説明

螺旋構造体とそれを用いた気体内からの混合物分離装置及び熱交換装置

【課題】 混合物を含む気体を高速旋回させ、その遠心力で気体内から効果的に混合物を液体内に補足することで気体内の混合物分離装置を提供する。
【解決手段】 前端部1aと後端部1bを開放した長尺の円筒形外筒体1の内部同心位置に、前端部と後端部を閉鎖し且つ外径を該外筒体の内径の約1/4乃至3/4とした長尺の円筒形内筒体4を配設し、前記外筒体1の前端部から後端部へと抜ける多重の旋回路Rが形成されるように外筒体1と内筒体4とに内筒体4の外径の約3/4乃至4倍としたピッチで旋回する螺旋板7を固設した螺旋構造体を用いる。
前記外筒体1の前端部1a及び後端部1bの外側を囲って前室2と後室3とを形成し、前室2には送気口8を設けて該送気口8に混合物とミストを含む気体を高速で送風可能とする気体圧送機12を接続し、後室3には排気口9を設け、外筒体1の旋回路Rの途中及び後室3には排液回収口11を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を高速旋回させて通過させるための多重式の螺旋構造体と、その螺旋構造体を用いて気体内に含まれる混合物を気体内から高速旋回で遠心分離するための装置及び気体の熱を旋回中に熱媒体の熱と交換する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車や工場などから排出される有害物質や浮遊粒子状物質などを含む煤塵や、下水施設やし尿処理施設などか排出される臭気物質などの大気汚染物質の拡散防止や環境対策として、それらの汚染物質を空気中から分離除去する装置が提供されている。
他方、例えば水素ガスの精製プロセスにおけるガスの分離など燃料エネルギー確保のための対策として、気体内の混合物を分離回収して再資源化する装置が模索されている。
それらのいずれの装置においても、高い分離回収率を求めるとともに、安全性やコンパクト性が高く、またコスト面においても安価に保守点検管理を行うことができて設備建設費も廉価なものが求められている。
しかし、これまでそれらの要求を全て満足できるような優れた装置がなかった。
【0003】
例えば、スクラバー方式、スプレー塔方式、充填塔方式、棚段塔方式、泡塔方式、濡れ網方式など各種様式の混合物を分離する装置が提案・提供されてきた。しかし、どれを採っても分離回収率は低く、使用目的も限られたものであった。
そこで、本発明では上記方式の内、コンパクトで簡潔な構造を有し、多目的に利用できる可能性のあるスクラバー方式を採用し、改良を加えたものである。
そのスクラバー方式においては、旋回方式、サイクロン式、ベンチュリー式、流動床式、溜水旋回流式、ファンスプレー式などの構造を持った装置がこれまで提案されてきた。
しかし、それらは高濃度のガスの処理が困難で、処理効率も95%以下で、しかも精々1000ppm程度までしか分離処理することができなかった。
【0004】
そして、それらの中でも旋回方式とする従来の装置では、円筒内に回転螺旋体を装着してその回転螺旋体を回転させて内部に旋回流を発生させ、その旋回流に生じる遠心力で気体とその中に含まれる物質とを遠心分離をする手法の装置が主流であった。
しかしながら、そのような装置では、旋回流を発生させるために回転螺旋体を回転させるモータなどの動力源と回転できるよにした構造の装置が必要であって、結果的に構造の複雑化、装置の重量化、大型化は避けられず、また重量物の回転速度を上げることは難しいため強力な遠心力を得られるような高速の旋回流を容易に得られなかった。そしてこのような構造であるために処理効率を大幅に上げることは困難であった。
そこで、回転螺旋体を動力で回転させるのではなく、空気を螺旋路に圧送させるサイクロン式で気体内の混合物を遠心分離させようとした特許文献1に示される固液分離装置が提案されている。
該固液分離装置では、螺旋状の連続壁を形成し、圧送気体を旋回させる構造となっているが、中央に仕切りがなく筒抜けになっているために気体の旋回を効率よく行えない難点があった。
【0005】
また、特許文献2に記載されたような、空気を螺旋路に圧送させる方式の気体内の混合物を遠心分離する空気清浄機も提案されている。
この空気清浄機では、螺旋筒内の中央にノズル付きのパイプが配されてはいるが、この装置でも上記装置と同様にその中央のパイプの周囲を仕切ることは為されていないため、気体の高速旋回を効率よく得ることは難しかった。
【0006】
他方、気体の熱交換装置に関しては、従来、熱媒体中の蛇行配管や螺旋管を敷設し、熱接触する表面積を大きくすることで、効率的に熱交換をしようとする装置があるが、そのような蛇行管によるものは、管内を通過する時の摩擦抵抗が大きいので、時間当たりの流量を大きくすることと、高速に送風させることが困難であった。
このため発熱量が莫大な化学工場などでは、その理由で必要なだけ広大な熱処理設備を確保しなければならない難点があった。
【特許文献1】特開平4−40212号公報
【特許文献2】実開平9−38433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、気体を効率良く高速旋回させることができる多重式の螺旋構造体と、それを用いて、気体を高速旋回させて生じる強い遠心力で気体内の混合物を同時に注入したミスト内に吸収補足させて気体内から混合物を高効率に分離さできるようにした混合物分離装置と、多量の気体の熱を熱媒体の熱と短時間に効果的に交換することができる装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の螺旋構造体は、前端部と後端部を開放した長尺の円筒形外筒体の内部同心位置に、前端部と後端部を閉鎖し且つ外径を該外筒体の内径の約1/4乃至3/4とした長尺の円筒形内筒体を配設する。
