説明

船舶用動力分割ギヤボックス

単一の原動機が動力例えばトルクをサーフェスドライブなどの複数のファイナルドライブアセンブリまたは他のファイナルドライブへ分配するのを可能にする動力分割ギヤボックスを提供する。動力分割ギヤボックスは、船舶用伝達装置の下流に設けられて、船舶のトランサムに直接的に設置される。ギヤボックスは、複数のファイナルドライブアセンブリの重量を支持するように複数のファイナルドライブアセンブリの設置面を受承支持する後壁を有し得る。ギヤボックスは、ギヤボックスに設置された一対のファイナルドライブアセンブリが船舶を移動させる推進力を提供するために一対のプロペラを逆回転させるように反対方向に回転する2つの出力部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して船舶用パワートレーンに関し、特に動力を原動機からプロペラ等の推進装置へ伝達するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
単一のプロペラを駆動する単一のエンジンを有した船舶は、船舶を傾け或いは回転させるプロペラトルク効果を経験することが知られている。複数のプロペラを同じ回転方向に駆動する複数のエンジンを有した船舶もまたプロペラトルク効果に起因する傾きまたは回転を経験することがある。プロペラトルクに誘発される傾きおよび回転は、時として船舶の制御を困難にする。
【0003】
従って、幾つかの船舶は一対のプロペラを反対方向に回転させる一対のエンジンおよび伝達装置を含む。これは従来から逆回転プロペラと呼ばれている形態であり、船舶へのプロペラトルク効果を低減させ得る。しかしながら、殆どの内燃機関は、(そのクランク軸の)単一回転方向に動作するようにセットアップされているので、一対のエンジンの後方に一対の逆回転プロペラを設けるために、船舶の各側部について、異なる形態の伝達装置およびファイナルドライブの少なくともいずれかが必要となる。これは、右舷側パワートレーンおよび左舷側パワートレーンの形状寸法を含む構成部品が同一ではないので、システム構成の費用や複雑さを付加することになる。
【0004】
更に、典型的な(i)単一エンジン・単一プロペラ形態、および(ii)双対エンジン・双対プロペラ形態は、エンジンのエンジントルクまたは動力出力を処理し得るファイナルドライブアセンブリを必要とする。従って、高いトルクまたは動力出力のエンジンを利用する船舶は、極めて大型、高重量、且つ高価なファイナルドライブアセンブリを必要とする。
【0005】
推進効率を増大させると共にプロペラトルク効果を減少させる他の試みでは、軸方向に整列させられ、互いに当接し、且つ同じファイナルドライブアセンブリを介して、しかし反対方向へ駆動される一対のプロペラが設けられている。これは従来から逆回転プロペラと呼ばれている形態である。しかしながら、逆回転プロペラを設けるには、一般的には、同心状に配置される駆動軸対を必要とするので、外側駆動軸は中空でなければならず、その強度を損なうと共に構成の費用や複雑さを付加することになる。
【0006】
従来のどのシステムでも、複数のプロペラを高出力船舶用途で使用する高効率で強力且つ小型の船舶用駆動システムを提供するという問題の解決策を提供できていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、単一の原動機から動力を入力すると共に、動力を一対の逆回転プロペラへ分配し得る船舶用動力分割ギヤボックスが必要とされた。完全性を損なわずに複雑さを最小減にする解決策が希望された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、船舶の船舶用パワートレーンシステムと共に使用する動力分割ギヤボックスに向けられる。好適な実施形態は、プロペラの合計数よりも少ないエンジンで駆動される逆回転プロペラを設けつつ既存のファイナルドライブアセンブリを組み入れることのできる船舶用動力分割ギヤボックスを提供する。単一の原動機からの動力出力を、一対のプロペラを逆回転させる2個のファイナルドライブアセンブリへ分配するために分割することにより、実装されるファイナルドライブアセンブリをより小型にできる。なぜならば、このファイナルドライブアセンブリに必要とされるトルクまたは動力に対する容量は、原動機の合計のトルクまたは動力出力と比較して半分に過ぎないからである。より小型のファイナルドライブアセンブリは、システムの推進効率を増加させ得るより高いピッチ/直径比係数を備えたより小径のプロペラを使用し得る。この特徴はまた、ボートドラフトをより少なくし船舶操作性を向上させ得る。
【0009】
