表示装置、画素配置方法および画素配置プログラム
【課題】4色の表示装置であって、高画質に表示できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供する。
【解決手段】波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域、赤系の色相の着色領域と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる4つの画素B,G,C,Rを一組として、その一組の画素10を縦横に複数規則的に配置してカラー表示をする表示装置1であって、4つの画素B,G,C,Rの全てを発光させて、その4つの画素B,G,C,R全体を見たときに、白色と認識されるように、4つの画素B,G,C,Rそれぞれの面積(開口面積A1,A2,A3,A4)が設定されており、4つの画素B,G,C,Rにおける面積の小さい2つの画素G,Rが隣り合わないように配置されている。
【解決手段】波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域、赤系の色相の着色領域と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる4つの画素B,G,C,Rを一組として、その一組の画素10を縦横に複数規則的に配置してカラー表示をする表示装置1であって、4つの画素B,G,C,Rの全てを発光させて、その4つの画素B,G,C,R全体を見たときに、白色と認識されるように、4つの画素B,G,C,Rそれぞれの面積(開口面積A1,A2,A3,A4)が設定されており、4つの画素B,G,C,Rにおける面積の小さい2つの画素G,Rが隣り合わないように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を表現する表示装置としては、赤(R),緑(G),青(B)の三原色を合成してさまざまな色を作り出すものがある。このようにして所望の各種の色を作り出す方法を加法混色法という。また、従来においては、赤(R),緑(G),青(B)のカラーフィルタの面積比を変化させて形成して所望の白色光を表示しようとするカラー液晶表示装置が考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−84347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている従来の表示装置では、三原色で色再現を行うため、実際に製造された表示装置として色再現領域を十分に広くすることが困難である。また、上記特許文献1には、4色の表示装置についての技術は何ら考慮されていない。そして、赤(R),緑(G),青(B)の各画素の面積比を変化させる技術を4色の表示装置に単に適用しようとすると、各種の問題が生じ、縦方向に黒い筋が現れるなど、かえって画質を悪化させるおそれもある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、4色の表示装置であって、高画質に表示できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、4色の表示装置であって、縦方向に黒い筋が現れることを軽減できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、4色の表示装置であって、所望の白色を表示でき、且つ、縦方向に黒い筋が現れることを軽減できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、前記4つのサブ画素は少なくとも2以上の異なる面積のサブ画素を備え、前記4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、4つの色をなす4つのサブ画素で任意の色を表示する表示装置において各画素の面積を異なる構成として、高精度に白色を表示できるとともに、面積の小さいサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)同士を離して配置している。これにより本発明は、面積の小さいサブ画素同士が隣接して配置されることによる(縦方向の)黒い筋が認識されることも回避することができる。したがって、本発明は、高画質の表示装置を実現することができる。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、前記4つのサブ画素は、少なくとも2以上の異なる輝度のサブ画素を備え、前記4つのサブ画素における輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、4つの色をなす4つのサブ画素で任意の色を表示する表示装置において、輝度の小さいサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)同士を離して配置している。これにより本発明は、輝度の小さいサブ画素同士が隣接して配置されることによる(縦方向の)黒い筋が認識されることも回避することができる。したがって、本発明は、高画質の表示装置を実現することができる。なお、これらの輝度は、サブ画素の着色領域を透過した光の輝度であり、例えば、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた値や、外光を反射して得られた値である。
【0009】
また、上記表示装置においては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【0010】
