説明

街路環境内の3Dモデルを評価するための方法及び装置

【課題】 立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための方法を提供する。
【解決手段】 この方法では、含まれたセンサは対で配置されている。本発明はまた、立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための装置に関し、それはブラケット(33)上に取り付けられた少なくとも一対のセンサ(16,17,18)を含み、センサの各対は共通面内に位置されている。本発明は、困難なコントラスト条件下の立体効果を測定する問題を解決する。また、本発明によれば、含まれた各対のセンサが、画像面内のコントラストの低レベルが避けられるようにコントラスト情報に基づいて位置される方法が提案される。含まれた対のセンサ(16,17,18)が、センサ対(16,17,18)のセンサ(16a,16b,17a,17b,18a,18b)が互いから離れて水平に位置され、センサの一方がブラケット(33)の水平面の上に、他方が水平面(22)の下に位置されるようにブラケット(33)の本質的に水平な面(22)に対して相互に位置されることを含む装置が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための方法であって、含まれたセンサが対で配置されているものに関する。本発明はまた、立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための装置であって、ブラケット上に取り付けられた少なくとも一対のセンサを含み、センサの各対が共通面内に位置されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
立体写真測量法から3Dモデルを評価することは、立体ゴーグルの手動利用のための既知の問題であり、それはまた、コンピュータを利用して解決されている。背景技術情報としては、それはPCT/EP2007/056780及びEP特許出願07445047.9を参照することができる。典型的に、それらの結果は世界中の同じ背景を覆う異なる位置から取られた画像に基づいている。
【0003】
センサ対装置の他の例はUS20040105579A1及びJP8278126Aからそれ自体知られており、両者は、一方のカメラが他のカメラの上に位置された対のカメラを開示する。
【0004】
しかし、ある条件下でなお問題が存在する。一つの問題は、全く均一な表面に向けての立体効果を測定することが不可能なことである。また、もし画像のコントラストがセンサの移動に対して画像面に直角に存在するだけなら、立体効果を測定することが不可能である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記の条件下で立体効果を測定する問題に対する解決策を提案することである。その思想は、撮像瞬間の立体センサ対のセンサの位置を画像面内にコントラストの増加があるような相互関係で設けることにある。
【0006】
本発明の目的は、含まれた各対のセンサが、画像面内のコントラストの低レベルが避けられるようにコントラスト情報に基づいて位置決めされることを特徴とする方法により、及び含まれたセンサ対が、センサ対のセンサが互いに離れて水平に配置され、センサの一方がブラケットの水平面の上に、他方が水平面の下に位置されるようにブラケットの本質的に水平な面に対して相互に位置されていることを特徴とする装置により解決される。この解決策は、撮像瞬間に画像面内に表わされるコントラストをセンサ対のセンサの相互位置により高めることまたは最大にすることである。
【0007】
好適な方法によれば、コントラストの空間的方向の存在についての先行知識が画像面内のコントラストのレベルを高めるために使用される。街路環境の先行知識は、殆どのコントラストが垂直または水平のいずれかであることである。かかるコントラストの例は道標、ドア及び窓である。かかる先行知識に基づいて、提案された好適方法によれば、街路環境でのセンサ対のセンサは共通の垂直面内の異なるレベルに位置され、さらに別の好適な方法によれば、センサは、対のセンサ間の仮想線が水平面に対して30〜60度で、好ましくは約45度で傾斜していることである。上に与えられたコントラスト例に対して、45度の傾斜が理想的に好ましい。
【0008】
さらに別の好適方法によれば、センサは、利用できるまたは先行する画像のコントラスト分析に基づいて位置決めされる。
【0009】
このセンサ装置は、含まれたセンサ対が、センサ対のセンサが互いに離れて水平に位置されるようにブラケットの本質的に水平な面に対して相互に位置され、センサの一方がブラケットの水平面の上に、他方が水平面の下に位置されることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、対のセンサは、対のセンサ間の仮想線が水平面に対して30〜60度で、好ましくは約45度で傾斜するようにブラケットの水平面に対して位置される。
【0011】
