自動車用ドアグラスランの水抜き構造
【課題】室外側シールリップを乗り越えて浸入してきた水の排水対策をコーナー型成形部の構造を複雑化することなく且つ比較的単純な構造で実現した水抜き構造を提供する。
【解決手段】コーナー型成形部3Cのうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部12に、ガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側への排水機能を持つ水抜き穴13を形成する。水抜き穴13には断面略チャンネル状のドリップチャンネル14をガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側へ向けて斜めに形成する。水抜き穴13の上方側に風音防止壁部15を設けるとともに、上記水抜き穴13から排水された水を縦辺部相当部12の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブ16を形成する。
【解決手段】コーナー型成形部3Cのうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部12に、ガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側への排水機能を持つ水抜き穴13を形成する。水抜き穴13には断面略チャンネル状のドリップチャンネル14をガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側へ向けて斜めに形成する。水抜き穴13の上方側に風音防止壁部15を設けるとともに、上記水抜き穴13から排水された水を縦辺部相当部12の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブ16を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアサッシュの内周に配設されてドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランの水抜き構造に関し、特にドアサッシュのコーナー部に相当するコーナー型成形部での水抜き構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように自動車のドアサッシュの内周に配設されるドアグラスランは、ドアガラス閉時にドアガラスを受容することになる断面略チャンネル状のグラスラン本体部を主要素として構成されていて、そのグラスラン本体部の室内側および室外側の開口縁にそれぞれシールリップを設けて、当該シールリップ反力をもって雨水等の浸入を防止するようになっている。
【0003】
その一方、近年の高圧洗車機の普及に伴い高い水圧下において洗車を行った場合には、室外側シールリップの反力だけでは水滴の浸入を完全には防止できず、その室外側シールリップを乗り越えて当該室外側シールリップの裏側に水が溜まることがある。このような室外側シールリップの裏側に水が溜まるような現象がドアサッシュの上辺部に相当する部分で発生した場合、その水はドアグラスラン長手方向に流れた上でコーナー型成形部を経てドアグラスランのうちドアサッシュ縦辺部に相当する部分(ピラーに沿う部分)に沿って流れることになるが、室外側シールリップの裏側で保有できる排水量を超えてしまうと流れ方向が大きく変化するコーナー型成形部にてそれらの水が室内側に浸入してしまうことになる。
【0004】
特に上記コーナー型成形部では、室内側シールリップであるか室外側シールリップであるかにかかわらず一般部に比べて各シールリップの反力が不足気味になりやすく、しかも各シールリップ共に当該コーナー型成形部と一般部との接合部においてわずかながら段差が発生することになるため、室内側シールリップを乗り越えて水が室内側に浸入しやすい傾向となる。
【0005】
このような水の排水対策、特にドアグラスランのうちドアサッシュの上辺部に相当する部分に溜まった水の排水対策として、例えば特許文献1に記載のように、ドアグラスランのうちコーナー型成形部からドアサッシュ縦辺部に相当する部分(ピラーに沿う部分)にかけて、例えばそのグラスラン本体部の底面部に管状部を形成して、積極的に排水するようにしたものが提案されている。
【特許文献1】特開2002−19459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようにドアグラスランのうちコーナー型成形部からドアサッシュ縦辺部に相当する部分にかけてその底面部に排水用の管状部を形成した場合、ドアグラスラン本体の底面部とドアガラスとの間のクリアランスが従来よりも小さくなり、ドアグラスラン本来の機能の低下をもたらすおそれがあるほか、管状部の設定のためにコーナー型成形部の構造が複雑化して成形性が悪くなることとなって好ましくない。
【0007】
また、ドアガラスの昇降時にいわゆる転び現象が発生した場合、ドアガラスの端部により管状部が圧迫され、管状部本来の排水機能に支障をきたすおそれがある。
【0008】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に室外側シールリップを乗り越えて浸入してきた水の排水対策をコーナー型成形部の構造を複雑化することなく且つ比較的単純な構造で実現し、もって室外側シールリップを乗り越えて浸入してきた水の室内側へのさらなる浸入を簡易な構造のもとで確実に防止できるようにした水抜き構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、ドアサッシュの内周に配設されるとともにドアサッシュのコーナー部に相当する部分にコーナー型成形部を備えていて、ドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランにして、上記コーナー型成形部のうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部に、ガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側への排水機能を持つ水抜き穴を形成したことを特徴とする。
【0010】
この場合、請求項2に記載のように、上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることが排水機能の向上の上で望ましい。
【0011】
より具体的には、例えば請求項3に記載のように、上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものとする。
【0012】
また、水抜き穴を設けたことによる二次的不具合を防止する上では、請求項4に記載のように、上記縦辺部相当部の背面側において、水抜き穴の開口よりも上方側に当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部を設けることが望ましい。
【0013】
さらに、上記水抜き穴から排水された水を積極的に車室外側へ誘導するためには、請求項5に記載のように、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成することが望ましい。
【0014】
