説明

自己洗浄性部材及びこれに含まれる共加水分解縮合物とその製造方法

【課題】優れた自己洗浄性はもとより、優れた耐食性及び加工性を有する自己洗浄性部材及びこれに含まれる共加水分解縮合物とその製造方法を提供する。
【解決手段】好ましくはナノサイズのシリカが水分散されたSiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物を含み、前記共加水分解縮合物は、−Si−O−Ti−単位を含むことを特徴とする組成物、前記組成物の製造方法、前記組成物を含有する光触媒コート層を含む、自己洗浄性部材に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒性コート層形成用組成物、前記組成物の製造方法、前記組成物を含有する光触媒コート層を含む自己洗浄性部材及び前記自己洗浄性部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
常に、外部環境に露出されている建築物の外部は、塵埃や粉塵、雨又は雪などの汚染因子によって表面外観が容易に汚れてしまい、清潔維持のための定期的な管理が求められるので、これによる管理費用増加を最大限低減するために関連業界の持続的な研究が行われてきている。
【0003】
外部に露出される建材とは違って、室内で大部分使われる家電製品用鋼板の場合、汚染因子には根本的に遮断され、製品の清潔管理に対する必要性を感じなくなり、関連研究が不足した。しかし、外部に設けられる空調機の場合、汚染環境にそのまま露出され、外観が容易に汚れるので、関連業界で汚染改善のための方案として建材用に適用されている自己洗浄性を空調機用鋼板に結合させるために、持続的な研究開発が行われている。
【0004】
自己洗浄鋼板は、塗膜に特殊な機能構造を形成させ、雨水などにより塗膜表面の汚染源を自ら洗浄する機能を与える鋼板であって、自己洗浄の原理により大きく、親水性の自己洗浄鋼板、光触媒性親水性の自己洗浄鋼板及び疎水性の自己洗浄鋼板などに分類することができる。
【0005】
親水性の自己洗浄鋼板は、コート層の表面の水接触角を低くし(接触角:40度以下、表面張力:30mN/m以上)、雨水などが塗膜表面に全体的に均一に広がり、汚染源を洗浄するものであり、親水性の有機高分子を用いて、コート層表面1〜2μmに親水性を付与する鋼板である。前記親水性の有機高分子としては、ポリアルキルシリケート(Polyalkylsilicate)、ペルヒドロポリシラザン(Perhydropolysilazane)などが挙げられる。
【0006】
光触媒性親水性(photocatalytic & hydrophilic)の自己洗浄鋼板は、光活性化効果のあるTiOなどを用いて有機物を分解した後、コート層自らの親水性を利用して自己洗浄性を与える鋼板である。
【0007】
疎水性の自己洗浄鋼板(hydrophobic, water−repellant)は、コート層表面の水接触角を高め(接触角:120度以上、表面張力:15mN/m以下)、雨水が撥水され、転がり落ちながら塗膜表面の汚染源を洗浄する鋼板である。構成方式により、疎水性コート(フッ素系等)、ナノ構造コート、プラズマ表面改質方式などがある。前記疎水性コートは、疎水性の大きなフッ素系などの物質をコート層表面に集中させ、疎水性を与えることであり、ナノ構造コートは、蓮の葉構造を応用したもので、マイクロサイズの突起に、ナノサイズの繊毛構造を付与し、超疎水性を示し、また、プラズマ表面改質方式はプラズマ処理を通して表面に疎水性を付与することである。
【0008】
親水性の有機高分子をコートした自己洗浄鋼板は、親水性厚膜(略20μmの膜厚)の有機樹脂を塗膜表面に集中させ、雨水などで汚染物を洗い落とす鋼板であり、安価で、且つ耐食性及び帯電防止の確保が容易になるという長所がある反面、他の物性確保のために、5μm以上の膜厚が求められるという短所がある。
【0009】
また、TiOなどを用いた光触媒性親水性の自己洗浄鋼板は、紫外線による光触媒の表面酸化作用で汚染物を分解して洗浄する鋼板であり、薄膜化(<1μm)が可能で、且つNOx、SOx除去に有用な反面、紫外線照射下でのみ光反応を通して自己洗浄性を示すという短所がある。
【0010】
一方、光触媒親水性の自己洗浄鋼板として多孔性シリカ−金属ナノ複合体を用いることによって、超親水性を示すことが知られている。前記超親水性を示す自己洗浄鋼板は、紫外線の照射無しにも、超親水性を発揮できるので、室外はもとより、室内応用分野にも適用され得る長所があるが、鋼板コート適用性技術の開発が必要とされる短所がある。
【0011】
