説明

薄膜の製膜方法、それを用いた電子写真感光体および電子写真装置

【課題】柔らかい樹脂基板の表面にAD法を用いてセラミックス、金属、半金属膜を直接形成できる製膜方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板にダメージを与えることなく材料粒子を粉砕する。第一の方法として、2つ以上の多数のノズルから構成され、それぞれのノズルから噴射されるエアロゾルを互いにぶつけ合うことで微粒子を粉砕して基板に膜を形成する。第二の方法として、基板に直接噴射するのではなく、粉砕板にエアロゾルを噴射することで間接的に微粒子を粉砕する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粒子化したセラミックス、金属、半金属などの材料を基板上に噴射して成膜するエアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)の技術に関する薄膜の製膜方法、それを用いた電子写真感光体および電子写真装置である。この成膜技術は、各種電子デバイスにおける機能膜や保護膜などへの応用展開を図ることが出来る。
【背景技術】
【0002】
近年、酸化物、窒化物材料等の電子セラミックス材料を形成する手法として、エアロゾルデポジション法(以降、AD法)と呼ばれる新たな薄膜形成方法が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この方法は、あらかじめ微粒子化した原料をヘリウム、窒素、酸素等のガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射して基板上に被膜を形成させるというものである。このAD法は、従来の形成方法であるスパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法等と比べて桁違いに製膜速度が速く、しかも、高温での熱処理工程を伴う必要が無いので、室温にて緻密で高硬度な膜を得ることができるとの特徴を有している。
【0004】
図7は従来の一般的なAD法の装置の基本構成図である。装置の主な構成部品は真空チャンバー102、エアロゾル発生器108およびそれらを接続する細い搬送管112、搬送管112の先には噴射ノズル101が取り付けられている。真空チャンバー102には、基板ホルダー113の他、ロータリーポンプ等の真空ポンプ109が設置されており、数Paから数kPaに減圧される。エアロゾル発生器108には、ガスを供給するためのガスボンベ111が取り付けられており、ガスボンベ111とエアロゾル発生器108は導入管110によって接続されている。
【0005】
原料である微粒子は、エアロゾル発生器108内でガスと攪拌、混合されてエアロゾル化される。エアロゾルはエアロゾル発生器108と真空チャンバー102の差圧により生じるガスの流れに伴ってエアロゾル発生器108から真空チャンバー102に搬送され、スリット状の噴射ノズル101を通して加速され基板103に噴射されて膜が形成される。一般に、スリットの開口幅は0.5mm〜数mm程度であるので、噴射ノズル101を基板103に対して相対運動させることによって広い面積の製膜領域を得ることができる。
【0006】
上記AD法を用いた展開例としては、コンデンサー、抵抗、インダクターなどの受動部品の集積化や3次元実装化に必要となる高誘電率誘電体膜の製造(特許文献2)、電子写真装置に用いられる感光体の電荷発生層や電荷輸送層の製造(特許文献3)、インクジェットプリンタのプリンタヘッドに用いられるPZT圧電膜の製造(特許文献4)等がある。また、柔らかい樹脂基板表面上に形成する方法についての開示もなされている(特許文献5)。
【特許文献1】特開2001−181859号公報
【特許文献2】特開2004−342831号公報
【特許文献3】特願2006−333006号公報
【特許文献4】特願2005−313160号公報
【特許文献5】特開2004−091614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したAD法の製膜メカニズムは常温衝撃固化現象を利用して以下のように考えられている。即ち、エアロゾル化された原料粒子が高速で基板と衝突することで、10〜30nm程度の微粒子に粉砕されると共に、粉砕によって細かく割れて生じた活性面が強固な粒子間結合を起こすので、焼結せずに常温で緻密なナノ結晶組織を有した膜を作製することができる。
【0008】
従って、AD法においては、原料粒子が粉砕されることが必要不可欠であり、その原理故に、原料粒子の硬さと基板の硬さとの相対関係が重要なパラメータとなる。
【0009】
有機物を含む柔らかい樹脂基板では、1)樹脂基板への衝突によって原料粒子の粉砕が起きない、2)粒子の衝突によって基板が数μm程度削れてしまう、等の問題が起き易く、基板上に微粒子の膜を製膜できない場合が多々見受けられる。また、有機物を含まない硝子等の比較的硬い材質の基板を用いたとしても、基板に対して相対的に硬い微粒子材料を製膜する場合には基板にクラックが入り易く、剥離等の不具合を生じさせる。