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、コーナー型成形部において室内側に浸入した水があっても、それらの水はコーナー型成形部の縦辺部相当部において水抜き穴から縦辺部相当部の背面側へと排水され、少なくともドアグラスランのガラス受容空間内に水を保有していることはなくなる。そして、請求項2に記載のように、水抜き穴にガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあったり、あるいは請求項3に記載のように、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであると、縦辺部相当部の背面側への排水性能が一段と顕著となる。その上、請求項5に記載のように、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成してあると、上記水抜き穴から排水された水を積極的に室外側へ誘導することが可能となる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1の記載の記載を前提とした上で、上記水抜き穴から排水された水の流れ方向をより積極的に制御するべく、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面に沿って下方に排水するべく、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことを特徴とする。
【0016】
この場合において、請求項2に記載のものと同様に誘導部材を付設することが望ましく、より具体的には請求項7に記載のように上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものとし、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあるものとする。より望ましくは請求項3に記載のものと同様に、請求項8に記載のように上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成するものとする。
【0017】
さらに請求項4に記載のものと同様に、請求項9に記載のように上記排水管は水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部としての機能を併せ持っていることが望ましい。
【0018】
ここで、いわゆるフルプレスドアのように、ドアサッシュが断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されていて、且つドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れている場合には、請求項10に記載のように、上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませることが排水性能の向上の上で望ましい。
【0019】
したがって、少なくとも請求項6に記載の発明では、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことで、上記水抜き穴から排水された水の流れ方向をより積極的に制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、コーナー型成形部において一旦室内側に浸入した水を水抜き穴をもって縦辺部相当部の背面側へ排水することができるので、ドアグラスラン本来の機能の低下をもたらすことなく、さらなる車室内側への水を浸入を未然に防止することができることはもちろんのこと、コーナー型成形部の構造の複雑化や成形性の悪化をもたらすことなく、必要十分な排水機能を確保することが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へと水抜き穴を貫通形成し、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることから、特に縦辺部相当部の背面側へと排水した水の室内側への再浸入を確実に防止することが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることから、その捕集機能のために上辺部相当部側から伝い落ちる水のほか同部位においてドアガラスから伝い落ちる水を確実に縦辺部相当部の背面側へと誘導できるようになってその排水性能が一段と向上する。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、水抜き穴の開口よりも上方側に風音防止壁部を設けたことから、水抜き穴を形成したことに伴う二次的不具合、すなわち当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音の発生を防止できる利点がある。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接してバッフルリブを突出形成したことから、水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において車室外側へ確実に誘導することができ、排水された水の室内側への再浸入を確実に防止できる利点がある。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1の記載を前提とした上で、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことから、排水された水の室内側への再浸入を確実に防止できるほか、排水経路が安定化して排水性能が向上する利点がある。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6の記載を前提として請求項2の記載と同様に斜状の誘導部材を付設したものあるから、請求項2に記載の発明と同様に、特に縦辺部相当部の背面側へと排水した水の室内側への再浸入を確実に防止することができる利点がある。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の記載を前提として請求項3と同様に、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることから、その捕集機能のために上辺部相当部側から伝い落ちる水のほか同部位においてドアガラスから伝い落ちる水を確実に縦辺部相当部の背面側へと誘導できるようになってその排水性能が一段と向上する利点がある。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6〜8のいずれかの記載を前提とした上で、請求項4に記載の発明と同様に、水抜き穴の開口よりも上方側に風音防止壁部を設けたことから、水抜き穴を形成したことに伴う二次的不具合、すなわち当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音の発生を防止できる利点がある。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、いわゆるフルプレスドアのように、ドアサッシュが断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されていて、且つドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れていることを前提として、上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませることから、サッシュ本体の背面側に確実に排水できるようになり、その排水性能が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1〜7は本発明のより具体的な実施の形態を示す図であり、特に図2は図1に示した自動車の右側フロントドア1のコーナー部aにおけるドアグラスラン3を単体の状態で車室内側から見た図を、図3は図2を後側(右側)から見た斜視図を、図4の(A)は図2の右側面図を、同図(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図をそれぞれ示している。なお、フロントドア1は、図5〜7に示すようにドアサッシュ2のサッシュフレーム2a,2bがドア本体のドアアウタパネルおよびドアインナパネルと一体成形されたいわゆるプレスドアもしくはフルプレスドアと称されるタイプのものである。
