説明

表示パネルモジュール、半導体集積回路、画素アレイ部の駆動方法及び電子機器

【課題】2次元画像と3次元画像の両方に対応する駆動技術を提供する。
【解決手段】(a)電流駆動型の自発光素子と、自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部と、(b)信号線を駆動する信号線駆動部と、(c)信号線に出現する電位のサブ画素への書き込みを制御する書込制御線駆動部と、(d)サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する電源供給制御部とを有する表示パネルモジュールであって、(e)信号線駆動部、書込制御線駆動部及び電源供給制御部は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この明細書で説明する発明は、電流駆動型の自発光素子を駆動する画素回路の駆動技術に関する。なお、この明細書で提案する発明は、表示パネルモジュール、半導体集積回路、画素アレイ部の駆動方法及び表示パネルモジュールを搭載する電子機器としての側面を有する。
【背景技術】
【0002】
今日に至るまで、表示パネルモジュールは、単一の視点で撮影された画像(以下では、「2次元画像」という。)の表示デバイスとして普及してきた。しかし、昨今では、両眼視差を利用して撮影された画像(以下では、「3次元画像」という。)を表示し、ユーザーに立体的な画像として知覚させることができる表示デバイスの開発が進められている。もっとも、現存するコンテンツ量は、2次元画像が圧倒的に多い。
【0003】
このため、これからの表示パネルモジュールには、2次元画像と3次元画像の両方を表示できる仕組みが必要になると考えられる。
図1に、2次元画像と3次元画像の両方を表示できる画像システムの構築例を示す。この画像システム1は、2次元画像と3次元画像を同じ画面サイズで表示させたい場合に用いて好適な構成である。
【0004】
この画像システム1は、画像再生機3と、表示装置5と、赤外線発光部7と、液晶シャッター付き眼鏡9とで構成される。このうち、画像再生機3は、2次元画像と3次元画像の両方の再生機能を搭載した映像機器であり、いわゆる画像再生装置の他、セットトップボックスやコンピュータも含まれる。表示装置5は、入力画像データの出力装置であり、いわゆるテレビジョン受像機の他、モニターも含まれる。
【0005】
赤外線発光部7は、3次元画像の表示時に、左眼用画像と右眼用画像の表示タイミング又は表示の切り替えタイミングを、液晶シャッター付き眼鏡9通知するデバイスである。図1は、表示装置5の上辺額部の中央付近に配置した例を表している。液晶シャッター付き眼鏡9は、3次元画像の表示時に、ユーザーへの装着が求められるアクセサリーの一つである。勿論、2次元画像の表示時には、液晶シャッター付き眼鏡9のユーザーへの装着は不要である。
【0006】
図2に、液晶シャッター付き眼鏡9の動作イメージを示す。図中、枠内が白抜きで表示されている絵は、液晶シャッターが開状態であること、すなわち外光が透過できる状態を表している。また、枠内が網掛けで表示されている絵は、液晶シャッターが閉状態であること、すなわち外光が透過しない状態を表している。
【0007】
図2に示すように、3次元画像の表示中は、2つの液晶シャッターが同時に開状態になることはなく、いずれか一方だけが表示画像の切り替えに連動して開状態に制御される。具体的には、左眼用画像の表示中は左眼用の液晶シャッターのみが開状態に制御され、右眼用画像の表示中は右眼側の液晶シャッターのみが開状態に制御される。画像システム1では、この液晶シャッターの相補的な開閉動作により、立体画像の視認を可能にしている。
【0008】
図3に、液晶シャッター付き眼鏡9の電子回路部分の等価回路を示す。液晶シャッター付き眼鏡9は、バッテリー11、赤外線受光部13、シャッター駆動部15、液晶シャッ ター17、19で構成される。
バッテリー11は、例えばボタン電池のような軽量かつ小型の電池である。赤外線受光部13は、例えば眼鏡の前面部分に取り付けられ、表示画像の切り替え情報を重畳した赤外線光を受信する電子部品である。
【0009】
シャッター駆動部15は、受信した切り替え情報に基づいて、表示画像と同期するように右眼用の液晶シャッター17と左眼用の液晶シャッター19の開閉を切り替え制御する電子部品である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−286623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1には、2次元画像の表示用駆動回路と3次元画像の表示用駆動回路を搭載し、表示画像の切り替えに応じて表示パネルの駆動に使用する駆動回路を切り替える画像システムが開示されている。
図4に、特許文献1に開示されている駆動方式を示す。なお、図4は、ある水平ラインに着目した駆動期間の関係を表している。
【0012】
ただし、図4は、60フレーム/秒で撮影された2次元画像と3次元画像を表示パネルに表示する場合の動作関係を表している。因みに、表示パネルは、アクティブマトリクス駆動方式で駆動制御されるものとする。
図4(A)は、ある水平ラインに着目した2次元画像データの処理タイミングを表している。図4(A)に示すように、2次元画像の入力時には、1/60[秒]の間にフレーム画像Fの書き込みから点灯までの処理動作が実行される。
【0013】
図4(B)は、ある水平ラインに着目した3次元画像データの処理タイミングを表している。白抜きで示す期間が左眼用画像L又は右眼用画像Rの処理期間であり、黒塗りで示す期間が黒画面の処理期間である。図4(B)に示すように、3次元画像の入力時には、1/240[秒]単位で、左眼用画像Lの書き込みから点灯までの処理動作、黒画面の書き込みから点灯までの処理動作、右眼用画像Rの書き込みから点灯までの処理動作、黒画面の書き込みから点灯までの処理動作が実行される。
【0014】
ここで、左眼用画像Lと右眼用画像Rの処理期間の中間に、黒画面の処理期間を挿入するのは、画面上での左右の画像が同時に表示されて混在するのを防ぐためである。図5に、その動作原理を示す。図5は、各水平ラインの処理タイミングと、ユーザーから視認される表示状態との関係を表している。図5の場合も、白抜き部分が左眼用画像L又は右眼用画像Rの処理期間(主に点灯期間と考える。)を表しており、黒塗り期間が黒画面の処理期間(主に点灯期間と考える。)を表している。
【0015】
図5に示すように、黒画面の挿入期間が存在することにより、先頭行の水平ラインにおける右眼用画像Rの表示(点灯)開始タイミングを、最終行の水平ラインにおける左眼用画像Lの表示(点灯)終了以降にまで遅延させることができる。そして、最終行の水平ラインにおける左眼用画像Lの表示(点灯)終了から先頭行の水平ラインにおける右眼用画像Rの表示(点灯)開始までの間が、液晶シャッターの開閉状態の切り替え期間に充てられる。
【0016】
このように、特許文献1には、3次元画像を表示するための駆動技術が開示されている。しかしながら、この駆動方式の場合、視認されるフレームレート(60Hz)の実に4倍もの速度(240Hz)で表示パネルを駆動する必要がある。このことは、画素アレイ部やその駆動回路について非常に性能の高い部品を採用する必要があることを意味し、製 造コストが高くなる原因になる。
【0017】
また、図5に示すように黒画面の表示期間は、3次元画像の表示期間と同じだけ必要になる。このため、黒画面を挿入する従来技術の場合には、必然的に画面輝度が低下するのを避け得ない問題がある。
【0018】
