説明

自動改札装置

【課題】先行する無札者に続く後続の利用者の磁気媒体の投入及び無線媒体の受付を確実に禁止できるようにする。
【解決手段】通路内に第1の無札予備判定ポイントとこの第1の無札予備判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札予備判定ポイントを設定し、先行する利用者が無線媒体を翳していないと判別されて前記通路内の第1の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の無線媒体の受付を禁止し、先行する利用者が磁気媒体を投入していないと判別されて前記通路内の第2の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の磁気媒体の投入を禁止するように制御する制御手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動改札機を利用する旅客が増加し、自動改札装置が多用されている。
【0003】
自動改札装置が開発されてから数十年が経過しているが、その間に多機能な自動改札装置が必要とされ、自動改札装置に様々な機能が付加されている。自動改札装置の開発当初は、対応券種が定期券と普通券のみで、印刷処理やパンチ処理等の機能もなかった。
【0004】
しかし、現在の自動改札装置は、対応券種も様々となり、定期券、普通券はもちろんのこと、SFカード、ICカードと媒体も様々使用できるようになっている。
【0005】
近年では、ICカード対応のみの自動改札装置も開発され、広く使用されている。
【0006】
将来、全券種がIC化となることが予想され、自動改札装置での搬送機構よりも、人間検知制御に注目が集まっている。
【0007】
ところで、自動改札装置の通路には無札予備判定ポイントが設定され、旅客が磁気券を投入せず(或いはIC券をアンテナ部に翳さないで)無札予備判定ポイントに到達すると、後続する後客の磁気券(或いはIC券)の受付を禁止して後客の磁気券(或いはIC券)を前客のもとの誤認識することのないようにしている。
【0008】
しかしながら、従来においては、無札予備判定ポイントを一箇所にしか設定していないため、磁気券の投入口から無札予備判定ポイントまでの距離と、IC券を翳すためのアンテナ部から無札予備判定ポイントまでの距離が異なる。即ち、通常、磁気券の投入口はアンテナ部の通行方向下流側に位置するため、磁気券の投入口から無札予備判定ポイントまでの距離はIC券を翳すためのアンテナ部から無札予備判定ポイントまでの距離までの距離よりも長くなる。このため、磁気券を投入した前客が無札予備判定ポイントに到達するまでの時間が長くかかり、前客が無札予備判定ポイントに到達するまえに後客が磁気券を投入口に投入してしまう虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−4285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする課題は、先行する無札者に続く後続の利用者の磁気媒体の投入及び無線媒体の受付を確実に禁止できるようにした自動改札装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、実施の形態は、通行方向上流側に投入口、下流側にアンテナ部を有し、前記投入口から投入される磁気媒体、及びアンテナ部に翳される無線媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいてゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内での通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、前記投入口に磁気媒体が投入されたか否か、或いは前記アンテナ部に無線媒体が翳されたか否かを判別する判別手段と、前記通路内に第1の無札予備判定ポイントとこの第1の無札予備判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札予備判定ポイントを設定し、先行する利用者が無線媒体を翳していないと判別されて前記通路内の第1の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の無線媒体の受付を禁止し、先行する利用者が磁気媒体を投入していないと判別されて前記通路内の第2の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の磁気媒体の投入を禁止するように制御する制御手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態である改札システムの構成を概略的に示す図。
【図2】図1の改札システムの自動改札装置を示す外観斜視図。
【図3】図2の自動改札装置を示す側面図。
【図4】図1の改札システムの自動改札装置を示す正面図。
【図5】図2の自動改札装置の駆動制御系を示すブロック図。
【図6】管理テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図7】ステータスとその遷移を示す図。
【図8】前端ステータスと後端ステータスを説明する図。
【図9】荷持を持った旅客が高さ検出センサ及び位置検出センサによって検出された状態を示す図。
【図10】図9の高さ検出センサ及び位置検出センサによって検出された旅客の中心位置を特定する状態を示す図。
【図11】旅客の中心位置を従来における旅客の中心位置と比較して示す図。
【図12】旅客を検出して暗状態となる位置検出センサの個数が旅客の移動によって変化する状態を示す図。
【図13】移動する旅客の中心位置を測定する方法を示す図。
【図14】本発明の第2の実施の形態であるIC券の無札予備判定ポイントと磁気券の無札予備判定ポイントを示す図。
【図15】無札予備判定ポイントが1箇所の場合を示す図。
