説明

自動車用の照明装置または表示装置

【課題】外観を良好にし、規則上の条件を満たしながら、種々の光学的部品を1つのハウジング内に収容する。
【解決手段】本発明は、交通規則を満たす照明光ビームまたは表示光ビームを形成するように、少なくとも1つの光源(10)と、少なくとも1つの光学的出力系(16)(116)とを備えた、自動車用の照明装置または表示装置に関する。本発明の装置は、光源(10)が放出する光線を受け、平行光線のビーム(14)を光学的出力系(16)(116)に向け、送るようになっているコリメート化要素(12)を有する少なくとも1つの光学的入力系(12)を備え、前記光学的出力系(16)(116)は、照明光ビームまたは表示光ビームを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の照明装置または表示装置に関する。照明装置として、主にディップビーム、メインビーム用ランプ、フォグランプ、または走行用ランプを挙げることができ、また表示装置として、主にポジションランプ、方向変換表示ランプ、ブレーキ表示ランプ、後進表示ランプ、および後方フォグランプを挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
自動車に、これら種々の装置を簡単に設けることができるようにするため、いくつかのランプを、1つのハウジング内にまとめることが通常行われている。これによって、車両に照明または表示装置を設置することが容易となり、更に適当な数のターミナルが設けられた単一のコネクタを使って、自動車の電気器具に、これらの装置を接続することが容易となっている。
【0003】
光源から、一般的な発光方向に放出される光線を反射するレフレクタと、表示器とも称される、設置が可能な場合には、ガラスを内蔵し、これらは、光ビームの形成に寄与したり、寄与しなかったりする。これら種々の部品は、幾何学的特性および照明特性が、種々の交通規則を満たすような照明ビームまたは表示ビームを発生するようになっている。ハウジングまたは表示器を囲むガラスは、一般に同じハウジング内に存在する装置すべてに共通するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、各要素を、個々の照明装置または表示装置内に設けるために、最小のスペースを必要とする。しかし、最新の自動車の前方および後方の双方において、照明装置または表示装置を設置するのに利用できる空間は、次第に狭くなってきている。実際に空気力学的な制約、かつスタイリッシュな設計の制約により、形状は、技術的な要因から得られる形状とは極めて異なってしまうことが多い。
【0005】
多くの場合、照明装置または表示装置の設計者には、同時に次の3つの制約が課せられることになる。
i)光ビームを、自動車の長手方向と平行に発光しなければならない。
ii)ハウジングを囲むガラスを、大きくカーブさせると同時に、垂直線に対して、大きく傾斜させなければならない。
iii)種々の光学系を収納するためのハウジング内で利用できる空間が、比較的小さいこと。
【0006】
照明装置または表示装置、もしくはそれを囲むガラスの外部形状に拘わらず、レフレクタを有するか、または有することなく、拡散スクリーンを有するか、または有することなく、エレクトロルミネッセンスダイオードような光源が、平らな表面に設けられている照明装置または表示装置を提供することは可能である。かかる設計は、低コストではあるが、スタイルが最新の自動車に適した照明装置または表示装置を提供することはできない。
【0007】
例えば、少なくとも一方向にカーブした表示ランプを設けることが望ましい場合、一般に、エレクトロルミネッセンスダイオードが一定の配置に設けられるよう、例えば前方から見たときに、光源がラインとコラムのマトリックスに配置されるように、表示ランプが設けられる。かかる設計には、比較的制約が大きい。更に、照明装置または表示装置が、二方向の曲率を有する場合のほとんどのケースでは、光源を支持する表面を二方向に曲げなければならず、このことは、比較的複雑なことである。
【0008】
これらの問題を克服するために、従来、種々の解決策が提案されている。例えば、フランス国公開特許第FR-A-2680859号には、表示ランプ用のコリメート化光学的部品が開示されている。この部品は、エレクトロルミネッセンスダイオードと共に働く背面を内蔵するエレクトロルミネッセンスダイオードを有する、支持部材に関連するようになっており、この背面は、ステップ状の形状とされており、このステップでは、エレクトロルミネッセンスダイオードに関連する横方向の開口部が、開口している。
【0009】
このような構造によって、ダイオードが適当な位置に設けられた頑丈な光学的素子を設計することが可能となる。このダイオードは、通常、表示ランプを含む支持部材に属するストリップ上に支持され、ダイオードは、ストリップとステップとの間の挟持体として設けることもできるので、表示ランプの控えめな形状にも拘わらず、ダイオードを、適当な位置、特にコリメート化要素内の開口部の焦点、すなわち光学的中心に設けることができる。