また、特許文献1に示す駆動方式のように、2次元画像の表示時と3次元画像の表示と時で駆動方式を切り替える方法では、画像形式の違いを検出して駆動方法を切り替える機能構成が必要になる。更に、引用文献1に示す駆動方式では、2次元画像用の駆動回路と、3次元画像用の駆動回路の両方が必要である。従って、部品点数の増加に加え、回路レイアウトが複雑になる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
そこで、発明者らは、
(a)電流駆動型の自発光素子と、当該自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部と、
(b)信号線を駆動する信号線駆動部と、
(c)信号線に出現する電位のサブ画素への書き込みを制御する書込制御線駆動部と、
(d)サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する電源供給制御部と
(e)を有する表示パネルモジュールとして、以下の条件を満たすものを提案する。
【0020】
すなわち、信号線駆動部、書込制御線駆動部及び電源供給制御部は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作するものを提案する。
【0021】
この場合において、書込制御線駆動部は、第1のスキャンクロックに基づいて書込みタイミングを制御し、電源供給制御部は、自発光素子の点灯期間を規定する駆動電源の供給タイミングを、第1のスキャンクロックよりも高速の第2のスキャンクロックに基づいて制御することが望ましい。
【0022】
更に、この場合において、各水平ラインにおける信号電位の書き込み完了から点灯開始までの待ち時間が、信号電位の書き込みが最初に完了する第1の水平ラインが最長になるように設定され、信号電位の書き込みが最後に完了する第2の水平ラインが最短になるように設定され、第1及び第2の水平ラインの中間に位置する各水平ラインについては、第1及び第2の水平ラインとの位置関係に応じ、待ち時間の長さが線形に変化するように設定されることが望ましい。
【0023】
また更に、この場合において、第1のスキャンクロックの周期は、水平走査周期と一致するように設定されることが望ましい。
また、発明者らは、前述した動作条件を満たす駆動回路を内蔵する半導体集積回路を提案する。また、発明者らは、前述した動作条件を満たす画素アレイ部の駆動方法を提案する。また、発明者らは、前述した表示パネルモジュールを搭載した電子機器を提案する。ここでの電子機器には、表示パネルモジュールと、システム全体の動作を制御するシステム制御部と、システム制御部に対する操作入力を受け付ける操作入力部とが含まれる。
【発明の効果】
【0024】
発明者らの提案する発明の場合、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、各駆動回路を共通の駆動タイミングで動作させることができる。このため、従来技術のように、2次元画像用の駆動回路と3次元画像用の駆動回路を別々に用意する必要がない。また、発明者らの提案する発明の場合、2次元画像か3次元画像かの判定動作も不要で ある。従って、従来技術を採用する表示パネルモジュールに比して製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】2次元画像と3次元画像の両方を表示できる画像システムの概念図を示す図である。
【図2】3次元画像の視認に使用する液晶シャッター付き眼鏡の動作態様を説明する図である。
【図3】液晶シャッター付き眼鏡の電子機能部分の等価回路を示す図である。
【図4】2次元画像と3次元画像の駆動技術を説明する図である(従来例)。
【図5】3次元画像の表示時における水平ライン別の処理タイミングと表示期間との 関係を説明する図である(従来例)。
【図6】有機ELパネルモジュールの外観構成例を示す図である。
【図7】有機ELパネルモジュールのシステム構造を説明する図である。
【図8】画素配列を説明する図である。
【図9】サブ画素の画素構造例を説明する図である。
【図10】信号線駆動部の回路構成例を示す図である。
【図11】信号線の駆動波形例を示す図である。
【図12】書込制御線駆動部の回路構成例を示す図である。
【図13】電源線駆動部の回路構成例を示す図である。
【図14】2次元画像と3次元画像の駆動技術を説明する図である。
【図15】サブ画素の駆動波形例と内部電位の関係を示す図である。
【図16】サブ画素の駆動波形例と内部電位の関係を示す図である。
【図17】点灯開始までの待ち時間と水平ラインとの関係を説明する図である。
【図18】3次元画像の表示時における水平ライン別の処理タイミングと表示期間との関係を説明する図である(形態例)。
【図19】点灯動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図20】非発光期間中の消灯動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図21】非発光期間中の初期化動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図22】非発光期間中の初期化動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図23】非発光期間中の閾値補正動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図24】閾値補正動作の完了時点に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図25】閾値補正動作の完了から信号電位の書込開始までの動作に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図26】信号電位の書き込み動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図27】移動度補正動作時に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図28】点灯開始までの待ち時間に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図29】点灯開始後に対応するサブ画素の等価回路を示す図である。
【図30】サブ画素の他の回路構成例を説明する図である。
【図31】サブ画素の他の回路構成例を説明する図である。
【図32】電子機器の概念構成例を示す図である。
【図33】電子機器の商品例を示す図である。
【図34】電子機器の商品例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、発明を、アクティブマトリクス駆動型の有機ELパネルモジュールに適用する場合について説明する。 なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
【0027】
(A)外観構成
この明細書では、表示パネルモジュールを2種類の意味で使用する。一つは、画素アレイ部と駆動回路(例えば信号線駆動部、書込制御線駆動部、電源制御線駆動部等)とを、半導体プロセスを用いて基板上に形成する表示パネルモジュールである。もう一つは、特定用途向けICとして製造された駆動回路を画素アレイ部が形成された基板上に実装する表示パネルモジュールである。
【0028】
図6に、有機ELパネルモジュールの外観構成例を示す。有機ELパネルモジュール21は、支持基板23のうち画素アレイ部の形成領域に対向基板25を貼り合わせた構造を有している。
支持基板23は、ガラス、プラスチックその他の基材で構成される。対向基板25も、ガラス、プラスチックその他の透明部材を基材とする。
【0029】
