】
本発明の他の実施例において、呼吸乃至心拍を制御調整する目的で、システム10を、生体情報を対象者や生物学的変調システムにフィードバックするよう構成する。本発明の別の実施例において、参照文献として既述したGavish特許及びGavish特許出願に開示の技術に改変を加えて生物学的変調システムに適用することができる。この実施例における運動センサー30を主に、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設ける(図1参照)。本発明の他の適用例として、システム10の全ての要素を用いずに特定の要素、たとえば、運動データ取得モジュール20と、運動センサー30と、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23のみを用いるようにしてもよい(図2参照)。
【0287】
本発明の実施例におけるシステム10を、心臓および呼吸器データをモニタリングすることによって睡眠周期を監視すると共に、睡眠中の利用者が軽い睡眠あるいはREM睡眠などの最適な睡眠状態になれるように構成する。利用者が選択する目覚めの時間枠の間の睡眠段階を検出した上で、システム10によってユーザーインターフェース24を駆動して利用者が目覚めるように視覚信号と音響信号のいずれか一方または両方を生成する。
【0288】
本発明の他の適用例として、上記したシャイナー・Zの参照文献に記載の技術を改変して利用して呼吸および心拍データの睡眠段階の情報を得ることができる。この実施例における運動センサー30は主に、支持面37の中、上、下のいずれかに設けられる(図1参照)。本発明の他の適用例として、システム10の全ての要素を用いずに特定の要素、たとえば、運動データ取得モジュール20と、運動センサー30と、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23のみを用いるようにしてもよい(図2参照)。
【0289】
本発明の実施例におけるシステム10は、生活徴候および付帯徴候を含む呼吸パターン、心拍パターン、運動状態、咳症状などの多徴候データを毎夜連続的に監視および記録する。記録した多症候データで、正常パターンから病態生理学的変位の追跡用参照としての患者の個人ファイルを構築する。
【0290】
本発明の実施例における複数の測定パラメータを下記の式を用いて結合する。
F=A1*ΔP1+A2*ΔP2 + ・・・ + An*ΔPn・・・(式1)
式において、AiはパラメータPiに与えられた相対重み、ΔPiは設定された夜の値Piと値Piの基準値との差を表す。Fは、時間もしくは夜間を基準として算出され、個人の履歴を基に設定された参照値と比較する。値Fが参照値を越えた場合、システムは対象者あるいは医療従事者に警報を与える。パラメータPiのいずれかが適正である場合、ΔPiの符号付き値の代わりにΔPiの絶対値を求めることができる。また、パラメータPiのいずれかが適正である場合、平方、平方根、指数関数、対数、あるいは、その他の関数を求めることができる。
【0291】
別の方法として、ΔPiを用いる代わりにパラメータPiを導くために、ΔPiを検査テーブルに入れて得られる値を用いてもよい。更に他の方法として、結果を解釈するために、結果としての関数Fを検査テーブル(あらかじめ定めた、もしくは、学習作成したテーブル)に入れることができる。
【0292】
本発明の実施例における複数のパラメータを、各パラメータのスコアを計算し、且つ、関数を適用して、式1のようなスコアを組み合わせることができる。本発明の他の適用例において、各スコアは、たとえば、1時間、4時間、24時間、48時間のいずれかの一定時間内に臨床発作が切迫していなければ、パラメータ値の発生の確率を表す。この機能によって、一定時間内に臨床発作が切迫していなければ、複数パラメータを組み合わせた値の発生の確率を推定する。たとえば、n-監視パラメータについて、臨床発作が切迫していない場合、夫々、閾値t(i)と通過閾値t(i)の確率p(i)で、2項分布を計算して、閾値通過の観察コンビネーションが不規則である確率を表す。
【0293】
観察コンビネーションの確率が低ければ、アラーム信号を発するか、他の行動をとる。
たとえば、コンビネーションの観察の確率を、システム10が予め設定した、あるいは、学習した閾値と比較してもよい。確率が閾値より少なければ、システム10が、発作が切迫していることより高い確率があることを警告するアラームを発する。本発明の適用例として、上記の式1のように各パラメータのスコアに重み付けをすることができる。
【0294】
本発明の実施例におけるシステム10に、上記閾値、重み、確率のいずれかまたは全てを学習させるようにすることができる。本発明の一適用例として、システム10に、学習のための以下の方法を実行させることができる。
【0295】
●発作が見られた上で、対象者もしくは医療従事者が発作の発症を示す命令をユーザーインターフェース24を介してシステム10に入れる。
【0296】
他の方法として、システム自身が、発作を明らかに示すパラメータを検出することで発作(たとえば、毎分30心拍を越える呼吸数の症状)を識別する。更に別の方法として、システム10が、薬剤投与装置266からの入力に基づいて発作が発生したことを判定する(たとえば、一定の閾値を越える吸入器の使用レベルを発作の発生と解釈する)。
【0297】
●システム10が時々(たとえば、2週間毎)、実際の発作と、システムが警報を発するような発作を比較する。
【0298】
●正確に予測された発作、偽陰性、偽陽性の夫々について、その時点での閾値、重み、確率分布に従ってシステムが行う予測の正確性をシステムがチェックする。
【0299】
●チェックの結果に応じて、システムが閾値、重み、確率分布のうちの1以上を増分調節する。
【0300】
たとえば、ある喘息患者では、喘息発作に先だって咳き込むが、別の患者ではそうしたことがない。システムは2週間に亘ってずっと、発作の前に咳き込むかどうかをチェックし、その結果にしたがって、偽陰性か偽陽性に合わせて、閾値を一定の率(たとえば、5%)だけ上下に調整する。たとえば、本発明の適用例として、正確に予測された発作について、システムが咳パラメータの重みを調節する(たとえば、極最近の発作5回に先だって咳き込んだ場合、咳パラメータの重みを高める)。
【0301】
他の方法として、偽陰性か偽陽性に合わせてシステムに咳パラメータの重さを調整させるとよい。本発明の実施例におけるシステム10が、喘息やCHFなどの幾種か慢性症状である夜行性の情動不安の発作あるいは覚醒状態を監視させ分析する。典型的には、システム10によって発作を識別して夜行性の情動不安の発作あるいは覚醒状態の客観的尺度を得る。上記説明のように、システム10が、周波数領域における対象者の周期的運動信号を分析し、呼吸数および心拍数(更には、それらの合成)に対応する周波数領域信号のピークを特定する。対象者の身体運動で、運動信号に突発的にかなり強い非周期的成分が顕れる。斯かる運動が一時的(たとえば、約2秒から約10秒の時間)であり、その後、周期的な呼吸と心拍信号が戻った場合は、システム10はその非周期的運動を不安定発作と解釈する。
【0302】
また、斯かる運動が一定の時間以上続いた場合もしくは非周期信号が一定時間以上続かなかった場合(どちらの場合も、対象者が寝ていないことを示している)は、システム10はその非周期的運動を覚醒事象と解釈する。
【0303】
本発明の実施例における身体運動を表すグラフを示した図12を参照すると、本発明の実施例におけるシステム10は、睡眠中の過度の身体運動によって見られる睡眠不安定を観察する。システム10は不安定度を定量化して夜行性の情動不安の客観的尺度を求める。
【0304】
図12に示すように、不安定事象250は、正常睡眠時252に比べて身体運動が高いことによって特徴づけることができる。この実施例における運動センサー30を主に、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設ける(図1参照)。本発明の一適用例として、システム10によって、時間領域中の即手運動信号の標準偏差が、睡眠期間の少なくとも一部における運動信号の平均標準偏差の倍数である場合に時間期間を情動不安と識別する。たとえば、倍数を約2と約3の間、たとえば、約3とすることができる。他の方法として、システム10で、上記した周波数領域分析技術のような偏差の数学的指標乃至統計指標を用いることができる。別の方法として、システムで、下記の式で定義できる積分関数J(i)を用いることができる。
J(i)=(l−alpha)*J(i−l)+alpha*abs(X(i))
・・・(式2)
式において、X(i)は運動センサー30からサンプルされた未処理信号である。
【0305】
たとえば、X(i)が毎秒10サンプルであると、「alpha」の適正値を0.01〜0.1として(たとえば、0.05)、信号Jはおおむね一晩中の平均値であり、標準偏差を計算する。どの点でもJ(i)が、少なくとも2秒間維持する期間の標準偏差の2倍以上だけ平均を上回った場合は、不安定事象が定められる。
【0306】
本発明の適用例として、そうした不安定事象が確認されると、システム10は時間元期当たりの事象数を計数する(たとえば、各元期に30分期間を持たせる)。(ここでのどんな条件の発作でも)臨床発作を検出するには、システム10において、一定に基準に従って測定夜間パターンと参照パターンに比較する。たとえば、時間元期の特定の率以上(たとえば、10%、20%、30%のいずれか以上)で不安定事象が検出されると、システム10から臨床発作の警報を出す。他の方法として、夜毎の不安定事象の総数が閾値を越えた時にシステム10から臨床発作の警報を出すようにすることもできる。本発明の一適用例では参照パターンもしくは閾値を母集団平均に基づいて決定し、本発明の他の適用例では参照パターンもしくは閾値を無症候期の夜間数回に亘って対象者からのデータを平均することで決定することができる。
【0307】
本発明の実施例において正常睡眠時および喘息の臨床発作時の不安定事象を示すグラフである図13を参照すると、線分260は、正常睡眠中の30分の元期当たりの不安定事象数を示している(棒線は標準誤差を示している)。線分262は、喘息の臨床発作に特徴付けられる夜間中の30分の元期当たりの不安定事象数を示している。
【0308】
本発明の一実施例におけるシステム10は、通常の不安定症状または咳症状のために起こる覚醒発作を監視し、迫り来る喘息発作あるいは発症中の喘息発作のような病変を確認する。
【0309】
本発明の他の実施例におけるシステム10では、夜間睡眠中の呼吸、心拍数、咳などの監視パラメータを記録する。このシステムでは、朝の睡眠行動の継続または睡眠後のいずれかの記録パラメータを分析して、迫り来る臨床発作を予測する。朝またはその日の遅くに、システム10がユーサーインターフェースを駆動して迫り来る臨床徴候に関する警報を対象者に与えるようにする。システム10がそうした迫り来る臨床徴候を予測した後は、その臨床徴候は少なくとも数時間、たとえば、12時間もしくは24時間までは発症しない。よって、朝またはその日遅くまで通知が遅れても、発作の臨床徴候が発現する前に対象者の睡眠を妨害することなく適当な予防措置を始めるのに十分な時間が確保できる。本発明の他の適用例として、システム10でパラメータを分析して迫り来る臨床発作の重症度および緊急性を推定でき、その重症度および緊急性を加味して対象者を起こすかどうかを決めることができる。
【0310】
システム10で進行中の臨床発作の悪化を検出でき、更には、比較的短時間内(たとえば、4時間内)に発作が始まることを検出できる本発明の他の適用例において、システム10が遅滞なく警告を発することで、悪化する症状を早期に治療できる。更に、システム10は主に、睡眠中の監視パラメータを記録し、連続的に分析することができる。
【0311】
本発明の一実施例におけるシステム10は、心室細動や心拍停止などの不整脈症状を検出して、斯かる異常が検出された時点で即刻警告を発することができる。別の方法として、斯かる異常が検出されたら、システム10に適当な電気ショックもしくは磁気ショック措置を自動的に実行させることができる。たとえば、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器などからなるユーザーインターフェース24であってもよい。
【0312】
本発明の一実施例における運動センサー30および運動データ取得モジュール20の一部あるいは全体を生体適合性のある一つの容器(あるいは複数の容器)に収納することができる。埋め込み可能な構成素子としては、RPなどの送信技術(たとえば、ブルーツゥースやジグビープロトコルを有する技術)あるいは超音波を用いた外部受信機に信号を送信する無線送信機がある。別の方法として、分析モジュール22、23、26、28、29、31およびユーザーインターフェース24のいずれか1以上を身体に埋め込み可能な容器などに収納して対象者に埋め込むことができる。更に別の方法として、運動センサー30を対象者12に埋め込み、且つ、運動データ取得モジュール20を対象者の外部に設けて無線乃至有線で運動センサー30と交信できるようにしてもよい。
【0313】
システム10の全てあるいは一部を対象者に埋め込んだ本発明の一実施例において、センサー30を、次のパラメータの1以上を測定する2以上のセンサーで構成することができる。すなわち、(a)機械的振動、(b)音響的振動、(c)心電図、(d)筋電図、(e)肺インピーダンス、(f)加速度のパラメータである。本発明の他の適用例として、システム10は次の1以上の分析を実行する複数センサーデータを用いている。すなわち、(a)呼吸数、負荷サイクル、吸気/呼気比、呼吸の深さなどの咳分析、(b)咳測定、(c)心拍数、心拍数変動、パルス間隔時間などの心拍分析、(d)睡眠不安定分析である。本発明の他の適用例においては、喘息、CHF、糖尿病、癲癇などの慢性疾患における臨床発作の予測および/または監視を行うために複数センサーデータ分析が行われる。
【0314】
本発明の別の適用例においては、システム10の埋め込み可能な構成素子は、支持面37の中、上、下のいずれかに設けた外部装置あるいは対象者の身体の外面に設けた装置と通信可能である。重篤な不整脈あるいは心室細動や心拍停止などの病変の検出に応じて、外部装置で適切な電気ショックもしくは磁気ショックができるようにする。たとえば、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器などからなる外部装置であってもよい。別の方法として、システム10の埋め込み型構成素子を、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器と無線もしくは有線で交信可能にするとよい。あるいはまた別の方法として、外部装置で外部的に(脚部運動などを)簡単にモニタできるパラメータの一部を監視すると共に、システム10の埋め込み型構成素子で内部的に簡単にモニタしたパラメータを監視するようにできる。埋め込み型処理ユニットは情報を統合して、上記した完全な複数パラメータのモニタ機能を実現する。
【0315】
本発明の一実施例におけるユーザーインタフェース24は、対象者がその時点で受けている治療に関する薬剤や投与量などの情報の入力を受ける。予防治療または臨床薬物治療は、呼吸、心拍、咳、不安症状などの生理的パラメータに影響を与えることがある。たとえば、喘息患者の呼吸パターンは、気管支拡張薬の影響を受ける。よって、パターン分析モジュール16では、基準パラメータからの測定パラメータの変位が見られた場合は入力された情報を分析する。たとえば、呼吸パターン分析モジュール22は、気管支拡張薬が投与された約1時間以内に呼吸数の増加が見られ8時間以上経過した場合、呼吸数を基準と比較して約10%の軽い増加であれば無視する。
【0316】
図2に戻って説明すると、本発明の一適用例として、薬物治療情報は、ユーザーインターフェース24に手動で入力されずに、薬物投与装置266からシステム10に直接送信される。上記した薬剤情報は、たとえば、投与した薬剤(および/または薬剤の有効成分)、薬剤投与量、投与時期のいずれかまたは組み合わせた情報である。本発明の他の適用例として、システム10は、薬剤投与装置266に与えられた薬剤投与量および/または薬剤投与時期が決まった時点で薬剤治療情報を考慮する。システム10へのデータの送信は無線でも有線でもよい。一例として、薬剤投与装置266は、市販の「ネブライザ・クロノログ(Nebulizer Chronolog)」(米国コロラド州レークウッド「メドトラック・テクノロジー社」製)や「ドーザー(Doser)」(米国マサチューセッツ州ハドソン「メディトラック・プロダクツ社」製)などの薬剤投与装置であってもよい。
【0317】
本発明の一実施例におけるシステム10は、特異的薬物療法に関するパラメータ変動を自動的に検出・抽出し、基準パターンからのパラメータ偏差の評価に抽出パターンの変化を考慮する。たとえば、システム10は、約6〜8時間後に正常に戻った喘息患者の呼吸数の約10%増加を気管支拡張薬の使用が原因と判断する。
【0318】
再び図2に戻って説明すると、本発明の一実施例におけるシステム10は薬剤投与装置266と自動閉ループで用いることができる。薬剤投与装置が対象者12に薬剤を供する。システム10で、薬剤の臨床効果を監視し薬剤投与装置にフィードバックして薬剤投与量を維持乃至更新する。 本発明の他の適用例として、薬剤投与装置266は、以下の1以上の構成を含んでいる。すなわち、医療用噴霧器、吸入器、気化器(たとえば、対象者が居る室内用)、持続的気道陽圧法、スプレーシステム、静注薬物システムなどの1以上の構成要素である。
【0319】
別の方法として、システム10によって、対象者の1以上の生理的パラメータを適正化すると共に、噴霧器または加湿器などを駆動して湿度を適切に制御するように対象者が居る部屋の最適湿度を判断する。更に別の方法として、システム10によって、対象者の生理的パラメータを適正化すると共に、エアコンやヒータを駆動して温度を適正に制御するように最適な室温を判断する。
【0320】
本発明の他の適用例として、薬物療法情報をユーザーインターフェース24から手動で入力しないで、薬物投与装置266からシステム10に直接与えるようにする。上記した薬剤情報は、たとえば、投与した薬剤(および/または薬剤の有効成分)、薬剤投与量、投与時期のいずれかまたは組み合わせた情報である。本発明の他の適用例として、システム10は、薬剤投与装置266に与えられた薬剤投与量および/または薬剤投与時期が決まった時点で薬剤治療情報を考慮する。
【0321】
本発明の他の適用例として、薬剤投与装置266で複数薬剤の投与量を張設する。たとえば、気管支拡張薬、抗炎症薬、抗生物質、偽薬などの1以上の種類に属する薬剤の投与量を薬剤投与装置で調整することができる。喘息患者を治療する本発明の他の適用例における薬物投与装置は、気管支拡張薬、抗炎症薬、抗生物質、偽薬などの複数種類の薬剤を入れる3つの薬室を有する定量吸入器(MDI)によって構成することができる。対象者12が朝めざめた時に、システム10が対象者の状態を判定し、これに応じて、3種類の薬剤の適切な配合投与量を決定する。システム10は、吸引に適した配合薬剤を調製した投与量情報をMDIに送り、適切に配合調製された薬剤を自動投与するために対象者がMDIを作動させる。こうした技術によって、対象者はMDIが調製する薬剤配合を認識し、あるいは、制御する必要はなくなる。ここに記載の技術はMDI以外の薬剤投与装置にも好適に適用できる。
【0322】
本発明の実施例において測定した信号のパワースペクトル密度を表すグラフを示す図14A〜Bを参照すると、図14Aおよび14Bの線分270、272は夫々、腹部と脚部で測定した信号のパワースペクトル密度を示している。ピーク274、276は対象者の呼吸数および心拍に夫々対応している。グラフから明らかなように、本発明の一適用例として、心拍数は脚部下で測定した信号を最も簡単に検出できる。
【0323】
本発明の一実施例において2つの運動センサー30A、30Bとからなるシステム10の概略構成を示した図15を参照すると、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設けてなる運動センサー30A、30Bのうちのセンサー30Aを対象者12の腹部乃至胸部39の近傍に位置させ、センサー30Bを対象者の解剖学的な腰部下の適宜部位近傍、たとえば、対象者の脚部40近傍に位置させる。システム10で、センサー30A、30Bからほぼ同時に信号をサンプリングして分析する。拍動する心臓バリスティック作用が心臓から発して脚部に向かって毎秒約5メートルの速度で伝播する。本発明の他の適用例としてのシステム10は、脚部40の下のセンサー30Bから検出された遅延パルスを用いて、腹部38または胸部39の下のセンサー30Aから検出したパルスを確認する。本発明の別の適用例として、システム10に2つ以上の運動センサー30を設ける。
【0324】
本発明の実施例において対象者の脚部および腹部で同時に測定したパルス信号と、測定パルス信号の相互相関を表すグラフを示した図16A〜Bを参照して本発明の他の適用例を説明すると、システム10で、(a)対象者12の解剖学的な腰部下の脚部等の部位と、(b)腹部38または胸部39で測定した信号間の相互相関を演算する。たとえば、図16Aの信号290、292は腹部38と対象者の脚部の夫々で同時に測定したパルス信号を示しており、図16Bの線分294は、図16Aの2つのパルス信号の相互相関を示している。線分294の最初のピーク296は、心臓バリスティック信号の遅延長さ、つまり、この例において約0.12秒に相当する。この相互相関信号のピーク296を識別し、相互相関信号の第二のピーク298も識別する。両ピークの間隔は、心拍間の間隔に相当し、心拍数の計算が可能になる。本発明の他の適用例として、システム10で、この間接的に計算した心拍数を用いて、直接測定した心拍を乱す信号の背景にある暗騒音を除去する。
【0325】
図15を参照して本発明の実施例を説明すると、腹部及び脚部センサー30A、30Bを支持面37の下に互いに既知の間隔D(Dは、たとえば、夫々のセンサー中心間の距離とする)を置いて位置付ける。システム10において、相互相関信号294の最初のピーク296に対応する時間差によって間隔Dを除算することで心臓バリスティック信号が対象者の身体を伝播する速度を算出する。本発明の別の適用例として、システム10で連続的に速度を計算する。速度変化には対象者の状態変化の指標が含まれている。たとえば、本発明の適用例として、システム10において、2つのパルス信号の測定時間差および/または変化を用いて対象者の血圧および/または血圧変化を推定する。この技術は、たとえば、既述した米国特許第6,599,251号(Chen et al)に記載の技術を適当に改変し組み合わせて用いてもよい。 本発明の他の適用例として、システム10において、検出した血圧情報を用いて臨床発作の発症および進行経過をモニタし、且つ、予想してもよい。本発明の別の適用例として、システム10において、対象者の血圧絶対値を算出するようにしてもよい。また、システム10を、オシロメトリック式の血圧計バンドを用いた標準血圧計を用いて測定を行うようにしてもよい。
【0326】
本発明の実施例において妊娠対象者300とその胎児302を監視するシステム10の概略図である図17を参照して説明すると、この実施例のシステム10は、母体パルスと胎児パルスを識別して差異を見つける2以上の運動センサー30を備えている。本発明の他の適用例として、第一センサー30Cを妊娠対象者300の解剖学的腰部の一部位の下方、たとえば、脚部40などに位置させ、対象者パルス信号を明瞭に検出できるようにしている。第二センサー30Dを対象者300の腹部下に位置づけ、母体パルスと胎児パルスの合成信号を計測する。信号品質を向上させるためにセンサー30を追加してもよい。パターン分析モジュール16によって、合成パルス信号から母体パルス信号を取り除いて胎児パルスを取り出す。
【0327】
本発明の他の適用例として、システム10において、2以上のセンサーを用いて母体の身体運動とパルスを識別して差異を見つける一方で、胎児の運動とパルス識別して差異を見つける。特に、システムにおいて、対象者のパルスと母体身体運動の信号を明瞭に検出するために第一センサー30Cを用い、母体と胎児のパルスと身体運動の合成信号を測定するために第二センサー30Dを用いる。
【0328】
パターン分析モジュール16によって、合成パルス信号から母体パルス信号と運動信号を取り除いて胎児のパルスと運動を検出する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16によって、腹部と解剖学的腰部下(たとえば、脚部)に設けたセンサーによって検出した信号の遅れに応じて胎児パルスから母体パルスを識別して差異を見つける。たとえば、パターン分析モジュール16に、上記した相互相関技術に改変を加えて利用してもよい。たとえば、ここでの相互相関技術を母体パルスの識別に用いることができる。ここでの信号は合成信号から差し引いたものである。他の方法として、母体パルスを抽出した後に合成信号を、母体パルス周波数を取り除くノッチフィルタを用いてフィルタ処理する。その上で、結果的に得られた信号を、胎児パルスに適した、たとえば、約1Hzから約4Hzの範囲のバンドパスフィルタでフィルタ処理する。胎児パルスは上記した技術を用いて識別する。
【0329】
本発明の実施例による生理的状態を予測する方法を概略的に説明するためのフローチャートを示した図18を参照してこの実施例を説明すると、システム10は、運動センサー30によって生成した運動信号のエネルギースペクトルの差分高調波間の比率の変化の少なくとも一部に応じて生理学的状態を予測する機能を備えている。測定工程310において、運動センサー30によって運動信号を検出する。パワースペクトル計算工程において呼吸パターン分析モジュール22によって測定運動信号のパワースペクトルを計算する。呼吸数判定工程314において、モジュール22を用いて、呼吸数を、呼吸に関連する周波数領域(たとえば、約0.1Hzから約1.0Hzの範囲)におけるピークとして識別する。他の方法として、呼吸数を計測するために、呼吸パターン分析モジュール22において、時間領域におけるゼロ交差検出法またはピーク検出法を用いてピークを計数する。更に他の方法として、このモジュールによって、ピークを識別し、ピーク間の時間間隔を測定し、最高値から最低値の順に時間間隔を並べ、特定割合の上端(たとえば10%)と下端(たとえば10%)をカットし、残った間隔の平均をとる。その上で、高調波識別工程316においてパワースペクトルのピークの、たとえば多倍数などの1以上の高調波(または、たとえば、結果的な周波数が許容周波数範囲にある場合は、1/2などの小さい分子/分母の分数)をモジュール22で識別する。比率/位相差演算工程318において、高調波のエネルギーレベルと高調波の位相差との比率をモジュール22で計算する。症状発症予測工程310において、モジュール22で、これらのパラメータ対基準測定値を分析し、基準からの偏差を迫り来る生理学的状態の指標として解釈する。たとえば、この偏差を、胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度もしくは位相角と見なしてもよい。
【0330】
本発明の実施例における方法を図18に従って実行するための実例パワースペクトルを表すグラフを示した図19を参照すると、実際の喘息患者で測定したデータから得られたパワースペクトルであり、線分321は、図18の方法による工程310と工程312において計測およびフィルタ処理された呼吸信号のパワースペクトルである。ピーク322を約0.1Hzから約0.5Hzの範囲での最大ピークとして識別でき、このピークが基礎呼吸数となる。ピーク324を工程316における呼吸信号の第二高調波として識別できる。工程318において、ピーク322からピーク324までの高さの比を計算し、睡眠中の数時間をグラフ化する。本発明の他の適用例として、ピークの基準参考比を正常睡眠中の測定結果を基に計算する。工程320において、ピーク比が基準からそれているかどうかを評価するために、睡眠中のピーク比をピークの基準参考比と比較し、これによって臨床発作の発症が切迫していることを表す。また、工程318において、フーリエ解析によって各周波数の位相を求める。特に、基礎高調波と二次高調波の位相を互いから差し引き、その差を上記と同様に分析する。
【0331】
本発明の実施例において測定した喘息患者の呼吸信号の2つの高調波の比率を表すグラフを示した図20から分かるように、一時的な睡眠中は、線分330に示した高調波のエネルギーレベルの比率は、正常な非規定一時的睡眠中の比率に比べて実質的に高くなる。(線分における棒線は標準偏差である。)本発明の他の適用例として、誤差棒線のサイズの大きな変動は臨床発作の予兆もしくは徴候である。
【0332】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、一定時間内に起こる無呼吸睡眠事象を識別して計数する。システム10で、その事象回数と無症候日の基準値とを比較して、得られた偏差を発作の徴候と解釈する。
【0333】
本発明の実施例におけるチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号と、図21Aの信号の分析値を表すグラフを示した図21A〜Bを参照すると、本実施例のシステム10でCSRをCHFなどの慢性症状の徴候として識別する。図21Aの信号250は、上記した測定法およびフィルタ処理によって得られた睡眠中の対象者の呼吸信号を表している。この信号はCSRの特徴である。システム10によって、信号350の連続するピーク間の時間間隔を測定し、図21Bの線分352によって表されるような連続するピーク対の夫々の間の瞬間的な呼吸数を計算する。線分352は、CSRにおいて期待する周期性であり、このパターンを識別するために用いられる。本発明の他の適用例として、システム10が夜毎のサイクル数を測定して記録し、その情報データをCHFなどの臨床症状の発症と重症度として利用する。
【0334】
図22は、本発明の実施例において測定したチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号を示すグラフである。
【0335】
図23は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【0336】
線分400はCSRがない場合の正常基準パターンであり、線分402はCSR中の夜間のパターンである。棒線は標準誤差を示している。
【0337】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、睡眠時周期的脚運動(PLMS)を識別する。この症候群の発症および程度は、CHF、糖尿病、貧血症、腎臓病、喘息などの慢性症状の発現の指標となる。本発明の一適用例においてシステム10に単一センサー30を備えるが、他の態様としては、システム10に2以上のセンサー30を備えてもよい。
【0338】
図2に戻って参照すると、本発明の一実施例におけるシステム10に、体温測定用の温度センサー380を備える。本発明の他の適用例として、温度センサー380に、体温測定用の赤外集積センサーを備える。体温は全身感染症や炎症などの全身状態を示す生体徴候であり、体温の包括的上昇を、医療診断の第一のスクリーニング手段として利用する。
【0339】
再度図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例おけるシステム10に、第一および第二運動センサー30を設けている。運動センサー30を、支持面37の中、上、下のいずれかに設ける。たとえば、第一運動センサーを対象者12の肺近傍に位置づけ、第二運動センサーを対象者12の腹部近傍のたとえば対象者の下腹部に位置づける。システム10によって、両センサーからほぼ同時に呼吸関連信号をサンプリングして分析する。 本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16によって、センサーによる呼吸関連信号の位相シフトを2つの呼吸関連信号を、既述したような相互相関するなどの方法で計算する。パターン分析モジュール16で、位相シフトを分析し、気道閉塞がある患者の顕著な臨床特徴である胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を判定する。別の方法として、モジュール16によって、位相シフトを分析して、喘息発作などの臨床症状の発症を識別監視する。本発明の他の適用例として、モジュール16によって、呼吸関連信号の振幅の比を計算し、その比を分析して呼吸時の副筋使用の程度を判定する。肺センサーによって測定した呼吸関連信号に対する腹部センサーによって測定した呼吸関連信号のより大きい比は通常、呼吸時の副筋使用が大きいことを表している。副筋使用は気道閉塞の患者の顕著な臨床特徴である。
【0340】
再度図1および図2を参照すると、本発明の一実施例におけるシステムには第一および第二運動センサー30を備えている。運動センサー30を、支持面37の中、上、下のいずれかに設ける。たとえば、第一運動センサーを対象者12の肺近傍に位置づけ、第二運動センサーを対象者12の腹部近傍に位置づける。システム10によって、両センサーからほぼ同時に呼吸関連信号をサンプリングして分析する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16で、センサーからの合成信号を分析して呼吸の吸気と呼気を区別する。たとえば、吸気中は肺近傍での運動は腹部近傍の運動に先立ち、呼気中は肺領域での運動は腹部の運動に引き続く場合がある。本発明の他の適用例として、吸気に対する呼気の持続時間の比をほぼ連続的に計算し、吸気期間に比べての呼気期間が長くなると気道閉塞の徴候である。
【0341】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、糖尿病患者の低血糖症の発現の早期徴候を認定できる。このシステムによって、発症の徴候として顕れるある程度の生理的振戦の増大や、心拍、呼吸数、覚醒などの上記した他のパラメータとの組み合わせにおける振戦症状の増大や、動悸を表す心拍パターンの変化を(上記の技術を利用して心拍信号のピーク間のタイミングを分析することで)判定する。このシステムは主に、約4Hzから約18Hzの間、特に、約8Hzから約12Hzの間の身体運動を監視して生理的振戦を検出している。
【0342】
別の方法として、このシステムによって、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳梗塞、本態性振戦、癲癇、ストレス、心細動、アナフィラキシー性ショックから選ばれた一症状の発症または進行経過を意味するある程度の生理的振戦の高まりを識別する。本発明の他の適用例として、システム10によって、ユーザーインターフェース24を駆動して検出した生理的振戦の1以上の特性を振戦の振幅乃至スペクトル画像などとして表示する。たとえば、システム10を病院での臨床的生命徴候診断システムとして利用できる。本発明の他の適用例として、動悸を表す心臓からの信号を分析して低血糖症を識別できる。
【0343】
本発明の一実施例におけるシステム10は、上記したような夜間の多重時間点における呼吸数、心拍数、咳発作数、血圧変動、吸気/呼気比、呼吸高調比などの生理的パラメータ群を監視する。パターン分析モジュール16で、監視したパラメータの夫々についてスコアをつけ、このスコアを合成して合成スコアを定める。
【0344】
合成スコア=定数1X(平均夜間心拍数−基準心拍数)+定数2X(平均夜間呼吸数 - 基準呼吸数)+定数3X(夜間咳数)+定数4X(時間3の平均呼吸数−時間2の平均呼吸数)・・・(式3)
パターン分析モジュール16によって、合成スコアを第一閾値および第一閾値より大きい第二閾値と比較する。合成スコアが第一閾値と第二閾値の間であれば、システム10は将来予期される臨床発作を表す警報を出す。合成スコアが第二閾値より大きい場合、システムは現在臨床発作を発症していることを表すアラームを送出する。別の方法として、スコアおよび合成スコアをベクトルで表すことができる。
【0345】
本発明の一適用例として、これらの技術を、喘息患者が広く用いているゾーン疾患管理方法と連携して利用する。このゾーン疾患管理方法は、喘息徴候がない状態は「緑色」ゾーンに示し、軽い発作状態は「黄色」ゾーンに示し、発作が強い場合は「赤色」ゾーンに示す方法である。システム10によって、合成スコアが第一閾値より小さい場合にユーザーインターフェース24を駆動して緑色ゾーンに示し、合成スコアが第一、第二閾値の間にあると黄色ゾーンに示し、合成スコアが第二閾値より大きい場合は赤色ゾーンに示す。
【0346】
本発明の他の適用例として、システム10によって、合成スコアが第二閾値より大きい場合は即時警告を発して夜間睡眠中の対象者を覚醒させるが、合成スコアが第一、第二閾値の間であれば対象者への警告を朝まで待つようにする。即時警告はアラーム音およびアラーム光のいずれか一方あるいは両方で行うことができる。朝になってから対象者に与える予想発症の通告信号は、合成スコアの算出後の任意時点にユーザーインターフェースから出力するが、対象者を目覚めさせることはない。
【0347】
本発明の他の適用例として、両閾値の一方もしくは両方、1以上のパラメータ、合成スコアを生成させるための1以上の定数などをシステム10に学習させるようにする。そのための学習技術を利用すればよい。
【0348】
本発明の実施例において数夜に亘って測定した呼吸を表す三次元グラフを示した図24を参照すると、図示のグラフは臨床発作の進行経過の視覚化や、発作の発症の識別の有効性を表している。
【0349】
図24のグラフのx軸は夜間の時間を表し、y軸は夜間の指数(たとえば、24時間)を表し、z軸は呼吸数を表している。別の方法として、z軸を心拍数にしてもよい。また、こうしたデータを地形のようなトポグラフィー図にしてもよく、あるいは、中間色表示や色分けで表示してもよい。人為的もしくは機械的に作成したこのような三次元グラフでの分析は、発作の発症を表す識別パターンに有効である。
【0350】
