説明

荷電粒子ビームリソグラフィシステム及びターゲット位置決め装置

【課題】荷電粒子ビームリソグラフィシステム、及びターゲットの荷電粒子ビーム露光のために最適化されたターゲット位置決め装置を使用する動作方法を提供する。
【解決手段】ターゲット3上に荷電粒子ビーム2を投影するための真空チャンバ50に配置され、荷電粒子ビーム2を偏向方向に偏向させるための偏向手段を有する荷電粒子光学カラム4と、ターゲット3を保持するためのキャリア及び偏向方向とは異なる第1の方向に沿ってキャリアを保持し移動させるためのステージ52を有するターゲット位置決め装置5と、を具備し、このターゲット位置決め装置5は、荷電粒子光学カラム4に対する第1の方向にステージ52を移動させるための第1のアクチュエータ53を有し、キャリアは、ステージ52に移動可能に配置されており、ターゲット位置決め装置5は、第1の相対位置にステージ52に対してキャリアを保持するための保持手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクレス画像投影、走査及び非走査電子顕微鏡などのリソグラフィシステムのような荷電粒子ビーム露光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ビームマスクレスリソグラフィシステムのような、荷電粒子ビームリソグラフィシステムが、一般的に知られており、これは、従来のマスクベースのリソグラフィシステムに比べて、マスク又はレチクルを変更したり設置したりする必要がないことにより、いわば、オンデマンド製造という利点を有する。代わりに、集積回路の製造のために投影されるイメージは、マスクレス露光システムを制御するコンピュータのメモリに格納される。
【0003】
既知の荷電粒子ビーム露光システムは、通例、真空チャンバに置かれた荷電粒子カラムを有する。荷電粒子カラムは、ウェーハのようなターゲット上で、及びそのターゲットの上方で荷電粒子ビームを1つに、又は複数に集束させ、かつ偏向させる目的のために、荷電粒子抽出手段及び静電レンズ構造体を含む荷電粒子源を有する。さらに、荷電粒子カラムは、投影されるイメージが所定の位置での露光を必要とするかどうかに依存して、荷電粒子ビームの1つ、又は複数を調節するための調節手段を有する。
【0004】
このような投影中、ターゲットは、ターゲットを支持しているステージによって、前記荷電粒子カラムの投影領域に対して案内される。この新しいタイプのマスクレスリソグラフィに関して、適切なステージはほとんど設計されておらず、少なくとも商用に入手可能でない。これら既知のステージがマスクレスリソグラフィに適合される限り、これらステージは、少なくとも、例えば、サイズ、コスト、真空に対する適合性の意味において、ほとんど不適切である。
【0005】
アクチュエータ、特に、電磁アクチュエータに通例存在するような電磁分散場(electromagnetic dispersion field)は、このようなシステムで通常望ましくない。なぜならば、磁場のいかなる電気的変化も荷電粒子ビームの位置に影響を及ぼし得るからである。電磁アクチュエータによる電磁場の変動は、ターゲットの支持面から離れた所定の位置に電磁アクチュエータを配置することによって、及び電磁アクチュエータに複数のシールドを設けることによって、減少されることができることが知られている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、荷電粒子ビームリソグラフィシステム、及びターゲットの荷電粒子ビーム露光のために最適化されたターゲット位置決め装置を使用する動作方法を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、
ターゲット上に荷電粒子ビームを投影するための真空チャンバに配置され、前記荷電粒子ビームを偏向方向に偏向させるための偏向手段を有する荷電粒子光学カラムと、
前記ターゲットを保持するためのキャリアと、第1の方向に沿って前記キャリアを保持し移動させるためのステージと、を有するターゲット位置決め装置と、を具備し、前記第1の方向は、前記偏向方向と異なっており、前記ターゲット位置決め装置は、前記荷電粒子光学カラムに対して前記第1の方向に前記ステージを移動させるための第1のアクチュエータを有し、
前記キャリアは、前記ステージに移動可能に配置されており、前記ターゲット位置決め装置は、前記ステージに対して前記キャリアを保持するための保持手段を有する荷電粒子リソグラフィシステムを提供する。
【0008】
本発明に係るリソグラフィシステムでのターゲットの露光中、このターゲットは、前記第1のアクチュエータを駆動させることによって、少なくとも1つの荷電粒子ビームに対して前記第1の方向に移動され、同時に、前記光学カラムの前記偏向手段が、前記少なくとも1つの荷電粒子ビームを前記偏向方向に偏向させるために駆動される。このような露光に関して、ターゲットの細長い領域が、この領域に投影されるイメージを投影するために露光されることができる。この細長い領域の長さは、前記ステージの進行範囲により決定され、また、この細長い領域の幅は、偏向の範囲により決定される。この細長い領域の照射中、キャリアの上部のターゲットは、実質的に同じ位置上に維持される。この細長い領域が照射された後、上部にターゲットを備えたキャリアは、移動されることができ、この結果、新しい領域が荷電粒子ビームに露光されることができる。少なくとも投影中、少なくとも前記偏向方向に沿って、ステージに対するキャリアの位置を維持するために、本発明のターゲット位置決め装置は、ステージに対してキャリアを保持するための保持手段を有する。前記保持手段は、特に、前記第1の方向への前記ステージの駆動中、前記ステージを安定して保持することができる。
【0009】
好ましくは、前記保持手段は、前記ステージが保持されたとき、磁場と電場との少なくとも一方の漏出と、このような場の変動との少なくとも一方がないか、少なくとも最小にするように配置されている。この場合、軌道の妨害と干渉との少なくとも一方がなく、従って、荷電粒子ビームの位置の妨害と干渉との少なくとも一方がない。
【0010】
一実施の形態では、前記キャリアは、第2の方向に沿って移動可能であり、前記第2の方向は、前記第1の方向とは異なっており、好ましくは、前記第2の方向は、前記偏向方向とほぼ同じである。さらなる実施の形態では、前記第2の方向は、前記第1の方向にほぼ垂直であり、従って、直交ターゲット位置決めを与える。