【図16】本発明の第3の実施の形態を示すもので、無札判定された旅客が無札クリアポイントに到達して無札がクリアされた状態を示す図。
【図17】図16で無札がクリアされた旅客が再度、無札動作を繰り返す際に無札判定ポイントと無札クリアポイントの設定位置を変更した状態を示す図。
【図18】本発明の第4の実施の形態を示すもので、無札判定された旅客が無札クリアポイントに到達して無札がクリアされた状態を示す図。
【図19】図18で無札がクリアされた旅客が再度、無札動作を繰り返すと同時に無札判定動作を開始する状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である改札システムを示すものである。
【0015】
改札システムは、監視装置として機能するホストコンピュータ10を備えている。このホストコンピュータ10は、駅に設置された複数の自動改札機100−1、100−2…と通信回線20aを介して接続されており、これらの改札機100を監視する。
【0016】
ホストコンピュータ10は、装置全体を制御するとともに下位に接続された各種機器を制御するもので、複数の改札機100を統括して制御するCPU11を有している。このCPU11には、メモリ部12、表示部13、入力部14、通信制御部15などが接続されている。
【0017】
メモリ部12は、ホストコンピュータ10自体、及び改札機100などの下位の機器を制御するための制御データなどの各種データを記憶している。表示部13は、ホストコンピュータ10自体の動作状態、下位の機器の動作状態などを表示する。入力部14は、各改札機100の動作モードなど種々の情報を入力するためのキーボードや、接触を検知したのに基づいて対応する情報を出力するタッチパネルなどを有している。通信制御部15は、下位の機器との間で通信回線20aを介して種々の情報の送受信を行う。
【0018】
図2は自動改札機100を示す外観斜視図である。
【0019】
自動改札機は、通常、2台1組として設置され、両者の間に旅客(利用者)が通行可能な改札通路61が形成される。入場処理や出場処理などの改札処理を行う自動改札機で利用可能な乗車券媒体としては、普通乗車券、定期券、特急券、回数券、入場券、プリペイドカードなどの磁気式及び無線式の券媒体(乗車媒体)などが対象とされている。
【0020】
これら券媒体は、券媒体固有の識別情報、例えば複数の数字の組み合わせからなる複数桁の識別番号、及び、改札処理に必要な改札情報、例えば、利用可能な区間情報、有効期限情報、入場記録情報、出場記録情報、旅客情報などを有している。このような識別情報及び改札情報は、磁気式券媒体では、その券面の磁気記録層に所定形式で磁気記録されており、また、無線式券媒体では、そのメモリ部に所定形式で記憶されている。
【0021】
自動改札機100は、筐体1を備えている。筐体1は、投入口2、排出口3、報知手段として機能する表示部4、ドア機構5、フレーム6、位置検出手段20を構成する位置検出センサ21〜46、高さ検出手段50を構成する高さ検出センサ51〜53、表示器8などを備えている。
【0022】
投入口2は、筐体1における改札通路の上流側に設けられ、施設内への入場時または施設内からの出場時に投入された磁気媒体を受け取ることが可能となっている。投入口2の近傍には、磁気媒体の投入を阻止するためのシャッタが設けられている。また、排出口3は、筐体1における改札通路の下流側に設けられ、投入口2で受け取った磁気媒体を必要に応じて排出する。
【0023】
表示部4は、旅客の通行方向に対して排出口3の前方に位置して設けられ、旅客や係員などに対して種々の案内情報、例えば改札処理の結果に対応した案内画面を所定の表示パターンで表示する。ドア機構5は、筐体1の改札通路側の側面両端部に配置され、旅客の通行を制御するために開閉可能に構成されている。このドア機構5は、旅客の通行を可能とする場合には改札通路を開放し、旅客の通行を阻止する場合には改札通路を閉鎖する。
【0024】
フレーム6は、筐体1の上面部に設けられ、改札通路を規定するための仕切りとなる。複数の位置検出センサ21〜46,高さ検出センサ51〜53は、筐体1及びフレーム6の改札通路側における側面部に配置され、旅客の通行を検知するための出力信号を出力する。表示器8は、フレーム6に配置され、小児券、無効券、または異常券の投入や、機器の異常など装置の動作状態を報知する。
【0025】
図3は、自動改札機100−1を示す側面図である。
【0026】
この自動改札機100−1の側面部に設けられた位置検出センサ21〜46は人間位置追従用の透過型の光センサで、この光センサは図4に示すように旅客の通行方向に沿って所定間隔を存して直線状に配設される投光素子21a〜46aと、他方の自動改札機100−2の側面部に投光素子21a〜46aと対向する状態で配設される受光素子21b〜46bとによって構成されている。図4のL1は、投光素子21a〜46aから受光素子21b〜46bへ投射される光の光軸を示している。
【0027】
図3において、位置検出センサ21〜46の各センサ間の間隔は、人間の胴体の前後幅よりも小さな間隔、例えば8cmに設定されている。この結果、隣接するセンサは、1人の人間により同時に遮光されて検知信号を出力するようになっている。
【0028】
図3の高さ検出センサ51〜53は、大人と小児とを判別するための大人/小児センサであって、両方の自動改札装置100−1,100−2のそれぞれに位置検出センサ21〜46の列よりやや上方の位置(床面から略125cm上方の位置)に設けられている。高さ検出センサ51は、自動改札装置100の入口付近に設けられ、高さ検出センサ52は、自動改札装置100の中央付近に設けられ、高さ検出センサ53は、自動改札装置100の出口付近に設けられている。
【0029】
これらの高さ検出センサ51〜53は、反射型の光センサから構成されており、斜め上方へ光を投射してその反射光を受光する。図4のL2は、高さ検出センサ51〜53の光軸を示している。