そして、前記外筒体の前端部から後端部へと抜ける多重の旋回路が形成されるように前記外筒体の内面と前記内筒体の外面とに前記内筒体の外径の約3/4乃至4倍としたピッチで旋回する螺旋板を固設したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、上記の螺旋構造体を用いた気体内の混合物分離装置であって、該螺旋構造体の外筒体の前端部及び後端部の外側を囲って前室と後室を形成する。
そして、前記前室には送気口を設け、前記後室には排気口を設け、該排気口又は前記送気口に旋回路内に気体を高速で送風可能とする気体圧送機を接続し、前記外筒体の旋回路の途中及び/又は後室には排液回収口を設けて構成される。
【0010】
請求項3に記載の発明は、上記請求項2に記載の混合物分離装置であって、前記前室にミストを放出するスプレー装置を設けて構成される。
【0011】
請求項4に記載の発明は、上記請求項2又は3に記載の混合物分離装置であって、前記後室内の排気口の前に、気体が旋回増速羽根を経てミスト付着網を通過できるように形成したミスト捕捉機を設けて構成される。
【0012】
請求項5に記載の発明は、上記請求項2乃至4のうち少なくともいずれか一項に記載の混合物分離装置であって、前記螺旋板を二枚が並行な間隔の二重構造にして該両螺旋板内に熱交換媒体を流すための内部流路を形成し、該内部流路に臨む外筒体に前記内部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を設ける。
さらに前記外筒体に設けられた前記熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を含む外筒体の外側を一定の空間を設けて被覆筒体で覆って前記外筒体との間に熱交換媒体を流すための外部流路を形成し、該該外部流路に臨む被覆筒体に前記外部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体注入口と熱媒体放出口とをそれぞれ離れた位置に設ける。
また、該熱媒体注入口に熱媒体を注入するための流路に熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を設けて構成される。
そして、前記外部流路及び内部流路内に温度制御した熱媒体を流して旋回路を冷却又は加熱できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、上記請求項2乃至5のうち少なくともいずれか一項に記載の混合物分離装置であって、前記内筒体の両端部にそれぞれ熱媒体供給口と熱媒体排出口を備え、前記熱媒体供給口及び熱媒体排出口に外筒体もしくは前室及び後室の壁面を貫通し外部に突出した送流管を設け、前記熱媒体供給口の送流管には熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を接続して構成される。
そして、前記内筒体内に温度制御した熱媒体を流して旋回路を冷却又は加熱できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、上記請求項4に記載の混合物分離装置であって、前記外筒体及び内筒体を水平面に対して70度〜90度傾斜させて立設し、螺旋板上の傾斜側の各段に液溜りができるようにし、前記液溜り付近に螺旋板を貫通する小孔群を設けて構成される。
そして、前記液溜りによって狭められた旋回路に気体が通過する際に発生する乱流と、前記小孔群から滴下されたミストとが攪拌されてミストに気体内の混合物がより多く吸収、反応及び捕捉できるようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、上記請求項7に記載の混合物分離装置であって、複数の段の液溜り上部の外筒体壁面にそれぞれ薬液投入口を設けるとともに前記各段の液溜りの水位より上部の外筒体壁面に流出口を設けて構成される。
そして、前記薬液投入口から各液溜りに気体に含まれる混合物と反応する薬液を投入できるようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、上記請求項2乃至8のうち少なくともいずれか一項に記載の混合物分離装置であって、前記旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止めるように突出させたミスト発生板を、旋回路方向に一定間隔を置いて複数設けて構成される。
【0017】
請求項10に記載の発明は、上記請求項2乃至9のうち少なくともいずれか一項に記載の混合物分離装置であって、前記旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止め、上流部に各液溜りが形成されるように先端を傾斜させて突出させたミスト集積板を、旋回路方向に一定間隔を置いて複数設け、各液溜りに臨ませて前記外筒体壁面にその液を外部に排出する排液回収口を設けて構成される。
【0018】
請求項11に記載の発明は、上記請求項2乃至10のうち少なくともいずれか一項に記載の混合物分離装置であって、前記旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止めるようにするとともに下流部に減圧空間が形成されるように傾斜させて突出させた旋回流増速板を旋回路方向に一定間隔を置いて複数設ける。