動力分割ギヤボックスは、船舶のトランサムに対して固定されるギヤボックスハウジングを含む。ギヤトレーンは、ギヤボックスハウジング内に配置される。ギヤトレーンは、船舶用パワートレーンシステムの原動機からの動力を入力し、その動力を複数の動力出力成分に分割する。動力出力成分は、複数の別個の位置においてギヤトレーンによって出力される。複数のサーフェスドライブアセンブリは、各々が複数の動力出力成分の少なくとも1つをギヤトレーンから受け取るようにギヤボックスと結合される。複数のサーフェスドライブアセンブリの各々の少なくとも一部の相対配向がトリムおよび操舵のために調整される間、船舶のトランサムに対してギヤトレーンが一定相対位置を保つように適合される。このように一定相対位置を保つこと或いはギヤトレーンをトランサムに対して固定することにより、ギヤトレーンの回転成分がジャイロトルク作用を船舶の操舵系または他の系に導入することは、操舵される構成部品と一体的に移動するギヤボックスの場合に比べて、より少なくなる。本発明に係る動力分割ギヤボックスの一実施形態において、ギヤボックスハウジングは船舶トランサムの船外面に配置される。複数のサーフェスドライブアセンブリの複数部分は、ギヤボックスハウジングに固定されるように取り付けられ、それらの間にサーフェスドライブ間隔幅を画定する。更に、ギヤボックスハウジングの幅は、ギヤボックスハウジングがギヤボックスハウジングに固定されるように取り付けられたサーフェスドライブアセンブリの前記複数部分を越えて横方向に延出するように、サーフェスドライブ間隔幅よりも大きくてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、ギヤトレーンは、互いに噛み合う複数のヘリカルギヤを含み得る。加えて、ギヤトレーンは、互いに半径方向に整列させられた少なくとも4つの歯車を含むことができ、少なくとも4つの歯車の少なくとも第1対が第1方向に回転し、少なくとも4つの歯車の少なくとも第2対が反対の第2方向に回転するように前記少なくとも4つの歯車は外周面において噛み合っている。複数のサーフェスドライブアセンブリのうちの第1のサーフェスドライブアセンブリが少なくとも4つの歯車の第1対からの歯車によって駆動され、複数のサーフェスドライブアセンブリのうちの第2のサーフェスドライブアセンブリが少なくとも4つの歯車の第2対からの歯車によって駆動されることにより、第1および第2のサーフェスドライブアセンブリによって駆動させられる一対のプロペラが反対方向に回転する。別の実施形態において、船舶への推進誘発トルクの大きさの低下はプロペラ対を反対方向へ回転させることにより実現され得る。
【0011】
本発明は船舶用動力分割推進システムにも向けられ、そのシステムは、動力を原動機から入力し、その動力を複数の動力成分に分割する動力分割歯車ギヤボックスを含む。複数のファイナルドライブは、動力分割ギヤボックスと動作可能に接続される。複数のファイナルドライブの各々は、複数のトルクまたは動力成分のうちの関連する一つを入力し、その結果、複数のファイナルドライブの各々は、原動機によって供給される動力全体よりも小さい動力を受け、各ファイナルドライブが、エンジンの全体トルクまたは動力出力を扱うことが必要とされるのに比べて、相対的により小型で、より安価で、且つより流体力学的なファイナルドライブを組み入れることが可能となる。複数のクラッチアセンブリは、原動機から入力された動力が、複数のファイナルドライブの中の単一のファイナルドライブへ向けられ得るように、複数のファイナルドライブおよび動力分割ギヤボックスの間に設けられる。
【0012】
本発明に係る船舶用動力分割推進システムは、ファイナルドライブの各々がサーフェスドライブアセンブリであるように構成され得る。複数のサーフェスドライブアセンブリは、本発明に係る船舶用動力分割推進システムを組み入れた船舶をトリムおよび操舵できるように関節結合可能であり得る。複数のサーフェスドライブアセンブリは、第1プロペラを第1方向に回転させる第1サーフェスドライブアセンブリと、第2プロペラを反対の第2方向へ回転させる第2サーフェスドライブアセンブリを含み得る。複数のクラッチアセンブリの少なくとも1つは、原動機からの動力が、複数の動力成分に変更可能に分割されることが可能となるように、調整可能であってもよい。
【0013】
本発明の別の実施形態において、船舶用動力分割推進システムは、原動機からの動力を入力すると共に、その動力を複数の動力成分に分割する動力分割ギヤボックスを含む。動力分割ギヤボックスは、船舶のトランサムに設置されると共に、トランサムと動力分割ギヤボックスとの接続部分の表面積によって画定されるギヤボックス設置表面積を有する。複数のファイナルドライブは、動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される。複数のファイナルドライブの各々は、ファイナルドライブと動力分割ギヤボックスまたはトランサムの少なくとも一方との接続部分表面積によって画定されるファイナルドライブ設置表面積を含む。ギヤボックス設置表面積は、ファイナルドライブ設置表面積よりも少なくとも2倍大きい。相対的により大きな設置表面積を供給することにより、ファイナルドライブ推進力の適用が広がり、その力は、対応してより大きな領域に分布される。これはまたトランサムの撓みを減少させ得、その減少は船体または船舶を移動させる推進力の伝達効率を増加させ得る。これはまた、疲労を招くような局所的なトランサムの撓みおよび変形の発生可能性の頻度および程度を減少させて、トランサムの耐用寿命を延長させる。第1動力分割ギヤボックスは、本実施形態のシステムの船舶トランサムの右舷側に設けられてもよく、また、第2動力分割ギヤボックスは、船舶トランサムの左舷側に設けられてもよい。第1および第2動力分割ギヤボックスの各々は、動作可能に接続される一対のファイナルドライブを含み得る。更に、本実施形態のシステムは、第1動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される複数のファイナルドライブが、対応する逆回転プロペラ対を駆動させる一対のサーフェスドライブアセンブリを含み、且つ、第2動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される複数のファイナルドライブが、対応する逆回転プロペラ対を駆動させる一対のサーフェスドライブアセンブリを含むように構成されてもよい。