また、本発明の表示装置は、前記4つのサブ画素は、前記画素内の一方向に直線上に配置されており、前記複数の画素は、前記一方向に交差する方向において同一の色相のサブ画素が連なるように、直線上に複数配置されていることが好ましい。
本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素、又は輝度の小さい2つのサブ画素が隣り同士に配置されて、その面積の小さい2つのサブ画素(遮光部の面積が大きい画素)が表示面の一方向、例えば縦方向に並んで、黒い筋として認識されることを、回避することができる。したがって、本発明は、ストライプ型の表示装置であって高画質の表示装置を実現することができる。
【0011】
また、本発明の表示装置は、前記複数の画素は、一方向の直線上に複数配置されているとともに、当該一方向に交差する方向については隣接する画素間で少なくとも1つのサブ画素分だけシフトして複数配置されているモザイク型の表示装置であることが好ましい。
本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素、又は輝度の小さい2つのサブ画素が隣り同士に配置されて、その面積の小さい2つのサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)が表示面の斜め方向に並んで、黒い筋として認識されることを、回避することができる。したがって、本発明は、モザイク型の表示装置であって高画質の表示装置を実現することができる。
【0012】
また、本発明の表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置のうちのいずれかをなすことが好ましい。本発明は、加法混色によって色を表現する各種の表示装置に適用することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置方法は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、前記4つのサブ画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つのサブ画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める工程と、前記求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する工程と、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、所望の白色を表示できるように、一組の4つのサブ画素それぞれの面積を求めるので、高精度に白色を表示できる表示装置を設計・製造することができる。また、本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置するので、(縦方向の)黒い筋が認識される表示装置となることも回避できる。したがって、本発明の画素配置方法によれば、高画質の表示装置を設計・製造することができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置方法は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する工程と、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置するので、(縦方向の)黒い筋が認識される表示装置となることも回避できる。したがって、本発明の画素配置方法によれば、高画質の表示装置を設計・製造することができる。
【0017】
また、上記画素配置方法においては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置プログラムは、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する白色評価処理(S1)と、前記4つの画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つの画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める白色調整処理(S2)と、前記白色調整処理で求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理(S3)と、前記選択処理で選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理(S4)と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置プログラムは、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を発光させたときの色を評価する白色評価処理と(S11)、前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め(S13)、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と(S14)、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理(S15)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、上記画素配置プログラムにおいては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置および画素配置方法について、図面を参照して説明する。本表示装置は、本発明に係る画素配置方法を用いて設計・製造することができる。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。すなわち図1は本実施形態の表示装置1における画素の平面配置を示している。表示装置1は、4色を合成してカラー表示をするものである。具体的には表示装置1は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380−780nm)のうち、青系の色相の着色領域(B;第1サブ画素)、赤系の色相の着色領域(R;第2サブ画素)と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域(C;第3サブ画素),(G;第4サブ画素)からなる。