疎水性の自己洗浄鋼板中のフッ素系疎水性の自己洗浄鋼板は、表面フッ素化合物で疎水性を与え、水で汚染物質を除去する鋼板であり、汚染物の沈積の少ない長所はあるが、表面にフッ素系化合物の集中が困難で、また、油汚れの汚染環境下で洗浄能力が低下するという短所がある。また、ナノ突起構造の疎水性の自己洗浄鋼板は、疎水性のナノ突起を構成し、汚染物質が水により除去される鋼板であり、汚染物質の沈積が少なく、洗浄能力に優れるという長所があるが、加工後、ナノ突起構造の維持が困難であるという短所、即ち、耐久性が劣るという短所がある。
【0012】
さらに、前記した従来の自己洗浄鋼板は、前記したそれぞれの短所の外にも、自己洗浄性だけを考慮しているので、優れた耐食性及び加工性などが求められる応用分野に適用するには限界があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、優れた自己洗浄性はもとより、優れた耐食性及び加工性を有する自己洗浄性部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そのために、本発明は、SiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物を含み、前記共加水分解縮合物は、−Si−O−Ti−単位を含むことを特徴とする組成物、前記組成物の製造方法、前記組成物を含有する光触媒コート層を含む、自己洗浄性部材を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る組成物は、数回の塗膜形成及び乾燥過程なしに、1回の塗膜形成及び乾燥過程により優れた耐食性と加工性とを有する自己洗浄性部材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のコート層の断面に対するSEM写真である。
【図2】本発明のコート層のXPS分析結果である。
【図3】本発明のコート層の水との接触角試験の結果である。
【図4】本発明のコート層の屋外暴露試験の結果である。
【図5】本発明のコート層の耐食性試験の結果である。
【図6】比較例に係るコート層の耐食性試験の結果である。
【図7】本発明のコート層の塗装密着性試験の結果である。
【図8】本発明のコート層の有機物分解試験の結果である。
【図9】本発明に係る組成物の溶液状態比較試験の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、
SiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物を含み、
前記共加水分解縮合物は、下記一般式1の単位を含むことを特徴とする組成物を提供する。
[化1]
−Si−O−Ti− (1)
【0018】
本発明は、SiOゾルとTiOゾルを別に製造した後、単純に物理的に混合した組成物を自己洗浄性コート層形成に用いず、シラン、SiOゾル及びTiOゾルを共に使用して、ゾル−ゲル反応を行うことによって、シランとSiOゾルに存在するSiとTiOゾルに存在するTiとが化学的に結合される組成物をコート層形成に用いることを特徴とする。
【0019】
本発明の組成物は、SiOゾルを用いる。SiOゾルは、本発明の組成物の耐食性及び安定性を強化するために用いられる。
【0020】
一具体例で、前記SiOゾルは特に制限されないが、ナノサイズのシリカが水分散されたSiOゾルであってもよい。ナノサイズのシリカを用いると、耐食性、溶液の安定性及び塗膜の耐スクラッチ性が向上され得る。一側面で、ナノサイズのシリカは5〜20nmの直径を有するシリカであってもよい。これに制限されないが、SiOゾルに含まれるシリカの含有割合は20〜40重量%であってもよい。シリカを水分散されたSiOゾルの形態で投入することは、シリカの分散媒として使われる水がシラン、SiOゾル及びTiOゾルのゾル−ゲル反応時に起こるシランの共加水分解縮合に求められる水として使用され得るからである。
【0021】
他の具体例で、前記SiOゾルは、酸性又は中性SiOゾルであってもよい。本発明において、シラン、SiOゾル及びTiOゾルのゾル−ゲル反応は、酸性条件で遂行することが好ましい。前記ゾル−ゲル反応時に起こるシランの共加水分解縮合に酸触媒が必要であるからである。アルカリSiOゾルを使用すれば、さらに酸を添加してpHを調節する第2次処理過程を行わなければならないだけでなく、酸投入時に、アルカリで安定化されたシリカ粒子の安定性が低下し、シリカが沈殿されることがある反面、酸性SiOゾルは下地との反応性及び密着性がアルカリSiO2ゾルに比べて優れている。従って、酸性SiOゾルを用いると、溶液の安定性及びコート後の塗膜の透明度が向上される。
別の具体例で、前記SiOゾルは、全組成物100重量部に対して、シリカの固形分重量比1〜20重量部で含まれることが好ましい。
【0022】
