説明

蓄熱式バーナ装置とその運転方法

【課題】簡単な手段を付加するのみで十分な量の排ガスの自己再循環を可能とし、所望の低NOx運転を可能とする蓄熱式バーナ装置とその運転方法を提供する。
【解決手段】交互に燃焼しかつ蓄熱体を備えた対をなす蓄熱式バーナ1a,1bであり、低NOx燃焼のために蓄熱中にあるバーナからの蓄熱体26を通過後の燃焼排ガスを燃焼中にあるバーナに自己再循環させるための連結管40を備えている少なくとも一対の蓄熱式バーナを備えた蓄熱式バーナ装置であって、各バーナは、先端が燃料噴射口14とされた燃料管路13を備えており、燃料管路13には、燃料導入口11から、燃料ガス管路系50と不燃ガス管路系51を介して、燃焼時に、燃料ガスと共に空気のような不燃ガスを導入する。燃料噴射口14からの噴出エネルギーが増大して、燃焼排ガスの自己再循環量が大きくなり、低NOx燃焼が達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交互に燃焼しかつ蓄熱体を備えた対をなす蓄熱式バーナを備えた蓄熱式バーナ装置とその運転方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蓄熱体を備えた2つの蓄熱式バーナを一つの対とし、一方の蓄熱式バーナが燃焼中には、その高温燃焼排ガスの全部または一部を他方の蓄熱式バーナの蓄熱体に導いて熱回収し、所定時間が経過すると、燃焼を前記他方の蓄熱式バーナに切り替えるようにして運転を継続する蓄熱式バーナ装置は知られている。この形態の蓄熱式バーナ装置は、燃焼側の蓄熱式バーナにおいて燃焼用空気を高温状態となった蓄熱体を通過させることにより800℃以上に予熱することができるために高効率で省エネルギーの運転が可能なる。蓄熱式バーナ装置には、双方の蓄熱式バーナの燃焼ガスが熱処理炉内に開放した状態で排出される形態のものと、双方の蓄熱式バーナをラジアントチューブで接続して燃焼排ガスの閉回路を構成するようにしたラジアントチューブバーナ装置とがある。
【0003】
いずれの形態の蓄熱式バーナ装置においても、低NOxでの運転が求められており、そのためにいくつかの提案がなされている。特許文献1には、蓄熱体を通過して外部に排出される温度が低下した燃焼排ガスの一部を送風機を用いて燃焼用空気に混合する外部排ガス再循環方式によるNOx低減方法が記載されている。特許文献2には、燃料噴射口からの燃料噴出エネルギーを利用して燃料を噴射する室内に燃焼排ガス経路の燃焼排ガスを吸引するようにした自己排ガス再循環方式によるNOx低減方法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−288519号公報
【特許文献2】特開平10−132211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した蓄熱式バーナ装置のように、燃焼排ガスを燃焼側の蓄熱式バーナに再循環させる方式を採用することにより、低NOx燃焼下での運転が可能となる。しかし、特許文献1に提案される外部排ガス再循環方式は、排ガス再循環経路および送風機等を必要とし、装置全体が大掛かりで複雑なものとなり、運転コストも高くなる。特許文献2に提案されるような燃料噴出エネルギーを利用して燃焼排ガスを再循環させる、いわゆる自己排ガス再循環方式を採用した装置は、比較して装置全体を簡素化することができるが、燃料ガスのバーナ前圧力を上げられない等、運転条件によっては、NOx排出規制値をクリアーできるだけの十分な量の燃焼排ガスを再循環させることができない場合がある。
【0006】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、きわめて簡単な手段を付加するのみで十分な量の排ガス再循環を可能とし、所望の低NOx運転を可能とすると共に、運転コストも低廉となる蓄熱式バーナ装置とその運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による蓄熱式バーナ装置は、交互に燃焼しかつ蓄熱体を備えた蓄熱式バーナ対であり、蓄熱中にある蓄熱式バーナからの燃焼排ガスを燃焼中にある蓄熱式バーナに自己再循環させるための連結管を備えている少なくとも一対の蓄熱式バーナ対を備えた蓄熱式バーナ装置において、各蓄熱式バーナは、先端が燃料噴射口とされた燃料管路を備えており、燃焼時には燃料ガスと共に不燃ガスが前記燃料管路に導入できるようにされていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は上記蓄熱式バーナ装置の運転方法として、導入する不燃ガスにより燃料噴射口からの燃料ガスの噴射エネルギーを増大させ、それによって、前記連結管を介しての燃焼排ガスの自己再循環量を増大させることを特徴とする蓄熱式バーナ装置の運転方法をも開示する。用いる不燃ガスに特に制限はなく、窒素ガス、燃焼排ガス、空気等を用いうるが、コストの点から空気を用いることが好適である。