本発明の一実施例におけるシステム10は、図15を参照にして上述したように、腹部38あるいは胸部39の近傍に配置した第一センサーと、脚部40の近傍に配置した第二センサーなどの複数の運動センサー30を備えている。パターン分析モジュール16によって、腹部または胸部下のセンサーで検出したパルス信号と脚部下からの検出パルス信号の時間差を測定する。たとえば、このモジュールによって、呼吸サイクル時間より少ない時間、たとえば、約1回と3回の心拍周期間のような時間に心拍信号の相互相関処理を行うことで時間差を測定できる。別の方法として、モジュールに、心拍信号のピークを識別させ、各信号のピーク間の時間差を計算させてもよい。モジュール16で、たとえば、上記した米国特許第6,599,251号(Chen et al)に記載されたような連続的に血圧変動信号を算出するための時間差を用いてもよい。モジュール16によって、全吸気/呼気周期に亘る血圧変動の振幅を計算し、計算された振幅をたとえば10mmHgの閾値あるいは基準値と比較する。これら閾値および基準値は対象者から予め測定して定めた、あるいは、統計的平均で定めた値である。モジュール16では、閾値より大きい振幅を奇脈が顕れていると解釈する。別の方法として、このシステムによって、振幅の表示および振幅の記録のいずれか一方または両方を行い、症状の変化を識別するために後で用いる特定患者の基準を求める。
【0351】
ここに開示のいくつかの実施例は、臨床発作を予測・監視するためにモニタリングする一連の生命徴候や生理学的作用に係わるものであり、場合によって、上記機能を適宜組み合わせることでシステム10の監視・予測性能、たとえば、上記したような糖尿病患者における低血糖症状の発症を検出するなどの機能を有用に向上させることができる。
【0352】
本発明の一実施例におけるシステム10には、夜間における覚醒数を計数する機能がある。本発明の一適用例として、斯かる計数値には、喘息発作、糖尿病(たとえば、水分補給に覚醒する)、腸疾患、結腸疾患、前立腺障害(たとえば、排尿のために覚醒する)などの発症を表す指標が含まれている。
【0353】
本発明の一実施例において、上記した技術あるいは上記したシャイナー・Zによる文献(1998年)に示された技術によって覚醒の識別を実行する。
【0354】
本発明の一実施例におけるシステムは、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認しないで、高齢被験者をモニタする機能を備えている。たとえば、システム10に、呼吸数、心拍数、咳、睡眠時間、覚醒、睡眠中の不安定状態の1以上の状態をモニタする機能を持たせる。本発明の他の適用例として、システム10によって、1以上の前記パラメータを分析して対象者が介助なく寝床から離れようとした場合に医療従事者に知らせることができる。患者が解除なく寝床から離れようとする試みによって死亡もしくは負傷事故を起こすことがよくある。
【0355】
ここに開示の本発明の実施例は、特に喘息発作あるいはCHFに係わる技術であるが、本発明が意図する機能原理は適宜改変を加えて、正常な呼吸パターンに影響を及ぼす、たとえば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、神経障害(癲癇など)、CHFに伴う心不全などにおける呼吸状態および無呼吸状態の予測および予測に適用できる。本発明の一適用例として、システム10によって、迫り来る偏頭痛の早期徴候である呼吸数および/または心拍数の変化をモニタリングするなどの方法で片頭痛の発症の予測および/または監視する。
【0356】
本発明の他の適用例として、システム10を、腸や結腸の僅かな運動を監視し、その運動を胃腸の状態を表す指標として分析できるように構成している。たとえば、システム10によって、腹部下に設けたセンサーや肺下に設けたセンサーを用いて検出した信号を微分するなどの方法で胃腸消化管の運動の特徴的な周期を特定することができる。
【0357】
当該技術分野の技術者には明らかであるが、本発明は、特に以上の説明および図示した実施例のみに限定するものではない。敷衍すると、上記説明で開示した様々な特徴の組み合わせ、更には、その二次的組み合わせと共に、上記説明に係わり当該業者が想定し得る従来技術に基づく変更および改変をも含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0358】
【図1】図1は、本発明の実施例による対象者の臨床的病状をモニタリングするシステムの概略図である。
【図2】図2は、発明の実施例おける図1に示すシステムの制御ユニットの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施例における図2に示す制御ユニットの呼吸パターン分析モジュールを示す概略ブロック図である。
【図4】図4A〜Cは、本発明の実施例で測定した運動信号の分析を説明するグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例による実験で測定した慢性喘息患者の呼吸数パターンを説明するグラフである。
【図6】図6は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図8】図8A、Bは、本発明の実施例における運動信号の異なった周波数成分を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施例における時間および対応周波数範囲の信号を示すグラフである。
【図10】図10A〜Cは、本発明の実施例において測定した周波数スペクトルを示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施例において測定した胎児の心拍信号の合成成分および分解成分を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施例における身体運動を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施例において正常睡眠時および喘息の臨床発作時の不安定事象を示すグラフである。
【図14】図14A〜Bは、本発明の実施例において測定した信号のパワースペクトル密度を示すグラフである。
【図15】図15は、本発明の実施例による2つの運動センサーからなる図1のシステムの構成の概略図である。
【図16】図16A〜Bは、本発明の実施例において対象者の脚部および腹部で同時に測定したパルス信号と、図16Aの信号の相互相関を示すグラフである。
【図17】図17は、本発明の実施例において妊娠対象者とその胎児を監視する図1のシステムの概略図である。
【図18】図18は、本発明の実施例による生理的状態を予測する方法を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の実施例における方法を図18に従って実行するための実例パワースペクトルを示すグラフである。
【図20】図20は、本発明の実施例において測定した喘息患者の呼吸信号の2つの高調波の比率を示すグラフである。
【図21】図21A〜Bは、本発明の実施例におけるチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号と、図21Aの信号の分析値を示すグラフである。
【図22】図22は、本発明の実施例において測定したチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号を示すグラフである。
【図23】図23は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図24】図24は、本発明の実施例において数夜に亘って測定した呼吸を表す三次元グラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理的異常状態を予測および監視に関するもので、特に、生理的乃至物理的パラメータの特徴の非接触測定および分析によって生理的異常状態を予測および監視する方法および装置に関するものである。
【0002】
また、本発明は、(a)(1)米国特許仮出願第60/692105号(出願日2005年6月21日)と、(2)米国特許仮出願第60/674382号(出願日2005年4月25日)を相互参照している米国特許出願第11/197786号(発明者Halperinなど/出願日2005年8月3日)「臨床症状の予測と監視技術」、および、(b)米国特許仮出願第60/692105号(出願日2005年6月21日)を参照した技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
慢性疾患は臨床症状が発作的に悪化することで発現することが多い。慢性疾患の予防的治療によって、所要の薬剤の総合的な投薬量を減らし、あるいは、使用薬物の副作用を軽減することができ、死亡率や罹病率を低減させる。通常、初期段階で臨床症状が認められたら可及的速やかに予防的治療を施すべきで、この予防的治療によって臨床症状の進行・悪化を食い止めることができ、病態生理学的過程を中断し、あるいは、逆行させることができる。よって、発作予兆指標を正確に監視する性能が慢性疾患の予防的治療の有効性を向上させる。
【0004】
多くの慢性疾患は、様々な生理学的機序を通して呼吸や心拍などの生命徴候にシステム変化を起こす。たとえば、喘息や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの一般的な呼吸器疾患、嚢胞性線維症(CF)は、呼吸乃至心拍の直接的な変調因子となる。糖尿病、癲癇、特定の心臓疾患(例えば、鬱血性心不全(CHF))などの慢性疾患も心臓活動や呼吸活動を一時変異させることが知られている。特定の心臓疾患の場合、体液鬱滞や一般的な心血管不全に係わる病態生理学のためにそうした一時変異は普通に発生する。咳や睡眠障害などの徴候も数種の臨床的な重要な症状として知られている。
【0005】
多くの慢性疾患が生命徴候の全身的作用を誘発させ、たとえば、いくつかの慢性疾患は、覚醒状態や睡眠中の正常な呼吸や心臓作用を阻害して、異常呼吸や異常心拍を引き起こす。
【0006】
呼吸および心拍が様々な直接的および間接的生理学的機序を介して変調され、一時変異の原因に係わる異常パターンをもたらすことがある。喘息などの呼吸器系疾患やCHFなどの心臓疾患は直接的な呼吸変調因子である。低血糖症などの代謝系の異常や自律神経系の活動に影響する他の神経的な病変は間接的な呼吸変調因子である。喘息は既知の治療法がない慢性疾患である。
【0007】
喘息症状の実質的軽減は、気管支拡張薬や抗炎症薬を使用する予防療法によって可能である。喘息管理は、喘息患者の生活の質を改善する目的があるが、予防療法には肺機能を恒常的な監視と薬剤の種類と投与量に対応する順応性が要求されるので、当該喘息管理には、患者と医師の深刻な課題がある。ところが、肺機能のモニタリングは簡単でなく、通常は非臨床的環境または家庭環境では利用できない高性能の計測機器と専門知識を要する。
【0008】
肺機能のモニタリングは、適切な処理を決めるだけでなく患者の追跡治療を決める主要因子と見られており、望ましい療法としてはエアゾール薬剤がよく用いられ、全身性副作用を最小限にするようにしている。エアゾール療法の有効性は、判断と維持が困難な患者の協力によるところが大きいが、肺機能監視の重要性に寄与する。
【0009】
喘息の症状は時折突発的に発作を起こすように見えるが、通常は数日間継続する。喘息症状が緩やかに始まると、炎症過程を停止し逆進させる対応措置を開始する機会が得られる。発作予兆段階での早期治療が臨床症状の発現を著しく緩和する可能性があり、発作予兆段階から臨床症状の発現への移行をも共に妨げる可能性さえある。
【0010】
2つの技法が通常、喘息のモニタリングに用いられる。第一の技法は肺活量測定法で、肺で空気を給排する量を測定する装置である肺活量計を用いて肺機能を診断する。肺活量計に管を介して接続したマウスピースに患者が力強く給排した空気循環の動的状態を測定する。最大流量計は、肺活量計に似た簡単な構造の装置で、同じように使用される。第二の技法は専用の一酸化炭素モニタを用いて一酸化炭素濃度を測定することで肺機能を監視診断する方法である。この方法では、患者はチューブを介してモニタに繋がれたマウスピースに息を吹き込む。
【0011】
効率的な喘息管理には呼吸機能を日々モニタリングする必要があり、通常は非臨床的環境または家庭環境では実行困難な非現実的である。最大流量計や一酸化炭素モニタは肺機能状態の一般的な適応症を示すが、これらの計器には予測機能はなく、発作記録装置として用いられる。また、最大流量計や一酸化炭素モニタの稼働には患者の積極的な努力が必要であるが、子供や幼児から有効な監視結果を得ることは困難または不可能である。
【0012】
CHFは、弱っている心臓の状態や、身体の要求に合わせた血液の循環ができない状態である。それによる脚部、腎臓、肺の体液の増量が鬱血などの状態を特徴づける。その弱体状態は、異なった病因を有する心臓の左心と右心の一方もしくは両方に関連していることがある。大抵の場合、機能不全の左心であり、血液を全身循環させるために効率的に送り出すことができなくなる。その後の肺での流動鬱血は、呼吸困難や頻呼吸などを伴って呼吸速度や呼吸パターンなどに変化をもたらす。
【0013】
斯かる異常呼吸の定量化が、CHF経過を監視診断する基礎となる。たとえば、チェーン・ストークス呼吸(CSR)は、無呼吸と過呼吸を交互に繰り返す規則的な循環節の一回換気量の周期的振動に特徴付けられる呼吸パターンである。CSRは、多くの異なった病変(脳炎、脳循環障害、呼吸中枢の障害など)で観察され、心不全を悪化させる個々の危険因子として、また、CHF罹患患者の生存性の低下因子として認識されている。CHFは、CSRが睡眠を寸断する頻回の覚醒や交感神経同時活性化を伴う。他の異常呼吸パターンは周期性呼吸、呼気乃至吸息延長や、通常頻呼吸につながる呼吸数の段階的変化などを誘発することがある。
【0014】
胎児の健康については、遺伝的障害や発育障害用のスクリーニング手段として、あるいは、胎児成長を監視するための超音波画像装置と共に、ドプラ超音波変換法を利用して胎児の心電図を監視する装置を含むいくつかの検出撮画手段を用いて妊娠中全般に亘って監視することが行われる。活動期と休息期によって異なる成人の心拍数を観察方法と同じように、健康な乳児が高心拍数を示して活発に反応する状態を見ることができる。胎児の心拍数は、正常で健康な胎児で概ね毎分80〜250回の範囲で心拍数が変化し、運動に応じて多くなる。出生前に斯かる変動が不十分な場合は胎児の死亡率が高くなるという関連性がある。妊娠後期、特に、ハイリスク妊娠の場合、胎児の健康を監視診断して胎児仮死の初期徴候を識別するために定期的に胎児の心拍を監視する。胎児の健康を監視診断する現在の解決法はおおむね家庭環境には適していない。
【0015】
心弾動図記録法は、循環系の心臓および血液の運動に起因する身体の反跳運動の測定であって、トランスデューサによって循環系で血液が移動する際に血液の加速によって生じる身体のわずかな運動を検出する。たとえば、ここでの参照文献である米国特許第4657025号公報(発明者:Orlando)には一台のトランスデューサで心拍と呼吸数を検知する装置が開示されている。トランスデューサは、患者の心拍機能および呼吸機能の活動によって従来のベッド上で生じる振動の垂直方向の感度を高めるように構成された電磁センサーであり、ベッド上で休む患者と、ベッド上に患者から離して置かれたセンサーとの間には物理的接続がない状態で十分な感度を達成できる技術として開示されている。奇脈は、様々な心臓および心外状態に顕れる身体的徴候であり、これらは有用な診断的および予後的有意性を持つ。奇脈は通常、吸息中に10mmHg以上最大血圧が低下する現象として定義されている。奇脈は次の条件と関連づけられている。すなわち、心臓タンポナーデ、心外膜液、収縮性心内膜炎、拘束型心筋症、肺塞栓症、急性心筋梗塞、心臓性ショック、気管支喘息、緊張性気胸、アナフィラキシー性ショック、胃軸捻症、横隔膜ヘルニア、上大静脈閉塞などである。気管支喘息では、奇脈は軽度の障害と関連づけられることが多く、初期徴候として意味を持つので、奇脈には有意性がある。一般に、子供で奇脈を看ることは困難で、特に、緊急治療室では困難が伴う(例として、ブレンナー・BE等著「成人および子供の急性喘息の臨床所見」、ブレンナー・BE・エマージェンシー・アズマ(ニューヨーク:マーセル・デッカー、1999年:201〜232頁))。
【0016】
以下の特許公報および特許出願公報をここで参照する。
【特許文献1】米国特許第6,468,234号(Van der Loos)
【特許文献2】国際公開第WO 05/037077号(Tehrani)
【特許文献3】米国特許第6,547,743号(Brydon)
【特許文献4】米国特許第6,599,251号(Chen)
【特許文献5】米国特許第6,840,907号(Brydon)
【特許文献6】米国特許第6,290,654号(Karakasoglu)
【特許文献7】米国特許第6,485,441号(Woodward)
【特許文献8】米国特許第6,375,623号(Gavriely)
【特許文献9】米国特許第5,448,996号(Bellin)
【特許文献10】米国特許第6,223,064号(Lynn)
【特許文献11】米国特許第6,517,497号(Rymut)
【特許文献12】米国出願公開第2004/0225226号(Lehrman)
【特許文献13】米国特許第5,002,060号(Nedivi)
【特許文献14】米国出願公開第2004/0133079号(Mazar)
【特許文献15】米国特許第6,450,957号(Yoshimi)
【特許文献16】米国特許第5,522,382号(Sullivan)
【特許文献17】米国特許第5,853,005号(Scanlon)
【特許文献18】国際公開第WO 05/028029号(Stahmann)
【特許文献19】米国特許第6,666,830号(Lehrman)
【特許文献20】米国出願公開第2005/0043644号(Stahmann)
【特許文献21】米国特許第6,790,183号(Murphy)
【特許文献22】米国出願公開第60/504,229号(Stahmann)
【特許文献23】米国特許第6,168,568号(Gavriely)
【特許文献24】米国特許第6,047,203号(Sackner)
【特許文献25】米国特許第6,261,238号(Gavriely)
【特許文献26】米国出願公開第2003/0135127号(Sackner)
【特許文献27】米国特許第5,738,102号(Lemelson)
【特許文献28】米国特許第6,015,388号(Sackner)
【特許文献29】米国特許出願第2005/0085866号(Tehrani)
【特許文献30】米国出願公開第2004/0111040号(Ni)
【特許文献31】国際公開第WO05/037366号(Tehrani)
【特許文献32】米国出願公開第2005/0061315号(Lee)
【特許文献33】米国特許出願第2003/0004423号(Lavie)
【特許文献34】米国特許第5,879,313号(Raviv)
【特許文献35】米国特許第6,512,949号(Combs)
【特許文献36】米国特許第6,064,910号(Andersson)
【特許文献37】米国特許第6,454,719号(Greenhut)
【特許文献38】米国特許第6,126,595号(Amano)
【特許文献39】米国特許第6,600,949号(Turcott)
【特許文献40】米国特許第5,520,176号(Cohen)
【特許文献41】米国特許第6,527,729号(Turcott)
【特許文献42】米国特許第5,944,680号(Christopherson)
【特許文献43】米国特許第6,641,542号(Cho)
【特許文献44】米国特許第6,033,370号(Reinbold)
【特許文献45】米国特許第6,830,548号(Bonnet)
【特許文献46】米国特許第6,135,970号(Kadhiresan)
【特許文献47】米国特許第6,589,188号(Street)
【特許文献48】米国特許第6,751,498号(Greenberg)
【特許文献49】米国特許第5,902,250号(Verrier)
【特許文献50】米国出願公開第2004/0210155号(Takemura)
【特許文献51】米国特許第5,590,650号(Genova)
【特許文献52】米国特許第4,657,026号(Tagg)
【特許文献53】米国特許第6,893,404号(Ragnarsdottir)
【特許文献54】米国特許第5,235,989号(Zomer)
【特許文献55】米国特許第6,752,766号(Kowallik)
【特許文献56】米国特許第5,957,861号(Combs)
【特許文献57】米国特許第6,368,287号(Hadas)
【特許文献58】米国特許第6,383,142号(Gavriely)
【特許文献59】米国特許第6,375,621号(Sullivan)
【特許文献60】米国特許第6,436,057号(Goldsmith)
【特許文献61】米国特許第5,964,720号(PeIz)
【特許文献62】米国特許第6,856,141号(Ariav)
【特許文献63】米国特許第6,239,706号(Yoshiike)
【0017】
ショチャット・M等著「PedemaTOR:前臨床病期で肺浮腫を検知する革新的方法」(http://www.isramed。info/rsmm_rabinovich/pedemator.htmのサイトで閲覧可能)もここでの参照技術文献であり、肺水腫の前臨床検知用のインピーダンス・モニタを開示している。このインピーダンス・モニタは、皮膚電極インピーダンスを自動計算し、測定経胸腔インピーダンスを引くことで肺インピーダンスにほぼ等しい「内胸インピーダンス」を演算測定するものである。
【0018】
この文献では、呼吸数と心拍数の生物学的変調が喘息とCHFなどの慢性症状、および、ストレスなどの他の症状に有効であると示唆している。(米国特許第5,076,281号、同第5,800,337号、同第6,090,037号(Gavish)、同第6,662,032号(Gavish等)、米国特許出願公開第2004/0116784号(Gavish)参照)
前記生物学的変調は、連続測定を基にしたバイオフィードバック技法を用いる試みをしており、測定したパラメータの強度に係わる視覚/聴覚フィードバックを構成している。
【0019】
深い睡眠段階よりも軽度の睡眠乃至REM睡眠中に覚醒するほうが最適に目覚めることができると一部の研究者は信じている。たとえば、アクソン睡眠研究所(Axon Sleep Research Laboratories)(米国ロードアイランド州プロビデンス)で知的目覚まし時計(「スリープスマート」と呼称)が開発されており、睡眠サイクルをモニタして、その睡眠サイクル中の最適ポイントで使用者を起こすようになっている。「スリープスマート」は、使用者に生理データを測定するヘッドバンドを着けて睡眠をとらせる必要があり、睡眠中の呼吸と心拍情報から睡眠段階を認識できるとしている(例として、ここでの参照文献であるシャイナー・Z等著「心拍間隔の変化による覚醒の検証」、睡眠21(補3)、294頁(1998年)参照)。
【0020】
以下の文献をここで参照する。
【非特許文献1】アリハンカ・J等著「心弾動図、心拍数、呼吸の長期モニタリングの新方法」、Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 240、384〜392頁(1981年)
【非特許文献2】ベンツール・L等著「夜間喘息の評価と治療の反応のための子供における喘鳴モニタリング」、Eur Respir J 21(4)、621〜626頁(2003年)
【非特許文献3】チャン・AB等著「咳、気道炎症および軽度喘息悪化」、幼児期の疾病記録第86号、270〜275頁(2002年)
【非特許文献4】スウ・JY等著「頑固な咳症状の患者の咳頻度:24時間携帯レコーダによる評価」、Eur Respir J第7号、1246〜1253頁(1994年)
【非特許文献5】マック・D等著「生理学信号の非侵襲性の分析/NAPS/睡眠の質の低価格受動モニタと応用」、バージニア健康システム大学
【非特許文献6】コーパス・J著「咳音の分析/概説」、肺の薬物学第9号、261〜268頁(1996年)
【非特許文献7】ピーリラ・T等著「咳の客観的評価」、Eur Respir J 第8号、1949〜1956頁(1995年)
【非特許文献8】サルミ・T等著「フィルタ処理した音響信号おおび正電荷感知ベッドの運動を利用した咳の長期記録と自動分析」、胸第94号、970〜975頁(1988年)
【非特許文献9】サルミ・T等著「正電荷感知ベッドを用いた睡眠記録の自動分析」、脳波記録臨床神経生理学第64号、84〜87頁(1986年)
【非特許文献10】シュテークメイヤ-ストラッカ・PA等著「ファジー分類を用いた咳検出」、応用コンピュータ・シンポジューム、応用コンピュータについての1995年ACMシンポジューム議事録、米国テネシー州ナッシュビル、440〜444頁(1995年)
【非特許文献11】ヴァン・ダー・ロス・HFM等著「マルチセンサーベッドシーツからの微小生命徴候モニタリング」、北米リハビリテーション技術学会2001年、米国ニューヨーク州レノ、2001年6月22〜26日
【非特許文献12】ワリス・M等著「喘鳴自動検出の新方法」、Technol Health Care第6(1)号、33〜40(1998年)
【非特許文献13】「喘息管理についての英国ガイドライン/国立臨床ガイドライン」、英国胸部協会、スコットランド大学対抗ガイドライン・ネットワーク、2004年4月改訂版
【非特許文献14】ブレンナー・BE等著「成人および子供の急性喘息の臨床所見」、ブレンナー・BE・エマージェンシー・アズマ、ニューヨーク:マーセル・デッカー、1999年:201〜232頁
【非特許文献15】バレン等著「小児喘息のED治療の最新概念」、呼吸器医療総意報告(トムソン・アメリカン・ヘルス・コンサルタント、2003年12月28日)
【非特許文献16】「喘息管理」、KidsHealthウェブサイト(kidshealth.org/parent/medical/lungs/asthma_mgmt.html)
【非特許文献17】「喘息の徴候と症状」、インド胸部協会(インド、ムンバイ)(http://www.indianchestsociety.org/symptomsofasthma.htm)
【非特許文献18】「喘息で軽くなる呼吸」、Intermountain Health Care Clinical Education Services (http://www.ihc.com/xp/ihc/documents/clinical/10l/3/l/asthma_breathe.pdf)
【非特許文献19】「喘息のための医学相互臨床実用ガイドライン」、Medical Mutual、(米国オハイオ州クリーブランド) (http://www.medmutual.com/provider/pdf/resources/asthma4.pdf)
【非特許文献20】「ピーク・フロー学習センター」、National Jewish Medical and Research Center (http://www.njc.org/disease−info/diseases/asthma/living/tools/peak/index.aspx)
【非特許文献21】ミンツァー・R著「喘息発作について教師が知るべきこと」、家庭教育ネットワーク (http://www.familyeducation.com/article/0,L 12O,65−415,OO.html)
【非特許文献22】「私の子供は喘息ですか?」、ソラノ喘息協会、イーストベイ米国肺協会、(http://www.alaebay.org/misc_pdf7solano_asthma_coalition_child_asthma.pdf)
【非特許文献23】ポーテーッ・J著「喘息」(http://www.nku.edu/〜rad350/asthmajp.html)
【非特許文献24】プルーツ・T著「幼児喘息の追跡と治療」、J Respir Dis Pediatrician 5(2),67〜72頁(2003年)
【0021】
上記発明の背景で列挙した外国文献が、ここに開示する本発明に関する先行技術乃至類似技術であるとは限らない。
【発明の開示】
【0022】
本発明の実施例としての慢性症状のモニタリング方法は、主に夜間睡眠中の対象者の少なくとも一つの呼吸パターンと少なくとも一つの心拍パターンの一方もしくは両方を非侵襲的に監視することからなる。(a)喘息発作あるいは鬱血性心不全悪化などの迫り来る臨床症状を予測することと、(b)臨床症状が生じると臨床症状の重症性と進行度をモニタすることのいずれか一方乃至両方のために前記パターンを分析する。前記パターンを分析するには主に、当該パターンを夫々の基準パターンと比較する。迫り来る臨床症状の予測によって早期予防治療を容易にし、通常は必要な薬剤投与量を少なくすることができる。本発明の適用例として、身体温度、咳、睡眠不安定、血圧などの迫り来る臨床症状可能性の補足的潜在指標をモニタリングすることが含まれる。更なる応用として、臨床症状の予測乃至モニタリングは、1以上の補足的潜在指標のみを基にして行う。
【0023】
本発明の一実施例において、特に夜間睡眠全体(例えば、夜間睡眠の少なくとも80%)に亘る睡眠中における対象者の呼吸及び心拍に関係する身体運動をほぼ連続して取得することで呼吸および心拍パターンをモニタする。運動データを処理して、呼吸パターンを抽出できる少なくとも一つの周期的呼吸関連運動パターン、および、心拍パターンを抽出できる少なくとも一つの周期的心拍関連運動パターンのいずれか一方乃至両方を作りだす。本発明の他の応用として、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認できない検出装置を用いて運動データを取得する。他の応用として、上記検出装置は、主に対象者が睡眠するマットレス、マットレスパッド、マットレスカバー、シーツなどの下もしくは中に設けた、あるいは、呼吸および心臓活動によって起こる機械的摂動を検出する圧力ゲージまたは歪み計を備えてなる。本発明の更に他の応用として、咳および睡眠不安定などの補足的潜在指標を運動データからも抽出できる。データの収集は非侵襲(特に顕著でない)であるので、家庭環境において子供にも成人にも最適なモニタリングを適用できる。
【0024】
上記技術を利用することで、特に、対象者が症状を自覚する前に迫り来る臨床症状の検出が可能となる。例えば、特に喘息の発作も、対象者が呼吸数などの知覚可能な早期徴候を認識する前に予測することができる。また、特に、対象者の呼吸数が増加する前、例えば、呼吸数が基準(つまり、対象者が喘息症状を起こしていない時点での正常呼吸数)に対して10%若しくは5%程度ずつ20%ほど増加する前に喘息発作を予測できる。更に、対象者の毎秒の努力呼気肺活量(FEVl)が基準に対して10%減少する前に喘息発作を予測できる。臨床症状は、おおむね発作開始の少なくとも1時間、例えば、少なくとも4時間前に予測できる。ここに開示の検出技術は、対象者もしくは別の人間(例えば、対象患者もしくは医療従事者)の補助協力の態様を選ばない。
【0025】
本発明で定義するここでの「協力」とは、対象者の生理的パラメータを手作業もしくは実験的に(例えば、ある基準に立脚して)観察するようにして臨床症状を予測乃至監視する際に用いるための1以上の生理的パラメータを測定するヒトの積極的行動を意味する。夜、睡眠をとるために単純にベッドに横たわるような行動は、ここでの「協力」の範疇には入らない。同様に、最初に適切な場所(例えば、マットレスの下、あるいは、患者のいる着床部位)に検出装置を一回限り設置したり、あるいは、電池交換などのための定期保守を行うことも、測定の継続を容易にする「協力」の範疇に入らないと考える。同じように、測定した生理的パラメータの測定位置あるいは測定位置から離れたところでの人による処理も「協力」の範疇にならない。
【0026】
ここに記載の技術の有効性は一部、数種の慢性症状が睡眠中と覚醒時の正常な呼吸と心周期を妨害し、疾患特異な異常呼吸及び心拍パターンを引き起こす。様々な生理学的機序が呼吸および心拍パターンに変調を起こし、変調原因に関与する特殊なパターンをもたらす。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、生理学的異常などの呼吸器系疾患が呼吸および心拍パターンに変調を起こす。例えば、呼吸パターン変調生理学的異常には、(a)チェーン・ストークス呼吸(CSR)などの異常呼吸パターンや周期性呼吸を引き起こすことがある鬱血性心不全(CHF)、(b)糖尿病によって起こるような低血糖症、(c)神経系疾病によって起こるような異常自律神経系活動がある。
【0027】
心臓病にける周期的悪化中に起こりがちな肺細胞の体液鬱滞は心臓活動や呼吸パターンの変化と相関がある。本発明の一実施例において、特に、家庭における慢性心不全対象者のモニタリング方法を提供する。本発明の他の実施例において、夜間睡眠中の呼吸および心拍パターンを非侵襲的にモニタすることによって対象者の心臓状態の予測と評価診察する方法を提供する。本発明の更に他の実施例において、肺体液の早期増量が見られた上の心臓病の迫り来る臨床悪化の早期警告を出し、臨床症状が劇症に移行する前の治療を容易にする方法を提供する。
【0028】
本発明の他の実施例において、迫り来る臨床症状あるいは発症を伴う咳発作を検出および診断評価のいずれか一方もしくは両方を行う。喘息の場合、軽度の咳症状は臨床的喘息発作の迫り来る発症を示す重要な早期の発作予兆指標となることが多い。鬱血性心不全(CHF)では、咳症状が、心不全悪化あるいは心血管不全による肺の体液鬱滞の早期警告になることがある。本発明の他の実施例において、睡眠中の過度の身体運動によって発症する夜行性の情動不安の客観的尺度を求める方法を提供する。
【0029】
典型的には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認できない検出装置を用いて運動データを取得する。適用例としては、睡眠時周期的脚運動(PLMS)を判別する。この症状の発症およびその程度が、CHF、糖尿病、貧血症、腎臓病、喘息などの慢性症状の発現乃至悪化の指標となる。
【0030】
本発明の他の実施例において、夜間睡眠中に呼吸数、心拍数、咳症状などのパラメータを監視測定する。前記パラメータを連続的に分析するか、午前中など睡眠終結後に分析して迫り来る臨床発作を予測する。午前中乃至午後遅くに対象者に対して臨床発作の徴候を予知警報する。臨床発作の徴候を予知した後少なくとも数時間の間は臨床徴候は見られない。よって、その日の午前乃至午後遅くまでの臨床発作を発症する前に、対象者が不必要に睡眠を阻害されることなく予防措置をとるための時間を十分確保できる。本発明の適用例として、迫り来る臨床発作の重症度と緊急性を予測し、斯かる重大と緊急症状に対応して対象者を覚醒させるかどうかを判断するために前記パラメータを分析する。
【0031】
本発明の他の実施例において、医療に関して対象者がその時点で受ける薬剤および投与量の情報などを考慮して、測定パラメータの基準パラメータとの偏差を評価分析して臨床発作を予測または監視する。本発明の適用例として、前記情報を他の用途に用いる場合に対象患者もしくは医療従事者によって手動で薬剤投与装置から薬物療法を直接に受けることができる。
【0032】
本発明の実施例における方法は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の睡眠中に対象者の運動関連パラメータを検出し分析する処理を含む。前記分析の少なくとも一部に応じて、対象者に投与する薬剤の投与量を決定し、対象者自身が投与薬剤投与装置に投与量を設定する。通常は、薬剤の臨床効果を観察して、薬剤投与装置にフィードバックし、薬剤投与量を維持更新する。本発明の実施例において、妊婦の胎児を監視する方法を提供する。
【0033】
この方法は、対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する。応用例として、対象者が寄りかかる支持面(標準的なベッド等)の中、上、下のいずれかの圧力を測定して運動関連パラメータを検出する。運動関連パラメータを分析して、胎児の心拍または胎児の運動量を求める。
【0034】
本発明の実施例において、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理を含む。心拍関連信号および呼吸関連信号は運動関連パラメータから導く。呼吸関連信号によって心拍関連信号を逓倍するなどして呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する。
【0035】
本発明の実施例において、臨床症状の発症を予測する方法を提供する。この方法は、対象者の心拍関連身体運動の時間領域信号を取得して、この時間領域信号を周波数領域信号に変換する。ピーク周波数の1以上の高調波を識別し、当該1以上の高調波とピーク周波数とのエネルギレベルの1以上の比率を計算し、1以上の基準比率と比較する。症状の発症は、比較結果の少なくとも一部に応じて予測する。
【0036】
本発明の実施例において、ある程度の生理的振戦の高まりを識別することで糖尿病患者の低血糖症の発症の早期徴候を特定するための方法を提供する。特に、約4Hz〜約18Hz、更には、約8Hz〜約12Hzの身体の運動を監視して生理的振戦を検出する。別の方法として、生理的振戦の度合いの高まりは、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳梗塞、本態性振戦、癲癇、ストレス、心細動、アナフィラキシー性ショックなどの症候群から選ばれた一症状の発症または進行経過を意味するものと考えられる。本発明の実施例において、低血糖症は動悸を識別する心臓信号の分析によって特定する。
【0037】
本発明の実施例において、呼吸関連運動収集モジュールと、呼吸パターン分析モジュールと、出力モジュールからなる慢性症状の監視システムを提供する。
【0038】
したがって、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて症状の発現を予測することを特徴とする臨床症状の発症を予測する方法を提供する。
【0039】
本発明の適用例として、呼吸パターンには、対象者の呼吸数パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸数パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸パターンとの比較が含まれている。
【0040】
