自動変速機用変速操作装置
【課題】任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる自動変速機用変速操作装置を提供する。
【解決手段】パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段1と、該シフト操作手段1がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段2とを具備し、シフト操作手段1は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段(シフトロック機構)を備えたものである。
【解決手段】パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段1と、該シフト操作手段1がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段2とを具備し、シフト操作手段1は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段(シフトロック機構)を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両における自動変速機用変速操作装置は、通常、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段とを具備して構成され、このうちシフト操作手段は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされている。
【0003】
パーキング準備状態とは、パーキング位置から任意変速位置或いは任意変速位置からパーキング位置まで誤操作等によって不用意にシフト操作手段が移動してしまうのを防止するため、当該パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程に設定された状態(すなわち、パーキング位置や任意変速位置でない状態)をいう。なお、近時においては、安全の観点から、シフト操作手段がパーキング位置にあるのを検知するパーキング位置検知手段を具備した自動変速機用変速操作装置が広く普及しているが、シフト操作手段がパーキング準備状態においては、当該パーキング位置検知手段による検知はなされない。
【0004】
従来の自動変速機用変速操作装置として、例えば特許文献1で開示されたものが挙げられる。かかる従来の自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式操作ノブから成るものとされている。すなわち、同従来技術の自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段のパーキング準備状態とは、押圧操作された状態を指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−62491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の自動変速機用変速操作装置においては、任意変速位置(リバース(R)位置)にあるシフト操作手段(ダイヤル式操作ノブ)を押圧操作してパーキング準備状態とした後、パーキング位置まで移動させず、再び任意変速位置(リバース(R)位置やドライブ(D)位置など)に戻し得る構成となっており、誤操作を防止する観点から問題があった。
【0007】
すなわち、パーキング準備状態では、ロックプレート(本願におけるストッパ部材に相当)がシフト軸(本願におけるシフト操作手段の軸部材に相当)に係合しないので、シフトロック機構が機能せず、シフト操作手段の操作が規制されていない故、例えばシフト操作手段をパーキング準備状態としつつ車両のエンジンを停止した後、任意変速位置(リバース(R)位置やドライブ(D)位置など)に戻してしまうような誤操作が可能となってしまうのである。
【0008】
なお、このような誤操作は、上記従来技術の如くシフト操作手段がダイヤル式操作ノブのものに限らず、シフト操作手段がパーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経る他の形態のもの(例えば、ゲート溝に沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式操作ノブ又は前後方向に揺動操作可能なストレート式操作ノブと称されるシフト操作手段を具備したもの)でも可能とされてしまう虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる自動変速機用変速操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段とを具備し、前記シフト操作手段は、前記パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、前記任意変速位置からパーキング位置までの操作過程における前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動変速機用変速操作装置において、前記規制手段は、前記シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、前記規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段の前記凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、前記凸部と共にフランジ部を有し、且つ、前記規制手段は、前記シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、前記ストッパ部材が前記フランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材を前記フランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、前記プッシュノブを押圧操作することにより前記ロックピンを前記許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記ロックピンを当接させることにより前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、規制手段は、シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成るので、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブを具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、パーキング準備状態のシフト操作手段の凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、任意変速位置に向かう移動を規制するとともにパーキング位置に向かう移動を許容するので、簡易な構成にて、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、シフト操作手段は、凸部と共にフランジ部を有し、且つ、規制手段は、シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、ストッパ部材がフランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材をフランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成るので、ダイヤル式操作ノブから成るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、ゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブを具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、プッシュノブを押圧操作することによりロックピンを許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す平面図、正面図及び側面図
【図2】同自動変速機用変速操作装置を示す分解斜視図
【図3】同自動変速機用変速操作装置における一部拡大を示す分解斜視図
【図4】図1におけるIV−IV線断面図
【図5】図1におけるV−V線断面図
【図6】図1におけるVI−VI線断面図
【図7】同自動変速機用変速操作装置における規制溝を示す模式図
【図8】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段の操作過程を示す断面図
【図9】同自動変速機用変速操作装置における規制手段の作動過程を示す平面図及び側面図
【図10】本発明の第2実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す模式図
【図11】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図12】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図13】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図14】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図15】本発明の第3実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す模式図
【図16】同自動変速機用変速操作装置におけるロックピン及び規制手段の作動過程を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図1〜7に示すように、軸部材6を有するシフト操作手段1と、パーキング位置検知手段2と、シフトロック機構5(本実施形態においては規制手段を兼ねる)を構成するソレノイド3及びストッパ部材4と、本体7とから主に構成されている。
【0026】
本体7は、本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置の筐体を構成するもので、側方に張り出したブラケット部7aを有し、かかるブラケット部7aにボルト等を挿通して車両側に螺合させ、当該車両に固定させ得るようになっている。また、本体7は、その上部にケース8が取り付けられるとともに下部に回転センサDが取り付けられており、その内部には、シフトロック機構5や軸部材6などの同自動変速機用変速操作装置の種々構成部品が配設されている。
【0027】
シフト操作手段1は、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置(P位置)と該パーキング位置とは異なる任意変速位置(例えば車両を後退させるR(リバース)位置、自動変速機と駆動輪とを遮断させるN(ニュートラル)位置、車両を前進させるD(ドライブ)位置等)との間で移動可能とされ、パーキング位置(P位置)と任意変速位置(パーキング位置とは異なる任意変速位置であって本実施形態においてはP位置と隣接するR位置)との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされている。