【0010】
(特許文献4)に開示している技術では、基板のビッカース硬さと原料粒子のビッカース硬さの相対比をある一定の範囲にすることで、基板への膜の形成を可能にすると共に製膜速度の向上を図っている。
【0011】
(特許文献5)に開示している技術では、用いる基板の硬さを、塑性変形分を考慮したダイナミック硬さで規定し、ある一定の範囲の基板を用いることでプラスチック基板にも製膜できることが示されている。
【0012】
上記(特許文献4)および(特許文献5)に開示されている従来の改善方法では、製膜する材料や基板に何らかの制約を受けることになり、有機物を含んだ柔らかい基板から、無機物の硬い基板まで、任意の基板上に、任意の膜を形成することは困難である。また、十分に硬度のある基板を用いたとしても、基板上にレジスト等の樹脂や柔らかい金属膜等が形成されている場合においては従来の方法では対応できない。更に、炭素元素を含有するような非常に硬い材料、例えば、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、フラーレン、炭化珪素の様な材料を従来のAD法にて製膜することは困難である。
【0013】
ダイヤモンドライクカーボンは最大で5000Hvの高いビッカース硬度を有しているが、これを(特許文献6)で開示されている基板と材料の硬さの関係(0.39≦微粒子材料のビッカース硬さ/基板のビッカース硬さ≦3.08)に当てはめて考えてみると、基板には1640Hv以上のビッカース硬さが必要となる。コストや製品展開の面から考えると、ビッカース硬度500Hv程度の硝子や1000Hv程度のシリコンウエハを用いてその上に製膜することが必要であるのに対し、ビッカース硬度1640以上の基板を用いることは実用上不可能に近い。
【0014】
以上のように、従来のAD法にて有機材料を含むような柔らかい樹脂基板上に製膜するには、基板および微粒子材料の選択、製膜条件の最適化等、様々な制約条件が必要であった。また、炭素を含有するような非常に硬度の高い材料をAD法にて製膜することは不可能であった。
【0015】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、製膜する微粒子材料の材質および基板の材質に関して制約を受けることがなく、任意の基板上に任意の材料を製膜することができるAD法を用いた薄膜の製造方法を提供する。これによって、柔らかい樹脂基板上に容易に膜を製膜することができる。更に、この方法を用いて形成した電子写真用感光体およびこの電子写真感光体を用いた電子写真装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述課題を解決して目的を達成するため、本発明のAD法(以降、間接粉砕型AD法)は、ノズルから噴射される原料粒子を含むエアロゾルを、製膜させる対象物となる基板に直接吹きつけることなく粒子を粉砕して微粒子にする。
【0017】
その一つの方法として、ノズルを2つ以上の多数のノズルから構成し、それぞれのノズルから噴射されるエアロゾルを基板から離れた空間に焦点を持たせて互いにぶつけ合わせ、その衝突エネルギーによってエアロゾルに含まれる粒子材料を微粒子に粉砕する。
【0018】
他の方法として、粒子材料を粉砕することができる、いわゆる粉砕板を基板に隣接して配置し、ノズルから噴射するエアロゾルをこの粉砕板に吹き付けることで粒子材料の微粒子への粉砕を可能にする。
【0019】
上記の方法によって、基板にダメージを与えず、基板の影響も受けることなく粒子材料を微粒子に粉砕することができ、その粉砕された微粒子が基板に堆積することで薄膜を形成することができるようになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、原料粒子を含んだエアロゾルを直接基板に吹きつけることがないので、基板の硬さに依存せずに安定して原料粒子を微粒子に粉砕することができ、また、基板自体への凹み、マイクロクラック等のダメージを低減できる。それらの効果によって、特に、ポリカーボネートやアクリル等の樹脂基板、レジストや金属膜が形成された複合基板を用いたとしても、膜が基板に付着しない、膜が剥離する、製膜レートが遅い等の問題を発生することなく、間接粉砕型AD法本来の特徴である緻密な膜を形成することができる。
【0021】
また、間接粉砕型AD法の製膜メカニズムから考えると、従来の方法では、炭素元素を含んだダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、フラーレン、炭化珪素等の非常に硬度の高い材料を製膜することは困難であったが、本発明の方法を用いることで基板の特性に影響されること無く、これら硬度の高い膜を容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の間接粉砕型AD法を用いた製膜装置は、エアロゾル化した原料粒子をノズルで直接的に基板に吹き付けて原料粒子を粉砕するのではなく、エアロゾルを噴射するノズルを多数配置し、個々のノズルから噴射するエアロゾルを基板表面から離れた空間で互いに焦点させる位置になるようにノズルの方向を規定した構造とする。これによって、複数のノズルから噴射されたエアロゾル化した原料粒子が空間における焦点で衝突しエアロゾル化した粒子が粉砕されることによって微粒子化し、基板へ粉砕微粒子を積載する際のダメージを低減することができると共に、粒子の粉砕を基板の特性に影響されることなく安定して行える。