【0031】
図2〜4に示すように、フロントドア1のドアサッシュ2の内周に沿って配設されるドアグラスラン3は、周知のようにドアサッシュ2の上辺部2Aに沿うことになるグラスラン一般部3Aと、同じくドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うことになるグラスラン一般部3B、およびそれらグラスラン一般部3A,3B同士に間に介在することになるコーナー型成形部3Cとを、接合線4a,4bをもって接合一体化することにより構成されている。そして、グラスラン一般部3A,3Bはそれぞれ例えば図5のような均一断面形状のものとして押出成形されたものであるのに対して、コーナー型成形部3Cはグラスラン一般部3A,3Bの端末部同士をつなぎ合わせるべく金型成形され、その断面形状は例えば図6,7のような形状となっている。
【0032】
このようなドアグラスラン3は、図5〜7にも示すようにガラス受容空間Rを形成することになる断面略チャンネル状のグラスラン本体部4の開口縁に、昇降式のドアガラスGを挟んで車室外側に位置することになるアウタシールリップ5と車室内側に位置することになるインナシールリップ6とをそれぞれ内方に向かって斜めに突出形成してあり、さらにインナシールリップ6の反対側にはパネルリップ7を突出形成してある。そして、ドアグラスラン3をドアサッシュ2のサッシュ本体2cに嵌合させつつパネルリップ7をサッシュフレーム2bに弾接させ、各保持リップ8,9をサッシュ本体2c側の係止突起10,11に係合させることで位置決め保持させてある。
【0033】
ここで、図5〜7から明らかなように、ドアサッシュ2はドアインナパネルと一体のインナ側サッシュフレーム2bおよびドアアウタパネルと一体のアウタ側のサッシュフレーム2aのほか断面略チャンネル状のサッシュ本体2cとで構成されているものであるが、図2に示すようにドアサッシュ2の上辺部2A側のサッシュ本体2cとドアサッシュ2の縦辺部2B側のサッシュ本体2cは共にコーナー型成形部3Cに相当する部分で途切れていて、両者は実質的に不連続となっている。
【0034】
図2のほか図3,4,7に示すように、上記コーナー型成形部3Cのうちドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うことになる縦辺部相当部12には、ガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側への排水機能を具備させるべくそのグラスラン本体部4の底面に矩形状の水抜き穴13を貫通形成してある(なお、図2〜4では、断面図ではないにもかかわらず、水抜き穴13の位置をわかりやすくするために該当部位にハッチングを施してある)。さらにこの水抜き穴13の下半部には、誘導部材としてガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側へ向けて傾斜した断面略チャンネル状のドリップチャンネル14を一体に形成してある(なお、図2〜4では、断面図ではないにもかかわらず、ドリップチャンネル14の位置をわかりやすくするために該当部位にハッチングを施してある)。このドリップチャンネル14は水抜き穴13の一部を形成しつつその上面側が開口しているものであるから、後述するように縦辺部相当部12においてグラスラン本体部4内の底面を伝い落ちる水滴を積極的に捕集しつつ縦辺部相当部12の背面側へ誘導する機能を有している。そして、図4,7に示すように、ドアガラスGを上昇させた時にはそのドアガラスGの端縁を積極的にドリップチャンネル14に圧接もしくは弾接させるように設定してある。なお、このドリップチャンネル14は、水抜き穴13を形成したことに伴うグラスラン本体部4の底面の剛性低下を補う機能も併せ持っている。
【0035】
上記縦辺部相当部12の背面において水抜き穴13よりも上方位置にはいわゆる庇状の風音防止壁部15を突出形成してあり、この風音防止壁部15は車両走行時の水抜き穴13からの走行風の進入とそれに伴う風音の発生を防止する機能を有している。
【0036】
さらに、上記縦辺部相当部12の背面において上記水抜き穴13に近接する一側部にはその長手方向に沿ってバッフルリブ16を突出形成してあり、このバッフルリブ16の上端は風音防止壁部15に連続している一方、バッフルリブ16の下端部は斜状壁部16aをもって漸次室外側に変位しているとともに、最終的には接合線4bに相当する位置であって且つ縦辺部相当部12の背面のうち最も室外側の部分で収束している。
【0037】
そして、上記風音防止壁部15およびバッフルリブ16は共に同じ高さに設定してあり、図4に示すようにドアグラスラン3がドアサッシュ2に正しく位置決め保持されている状態では、風音防止壁部15およびバッフルリブ16は共にサッシュ本体2cの内底面に圧接している。
【0038】
ここで、例えばドアグラスラン3のうちドアサッシュ2の上辺部2Aに沿うグラスラン一般部3Aにおいてアウタシールリップ6の裏側(アウタシールリップ6とグラスラン本体部4とのなす溝状空間)に水が溜まった場合、その水は長手方向に流れた上でコーナー型成形部3Cの同等部位を経てドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うグラスラン一般部3B側へと排水されることになるが、特に流れ方向が大きく変化するコーナー型成形部3Cにおいて上記アウタシールリップ6の裏側空間で保有できる排水量を超えるとガラス受容空間R内においてドアガラスGの位置よりも室内側、例えばインナシールリップ5の裏側にまで水が浸入してしまうことがあることは先に述べたとおりである。そして、特にコーナー型成形部3Cでは、グラスラン一般部3A,3Bに比べてアウタ、インナの各シールリップ5,6の反力が不足しがちな傾向にあるため、例えば高圧な洗車水がアウタシールリップ6のシール面を乗り越えて室内側に進入することがあるほか、さらにその水がインナシールリップ5のシール面を乗り越えて室内側に浸入もしくは滴下することがある。
【0039】
そこで、本実施の形態のドアグラスラン3の水抜き構造では、コーナー型成形部3Cにおいて少なくともアウタシールリップ6のシール面よりも室内側に浸入した雨水等をドリップチャンネル14にて積極的に捕集した上で水抜き穴13から縦辺部相当部12の背面側へ排水しようとするものである。
【0040】
より具体的には、コーナー型成形部3Cの縦辺部相当部12のうち水抜き穴13に相当する位置では、流れ方向を大きく変えた上で上方より流下する水が上向きで開口しているドリップチャンネル14にて捕集されて水抜き穴13からその縦辺部相当部12の背面側へと排水される。同時に、ドアガラスGが上昇しているドアガラス閉時においては図4の(B)に示すようにドアガラスGの端縁がドリップチャンネル14に干渉するかの如くそのドリップチャンネル14に圧接もしくは弾接しているため、そのドアガラスGの端縁に沿って流下する水Dもドリップチャンネル14にて捕集されて水抜き穴13から排水されることになる。これによりコーナー型成形部3Cから室内側への水漏れを未然に防止できるようになる。