【0030】
図5は、自動改札装置100の駆動制御系を示したブロック図である。
【0031】
71は自動改札装置100の動作を制御するCPU(制御手段)である。72はメモリから構成される記憶部であって、乗車媒体から読み取ったデータ等が一時的に格納される領域や正券カウンタの領域を備えたRAMと、CPU71の動作プログラム等が格納されたフラッシュメモリと、自動改札装置100の稼働データ等を蓄積するEEPROMとを含んでいる。73は通行する人間の位置を管理するための管理テーブルであって、記憶部72の例えばEEPROMに設けられている。CPU71および記憶部72は、管理手段の一実施形態を構成する。
【0032】
74はゲート扉5を駆動する扉駆動部であって、扉開閉用のモータや、モータの駆動回路などから構成される。75は表示部であって、図1に示した表示部4、表示器8から構成される。76は上位装置であるホスト装置(図示省略)との間で通信を行うホスト通信部、77は自動改札装置100の各部に電源を供給する電源部である。78は人間検知部であって、図3に示した位置検出センサ21〜46、高さ検出センサ51〜53から構成される。79はアンテナ54の動作を制御するアンテナ制御部であって、アンテナ54は非接触媒体としてのIC券81との間で無線通信を行い、IC券81に記録されている乗車情報等のデータを非接触で読み取る。90は投入口2のシャッタ91を開閉するシャッタ駆動部である。
【0033】
図6は、管理テーブル73の記憶内容の一例を示すものである。
【0034】
管理テーブル73には、人ハンドル番号73a、位置情報73b,73c、方向情報73d、投入券情報73e、大/小判別情報73f、通行情報73gなどが記録される。
【0035】
人ハンドル番号73aは、自動改札装置100へ進入した旅客1人毎に割当てられる識別番号である。位置情報73b,73cは、後述するステータスにより旅客の位置を表した情報であって、位置情報73bは今回(更新後)のステータスに基づく位置情報、位置情報73cは前回(更新前)のステータスに基づく位置情報である。
【0036】
方向情報73dは、旅客が自動改札装置100のいずれの方向から進入したかを表す情報であり、改集札両用機の場合は、改札側から進入したか集札側から進入したかを表す情報である。投入券情報73eは、投入券に関する情報であり、券種、大人券・小児券の区別、券の搬送方向などが含まれる。
【0037】
大/小判別情報73fは、図3の高さ検出センサ51〜53の検出結果から得られる情報であって、旅客が大人であるか小児であるかを表す情報である。
【0038】
通行情報73hは、正常客とそれ以外の異常客に関する情報であって、旅客が乗車券を提示しなかった場合は無札客、乗車券が提示されたがそれが有効な乗車券でなかった場合は無効客、進入が許されている側と反対の方向から進入した旅客の場合は逆進入客としてそれぞれのフラグがセットされ、いずれも異常客として取り扱われる。これらの場合以外は、すべて正常客として取り扱われる。また、通行情報73hに正券カウンタ状態、出口通過通知状態、認識開始ステータス番号、傘フラグ、分離フラグ、分離対テーブル番号、くっつきフラグ、くっつき対テーブルなどが含まれている。
【0039】
以上のような管理テーブル73により、自動改札装置100を通行する人間の位置などが1人毎にリアルタイムに管理される。
【0040】
次に、上述した自動改札装置100における人間検知の原理を説明する。
【0041】
図7は、ステータスとその遷移を説明する図である。
【0042】
ステータスとは、複数個のセンサをグループ化し、各グループごとにセンサ位置に対応して割り当てた位置情報のことである。
【0043】
例えば、図7(a)のようにセンサ21とセンサ22とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST1が割り当てられる。また、図7(b)のように隣接するセンサ22とセンサ23とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST2が割り当てられる。また、図7(c)のように隣接するセンサ23とセンサ24とが1グループを構成し、当該グループに対してステータスST3が割り当てられる。以後、順次同様にしてステータスST4〜ステータスST46(図7f)が割り当てられる。
【0044】
管理手段であるCPU71は、人間検知部78におけるセンサ21〜46からの検知信号を監視して、1つのグループにおける複数個のセンサ全部が検知信号を出力している状態のとき、すなわち1グループ内のセンサの遮光状態のAND条件が成立しているときに、そのグループのステータスに人間が位置していると判定する。
【0045】
なお、1人の人間により遮光されるセンサの数は、その人間の胴体の幅により変化するが、以下では説明を簡単にするために、1人の人間により遮光されるセンサは隣接する2個のセンサのみと仮定する。
【0046】
今、自動改札装置100の入口側から旅客が進入してくる場合を考えると、最初に入口のセンサ21,22が同時に遮光状態となるから、この時点でCPU71は、人間の現在位置が図7(a)のステータスST1であると判定する。旅客が通路61を進むと、次にセンサ23が遮光状態となるが、前述したようにセンサ23とセンサ22との間隔は人間の胴体の前後幅より小さいため、センサ22,23は遮光状態を維持しており、センサ22,23が同時に遮光状態となり、各センサから検知信号が出力される。したがって、CPU71は、人間の現在位置が図7(b)のステータスST2であると判定する。
【0047】
さらに、旅客が通路61を進むと、次にセンサ24が遮光状態となるが、センサ23とセンサ24との間隔は人間の胴体の前後幅より小さいため、センサ23は遮光状態を維持しており、センサ23,24が同時に遮光状態となり、各センサから検知信号が出力される。したがって、CPU71は、人間の現在位置が図7(c)のステータスST3であると判定する。以後、順次同様にして旅客が通路61を進むに従ってその現在位置がステータスST4〜ステータスST45(図7e)であると判定される。