本発明の他の応用として、前記比較処理には、少なくとも一つの無症候性期中に対象者の呼吸を分析することで呼吸数パターンを測定する処理が含まれている。本発明の別の応用として、前記比較処理には母集団平均の呼吸数パターンに対応する基準呼吸パターンの設定処理が含まれている。
【0041】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、対象者の長い吸息時間もしくは長い呼気時間に対応する発症を予測する処理が含まれている。本発明の適用例として、呼吸パターンは、連続する吸息期および呼気期よりなり、発症の予測には、吸息期および呼気期の少なくとも一方が長くなる傾向にある現象に対応して発症を予測する処理が含まれている。
【0042】
本発明別の応用として、臨床発作には、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、CHF、糖尿病、癲癇などの症候群から選ばれた一症状に関係する症状を含む。
【0043】
本発明の実施例における呼吸パターンには、呼吸負荷サイクルパターンが含まれ、発症の予測には、対象者の呼吸負荷サイクルの増加に対応させた発症の予測が含まれる。
【0044】
本発明の適用例として、対象者の呼吸検出には、喘鳴によって生じる音、咳による音などの少なくとも一つの呼吸関連音を検出する処理が含まれ、その発症の予測には、呼吸関連音の態様に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0045】
本発明の別の応用として、対象者の呼吸の検出には、喘鳴によって生じる機械的振動および咳などによって生じる機械的な振動などの少なくとも一つの呼吸関連機械振動を検出する処理が含まれ、その発症の予測には、呼吸関連機械振動の態様に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0046】
本発明の実施例における呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その発症の予測には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して発症を予測することによって実行する。本発明の他の適用例として、呼吸検出には、対象者の呼吸音および呼吸気流量のうちの少なくとも一方を検出する処理が含まれている。本発明の別の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0047】
本発明の実施例における呼吸パターンと基準呼吸パターンには夫々、徐呼吸数傾向パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとの比較処理が含まれる。本発明の適用例として、基準徐呼吸数傾向パターンには、少なくとも1時間に亘る呼吸数単調減少が含まれ、発症予測には、徐呼吸数傾向パターンと呼吸数単調減少との差に対応する発症の予測処理が含まれる。
【0048】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。本発明の他の適用例として、呼吸パターンの測定には、呼吸関連運動パターンを決定する身体運動データを分析し、呼吸関連運動パターンに応じて呼吸パターンを測定する処理が含まれる。本発明の別の適用例として、呼吸パターンの測定には、身体運動データから非呼吸関連運動データを除去する処理が含まれる。たとえば、身体運動データからの非呼吸関関連運動データの除去には、周波数領域スペクトル分析または時間領域回帰分析などの分析技術を適用する処理が含まれる。
【0049】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。本発明の適用例において臨床発作には、喘息発作が含まれ、この発作の発症の予測には、喘息の発作の発症を予測する処理が含まれる。本発明の他の適用例として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の適用例として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0050】
本発明の適用例として、呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その発症の予測には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して発症を予測することによって実行する。
【0051】
本発明の実施例において、臨床発作中の対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも一つの比較結果に応じて発作の進行経過を診断評価する方法を提供する。
【0052】
本発明の適用例として、呼吸パターンには、対象者の呼吸数パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸数パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸パターンとの比較が含まれている。
【0053】
本発明の適用例として、症状経過の診断評価には、対象者の長い吸息時間もしくは長い呼気時間に対応する症状経過を診断評価する処理が含まれている。
【0054】
本発明の適用例として、呼吸パターンは、連続する吸息期および呼気期よりなり、症状経過の診断評価には、吸息期および呼気期の少なくとも一方が長くなる傾向にある現象に対応して症状の診断評価する処理が含まれている。
【0055】
本発明別の適用例として、臨床発作には、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、CHF、糖尿病、癲癇などの症候群から選ばれた一症状に関係する症状を含む。
【0056】
本発明の実施例における呼吸パターンには、呼吸負荷サイクルパターンが含まれ、症状経過の診断評価には、対象者の呼吸負荷サイクルの増加に対応させた症状経過の診断評価が含まれる。
【0057】
本発明の適用例として、対象者の呼吸検出には、喘鳴によって生じる音、咳などの症状から選ばれた少なくとも一つの呼吸関連音を検出する処理が含まれ、その症状経過の診断評価には、呼吸関連音の態様に応じて臨床症状の経過の診断評価する処理が含まれる。本発明の他の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0058】
本発明の別の適用例として、対象者の呼吸の検出には、喘鳴によって生じる機械的振動および咳などによって生じる機械的な振動などの少なくとも一つの呼吸関連機械振動を検出する処理が含まれ、その臨床症状の経過を診断評価には、呼吸関連機械振動の態様に応じて発症の経過の診断評価する処理が含まれる。本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、症状の状態に応じて喘息発作の経過の診断評価する処理が含まれる。
【0059】
本発明の実施例における呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その臨床症状の経過を診断評価には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて臨床症状の経過を診断評価する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して臨床症状の経過を診断評価することによって実行する。本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、喘息発作の重症度を診断評価する処理が含まれる。
【0060】
本発明の実施例における呼吸パターンと基準呼吸パターンには夫々、徐呼吸数傾向パターンが含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとの比較処理が含まれる。本発明の適用例として、基準徐呼吸数傾向パターンには、少なくとも1時間に亘る呼吸数単調減少が含まれ、発症の経過の診断評価には、徐呼吸数傾向パターンと呼吸数単調減少との差に対応して症状の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0061】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の他の応用として、呼吸パターンの測定には、呼吸関連運動パターンを決定する身体運動データを分析し、呼吸関連運動パターンに応じて呼吸パターンを測定する処理が含まれる。
【0062】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。本発明の適用例において臨床発作には、喘息発作が含まれ、この症状の経過の診断評価には、喘息の発作の重症度を診断評価する処理が含まれる。本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0063】
本発明の適用例として、呼吸パターンには呼吸数変動パターンが含まれ、基準呼吸パターンには基準呼吸数変動パターンが含まれ、その症状の経過の診断評価には、長期に亘る基準呼吸数変動パターンとの比較でみられる呼吸数変動の減少に応じて症状の経過を診断評価する処理が含まれる。
【0064】
本発明の適用例として、少なくとも一つの呼吸パターンの測定は、呼吸数変動パターンと徐呼吸数傾向パターンを測定し、呼吸数変動パターンと基準呼吸数変動パターンとの比較処理を含む呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較を行い、徐呼吸数傾向パターンと基準徐呼吸数傾向パターンとを比較し、両比較結果に対応して症状の経過を診断評価することによって実行する。
【0065】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを求め、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて鬱血性心不全(CHF)に関連する異常呼吸パターンを検出する方法を提供する。
【0066】
本発明の適用例として、呼吸パターンの測定には対象者の呼吸数パターンを測定する処理が含まれ、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には呼吸数パターンと基準呼吸パターンとを比較する処理が含まれる。
【0067】
本発明の適用例として、異常呼吸パターンの検出にはチェーン・ストークス呼吸(CSR)を検出し、周期性呼吸および頻呼吸のいずれか一方もしくは両方を検出する処理が含まれる。
【0068】
本発明の実施例において、呼吸検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。
【0069】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。
【0070】
本発明の適用例として、異常呼吸パターンの検出にはチェーン・ストークス呼吸(CSR)を検出し、周期性呼吸および頻呼吸のいずれか一方もしくは両方を検出する処理が含まれる。
【0071】
本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0072】
本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを求め、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて対象者の症状に関連する異常呼吸パターンを検出し、斯かる対象者の症状が慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、癲癇のいずれかであることを特徴とする方法を提供する。
【0073】
本発明の適用例として、呼吸パターンの測定には対象者の呼吸数パターンを測定する処理が含まれ、測定呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には呼吸数パターンと基準呼吸パターンとを比較する処理が含まれる。
【0074】
本発明の実施例における呼吸の検出には、対象者の呼吸関連身体運動データの収集処理が含まれる。本発明の適用例として、呼吸関連身体運動データの収集には対象者の睡眠中の身体運動データが含まれる。
【0075】
本発明の実施例における身体運動データの集取は、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで身体運動データを収集できる。
【0076】
本発明の他の応用として、呼吸関連運動データには圧力測定処理が含まれる。本発明の別の応用として、圧力測定には対象者が横たわるマットレスでの圧力を測定する処理が含まれる。それに代わる圧力測定として、対象者が横たわるマットレス下もしくはマットレス内の圧力を測定する。また、他の方法として、対象者が横たわるマットレスカバー、たとえば、シーツ、マットレスパッドなどのマットレス掛け布の下もしくはその内側の圧力を測定する。
【0077】
本発明の実施例によって、更に、対象者の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0078】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の経過を診断評価する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0079】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて鬱血性心不全(CHF)に関連する異常呼吸パターンを検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0080】
更に、本発明の実施例によって、対象者の臨床発作中の呼吸を検出してそれに対応する信号を生成する呼吸センサーと;前記信号を受信し、斯かる信号に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて対象者の症状に関連する異常呼吸パターンを検出する制御ユニットよりなり、前記対象者の症状が慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、癲癇のいずれかであることを特徴とする装置を提供する。
【0081】
更に、本発明の実施例によって、夜間睡眠中の呼吸数変動パターンを測定し、前記測定呼吸数変動パターンを正常呼吸数変動パターンと比較し、迫り来る臨床発作の可能性あるいは進行中の発作の経過乃至重症度を測定することからなる臨床発作予測および診断評価方法を提供する。
【0082】
本発明の適用例として、呼吸数変動パターンの測定は、複合身体運動信号の測定と、前記複合身体運動信号からの周期的呼吸関連運動信号の抽出によって実行する。または、呼吸数変動パターンの測定は、口と鼻のいずれか一方もしくは両方からの呼吸作用の空気循環を測定することで実行する。または、呼吸数変動パターンの測定は、胸部、背部、首、顔のうちのいずれか一つもしくは組み合わせたところの気道音および肺音の音響測定によって実行する。
【0083】
本発明の適用例として、前記正常呼吸数パターンの測定は、無症候期の患者から情報を求めて行う。本発明の他の応用として、正常呼吸数パターンの測定は、年齢、身長、体重、性別などの同じ特徴を持つ正常な健常対象の平均的パターンから情報を求めて行う。
【0084】
本発明の適用例として、呼吸数変動パターンの測定には、(1)数秒から数分の標準的持続時間の周期性パターンと、(2)通常数時間継続する時間において区分化された単調減少呼吸数の減少傾向のいずれか一方もしくは両方が含まれる。
【0085】
本発明の適用例として、前記比較は、前記呼吸数変動パターンの前記正常呼吸数変動パターンからの偏差度の計算に基づいて行う。
【0086】
本発明の実施例における臨床発作は臨床的喘息発作である。
【0087】
本発明の適用例として、臨床発作は、呼吸数パターンに影響を及ぼす糖尿病、心臓異常、神経障害、癲癇などの何らかの慢性疾患に関連する。
【0088】
更に、本発明の実施例によって、呼吸を測定する呼吸センサーと、呼吸センサーからの出力を増幅する増幅器と、増幅出力をデジタル化するA/Dカードと、呼吸数パターンを抽出して当該パターンを正常パターンと比較する処理装置と、数値、文字列、グラフなどの結果を表示乃至臨床予後支援センターへの送信を行う出力装置とからなる臨床発作診断評価および予測装置を提供する。
【0089】
本発明の適用例として、呼吸センサーを、ベッドマットレスの下あるいは中に取り付ける運動感知センサーとして備え付ける。あるいは、呼吸センサーを、対象者の顔に向ける空気循環検出器として備え付ける。あるいは、呼吸センサーを、対象者の顔、胸部、背部に向けるか取り付ける音響検出器として備え付ける。
【0090】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理し、前記運動関連パラメータから心拍関連信号乃至呼吸関連信号を抽出し、前記呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を変調することからなる方法を提供する。
【0091】
本発明の適用例として、心拍関連信号の変調には、呼吸関連信号による心拍関連信号の変調処理が含まれる。本発明の他の応用として、運動関連パラメータからの心拍関連信号乃至呼吸関連信号の抽出には、心拍関連周波数範囲と呼吸関連周波数範囲における運動関連信号を選別する処理が含まれる。本発明の別の応用として、心拍関連周波数範囲は0.8Hz〜5Hzの範囲である。本発明の更に他の応用として、呼吸関連周波数範囲は0.05Hz〜0.8Hzの範囲である。
【0092】
本発明の実施例によって、対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出し、前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求めることからなる妊婦の胎児の心拍を測定する方法を提供する。
【0093】
本発明の実施例における運動関連パラメータの検出には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0094】
本発明の実施例における方法には、胎児モニタによる音をシミュレートすることで検出した胎児の心拍の音響信号を生成する処理が含まれる。
【0095】
本発明の適用例として、本発明の方法には検出した胎児の心拍を分析して胎児の心拍変動の測定値を判定する処理が含まれる。本発明の適用例として、胎児の心拍の抽出には、胎児の心拍と母体の心拍の双方を表す運動関連パラメータから第一の信号を求め、前記第一の信号から、母体の心拍を除いた胎児の心拍のみを表す第二の信号を求める処理が含まれる。
【0096】
本発明の適用例として、前記胎児の心拍の抽出には、運動関連パラメータから(a)母体の呼吸関連信号と、(b)胎児の心拍関連信号を抽出し、母体の呼吸関連信号を用いて胎児の心拍関連信号を変調する処理が含まれる。
【0097】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに妊婦の運動関連パラメータを検知し、前記運動関連パラメータから胎児の運動測定値を導き出すことからなる妊婦内の胎児の運動を監視する方法を提供する。
【0098】
本発明の実施例における運動関連パラメータの検知には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0099】
また、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、当該パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する
ことからなる方法を提供する。
【0100】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸関連時間領域信号を求め、時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求め、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、
前記関係を基準関係レベルと比較し、
比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症を予測する方法を提供する。
【0101】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する血圧監視方法を提供する。
【0102】
本発明の適用例として、運動関連パラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する処理が含まれる。
【0103】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、当該パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて対象者に投与する薬剤の初期投与量を決定し、対象者によって薬剤投与装置で初期薬剤投与量を設定することからなる血圧監視方法を提供する。
【0104】
本発明の適用例として、パラメータ分析には、薬剤投与装置から設定初期投与量で投与される薬剤の臨床効果を分析し、分析結果に応じて決まる薬剤投与量が初期投与量と異なる場合は更新設定し、斯かる更新設定投与量を薬剤投与装置に設定する処理が含まれる。
【0105】
更に、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、 前記パラメータを分析し、対象者に投与する薬剤に関するデータを取得し、前記分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作発症予測方法を提供する。
【0106】
本発明の適用例として、前記薬剤投与データを取得する処理には、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置からの薬剤投与データを取得する処理が含まれる。本発明の他の応用として、前記薬剤投与データには、薬剤投与量が含まれる。本発明の別の応用として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0107】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を評定し、評定臨床発作に応じて対象者に備えた装置を用いて臨床発作の治療を行うことを特徴とする臨床発作治療方法を提供する。
【0108】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定することからなる方法を提供する。
【0109】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0110】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出することからなる方法を提供する。
【0111】
この実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0112】
また、本発明の実施例によって、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けた単一センサーを用いて対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、前記パラメータを分析して対象者の咳を検出する方法を提供する。
【0113】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0114】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、対象者の心拍を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定すると共に、検出心拍に応じて対象者の少なくとも1つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較すると共に心拍パターンと基準心拍パターンを比較し、少なくとも比較結果の一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0115】
この実施例における少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンの測定には、対象者の少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンを夫々測定する処理が含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを比較する処理が含まれ、少なくとも1つの心拍パターンの測定には心拍数パターンと基準心拍数パターンを比較する処理が含まれる。
【0116】
この実施例における呼吸と心拍の検出には、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを検出し、前記少なくとも一つの運動関連パラメータから呼吸と心拍を導き出す処理が含まれる。本発明の適用例として、前記方法には、前記運動関連パラメータから少なくとも一つの付加生理的パラメータを導き出し、発症の予測には比較結果の少なくとも一部および前記付加生理的パラメータに応じて発症の予測を行う処理が含まれる。本発明の適用例として、前記付加生理的パラメータは、対象者の咳症状の程度、対象者の吸気に対する呼気率、対象者の血圧、睡眠不安定度、睡眠中の中途覚醒度などを基に設定される。
【0117】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、対象者の咳症状の程度を測定し、斯かる比較結果と測定咳症状の程度の結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0118】
また、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出し、対象者の血圧を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、斯かる比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法を提供する。
【0119】
更に、本発明の実施例によって、対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定することを特徴とする心拍数測定方法を提供する。
【0120】
本発明の適用例として、心拍数の測定には、第一および第二パルス信号の相互相関信号を計算し、心拍数を相互相関信号の周波数と定める処理を含む。本発明の他の応用として、対象者の第二部位には対象者の脚部近傍をも含まれる。
【0121】
本発明の実施例における第一および第二パルス信号の検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで第一および第二パルス信号を検出する処理も含まれる。
【0122】
本発明の適用例として、第一パルス信号の検出には、第一部位近傍における対象者の第一運動関連パラメータを検出し、第一運動関連パラメータから第一パルス信号を導き出す処理が含まれ、第二パルス信号の検出には、第二部位近傍における対象者の第二運動関連パラメータを検出し、第二運動関連パラメータから第二パルス信号を導き出す処理が含まれる。
【0123】
本発明の他の応用として、本実施例における方法には、心拍数に応じて臨床発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0124】
更に、本発明の実施例によって、対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定することからなる方法を提供する。
【0125】
本発明の適用例として、第一および第二運動関連信号の分析には、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理が含まれる。
【0126】
本発明の他の応用として、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれると共に、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0127】
更に、本発明の実施例によって、対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定することからなる方法を提供する。
【0128】
本発明の適用例として、第一および第二運動関連信号の分析には、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理が含まれる。本発明の他の応用として、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれ、検出に脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0129】
更に、本発明の実施例によって、異なる第一および第二閾値を設定し、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成することを特徴とする対象者をモニタリングする方法を提供する。
【0130】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含み、スコアを生成するためのパラメータ分析に、複数のパラメータを分析してスコアを生成する処理を含む。
【0131】
本発明の適用例として、前記パラメータに対象者の呼吸関連パラメータを含み、パラメータの分析には、前記パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較する処理が含まれる。
【0132】
本発明の適用例として、少なくとも一つの前記パラメータには対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも一つの運動関連パラメータを検出する処理が含まれる。
【0133】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出することを特徴とする奇脈検出方法を提供する。
【0134】
この実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0135】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0136】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0137】
本発明の適用例として、発症の予測には、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理が含まれる。
【0138】
本発明の適用例として、発症予測には、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0139】
本発明の他の応用として、発症予測には、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。別の態様としての方法は、対象者の咳の程度を測定し、前記検出パラメータと斯かる咳の程度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0140】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。本発明の実施例における方法は、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を含む。
【0141】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの呼吸関連パラメータの検出処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する処理が含まれ、喘息発作の発症予測には、呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0142】
本発明の適用例として、発症予測には、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0143】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。本発明の適用例として、前記少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる面上あるいはその下に設けた単一センサーを用いて圧力を測定する処理を含む。
【0144】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法を提供する。
【0145】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0146】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0147】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0148】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧の検出処理が含まれ、発症の予測には、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0149】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測方法を提供する。
【0150】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含む。
【0151】
本発明の実施例における臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0152】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の110%未満、特に、基準無症候性呼吸数の105%未満の時に発症を予測する処理を含む。
【0153】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、 対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法を提供する。
【0154】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含む。
【0155】
本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測することを特徴とする臨床症状の発症予測方法を提供する。
【0156】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0157】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理が含まれている。
【0158】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0159】
本発明の適用例として、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0160】
更に、本発明の実施例によって、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作発症予測方法を提供する。
【0161】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含む。
【0162】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0163】
本発明の別の応用として、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理が含まれる。
【0164】
本発明の適用例として、症状発現の予測には、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理が含まれている。
【0165】
本発明の適用例として、前記設定時間は少なくとも4時間の継続時間であり、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも4時間の間、ほぼ連続して少なくとも1つのパラメータを検出する処理が含まれる。
【0166】
更に、本発明の実施例によって、対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症の少なくとも1時間前に臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床症状の発症予測方法を提供する。
【0167】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0168】
本発明の実施例における臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症の予測処理が含まれる。
【0169】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0170】
更に、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算することからなる方法を提供する。
【0171】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者の少なくとも2つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて前記確率を計算する処理が含まれる。
【0172】
本発明の他の応用として、上記方法には、前記確率が閾値を越えた場合に対象者に通知する処理が含まれる。
【0173】