SiOゾルが1重量部未満の場合、本発明の組成物の耐食性及び安定性が低下され、SiOゾルが20重量部を超えると、本発明の組成物により形成される塗膜の透明度が低下され、素材加工時塗膜が壊れ易くなる。
【0023】
また、本発明の組成物はさらにシランを含む。シランは自己洗浄性のコート層がコートされる部材とシリカ、又はシリカとシリカと間を結合する役割をする。
【0024】
本発明の一具体例で、前記シランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される一つの成分、又は2種類以上の成分の共加水分解縮合物であってもよい。
【0025】
シランは、塗膜を形成する主成分である。塗膜の形成及び塗膜の乾燥速度向上のために4官能性シランと3官能性シランを混合して使用することが好ましい。4官能性シランだけを用いると、塗膜が壊れやすくなり、溶液の分子量が極大化され安定性が低下し、3官能性シランだけを用いると、乾燥速度及び後硬化速度が不充分になり、ラインのストリップロール(Strip roll)にくっつく形状が発生し、スタッキング(stacking)時、ブロッキング現象が生じ易くなる。
【0026】
一具体例で、前記シランは全組成物100重量部に対して、1〜30重量部で含まれることが好ましい。前記範囲内で塗膜の硬度、乾燥速度、後硬化速度などの好ましい物理的特性を満足することができる。
【0027】
本発明の組成物は、さらにTiOゾルを含む。TiOゾルは本発明の組成物がコートされた部材に光触媒性による自己洗浄効果を与える成分である。
【0028】
光触媒反応を示す光触媒波長は40nm辺りの近紫外線である。光触媒反応は反応場所が触媒表面に限定される不均一触媒反応である。
【0029】
光触媒用TiOは光があるとき、次の3つの反応が同時に発生する。
1)電子(e)と正孔(h)が発生し、空気中のHOと反応することになるが、空気中のOとe、HOとhが反応を引き起こす。
2)TiO表面にスーパーオキシドアニオン(O−)とヒドロキシルラジカル(OH−)の2種類の活性酸素が発生する。
3)OとHOが反応し、TiO表面に水と親和性の非常に良いTi−OHが形成される。
【0030】
全ての光触媒反応で、反応速度はある程度までは光量に比例し、約250W/m以上になれば、光量の平方根に比例するようになる。
【0031】
光触媒反応により現れる特性は大きく酸化分解性と超親水性の2つがある。
【0032】
光触媒の酸化分解性は、強力な酸化性に起因する。光触媒で酸化力の根源になるヒドロキシルラジカルはオゾンや塩素のような酸化剤に比べて、約2倍の酸化力を有しているため、表面に付着する汚染物質、細菌、悪臭、NOxなどを光触媒反応で分解することで自己洗浄効果を提供する。
【0033】
光触媒による超親水性は、TiO表面に紫外線を照射すると、強い親水性を示し、親水性の尺度を示す水の接触角を5゜以下にする。条件が最適化される場合には0゜に近い接触角を示す。光照射が止まっても数時間から一週間まで反応が持続され、徐々に光照射前の疎水的な状態に戻る。ここに、再び光照射をすると、親水性を示すので半永久的な状態といえる。このような光触媒による超親水性は表面での水を広げ、汚染物質が接着され難くなり、付着しても雨水などで洗い流され易くするので、自己洗浄効果を示すようになる。
【0034】
本発明の組成物によると、Si系塗膜とTiO塗膜を別にコートしなくても1回コートで耐食性、加工性及び自己洗浄性を示す塗膜を形成することができる。Siは鋼板との密着性を有する反面、Tiは鋼板と密着されないのでゾル−ゲル反応を通し、TiとSiが組成物内に混在されていることにもかかわらず、Tiの大部分は塗膜の表面に位置し、光触媒性自己洗浄塗膜を形成するようになる。
【0035】
本発明の一具体例で、TiOゾルは酸性又は中性TiOであってもよい。
【0036】
一般的に粉末状のTiOをSiOなどのようなバインダーと単純混合する場合、よく混合されない。特に多量のTiOを添加する場合には、主樹脂と混合し難いだけでなく、安定な溶液を得難い。また、混合されてもコート後、表面の外観が白濁され、バインディング効果が劣り、粉末化現象が生じ、結果的に塗膜の形成が強固にならず、耐食性及び自己洗浄性効果が劣る結果がもたらされる。また、TiOゾルとSiOゾルを単純に混合して使用する場合、これらの混合溶液が過度にベタベタとした状態を示して塗布し難いだけでなく、部材に塗布時、バインディング効果がよくなく、耐食性が劣り、コート層への適用が困難である。これを防ぐために、本発明では粉末形態のTiOでない水分散されているTiOゾルを、シラン及びSiOゾルと共にゾル−ゲル反応させて使用する。TiOを水分散されたSiOゾルの形態で投入する別の理由は、TiOの分散媒として使われる水が、シラン、SiOゾル及びTiOゾルのゾル−ゲル反応時に起こるシランの共加水分解縮合に求められる水として使用され得るからである。