【0048】
最後に、旅客が出口に至ると図7(f)のようにセンサ45,46が同時に遮光状態となり、ステータスはST46と判定される。その後、旅客が出口を抜けると、センサ46は透光状態となり、CPU71は自動改札装置100から旅客が退出したと判定する。
【0049】
以上の過程において、CPU71はステータスST1を判定した時点で、自動改札装置100へ進入した旅客に対して人ハンドル番号を割当て、管理テーブル73(図6)に、割当てた人ハンドル番号73aを記録する。また、CPU71は、その人ハンドル番号の人の位置を前端ステータスと後端ステータスとで管理する。すなわち、入口から出口へ向う進行方向に人が通過する場合、センサが透光状態から遮光状態へ最初に変化する位置を前端ステータス、センサが遮光状態から透光状態へ最初に変化する位置を後端ステータスとする。例えば、図8において黒丸で示すセンサ26,27,28が人で遮光されている場合、前端ステータスはST28、後端ステータスはST26となる。
【0050】
なお、図8では2つのステータスにより通行人の前端と後端を管理する例を示したが、通行人の胴体幅が小さい場合は、前述の例のように1つのステータスで前端と後端とを管理できる場合もある。また、通行人の胴体幅が大きい場合は、3つ以上のステータスのうち、先頭と最後のステータスにより前端と後端を管理することになる。
【0051】
以上のような前端ステータスと後端ステータスは、管理テーブル73に位置情報73b,73cとして記録される。この場合、位置情報73bには最新のステータスが記録され、位置情報73cには1つ前のステータスが記録される。
【0052】
ところで、上記したように構成される自動改札機においては、図3に示すように、通路61内に入った旅客が無札予備者であるか否かを判定する無札予備判定ポイントP1、通路61内に入った旅客が無札者(正規の券媒体を投入しないで通過しようとする旅客)であるか否かを判定する無札判定ポイントP2、無札判定をクリアする無札クリアポイントP3、出口通過を通知するポイントP4、正券者の通過を通知するポイントP5が設定されている。
【0053】
また、図5に示すように駆動制御系には、無札者を判定するために判定手段85、旅客が投入口2に磁気媒体を投入したか否か(或いはIC媒体をアンテナ54に翳したか否か)を判別する判別手段86、及び荷物を持った旅客の位置を測定する測定手段87が設けられている。
【0054】
判別手段86で磁気媒体を投入しないと判別された旅客(或いはIC媒体をアンテナ54に翳していないと判別された旅客)が無札予備判定ポイントP1に到達すると、CPU71によって、投入口2のシャッタ91が閉じられるとともに、アンテナ54の受信が停止される。これにより、後続の旅客の磁気媒体88、及びIC媒体81の受付が禁止される。
【0055】
判別手段86で磁気媒体を投入しないと判別された旅客(或いはIC媒体をアンテナ54に翳していないと判別された旅客)が無札判定ポイントP2に到達すると、判定手段85によって無札者であると判定される。この場合には、表示部75で音声により、また、文字表示により無札であることが報知される。
【0056】
無札と判定された旅客が通路61内を所定距離引き返して無札クリアポイントP3に到達すると、無札判定がクリアされ、無札者であることの報知が停止されるようになっている。
【0057】
ところで、従来においては、旅客が大きな荷物を持って通行すると、旅客の位置を誤認識する虞があった。例えば、旅客が大きな荷物を持った状態で前進すると、旅客本人よりも先に荷物が無札判定エリアP2に到達し、極端な例では、スノーボード等の荷物を横にして持った場合には、旅客が通路61内に入った直後に無札と判定されて通行が禁止されてしまうことがある。
【0058】
そこで、この実施の形態では、旅客が大きな荷物を持って通行した場合でも、正確に旅客本人を認識できるようにする。
【0059】
図9は荷物を持った旅客が通路61内に進み、高さ検出センサ51と、位置検出センサ23〜30が暗状態(塊A)となった状態を示す。
【0060】
この実施の形態では、図10に示すように高さ検出センサ51が暗状態になった位置を基準位置Kとし、この基準位置Kが塊A内で位置するポイントを利用者の中心位置と設定して後述するように移動する旅客の中心位置を測定するようになっている。図11はこの実施の形態で測定される旅客の中心位置aと従来における旅客の位置bを示す。この実施の形態では旅客の中心位置aが無札判定ポイントP2に到達することにより、従来においては、旅客の位置bが無札判定ポイントP2に到達することにより、無札の判定が行なわれる。
【0061】
上記した塊Aを構成する位置検出センサの個数は、旅客の手の動きや、歩行などにより刻一刻と変化する。例えば、図12に示すように変化前には、8個の位置検出センサが暗状態となった状態で旅客の中心位置を設定したが、旅客が移動することにより、暗状態となる位置検出センサの個数が6個に変化してしまった場合には、旅客の中心位置をどこに設定したら良いのかが問題となる。
【0062】
即ち、暗状態となる位置検出センサの個数が6個に変化した場合に、8個の場合と同様に左から2番目の位置検出センサと3番目の位置検出センサとの間を旅客の中心位置として問題がないのかが論点となる。
【0063】
この実施の形態では、以下の方法により移動する旅客の中心位置を測定して無札判定を行なう。
【0064】
まず、図13に示すように、高さ検出センサ51が暗状態となると、その検出位置を基準位置Kとし、この基準位置Kが塊Aにおいて位置するポイントを旅客の中心位置と設定する。この場合、中心位置の左側の位置検出センサの個数が2個で、右側の位置検出センサの個数が6個であるため、旅客の中心位置は例えば、左側からみて比率が1/4(2÷8)の位置となっている。この状態から旅客が移動して塊Aを構成する位置検出センサの個数が例えば6個に変化した場合には、測定手段87は旅客の中心位置は上記した変化前と同じ比率であるとして、1/4×6=1.5(四捨五入して2)を測定する。