さらに、該旋回流増速板に返送流入口を前記減圧空間に臨ませて開設するとともに前記外筒体の後室寄り部位に気体の排出口を設けて前記返送流入口と前記排出口とを接続する流路を形成して構成される。
そして、気体の流れで前記減圧空間が減圧されるとそれより高圧となる前記気体の排出口付近の気体が前記返送流入口へと吸い込まれていくようにしたことを特徴とする。
【0019】
請求項12に記載の発明は、上記請求項1に記載の螺旋構造体を用いた気体の熱交換装置であって、該螺旋構造体の外筒体の前端部及び後端部の外側を囲って前室と後室を形成し、前記前室には送気口を設け、前記後室には排気口を設け、該排気口又は前記送気口に旋回路内に気体を高速で送風可能とする気体圧送機を接続する。
そして、前記螺旋板を二枚が並行な間隔の二重構造にして該両螺旋板内に熱交換媒体を流すための内部流路を形成し、該内部流路に臨む外筒体に前記内部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を設ける。
さらに前記外筒体に設けられた前記熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を含む外筒体の外側を一定の空間を設けて被覆筒体で覆って前記外筒体との間に熱交換媒体を流すための外部流路を形成し、該該外部流路に臨む被覆筒体に前記外部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体注入口と熱媒体放出口とをそれぞれ離れた位置に設ける。
また、該熱媒体注入口に熱媒体を注入するための流路に熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を設けて構成される。
そして、前記外部流路及び内部流路内に熱媒体を流して旋回路内の気体と内部流路内の熱媒体とで熱の交換ができるようにしたことを特徴とする。
【0020】
請求項13に記載の発明は、上記請求項12に記載の気体の熱交換装置であって、前記内筒体の両端部にそれぞれ熱媒体供給口と熱媒体排出口を備え、前記熱媒体供給口及び熱媒体排出口に外筒体もしくは前室及び後室の壁面を貫通し外部に突出した送流管を設け、前記熱媒体供給口の送流管には前記外筒体の外部に設けた温度制御手段を接続して構成される。
そして、前記内筒体内に温度制御した熱媒体を流して旋回路内の気体と内部流路内の熱媒体とで熱の交換ができるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上記構成であり、本発明の螺旋構造体は、外筒体の中心に中筒体が設けられ、且つ前記外筒体と中筒体の間を仕切る螺旋板によって、圧送された気体を一方側から他方側へと全量旋回させることが可能となり、その際に、前記中筒体の外径は前記外筒体の内径の1/4乃至3/4としたことで、その範囲の気体を遠心力が小さい中筒体内部側には流れないようにして、遠心力が大きい外筒体側に気体の流れを集中させることによって外筒体内壁面向かう大きな遠心力を効率良く得ることが可能になった。
【0022】
このため、気体内の混合物分離装置においては、その螺旋構造体に混合物を含む気体を圧送すると、旋回流に起こる大きな遠心力で気体内の混合物が外筒体の壁面に向かって加圧され、スプレー装置で放出されたミストと一緒に強力に遠心分離されて混合物とミストが一体よなって壁流化する。この時、壁流化したミスト内に混合物が効果的に補足されていく。
そして、多重に旋回する旋回路を巡る過程で、混合物がミスト内に補足されつつ濃度が高められて行き、最終的に高濃度に混合物を補足したミスト液が得られ、その液が回収できるようになる。
その結果、従来は高濃度のガスの浄化濃度は精々1000ppm程度までの浄化が限界であったが、本発明では気体中の排出濃度を極めて低い1ppm以下にまですることが可能となり、そのように気体内から混合物を極めて効率良く分離させることが可能となった。
そして、その際に、さらに熱媒体で旋回路を冷却できるようにすることによって、旋回路内の温度を下げて気体中の溶解許容量を低下させ、気体中から析出した混合物をさらに効率良くミストで補足させることが可能となった。
【0023】
また、気体中に含まれた水蒸気及び水分も熱媒体で旋回路を冷却できるようにすることによって、他の混合物と同様に旋回路内の温度を下げて気体中の溶解許容量を低下させ、気体中から水滴として析出させ効率良く気体から水を分離させることもできるようになった。
さらに、前記旋回路にミスト発生板、ミスト集積板及び旋回流増速板を設置することによって、ミスト発生板では壁流化した液体を再度ミスト化して補足濃度を高め、また、ミスト集積板では混合物を補足して高濃度になって壁流化したミストを回収し、さらに旋回流増速板によって、旋回して下流に行った気体を再度旋回路の途中へ返流させることによって、再度その気体内に残った混合物を補足して気体浄化効果をさらに高め、混合物をより効率良く分離させることが可能となった。
【0024】
また、上記螺旋構造体を用いた気体の熱交換装置では、前記螺旋板の表面は長くて面積が広いので、熱が接触する広い表面に気体を接触させつつ高速で旋回させて、熱を含んだ極めて多量の気体を一気に熱媒体と熱交換させることが可能となった。
【0025】
また、本発明の気体内の混合物分離装置及び熱交換装置は、前記螺旋板を回転させて旋回流を発生させるものではなく、気体圧送機で旋回路に気体を高速送風させる構造なので、モーターなどの螺旋板回転手段は不用で設備コストも廉価となり、また、全体としてコンパクトな装置にすることが可能となった。