【0037】
特に、酸性TiOゾルを使用すると、金属面に対するエッチング効果による密着性向上を期待でき、シラン、SiOゾルとTiOゾルのゾル−ゲル反応時に追加的に酸を投入する必要がなく、好ましい。即ち、酸性TiOゾルは、シラン、SiOゾルとTiOゾルのゾル−ゲル反応時に起こるシランの共加水分解縮合時、酸触媒の代用として使用することができる。
【0038】
ある具体例で、前記TiOゾルは、全組成物100重量部に対して、5〜60重量部で含まれるのが好ましい。TiOゾルが5重量部未満の場合、光触媒作用が不充分であり、TiOゾルが60重量部を超えると、結合効果が不足して塗膜が形成されない。
【0039】
また、本発明の組成物は、さらに金属の有機酸塩、無機酸塩及び水酸化物からなる群から選択される一つ以上の腐食防止用添加剤を含んでいてもよい。
【0040】
本発明の一具体例で、前記金属はTiと同様にSiと化学的結合をなし、下記一般式(2)で示される単位を含むことが好ましい。
[化2]
−Si−O−M− (2)
(式中、Mは金属を表す。)
【0041】
前記金属はAl、Ti、Mo、V、Mn、Mg及びZrからなる群から選択される一つ以上の金属であってもよい。
【0042】
他の具体例で、前記金属はTi、Zr、V及びMnからなる群から選択される一つ以上の金属であってもよい。
【0043】
例えば、本発明の組成物に使われる腐食防止用添加剤は、前記1種以上の金属のリン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩及び水酸化物からなる群から選択される1種以上の成分であってもよい。好ましくはTi、Zr、V、Mnの無機酸塩とリン酸変性水を組み合わせて使用する。
【0044】
本発明のある具体例で、前記腐食防止用添加剤は全組成物100重量部に対して、0.1〜5重量部で含まれるのが好ましい。前記腐食防止用添加剤が0.1重量部未満の場合には塗膜の耐食性向上を期待できなく、前記腐食防止用添加剤が5重量部を超えると、溶液安定性が阻害され、溶液がゲル化され得る。
【0045】
本発明の組成物は、さらに有機溶媒、表面形成用添加剤、水などを含むことができる。
【0046】
前記有機溶媒としては、これに制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、N−ブタノールなどのアルコール類又はエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジアセトンアルコール、アセチルアセトンなどの親水性有機溶媒を使用することができる。親水性有機溶媒は、全組成物100重量部に対して、5〜30重量部で含まれるのが好ましい。有機溶媒が5重量部未満の場合には溶液の安定性が低下して、溶液の乾燥速度が遅くなる。また、有機溶媒が15重量部を超えると、ロール作業時、溶剤の揮発によって作業性に多くの問題が生じ、 硬化時、揮発される溶剤による有害蒸気問題等の発生の原因になる。
【0047】
前記表面形成用添加剤としては消泡剤、レベリング剤などを添加でき、全組成物100重量部に対して、1〜10重量部で含まれ得る。
【0048】
また、水は全組成物100重量部に対して、30〜90重量部で含まれるのが好ましく、固形分は全組成物100重量部に対して、5〜50重量部で含まれ得る。
【0049】
本発明に係る組成物の濃度は固形分濃度として5〜50質量%程度である。
【0050】
また、本発明は、シラン溶液を備える工程、及び
SiOゾル及びTiOゾルの混合溶液を前記シラン溶液と混合し、SiOゾル、シラン及びTiOゾルをゾル−ゲル反応させる工程;を含む、SiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物の製造方法、及び前記製造方法により製造されることを特徴とする、SiOゾル、シラン、及びTiOゾルの共加水分解縮合物を提供する。
【0051】
上述したように、SiOゾル、シラン及びTiOゾルをゾル−ゲル反応させることによって、SiとTiを化学的に結合させることができる。SiOとTiOを単純混合し、SiOとTiOの混合がよく進まない光触媒性コート用組成物とは違って、前記方法により製造された組成物はSiとTiと間の化学的結合により固形分が凝集することなく、よく塗布され得る。
【0052】
前記シラン溶液は、シラン、及び金属の有機酸塩、無機酸塩及び水酸化物からなる群から選択される一つ以上の腐食防止用添加剤を撹拌し、製造することが好ましい。このような場合、金属は前記一般式(2)のようにSiと化学的結合を形成して耐食性を増加させることができる。
【0053】
本発明は、また、
基材、及び
前記基材上に塗布された本発明に係る組成物を含有するコート層、を含む自己洗浄性部材を提供する。