対向基板25は、封止材料を挟んで支持基板23の表面を封止する部材である。
なお、基板の透明性は光の射出側だけ確保されていれば良く、他方の基板側は不透性の基板でも良い。この他、有機ELパネルモジュール21には、外部信号や駆動電源を入力するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)27が配置される。
【0030】
(B)形態例1
(B−1)システム構成
図7に、この形態例に係る有機ELパネルモジュール31のシステム構成例を示す。
図7に示す有機ELパネルモジュール31は、画素アレイ部33と、その駆動回路である信号線駆動部35、書込制御線駆動部37、電源制御線駆動部39及びタイミングジェネレータ41で構成される。このうち、電源制御線駆動部39は、特許請求の範囲における「電源供給制御部」に対応する。
【0031】
(a)画素アレイ部
この形態例の場合、画素アレイ部33には、ホワイトユニットを構成する1画素が、画面内の垂直方向と水平方向についてそれぞれ規定の解像度で配置される。図8に、ホワイトユニットを構成するサブ画素51の配列構造を示す。図8に示すように、ホワイトユニットは、R(赤)画素51、G(緑)画素51、B(青)画素51の集合体として構成される。
【0032】
画素アレイ部33の垂直解像度をM、水平解像度をNとすると、画素アレイ部33の総サブ画素数は、M×N×3で与えられる。
図9では、画素アレイ部33を構成する画素構造の最小単位であるサブ画素51とその駆動回路部との接続関係を表している。
【0033】
この形態例の場合、サブ画素51は、図9に示すように、Nチャネル型の薄膜トランジスタN1、N2、N3と、階調情報を保持する保持容量Csと、有機EL素子OLEDと で構成される。因みに、薄膜トランジスタN1は、信号線DTLに出現する電位(以下、「信号線電位」という。)の書き込みを制御するスイッチ素子である。以下、薄膜トランジスタN1をサンプリングトランジスタN1という。
【0034】
また、薄膜トランジスタN2は、保持容量Csに保持される電位に応じた大きさの駆動電流を有機EL素子OLEDに供給するスイッチ素子である。以下、薄膜トランジスタN2を駆動トランジスタN2という。 また、薄膜トランジスタN3は、駆動トランジスタN2の一方の主電極に対する駆動電圧VDDの供給と供給停止を制御するスイッチ素子である。以下、薄膜トランジスタN3を電源供給制御トランジスタN3という。
【0035】
(b)信号線駆動部の構成
信号線駆動部35は、信号線DTLを駆動する回路デバイスである。個々の信号線DTLは、画面の垂直方向(Y方向)に延びるように配線され、画面の水平方向(X方向)に3×N本配置される。この形態例の場合、信号線駆動部35は、信号線DTLを特性補正電位Vofs_L 、初期化電位Vofs_H 、信号電位Vsig の3値で駆動する。
【0036】
なお、特性補正電位Vofs_Lは、例えば画素階調の黒レベルに対応する電位である。特性補正電位Vofs_Lは、駆動トランジスタN2が有する閾値電圧Vthのバラツキを補正する動作(以下、「閾値補正動作」という。)に用いられる。
また、初期化電位Vofs_Hは、保持容量Csの保持電圧をキャンセルするための電位である。このように、保持容量Csの保持電圧をキャンセルする動作を、以下では、初期化動作という。
【0037】
因みに、初期化電位Vofs_H は、画素階調に対応する信号電位Vsig が採り得る最大値よりも高電位に設定されている。これにより、前フレーム期間の信号電位Vsig がどのような電位で与えられたとしても、保持電圧をキャンセルすることが可能になる。
また、この形態例における信号線駆動部35は、2次元画像の表示時にも3次元画像の表示時にも、同じ駆動タイミングで動作する。
【0038】
図10に、信号線駆動部35の内部構成例を示す。信号線駆動部35は、シフトレジスタ61、ラッチ部63、ディジタル/アナログ変換部65、バッファ回路67、セレクタ69で構成される。
シフトレジスタ61は、クロック信号CKに基づいて、画素データDinの取り込みタイミングを与える回路デバイスである。この形態例の場合、シフトレジスタ61は、少なくとも信号線DTLの本数に対応する3×N個の遅延段で構成される。従って、クロック信号CKは、1水平走査期間内に3×N発のパルスを有するものを使用する。
【0039】
ラッチ部63は、シフトレジスタ61から出力されるタイミング信号に基づいて、画素データDinを対応する記憶領域に取り込む記憶回路である。
ディジタル/アナログ変換回路65は、ラッチ部63に取り込まれた画素データDinを、アナログの信号電圧Vsig に変換する回路デバイスである。なお、ディジタル/アナログ変換回路65の変換特性は、Hレベル基準電位Vref_H とLレベル基準電位Vref_L によって規定される。
【0040】
バッファ回路67は、信号振幅をパネル駆動に適した信号レベルに変換する回路デバイスである。
セレクタ69は、画素階調に対応する信号電位Vsig と、閾値補正電位Vofs_L と、初期化電位Vofs_H とのいずれか一つを、1水平走査期間内に選択的に出力する回路デバイスである。図11に、セレクタ69による信号線電位の出力例を示す。この形態例の場合 、セレクタ69は、初期化電位Vofs_H →閾値補正電位Vofs_L →信号電位Vsig の順番に出力する。
【0041】
(c)書込制御線駆動部の構成
書込制御線駆動部37は、書込制御線WSLを通じて、信号線電位のサブ画素51への書き込みを線順次に制御する駆動デバイスである。なお、書込制御線WSLは、画面の水平方向(X方向)に延びるように配線され、画面の垂直方向(Y方向)にM本配置される。
【0042】
書込制御線駆動部37は、水平ライン単位で、初期化動作と、閾値補正動作と、信号電位書込み動作と、移動度補正動作の実行タイミングを指定する回路デバイスである。この形態例における書込制御線駆動部37の場合も、2次元画像の表示時にも3次元画像の表示時にも、同じ駆動タイミングで動作する。
【0043】
図12に、書込制御線駆動部37の回路構成例を示す。書込制御線駆動部37は、セット用シフトレジスタ71と、リセット用シフトレジスタ73と、論理ゲート75、バッファ回路77とで形成される。
【0044】
セット用シフトレジスタ71は、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。セット用シフトレジスタ71は、水平走査クロックに同期した第1のシフトクロックCK1に基づいて動作し、第1のシフトクロックCK1が入力される度、次段の遅延段にセットパルスを転送する。ここでの第1のシフトクロックCK1は、特許請求の範囲における「第1のスキャンクロック」に対応する。なお、転送開始タイミングは、スタートパルスst1により与えられる。
【0045】
リセット用シフトレジスタ73も、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。同じく、リセット用シフトレジスタ73は、水平走査クロックに同期した第1のシフトクロックCK1に基づいて動作し、第1のシフトクロックCK1が入力される度、次段の遅延段にリセットパルスを転送する。また、転送開始タイミングは、スタートパルスst2によって与えられる。
【0046】
論理ゲート75は、セットパルスの入力からリセットパルスの入力までをパルス幅とするパルス信号を発生する回路デバイスである。論理ゲート75は、書込制御線WSLの本数だけ配置される。なお、1水平走査期間内に複数回の書込タイミングを与える必要がある場合には、複数回の書込タイミングを与えるパルス波形と、セットパルスとリセットパルスで規定されるパルス信号との論理積波形を求めれば良い。この場合、セットパルスとリセットパルスは、複数回の書込タイミングを出力する水平ラインを特定する役割を果たす。