【0023】
ここで系と用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでなく、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙を含む。また、これら着色領域は単一の着色層で構成されても良いし、複数の異なる色相の着色層を重ねて構成されても良い。また、これら着色領域は色相で述べているが、当該色相は、彩度、明度を適宜変更し、色を設定し得るものである。これら4つの画素(サブ画素)を一組の画素10として、その一組の画素10を縦横に複数規則的に配置している。
【0024】
そして、表示装置1は、一組の画素10が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については同一色の画素が連なるように直線上に複数配置されているストライプ型の表示装置となっている。ここで、4つの着色領域を具体的に述べれば、青系の色相の着色領域(B)は、青紫から青緑であり、より好ましくは藍から青である。赤系の色相の着色領域(R)は、橙から赤である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域(C)は、青から緑であり、より好ましくは青緑から緑である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域(G)は、緑から橙であり、より好ましくは緑から黄である。もしくは緑から黄緑である。色相の範囲が重なる部分があるが、各着色領域は、同じ色相を用いることはない。例えば、青から黄までの色相で選択される2つの着色領域で緑系の色相を用いる場合は、他方は一方の緑に対して青系もしくは黄緑系の色相を用いる。これにより、従来の赤、緑、青の着色領域を用いたものよりも広範囲の色再現性を実現することができる。
【0025】
また、着色領域について色相で述べたが、他の具体的な例として、着色領域を透過した光の波長で規定すれば、以下の範囲でもよい。青系の着色領域(B)は、該領域を透過した光の波長のピークが415−500nmにある着色領域、好ましくは、435−485nmにある着色領域である。赤系の着色領域(R)は、該領域を透過した光の波長のピークが600nm以上にある着色領域で、好ましくは、605nm以上にある着色領域である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域(C)は、該領域を透過した光の波長のピークが485−535nmにある着色領域で、好ましくは、495−520nmにある着色領域である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域(G)は、該領域を透過した光の波長のピークが500−590nmにある着色領域、好ましくは510−585nmにある着色領域、もしくは530−565nmにある着色領域である。
なお、これらの波長は、透過表示の場合は照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値であり、反射表示の場合は外光を反射して得られた数値である。
【0026】
他の具体的な例として、4色の着色領域をx、y色度図で表現すると以下のようになる。
青系の着色領域(B)は、x≦0.151、y≦0.200にある着色領域であり、好ましくは、x≦0.151、y≦0.056にある着色領域であり、より好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.200にある着色領域である。さらに好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056にある着色領域である。
赤系の着色領域(R)は、0.520≦x、y≦0.360にある着色領域であり、好ましくは、0.643≦x、y≦0.333にある着色領域であり、より好ましくは、0.550≦x≦0.690、0.210≦y≦0.360にある着色領域である。さらに好ましくは、0.643≦x≦0.690、0.299≦y≦0.333にある着色領域である。
青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、x≦0.200、0.210≦yにある着色領域であり、好ましくは、x≦0.164、0.453≦yにある着色領域であり、より好ましくは、0.080≦x≦0.200、0.210≦y≦0.759にある着色領域である。さらに好ましくは、0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.759にある着色領域である。
青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、0.257≦x、0.450≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.257≦x、0.606≦yにある着色領域であり、より好ましくは、0.257≦x≦0.520、0.450≦y≦0.720にある着色領域である。さらに好ましくは、0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.670にある着色領域である。