【0009】
本発明による上記の運転方法においは、燃料噴射口からの噴出量は燃料ガスと共に導入する(混入する)不燃ガスの量だけ増加する。その分、燃料噴射口からの噴出エネルギーが増大し、エゼクタ効果に伴う燃焼排ガスの吸引力も増大するので、連結管を経由する燃焼排ガスの自己再循環量が増大し、燃焼排ガスからのNOx濃度のさらなる低減が図られる。
【0010】
本発明による装置では、単に燃料ガス供給管路に不燃ガス導入のための管路を接続し、既存設備においては燃料噴射口の口径を若干広げるだけで、燃料ガスのバーナ前圧力を変えることなく、低NOx運転を継続することができる。また、例えば空気である不燃ガスの供給元は工場等に通常存在する既設の加圧空気設備をそのまま用いることができるので、NOx低減設備の簡素化と運転コストの低減との双方をも同時に満足することができる。
【0011】
燃料管路(燃料ガス供給管路)に導入する(混入する)不燃ガス(例えば空気)の量は、当該蓄熱式バーナ装置に求められる低NOx燃焼を可能とする量の燃焼排ガスが連結管を介して再循環できるように、その最少量が定められる。
【0012】
一般に連続熱処理炉等でこの形態の蓄熱式バーナ装置を用いる場合において、バーナの燃焼量の調整方法として、バーナの燃焼量を変化させて調整する方法は、空気比調整が必要になること、ターンダウンが小さいこと、ラジアントチューブバーナの場合には、温度分布が大きくなってチューブ寿命が短くなる等の問題があることから、燃焼量は変えずに燃焼時間と燃焼停止時間の割合を負荷に応じて調整する方法が行われる。この場合、燃焼量が一定であるので、所定の空気比を得るための燃焼用空気量も変わらず一定であり、その一部を前記のように燃料管路に導入し、残りを正規の燃焼用空気導入口、およびある場合には冷却空気導入口から導入することにより、低NOxでの空気比一定の定格負荷燃焼が可能なる。
【0013】
好ましくは、指定流量を流せるように設定した手動弁(癖取り弁)と開閉弁とを、燃料ガス供給管路に接続する不燃ガス供給管路に配置し、対となった蓄熱式バーナの燃焼切り替えと同時にそれぞれの開閉弁の開閉切り替えを行うことにより、容易に所望の低NOx燃焼を得ることができる。
【0014】
本発明による蓄熱式バーナ装置の他の態様において、各蓄熱式バーナは、前記燃料管路を包囲する冷却用流路をさらに備えており、該冷却用流路には冷却空気導入口が少なくとも1つ以上備えられており、かつ前記冷却用流路には不活性ガスが導入できるようにされている。
【0015】
また、本発明は上記蓄熱式バーナ装置の運転方法として、前記のように、導入する不燃ガスにより燃料噴射口からの噴射エネルギーを増大させ、それによって、前記連結管を介しての燃焼排ガスの自己再循環量を増大させて燃焼排ガス中のNOx濃度を低減させると共に、運転中に該蓄熱式バーナ装置からの燃焼排ガス中のNOx濃度を測定し、測定値が予め定めた設定値を超える場合には前記冷却用流路に不活性ガスを供給し、測定値が予め定めた設定値内の場合には不活性ガスの供給を行わないようにすること特徴とする蓄熱式バーナ装置の運転方法をも開示する。
【0016】
上記の装置および運転方法において、本発明による蓄熱式バーナ装置がプル方式の場合には、排気ファンによりバーナ内部が負圧に保たれているため、燃焼時に雰囲気空気が常時導入され、燃料管路および燃料噴射口が冷却される。また、不燃ガスの導入により連結管を介してより多くの量の燃焼排ガスが再循環することにより低NOx燃焼が達成されることに加えて、冷却用流路に不活性ガスを導入することにより、導入された不活性ガスは、燃料噴射口からの燃料ガスと混合し、燃焼領域で燃焼火炎に入り込む。それによって、燃焼は緩慢となり火炎の最高温度は低くなり、一層の低NOx燃焼が達成される。この場合、不活性ガス単独の導入であってもよく、冷却用空気と不活性ガスとの混合ガスの導入であってもよい。用いる不活性ガスの種類は任意であり、例えば窒素ガス、燃焼排ガス等を用いることができる。中でも、工場等で一般的に使用されており入手しやすいこと、設備が簡便であること、取り扱いが容易なことから、窒素ガスを用いることが望ましい。
【0017】
上記の蓄熱式バーナ装置の運転方法では、燃焼排ガスに含まれるNOx濃度が設定値を超えたときにのみ不活性ガスを導入し、測定値が予め定めた設定値内の場合には不活性ガスの導入を行わないようにしているので、不活性ガスの消費量を抑制することができ、運転コストを低減することができる。もちろん、運転コストは高騰するが、運転中に常時不活性ガスを導入するようにしてもよい。