【0065】
即ち、変化後の利用者の中心位置は、塊Aの左側から2番目の位置検出センサと3番目の位置検出センサとの間にあることが導き出せる。
【0066】
なお、利用者の中心位置の測定方法は塊Aの左側から求めているが、右側から求めても良いものとする。
【0067】
この実施の形態によれば、旅客が大きな荷物を持って通行しても旅客の中心位置を検出することができ、判定部85で誤認識することなく正確な無札判定が可能となる。
【0068】
図14は本発明の第2の実施の形態を示すものである。
【0069】
ラッシュ時などに自動改札機を通過する旅客を見ると、旅客同士の間が非常に詰まっているのがわかる。このようなときに、先頭の旅客が磁気券88を投入口2に投入せず、或いはIC券81をアンテナ54に翳さないで通過した場合に、後続の別の旅客が磁気券88を投入し、或いはIC券81を翳すと、この磁気券88、或いはIC券81は前客側のものと誤認識してしまう虞がある。このような状態になると、無札者である前客が通過できて、正券者である後客が通過できないことになる。
【0070】
このため、自動改札機では、上記したように無札予備とよばれる判定ポイントP1を追加して、無札予備判定ポイントP1に前客が到達した場合には、後客の磁気券88の投入を禁止するとともに、アンテナ54の受付を禁止するようになっている。これにより、前客が無札と判定され、後客は無札者が引き返して通路61から出たのちに磁気券の投入、或いはIC券の受付が可能になる。
【0071】
この無札予備の判定は、従来においても行なわれているが、この従来の方式を追従式で単純に行うと図15に示すように、無札予備の判定ポイントP1が一箇所のみになってしまう。
【0072】
しかしながら、無札予備の判定ポイントP1が一箇所しかない場合には、以下のような問題が生じる。
【0073】
即ち、自動改札機には図3に示すように磁気券88を投入させる投入口2が設けられているとともに、IC券を翳させるアンテナ54が設けられているが、通常、投入口2とアンテナ54は旅客の通行方向に沿って配置され、投入口2はアンテナ54の上流側に位置している。
【0074】
このため、無札予備判定ポイントP1が一箇所であると、投入口2から無札予備判定ポイントP1までの距離がアンテナ54から無札予備判定ポイントP1までの距離よりも長くなってしまう。このように、投入口2から無札予備判定ポイントP1までの距離が長くなると、無札者が無札予備判定ポイントP1に到達しないうちに後続の客が磁気券88を投入してしまう虞があった。このような場合には、無札者が通路を通過して、後客が無札者と判定されて通過できなくなる。
【0075】
そこで、この実施の形態では、無札予備の判定ポイントを2箇所に設定する。
【0076】
即ち、IC券の無札予備判定ポイントP1aと磁気券の無札予備判定ポイントP1bをそれぞれ設ける。磁気券の無札予備判定ポイントP1bはIC券の無札予備判定ポイントP1aに対して通行方向上流側に位置して設定されている。
【0077】
この実施の形態によれば、投入口2から磁気券の無札予備判定ポイントP1bまでの距離とアンテナ54からIC券の無札予備判定ポイントP1aまでの距離とを略等しくすることができ、旅客を磁気券の無札予備判定ポイントP1bに適切なタイミングで到達させることができ、後続の旅客の磁気券の投入を確実に禁止できる。
【0078】
図16は本発明の第3の実施の形態を示すものである。
【0079】
旅客が通路61の略中央部の無札判定ポイント(第1の無札判定ポイント)P2に到達したときに、正常な乗車券を提示していなければ、判定手段85によって無札であると判定される。この判定があると、表示部75によって音声、或いは文字表示によって無札であることが案内通知されるとともに、ゲート扉5が閉じられる。この無札判定後、旅客が通路61内を引き返して、無札クリアポイント(第1の無札クリアポイント)P3に到達すると、無札判定がクリアされてゲート扉5が開かれる。通常、旅客は無札状態であることに気がつくと、正券を提示して通路61を通過する。
【0080】
しかしながら、無札判定がクリアされた旅客が、故意的に再度、無札判定ポイントP2に向かって移動すると再度、無札判定される。このような場合には、ゲート扉5が無駄に開閉動作を繰り返してしまうという問題がある。
【0081】
この実施の形態では、このような旅客の動作に起因する無札判定動作を無駄に繰り返すことのないようにする。
【0082】
即ち、この実施の形態では、一度、無札判定された旅客が、無札判定がクリアされたのち、再度、無札判定ポイントP2に向かって移動した場合には、判定手段85は図17に示すように最初の無札判定ポイントP2よりも通行方向上流側の位置に新たな無札判定ポイント(第2の無札判定ポイント)P2aを設定し、この新たな無札判定ポイントP2aに旅客が到達したら、無札判定動作を行なう。また、このときには、最初の無札クリアポイントP3の通行方向上流側の通路出口側に新たな無札クリアポイント(第2の無札クリアポイント)P3aが通路出口側に設定され、無札判定された旅客が引き返して新たな無札クリアポイントP3aに到達して通路外にでると無札がクリアされる。
【0083】
この実施の形態によれば、2度目の無札判定が1度目よりも早いタイミングで行なわれ、しかも、2度目の無札判定が行なわれた場合には、旅客は通路外に出された状態で無札判定がクリアされるため、旅客の動作に起因する無札判定動作を無駄に繰り返すことを確実に防止することができる。
【0084】
図18、図19は本発明の第4の実施の形態を示すものである。
【0085】