本発明の実施例における臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症の予測処理が含まれる。
【0174】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0175】
本発明の実施例における確率の計算には、前記パラメータの統計的平均値を含むデータの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理が含まれる。別の方法として、可能性の計算には、前回発生の臨床発作を分析して前記パラメータに係わる対象者固有のデータを生成し、前記データの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理が含まれる。
【0176】
更に、本発明の実施例によって、人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する方法を提供する。本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理が含まれる。
【0177】
この実施例における少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出には、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理が含まれる。
【0178】
本発明の適用例として、少なくとも一つのパラメータの検出には、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理が含まれる。
【0179】
本発明の他の応用として、人の協力なく少なくとも一つのパラメータを検出する処理には、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する処理が含まれる。
【0180】
本発明の実施例における臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測には、喘息発作の発症を予測する処理が含まれる。
【0181】
他の実施例における臨床発作には、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、発症の予測にはCHFに伴う発作の発症を予測する処理が含まれる。更に代替実施例における臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、その発症の予測には低血糖症の発作の発症を予測する処理が含まれる。更に他の代替実施例における臨床発作には、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作などが含まれ、この実施例における発作発症の予測には前記臨床発作を予測する処理が含まれる。
【0182】
本発明の実施例における少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する処理が含まれる。本発明の適用例として、発症予測には、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理が含まれる。
【0183】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、運動関連パラメータから心拍関連信号および呼吸関連信号を導き出して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する制御ユニットからなる装置を提供する。
【0184】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める制御ユニットからなる妊婦の胎児の心拍を測定する装置を提供する。
【0185】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の胎児の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、 前記運動関連パラメータから胎児の運動値を求める制御ユニットからなる妊婦の胎児の運動を監視する装置を提供する。
【0186】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、ユーザーインターフェースと、前記パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0187】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸関連時間領域信号を求めるセンサーと、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求める制御ユニットとからなり、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、前記関係を基準関係レベルと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0188】
更に、本発明の実施例によって、象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで運動関連パラメータを検出する被接触センサーと、当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0189】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、分析結果の少なくとも一部に応じてパラメータを分析し、薬剤の初期投与量を決定し、初期投与量を薬剤投与装置に指示する制御ユニットとからなる対象者治療装置を提供する。
【0190】
また、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、前記パラメータを分析し、対象者へ投与する薬剤のデータを受け取り、分析結果と薬剤投与データの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0191】
本発明の適用例として、前記装置に、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、前記薬剤投与装置からの薬剤投与データを受け取る制御ユニットとを備えることができる。
【0192】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、対象者に埋め込まれた治療装置と、前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を検出し、臨床発作の検出に応じて臨床発作を治療する治療装置を駆動する制御ユニットとからなる臨床発作治療装置を提供する。
【0193】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する制御装置とからなる装置を提供する。
【0194】
更に、本発明の実施例によって、対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに検出するセンサーと、前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0195】
更に、本発明の実施例によって、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けられ対象者の少なくとも一つのパラメータを検知する単一センサーと、前記パラメータを分析して対象者の咳症状を検出する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0196】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸および対象者の心拍を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出心拍の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、且つ、心拍パターンを基準心拍パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0197】
本発明の適用例として、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、心拍を検出する第二センサーとからなる。
【0198】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、対象者の咳の程度を測定し、比較結果および咳の程度の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0199】
更に、本発明の実施例によって、対象者の呼吸および対象者の血圧を検出するセンサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットとからなる鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症予測装置を提供する。
【0200】
本発明の適用例として、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、血圧を検出する第二センサーとからなる。
【0201】
更に、本発明の実施例によって、対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第一非接触センサーと、対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第二非接触センサーと、第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する制御ユニットとからなる拍数測定装置を提供する。
【0202】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0203】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0204】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、ユーザーインターフェースと、異なる第一および第二閾値を設定し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する制御ユニットとからなる対象者を監視する装置を提供する。
【0205】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する制御ユニットとからなる奇脈検出装置を提供する。
【0206】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0207】
本発明の適用例として、前記装置は、ユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する制御ユニットとを備えている。本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。本発明の別の応用として、圧力計には単一の圧力計を用いる。
【0208】
更に、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、検出呼吸の少なくとも一部に応じて発作を予測する制御ユニットとからなる鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測装置を提供する。
【0209】
本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。
【0210】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーを有し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0211】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットとからなる喘息発作発症予測装置を提供する。
【0212】
また、本発明の実施例によって、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、 臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0213】
また、本発明の実施例によって、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0214】
また、本発明の実施例によって、対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作が発症する少なくとも1時間前に発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0215】
また、本発明の実施例によって、対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する制御ユニットとからなる装置を提供する。
【0216】
また、本発明の実施例によって、人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する制御ユニットとからなる臨床発作の発症予測装置を提供する。
【0217】
本発明の一実施例における、センサーには、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーが設けられている。本発明の別の応用として、センサーによって対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出し、前記装置にユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットを設けてなる。
【0218】
本発明の他の応用として、前記センサーには、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けている。
【0219】
本発明における実施例に係わる上記の装置は上記の1以上の方法を実行する。たとえば、上記装置の制御ユニットに、前記方法(分析プロセス)の1以上の処理を実践させてもよく、また、上記装置のセンサーに、前記方法の1以上の検出処理を実践させてもよい。
【0220】
本発明を、添付図面を参照に以下に説明する実施例に基づいて明らかにする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0221】
図1は、本発明の実施例による対象者12の臨床的病状をモニタリングするシステム10の概略図である。システム10は主に、運動センサー30と、制御ユニット14と、ユーザーインターフェース24とからなる。本発明の一適用例としては、ユーザーインターフェース24を図示のように制御ユニット14に合体でき、別の適用例では、ユーザーインターフェースと制御ユニットを分離した構成にできる。本発明の適用例として、運動センサー30を図示のように制御ユニット14に合体でき、この場合も、ユーザーインターフェースを制御ユニットに合体あるいは分離した構成にできる。
【0222】
図2は、発明の実施例おける制御ユニット14の構成を示す概略ブロック図である。制御ユニット14は主に、運動データ取得モジュール20とパターン分析モジュール16とからなる。
【0223】
パターン分析モジュール16は主に、次のモジュールを1以上からなる。すなわち、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23と、咳分析モジュール26と、不安分析モジュール28と、血圧分析モジュール29と、覚醒分析モジュール31とからなる。本発明の適用例として、2以上の分析モジュール20、22、23、26、28、29、31を1つのハウジングにパッケージしている。本発明の他の適用例として、複数のモジュールを別々にパッケージしている(たとえば、運動データ取得モジュール20によって局所的に得られる呼吸信号の1以上のパターン分析モジュールによって遠隔分析が可能になるようにする)。本発明の別の適用例として、LCDやCRTモニタなどの専用表示装置でユーザーインターフェース24を構成する。別の方法として、ユーザーインターフェース24に、未処理データ乃至処理済みデータを離れた場所に送って分析乃至判定を行うための通信ラインを備えている。
【0224】
本発明の実施例における運動データ取得モジュール20は、対象者の呼吸パターンおよび心拍パターンを非侵襲的にモニタする機能を備えている。呼吸パターン分析モジュール22および心拍パターン分析モジュール23は、(a)喘息発作や心臓疾患関連肺液鬱滞などの迫り来る臨床発作を予測し、(b)臨床発作が起こった時点で発作の重症度および経過をモニタするために夫々のパターンを分析する機能を有する。ユーザーインターフェース24は、対象者12乃至医療従事者に予想される発作あるいは発症した発作を通知する機能を有する。迫り来る臨床発作の予測によって早期予防的治療を容易にし、通常、薬剤の必要投与量を少なくし、死亡率や疾病率を低下させる効果がある。喘息を治療する際、投与量を少なくすると、通常、一旦発作が始まると炎症状態をなくすのに要する高投与量による副作用を最小限に抑えることが可能になる。
【0225】
本発明による実施例におけるパターン分析モジュール16によって、2以上の分析モジュール20、22、23、26、28、29で生成するパラメータデータを連結し、臨床徴候の予測およびモニタのいずれか一方もしくは両方を行うために連結データを分析する。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16によって、(特定患者用、もしくは、母集団平均に基づく)基準値からのパラメータ偏差に基づく夫々のパラメータのスコアを導き出す。パターン分析モジュール16によって、平均、最大、標準をとるようなスコア、あるいは、機能スコアを組み合わせる。連結スコアを1以上の閾値(既定値)と比較し、発作を予測するか、その時点で発作を発症しているのか、あるいは、予測も発症もしていないかどうかを判断することと、発作を起こしている場合は、その重症度と経過をモニタすることのいずれか一方もしくは両方を行う。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16は、特定患者もしくは個人履歴に基づく患者群の個人パラメータスコアを組み合わせるための基準乃至機能を学習する。たとえば、パターン分析モジュール16に前回の臨床徴候に先立って測定したパラメータを分析することで学習を実行させるようにできる。
【0226】
システム10にいつでも呼吸パターンおよび心拍パターンをモニタさせることで、いくつかの症例について夜間睡眠中のこれらのパターンを監視するのが効果的になる。対象者が覚醒している時、監視状態に関係のない肉体的・精神的な活動が呼吸パターンや心拍パターンに影響を与えることが多い。そうした関係のない活動は通常、夜間睡眠中に影響を及ぼすことは少ない。本発明の適用例として、システム10によって、夜間の全時間あるいは大半に亘ってパターンを監視および記録する。結果的に得られる一連のデータには通常、典型的な長期呼吸パターンおよび心拍パターンが含まれ包括的な分析を容易にする。大量の一連のデータによって、統計的に有意な分析に必要なデータを保持しながら運動や他の人為的動作で損なわれる要素を無効にすることができる。
【0227】
図2に参照できるように、運動データ取得モジュール20は主に、運動センサー30が生成した未処理運動信号を処理する回路からなり、当該回路には少なくとも一つのプリアンプ32と、少なくとも一つのフィルタ34と、アナログ−デジタル(A/D)コンバータ36などが含まれる。フィルタ34は主に、サンプリングレートの半分以下のカットオフ周波数を有するアンチエイリアスフィルタとして機能するバンドパスフィルタ乃至ローパスフィルタよりなる。通常、ローパスデータを少なくとも10Hzのサンプリングレートでデジタル化してメモリに格納する。たとえば、アンチエイリアスフィルタでのカットオフ周波数を5Hzに定め、サンプリングレートを40Hzに設定する。
【0228】
図1に示すように、本発明の実施例における運動センサー30は、圧力計(たとえば、圧電センサー)、あるいは、歪み計(たとえば、シリコン等の歪みゲージや、金属歪みゲージなど)よりなり、通常は、たとえば、対象者が睡眠をとる時などに対象者が寄りかかる支持面37の中、上、下のいずれかに設け、対象者の呼吸関連運動や心拍関連運動を検出するのに使用される。ここでの「圧力計」は特に限定するものでなく、ここでの使用態様に適した計器を用いる。「支持面37」は主に、マットレス、マットレス掛け布、シーツ、マットレスパッド、マットレスカバーなどを指す。本発明の適用例として、運動センサー30を、たとえばマットレスなどの支持面37に組み込んで、運動センサーと支持面を一体化させる。また、本発明の他の適用例として、運動センサー30を、対象者の腹部38や胸部39に近いたとえばマットレスなどの支持面37の中、上、下のいずれかに設けてもよい。別の方法として、運動センサー30を、対象者の腰部下位部あるいは脚部近傍などの対象者12の解剖学的部位の近傍の支持面37の中、上、下のいずれかに設けても良い。本発明の適用例として、斯かる設置位置では、対象者の腹部38または胸部39の近傍にセンサーを位置させたよりも明瞭なパルス信号を拾うことができる。本発明の別の適用例として、運動センサー30は、たとえば「応用光学第17号」(2867〜2869頁;1978年9月15日)でバター(Butter)とホーカー(Hocker)が提案するような光ファイバーセンサーであってもよい。
【0229】
本発明の適用例として、圧力計または歪み計を、少なくとも10平方cmの表面と5mm以下の厚さを有する剛性容器に入れてカプセル化してもよい。この計器からの出力を、通常は圧電型加速度計や容量性トランスデューサと共に用いられる電荷増幅器などの電子増幅器に送り、変換器の超高出力インピーダンスを低インピーダンス電圧に調整する。歪み計と電子増幅器で、機械的振動を電気信号に変換する。別の方法として、歪み計の出力を、ホイートストンブリッジ、あるいは、最小帯域幅用の「アナログ・ディバイス・モジュール」モデル3B16、広帯域用のモデル3B18(いずれも、米国テキサス州オースティンのナショナル・インストゥルメンツ社製)などの増幅器を用いて増幅する。
【0230】
本発明の実施例におけるモニタセンサー30は、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなる。単一の計器より格子状に並べたほうが呼吸信号や心拍信号を検知する性能が向上する。
【0231】
呼吸パターン分析モジュール22は、図3に示すように、運動データから呼吸パターンを作り出す機能を有し、心拍パターン分析モジュール23は、運動データから心拍パターンを作り出す機能を有する。別の方法として、センサー10として、対象者の顔、首、胸、背中などに取り付けるか、指向させた音響センサーあるいは気流センサーなどのような他のセンサーを用いてもよい。
【0232】
図3は、本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22を概略的に示したブロック図である。呼吸パターン分析モジュール22は主に、デジタル信号プロセッサ(DSP)41と、デュアルポートRAM(DPR)42と、EEPROM44と、I/Oポート46とからなる。呼吸パターン分析モジュール22は、運動データ取得モジュール20によって生成した未処理データから呼吸パターンを導き出し、呼吸パターンの処理および分類を実行する機能がある。呼吸パターン分析モジュール22は、主に睡眠中の呼吸パターンの変化を分析する。この分析結果に応じて、モジュール22は、(a)迫り来る臨床発作を予測し、(b)発作の重症度と経過を監視する。
【0233】
図1に示すように、ユーザーインターフェース24は主に、LCDやCRTモニタなどの専用表示装置よりなる。別の方法として、出力モジュールは、未処理データ乃至処理済みデータを離れた分析場所に送って判定、専門的検討、臨床予後支援を行うための無線もしくは有線通信ポートを備えている。たとえば、データを電話回線やインターネット、あるいは、他の広域ネットワークを介して無線有線に拘わらず送信するようにしてもよい。
【0234】
図4A〜Cに示す本発明の実施例において測定した運動信号の分析のグラフを参照して説明すると、一実施例における運動センサー30として、支持面37の下に設けた圧力計あるいは歪み計を用いて、対象者12の運動を検出することができる。睡眠中の対象者の運動には、後述するように、通常の呼吸運動、心拍関連運動や、関連性のない他の身体運動が含まれる。図4Aはマットレス下に設けた圧電素子歪み計センサーで測定した未処理機械信号50であり、呼吸関連信号と心拍関連信号の合成成分を含んでいる。図4Bに示した信号50は、下記の技法によって、呼吸関連成分52と図4Cに示す心拍関連成分54に分解したものである。本発明の適用例で示した全ての実験結果は1以上の圧電センサーを用いて測定したものである(しかし、本発明の権利範囲には、他の圧力計として図1に従って上述した運動センサー30で行った測定も含む)。
【0235】
図2に示したように、本発明の適用例におけるフィルタ34は、約0.03Hz〜0.2Hzの範囲(たとえば、0.05Hz)の低域カットオフ周波数と、約1Hz〜10Hzの範囲(たとえば、5Hz)の広域カットオフ周波数を有するバンドパスフィルタよりなる。別の方法として、運動センサー30の出力を、所期の信号に従って調整した利得とフィルター設定を施したいくつかの信号調整回線を介して送出する。たとえば、呼吸信号に、比較的低利得で約5Hzまでの周波数帯域を用い、心拍信号には適度の利得と10Hz程度の少し高めのカットオフ周波数を用いることができる。 本発明の適用例における運動センサー30は、約100Hzから8kHzの周波数通過帯域が有効な音響信号の記録に用いられる。
【0236】
本発明の実施例における運動データ取得モジュール20が、約0.05Hzから約0.8Hzの範囲でスペクトルフィルタリングを実行することで呼吸関連信号を生成し、且つ、約0.8Hzから約5.0Hzの範囲でスペクトルフィルタリングを実行することで心拍関連信号を生成する。本発明の他の適用例おける運動データ取得モジュール20では、対象者12の年齢を基にしたスペクトルフィルタリングを採用している。たとえば、幼児はおおむね呼吸数と心拍数が高く、通常、スペクトルフィルタリングを、呼吸数で約0.1Hzから約0.8Hzの範囲、心拍数で約1.2Hzから約5Hzの範囲の周波数特性高端に厳格に設定している。成人については、通常、スペクトルフィルタリングを、呼吸数で約0.05Hzから約0.5Hzの範囲、心拍数で約0.5Hzから約2.5Hzの範囲の周波数特性低端に厳格に設定している。
【0237】
本発明の適用例として、運動データ取得モジュール20で、ゼロ交差法またはパワースペクトル分析を用いてフィルタ処理された信号から呼吸数および心拍数を抽出する。
【0238】
上記のように、睡眠中の対象者の運動には、通常の呼吸関連運動および心拍関連運動を他の非関連身体運動と同じように含んでいる。一般に、呼吸関連運動は、睡眠中の身体運動の主要な原因である。パターン分析モジュール16は、運動データ取得モジュール20から受ける運動信号のうちの呼吸と心拍に関係のない運動を表す部分をほぼ排除する機能を有する。たとえば、パターン分析モジュールが、非呼吸関連運動および非心拍関連運動に影響を受けた信号の部分を取り除く。呼吸関連運動および心拍関連運動は周期的であるが、通常、他の運動はランダムで予測不能である。本発明の適用例として、パターン分析モジュールで、周波数領域スペクトル分析または時間領域スペクトル分析を用いた非呼吸関連運動および非心拍関連運動を除去する。当該分野の技術者であればこれらの分析技術を本発明に適用できることは容易に理解できよう。本発明の適用例として、パターン分析モジュール16では、線形予測や異常値分析などの統計的方法を用いており、信号から非呼吸関連運動および非心拍関連運動を除去する。低域周波数は本適用例に適しているが、運動データ取得モジュール20で主に、少なくとも10Hzのサンプリングレートで運動データをデジタル化する。
【0239】
呼吸パターン分析モジュール22は主に、夫々が吸気/呼気のサイクルを有する一連の過渡呼吸パルスから呼吸パターンを抽出する。夜間睡眠中の呼吸パターンは次の分類のいずれかに該当する:
● 主にREM睡眠中に起こる比較的早く変化するランダムな呼吸パターン
● たとえば、チェーン・ストークス呼吸(CSR)や周期性呼吸などの数秒から数分の持続時間を有する周期的呼吸数変動パターン
● 徐呼吸数傾向(主に、健常対象者の通常の睡眠中の徐呼吸数傾向には、通常数時間継続する時間において区分化された単調減少呼吸が含まれるが、例として図5を参照に後述するように喘息など特定の慢性症状を持つ対象者では単調減少呼吸数が僅かに顕れるか、顕れないことがある。)
● 咳や他の睡眠を阻害する症状のような呼吸パターンの中断や、一時的な覚醒によって起こる呼吸パターンの中断
これらの呼吸パターンは睡眠期の不安定性および体温などの様々な生理的パラメータに関連する。たとえば、REM睡眠は通常、不規則で多様な呼吸パターンになるが、熟睡期ではより規則的で安定したパターンになる。異常に高い体温が呼吸数を増加させるが、通常は正常な周期的呼吸数の変動パターンを示す。不安感などの心理学的要因もまた、睡眠中の呼吸パターンの変調を起こし、更には、その効果は通常、睡眠の経過とともに低下する。喘息などの咳や一時的な覚醒など、あるいは、それらに関連しない病変によって起こる呼吸パターンの中断は前後関係で診断評価する。
【0240】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、喘息発作の発症の予測および発作の重症度と経過の監視のいずれか一方または両方を実行するように構成されている。呼吸パターン分析モジュール22および心拍パターン分析モジュール23は主に、呼吸数パターンと、呼吸数変動パターンと、心拍数パターンと、心拍数変動パターンのいずれか、あるいは、組み合わせた変化を分析して、喘息発作の発症を予測する。本発明の適用例として、フィルタ処理した信号のフーリエ変換値を演算し、呼吸数および心拍数に対応する許容範囲内の最大スペクトルピーク値の周波数を求める、あるいは、ゼロ交差法、または、時間領域信号のピーク値を求め、1分以上のパルス間隔時間の平均から毎分当たりの心拍数を求めるなどの処理によって、呼吸数および心拍数のどちらか一方もしくは両方を導き出す。本発明の適用例として、対象範囲外の値を除いた上で斯かる平均化処理を実行する。
【0241】
通常、呼吸数は発作発症前に若干増加するが、この増加それ自体が発作発症の特異的マーカーであるとは限らない。したがって、発作発症をより正確に予測し、且つ、発作の重症度と経過を監視するには、本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22で呼吸数変動パターンの変化を更に分析する。
【0242】
本発明の適用例として、モジュール22で、下記の1以上のパターンを夫々基準パターンと比較し、基準からの偏差を、(a)発作の発症、(b)進行中の発作の重症度のいずれか一方もしくは両方であると判定する。
【0243】
● 徐呼吸数傾向パターン: モジュール22は、増加対基準を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。たとえば、通常の健常対象者には、主に少なくとも1時間以上の、たとえば、発作の重症度に依存して少なくとも2、3、4時間のいずれかの時間に亘っての呼吸数の単調減少の減衰、あるいは、斯かる減少の増加呼吸数パターンへの変換などがある。
【0244】
● 呼吸数パターン: モジュール22は、睡眠における最初の数時間、たとえば、最初の2、3、4時間における呼吸数の増加もしくは減少不足を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。
【0245】
● 呼吸数変動パターン: モジュール22は、呼吸数変動の低下を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。
【0246】
● 呼吸負荷サイクルパターン: モジュール22は、呼吸負荷サイクルにおける実質的増加を、迫り来る発作もしくは発症している発作を示しているとして解釈する。呼吸負荷サイクルパターンには、限定的ではないが、吸気時間/吸気サイクル合計時間、呼気時間/吸気サイクル合計時間、(吸気+呼気)時間/吸気サイクル合計時間がある。
【0247】
● 夜間睡眠の終わりごろの呼吸数パターンの変化(主に、おおよそ午前3時からおおよそ午前6時の間)
● 咳、睡眠障害、覚醒などによる呼吸パターンの中断: モジュール22は、これらの症状を定量化し、潜在的な喘息発作の予測の関連性を判定する。
【0248】
パターン分析モジュール22、23は主に、対象者の無症候夜間中の呼吸数および心拍数パターンの夫々を分析して基準パターンを確定する。別の方法として、パターン分析モジュール22、23に、母集団平均を基にした基準パターンをプログラムしておく。
【0249】
本発明の適用例として、前記母集団平均を、年齢、身長、体重、性別などの特徴によって区分化する。本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16において、測定呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを、および、測定心拍数パターンと基準心拍数パターンのいずれかまたは両方の組み合わせを比較し、発作の発症あるいは発作中に発作の重症度を判定する。
【0250】
本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22は、対象者睡眠時間のために算出した呼吸速度パターンをローパスフィルタ(たとえば、有限インパルス応答フィルタ)に通してREM睡眠などの短期効果を低減する。本発明の適用例として、心拍パターン分析モジュール23に心拍データに同様のフイルタ選別を行う。
【0251】
本発明の実施例によって実施した実験で測定した慢性喘息患者の呼吸するパターンを図5に示す。喘息患者の呼吸を数夜に亘って監視した。患者の呼吸数を各睡眠時間で平均化した(REM睡眠の短期効果を低減するために監視睡眠時間は、ローパスフィルタを用いてREM睡眠時間を除いた。別の方法として、REM睡眠を識別して監視対象から除いてもよい)。患者を監視した最初の約2ヶ月間は、患者に喘息発作は起きなかった。図におけるグラフの線分200は無症状期に記録された典型的な徐呼吸傾向パターンであり、この患者の基準徐呼吸傾向パターンとなる。無症状患者において主に観察できた呼吸数の単調減少とは異なり、被検対象の慢性喘息患者の基準呼吸数パターンは、監視対象外のほとんどの時間全体における呼吸数の漸増に後に、睡眠初期の数時間における呼吸数の初期減少に影響する。
【0252】
図中グラフの線分202、204は、ほぼ2ヶ月の監視期間終了時の連続する2晩に記録されたものである。2晩のうちの最初が線分202で、2晩目が線分204である。患者は2番目に喘息の発作に襲われた。つまり、線分202、204は、発作前の徐呼吸数傾向パターンと発作後の徐呼吸数傾向パターンである。図示グラフで明らかなように、発作前の夜通し患者の呼吸数は基準に対して毎分約1〜3回ずつ呼吸が増加し、夜間発作時は基準に対して更に呼吸が増加した。
【0253】
上記技術を用いて、呼吸パターン分析モジュール22により、線分202のパターンと線分200の基準パターンを比較し、患者が喘息発作に襲われることを予測する。また、モジュール22で、線分204のパターンと基準線分200を比較して、喘息発作の進行経過を診断評価する。
【0254】
本発明の実施例における基準値からの偏差は、測定パターンの基準パターンからの累積偏差として定義できる。臨床病態を表す閾値を、一定数の標準誤差(たとえば、単一の標準誤差)に等しく設定する。別の方法として、測定パターンと基準パターンとの偏差に関する他の測定値、たとえば、相関係数、平均平方誤差、パターン間の最大差、パターン間の面積を利用する。更に別の方法として、パターン分析モジュール16で、パターンに沿う重量解析を重視した特定領域、たとえば、倍の重みを睡眠の初期2時間あるいは午前3時〜6時に与えるなどの処置を施す。
【0255】
図6および図7は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。線分100、102(図6、7に夫々示す)は、喘息発作がない場合の正常な基準パターンである。棒線は標準誤差である。線分104、106(図6、7に夫々示す)は、喘息発作の発症前の夜間パターンである。線分100と線分102および線分104と線分106とのパターン変化の検出によって、迫り来る喘息発作の早期予測が可能となる。
【0256】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、心不全の臨床徴候の発症の予測、および、発作の重症度および進行経過の監視のいずれか一方または両方の機能を有している。モジュール16は主に、高心拍数に併発する過呼吸を検出した場合、あるいは、監視呼吸および心拍パターンが心不全に関連する特徴、たとえば、無呼吸、チェーン・ストークス呼吸、周期性呼吸などの以上を示した場合に、発作が重篤であると判定する。
【0257】
本発明の実施例において、呼吸周期を吸気と呼気の連続区分に分割する。呼吸パターン分析モジュール22において、睡眠中(特に夜間睡眠中)の呼気に比例して吸気区分が長くなる傾向を、迫り来る発作または進行中の発作として解釈する。本発明の別の実施例において、無呼吸運動に対する呼吸活動の負荷サイクル(吸気区分に呼気区分を加えた期間)を迫り来る発作あるいは進行中の発作を表すものと解釈する。
【0258】
再度、図2を参照すると、本発明の実施例におけるシステム10は更に、喘鳴や咳などの呼吸関連音を測定する音響センサー110を備えている。(圧力計を備えた呼吸センサー30を用いる本発明の適用例において、音響センサー110を圧力計と合体させてもよく、たとえば、単一センサーで音響検出と身体運動を検出し、あるいは、音響センサー110を別に設けてもよい。)パターン分析モジュール16は、前記呼吸音を別々に処理し、あるいは、時間を固定した吸気乃至呼気を処理する。たとえば、喘鳴音のSN比を高めるためにスペクトル平均化をする。本発明の適用例において、喘鳴のレベルおよび吸気と呼気のタイミングには迫り来る喘息発作の予測と発作の重症度と進行経過の情報が含まれている。