さらに、それらの装置のメンテナンスを行う場合には、外筒体を分割分離させて外筒体を開放できるようにし、内部の螺旋板を外筒体内から取り出すことによって、装置内部まで分解することが可能となり、螺旋路部分の清掃や修理など保守点検管理が容易且つ安全に行うことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の螺旋構造体と、その螺旋構造体を用いた気体からの混合物分離装置及び熱交換装置を実施するための形態について以下詳しく説明する。
本発明の螺旋構造体は、図1に示すように、前端部1aと後端部1bを開放した長尺の円筒形外筒体1の内部に、前端部と後端部を閉鎖し且つ外径(図10中で示される符号L2)を該外筒体の内径(図10中で示される符号L1)の約1/4乃至3/4とした長尺の円筒形内筒体4を同心状態に配設する。
そして、前記外筒体1の前端部1aから後端部1bへと抜ける旋回路Rが形成されるように前記外筒体1の内面1cと前記内筒体4の外面とに前記内筒体4の外径の約3/4乃至4倍としたピッチで旋回する螺旋板7を固設したものである。
【0027】
前記内筒体4の外径値が前記外筒体1の内径値の約1/4乃至3/4としたのは、空気の流体としての性質としての風速と圧力損失と関係の流体力学から、内筒体4が約1/4よりも細いと旋回エネルギーのロスが大ききなり、また3/4よりも太くすると旋回路が狭くなるので摩擦抵抗が増大するとともに各種仕切り板の装着空間が確保しにくくなるためである。
そして前期螺旋板7を前記内筒体4の外径値の約3/4乃至4倍の旋回ピッチとしたのは、旋回ピッチが約4倍よりも長いと旋回がなだらかで大きい遠心力が生み出せないためであり、また約3/4倍よりも小さいと大きな遠心力は出ても旋回エネルギーのロスが大きくなるためである。
なお最も好ましい旋回ピッチは、前記内筒体4の外径値の3.14(π)倍とした場合である。
【0028】
例えば、旋回ピッチを200mmとし、外筒体1の内径L1を1000mmにした場合、1000/2−200/3.14=436の計算により中筒体4の外径L2のサイズが436mmとなる。
外筒体1と中筒体4の径の関係をこの数値の近い数値にすることによって、効率良く気体の高速旋回が得られ、強力な遠心分離効果が発揮される。
【0029】
次に上記螺旋構造体を用いた気体内の混合物分離装置について説明する。
この装置は、図2に示すように、上記螺旋構造体が外筒体1と、その内部に設けられ中筒体4と、前記外筒体1と中筒体4と間を仕切って外筒体1の前端部1aから後端部1bへ旋回する旋回路Rを形成した螺旋板7とで構成される。
そして、その螺旋構造体の前記外筒体1の前端部1a及び後端部1bの外側を囲って前室2と後室3とを形成する。
さらに、前記前室1aには送気口8を設け、該送気口8に水蒸気及び/又はミストを含み且つ混合物を含む気体を高速で送風(例えば秒速10〜20mの風速)可能とする気体圧送機12(送風機)を接続する。
また、前記後室3には処理した気体を排出させるための排気口9を設ける。
さらに、前記外筒体1の旋回路Rの途中及び/又は後室3に排液回収口11を設ける。
【0030】
この形態の装置を、稼動する場合、前記前室1aへ混合物と水蒸気及び/又はミストを含む気体を気体圧送機12で圧送させ、その気体が前記旋回路Rを高速旋回中に旋回の遠心力により気体よりも質量の大きい気体内の混合物及びミスト(液体)が外筒体1の内壁面へ向かって遠心され、同時に混合物及びミストが混合され、前記外筒体1の内面1cに付着して壁流化する。
その混合物を溶解して壁流化した溶解液が前記排液回収口11から前記外筒体1を囲って設けた廃液誘導筒体67内に排出され、前記外筒体1と廃液誘導筒体67の間に形成された廃液流路68を通ってドレン44から排出される。そして、前記ドレン44から容器などに収納し回収される。
また、この場合には、廃液流路68の下流部に後室3からの抜き孔66を設けて、前記溶解液がドレン44から排出しやすくすると良い
また、混合物が分離除去された気体は前記排気口9から排出される。
【0031】
また、この装置の別の形態は、図3に示すように、上記気体内の混合物分離装置の前室2にスプレー装置10を設けて該スプレー装置10から前室内にミストが注入できるようにポンプ13を接続したものである。
この装置では、前記前室1aへ混合物含む気体を気体圧送機12で圧送するとともに前記スプレー装置10からミストを前記前室1aにスプレーする。
すると、気体が前記旋回路Rを高速旋回中に遠心力により混合物とスプレーされたミストとが混合し、前記外筒体1の内面1cに付着して壁流化して前記排液回収口11から排出され、混合物が分離除去された気体は前記排気口9から排出される。
このようにして、気体内から混合物が効率良く分離される。
【0032】
さらに、別の形態は、図3に示すように、上記気体内の混合物分離装置の後室3内の排気口9の前に、気体通過路に掛かようにミスト付着網47を備えたミスト捕捉機5を設けたものである。
そのミスト捕捉機5は、その図3では、気体が旋回路Rから出て旋回羽根48で再度旋回され、その気体が中央のテーパーディスク49で周囲に振り送られ、ミスト付着網47を通って排気口9へと出て行く態様を示している。
この際に、ミスト付着網47を通過する際に、気体内のミストはそのミスト付着網47に接触してそのミスト付着網47に付着して気体内から分離される。
そして、ミスト付着網47により分離され液流化したミストはその下のドレン43で集めて容器などに収納し回収できるようにする。
【0033】