【0010】
平らな平面をベースとするマトリックス構造の代わりに、可能な場合には、2つの異なる平面にカーブした形状を有するエレクトロルミネッセンスダイオードの給電回路を構成することが、欧州公開特許第EP-A-1110817号に提案されている。
【0011】
互いに平行な平らな支持体に設けられたエレクトロルミネッセンスダイオード給電回路を製造するためのこの方法は、次のステップを備えている。
−支持体の相対的な位置を決定する。
−互いに平行な支持体に垂直な平面の組が存在するかどうかを判断する。各平面は、少なくとも1つの支持体を貫通し、各平面において支持体は、これら支持体および平面に平行な第2軸線に沿ったX軸と共に均一に変化する、支持体に対して垂直な第1軸線に関連する対応する座標を有する。
−支持体と平行な基準平面を決定する。
−基準平面に対して、同じ投影軸線に従って投影を行い、次に、投影軸線に沿って、支持体の距離と等しい長さだけ、第2軸線に対して並進させることにより、各支持体のイメージを決定する。
−基準平面内に位置するブランチを接続することによって、イメージをリンクする。
【0012】
この引用した明細書は、例えば上に説明した方法を使って製造され、部品のための支持体を備えるエレクトロルミネッセンスダイオードが、共通平面にないようになっている電子部品用の給電回路のためのベースをも開示している。
【0013】
ベースは、平らな形状であり、ベース内に切り欠きを形成することが可能である。従って、互いに平行な折りたたみ部を形成することにより、支持体は、ベースを平坦で、かつ互いに平行となるような形状にすることができ、少なくとも一部の支持体は、折りたたみ部と平行であり、かつ支持体に垂直な単一平面によって遮られている。
【0014】
しかし、この方法は、実施が比較的複雑であり、給電回路のためのベースを折りたたむためのラインを決定するために、ランプの位置を完全に調査しなければならない。そのため、こうして得られる照明装置または表示装置は、スタイリストに対して、開発の可能性を大きくすることはできるが、コストが比較的高くなり、そのため、最高クラスの自動車への適用が制限される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、光源を配置するための2つの次元に共通する平面の利点を維持しながら、簡単かつ安価で、信頼性がある状態で、照明装置または表示装置の外部の幾何学的形状と一致する三次元の特徴を、容易に有することができる照明装置または表示装置を提供するものである。
【0016】
本発明は、少なくとも2つのモジュールを備え、各モジュールは、光源と関連しており、各モジュールは、光源から放出された光線を受光すると共に、平行光線のビームを、光学的出力系まで送り、交通規則を満たす照明光ビーム、または表示光ビームを形成するコリメート化要素を備える光学的入力系を含み、前記光学的入力系と前記光学的出力系とは、単一部品であり、平行光線のビームの経路内に、少なくとも1つの反射表面が位置し、前記光源は、同一の平面状給電回路に位置し、前記光学的出力系が異なる平面に位置する、自動車用の照明または表示装置に関する。
【0017】
本発明によれば、前記光学的出力系が位置する平面は、前記給電回路の平面と0でない角度をなしている。
【0018】
次に、本発明の他の特徴事項を列記する。
−前記光学的入力系と光学的出力系とは、アームによって接続されている。 −前記反射表面は、平面ミラーである。
−前記反射表面は、平面であり、この表面において、平行光線のビームは、全反射を受ける。
−前記コリメート化要素は、収束レンズであり、このレンズの焦点は、光源の近くに位置している。
−前記コリメート化要素は、フレンネルレンズである。
−前記光学的出力系は、少なくとも1つのレンズユニットを含んでいる。
−前記レンズユニットは、複雑な表面を有する。
−前記光学的出力系は、表面を備え、この表面において、平行光線のビームは、全反射を受け、よって、光軸に対して放射状に広がり、更に光線は、レフレクタによって、光軸に実質的に平行な方向に反射される。
−前記レフレクタは、複雑な表面を有し、この表面は、この表面が反射する光線の水平方向かつ垂直方向の分散を保証する。
−前記光源は、エレクトロルミネッセンスダイオードである。
【0019】
添付図面を参照し、次に非限定的に記載する一実施例の説明から、本発明の別の特徴および利点が明らかとなると思う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本明細書では、「前方」なる用語は、照明装置または表示装置からの光ビームが進む方向を意味し、「後方」なる用語は、その逆の方向を意味するものとする。従って、図1では、前方とは右側のことであり、後方とは左側のことである。
【0021】