なお、これのx、y色度図は、透過表示の場合は照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値であり、反射表示の場合は外光を反射して得られた数値である。
また、4つの着色領域の画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス11が配置されている。
【0027】
さらに、表示装置1では、一組の画素10をなすRGBCの4つの画素(サブ画素)全てを表示(発光)して所望の白色となるように、その4つの画素(サブ画素)それぞれの面積(開口面積)が設定されている。ここで、所望の白色とは、例えば色度特性における黒体軌跡上に設定された色とする。図1においては、色相を例として表現すると、青系の色相の着色領域(B)の画素の開口面積A1、青から黄までの色相で選択される着色領域、例えば緑から橙(G)の画素の開口面積A2、青から黄までの色相で選択される着色領域、例えば青から緑(C)の画素の開口面積A3、赤系の色相の着色領域(R)の画素の開口面積A4において、(G)の画素の開口面積A2および(R)の画素の開口面積A4が(B)の画素の開口面積A1および(C)の画素の開口面積A3よりも小さい面積に設定されている。換言すれば、A2がA1よりも小さく且つA3よりも小さく、A4がA1よりも小さく且つA3よりも小さくなっている。その他の大小関係は特に考慮してくともよい。このようにRGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積が設定されているので、一組の画素10は所望の白色を表示でき、表示装置1全体としても所望の白色を表示できる。なお、上記開口面積の大小関係は一例であり、一組の画素10として所望の白色が表示できる大小関係であればよい。
【0028】
さらに、表示装置1では、一組の画素10の4つの画素(サブ画素)における2つの面積の小さい画素Aa,Abが隣り合わないように配置されている。図1の例では、Aa=A2、Ab=A4であり、(G)の画素(開口面積A2)と(R)の画素(開口面積A4)とが隣り合わないように、すなわち(G)の画素と(R)の画素とを離して配置している。2つの面積の小さい画素Aa,Ab、以外の開口面積の大きい画素(すなわち(B)の画素および(C)の画素)は、上記条件を前提として、どこに配置してもよいとする。
ここで、開口面積の小さい2つの画素(Aa,Ab)同士を離して配置する理由は、ブラックマトリックス11がなす太い黒帯11a,11bが近接しない構成とするためである。その結果、表示装置1において縦方向に黒い筋が現れることを軽減することができる。
【0029】
これらにより、本実施形態の表示装置1は、一組の画素10をなす(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)とブラックマトリクス11とが作るパターンについて十分に考慮して前記画素を配置することができ、画質決定要因の一つである縦の黒い筋を軽減することができる。したがって、本実施形態の表示装置1は、4色を用いて再現できる色の範囲を拡大化し、且つ、各画素(サブ画素)の面積を不均一として所望の白色を高精度に表示でき、さらに、黒い筋が認識されない高画質の画像を表示することができる。一般に、縦の黒い筋は解像度の小さい表示装置ほど観察者にとって大きく認識され易いので、上記黒い筋を軽減する効果は解像度が低い表示装置1ほど顕著となる。
【0030】
(第1実施形態の画素配置方法)
図2は、本発明の第1実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。すなわち、図2は、図1に示す表示装置1を設計するときに用いられる手順を示すフローチャートである。したがって、本フローチャートは、一組の画素10における(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の開口面積を変化させた(異なる面積とした)ときに、その各画素(サブ画素)の配置を決定する手順を示している。
先ず、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一の面積として、その状態での4つの画素(サブ画素)の合成光について白色の評価をする白色評価処理を行う(ステップS1)。
【0031】
この白色評価処理は、RGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一として各画素(サブ画素)からの発光スペクトル特性を予測し、その色光特性から白色を計算することで実現できる。このようにシミュレーションによって白色の評価をすることで、試作などを行った場合よりも簡便に且つ迅速に所望の評価をすることができる。
次いで、ステップS1での白色の評価結果に基づきながら、RGBCの各画素(サブ画素)の開口面積を変化させて、その変化後のRGBCの各画素(サブ画素)の合成光が所望の白色となるときの該RGBCの画素それぞれの開口面積(A1,A2,A3,A4)を求める白色調整処理を行う(ステップS2)。
【0032】
このステップS2での開口面積の求めでは、各画素(サブ画素)について開口面積を変化させたときの組み合わせを用意し、その用意した組み合わせの全てについて白色(合成光)を計算する。その計算結果において所望の白色に最も近い組み合わせを選ぶことで、所望の白色となるRGBCの画素それぞれの面積を求めることができる。
次いで、ステップS2で求められたRGBCの各画素(サブ画素)の開口面積(A1,A2,A3,A4)において2つの面積の小さい画素Aa,Abを選択する選択処理を行う(ステップS3)。