【0054】
有機コート層、SiOを含む無機プライマー層及び光触媒性の自己洗浄層で構成される従来の光触媒性の自己洗浄性部材が数個の層の塗布及び硬化過程を求めることとは違って、本発明に係る自己洗浄性部材は1コートで塗膜を形成し、耐食性、加工性及び自己洗浄性を有することを特徴とする。
【0055】
さらに具体的に、本発明の一例によると、前記コート層は、基材から
[−Si−O−]単位を含む密着性改善層、
[−Si−O−M−](ここで、Mは金属を表す。)単位を含む耐食性向上層、及び
[−Si−O−Ti−]単位を含む自己洗浄層、が連続的に形成されたことを特徴とする。
【0056】
即ち、本発明に係るコート層は一つのコート層内に順次に密着性改善層、耐食性向上層及び自己洗浄層が連続的に形成されている。
【0057】
従って、本発明の組成物が塗布された自己洗浄性部材は、下記実施例で確認することができるように、優れた自己洗浄性、超親水性、耐食性、塗装密着性及び有機物分解性を示す。
【0058】
一具体例で、前記自己洗浄性部材は鋼板であってもよい。一側面で、前記鋼板は亜鉛系メッキ鋼板であってもよい。ここで、亜鉛系メッキ鋼板は、例えば、電気亜鉛メッキ鋼板;溶融亜鉛メッキ鋼板;亜鉛以外にアルミニウム及び/又はシリコンの混合メッキ鋼板などを含む。
【0059】
本発明は、また、前記組成物を基材の表面に塗布し、硬化することを含む自己洗浄性部材の製造方法を提供する。
【0060】
一具体例で、前記硬化は20〜110℃で硬化した後、空冷するか、又は110〜300℃で硬化した後、水冷することで遂行され得る。より好ましくは30〜110℃で硬化した後、空冷するか、200〜250℃で硬化した後、水冷することで遂行され得る。
【0061】
前記硬化温度は特に制限されないが、必要に応じて任意に選択して硬化することができる。但し、20〜110℃で硬化した場合、空冷することが好ましい。このような低温硬化後、水冷する場合、未硬化部分から無機系が洗い流される恐れがある。
【0062】
他の具体例で、前記硬化は1時間未満遂行することができる。好ましくは30分未満、より好ましくは10分未満、最も好ましくは1分未満である。数秒間、即ち、1秒〜10秒の非常に短い時間の硬化も可能である。
【0063】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は詳細に説明している実施例を参照すれば明確になるものである。しかし、本発明は以下に開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具現され得る。下記実施例は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供され、本発明は請求項の範疇により定義されるだけである。
【実施例1】
【0064】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対してジルコニウムテトラブトキシド0.2部、アミノプロピルメチルジメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量:20%)8部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。その結果、光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液に、イオン交換水44部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート1部、ヘキサフルオロジルコン酸0.3部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
【実施例2】
【0065】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラブトキシド0.2部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン6部、メチルトリメトキシシランシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量:20%)8部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。その結果、光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にイオン交換水44部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
【実施例3】