【0018】
本発明による蓄熱式バーナ装置において、対をなす蓄熱式バーナは燃焼火炎が熱処理炉内にそのまま開放される形式の蓄熱式バーナであってもよい。その場合には、燃焼側の蓄熱式バーナからの燃焼排ガスは熱処理炉内に放出され、蓄熱側の蓄熱式バーナには熱処理炉内の高温の雰囲気ガスが導入されて、蓄熱体を加熱する。雰囲気ガスを汚染を嫌う熱処理炉の場合には、対をなす蓄熱式バーナとして、ラジアントチューブを備える蓄熱式ラジアントチューブバーナを用いる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、従来の蓄熱式バーナ装置にきわめて簡単な手段を付加するのみで十分な量の燃焼排ガスの自己再循環が可能となり、所望の低NOx運転を確実に行うことができると共に、運転コストも低廉にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明を実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による蓄熱式バーナ装置の一形態を説明する図であり、図2は蓄熱式バーナ装置を構成する各蓄熱式バーナにおける燃料管路の部分の一形態を説明する図であり、図3は本発明による蓄熱式バーナ装置の運転態様の一形態をその配管系と共に説明する図である。
【0021】
図1に示すように、蓄熱式バーナ装置Aは、少なくとも一対の対をなす2つの蓄熱式バーナ1a,1bを備える。各蓄熱式バーナ1(1a,1b)は、燃料供給部10と熱交換部20とからなり、ラジアントチューブ3に接続している。蓄熱式バーナ対1a、1bの燃焼領域30はラジアントチューブ3内に形成される。前記ラジアントチューブ3は熱処理炉Bの炉壁B1を貫通して炉内部B2に延出しており、燃焼熱はラジアントチューブ3を通して炉内の被加熱物を加熱する。なお、図1に示すものでは、ラジアントチューブ3はU型であるが、W型、I型であってもよい。
【0022】
燃料供給部10は、図2(a)に示すように、燃料導入口11を備えた燃料室12と、そこから燃焼領域30に向けて延出する燃料管路13とを有し、燃料管路13の先端はノズル状の燃料噴射口14とされている。燃料導入口11には、燃料ガス源(不図示)に接続する燃料ガス管路系50(50a,50b)が接続しており、該燃料ガス管路系50には不燃ガス源(不図示)に接続する不燃ガス配管系51(51a,51b)が接続している。燃料管路13は冷却空気用管路15により外側から包囲されており、その間は、燃料噴射口14側を開放した冷却用流路16とされている。冷却空気用管路15の燃料噴射口14から離れた位置には、冷却空気導入口17が設けられている。
【0023】
熱交換部20は、外側箱体21と側箱体22およびエアポート部27とからなり、側箱体22の内側には内側箱体23を備える。前記燃料供給部10は側箱体22の外側に取り付けてあり、前記燃料噴射口14と冷却用流路16は、軸線方向を前記ラジアントチューブ3の軸線方向と同じくするようにして、内側箱体23内に繋がっている。内側箱体23の反対側の側壁には軸線方向をラジアントチューブ3の軸線方向と同じくするようにして混合筒24が取り付けてあり、該混合筒24の周囲には、蓄熱体26が配置されている。蓄熱体26のラジアントチューブ3側の端部にはエアポート部27が設けられ、該エアポート部27はラジアントチューブ3に接続している。外側箱体21の側箱体22には燃焼用空気/燃焼排ガス出入口28が設けられており、内側箱体23には、側箱体22を貫通して燃焼排ガスの再循環ガス出入口29が設けられている。
【0024】
さらに、この例において、内側箱体22の内部には、混合筒24と同軸上にその開口部を外側から覆うようにして第2蓄熱体26aが配置されている。また、前記ラジアントチューブ3の中には、NOxを低減させるために、その軸線を前記混合筒24の軸線と一致させて一次燃焼筒32が支持台33を介して取り付けてある。図において、34はパイロットバーナである。
【0025】
2つの蓄熱式バーナ1a,1bは、熱処理炉Bの炉壁B1に、熱交換部20のエアポート部27に接続するラジアントチューブ3を貫通させた姿勢で、実質的に平行に取り付けられている。また、各蓄熱式バーナ1a,1bの前記再循環ガス出入口29、29は連結管40により連通状態に接続されている。各蓄熱式バーナ1a,1bの前記燃焼用空気/燃焼排ガス出入口28、28は、それぞれ給排気切替弁41a,41bの第1ポート42a,42bに直接または管路45a,45bを介して接続しており、給排気切替弁41a,41bの第2ポート43a,43bは燃焼排ガス管路46を介して排気ファン47に接続している。給排気切替弁41a,41bの第3ポート44a,44bは、いずれも図示しない燃焼用空気源に接続している。燃焼用空気源は大気(雰囲気空気)であってもよく、その場合には、第3ポート44a,44bは大気に開放している。
