説明

色素沈着を防ぐためのベンゾフェノンUVフィルタの使用

【課題】色素沈着を防ぐためのベンゾフェノンUVフィルタの使用を提供すること。
【解決手段】記載されているのは、ヒトの皮膚の色素沈着を防ぐための、式(1)
【化1】


(式中、R1及びR2は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わし;又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−又は6−員環を形成し得;
3及びR4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし10のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基;炭素原子数1ないし12のアルコキシ基;炭素原子数1ないし20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基;炭素原子数1ないし12のジアルキルアミノ基;アリール基、所望により置換されたヘテロアリール基;ニトリル基、カルボキシレート、スルホネート又はアンモニウム基から成る群から選ばれる水中で溶解性を与える置換基を表わし;
Xは、水素原子;COOR5;CONR67を表わし;
5、R6及びR7は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;
炭素原子数2ないし10アルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基;又は(Y−O)O−Z−アリール基を表わ
し;
Yは、−(CH22−;−(CH23−;−(CH24−;−CH(CH3)−CH2−を表わし;
Zは、−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH2−CH3;−C
H(CH3)−CH3を表わし;
mは、0ないし3の数を表わし;
nは、0ないし4の数を表わし;及び
oは、1ないし20の数を表わす。)で表わされる有機UVフィルタの使用、及び化粧品及び医薬品配合物におけるそれらの使用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの皮膚の色素沈着を防ぐための特定有機UVフィルタの使用、及び化粧品配合物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の日焼け、早期老化及び病理学的変化を防ぐ又は軽減するためのUVフィルタの局所適用は、敏感肌質が多く及び社会文化的習慣が身体の露出及びよく日焼けした皮膚の色を広める白色人種に関してかなり定着している。
しかしまた、非白色人種も白斑又は肝斑のようなUV感受性の色素異常症になる傾向がある。そのような障害は有色人種の肌においてさらに多く現れ得、及び美観を損ねる程度に達しさえし得る。これは、多くの有色人種及び特にアジア系の人々の美の理想が、伝統的に太陽への皮膚暴露を避け、及び軽い色素沈着のみを示す理由の一つである。
着衣の習慣及び戸外の活動がより太陽に暴露に向かって変わりつつあるので、日焼け防止要素を含有する日常の化粧品がますます人気になっている。
それにもかかわらず、我々の知るところでは、ほんのわずかな臨床報告だけが非白色人種におけるUVで誘発された皮膚の損傷に注目し、及びそれらのほとんどが防止効果よりむしろUV光の影響に注意を向けている。
それゆえに特にアジアの国において、日照を受けた皮膚の色を保護し、及び更には皮膚に対してより美白された外観を与え得る光保護フィルタ又は光保護フィルタの混合物に大きな関心がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、それゆえに、それは皮膚の色素沈着を防ぎ、及び同時に色素調整剤との組合せにおいて皮膚を美白し得る有機UVフィルタを見つけることである。
驚くべきことに、私たちは今や特定のベンゾフェノン有機UVフィルタがこの目的を成し遂げ得ることを発見している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それゆえに本発明は、
(a)人間の皮膚の色素沈着を防ぐための有機UVフィルタとしての、式(1)
【化1】