図1は、本発明に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。この装置は、光源10、例えば図示の例では、エレクトロルミネッセンスダイオードを備えている。
【0022】
光源10から発せられた光線は、光学的コリメート化要素12によって受光される。このコリメート化要素の焦点は、光源10のすぐ近くにある。従って、このコリメート化要素から発せられた光線は、平行光線ビーム14を形成する。
【0023】
次に、平行光線ビーム14は、照明ビームまたは表示ビーム18を形成する光学的出力系16を備える、光学的部材16によって受光される。
【0024】
光学的入力系を含むコリメート化要素は、収束レンズ、例えばフレンネルレンズを使って構成され、光学的出力系は、特に必要とされる照明機能または表示機能を満足するための1つ以上のレンズユニットを内蔵する要素を備えている。光源10と光学的出力系の中心とが、本装置の光軸を構成している。
【0025】
図7A、図7Bおよび図7Cには、光学的出力系16の種々の実施例が示されている。図7Aでは、この光学的出力系は、レンズ部材のグリッドを備え、図7Bでは、8つの側方ユニットによって囲まれたほぼ正方形の中心ユニットから形成され、図7Cでは、単一レンズユニットを備えている。
【0026】
これらのユニットは、光ビームを、水平方向および垂直方向にサブ分割し、交通規則を満たす照明グリッドを形成する「複雑」と称される表面を有する。
【0027】
従って、本発明は、光源に関連した光学的入力系と交通規則を満たす照明ランプビーム、または表示ランプビームを生じさせる光学的出力系との間に、平行な光線の光ビームを形成することを基礎とするものである。
【0028】
このような構造により、入力光源と光学的出力系の出力表面との間の距離を意図的に選択し、平行光線のビーム路の長さを、所望の長さにすることができる。この長さは、この結果生じる純粋に光学的、かつ幾何学的構造の設計上の制限を受けない。
【0029】
別の結果として、例えば上記引用例に記載のように、直角な2つの方向にカーブした複雑な形状の光源のための支持体を設計しなくてもよいようになる。実際に、共通する平らな支持体に、すべての光源を取り付けることができ、これらの光源の各々に関連する光学的入力系は、光源の近くに位置し、光学的入力系は、光学的出力系の方向に平行な光ビームを送ることができ、直角な2つの方向にカーブした表面に、光学的出力系自身を設けることができる。
【0030】
図2は、本発明の変形例に従って構成された照明装置または表示装置の、図1と類似する略図である。図2は、図1と同じ部品を含むが、反射表面、例えば平行光線路14内に、平面状のミラー20が追加されている点が異なる。
【0031】
図2に示すように、この平面状ミラーは、光学的入力系12が送る平行光線の全般的な方向に対して、角度α傾斜している。そのため、平面状ミラー20が反射する光線14の方向は、このミラー20への入射光の方向と角度2αをなしている。
【0032】
図2に示す例では、角度αは、概ね45度であるので、平行光線のビーム14は、概ね直角に向きを変える。
【0033】
光源10は、必ずしも光学的出力装置16の軸線上に設けなくてもよいので、かかる変形例は、本発明に係わる照明装置または表示装置の設計を、よりフレキシブルに行なうことができる。
【0034】
図1または図2の装置に対して、種々の変形実施例を考え付くことができる。第1実施例においては、光学的入力系12は、光学的出力系16と一体部品となっている。従って、光学的入力系12と光学的出力系16との間の空間は、光学的入出力系と同じ透明材料から形成される。
【0035】
従って、照明装置または表示装置は、モノブロックモジュールを形成する単一の三次元状光学的部品から構成され、このモジュールの横方向断面は、円形にすることが好ましい。しかし、装置の光軸に対して対称的な多角形とすることもできる。
【0036】
使用される透明材料は、例えばポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはガラスでもよい。
【0037】
この実施例では、光学的入出力系は、この空間の最も端の表面に形成される。光学的入力系を含むコリメート化要素は、例えば光源と反対の表面に付与された凹状形状に形成することができる。また、装置を含む材料の反射率によっては、フレンネルレンズを含む同心状の円形溝によって形成することもできる。
【0038】
このような実施例は、光学的入出力系の入出力表面での寄生反射による光の損失を防止できるという利点を有する。
【0039】
図2の変形例の場合、光線14が材料内の全反射を受ける平面状表面を介して、平面状ミラー20が得られる。従って、この平面状の表面が光学的入力系の光軸となす角度αは、全反射のための制限角、すなわちブルースター角よりも大きくする必要がある。
【0040】