【0026】
上記蓄熱式バーナ1a,1bの燃焼運転の態様を、一方の蓄熱式バーナ1aが燃焼状態、他方の蓄熱式バーナ1bが蓄熱状態にあるとして説明する。運転に当たり、排気ファン47は作動しており、バーナ全体を負圧状態としている。一方の給排気切替弁41aは第1ポート42aと第3ポート44aが連通状態におかれ、他方の給排気切替弁41bは第1ポート42bと第2ポート43bが連通状態におかれる。
【0027】
蓄熱式バーナ1aの燃料導入口11から、燃料ガス管路系50aを介して燃料ガスが導入され、同時に、不燃ガス配管系51aおよび燃料ガス管路系50aを介して所定量の不燃ガス(通常は空気)が燃料導入口11に導入される。燃料ガスと不燃ガスは、燃料管路13を通って燃料噴射口14から内側箱体23内に噴出する。燃料噴射口14からの噴出量は、同時に供給される不燃ガス(空気)の量だけ増加しており、その分、燃料噴射口14からの噴出エネルギーが増大する。その増大したエネルギーによって、後記するように、前記連結管40を通って蓄熱式バーナ1aに導かれる燃焼排ガスの自己再循環量が増大する。
【0028】
また、バーナ全体が負圧に維持されていること、および燃料噴射口14からの噴出によるエゼクタ効果により、冷却空気導入口17から空気が導入され、それが冷却用流路16を通って内側箱体23内に流出するときに、燃料管路13、燃料噴射口14、および冷却空気用管路15を冷却する。それにより、これらの熱損傷による寿命低下が阻止される。内側箱体23内に導入された燃料ガスと不燃ガスとしての空気と、冷却空気導入口17からの冷却空気ならびに前記連結管40を通って導かれた燃焼排ガスは、混合しながら混合筒24を通過して燃焼領域30に至る。
【0029】
燃焼用空気(大気)は、一方の給排気切替弁41aの第3のポート44aから管路45aを通り、蓄熱式バーナ1aの燃焼用空気/燃焼排ガス出入口28から側箱体22を経て外側箱体21内に流入する。流入した燃焼用空気は、前サイクルにおいて燃焼排ガスにより高温に加熱されている蓄熱体26を通過することにより800℃以上に予熱された後、燃焼領域30に至る。燃料ガスと一部の燃焼用空気の予混合気は、一次燃焼筒32内を通過するときに1次燃焼し、さらに一次燃焼筒32を出た後、残りの燃焼用空気と混合してラジアントチューブ3内で2次燃焼する。
【0030】
燃焼ガス(燃焼排ガス)はラジアントチューブ3を通って、他方の蓄熱式バーナ1b側に流入する。燃焼排ガスの一部は蓄熱体26内を通過し、蓄熱体26と熱交換をした後、側箱体22を経て、燃焼用空気/燃焼排ガス出入口28から管路45bに入り、給排気切替弁41bの第1ポート42b、第2ポート43bを通過して、燃焼排ガス管路46を経由して排気ファン47により大気に放出される。
【0031】
燃焼排ガスの一部は蓄熱式バーナ1bの混合筒24内に導入される。導入された燃焼排ガスは、燃焼側バーナ(蓄熱式バーナ1a)での前記燃料ガスと不燃ガスとの混合気の噴出によるエゼクタ効果による負圧によって吸引され、冷却空気導入口17から導入された冷却空気と共に、内側箱体23から連結管40を通って、燃焼側バーナ(蓄熱式バーナ1a)の内側箱体23に入り、噴出した燃料ガス(および不燃ガス)と混合しながら混合筒24を通過して燃焼領域30に至る。燃焼火炎に、この自己再循環する燃焼排ガスが入り込むことにより、燃焼排ガスに含まれるNOx濃度は低減する。
【0032】
前記したように、本発明による蓄熱式バーナ装置Aを構成する各蓄熱式バーナ1(1a,1b)は、燃料ガスと共に所要量の不燃ガスを燃料噴射口14から内側箱体23内に噴出するようにしており、従来のこの種の蓄熱式バーナのように単に燃料ガスのみを燃料噴射口14から噴出させるものと比較して、燃料噴射口14からの噴出エネルギーは、混入した不燃ガスの量だけ増大する。そのために、いわゆるエゼクタ効果が強まり、前記連結管40を通って燃焼側蓄熱式バーナ1aに吸引される燃焼排ガス量(自己再循環量)が増大するので、一層の低NOx燃焼による蓄熱式バーナ装置の運転が可能となる。
【0033】
一定時間経過すると、給排気切替弁41a,41bの切り替えが行われ、給排気切替弁41aが排気側、給排気切替弁41bが燃焼用空気供給側となる。それにより、蓄熱式バーナ1bが燃焼状態となり、その燃焼排ガスが蓄熱式バーナ1a側に導入され、先に燃焼用空気と熱交換することにより温度が低下した蓄熱式バーナ1aの蓄熱体26を加熱(蓄熱)する。すなわち、蓄熱式バーナ1aがいわゆる蓄熱状態となる。以下、この切り替えが一定間隔で行われる。