【0041】
そして、縦辺部相当部12の背面側では、その縦辺部相当部12に突出形成された風音防止壁部15およびバッフルリブ16がドアサッシュ2のサッシュ本体2cに圧接もしくは弾接していわゆる管状通路を形成しているため、上記水抜き穴13から排水された水は管状通路を形成しているバッフルリブ16に案内されながら流下することになる。特にバッフルリブ16の下端部では当該部位が斜状壁部16aとして漸次室外側に変位しているため、上記のように水抜き穴13から排水された水は、最終的にはグラスラン一般部3Bとサッシュ本体2cとで囲まれた空間のうち室外側の部分に排水されることになる。これによって一旦排水された水の室内側への再浸入を防止できるようになる。
【0042】
また、上記縦辺部相当部12の背面側において、水抜き穴13の開口部よりも上方側にいわゆる庇状の風音防止壁部15を設定してあるため、車両走行に伴う水抜き穴13からの風の進入およびそれに伴う風音の発生を未然に防止できることになる。
【0043】
図8〜12は本発明の第2の実施の形態を示し、先に説明した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0044】
この第2の実施の形態では、コーナー型成形部3Cのうち縦辺部相当部12の背面側において、図3,4に示したところのバッフルリブ16と風音防止壁部15とを完全一体化するべく、矩形閉断面構造の管状通路としての排水管17を形成したものである。
【0045】
この排水管17はその上端部において水抜き穴13を流入側とするべくその水抜き穴13と連通している一方、その下端の吐出穴18をドアサッシュ2の縦辺部2B側のサッシュ本体2cの背面側に開口させるように臨ませてある。また、排水管17の内底面側ではドリップチャンネル14の底壁面をそのまま延長させるようにして下方外側に向かって傾斜させてあり、その結果、排水管17としては下方に至るにしたがって漸次その有効開口面積が小さくなるような形状となっている。そして、特に図10,12に示すように排水管17の下端部はサッシュ本体2cの上端よりも下方位置まで延長形成してあるとともに、図8〜11に示すようにその下端部をサッシュ本体2cの上端部の上に乗り上げるようにして係止させてある。
【0046】
なお、排水管17の上端の斜壁部17aは第1の実施の形態の風音防止壁部15と同等の機能を有している。
【0047】
したがって、この第2の実施の形態によれば、先に説明した第1の実施の形態と同様の排水機能が発揮されることはもちろんのこと、水抜き穴13から排水した水を排水管17を通して下方に排出するため、その排水効率が良好なものとなるほか、排水管17の下端部をサッシュ本体2cの上端部の上に乗り上げるように位置させてあるため、排水管17からの水をサッシュ本体2cの外側に確実に排水できるようになり、排水後の水の室内側への再浸入をより確実に防止できるようになる。その上、排水管17の下端部をサッシュ本体2cの上端部に係止させて位置決めしてあるため、排水管1からの水を指向性を持たせて排水できる故に、その水をドア本体側の水抜き穴に誘導して、完全に室外側に排水できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】自動車の後斜視図。
【図2】本発明のより具体的な第1の実施の形態を示す図で、図1のa部のドアグラスランを室内側から見た要部説明図。
【図3】図2に示したドアグラスランの後斜視図。
【図4】(A)は図2に示すドアグラスランの右側面図、(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図。
【図5】図2に示ドアグラスランのグラスラン一般部での拡大断面図。
【図6】図2のB−B線に沿う拡大断面図。
【図7】図2のC−C線に沿う拡大断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図2の同等部位の要部説明図。
【図9】(A)は図8に示すドアグラスランを方向を変えて見た斜視図、(B)は同図(A)のb部拡大図。
【図10】(A)は図8に示すドアグラスランの右側面図、(B)は同図(A)のG−G線に沿う断面図。
【図11】図8のE−E線に沿う拡大断面図。
【図12】図8のF−F線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0049】
2…ドアサッシュ
2a…サッシュフレーム
2b…サッシュフレーム
2c…サッシュ本体
2B…ドアサッシュの縦辺部
3…ドアグラスラン
3A…グラスラン一般部
3B…グラスラン一般部
3C…コーナー型成形部
12…縦辺部相当部
13…水抜き穴
14…ドリップチャンネル(誘導部材)
15…風音防止壁部
16…バッフルリブ
17…排水管
17a…斜状壁部(風音防止壁部)
G…ドアガラス
R…ガラス受容空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアサッシュの内周に配設されてドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランの水抜き構造に関し、特にドアサッシュのコーナー部に相当するコーナー型成形部での水抜き構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように自動車のドアサッシュの内周に配設されるドアグラスランは、ドアガラス閉時にドアガラスを受容することになる断面略チャンネル状のグラスラン本体部を主要素として構成されていて、そのグラスラン本体部の室内側および室外側の開口縁にそれぞれシールリップを設けて、当該シールリップ反力をもって雨水等の浸入を防止するようになっている。
【0003】
その一方、近年の高圧洗車機の普及に伴い高い水圧下において洗車を行った場合には、室外側シールリップの反力だけでは水滴の浸入を完全には防止できず、その室外側シールリップを乗り越えて当該室外側シールリップの裏側に水が溜まることがある。このような室外側シールリップの裏側に水が溜まるような現象がドアサッシュの上辺部に相当する部分で発生した場合、その水はドアグラスラン長手方向に流れた上でコーナー型成形部を経てドアグラスランのうちドアサッシュ縦辺部に相当する部分(ピラーに沿う部分)に沿って流れることになるが、室外側シールリップの裏側で保有できる排水量を超えてしまうと流れ方向が大きく変化するコーナー型成形部にてそれらの水が室内側に浸入してしまうことになる。
【0004】
特に上記コーナー型成形部では、室内側シールリップであるか室外側シールリップであるかにかかわらず一般部に比べて各シールリップの反力が不足気味になりやすく、しかも各シールリップ共に当該コーナー型成形部と一般部との接合部においてわずかながら段差が発生することになるため、室内側シールリップを乗り越えて水が室内側に浸入しやすい傾向となる。
【0005】
このような水の排水対策、特にドアグラスランのうちドアサッシュの上辺部に相当する部分に溜まった水の排水対策として、例えば特許文献1に記載のように、ドアグラスランのうちコーナー型成形部からドアサッシュ縦辺部に相当する部分(ピラーに沿う部分)にかけて、例えばそのグラスラン本体部の底面部に管状部を形成して、積極的に排水するようにしたものが提案されている。
【特許文献1】特開2002−19459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようにドアグラスランのうちコーナー型成形部からドアサッシュ縦辺部に相当する部分にかけてその底面部に排水用の管状部を形成した場合、ドアグラスラン本体の底面部とドアガラスとの間のクリアランスが従来よりも小さくなり、ドアグラスラン本来の機能の低下をもたらすおそれがあるほか、管状部の設定のためにコーナー型成形部の構造が複雑化して成形性が悪くなることとなって好ましくない。