また、別の形態は、図4に示すように、螺旋板7を二枚7a、7bが並行な間隔の二重構造にし、螺旋板7a、7bの内部に熱交換媒体を流すための内部流路Nを形成し、該内部流路Nに臨む外筒体1に前記内部流路Nに一方端から他方端に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔15を設ける。
さらに、前記外筒体1の外側を被覆筒体16で覆ってその内部に前記熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔部分15に繋がる外部流路Gを形成し、該被覆筒体16の外部に熱媒体注入口17と熱媒体放出口18とを離して設け、該熱媒体注入口17に該被覆筒体16の外部に設けた温度制御手段19を接続させる。
そして、前記内部流路N内に温度制御した熱媒体を流して旋回路Rを冷却又は加熱できるようにする。
【0034】
上記並行な間隔の二重構造は、図10及び図11に示すように、前記外筒体1を螺旋板7の接続部位に沿って分割し、その分割部で分離される対向両面にフランジ22を形成し、そのフランジ22に間隔保持材23を介してボルト孔24を設けてボルト25を貫通させてナット55で固定し、さらに前記間隔保持材23の一部を切除することにより外部流路Gと内部流路Nの空間が繋がるように、二重構造の螺旋板7a、7bに熱媒体を流すための熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔15を形成することができる。
そして、さらに螺旋板7a、7bの板面内の対向面にボルト孔51を貫通させ、間隔を保持するための間隔保持管50を介してボルト52を貫通させてナット53で固定するとともに柔軟樹脂で被覆した管54を挟んで螺旋板7a、7bの板面間隔を保持できるようにする。
この形態では温度制御した低温の熱媒体を、熱媒体注入口17と熱媒体放出口18から流して外部流路Gを冷却し、さらに熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔15から流して内部流路Nを冷却させることができ、この冷却で旋回中の気体内の水蒸気が低温凝集することにより、微粒子ミストを発生させ、そのミストの充満密度の増加により、煙霧体の増粒化を図って気体内から含まれる混合物の回収率を向上させることが可能となる。
【0035】
さらに別の形態は、図4及び図6に示すように、前記内筒体4の両端部にそれぞれ熱媒体供給口26と熱媒体排出口27を備え、前記熱媒体供給口26及び熱媒体排出口27に外筒体1を貫通し外部に突出した金属製の送流管28を設け、前記熱媒体供給口26の送流管28には前記外筒体1の外部に設けた温度制御手段29を接続させる。
そして、前記内筒体4内に温度制御した熱媒体を流して旋回路Rをその中心部から冷却又は加熱できるようにする。
前記温度制御手段19、29は冷却及び加熱をして温度制御することによって、前記旋回路R内を混合物を含む気体から分離するのに最適な温度に前記熱媒体の温度を調節することができる。
【0036】
また別の形態は、上記気体内の混合物分離装置において、図5に示すように、外筒体1及び内筒体4を水平面に対して70度〜90度傾斜させて立設する。
この形態の場合には、前記螺旋板7上の傾斜側の各段に傾斜の角度の応じて溜まる量が決まる液溜り65ができる。
液溜り65に液体が溜まると、旋回路Rのその部分は狭くなり、旋回中の気体の速度が速められ乱流が起き、その際に液溜まり内の液が気体内に巻き上げられ混合される。
また、螺旋板7の板面には小孔6群を前記液溜り65付近に設ける。
これにより、液溜まり内の液が螺旋板7の板面を伝って小孔6群から滴下されてミスト化する。
このように、液溜まり内の液が攪拌されてミスト化し気体内に混合され、旋回中の気体内の混合物がより多く吸収、反応及び捕捉できるようにする。
【0037】
また別の形態は、図5に示すように、この装置において、液溜り65上の外筒体1に薬液投入口64を設けるとともに前記液溜り65水位上に流出口63を設けて成り、前記薬液投入口64から各液溜り65に気体に含まれる混合物と反応する薬液を投入できるようにしたものである。
投入されて液溜まり65に溜まった吸収液や中和液などの薬液は、旋回流で攪拌されてミスト化され旋回気体内に混合される。
そして、薬液を含む気体が旋回中に気体内の混合物が吸収、反応及び捕捉され、前記液溜り65内に再度補足され、液溜まり65内の液が増量し水位が上がると前記流出口63から排出される。
この排出液を前記薬液投入口64へ導き繰り返し循環させることにより薬液との接触機会を高め、液体内に混合物を濃縮させることができ、混合物の補足効果をより高めることが可能となる。
前記外筒体1の傾斜角度は70度以下では、液溜まり64が大きくなり旋回路Rが狭まって気体の通過が困難になり、90度以上の傾斜で充分な大きさの液溜まり64ができないので好ましくない。
なお、この形態の装置では、混合物の濃度が高い場合に適している。
【0038】
そして、上記スプレー装置10を備えた装置に、図13の(イ)に示すように、旋回路R内の外筒体壁面1cの螺旋板7間に旋回路Rを堰きとめるように突出させたミスト発生板38を、旋回路R方向に一定間隔を置いて複数設ける。
この、ミスト発生板38は、図13の(ロ)に示すように、先端を鋸歯状に形成すると、上記上記スプレー装置10で発生させたミストが壁流化した後に、再度壁流が分散されて、よりミストの発生が促される。
【0039】
また、図12に示すように、旋回路R内の外筒体1の壁面1cの螺旋板7間に旋回路Rを堰きとめるように突出させたミスト集積板37を、旋回路方向に一定間隔を置いて複数設ける。