(式中、R1及びR2は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わし;又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−又は6−員環を形成し得;
3及びR4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし10のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3な
いし10のシクロアルケニル基;炭素原子数1ないし12のアルコキシ基;炭素原子数1ないし20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基;炭素原子数1ないし12のジアルキルアミノ基;炭素原子数6ないし10のアリール基;所望により置換された炭素原子数6ないし10のヘテロアリール基;ニトリル基、カルボキシレート、スルホネート又はアンモニウム基から成る群から選ばれる水中で溶解性を与える置換基を表わし;
Xは、水素原子;COOR5;CONR67を表わし;
5、R6及びR7は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;
炭素原子数2ないし10アルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基;又は(Y−O)O−Z−アリール基を表わ
し;
Yは、−(CH22−;−(CH23−;−(CH24−;−CH(CH3)−CH2−を表わし;
Zは、−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH2−CH3;−C
H(CH3)−CH3を表わし;
mは、0ないし3の数を表わし;
nは、0ないし4の数を表わし;及び
oは、1ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物から選ばれるUVフィルタの使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
言及され得るR1ないしR7のアルキル基は、枝分かれした又は枝分かれしてない炭素原子数1ないし20のアルキル鎖、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルエチル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1
−ジメチルエチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基
、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチル
ブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチ
ル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、n−へプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基又はn−エイコシル基である。
言及され得るR1ないしR7のアルケニル基は、枝分かれした又は枝分かれしてない炭素原子数2ないし10のアルケニル鎖、好ましくはビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、3−メチル−1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、2−ヘプテニル基、1−オクテニル基又は2−オクテニル基である。
1ないしR7に対し言及され得るシクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロプロピル基、1−エチルシクロプロピル基、1−プロピルシクロピロピル基、1−ブチルシクロプロピル基、1−ペンチルシクロプロピル基、1−メチル−1−ブチルシクロプロピル基、1,2−ジメチルシクロプロピル基、1−メチル−2−エチルシクロプロピル基、シ
クロオクチル基、シクロノニル基又はシクロデシル基のような好ましくは枝分かれした又は枝分かれしてない炭素原子数3ないし10のシクロアルキル鎖である。
1ないしR7に対し言及され得るシクロアルケニル基は、シクロプロペニル基、シクロ
ブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、1,
3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基、シクロヘプテニル基、
シクロヘプタトリエニル基、シクロオクテニル基、1,5−シクロオクタジエニル基、シ
クロオクタテトラエニル基、シクロノネニル基又はシクロデセニル基のような好ましくは一個以上の二重結合を有する枝分かれした又は枝分かれしてない炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル鎖である。
【0006】
シクロアルケニル基及びシクロアルキル基は、置換されないか又は1個以上、例えば1ないし3個の、ハロゲン原子、例えばフッ素原子、塩素原子又は臭素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、炭素原子数1ないし4のジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基又は他の基のような基により置換され得、又は環において、硫黄原子、窒素原子(それらの自由原子価は水素原子もしくは炭素原子数1ないし4のアルキル基により飽和され得る。)又は酸素原子のような1ないし3個のヘテロ原子を含有し得る。
3及びR4に対し適するアルコキシ基は、1ないし12個の炭素原子、好ましくは1ないし8個の炭素原子を有するものである。
言及され得る例は:メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−プロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−メチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2ジメチルプロポキシ基、ヘキシルオキシ基、1−メチル−1−エチルプロポキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基又は2−エチルヘキシルオキシ基である。
3及びR4に対するアルコキシカルボニル基の例は、上述されたアルコキシ基又は、例えばイソ−炭素原子数15のアルコールのような20個までの炭素原子数を有する高級アルコール由来の基を含有するエステルである。
3及びR4に対し適するモノ−又はジアルキルアミノ基は、メチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、へ
プチル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、1−メチルプロピル基、n−ペンチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチル−1−エチルプロ
ピル基及びオクチル基のような1ないし12個の炭素原子を有するアルキル基を含有するものである。
【0007】
アリール基は、芳香族環又は環系において6ないし18個の炭素原子を有する環系、例えばフェニル基又はナフチル基を意味し、それらの各々が置換されない又はハロゲン原子、例えばフッ素原子、塩素原子又は臭素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1ないし4のアルキルアミノ基、炭素原子数1ないし4のジアルキルアミノ基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基又は他の基のような1個以上の基によって置換され得る。
置換されていない又は置換されているフェニル基、メトキシフェニル基及びナフチル基が好ましい。
ヘテロアリール基は、有利には単一の又は一つ以上の複素環式芳香族3ないし7員環を含有する縮合芳香族環系である。環又は環系に存在し得るヘテロ原子は、一個以上の窒素原子、硫黄原子及び/又は酸素原子である。親水性基、すなわち式(1)で表わされる化合物が水に溶解することを可能にしているもの。R3及びR4は、例えば、ニトリル基並びにカルボキシル及びスルホキシ基並びに、特に、その、アルカリ金属塩のような又はトリアルキルアンモニウム塩のような、トリ(ヒドロキシアルキル)アンモニウム塩のような又は2−メチル−1−プロパノール−2−アンモニウム塩のような生理学的に許容されたカチオンを有する塩である。また適するのはアンモニウム基、特に任意に生理学的に許容されたアニオンを有するアルキルアンモニウム基である。
置換基R1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、5−又は6−員環、
例えばピロリジン又はピペリジン環を形成する。
アミノ基は、カルボニル基に対してオルト、メタ又はパラ位置にあり得る。
パラ位置が好ましい。
【0008】
好ましくは式(2)
【化2】


(式中、
1及びR2は、互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし;又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−又は6−員環を形成し;及び
5は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシク
ロアルキル基を表す。)で表わされる化合物が使用される。
好ましくは式(1)
(式中、R1及びR2は、互いに独立して炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;及び
5は、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。);及びより好ましくは式(1
)又は(2)
(式中、R1及びR2は、各々互いに独立して炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;及び
5は、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。)で表わされる化合物が使用さ
れる。
式(1)又は(2)(式中、R1及びR2は、同様な意味を有する。)で表わされる化合物が最も好ましい。
【0009】
最も好ましくは式(3)
【化3】

で表わされる化合物が使用される。
式(1)で表わされる化合物は、化粧品における有効成分として適している。
該化合物は好ましくは溶解した形態で使用され得る。
本発明に従う化粧品配合物又は医薬品組成物は、付加的に一種以上の更なるUVフィルタ(b)を含有する。
付加的なUVフィルタ(b)は、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、式(
1)で表わされるものとは異なるベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸及びエステル;ベンゾフラン誘導体、高分子量UV吸収剤、桂皮酸誘導体、ショウノウ誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸及びその塩、o−アミノ安息香酸メチル、物理的に表面が覆われた又は覆われてないサンスクリーン、ペルフルオロアルコールホスフェート、アミノヒドロキシ−ベンゾフェノン誘導体及びフェニル−ベンズイミダゾール誘導体から選ばれる。
【0010】
好ましくは、下記のUVフィルタの組合せが特に興味深い:
−(a1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ及び
(a2)少なくとも一種のアミノ安息香酸誘導体
を含むUVフィルタ組合せ(A)