上記した実施の形態では、一度無札判定された旅客を再度、無札判定する場合には、最初の無札判定ポイントP2よりも通行方向上流側に新たな無札判定ポイントP2aを設定し、この無札判定ポイントP2aに旅客が到達するのに基づいて無札を判定したが、この実施の形態では、新たな無札判定ポイントを特別設定することなく、無札クリア後に旅客が少しでも無札判定ポイントP2方向に移動した場合には無札の判定を行なう。
【0086】
即ち、図18は、旅客が右側から通路61内に進入し、一旦無札判定されたのち、引き返して無札判定がクリアされた状態を示す。この無札判定がクリアされた無札者が通路外にでるまでの間において、図19に示すように無札判定ポイントP2の方向(図の左方向)に少しでも動いて2乃至3個の位置検出センサが暗状態まった場合には即座に無札と判定する。なお、この実施の形態においても、2度目の無札判定を行なったのちは、無札者が通路外に出たときに無札をクリアする。
【0087】
この実施の形態によれば、2度目の無札判定をより一層早く行なうことができ、意地悪的な無札者を確実に通路外に出させることが可能となる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0089】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0090】
[1] 乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
この位置検出手段よりも高所に配設され、前記利用者の高さを検出する高さ検出手段と、
この高さ検出手段が検出した位置を基準位置とし、この基準位置が暗状態の位置検出センサにおいて位置するポイントを利用者の中心位置と設定し、この中心位置が前記暗状態の位置検出センサの個数に対してその何れか一方から見て何番目に位置するかの比率を算出し、前記利用者が移動するのに基づいて前記暗状態となる位置検出センサの個数が変化したとき、その個数に前記比率を乗算して求められる積に基づいて前記移動する利用者の中心位置を測定する測定手段と、
を具備することを特徴とする自動改札装置。
【0091】
[2] 通行方向上流側に投入口、下流側にアンテナ部を有し、前記投入口から投入される磁気媒体、及びアンテナ部に翳される無線媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内での通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記投入口に磁気媒体が投入されたか否か、或いは前記アンテナ部に無線媒体が翳されたか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に第1の無札予備判定ポイントとこの第1の無札予備判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札予備判定ポイントを設定し、先行する利用者が無線媒体を翳していないと判別されて前記通路内の第1の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の無線媒体の受付を禁止し、先行する利用者が磁気媒体を投入していないと判別されて前記通路内の第2の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の磁気媒体の投入を禁止するように制御する制御手段と
を具備することを特徴とする自動改札装置。
【0092】
[3] 提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に第1の無札判定ポイントとこの第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントを設定し、前記判別手段で乗車媒体を提示しない判別された利用者が通路内の第1の無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて前記利用者は無札者であると判定し、無札者であると判定された利用者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアする判定手段とを具備し、
前記判定手段は、無札判定がクリアされた利用者が再度、前記第1の無札判定ポイントに向かって移動した場合には前記第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札判定ポイントを設定するとともに、前記第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定し、前記無札判定がクリアされた利用者が前記第2の無札判定ポイントに到達するのに基づいて無札判定を行ない、この無札判定された利用者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすることを特徴とする自動改札装置。
【0093】
[4]提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通行路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に無札判定ポイントとこの無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントを設定し、前記判別手段で乗車媒体を提示しないと判別された利用者が通路内の前記無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて前記利用者が前記乗車媒体を提示しない無札者であると判定し、無札者であると判定された利用者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアする判定手段とを具備し、
前記判定手段は、前記第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定し、無札判定がクリアされた利用者が再度、前記無札判定ポイントに向かって移動するのを検出するのに基づいて無札判定を行ない、この無札判定された利用者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすることを特徴とする自動改札装置。