【0259】
喘鳴は、呼吸周期の特定箇所(主に、吸気と呼気)が識別でき、迫り来る症状および進行中の呼吸困難に関する有用な情報を含んでいる。また、喘鳴を呼吸周期の周期性によってフィルタ処理が可能で、閉塞された空気路の呼吸に係わる音の識別性を高め、これによって、呼吸活動に関係のない環境音を消す能力を高めることができる。断続的な呼吸周期関連喘鳴には、迫り来る症状および進行中の呼吸困難の態様に関する情報も含まれている。
【0260】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16は、迫り来る臨床発作あるいは発症中の臨床発作に伴う咳発作を検出乃至診断評価する咳分析モジュール26が備えられている。喘息における軽度の咳にはたいてい、臨床喘息発作の迫り来る発症を表す重要な発作前の早期指標が含まれている(前記チャン・ABの文献参照)。鬱血性心不全(CHF)における咳は、心不全の悪化あるいは心血管不全の発症によって起こる肺内における体液鬱滞を早期に警告する働きがある。
【0261】
本発明の適用例として、咳音を、対象者支持面の中、上、下のいずれかに設けた運動センサー30で検出し、特に、約50Hzから約8kHzの間の音響帯域、たとえば、約100Hzから約1kHzの間でフィルタ処理する。別の方法として、信号を2以上の周波数帯域にフィルタ処理し、運動データ取得モジュール20では、記録身体運動のために5Hzまでの領域の超低周波数のうちの少なくとも1つの周波数と、記録聴覚音のために約50Hzから約8kHzまでの間の高周波領域の少なくとも別の周波数1つを用いる。本発明の適用例として、モジュールに、約200Hzから約1kHzの狭音響帯域を用いる。
【0262】
本発明の他の実施例による運動信号の異なった周波数成分をグラフで示した図8A〜8Bを参照すると、咳症状には身体運動と音声に続く非音声の破裂音が含まれ、咳分析モジュール26では、音響信号からの咳音を運動信号からの身体運動信号を関連づけて咳症状を求めている。主に、モジュール26は、咳症状を積極的に検出するために機械的成分と音響成分に依存している。図8Aに測定信号の低周波成分(5Hz未満)を示し、図8Bに測定信号の高周波成分(200Hz〜1kHz)を示している。咳分析モジュール26では主に、低周波成分114と高周波成分116に顕れる症状のみを咳として識別する。たとえば、成分116における高周波の症状Aは成分114において対応する低周波の反応に伴うものではない。モジュール26では症状Aを咳とは認定しない。一方、成分116における高周波症状B、C、D、Eは、成分114の対応する低周波症状に伴うもので、咳と認定する。本発明の適用例として、咳分析モジュール26には、前記コーパス・Jおよびピーリラ・Tおよびサルミ・Tによる文献に開示の技術を適用する。
【0263】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16において、たとえば、標準FM復調技術などの周波数復調によって連続する心拍信号から呼吸数を求める。心拍数信号は通常、正常な呼吸関連洞性不整脈パターンを表すので心拍信号から呼吸数を求めることが可能になる。
【0264】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16によって、たとえば、標準AM復調技術などの振幅復調によって連続する心拍数信号から呼吸数を求める。呼吸関連胸壁運動には心拍信号の機械的変調がふくまれているので心拍数信号から呼吸数を求めることが可能になる。
【0265】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16で、振幅および/または周波数復調心拍信号を用いており、呼吸数信号を心拍信号から得られる復調洞性不整脈パターンと比較することで呼吸および心拍信号を適切に捕獲している。本発明の適用例として、洞性不整脈パターンは、連続する心拍間の一連の時差をとって周波数復調される。別の方法として、心拍を、ハイパスフィルタ、全波整流、ローパスフィルタによって振幅復調してもよい。
【0266】
本発明の一実施例における時間と対応する周波数領域の信号のグラフを示した図9を参照すると、グラフ120と122はそれぞれ、時間と周波数領域における呼吸信号を示している。グラフ124と126は、グラフ128に示した心拍信号から求めた振幅復調および周波数復調の呼吸パターンを表している。
【0267】
これらのグラフから、(a)グラフ120、122に示された呼吸信号から直接求めた呼吸数パターンと、(b)グラフ124、126、130、132に示された心拍信号から間接的に求めた呼吸数パターンとの間の類似性が分かる。この類似性はとりわけ、グラフ122、130、132に示した周波数領域で明示している。
【0268】
本発明の他の実施例におけるパターン分析モジュール16では、呼吸関連信号から心拍信号を求めている。この試みは、たとえば、呼吸関連信号が直接監視した心拍信号より明瞭である場合に有効であり、このことは、心拍関連信号におけるよりもっと有意な機械的身体運動によって呼吸関連信号が生成されるので、珍しくはない。
【0269】
本発明の実施例における測定呼吸関連信号を復調に用いて、心拍関連信号の検出を向上させることができる。本発明の適用例として、呼吸パターン分析モジュール22によって、約0.05Hzから約0.8Hzの範囲のスペクトルフイルタリングを用いて呼吸関連信号を求め、心拍パターン分析モジュール23によって、約0.8Hzから約5Hzの範囲のフィルタリングを用いて心拍関連信号を求める。心拍パターン分析モジュール23で、呼吸関連信号で心拍関連信号を逓倍するなどによって呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する。この復調によって、心拍数関連信号のより明瞭な復調信号が得られ、検出を向上できる。
【0270】
場合によっては、復調信号のパワースペクトルが復調心拍数に対応する明らかなピークを示すことがある。
【0271】
図10A〜Cは、本発明の実施例において測定した周波数スペクトルを示すグラフであり、図10Aは未処理心拍関連信号の周波数スペクトル信号140(未処理信号は図示せず)であり、図10Bは、同時に測定した呼吸関連周波数スペクトル信号142であり、図10Cは、呼吸関連周波数スペクトル信号142(図10B)と周波数スペクトル信号140(図10A)の積である復調スペクトル信号144を示している。明瞭なピーク150は、復調心拍周波数を表す復調スペクトル信号144に見られる。
【0272】
本発明の適用例として、復調処理に用いられる呼吸関連信号を周波数の上端をカットオフして下げた周波数(たとえば、上記0.8Hzの代わりに0.5Hz)でフィルタ処理をする。一般にこうした低減が、呼吸関連信号の基本正弦波だけを復調計算に用いることの裏付けになっている。
【0273】
本発明の実施例における呼吸パターン分析モジュール22は、主に、頻呼吸、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、周期性呼吸などの夜間睡眠時のCHFを伴う異常呼吸パターンを検出するように構成されている。
【0274】
本発明の実施例におけるシステム10によって胎児心拍数を測定する。典型的には、リラックスした状態での母体の心拍数は100BPM以下で、健康な胎児心拍数は110BPM以上である。システム10の心拍パターン分析モジュール23において、主に母体の心拍信号用のローパスフィルタと胎児心拍信号用の肺パスフィルタを用いて、胎児の心拍信号を母体の心拍信号と区別している。
【0275】
図11は、本発明の実施例において測定した胎児の心拍信号の合成成分および分解西部を示すグラフである。グラフ220、222はそれぞれ、時間と周波数領域で測定した母体と胎児の呼吸信号および心拍信号を示している。
【0276】
グラフ220で示した信号を2つの要素に分解した。つまり、(1)グラフ224、226の時間と周波数領域に示した母体の心拍信号と、(2)グラフ228、230の時間と周波数領域に示した胎児の心拍信号の2要素に分解した。
【0277】
本発明の実施例において、母体呼吸信号を母体心洞性不整脈パターンに整合させることで母体心拍パターンを区別もしくは確認するために母体呼吸信号を用いている。これは、母体パルスを母体呼吸数で周波数変調および振幅変調するので可能になる。母体心拍が正確に識別できたことの確認が胎児の心拍パターンの検証を可能にする。
【0278】
本発明の実施例において、母体の呼吸関連信号(胎児の心拍関連信号より強いことが多い)を胎児の心拍関連信号の変調処理に用いる。これは、胎児の心拍数信号を母体の呼吸信号によって振幅変調することがあるので可能となる。これらの場合、比較的検出が簡単な母体呼吸信号を、暗騒音から比較的区別しにくい胎児の心拍数信号を抽出するのに用いる。一例として、胎児の心拍信号は次の処理によって確定できる。すなわち、(1)上記した技術を用いて母体の呼吸数を検出し、(2)胎児心拍数に適したバンドパスフィルター(たとえば、約1.2Hzから約3Hz)で運動信号をフィルタ処理し、(3)フィルタ処理した信号を呼吸信号で逓倍し、(4)その結果得られた信号を高速フーリエ変換し、(5)変換信号のピークを胎児の心拍数に対応する信号として識別する処理から胎児の心拍信号を確定する。
【0279】
本発明の実施例におけるシステム10は、母体の運動とは異なる振幅特性または周波数特性を有する胎児の運動パターンを測定するのに用いる。胎児の運動で生成された信号は母体の運動によってもたらされる信号より弱く、母体の運動による信号より高い周波数を有する(周波数領域で分析した場合)。加えて、胎児の運動は通常、腹部センサーによって最初に(少なくとも最も強く)記録され、母体の運動は通常、腹部センサーと他のセンサー(たとえば、脚部センサー)の両センサーによって記録される。本発明の他の適用例におけるシステム10は、複数の運動センサー30よりなり、システム10によって、胎児の運動を識別し計測するために母体の腹部近傍の高周波運動を監視する。
【0280】
本発明の他の実施例におけるシステム10では、図2を参照にして上述したように胎児の運動および胎児の心拍数を測定する。胎児の運動と相関を持つ胎児の心拍数の変化を胎児の健常状態の指標として用いることができる。健康な胎児は通常、胎児の心拍数について相関のある増加を伴う運動期を持つ。病的胎児は通常、運動が弱いか、運動が見られないか、あるいは、比較的心拍数が一定である。
【0281】
図2を参照すると、本発明の一実施例におけるシステム10では、ここに開示した技術を用いて胎児の心拍数を測定する。本発明の他の適用例におけるユーザーインターフェース24は、スピーカ240を備え、このユーザーインターフェースによって、スピーカを駆動して測定胎児心拍数データを表す音響信号をスピーカから出力する。本発明の別の適用例におけるユーザーインターフェース24では心臓の鼓動を標準胎児モニタによって生成した胎児の心拍音を模倣した心拍数を出力する。別の方法としては、ユーザーインターフェース24から、単純な音色の音を用いて心拍を出力する。
【0282】
本発明の実施例におけるパターン分析モジュール16で、1以上の監視胎児パラメータ(心拍数、呼吸数、運動)を夫々の基準パターンと比較し、基準からの偏差を特定する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16で、図2を参照に上述したようなパラメータ組み合わせ技術によって1以上の胎児パラメータおよび母体パラメータを組み合わせ、組み合わせたパラメータを組み合わせ基準パラメータと比較する。分析モジュールで、基準との偏差を状態の指標もしくは状態の予兆として同定する。たとえば、母体パラメータと胎児パラメータの変化が子癇前症の発症を表しているとすることができる。
【0283】
本発明の実施例におけるシステム10によって、胎児の心拍を検出し、且つ、心拍を分析して胎児の心拍数変動を測定する。心拍数の変動を胎児の運動と活発状態の指標と見ることができる。たとえば、健康な胎児の心拍数が、10分間に2度以上もしくは20分間に5回以上の頻度で15〜30秒間、少なくとも毎分15心拍速度だけ変化すると予想される。これらの数値からの有意の偏差をシステム10で用いて可能性ある病変を認識する。
【0284】
対象者を支持する支持面37の中あるいは下に設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなる運動センサー30を用いた本発明の実施例におけるシステム10は、(a)身体の姿勢を判断して腹部乃至脚部の一を特定する処理、(b)呼吸の吸気信号および呼気信号の最適な検知を確保する処理、(c)胸腹部大動脈瘤(TAA)として認知されている胸部-腹部二相性呼吸の喘息関連パターンを監視する処理の1以上の処理を行う。TAAでは、胸郭と腹部の呼吸運動の移相がみられる。複数のセンサーを用いることで、システム10に、夫々のセンサーの近傍に位置した異なった身体部位に関連して異なったセンサーが測定する歪み乃至圧力の位相差を測定させることができる。
【0285】
対象者を支持する支持面37の中あるいは下に設けられた格子状の複数の圧力計センサーまたは歪み計センサーからなるモニタセンサー30を用いた本発明の実施例におけるシステム10では、格子構造で肺重量偏差を評価することができる。CHFにおける肺鬱血期において、肺組織における体液鬱滞が有意のある肺重量偏差をもたらす。そうした体液鬱滞には通常、迅速な薬剤介入が必要である。本発明の他の適用例として、システム10によって肺重量偏差を日々あるいは毎夜監視できるよう構成する。
【0286】
本発明の他の実施例において、呼吸乃至心拍を制御調整する目的で、システム10を、生体情報を対象者や生物学的変調システムにフィードバックするよう構成する。本発明の別の実施例において、参照文献として既述したGavish特許及びGavish特許出願に開示の技術に改変を加えて生物学的変調システムに適用することができる。この実施例における運動センサー30を主に、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設ける(図1参照)。本発明の他の適用例として、システム10の全ての要素を用いずに特定の要素、たとえば、運動データ取得モジュール20と、運動センサー30と、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23のみを用いるようにしてもよい(図2参照)。
【0287】
本発明の実施例におけるシステム10を、心臓および呼吸器データをモニタリングすることによって睡眠周期を監視すると共に、睡眠中の利用者が軽い睡眠あるいはREM睡眠などの最適な睡眠状態になれるように構成する。利用者が選択する目覚めの時間枠の間の睡眠段階を検出した上で、システム10によってユーザーインターフェース24を駆動して利用者が目覚めるように視覚信号と音響信号のいずれか一方または両方を生成する。
【0288】
本発明の他の適用例として、上記したシャイナー・Zの参照文献に記載の技術を改変して利用して呼吸および心拍データの睡眠段階の情報を得ることができる。この実施例における運動センサー30は主に、支持面37の中、上、下のいずれかに設けられる(図1参照)。本発明の他の適用例として、システム10の全ての要素を用いずに特定の要素、たとえば、運動データ取得モジュール20と、運動センサー30と、呼吸パターン分析モジュール22と、心拍パターン分析モジュール23のみを用いるようにしてもよい(図2参照)。
【0289】
本発明の実施例におけるシステム10は、生活徴候および付帯徴候を含む呼吸パターン、心拍パターン、運動状態、咳症状などの多徴候データを毎夜連続的に監視および記録する。記録した多症候データで、正常パターンから病態生理学的変位の追跡用参照としての患者の個人ファイルを構築する。
【0290】
本発明の実施例における複数の測定パラメータを下記の式を用いて結合する。
F=A1*ΔP1+A2*ΔP2 + ・・・ + An*ΔPn・・・(式1)
式において、AiはパラメータPiに与えられた相対重み、ΔPiは設定された夜の値Piと値Piの基準値との差を表す。Fは、時間もしくは夜間を基準として算出され、個人の履歴を基に設定された参照値と比較する。値Fが参照値を越えた場合、システムは対象者あるいは医療従事者に警報を与える。パラメータPiのいずれかが適正である場合、ΔPiの符号付き値の代わりにΔPiの絶対値を求めることができる。また、パラメータPiのいずれかが適正である場合、平方、平方根、指数関数、対数、あるいは、その他の関数を求めることができる。
【0291】
別の方法として、ΔPiを用いる代わりにパラメータPiを導くために、ΔPiを検査テーブルに入れて得られる値を用いてもよい。更に他の方法として、結果を解釈するために、結果としての関数Fを検査テーブル(あらかじめ定めた、もしくは、学習作成したテーブル)に入れることができる。
【0292】
本発明の実施例における複数のパラメータを、各パラメータのスコアを計算し、且つ、関数を適用して、式1のようなスコアを組み合わせることができる。本発明の他の適用例において、各スコアは、たとえば、1時間、4時間、24時間、48時間のいずれかの一定時間内に臨床発作が切迫していなければ、パラメータ値の発生の確率を表す。この機能によって、一定時間内に臨床発作が切迫していなければ、複数パラメータを組み合わせた値の発生の確率を推定する。たとえば、n-監視パラメータについて、臨床発作が切迫していない場合、夫々、閾値t(i)と通過閾値t(i)の確率p(i)で、2項分布を計算して、閾値通過の観察コンビネーションが不規則である確率を表す。
【0293】
観察コンビネーションの確率が低ければ、アラーム信号を発するか、他の行動をとる。
たとえば、コンビネーションの観察の確率を、システム10が予め設定した、あるいは、学習した閾値と比較してもよい。確率が閾値より少なければ、システム10が、発作が切迫していることより高い確率があることを警告するアラームを発する。本発明の適用例として、上記の式1のように各パラメータのスコアに重み付けをすることができる。
【0294】
本発明の実施例におけるシステム10に、上記閾値、重み、確率のいずれかまたは全てを学習させるようにすることができる。本発明の一適用例として、システム10に、学習のための以下の方法を実行させることができる。
【0295】
●発作が見られた上で、対象者もしくは医療従事者が発作の発症を示す命令をユーザーインターフェース24を介してシステム10に入れる。
【0296】
他の方法として、システム自身が、発作を明らかに示すパラメータを検出することで発作(たとえば、毎分30心拍を越える呼吸数の症状)を識別する。更に別の方法として、システム10が、薬剤投与装置266からの入力に基づいて発作が発生したことを判定する(たとえば、一定の閾値を越える吸入器の使用レベルを発作の発生と解釈する)。
【0297】
●システム10が時々(たとえば、2週間毎)、実際の発作と、システムが警報を発するような発作を比較する。
【0298】
●正確に予測された発作、偽陰性、偽陽性の夫々について、その時点での閾値、重み、確率分布に従ってシステムが行う予測の正確性をシステムがチェックする。
【0299】
●チェックの結果に応じて、システムが閾値、重み、確率分布のうちの1以上を増分調節する。
【0300】
たとえば、ある喘息患者では、喘息発作に先だって咳き込むが、別の患者ではそうしたことがない。システムは2週間に亘ってずっと、発作の前に咳き込むかどうかをチェックし、その結果にしたがって、偽陰性か偽陽性に合わせて、閾値を一定の率(たとえば、5%)だけ上下に調整する。たとえば、本発明の適用例として、正確に予測された発作について、システムが咳パラメータの重みを調節する(たとえば、極最近の発作5回に先だって咳き込んだ場合、咳パラメータの重みを高める)。
【0301】
他の方法として、偽陰性か偽陽性に合わせてシステムに咳パラメータの重さを調整させるとよい。本発明の実施例におけるシステム10が、喘息やCHFなどの幾種か慢性症状である夜行性の情動不安の発作あるいは覚醒状態を監視させ分析する。典型的には、システム10によって発作を識別して夜行性の情動不安の発作あるいは覚醒状態の客観的尺度を得る。上記説明のように、システム10が、周波数領域における対象者の周期的運動信号を分析し、呼吸数および心拍数(更には、それらの合成)に対応する周波数領域信号のピークを特定する。対象者の身体運動で、運動信号に突発的にかなり強い非周期的成分が顕れる。斯かる運動が一時的(たとえば、約2秒から約10秒の時間)であり、その後、周期的な呼吸と心拍信号が戻った場合は、システム10はその非周期的運動を不安定発作と解釈する。
【0302】
また、斯かる運動が一定の時間以上続いた場合もしくは非周期信号が一定時間以上続かなかった場合(どちらの場合も、対象者が寝ていないことを示している)は、システム10はその非周期的運動を覚醒事象と解釈する。
【0303】
本発明の実施例における身体運動を表すグラフを示した図12を参照すると、本発明の実施例におけるシステム10は、睡眠中の過度の身体運動によって見られる睡眠不安定を観察する。システム10は不安定度を定量化して夜行性の情動不安の客観的尺度を求める。
【0304】
図12に示すように、不安定事象250は、正常睡眠時252に比べて身体運動が高いことによって特徴づけることができる。この実施例における運動センサー30を主に、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設ける(図1参照)。本発明の一適用例として、システム10によって、時間領域中の即手運動信号の標準偏差が、睡眠期間の少なくとも一部における運動信号の平均標準偏差の倍数である場合に時間期間を情動不安と識別する。たとえば、倍数を約2と約3の間、たとえば、約3とすることができる。他の方法として、システム10で、上記した周波数領域分析技術のような偏差の数学的指標乃至統計指標を用いることができる。別の方法として、システムで、下記の式で定義できる積分関数J(i)を用いることができる。
J(i)=(l−alpha)*J(i−l)+alpha*abs(X(i))
・・・(式2)
式において、X(i)は運動センサー30からサンプルされた未処理信号である。
【0305】
たとえば、X(i)が毎秒10サンプルであると、「alpha」の適正値を0.01〜0.1として(たとえば、0.05)、信号Jはおおむね一晩中の平均値であり、標準偏差を計算する。どの点でもJ(i)が、少なくとも2秒間維持する期間の標準偏差の2倍以上だけ平均を上回った場合は、不安定事象が定められる。
【0306】
本発明の適用例として、そうした不安定事象が確認されると、システム10は時間元期当たりの事象数を計数する(たとえば、各元期に30分期間を持たせる)。(ここでのどんな条件の発作でも)臨床発作を検出するには、システム10において、一定に基準に従って測定夜間パターンと参照パターンに比較する。たとえば、時間元期の特定の率以上(たとえば、10%、20%、30%のいずれか以上)で不安定事象が検出されると、システム10から臨床発作の警報を出す。他の方法として、夜毎の不安定事象の総数が閾値を越えた時にシステム10から臨床発作の警報を出すようにすることもできる。本発明の一適用例では参照パターンもしくは閾値を母集団平均に基づいて決定し、本発明の他の適用例では参照パターンもしくは閾値を無症候期の夜間数回に亘って対象者からのデータを平均することで決定することができる。
【0307】
本発明の実施例において正常睡眠時および喘息の臨床発作時の不安定事象を示すグラフである図13を参照すると、線分260は、正常睡眠中の30分の元期当たりの不安定事象数を示している(棒線は標準誤差を示している)。線分262は、喘息の臨床発作に特徴付けられる夜間中の30分の元期当たりの不安定事象数を示している。
【0308】
本発明の一実施例におけるシステム10は、通常の不安定症状または咳症状のために起こる覚醒発作を監視し、迫り来る喘息発作あるいは発症中の喘息発作のような病変を確認する。
【0309】
本発明の他の実施例におけるシステム10では、夜間睡眠中の呼吸、心拍数、咳などの監視パラメータを記録する。このシステムでは、朝の睡眠行動の継続または睡眠後のいずれかの記録パラメータを分析して、迫り来る臨床発作を予測する。朝またはその日の遅くに、システム10がユーサーインターフェースを駆動して迫り来る臨床徴候に関する警報を対象者に与えるようにする。システム10がそうした迫り来る臨床徴候を予測した後は、その臨床徴候は少なくとも数時間、たとえば、12時間もしくは24時間までは発症しない。よって、朝またはその日遅くまで通知が遅れても、発作の臨床徴候が発現する前に対象者の睡眠を妨害することなく適当な予防措置を始めるのに十分な時間が確保できる。本発明の他の適用例として、システム10でパラメータを分析して迫り来る臨床発作の重症度および緊急性を推定でき、その重症度および緊急性を加味して対象者を起こすかどうかを決めることができる。
【0310】
システム10で進行中の臨床発作の悪化を検出でき、更には、比較的短時間内(たとえば、4時間内)に発作が始まることを検出できる本発明の他の適用例において、システム10が遅滞なく警告を発することで、悪化する症状を早期に治療できる。更に、システム10は主に、睡眠中の監視パラメータを記録し、連続的に分析することができる。
【0311】
本発明の一実施例におけるシステム10は、心室細動や心拍停止などの不整脈症状を検出して、斯かる異常が検出された時点で即刻警告を発することができる。別の方法として、斯かる異常が検出されたら、システム10に適当な電気ショックもしくは磁気ショック措置を自動的に実行させることができる。たとえば、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器などからなるユーザーインターフェース24であってもよい。
【0312】
本発明の一実施例における運動センサー30および運動データ取得モジュール20の一部あるいは全体を生体適合性のある一つの容器(あるいは複数の容器)に収納することができる。埋め込み可能な構成素子としては、RPなどの送信技術(たとえば、ブルーツゥースやジグビープロトコルを有する技術)あるいは超音波を用いた外部受信機に信号を送信する無線送信機がある。別の方法として、分析モジュール22、23、26、28、29、31およびユーザーインターフェース24のいずれか1以上を身体に埋め込み可能な容器などに収納して対象者に埋め込むことができる。更に別の方法として、運動センサー30を対象者12に埋め込み、且つ、運動データ取得モジュール20を対象者の外部に設けて無線乃至有線で運動センサー30と交信できるようにしてもよい。
【0313】
システム10の全てあるいは一部を対象者に埋め込んだ本発明の一実施例において、センサー30を、次のパラメータの1以上を測定する2以上のセンサーで構成することができる。すなわち、(a)機械的振動、(b)音響的振動、(c)心電図、(d)筋電図、(e)肺インピーダンス、(f)加速度のパラメータである。本発明の他の適用例として、システム10は次の1以上の分析を実行する複数センサーデータを用いている。すなわち、(a)呼吸数、負荷サイクル、吸気/呼気比、呼吸の深さなどの咳分析、(b)咳測定、(c)心拍数、心拍数変動、パルス間隔時間などの心拍分析、(d)睡眠不安定分析である。本発明の他の適用例においては、喘息、CHF、糖尿病、癲癇などの慢性疾患における臨床発作の予測および/または監視を行うために複数センサーデータ分析が行われる。
【0314】
本発明の別の適用例においては、システム10の埋め込み可能な構成素子は、支持面37の中、上、下のいずれかに設けた外部装置あるいは対象者の身体の外面に設けた装置と通信可能である。重篤な不整脈あるいは心室細動や心拍停止などの病変の検出に応じて、外部装置で適切な電気ショックもしくは磁気ショックができるようにする。たとえば、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器などからなる外部装置であってもよい。別の方法として、システム10の埋め込み型構成素子を、当技術分野で知られている植え込み型除細動器あるいは外付け心臓除細動器と無線もしくは有線で交信可能にするとよい。あるいはまた別の方法として、外部装置で外部的に(脚部運動などを)簡単にモニタできるパラメータの一部を監視すると共に、システム10の埋め込み型構成素子で内部的に簡単にモニタしたパラメータを監視するようにできる。埋め込み型処理ユニットは情報を統合して、上記した完全な複数パラメータのモニタ機能を実現する。
【0315】
本発明の一実施例におけるユーザーインタフェース24は、対象者がその時点で受けている治療に関する薬剤や投与量などの情報の入力を受ける。予防治療または臨床薬物治療は、呼吸、心拍、咳、不安症状などの生理的パラメータに影響を与えることがある。たとえば、喘息患者の呼吸パターンは、気管支拡張薬の影響を受ける。よって、パターン分析モジュール16では、基準パラメータからの測定パラメータの変位が見られた場合は入力された情報を分析する。たとえば、呼吸パターン分析モジュール22は、気管支拡張薬が投与された約1時間以内に呼吸数の増加が見られ8時間以上経過した場合、呼吸数を基準と比較して約10%の軽い増加であれば無視する。
【0316】
図2に戻って説明すると、本発明の一適用例として、薬物治療情報は、ユーザーインターフェース24に手動で入力されずに、薬物投与装置266からシステム10に直接送信される。上記した薬剤情報は、たとえば、投与した薬剤(および/または薬剤の有効成分)、薬剤投与量、投与時期のいずれかまたは組み合わせた情報である。本発明の他の適用例として、システム10は、薬剤投与装置266に与えられた薬剤投与量および/または薬剤投与時期が決まった時点で薬剤治療情報を考慮する。システム10へのデータの送信は無線でも有線でもよい。一例として、薬剤投与装置266は、市販の「ネブライザ・クロノログ(Nebulizer Chronolog)」(米国コロラド州レークウッド「メドトラック・テクノロジー社」製)や「ドーザー(Doser)」(米国マサチューセッツ州ハドソン「メディトラック・プロダクツ社」製)などの薬剤投与装置であってもよい。
【0317】
本発明の一実施例におけるシステム10は、特異的薬物療法に関するパラメータ変動を自動的に検出・抽出し、基準パターンからのパラメータ偏差の評価に抽出パターンの変化を考慮する。たとえば、システム10は、約6〜8時間後に正常に戻った喘息患者の呼吸数の約10%増加を気管支拡張薬の使用が原因と判断する。
【0318】
再び図2に戻って説明すると、本発明の一実施例におけるシステム10は薬剤投与装置266と自動閉ループで用いることができる。薬剤投与装置が対象者12に薬剤を供する。システム10で、薬剤の臨床効果を監視し薬剤投与装置にフィードバックして薬剤投与量を維持乃至更新する。 本発明の他の適用例として、薬剤投与装置266は、以下の1以上の構成を含んでいる。すなわち、医療用噴霧器、吸入器、気化器(たとえば、対象者が居る室内用)、持続的気道陽圧法、スプレーシステム、静注薬物システムなどの1以上の構成要素である。
【0319】
別の方法として、システム10によって、対象者の1以上の生理的パラメータを適正化すると共に、噴霧器または加湿器などを駆動して湿度を適切に制御するように対象者が居る部屋の最適湿度を判断する。更に別の方法として、システム10によって、対象者の生理的パラメータを適正化すると共に、エアコンやヒータを駆動して温度を適正に制御するように最適な室温を判断する。
【0320】
本発明の他の適用例として、薬物療法情報をユーザーインターフェース24から手動で入力しないで、薬物投与装置266からシステム10に直接与えるようにする。上記した薬剤情報は、たとえば、投与した薬剤(および/または薬剤の有効成分)、薬剤投与量、投与時期のいずれかまたは組み合わせた情報である。本発明の他の適用例として、システム10は、薬剤投与装置266に与えられた薬剤投与量および/または薬剤投与時期が決まった時点で薬剤治療情報を考慮する。
【0321】
本発明の他の適用例として、薬剤投与装置266で複数薬剤の投与量を張設する。たとえば、気管支拡張薬、抗炎症薬、抗生物質、偽薬などの1以上の種類に属する薬剤の投与量を薬剤投与装置で調整することができる。喘息患者を治療する本発明の他の適用例における薬物投与装置は、気管支拡張薬、抗炎症薬、抗生物質、偽薬などの複数種類の薬剤を入れる3つの薬室を有する定量吸入器(MDI)によって構成することができる。対象者12が朝めざめた時に、システム10が対象者の状態を判定し、これに応じて、3種類の薬剤の適切な配合投与量を決定する。システム10は、吸引に適した配合薬剤を調製した投与量情報をMDIに送り、適切に配合調製された薬剤を自動投与するために対象者がMDIを作動させる。こうした技術によって、対象者はMDIが調製する薬剤配合を認識し、あるいは、制御する必要はなくなる。ここに記載の技術はMDI以外の薬剤投与装置にも好適に適用できる。
【0322】
本発明の実施例において測定した信号のパワースペクトル密度を表すグラフを示す図14A〜Bを参照すると、図14Aおよび14Bの線分270、272は夫々、腹部と脚部で測定した信号のパワースペクトル密度を示している。ピーク274、276は対象者の呼吸数および心拍に夫々対応している。グラフから明らかなように、本発明の一適用例として、心拍数は脚部下で測定した信号を最も簡単に検出できる。
【0323】
本発明の一実施例において2つの運動センサー30A、30Bとからなるシステム10の概略構成を示した図15を参照すると、対象者を支持する支持面37の中、上、下のいずれかに設けてなる運動センサー30A、30Bのうちのセンサー30Aを対象者12の腹部乃至胸部39の近傍に位置させ、センサー30Bを対象者の解剖学的な腰部下の適宜部位近傍、たとえば、対象者の脚部40近傍に位置させる。システム10で、センサー30A、30Bからほぼ同時に信号をサンプリングして分析する。拍動する心臓バリスティック作用が心臓から発して脚部に向かって毎秒約5メートルの速度で伝播する。本発明の他の適用例としてのシステム10は、脚部40の下のセンサー30Bから検出された遅延パルスを用いて、腹部38または胸部39の下のセンサー30Aから検出したパルスを確認する。本発明の別の適用例として、システム10に2つ以上の運動センサー30を設ける。
【0324】
本発明の実施例において対象者の脚部および腹部で同時に測定したパルス信号と、測定パルス信号の相互相関を表すグラフを示した図16A〜Bを参照して本発明の他の適用例を説明すると、システム10で、(a)対象者12の解剖学的な腰部下の脚部等の部位と、(b)腹部38または胸部39で測定した信号間の相互相関を演算する。たとえば、図16Aの信号290、292は腹部38と対象者の脚部の夫々で同時に測定したパルス信号を示しており、図16Bの線分294は、図16Aの2つのパルス信号の相互相関を示している。線分294の最初のピーク296は、心臓バリスティック信号の遅延長さ、つまり、この例において約0.12秒に相当する。この相互相関信号のピーク296を識別し、相互相関信号の第二のピーク298も識別する。両ピークの間隔は、心拍間の間隔に相当し、心拍数の計算が可能になる。本発明の他の適用例として、システム10で、この間接的に計算した心拍数を用いて、直接測定した心拍を乱す信号の背景にある暗騒音を除去する。
【0325】
図15を参照して本発明の実施例を説明すると、腹部及び脚部センサー30A、30Bを支持面37の下に互いに既知の間隔D(Dは、たとえば、夫々のセンサー中心間の距離とする)を置いて位置付ける。システム10において、相互相関信号294の最初のピーク296に対応する時間差によって間隔Dを除算することで心臓バリスティック信号が対象者の身体を伝播する速度を算出する。本発明の別の適用例として、システム10で連続的に速度を計算する。速度変化には対象者の状態変化の指標が含まれている。たとえば、本発明の適用例として、システム10において、2つのパルス信号の測定時間差および/または変化を用いて対象者の血圧および/または血圧変化を推定する。この技術は、たとえば、既述した米国特許第6,599,251号(Chen et al)に記載の技術を適当に改変し組み合わせて用いてもよい。 本発明の他の適用例として、システム10において、検出した血圧情報を用いて臨床発作の発症および進行経過をモニタし、且つ、予想してもよい。本発明の別の適用例として、システム10において、対象者の血圧絶対値を算出するようにしてもよい。また、システム10を、オシロメトリック式の血圧計バンドを用いた標準血圧計を用いて測定を行うようにしてもよい。
【0326】
本発明の実施例において妊娠対象者300とその胎児302を監視するシステム10の概略図である図17を参照して説明すると、この実施例のシステム10は、母体パルスと胎児パルスを識別して差異を見つける2以上の運動センサー30を備えている。本発明の他の適用例として、第一センサー30Cを妊娠対象者300の解剖学的腰部の一部位の下方、たとえば、脚部40などに位置させ、対象者パルス信号を明瞭に検出できるようにしている。第二センサー30Dを対象者300の腹部下に位置づけ、母体パルスと胎児パルスの合成信号を計測する。信号品質を向上させるためにセンサー30を追加してもよい。パターン分析モジュール16によって、合成パルス信号から母体パルス信号を取り除いて胎児パルスを取り出す。
【0327】
本発明の他の適用例として、システム10において、2以上のセンサーを用いて母体の身体運動とパルスを識別して差異を見つける一方で、胎児の運動とパルス識別して差異を見つける。特に、システムにおいて、対象者のパルスと母体身体運動の信号を明瞭に検出するために第一センサー30Cを用い、母体と胎児のパルスと身体運動の合成信号を測定するために第二センサー30Dを用いる。
【0328】