【0014】
本実施形態に係るシステムは、更に、第1動力分割ギヤボックスが第1原動機から動力を入力し、第2動力分割ギヤボックスが第2原動機から動力を入力するように構成されてもよく、その結果、第1および第2原動機からの動力は、推進動力を船舶へ、船舶トランサムの右舷側および左舷側の各々において、一対の逆回転プロペラを含む4つのプロペラによって送出する。
【0015】
更に、最も内側に位置決めされたプロペラ対は、互いに逆方向に回転して良く、且つ、最も外側に位置決めされたプロペラ対は、互いに逆方向に回転する。
本発明に係る船舶用動力分割推進システムの更に別の実施形態において、ギヤボックスは、船舶トランサムの外側面に設置される。ギヤボックスは、ギヤボックスの前端に設けられると共に、船舶用パワートレーンシステムの原動機から動力を入力するギヤボックス入力部を含む。複数のギヤボックス出力部がギヤボックスの後端に設けられる。トランサムから外側離間する後壁も設けられる。後壁を介して複数のギヤボックス出力部にアクセス可能である。ギヤボックス後壁に設置される複数のファイナルドライブも設けられる。複数のファイナルドライブの各々は、ギヤボックス入力部に入力される動力が、船舶を移動させるために複数のファイナルドライブを介して推進力として送出されるように、複数のギヤボックス出力部のうちの対応する一つと動作可能に接続される。
【0016】
ファイナルドライブの各々は、その前端に設置面を含んでもよく、設置面はギヤボックスの後壁と接続部分をなす。更に、ファイナルドライブの各々は、複数のギヤボックス出力部のうちの対応する1つによって同心状に受承される入力軸を含み得る。
【0017】
本発明の更に別の実施形態において、動力分割ギヤボックスは、動力が入力される複数の入力部を含む。これにより、異なる原装備パワートレーン形態に合うように調整或いは装着するのを容易にするために、複数の装着選択肢が提供され得る。更に、動力分割ギヤボックスの複数の入力部は、単一のギヤボックスに複数の原動機が取り付けられるのを可能にする。例えば、原動機および二次動力源は、動力分割ギヤボックスと動作可能に接続されると共に、そこへ動力を送出し得る。二次動力源は、動力を原動機と同時に送出することにより、原動機により送出される動力を補足し得、任意で、二次動力源は、原動機が動力を動力分割ギヤボックスへ供給しない時に、動力を動力分割ギヤボックスへ供給し得る。
【0018】
幾つかの実施形態において、二次原動機は、時には、原動機からの寄与なしで船舶へ推進力を唯一もたらし得る電気モータである。電力のみで作動することにより、船舶は内燃機関を作動させることなく、例えば、トローリング、無音または隠密モードで作動、停泊または係留、非作動原動機を補うことの少なくともいずれかを行い得る。電気モータは、更に、発電機または発電セットの構成部品として構成され得る。この実施において、電気モータが推進力を供給しない時には、電気モータは蓄電池11に蓄えられる電力を発生させるために原動機によって駆動され得る。電気モータは、ファイナルドライブアセンブリに直接的に接続されてもよく、このファイナルドライブアセンブリは、クラッチアセンブリを伴いギヤトレーンに選択的に結合され得る。これにより、操作者が所望するのであれば、電気モータが船舶用動力分割推進システムの複数のファイナルドライブアセンブリの1つのみを駆動させることが可能となる。
【0019】
本発明のこれらおよび他の態様、並びに目的は、以下の説明および添付の図面と併せて考慮された時に、より良好に認識および理解される。しかし当然のことながら、以下の説明は、本発明の好適な実施形態を指示する一方で、例証として与えられるものであり、限定するものではない。本発明の精神から逸脱することなく、本発明の範囲内において、多くの変更および変形が為されてもよく、且つ、本発明は、これらの変形全てを含む。
【0020】
本発明の好適な例証実施形態は添付の図面に示されており、図面中の同じ符号は図面全体を通して同じ部品を表している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】船舶のパワートレーンに組み入れられた本発明に係る船舶用動力分割ギヤボックスの側面概略図。
【図2】図1に示される船舶の背面概略図。
【図3】2つの原動機および2対の逆回転プロペラを駆動させる2つの船舶用動力分割ギヤボックスを組み入れた図1に示される船舶の変形例の背面概略図。
【図4】図1の動力分割ギヤボックスのギヤトレーンの概略図。