【0011】
一実施の形態では、前記ステージは、第1のステージであり、前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアと前記第1のステージと間に第2のステージを有し、前記第2のステージは、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために配置されており、前記保持手段は、前記第2のステージの移動を保持する、又はブロックするために配置されている。
【0012】
第1の実施の形態では、前記保持手段は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるための圧電モータを有する。圧電モータ、特に、共振圧電モータは、少なくとも投影中、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるための駆動動作と、前記ステージに対する前記キャリアの位置を保持するための保持動作との両方を与えることができる。前記圧電モータは、好ましくは、前記第2のステージのアクチュエータとして配置される。本発明に係るリソグラフィシステムでこのような圧電モータの使用に関して、このモータは、少なくとも保持動作中、荷電粒子光学カラムから遮蔽されることを必要としない。このような圧電モータは、上部のキャリア及びターゲットの近くに配置されることができ、これは、前記ステージに対する前記キャリアの位置決めの精度を高めることができる。さらに、このような圧電モータは、周囲磁場(ambient magnetic field)と周囲電場(ambient electric field)との少なくとも一方から荷電粒子光学カラムを少なくとも部分的に遮蔽するためのシールド手段の内部に配置されることができる。
【0013】
一実施の形態では、前記キャリアは、2つの対向している圧電モータの間に介在されているか、制限されているかの少なくとも一方である。この場合、いかなる力、もしくは圧電モータの一方によってキャリアに及ぼされる運動量も、2つの対向している圧電モータの他方によって及ぼされる力、もしくは運動量によって、少なくとも部分的に相殺されることができる。これは、例えば、後に続く露光の間に、ターゲットの露光中のキャリアの非常に正確で安定した保持と、偏向方向に沿ったキャリアの非常に正確で安定した移動との少なくとも一方を与える。
【0014】
第2の実施の形態では、前記保持手段は、延長可能かつ退避可能なクランプ手段を有する。このクランプ手段は、留めるための、従って、前記ステージに対して前記キャリアを保持するための伸張位置(extended position)と、前記ステージに対して前記キャリアを解放して、前記ステージに対する前記キャリアの移動を可能にするための収縮位置(retracted position)とに置かれることができる。前記クランプ手段は、前記キャリアと前記ステージとの間に機械的なインターロックを与えることができる。
【0015】
一実施の形態では、前記保持手段は、前記ステージに対して前記キャリアの位置をロックするための、及び、ロック手段が解放されたとき、前記ステージに対する前記キャリアの移動を可能にするための解放可能なロック手段を有する。これらのロック手段は、前記キャリアと前記ステージとの間に機械的なインターロックを与えることができる。
【0016】
一実施の形態では、前記クランプ手段又はロック手段は、圧電素子を有する。このような圧電素子は、電気信号によって駆動されることができ、リソグラフィシステムに通常必要とされるようなクリーンな超真空環境での使用にかなり適している。
【0017】
一実施の形態では、前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるための、好ましくは、前記クランプ手段、又はロッキング手段から離れた第2のアクチュエータを有する。この実施の形態では、前記キャリアの位置が前記保持手段によって前記ステージに対して保持されたとき、この第2のアクチュエータから必要とされる運動量を保持しない。前記キャリアが保持されたとき、前記第2のアクチュエータは、少なくとも画像投影中、磁場と電場との少なくとも一方をさらに減少させるために停止されることができる。
【0018】
一実施の形態では、少なくとも前記第2のアクチュエータのスイッチが切られたとき、前記第2のアクチュエータは、電磁分散場のような、前記第2のアクチュエータの外部の磁場と電場との少なくとも一方の漏出を減少させるか最小にするかの少なくとも一方のために配置されている。
【0019】
磁場と電場との少なくとも一方の漏出を減少させるために、前記第2のアクチュエータには、前記第2のアクチュエータの外部の磁場と電場と少なくとも一方の漏出に対して少なくとも部分的に遮蔽するためのシールド手段が設けられている。
【0020】
代わって、もしくはさらに、一実施の形態では、前記第2のアクチュエータは、誘導モータを有する。一実施の形態では、前記誘導モータは、非強磁性材料のコアを有する。一実施の形態では、前記非強磁性材料は、アルミニウムを含む。このようなアクチュエータは、いかなる磁性材料からも実質的に自由であり、それ故、少なくとも停止されたとき、アクチュエータの外部の磁場と電場との少なくとも一方の漏出を示さない。本発明に係るリソグラフィシステムでのこのような第2のアクチュエータの使用に関して、この第2のアクチュエータは、荷電粒子光学カラムから遮蔽されることを必要としない。このような第2のアクチュエータは、上部のキャリアとターゲットとに近接して配置されることができ、これは、ステージに対するキャリアの位置決めの精度を高めることができる。さらに、このような第2のアクチュエータは、周囲磁場と周囲電場との少なくとも一方から荷電粒子光学カラムを少なくとも部分的に遮蔽するために、シールド手段の内部に配置されることができる。
【0021】
対照的に、ターゲット上への荷電粒子ビームの投影中に駆動される第1のアクチュエータは、好ましくは、周囲磁場と周囲電場との少なくとも一方から前記荷電粒子光学カラムを少なくとも部分的に遮蔽するために設けられることができる光学カラムシールド手段の外部に配置されている。代わって、もしくはさらに、前記第1のアクチュエータは、前記ステージから離れた所定の距離のところに配置されることができる。一実施の形態では、前記ターゲット位置決め装置は、真空チャンバ中に配置されており、前記第1のアクチュエータは、第1の真空チャンバの外部に配置されている。一実施の形態では、前記光学シールド手段は、前記第1の真空チャンバのライニングとして配置されるか、前記第1の真空チャンバの壁と一体的にされる。