パターン分析モジュール16によって、合成パルス信号から母体パルス信号と運動信号を取り除いて胎児のパルスと運動を検出する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16によって、腹部と解剖学的腰部下(たとえば、脚部)に設けたセンサーによって検出した信号の遅れに応じて胎児パルスから母体パルスを識別して差異を見つける。たとえば、パターン分析モジュール16に、上記した相互相関技術に改変を加えて利用してもよい。たとえば、ここでの相互相関技術を母体パルスの識別に用いることができる。ここでの信号は合成信号から差し引いたものである。他の方法として、母体パルスを抽出した後に合成信号を、母体パルス周波数を取り除くノッチフィルタを用いてフィルタ処理する。その上で、結果的に得られた信号を、胎児パルスに適した、たとえば、約1Hzから約4Hzの範囲のバンドパスフィルタでフィルタ処理する。胎児パルスは上記した技術を用いて識別する。
【0329】
本発明の実施例による生理的状態を予測する方法を概略的に説明するためのフローチャートを示した図18を参照してこの実施例を説明すると、システム10は、運動センサー30によって生成した運動信号のエネルギースペクトルの差分高調波間の比率の変化の少なくとも一部に応じて生理学的状態を予測する機能を備えている。測定工程310において、運動センサー30によって運動信号を検出する。パワースペクトル計算工程において呼吸パターン分析モジュール22によって測定運動信号のパワースペクトルを計算する。呼吸数判定工程314において、モジュール22を用いて、呼吸数を、呼吸に関連する周波数領域(たとえば、約0.1Hzから約1.0Hzの範囲)におけるピークとして識別する。他の方法として、呼吸数を計測するために、呼吸パターン分析モジュール22において、時間領域におけるゼロ交差検出法またはピーク検出法を用いてピークを計数する。更に他の方法として、このモジュールによって、ピークを識別し、ピーク間の時間間隔を測定し、最高値から最低値の順に時間間隔を並べ、特定割合の上端(たとえば10%)と下端(たとえば10%)をカットし、残った間隔の平均をとる。その上で、高調波識別工程316においてパワースペクトルのピークの、たとえば多倍数などの1以上の高調波(または、たとえば、結果的な周波数が許容周波数範囲にある場合は、1/2などの小さい分子/分母の分数)をモジュール22で識別する。比率/位相差演算工程318において、高調波のエネルギーレベルと高調波の位相差との比率をモジュール22で計算する。症状発症予測工程310において、モジュール22で、これらのパラメータ対基準測定値を分析し、基準からの偏差を迫り来る生理学的状態の指標として解釈する。たとえば、この偏差を、胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度もしくは位相角と見なしてもよい。
【0330】
本発明の実施例における方法を図18に従って実行するための実例パワースペクトルを表すグラフを示した図19を参照すると、実際の喘息患者で測定したデータから得られたパワースペクトルであり、線分321は、図18の方法による工程310と工程312において計測およびフィルタ処理された呼吸信号のパワースペクトルである。ピーク322を約0.1Hzから約0.5Hzの範囲での最大ピークとして識別でき、このピークが基礎呼吸数となる。ピーク324を工程316における呼吸信号の第二高調波として識別できる。工程318において、ピーク322からピーク324までの高さの比を計算し、睡眠中の数時間をグラフ化する。本発明の他の適用例として、ピークの基準参考比を正常睡眠中の測定結果を基に計算する。工程320において、ピーク比が基準からそれているかどうかを評価するために、睡眠中のピーク比をピークの基準参考比と比較し、これによって臨床発作の発症が切迫していることを表す。また、工程318において、フーリエ解析によって各周波数の位相を求める。特に、基礎高調波と二次高調波の位相を互いから差し引き、その差を上記と同様に分析する。
【0331】
本発明の実施例において測定した喘息患者の呼吸信号の2つの高調波の比率を表すグラフを示した図20から分かるように、一時的な睡眠中は、線分330に示した高調波のエネルギーレベルの比率は、正常な非規定一時的睡眠中の比率に比べて実質的に高くなる。(線分における棒線は標準偏差である。)本発明の他の適用例として、誤差棒線のサイズの大きな変動は臨床発作の予兆もしくは徴候である。
【0332】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、一定時間内に起こる無呼吸睡眠事象を識別して計数する。システム10で、その事象回数と無症候日の基準値とを比較して、得られた偏差を発作の徴候と解釈する。
【0333】
本発明の実施例におけるチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号と、図21Aの信号の分析値を表すグラフを示した図21A〜Bを参照すると、本実施例のシステム10でCSRをCHFなどの慢性症状の徴候として識別する。図21Aの信号250は、上記した測定法およびフィルタ処理によって得られた睡眠中の対象者の呼吸信号を表している。この信号はCSRの特徴である。システム10によって、信号350の連続するピーク間の時間間隔を測定し、図21Bの線分352によって表されるような連続するピーク対の夫々の間の瞬間的な呼吸数を計算する。線分352は、CSRにおいて期待する周期性であり、このパターンを識別するために用いられる。本発明の他の適用例として、システム10が夜毎のサイクル数を測定して記録し、その情報データをCHFなどの臨床症状の発症と重症度として利用する。
【0334】
図22は、本発明の実施例において測定したチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号を示すグラフである。
【0335】
図23は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【0336】
線分400はCSRがない場合の正常基準パターンであり、線分402はCSR中の夜間のパターンである。棒線は標準誤差を示している。
【0337】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、睡眠時周期的脚運動(PLMS)を識別する。この症候群の発症および程度は、CHF、糖尿病、貧血症、腎臓病、喘息などの慢性症状の発現の指標となる。本発明の一適用例においてシステム10に単一センサー30を備えるが、他の態様としては、システム10に2以上のセンサー30を備えてもよい。
【0338】
図2に戻って参照すると、本発明の一実施例におけるシステム10に、体温測定用の温度センサー380を備える。本発明の他の適用例として、温度センサー380に、体温測定用の赤外集積センサーを備える。体温は全身感染症や炎症などの全身状態を示す生体徴候であり、体温の包括的上昇を、医療診断の第一のスクリーニング手段として利用する。
【0339】
再度図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例おけるシステム10に、第一および第二運動センサー30を設けている。運動センサー30を、支持面37の中、上、下のいずれかに設ける。たとえば、第一運動センサーを対象者12の肺近傍に位置づけ、第二運動センサーを対象者12の腹部近傍のたとえば対象者の下腹部に位置づける。システム10によって、両センサーからほぼ同時に呼吸関連信号をサンプリングして分析する。 本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16によって、センサーによる呼吸関連信号の位相シフトを2つの呼吸関連信号を、既述したような相互相関するなどの方法で計算する。パターン分析モジュール16で、位相シフトを分析し、気道閉塞がある患者の顕著な臨床特徴である胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を判定する。別の方法として、モジュール16によって、位相シフトを分析して、喘息発作などの臨床症状の発症を識別監視する。本発明の他の適用例として、モジュール16によって、呼吸関連信号の振幅の比を計算し、その比を分析して呼吸時の副筋使用の程度を判定する。肺センサーによって測定した呼吸関連信号に対する腹部センサーによって測定した呼吸関連信号のより大きい比は通常、呼吸時の副筋使用が大きいことを表している。副筋使用は気道閉塞の患者の顕著な臨床特徴である。
【0340】
再度図1および図2を参照すると、本発明の一実施例におけるシステムには第一および第二運動センサー30を備えている。運動センサー30を、支持面37の中、上、下のいずれかに設ける。たとえば、第一運動センサーを対象者12の肺近傍に位置づけ、第二運動センサーを対象者12の腹部近傍に位置づける。システム10によって、両センサーからほぼ同時に呼吸関連信号をサンプリングして分析する。本発明の他の適用例として、パターン分析モジュール16で、センサーからの合成信号を分析して呼吸の吸気と呼気を区別する。たとえば、吸気中は肺近傍での運動は腹部近傍の運動に先立ち、呼気中は肺領域での運動は腹部の運動に引き続く場合がある。本発明の他の適用例として、吸気に対する呼気の持続時間の比をほぼ連続的に計算し、吸気期間に比べての呼気期間が長くなると気道閉塞の徴候である。
【0341】
本発明の一実施例におけるシステム10によって、糖尿病患者の低血糖症の発現の早期徴候を認定できる。このシステムによって、発症の徴候として顕れるある程度の生理的振戦の増大や、心拍、呼吸数、覚醒などの上記した他のパラメータとの組み合わせにおける振戦症状の増大や、動悸を表す心拍パターンの変化を(上記の技術を利用して心拍信号のピーク間のタイミングを分析することで)判定する。このシステムは主に、約4Hzから約18Hzの間、特に、約8Hzから約12Hzの間の身体運動を監視して生理的振戦を検出している。
【0342】
別の方法として、このシステムによって、パーキンソン病、アルツハイマー病、脳梗塞、本態性振戦、癲癇、ストレス、心細動、アナフィラキシー性ショックから選ばれた一症状の発症または進行経過を意味するある程度の生理的振戦の高まりを識別する。本発明の他の適用例として、システム10によって、ユーザーインターフェース24を駆動して検出した生理的振戦の1以上の特性を振戦の振幅乃至スペクトル画像などとして表示する。たとえば、システム10を病院での臨床的生命徴候診断システムとして利用できる。本発明の他の適用例として、動悸を表す心臓からの信号を分析して低血糖症を識別できる。
【0343】
本発明の一実施例におけるシステム10は、上記したような夜間の多重時間点における呼吸数、心拍数、咳発作数、血圧変動、吸気/呼気比、呼吸高調比などの生理的パラメータ群を監視する。パターン分析モジュール16で、監視したパラメータの夫々についてスコアをつけ、このスコアを合成して合成スコアを定める。
【0344】
合成スコア=定数1X(平均夜間心拍数−基準心拍数)+定数2X(平均夜間呼吸数 - 基準呼吸数)+定数3X(夜間咳数)+定数4X(時間3の平均呼吸数−時間2の平均呼吸数)・・・(式3)
パターン分析モジュール16によって、合成スコアを第一閾値および第一閾値より大きい第二閾値と比較する。合成スコアが第一閾値と第二閾値の間であれば、システム10は将来予期される臨床発作を表す警報を出す。合成スコアが第二閾値より大きい場合、システムは現在臨床発作を発症していることを表すアラームを送出する。別の方法として、スコアおよび合成スコアをベクトルで表すことができる。
【0345】
本発明の一適用例として、これらの技術を、喘息患者が広く用いているゾーン疾患管理方法と連携して利用する。このゾーン疾患管理方法は、喘息徴候がない状態は「緑色」ゾーンに示し、軽い発作状態は「黄色」ゾーンに示し、発作が強い場合は「赤色」ゾーンに示す方法である。システム10によって、合成スコアが第一閾値より小さい場合にユーザーインターフェース24を駆動して緑色ゾーンに示し、合成スコアが第一、第二閾値の間にあると黄色ゾーンに示し、合成スコアが第二閾値より大きい場合は赤色ゾーンに示す。
【0346】
本発明の他の適用例として、システム10によって、合成スコアが第二閾値より大きい場合は即時警告を発して夜間睡眠中の対象者を覚醒させるが、合成スコアが第一、第二閾値の間であれば対象者への警告を朝まで待つようにする。即時警告はアラーム音およびアラーム光のいずれか一方あるいは両方で行うことができる。朝になってから対象者に与える予想発症の通告信号は、合成スコアの算出後の任意時点にユーザーインターフェースから出力するが、対象者を目覚めさせることはない。
【0347】
本発明の他の適用例として、両閾値の一方もしくは両方、1以上のパラメータ、合成スコアを生成させるための1以上の定数などをシステム10に学習させるようにする。そのための学習技術を利用すればよい。
【0348】
本発明の実施例において数夜に亘って測定した呼吸を表す三次元グラフを示した図24を参照すると、図示のグラフは臨床発作の進行経過の視覚化や、発作の発症の識別の有効性を表している。
【0349】
図24のグラフのx軸は夜間の時間を表し、y軸は夜間の指数(たとえば、24時間)を表し、z軸は呼吸数を表している。別の方法として、z軸を心拍数にしてもよい。また、こうしたデータを地形のようなトポグラフィー図にしてもよく、あるいは、中間色表示や色分けで表示してもよい。人為的もしくは機械的に作成したこのような三次元グラフでの分析は、発作の発症を表す識別パターンに有効である。
【0350】
本発明の一実施例におけるシステム10は、図15を参照にして上述したように、腹部38あるいは胸部39の近傍に配置した第一センサーと、脚部40の近傍に配置した第二センサーなどの複数の運動センサー30を備えている。パターン分析モジュール16によって、腹部または胸部下のセンサーで検出したパルス信号と脚部下からの検出パルス信号の時間差を測定する。たとえば、このモジュールによって、呼吸サイクル時間より少ない時間、たとえば、約1回と3回の心拍周期間のような時間に心拍信号の相互相関処理を行うことで時間差を測定できる。別の方法として、モジュールに、心拍信号のピークを識別させ、各信号のピーク間の時間差を計算させてもよい。モジュール16で、たとえば、上記した米国特許第6,599,251号(Chen et al)に記載されたような連続的に血圧変動信号を算出するための時間差を用いてもよい。モジュール16によって、全吸気/呼気周期に亘る血圧変動の振幅を計算し、計算された振幅をたとえば10mmHgの閾値あるいは基準値と比較する。これら閾値および基準値は対象者から予め測定して定めた、あるいは、統計的平均で定めた値である。モジュール16では、閾値より大きい振幅を奇脈が顕れていると解釈する。別の方法として、このシステムによって、振幅の表示および振幅の記録のいずれか一方または両方を行い、症状の変化を識別するために後で用いる特定患者の基準を求める。
【0351】
ここに開示のいくつかの実施例は、臨床発作を予測・監視するためにモニタリングする一連の生命徴候や生理学的作用に係わるものであり、場合によって、上記機能を適宜組み合わせることでシステム10の監視・予測性能、たとえば、上記したような糖尿病患者における低血糖症状の発症を検出するなどの機能を有用に向上させることができる。
【0352】
本発明の一実施例におけるシステム10には、夜間における覚醒数を計数する機能がある。本発明の一適用例として、斯かる計数値には、喘息発作、糖尿病(たとえば、水分補給に覚醒する)、腸疾患、結腸疾患、前立腺障害(たとえば、排尿のために覚醒する)などの発症を表す指標が含まれている。
【0353】
本発明の一実施例において、上記した技術あるいは上記したシャイナー・Zによる文献(1998年)に示された技術によって覚醒の識別を実行する。
【0354】
本発明の一実施例におけるシステムは、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない、もしくは、視認しないで、高齢被験者をモニタする機能を備えている。たとえば、システム10に、呼吸数、心拍数、咳、睡眠時間、覚醒、睡眠中の不安定状態の1以上の状態をモニタする機能を持たせる。本発明の他の適用例として、システム10によって、1以上の前記パラメータを分析して対象者が介助なく寝床から離れようとした場合に医療従事者に知らせることができる。患者が解除なく寝床から離れようとする試みによって死亡もしくは負傷事故を起こすことがよくある。
【0355】
ここに開示の本発明の実施例は、特に喘息発作あるいはCHFに係わる技術であるが、本発明が意図する機能原理は適宜改変を加えて、正常な呼吸パターンに影響を及ぼす、たとえば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症(CF)、糖尿病、神経障害(癲癇など)、CHFに伴う心不全などにおける呼吸状態および無呼吸状態の予測および予測に適用できる。本発明の一適用例として、システム10によって、迫り来る偏頭痛の早期徴候である呼吸数および/または心拍数の変化をモニタリングするなどの方法で片頭痛の発症の予測および/または監視する。
【0356】
本発明の他の適用例として、システム10を、腸や結腸の僅かな運動を監視し、その運動を胃腸の状態を表す指標として分析できるように構成している。たとえば、システム10によって、腹部下に設けたセンサーや肺下に設けたセンサーを用いて検出した信号を微分するなどの方法で胃腸消化管の運動の特徴的な周期を特定することができる。
【0357】
当該技術分野の技術者には明らかであるが、本発明は、特に以上の説明および図示した実施例のみに限定するものではない。敷衍すると、上記説明で開示した様々な特徴の組み合わせ、更には、その二次的組み合わせと共に、上記説明に係わり当該業者が想定し得る従来技術に基づく変更および改変をも含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0358】
【図1】図1は、本発明の実施例による対象者の臨床的病状をモニタリングするシステムの概略図である。
【図2】図2は、発明の実施例おける図1に示すシステムの制御ユニットの構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施例における図2に示す制御ユニットの呼吸パターン分析モジュールを示す概略ブロック図である。
【図4】図4A〜Cは、本発明の実施例で測定した運動信号の分析を説明するグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施例による実験で測定した慢性喘息患者の呼吸数パターンを説明するグラフである。
【図6】図6は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図8】図8A、Bは、本発明の実施例における運動信号の異なった周波数成分を示すグラフである。
【図9】図9は、本発明の実施例における時間および対応周波数範囲の信号を示すグラフである。
【図10】図10A〜Cは、本発明の実施例において測定した周波数スペクトルを示すグラフである。
【図11】図11は、本発明の実施例において測定した胎児の心拍信号の合成成分および分解成分を示すグラフである。
【図12】図12は、本発明の実施例における身体運動を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施例において正常睡眠時および喘息の臨床発作時の不安定事象を示すグラフである。
【図14】図14A〜Bは、本発明の実施例において測定した信号のパワースペクトル密度を示すグラフである。
【図15】図15は、本発明の実施例による2つの運動センサーからなる図1のシステムの構成の概略図である。
【図16】図16A〜Bは、本発明の実施例において対象者の脚部および腹部で同時に測定したパルス信号と、図16Aの信号の相互相関を示すグラフである。
【図17】図17は、本発明の実施例において妊娠対象者とその胎児を監視する図1のシステムの概略図である。
【図18】図18は、本発明の実施例による生理的状態を予測する方法を概略的に説明するためのフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の実施例における方法を図18に従って実行するための実例パワースペクトルを示すグラフである。
【図20】図20は、本発明の実施例において測定した喘息患者の呼吸信号の2つの高調波の比率を示すグラフである。
【図21】図21A〜Bは、本発明の実施例におけるチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号と、図21Aの信号の分析値を示すグラフである。
【図22】図22は、本発明の実施例において測定したチェーン・ストークス呼吸(CSR)を表す呼吸信号を示すグラフである。
【図23】図23は、本発明の実施例において測定した呼吸数パターンと夜間心拍数パターンの実例基準値と測定値を示すグラフである。
【図24】図24は、本発明の実施例において数夜に亘って測定した呼吸を表す三次元グラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理し、
前記運動関連パラメータから心拍関連信号乃至呼吸関連信号を抽出し、
前記呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を変調する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1において、呼吸関連信号によって心拍関連信号を逓倍して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1および2において、心拍関連信号および呼吸関連信号の抽出処理は、心拍関連周波数範囲と呼吸関連周波数範囲における運動関連信号を選別する処理よりなることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3において、心拍関連周波数範囲が0.8Hz〜5Hzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3において、呼吸関連周波数範囲は0.05Hz〜0.8Hzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項6】
対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出し、
前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める
ことを特徴とする妊婦の胎児の心拍を測定する方法。
【請求項7】
請求項6において、運動関連パラメータの検出は、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理よりなることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6において、胎児モニタによる音をシミュレートすることで検出した胎児の心拍の音響信号を生成する処理を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6において、検出した胎児の心拍を分析して胎児の心拍変動の測定値を判定する処理を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6において、胎児の心拍の抽出に、胎児の心拍と母体の心拍の双方を表す運動関連パラメータから第一の信号を求め、前記第一の信号から、母体の心拍を除いた胎児の心拍のみを表す第二の信号を求める処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれかにおいて、
前記胎児の心拍の抽出に、運動関連パラメータから(a)母体の呼吸関連信号と、(b)胎児の心拍関連信号を抽出し、
母体の呼吸関連信号を用いて胎児の心拍関連信号を変調する
処理を含ませたことを特徴とする方法。
【請求項12】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに妊婦の運動関連パラメータを検知し、
前記運動関連パラメータから胎児の運動測定値を導き出す
ことを特徴とする妊婦内の胎児の運動を監視する方法
【請求項13】
請求項12において、運動関連パラメータの検知に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項14】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、
当該パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、
対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
対象者の呼吸関連時間領域信号を求め、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、
周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、
最大周波数の1以上の高調波を求め、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、
前記関係を基準関係レベルと比較し、
比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症を予測する方法。
【請求項16】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する
ことを特徴とする血圧監視方法。
【請求項17】
請求項16において、運動関連パラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項18】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
当該パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて対象者に投与する薬剤の初期投与量を決定し、
対象者によって薬剤投与装置で初期薬剤投与量を設定する
ことを特徴とする血圧監視方法
【請求項19】
請求項18において、
薬剤投与装置から設定初期投与量で投与される薬剤の臨床効果を分析し、
分析結果に応じて決まる薬剤投与量が初期投与量と異なる場合は更新設定し、
斯かる更新設定投与量を薬剤投与装置に設定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項20】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記パラメータを分析し、
対象者に投与する薬剤に関するデータを取得し、
前記分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作発症予測方法。
【請求項21】
請求項20において、前記薬剤投与データを取得する処理に、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置からの薬剤投与データを取得する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20において、前記薬剤投与データには薬剤投与量が含まれることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項20から請求項22までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項24】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
前記パラメータを分析し、
分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を評定し、
評定臨床発作に応じて対象者に備えた装置を用いて臨床発作の治療を行う
ことを特徴とする臨床発作治療方法。
【請求項25】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25において、前記少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項27】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27において、前記少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、当該検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項29】
対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けた単一センサーを用いて対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、前記パラメータを分析して対象者の咳を検出することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29において、前記少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項31】
対象者の呼吸を検出し、
対象者の心拍を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定すると共に、検出心拍に応じて対象者の少なくとも1つの心拍パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較すると共に心拍パターンと基準心拍パターンを比較し、
少なくとも比較結果の一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項32】
請求項31において、少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンの測定には、対象者の少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンを夫々測定する処理が含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを比較する処理が含まれ、少なくとも1つの心拍パターンの測定には心拍数パターンと基準心拍数パターンを比較する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項31において、呼吸と心拍の検出に、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを検出し、前記少なくとも一つの運動関連パラメータから呼吸と心拍を導き出す処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33において、前記運動関連パラメータから少なくとも一つの付加生理的パラメータを導き出し、発症の予測には比較結果の少なくとも一部および前記付加生理的パラメータに応じて発症の予測を行う処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34において、前記付加生理的パラメータを、対象者の咳症状の程度、対象者の吸気に対する呼気率、対象者の血圧、睡眠不安定度、睡眠中の中途覚醒度などを基に設定することを特徴とする方法。
【請求項36】
対象者の呼吸を検出し、
検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、
対象者の咳症状の程度を測定し、斯かる比較結果と測定咳症状の程度の結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法
【請求項37】
対象者の呼吸を検出し、
対象者の血圧を検出し、
検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、
斯かる比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法。
【請求項38】
対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する
ことを特徴とする心拍数測定方法。
【請求項39】
請求項38において、心拍数の測定に、第一および第二パルス信号の相互相関信号を計算し、心拍数を相互相関信号の周波数と定める処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39において、対象者の第二部位に対象者の脚部近傍を含めたことを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項39において、第一および第二パルス信号の検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで第一および第二パルス信号を検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項39において、第一パルス信号の検出に、第一部位近傍における対象者の第一運動関連パラメータを検出し、第一運動関連パラメータから第一パルス信号を導き出す処理を含め、第二パルス信号の検出に、第二部位近傍における対象者の第二運動関連パラメータを検出し、第二運動関連パラメータから第二パルス信号を導き出す処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項39において、心拍数に応じて臨床発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項44】
対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、
第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する
ことを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44において、第一および第二運動関連信号の分析に、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項44において、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれると共に、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項47】
対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、
第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する
ことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項47において、第一および第二運動関連信号の分析に、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項47または請求項48において、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれ、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項50】
異なる第一および第二閾値を設定し、
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記パラメータを分析してスコアを生成し、
斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、
スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する
ことを特徴とする対象者をモニタリングする方法。
【請求項51】
請求項50において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含み、スコアを生成するためのパラメータ分析に、複数のパラメータを分析してスコアを生成する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項50において、前記パラメータに対象者の呼吸関連パラメータを含み、パラメータの分析に、前記パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項50から請求項52までのいずれかにおいて、少なくとも一つの前記パラメータは対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも一つの運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項54】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、
前記血圧変化値を閾値と比較し、
閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する
ことを特徴とする奇脈検出方法。
【請求項55】
請求項54において、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項56】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項57】