【0028】
すなわち、パーキング位置(P位置)から任意変速位置(R位置等)或いは任意変速位置(R位置等)からパーキング位置(P位置)まで誤操作等によって不用意にシフト操作手段1が移動してしまうのを防止するため、当該パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程において「パーキング準備状態」を設定し、当該「パーキング準備状態」を介してシフト操作手段1が操作されることにより、安全性をより向上させ得るのである。
【0029】
本実施形態に係るシフト操作手段1は、図1に示すように、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたダイヤル式操作ノブから成るものである。ここで、本実施形態における「パーキング準備状態」とは、軸方向へ押圧操作しつつパーキング位置側に回転操作されたシフト操作手段1の状態(押圧状態が維持された状態)をいう。
【0030】
より具体的には、シフト操作手段1は、本体7に回転自在に支持される軸部材6の上端部6aと接続されており、当該シフト操作手段1の回転操作に伴って軸部材6が軸周りに回転可能とされている。軸部材6は、コイルスプリングSにより常時上方(シフト操作手段1側)に付勢されており、シフト操作手段1を押圧操作する際、当該付勢手段の付勢力に抗するよう構成されている。しかるに、パーキング位置(P位置)にあるシフト操作手段1(図8(a)参照)を軸方向に押圧操作してパーキング準備状態とし(同図(b)参照)、その押圧状態を維持しつつ任意変速位置側(R位置側)に回転操作して押圧力を緩めれば、軸部材6が付勢力によって上昇し、任意変速位置(R位置)となる(同図(c)参照)。
【0031】
なお、ケース8は、その表面にシフト操作手段1の変速位置を表示しつつ本体7の上部側に固定されるもので、図2に示すように、その中央に軸部材6を挿通させるための挿通孔8aが形成されている。回転センサDは、軸部材6の下端部6fを挿通して嵌合可能な取付孔Daが形成されるとともに、当該軸部材6の回転角度を検出可能なもので、その検出信号を図示しないハーネスを介して車両側(例えばECUなど)に送信し得るようになっている。これによりシフト操作手段1の回転位置に応じた制御が可能とされる。
【0032】
さらに、軸部材6には、その所定部位から側方に突出した突出部6eが形成されているとともに、当該突出部6eに対応する本体7の内側壁面には、図7に示すように、規制溝7bが形成されている。かかる規制溝7bは、その上部側に複数の凹部7ba、7bb、7bcが横方向に並んで形成されており、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあるとき、突出部6eが凹部7baに嵌合し、シフト操作手段1がリバース位置(R位置)或いはドライブ位置(D位置)にあるとき、突出部6eが凹部7bb若しくは凹部7bcに嵌合した状態となるよう設定されている。
【0033】
これにより、シフト操作手段1に対し、押圧操作しないでパーキング位置(P位置)から任意変速位置(リバース位置(R位置))に回転操作、或いは押圧操作しないで任意変速位置(リバース位置(R位置))からパーキング位置(P位置)に回転操作しようとした場合、突出部6eが凹部7ba或いは凹部7bbに嵌合しているため、同方向への回転操作が規制されるようになっている。
【0034】
而して、シフト操作手段1をパーキング位置(P位置)から任意変速位置(リバース位置(R位置))に移動させる際、押圧操作により軸部材6と共に突出部6eを下降させて凹部7baとの嵌合を解き、同方向(パーキング位置から任意変速位置に向かう方向)への回転操作を可能な状態とするとともに、シフト操作手段1を任意変速位置(リバース位置(R位置))からパーキング位置(P位置)に移動させる際、押圧操作により軸部材6と共に突出部6eを下降させて凹部7bbとの嵌合を解き、同方向(任意変速位置からパーキング位置に向かう方向)への回転操作を可能な状態とすることができる。
【0035】
さらに、軸部材6には、大径部6bが一体形成されており、当該大径部6bの上部側に対応する本体7の内周壁面には、C字クリップCが嵌め込まれるようになっている。かかるC字クリップCにより、軸部材6の更なる上方への移動が規制され(図8(a)(c)参照)、当該軸部材6に対する抜け止めが図られている。なお、大径部6bの上部には、円環状のクッション部材9が取り付けられており、C字クリップCとの衝突時の衝撃を吸収し得るようになっている。
【0036】
また、軸部材6の所定部位には、図3に示すように、コイルスプリングSを介してピン状部材Pが側方に向かって取り付けられるとともに、当該ピン状部材Pの取付部に対応する位置には、インナケース10が固定されている。かかるインナケース10におけるピン状部材Pの先端部に対応する位置(軸部材6の回転に伴ってピン状部材Pが移動する範囲)には、凹凸形状10aが形成されており、シフト操作手段1を回転操作する際、ピン状部材PがコイルスプリングSの付勢力を受けつつ凹凸形状10aに沿って移動し、操作時の節度が付与されるようになっている。なお、インナケース10とコイルスプリングSの付勢力を受けるピン状部材Pとの関係により、軸部材6は常時上方に付勢されている。
【0037】
パーキング位置検知手段2は、作動子2aを有した検知スイッチから成り、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあることを検知し得るよう配設されている。すなわち、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあるとき、作動子2aが軸部材6の所定部位に押圧されて固定側の接点と接触して電気的にオンすることにより、かかる状態を検知することができるのである。このパーキング位置検知手段2によりシフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあることを検知したことを条件として、車両のキーをキー孔から抜くことが可能になるよう構成されている。
【0038】
シフトロック機構5(規制手段を兼ねる)は、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動(本実施形態においては、シフト操作手段1の押圧操作)を規制又は許容させるもので、アクチュエータとしてのソレノイド3と、ソレノイド3の作動に応じて動作するストッパ部材4とから主に構成されている。ソレノイド3は、車両側からの電気信号に応じて電圧が印加されるコイルを内在するとともに、当該コイルに対する電圧の印加に伴う磁界の変化により出没し得る作動軸を有するものである。この作動軸の先端には、取付部3aが固定されており、かかる取付部3aにストッパ部材4の接続部4c(図2参照)が接続されるようになっている。
【0039】
ストッパ部材4は、全体としてアーム状に成形された部品から成るもので、取付部3aを介してソレノイド3と連結されるとともに、軸部4bを中心として揺動自在に組み付けられるものである。かかるストッパ部材4は、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により、図5中符号a方向に付勢されており、当該ソレノイド3が作動して作動軸が没入方向(図5中符号c方向)へ移動すると、同図中符号b方向へ揺動し得るようになっている。
【0040】
一方、シフト操作手段1の軸部材6における所定位置(ストッパ部材4の先端部4aに対応する位置)には、図3に示すように、凸部6c及びフランジ部6dが形成されている。ここで、本実施形態においては、シフトロック機構5は、従来のものと同様、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動(押圧操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0041】
先ず、シフトロック機構5が規制手段として機能する場合について説明する。シフト操作手段1が任意変速位置(R位置)にあるとき、ストッパ部材4は、図9(a)に示すように、その先端が凸部6cの突端面に当接した状態とされており、シフト操作手段1の押圧操作又は回転操作が許容されている。そして、当該シフト操作手段1を押圧操作しつつ回転操作してパーキング準備状態とすると、同図(b)に示すように、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により、凸部6cの側面に当該ストッパ部材4の先端部4aが係合する。これにより、パーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。このとき、ストッパ部材4の先端部4aは、任意変速位置(R位置)に向かう方向に対する規制が行われる一方、パーキング位置に向かう移動(すなわち、上昇する側の移動)を許容するよう構成されている。
【0042】
なお、シフト操作手段1がパーキング準備状態にあるとき、パーキング位置検知手段2はオンせず、検知がなされない。しかるに、シフト操作手段1をパーキング準備状態とした後、操作力を緩めると、当該シフト操作手段1は、図9(c)に示すように、常時付与されている付勢力によって自然と上昇してパーキング位置に至り、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段1がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。本実施形態によれば、パーキング位置検知手段2による検知がなされないパーキング準備状態からのシフト操作手段1の任意変速位置(R位置)側への操作を規制することができるのである。
【0043】
次に、シフトロック機構5がシフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)について説明する。シフト操作手段1をパーキング準備状態とした後、操作力を緩めると、当該シフト操作手段1及び軸部材6は、コイルスプリングSの付勢力により上昇し、パーキング位置まで移動する。このとき、ストッパ部材4は、既述の如く、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により付勢されているため、図9(c)に示すように、その先端部4aがフランジ部6dの下面に至り、先端部4aの上面がフランジ部6dの下面と当接することとなる。これにより、パーキング位置にあるシフト操作手段1は、押圧方向に対して係止されることとなり、押圧操作が規制されることとなる。
【0044】
一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド3に電圧が印加され、ストッパ部材4を揺動させて、当該ストッパ部材4の先端部4aをフランジ部6dの下面から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段1は、押圧方向に対する係止が解かれることとなり、押圧操作が許容されることとなる。これにより、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、シフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0045】
