説明

自動クロック切替回路および方法、ならびに電子機器

【課題】入力されたクロックが適切なものであるか常時監視することができ、クロックの切り替えを常時適切に行うことができるようにする。
【解決手段】判定回路10に固定クロックCLK1を常時入力する。判定回路10では、その常時入力される固定クロックCLK1に基づいて対象クロックCLK2の状態を監視し、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断する。固定クロックCLK1を常時入力としているため、常にクロックの判定を行うことが可能であり、固定クロックCLK1から対象クロックCLK2へ、または対象クロックCLK2から固定クロックCLK1への切り替えが常時可能となる。また、対象クロックCLK2の入力停止状態から所望とするクロックの周波数範囲の判定まで、切れ目のない判定が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された2系統のクロックの切り替えを行うための自動クロック切替回路および方法、ならびにその自動クロック切替回路を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の動作クロックで動作可能な電子機器において、クロックの切り替えは電子機器の動作保証範囲で適切に行われる必要がある。例えば、近年、液晶パネルがテレビジョン用途に使われ始めているが、テレビジョン機器では内部のシステム切替などにより液晶パネルに入力される信号が停止したり、もしくは指定した周波数範囲外の入力がなされることがある。このような場合、液晶パネルを駆動するために必要なタイミングパルスが正しく生成できず画異常となるため、所定の周波数範囲内で信号が適切に入力されているか検出することが必要とされる。特に信号のクロック入力が適切になされているか監視することは重要である。
【0003】
特許文献1には、2系統のクロックを備え、一方のクロックを現用、他方のクロックを予備用として用いるようにした電気機器における自動クロック切替回路に関する発明が開示されている。特許文献2には、周波数の異なる2つのクロックによる動作状態を有する論理回路に用いられるクロック発生装置に関する発明が開示されている。
【特許文献1】特開平5−324118号公報
【特許文献2】特開平5−259848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の自動クロック切替回路は、現用のクロックが入力停止状態となったことを検出し、その場合に予備用のクロックへと切り替えるための回路である。このため、現用のクロックが入力停止となったかどうかのみを判定しており、クロックの周波数範囲まで判定するようなことはしていない。一方、特許文献2に記載のクロック発生装置は、周波数の異なる第1のクロックから第2のクロックへと切り替えを行うものであり、第2のクロックの正常発振が確認された後に第2のクロックへの切り替えを行うようになっている。特許文献2に記載の発明では、周波数範囲の判定を行っているが、判定して第2のクロックへの切り替えを行った後は、第1のクロックを停止している。しかしながら、テレビジョン機器のような随時システムの切り替えが発生するような機器では、動作中に常時クロックの監視を行い、その都度クロックを迅速に切り替えることが必要とされる。例えばテレビジョン機器において、クロックの異なる映像信号が切り替えて入力された場合、迅速にクロックの切り替えが行われることが好ましい。特許文献2に記載の発明では、そのような随時システムの切り替えが発生するような機器には適さないという問題がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、入力されたクロックが適切なものであるか常時監視することができ、クロックの切り替えを常時適切に行うことができるようにした自動クロック切替回路および方法、ならびに電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動クロック切替回路は、2系統のクロックが入力され、一方の入力を固定クロックとして常時入力し、他方の入力を監視対象の対象クロックとして入力し、対象クロックの状態を監視する判定回路と、固定クロックおよび対象クロックが入力され、判定回路の判定結果に基づいて、固定クロックまたは対象クロックのいずれか一方を選択して出力するクロック切替回路とを備えている。そして、判定回路が、常時入力される固定クロックに基づいて対象クロックの状態を監視し、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断するようになされ、クロック切替回路が、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には固定クロックを選択して出力し、対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には対象クロックを選択して出力するように構成されているものである。
【0007】
また、本発明の自動クロック切替方法は、判定回路に2系統のクロックを入力し、一方の入力を固定クロックとして常時入力し、他方の入力を監視対象の対象クロックとして入力し、対象クロックの状態を判定回路によって監視する第1のステップと、クロック切替回路に固定クロックおよび対象クロックを入力し、判定回路の判定結果に基づいて、固定クロックまたは対象クロックのいずれか一方をクロック切替回路によって選択して出力する第2のステップとを含んでいる。そして、第1のステップにおいて、常時入力される固定クロックに基づいて対象クロックの状態を監視し、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断し、第2のステップにおいて、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には固定クロックを選択して出力し、対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には対象クロックを選択して出力するようにしたものである。