請求項56において、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項56において、発症の予測に、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項56において、発症予測に、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項56において、発症予測に、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項56において、対象者の咳の程度を測定し、前記検出パラメータと斯かる咳の程度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を備えたことを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項56において、少なくとも一つのパラメータの検出に、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項63において、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を備えたことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの呼吸関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項65において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する処理を含み、喘息発作の発症予測に、呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項65において、発症予測に、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68において、前記少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる面上あるいはその下に設けた単一センサーを用いて圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項70】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法。
【請求項71】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧の検出処理を含み、発症の予測に、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項70から請求項74までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項76】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症予測方法。
【請求項77】
請求項76において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項76において、臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項76から請求項78までのいずれかにおいて、症状発現の予測に、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の110%未満の時に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項79において、症状発現の予測に、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の105%未満の時に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項81】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項82】
請求項81において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項83】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する
ことを特徴とする臨床症状の発症予測方法。
【請求項84】
請求項83において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項85】
請求項83において、症状発現の予測に、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項86】
請求項83において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項87】
請求項83から請求項86までのいずれかにおいて、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項88】
少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作発症予測方法。
【請求項89】
請求項88において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項90】
請求項88において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項88において、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項92】
請求項88において、症状発現の予測に、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項93】
請求項88から請求項92までのいずれかにおいて、前記設定時間は少なくとも4時間の継続時間であり、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも4時間の間、ほぼ連続して少なくとも1つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項94】
対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症の少なくとも1時間前に臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床症状の発症予測方法。
【請求項95】
請求項94において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項96】
請求項94において、臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症の予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項97】
請求項94から請求項96までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項98】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する
ことを特徴とする方法。
【請求項99】
請求項98において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者の少なくとも2つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて前記確率を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項100】
請求項98において、前記確率が閾値を越えた場合に対象者に通知する処理を更に備えたことを特徴とする方法。
【請求項101】
請求項98において、臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症の予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項102】
請求項98において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項103】
請求項98において、確率の計算に、前記パラメータの統計的平均値を含むデータの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項104】
請求項98から請求項103までのいずれかにおいて、可能性の計算に、前回発生の臨床発作を分析して前記パラメータに係わる対象者固有のデータを生成し、前記データの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項105】
人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する
ことを特徴とする方法。
【請求項106】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項107】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項108】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項109】
請求項105において、人の協力なく少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項110】
請求項105において、臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項111】
請求項105において、他の実施例における臨床発作に、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、発症の予測にはCHFに伴う発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項112】
請求項105において、臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、当該発症の予測に低血糖症の発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項113】
請求項105において、臨床発作として、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作を含み、発作発症の予測処理に、前記臨床発作を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項114】
請求項105から請求項113までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項115】
請求項114において、発症予測に、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項116】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
運動関連パラメータから心拍関連信号および呼吸関連信号を導き出して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項117】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める制御ユニットと
からなることを特徴とする妊婦の胎児の心拍を測定する装置。
【請求項118】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の胎児の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
前記運動関連パラメータから胎児の運動値を求める制御ユニットと
からなることを特徴とする妊婦の胎児の運動を監視する装置。
【請求項119】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
ユーザーインターフェースと、
前記パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項120】
対象者の呼吸関連時間領域信号を求めるセンサーと、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求める制御ユニットとからなり、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、前記関係を基準関係レベルと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項121】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで運動関連パラメータを検出する被接触センサーと、
当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項122】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、分析結果の少なくとも一部に応じてパラメータを分析し、薬剤の初期投与量を決定し、初期投与量を薬剤投与装置に指示する制御ユニットと
からなることを特徴とする対象者治療装置。
【請求項123】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
前記パラメータを分析し、対象者へ投与する薬剤のデータを受け取り、分析結果と薬剤投与データの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項124】
請求項123において、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、前記薬剤投与装置からの薬剤投与データを受け取る制御ユニットとを備えたことを特徴とする装置。
【請求項125】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
対象者に埋め込まれた治療装置と、
前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を検出し、臨床発作の検出に応じて臨床発作を治療する治療装置を駆動する制御ユニットと
からなることを特徴とする臨床発作治療装置。
【請求項126】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する制御装置と
からなることを特徴とする装置。
【請求項127】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに検出するセンサーと、
前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項128】
対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けられ対象者の少なくとも一つのパラメータを検知する単一センサーと、
前記パラメータを分析して対象者の咳症状を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項129】
対象者の呼吸および対象者の心拍を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出心拍の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、且つ、心拍パターンを基準心拍パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項130】
請求項129において、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、心拍を検出する第二センサーとからなることを特徴とする装置。
【請求項131】
対象者の呼吸を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果および咳の程度の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項132】
対象者の呼吸および対象者の血圧を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症予測装置。
【請求項133】
請求項132において、前記センサーが、呼吸を検出する第一センサーと、血圧を検出する第二センサーとからなることを特徴とする装置。
【請求項134】
対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第一非接触センサーと、
対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第二非接触センサーと、
第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする拍数測定装置。
【請求項135】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項136】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項137】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
ユーザーインターフェースと、
異なる第一および第二閾値を設定し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する制御ユニットと
からなることを特徴とする対象者を監視する装置。
【請求項138】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、 前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする奇脈検出装置。
【請求項139】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項140】
請求項139において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする装置。
【請求項141】
請求項139において、発症の予測に、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする装置。
【請求項142】
請求項139において、制御ユニットに、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項143】
請求項139において、制御ユニットに、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項144】
請求項139において、制御ユニットに、対象者の咳の程度を測定し、検出パラメータと咳の程度の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項145】
請求項139において、前記センサーに、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項146】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、前記センサーに、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項147】
請求項146において、ユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する制御ユニットとを備えたことを特徴とする装置。
【請求項148】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、前記センサーに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項149】
請求項148において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する機能を持たせ、前記制御ユニットに呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項150】
請求項148において、前記制御ユニットに、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項151】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項152】
請求項151において、圧力計に単一の圧力計を用いることを特徴とする装置。
【請求項153】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて発作を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測装置。
【請求項154】
請求項153において、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの運動関連パラメータの検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項155】
請求項153において、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項156】
請求項153において、前記センサーに、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項157】
請求項153において、前記センサーに対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧を検出する機能を持たせ、前記制御ユニットに、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項158】
請求項153から請求項157までのいずれかにおいて、前記センサーに、
ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項159】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーを有し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項160】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる喘息発作発症予測装置。
【請求項161】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項162】
少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置
【請求項163】
対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作が発症する少なくとも1時間前に発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項164】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する制御ユニットと
からなる装置。
【請求項165】
人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項166】
請求項165において、前記センサーに、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーを設けたことを特徴とする装置。
【請求項167】
請求項165において、前記少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの運動関連パラメータの検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項168】
請求項165において、前記センサーに対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせ、且つ、ユーザーインターフェースを備え、前記制御ユニットに対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項169】
請求項165において、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項170】
請求項165において、臨床発作として喘息発作が含まれ、制御ユニットに、喘息発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項171】
請求項165において、臨床発作には、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、前記制御ユニットにCHFに伴う発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項172】
請求項165において、臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、前記制御ユニットに低血糖症の発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項173】
請求項165において、臨床発作には、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作が含まれ、前記制御ユニットに前記臨床発作を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項174】
請求項165から請求項173までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、前記制御ユニットにヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項175】
請求項174において、前記制御ユニットに、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項1】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の運動関連パラメータを検出する処理し、
前記運動関連パラメータから心拍関連信号乃至呼吸関連信号を抽出し、
前記呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を変調する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1において、呼吸関連信号によって心拍関連信号を逓倍して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1および2において、心拍関連信号および呼吸関連信号の抽出処理は、心拍関連周波数範囲と呼吸関連周波数範囲における運動関連信号を選別する処理よりなることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3において、心拍関連周波数範囲が0.8Hz〜5Hzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項3において、呼吸関連周波数範囲は0.05Hz〜0.8Hzの範囲であることを特徴とする方法。
【請求項6】
対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出し、
前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める
ことを特徴とする妊婦の胎児の心拍を測定する方法。
【請求項7】
請求項6において、運動関連パラメータの検出は、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理よりなることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項6において、胎児モニタによる音をシミュレートすることで検出した胎児の心拍の音響信号を生成する処理を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項6において、検出した胎児の心拍を分析して胎児の心拍変動の測定値を判定する処理を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項6において、胎児の心拍の抽出に、胎児の心拍と母体の心拍の双方を表す運動関連パラメータから第一の信号を求め、前記第一の信号から、母体の心拍を除いた胎児の心拍のみを表す第二の信号を求める処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項6から請求項10までのいずれかにおいて、
前記胎児の心拍の抽出に、運動関連パラメータから(a)母体の呼吸関連信号と、(b)胎児の心拍関連信号を抽出し、
母体の呼吸関連信号を用いて胎児の心拍関連信号を変調する
処理を含ませたことを特徴とする方法。
【請求項12】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに妊婦の運動関連パラメータを検知し、
前記運動関連パラメータから胎児の運動測定値を導き出す
ことを特徴とする妊婦内の胎児の運動を監視する方法
【請求項13】
請求項12において、運動関連パラメータの検知に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項14】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、
当該パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、
対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
対象者の呼吸関連時間領域信号を求め、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、
周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、
最大周波数の1以上の高調波を求め、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、
前記関係を基準関係レベルと比較し、
比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症を予測する方法。
【請求項16】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する
ことを特徴とする血圧監視方法。
【請求項17】
請求項16において、運動関連パラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項18】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
当該パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて対象者に投与する薬剤の初期投与量を決定し、
対象者によって薬剤投与装置で初期薬剤投与量を設定する
ことを特徴とする血圧監視方法
【請求項19】
請求項18において、
薬剤投与装置から設定初期投与量で投与される薬剤の臨床効果を分析し、
分析結果に応じて決まる薬剤投与量が初期投与量と異なる場合は更新設定し、
斯かる更新設定投与量を薬剤投与装置に設定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項20】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記パラメータを分析し、
対象者に投与する薬剤に関するデータを取得し、
前記分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作発症予測方法。
【請求項21】
請求項20において、前記薬剤投与データを取得する処理に、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置からの薬剤投与データを取得する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項20において、前記薬剤投与データには薬剤投与量が含まれることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項20から請求項22までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項24】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
前記パラメータを分析し、
分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を評定し、
評定臨床発作に応じて対象者に備えた装置を用いて臨床発作の治療を行う
ことを特徴とする臨床発作治療方法。
【請求項25】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項25において、前記少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項27】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに睡眠中の対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27において、前記少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、当該検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項29】
対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けた単一センサーを用いて対象者の少なくとも一つのパラメータを検知し、前記パラメータを分析して対象者の咳を検出することを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項29において、前記少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項31】
対象者の呼吸を検出し、
対象者の心拍を検出し、検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定すると共に、検出心拍に応じて対象者の少なくとも1つの心拍パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較すると共に心拍パターンと基準心拍パターンを比較し、
少なくとも比較結果の一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項32】
請求項31において、少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンの測定には、対象者の少なくとも1つの呼吸パターンと少なくとも1つの心拍パターンを夫々測定する処理が含まれ、呼吸パターンと基準呼吸パターンとの比較には、呼吸数パターンと基準呼吸数パターンを比較する処理が含まれ、少なくとも1つの心拍パターンの測定には心拍数パターンと基準心拍数パターンを比較する処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項31において、呼吸と心拍の検出に、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを検出し、前記少なくとも一つの運動関連パラメータから呼吸と心拍を導き出す処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項33において、前記運動関連パラメータから少なくとも一つの付加生理的パラメータを導き出し、発症の予測には比較結果の少なくとも一部および前記付加生理的パラメータに応じて発症の予測を行う処理が含まれることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34において、前記付加生理的パラメータを、対象者の咳症状の程度、対象者の吸気に対する呼気率、対象者の血圧、睡眠不安定度、睡眠中の中途覚醒度などを基に設定することを特徴とする方法。
【請求項36】
対象者の呼吸を検出し、
検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、
対象者の咳症状の程度を測定し、斯かる比較結果と測定咳症状の程度の結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法
【請求項37】
対象者の呼吸を検出し、
対象者の血圧を検出し、
検出呼吸に応じて対象者の少なくとも1つの呼吸パターンを測定し、
呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較し、
斯かる比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法。
【請求項38】
対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する
ことを特徴とする心拍数測定方法。
【請求項39】
請求項38において、心拍数の測定に、第一および第二パルス信号の相互相関信号を計算し、心拍数を相互相関信号の周波数と定める処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項39において、対象者の第二部位に対象者の脚部近傍を含めたことを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項39において、第一および第二パルス信号の検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで第一および第二パルス信号を検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項39において、第一パルス信号の検出に、第一部位近傍における対象者の第一運動関連パラメータを検出し、第一運動関連パラメータから第一パルス信号を導き出す処理を含め、第二パルス信号の検出に、第二部位近傍における対象者の第二運動関連パラメータを検出し、第二運動関連パラメータから第二パルス信号を導き出す処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項39において、心拍数に応じて臨床発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項44】
対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、
第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する
ことを特徴とする方法。