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、第1実施形態と同様、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図10〜図14に示すように、操作ノブ11d、本体11a及び該本体11aから上方に延設された操作レバー11bを有したシフト操作手段11と、規制手段を兼ねたシフトロック機構を構成するソレノイド12、揺動部材14及び規制部材15とから主に構成されている。なお、本実施形態に係るシフト操作手段11は、ゲート溝Gに沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式操作ノブと称されるものである。
【0046】
シフト操作手段11は、運転者が把持しつつゲート状(鍵状)に形成されたゲート溝Gに沿って前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされたもので、任意変速位置(R位置)にあるシフト操作手段11を左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態(図13参照)を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたものである。すなわち、本実施形態におけるパーキング準備状態とは、シフト操作手段11が図11中符号Paの位置にある状態をいい、そこから同図中右側に揺動させることにより、パーキング位置まで操作可能とされている。
【0047】
規制手段を兼ねたシフトロック機構は、第1実施形態と同様、シフト操作手段11に対してパーキング位置(P位置)からの移動(揺動操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0048】
ソレノイド12の作動軸12aは、コイルスプリング13により突出する方向に常時付勢されているとともに、その先端が揺動部材14の一端に接続されている。揺動部材14は、平面視でL字状部材から成るもので、中心軸14aを中心として揺動可能とされているとともに、他端が規制部材15と接続されている。規制部材15は、揺動部材14の揺動に応じて図10中左右方向に移動可能なもので、コイルスプリング13の付勢力により常時同図中右側に付勢されている。
【0049】
一方、シフト操作手段11の本体11aには、突部11cが形成されており、当該突部11cには、規制部材15と係合可能な切欠部11caが形成されている。これにより、シフト操作手段11が任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態にあるとき、切欠部11caに規制部材15が係止し、当該シフト操作手段1の任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。
【0050】
以下、本実施形態に係るシフトロック機構が、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能を果たす場合の作用について説明する。
【0051】
シフト操作手段11がR位置にあるとき、規制部材15は、図11に示すように、その先端が突部11cの突端面に当接した状態とされており、シフト操作手段11の揺動操作が許容されている。そして、R位置にあるシフト操作手段11(図11参照)をゲート溝Gに沿って図中左側に揺動操作すると、当該シフト操作手段11の本体11aに形成された突部11cにより規制部材15がコイルスプリング13の付勢力に抗して同方向に押圧される(図12参照)。その状態からゲート溝Gに沿ってシフト操作手段11を前方へ揺動操作すると、図13に示すように、当該シフト操作手段11は位置Paに至ってパーキング準備状態となるとともに、コイルスプリング13の付勢力により切欠部11caに規制部材15が係合する。
【0052】
この状態においては、シフト操作手段11に対し、規制部材15が任意変速位置(R位置側)に向かう方向に係合して当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制するとともにパーキング位置(P位置)に向かう移動が許容されることとなる。しかるに、シフト操作手段11をゲート溝Gに沿って図中右側に揺動操作すれば、図14に示すように、当該シフト操作手段11がパーキング位置まで移動し、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段11がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。
【0053】
次に、本実施形態に係るシフトロック機構が、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)の作用について説明する。
パーキング準備状態にあるシフト操作手段11(図13参照)をゲート溝Gに沿って図中右側(パーキング位置側)に揺動操作すると、規制部材15は、コイルスプリング13による付勢力により、同方向に追従して移動する。
【0054】
そして、シフト操作手段11がパーキング位置(P位置)に至ると、図14に示すように、規制部材15は、シフト操作手段11の本体11aに形成された突部11cの下面側(突部11cの下方)に至ることとなり、シフト操作手段11に対して、パーキング位置からの移動が規制されることとなる。一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド12に電圧が印加され、揺動部材14を揺動させて、規制部材15を突部11cの下面から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段11は、規制部材15による規制が解かれることとなり、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、シフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0055】
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、第1、2実施形態と同様、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図15、16に示すように、本体16c、該本体16cから上方に延設された操作レバー16b、及び操作レバー16bの先端側に形成された操作ノブ16a、該操作ノブ16aに形成されたプッシュノブ17、ロックピン18を有したシフト操作手段16と、規制手段を兼ねたシフトロック機構を構成するソレノイド19、揺動部材21及び規制部材22とから主に構成されている。なお、本実施形態に係るシフト操作手段16は、前後方向に直線状に揺動操作可能なストレート式操作ノブと称されるものである。
【0056】
シフト操作手段16は、その操作ノブ16aに形成されて運転者が押圧操作可能なプッシュノブ17と、プッシュノブ17と連結されて当該プッシュノブ17の押圧操作に応じて上下動可能なロックピン18とを有して構成され、前後方向に直線状に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされたもので、任意変速位置(R位置)にあるシフト操作手段16のプッシュノブ17を押圧操作してロックピン18を下降させつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態(図16(c)参照)を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたものである。
【0057】
すなわち、ロックピン18は、プッシュノブ17に対する押圧操作及びシフト操作手段16の前後方向の揺動操作に応じて、自動変速機用変速操作装置の本体(筐体)に形成された規制窓W内で動作するよう構成されており、任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間でシフト操作手段16を操作するには、プッシュノブ17を押圧操作してロックピン18を下降させ、図16中符号Paの位置に至らせる必要がある。本実施形態におけるパーキング準備状態とは、ロックピン18が符号Paの位置にある状態をいう。
【0058】
規制手段を兼ねたシフトロック機構は、第1、2実施形態と同様、シフト操作手段16に対してパーキング位置(P位置)からの移動(揺動操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0059】
ソレノイド19の作動軸19aは、コイルスプリング20により突出する方向に常時付勢されているとともに、その先端が揺動部材21の一端に接続されている。揺動部材21は、平面視でL字状部材から成るもので、中心軸21aを中心として揺動可能とされているとともに、他端が規制部材22と接続されている。規制部材22は、揺動部材21の揺動に応じて図15中左右方向に移動可能なもので、コイルスプリング20の付勢力により常時同図中左側に付勢されている。
【0060】
かかる規制部材22には、その一側面(ロックピン18と対向する面)の一部に切欠部22aが形成されており、当該切欠部22aには、壁面22aaと傾斜面22abとが形成されている。そして、シフト操作手段16が任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態にあるとき、ロックピン18が規制部材22における切欠部22aの壁面22aaと当接し、当該シフト操作手段16の任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。
【0061】
以下、本実施形態に係るシフトロック機構が、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能を果たす場合の作用について説明する。
【0062】
シフト操作手段16がR位置にあるとき、図16(a)に示すように、ロックピン18の端面と規制部材22の側面が当接した状態とされており、ロックピン18の移動が許容されている。そして、R位置にあるシフト操作手段16(図16(a)参照)のプッシュノブ17を押圧操作すると、ロックピン18が下降し(同図(b)参照)、規制窓Wによる規制が解かれるので、その状態にてシフト操作手段16を前方に揺動操作すれば、当該ロックピン18が位置Paに至り、シフト操作手段16がパーキング準備状態となる(同図(c)参照)。
【0063】