【0023】
また本発明は、個々のノズルから噴射される原料粒子に同一組成のものを用いることができる。これによって、製膜される微粒子の粉砕が数多く行えるので高い製膜レートが得られ、生産性を向上させることができる。
【0024】
本発明の間接粉砕型AD法を用いた製膜装置は、エアロゾル化した微粒子を直接的に基板に吹き付けて微粒子を粉砕するのではなく、微粒子を間接的に粉砕するための粉砕板を基板の近傍に設けた構造とする。これによって、基板へのダメージを低減することができると共に、微粒子の粉砕を基板の特性に影響されることなく安定して行える。
【0025】
また本発明は、製膜する微粒子材料のビッカース硬度より大きい材質の粉砕板を用いる提案を行なう。これによって、微粒子の粉砕を安定かつ十分に行うことができるので高い製膜レートが得られ、生産性を向上させることができる。
【0026】
また本発明は、有機材料を含んだ柔らかい樹脂基板を用いるものである。これによって、軽量、薄型化を達成できる。
【0027】
また本発明は、炭素元素を含有する微粒子材料を用いて薄膜を形成するものである。炭素元素を含有する材料としては、保護膜の効果を有するダイヤモンドライクカーボン、電子デバイスの機能性膜となるフラーレンや炭化珪素等様々な応用分野に展開することができる。
【0028】
以上の発明は、それぞれ間接粉砕型AD法を用いた製膜方法を提案する。
【0029】
また、以上の発明は、それぞれ間接粉砕型AD法による製膜方法を用いた感光体の製造方法を提案する。
【0030】
また本発明は、上述した間接粉砕型AD法を用いて電荷発生層または電荷輸送層を形成した電子写真感光体である。経時変化の少ない安定した無機材料を用いた構成となるので、耐久性の高い電子写真感光体となることができる。
【0031】
また本発明は、上述した電子写真感光体を有する電子写真装置である。本発明に係る感光体を採用した電子写真装置は、長時間に亘り安定した印字品質を保つことができる。
【0032】
(実施の形態1)
以下、本発明に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜方法について詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施の形態1に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜方法を示す模式図である。
【0034】
本発明の製膜方法は、真空チャンバー2内に基板3と粒子を含んだエアロゾルを噴射するための2本の噴射ノズル1−a、1−bを配設している。基板3には、薄膜7の均一性の向上や大面積に対応できるように、前後左右(XY軸)に走査制御できる機構が付加されている。真空チャンバー2は内部を減圧することが可能となっており、数Paから数kPa程度の真空度を維持することができる。噴射ノズル1−a、1−bは、それぞれのノズルから噴射されるエアロゾル4が基板3に接しない空間で焦点(衝突点)を結ぶような方向に位置関係を設定している。
【0035】
本発明の製膜方法は、各噴射ノズル1−a、1−bから噴射されるエアロゾル4同士がぶつかり合うことで、エアロゾル4に含まれている粒子5が互いに衝突し、その衝突エネルギーによって粉砕される。その粉砕された微粒子6は活性面を持ち、従来から知られているAD法の膜形成メカニズムに沿って基板3上に堆積し、密度の高い薄膜7が形成される。
【0036】
直接的に基板3にエアロゾル4を衝突させることで粒子5の粉砕を行う従来方法とは異なり、基板3の影響を受けることなく粒子5の粉砕を可能にする。更に、基板3の削れ、マイクロクラック等の悪影響を与えることは無い。
【0037】
従って、本発明にて用いることのできる基板3は、硝子、金属、セラミックス、半金属等の無機材料の他、ポリカーボネート、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の有機材料を含む柔らかい基板にも適している。更に、レジストや金属膜が形成された複合基板にも適している。
【0038】
噴射ノズル1−a,1−bの噴射幅(図1では奥方向)は特に限定するものではなく、数mmから数十mmの幅を持った噴射ノズル1−a,1−bであっても本発明の効果を問題なく発揮することができる。
【0039】