この装置の好ましい実施態様によれば、センサの少なくとも二対、好ましくは三対が水平面内の360度を覆うように均一に分配されたブラケットの水平面上に取り付けられる。少なくとも二つ、好ましくは三つの立体対の導入により、周囲を全面で覆うことが可能である。
【0012】
装置の別の好ましい実施態様によれば、ブラケットは上方を見るように向けられた少なくとも一つの立体センサ対を備えている。かかる装置はさらに一層完全な3D画像の形成を可能にする。
【0013】
好ましくは、3Dモデルを評価するための装置は車のような乗り物上に取り付けられている。乗り物上の取り付けを容易にするために、装置のブラケットは乗り物上に固定される取り付け要素を備えている。
【0014】
本発明を添付図面に対してより詳細に以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、立体記録を概略的に示す。
【0016】
【図2】図2は、街路環境での立体記録を概略的に示す。
【0017】
【図3a−3b】図3aは、本発明によるセンサ装置の垂直側面図を概略的に示す。図3bは、図3aによるセンサ装置の垂直正面図を概略的に示す。
【0018】
【図4】図4は、三つの立体センサ対を備えた本発明によるセンサ装置の上面図を概略的に示す。
【0019】
【図5】図5は、本発明によるブラケット内に取り付けられた三つの立体センサを持つさらに別のセンサ装置の概略透視図を示す。
【0020】
【図6】図6は、乗り物の尾根の上のブラケット上に取り付けられた本発明による立体センサ対を備えた乗り物を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1には、領域2の立体記録の既知の原理が示されている。相互に固定されて取り付けられたセンサ対1aと1bが含まれ、家の正面のような領域を記録または撮像するように向けられている。示されたセンサ位置では、センサ1aは領域3aを感知し、一方センサ1bは領域3bを感知する。センサ対1a,1bを矢印5により示された方向に動かすことにより、領域4a,4bが少し後で感知される。このようにして領域2を動かしかつ感知することは、三次元画像表示のための基礎として使用される複数の少なくとも部分的に重複する画像が発生されることをもたらす。
【0022】
図2によれば、センサ対1a,1bが家6の正面の画像を捕えるように示されている。ここではセンサは家の正面に本質的に平行な面内に位置されている。センサの覆う範囲はセンサ1aに対して7aによりかつセンサ1bに対して7bにより示されている。家6に加えて、旗ざお8が示されている。もしセンサが地面に対して同じレベルに取り付けられかつ家の正面に対して垂直に地面と平行に動かされるなら、ドア10または窓11,12の上の例えば縦ライニング10a,11a,12aに沿って識別するコントラストはない。矢印9はかかる移動方向を示す。反対に、もしセンサが互いの上に配置されかつ家及びその周囲の像を捕えるように上向きまたは下向きに動かされるなら、窓11b,12b及びドア10bの垂直ライニングにおいて並びに垂直旗ざお8に沿ってコントラストは欠けるであろう。
【0023】
コントラスト不足による問題を克服する解決策の例を図3a,3b、図4、及び図5に関して以下に説明する。
【0024】
図3a及び3bによれば、一つの立体センサ対を持つセンサ装置が示されている。センサ1a及び1bは、センサ1aが他のセンサ1bより高いレベルに位置されるように示されるように垂直面13内に位置されている。垂直面は実際の面であることができるが、仮想面であることもできる。後者の場合では、センサはいかなる種類のブラケットまたはホルダー内にも取り付けられる。図3aは垂直側面図の装置を示し、一方、図3bは垂直正面図の装置を示す。図3bには、センサ1aの中心とセンサ1bの中心とを連結する破線14が示されている。この線は地面及び地面に平行な破線15に対して角度αで傾斜されている。低コントラストを持つ垂直及び水平部のコントラスト問題を避けるために、角度αが30〜60度に、好ましくは約45度に位置することが提案される。好適なセンサの例はカメラである。
【0025】
図4は、3Dモデルを評価するための装置を上面図で概略的に示す。この装置は三対のセンサ16,17及び18を含む。各対のセンサはそれぞれ本質的に垂直な面19,20及び21内に位置されている。これらの三つの面は、水平面で60度の面間角度βがあるように配置される。センサ対16は第一センサ16aと第二センサ16bを含む。対応するように、センサ対17は第一センサ17aと第二センサ17bを含み、センサ対18は第一センサ18aと第二センサ18bを含む。各センサ対において、第一センサ16a,17a及び18aは各第二センサ16b,17b及び18bより高いレベルで配置されている。この示された例では、センサは、各第一センサ16a,17a及び18aがそれぞれ取り付け板22の上に設けられ、各第二センサ16b,17b及び18bがそれぞれ取り付け板22の下に設けられるように取り付け板上に取り付けられる。
【0026】
