説明

表示制御装置および表示制御プログラム

【課題】車両の乗員が表示部を見易くなるように表示部の輝度をより的確に制御できる技術を提供する。
【解決手段】表示制御システムにおいては、輝度設定処理にて、自車両の周囲における光源の方向を推定し(S210)、この光源の方向が、自車両の乗員から見て表示装置が配置された方向を示す表示配置方向と一致するか否かを判定する(S250)。そして、光源の方向と表示配置方向とが一致する場合に、光源の方向と表示配置方向とが一致しない場合と比較して、表示装置の輝度を高く設定する(S260)。このようにすれば、自車両の乗員が相対的に明るく感じる光源の位置を基準として表示装置の輝度を設定することができるので、絶対的な周囲の明るさを基準として表示装置の輝度を設定する構成と比較して、より人間の目の特性に合致した表示装置の輝度に設定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された表示部に画像を表示させる表示制御装置および表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記の表示制御装置として、車両の前方の明るさに応じて表示部の輝度を調節する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、車両の乗員が表示部を視認し易くするために、車両の前方が明るければ表示部の輝度も明るく設定し、車両の前方が暗ければ表示部の輝度も暗く設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−050757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の表示制御装置では、車両の前方の絶対的な明るさを基準に表示部の輝度を調節するので、絶対的に明るいわけではない光源であって、周囲が暗いために車両の乗員が相対的に明るく感じる光源が存在する場合(例えば、夜間において対向車両のヘッドライトが前方に存在する場合等)には、表示部の輝度が明るく設定されない場合がある。この場合、乗員は、表示部の明るさが不足するように感じるという問題点がある。
【0005】
そこで、このような問題点を鑑み、車両に搭載された表示部に画像を表示させる表示制御装置において、車両の乗員が表示部を見易くなるように表示部の輝度をより的確に制御できる技術を提供することを本発明の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために成された請求項1に記載の表示制御装置において、光源方向推定手段は、車両の周囲における光源の方向を推定し、方向一致判定手段は、光源の方向が、当該車両の乗員から見て表示部が配置された方向を示す表示配置方向と一致するか否かを判定する。そして、第1輝度設定手段は、光源の方向と表示配置方向とが一致する場合に、光源の方向と表示配置方向とが一致しない場合と比較して、表示部の輝度を高く設定する。
【0007】
即ち、本発明では、光源の方向、換言すれば、車両の周囲において相対的に明るい方向を検出し、この光源の方向が車両の乗員が表示部を見るときの方向と一致したときに輝度を高く設定するようにしている。
【0008】
従って、このような表示制御装置によれば、車両の乗員が相対的に明るく感じる光源の位置を基準として表示部の輝度を設定することができるので、絶対的な周囲の明るさを基準として表示部の輝度を設定する構成と比較して、より人間の目の特性に合致した表示部の輝度に設定することができる。よって、車両の乗員が表示部を見易くなるように表示部の輝度をより的確に制御することができる。
【0009】
ところで、請求項1に記載の表示制御装置において、光源方向推定手段の具体的な構成としては、例えば、車両の周囲を撮像する撮像手段による撮像画像の明るい領域を光源の位置として推定したり、自車両の向きと日時によって特定される太陽の位置と天気とを鑑みて推定したりする構成等が考えられるが、請求項2に記載のように構成してもよい。
【0010】
即ち、複数の撮像手段による撮像画像を取得する画像取得手段、を備え、光源方向推定手段は、各撮像画像における輝度を検出することによって光源の方向を推定すればよい。より詳細には、例えば、平均輝度が最も高い撮像画像を撮像した撮像手段が向けられた方向を光源の向きとして推定するようにすることが考えられる。
【0011】
このような表示制御装置によれば、比較的簡素な処理で光源方向を推定することができる。
さらに、請求項1または請求項2に記載の表示制御装置においては、請求項3に記載のように、光源からの光が表示部に照射されているか否かを表す照射検出結果を取得する照射取得手段と、光源からの光が表示部に照射されている旨の照射検出結果を取得した場合に、光源からの光が表示部に照射されていない旨の照射検出結果を取得した場合と比較して、表示部の輝度を高く設定する第2輝度設定手段と、を備えていてもよい。