図2は、本発明の実施の形態1に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜装置を示す概略図である。本実施の形態1に係る製膜装置は、材料粒子5−a、5−bをキャリアガス(図示せず)に分散させてエアロゾル4−a、4−bを形成させるエアロゾル発生器8−a,8−b、エアロゾル4−a、4−bを噴射するための噴射ノズル1−a、1−bで構成され、噴射ノズル1−a、1−b、基板3、及び基板ホルダー13の全体を真空チャンバー2で覆っている。噴射ノズル1−a,1−bから噴射されるエアロゾル4−a、4−bは、基板3の堆積面に接していない、堆積面の手前の空間に焦点を合わせている。
【0040】
換言すれば、複数の噴射ノズル1−a,1−bは、それぞれの噴射ノズル1−a,1−bから噴射されるエアロゾル4−a、4−bに含まれる材料粒子5−a、5−bが基板3の堆積面の手前の空間における焦点で衝突するようそれぞれの噴射方向を設定している。
【0041】
真空チャンバー2には排気ポンプ9が接続され、製膜中は真空チャンバー2内の気体を排気し続けている。基板3は、基板ホルダー13に装着され、必要に応じて前後左右に移動することができる。エアロゾル発生器8−a、8−bには、キャリアガスを導入するためのガスボンベ11−a、11−bが導入管10−a、10−bを介して接続されている。
【0042】
エアロゾル発生器8−a、8−bの内部に導入された導入管10−a、10−bの先端はエアロゾル発生器8−a、8−bの底面付近に位置し、材料粒子5−a、5−b中に埋没するように配置されており、ガスボンベ11−a、11−bからキャリアガスを送ることでエアロゾル発生器8−a、8−b内で材料粒子5−a、5−bが吹き上げられてエアロゾル4−a、4−bを生成する。
【0043】
生成されたエアロゾル4−a、4−bは導入管12−a、12−bを通って噴射ノズル1−a、1−bから真空チャンバー2内の空間に供給される。キャリアガスとしては、例えばヘリウム、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスや窒素、空気、酸素等を使用することができ、ガスボンベ11−a、11−bの内容物は同じガスであっても、異なるガスであっても構わない。材料粒子5−a、5−bの特性や必要とする薄膜特性を加味しながらキャリアガスの種類を選択することが重要である。
【0044】
また、他の例として、噴射ノズル1−aからのみ材料粒子5−aを噴射させ、他の噴射ノズル1−bからは、材料粒子5−aを粉砕することのみを目的とするため、高圧ガス、高圧空気等のキャリアガスを噴射させることもできる。キャリアガスとしては、例えばヘリウム、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスや窒素、空気、酸素等を使用することができる。
【0045】
図2にて説明した個々の噴射ノズル1−a、1−bの位置関係は、図1にて説明した位置関係と異なり、噴射ノズル1−a、1−bの先端から焦点までが等しい距離で無く、また、角度的にも左右対称ではない位置に配置されている。噴射ノズル1−a、1−bの位置関係によってはエアロゾル4−a、4−bのエネルギーや分布状態が異なり、粉砕される材料粒子5−a、5−bの数量や散乱状態に違いを生じさせ、製膜される膜厚分布や膜特性に影響を与える場合がある。
【0046】
しかし、エアロゾル発生器8−a、8−bは独立して接続することができ、しかも供給するガスの種類、用いる材料の粒度分布を調整できるので、個々の噴射ノズル1−a、1−bから噴射するエアロゾル4−a、4−bのエネルギーおよび分布状態を均一化できる。
【0047】
よって、本発明の間接粉砕型AD法においては噴射ノズル1−a,1−bの位置関係は問題とならず、配置位置は対称でなくても良い。また、噴射ノズルの本数も限定するものではなく、2本以上の噴射ノズルを用いても良い。
【0048】
その他、噴射ノズル1−a,1−bをそれぞれ離れた位置に独立に設けるのではなく、外見上ノズルケース(図示せず)とし、前記ノズルケース内に複数の噴射ノズル1−a,1−bを設け、それぞれの噴射ノズル1−a,1−bから噴射されるエアロゾル4−a、4−bに含まれる材料粒子5−a、5−bが基板3の堆積面の手前の空間における焦点で衝突するようにしてもよい。
【0049】
また、上記したように噴射ノズル1−a,1−bの配置位置は対照的である必要はなく、例えば、図2に示すように、噴射ノズル1−bから噴射された材料粒子5−bの飛翔経路の近傍若しくは直近の位置に噴射ノズル1−aを設け、噴射ノズル1−aの噴射口から材料粒子5−aを噴射させたり、あるいはアシスト粒子、高圧空気その他の高圧ガス等を噴射させることにより、基板3の直近で噴射ノズル1−bから噴射された材料粒子5−bを微粒子に粉砕する構成とすることも可能である。
【0050】
本発明に係る材料粒子としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、フェライト等の酸化物、窒化アルミニュウム、窒化珪素、窒化チタン等の窒化物、フラーレン、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、炭化珪素等の炭化物、珪素、ゲルマニュウム等の半金属、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、リチウム酸コバルト、リチウム酸ニッケル等の化合物等が挙げられる。