垂直面内に三対のセンサを含む装置の別の例が図5の透視図に示されている。この構成は、センサを収容する三つの平行な取り付け板22,23及び24から作られ、取り付け板22,23及び24を一緒に連結するピン26,27により分離されている。図4の装置と同様の三つのセンサ対16,17及び18に加えて、この装置は、上方の領域を覆うように装置の上部に設けられた別のセンサ対25を含む。このセンサは25aと25bで示されている。これらのセンサは、背後のカメラ装置を省いたカメラの対物レンズとしてのみ示されている。また、センサ対17の下方に位置したセンサは取り付け板22により隠れており、従って図5に見られないことは注意されることができる。センサからの情報は、アンテナ29を備えたGPSから受けた位置情報と一緒に電子装置28に集められる。
【0027】
図6には、センサ対を持つ装置が乗り物の屋根上に取り付けられて示されている。センサを保持するブラケット31からの脚30は、乗り物に連結された積み荷運搬設備32に連結されている。この場合、上方センサ1a及び下方センサ1bを含むたった一つのセンサ対が示されているが、三つまたはそれより多いセンサ対が好適な実施態様では使用されることができる。
【0028】
本発明は、上に述べた例に限定されず、添付請求項の範囲内で修正されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための方法であって、含まれたセンサが対で配置されているものにおいて、含まれた各対のセンサが、画像面内のコントラストの低レベルが避けられるようにコントラスト情報に基づいて位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項2】
コントラストの空間的方向の存在についての先行知識が、画像面内のコントラストのレベルを高めるために使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
街路環境内のセンサ対のセンサが共通の垂直面内の異なるレベルに位置決めされることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
センサが、対のセンサ間の仮想線が水平面に対して30〜60度で、好ましくは約45度で傾斜されるように共通の垂直面内に位置決めされることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
センサが、利用可能なまたは先行する画像のコントラスト分析に基づいて位置決めされることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
立体センサ技術を使用して街路環境内の3D−モデルを評価するための装置であって、ブラケット上に取り付けられたセンサの少なくとも一対を含み、センサの各対が共通の面内に位置されているものにおいて、含まれたセンサ対が、センサ対のセンサが互いに離れて水平に位置され、センサの一方がブラケットの水平面の上に、他方が水平面の下に位置されるようにブラケットの本質的に水平な面に対して相互に位置されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
対のセンサが、対のセンサ間の仮想線が水平面に対して30〜60度で、好ましくは約45度で傾斜されるようにブラケットの水平面に対して位置されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
センサの少なくとも二対が、水平面内を360度覆うように均一に分配されたブラケットの水平面上に取り付けられていることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
三対がブラケットの水平面上に取り付けられていることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ブラケットが、上方を見るように向けられた少なくとも一つの立体センサ対を備えていることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
ブラケットが、乗り物上に固定される取り付け要素を備えていることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a−3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532330(P2012−532330A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519497(P2012−519497)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/SE2009/000340
【国際公開番号】WO2011/002349
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(500387249)サーブ アクティエボラーグ (8)
【Fターム(参考)】