【0066】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラプロポキシド0.2部、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン6部、テトラエトキシシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO2含量:20%)8部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。その結果、光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にイオン交換水44部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後30マイクロンろ過フィルタで包装した。
【実施例4】
【0067】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラブトキシド0.2部、アミノプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量:20%)8部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。その結果、光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にイオン交換水44部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
【実施例5】
【0068】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラブトキシド0.2部、アミノプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量:20%)6部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。その結果、光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にイオン交換水44部エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部、及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
【実施例6】
【0069】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラブトキシド0.2部、アミノプロピルトリメトキシシラン6、テトラメトキシシラン6部を十分に撹拌した後、TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiO2ゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量:20%)8部とイオン交換水6部を混合し、室温で発熱に注意しながら滴下し、十分に撹拌した。前記同様に光触媒、シリカ、シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にイオン交換水44部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
(比較例)
(比較例1)
【0070】
TiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO2含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO2含量:20%)8部とイオン交換水60部を混合し、室温で十分に撹拌した後、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
(比較例2)
【0071】
撹拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素導入機が取り付けられた4つ口フラスコに、全溶液に対して、ジルコニウムテトラブトキシド0.2部、アミノプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン6部を30分間十分に撹拌した後、イオン交換水40部と酢酸2部を混合し、 室温で2時間かけてゆっくり滴下した。滴下後、室温で24時間撹拌した。シランの透明な共重合体が得られた。合成された溶液にTiOゾル(pH:2、粒径:10ナノ、TiO含量:20%)16部とSiOゾル(pH4、粒径:20ナノ、SiO含量20%)8部、イオン交換水4部、エタノール10部及びアンモニウムメタバナデート0.7部、ヘキサフルオロジルコン酸0.28部及びリン酸0.5部、レベリング剤、消泡剤を投入し、30分間十分に撹拌した後、30マイクロンろ過フィルタで包装した。