このブルースター角は、装置を形成するのに使用される材料の屈折率、およびこの材料が浸漬されている媒体、一般に大気の屈折率に応じて決まる。この大気の屈折率は、1単位に等しいものとする。上記の材料の場合、この制限角は、ポリカーボネート(PC)の場合、概ね40度に等しく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の場合、概ね43度に等しい。
【0041】
第2実施例によれば、光学的入力系12および光学的出力系16は、互いに分離されており、従って、光学的入力系12と光学的出力系16との間の空間は、ある容積を有する。この場合、光学的入力系と光学的出力系とを、全体として互いに独立させることができ、各光学系は、光学系が比較的固定された位置を有するように、装置の光軸と整合した位置を有するように保証する支持部材によって支持される。
【0042】
これらの光学系は、前の実施例における三次元状光学的部品の端に位置していてもよく、この光学的部品は、中空モジュールを形成するよう、図3に示すように、中空部22を有するものとされている。
【0043】
中空部22は、任意の方法で形成でき、光学的入力系と光学的出力系の双方は、少なくとも1本のアーム24によって支持されているが、図示の例では、2本のアームが、光学的入力系と光学的出力系とを接続している。
【0044】
中空部22の幅Lは、アーム24が最小の剛性を有することができるように選択されている。
【0045】
図3に示す例では、中空部22は、長方形の平行六面体の形状となっているが、装置の光軸に対して対称的であることが好ましい柱状の任意の形状でもよい。
【0046】
当然ながら、光学的入力系12から発せられた平行光線は、アーム24を形成する透明材料を通過することにより、光学的出力系16に到達する。従って、本発明に従い、第1実施例のように、モノブロックモジュール形状の装置の構造、または第2実施例のように中空形状の装置の構造は、光学的出力系16に到達する光束の量に影響しない。
【0047】
この第2実施例の利点は、第1実施例と同じ結果を得るのに、少ない量の材料でよいことである。従って、このように構成された装置は、軽量で、かつ低コストとなり、かかる中空部が設けられた装置は、モールド成形できるので、製造がより容易であり、最適な状態で材料の冷却が行われ、従って、例えばアーム24の平均厚みを最小にすることにより、冷却中の熱交換がより良好となるように、本発明に係わる装置の構造を最適にすることが可能となる。
【0048】
図2に示す変形例の場合、平面状ミラー20を、光学的入力系と光学的出力系との間に保持されたミラーと見なすことができる。この平面状ミラーは、光線14が全反射を受ける平面状表面を通して、前の実施例と同じように得ることもできる。
【0049】
光学的入力系12および全反射表面は、例えば単一部品から製造でき、この場合、図6に示すように、全反射表面と光学的出力系との間に中空部を設けることができる。
【0050】
どのような変形例、または製造方法を選択するにせよ、これまで説明したいくつかの実施例を、互いに作用し、同じ照明機能または表示機能を達成できるように、関連づけることができる。この方法は、2つの変形例に対する図4および図6に示されている方法である。これらの図では、いくつかのモジュール、実際には、3つのモジュールを関連させることができる。
【0051】
より詳細に説明すれば、光源10、すなわち図示の例では、エレクトロルミネッセンスダイオードは、同じ給電回路26に設けられており、この給電回路26は、本発明により、平面形状とすることができる。
【0052】
これらエレクトロルミネッセンスダイオードの各々は、エレクトロルミネッセンスダイオードの近くに位置する光学的入力系と関連している。
【0053】
本発明によると、互いに並置された異なる長さとなるよう、例えば長さが次第に短くなるよう、いくつかのモジュールを設けることが可能である。このためモジュールの組によって達成される照明機能または表示機能を、これらのモジュールを含むハウジングを収容するガラスの非平面状形状に合わせるように、異なる平面に、光学的出力系16を設けることができる。この場合、自動車のスタイリストまたはメーカーによって、このガラスの形状を定めることができる。
【0054】
従って、光学的出力系16がいずれも異なる平面に位置し、照明ビームまたは表示ビームが発せられる全般的な方向に実質的に垂直、すなわち自動車の長手方向軸線とほぼ平行な方向に、実質的に垂直となるようにし、かつ、前記軸線に対して傾斜するか、または垂直となっている1つの平面に、すべての光源が位置するように、光学的出力系16を設けることができる。
【0055】
図8は、表面116を含む光学的出力系の第2実施例を示す。この表面116は、例えば中心部分118を有し、この中心部分を、平行な光線のビーム14が通過する。
【0056】
中心部分118は、図7A、図7Bおよび図7Cに示すレンズユニットのように、水平方向または垂直方向に放出される光ビームを分散させることができる。
【0057】