かかるパーキング準備状態においては、規制部材22がコイルスプリング20の付勢力により図16中手前方向に移動するため、切欠部22a内にロックピン18が入り込むこととなり、壁面22aaの方向に対してロックピン18が係合されることとなる。また、切欠部22a内に入り込んだロックピン18は、傾斜面22abにより図16中上方向への移動が許容されている。これにより、シフト操作手段16に対し、規制部材22が任意変速位置(R位置側)に向かう方向に係合して当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制するとともにロックピン18のパーキング位置(P位置)に向かう移動が許容されることとなる。しかるに、プッシュノブ17に対する押圧操作を緩めることにより、ロックピン18を上方に移動させれば、同図(d)に示すように、当該ロックピン18がパーキング位置まで移動し、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段16がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係るシフトロック機構が、シフト操作手段16に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)の作用について説明する。
パーキング準備状態にあるシフト操作手段16のロックピン18を上昇させると、規制部材22は、コイルスプリング20による付勢力により、同方向に移動する。そして、ロックピン18がパーキング位置(P位置)に至ると、図16(d)に示すように、ロックピン18は、規制部材22の上端面より上方に位置することとなり、パーキング位置からの移動が規制されることとなる。一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド19に電圧が印加され、揺動部材21を揺動させて、規制部材22をロックピン18から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段16は、規制部材22による規制が解かれることとなり、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、プッシュノブ17によるロックピン18の操作及びそれに伴うシフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0065】
上記第1〜3実施形態によれば、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段(1、11、16)に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0066】
また、第1〜3実施形態によれば、規制手段は、シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成るので、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。なお、規制手段による規制の際、シフトロック機構を構成するソレノイドの付勢手段による付勢力を利用しているので、当該付勢手段を規制手段の機能時と本来のシフトロック機構の機能時との両方で作用させることができる。
【0067】
第1実施形態によれば、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るシフト操作手段1を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0068】
また、第1実施形態によれば、シフト操作手段1は、所定位置に凸部6cを有するとともに、規制手段は、当該凸部6cと係合し得る方向に付勢されたストッパ部材4を有し、パーキング準備状態のシフト操作手段1の凸部6cに当該ストッパ部材4が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段1に対し、任意変速位置に向かう移動を規制するとともにパーキング位置に向かう移動を許容するので、簡易な構成にて、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0069】
また更に、第1実施形態によれば、シフト操作手段1は、凸部6cと共にフランジ部6dを有し、且つ、規制手段は、シフト操作手段1がパーキング位置にあるとき、ストッパ部材4がフランジ部6d下面に当接することにより当該シフト操作手段1の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材4をフランジ部6dから離間させることにより当該シフト操作手段1の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成るので、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るシフト操作手段1を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0070】
一方、第2実施形態によれば、ゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段11を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0071】
また、第3実施形態によれば、運転者が押圧操作可能なプッシュノブ17と、該プッシュノブ17の押圧操作に応じてシフト操作手段16の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピン18とを有するとともに、プッシュノブ17を押圧操作することによりロックピン18を許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段16を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0072】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、例えばシフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構とは別個に、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を配設するようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、シフト操作手段がダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るもの(第1実施形態)、ゲート溝に沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るもの(第2実施形態)、或いは前後方向に直線状に揺動操作可能なストレート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るもの(第3実施形態)とされているが、他の形態のシフト操作手段を具備したものにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えた自動変速機用変速操作装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 シフト操作手段
2 パーキング位置検知手段
3 ソレノイド
4 ストッパ部材
5 シフトロック機構(規制手段)
6 軸部材
6c 凸部
6d フランジ部
7 本体
8 ケース
9 クッション部材
10 インナケース
11 シフト操作手段
12 ソレノイド
13 コイルスプリング
14 揺動部材
15 規制部材
16 シフト操作手段
17 プッシュノブ
18 ロックピン
19 ソレノイド
20 コイルスプリング
21 揺動部材
22 規制部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両における自動変速機用変速操作装置は、通常、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段とを具備して構成され、このうちシフト操作手段は、パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされている。
【0003】
パーキング準備状態とは、パーキング位置から任意変速位置或いは任意変速位置からパーキング位置まで誤操作等によって不用意にシフト操作手段が移動してしまうのを防止するため、当該パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程に設定された状態(すなわち、パーキング位置や任意変速位置でない状態)をいう。なお、近時においては、安全の観点から、シフト操作手段がパーキング位置にあるのを検知するパーキング位置検知手段を具備した自動変速機用変速操作装置が広く普及しているが、シフト操作手段がパーキング準備状態においては、当該パーキング位置検知手段による検知はなされない。
【0004】
従来の自動変速機用変速操作装置として、例えば特許文献1で開示されたものが挙げられる。かかる従来の自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式操作ノブから成るものとされている。すなわち、同従来技術の自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段のパーキング準備状態とは、押圧操作された状態を指している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−62491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の自動変速機用変速操作装置においては、任意変速位置(リバース(R)位置)にあるシフト操作手段(ダイヤル式操作ノブ)を押圧操作してパーキング準備状態とした後、パーキング位置まで移動させず、再び任意変速位置(リバース(R)位置やドライブ(D)位置など)に戻し得る構成となっており、誤操作を防止する観点から問題があった。
【0007】
すなわち、パーキング準備状態では、ロックプレート(本願におけるストッパ部材に相当)がシフト軸(本願におけるシフト操作手段の軸部材に相当)に係合しないので、シフトロック機構が機能せず、シフト操作手段の操作が規制されていない故、例えばシフト操作手段をパーキング準備状態としつつ車両のエンジンを停止した後、任意変速位置(リバース(R)位置やドライブ(D)位置など)に戻してしまうような誤操作が可能となってしまうのである。
【0008】