【0034】
なお、上記の説明では、燃料供給部10の冷却空気用管路15に形成した冷却空気導入口17からの冷却用空気の取り込みは、バーナ全体が負圧に維持されていることと、燃料ガスの噴出によるエゼクタ効果とによる受動的な取り込みとして示したが、送風機などによる能動的な送り込みであってもよい。燃料ガスと共に供給される不燃ガスは高圧の不燃ガス源から所要の運動エネルギーを持って圧送される。
【0035】
本発明による蓄熱式バーナの他の態様では、前記冷却用空気と共に、窒素のような不活性ガスが冷却用流路16に導入される。図2(b)はその形態での蓄熱式バーナにおける燃料管路の部分を拡大して示している。ここでは、前記した冷却空気用管路15の燃料噴射口14から離れた位置には、冷却空気導入口17に加えて、もう一つの冷却空気導入口18が設けられていて、これが不活性ガス導入口18として活用される。
【0036】
この形態の蓄熱式バーナを備えた蓄熱式バーナ装置Aでは、必要時に、不活性ガス導入口18から、例えば窒素(N)のような不活性ガスが導入される。導入された不活性ガスは冷却空気と共に燃焼領域30に送り込まれ、一層の低NOx燃焼に寄与する。不活性ガスの導入は、冷却空気と同様に受動的な導入でもよく、高圧不活性ガス源からの能動的な導入によってもよい。いずれの場合も、運転中、常時不活性ガス導入口18から不活性ガスを導入するようにしてもよく、不活性ガス供給管路に開閉弁あるいは流量調整弁を設けて、設定値を超えてNOxが発生するような運転状況下においてのみ、所要量の不活性ガスを導入し、設定値内での運転状況下では不活性ガスを導入しないようにしてもよい。後者の場合には、不活性ガスの消費量が低減するので、低コストでの低NOx燃焼運転が可能となる。なお、冷却空気導入口が1つの場合には、ここに冷却空気導入管を接続し、この導入管に不活性ガス供給配管を接続すればよい。
【0037】
また、図1では、1組の蓄熱式バーナ対を持つ蓄熱式バーナ装置Aを示したが、熱処理炉の規模によっては、複数組みの蓄熱式バーナ対でもって、一つの蓄熱式バーナ装置Aが構成される。
【0038】
次に、図3を参照して、本発明による蓄熱式バーナ装置の運転態様の一例をその配管系と共に説明する。図3に示す対をなす蓄熱式バーナ1(1a,1b)は、図1に基づき説明したものと同じであり、同じ部材には同じ符号を付している。図3には1つの蓄熱式バーナ1(1a,1b)のみが示されるが、実際には、第1配管系70によって同一の燃焼グループをなす複数個の蓄熱式バーナ対群が並列に接続されており、さらに、前記第1配管系70は、他の同様な燃焼グループを接続する配管系と、第2配管系80で接続されている。
【0039】
第1配管系70は、一対の燃料ガス供給配管71a,71bと、燃焼排ガス配管75とからなる。一方の燃料ガス供給配管71aは、燃料ガス供給分岐管72aを介して一方の蓄熱式バーナ1aの燃料導入口11に接続し、他方の燃料ガス供給配管71bは、燃料ガス供給分岐管72bを介して他方の蓄熱式バーナ1bの燃料導入口11に接続している。この例では、双方の蓄熱式バーナの冷却空気導入口17は、大気に開放している。なお、燃料ガス供給分岐管72a,72bの燃料導入口11の手前に設けられた手動弁73a,73bは、各蓄熱式バーナ1a,1bに供給する燃料ガスの量を微調整するための癖取り弁である。燃焼排ガス配管75は、燃焼排ガス管路46に接続しており、給排気切替弁41a,41bの切り替えにより、蓄熱側にある蓄熱式バーナの燃焼排ガスが流入する。
【0040】
第2配管系80は、燃料ガス主配管81と、不燃ガス主配管86と、燃焼排ガス集合配管95とからなる。燃料ガス主配管81は、第1燃料ガス主分岐管82aとそこから分岐する第2燃料ガス主分岐管82bを備える。第1燃料ガス主分岐管82aは燃料ガス供給配管71aに接続し、第2燃料ガス主分岐管82bは燃料ガス供給配管71bに接続する。これらの配管および前記した燃料ガス供給配管71は、図1に示す燃料ガス管路系50を構成する。第1燃料ガス主分岐管82aの第2燃料ガス主分岐管82bの分岐部よりも上流側には手動の燃料ガス分岐元弁83と逆止弁84が備えられ、分岐部より下流には第1燃料ガス開閉弁85aが備えられる。第2の分岐管82bには第2燃料ガス開閉弁85bが備えられる。
【0041】