【0022】
一実施の形態では、前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2のアクチュエータに取り外し可能に結合させるためのカップリング手段を有する。これらのカップリング手段により、前記キャリアは、例えば、前記第2のアクチュエータが前記ステージに対する保持位置にあるとき、前記第2のアクチュエータから分離されることができる。この場合には、第2のアクチュエータからのいかなる運動量もキャリアに伝達されない。より重要なことは、この実施の形態では、第2のアクチュエータが使用されることができ、これは、前記ステージに対して前記キャリアを移動させるために、短い、好ましくは正確なストロークを与えるために配置されるということである。実質的に、上述の保持手段及びカップリング手段の組合せは、短いストロークの第2のアクチュエータを使用する可能性を与える。前記ステージに対して前記キャリアを移動させるために、本方法は、
a.前記カップリング手段を駆動させる(activating)、及び、好ましくは、前記保持手段を非駆動にさせる(deactivating)工程と、
b.前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために、前記第2のアクチュエータを駆動させる工程と、
c.前記第2のアクチュエータを非駆動にさせる、及び、好ましくは、前記保持手段を駆動させる工程と、
d.前記カップリング手段を非駆動にさせる工程と、
e.前記第2のアクチュエータを、特に、前記第2のアクチュエータの駆動部材を、前記第2の方向の後方に戻すために、前記第2のアクチュエータを駆動させる工程と、を具備する。前記第2の方向へのさらなる工程を構築するために、前記カップリング手段は再び駆動され、また、前記保持手段は非駆動にされ、さらに、さらなる上述の工程が繰り返される。
【0023】
一実施の形態では、前記カップリング手段は、圧電素子を有する。一実施の形態では、前記圧電素子は、前記圧電素子の伸張位置で前記キャリアを前記第2のアクチュエータに結合させるために、及び前記圧電素子の収縮位置で前記キャリアを前記アクチュエータから分離するために配置される。一実施の形態では、前記圧電素子は、少なくとも前記キャリアが前記第2のアクチュエータに結合されたとき、前記キャリアが前記第2のアクチュエータ上にあるように配置される。
【0024】
第2の態様によれば、本発明は、上で述べられたような荷電粒子ビームリソグラフィシステムのためのターゲット位置決め装置を提供する。
【0025】
第3の態様によれば、本発明は、上で述べられたような荷電粒子ビームリソグラフィシステム中のターゲットの領域上にイメージを投影する方法を提供する。特に、本方法は、
i.前記保持手段を駆動させる工程と、
ii.前記第1の方向への前記ターゲットの移動から前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、前記ターゲット上に前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、前記荷電粒子ビームを偏向方向に偏向させるために前記偏向手段を駆動させる工程と、の組合せを使用して前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii.前記領域の外部に前記荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動にさせる工程と、の少なくとも一方の工程と、
iv.前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために、前記保持手段を非駆動にさせる工程と、を具備する。
【0026】
第4の態様によれば、本発明は、上で述べられたような荷電粒子ビームリソグラフィシステム中のターゲットの領域上にイメージを投影する方法に関する。特に、ターゲット位置決め装置は、前記ステージを前記荷電粒子光学カラムに対して前記第1の方向に移動させるために第1のアクチュエータを有し、また、前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために圧電モータを有する。本方法は、
i.前記第2の方向への移動に対して前記キャリアの位置を保持するための前記圧電モータを制御する工程と、
ii.前記第1の方向に前記ターゲットを移動させるために前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、前記ターゲットに前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、前記荷電粒子ビームを偏向方向に偏向させるための偏向手段を駆動させる工程と、の組合せを使用して前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii.前記領域の外部に荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動する工程と、の少なくとも一方の工程と、
iv.前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために、前記圧電モータを制御する工程と、を具備する。
【0027】
第5の態様によれば、本発明は、上で述べられたような荷電粒子ビームリソグラフィシステム中のターゲットの領域上にイメージを投影する方法に関する。特に、ターゲット位置決め装置は、前記ステージを前記荷電粒子光学カラムに対して前記第1の方向に移動させるために第1のアクチュエータを有し、また、ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために第2のアクチュエータを有する。本方法は、
i.前記第2のアクチュエータの非駆動にさせ、かつ前記第2の方向への移動に対して前記キャリアの位置を保持するための保持手段を駆動させる工程と、