なお、このような誤操作は、上記従来技術の如くシフト操作手段がダイヤル式操作ノブのものに限らず、シフト操作手段がパーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経る他の形態のもの(例えば、ゲート溝に沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式操作ノブ又は前後方向に揺動操作可能なストレート式操作ノブと称されるシフト操作手段を具備したもの)でも可能とされてしまう虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる自動変速機用変速操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段とを具備し、前記シフト操作手段は、前記パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、前記任意変速位置からパーキング位置までの操作過程における前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の自動変速機用変速操作装置において、前記規制手段は、前記シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、前記規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段の前記凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、前記凸部と共にフランジ部を有し、且つ、前記規制手段は、前記シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、前記ストッパ部材が前記フランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材を前記フランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置において、前記シフト操作手段は、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、前記プッシュノブを押圧操作することにより前記ロックピンを前記許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記ロックピンを当接させることにより前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、規制手段は、シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成るので、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブを具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、パーキング準備状態のシフト操作手段の凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、任意変速位置に向かう移動を規制するとともにパーキング位置に向かう移動を許容するので、簡易な構成にて、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、シフト操作手段は、凸部と共にフランジ部を有し、且つ、規制手段は、シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、ストッパ部材がフランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材をフランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成るので、ダイヤル式操作ノブから成るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0022】
請求項6の発明によれば、ゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブを具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0023】
請求項7の発明によれば、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、プッシュノブを押圧操作することによりロックピンを許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す平面図、正面図及び側面図
【図2】同自動変速機用変速操作装置を示す分解斜視図
【図3】同自動変速機用変速操作装置における一部拡大を示す分解斜視図
【図4】図1におけるIV−IV線断面図
【図5】図1におけるV−V線断面図
【図6】図1におけるVI−VI線断面図
【図7】同自動変速機用変速操作装置における規制溝を示す模式図
【図8】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段の操作過程を示す断面図
【図9】同自動変速機用変速操作装置における規制手段の作動過程を示す平面図及び側面図
【図10】本発明の第2実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す模式図
【図11】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図12】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図13】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図14】同自動変速機用変速操作装置におけるシフト操作手段及び規制手段の作動過程を示す模式図
【図15】本発明の第3実施形態に係る自動変速機用変速操作装置を示す模式図
【図16】同自動変速機用変速操作装置におけるロックピン及び規制手段の作動過程を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図1〜7に示すように、軸部材6を有するシフト操作手段1と、パーキング位置検知手段2と、シフトロック機構5(本実施形態においては規制手段を兼ねる)を構成するソレノイド3及びストッパ部材4と、本体7とから主に構成されている。
【0026】
本体7は、本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置の筐体を構成するもので、側方に張り出したブラケット部7aを有し、かかるブラケット部7aにボルト等を挿通して車両側に螺合させ、当該車両に固定させ得るようになっている。また、本体7は、その上部にケース8が取り付けられるとともに下部に回転センサDが取り付けられており、その内部には、シフトロック機構5や軸部材6などの同自動変速機用変速操作装置の種々構成部品が配設されている。
【0027】
シフト操作手段1は、車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置(P位置)と該パーキング位置とは異なる任意変速位置(例えば車両を後退させるR(リバース)位置、自動変速機と駆動輪とを遮断させるN(ニュートラル)位置、車両を前進させるD(ドライブ)位置等)との間で移動可能とされ、パーキング位置(P位置)と任意変速位置(パーキング位置とは異なる任意変速位置であって本実施形態においてはP位置と隣接するR位置)との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされている。
【0028】
すなわち、パーキング位置(P位置)から任意変速位置(R位置等)或いは任意変速位置(R位置等)からパーキング位置(P位置)まで誤操作等によって不用意にシフト操作手段1が移動してしまうのを防止するため、当該パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程において「パーキング準備状態」を設定し、当該「パーキング準備状態」を介してシフト操作手段1が操作されることにより、安全性をより向上させ得るのである。
【0029】
本実施形態に係るシフト操作手段1は、図1に示すように、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたダイヤル式操作ノブから成るものである。ここで、本実施形態における「パーキング準備状態」とは、軸方向へ押圧操作しつつパーキング位置側に回転操作されたシフト操作手段1の状態(押圧状態が維持された状態)をいう。
【0030】
より具体的には、シフト操作手段1は、本体7に回転自在に支持される軸部材6の上端部6aと接続されており、当該シフト操作手段1の回転操作に伴って軸部材6が軸周りに回転可能とされている。軸部材6は、コイルスプリングSにより常時上方(シフト操作手段1側)に付勢されており、シフト操作手段1を押圧操作する際、当該付勢手段の付勢力に抗するよう構成されている。しかるに、パーキング位置(P位置)にあるシフト操作手段1(図8(a)参照)を軸方向に押圧操作してパーキング準備状態とし(同図(b)参照)、その押圧状態を維持しつつ任意変速位置側(R位置側)に回転操作して押圧力を緩めれば、軸部材6が付勢力によって上昇し、任意変速位置(R位置)となる(同図(c)参照)。
【0031】
なお、ケース8は、その表面にシフト操作手段1の変速位置を表示しつつ本体7の上部側に固定されるもので、図2に示すように、その中央に軸部材6を挿通させるための挿通孔8aが形成されている。回転センサDは、軸部材6の下端部6fを挿通して嵌合可能な取付孔Daが形成されるとともに、当該軸部材6の回転角度を検出可能なもので、その検出信号を図示しないハーネスを介して車両側(例えばECUなど)に送信し得るようになっている。これによりシフト操作手段1の回転位置に応じた制御が可能とされる。
【0032】
さらに、軸部材6には、その所定部位から側方に突出した突出部6eが形成されているとともに、当該突出部6eに対応する本体7の内側壁面には、図7に示すように、規制溝7bが形成されている。かかる規制溝7bは、その上部側に複数の凹部7ba、7bb、7bcが横方向に並んで形成されており、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあるとき、突出部6eが凹部7baに嵌合し、シフト操作手段1がリバース位置(R位置)或いはドライブ位置(D位置)にあるとき、突出部6eが凹部7bb若しくは凹部7bcに嵌合した状態となるよう設定されている。
【0033】
これにより、シフト操作手段1に対し、押圧操作しないでパーキング位置(P位置)から任意変速位置(リバース位置(R位置))に回転操作、或いは押圧操作しないで任意変速位置(リバース位置(R位置))からパーキング位置(P位置)に回転操作しようとした場合、突出部6eが凹部7ba或いは凹部7bbに嵌合しているため、同方向への回転操作が規制されるようになっている。
【0034】
而して、シフト操作手段1をパーキング位置(P位置)から任意変速位置(リバース位置(R位置))に移動させる際、押圧操作により軸部材6と共に突出部6eを下降させて凹部7baとの嵌合を解き、同方向(パーキング位置から任意変速位置に向かう方向)への回転操作を可能な状態とするとともに、シフト操作手段1を任意変速位置(リバース位置(R位置))からパーキング位置(P位置)に移動させる際、押圧操作により軸部材6と共に突出部6eを下降させて凹部7bbとの嵌合を解き、同方向(任意変速位置からパーキング位置に向かう方向)への回転操作を可能な状態とすることができる。
【0035】
さらに、軸部材6には、大径部6bが一体形成されており、当該大径部6bの上部側に対応する本体7の内周壁面には、C字クリップCが嵌め込まれるようになっている。かかるC字クリップCにより、軸部材6の更なる上方への移動が規制され(図8(a)(c)参照)、当該軸部材6に対する抜け止めが図られている。なお、大径部6bの上部には、円環状のクッション部材9が取り付けられており、C字クリップCとの衝突時の衝撃を吸収し得るようになっている。
【0036】