【0051】
また、個々の噴射ノズル1−a,1−bから噴射させる材料粒子5−a,5−bに異なる原料を用いても良いが、薄膜7の種類によって製膜条件を設定しなければならない。本発明では、各噴射ノズル1−a,1−bから供給する材料粒子5−a,5−bの選択、製膜条件を設定する設定手段(図示せず)を設けることができる。
【0052】
個々の噴射ノズル1−a,1−bから噴射した材料粒子5−a,5−bを膜中に含む化合物や混合物として膜を得る場合、キャリアガスの種類や流量、圧力等を個々に制御する制御装置(図示せず)を設けることで粉砕される材料粒子の比率を変化させ、任意の組成比に調整することができる。
【0053】
一方の噴射ノズル1−aから噴射される材料粒子5−aのみを製膜したい場合には、他方の噴射ノズル1−bから噴射される材料粒子5−bは材料粒子5−aを粉砕することのみを目的としたアシスト粒子とすることができる。その場合、このアシスト粒子としての材料粒子5−bは材料粒子5−aとの衝突によって粉砕されない材質の粒子を選択することができる。従って、膜となる材料粒子と比べて硬く、粒子径が大きいアシスト粒子を用いることが好ましい製膜条件となる。
【0054】
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜方法を示す模式図である。
【0055】
実施の形態2に係る製膜方法は、真空チャンバー2内に基板3、粒子を含んだエアロゾル4を噴射するためのノズル1、エアロゾル4に含んだ材料粒子を粉砕するための粉砕板12を配設している。ノズル1から噴射したエアロゾル4は粉砕板12に吹き付けられることでエアロゾル4内に含まれる材料粒子が粉砕され、それら粉砕された微粒子が基板3上に堆積することで薄膜7が形成される。基板3には、上述したような前後左右(XY軸)に走査制御できる機構が付加されて、薄膜7の均一性や大面積化に対応することができる。
【0056】
粉砕板12の材質は特に限定するものではなく、吹き付けられる材料粒子が粉砕できれば良く、定性的に言えば、使用する材料粒子の硬度が高ければそれに合わせて粉砕板12の材質にも高い硬度のものを使用すれば良い。
【0057】
具体的に使用できる粉砕板12の一例としては、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックスやそれらの複合物、炭素鋼、ニッケルモリブデン鋼等の硬度の高い金属が使用できる。更に、単体だけでなく表面をコーティングしても粉砕板12として使用できる。例えば、アルミニウムやステンレス鋼の金属板の表面に、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックス膜を数μmから数十μm形成しても粉砕板12として使用できる。
【0058】
粉砕板12と基板3との距離は数mmから数十mm程度が好ましい。距離が長くなってしまうと、せっかく粉砕板12にて得られた活性面を有した微粒子が基板3に到達する前にその活性な性質が失われ、強固で緻密な膜が得られなくなってしまうからである。
【0059】
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3に係る間接粉砕型AD法で作成した感光体の層構造を示す模式図、図5は本発明の実施の形態3に係る感光体の間接粉砕型AD法による製造方法を示す概略図である。
【0060】
まず、本発明の実施の形態3に係る間接粉砕型AD法で作成した感光体について説明する。感光体20は、通常、図5に示すようにドラム状に構成されており、図4は感光体20を半径方向に切断した要部断面を拡大して示したものである。図4の中で、21は導電性の支持体、22は有機膜で構成した電荷発生層、23は光透過性を有する金属酸化膜で構成した電荷輸送層であり、支持体21から上に、支持体21、電荷発生層22、電荷輸送層23の順に形成されている。この電荷輸送層23を図5で示す本発明の間接粉砕型AD法の製造方法にて形成する。
【0061】
次に、本発明の実施の形態3に係る感光体の間接粉砕型AD法による製造方法を説明する。製造前の感光体20は支持体21上に電荷発生層22のみが既に形成されており、感光体20を真空チャンバー2内に設置し、感光体20を回転させる。噴射ノズル1−a、1−bから噴射されるエアロゾル4を感光体20に直接噴射させることなく感光体20の手前の空間で互いに衝突させてエアロゾル4に含まれる材料粒子を粉砕させ、回転する感光体20の電荷発生層22上に電荷輸送層23を形成する。
【0062】
電荷輸送層23として利用するためには、露光された光がその波長帯域において電荷輸送層23に吸収されることなく電荷発生層22に達し、そこで発生した電荷を感光体20の表面まで輸送する機能を有していなければならない。
【0063】
このような機能を有している材料としては、アモルファスシリコン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等が挙げられる。
【0064】