(実験例)
(1.自己洗浄コート層の形成)
【0072】
表面処理組成物を塗布するための素材鋼板として付着量が片面基準60g/mの溶融亜鉛メッキ鋼板(GI)を使用した(板厚み=0.5mm)。前記亜鉛メッキ鋼板をシリケート系アルカリ脱脂制を用いて、20g/L、温度60℃条件で、2分間沈積し、純水で2分間洗浄した後、熱風乾燥したものをテスト板として利用した。
【0073】
実施例1で製造された自己洗浄樹脂組成物の塗布は、連続ロール塗布シミュレータ(Roll Coating simulator)を用いて、試料の上部に樹脂組成物を膜厚〜2μmで塗布し、PMT条件20〜110℃で硬化した後、空冷するか、又はPMT条件110〜300℃で硬化した後、水冷した。被膜の付着量は500〜1,100mg/mであった。
【0074】
走査型電子顕微鏡(JEOL JSM−7001F)を用いて、コート試片の断面を測定した。その結果、図1からわかるように、樹脂層の膜厚は約0.89μmであることを確認した。
(2.XPS(X−rayphoto electron Spectroscopy)分析)
【0075】
XPS(PHI Quantera SXM, emasize:9μm, Anode type: monichromated Alk α)を用いて、コート層を深さ方向に、経時によってその成分を測定した。その結果、図2に示されるように、初期にはTiO樹脂の含量が高いが、経時によってTiOの減少と共にZn層の含量が増加していることがわかる。従って、コート層表面の最上部にTiO層が存在していることを確認することができた。
(3.接触角の測定)
【0076】
自己洗浄溶液をコートした鋼板に対して、表面の水との接触角を調べた。水との接触角は、接触角測定器(Drop Shape Analysis System KRUSS DSA100S)により、マイクロシリンジから試料表面に水滴を滴下した後、10秒以内に測定した。その結果、図3に示されるように、本発明の自己洗浄樹脂組成物をコートした鋼板では、UV照射前には12゜、UV照射後には9゜と、水との接着角が超親水性を示した。反面、比較のために測定した他社の自己洗浄鋼板(商品名:Beckery Fresh)は60〜70゜であり、POSCO GI Cr−free鋼板(商品名:POS−G−Green)は50゜であった。
(4.屋外暴露試験)
【0077】
カーボンブラック、酸化鉄、タバコの灰、マーカーペンで汚染させた後、屋外に暴露し、4カ月間自己洗浄効果を観察した。その結果、図4に示されるように、GI無処理鋼板とCr−free鋼板に比べて、本発明の光触媒性自己洗浄鋼板表面の洗浄性がより優れていた。
(5.耐食性実験)
【0078】
S.S.T平面部試験では、Salt Apray Test 5%NaCl、35℃にコート試片を置き、72時間を試験し、白錆発生を観察した。また、S.S.T加工部試験では、エリクセン試験(6mm)を施行した後、5%NaCl、35℃、24時間を行い、白錆発生を観察した。その結果、図5に示されるように、本発明の実施例1の光触媒樹脂組成物がコートされた鋼板は、Cr−free鋼板と比較して、同等以上の耐食性を示し、また加工部耐食性が良好であることを確認することができた。反面、比較例2で製造されたTiO−ゾルとSiO−ゾルの単純混合した樹脂組成物をコートした鋼板の耐食性を、同様の方法で観察した結果、図6に示されるように、24時間目から白錆発生し始め、72時間目には全面白錆発生が発生し、耐食性が不良であることを確認することができた。
(6.塗装密着性実験)
【0079】
コート被膜に、クロスカット剥離試験(Cross Cut Erichsen(6mm)施行後、テープ剥離試験)を行った。被膜に直行する縦横11本ずつの平行線を1mm間隔で引いて、1mmのます目100個を作り、その上にテープを貼り付けて急激に引き離した。その結果、図7に示されるように、本発明の実施例1に係る樹脂組成物でコートされた鋼板は優れた塗装密着性を示した。
(7.有機物分解試験)
【0080】
コート鋼板上にメチレンブルー溶液を10mg/L滴下し、UV光を10分照射した後、着色の有無を観察した。その結果、図8に示されるように、経時によりメチレンブルーの色相が徐々に薄くなり、本発明に係るコート層が有機物分解性能を発現していることを確認した。
(8.樹脂組成物の溶液状態比較試験)
【0081】
比較例1に係るTiOゾルとSiOゾルを単純混合した溶液と本発明に係る樹脂組成物の溶液状態を比較した。その結果、図9に示されるように、TiOゾルとSiOゾルを単純混合した溶液(左)は、不透明色を示し、ベタベタの状態になり、コートに適しないことを確認することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物を含み、