−(b1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(b2)安息香酸,4,4’−[[6−[[4−[[(1,1−ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]アミノ]1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]ジイミノ]ビス−,ビス(2−エチルヘキシル)エステル;ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Uvasorb HEB)を含むUVフィルタ組合せ(B);

−(c1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ;及び
(c2)少なくとも一種の式
【化4】

(式中、T2は、炭素原子数1ないし10のアルキル基又はフェニル基で置換された炭素
原子数1ないし4のアルキル基を表わす。)
で表わされるベンゾトリアゾール誘導体を含むUVフィルタ組合せ(C);
−(d1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ;及び
(d2)少なくとも一種のヒドロキシフェニルトリアジン化合物
を含むUVフィルタ組合せ(D)。
【0011】
最も好ましいのは
−(d3)式(3)で表わされる化合物;及び
(d4)式
【化5】

で表わされる化合物を含むUVフィルタ組合せ(D1);

−(f1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ;及び
(f2)少なくとも一種のジベンゾイルメタン誘導体を含むUVフィルタ組合せ(F)
であり

最も好ましいのは
(f3)式(3)で表わされる化合物;及び
(f4)1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェ
ニル)プロパン−1,3−ジオン(アボベンゾン(avobenzone))を含むUVフィルタ組合せ(F1);

−(g1)少なくとも一つの式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(g2)二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホネート[ヘリオパン
(Heliopan)AP]を含むUVフィルタ組合せ(G)である。
【0012】
−(h1)少なくとも一種の式(1)で表わされる対称トリアジン誘導体;及び
(h2)式(h21)
【化6】


(式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して枝分かれした又は枝分かれしてない炭素
原子数1ないし12のアルキル基を表わす。)
で表わされるベンゾオキサゾールにより置換されたトリアジンを含むUVフィルタ組合せ(H)。

更に、
(h5)式(3)で表わされる化合物;及び
(h6)少なくとも一種の式(h21)、(式中
(h61)R1及びR2は第3アミル基を表わし;及びR3は第3ブチル基を表わすか;又
は式中
(h62)R1及びR2は第3ブチル基を表わし及びR3は第3オクチル基を表わすか;又
は式中
(h63)R1及びR2は第3ブチル基を表わし;及びR3は2−エチルヘキシル基を表わ
すか;又は式中
(h64)R1及びR2は第3アミル基を表わし;及びR3は2−エチルヘキシル基を表わ
す。)で表わされる化合物;を含むUVフィルタ組合せ(H2)が好ましくは興味深い。
【0013】
−(i1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(i2)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−[2−メチ
ル−3−[1,3,3,3−テトラメチル−1−[(トリメチルシリル)オキシ]ジシルオキサニル]プロピル]−;{CAS番号155633−54−8;ドロメトリゾールトリシルオキサン(Drometrizole Trisiloxane);メギゾリルXL}を含むUVフィルタ組合せ(I);

−(k1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(k2)シロキサン及びシリコン、ジ−Me、1−[[4−[3−エトキシ−2−(エ
トキシカルボニル)−3−オキソ−1−プロペニル]p−フェノキシ]メチル]エテニルMe,3−[4−[3−エトキシ−2−(エトキシカルボニル)−3−オキソ−1−プロペニル]−フェノキシ]−1−プロペニルMe、Me水素[ジメチコジエチルベンザルマ
ロネート(Dimethicodiethylbenzalmalonate);CAS番号207574−74−1]を含むUVフィルタ組合せ(K);

−(l1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(l2)(+/−)−1,7,7−トリメチル−3−[(4−メチルフェニル)メチレ
ン]ビシクロ[2.2.1]ヘプタノ−2−オン;p−メチルベンジリデンカンファーを含むUVフィルタ組合せ(L);

−(m1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(m2)1−(2−オキソボロニ(oxoborn)−3−イリデン)トルエン−4−
スルホン酸及びその塩(メギゾリルSL)を含むUVフィルタ組合せ(M);

−(n1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(n2)メチルN,N,N−トリメチル−4−[(4,7,7−トリメチル−3−オキ
ソビシクロ[2,2,1]ヘプチ−2−イリデン)メチル]−アニリニウムスルフェート(メギゾリルSO)を含むUVフィルタ組合せ(N);

−(o1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(o2)2−エチルヘキシル2−シアノ,3,3−ジフェニルアクリレート[オクトク
リレン(Octocrylene)]を含むUVフィルタ組合せ(O);

−(p1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる微粉化化合物;及び
(p2)2−エチルヘキシル4−メトキシシンナメート(オクチルメトキシシンナメー
ト)を含むUVフィルタ組合せ(P);

−(q1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(q2)安息香酸,4,4’,4’’−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリ
イルトリイミノ)トリス−,トリス(2−エチルヘキシル)エステル;2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(エチルヘキシルトリアゾン)を含むUVフィルタ組合せ(Q):