【請求項45】
請求項44において、第一および第二運動関連信号の分析に、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項44において、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれると共に、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項47】
対象者の第一部位近傍および第二部位近傍における第一および第二運動関連パラメータの夫々を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出し、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、
第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する
ことを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項47において、第一および第二運動関連信号の分析に、第一および第二呼吸関連信号の位相シフトを計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項47または請求項48において、第一部位には対象の脚部が含まれ、第二部位には対象の下腹部が含まれ、検出処理に、脚部と下腹部の夫々の近傍における第一および第二運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項50】
異なる第一および第二閾値を設定し、
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
前記パラメータを分析してスコアを生成し、
斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、
スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する
ことを特徴とする対象者をモニタリングする方法。
【請求項51】
請求項50において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含み、スコアを生成するためのパラメータ分析に、複数のパラメータを分析してスコアを生成する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項52】
請求項50において、前記パラメータに対象者の呼吸関連パラメータを含み、パラメータの分析に、前記パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンと基準呼吸パターンを比較する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項53】
請求項50から請求項52までのいずれかにおいて、少なくとも一つの前記パラメータは対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも一つの運動関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項54】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに運動関連パラメータを検出し、
前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、
前記血圧変化値を閾値と比較し、
閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する
ことを特徴とする奇脈検出方法。
【請求項55】
請求項54において、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項56】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測することを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項57】
請求項56において、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項58】
請求項56において、発症の予測に、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項59】
請求項56において、発症予測に、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項60】
請求項56において、発症予測に、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項61】
請求項56において、対象者の咳の程度を測定し、前記検出パラメータと斯かる咳の程度の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を備えたことを特徴とする方法。
【請求項62】
請求項56において、少なくとも一つのパラメータの検出に、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項63】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項63において、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を備えたことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの呼吸関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項65において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する処理を含み、喘息発作の発症予測に、呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項65において、発症予測に、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項56から請求項62までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項68において、前記少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる面上あるいはその下に設けた単一センサーを用いて圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項70】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する
ことを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測方法。
【請求項71】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項72】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項73】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項74】
請求項70において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧の検出処理を含み、発症の予測に、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項75】
請求項70から請求項74までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項76】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作の発症予測方法。
【請求項77】
請求項76において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項76において、臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項76から請求項78までのいずれかにおいて、症状発現の予測に、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の110%未満の時に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項79において、症状発現の予測に、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の105%未満の時に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項81】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する
ことを特徴とする喘息発作発症予測方法。
【請求項82】
請求項81において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者の複数のパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項83】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに対象者のパラメータを検出し、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する
ことを特徴とする臨床症状の発症予測方法。
【請求項84】
請求項83において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項85】
請求項83において、症状発現の予測に、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項86】
請求項83において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項87】
請求項83から請求項86までのいずれかにおいて、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項88】
少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床発作発症予測方法。
【請求項89】
請求項88において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに少なくとも一つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項90】
請求項88において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項91】
請求項88において、臨床発作が喘息発作であり、臨床発作を予測する処理に喘息発作の発症を予測する臨床症状予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項92】
請求項88において、症状発現の予測に、発症の少なくとも4時間前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項93】
請求項88から請求項92までのいずれかにおいて、前記設定時間は少なくとも4時間の継続時間であり、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも4時間の間、ほぼ連続して少なくとも1つのパラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項94】
対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症の少なくとも1時間前に臨床発作の発症を予測する
ことを特徴とする臨床症状の発症予測方法。
【請求項95】
請求項94において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、少なくとも1時間の間、ほぼ連続して少なくとも2つのパラメータを検出し、前記検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項96】
請求項94において、臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症の予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項97】
請求項94から請求項96までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項98】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する
ことを特徴とする方法。
【請求項99】
請求項98において、少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者の少なくとも2つのパラメータを検出し、検出パラメータの少なくとも一部に応じて前記確率を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項100】
請求項98において、前記確率が閾値を越えた場合に対象者に通知する処理を更に備えたことを特徴とする方法。
【請求項101】
請求項98において、臨床発作には喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症の予測処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項102】
請求項98において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項103】
請求項98において、確率の計算に、前記パラメータの統計的平均値を含むデータの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項104】
請求項98から請求項103までのいずれかにおいて、可能性の計算に、前回発生の臨床発作を分析して前記パラメータに係わる対象者固有のデータを生成し、前記データの少なくとも一部に応じて可能性を計算する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項105】
人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出し、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する
ことを特徴とする方法。
【請求項106】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに、もしくは、視認せずに前記少なくとも一つのパラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項107】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項108】
請求項105において、少なくとも一つのパラメータの検出に、対象者が睡眠中に少なくとも一つのパラメータを検出し、対象者の覚醒後のみに発症予測を対象者に警告する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項109】
請求項105において、人の協力なく少なくとも一つのパラメータを検出する処理に、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項110】
請求項105において、臨床発作として喘息発作が含まれ、臨床発作の発症予測に、喘息発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項111】
請求項105において、他の実施例における臨床発作に、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、発症の予測にはCHFに伴う発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項112】
請求項105において、臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、当該発症の予測に低血糖症の発作の発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項113】
請求項105において、臨床発作として、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作を含み、発作発症の予測処理に、前記臨床発作を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項114】
請求項105から請求項113までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、少なくとも一つのパラメータの検出には、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項115】
請求項114において、発症予測に、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する処理を含めたことを特徴とする方法。
【請求項116】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
運動関連パラメータから心拍関連信号および呼吸関連信号を導き出して呼吸関連信号を用いて心拍関連信号を復調する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項117】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
前記運動関連パラメータから胎児の心拍を求める制御ユニットと
からなることを特徴とする妊婦の胎児の心拍を測定する装置。
【請求項118】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者である妊婦の胎児の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
前記運動関連パラメータから胎児の運動値を求める制御ユニットと
からなることを特徴とする妊婦の胎児の運動を監視する装置。
【請求項119】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
ユーザーインターフェースと、
前記パラメータを分析し、斯かる分析の少なくとも一つの結果に応じて臨床発作の発症を予測し、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項120】
対象者の呼吸関連時間領域信号を求めるセンサーと、
時間領域信号を周波数領域信号に変換し、周波数領域信号の呼吸関連周波数範囲の最大値を特定して対象者の呼吸数を測定し、最大周波数の1以上の高調波を求める制御ユニットとからなり、
(a)1以上の高調波に関連するエネルギレベルと最大周波数に関連するエネルギレベルから選ばれた第一エネルギレベルと、
(b)1以上の高調波に関連する第二エネルギレベルとの関係を求め、前記関係を基準関係レベルと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項121】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで運動関連パラメータを検出する被接触センサーと、
当該パラメータを分析して対象者の血圧測定値を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項122】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の運動関連パラメータを検出する非接触センサーと、
対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、分析結果の少なくとも一部に応じてパラメータを分析し、薬剤の初期投与量を決定し、初期投与量を薬剤投与装置に指示する制御ユニットと
からなることを特徴とする対象者治療装置。
【請求項123】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
前記パラメータを分析し、対象者へ投与する薬剤のデータを受け取り、分析結果と薬剤投与データの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項124】
請求項123において、対象者に薬剤を投与する薬剤投与装置と、前記薬剤投与装置からの薬剤投与データを受け取る制御ユニットとを備えたことを特徴とする装置。
【請求項125】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
対象者に埋め込まれた治療装置と、
前記パラメータを分析し、分析結果の少なくとも一部に応じて臨床発作を検出し、臨床発作の検出に応じて臨床発作を治療する治療装置を駆動する制御ユニットと
からなることを特徴とする臨床発作治療装置。
【請求項126】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
当該パラメータを分析して対象者の不安定度を判定する制御装置と
からなることを特徴とする装置。
【請求項127】
対象者の睡眠中に対象者の少なくとも一つのパラメータを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに検出するセンサーと、
前記検出パラメータを分析することで対象者の睡眠時周期的脚運動(PLMS)を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項128】
対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下に対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないように設けられ対象者の少なくとも一つのパラメータを検知する単一センサーと、
前記パラメータを分析して対象者の咳症状を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項129】
対象者の呼吸および対象者の心拍を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、検出心拍の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの心拍パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、且つ、心拍パターンを基準心拍パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項130】
請求項129において、前記センサーは呼吸を検出する第一センサーと、心拍を検出する第二センサーとからなることを特徴とする装置。
【請求項131】
対象者の呼吸を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果および咳の程度の少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項132】
対象者の呼吸および対象者の血圧を検出するセンサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症予測装置。
【請求項133】
請求項132において、前記センサーが、呼吸を検出する第一センサーと、血圧を検出する第二センサーとからなることを特徴とする装置。
【請求項134】
対象者の胸部および対象者の腹部から選ばれた第一部位近傍における対象者の第一パルス信号を対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第一非接触センサーと、
対象者の解剖学的な腰部の下部に定めた第二部位近傍における対象者の第二パルスを対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しない部位から検出する第二非接触センサーと、
第一および第二パルス信号に応じて心拍数を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする拍数測定装置。
【請求項135】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の胸腹部大動脈瘤(TAA)の程度を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項136】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の第一部位近傍および第二部位近傍で対象者の第一および第二運動関連パラメータを夫々検出する第一センサーおよび第二センサーと、
第一および第二運動関連パラメータから第一および第二呼吸関連信号を導き出し、第一および第二呼吸関連信号を分析して対象者の副筋活動を測定する制御ユニットと
からなることを特徴とする装置。
【請求項137】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
ユーザーインターフェースと、
異なる第一および第二閾値を設定し、前記パラメータを分析してスコアを生成し、斯かるスコアが第一閾値と第二閾値の範囲内に入る場合に臨床発作の予想発症を表す第一出力を生成し、スコアが第二閾値を超える場合はその時点で臨床発作を発症していることを表す第二出力を生成する制御ユニットと
からなることを特徴とする対象者を監視する装置。
【請求項138】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
前記パラメータを分析して吸気/呼気サイクルに亘って対象者の血圧変化値を生成し、 前記血圧変化値を閾値と比較し、閾値より大きい前記血圧変化値に応じて奇脈を検出する制御ユニットと
からなることを特徴とする奇脈検出装置。
【請求項139】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触せずに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする喘息発作発症予測装置。
【請求項140】
請求項139において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、少なくとも一つのパラメータの検出に、少なくとも一つの運動関連パラメータの検出処理を含めたことを特徴とする装置。
【請求項141】
請求項139において、発症の予測に、対象者もしくはその介護者が発症に気づく前に発症を予測する処理を含めたことを特徴とする装置。
【請求項142】
請求項139において、制御ユニットに、前回発生の喘息発作を分析することでパラメータに関する対象者固有のデータを生成し、斯かるデータの少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項143】
請求項139において、制御ユニットに、対象者の不安定度を測定し、斯かる不安定度の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項144】
請求項139において、制御ユニットに、対象者の咳の程度を測定し、検出パラメータと咳の程度の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項145】
請求項139において、前記センサーに、ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項146】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、前記センサーに、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項147】
請求項146において、ユーザーインターフェースと、対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する制御ユニットとを備えたことを特徴とする装置。
【請求項148】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、前記センサーに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項149】
請求項148において、少なくとも一つのパラメータは、対象者の少なくとも一つの心拍関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの心拍関連パラメータを検出する機能を持たせ、前記制御ユニットに呼吸関連パラメータおよび心拍関連パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項150】
請求項148において、前記制御ユニットに、検出呼吸関連パラメータに応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項151】
請求項139から請求項145までのいずれかにおいて、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項152】
請求項151において、圧力計に単一の圧力計を用いることを特徴とする装置。
【請求項153】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
検出呼吸の少なくとも一部に応じて発作を予測する制御ユニットと
からなることを特徴とする鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症の予測装置。
【請求項154】
請求項153において、少なくとも一つのパラメータには、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの運動関連パラメータの検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項155】
請求項153において、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面もしくは支持面下の圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項156】
請求項153において、前記センサーに、対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項157】
請求項153において、前記センサーに対象者の呼吸関連パラメータと対象者の血圧を検出する機能を持たせ、前記制御ユニットに、前記対象者の呼吸関連パラメータと血圧の少なくとも一部に応じて発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項158】
請求項153から請求項157までのいずれかにおいて、前記センサーに、
ヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項159】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーを有し、対象者の呼吸数が対象者の基準無症候性呼吸数の120%未満の時に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測することを特徴とする臨床発作の発症予測装置。
【請求項160】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
対象者の1秒間の努力呼気肺活量(FEVl)が対象者の基準無症候性FEVlの90%を超える場合に検出パラメータの少なくとも一部に応じて喘息発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる喘息発作発症予測装置。
【請求項161】
対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーと、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項162】
少なくとも1時間の間、ほぼ連続して対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
臨床発作の発症の少なくとも1時間前に検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作の発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置
【請求項163】
対象者が夜間睡眠中の少なくとも80%の間、ほぼ連続して少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて臨床発作が発症する少なくとも1時間前に発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項164】
対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて一定期間中に起こる臨床発作の確率を計算する制御ユニットと
からなる装置。
【請求項165】
人の協力なしに対象者の少なくとも一つのパラメータを検出するセンサーと、
検出パラメータの少なくとも一部に応じて発症を予測する制御ユニットと
からなる臨床発作の発症予測装置。
【請求項166】
請求項165において、前記センサーに、対象者もしくは対象者が着用する衣類に接触しないで対象者の少なくとも一つのパラメータを検出する非接触センサーを設けたことを特徴とする装置。
【請求項167】
請求項165において、前記少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの運動関連パラメータを含み、前記センサーに少なくとも一つの運動関連パラメータの検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項168】
請求項165において、前記センサーに対象者の睡眠中の少なくとも一つのパラメータを検出する機能を持たせ、且つ、ユーザーインターフェースを備え、前記制御ユニットに対象者が目覚めた後だけ予測発症を対象者に警告するようユーザーインターフェースを駆動する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項169】
請求項165において、前記センサーに、対象者が寄りかかる支持面の中、上、下のいずれかの圧力を測定する圧力計を設けたことを特徴とする装置。
【請求項170】
請求項165において、臨床発作として喘息発作が含まれ、制御ユニットに、喘息発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項171】
請求項165において、臨床発作には、鬱血性心不全(CHF)に係わる発作発症が含まれ、前記制御ユニットにCHFに伴う発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項172】
請求項165において、臨床発作には糖尿病による低血糖症の発作が含まれ、前記制御ユニットに低血糖症の発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項173】
請求項165において、臨床発作には、神経系疾病による異常自律神経系活動、癲癇発作、睡眠時周期的脚運動(PLMS)、脳梗塞、本態性振戦発作、ストレス発作、心細動発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う発作、アナフィラキシー性ショック発作が含まれ、前記制御ユニットに前記臨床発作を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項174】
請求項165から請求項173までのいずれかにおいて、少なくとも一つのパラメータに、対象者の少なくとも一つの呼吸関連パラメータが含まれ、前記制御ユニットにヒトの協力を必要とせずに少なくとも一つの呼吸関連パラメータを検出する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【請求項175】
請求項174において、前記制御ユニットに、検出呼吸の少なくとも一部に応じて対象者の少なくとも一つの呼吸パターンを測定し、呼吸パターンを基準呼吸パターンと比較し、比較結果と血圧の少なくとも一部に応じて発作の発症を予測する機能を持たせたことを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2009−501557(P2009−501557A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517698(P2008−517698)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000727
【国際公開番号】WO2006/137067
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507418809)アーリーセンス エルティディ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/IL2006/000727
【国際公開番号】WO2006/137067
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507418809)アーリーセンス エルティディ (3)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]