この集積板37には、上流部に各液溜り36が形成されるように先端を傾斜させて突出させ、その液溜りに臨ませて外部に排液する排液回収口11を設ける。
その排液回収口11は、外筒体1と螺旋板7との接続部分の隙間を設けることで形成できる。
【0040】
さらに、図14に示すように、旋回路R内の外筒体壁面1cの螺旋板7間に旋回路Rを堰き止めるようにするとともに下流部に減圧空間が形成されるように傾斜させて突出させた旋回流増速板39を旋回路R方向に一定間隔を置いて複数設ける。
そして、該旋回流増速板39に返送流入口41を前記減圧空間に臨ませて開設するとともに前記外筒体1の後室寄り部位に気体の排出口66(図2参照)を設けて前記返送流入口39と前記排出口66とを接続する流路42を形成する。
そして、気体の流れで前記減圧空間が減圧されると、それより高圧な前記気体の排出口66から前記返送流入口41へ気体が吸い込まれていくようにする。
【0041】
なお、旋回路R内の高速旋回で発生する遠心力でミストが壁流化するが、上記ミスト発生板38、ミスト集積板37、旋回流増速板39は、いずれも壁流化した流体を乱流攪拌させる作用があり、その壁流を再ミスト化させ、再度気体に含まれている混合物を補足するようになる。
【0042】
次に上記螺旋構造体を用いた気体の熱交換装置について説明する。
この装置は、図15に示すように、上記螺旋構造体が外筒体1と、その内部に設けられ中筒体4と、前記外筒体1と中筒体4と間を仕切って外筒体1の前端部1aから後端部1bへ旋回する旋回路Rを形成した螺旋板7とで構成される。
そして、その螺旋構造体の前記外筒体1の前端部1a及び後端部1bの外側を囲って前室2と後室3とを形成する。
さらに、前記前室1aには送気口8を設けて該送気口8に気体を高速で送風可能とする気体圧送機12を接続する。
また、前記後室3には排気口9を設ける。
【0043】
この装置では、前記螺旋板7を二枚7a、7bが並行な間隔の二重構造にし、該螺旋板7a、7bの内部に熱交換媒体を流すための内部流路Nを形成し、該内部流路Nに臨む外筒体1に前記内部流路Nに一方端から他方端に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔15を設ける。
さらに、前記外筒体1の外側を被覆筒体16で覆ってその内部に前記熱媒体供給孔14と熱媒体排出孔部分15に繋がる外部流路Gを形成し、該被覆筒体16の外部に熱媒体注入口17と熱媒体放出口18とを離して設け、該熱媒体注入口17を該被覆筒体16の外部に設けた温度制御手段19と接続する。
そして、前記内部流路N内に熱媒体を流して旋回路R内の気体と内部流路N内の熱媒体とで熱交換できるようにする。
【0044】
さらに、上記熱交換装置の前記内筒体4の両端部にそれぞれ熱媒体供給口26と熱媒体排出口27を備え、前記熱媒体供給口26及び熱媒体排出口27に外筒体1を貫通し外部に突出した送流管28を設け、前記熱媒体供給口26の送流管28には前記外筒体1の外部に設けた温度制御手段29を接続させる。
そして、前記内筒体4内に温度制御した熱媒体を流して旋回路R内の気体と内部流路N内の熱媒体とで熱交換できるようにする。
上記各温度制御手段19、29から送り出された熱媒体は循環路を形成する配管(図15の一点鎖線で示す)をして、回収し、各温度制御手段19、29で温度を制御して再度送り出すことができる。
また、水を使用する場合は循環路を形成する配管(図15の一点鎖線で示す)をせずに各温度制御手段19、29から掛け流すこともできる。
【0045】
次に上記気体内の混合物分離装置及び気体の熱交換装置に用いる前記螺旋構造体についての組立構造を説明する。
前記外円筒体1に螺旋板7を固定するには、その螺旋板7に沿った部位を分割し、分離される対向部を折り曲げ、図8に示すように、前記外円筒体1を断面コ字型にフランジ30を形成するか、図9に示すように、はぜ曲げを形成することができる。
上記フランジ30を形成した装置では、図8に示すように、前記外筒体1の円周方向180度の対向部位を少なくとも2つに分割して分割し、その分割部で分離される対向両面にフランジ30を形成し、そのフランジ30にボルト孔31を設けてボルト32とナット62とワッシャー61で半筒部分を着脱可能に固定する。
そして、前記ボルト32を外すことにより半筒部分を分離して内部の螺旋板7を外筒体内から容易に取り出せるようにするものである。
また、この態様では、前記外筒体1に設けた混合物を溶解した液を旋回路R外に排出させるための排液回収口11を、前記外筒体1の分割分離可能部分に挟んだ厚み1mm〜2mmのガスケット45の一部を切除して前記外筒体1内の気液が外へ排出できるようにすることができる。
【0046】
また、はぜ曲げによる場合では、図9に示すように、両面分離される対向両面に離れた位置にフランジ33及び補強リブ60を溶接し、その分割部にガスケット57を介して螺旋板7の外側板面を挟み、その螺旋板7とランジ33にボルト孔56、34を貫設し、間隔保持管57を嵌め各ボルト孔56、34にボルト35を差し込んでナット58を締めて固定することができる。
前記外筒体1の軸方向中間部位を少なくとも2つに輪切り状態に分割し、その分割部で分離される対向両面にフランジ33を形成し、そのフランジ33にボルト孔34を設けてボルト35で円筒半筒部分を着脱可能に固定することもできる。
この場合、前記ボルト35を外すことにより外筒体1の少なくとも一方端側を全開放可能に分離して内部の螺旋板7を引き抜いて外筒体1内から容易に取り出せるのでメンテナンスが容易になる。