−(r1)少なくとも一種の式(1)で表わされるUVフィルタ、好ましくは式(3)で
表わされる化合物;及び
(r2)2−フェニル−1H−ベンズイミダゾール−5−スルホン酸(フェニルベンズ
イミダゾールスルホン酸)を含むUVフィルタ組合せ(R);
【0014】
成分(a)及び所望により成分(b)に従うUVフィルタを含む化粧品組成物は、有用な色素沈着抑制剤である。
化粧品又は医薬品製剤は、成分(a)及び所望により成分(b)に従うUVフィルタを組成物の総質量に基づき0.05ないし40質量%を含有する。
式(1)で表わされるUV吸収剤(成分(a))及び所望により更なるUVフィルタ(成分(b))の混合比(例えば表1ないし3に記載されるように)は、質量に基づき1:99ないし99:1、好ましくは1:95ないし95:1及び最も好ましくは10:90ないし90:10で使用することが好ましい。特別に興味深いのは20:80ないし80:20、好ましくは40:60ないし60:40及び最も好ましくはおよそ50:50の混合比である。そのような混合物は、とりわけ溶解性を改善するため又はUV吸収量を増加するために使用され得る。
本発明に従う成分(b)のUVフィルタは、溶解した状態(可溶性有機フィルタ、可溶化有機フィルタ)においてかそれとも微粉化状態(ナノスカラー(nanoscalar)有機フィルタ、粒状有機フィルタ、UV吸収剤顔料)において使用され得る。
湿式磨砕、湿式混練、適した溶媒からの噴霧乾燥UVフィルタ又はフィルタが溶解された超臨界流体(例えばCO2)のRESSプロセス(超臨界流体の急速膨張)に従う膨張
によるもの、若しくは適した有機溶媒中の一種以上のUVフィルタの溶液と一緒の二酸化炭素流体の膨張によるもの;又は超臨界流体を含む適した溶媒からの再沈殿(GASRプロセス=気体貧溶媒再結晶/PCAプロセス=圧縮貧溶媒との再沈殿)によるもののような、微小粒子の調製に適する既知のいずれの方法も、微粉化UV吸収剤の調製に使用され得る。
そのように得られた微粉化UV吸収剤は、通常0.02ないし2、好ましくは0.03ないし1.5、及びより特に0.05ないし1.0マイクロメートルの平均粒径を有する。
本発明に従うUV吸収剤は、また粉体形態において乾燥基質として使用され得る。
本発明に従うUV吸収剤は、また化粧品のための特別なキャリアにおいて、例えば固体脂質ナノ粒子(SLN)において又はUV吸収剤が封入されている不活性ソル−ゲルマイクロカプセルにおいて使用され得る(Pharmazie,2001(56),p.783−786)。インターネットに書かれているような脂質ナノ粒子(CLN,=結晶性脂質ナノ粒子)。J.Pharmaceutics,2002,242,373−375頁は本発明に従うUVフィルタのための活性キャリアとして使用され得る。
本発明に従い使用した化粧品組成物は、付加的に一種以上の一種の更なるUVフィルタを含有し得る。
【0015】
成分(a)及び(b)に従うUVフィルタは、慣例の方法を使用して物理的に補助剤とUVフィルタを混合することによって、例えば簡単に個々の成分を一緒に攪拌することによって、特に、オクチルメトキシシンナメート、サリチル酸イソオクチルエステル等のような既に知られているUVフィルタの溶解性を利用することによって、化粧品製剤におけるそれらの使用のために調製使用され得る。UVフィルタは、例えば、更なる処理なしで、又は微粉化状態、又は粉体の形態において使用され得る。
【0016】
成分(c)として化粧品及び/又は医薬品の活性物質が使用され得る。
使用され得る及び言及され得る活性成分の例は以下の通りである:
−抗菌仕上げ及び同時消炎作用のための活性成分;
−消炎作用成分、例えばファルネソール、パンテノール又はアボカド油;
−消臭又は制汗作用を有する活性成分、例えばリシノール酸亜鉛及びアルキルシトレート;
−ウンデシレン酸及びその誘導体(例えばジエタノールアミド);
−ウンデシレン酸亜鉛;
−ピリチオン、例えばピリチオンナトリウム;
−溶解した香料(fused−in fragrance)又は香料混合物、例えばメタノール、ゲラニオール等、それらはこれらのマイクロ顔料及びそれらを含む配合物と同様である長持ちする香りを与える。
−トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸トコフェロール、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、エッセンシャルオイル、植物抽出物及びビタミン複合体のような生体活性成分。
酸化防止剤:
−アミノ酸(グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、
−ウロカニン酸(urocanine acid)及びその誘導体のようなイミダゾール、
−D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン及びその誘導体(アンセリンのような)のようなペプチド、
−カロチノイド(carotinoides)、α−カロチン、β−カロチン、リコピン及びその誘導体のようなカロテン、
−クロロゲン酸及びその誘導体、
−リポ酸及びジヒドロリポ酸のようなその誘導体、
−アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及びチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン及びそれらのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−及びラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、α−リノレイル−、コレステリル−及びグルセリルエステル及びその塩のような他のチオール、
−ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及びその塩)、
−ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミンのようなスルホキシミン化合物、
−α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチニック酸(phytinic acid)、ラクトフェリン、クエン酸、乳酸のようなα−ヒドロキシ酸、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA及びその誘導体のような没食子抽出物、不飽和脂肪酸及びα−リノレン酸、リノール酸、オイル酸(oil acid)のようなその誘導体、葉酸及びその誘導体、ウビチノン(ubichinone)及びウビチノール(ubichinol)及びその誘導体、トコフェロール及びビタミン−E−アセテートのようなその誘導体
、ビタミンA及びビタミン−A−パルミテート及びベンゾイン(benzoe resin)のコニフェリルベンゾエートのようなその誘導体、ルチニン酸(rutinic acid)及びその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアジャクレジン酸(nordihydroguajakresin acid)、ノルジヒドログアジャレト酸(nordihydroguajaretacid)、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸(urea acid)及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシドジムスターゼ、亜鉛及びZnO又はZnSO4のような
その誘導体、セレン及びセレン−メチオニンのようなその誘導体、スチルベン及びスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド及びその誘導体のような(金属)−キレート剤。
−HALS(=“ヒンダードアミン光安定剤”)化合物もまた言及され得る。更なる合成及び天然酸化防止剤が、例えば国際公開第00/25731号パンフレットに記載されている:構造1ないし3(2頁)、構造4(6頁)、構造5ないし6(7頁)及び化合物7ないし33(8ないし14頁)。
【0017】
成分(d)として、色素調整剤、好ましくは皮膚美白剤が付加的に使用され得る。
成分(d)の有用な代表物は、下記の物質類である:
1.式
【化7】