ii.前記ターゲットを前記第1の方向に移動させるために前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、前記ターゲット上に前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、前記荷電粒子ビームを偏向方向に偏向させるために前記偏向手段を駆動させる工程と、の組合せを使用して前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii.前記領域の外部に前記荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動にさせる工程との少なくとも一方の工程と、
iv.前記保持手段を非駆動し、かつ前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために前記第2のアクチュエータを駆動させる工程と、を具備する。
【0028】
一実施の形態では、上述の方法は、さらに、
v.前記第2の方向に、前記偏向手段によって前記荷電粒子ビームの前記偏向の範囲以下の距離にわたって前記第2の方向に前記キャリアを移動させる工程を有する。
【0029】
一実施の形態では、前記i、ii、iii、iv及びvの工程が繰り返される、好ましくは、連続して繰り返される。
【0030】
上述の方法の一実施の形態では、前記荷電粒子光学カラムは、前記荷電粒子ビームが前記ターゲットに達するのを防ぐことによって、非駆動にされる。上述の方法の一実施の形態では、前記粒子光学カラムの各々は、前記カラムの前記荷電粒子源のスイッチを切ることにより、又は前記荷電粒子源の陰極をより高い正電位に、及び前記荷電粒子源の陽極を切り替えることによって非駆動にされ、前記荷電粒子源は、好ましくは、電子源である。
【0031】
可能であるものであれば、明細書に記載され示されたさまざまな態様並びに特徴が、個々に適用されることができる。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に規定された態様並びに特徴は、分割特許出願の主題となり得る。
【0032】
本発明が、添付図面に示される例示的な実施の形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、荷電粒子リソグラフィシステムの概略図である。
【図2】図2は、本発明によるターゲット位置決め装置のXYステージの第1の例示的な実施の形態の概略的な平面図である。
【図3】図3は、図2のI−I線に沿った断面での概略図である。
【図4A】図4Aは、第1の、すなわちX方向へのXYステージの移動を概略的に示している。
【図4B】図4Bは、第1の、すなわちX方向へのXYステージの移動を概略的に示している。
【図5】図5(A)ないし(E)は、第2の、すなわちY方向へのXYステージの移動を概略的に示している。
【図6】図6は、X方向への移動中のXYステージの断面を概略的に示している。
【図7】図7は、Y方向への移動中のXYステージの断面を概略的に示している。
【図8】図8は、本発明によるターゲット位置決め装置のXYステージの第2の例示的な実施の形態を概略的に示している。
【図9】図9は、図8のXYステージの概略的な拡大図である。
【図10A】図10Aは、図8のYステージの概略的な平面図である。
【図10B】図10Bは、図8のYステージの概略的な平面図である。
【図11】図11は、図10AのA−A線に沿った断面を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、平行な荷電粒子ビームの大規模なアレイ、いわゆるcpビームを使用する、荷電粒子ビームリソグラフィのためのシステム1を概略的に示している。この例では、荷電粒子ビームは、電子ビームである。このようなcpビーム2の1つが、図1に示されている。
【0035】
全てのcpビームは、既知のやり方でモジュレータによって個別に制御され、この場合にはウェーハであるターゲット3上への所望のパターンの描画を可能にする。通例使用される光学系と比較したこのシステムの主な利点は、非常に小さな構造の描画及び高価なマスクがいらないことである。後者は、特に、バッチの操業開始のコストを減少させ、プロトタイプを作成するのに非常に効果的なこのシステム、及び媒体の大量生産を可能にする。
【0036】
本発明によるシステムは、3つの主要なサブシステム、すなわち、データパスサブシステム(図1には示されない)と、例えば、電子光学カラムである荷電粒子光学カラム4と、ターゲット位置決め装置5と、からなる。
【0037】
荷電粒子光学カラム4は、カラム4の底部から出現する集束されたcpビーム2の主に平行な大規模なアレイを発生させる。各cpビームは、前記データパスによって制御される。それ自身既知のやり方で、cpビームは、オンとオフとで切り替えられ、また、cpビームの位置は、データに従って小さな範囲内に調節される。荷電粒子光学カラムの最終的な部分では、実際には、投影レンズ41のところで、cpビーム2が、ターゲット3上にフィーチャ、代わって規定された構造の描画を可能にするように、ターゲットかウェーハモジュール51の移動の第1の方向Xに、前後に、実質的に横手方向に偏向される。
【0038】
cpビーム2の性質により、これらの軌道は、磁場と電場との少なくとも一方によって変化されることができる。荷電粒子光学カラム4では、これは、cpビーム2を制御し、かつターゲット3上にcpビーム2を投影するために使用される。周囲磁場と周囲電場との少なくとも一方から前記荷電粒子光学カラム4を遮蔽するために、これらは、cpビーム2の軌道を妨害することができ、従って、ターゲット3上にcpビーム2の所望の位置からの偏向を引き起こし、少なくとも前記荷電粒子カラム4には、マイクロメタルの少なく十1つの層を有するシールド6が設けられている。図1に示されるような例では、ターゲット位置決め装置5もまた、シールド6の内部に配置されている。シールド6は、便利なやり方で、荷電粒子光学カラム4の真空チャンバ及びターゲット位置決め装置5の真空チャンバのライニングとして配置される。このようなシールドは、かなりの範囲で地磁場を減少させるために配置される。杭(stake)のところの構成体では、およそ1000のファクタだけの減衰が実現される。
【0039】