また、軸部材6の所定部位には、図3に示すように、コイルスプリングSを介してピン状部材Pが側方に向かって取り付けられるとともに、当該ピン状部材Pの取付部に対応する位置には、インナケース10が固定されている。かかるインナケース10におけるピン状部材Pの先端部に対応する位置(軸部材6の回転に伴ってピン状部材Pが移動する範囲)には、凹凸形状10aが形成されており、シフト操作手段1を回転操作する際、ピン状部材PがコイルスプリングSの付勢力を受けつつ凹凸形状10aに沿って移動し、操作時の節度が付与されるようになっている。なお、インナケース10とコイルスプリングSの付勢力を受けるピン状部材Pとの関係により、軸部材6は常時上方に付勢されている。
【0037】
パーキング位置検知手段2は、作動子2aを有した検知スイッチから成り、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあることを検知し得るよう配設されている。すなわち、シフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあるとき、作動子2aが軸部材6の所定部位に押圧されて固定側の接点と接触して電気的にオンすることにより、かかる状態を検知することができるのである。このパーキング位置検知手段2によりシフト操作手段1がパーキング位置(P位置)にあることを検知したことを条件として、車両のキーをキー孔から抜くことが可能になるよう構成されている。
【0038】
シフトロック機構5(規制手段を兼ねる)は、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動(本実施形態においては、シフト操作手段1の押圧操作)を規制又は許容させるもので、アクチュエータとしてのソレノイド3と、ソレノイド3の作動に応じて動作するストッパ部材4とから主に構成されている。ソレノイド3は、車両側からの電気信号に応じて電圧が印加されるコイルを内在するとともに、当該コイルに対する電圧の印加に伴う磁界の変化により出没し得る作動軸を有するものである。この作動軸の先端には、取付部3aが固定されており、かかる取付部3aにストッパ部材4の接続部4c(図2参照)が接続されるようになっている。
【0039】
ストッパ部材4は、全体としてアーム状に成形された部品から成るもので、取付部3aを介してソレノイド3と連結されるとともに、軸部4bを中心として揺動自在に組み付けられるものである。かかるストッパ部材4は、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により、図5中符号a方向に付勢されており、当該ソレノイド3が作動して作動軸が没入方向(図5中符号c方向)へ移動すると、同図中符号b方向へ揺動し得るようになっている。
【0040】
一方、シフト操作手段1の軸部材6における所定位置(ストッパ部材4の先端部4aに対応する位置)には、図3に示すように、凸部6c及びフランジ部6dが形成されている。ここで、本実施形態においては、シフトロック機構5は、従来のものと同様、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動(押圧操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0041】
先ず、シフトロック機構5が規制手段として機能する場合について説明する。シフト操作手段1が任意変速位置(R位置)にあるとき、ストッパ部材4は、図9(a)に示すように、その先端が凸部6cの突端面に当接した状態とされており、シフト操作手段1の押圧操作又は回転操作が許容されている。そして、当該シフト操作手段1を押圧操作しつつ回転操作してパーキング準備状態とすると、同図(b)に示すように、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により、凸部6cの側面に当該ストッパ部材4の先端部4aが係合する。これにより、パーキング準備状態のシフト操作手段1に対し、任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。このとき、ストッパ部材4の先端部4aは、任意変速位置(R位置)に向かう方向に対する規制が行われる一方、パーキング位置に向かう移動(すなわち、上昇する側の移動)を許容するよう構成されている。
【0042】
なお、シフト操作手段1がパーキング準備状態にあるとき、パーキング位置検知手段2はオンせず、検知がなされない。しかるに、シフト操作手段1をパーキング準備状態とした後、操作力を緩めると、当該シフト操作手段1は、図9(c)に示すように、常時付与されている付勢力によって自然と上昇してパーキング位置に至り、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段1がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。本実施形態によれば、パーキング位置検知手段2による検知がなされないパーキング準備状態からのシフト操作手段1の任意変速位置(R位置)側への操作を規制することができるのである。
【0043】
次に、シフトロック機構5がシフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)について説明する。シフト操作手段1をパーキング準備状態とした後、操作力を緩めると、当該シフト操作手段1及び軸部材6は、コイルスプリングSの付勢力により上昇し、パーキング位置まで移動する。このとき、ストッパ部材4は、既述の如く、ソレノイド3の作動軸を突出方向に付勢する図示しない付勢手段(コイルスプリング等)により付勢されているため、図9(c)に示すように、その先端部4aがフランジ部6dの下面に至り、先端部4aの上面がフランジ部6dの下面と当接することとなる。これにより、パーキング位置にあるシフト操作手段1は、押圧方向に対して係止されることとなり、押圧操作が規制されることとなる。
【0044】
一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド3に電圧が印加され、ストッパ部材4を揺動させて、当該ストッパ部材4の先端部4aをフランジ部6dの下面から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段1は、押圧方向に対する係止が解かれることとなり、押圧操作が許容されることとなる。これにより、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、シフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0045】
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、第1実施形態と同様、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図10〜図14に示すように、操作ノブ11d、本体11a及び該本体11aから上方に延設された操作レバー11bを有したシフト操作手段11と、規制手段を兼ねたシフトロック機構を構成するソレノイド12、揺動部材14及び規制部材15とから主に構成されている。なお、本実施形態に係るシフト操作手段11は、ゲート溝Gに沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式操作ノブと称されるものである。
【0046】
シフト操作手段11は、運転者が把持しつつゲート状(鍵状)に形成されたゲート溝Gに沿って前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされたもので、任意変速位置(R位置)にあるシフト操作手段11を左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態(図13参照)を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたものである。すなわち、本実施形態におけるパーキング準備状態とは、シフト操作手段11が図11中符号Paの位置にある状態をいい、そこから同図中右側に揺動させることにより、パーキング位置まで操作可能とされている。
【0047】
規制手段を兼ねたシフトロック機構は、第1実施形態と同様、シフト操作手段11に対してパーキング位置(P位置)からの移動(揺動操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0048】
ソレノイド12の作動軸12aは、コイルスプリング13により突出する方向に常時付勢されているとともに、その先端が揺動部材14の一端に接続されている。揺動部材14は、平面視でL字状部材から成るもので、中心軸14aを中心として揺動可能とされているとともに、他端が規制部材15と接続されている。規制部材15は、揺動部材14の揺動に応じて図10中左右方向に移動可能なもので、コイルスプリング13の付勢力により常時同図中右側に付勢されている。
【0049】
一方、シフト操作手段11の本体11aには、突部11cが形成されており、当該突部11cには、規制部材15と係合可能な切欠部11caが形成されている。これにより、シフト操作手段11が任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態にあるとき、切欠部11caに規制部材15が係止し、当該シフト操作手段1の任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。
【0050】
以下、本実施形態に係るシフトロック機構が、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能を果たす場合の作用について説明する。
【0051】
シフト操作手段11がR位置にあるとき、規制部材15は、図11に示すように、その先端が突部11cの突端面に当接した状態とされており、シフト操作手段11の揺動操作が許容されている。そして、R位置にあるシフト操作手段11(図11参照)をゲート溝Gに沿って図中左側に揺動操作すると、当該シフト操作手段11の本体11aに形成された突部11cにより規制部材15がコイルスプリング13の付勢力に抗して同方向に押圧される(図12参照)。その状態からゲート溝Gに沿ってシフト操作手段11を前方へ揺動操作すると、図13に示すように、当該シフト操作手段11は位置Paに至ってパーキング準備状態となるとともに、コイルスプリング13の付勢力により切欠部11caに規制部材15が係合する。
【0052】
この状態においては、シフト操作手段11に対し、規制部材15が任意変速位置(R位置側)に向かう方向に係合して当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制するとともにパーキング位置(P位置)に向かう移動が許容されることとなる。しかるに、シフト操作手段11をゲート溝Gに沿って図中右側に揺動操作すれば、図14に示すように、当該シフト操作手段11がパーキング位置まで移動し、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段11がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。
【0053】
次に、本実施形態に係るシフトロック機構が、シフト操作手段1に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)の作用について説明する。