【0008】
本発明の電子機器は、自動クロック切替回路が設けられた少なくとも1つの回路部分を備え、その自動クロック切替回路として、上記本発明の自動クロック切替回路を用いるようにしたものである。
【0009】
本発明の自動クロック切替回路もしくは方法、または電子機器では、判定回路に固定クロックが常時入力される。判定回路では、その常時入力される固定クロックに基づいて対象クロックの状態を監視し、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断する。固定クロックを常時入力としているため、常にクロックの判定を行うことが可能であり、固定クロックから対象クロックへ、または対象クロックから固定クロックへの切り替えが常時可能となる。また、対象クロックの入力停止状態から所望とするクロックの周波数範囲の判定まで、切れ目のない判定が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動クロック切替回路もしくは方法、または電子機器によれば、常時入力される固定クロックに基づいて対象クロックの状態を監視し、対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、出力するクロックを適切に選択するようにしたので、入力されたクロックが適切なものであるか常時監視することができ、クロックの切り替えを常時適切に行うことができる。
特に、本発明の自動クロック切替回路を例えばテレビジョン機器内部の回路部分、例えば表示パネルの駆動回路部分に適用することで、駆動に必要なタイミングパルスを常時動作させることができる。また、不適切なクロック入力に起因する画異常を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路の構成例を示している。この自動クロック切替回路は、入力されたクロックの状態を監視する判定回路10と、判定回路10の判定結果に基づいて適切なクロックを選択して出力するクロック切替回路33とを備えている。判定回路10とクロック切替回路33とにはそれぞれ2系統のクロックが入力されるようになっている。
【0013】
判定回路10は、2系統のクロックのうち、一方の入力を固定クロックCLK1として常時入力すると共に、他方の入力を監視対象の対象クロックCLK2として入力し、固定クロックCLK1を用いて対象クロックCLK2の状態を監視するようになっている。判定回路10は、常時入力される固定クロックCLK1に基づいて、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断するようになされている。
【0014】
クロック切替回路33は、判定回路10の判定結果に基づいて、固定クロックCLK1または対象クロックCLK2のいずれか一方を選択して出力するようになっている。より具体的には、クロック切替回路33は、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には、出力クロックCLK3として固定クロックCLK1を選択して出力するようになっている。また、対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には、出力クロックCLK3として対象クロックCLK2を選択して出力するようになっている。
【0015】
判定回路10は、第1のカウンタ回路11と、第1のFF(フリップフロップ)回路21と、立上り検出回路31と、第2のカウンタ回路12と、第2のFF回路22と、比較回路32とを有している。
【0016】
第1のカウンタ回路11には、対象クロックCLK2がクロック入力されるようになっている。第1のカウンタ回路11は、対象クロックCLK2に基づいて計測用のウインドーパルスW1を生成するものである。
【0017】
第1のFF回路21には、第1のカウンタ回路11からのウインドーパルスW1が入力されると共に、固定クロックCLK1がクロック入力されるようになっている。第1のFF回路21は、固定クロックCLK1に乗換えられたウインドーパルスW2を出力するものである。立上り検出回路31は、第1のFF回路21によって固定クロックCLK1に乗換えられたウインドーパルスW2の立上り検出を行い、立上り検出パルスP1を生成するようになっている。
【0018】
第2のカウンタ回路12には、立上り検出回路31からの立上り検出パルスP1が入力されると共に、固定クロックCLK1がクロック入力されるようになっている。第2のカウンタ回路12は、立上り検出パルスP1に基づいて、ウインドーパルスW2の立上りのタイミングでカウント値をクリアすると共に、固定クロックCLK1によってカウントを開始し、そのカウント値を第1のカウント値CT1として出力するようになっている。
【0019】
第2のFF回路22には、第2のカウンタ回路12からの出力(第1のカウント値CT1)と、立上り検出回路31からの立上り検出パルスP1と、固定クロックCLK1とが入力されるようになっている。第2のFF回路22は保持回路として機能し、第2のカウンタ回路12における、ウインドーパルスW2の立上りのタイミングでのカウント値を第2のカウント値CT2として保持して出力するようになっている。