【0033】
図3は、ステップS3において、開口面積(A1,A2,A3,A4)の各画素(サブ画素)から2つの面積の小さい画素Aa,Abを選択するときの候補を示すものである。すなわち図3は各画素(サブ画素)の開口面積の大小関係についての組み合わせとして考えられる候補を7つ示したものである。図3において下線で示した画素を開口面積の小さい画素として選択するものとする。また、同一の開口面積が複数ある場合などは、いずれかを選択すればよい。そして、選択された結果が2つの開口面積の小さい画素Aa,Abとなる。
最後に、ステップS3で選択された開口面積の小さい2つの画素(Aa,Ab)を離して、すなわち画素Aaと画素Abとが隣り合わないように配置する配置処理を行う(ステップS4)。
【0034】
ステップS4により、画素Aaと画素Abとの間に、他の画素(画素Aaおよび画素Ab以外の画素)が配置されることとなる。
これらにより、図1に示す表示装置1の設計において、開口面積の異なる(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の配置が決定する。したがって、本実施形態の画素配置方法によれば、高精度に白色を表示でき、且つ、縦方向の黒い筋が認識されることも回避できて、高画質のカラー画像を表示できる表示装置1を設計・製造することができる。
また、上記実施形態の画素配置方法では、コンピュータなどを用いたシミュレーションによって画素の配置を算出する例を示したが、実際に各状態の表示装置を試作してその表示装置毎に色光特性を測定することで、図2に示すように画素の配置を決定することも可能である。
【0035】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。すなわち図4は本実施形態の表示装置2における画素の平面配置を示している。表示装置2は、第1実施形態の表示装置1と同様に、4色を合成してカラー表示をするものである。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものである。ただし、本実施形態の表示装置2では、4色の画素のうちで2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを選択して、その輝度の小さい画素Ya,Yb同士を離して配置している点などが、第1実施形態の表示装置1と異なっている。
【0036】
具体的には表示装置2は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素20として、その一組の画素20を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置2は、一組の画素20が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については同一色の画素が連なるように直線上に複数配置されているストライプ型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス21が配置されている。
【0037】
さらに、表示装置2では、一組の画素20をなすRGBCの4つの画素(サブ画素)全てを表示(発光)させると、所望の白色となるように、その4つの画素(サブ画素)それぞれの面積(開口面積)が設定されている。ここで、所望の白色とは、例えば色度特性における黒体軌跡上に設定された色とする。図4においては、(B)の画素と(G)の画素と(R)の画素とをほぼ同一の開口面積として、これらの画素に比べて(C)の開口面積を小さくしている。このようにRGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積が設定されているので、一組の画素20は所望の白色を表示でき、表示装置2全体としても所望の白色を表示できる。なお、上記開口面積の大小関係は一例であり、一組の画素20として所望の白色が表示できる大小関係であればよい。
【0038】
このように開口面積を設定された(B),(G),(C),(R)各画素(サブ画素)の輝度Y1,Y2,Y3,Y4について比較すると、(C)の開口面積が他の画素と比べて小さいので、(C)の輝度Y3が一番小さいものとなる。(B)、(G)および(R)の各画素(サブ画素)の開口面積はほぼ同一であるが、(B)は色としての輝度が小さいので、(B)の輝度Y1が2番目に輝度が小さいものとなる。そして、4色の画素のうちで2つの輝度の小さい画素Ya,Ybとして、(B)および(C)の画素を選択して、その輝度の小さい画素Ya,Ybを離して配置している。すなわち、輝度の小さい画素Ya,Yb同士が隣り合わないように配置している。2つの輝度の小さい画素Ya,Yb以外の画素、すなわち(G)と(R)との輝度の大小関係は特に考慮しなくてもよい。したがって(G)および(R)の画素の配置は、上記条件を前提として、どこに配置してもよいとする。
ここで、2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを離して配置する理由は、輝度の小さい画素を接近させない配置とすることにより、表示装置2において縦方向に黒い筋が現れることを軽減するためである。
【0039】
これらにより、本実施形態の表示装置2は、ブラックマトリックス21が作るパターンを考慮するとともに、一組の画素20における各画素(サブ画素)の輝度Y1,Y2,Y3,Y4についても考慮してその各画素(サブ画素)を配置しているので、画質決定要因の一つである縦の黒い筋を軽減することができる。したがって、本実施形態の表示装置2は、4色を用いて再現できる色の範囲を拡大化し、且つ、各画素(サブ画素)の面積を不均一として所望の白色を高精度に表示でき、さらに、黒い筋が認識されない高画質の画像を表示することができる。一般に、縦の黒い筋は解像度の小さい表示装置ほど観察者にとって大きく認識され易いので、上記黒い筋を軽減する効果は解像度が低い表示装置2ほど顕著となる。