【0047】
バッファ回路77は、ロジックレベルの制御パルスを駆動レベルの制御パルスにレベル変換する回路デバイスである。このバッファ回路77には、書込制御線WSLに接続されるN個のサブ画素を同時に駆動できる能力が要求される。
【0048】
(d)電源制御線駆動部の構成
電源制御線駆動部39は、電源制御線DSLを通じて、サブ画素51に対する駆動電源VDDの供給と供給停止を制御する駆動デバイスである。なお、電源制御線DSLは画面の水平方向(X方向)に延びるように配線され、画面の垂直方向(Y方向)にM本配置される。
【0049】
電源制御線駆動部39は、非発光期間のうち閾値補正動作や移動度補正動作の実行期間について駆動電源VDDを供給するように動作する。なお、この制御動作は、書込制御線駆動部37の書込制御動作と同期して実行される。従って、非発光期間における電源制御線駆動部39の動作は、水平走査クロックに同期した第1のシフトクロックCK1に基づいて実行される。
【0050】
また、電源制御線駆動部39は、発光期間のうち有機EL素子OLEDを点灯制御する期間についてのみ駆動電源VDDを供給するように動作する。この形態例の場合、電源制御線駆動部39による発光期間中の制御動作は、非発光期間時のスキャン速度よりも高速のスキャン速度で実行される。すなわち、第1のシフトクロックCKよりも高速の第2のシフトクロックCK2を用いて実行される。ここでの第2のシフトクロックCK2は、特許請求の範囲における「第2のスキャンクロック」に対応する。
【0051】
このように、発光期間における制御パルスのスキャン速度を上げるのは、画面上端部の点灯開始(表示開始)から画面下端部の点灯終了(表示終了)までの期間長を従来手法に比して圧縮するためである。なお、第1のシフトクロックCK1に対する第2のシフトクロックCK2の比率を高めるほど、画面内の上下間での発光期間の広がりを圧縮することができる。
【0052】
この形態例の場合、第2のシフトクロックCK2は、第1のシフトクロックCK1(1水平走査クロック)の2.77倍に設定する。
この形態例における電源制御線駆動部39の場合も、2次元画像の表示時にも3次元画像の表示時にも、同じ駆動タイミングで動作する。
【0053】
図13に、電源制御線駆動部39の回路構成例を示す。電源制御線駆動部39は、非発光期間用の回路段と、発光期間用の回路段と、これら期間別の制御パルスを選択的に出力する回路段と、ロジックレベルの制御パルスを駆動レベルの制御パルスに変換する回路段とで構成される。
【0054】
このうち、非発光期間用の回路部分は、セット用シフトレジスタ81と、リセット用シフトレジスタ83と、論理ゲート85で形成される。
セット用シフトレジスタ81は、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。セット用シフトレジスタ81は、水平走査クロックに同期した第1のシフトクロックCK1に基づいて動作し、第1のシフトクロックCK1が入力される度、次段の遅延段にセットパルスを転送する。なお、転送開始タイミングは、スタートパルスst11により与えられる。
【0055】
リセット用シフトレジスタ83も、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。同じく、リセット用シフトレジスタ83は、水平走査クロックに同期した第1のシフトクロックCK1に基づいて動作し、第1のシフトクロックCK1が入力される度、次段の遅延段にリセットパルスを転送する。また、転送開始タイミングは、スタートパルスst12によって与えられる。
【0056】
論理ゲート85は、セットパルスの入力からリセットパルスの入力までをパルス幅とするパルス信号を発生する回路デバイスである。論理ゲート85は、電源制御線DSLの本数だけ配置される。
なお、1水平走査期間の途中にパルス信号のエッジを設定したい場合には、当該エッジのタイミングを与えるパルス波形と、セットパルスとリセットパルスとで生成されるパルス信号との論理積波形を求めれば良い。
【0057】
同様に、発光期間用の回路部分は、セット用シフトレジスタ91と、リセット用シフトレジスタ93と、論理ゲート95で形成される。
セット用シフトレジスタ91は、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。セット用シフトレジスタ91は、水平走査クロックよりも高速の第2のシフトクロックCK2に基づいて動作し、第2のシフトクロックCK2が入力される度、次段の遅延段にセットパルスを転送する。なお、転送開始タイミングは、スタートパルスst13により与えられる。
【0058】
リセット用シフトレジスタ93も、垂直解像度に対応するM個の遅延段で構成される。同じく、リセット用シフトレジスタ93は、水平走査クロックよりも高速の第2のシフトクロックCK2に基づいて動作し、第2のシフトクロックCK2が入力される度、次段の遅延段にリセットパルスを転送する。また、転送開始タイミングは、スタートパルスst14によって与えられる。
【0059】
論理ゲート95は、セットパルスの入力からリセットパルスの入力までをパルス幅とするパルス信号を発生する回路デバイスである。論理ゲート95は、電源制御線DSLの本数だけ配置される。
なお、1水平走査期間の途中にパルス信号のエッジを設定したい場合には、当該エッジのタイミングを与えるパルス波形と、セットパルスとリセットパルスとで生成されるパルス信号との論理積波形を求めれば良い。
【0060】
これら2つの処理期間用に設けられた回路部からのパルス信号を切り替えは、スイッチ回路101が実行する。スイッチ回路101は、非発光期間の間、論理ゲート85から入力されるパルス信号を選択し、発光期間の間、論理ゲート95から入力されるパルス信号を選択する。なお、パルス信号の選択の切り替えは、不図示の切り替え信号により実現する。もっとも、論理ゲート95のパルス信号を切り替え信号に用いることもできる。
【0061】
すなわち、論理ゲート95の論理レベルの切り替わりに連動させる手法を採用する。勿論、論理ゲート95から入力されるパルス信号がHレベルに切り替わると、当該パルス信号が選択され、Lレベルに切り替わると、論理ゲート85から入力されるパルス信号を選択するようにする。
【0062】
このスイッチ回路101の後段には、バッファ回路103が配置される。バッファ回路103は、ロジックレベルの電源制御信号を駆動レベルの電源制御信号にレベル変換する回路デバイスである。このバッファ回路103には、電源制御線DSLに接続されるN個のサブ画素を同時に駆動できる能力が要求される。
【0063】
(e)タイミングジェネレータ41の構成
タイミングジェネレータ41は、有機ELパネルモジュール31の駆動に必要なタイミング制御信号やクロックを発生する回路デバイスである。例えばクロック信号CK、第1のシフトクロックCK1、第2のシフトクロックCK2、スタートパルスst1、st2、st11、st12、st13、st14等を発生する。
【0064】
(B−2)駆動動作
(a)表示スケジュールの概要
以下では、この形態例に係る有機ELパネルモジュール31の表示スケジュールについて説明する。この形態例の場合、有機ELパネルモジュール31には、60フレーム/秒の画像ストリームが与えられる場合を想定する。すなわち、2次元画像用の画像ストリームも3次元画像用の画像ストリームも、60フレーム/秒で撮影又は生成される場合を想定する。
【0065】
図14に、この形態例で想定する画像ストリームの表示スケジュールを示す。図14に示すように、この形態例の場合、入力される画像ストリームの種類の違いによらず、120フレーム/秒で表示する駆動方式を採用する。すなわち、1/60[秒]間に2フレームを表示する駆動方式を採用する。