パーキング準備状態にあるシフト操作手段11(図13参照)をゲート溝Gに沿って図中右側(パーキング位置側)に揺動操作すると、規制部材15は、コイルスプリング13による付勢力により、同方向に追従して移動する。
【0054】
そして、シフト操作手段11がパーキング位置(P位置)に至ると、図14に示すように、規制部材15は、シフト操作手段11の本体11aに形成された突部11cの下面側(突部11cの下方)に至ることとなり、シフト操作手段11に対して、パーキング位置からの移動が規制されることとなる。一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド12に電圧が印加され、揺動部材14を揺動させて、規制部材15を突部11cの下面から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段11は、規制部材15による規制が解かれることとなり、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、シフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0055】
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。
本実施形態に係る自動変速機用変速操作装置は、第1、2実施形態と同様、自動車等の車両におけるインストルメントパネル又はステアリングコラム等に固定されて車両の自動変速機を操作し得るもので、図15、16に示すように、本体16c、該本体16cから上方に延設された操作レバー16b、及び操作レバー16bの先端側に形成された操作ノブ16a、該操作ノブ16aに形成されたプッシュノブ17、ロックピン18を有したシフト操作手段16と、規制手段を兼ねたシフトロック機構を構成するソレノイド19、揺動部材21及び規制部材22とから主に構成されている。なお、本実施形態に係るシフト操作手段16は、前後方向に直線状に揺動操作可能なストレート式操作ノブと称されるものである。
【0056】
シフト操作手段16は、その操作ノブ16aに形成されて運転者が押圧操作可能なプッシュノブ17と、プッシュノブ17と連結されて当該プッシュノブ17の押圧操作に応じて上下動可能なロックピン18とを有して構成され、前後方向に直線状に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされたもので、任意変速位置(R位置)にあるシフト操作手段16のプッシュノブ17を押圧操作してロックピン18を下降させつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態(図16(c)参照)を経ることにより任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間で移動可能とされたものである。
【0057】
すなわち、ロックピン18は、プッシュノブ17に対する押圧操作及びシフト操作手段16の前後方向の揺動操作に応じて、自動変速機用変速操作装置の本体(筐体)に形成された規制窓W内で動作するよう構成されており、任意変速位置(R位置)とパーキング位置(P位置)との間でシフト操作手段16を操作するには、プッシュノブ17を押圧操作してロックピン18を下降させ、図16中符号Paの位置に至らせる必要がある。本実施形態におけるパーキング準備状態とは、ロックピン18が符号Paの位置にある状態をいう。
【0058】
規制手段を兼ねたシフトロック機構は、第1、2実施形態と同様、シフト操作手段16に対してパーキング位置(P位置)からの移動(揺動操作)を規制又は許容させる機能と、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能とを有するものである。
【0059】
ソレノイド19の作動軸19aは、コイルスプリング20により突出する方向に常時付勢されているとともに、その先端が揺動部材21の一端に接続されている。揺動部材21は、平面視でL字状部材から成るもので、中心軸21aを中心として揺動可能とされているとともに、他端が規制部材22と接続されている。規制部材22は、揺動部材21の揺動に応じて図15中左右方向に移動可能なもので、コイルスプリング20の付勢力により常時同図中左側に付勢されている。
【0060】
かかる規制部材22には、その一側面(ロックピン18と対向する面)の一部に切欠部22aが形成されており、当該切欠部22aには、壁面22aaと傾斜面22abとが形成されている。そして、シフト操作手段16が任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態にあるとき、ロックピン18が規制部材22における切欠部22aの壁面22aaと当接し、当該シフト操作手段16の任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制し得るよう構成されている。
【0061】
以下、本実施形態に係るシフトロック機構が、任意変速位置(R位置)からパーキング位置(P位置)までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16に対し、当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制する規制手段としての機能を果たす場合の作用について説明する。
【0062】
シフト操作手段16がR位置にあるとき、図16(a)に示すように、ロックピン18の端面と規制部材22の側面が当接した状態とされており、ロックピン18の移動が許容されている。そして、R位置にあるシフト操作手段16(図16(a)参照)のプッシュノブ17を押圧操作すると、ロックピン18が下降し(同図(b)参照)、規制窓Wによる規制が解かれるので、その状態にてシフト操作手段16を前方に揺動操作すれば、当該ロックピン18が位置Paに至り、シフト操作手段16がパーキング準備状態となる(同図(c)参照)。
【0063】
かかるパーキング準備状態においては、規制部材22がコイルスプリング20の付勢力により図16中手前方向に移動するため、切欠部22a内にロックピン18が入り込むこととなり、壁面22aaの方向に対してロックピン18が係合されることとなる。また、切欠部22a内に入り込んだロックピン18は、傾斜面22abにより図16中上方向への移動が許容されている。これにより、シフト操作手段16に対し、規制部材22が任意変速位置(R位置側)に向かう方向に係合して当該任意変速位置(R位置)に向かう移動を規制するとともにロックピン18のパーキング位置(P位置)に向かう移動が許容されることとなる。しかるに、プッシュノブ17に対する押圧操作を緩めることにより、ロックピン18を上方に移動させれば、同図(d)に示すように、当該ロックピン18がパーキング位置まで移動し、パーキング位置検知手段2がオンすることにより、シフト操作手段16がパーキング位置にあることを把握し得るようになっている。
【0064】
次に、本実施形態に係るシフトロック機構が、シフト操作手段16に対してパーキング位置(P位置)からの移動を規制又は許容させる場合(本来の機能)の作用について説明する。
パーキング準備状態にあるシフト操作手段16のロックピン18を上昇させると、規制部材22は、コイルスプリング20による付勢力により、同方向に移動する。そして、ロックピン18がパーキング位置(P位置)に至ると、図16(d)に示すように、ロックピン18は、規制部材22の上端面より上方に位置することとなり、パーキング位置からの移動が規制されることとなる。一方、車両側から所定の信号(例えば、車両のブレーキが操作されたことを示す信号等)が送信されると、ソレノイド19に電圧が印加され、揺動部材21を揺動させて、規制部材22をロックピン18から離間させるよう構成されている。これにより、シフト操作手段16は、規制部材22による規制が解かれることとなり、車両のブレーキが操作されたこと等を条件として、プッシュノブ17によるロックピン18の操作及びそれに伴うシフト操作手段1による操作を可能とし、誤操作等による不用意な車両の発進を抑制して安全性を向上させることができる。
【0065】
上記第1〜3実施形態によれば、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段(1、11、16)に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたので、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0066】
また、第1〜3実施形態によれば、規制手段は、シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成るので、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。なお、規制手段による規制の際、シフトロック機構を構成するソレノイドの付勢手段による付勢力を利用しているので、当該付勢手段を規制手段の機能時と本来のシフトロック機構の機能時との両方で作用させることができる。
【0067】
第1実施形態によれば、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るシフト操作手段1を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0068】
また、第1実施形態によれば、シフト操作手段1は、所定位置に凸部6cを有するとともに、規制手段は、当該凸部6cと係合し得る方向に付勢されたストッパ部材4を有し、パーキング準備状態のシフト操作手段1の凸部6cに当該ストッパ部材4が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段1に対し、任意変速位置に向かう移動を規制するとともにパーキング位置に向かう移動を許容するので、簡易な構成にて、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段1が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0069】
また更に、第1実施形態によれば、シフト操作手段1は、凸部6cと共にフランジ部6dを有し、且つ、規制手段は、シフト操作手段1がパーキング位置にあるとき、ストッパ部材4がフランジ部6d下面に当接することにより当該シフト操作手段1の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材4をフランジ部6dから離間させることにより当該シフト操作手段1の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成るので、ダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るシフト操作手段1を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、規制手段の機能をシフトロック機構に持たせることができ、規制手段とは別個にシフトロック機構を有するものに比べ、部品点数を削減することができる。