【0012】
このような表示制御装置によれば、光源からの光が表示部に照射され、この光の反射光の影響で車両の乗員が表示を見難くなることが予想される場合に、表示部の輝度を高く設定することができる。よって、光源からの光が表示部に照射された場合においても、車両の乗員が表示部を見易くなるように表示部の輝度をより的確に制御することができる。
【0013】
なお、第1輝度設定手段による設定結果と第2輝度設定手段による設定結果とは、輝度の変化量を足し合わせて採用するようにしてもよいし、何れかの設定のみを採用するようにしてもよい。
【0014】
次に、上記目的を達成するために成された表示制御プログラムは、コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れかに記載の各手段として機能させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0015】
このような表示制御装置によれば、少なくとも請求項1に記載の表示制御装置と同様の効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】表示制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】カメラおよび表示装置の配置を示す説明図である。
【図3】輝度設定処理を示すフローチャートである。
【図4】変形例のカメラおよび表示装置の配置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明にかかる実施の形態を図面と共に説明する。
[本実施形態の構成]
図1は本発明の表示制御システム1(表示制御装置)の概略構成を示すブロック図である。図2はカメラ11〜14および表示装置20の配置を示す説明図である。
【0018】
表示制御システム1は、例えば乗用車等の車両に搭載されており、この車両に搭載された表示装置20の表示輝度を調節しつつ画像を表示させるシステムである。なお、以下の説明において表示制御システム1が搭載され他車両を「自車両」ともいう。
【0019】
表示制御システム1の具体的な構成は、図1に示すように、表示制御部10と各種カメラ11〜14と、表示装置20と、ナビゲーション装置15と、操作部16とを備えている。
【0020】
各種カメラ11〜14としては、前方カメラ11、後方カメラ12、右側カメラ13、および左側カメラ14を備えている。各種カメラ11〜14は、例えば、周知のCMOSカメラやCCDカメラ等として構成されており、撮像画像を表示制御部10に送る。
【0021】
前方カメラ11は、図2に示すように、自車両の前方中央に配置されており、自車両の前方が撮像範囲内になるように設定されている。後方カメラ12は、自車両の後方中央に配置されており自車両の後方が撮像範囲内となるように設定されている。
【0022】
右側カメラ13は、右ドアミラーに配置されており、自車両の右側方が撮像範囲内となるように設定されている。左側カメラ14は、左ドアミラーに配置されており、自車両の左側方撮像範囲内となるように設定されている。つまり、本実施形態においては、4つのカメラ11〜14によって自車両の周囲の全領域が撮像できるように構成されている。
【0023】
表示装置20は、図1に示すように、表示部21と、照度センサ22とを備えている。表示部21は、例えば、所定のマーク(例えば故障表示灯など)や自車両の速度を表示させる表示器、或いは表示制御部10によって指定された画像を表示させるディスプレイとして構成されている。
【0024】
照度センサ22は、表示部21の近傍においてドライバ側に向けて配置されており、表示部21の近傍における明るさに応じた信号を表示制御部10に対して出力する。即ち、照度センサ22は、後方車両のヘッドライトや太陽等の光源による光が、表示装置20に照射されているか否かを検出するために利用される。
【0025】
また、本実施形態おいて表示装置20は、図2に示すように、自車両における運転席前方と助手席前方との2箇所に配置されている。なお、図1においては、1つの表示装置20についてのみ図示している。
【0026】
ナビゲーション装置15は、周知のナビゲーション装置であって、特に、日時に応じた太陽の位置(方角・高度)のデータベースを備えている。このナビゲーション装置15は、表示制御部10等、外部の装置からの要求に応じて、自車両の向きの情報や太陽の位置の情報を要求元に送信する機能を有している。
【0027】