表面116は、全体として切頭円錐形をした環状部分120を有するものとすることもでき、この環状部分120において、ビームの平行光線14は全反射され、本発明に係わる装置の光軸に対して、放射状に広がる。この放射状の光線114は、レフレクタ30に入射する。レフレクタ30は、端部116と一体的な部品となっており、レフレクタ30は、次にこれらの光線を、図8に示すように、装置の光軸と実質的に平行な方向に反射する。
【0058】
レフレクタ30は、このレフレクタが反射する光線を、水平方向かつ垂直方向に分散させる複雑な表面を含むことが好ましい。
【0059】
図9および図10は、この第2実施例に従って構成された照明装置または表示装置の外観を示す。
【0060】
変形例(図示せず)として、表面116全体を、円錐形部分、例えば120を備えるものとし、ビーム14内のすべての光線を径方向に全反射するような装置を設けることもできる。この場合、このビーム内の光線は、直接透過されず、中心部分118のように、透過を可能にするような部分は存在しない。
【0061】
上に説明した本発明の種々の特徴事項を、共に組み合わせるか、またはだぶらせて、種々のニーズを満たすようにすることもできる。
【0062】
例えば、図11に示すような装置を形成するように、図2を参照して説明した全反射面またはミラー自身を、これらをミラーが含むかどうかに応じて、装置に2つのリターンミラー20を設けることも可能である。
【0063】
かかる構造によって、単一出力表面、例えば16、または116のようなレフレクタが取り付けられた表面に対して、エレクトロルミネッセンスダイオードのような光源10の位置を、よりフレキシブルにすることができる。
【0064】
従って、出力表面は、図7A、図7Bおよび図7Cに示されたタイプのものでよく、これらの表面自身は、この表面を通過する光線の分散を保証するか、またはこれら表面を、図8〜図10に示されたレフレクタに関連させることができる。
【0065】
図12に示し、上に説明したように、1つの光源10を、いくつかの装置に関連づけることもできる。これを実現するには、図11を参照して説明したように、いくつかの装置の間に、入力装置12によって形成される平行ビーム14の一部を分散するよう、光学的入力装置12から下流側に、リターンミラー20を設ける。
【0066】
図12に示すように、1つの光源10を、上に説明したようないくつかの装置に関連させることも可能である。このことを実行するには、光学的入力装置12の下流側に、リターンミラー20を設け、図1を参照して説明したようないくつかの装置の間に、入力装置12によって形成される平行光ビーム14の一部を分散させる。
【0067】
図12および図13に示された装置の出力表面は、出力表面自身がこれら表面を通過する光ビームの分散を保証するような、図7A、図7Bおよび図7Cに示されたタイプの出力表面でもよいし、またこれらの出力表面を、図8〜図10に示すレフレクタに関連させてもよい。
【0068】
最後に、光を戻す原理を、例えば図12の装置で実施し、図14に示された装置を得ることも可能である。この図14に示された装置では、光源を通過する光線の分散を自ら保証する図7A、図7Bおよび図7Cに示されたタイプに拘わらず、いくつかの光源を、1つの出力装置に関連させるか、いくつかの光源を、図8〜図10に示されたレフレクタと関連させてもよい。
【0069】
前と同じように、このような設計は、平行中間ビームを形成することにより、光学的出力系から独立して設けることができる光源の間の位置を、よりフレキシブルにすることができるだけでなく、図13の装置に類似する装置において、単一出力に対し、例えば6個の光源を使用することにより、出力光束を、極めて大きくしたり、順次異なる色で点灯する光源を使用することにより、異なる効果を得ることも可能である。
【0070】
従って、光源を取り付けるための共通する二次元状平面の利点のすべてを維持しながら、美的な効果または空気力学的な効果を満たすように、三次元状にカーブした外側エンベロープに容易に適合できる照明装置または表示装置を、簡単に得ることができる。
【0071】
当然ながら、本発明は、上に説明した実施例だけに制限されるものではなく、当業者であれば、本発明の範囲内で、これら実施例を変形することができると思う。例えば、上記屈折系の代わりに、光学的入力系におけるコリメート化要素として、焦点に設置された光源を有する放物面ミラーを使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。
【図2】本発明の変形実施例に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。
【図3】図1の照明装置または表示装置の等角斜視図である。
【図4】図1に示された照明装置または表示装置の一実施例の等角斜視図である。
【図5】図2に示された照明装置または表示装置の等角斜視図である。
【図6】図2に示された照明装置または表示装置の一実施例の等角斜視図である。