【0070】
一方、第2実施形態によれば、ゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段11を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段11が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0071】
また、第3実施形態によれば、運転者が押圧操作可能なプッシュノブ17と、該プッシュノブ17の押圧操作に応じてシフト操作手段16の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピン18とを有するとともに、プッシュノブ17を押圧操作することによりロックピン18を許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るシフト操作手段16を具備した自動変速機用変速操作装置に適用することができ、当該自動変速機用変速操作装置においても、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段16が任意変速位置に移動するのを防止して、安全性をより向上させることができる。
【0072】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されず、例えばシフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構とは別個に、任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を配設するようにしてもよい。
【0073】
また、本実施形態においては、シフト操作手段がダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成るもの(第1実施形態)、ゲート溝に沿って前後左右に揺動操作が可能なゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るもの(第2実施形態)、或いは前後方向に直線状に揺動操作可能なストレート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成るもの(第3実施形態)とされているが、他の形態のシフト操作手段を具備したものにも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
任意変速位置からパーキング位置までの操作過程におけるパーキング準備状態のシフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えた自動変速機用変速操作装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 シフト操作手段
2 パーキング位置検知手段
3 ソレノイド
4 ストッパ部材
5 シフトロック機構(規制手段)
6 軸部材
6c 凸部
6d フランジ部
7 本体
8 ケース
9 クッション部材
10 インナケース
11 シフト操作手段
12 ソレノイド
13 コイルスプリング
14 揺動部材
15 規制部材
16 シフト操作手段
17 プッシュノブ
18 ロックピン
19 ソレノイド
20 コイルスプリング
21 揺動部材
22 規制部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、
該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段と、
を具備し、前記シフト操作手段は、前記パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、
前記任意変速位置からパーキング位置までの操作過程における前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたことを特徴とする自動変速機用変速操作装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする請求項1記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項3】
前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項4】
前記シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、前記規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段の前記凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項3記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項5】
前記シフト操作手段は、前記凸部と共にフランジ部を有し、且つ、前記規制手段は、前記シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、前記ストッパ部材が前記フランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材を前記フランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする請求項4記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項6】
前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項7】
前記シフト操作手段は、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、前記プッシュノブを押圧操作することにより前記ロックピンを前記許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記ロックピンを当接させることにより前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項1】
車両の自動変速機を任意操作可能とされるとともに、パーキング位置と該パーキング位置とは異なる任意変速位置との間で移動可能とされたシフト操作手段と、
該シフト操作手段がパーキング位置にあることを検知するパーキング位置検知手段と、
を具備し、前記シフト操作手段は、前記パーキング位置と任意変速位置との間の移動過程でパーキング準備状態を経るものとされた自動変速機用変速操作装置において、
前記任意変速位置からパーキング位置までの操作過程における前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、当該任意変速位置に向かう移動を規制する規制手段を備えたことを特徴とする自動変速機用変速操作装置。
【請求項2】
前記規制手段は、前記シフト操作手段に対してパーキング位置からの移動を規制又は許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする請求項1記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項3】
前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ回転操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、軸方向に押圧操作してパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたダイヤル式変速操作装置の軸部材及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項4】
前記シフト操作手段は、所定位置に凸部を有するとともに、前記規制手段は、当該凸部と係合し得る方向に付勢されたストッパ部材を有し、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段の前記凸部に当該ストッパ部材が係合することにより、当該パーキング準備状態の当該シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項3記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項5】
前記シフト操作手段は、前記凸部と共にフランジ部を有し、且つ、前記規制手段は、前記シフト操作手段がパーキング位置にあるとき、前記ストッパ部材が前記フランジ部下面に当接することにより当該シフト操作手段の押圧方向に対して係合して当該押圧方向の移動を規制するとともに、当該ストッパ部材を前記フランジ部から離間させることにより当該シフト操作手段の押圧操作を許容させるシフトロック機構から成ることを特徴とする請求項4記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項6】
前記シフト操作手段は、運転者が把持しつつ前後左右に揺動操作することにより自動変速機を任意操作可能とされるとともに、左右何れかの方向に揺動操作しつつ前方へ揺動操作してパーキング準備状態を経ることにより任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされたゲート式変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【請求項7】
前記シフト操作手段は、運転者が押圧操作可能なプッシュノブと、該プッシュノブの押圧操作に応じて当該シフト操作手段の動作を規制する規制位置と当該動作を許容する許容位置との間で移動するロックピンとを有するとともに、前記プッシュノブを押圧操作することにより前記ロックピンを前記許容位置にしてパーキング準備状態を経ることにより前記任意変速位置とパーキング位置との間で移動可能とされた変速操作装置の操作レバー及び操作ノブから成り、且つ、前記規制手段は、前記パーキング準備状態の前記シフト操作手段に対し、前記ロックピンを当接させることにより前記任意変速位置に向かう方向に係合して当該任意変速位置に向かう移動を規制するとともに前記パーキング位置に向かう移動を許容することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動変速機用変速操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−136132(P2012−136132A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289225(P2010−289225)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(391064005)株式会社アツミテック (39)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(391064005)株式会社アツミテック (39)
【Fターム(参考)】
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