【0040】
(第2実施形態の画素配置方法)
図5は、本発明の第2実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。すなわち、図5は、図4に示す表示装置2を設計するときに用いられる手順を示すフローチャートである。したがって、本フローチャートは、一組の画素20における(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の開口面積を変化させた(異なる面積とした)ときに、その各画素(サブ画素)の配置を決定する手順を示している。
先ず、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一の面積として、その状態での4つの画素(サブ画素)の合成光について白色の評価をする白色評価処理を行う(ステップS11)。
【0041】
この白色の評価は、上記第1実施形態のステップS1の具体的手法と同様にして実行することができる。
次いで、ステップS11での白色の評価結果に基づきながら、RGBCの各画素(サブ画素)の開口面積を変化させて、その変化後のRGBCの各画素(サブ画素)の合成光が所望の白色となるときの該RGBCの画素それぞれの開口面積(A1,A2,A3,A4)を求める白色調整処理を行う(ステップS12)。
このステップS12は、上記第1実施形態のステップS2の具体的手法と同様にして実行することができる。
【0042】
次いで、ステップS12で求められた開口面積を反映させた4つの画素(サブ画素)それぞれの輝度Y1,Y2,Y3,Y4を求める(ステップS13)。
ステップS13での輝度の求めは積分演算などの計算によって実行することができる。
次いで、ステップS3で求められた4つの画素(サブ画素)における輝度の小さい2つの画素(Ya,Yb)を選択する選択処理を行う(ステップS14)。
【0043】
図6は、ステップS14において、4つの画素(サブ画素)それぞれの輝度Y1,Y2,Y3,Y4から2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを選択するときの候補を示すものである。すなわち図6は各画素(サブ画素)の輝度の大小関係についての組み合わせとして考えられる候補を7つ示したものである。図6において下線で示した輝度を小さい輝度として選択するものとする。また、同一の輝度が複数ある場合などは、いずれかを選択すればよい。そして、選択された結果が2つの輝度の小さい画素Ya,Ybとなる。
【0044】
最後に、ステップS14で選択された2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを離してすなわち画素Yaと画素Ybとが隣り合わないように配置する配置処理を行う(ステップS15)。
ステップS15により、画素Yaと画素Ybとの間に、他の画素(画素Yaおよび画素Yb以外の画素)が配置されることとなる。
【0045】
これらにより、図4に示す表示装置2の設計において、開口面積の異なる(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の配置が、その各画素(サブ画素)の輝度を考慮して決定される。したがって、本実施形態の画素配置方法によれば、高精度に白色を表示でき、且つ、縦方向の黒い筋が認識されることも回避できて、高画質のカラー画像を表示できる表示装置1を設計・製造することができる。
また、上記実施形態の画素配置方法では、コンピュータなどを用いたシミュレーションによって画素の配置を算出する例を示したが、実際に各状態の表示装置を試作してその表示装置毎に色光特性を測定することで、図5に示すように画素の配置を決定することも可能である。
【0046】
(応用例)
図7は、上記第1実施形態に係る表示装置の応用例を示す平面図である。第1実施形態の表示装置1は縦方向に同じ色の画素が並ぶストライプ型の表示装置であるが、本応用例の表示装置3は縦方向において同じ色の画素をシフトして配置するモザイク型の表示装置としている。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものである。
【0047】
すなわち、図7に示す表示装置3は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素30として、その一組の画素30を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置3では、一組の画素30が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については1ライン下がると1色分だけ右にシフトする画素配置であるモザイク型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス31が配置されている。
【0048】
表示装置3において、一組の画素30をなすRGBCの各画素(サブ画素)は、図1に示す表示装置1における一組の画素10の各画素(サブ画素)と同様に、開口面積の小さい画素Aaと画素Abとを離して(隣り合わないように)配置している。
【0049】
この応用例によれば、モザイク型の表示装置において画質決定要因の一つである縦の黒い筋が認識されることを軽減でき、高画質の表示装置を実現することができる。すなわち元々モザイク型の表示装置はストライプ型の表示装置よりも縦方向の筋パターンが目立ちにくいが、本応用例の表示装置3は従来のモザイク型の表示装置よりもさらに高画質なカラー画像を表示することができる。