【図5】複数の入力部を有すると共に二次動力源を組み入れた図1の動力分割ギヤボックスの変形例の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面特に図1を参照すると、トランサム3を有しパワートレーンシステム5を含む船舶2の船尾部分の断面概略図が示される。パワートレーンシステム5は、好適には内燃機関である1つまたはそれより多くの原動機6を利用する。変速装置8は、原動機6の後方または下流側において、原動機6に動作可能に接続される。変速装置8は、ウィスコンシン州ラシーンに本社があるツウィンディスクインコーポレーテッドから市販されているMGXシリーズ変速装置(QuickShift(登録商標)変速装置)やMGシリーズ変速装置であることが好ましい。原動機6および変速装置8の各列は、例えば変速装置出力軸9を介して、動力分割ギヤボックス10と接続される。動力分割ギヤボックス10は、一対のファイナルドライブアセンブリ20、22にそれぞれ設けられた一対のプロペラ24、26を逆回転させるために、原動機6から送出された動力を、複数の動力成分に変換する。各ファイナルドライブアセンブリ20、22は、好適には、例えばツウィンディスクインコーポレーテッドから市販されているアーネソン(ARNESON)(商標)サーフェスドライブのような船舶用サーフェスドライブであるが、沈水型ファイナルドライブを含む他のファイナルドライブも企図されまた本発明の範囲内である。
【0023】
図1〜図3を参照すると、動力分割ギヤボックス10は、船舶2とファイナルドライブアセンブリ20、22との接続部分であるとともに、原動機6から動力を入力し、その動力(またはその成分)を複数のファイナルドライブアセンブリ20へ分割分配する。この点に関して、動力分割ギヤボックス10は、単一のエンジンを備えた船舶に一対の逆回転プロペラを使用できるようにする(図2)。それと対応して、一対の動力分割ギヤボックス10を使用することにより、2つのエンジンを有する船舶に2対の逆回転プロペラが使用できるようになり(図3)、それにより、トランサム3の右舷側および左舷側の各々にある一対の逆回転プロペラを含む全4つのプロペラを船舶2に組み入れることができる。この点に関して、動力分割ギヤボックス10は、(i)単一エンジン・双対逆回転プロペラパワートレン(図2)、(ii)双対エンジン・4対逆回転プロペラパワートレン(図3)、または(iii)例えば、パワートレーン内にあるプロペラの合計数の半数の原動機によって動力が供給される1対またはそれより多くの対の逆回転プロペラを組み入れた他のパワートレーンを提供するために、エンドユーザが購入する前に製造工場で直接的にまたはアフターマーケット装着者から、船舶2に組み入れられ得る。
【0024】
図1〜図4を参照すると、動力分割ギヤボックス10は、船舶2に接続すると共に少なくとも部分的にギヤトレーン150または動力分配ギヤボックス10の他の様々な構成部品を包囲するギヤボックスハウジング100を含む。ギヤボックスハウジング100は、ファイナルドライブアセンブリ20、22とトランサム3との間に機械的に取り付けられてそれらの間の接続部分構造体として機能する。というのは、ギヤボックスハウジング100がトランサム3に取り付けられ、ファイナルドライブアセンブリ20、22がギヤボックスハウジング100に取り付けられるからである。ギヤボックスハウジング100は、ファイナルドライブアセンブリ20、22をトランサム3に接続させるので、トランサム3に対する、ファイナルドライブアセンブリ20、22を介して送達される推進力の付与並びに動力分割ギヤボックス100およびファイナルドライブアセンブリ20、22の重量の付与も分配する。
【0025】
ギヤボックスハウジング100は、複数のファイナルドライブアセンブリ20がトランサム3に直接的に取り付けられる場合よりも大きな表面積で、トランサム3に取り付けられる。従って、ギヤボックスハウジング100は、一対のファイナルドライブアセンブリ20がトランサム3に直接的に取り付けられた場合よりも、トランサム3の大きな表面積に対して使用中の力および荷重を分配し得る。これに対応してギヤボックスハウジング100はトランサム3に対してより低い平方インチ毎の力を付与し、好ましくないトランサム3の撓みを低減させることができる。
【0026】
ギヤボックス100は、複数のファイナルドライブアセンブリ20の組み合わせ設置表面積よりも、例えば少なくとも2倍大きい設置表面積を有することができる。こうした相対的に大きい設置表面積は、ギヤボックス100を複数のファイナルドライブアセンブリ20よりも横方向に延出するように構成することにより実現できる。言い換えると、ギヤボックス100は、複数のドライブアセンブリ20の設置部の最外面の間に画定される距離よりも幅広であってもよく、また、別の場合には、トランサム3に対して所望の荷重分配特性を得るために十分に大きい設置表面積をギヤボックス100が有するように寸法を決めることができる。
【0027】
図1および図4を参照すると、ギヤボックスハウジング100は、トランサム3と対向または当接する前壁110を含み得る。前壁110は、動力分割ギヤボックス10の前端に設けられた1つまたはそれより多くの入力部70へアクセスできるように、トランサム3の後方対向面または船外面に直接的に取り付けられ得る。任意であるが、1つまたはそれより多くの取り付けフランジ等の補助的取り付け構造体、または他の取り付け構造体が、ギヤボックスハウジング100をトランサム3に取り付けるために、前壁110またはギヤボックスハウジング100の他の部分から延出する。