[式中、Rは水素原子(=コジック酸;5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4H−ピラン−4−オン);又は式
【化8】

で表わされる基を表す。]に従うγ−ピロン誘導体
2.またグリコシドとしてのヒドロチノン(Hydrochinon)及び式
【化9】

で表わされる4−ヒドロキシフェニル−D−グルコピラノシド(=α−,又はβ−アルブ
チン);4−メトキシフェネチルメチルエーテル−D−グルコピラノシド;1,5,9,13−テトラメチル−4,8,12−テトラデカトリエニル(9Cl);5,9,13−ペンタデカトリエン−2−オール,6,10,14−トリメチル−(9Cl);1,5,9,13−テトラメチルテトラデシル−D−グルコピラノシドのような、グリコシドとしてのヒドロチノン誘導体。
3.ブリジン(1,3−ベンゼンジオール,4−[(3R)−3,4−ジヒドロ−8,8−ジメチル−2H,8H−ベンゾ[1,2−b:3,4−b’]ジピラン−3−イル]−)又は4−ブチルレソルシノール(=ルシノール)のようなレソルシン誘導体;2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン及び異性体のベンゾフェノン;
【0018】
4.グリシン、L−α−グルタミル−L−システイニル−(=グルタチオン);セチルシステイン;オリゴペプチド;
5.アゼライン酸(ノナンジカルボン酸)並びにそのモノ−及びジエステルのような、アルキルジカルボン酸(Alkyldicarboxclic acids);
6.4−(3,4−ジヒドロキシフェニル)ブタン−2−オール;4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジルアセトン(=ジンゲロン);4H−1−ベンゾピラン−4−オン、式
【化10】

で表わされる2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−(=クエルセチン)のような1,2−ジヒドロキシルフェニル誘導体
7.尿素、式
【化11】

で表わされる(2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル)−(=アラントイン)
8.3−ヒドロキシ−4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン;3−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチル−2(5H)−フラノンのようなフラノン
9.フェニルアセトアルデヒド;
10.4−ヒドロキシベンズアルデヒド及び3−メチルベンズアルデヒドのようなベンズアルデヒド;
11.4−メトキシシンナムアルデヒド;
12.異性体のデセン酸(C10182);
13.アスコルビン酸及び6−アイシルアスコルビン酸−2−グルコシド;アスコルビン酸のスルフェート、ステアレート又はホスフェートのようなその誘導体;
【0019】
14.6−[(8Z)−8−ペンタデセニル]−サリチル酸:[アナカルジンアシドモノエン(anacardinacidmonoen)]及び6−[(8Z,11Z)−8,11,14−ペンタデカトリエニル]サリチル酸[アナカルジンアシドトリエン(anacardinacidtriene)]のようなサリチル酸誘導体;
15.3−[(8(Z)−ペンタデセニル)フェノールのようなフェノロール系化合物又はクルクミンのようなクルミンフェノール系(curuminphenolic)化合物
又はトリクロサン若しくはジクロサンのようなヒドロキシジフェニルエーテル化合物;
16.[1]ベンゾピラノ[5,4,3−cde][1]ベンゾピラン−5,10−ジオン,2,3,7,8−テトラヒドロキシ−(7Cl,8Cl,9Cl)(=エラグ酸);2’−ヒドロキシ−2,4,4,7,4’−ペンタメチルフラバン;2’−フラバノール,2,4,4,4’,7−ペンタメチル−,アセテート;2−(3,4−ジヒドロ−2,4,4,7−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)−5−メチルフェニル及び式
【化12】