【0066】
図14(A)は、2次元画像の表示スケジュールである。2次元画像の場合、1/60[秒]単位で与えられる表示期間の前半期間と後半期間に、同じ画像内容のフレーム画像を表示する。すなわち、F1→F1→F2→F2→F3→F3→F4→F4…というように、フレーム画像を2回ずつ表示する。もっとも、表示期間のうち後半期間には、入力画像を動き補償した画像を挿入しても良い。動き補償された画像を挿入することで、動画像の表示品質を高めることができる。この表示は、いわゆる倍速表示技術に対応する。
【0067】
図14(B)は、3次元画像の表示スケジュールである。3次元画像の場合、1/60[秒]単位で与えられる表示期間の前半期間に左眼用画像Lを表示し、後半期間に右眼用画像Rを表示する。すなわち、L1→R1→L2→R2→L3→R3→L4→R4…というように、左眼用と右眼用の画像を交互に表示する。
【0068】
(b)駆動タイミングの概要
図15と図16に、画素アレイ部33を構成するある水平ライン上のサブ画素51に着目した駆動信号波形と駆動トランジスタN2の電位変化との関係を示す。なお、図15は先頭行に位置する水平ラインの動作に対応し、図16は最終行に位置する水平ラインの動作に対応する。2つの動作の違いは、後述するように、非発光期間の終了後に出現する点灯期間までの待ち時間T1とTMの長さの違いである。
【0069】
ここで、図15(A)及び図16(A)は、着目するサブ画素51に対応する書込制御線WSLの駆動波形である。
図15(B)及び図16(B)は、信号線DTLの駆動波形である。図15(C)及び図16(C)は、対応する電源制御線DSLの駆動波形である。図15(D)及び図16(D)は、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgの波形である。図15(E)及び図16(E)は、駆動トランジスタN2のソース電位Vsの波形である。
【0070】
図15及び図16に示すように、有機ELパネルモジュール31の駆動動作は、非発光期間中の駆動動作と発光期間中の駆動動作とに分けることができる。 非発光期間では、初期化動作と、サブ画素51に対する信号電位Vsig の書込動作と、駆動トランジスタN2の特性バラツキを補正する動作(閾値補正動作と移動度補正動作)とが実行される。
【0071】
発光期間では、非発光期間に書き込まれた信号電位Vsig に基づいて、有機EL素子OLEDを点灯させる動作と、当該点灯を一時的に停止させる動作(すなわち、消灯動作)とが実行される。この形態例の場合、消灯動作が実行されるタイミングと期間長は、水平ライン毎に異なるように設定される。その理由は、点灯期間を与えるパルス信号のスキャン速度と、非発光期間の制御タイミングを与える制御パルスのスキャン速度との違いを吸収する必要があるためである。
【0072】
図17に、この速度調整のために設けられる待ち時間と水平ラインとの関係を示す。なお、図17では、対応関係が明確になるように水平ライン数が“5”の場合について示している。因みに、図17(A)は、左眼用画像Lと右眼用画像Rの入力タイミングを示している。図17(B)は、入力画像データと水平ラインとの対応関係を表している。破線の位置が水平ライン1〜5に対応する。
【0073】
図17(C)は、各水平ラインに対応する非発光期間の終了時から点灯開始までの待ち時間T1〜T5の関係を示している。図より分かるように、非発光期間の関係から最初に点灯期間が開始する水平ライン1の待ち時間T1が最長となり、最後に点灯期間が開始する水平ライン5の待ち時間T5が最小(ゼロを含む)となる。なお、水平ライン2、3、4に対しては、T1とT5の差分を均等に分割した待ち時間T2、T3、T4を割り当てる。
【0074】
このような待ち時間Tを自由に定めることができるのは、有機ELパネルモジュールにおける点灯開始タイミングと点灯期間長を、電源制御線DSLの制御によって自由に設定できるためである。
【0075】
図17(D)は、左眼用画像Lと右眼用画像Rの表示タイミングを示している。図に示すように、左眼用画像Lと右眼用画像Rの表示期間は重複していない。また、各表示期間の間には、空き時間も存在する。従って、この空き時間の間に、液晶シャッターの開閉が切りかえられれば、左右の眼に必要な画像のみを入力させることができる。
【0076】
図18に、前述した駆動タイミングの関係を具体的な数値例で示す。図18(A)は、1フレーム期間を与える垂直同期パルスの波形図である。この形態例の場合、垂直同期パルスは、1秒間に120フレームを表示させるように与えられる。従って、この形態例に場合、垂直同期パルスから垂直同期パルスまでの期間長(1フレーム長)は、8.33msで与えられる。
【0077】
図18(B)は、画像ストリームを表す図である。図では、第1フレームを構成する左眼用画像L1と右眼用画像R1と、第2フレームを構成する左眼用画像L2の一部が表されている。図に示すように、各フレーム画像は、垂直同期パルスと垂直同期パルスの間に入力される。
【0078】
図18(C)は、書込制御線WSLを駆動する制御パルスのスキャン動作を示す図である。図に示すように、制御パルスは、第1のシフトクロックCK1に基づいて線順次にシフト駆動される。この形態例に場合、第1のシフトクロックCK1は、水平走査クロックが用いられる。
【0079】
図18(D)は、各水平ラインの非発光期間と、発光期間中の点灯期間と消灯期間の配置関係を説明する図である。図中、白抜きで示す区間が非発光期間である。また、図中、塗り潰し区間が消灯期間である。一方、斜線網掛け期間が点灯期間である。図に示すように消灯期間は、点灯期間の前後に配置される。このうち、点灯期間の前方に設けられる消灯期間の長さが前述した待ち時間Tである。
【0080】
図18に示すように、各水平ラインの待ち時間Tは、先頭行である水平ライン1の待ち時間T1が最長になり、最終行である水平ラインMの待ち時間TMが最短になる。なお、点灯期間の後方に設けられる消灯期間は、この反対に、先頭行である水平ライン1の消灯期間が最短になり、最終行である水平ラインMの消灯期間が最長になる。このように、点灯期間の前後に消灯期間を配置するのは、各水平ラインの点灯期間長を同じ長さにするためである。すなわち、水平ライン間で輝度差が生じないようにするためである。
【0081】
図18(D)の場合、点灯期間のスキャン速度(すなわち、第2のシフトクロックCK2)は、第1のシフトクロックCK1の2.77倍である。この関係は、点灯期間の傾きを示す太い破線の矢印の傾きが、白抜きで示す非発光期間の境界線の傾きよりも急峻であることからも分かる。この関係が、フレーム画像の表示期間(先頭行の点灯開始から最終行の点灯終了までの期間)を圧縮させる効果を発揮する。この形態例の場合、各水平ラインの 点灯期間長は、1フレーム期間の46%であり、3.832 msである。
【0082】
また、左眼用画像L1の表示期間と右眼用画像R1の表示期間の間には、 1.5msの空き時間が確保される。なお、この空き時間は、液晶シャッターの開閉制御に必要な時間分だけ確保されれば良い。従って、必要最小限の空き時間さえ確保されれば、点灯期間の長さやスキャン速度(第2のシフトクロックCK2)を自由に調整することができる。
【0083】
(c)駆動動作の詳細
以下では、サブ画素内の駆動状態を詳細に説明する。なお、その駆動タイミングと駆動トランジスタN2の電位状態の変化は、前述した図15及び図16を参考に説明する。
【0084】
(c−1)発光期間内の点灯動作
図19に、発光期間におけるサブ画素内の動作状態を示す。このとき、書込制御線WSLはLレベルであり、サンプリングトランジスタN1はオフ状態に制御されている。このため、駆動トランジスタN2のゲート電極は、フローティング状態に制御されている。