【0020】
比較回路32には、第2のカウンタ回路12からの任意のタイミングにおける第1のカウント値CT1と保持回路としての第2のFF回路22から出力された第2のカウント値CT2とが入力されるようになっている。そして、比較回路32は、第1のカウント値CT1と第2のカウント値CT2とを監視し、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断するようになっている。比較回路32は、後述するように、第1のカウント値CT1が所定の周波数の範囲の上限を超える所定の値に達した場合には対象クロックCLK2が入力停止状態にあると判断するようになっている。また、比較回路32は、第2のカウント値CT2が所定の周波数の範囲に対応する設定値から外れる場合には、対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあると判断するようになっている。比較回路32は、その判断結果に応じたクロック切替フラグP2をクロック切替回路33に出力するようになっている。
【0021】
図2は、本実施の形態に係る自動クロック切替回路が適用される電子機器の一例としてテレビジョン機器の構成例を示している。この電子機器1は、入力端子として、映像入力端子2A,2Bと、RF入力端子(テレビアンテナ端子)3とを備えている。この電子機器1はまた、チューナ4と、入力選択部5と、信号処理部6と、表示駆動部7と、表示部8とを備えている。チューナ4は、RF入力端子3を介して入力されたテレビ受信信号の同調を行うものである。入力選択部5は、入力端子を介して入力された映像信号の選択を行うものである。信号処理部6は、入力選択部5によって選択された映像信号に各種の信号処理を行って出力するものである。表示駆動部7は、信号処理部6から出力された映像信号に基づいて、表示部8を駆動するための駆動信号を生成して出力するものである。表示部8は、液晶パネル等の表示パネルであり、表示駆動部7からの駆動信号に基づいて映像を表示するものである。
【0022】
信号処理部6には、本実施の形態に係る自動クロック切替回路によって構成されたクロック切替部6Aが設けられている。クロック切替部6Aには、発振器6Bからのクロックが固定クロックCLK1として入力されると共に、入力選択部5によって選択された映像信号に基づくクロックが対象クロックCLK2として入力されるようになっている。クロック切替部6Aは、固定クロックCLK1に基づいて対象クロックCLK2の状態を監視し、固定クロックCLK1または対象クロックCLK2のうち一方を、信号処理部6で使用する動作クロックとして出力するようになっている。
【0023】
表示駆動部7には、本実施の形態に係る自動クロック切替回路によって構成されたクロック切替部7Aが設けられている。クロック切替部7Aには、発振器7Bからのクロックが固定クロックCLK1として入力されると共に、信号処理部6からの映像信号に基づくクロックが対象クロックCLK2として入力されるようになっている。クロック切替部7Aは、固定クロックCLK1に基づいて対象クロックCLK2の状態を監視し、固定クロックCLK1または対象クロックCLK2のうち一方を、表示駆動部7で使用する動作クロックとして出力するようになっている。
【0024】
このように、本実施の形態に係る自動クロック切替回路は、例えばテレビジョン機器における信号処理部6および表示駆動部7のクロック切替部6A,7Aとして好適に用いることができる。
【0025】
次に、本実施の形態に係る自動クロック切替回路の動作を説明する。
【0026】
この自動クロック切替回路では、判定回路10に固定クロックCLK1が常時入力される。判定回路10では、その常時入力される固定クロックCLK1に基づいて対象クロックCLK2の状態を監視し、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断する。クロック切替回路33では、判定回路10の判断結果に基づいて、固定クロックCLK1または対象クロックCLK2のうち一方を、適切な出力クロックCLK3として選択して出力する。この自動クロック切替回路では、固定クロックCLK1を判定回路10に常時入力としているため、常にクロックの判定を行うことが可能である。そのため、クロック切替回路33では、固定クロックCLK1から対象クロックCLK2へ、または対象クロックCLK2から固定クロックCLK1への切り替えが常時可能である。
【0027】
以下、図3〜図6のタイミングチャートを参照して、自動クロック切替回路の各部の動作をより具体的に説明する。判定回路10において、カウンタ回路1は対象クロックCLK2を使用して判定用のウインドーパルスW1を生成する(図3(C),図4(C),図5(C),図6(C))。ウインドーパルスW1は所定の区間”H”を出力するものでも良いし、最上位ビットを使用しても良い。
【0028】
第1のFF回路21では、第1のカウンタ回路11からのウインドーパルスW1に基づいて、固定クロックCLK1に乗換えられたウインドーパルスW2を出力する(図3(D),図4(D),図5(D),図6(D))。立上り検出回路31では、その固定クロックCLK1に乗換えられたウインドーパルスW2の立上り検出を行い、立上り検出パルスP1を生成する(図3(E),図4(E),図5(E),図6(E))。
【0029】
第2のカウンタ回路12では、常時カウントアップを行う。第2のカウンタ回路12では、立上り検出パルスP1に基づいて、ウインドーパルスW2の立上り(立上り検出パルスP1が”H”のとき)のタイミングでカウント値をクリアする。また、固定クロックCLK1によってカウントを開始し、そのカウント値を第1のカウント値CT1として出力する(図3(F),図4(F),図5(F),図6(F))。なお、図3(F)の動作例のように、カウント値がカウンタとしての上限値に達した場合には、第2のカウンタ回路12はカウントを停止する。