で表わされる(8β−グルグリコピランシル(glglycopyranosyl)−7−ヒドロキシ−5−メチル−2−(2−オキソプロピル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン(アロエシン)のようなベンゾ[b]ピラン誘導体、
17.2−プロペノン酸,3−(4−ヒドロキシフェニル)−,1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルエステル,エンド−;2−プロペノン酸,3−(4−メトキシフェニル)−,1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルエステル,エンド−;2−プロペノン酸,3−(4−ヒドロキシフェニル)−,1−メチル−3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロピルエステル;2−プロペノン酸,3−フェニル−,1−メチル−3−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)プロピルエステル;2−プロペノン酸,3−[4−(β−D−グルコピラノシルオキシ)フェニル]−,(1R,2S,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イルエステルのようなボルニル−及びシンナメート誘導体。
【0020】
18.グアジャズレン(Guajazulen)又はベチバズレン(Vetivazulen)及びグアイオールのようなアズレン及びその誘導体;
19.サイトカイン;プロスタグランジン及びペプチド成長因子のような細胞メッセンジャー物質;
20.α−ヒドロキシプロピオン酸、クエン及びアコニット酸のようなα−ヒドロキシ−カルボン酸
21.式
【化13】

で表わされる化合物
22.式
【化14】

で表わされる化合物。
【0021】
好ましくは、色素調整剤(d)は、コウジ酸、アルブチン、クエルセチン、アロエシン、アゼライン酸、グアイオール、及びエラック(ellac)酸から選ばれる。
本発明のために使用される化粧品又は医薬品製剤は、通例の方法を使用して物理的に成分(a)ないし(d)と補助剤とを混合することによって、例えば、単に個々の成分をともに攪拌することによって、特にオクチルメトキシシンナメート、サリチル酸イソオクチルエステルなどのような既に知られている化粧品のUV吸収剤の溶解性を使用することによって調製され得る。
化粧品又は医薬品製剤は、例えば、クリーム、ジェル、ローション、アルコール性及び水性/アルコール性の溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪組成物、スティック状製剤、粉末又は軟膏剤であり得る。上述されたUVフィルタに加えて、化粧品又は医薬品製剤は更なる補助剤を含有し得る。
水及び油を含有するエマルジョン(例えば、W/O、O/W、O/W/O及びW/O/Wエマルジョン又はミクロエマルジョン)として、製剤は、例えば一種以上のUV吸収剤を組成物の総質量に基づき0.1ないし30質量%、好ましくは0.1ないし15質量%及び特に0.5ないし10質量%、少なくとも一種の油成分を組成物の総質量に基づき1ないし60質量%、特に5ないし50質量%及び好ましくは10ないし35質量%、少なくとも一種の乳化剤を組成物の総質量に基づき0ないし30質量%、特に1ないし30質量%及び好ましくは4ないし20質量%、水を組成物の総質量に基づき10ないし90質量%、特に30ないし90質量%、更に化粧品として許容できる補助剤を0ないし88.9質量%、特に1ないし50質量%をも含有する。
化粧品又は医薬品組成物は、色素沈着防止、皮膚のしわ、皮膚のたるみ抑制のため及び、色素調整剤(=成分(d))とともに皮膚美白剤として有用な薬剤である。
本発明に従う化粧品又は医薬品組成物/製剤はまた、脂肪アルコール、脂肪酸のエステル、グリセリルエステル及び誘導体を含む天然又は合成トリグリセリド、真珠光沢ワックス、炭化水素油、シリコーン又はシロキサン(有機基により置換されたポリシロキサン)、フッ素化又はペルフルオロ化油、乳化剤、過脂肪剤、界面活性剤、粘稠度調整剤/増粘剤及びレオロジー改質剤、ポリマー、脱臭作用成分、ふけ抑制剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤、抗菌剤、香油、着色剤、防虫剤又はSPFエンハンサーとしてポリマービーズ若しくは中空球のような一種以上の付加的な化合物をも含有する。
【0022】
化粧品又は医薬品製剤
化粧品又は医薬品配合物が、スキンケア製剤、化粧品の個人ケア製剤、光保護製剤、皮膚の色素沈着製剤、脱色素製剤、防虫剤又は染みのある皮膚のためのクレンジング及び手入れ用製剤のような様々な化粧品製剤において含有される。
提供形態
記載された最終配合物は、例えば:
−W/O、O/W、O/W/O、W/O/W又はPITエマルジョン及び全ての種類のミクロエマルジョンのような液体製剤形態において、
−ゲルの形態において、
−油、クリーム、ミルク又はローションの形態において、
−粉末、ラッカー、タブレット又はメーキャップの形態において、
−スティックの形態において、
−スプレー(噴射気体を有するスプレー又はポンプ連射式スプレー)又はエアゾールの形態において、
−泡の形態において、又は
−ペーストの形態において
様々な提供形態に存在し得る。
皮膚のための化粧品製剤として特に重要なのは、サンミルク、ローション、クリーム、油、サンブロック又はトロピカルズ(tropicals)のような光保護製剤、プレタンニング製剤又は日焼け後の製剤、またスキンタンニング製剤、例えばセルフタンニングクリームである。特に興味深いのは、日焼け止めクリーム、日焼け止めローション、日焼け止めミルク及びスプレーの形態における日焼け止め製剤である。
以下の実施例は、それらに制限することなく本発明を説明する役目を果たす。化粧品有効物質は、主としてそれらのINCI名とともに与えられる(INCI=化粧品原料国際命名法)。
【実施例】
【0023】
材料及び方法
1.皮膚の色の測定
皮膚の色をミノルタ CM−508i(登録商標:CM−508i)クロマメーター(Chromameter)を使ってL**b色で測定した。
2.生物物理学的パラメータ
皮膚の水分をコルネオメーター(登録商標:Corneometer)で並びにキュトメーター(登録商標:Cutometer)によって皮膚の弾性及び張力を評価した(両方ともCourage&Khazaga、Koln、Germany提供)。
皮膚の滑らかさ及び皮膚のしわを非接触表面形状測定装置、ライカ、クアンチメット6(登録商標:Quantimet6)(Leica Heidelberg、Germany)によって測定した。
3.試験員
a.アジア人のボランティア
南−東アジア出身及び65.4と40.8の間の皮膚の明るさL*を有する10人のボラ
ンティアをCOLIPAガイドラインに従って採用した。
b.インド人のボランティア
41.1と33.6の間の皮膚の明るさL*を有するインド出身の10人のボランティア
をCOLIPAガイドラインに従って採用した。
c.白色人種のボランティア
68.8と56.2の間の皮膚の明るさL*を有するヨーロッパ出身の10人のボランテ
ィアをCOLIPAガイドラインに従って採用した。
4.ボランティア及び測定
皮膚の色素沈着への長期の太陽暴露の影響及びデイケア化粧品の保護効果を直接ボランティアの背中で測定した:
照射に先立って40及び20分間ボランティアは2mg/cm2のクリーム配合物で背中
を処理した。
次に彼らを擬似の太陽光で12週間、1MED(最小紅斑量;MEDは月1回調整された)以下の照射量で1週間に3回照射した。
ボランティアの皮膚を試験に先立ち及び月1回のクリーム適用及び照射に先立って評価した。
【0024】
実施例1:色素沈着の防止
皮膚の色素沈着への長期の太陽光暴露の影響及び
水(100%まで);
5% カプリル/カプリントリグリセリド
5% 炭素原子数12ないし15のアルキルベンゾエート
5% イソノナン酸セテアリル
3% ステアリン酸グリセリル
3% グリセリン
2% リン酸セチルカリウム
1% セチルアルコール
1% ステアリン酸セチル
1% フェノキシエタノール/パラベン
0.5% ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー及び
5% 式(3)で表わされる化合物
を含むデイクリームの保護効果を直接アジア人のボランティアの背中で測定した。
ボランティアの皮膚をミノルタ色彩計508iによって試験に先立ち及び月1回のクリーム適用及び照射に先立って皮膚の色について評価した。
実証されたように、皮膚の色素沈着はデイクリームによって著しく防止し得る
【表1】