【0085】
一方、電源制御線DSLはHレベルであり、電源供給制御トランジスタN3はオン状態に制御されている。これにより、駆動トランジスタN2は、飽和領域で動作する状態に制御される。すなわち、駆動トランジスタN2は、保持容量Csに保持される電圧に応じた駆動電流を有機EL素子OLEDに供給する定電流源として動作する。かくして、有機EL素子OLEDは、画素階調に応じた輝度で発光する。この動作が、発光期間中の全てのサブ画素51について実行される。
【0086】
(c−2)非発光期間内の消灯動作
発光期間が終了すると、非発光期間が開始する。非発光期間では、まず、有機EL素子OLEDを消灯する動作が実行される。
図20に、消灯動作時におけるサブ画素内の動作状態を示す。消灯動作では、電源制御線DSLがLレベルに切り替わり、電源制御トランジスタN3がオフ制御される。なお、サンプリングトランジスタN1のオフ状態は維持されたままである。
【0087】
この動作により、有機EL素子OLEDに対する駆動電流の供給は停止される。これに伴い、電流駆動素子である有機EL素子OLEDは消灯する。同時に、有機EL素子OLEDの両電極間の電圧も、閾値電圧Vth(oled)まで低下する。これにより、駆動トランジスタN2のソース電位Vsは、カソード電位Vcat に閾値電圧Vth(oled)を加算した電位まで低下する。また、ソース電位の低下に伴い、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgも低下する。なお、この時点の保持容量Csには、前フレームの階調情報が未だ保持されている。
【0088】
(c−3)非発光期間内の初期化動作
次に、前フレームの階調情報を初期化する初期化動作が実行される。
図21に、初期化動作時におけるサブ画素内の動作状態を示す。初期化タイミングが到来すると、書込制御線WSLはHレベルに制御され、サンプリングトランジスタN1はオン状態に切り替わる。また、このサンプリングトランジスタN1のオン動作に同期して、信号線DTLには初期化電位Vofs_H が印加される。これにより、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgには、初期化電位Vofs_H が書き込まれる(図15(D)、図16(D))。
【0089】
このゲート電位Vgの上昇に伴い、駆動トランジスタN2のソース電位Vsも上昇する(図15(E)、図16(E))。すなわち、ソース電位Vsは、カソード電位Vcat に閾値電圧Vth(oled)を加算した電位よりも高くなる。これにより、有機EL素子OLED はオン状態になる。ただし、電源制御トランジスタN3はオフ状態のままであるので、有機EL素子OLEDは、駆動トランジスタN2のソース電極から電荷を引き抜くように動作する。やがて、駆動トランジスタN2のソース電位Vsは、再び、Vcat +Vth(oled)に遷移する。
【0090】
この結果、保持容量Csには、“Vofs_H ”と“Vcat +Vth(oled)”との差分で与えられる電圧(すなわち、初期化電圧)が書き込まれる。この動作が初期化動作である。
なお、この初期化動作の過程では、前述したように、有機EL素子OLEDが一瞬発光可能な状態になるが、発光しても低輝度な上に発光期間もごく短時間であるので、画像品質への影響はない。
【0091】
また、保持容量Csに初期化電圧が書き込まれると、信号線DTLの電位は、初期化電位Vofs_Hから閾値補正電位Vofs_L に切り替わる。図22に、この時点におけるサブ画素内の動作状態を示す。このとき、サンプリングトランジスタN1はオン制御されたままである。これにより、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgは、初期化電位Vofs_H から閾値補正電位Vofs_L に押し下げられる(図15(D)、図16(D))。
【0092】
また、このゲート電位Vgの電位変化に連動して、駆動トランジスタN2のソース電位Vsも押し下げられる(図15(E)、図16(E))。保持容量Csに初期化電圧が保持されているためである。もっとも、この押し下げ時に、保持容量Csの保持電圧は、初期化電圧からわずかに圧縮される。なお、初期化終了時点における保持容量Csの保持電圧は、駆動トランジスタN2の閾値電圧Vthよりも十分大きい電圧に保持されている。以上の動作により、駆動トランジスタN2の閾値電圧Vthのバラツキを補正するための準備が完了する。
【0093】
(c−4)非発光期間内の閾値補正動作
次に、閾値補正動作が開始される。図23に、閾値補正動作時におけるサブ画素内の動作状態を示す。閾値補正動作は、電源制御線DSLがHレベルに制御され、電源制御トランジスタN3がオン制御されることにより開始される。
この開始時点において、駆動トランジスタN2のゲート・ソース間電圧Vgsは、バラツキを考慮しても閾値電圧Vthより広くなっている。従って、電源制御トランジスタN3のオン制御に伴い、駆動トランジスタN2もオン状態に切り換わる。
【0094】
これに伴い、駆動トランジスタN2を通じて保持容量Csと有機EL素子OLEDに寄生する容量成分を充電するように電流が流れ始める。
この充電動作に伴い、駆動トランジスタN2のソース電位Vsは徐々に上昇する。なお、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgは閾値補正電位Vofs_L に固定されている。従って、電源制御トランジスタN3がオン制御されている間、駆動トランジスタN2のゲート・ソース間電圧Vgsは初期化電圧から徐々に縮まっていく(図15(D),(E)、図16(D),(E))。
【0095】
やがて、駆動トランジスタN2のゲート・ソース間電圧Vgsが閾値電圧Vthに達すると、駆動トランジスタN2は自動的にカットオフ動作する。図24に、駆動トランジスタN2が自動的にカットオフした時点におけるサブ画素内の動作状態を示す。このとき、駆動トランジスタN2のゲート電極に対する閾値補正電位Vofs_L の書き込みは継続している。また、駆動トランジスタN2のソース電位Vsは、Vofs_L−Vthで与えられる。これにより、閾値補正動作が完了する。
【0096】
なお、“Vofs_L −Vth”は、“Vcat +Vth(oled)”よりも低い電位になるように定められている。従って、この時点でも、有機EL素子OLEDは消灯状態を維持する。
さて、閾値補正動作が完了すると、図25に示すように、サンプリングトランジスタN1と電源制御トランジスタN3が同時にオフ制御される。このとき、駆動トランジスタN2及び有機EL素子OLEDは共にオフ状態である。
ここで、オフ電流の影響を無視すると、駆動トランジスタN2のゲート電位Vg及びソースVsは、閾値補正動作が完了した時点における電位状態の保持状態を継続する。
【0097】
(c−5)非発光期間内の信号電位書込み動作
次に、信号電位Vsig の書込み動作が開始される。図26に、信号電位Vsig の書込み動作が実行された際のサブ画素内の動作状態を示す。この形態例の場合、この動作は、電源制御トランジスタN3がオフ制御された状態で、サンプリングトランジスタN1をオン制御することにより開始される。
【0098】
なお、サンプリングトランジスタN1がオン状態に切り替わる前には、信号線DTLの電位が信号電位Vsig に切り替わっている(図15(A)〜(C),図16(A)〜(C))。
この動作の開始に伴い、駆動トランジスタN2のゲート電位Vgは、信号電位Vsig に上昇する(図15(D)、図16(D))。すなわち、保持容量Csには、信号電位Vsigが書き込まれる。ただし、ゲート電位Vgの上昇に伴い、駆動トランジスタN2のソース電位Vsもわずかながら上昇する(図15(E)、図16(E))。