【0028】
更に、図1および図4を参照すると、互いに対向する側壁120および125の前側対向縁は前壁110の側部に接続し、上壁および下壁130および135の前側対向縁は前壁110の上部および下部に取り付けられる。側壁120、125並びに上壁および下壁130、135は前壁110から後方に離れるように延出し、ギヤボックスハウジング100の全体包囲アセンブリを画定するために後壁140によって互いに接続される。
【0029】
ギヤボックスハウジング100の構成部品は、動力分割ギヤボックス10をトランサム3の後方対向面または船外面に設置するように構成されると上述したが、代わりに、船舶2の内側に設置するように構成されてもよい。言い換えると、動力分割ギヤボックス10は、前壁110をトランサム3の後部へ固定する代わりに、後壁140をトランサム3の前部へ固定することにより、トランサム3の前側対向面または船内面に取り付けられてもよい。この船内設置形態において、動力分割ギヤボックス10およびファイナルドライブアセンブリ20、22がトランサム3の対向面を挟持するように、固定具が動力分割ギヤボックス10およびファイナルドライブアセンブリ20、22を互いに向けて引っ張る状態で、トランサム3は、動力分割ギヤボックス10およびファイナルドライブアセンブリ20、22の間で挟まれる。好適には、動力分割ギヤボックス10はまた、動力分割ギヤボックス10およびファイナルドライブアセンブリ20を、トランサム3に対して固定された状態で保持するべく、それら動力分割ギヤボックス10およびファイナルドライブアセンブリ20の間に築かれる挟持力を補足するために、後壁140の周縁等、他の設置位置に設けられる固定具によって、トランサム3に取り付けられる。
【0030】
尚、動力分割ギヤボックス10のより典型的な実施において、同様の挟持型設置技術が使用されてもよく、動力分割ギヤボックス10は、船舶2の外部でトランサム3の後方に設置される。これは、トランサムの前部または前方対向側部に裏当板を使用すると共に、トランサム3を裏当板と動力分割ギヤボックス10の間で圧迫させるための対応する固定具を使用して、アセンブリを所定位置に保持することにより実現することができる。
【0031】
図4を参照すると、ギヤボックスハウジング100がトランサム3の前面に取り付けられるか、或いは後面に取り付けられるかに拘わらず、ギヤボックスハウジング100は、その内部でギヤトレーン150を保持及び保護する。ギヤボックスハウジング100がトランサム3に対して固定されるので、ギヤトレーン150もまたトランサム3に対して固定される。それにより、たとえ船舶2をトリムまたは操舵するようにファイナルドライブアセンブリ20、22が関節結合される時であっても、ギヤトレーン150はトランサム3に対する配列または位置を常に保持する。
【0032】
更に図4を参照すると、ギヤトレーン150は、後壁140を介してアクセス可能であると共にファイナルドライブアセンブリ20、22を駆動する複数の出力部80を介して送達するために、入力部70を介して入力された動力を機械的に分割する。ギヤトレーン150は、互いに噛み合い従って同時回転する複数の歯車160を含む。歯車160は、螺旋状に切断された歯を有すると共に、ギヤトレーン150の全ての他の歯車160が同じ方向に回転するが、互いに隣接する歯車160は反対方向に回転するように互いに半径方向に整列していることが好ましい。隣接する半径方向に係合する歯車は、反対方向に直視的に回転するので、2つの中間歯車(または、2の倍数の数の歯車)によって互いに離間した歯車160は、反対方向に回転する。対応して、ギヤトレーン150は、動力を、ギヤトレーン150の歯車160のいずれか1つへ入力させると共に、2つの中間歯車160(または、2の倍数の数の歯車)によって互いに離間した歯車160を介して動力を送達することにより、逆回転出力を得ることができる。
【0033】
更に図4を参照すると、本例証実施形態に示されるように、ギヤトレーン150が4つの歯車160を有するならば、出力部80は、側壁120、125に隣接する最外側歯車によって、逆回転方向に駆動され得る。これは、4つの歯車のいずれが入力部70によって回転させられるかに拘わらず、当てはまる。従って、入力部70によって駆動される4つの歯車の特定の1つが、意図される最終使用用途に基づいて、例えば、変速装置出力軸9および動力分割ギヤボックス10の入力部70の間における空間的な関係に基づいて選択される。
【0034】
入力部70および出力部80は、歯車160を別として、分離した別個の構成部品である必要はなく、むしろ、歯車160のうちの個々のものと一体化させられてよいことが考えられる。例えば、入力部70は、変速装置出力軸9のスプライン端部を受承する歯車160の1つのスプライン内周面であってもよい。同様に、出力部80は、ファイナルドライブアセンブリ20、22の入力軸のスプライン端部を受承すると共に駆動させる歯車160の1つのスプライン内周面であってもよい。