【0007】
また、ドアガラスの昇降時にいわゆる転び現象が発生した場合、ドアガラスの端部により管状部が圧迫され、管状部本来の排水機能に支障をきたすおそれがある。
【0008】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に室外側シールリップを乗り越えて浸入してきた水の排水対策をコーナー型成形部の構造を複雑化することなく且つ比較的単純な構造で実現し、もって室外側シールリップを乗り越えて浸入してきた水の室内側へのさらなる浸入を簡易な構造のもとで確実に防止できるようにした水抜き構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、ドアサッシュの内周に配設されるとともにドアサッシュのコーナー部に相当する部分にコーナー型成形部を備えていて、ドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランにして、上記コーナー型成形部のうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部に、ガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側への排水機能を持つ水抜き穴を形成したことを特徴とする。
【0010】
この場合、請求項2に記載のように、上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることが排水機能の向上の上で望ましい。
【0011】
より具体的には、例えば請求項3に記載のように、上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものとする。
【0012】
また、水抜き穴を設けたことによる二次的不具合を防止する上では、請求項4に記載のように、上記縦辺部相当部の背面側において、水抜き穴の開口よりも上方側に当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部を設けることが望ましい。
【0013】
さらに、上記水抜き穴から排水された水を積極的に車室外側へ誘導するためには、請求項5に記載のように、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成することが望ましい。
【0014】
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、コーナー型成形部において室内側に浸入した水があっても、それらの水はコーナー型成形部の縦辺部相当部において水抜き穴から縦辺部相当部の背面側へと排水され、少なくともドアグラスランのガラス受容空間内に水を保有していることはなくなる。そして、請求項2に記載のように、水抜き穴にガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあったり、あるいは請求項3に記載のように、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであると、縦辺部相当部の背面側への排水性能が一段と顕著となる。その上、請求項5に記載のように、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成してあると、上記水抜き穴から排水された水を積極的に室外側へ誘導することが可能となる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1の記載の記載を前提とした上で、上記水抜き穴から排水された水の流れ方向をより積極的に制御するべく、上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面に沿って下方に排水するべく、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことを特徴とする。
【0016】
この場合において、請求項2に記載のものと同様に誘導部材を付設することが望ましく、より具体的には請求項7に記載のように上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものとし、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあるものとする。より望ましくは請求項3に記載のものと同様に、請求項8に記載のように上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成するものとする。
【0017】
さらに請求項4に記載のものと同様に、請求項9に記載のように上記排水管は水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部としての機能を併せ持っていることが望ましい。
【0018】
ここで、いわゆるフルプレスドアのように、ドアサッシュが断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されていて、且つドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れている場合には、請求項10に記載のように、上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませることが排水性能の向上の上で望ましい。
【0019】
したがって、少なくとも請求項6に記載の発明では、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことで、上記水抜き穴から排水された水の流れ方向をより積極的に制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に記載の発明によれば、コーナー型成形部において一旦室内側に浸入した水を水抜き穴をもって縦辺部相当部の背面側へ排水することができるので、ドアグラスラン本来の機能の低下をもたらすことなく、さらなる車室内側への水を浸入を未然に防止することができることはもちろんのこと、コーナー型成形部の構造の複雑化や成形性の悪化をもたらすことなく、必要十分な排水機能を確保することが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、ガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へと水抜き穴を貫通形成し、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることから、特に縦辺部相当部の背面側へと排水した水の室内側への再浸入を確実に防止することが可能となる。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることから、その捕集機能のために上辺部相当部側から伝い落ちる水のほか同部位においてドアガラスから伝い落ちる水を確実に縦辺部相当部の背面側へと誘導できるようになってその排水性能が一段と向上する。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、水抜き穴の開口よりも上方側に風音防止壁部を設けたことから、水抜き穴を形成したことに伴う二次的不具合、すなわち当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音の発生を防止できる利点がある。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接してバッフルリブを突出形成したことから、水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において車室外側へ確実に誘導することができ、排水された水の室内側への再浸入を確実に防止できる利点がある。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1の記載を前提とした上で、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことから、排水された水の室内側への再浸入を確実に防止できるほか、排水経路が安定化して排水性能が向上する利点がある。