【0094】
[5] 乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通行を許可し、或いは禁止する自動改札方法において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサのうちの隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出することと、
前記通路を通行する所定高さ以上の利用者を検出することと、
前記所定高さ以上の利用者が検出された位置を基準位置とし、この基準位置が暗状態の位置検出センサにおいて位置するポイントを利用者の中心位置と設定し、この中心位置が前記暗状態の位置検出センサの個数に対してその何れか一方から見て何番目に位置するかの比率を算出し、前記利用者が移動するのに基づいて前記暗状態となる位置検出センサの個数が変化したとき、その個数に前記比率を乗算して求められる積に基づいて前記移動する利用者の中心位置を測定することと、
を具備することを特徴とする自動改札方法。
【0095】
[6]通行方向上流側に投入口、下流側にアンテナ部を有し、前記投入口から投入される磁気媒体、及びアンテナ部に翳される無線媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内での通行を許可し、或いは禁止する自動改札方法において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサのうちの隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出することと、
前記投入口に磁気媒体が投入されたか否か、或いは前記アンテナ部に無線媒体が翳されたか否かを判別することと、
前記通路内に第1の無札予備判定ポイントとこの第1の無札予備判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札予備判定ポイントを設定することと、
先行する利用者が無線媒体を翳していないと判別されて前記通路内の第1の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の無線媒体の受付を禁止し、先行する利用者が磁気媒体を投入していないと判別されて前記通路内の第2の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の磁気媒体の投入を禁止することと
を具備することを特徴とする自動改札方法。
【0096】
[7] 提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札方法において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサのうちその隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出することと、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別することと、
前記通路内に第1の無札判定ポイントとこの第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントを設定することと、
前記乗車媒体を提示しない判別された利用者が通路内の第1の無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて前記利用者は無札者であると判定することと、
前記無札者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアすることと、
前記無札判定のクリア後、前記無札者が再度、前記第1の無札判定ポイントに向かって移動した場合には前記第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札判定ポイントを設定するとともに、前記第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定することと、
前記無札者が前記第2の無札判定ポイントに到達するのに基づいて無札判定を行ない、この無札判定された利用者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすることと
を具備することを特徴とする自動改札方法。
【0097】
[8] 提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通行路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札方法において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサのうちの隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出することと、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別することと、
前記通路内に無札判定ポイントと、この無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントと、この第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定することと、
前記乗車媒体を提示しないと判別された利用者が通路内の前記無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札者であると判定することと、
前記無札者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアすることと、