【0035】
再度、図1を参照すると、幾つかの実施形態において、出力部80は、動力分割ギヤボックス10と複数のファイナルドライブアセンブリ20との間に載置されるクラッチ200と接続される。クラッチ200は、操作者が、必要に応じて、ファイナルドライブアセンブリ20、22を、個々に或いは一緒に、選択的に係合および係脱の少なくともいずれかを行うのを可能にする。更に、クラッチ200は、出力部80からファイナルドライブアセンブリ20、22へ伝達される動力の相対量を制御するように調整可能であってもよい。
【0036】
再度、図1〜図3を参照すると、ドライブ取付台250は、ファイナルドライブアセンブリ20、22が取り付けられる取り付け構造体である。従って、ドライブ取付台250は、ギヤボックスハウジングの後壁140、またはクラッチ200が動力分割ギヤボックス10と共に使用されるならばクラッチ200の後端に設けられる。ドライブ取付台250は、固定具、および、肩部、縁部、およびファイナルドライブアセンブリ20、22の前端において、取り付けフランジと協働する他の機械式インタロックの少なくともいずれか等の対応する構造体の少なくともいずれかを用いて、ファイナルドライブアセンブリ20、22の前方対向端を受承すると共に保持するように構成される。幾つかの実施において、ドライブ取付台250はまた、ファイナルドライブアセンブリ20、22をトリムおよび操舵する液圧式アクチュエータの上端が取り付けられる取り付け構造体として作用する。
【0037】
図5を参照すると、複数の入力部70を含む実施形態について、この複数の入力部70は、(i)改造応用を可能にする取り付けおよび位置決めオプション類をもたらすことができ、また、(ii)特定の所望される最終使用形態に応じて、複数の原動機が単一の動力分割ギヤボックス10へ個々にまたは組み合わせて動力を供給するのを可能にし得る。例えば、原動機6に加えて、二次動力源4が動力分割ギヤボックス10に取り付けられてもよい。幾つかの実施形態において、二次動力源4は、時には、原動機6からの寄与なしで船舶2へ推進力を唯一もたらし得る電気モータである。本形態は、例えば、トローリング時、無音または隠密モードで作動させる時、停泊または係留させる時、また原動機6の作動故障がある場合の少なくともいずれかにおいて、必要に応じて、電力のみによって、船舶2の推進を可能にする。
【0038】
引き続き図5を参照すると、二次動力源4は、係合させられた時に、プロペラ24、26の両方または一つのみを回転させるように、動力分割ギヤボックス10と選択的に接続されてもよい。二次動力源4が両方のプロペラ24、26を回転させる実施形態において、二次動力源4は、上述されるものと大きく類似する方法で作動し、それにより、ギヤトレーン150の一つの歯車160を回転させ、更に、ファイナルドライブアセンブリ20、22の出力軸が、プロペラ24、26を反対または逆回転方向へ回転させるように、ギヤトレーン150内の他の歯車160を回転させる。
【0039】
更に図5を参照すると、二次動力源4は、ファイナルドライブアセンブリの一方、およびギヤトレーン150と選択的に結合され、二次動力源4がプロペラ24、26の一つを回転させることが可能となる。これは、様々な適切な方法のいずれかで実現され得る。例えば、クラッチアセンブリ7は、ギヤトレーン150およびファイナルドライブアセンブリ20の間に設けられてもよく、それらが互いに作動連通する際に、係合および係脱させる。次に、二次動力源4をファイナルドライブアセンブリ20と結合させることにより、二次動力源4は、クラッチアセンブリ7がギヤトレーン150をファイナルドライブアセンブリ20から係脱させる時に、ファイナルドライブアセンブリ20へ動力を供給し得る。
【0040】
クラッチアセンブリ7は、例えば、制御システムによって、外部制御され、任意で、クラッチアセンブリ7のみを制御する自立式制御システムによって、原動機6および二次動力源4のいずれが、所望時点で利用されるかを選択する。この制御システムの特定構成に拘わらず、好適には、使用者による二次動力源4の駆動が、略同時に、クラッチアセンブリ7を係脱させると共に、ギヤトレーン150をファイナルドライブアセンブリ20から解放する一方、二次動力源4は、ファイナルドライブアセンブリ20と動作可能に接続するように構成される。複数の原動機が単一のギヤボックスに動作可能に接続されるのを可能にする様々な好適なクラッチアセンブリ7は、参照により本明細書に援用される、2009年2月12日に出願されハイブリッド船舶用パワートレーンシステムと題された本出願人の米国仮特許出願番号第61/152、061号に見られる。
【0041】
二次動力源4の電気モータが発電機または発電セットとして構成されるならば、二次動力源4は常にファイナルドライブアセンブリ20と動作可能に接続されたままであってもよい。本実施形態において、原動機6が推進力をもたらす時に、二次動力源4は、原動機6によって且つギヤトレーン150およびファイナルドライブアセンブリ20の少なくともいずれかを介して駆動され、エンジンアクセサリと同様に、蓄電池11に蓄えられる電力を発生させる。また図5を参照すると、二次動力源4がファイナルドライブアセンブリ20と選択的に結合されるか、或いは連続的に結合されるかに拘わらず、二次動力源4およびファイナルドライブアセンブリ20またはプロペラ24の間に定められる全体駆動比は、固定比であってもよい。この固定された全体駆動比は、好適には、推進性能を最適化する一方で、単一のプロペラ24および原動機6と比較した時に相対的に強力ではない原動機を使用するために選択される。典型的な実施において、二次動力源4およびプロペラ24の間に定められる全体駆動比は、原動機6およびプロペラ24、26の間に定められる全体駆動比よりも、1対1の比率に近い。