ターゲット位置決め装置5は、荷電粒子光学カラム4の焦点面にターゲット3を置き、それを真下に移動させる。このターゲット位置決め装置5は、ターゲットを保持するためのターゲットモジュール51と、xステージ52としてここにさらに参照されるステージによってステージを第1のX方向に、及びyステージ54としてここにさらに参照されるキャリアによって第2のy方向にステージを移動させるためのステージアセンブリと、を有する。この例示的な実施の形態では、X方向は、Y方向にほぼ垂直であり、また、X方向及びY方向は、荷電粒子光学カラム4にほぼ垂直な平面を形成する。
【0040】
上で述べられたように、パターンの描画中、cpビーム2はX方向に対して横手方向に前後に偏向され、また、ターゲット3は、第1のアクチュエータ53を使用してxステージ52を移動させることによって、X方向に沿って真下に移動される。このような走査は、偏向方向へのcpビーム2の偏向の範囲によって決定される幅、及びxステージ52の進行の長さによって決定される長さに関する描画パスをもたらす。特に、描画パスの長さは、ターゲット3の領域全体にわたって広がることができる。
【0041】
各描画パスの描画中、実質的に、第1のアクチュエータのみが駆動される必要がある。パターンの描画中、第1のアクチュエータ53からの電場と磁場との少なくとも一方から荷電粒子光学カラム4を遮蔽するために、第1のアクチュエータ53は、シールド6の外部に配置されている。従って、光学カラム4のためのシールド手段6もまた、第1のアクチュエータ53からの磁場と電場との少なくとも一方から荷電粒子光学カラム4を遮蔽するために使用されることができる。
【0042】
図1に示されるような例示的な実施の形態において、第1のアクチュエータ53は、ターゲット位置決め装置5の真空チャンバ50の内部に配置されている。代わって、第1のアクチュエータ53は、ターゲット位置決め装置5の真空チャンバ50の外部に配置されることができる。
【0043】
さらに、第1のアクチュエータ53とステージ52との両方が、互いに緊密に接続されている。図1に示される例では、第1のアクチュエータ53とステージ52との両方が、ベースプレート503に緊密に接続されている。この緊密な接続は、ステージ52に対してアクチュエータ又はモータ53の適切なアライメントが維持されることを確実にする。一実施の形態では、ベースプレート503は、非常にやっかいな構造、好ましくは、低い熱膨脹係数を供給するために配置されている。一実施の形態では、ベースプレート503は、花崗岩スラブ(granite slab)又は花崗岩テーブルの上部を有する。
【0044】
従って、描画パスの描画中、cpビーム2がターゲット3上に投影されたとき、実質的に、(おそらく、XY平面にほぼ垂直であるZ方向への小さな補正を行うことを除いて)第1のアクチュエータ53のみが駆動される。描画中以外の他の動作中、磁場と電場との少なくとも一方及びその変動が可能である。従って、Y方向とZ方向との少なくとも一方にターゲット位置決め装置5を移動させるためのアクチュエータが、光学カラム4のシールド6の内部に配置される。
【0045】
例えば、前の描画パスが描画された後に次の描画パスに向かってターゲット3を移動させるために、Y方向に沿ってターゲット3を移動させたとき、cpビーム2は、例えば、ビーム2のスイッチを切ることによって、ターゲット3に到達するのが防がれることができるか、ターゲット3が、cpビーム2がcpビーム2によって照射されるターゲット3上の領域の外部にある位置に移動されることができるか、の少なくとも一方である。Y方向へのこの移動中、磁場、電場及びその変動が可能である。
【0046】
例えば、ターゲット位置決め装置5は、X方向に移動されることができ、この結果、図1に示されるように、ターゲットテーブル51に隣接しているxステージ52に置かれたcpビーム2がビームセンサ7に落ちる。Y方向への移動中、ビームセンサ7は、次の描画パスを描画するのに先立って、cpビーム2の特性を測定するために使用されることができる。
【0047】
ターゲット位置決め装置5の例示的な実施の形態が、図2並びに図3により詳細に示される。この実施の形態では、ターゲット位置決め装置5は、X方向に延びた2つのリニア支持体(linear bearing)56を備えた支持フレーム55を有する。ターゲット位置決め装置5の重心の高さ57は、これら支持体56を通る平面にある。
【0048】
これら支持体56は、xステージ52を支持しており、X方向に沿ったxステージ52の滑らかな移動を可能にする。xステージ52を駆動させるために、2つの第1の、すなわちxアクチュエータ53が設けられている。これらxアクチュエータ53は、シールド6の外部に配置されている。xアクチュエータ53の各々は、シールド6を通って延び、xステージ52に接続しているプッシュプルロッド58を有する。図3に示されるように、プッシュプルロッド58を介してxアクチュエータ53がxステージ52に力を加える作用点は、ターゲット位置決め装置5の重心57の高さに位置されている。
【0049】
xステージ52の上部には、yステージ54が配置されている。このyステージ54は、以下でより詳しく述べられる短いストロークのアクチュエータ59を有する。
【0050】
yステージ54の上部には、ターゲットモジュール51が配置されている。このターゲットモジュール51は、ターゲットを保持するために配置されたターゲットテーブルの上部には、6の自由度を備えた短いストロークのステージが設けられることができる。
【0051】
図4A並びに図4Bに示されるように、ターゲットモジュール51は、第1のアクチュエータ53によってプッシュプルロッド58を延長させるか収縮させることによって、X方向に沿って移動されることができる。
【0052】
図5(A)ないし(E)は、yステージ54の短いストロークのアクチュエータ59の機能を概略的に示している。図6並びに図7は、図5(A)ないし図5(E)のII−II線に沿ったyステージの断面を概略的に示している。駆動される圧電素子は、これら図で影が付けられた、又はハッチングされた領域で示されている。
【0053】
xステージ52がパターンの描画を行うために駆動されたとき、yステージ54上のターゲットモジュール51の位置は、固定され、保持される。xステージ52に対してY方向にyステージ54上のターゲットモジュール51の位置を保持するために、yステージ54には、図6並びに図5Aに示されるような保持位置に置かれることができる第1の圧電素子541が設けられており、この圧電素子541は、xステージ52の側壁521間にyステージ54を留めている。Z方向で正確な位置を与えるために、yステージ54は、図6並びに図5(A)に示されるような支持位置に置かれることができ、圧電素子542はxステージ52にある。