不燃ガス主配管86は不燃ガス分岐管87を備え、該分岐管87は、第1燃料ガス主分岐管82aに、第2燃料ガス主分岐管82bの分岐部よりも上流側において接続している。なお、不燃ガス分岐管87は、図1に示す不燃ガス管路系51に相当する。不燃ガス分岐管87には手動の不燃ガス分岐元弁88と逆止弁89が備えられる。不燃ガス分岐管87は前記逆止弁89よりも下流において、一旦、2つの平行管路87a,87bを構成した後、再び1つの管路となり、前記第1燃料ガス主分岐管82aに接続する。一方の平行管路87aには、第1不燃ガス開閉弁90aと第1手動弁(癖取り弁)91aが、他方の平行管路87bには、第2不燃ガス開閉弁90bと第2手動弁(癖取り弁)91bが、それぞれ備えられる。
【0042】
図示しない制御装置によって、前記した第1燃料ガス開閉弁85aと第1不燃ガス開閉弁90aおよび図1に示す給排気切替弁41aの開閉作動は連動するように操作され、また、同時に、第2燃料ガス開閉弁85bと第2不燃ガス開閉弁90bおよび図1に示す給排気切替弁41bの開閉作動も連動するように操作される。さらに、第1の蓄熱式バーナ1aが燃焼状態にあるときは、第1燃料ガス開閉弁85aと第1不燃ガス開閉弁90a、および給排気切替弁41aの第1ポート42a,第3ポート44aと給排気切替弁41bの第1ポート42b,第2ポート43bは共に開、第2燃料ガス開閉弁85bと第2不燃ガス開閉弁90b、および給排気切替弁41aの第2ポート43aと給排気切替弁41bの第3ポート44bは共に閉とされ、燃焼が第2の蓄熱式バーナ1bに切り替わるときに、第1燃料ガス開閉弁85aと第1不燃ガス開閉弁90a、および給排気切替弁41aの第3ポート44aと給排気切替弁41bの第2ポート43bは共に閉、第2燃料ガス開閉弁85bと第2不燃ガス開閉弁90b、および給排気切替弁41aの第1ポート42a,第2ポート43aと給排気切替弁41bの第1ポート42b,第3ポート44bは共に開、となるように制御される。
【0043】
第1手動弁(癖取り弁)91aおよび手動弁(癖取り弁)73aの開度は第1の蓄熱式バーナ1aの燃焼にあわせて予め設定してあり、第2手動弁(癖取り弁)91bおよび手動弁(癖取り弁)73bの開度は第2の蓄熱式バーナ1bの燃焼にあわせて予め設定してある。
【0044】
燃焼排ガス集合配管95は燃焼排ガス分岐管96を介して燃焼排ガス配管75に接続しており、燃焼排ガス分岐管96には手動の燃焼排ガス分岐元弁97が備えられる。図示しないが、必要な場合には、燃焼排ガス集合配管95にNOxセンサを取り付け、燃焼排ガス中のNOx濃度を常時計測して、設定値を超えてNOxが発生するような運転状況下においては、不活性ガス導入口18(図2(b))から所要量の不活性ガスを導入し、設定値内での運転状況下では不活性ガスを導入しないような運転態様をとることもできる。
【0045】
上記の蓄熱式バーナ装置において、複数の蓄熱式バーナ対群が同一燃焼グループとして第1配管系70により接続されており、前記のように、燃料ガス供給のための第1と第2の燃料ガス開閉弁85a,85bと第1と第2の不燃ガス開閉弁90a、90b、および燃焼用空気供給のための給排気切替弁41a,41b(図1)を同期して開閉制御することにより、各蓄熱式バーナ群はグループとして同じ運転挙動をとる。熱処理炉の規模によっては、このような燃焼グループが複数個備えられ、それらは第2配管系80を介して相互に接続される。複数の燃焼グループはすべてが同じ運転挙動をとるように制御されることもあり、それぞれが異なった運転挙動をとるように制御されることもある。
【0046】
今、蓄熱式バーナ1aが燃焼状態、蓄熱式バーナ1bが蓄熱状態にあるとする。すなわち、前記したように、第1燃料ガス開閉弁85aと第1不燃ガス開閉弁90a、および給排気切替弁41aの第1ポート42a,第3ポート44aと給排気切替弁41bの第1ポート42b,第2ポート43bは共に開、第2燃料ガス開閉弁85bと第2不燃ガス開閉弁90b、および給排気切替弁41aの第2ポート43aと給排気切替弁41bの第3ポート44bは共に閉、とされている。
【0047】
燃料ガスは、燃料ガス主配管81→燃料ガス分岐元弁83→第1燃料ガス主分岐管82a→逆止弁84→第1燃料ガス開閉弁85a→燃料ガス供給配管71a→燃料ガス供給分岐管72a→手動弁(癖取り弁)73aを通り、図2に示したように、蓄熱式バーナ1aの燃料導入口11から燃料管路13を通って燃料噴射口14から噴出する。その際に、不燃ガス(通常は加圧された空気であるが、これに限らない)が、不燃ガス主配管86→不燃ガス分岐元弁88→不燃ガス分岐管87→逆止弁89→平行管路87a→第1不燃ガス開閉弁90a→第1手動弁(癖取り弁)91a→不燃ガス分岐管87を通って、第1手動弁(癖取り弁)91aで設定された量だけ第1燃料ガス主分岐管82aに流入する。流入した不燃ガスは、燃料ガスに混合されながら燃料ガスと同じ経路を通って燃料噴射口14から噴出する。燃料噴射口14からの噴出量は、燃料ガスと不燃ガスの和となり、不燃ガスが加わった分、燃料噴射口14からの噴出エネルギーが増大する。噴出エネルギーの増大により、より多くの燃焼排ガスを自己再循環させることが可能となる。すなわち、前記したように、自己再循環量が増大した燃焼排ガスは、蓄熱式バーナ1bから連結管40を通って蓄熱式バーナ1aの内側箱体23に吸引され、ここで、噴射された燃料ガスおよび不燃ガス等と混合され、混合筒24を通って、燃焼領域30に達する。