(表1)に、間接粉砕型AD法を用いて形成した酸化亜鉛膜および酸化チタン膜の代表的な膜特性を示している。製膜条件として、酸化亜鉛膜の形成には、粒度分布、D10=0.22μm、D50=1.08μm、D90=3.01μmの1種の酸化亜鉛粉末、酸化チタンの形成には、粒度分布、D10=0.17μm、D50=0.23μm、D90=0.29μmの高純度酸化チタン粉末を用いた。キャリアガスは共に窒素ガスを用い、流量を可変することで個々の膜の最適化を図った。尚、膜厚は共に2μmである。
【0065】
(表1)に示すように、酸化亜鉛、酸化チタン共に平滑な平面性、高い光透過率、高い電気抵抗率が得られている。後述する実施の形態4で示しているが、これらの膜を電荷輸送層に用いた感光体の画像を評価した結果、従来の感光体と遜色の無い画質が得られることを確認しており、本発明の間接粉砕型AD法を用いて形成した膜は電荷発生層として十分な性能が得られていることが証明された。
【0066】
【表1】

【0067】
電荷輸送層23の透明性は、当然、透過率が高ければ高い方が良いが、一義的には決められない。電荷発生層22や電荷輸送層23の電気的な特性が優れていて感度が高ければ、電荷輸送層23による露光エネルギーの損失が多少起きたとしても、感光体20としての特性には問題とならない場合も多々ある。
【0068】
好ましくは、露光エネルギーを60%以上透過する透過率を有していれば、実施の形態3の構成に用いる電荷輸送層23としての機能を十分に発揮できる。
【0069】
支持体21としては支持体21自体が導電性を有するもの、例えば、アルミニウムが代表的ではあるが、それ以外にも、アルミニウム合金、銅、ステンレス、クロム、チタン、ニッケル、マグネシウム、インジウム、金、白金、銀、鉄等を用いることが出来る。その他に、プラスチック等の誘電体基材に、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、金、等を蒸着等により被膜形成して導電性を持たせたものや、プラスチックや紙に導電性微粒子を混合したもの等を用いることが出来る。
【0070】
これらの導電性の支持体21は均一な導電性が求められるとともに、平滑な表面性も重要となる。支持体21表面の平滑性は、その上層に形成する電荷発生層22、電荷輸送層23の均一性に大きな影響を与えることから、その表面荒さは0.5μm以下で用いられることが好ましい。
【0071】
図4においては、支持体21の上に直接電荷発生層22を形成した構成について示したが、支持体21と電荷発生層22の中間に、注入阻止機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる(図示せず)。下引層の材料としては絶縁性能を示す、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレンーアクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン等が一般的な材料として挙げられる。また、支持体21がアルミニウムの場合、アルマイト処理を施して数十μmのアルミナを形成して下引層としても良い。
【0072】
電荷発生層22としては、特に指定する物ではない。例えば、チタニルフタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類、ナフタロシアニン類、またこれら2種のフタロシアニンの混晶、アゾ化合物、セレン−テルル、ピリリウム化合物、ペリレン系化合物、シアニン系化合物、スクアリウム化合物、多環キノン化合物等が挙げられる。
【0073】
これら電荷発生物質は単独で又は適当なバインダー樹脂中に分散して層形成が行われる。バインダー樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0074】
電荷発生層22中に含有する樹脂は、80重量%以下、好ましくは50重量%以下が適している。電荷発生層22の厚さは一般的には数μm程度、特に0.05〜2μmであることが好ましい。
【0075】
上述の電荷発生物質を、これも上述したバインダー樹脂、及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルなどの方法でよく分散し、塗布、乾燥して膜を形成する。また、フタロシアニン系に代表される昇華型の材料は真空蒸着法によって単独で形成することも可能である。
【0076】
また、電荷発生層22としては上記有機材料以外にもアモルファスシリコン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫等の光を吸収して電荷を発生する無機の材料を用いることもできる。但し、アモルファスシリコンは800nm程度の波長領域に吸収を持っているので、露光光源としては赤色レーザが必要となる。一方、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫は400nm以下の領域に吸収を持っており、青色レーザでの露光が必要となる。
【0077】