【0054】
yステージ54をY方向に移動させるために、第1の圧電素子541は、図7並びに図5(B)に示されるような解放位置に配置されており、この圧電素子541は、収縮され、xステージ52の側壁521上にクランプ力を与えない。さらに、yステージ54には、図7並びに図5(B)に示されるような支持位置に置かれることができる第3の圧電素子543が設けられており、この圧電素子543、及び、従って、yステージ54は、短いストロークのアクチュエータ59上にあり、また、yステージ54は、カップリング手段543によってアクチュエータ59に結合される。図6並びに図5(A)に示されるような保持位置又はロック位置では、第3の圧電素子543は収縮され、また、yステージ54は短いストロークのアクチュエータ59で支持されないことに注意する。
【0055】
図5(B)に示されるように、yステージ54が短いストロークのアクチュエータ59にあるとき、アクチュエータ59は、図5(C)に示されるように、Y方向に短いストロークをなすことができる。従って、このストローク中、アクチュエータ59は、yステージ54上でY方向にターゲットモジュール51を移動させる。
【0056】
所望の距離Y+にわたってY方向にyステージ54を移動させた後、第2の圧電素子542が延長され、第3の圧電素子543が収縮され、また、yステージ54は、第2の圧電素子542によるxステージ54によって支持され、短いストロークのアクチュエータ59がない。続いて、第1の圧電素子541は、保持位置に置かれており、圧電素子541は、図5Dに示されるように、xステージ52の側壁521の間のyステージ54を留めている。
【0057】
続いて、短いストロークのアクチュエータ59は、距離Y−にわたって逆向きに移動することによってその元の位置に戻ることができ、これは、図5Aに示される短いストロークのアクチュエータ59と同じ状況をもたらす。
【0058】
この手順の繰り返しによって、yステージ54は、Y方向に沿って階段状に移動されることができる。短いストロークのアクチュエータ59が当初左側に配置されたとき、図5(A)に示されるように、yステージ54は、右に階段状に移動されることができる。また、短いストロークのアクチュエータ59が当初右側に配置されたとき、図5(D)に示されるように、yステージ54は、左に階段状に移動されることができる。
【0059】
図8に示されるような第2の例示的な実施の形態では、XYステージは、2つのXステージベース86を有し、これら両方が、共通ベースプレート85の上部に配置されている。各Xステージベース86は、Xステージキャリッジ861を支持している。Xステージキャリッジ861は、Yビーム(梁)84をXステージキャリッジ861に接続するために、撓み部862(図9参照)を備えている。Yビーム84は、Xステージの間のスペースにかかり、また、Yビームには、撓み部862に接続するためにインターフェース部材842が設けられている。
【0060】
Yビームは、ターゲットモジュール(図示されない)を保持するために、Yキャリッジ844又はキャリアを有するYステージを有する。特に、使用時には、ターゲットは、ターゲットモジュールの上部に配置されており、また、ターゲットモジュールは、インターフェースプレート81によってYステージの上部に配置されている。Yキャリッジ844、又はキャリアには、図10Bに示されるように、インターフェースピン843が設けられており、インターフェースプレート81は取り除かれている。
【0061】
特に、インターフェースピン843は、キャリア又はYキャリッジ844にターゲットモジュールを正確に位置決めするために、運動マウント(kinematic mount)を与えることができる。このマウントは、自由度(自由運動の軸)の数、及び物理的な制限の数がマウント全体で6として与えられたとき、運動学的であると言われている。それ故、Yキャリッジ844に面しているインターフェースプレート81の側には、図10Aに概略的に示される1つの「錐、溝、平坦」であるマウントが設けられることができ、インターフェースピン843は、弾性部材、すなわちばね811によって溝及び錐にそれぞれ保持される。
【0062】
図11の断面に示されるように、Yビーム84は、2つの平行に配置されたリニアステージ845、846のための共通ベースプレートを与える。これらステージ845、846のキャリッジは、予め圧力が加えられ、構造体の必要なスチフネスを与えている。
【0063】
この実施の形態では、Yキャリッジ844は、一方では、厳密なインターフェース847によって第1のステージ846のキャリッジに緊密に接続され、他方では、ステージ845、846とYキャリッジ844との少なくとも1つのいかなる熱膨張も吸収するために、撓み部848によってステージ845のキャリッジに接続されている。
【0064】
さらに、ステージ845が使用されるこの実施の形態では、ステージ845、846の少なくとも1つには、ルーラ96が設けられており、これは、リニアエンコーダヘッド95と協働して、第2の、すなわちY方向にYキャリッジの位置情報を与えることができる。
【0065】
この実施の形態では、Y方向に沿って延びたYビーム84の両対向側には、圧電モータ91、91’が設けられており、これらは、両方とも、圧電素子によって駆動される延伸部材92、92’を有する。延伸部材92、92’は、隣接しているセラミック駆動プレート93、93’で動作することができ、これらは、Yキャリッジ844の対向側面に配置されており、一方は、Yビーム84に対するYキャリッジ844の位置を保持するためのものであり、他方は、Yビームのステージ845、846に沿ったYキャリッジ844を移動させるためのものである。この例示的な実施の形態では、Yキャリッジ844又はキャリアは、2つの対向している圧電モータ91、91’の間に介在され、制限される。
【0066】
好ましい実施の形態の動作を説明するために、上述の説明がなされており、本発明の範囲を限定することを目的とするものではないことが理解される。上述の説明から、本発明の意図及び範囲によって含まれるであろう多くの変形が、当業者にとって明らかである。
【0067】