【0042】
変速装置の特定の所望最終使用形態に応じて更に他の構成を含めることができる。例えば、ギヤボックスハウジング100が歯車160の軸受を適切に保持し得るセグメントを含む単一の鋳造体として構成されるならば、前壁および後壁110および140の少なくともいずれか或いはそれらの一部は、動力分割ギヤボックス10全体が、それ自体、トランサム3、およびファイナルドライブアセンブリ20、22の間で適切に密封されるとすると、必要とされなくてもよい。
【0043】
尚、本発明の技術的思想から逸脱することなく様々な変更および変形を行ってもよい。これら変更の中の幾つかは上述されている。他の変更は添付した本発明の請求の範囲から明白になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶の船舶用パワートレーンシステムと共に使用する動力分割ギヤボックスであって、
船舶のトランサムに対して固定されるギヤボックスハウジングと、
前記ギヤボックスハウジング内に配置されるギヤトレーンであって、前記船舶用パワートレーンシステムの原動機から動力を入力し、その動力を、該ギヤトレーンの複数の別個の位置において該ギヤトレーンによって出力される複数の動力出力成分に分割する前記ギヤトレーンと、
各々が前記複数の動力出力成分の少なくとも1つを前記ギヤトレーンから受け取るように前記ギヤボックスと結合される複数のサーフェスドライブアセンブリとを備え、
前記複数のサーフェスドライブアセンブリの少なくとも一部の相対配向がトリムおよび操舵のために調整される間、前記船舶のトランサムに対して前記ギヤトレーンが一定相対位置を保つ
ことを特徴とする動力分割ギヤボックス。
【請求項2】
前記ギヤボックスハウジングは、前記船舶のトランサムの船外面に取り付けられることを特徴とする請求項1の動力分割ギヤボックス。
【請求項3】
前記複数のサーフェスドライブアセンブリの複数部分は、前記ギヤボックスハウジングに固定式に取り付けられてそれらの間においてサーフェスドライブ間隔幅を画定し、前記ギヤボックスハウジングの幅は、該ギヤボックスハウジングが、該ギヤボックスハウジングが固定式に取り付けられる前記サーフェスドライブアセンブリの前記複数部分を越えて横方向に延出するように、前記サーフェスドライブ間隔幅よりも大きいことを特徴とする請求項2の動力分割ギヤボックス。
【請求項4】
前記ギヤトレーンは、互いに半径方向に略整列された少なくとも4つの歯車を含み、(i)前記少なくとも4つの歯車の少なくとも第1対が第1方向に回転し、(ii)前記少なくとも4つの歯車の少なくとも第2対が反対の第2方向に回転するように、前記少なくとも4つの歯車は外周面において噛み合っていることを特徴とする請求項1の動力分割ギヤボックス。
【請求項5】
(i)前記複数のサーフェスドライブアセンブリのうちの第1のサーフェスドライブアセンブリが前記少なくとも4つの歯車の前記第1対によって駆動され、且つ、(ii)前記複数のサーフェスドライブアセンブリのうちの第2のサーフェスドライブアセンブリが前記少なくとも4つの歯車の前記第2対によって駆動されることにより、前記第1および第2のサーフェスドライブアセンブリによって駆動される一対のプロペラは反対方向に回転することを特徴とする請求項4の動力分割ギヤボックス。
【請求項6】
動力が入力される複数の入力部を更に備え、該複数の入力部の各々は、(i)前記ギヤトレーンと、(ii)少なくとも1つの前記サーフェスドライブアセンブリと、のうちの少なくとも一方と動作可能に接続されることを特徴とする請求項1の動力分割ギヤボックス。
【請求項7】
前記原動機は、前記複数の入力部の1つと動作可能に結合され、第2動力源は、前記複数の入力部の別の異なる1つと動作可能に結合されることを特徴とする請求項6の動力分割ギヤボックス。
【請求項8】
船舶用動力分割推進システムであって、
船舶のトランサムに設置され、原動機から動力を入力し、その動力を複数の動力成分に分割する動力分割ギヤボックスと、
前記動力分割ギヤボックスと動作可能に接続される複数のクラッチアセンブリと、該複数のクラッチアセンブリの各々は、該クラッチアセンブリを介して前記複数の動力成分のうちの対応する1つを選択的に伝達するものであり、
前記複数のクラッチアセンブリと動作可能に接続される複数のファイナルドライブアセンブリと
を備えることを特徴とする船舶用動力分割推進システム。
【請求項9】
前記複数のファイナルドライブアセンブリの各々はサーフェスドライブアセンブリであることを特徴とする請求項8の船舶用動力分割推進システム。
【請求項10】
前記複数のサーフェスドライブアセンブリの各々は、前記船舶をトリムおよび操舵できるように関節結合可能であることを特徴とする請求項9の船舶用動力分割推進システム。