【0026】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6の記載を前提として請求項2の記載と同様に斜状の誘導部材を付設したものあるから、請求項2に記載の発明と同様に、特に縦辺部相当部の背面側へと排水した水の室内側への再浸入を確実に防止することができる利点がある。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の記載を前提として請求項3と同様に、上記誘導部材として断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることから、その捕集機能のために上辺部相当部側から伝い落ちる水のほか同部位においてドアガラスから伝い落ちる水を確実に縦辺部相当部の背面側へと誘導できるようになってその排水性能が一段と向上する利点がある。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6〜8のいずれかの記載を前提とした上で、請求項4に記載の発明と同様に、水抜き穴の開口よりも上方側に風音防止壁部を設けたことから、水抜き穴を形成したことに伴う二次的不具合、すなわち当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音の発生を防止できる利点がある。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、いわゆるフルプレスドアのように、ドアサッシュが断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されていて、且つドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れていることを前提として、上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませることから、サッシュ本体の背面側に確実に排水できるようになり、その排水性能が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1〜7は本発明のより具体的な実施の形態を示す図であり、特に図2は図1に示した自動車の右側フロントドア1のコーナー部aにおけるドアグラスラン3を単体の状態で車室内側から見た図を、図3は図2を後側(右側)から見た斜視図を、図4の(A)は図2の右側面図を、同図(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図をそれぞれ示している。なお、フロントドア1は、図5〜7に示すようにドアサッシュ2のサッシュフレーム2a,2bがドア本体のドアアウタパネルおよびドアインナパネルと一体成形されたいわゆるプレスドアもしくはフルプレスドアと称されるタイプのものである。
【0031】
図2〜4に示すように、フロントドア1のドアサッシュ2の内周に沿って配設されるドアグラスラン3は、周知のようにドアサッシュ2の上辺部2Aに沿うことになるグラスラン一般部3Aと、同じくドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うことになるグラスラン一般部3B、およびそれらグラスラン一般部3A,3B同士に間に介在することになるコーナー型成形部3Cとを、接合線4a,4bをもって接合一体化することにより構成されている。そして、グラスラン一般部3A,3Bはそれぞれ例えば図5のような均一断面形状のものとして押出成形されたものであるのに対して、コーナー型成形部3Cはグラスラン一般部3A,3Bの端末部同士をつなぎ合わせるべく金型成形され、その断面形状は例えば図6,7のような形状となっている。
【0032】
このようなドアグラスラン3は、図5〜7にも示すようにガラス受容空間Rを形成することになる断面略チャンネル状のグラスラン本体部4の開口縁に、昇降式のドアガラスGを挟んで車室外側に位置することになるアウタシールリップ5と車室内側に位置することになるインナシールリップ6とをそれぞれ内方に向かって斜めに突出形成してあり、さらにインナシールリップ6の反対側にはパネルリップ7を突出形成してある。そして、ドアグラスラン3をドアサッシュ2のサッシュ本体2cに嵌合させつつパネルリップ7をサッシュフレーム2bに弾接させ、各保持リップ8,9をサッシュ本体2c側の係止突起10,11に係合させることで位置決め保持させてある。
【0033】
ここで、図5〜7から明らかなように、ドアサッシュ2はドアインナパネルと一体のインナ側サッシュフレーム2bおよびドアアウタパネルと一体のアウタ側のサッシュフレーム2aのほか断面略チャンネル状のサッシュ本体2cとで構成されているものであるが、図2に示すようにドアサッシュ2の上辺部2A側のサッシュ本体2cとドアサッシュ2の縦辺部2B側のサッシュ本体2cは共にコーナー型成形部3Cに相当する部分で途切れていて、両者は実質的に不連続となっている。
【0034】
図2のほか図3,4,7に示すように、上記コーナー型成形部3Cのうちドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うことになる縦辺部相当部12には、ガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側への排水機能を具備させるべくそのグラスラン本体部4の底面に矩形状の水抜き穴13を貫通形成してある(なお、図2〜4では、断面図ではないにもかかわらず、水抜き穴13の位置をわかりやすくするために該当部位にハッチングを施してある)。さらにこの水抜き穴13の下半部には、誘導部材としてガラス受容空間R側から縦辺部相当部12の背面側へ向けて傾斜した断面略チャンネル状のドリップチャンネル14を一体に形成してある(なお、図2〜4では、断面図ではないにもかかわらず、ドリップチャンネル14の位置をわかりやすくするために該当部位にハッチングを施してある)。このドリップチャンネル14は水抜き穴13の一部を形成しつつその上面側が開口しているものであるから、後述するように縦辺部相当部12においてグラスラン本体部4内の底面を伝い落ちる水滴を積極的に捕集しつつ縦辺部相当部12の背面側へ誘導する機能を有している。そして、図4,7に示すように、ドアガラスGを上昇させた時にはそのドアガラスGの端縁を積極的にドリップチャンネル14に圧接もしくは弾接させるように設定してある。なお、このドリップチャンネル14は、水抜き穴13を形成したことに伴うグラスラン本体部4の底面の剛性低下を補う機能も併せ持っている。
【0035】
上記縦辺部相当部12の背面において水抜き穴13よりも上方位置にはいわゆる庇状の風音防止壁部15を突出形成してあり、この風音防止壁部15は車両走行時の水抜き穴13からの走行風の進入とそれに伴う風音の発生を防止する機能を有している。