例えば、圧電素子の使用に代わって、ステージにキャリアを留めて保持するために他のアクチュエータが使用されることができる。このような代わりのアクチュエータは、空気圧タイプ、水力タイプ、又は他のタイプの機械式のアクチュエータであることができる。
【0068】
従って、本発明による保持手段を備えたターゲット位置決め装置は、荷電粒子ビームの軌道を乱し得る磁場の電気的変化を最小にするために、従って、マスクレス画像投影のためのリソグラフィシステム、特に、マルチビーム荷電粒子露光システムのような、荷電粒子露光システムでの使用のためのターゲット位置決め装置を最適化するために、適切に配置されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット上に荷電粒子ビームを投影するために真空チャンバに配置され、前記荷電粒子ビームを偏向方向に偏向させるための偏向手段を有する荷電粒子光学カラムと、
前記ターゲットを保持するためのキャリアと、第1の方向に沿って前記キャリアを保持し移動させるためのステージと、を有するターゲット位置決め装置と、を具備し、前記第1の方向は、前記偏向方向とは異なっており、前記ターゲット位置決め装置は、前記荷電粒子光学カラムに対して前記第1の方向に前記ステージを移動させるための第1のアクチュエータを有し、
前記キャリアは、前記ステージに移動可能に配置され、前記ターゲット位置決め装置は、前記ステージに対して前記キャリアを第1の相対位置に保持するための保持手段を有する荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項2】
前記キャリアは、第2の方向に沿って移動可能であり、前記第2の方向は、前記偏向方向とほぼ同じである請求項1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項3】
前記保持手段は、少なくとも前記キャリアが前記ステージに保持されたとき、磁場と電場との少なくとも一方の漏出と、このような場の変動との少なくとも一方を少なくとも最小にするように配置されている請求項1又は2の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項4】
前記保持手段は、前記ステージに対して前記キャリアを留めて保持するための伸張位置と、前記ステージに対して前記キャリアを解放して、前記ステージに対する前記キャリアの移動を可能にするための収縮位置と、に置かれることができる伸張可能かつ収縮可能なクランプ手段を有する請求項1ないし3のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項5】
前記クランプ手段は、圧電素子を有する請求項4の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項6】
前記保持手段は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるための圧電モータを有する請求項1ないし5のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項7】
前記キャリアは、2つの対向している圧電モータの間に介在されているか、制限されているかの少なくとも一方である請求項6の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項8】
前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2の方向に移動させるために、第2のアクチュエータを有する請求項1ないし5のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項9】
前記第2のアクチュエータは、少なくとも前記第2のアクチュエータのスイッチが切られたとき、電磁分散場のような、前記第2のアクチュエータの外部の磁場と電場との少なくとも一方の漏出を最小にするために配置されている請求項8の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項10】
前記第2のアクチュエータは、誘導モータを有する請求項8又は9の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項11】
前記誘導モータは、非強磁性材料のコアを含む請求項10の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項12】
前記ターゲット位置決め装置は、前記キャリアを前記第2のアクチュエータに取り外し可能に結合させるためのカップリング手段を有する請求項8ないし11のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項13】
前記カップリング手段は、少なくとも前記キャリアが前記第2のアクチュエータに結合されていないとき、磁場と電場との少なくとも一方の漏出と、このような場の変動との少なくとも一方を少なくとも最小にするために配置されている請求項12の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項14】
前記カップリング手段は、圧電素子を有する請求項12又は13の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項15】
周囲磁場と周囲電場との少なくとも一方から前記荷電粒子光学カラムを少なくとも部分的に遮蔽するための光学カラムシールド手段をさらに具備する請求項1ないし14のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項16】
前記第1のアクチュエータは、前記光学カラムシールド手段の外部に配置されており、また、前記保持手段は、前記シールド手段の内部に配置されている請求項15の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項17】
前記第2のアクチュエータは、前記シールド手段の内部に配置されている請求項8に従属する請求項16の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項18】