操作部16は、例えば、タッチパネルやスイッチ類として構成されており、自車両の乗員が表示制御部10に対して指令や設定を入力するためのインタフェースとして機能する。
【0028】
表示制御部10は、CPU、ROM、RAM等を備えた周知のマイコンとして構成されており、ROMに格納されたプログラムやRAMにロードされたプログラム等に従って、表示装置20所定の処理を実施する。この際には、各種カメラ11〜14、ナビゲーション装置15、操作部16等から入力される信号が利用される。
【0029】
[本実施形態による処理]
ここで、表示制御部10が実行する処理のうちの輝度設定処理について図3に示すフローチャートを用いて説明する。輝度設定処理は、表示部21が画像を表示させる際の表示輝度を、自車両外部の明るさや自車両外部の光源の位置に応じて自車両の乗員が見易くなるような輝度に調節する処理である。
【0030】
また、輝度設定処理は、イグニッションスイッチ(図示省略)等の自車両の電源が投入されると開始され、その後、周期的(例えば50ms毎)に実施される処理である。なお、輝度設定処理は、表示制御部10が本発明の表示制御プログラムを実行したときの処理を示す。
【0031】
具体的な輝度設定処理では、図3に示すように、まず、表示部21における表示輝度を自動制御するよう設定されているか否かを判定する(S110)。なお、自動制御するか否かの設定は、操作部16を介して設定される。
【0032】
表示輝度を自動制御するよう設定されていなければ(S110:NO)、乗員により設定された設定値Sを取得し、この設定値Sに対応する輝度を算出する(S310)。ここで、乗員により設定される設定値Sは、レオスタット等を利用して予め設定されている。
【0033】
具体的には、例えば、輝度設定値Iは、
I=S
として設定されればよい。なお、周囲の明るさが暗い状況(現在時刻やダッシュボード上の明るさセンサ(図示省略)によって判断する。)であれば、輝度設定値Iは、
I=S×K1
として設定されればよい。ただし、K1は減光定数である。
【0034】
続いて、算出された輝度になるよう表示部21の輝度を変更し(S320)、輝度設定処理を終了する。
一方、表示輝度を自動制御するよう設定されていれば(S110:YES)、自車両のドライバの位置および表示装置20の位置の情報を取得する(S120)。この情報は予め当該表示制御部10に入力されている。また、この処理においては、取得した位置の情報を用いて、ドライバから見て表示装置20が配置された方向を示す表示配置方向を特定する。
【0035】
続いて、車両の周囲を撮像する複数のカメラ11〜14による撮像画像を取得し(S130:画像取得手段)、照度センサ22からの検出信号を取得する(S140:照射取得手段)。なお、照度センサ22からの検出信号は、表示部21近傍の明るさを示す信号であり、光源からの光が表示装置20に照射されているか否かについては、後述するS230の処理にて表示制御部10が判定する。
【0036】
また、本実施形態においては、照度センサ22による検出結果を利用して上記判定を行うが、自車両の内部に車内カメラが設置されている場合には、このカメラによる撮像画像を画像処理することによって判定を行ってもよい。
【0037】
次に、ナビゲーション装置15が接続されているか否かを判定する(S150)。この処理は、ナビゲーション装置15を搭載していない車両においても本処理を採用することができるようにするために設けられた処理である。本実施形態においては、ナビゲーション装置15が備えられているので、この処理においては肯定判定される。
【0038】
ナビゲーション装置15が接続されていれば(S150:YES)、ナビゲーション装置15から自車両の前面が向いている方角、現在の日時に対応する太陽の方角、および自車両の現在地における天気(日照)の情報を取得する(S160)。そして、S210の処理に移行する。
【0039】
ナビゲーション装置15が接続されていなければ(S150:NO)、直ちにS210の処理に移行する。そして、車両の周囲における光源の方向を推定する(S210:光源方向推定手段)。具体的には、各撮像画像における輝度を検出することによって光源の方向を推定する。なお、S160の処理が実施された場合には、自車両が向いている方角に対する太陽が位置する方角も考慮して光源の方向を推定する。
【0040】
太陽が位置する方角を考慮する場合の例としては、例えば、撮像画像を利用して推定された光源の向きとナビゲーション装置15から得られた太陽の方角とを所定の重みづけで足し合わせることによる。また、この際、天気によって重みづけを変更するようにしてもよい。
【0041】