【0025】
実施例2:UV−A吸収デイクリームによる皮膚のしわの防止
皮膚の滑らかさ及び皮膚のしわを試験に先立ち及び月1回のクリームの適用及び照射に先立ち非接触表面形状測定装置、ライカ、クアンチメント600(登録商標:Quantiment600)(Leica Heidelberg、Germany)によって10人のインド人ボランティアの背中で評価した。

UVデイクリーム
INCI名 %W/W
(供給された通り)
A部分 リン酸セチル 1.75
炭素原子数12ないし15のアルキルベンゾエート 4.00
ステアリルアルコール/PEG−20ステアレート 2.00
オレイン酸エトキシジグリコール 2.00
ステアリン酸 1.50
エチヘキシルトリアゾン(Uvinul T150) 2.00
イソノナン酸イソノニル 2.00
ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
(Thinosorb S) 1.00

B部分 水 100まで適量(qs)

キサンタンガム 0.35

式(3)の化合物(Uvinul A Plus) 2.00

EDTA二ナトリウム 0.20

プロピレングリコール 2.00

ジアゾリジニルウレア(及び)メチルパラベン(及び)
プロピルパラベン(及び)プロピレングリコール 0.70

グリセリン 1.50

C部分 シクロペンタシロキサン(及び)
ジメンチコノール(Dimenthiconol) 1.00
エトキシジグリコール 3.00
ジメチコン 2.00
D部分 トリエタノールアミン 適量(qs)
【0026】
製造指示書:
A部分を全ての成分を混和することによって調製し、次に中程度の速度下で攪拌し、そして75℃まで加熱した。B部分を調製し、そして75℃まで加熱した。この温度でB部分を徐々にスピードを上げる攪拌速度下でA部分に注いだ。次に該混合物を均質化した(30秒、15000rpm)。温度55度未満でC部分の成分を混和した。該混合物を中程度の攪拌下で冷却し、次にpHを調べ、そしてトリエタノールアミンで調整した。
【表2】

【0027】
実施例3:12人の白色人種のボランティアにおいて測定されたUV吸収剤によるデイクリームの水分活性保持率
皮膚の水分を試験に先立ち及び月1回の照射に先立ちコルネオメーター(登録商標:Corneometer)で評価した。

【表3】

表3の結果から分かり得るように、本発明において使用されたクリームを含有するUV吸収剤で水分活性を著しく高められる。
【0028】
デイクリーム組成物の配合組成A(=偽薬クリーム):
4% セトアリールイソノエート(Cetaryl isonoate)、
炭素原子数12ないし15アルキルベンゾエート、
3.5% ジオクチルエーテル、
2% セテアリルアルコール/PEG−20 ステアレート、
2% イソヘキサデカン、
2% オレイン酸エトキシジグリコール
2% リン酸セチル
1% セチルアルコール
0.7% ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー及び
1% エチルヘキシルトリアゾン
0.75% ベンゾフェノン−3及び
1.5 エチルヘキシルメトキシシンナメート
100%までの 水。