【0036】
さらに、上記縦辺部相当部12の背面において上記水抜き穴13に近接する一側部にはその長手方向に沿ってバッフルリブ16を突出形成してあり、このバッフルリブ16の上端は風音防止壁部15に連続している一方、バッフルリブ16の下端部は斜状壁部16aをもって漸次室外側に変位しているとともに、最終的には接合線4bに相当する位置であって且つ縦辺部相当部12の背面のうち最も室外側の部分で収束している。
【0037】
そして、上記風音防止壁部15およびバッフルリブ16は共に同じ高さに設定してあり、図4に示すようにドアグラスラン3がドアサッシュ2に正しく位置決め保持されている状態では、風音防止壁部15およびバッフルリブ16は共にサッシュ本体2cの内底面に圧接している。
【0038】
ここで、例えばドアグラスラン3のうちドアサッシュ2の上辺部2Aに沿うグラスラン一般部3Aにおいてアウタシールリップ6の裏側(アウタシールリップ6とグラスラン本体部4とのなす溝状空間)に水が溜まった場合、その水は長手方向に流れた上でコーナー型成形部3Cの同等部位を経てドアサッシュ2の縦辺部2Bに沿うグラスラン一般部3B側へと排水されることになるが、特に流れ方向が大きく変化するコーナー型成形部3Cにおいて上記アウタシールリップ6の裏側空間で保有できる排水量を超えるとガラス受容空間R内においてドアガラスGの位置よりも室内側、例えばインナシールリップ5の裏側にまで水が浸入してしまうことがあることは先に述べたとおりである。そして、特にコーナー型成形部3Cでは、グラスラン一般部3A,3Bに比べてアウタ、インナの各シールリップ5,6の反力が不足しがちな傾向にあるため、例えば高圧な洗車水がアウタシールリップ6のシール面を乗り越えて室内側に進入することがあるほか、さらにその水がインナシールリップ5のシール面を乗り越えて室内側に浸入もしくは滴下することがある。
【0039】
そこで、本実施の形態のドアグラスラン3の水抜き構造では、コーナー型成形部3Cにおいて少なくともアウタシールリップ6のシール面よりも室内側に浸入した雨水等をドリップチャンネル14にて積極的に捕集した上で水抜き穴13から縦辺部相当部12の背面側へ排水しようとするものである。
【0040】
より具体的には、コーナー型成形部3Cの縦辺部相当部12のうち水抜き穴13に相当する位置では、流れ方向を大きく変えた上で上方より流下する水が上向きで開口しているドリップチャンネル14にて捕集されて水抜き穴13からその縦辺部相当部12の背面側へと排水される。同時に、ドアガラスGが上昇しているドアガラス閉時においては図4の(B)に示すようにドアガラスGの端縁がドリップチャンネル14に干渉するかの如くそのドリップチャンネル14に圧接もしくは弾接しているため、そのドアガラスGの端縁に沿って流下する水Dもドリップチャンネル14にて捕集されて水抜き穴13から排水されることになる。これによりコーナー型成形部3Cから室内側への水漏れを未然に防止できるようになる。
【0041】
そして、縦辺部相当部12の背面側では、その縦辺部相当部12に突出形成された風音防止壁部15およびバッフルリブ16がドアサッシュ2のサッシュ本体2cに圧接もしくは弾接していわゆる管状通路を形成しているため、上記水抜き穴13から排水された水は管状通路を形成しているバッフルリブ16に案内されながら流下することになる。特にバッフルリブ16の下端部では当該部位が斜状壁部16aとして漸次室外側に変位しているため、上記のように水抜き穴13から排水された水は、最終的にはグラスラン一般部3Bとサッシュ本体2cとで囲まれた空間のうち室外側の部分に排水されることになる。これによって一旦排水された水の室内側への再浸入を防止できるようになる。
【0042】
また、上記縦辺部相当部12の背面側において、水抜き穴13の開口部よりも上方側にいわゆる庇状の風音防止壁部15を設定してあるため、車両走行に伴う水抜き穴13からの風の進入およびそれに伴う風音の発生を未然に防止できることになる。
【0043】
図8〜12は本発明の第2の実施の形態を示し、先に説明した第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。
【0044】
この第2の実施の形態では、コーナー型成形部3Cのうち縦辺部相当部12の背面側において、図3,4に示したところのバッフルリブ16と風音防止壁部15とを完全一体化するべく、矩形閉断面構造の管状通路としての排水管17を形成したものである。
【0045】
この排水管17はその上端部において水抜き穴13を流入側とするべくその水抜き穴13と連通している一方、その下端の吐出穴18をドアサッシュ2の縦辺部2B側のサッシュ本体2cの背面側に開口させるように臨ませてある。また、排水管17の内底面側ではドリップチャンネル14の底壁面をそのまま延長させるようにして下方外側に向かって傾斜させてあり、その結果、排水管17としては下方に至るにしたがって漸次その有効開口面積が小さくなるような形状となっている。そして、特に図10,12に示すように排水管17の下端部はサッシュ本体2cの上端よりも下方位置まで延長形成してあるとともに、図8〜11に示すようにその下端部をサッシュ本体2cの上端部の上に乗り上げるようにして係止させてある。
【0046】
なお、排水管17の上端の斜壁部17aは第1の実施の形態の風音防止壁部15と同等の機能を有している。
【0047】
したがって、この第2の実施の形態によれば、先に説明した第1の実施の形態と同様の排水機能が発揮されることはもちろんのこと、水抜き穴13から排水した水を排水管17を通して下方に排出するため、その排水効率が良好なものとなるほか、排水管17の下端部をサッシュ本体2cの上端部の上に乗り上げるように位置させてあるため、排水管17からの水をサッシュ本体2cの外側に確実に排水できるようになり、排水後の水の室内側への再浸入をより確実に防止できるようになる。その上、排水管17の下端部をサッシュ本体2cの上端部に係止させて位置決めしてあるため、排水管1からの水を指向性を持たせて排水できる故に、その水をドア本体側の水抜き穴に誘導して、完全に室外側に排水できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】自動車の後斜視図。
【図2】本発明のより具体的な第1の実施の形態を示す図で、図1のa部のドアグラスランを室内側から見た要部説明図。
【図3】図2に示したドアグラスランの後斜視図。
【図4】(A)は図2に示すドアグラスランの右側面図、(B)は同図(A)のA−A線に沿う断面図。
【図5】図2に示ドアグラスランのグラスラン一般部での拡大断面図。
【図6】図2のB−B線に沿う拡大断面図。
【図7】図2のC−C線に沿う拡大断面図。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示す図で、図2の同等部位の要部説明図。
【図9】(A)は図8に示すドアグラスランを方向を変えて見た斜視図、(B)は同図(A)のb部拡大図。
【図10】(A)は図8に示すドアグラスランの右側面図、(B)は同図(A)のG−G線に沿う断面図。
【図11】図8のE−E線に沿う拡大断面図。
【図12】図8のF−F線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0049】
2…ドアサッシュ
2a…サッシュフレーム
2b…サッシュフレーム
2c…サッシュ本体
2B…ドアサッシュの縦辺部
3…ドアグラスラン
3A…グラスラン一般部
3B…グラスラン一般部
3C…コーナー型成形部
12…縦辺部相当部
13…水抜き穴
14…ドリップチャンネル(誘導部材)