【0030】
第2のFF回路22では、第2のカウンタ回路12における、ウインドーパルスW2の立上りのタイミングでのカウント値を第2のカウント値CT2として保持して出力する(図3(G),図4(G),図5(G),図6(G))。
【0031】
比較回路32では、第1のカウント値CT1と第2のカウント値CT2とを監視し、対象クロックCLK2が入力停止状態にあるか、もしくは対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断する。比較回路32は、その判断結果に応じたクロック切替フラグP2をクロック切替回路33に出力する(図3(H),図4(H),図5(H),図6(H))。クロック切替回路33では、クロック切替フラグP2に従って、固定クロックCLK1か対象クロックCLK2のいずれかを選択して出力クロックCLK3として出力する(図3(I),図4(I),図5(I),図6(I))。
【0032】
ここで、比較回路32での判断とそれに基づくクロック切替動作は、具体的には、以下の4つのパターンに分けられる。
1.第1のカウント値CT1があらかじめ設定された所定の値もしくは第2のカウンタ回路12のカウンタとしての規定上限値である場合には、入力停止状態にあると判断する。この場合、クロック出力は固定クロックCLK1とする(図3(A)〜(I)の動作例に対応)。
2.第2のカウント値CT2が、所定の周波数の下限に対応する設定値以下である場合には、対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外と判断する。この場合、クロック出力は固定クロックCLK1とする(図4(A)〜(I)の動作例に対応)。
3.第2のカウント値CT2が、所定の周波数の上限に対応する設定値以上である場合には、対象クロックCLK2の周波数が所定の周波数の範囲外と判断する。この場合、クロック出力は固定クロックCLK1とする(図5(A)〜(I)の動作例に対応)。
4.上記1.〜3.以外の場合は、対象クロックCLK2が入力停止状態ではなく、かつその周波数が所定の周波数内にあると判断する。この場合、クロック出力は対象クロックCLK2とする(図6(A)〜(I)の動作例に対応)。
【0033】
このように、本実施の形態では、第2のカウンタ回路12における立上りのタイミングでのカウント値(第2のカウント値CT2)だけでなく、第2のカウンタ回路12のカウント値そのもの(第1のカウント値CT1)も併用してクロックの判断を行う。これにより、入力停止状態も含めて対象クロックCLK2の状態を適切に判定することができ、入力停止状態から設定周波数の下限まで切れ目のない判定が可能となる。
【0034】
以上説明したように、本実施の形態に係る自動クロック切替回路によれば、常時入力される固定クロックCLK1に基づいて対象クロックCLK2の状態を監視し、その状態を判断するようにしたので、入力されたクロックが適切なものであるか常時監視することができる。また、その判断結果に基づいて、出力するクロックを適切に選択するようにしたので、クロックの切り替えを常時適切に行うことができる。従って、対象クロックCLK2として、任意のタイミングで入力停止状態になったり、もしくは周波数範囲が不安定なクロック入力がなされたとしても、常に何らかの動作クロックを出力することが可能となる。これにより、本発明の自動クロック切替回路を例えばテレビジョン機器における表示パネルの駆動回路部分に適用した場合には、駆動に必要なタイミングパルスを常時動作させることができ、不適切なクロック入力に起因する画異常を防止することができる。
[その他の実施の形態]
【0035】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、その他の変形実施が可能である。
例えば、本発明の自動クロック切替回路が適用される電子機器は、図2に示したテレビジョン機器に限らない。本発明の自動クロック切替回路は、2系統のクロックが入力され、必要に応じて動作クロックを切り替える必要のある回路部分を有するような電子機器全般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路の一構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る電子機器の一構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路における第1の動作例を示すタイミングチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路における第2の動作例を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路における第3の動作例を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態に係る自動クロック切替回路における第4の動作例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1…電子機器、2A,2B…映像入力端子、3…RF入力端子、4…チューナ、5…入力選択部、6…信号処理部、7…表示駆動部、6A,7A…クロック切替部、6B,7B…発振器、8…表示部、10…判定回路、11…第1のカウンタ回路、12…第2のカウンタ回路、21…第1のFF回路、22…第2のFF回路(保持回路)、31…立上り検出回路、32…比較回路、33…クロック切替回路、CLK1…固定クロック、CLK2…対象クロック、CLK3…出力クロック、CT1…第1のカウント値、CT2…第2のカウント値、P1…立ち上がり検出パルス、P2…クロック切替フラグ、W1,W2…ウインドーパルス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2系統のクロックが入力され、一方の入力を固定クロックとして常時入力し、他方の入力を監視対象の対象クロックとして入力し、前記対象クロックの状態を監視する判定回路と、