続いて、各カメラ11〜14からの撮像画像に基づいて、周囲の明るさB(特に、ドライバから見て表示部21の背後になる領域の明るさ)を算出する(S220)。周囲の明るさBについては、各カメラ11〜14による各撮像画像全体領域(上部のみ等一部領域でも可)における平均輝度をそれぞれ算出し、それぞれを所定の重みづけで加算することによって算出する。この際、ドライバが表示装置20を視認する際の方向を撮像する前方カメラ11による撮像画像の平均輝度の重みづけを大きくしてもよい。
【0042】
そして、照度センサ22による検出結果に基づいて、表示装置20に光源からの光が照射されているか否かを判定し、判定結果をRAM等のメモリに格納しておく(S230)。次いで、S220の処理にて算出された周囲の明るさに対応する輝度(輝度設定値I)を算出する(S240)。
【0043】
具体的には、例えば、輝度設定値Iは、S220で算出した周囲明るさBを利用して、
I=B×K2
として設定すればよい。ただし、K2は、周囲明るさBから輝度を決定するための比例定数である。なお、周囲の明るさが暗い状況であれば、輝度設定値Iは、
I=C
として設定されればよい。ただし、Cは定数である。また、周囲の明るさが暗い状況においても細やかに輝度を設定する場合には、
I=B×K1
として設定してもよい。
【0044】
さらに、光源の方向と表示配置方向とが一致するか否かを判定し(S250:方向一致判定手段)、これらの方向が一致するか否かに応じて、S240の処理にて算出された表示輝度を補正する(S260:第1輝度設定手段)。具体的には、例えば、光源の方向と表示配置方向とが一致する場合には、表示装置20の表示輝度を高く補正(輝度設定値Iに所定数αを加算)し、光源の方向と表示配置方向とが一致しない場合には、表示輝度を補正しないようにする。
【0045】
続いて、表示装置20に光源からの光が照射されているか否かの判定結果をRAM等のメモリから取得し、この判定結果に応じて表示輝度をさらに補正する。具体的には、光源からの光が表示装置20に照射されている旨の照射検出結果を取得した場合に、表示装置20の表示輝度をさらに高く補正(輝度設定値I(所定数αが加算されていても可)に所定数βを加算)し、光源からの光が前記表示装置20に照射されていない旨の照射検出結果を取得した場合には、表示輝度を補正しないようにする(S270:第2輝度設定手段)。
【0046】
そして、算出された輝度になるよう表示部21の輝度を変更し(S320)、輝度設定処理を終了する。
[本実施形態による作用および効果]
以上のように詳述した表示制御システム1において、表示制御部10は、輝度設定処理にて、自車両の周囲における光源の方向を推定し、この光源の方向が、自車両の乗員から見て表示装置20が配置された方向を示す表示配置方向と一致するか否かを判定する。そして、表示制御部10は、光源の方向と表示配置方向とが一致する場合に、光源の方向と表示配置方向とが一致しない場合と比較して、表示装置20(表示部21)の輝度を高く設定する。
【0047】
即ち、本発明では、光源の方向、換言すれば、自車両の周囲において相対的に明るい方向を検出し、この光源の方向が自車両の乗員(特にドライバ)が表示装置20を見るときの方向と一致したときに輝度を高く設定するようにしている。
【0048】
従って、このような表示制御システム1によれば、自車両の乗員が相対的に明るく感じる光源の位置を基準として表示装置20の輝度を設定することができるので、絶対的な周囲の明るさを基準として表示装置20の輝度を設定する構成と比較して、より人間の目の特性に合致した表示装置20の輝度に設定することができる。よって、自車両の乗員が表示装置20を見易くなるように表示装置20の輝度をより的確に制御することができる。
【0049】
また、表示制御システム1においては、複数のカメラ11〜14によって車両の周囲の全域を撮像し、表示制御部10はこれらのカメラ11〜14による撮像画像を取得する。そして表示制御部10は、各撮像画像における輝度を検出することによって光源の方向を推定する。詳細には、平均輝度が最も高い撮像画像を撮像した撮像手段が向けられた方向を光源の向きとして推定する。
【0050】
このような表示制御システム1によれば、比較的簡素な処理で光源方向を推定することができる。
さらに、表示制御システム1において表示制御部10は、光源からの光が表示装置20に照射されているか否かを表す照射検出結果を取得する。そして表示制御部10は、光源からの光が表示装置20に照射されている旨の照射検出結果を取得した場合に、光源からの光が表示装置20に照射されていない旨の照射検出結果を取得した場合と比較して、表示装置20の輝度を高く設定する。
【0051】