15…風音防止壁部
16…バッフルリブ
17…排水管
17a…斜状壁部(風音防止壁部)
G…ドアガラス
R…ガラス受容空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアサッシュの内周に配設されるとともにドアサッシュのコーナー部に相当する部分にコーナー型成形部を備えていて、ドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランにして、上記コーナー型成形部のうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部に、ガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側への排水機能を持つ水抜き穴を形成したことを特徴とする自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項2】
上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項3】
上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項4】
上記縦辺部相当部の背面側において、水抜き穴の開口よりも上方側に当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項5】
上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項6】
上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面に沿って下方に排水するべく、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項7】
上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることを特徴とする請求項6に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項8】
上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることを特徴とする請求項7に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項9】
上記排水管は水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部としての機能を併せ持っていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項10】
上記ドアサッシュは断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されている一方、ドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れていて、
上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませたことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項1】
ドアサッシュの内周に配設されるとともにドアサッシュのコーナー部に相当する部分にコーナー型成形部を備えていて、ドアガラス閉時にそのドアガラスを受容して車室内外をシールする機能を有する自動車用ドアグラスランにして、上記コーナー型成形部のうちドアサッシュの縦辺部に沿うことになる縦辺部相当部に、ガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側への排水機能を持つ水抜き穴を形成したことを特徴とする自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項2】
上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項3】
上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることを特徴とする請求項2に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項4】
上記縦辺部相当部の背面側において、水抜き穴の開口よりも上方側に当該水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項5】
上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面側において室外側へ誘導するためのバッフルリブを、当該縦辺部相当部の背面側における水抜き穴の開口に近接して突出形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項6】
上記水抜き穴から排水された水を縦辺部相当部の背面に沿って下方に排水するべく、水抜き穴を流入側とする排水管を縦辺部相当部の背面に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項7】
上記水抜き穴はガラス受容空間の内底面から縦辺部相当部の背面側へ貫通形成したものであって、その水抜き穴にはガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ水を誘導するための斜状の誘導部材を付設してあることを特徴とする請求項6に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項8】
上記誘導部材は断面略チャンネル状のドリップチャンネルをガラス受容空間側から縦辺部相当部の背面側へ向けて斜めに形成したものであることを特徴とする請求項7に記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項9】
上記排水管は水抜き穴からの走行風の進入およびそれに伴う風音防止のための風音防止壁部としての機能を併せ持っていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【請求項10】
上記ドアサッシュは断面略チャンネル状のサッシュ本体とそれを覆うサッシュフレームとから構成されている一方、ドアサッシュの縦辺部ではサッシュ本体の上端がコーナー型成形部とグラスラン一般部との境界部近傍で途切れていて、
上記排水管の下端部をドアサッシュの縦辺部におけるサッシュ本体の上端部に係止させて、その排水管の吐出穴をサッシュ本体の背面側に臨ませたことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の自動車用ドアグラスランの水抜き構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−203767(P2007−203767A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−21710(P2006−21710)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000158840)鬼怒川ゴム工業株式会社 (171)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000158840)鬼怒川ゴム工業株式会社 (171)
【Fターム(参考)】
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