【0099】
このように信号電位Vsig が書き込まれると、駆動トランジスタN2のゲート・ソース間電圧Vgsは、閾値電圧Vthよりも拡大してオン状態に切り替わる。ただし、電源制御トランジスタN3がオフ状態であるので、駆動トランジスタN2が駆動電流を流すことはない。従って、有機EL素子OLEDの消灯状態は継続される。
【0100】
(c−6)非発光期間内の移動度動作
信号電位Vsig の書き込みが完了すると、駆動トランジスタN2の移動度μのバラツキを補正する動作が開始される。図27に、この動作時におけるサブ画素内の動作状態を示す。この動作は、電源制御トランジスタN3がオン制御されることにより開始される。
【0101】
電源制御トランジスタN3のオン制御に伴い、駆動トランジスタN2にゲート・ソース間電圧Vgsに応じた大きさの駆動電流が流れ始める。この駆動電流は、保持容量Csと有機EL素子OLEDの寄生容量を充電するように流れる。すなわち、駆動トランジスタN2のソース電位Vsが上昇する。なお、ソース電位Vsが、有機EL素子OLEDの閾値電圧Vth(oled)を越えるまでは、有機EL素子OLEDの消灯状態が維持される。
【0102】
ところで、この移動度補正期間に流れる駆動電流は、ゲート・ソース間電圧Vgsが同じでも、移動度μの大きい駆動トランジスタN2ほど大きく、移動度μが小さい駆動トランジスタN2ほど小さくなる特性がある。結果的に、移動度μが大きい駆動トランジスタN2ほどゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。
【0103】
この補正動作の結果、画素階調が同じ駆動トランジスタN2であれば、移動度μの違いによらず、同じ大きさの駆動電流が有機EL素子OLEDに供給される状態になる。すなわち、画素階調が同じであれば、移動度μの違いによらず、サブ画素51の発光輝度が同じになるように補正される。
【0104】
ところで、図15(A)及び図16(A)では、移動度μの補正時に使用する書込制御線WSLの制御パルスの波形を非線形に変化させている。これは、画素階調の大きさの違いによって、補正量に過不足が生じないようにするためである。
【0105】
さて、この移動度補正動作の完了後も電源制御トランジスタN3のオン状態が継続すると、駆動トランジスタN2のソース電位Vsが有機EL素子OLEDの閾値電圧Vth(oled)を越えるまで上昇し、有機EL素子OLEDの点灯が開始される。
【0106】
しかし、この形態例の場合、点灯期間を与える制御パルスのスキャン速度が、非発光期間の駆動タイミングを与える制御パルスのスキャン速度より高速に設定されている。従って、水平ライン毎に定められた待ち時間Tだけ、点灯開始時点を遅らせる必要がある。
【0107】
そこで、この形態例の場合には、対応する水平ラインについての待ち時間Tが経過するまで、電源制御トランジスタN3をオフ制御する(図15(C)及び図16(C))。
なお、図16は、最終行(M番目)に対応する水平ラインの駆動波形であり、待ち時間TMがゼロに設定されているので、移動度補正状態から即座に点灯期間が開始されている。
【0108】
(c−7)発光期間内の待ち時間動作
前述したように、非発光期間における全ての動作が完了すると、発光期間の動作に入る。前述したように、非発光期間が終了した時点で、有機EL素子OLEDの点灯に必要な処理は全て終了している。しかし、前述の通り、非発光期間で使用する第1のシフトクロックCK1よりも、発光期間で使用する第2のシフトクロックCK2のクロック速度の方が速い。
【0109】
従って、図18に示したように先頭行に近い水平ラインほど、有機EL素子OLEDを点灯させるまでの待ち時間Tを長くする必要がある。
図28に、この待ち時間Tにおけるサブ画素内の動作状態を示す。図28に示すように、電源制御トランジスタN3は、水平ライン毎に定められたこの待ち時間Tだけオフ状態に制御される。当然ながら、待ち時間の間は、水平ラインの表示が黒表示になる。
【0110】
(c−8)発光期間内の点灯動作
それぞれ水平ラインについて設定された待ち時間Tが経過すると、図29に示すように、電源制御トランジスタN3がオン状態に切り替わり、有機EL素子OLDEの点灯動作が開始される。
【0111】
(B−3)まとめ
以上説明したように、形態例に係る駆動方式を採用すれば、3次元画像の表示に必要な駆動周波数を、従来技術の半分にまで低下させることができる。具体的には、60フレーム/秒で撮影又は生成された3次元画像を、120フレーム/秒で画面上に表示することができる。
【0112】
このように、駆動周波数が低下することで、画素アレイ部33の動作マージンも大きくすることができる。このため、画素アレイ部33の製造コストを低下させることができる。また、駆動周波数が低下することで、タイミングジェネレータや駆動回路(例えばシフトレジスタ)の動作速度も低下させることができる。これらの観点から、有機ELパネルモジュールの製造コストを低下させることができる。
【0113】
また、この形態例の場合、2次元画像用の駆動回路と3次元画像の駆動回路をそれぞれ別に用意する必要がない。すなわち、形態例に係る駆動方法の場合、2次元画像と3次元画像とを区別する必要がなく、単一の駆動タイミングでこれらの画像を表示することができる。このため、駆動回路のレイアウト面積を、従来例よりも小さくすることができる。また、この形態例の場合、画像の種類を判定する回路が不要である。これらの観点からも 、有機ELパネルモジュールの低コスト化に寄与することができる。
【0114】
また、この形態例の場合、1フレーム毎に全面黒の画面を書き込む必要がない。従って、形態例における点灯期間長は、その分だけ従来例よりも長く設定することができる。すなわち、形態例に係る駆動技術の採用により、3次元画像の表示時にも画面の明るさを犠牲にせずに済む。
【0115】
(C)他の形態例
(C−1)シフトクロックの他の設定例
前述した形態例の場合には、第2のシフトクロックCK2におけるクロック速度を、第1のシフトクロックCK1におけるクロック速度の2.77倍に設定する場合について説明した。
しかし、第1のシフトクロックCK1と第2のシフトクロックCK2のクロック速度比は勿論これに限らない。
【0116】
(C−2)1フレームに占める点灯期間の割合
前述した形態例の場合には、点灯期間の割合が1フレームの46%の場合について説明した。
しかし、点灯期間は、その他の比率でも良い。勿論、点灯期間の比率を高めるほど、駆動電圧VDDが同じでも画面輝度を高めることができる。
【0117】
(C−3)待ち時間
前述した形態例の場合には、信号電位Vsig の書き込み動作が最後に終了する水平ラインの待ち時間TMをゼロに設定する場合について説明した。
しかし、この待ち時間TMは、必ずしもゼロに設定しなくても良い。
【0118】
(C−4)サブ画素の他の構造
前述した形態例の場合には、サブ画素51が3個のNチャネル薄膜トランジスタで構成される場合について説明した。
しかし、サブ画素51を構成する薄膜トランジスタはPチャネル薄膜トランジスタでも良い。
【0119】
図30及び図31に、この種の回路例を示す。なお、図30は、形態例に係るサブ画素51の接続関係をそのままに、薄膜トランジスタのみを全てPチャネル薄膜トランジスタに置き換えた例である。一方、図31は、保持容量Csの接続を変更した回路例である。図31の場合、保持容量Csの一方の電極は、固定電源線(VDD0)に接続される。
また、サブ画素51を構成する薄膜トランジスタの数は4個以上でも良いし、2個でも良い。サブ画素51がどのような回路構成であっても、水平ライン単位で駆動電源の供給と停止を制御できるのであれば、発明に係る駆動技術を応用することができる。