【0048】
燃焼領域30に達した燃料ガスは、ここで燃焼用空気/燃焼排ガス出入口28から導入され、蓄熱体26で高温に予熱された燃焼用空気と混合し、燃焼が継続する。この際、燃焼排ガスの再循環量が増えたことにより、その分、低NOx燃焼が推進される。
【0049】
燃焼側の蓄熱式バーナ1aからの燃焼排ガスはラジアントチューブ3を通って蓄熱側の蓄熱式バーナ1bに至り、上記のとおり、燃焼排ガスの一部は連結管40を通って燃焼側の蓄熱式バーナ1aに自己再循環し、低NOx燃焼に寄与する。他の燃焼排ガスは、蓄熱式バーナ1bの蓄熱体26を加熱した後、給排気切替弁41b→燃焼排ガス管路46→燃焼排ガス配管75→燃焼排ガス分岐管96→燃焼排ガス集合配管95を通り、排気ファンから排出される。
【0050】
一定時間経過した後、制御装置は、燃料ガス主配管81および不燃ガス主配管86に接続する第1と第2の燃料ガス開閉弁85a、85b、および第1と第2の不燃ガス開閉弁90a、90b、ならびに給排気切替弁41a,41bの開閉状態を切り替える。それにより、蓄熱式バーナ1aが蓄熱状態となり、蓄熱式バーナ1bが燃焼状態となる。その状態でも、不燃ガスは、第2不燃ガス開閉弁90bと第2手動弁(癖取り弁)91bを通って、第2手動弁(癖取り弁)91bで設定された量だけ燃料ガスに混入する。それにより、燃料噴射口14からの噴出エネルギーはやはり大きく保たれるので、連結管40を通って燃焼側の蓄熱式バーナ1b側に自己再循環する燃焼排ガス量は増大し、依然として低NOx燃焼が推進される。
【0051】
さらに、図2(b)に示した冷却空気導入口を複数個有する構造の燃料供給部10を持つ蓄熱式バーナを用いる場合には、その1つを不活性ガス導入口18として活用し、その不活性ガス導入口18から窒素(N)のような不活性ガスを導入することにより、さらに低NOxの燃焼を行うことが可能となる。その場合、少なくとも燃焼側の蓄熱式バーナの不活性ガス導入口18から常時不活性ガスを供給するようにしてもよいが、不活性ガスの消費量が大きくなり、運転コストが増大する。
【0052】
そのために、好ましくは、燃焼排ガス集合配管95にNOxセンサ(不図示)を取り付けておき、燃焼排ガス中のNOx濃度を常時測定して、測定値が予め定めてある設定値を超えたときにのみ、制御装置からの信号により、不活性ガスを不活性ガス導入口18から供給し、測定値が設定値内になったときには、供給を停止するようにする。このような運転方法を採用することにより、より低コストでの運転が可能となる。
【0053】
図1に示した蓄熱式バーナ装置を実験炉に設置して燃焼試験を行った。本試験は、供給する燃料ガスを都市ガス13Aとし、都市ガス13A単独の場合と、都市ガス13Aに不燃ガスとして空気を6.1m/h混入させた場合の2ケースについて行ない、燃焼排ガス中のNOx濃度を測定した。
【0054】
試験条件は、両ケースとも燃焼容量120Mcal/h、炉温915℃とし、空気比は1.12から1.26の間で行った。なお、燃料ガス(都市ガス13A)に不燃ガス(空気)を混入させる後者のケースにおいては、燃料噴射口の口径を拡大し、燃料ガスのバーナ前圧力が不燃ガスを混入させる前と同等程度となるようした。その結果を図4に示す。図4で▲は都市ガス13A単独の場合であり、■は都市ガス13Aに不燃ガスとして空気を6.1m/h混入させた場合である。図4に示すように、必要燃焼空気量のわずか3.8%程度に相当する空気6.1m/hを燃料ガスに混入させることにより自己排ガス再循環量が増大し、燃焼排ガスのNOx排出濃度を約20%と大幅に低減できることがわかる。このことから、本発明の有効性が示される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明による蓄熱式バーナ装置の一形態を説明する図。
【図2】本発明による蓄熱式バーナにおける燃料管路の部分の一形態を説明する図。
【図3】本発明による蓄熱式バーナ装置の運転態様の一形態をその配管系と共に説明する図。
【図4】都市ガス13A単独の場合と都市ガス13Aに不燃ガスとして空気を混入させた場合における空気比と燃焼排ガス中のNOx濃度との関係を示すグラフ図
【符号の説明】