この無札判定クリア後、無札者が再度、前記無札判定ポイントに向かって移動するのを検出するのに基づいて無札判定を行ない、この無札者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすること
とを具備することを特徴とする自動改札方法。
【符号の説明】
【0098】
2…投入口、5…ゲート扉、20…位置検出手段、21〜46…位置検出センサ、50…高さ検出手段、51〜53…高さ検出センサ、54…アンテナ部、61…通路、81…IC券(無線媒体/乗車媒体)、85…判定手段、86…判別手段、87…測定手段、88…磁気券(磁気媒体/乗車媒体)、K…基準位置、a…中心位置、P1a…IC券無札予備判定ポイント(第1の無札予備判定ポイント)、P1b…磁気券無札判定ポイント(第2の無札予備判定ポイント)、71…CPU(制御手段)、P2…第1の無札判定ポイント、P3…第1の無札クリアポイント、P2a…第2の無札判定ポイント、P3a…第2の無札クリアポイント。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通行方向上流側に投入口、下流側にアンテナ部を有し、前記投入口から投入される磁気媒体、及びアンテナ部に翳される無線媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内での通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記投入口に磁気媒体が投入されたか否か、或いは前記アンテナ部に無線媒体が翳されたか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に第1の無札予備判定ポイントとこの第1の無札予備判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札予備判定ポイントを設定し、先行する利用者が無線媒体を翳していないと判別されて前記通路内の第1の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の無線媒体の受付を禁止し、先行する利用者が磁気媒体を投入していないと判別されて前記通路内の第2の無札予備判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて後続の利用者の磁気媒体の投入を禁止するように制御する制御手段と
を具備することを特徴とする自動改札装置。
【請求項2】
提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に第1の無札判定ポイントとこの第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントを設定し、前記判別手段で乗車媒体を提示しない判別された利用者が通路内の第1の無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて前記利用者は無札者であると判定し、無札者であると判定された利用者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアする判定手段とを具備し、
前記判定手段は、無札判定がクリアされた利用者が再度、前記第1の無札判定ポイントに向かって移動した場合には前記第1の無札判定ポイントの通行方向上流側に第2の無札判定ポイントを設定するとともに、前記第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定し、前記無札判定がクリアされた利用者が前記第2の無札判定ポイントに到達するのに基づいて無札判定を行ない、この無札判定された利用者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすることを特徴とする自動改札装置。
【請求項3】
提示される乗車媒体の適否を判定し、この判定結果に基づいて通路のゲート扉の開閉を制御することにより、利用者の通行路内の通行を許可し、或いは禁止する自動改札装置において、
前記利用者の通行方向に沿って所定間隔を存して配設される複数個の位置検出センサを有し、その隣接する2個以上が暗状態となることにより、前記利用者の位置を光学的に検出する位置検出手段と、
前記通路内に進入する利用者が乗車媒体を提示したか否かを判別する判別手段と、
前記通路内に無札判定ポイントとこの無札判定ポイントの通行方向上流側に第1の無札クリアポイントを設定し、前記判別手段で乗車媒体を提示しないと判別された利用者が通路内の前記無札判定ポイントに到達したことが検出されるのに基づいて前記利用者が前記乗車媒体を提示しない無札者であると判定し、無札者であると判定された利用者が前記通路内を引き返して前記第1の無札クリアポイントに到達したことが検出されるのに基づいて無札判定をクリアする判定手段とを具備し、
前記判定手段は、前記第1の無札クリアポイントの通行方向上流側の通路出口側に第2の無札クリアポイントを設定し、無札判定がクリアされた利用者が再度、前記無札判定ポイントに向かって移動するのを検出するのに基づいて無札判定を行ない、この無札判定された利用者が引き返して前記第2の無札クリアポイントに到達するのに基づいて無札判定をクリアすることを特徴とする自動改札装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−164359(P2012−164359A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−115929(P2012−115929)
【出願日】平成24年5月21日(2012.5.21)
【分割の表示】特願2006−326073(P2006−326073)の分割
【原出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】