【0050】
図8は、上記第1実施形態に係る表示装置の他の応用例を示す平面図である。本応用例の表示装置4は、図7に示す表示装置3と同様に、第1実施形態に係る表示装置をモザイク型の表示装置に適用した例である。ただし、本応用例の表示装置4は、縦方向については1ライン下がると2色分だけ右にシフトする画素配置となっている点が、表示装置3と異なる。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものであり、表示装置4についてのその他の構成および効果は、表示装置3と同様である。
【0051】
具体的には、図8に示す表示装置4は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素40として、その一組の画素40を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置4では、一組の画素40が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については1ライン下がると2色分だけ右にシフトする画素配置であるモザイク型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス41が配置されている。
【0052】
表示装置4において、一組の画素40をなすRGBCの各画素(サブ画素)は、図1に示す表示装置1における一組の画素10の各画素(サブ画素)と同様に、開口面積の小さい画素Aaと画素Abとを離して(隣り合わないように)配置している。
この応用例によれば、モザイク型の表示装置において画質決定要因の一つである縦の黒い筋が認識されることを軽減でき、高画質の表示装置を実現することができる。すなわち元々モザイク型の表示装置はストライプ型の表示装置よりも縦方向の筋パターンが目立ちにくいが、本応用例の表示装置4は従来のモザイク型の表示装置よりもさらに高画質なカラー画像を表示することができる。
【0053】
(本発明の効果について)
次に、本発明が適用されていない表示装置の例を挙げて、本発明の実施形態に係る表示装置の効果について、説明する。
図9は、赤(R),緑(G),青(B)を3原色とする表示装置5の主要部を示す平面図である。表示装置5は、本発明が適用されていない表示装置であって、ストライプ型の表示装置である。赤(R),緑(G),青(B)の3つの画素を一組の画素50としている。3つの画素R,G,Bの周囲にはブラックマトリックス(遮光部)51が配置されている。
【0054】
図10は、表示装置5の3つの画素R,G,Bそれぞれの発光スペクトル特性を示す図である。図10において、横軸が波長、縦軸が最大値を100とする相対輝度を示している。図11は、表示装置5(例えばLCD)が表示できる色度特性を示す色度図である。図11における三角形の内側が表示装置5で表示できる色、すなわち画素R,G,Bの3原色による色度特性を示している。また、図11の三角形の内側に存在する曲線は、黒体軌跡を示している。
【0055】
表示装置5では、図9に示すように、各画素R,G,Bの開口面積を等しくしている。そして、表示装置5が表示する「白」色は、図11の色度特性における黒体軌跡の上方の点110となる。一般的に、所望の白色は黒体軌跡上に設定されることが多いことから、表示装置5の白色は所望の白色よりも緑味を帯びた白であるといえる。なお、色度図では上にいくほど緑色になる。
【0056】
図12は、赤(R),緑(G),青(B)を3原色とする表示装置6の主要部を示す平面図である。表示装置5は、本発明が適用されていない表示装置であって、ストライプ型の表示装置である。ただし、表示装置6は、3原色の各画素R,G,Bの開口面積が均一でない点が、表示装置5と異なっている。
具体的には、表示装置6は、3つの画素R,G,Bを一組の画素60としているが、画素Gの開口面積が画素R,Bの開口面積よりも小さくなっている。3つの画素R,G,Bの周囲にはブラックマトリックス61が配置されている。
【0057】
図13は、表示装置6の3つの画素R,G,Bそれぞれの発光スペクトル特性を示す図であり、横軸が波長、縦軸が最大値を100とする相対輝度を示している。図14は、表示装置6(例えばLCD)が表示できる色度特性を示す色度図である。図14における三角形の内側が表示装置6で表示できる色、すなわち画素R,G,Bの3原色による色度特性を示している。また、図14の三角形の内側に存在する曲線は、黒体軌跡を示している。
【0058】
表示装置6の画素Gが他の色の画素よりも開口面積を小さくされているので、図13における緑(G)のピークが図10における緑(G)のピークよりも低くなっている。その結果、図14に示されているように、表示装置6が表示する白色は、緑味がとれ、黒体軌跡上にプロットされた点140となる。このようにして、表示装置6は、3原色の画素R,G,Bの開口面積を不均一とすることにより、所望の白を表示可能としている。
【0059】
次に、上記表示装置6の技術(画素R,G,Bの開口面積を不均一とする技術)を単に4原色表示装置に適用したときの問題点について、説明する。この問題点は、画素の配置において現れる。
図15は、3原色表示装置である図12に示す表示装置6について、画素の配置を変更した構成を示す図である。そして、図15(a)は表示装置6の平面図であり、図15(b)は表示装置6の画素配置を変更してなる表示装置7の平面図である。
【0060】