【0056】
A…蓄熱式バーナ装置、B…熱処理炉、B1…炉壁、B2…炉内部、1(1a,1b)…蓄熱式バーナ、3…ラジアントチューブ、10…燃料供給部、11…燃料導入口、12…燃料室、13…燃料管路、14…燃料噴射口、15…冷却空気用管路、16…冷却用流路、17…冷却空気導入口、18…不活性ガス導入口として活用された冷却空気導入口、20…熱交換部、21…外側箱体、22…側箱体、23…内側箱体、24…混合筒、26…蓄熱体、26a…第2蓄熱体、27…エアポート部、28…燃焼用空気/燃焼排ガス出入口、29…再循環ガス出入口、30…燃焼領域、32…一次燃焼筒、33…支持台、34…パイロットバーナ、40…連結管、41a,41b…給排気切替弁、42a,42b…第1ポート、43a,43b…第2ポート、44a,44b…第3ポート、45a,45b…管路、46…燃焼排ガス管路、47…排気ファン、50(50a,50b)…燃料ガス配管系、51(51a,51b)…不燃ガス配管系、70…第1配管系、71a,71b…燃料ガス供給配管、72a、72b…燃料ガス供給分岐管、73a,73b…手動弁(癖取り弁)、75…燃焼排ガス配管、80…第2配管系、81…燃料ガス主配管、82a、82b…燃料ガス主分岐管、83…燃料ガス分岐元弁、84…逆止弁、85a、85b…燃料ガス開閉弁、86…不燃ガス主配管、87…不燃ガス分岐管、88…不燃ガス分岐元弁、89…逆止弁、87a,87b…平行管路、90a、90b…不燃ガス開閉弁、91a、91b…手動弁(癖取り弁)、95…燃焼排ガス集合配管、96…燃焼排ガス分岐管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に燃焼しかつ蓄熱体を備えた蓄熱式バーナ対であり、蓄熱中にある蓄熱式バーナからの燃焼排ガスを燃焼中にある蓄熱式バーナに自己再循環させるための連結管を備えている少なくとも一対の前記蓄熱式バーナ対を備えた蓄熱式バーナ装置であって、
各蓄熱式バーナは、先端が燃料噴射口とされた燃料管路を備えており、燃焼時に燃料ガスと共に不燃ガスが前記燃料管路に導入できるようにされていることを特徴とする蓄熱式バーナ装置。
【請求項2】
各蓄熱式バーナは、前記燃料管路を包囲する冷却用流路をさらに備えており、該冷却用流路には冷却空気導入口が少なくとも1つ以上備えられており、かつ前記冷却用流路には不活性ガスが導入できるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱式バーナ装置。
【請求項3】
対をなす蓄熱式バーナは、蓄熱式ラジアントチューブバーナであることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱式バーナ装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の蓄熱式バーナ装置の運転方法であって、導入する不燃ガスにより燃料噴射口からの噴射エネルギーを増大させ、それによって、前記連結管を介しての燃焼排ガスの自己再循環量を増大させることを特徴とする蓄熱式バーナ装置の運転方法。
【請求項5】
不燃ガスとして空気を用いることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱式バーナ装置の運転方法。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載の蓄熱式バーナ装置の運転方法であって、導入する不燃ガスにより燃料噴射口からの噴射エネルギーを増大させ、それによって、前記連結管を介しての燃焼排ガスの自己再循環量を増大させると共に、運転中に該蓄熱式バーナ装置からの燃焼排ガス中のNOx濃度を測定し、測定値が予め定めた設定値を超える場合には前記冷却用流路に不活性ガスを導入し、測定値が予め定めた設定値内の場合には不活性ガスの導入を行わないようにすること特徴とする蓄熱式バーナ装置の運転方法。
【請求項7】
不燃ガスとして空気を用い、不活性ガスとして窒素を用いることを特徴とする請求項6に記載の蓄熱式バーナ装置の運転方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−101129(P2007−101129A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294040(P2005−294040)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願人】(000220000)東京ガス・エンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】