このような表示制御システム1によれば、光源からの光が表示装置20に照射され、この光の反射光の影響で車両の乗員が表示を見難くなることが予想される場合に、表示装置20の輝度を高く設定することができる。よって、光源からの光が表示装置20に照射された場合においても、車両の乗員が表示装置20を見易くなるように表示装置20の輝度をより的確に制御することができる。
【0052】
[その他の実施形態]
本発明の実施の形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0053】
例えば、上記実施形態においては、複数のカメラ11〜14を利用して光源の位置を推定するようにしたが、図4(a)に示すように、カメラとしては自車両の乗員から見て表示装置20が配置された方向を示す表示配置方向を撮像する前方カメラ11(特に広角レンズを備えた構成とされていればよい。)のみを備えていてもよい。この場合には、撮像画像をいくつかの領域に仮想的に分割し、分割後の各領域における平均輝度を検出し、最も明るい領域を光源の方角として特定すればよい。また、この際、本実施形態のように、自車両の向きと日時によって特定される太陽の位置と天気とを鑑みて推定してもよい。
【0054】
なお、周囲の明るさを特定する際には、撮像画像を仮想的に分割した分割後の各領域のうちの表示配置方向と一致する領域を、表示装置20毎に抽出し、これらの領域の各平均輝度を所定の重みづけで加算するようにすればよい。また、複数のカメラ11〜14を利用する上記実施形態の場合においても、各撮像画像を仮想的に分割する手法を採用することができる。
【0055】
加えて、カメラ11〜14を利用することなく、自車両の向きと日時によって特定される太陽の位置と天気とによって光源の向きを特定してもよい。さらに、上記本実施形態においては、複数の表示装置20を備えた構成としたが、図4(b)に示すように、1つの表示装置20のみを備えた構成としてもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、周囲の明るさBを基準として光源の向きに応じて表示輝度を補正するようにしたが、周囲の明るさBを利用することなく、光源の向きのみから表示輝度を設定するようにしてもよい。この場合には、輝度設定値Iを算出する際に、周囲の明るさBでなく、例えば、固定値である定数Dを用いればよい。
【0057】
このような構成にしても、上記実施形態と同等の効果を享受することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…表示制御システム、10…表示制御部、11…前方カメラ、12…後方カメラ、13…右側カメラ、14…左側カメラ、15…ナビゲーション装置、16…操作部、20…表示装置、21…表示部、22…照度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された表示部に画像を表示させる表示制御装置であって、
前記車両の周囲における光源の方向を推定する光源方向推定手段と、
前記光源の方向が、当該車両の乗員から見て表示部が配置された方向を示す表示配置方向と一致するか否かを判定する方向一致判定手段と、
前記光源の方向と前記表示配置方向とが一致する場合に、前記光源の方向と前記表示配置方向とが一致しない場合と比較して、前記表示部の輝度を高く設定する第1輝度設定手段と、
を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
車両の周囲を撮像する複数の撮像手段による撮像画像を取得する画像取得手段、を備え、
前記光源方向推定手段は、前記各撮像画像における輝度を検出することによって光源の方向を推定すること
を特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の表示制御装置において、
光源からの光が前記表示部に照射されているか否かを表す照射検出結果を取得する照射取得手段と、
光源からの光が前記表示部に照射されている旨の照射検出結果を取得した場合に、光源からの光が前記表示部に照射されていない旨の照射検出結果を取得した場合と比較して、前記表示部の輝度を高く設定する第2輝度設定手段と、
を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1〜請求項3の何れかに記載の各手段として機能させるための表示制御プログラム。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−33928(P2011−33928A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181557(P2009−181557)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】