これら材料の製膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の他、上記本発明の間接粉砕型AD法による製膜も可能である。
【0078】
従来から、電子写真装置の感光体20の最表面に高硬度の保護層を形成して耐刷性を向上させる取り組みが知られており、本発明においても適用できる。その好適な例は、炭素または炭素を主成分として構成される薄膜、中でもダイヤモンドやダイヤモンド状カーボン膜(DLC膜)を保護膜として用いる場合である。
【0079】
DLC膜は、ダイヤモンド結合とグラファイト結合が混在したアモルファス構造体であり、メタン、エタン、プロパン、ブタジエン等の炭化水素系のガス、必要に応じ水素、フッ素(NF3)、窒素(N2)、硼素(BF3)ガスなどを流入しつつ、プラズマCVD法、光CVD法、スパッタリング法などの真空製膜法を用いて作製される。
【0080】
当然、上述した本発明の間接粉砕型AD法を用いても、これら炭素元素を含有する保護膜を形成することは可能である。DLC膜(図示せず)を保護膜として電荷輸送層23の上に製膜する場合には、電荷輸送層23へのダメージを考慮し、製膜レート、基板加熱、バイアス電圧、キャリアガスの種類等の各種製膜条件に留意して最適な条件を設定しなければならない。
【0081】
また、必要とする保護膜の膜厚は特に指定は無いが、厚過ぎてしまうと、感光体50としての感度が低下してしまい、良好な画質が得られなくなるので、一般的には1μm以下の膜厚が好ましい。
【0082】
(実施の形態4)
図6は本発明の実施の形態4に係る電子写真装置の概略構成図である。
【0083】
図6に示す電子写真装置30は、4つの円筒状または円柱状の像形成体として、例えば実施の形態3で詳細に説明した感光体20と同じ感光体31、32、33、34と、これらに跨って延在しているベルト状転写体35を有する中間転写ユニット36等から構成されている。それぞれの感光体31、32、33、34の周辺には、帯電装置(ここでは帯電ローラ)37、38、39、40、露光装置41、上部にそれぞれ現像剤格納部を有する現像器42、43、44、45、感光体クリーナ46、47、48、49が配置されている。
【0084】
中間転写ユニット36には、記録紙50に転写されずにベルト状転写体35の表面に残ったいわゆる残トナーをクリーニングするためのベルトクリーナ51が設けられている。
【0085】
更に、中間転写ユニット36のベルト状転写体35には、各感光体31、32、33、34で形成された後、転写され重畳されたトナー像を記録紙50に転写するのに必要な最終転写ローラ52が当接または対向している。定着器53は記録紙50に転写されたトナー像を定着させる手段である。
【0086】
次に画像形成の詳細について説明する。まず、本発明に係る感光体31が帯電装置37により一様に帯電された後、露光装置41により露光され、これにより形成された静電潜像を現像装置42により現像する。静電潜像が可視化されたトナー画像は、中間転写ユニット36のベルト状転写体35と対向または接する位置でベルト状転写体35に転写される。
【0087】
この第1のトナー画像が電子写真感光体32と接触する位置に進むタイミングに合わせて、感光体32の表面に形成された他の色のトナー画像が、第2のトナー画像として第1のトナー画像の上に重ねて転写される。
【0088】
以下同様に、第3、第4のトナー画像が重ねて転写され、4色の重ね画像が完成する。この中間転写ユニット36のベルト状転写体35の上に形成された重ね画像は、その後、最終転写ローラ52と接する部分において記録紙50に一括転写され、定着器53により記録紙50に定着されて、記録紙50にカラー画像が形成される。
【0089】
さて、一連の画像形成プロセスにおいて、感光体31、32、33、34からベルト状転写体35に転写されなかったトナーは、感光体クリーナ46、47、48、49によって掻き落とされるが、一般に感光体クリーナ46、47、48、49はブレード等によって構成されており、感光体クリーナ46、47、48、49は、それぞれ感光体31、32、33、34と接触(摺動)することで転写されなかったトナーを除去する。
【0090】
本発明に係る感光体31、32、33、34は高い耐摩耗性(耐久性)を有することから、例えば電子写真装置30のプロセス速度をより高速に設定した場合や、いわゆるヘビーデューティ機といわれるような高いスループットが要求される分野の機器においても好適に用いることができる。
【0091】
以上のように構成された電子写真装置30に、本発明に係る感光体31、32、33、34を搭載して動作させた結果、得られた画像の画質は従来の有機感光体やアモルファスシリコン感光体を用いて作製したものと比べても遜色は無く、しかも、最表面は無機材料であるので有機感光体と比べて高い耐久性を有していることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明によれば、基板の材質、原料粒の材質に依存せず、非常に高硬度の緻密な膜を形成することができる。特に、樹脂基板や表面の一部分が樹脂や金属で覆われているような複合基板にセラミックス膜を形成できるので、各種の産業機器部品における皮膜形成に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の実施の形態1に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜方法を示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜装置を示す概略図