【0120】
(C−5)切替タイミングの通知デバイス
前述の形態例の場合には、液晶シャッターの切替タイミングを赤外線通信により、液晶シャッター付き眼鏡9に通知する場合について説明した。
しかし、切替タイミングの通知には、現在又は将来利用可能な無線通信技術を応用できる。
【0121】
(C−6)製品例
(a)システム構成
前述の説明では、有機ELパネルモジュール単独のパネル構造と駆動方法について説明した。しかし、前述した有機ELパネルモジュールは、各種の電子機器に実装した商品形 態でも流通される。以下、他の電子機器への実装例を示す。
【0122】
図32に、電子機器111の概念構成例を示す。電子機器111は、前述した駆動回路を搭載する表示パネルモジュール113、システム制御部115、操作入力部117及び切替タイミング通知デバイス119とで構成される。
【0123】
ここで、システム制御部115で実行される処理内容は、電子機器111の商品形態により異なる。また、操作入力部117は、システム制御部115に対する操作入力を受け付けるデバイスである。操作入力部117には、例えばスイッチ、ボタンその他の機械式インターフェース、グラフィックインターフェース等が用いられる。
【0124】
また、切替タイミング通知デバイス119は、図32に示すように、電子機器111の筺体に一体的に取り付けられる場合だけでなく、独立した装置として電子機器111の筺体に外付けされていても良い。
【0125】
(b)具体例
図33に、電子機器がテレビジョン受像機の場合の外観例を示す。テレビジョン受像機121は、筐体123の正面に表示画面125と切替タイミング通知デバイス127とを配置した構造を有している。ここでの表示画面125の部分が、形態例で説明した有機ELパネルモジュールに対応する。
【0126】
また、この種の電子機器には、例えばコンピュータが想定される。図34に、ノート型コンピュータ131の外観例を示す。
ノート型コンピュータ131は、下側筐体133、上側筐体135、キーボード137、表示画面139及び切替タイミング通知デバイス141で構成される。このうち、表示画面139の部分が、形態例で説明した有機ELパネルモジュールに対応する。
これらの他、電子機器には、ゲーム機、電子ブック、電子辞書等が想定される。
【0127】
(C−7)他の表示デバイス例
前述の形態例においては、発明を有機ELパネルモジュールに適用する場合について説明した。
しかし、前述した電源系回路の構成は、その他の自発光型の表示パネルモジュールにも適用することができる。
例えばLEDをマトリクス状に配列する表示装置やダイオード構造を有する発光素子を画面上に配列した表示パネルモジュールに対しても適用することができる。例えば無機ELパネルにも適用できる。
【0128】
(C−8)その他
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
【符号の説明】
【0129】
31 有機ELパネルモジュール
33 画素アレイ部
35 信号線駆動部
37 書込制御線駆動部
39 電源制御線駆動部
41 タイミングジェネレータ
119 切替タイミング通知デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流駆動型の自発光素子と、当該自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部と、
信号線を駆動する信号線駆動部と、
信号線に出現する電位の前記サブ画素への書き込みを制御する書込制御線駆動部と、
前記サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する電源供給制御部と
を有し、
前記信号線駆動部、前記書込制御線駆動部及び前記電源供給制御部は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作する
表示パネルモジュール。
【請求項2】
前記書込制御線駆動部は、第1のスキャンクロックに基づいて書込みタイミングを制御し、
前記電源供給制御部は、前記自発光素子の点灯期間を規定する駆動電源の供給タイミングを、前記第1のスキャンクロックよりも高速の第2のスキャンクロックに基づいて制御する
請求項1に記載の表示パネルモジュール。
【請求項3】
各水平ラインにおける信号電位の書き込み完了から点灯開始までの待ち時間が、
信号電位の書き込みが最初に完了する第1の水平ラインが最長になるように設定され、
信号電位の書き込みが最後に完了する第2の水平ラインが最短になるように設定され、
前記第1及び第2の水平ラインの中間に位置する各水平ラインについては、前記第1及び第2の水平ラインとの位置関係に応じ、待ち時間の長さが線形に変化するように設定される
請求項2に記載の表示パネルモジュール。
【請求項4】
前記第1のスキャンクロックの周期は、水平走査周期と一致するように設定される
請求項3に記載の表示モジュール。
【請求項5】
電流駆動型の自発光素子と、当該自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部を駆動制御する駆動回路として、
信号線に出現する電位の前記サブ画素への書き込みを制御する書込制御線駆動部と、
前記サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する電源供給制御部と
を有し、
前記書込制御線駆動部及び前記電源供給制御部は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作する
半導体集積回路。
【請求項6】
電流駆動型の自発光素子と、当該自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部の駆動方法であって、
信号線を駆動する第1の処理と、
信号線に出現する電位の前記サブ画素への書き込みを制御する第2の処理と、
前記サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する第3の処理と
を有し、
前記第1、第2及び第3の処理は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作する
画素アレイ部の駆動方法。
【請求項7】
電流駆動型の自発光素子と、当該自発光素子を駆動制御する画素回路とで構成されるサブ画素をマトリクス状に配置した画素アレイ部と、信号線を駆動する信号線駆動部と、信号線に出現する電位の前記サブ画素への書き込みを制御する書込制御線駆動部と、前記サブ画素に対する駆動電源の供給と停止を制御する電源供給制御部とを有し、前記信号線駆動部、前記書込制御線駆動部及び前記電源供給制御部は、2次元画像と3次元画像のいずれを表示する場合にも、隣接するフレームの表示期間が重複させないように定めた共通の駆動タイミングで動作する表示パネルモジュールと、
システム全体の動作を制御するシステム制御部と、
前記システム制御部に対する操作入力部と
を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−145946(P2012−145946A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8412(P2012−8412)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【分割の表示】特願2008−204943(P2008−204943)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】