前記共加水分解縮合物は、下記一般式(1)の単位を含むことを特徴とする組成物。
[化1]
−Si−O−Ti− (1)
【請求項2】
前記SiOゾルは、ナノサイズのシリカが水分散されたSiOゾルである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記SiOゾルは、酸性又は中性SiOゾルである請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
前記SiOゾルは、全組成物100重量部に対して、1〜20重量部で含まれる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記シランは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び3−アミノプロピルトリエトキシシランからなる群から選択される一つの成分、又は2種類以上の成分の共加水分解縮合物である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記シランは、全組成物100重量部に対して、1ないし30重量部で含まれる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記TiOゾルは、酸性又は中性TiOゾルである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記TiOゾルは、全組成物100重量部に対して、5ないし60重量部で含まれる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
金属の有機酸塩、無機酸塩及び水酸化物からなる群から選択される一つ以上の腐食防止用添加剤を、さらに含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
下記一般式(2)で示される単位を含む請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
[化2]
−Si−O−M− (2)
(式中、Mは金属を表す。)
【請求項11】
前記金属は、Al、Ti、Mo、V、Mn、Mg及びZrからなる群から選択される一つ以上の金属である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記腐食防止用添加剤は、全組成物100重量部に対して、0.1ないし5重量部で含まれるものである請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
シラン溶液を備える工程、及び
SiOゾル及びTiOゾルの混合溶液を前記シラン溶液と混合し、SiOゾル、シラン及びTiOゾルをゾル−ゲル反応させる工程、
を含む、SiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物の製造方法。
【請求項14】
シラン溶液は、
シラン、及び金属の有機酸塩、無機酸塩及び水酸化物からなる群から選択される一つ以上の腐食防止用添加剤、を撹拌して製造される請求項13に記載のSiOゾル、シラン及びTiOゾルの共加水分解縮合物の製造方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の製造方法によって製造されることを特徴とする、SiOゾル、シラン、及びTiOゾル、の共加水分解縮合物。
【請求項16】
基材、及び
前記基材上に塗布された請求項1ないし12のいずれか1項に記載の組成物を含有するコート層、
を含む自己洗浄性部材。
【請求項17】
前記基材は鋼板である請求項16に記載の自己洗浄性部材。
【請求項18】
前記鋼板は、亜鉛系メッキ鋼板である請求項16 又は17に記載の自己洗浄性部材。
【請求項19】
前記コート層は、基材から
[−Si−O−]単位を含む密着性改善層、
[−Si−O−M−](ここで、Mは金属を表す)単位を含む耐食性向上層、及び
[−Si−O−Ti−]単位を含む自己洗浄層、
が連続的に形成されたことを特徴とする請求項16ないし18のいずれか1項に記載の自己洗浄性部材。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−163615(P2010−163615A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287177(P2009−287177)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(502258417)ポスコ (73)
【出願人】(506296259)株式会社 ディーピーアイ ホールディングズ (2)
【Fターム(参考)】