【図3】本発明の実施の形態2に係る間接粉砕型AD法を用いた製膜方法を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態3に係る間接粉砕型AD法で作成した感光体の層構造を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態3に係る感光体の間接粉砕型AD法による製造方法を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態4に係る電子写真装置の概略構成図
【図7】従来の一般的なAD法の装置の基本構成図
【符号の説明】
【0094】
1−a,1−b 噴射ノズル
2 真空チャンバー
3 基板
4,4−a,4−b エアロゾル
5,5−a,5−b 材料粒子
6 粉砕粒子
7 薄膜
8−a、8−b エアロゾル発生器
9 排気ポンプ
10−a、10−b 導入管
11−a,11−b ガスボンベ
12−a、12−b 導入管
13 基板ホルダー
14 粉砕板
20 感光体
21 支持体
22 電荷発生層
23 電荷輸送層
30 電子写真装置
31,32,33,34 感光体
35 ベルト状転写体
36 中間転写ユニット
37,38,39,40 帯電装置(帯電ローラ)
41 露光装置
42,43,44,45 現像器
46,47,48,49 感光体クリーナ
50 記録紙
51 ベルトクリーナ
52 最終転写ローラ
53 定着器
101 噴射ノズル
102 真空チャンバー
103 基板
104 エアロゾル
105 材料粒子
108 エアロゾル発生器
109 真空ポンプ
110 導入管
111 ガスボンベ
112 搬送管
113 基板ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料粒子をキャリアガスに分散させてエアロゾルを生成するエアロゾル発生器と、
前記エアロゾル発生器に接続されて前記エアロゾルを噴射する複数の噴射ノズルと、
前記噴射ノズルから噴射されるエアロゾルに含まれる材料粒子を堆積形成する基板とを含み、
複数の前記噴射ノズルは、それぞれから噴射される前記エアロゾルに含まれる前記材料粒子が前記基板の堆積面の手前の空間における焦点で衝突するようそれぞれの噴射方向を設定していることを特徴とする製膜装置。
【請求項2】
材料粒子をキャリアガスに分散させてエアロゾルを生成するエアロゾル発生器と、
前記エアロゾル発生器に接続されて前記エアロゾルを噴射する複数の噴射ノズルと、
前記噴射ノズルから噴射されるエアロゾルに含まれる材料粒子を堆積形成する感光体とを含み、
複数の前記噴射ノズルは、それぞれから噴射される前記エアロゾルに含まれる前記材料粒子が前記感光体の堆積面の手前の空間における焦点で衝突するようそれぞれの噴射方向を設定していることを特徴とする製膜装置。
【請求項3】
前記噴射ノズルから供給する前記材料粒子の選択、製膜条件を設定する設定部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の製膜装置。
【請求項4】
前記噴射ノズルから供給するキャリアガスの種類や流量、圧力等を制御する制御部を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の製膜装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4記載の製膜装置により感光面を製膜したことを特徴とする感光体。
【請求項6】
請求項5に記載した感光体を用いたことを特徴とする電子写真装置。
【請求項7】
エアロゾル発生器で材料粒子をキャリアガスに分散させてエアロゾルを生成し、前記エアロゾル発生器に接続され感光体の堆積面の手前の空間における焦点でエアロゾル同士が衝突するようそれぞれの噴射方向を設定された複数の噴射ノズルから前記エアロゾルを噴射し、前記焦点で前記材料粒子が衝突して生成した微粒子を感光体に堆積製膜形成することを特徴とする感光体の製膜方法。
【請求項8】
請求項7記載の製膜方法で作成された感光体を用いたことを特徴とする電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−249720(P2009−249720A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102290(P2008−102290)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】