【0047】
また、上記気体内の混合物分離装置及び気体の熱交換装置では、図7に示すように、二種類の装置を繋げた形態も可能であり用途に応じて複数を組み合わせることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、混合ガスの分離機器、ガス吸収装置、蒸気の凝集装置、煙霧体粒子の分離操作用機器など気体中の混合物を分離するための各種機器類及び気体の熱交換装置として利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の螺旋構造体の縦断側面図。
【図2】気体内の混合物分離装置の縦断側面図。
【図3】気体内の混合物分離装置にミスト捕捉機を備えた形態の縦断側面図。
【図4】二重の螺旋板内に内部流路を形成した形態の縦断側面図。
【図5】外筒体を傾斜させた形態の縦断側面図。
【図6】中筒体に熱交換できるようにした形態の縦断側面図。
【図7】二種類の装置を繋げた形態を示す縦断側面図。
【図8】外筒体への螺旋板の固定部分を示す要部の縦断側面図。
【図9】別の外筒体への螺旋板の固定部分を示す要部の縦断側面図。
【図10】二重の螺旋板内に内部流路を形成した形態の輪切り縦断面図。
【図11】二重の螺旋板内に内部流路を形成した形態の上半分の要部の縦断側面図。
【図12】ミスト集積板を設けた形態の輪切り縦断図。
【図13】ミスト発生板を設けた形態の輪切り縦断図。
【図14】旋回流増速板を設けた形態の輪切り縦断図。
【図15】気体の熱交換装置の縦断側面図。
【符号の説明】
【0050】
1 外筒体
1c 外筒体の内壁面
1a 外筒体の前端部
1b 外筒体の後端部
2 前室
3 後室
4 中筒体
5 ミスト捕捉機
6 小孔
7 螺旋板
7a 螺旋板
7b 螺旋板
8 気体圧送口
9 排気口
10 スプレー装置
11 排液回収口
12 気体圧送機
13 ポンプ
14 熱媒体供給孔
15 熱媒体排出孔
16 被覆筒体
17 熱媒体供給口
18 熱媒体排出口
19 温度制御手段
20 熱媒体送出路
21 熱交換手段
22 フランジ
23 間隔保持材
24 ボルト孔
25 ボルト
26 熱媒体供給口
27 熱媒体排出口
28 送流管
29 温度制御手段
30 フランジ
31 ボルト孔
32 ボルト
33 フランジ
34 ボルト孔
35 ボルト
36 液溜り
37 ミスト発生板
38 ミスト集積板
39 旋回流増速板
40 気体の排出口
41 返送流入口
42 流路
43 ドレン
44 ドレン
45 ガスケット
46 ドレンパイプ
47 ミスト付着網
48 旋回羽根
49 テーパーディスク
50 間隔保持管
51 ボルト孔
52 ボルト
53 ナット
54 柔軟樹脂で被覆した管
55 ナット
56 ボルト孔
57 ガスケット
58 ナット
59 間隔保持管
60 補強リブ
61 ワッシャー
62 ナット
63 液入口
64 排液口
65 液溜まり
66 抜き孔
67 廃液誘導筒体
68 廃液流路
R 旋回路
N 内部流路
G 外部流路
L1 外筒体の内径
L2 中筒体の外径




【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端部と後端部を開放した長尺の円筒形外筒体の内部同心位置に、前端部と後端部を閉鎖し且つ外径を該外筒体の内径の約1/4乃至3/4とした長尺の円筒形内筒体を配設し、前記外筒体の前端部から後端部へと抜ける多重の旋回路が形成されるように前記外筒体の内面と前記内筒体の外面とに前記内筒体の外径の約3/4乃至4倍としたピッチで旋回する螺旋板を固設したことを特徴とする螺旋構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の螺旋構造体を用いた気体内の混合物分離装置であって、該螺旋構造体の外筒体の前端部及び後端部の外側を囲って前室と後室を形成し、前記前室には送気口を設け、前記後室には排気口を設け、該排気口又は前記送気口に旋回路内に気体を高速で送風可能とする気体圧送機を接続し、前記外筒体の旋回路の途中及び/又は後室には排液回収口を設けて成る気体内の混合物分離装置。
【請求項3】
前室にミストを放出するスプレー装置を設けて成る請求項2に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項4】
後室内の排気口の前に、気体が旋回増速羽根を経てミスト付着網を通過できるように形成したミスト捕捉機を設けて成る請求項2又は3に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項5】
螺旋板を二枚が並行な間隔の二重構造にして該両螺旋板内に熱交換媒体を流すための内部流路を形成し、該内部流路に臨む外筒体に前記内部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を設け、さらに前記外筒体に設けられた前記熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を含む外筒体の外側を一定の空間を設けて被覆筒体で覆って前記外筒体との間に熱交換媒体を流すための外部流路を形成し、該該外部流路に臨む被覆筒体に前記外部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体注入口と熱媒体放出口とをそれぞれ離れた位置に設け、該熱媒体注入口に熱媒体を注入するための流路に熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を設けて成り、前記外部流路及び内部流路内に温度制御した熱媒体を流して旋回路を冷却又は加熱できるようにしたことを特徴とする請求項2乃至4のうち少なくともいずれか一項に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項6】