【図7A】図1または図2に示された装置に関連して使用できる光学的出力装置の例を示す。
【図7B】図1または図2に示された装置に関連して使用できる光学的出力装置の例を示す。
【図7C】図1または図2に示された装置に関連して使用できる光学的出力装置の例を示す。
【図8】図1〜図6に示された装置のための出力として使用できる照明ビームまたは表示ビームを形成する光学的部材の第2実施例の横断面図である。
【図9】図8における第2実施例の4分の3前方の等角前方斜視図である。
【図10】4分の3後方からの、図9に類似した図である。
【図11】本発明の第2実施例に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。
【図12】本発明の第3変形実施例に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。
【図13】図12の第3変形例を具現化した照明装置または表示装置の4分の3前方の等角斜視図である。
【図14】本発明の第4実施例に従って構成された照明装置または表示装置の略図である。
【符号の説明】
【0073】
10 光源
12 コリメート化要素
14 平行光線ビーム
16、116 光学的出力系
20 反射表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのモジュールを備え、各モジュールは光源(10)と関連しており、各モジュールは光源(10)から放出された光線を受光すると共に、平行光線のビーム(14)を光学的出力系(16)(116)まで送り、交通規則を満たす照明光ビーム、または表示光ビームを形成するコリメート化要素(12)を備えた光学的入力系(12)を有し、前記光学的入力系(12)と前記光学的出力系(16)(116)とは単一部品であり、平行光線のビーム(14)の経路内に少なくとも1つの反射表面(20)に位置し、前記光源(10)は、同一の平面状給電回路(20)に位置し、前記光学的出力系(16)(116)は、異なる平面に位置する、自動車用の照明または表示装置において、
前記光学的出力系(16)(116)が位置する平面は、前記給電回路(26)の平面と0でない角度をなすことを特徴とする、照明または表示装置。
【請求項2】
前記光学的入力系(12)と前記光学的出力系(16)(116)とは、アーム(24)によって接続されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記反射表面(20)は、平面ミラー(20)であることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記反射表面(20)は、平面状表面であり、この表面において、平行光線のビーム(14)は、全反射を受けるようになっていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記コリメート化要素(12)は、収束レンズであり、このレンズの焦点は、光源(10)の近くに位置していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の装置。
【請求項6】
前記コリメート化要素(12)は、フレンネルレンズであることを特徴とする、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記光学的出力系(16)は、少なくとも1つのレンズユニットを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記レンズユニットは、複雑な表面を有することを特徴とする、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記光学的出力系(116)は、表面(12)を有し、この表面(12)において、平行光線のビーム(14)は、全反射を受け、よって光軸に対して放射状に広がり、更に光線は、レフレクタ(30)によって、光軸と実質的に平行な方向に反射されるようになっていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記レフレクタ(30)は、複雑な表面を有し、この表面は、この表面が反射する光線の水平方向かつ垂直方向の分散を保証するようになっていることを特徴とする、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記光源(10)は、エレクトロルミネッセンスダイオードであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−35626(P2007−35626A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197632(P2006−197632)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】