デイクリーム組成物の配合組成B:
4% セトアリールイソノエート(Cetaryl isonoate)、
炭素原子数12ないし15アルキルベンゾエート、
3.5% ジオクチル エーテル、
2% セテアリルアルコール/PEG−20 ステアレート、
2% イソヘキサデカン、
2% オレイン酸エトキシジグリコール
2% リン酸セチル
1% セチルアルコール
0.7% ステアレス−10アリルエーテル/アクリレートコポリマー及び
0.5% エチルヘキシルトリアゾン
1.25% 式(3)の化合物;及び
2% 2,2’−メチレン−ビス−[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール];
(Tinosorb M)、
100%までの 水。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヒトの皮膚の色素沈着を防ぐための有機UVフィルタとしての、式(1)
【化1】

(式中、R1及びR2は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし20のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基を表わし;又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−又は6−員環を形成し得;
3及びR4は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基;炭素原子数2ないし10のアルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基;炭素原子数1ないし12のアルコキシ基;炭素原子数1ないし20のアルコキシカルボニル基;炭素原子数1ないし12のアルキルアミノ基;炭素原子数1ないし12のジアルキルアミノ基;炭素原子数6ないし10のアリール基;所望により置換された炭素原子数6ないし10のヘテロアリール基;ニトリル基、カルボキシレート、スルホネート又はアンモニウム基から成る群から選ばれる水への溶解性を与える置換基を表わし;
Xは、水素原子;COOR5;CONR67を表わし;
5、R6及びR7は、互いに独立して水素原子;炭素原子数1ないし20のアルキル基;
炭素原子数2ないし10アルケニル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基;炭素原子数3ないし10のシクロアルケニル基;又は(Y−O)O−Z−アリール基を表わ
し;
Yは、−(CH22−;−(CH23−;−(CH24−;−CH(CH3)−CH2−を表わし;
Zは、−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH3;−CH2−CH2−CH2−CH3;−C
H(CH3)−CH3を表わし;
mは、0ないし3の数を表わし;
nは、0ないし4の数を表わし;及び
oは、1ないし20の数を表わす。)で表わされる化合物から選ばれるUVフィルタの使用。
【請求項2】
前記UVフィルタ(a)が、式(2)
【化2】


(式中、
1及びR2は、互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし;又はR1及びR2は、それらが結合する窒素原子と一緒になって5−又は6−員環を形成し;及び
5は、水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシク
ロアルキル基を表す。)に相当する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記式中、R1及びR2が、互いに独立して炭素原子数1ないし5のアルキル基を表わし;及び
5は、炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす、請求項1又は請求項2に記載の
使用。
【請求項4】
前記式中、R1及びR2が同様の意味を有する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記UVフィルタ(a)が、式(3)
【化3】

に相当する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
少なくとも1つのUVフィルタ(b)が付加的に使用される、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記付加的なUVフィルタ(b)が、p−アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、式(1)で表わされるものとは異なるベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ジフェニルアクリレート、3−イミダゾール−4−イルアクリル酸及びエステル;ベンゾフラン誘導体、高分子量UV吸収剤、桂皮酸誘導体、ショウノウ誘導体、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸及びその塩、o−アミノ安息香酸メチル、物理的に表面が覆われた又は覆われてないサンスクリーン、ペルフルオロアルコールホスフェート、アミノヒドロキシ−ベンゾフェノン誘導体及びフェニル−ベンズイミダゾール誘導体から選ばれる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
医薬品又は化粧品の有効成分(c)が付加的に使用される、請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記医薬品又は化粧品の有効成分(c)が酸化防止剤である、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
色素調整剤(d)が付加的に使用される、請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
前記色素調整剤(d)が美白剤であり、及びγ−ピロン誘導体、ヒドロキノン、レソルシン誘導体;グリシン;アルキルジカルボン酸;1,2−ジヒドロキシフェニル誘導体;尿素、フラノン、フェニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド;4−メトキシシンナムアルデヒド;異性体のデセン酸;アスコルビン酸及びその誘導体;サリチル酸及びその誘導体;フェノール系化合物;ベンゾ[b]ピラン誘導体、ボルニル−及びシンナメート誘導体、アズレン及びその誘導体;α−ヒドロキシ−カルボン酸;式
【化4】

で表わされる化合物;及び式
【化5】

で表わされる化合物から選ばれる、請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
前記皮膚美白剤(d)が、コウジ酸、アルブチン、クエルセチン、アロエシン、アゼライン酸、グアイオール、及びエラグ(ellag)酸から選ばれる、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
しわ抑制剤として使用される、成分(a)及び所望により(b)、(c)及び(d)を含む化粧品又は医薬品組成物の使用。
【請求項14】
皮膚引き締め剤として使用される、成分(a)及び所望により(b)、(c)及び(d)を含む化粧品又は医薬品組成物の使用。
【請求項15】
皮膚たるみ抑制剤として使用される、成分(a)及び所望により(b)、(c)及び(d)を含む化粧品又は医薬品組成物の使用。



【公表番号】特表2007−530637(P2007−530637A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505545(P2007−505545)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051325
【国際公開番号】WO2005/094772
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】