前記固定クロックおよび前記対象クロックが入力され、前記判定回路の判定結果に基づいて、前記固定クロックまたは前記対象クロックのいずれか一方を選択して出力するクロック切替回路と
を備え、
前記判定回路は、
前記常時入力される固定クロックに基づいて前記対象クロックの状態を監視し、前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断するようになされ、
前記クロック切替回路は、
前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には前記固定クロックを選択して出力し、前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には前記対象クロックを選択して出力する
ように構成されている自動クロック切替回路。
【請求項2】
前記判定回路は、
前記対象クロックがクロック入力され、前記対象クロックに基づいて計測用のウインドーパルスを生成する第1のカウンタ回路と、
前記固定クロックに乗換え後に、前記ウインドーパルスの立上り検出を行う検出回路と、
前記固定クロックがクロック入力され、前記ウインドーパルスの立上りのタイミングでカウント値をクリアすると共にカウントを開始し、そのカウント値を第1のカウント値として出力する第2のカウンタ回路と、
前記第2のカウンタ回路における前記ウインドーパルスの立上りのタイミングでのカウント値を第2のカウント値として保持して出力する保持回路と、
前記第2のカウンタ回路からの任意のタイミングにおける前記第1のカウント値と前記保持回路から出力された前記第2のカウント値とを監視し、前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断する比較回路と
を有する請求項1に記載の自動クロック切替回路。
【請求項3】
前記比較回路は、
前記第1のカウント値が前記所定の周波数の範囲の上限を超える所定の値に達した場合には前記対象クロックが入力停止状態にあると判断し、
前記第2のカウント値が前記所定の周波数の範囲に対応する設定値から外れる場合には、前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲外にあると判断する
ようになされている請求項2に記載の自動クロック切替回路。
【請求項4】
判定回路に2系統のクロックを入力し、一方の入力を固定クロックとして常時入力し、他方の入力を監視対象の対象クロックとして入力し、前記対象クロックの状態を判定回路によって監視する第1のステップと、
クロック切替回路に前記固定クロックおよび前記対象クロックを入力し、前記判定回路の判定結果に基づいて、前記固定クロックまたは前記対象クロックのいずれか一方をクロック切替回路によって選択して出力する第2のステップと
を含み、
前記第1のステップにおいて、
前記常時入力される固定クロックに基づいて前記対象クロックの状態を監視し、前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断し、
前記第2のステップにおいて、
前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には前記固定クロックを選択して出力し、前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には前記対象クロックを選択して出力する自動クロック切替方法。
【請求項5】
自動クロック切替回路が設けられた少なくとも1つの回路部分を備え、
前記自動クロック切替回路は、
2系統のクロックが入力され、一方の入力を固定クロックとして常時入力し、他方の入力を監視対象の対象クロックとして入力し、前記対象クロックの状態を監視する判定回路と、
前記固定クロックおよび前記対象クロックが入力され、前記判定回路の判定結果に基づいて、前記固定クロックまたは前記対象クロックのいずれか一方を選択して出力するクロック切替回路と
を備え、
前記判定回路は、
前記常時入力される固定クロックに基づいて前記対象クロックの状態を監視し、前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が所定の周波数の範囲外にあるか否かを判断するようになされ、
前記クロック切替回路は、
前記対象クロックが入力停止状態にあるか、もしくは前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲外にあると判断された場合には前記固定クロックを選択して出力し、前記対象クロックの周波数が前記所定の周波数の範囲内にあると判断された場合には前記対象クロックを選択して出力する
ように構成されている電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−21680(P2010−21680A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178774(P2008−178774)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】