前記光学カラムシールドは、前記真空チャンバのライニングとして配置されている請求項1ないし17のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項19】
前記第1のアクチュエータは、前記真空チャンバの外部に配置されている請求項1ないし18のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステム。
【請求項20】
請求項1ないし19のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステムのためのターゲット位置決め装置。
【請求項21】
i. 前記保持手段を駆動させる工程と、
ii. 前記第1の方向に前記ターゲットを移動させるために前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、
前記ターゲット上に前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、
偏向方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるための偏向手段を駆動させる工程と、
の組合せを使用することによって、前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii. 前記領域の外部の荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動にする工程との少なくとも一方と、
iv. 前記第2の方向に前記キャリアを移動させるために前記保持手段を非駆動にする工程と、を具備する請求項1ないし19のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステムのターゲットの領域にイメージを投影する方法。
【請求項22】
i. 前記第2の方向への移動に対する前記ステージの位置を保持するために前記圧電モータを制御する工程と、
ii. 前記第1の方向に前記ターゲットを移動させるために前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、
前記ターゲット上に前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、
偏向方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるための偏向手段を駆動させる工程と、
の組合せを使用することによって、前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii. 前記領域の外部の荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動にする工程との少なくとも一方と、
iv. 前記第2の方向に前記キャリアを移動させるために前記圧電モータを制御する工程と、を具備する請求項6又は7に従属する請求項1ないし19のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステムのターゲットの領域にイメージを投影する方法。
【請求項23】
i. 前記第2の方向への移動に対する前記ステージの位置を保持するために、前記第2のアクチュエータを非駆動にさせ、かつ前記保持手段を駆動させる工程と、
ii. 前記第1の方向に前記ターゲットを移動させるために前記第1のアクチュエータを駆動させる工程と、
前記ターゲット上に前記荷電粒子ビームを投影するために前記荷電粒子光学カラムを駆動させる工程と、
偏向方向に前記荷電粒子ビームを偏向させるための偏向手段を駆動させる工程と、
の組合せを使用することによって、前記領域の少なくとも一部に前記イメージの少なくとも一部を投影する工程と、
iii. 前記領域の外部の荷電粒子光学ビームを移動させる工程と、前記荷電粒子光学カラムを非駆動にする工程との少なくとも一方と、
iv. 前記第2の方向に前記キャリアを移動させるために、前記保持手段を非駆動にさせ、かつ前記第2のアクチュエータを駆動させる工程と、を具備する請求項8に従属する請求項1ないし19のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステムのターゲットの領域にイメージを投影する方法。
【請求項24】
a. 前記カップリング手段を駆動させる工程と、
b. 前記第2の方向に前記キャリアを移動させるために前記第2のアクチュエータを駆動させる工程と、
c. 前記第2のアクチュエータを非駆動にさせる工程と、
d. 前記カップリング手段を非駆動にさせる工程と、
e. 前記第2の方向の後方に、特に、第2のアクチュエータの駆動部材にアクチュエータを後ろに返すために第2のアクチュエータを駆動させる工程と、をさらに具備する、請求項12に従属する請求項1ないし19のいずれか1の荷電粒子ビームリソグラフィシステムの請求項23の方法。
【請求項25】
v. 前記第2の方向に前記偏向手段による前記荷電粒子ビームの偏向量以下の距離にわたって、前記第2の方向に前記キャリアを移動させる工程をさらに具備する請求項23又は24の方法。
【請求項26】
前記i、ii、iii、iv及びvの工程が繰り返される請求項25の方法。
【請求項27】
前記iiiの工程において、前記荷電粒子光学カラムは、前記荷電粒子ビームが前記ターゲットに達するのを防ぐことによって非駆動にされる請求項21ないし26のいずれか1の方法。
【請求項28】
前記荷電粒子光学カラムは、前記カラムの荷電粒子源のスイッチを切ることによって、又は前記荷電粒子源の陰極を前記荷電粒子源の陽極よりも高い正電位に切り替えることによって非駆動にされる請求項27の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−38426(P2013−38426A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−181421(P2012−181421)
【出願日】平成24年8月20日(2012.8.20)
【分割の表示】特願2011−523757(P2011−523757)の分割
【原出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(505152479)マッパー・リソグラフィー・アイピー・ビー.ブイ. (55)
【Fターム(参考)】