【請求項11】
前記複数のサーフェスドライブアセンブリは、
(i)第1プロペラを第1方向へ回転させる第1サーフェスドライブアセンブリと、
(ii)第2プロペラを反対の第2方向へ回転させる第2サーフェスドライブアセンブリとを含むことを特徴とする請求項10の船舶用動力分割推進システム。
【請求項12】
前記複数のクラッチアセンブリの少なくとも1つは、前記原動機からの動力が前記複数のファイナルドライブアセンブリのうちの対応する1つへ変更可能に伝達されることを可能にするように調整可能であることを特徴とする請求項8の船舶用動力分割推進システム。
【請求項13】
船舶用動力分割推進システムであって、
原動機から動力を入力し、該動力を複数の動力成分に分割する動力分割ギヤボックスであって、船舶のトランサムと当該動力分割ギヤボックスとの接続部分表面積によって画定されるギヤボックス設置表面積を有するように船舶のトランサムに設置される前記動力分割ギヤボックスと、
前記動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される複数のファイナルドライブアセンブリであって、該複数のファイナルドライブアセンブリの各々が当該ファイナルドライブと前記動力分割ギヤボックスまたは前記トランサムの少なくとも一方との接続部分表面積によって画定されるファイナルドライブ設置表面積を有する、前記複数のファイナルドライブアセンブリとを備え、
前記ギヤボックス設置表面積が前記ファイナルドライブ設置表面積よりも少なくとも2倍大きいことを特徴とする船舶用動力分割推進システム。
【請求項14】
前記動力分割ギヤボックスと前記複数のファイナルドライブアセンブリと間に設けられる複数のクラッチアセンブリを更に備え、前記ファイナルドライブ設置表面積は、前記ファイナルドライブと、(i)前記動力分割ギヤボックス、(ii)前記トランサム、および(iii)前記複数のクラッチアセンブリのうちの少なくとも1つとの間の接続部分表面積によって画定されることを特徴とする請求項13の船舶用動力分割推進システム。
【請求項15】
第1動力分割ギヤボックスは船舶トランサムの右舷側に設けられ、第2動力分割ギヤボックスは前記船舶トランサムの左舷側に設けられ、該第1および第2動力分割ギヤボックスの各々は、動作可能に接続される一対のファイナルドライブアセンブリを有することを特徴とする請求項14の船舶用動力分割推進システム。
【請求項16】
(i)前記第1動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される前記複数のファイナルドライブアセンブリは、対応する逆回転プロペラ対を駆動させる一対のサーフェスドライブアセンブリを含み、
(ii)前記第2動力分割ギヤボックスに動作可能に接続される前記複数のファイナルドライブアセンブリは、対応する逆回転プロペラ対を駆動させる一対のサーフェスドライブアセンブリを含むことを特徴とする請求項15の船舶用動力分割推進システム。
【請求項17】
前記第1動力分割ギヤボックスは動力を第1原動機から入力し、前記第2動力分割ギヤボックスは動力を第2原動機から入力することを特徴とする請求項15の船舶用動力分割推進システム。
【請求項18】
動力を入力する複数の入力部と、第2動力源とを更に備え、前記原動機は前記複数の入力部のうちの1つと動作可能に結合され、第2動力源は前記複数の入力部のうちの別の異なる1つと動作可能に結合されることを特徴とする請求項13の船舶用動力分割推進システム。
【請求項19】
原動機を作動させ、
前記原動機によって生成された動力を動力分割ギヤボックス内に配置されたギヤトレーンに入力し、
前記ギヤトレーンにおいて前記動力を分割し、前記動力を複数の動力成分として出力し、
前記複数の動力成分を複数のクラッチアセンブリにそれぞれ入力し、
前記複数の動力成分を前記複数のクラッチアセンブリを介して、当該複数のクラッチアセンブリと動作可能に接続される、対応する複数のファイナルドライブアセンブリに選択的に伝達し、
前記複数のファイナルドライブアセンブリのうちの対応するファイナルドライブアセンブリにより、一対のプロペラを互いに反対の回転方向に駆動させること
を備える、船舶推進方法。
【請求項20】
前記複数のファイナルドライブアセンブリの各々はサーフェスドライブアセンブリであることを特徴とする請求項19の船舶推進方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−528762(P2012−528762A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514190(P2012−514190)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037481
【国際公開番号】WO2010/141873
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(503192882)ツウィン ディスク インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】