内筒体の両端部にそれぞれ熱媒体供給口と熱媒体排出口を備え、前記熱媒体供給口及び熱媒体排出口に外筒体もしくは前室及び後室の壁面を貫通し外部に突出した送流管を設け、前記熱媒体供給口の送流管には熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を接続させて成り、前記内筒体内に温度制御した熱媒体を流して旋回路を冷却又は加熱できるようにしたことを特徴とする請求項2乃至5のうち少なくともいずれか一項に気体内の混合物分離装置。
【請求項7】
外筒体及び内筒体を水平面に対して70度〜90度傾斜させて立設し、螺旋板上の傾斜側の各段に液溜りができるようにし、前記液溜り付近に螺旋板を貫通する小孔群を設けて成り、前記液溜りによって狭められた旋回路に気体が通過する際に発生する乱流と、前記小孔群から滴下されたミストとが攪拌されてミストに気体内の混合物がより多く吸収、反応及び捕捉できるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項8】
複数の段の液溜り上部の外筒体壁面にそれぞれ薬液投入口を設けるとともに前記各段の液溜りの水位より上部の外筒体壁面に流出口を設けて成り、前記薬液投入口から各液溜りに気体に含まれる混合物と反応する薬液を投入できるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項9】
旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止めるように突出させたミスト発生板を、旋回路方向に一定間隔を置いて複数設けて成る請求項2乃至8のうち少なくともいずれか一項に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項10】
旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止め、上流部に各液溜りが形成されるように先端を傾斜させて突出させたミスト集積板を、旋回路方向に一定間隔を置いて複数設け、各液溜りに臨ませて前記外筒体壁面にその液を外部に排出する排液回収口を設けて成る請求項2至9のうち少なくともいずれか一項に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項11】
旋回路内の外筒体壁面の螺旋板間に旋回路の外周側を堰き止めるようにするとともに下流部に減圧空間が形成されるように傾斜させて突出させた旋回流増速板を旋回路方向に一定間隔を置いて複数設け、該旋回流増速板に返送流入口を前記減圧空間に臨ませて開設するとともに前記外筒体の後室寄り部位に気体の排出口を設けて前記返送流入口と前記排出口とを接続する流路を形成して成り、気体の流れで前記減圧空間が減圧されるとそれより高圧となる前記気体の排出口付近の気体が前記返送流入口へと吸い込まれていくようにしたことを特徴とする請求項2至10のうち少なくともいずれか一項に記載の気体内の混合物分離装置。
【請求項12】
請求項1に記載の螺旋構造体を用いた気体の熱交換装置であって、該螺旋構造体の外筒体の前端部及び後端部の外側を囲って前室と後室を形成し、前記前室には送気口を設け、前記後室には排気口を設け、該排気口又は前記送気口に旋回路内に気体を高速で送風可能とする気体圧送機を接続し、前記螺旋板を二枚が並行な間隔の二重構造にして該両螺旋板内に熱交換媒体を流すための内部流路を形成し、該内部流路に臨む外筒体に前記内部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を設け、さらに前記外筒体に設けられた前記熱媒体供給孔と熱媒体排出孔を含む外筒体の外側を一定の空間を設けて被覆筒体で覆って前記外筒体との間に熱交換媒体を流すための外部流路を形成し、該該外部流路に臨む被覆筒体に前記外部流路の一方側から他方側に熱交換媒体を流すための熱媒体注入口と熱媒体放出口とをそれぞれ離れた位置に設け、該熱媒体注入口に熱媒体を注入するための流路に熱媒体の温度を制御するための温度制御手段を設けて成り、前記外部流路及び内部流路内に熱媒体を流して旋回路内の気体と内部流路内の熱媒体とで熱の交換ができるようにしたことを特徴とする気体の熱交換装置。
【請求項13】
内筒体の両端部にそれぞれ熱媒体供給口と熱媒体排出口を備え、前記熱媒体供給口及び熱媒体排出口に外筒体もしくは前室及び後室の壁面を貫通し外部に突出した送流管を設け、前記熱媒体供給口の送流管には前記外筒体の外部に設けた温度制御手段を接続させて成り、前記内筒体内に温度制御した熱媒体を流して旋回路内の気体と内部流路内の熱媒体とで熱の交換ができるようにしたことを特徴とする請求項12に気体の熱交換装置。






【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2006−205077(P2006−205077A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21231(P2005−21231)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(505036249)
【出願人】(505036250)
【Fターム(参考)】