表示装置6では、一組の画素60が左からB,G,Rの順に配置されている。一方、表示装置7においては、一組の画素70が左からB,R,Gの順に配置されている。すなわち、表示装置7は、表示装置6における画素Gと画素Rとの位置を入れ換えたものである。表示装置6,7のいずれも、画素Gの開口面積が他の色の画素と比べて小さい。このように画素Gの開口面積が小さいため、画素G近傍のブラックマトリックス61,71の幅が広くなり、黒い縦帯が画素Gの近傍で太く認識される。
【0061】
ここで、表示装置6と表示装置7とで、画素Gの縦帯(即ち太い黒筋)61a,61b,71a,71bについて、注目する。すると、表示装置6と表示装置7とで画素G,Rの配置を変更しているにもかかわらず、画素Gの縦帯61a,61b,71a,71bが2個の画素おきに出現し、両装置でその縦帯の間隔が等しくなっている。このことは一般に、表示装置6,7以外の3原色表示装置の画素配置についても、同様なこととなるものである。つまり、3原色表示装置においては、どのような順序で画素を配置し、かつ、開口面積を非均一にしても、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に変化が生じない。これは、3原色のストライプ型の表示装置における画素配置の周期性と左右対称性によるものである。
【0062】
図16は4色表示装置を示す平面図である。そして、図16(a)に示す表示装置8と図16(b)に示す表示装置9とでは画素の配置が異なる構成としている。すなわち、図16は、4色の各画素の開口面積を非均一にして、さらに、各画素の配置を変更することにより、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に変化が生じ、これにより画質が悪くなる場合が生じることを示している。
【0063】
具体的には、表示装置8では一組の画素80をなす4つの画素が左から(B),(G),(R),(C)の順序で配置され、表示装置9では一組の画素90をなす4つの画素が左から(B),(G),(C),(R)の順序で配置されている。したがって、表示装置9は、表示装置8の画素Rと画素Cとの位置を入れ換えた構成となっている。表示装置8,9のいずれも、画素Gと画素Rの開口面積が他の色の画素と比べて小さい。つまり、画素Gの近傍と画素Rの近傍とで、ブラックマトリックス81,91の幅が広くなり、黒い縦帯81a,81b,81c,81d,91a,91b,91c,91dが太くなっている。
【0064】
ここで、表示装置8と表示装置9とで、黒い縦帯81a,81b,81c,81d,91a,91b,91c,91dの出現間隔について注目する。すると、表示装置8では、左側から見て、黒い縦帯81a,81bが2本連続して出現したあと、2個の画素C,Bをおいて、再び黒い縦帯81c,81dが出現する。一方、表示装置9では、左側から見て、黒い縦帯91a,91b,91c,91dが1個の画素おきに出現する。つまり、表示装置8と表示装置9とで、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に相違が生じている。これは、4色のストライプ型の表示装置における画素配置に、独立な配置(その装置固有の配置)が存在することに起因する。表示装置8における画素配置B・G・R・Cと表示装置9における画素配置B・G・C・Rとは、周期性および左右対称性を考慮しても独立な配置である。
【0065】
表示装置8,9のように、画素とブラックマトリックスとが作るパターン(黒い縦帯の間隔)が異なると、画質に影響を与える。例えば、表示装置8のように黒い縦帯91a,91bが接近する場合は、表示装置9のように接近しない場合に比べて、縦に黒い筋が入っているように知覚される可能性が高い。このため、より高画質の表示装置を実現するためには、画素とブラックマトリックスとが作るパターンについて十分に考慮する必要がある。
【0066】
一方、図1,図4,図7,図8に示す本発明の実施形態に係る表示装置1,2,3,4では、画素とブラックマトリックスとが作るパターンについて十分に考慮されており、4色の画素における開口面積が小さい2つ、又は輝度の小さい2つを、離して配置しているので、縦の黒筋が認識されることを軽減された高画質の表示装置を実現することができる。
【0067】
以上説明した、各実施形態の4色の着色領域は、液晶表示装置の場合、サブ画素に透過領域と反射領域を備えた場合、透過領域及び反射領域も適用することができるものである。透過領域及び反射領域の各4色の着色領域は、第1実施形態で述べた色と同様に適用される。
【0068】
また、4色の着色領域の構成の例としては、色相が、赤、青、緑、シアン(青緑)の着色領域の他に、色相が、赤、青、緑、黄の着色領域や、色相が、赤、青、深緑、黄の着色領域、色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄緑の着色領域、色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄の着色領域、色相が、赤、青、深緑、黄緑の着色領域、色相が、赤、青緑、深緑、黄緑の着色領域等の組み合わせがある。
また、液晶装置のバックライトとして、赤、緑、青の光源としてLED、蛍光管、有機ELを用いても良い。または白色光源を用いていも良い。なお、白色光源は青の発光体とYAG蛍光体により生成される白色光源でもよい。赤、緑、青光源としては、青は発光する光の波長のピークが435nm−485nmにあるもの、緑は、発光する光の波長のピークが520nm−545nmにあるもの、赤は発光する光の波長のピークが610nm−650nmにあるものが好ましい。そして、赤、緑、青の光源の波長によって、上記表示画素を適切に選定すれば、白色ならびにより広範囲の色再現性を得ることができる。
また、赤、緑、青の光源の他に、発光する光の波長が例えば、450nmと565nmにピークがくるような、複数のピークを持つ光源を用いていも良い。
【0069】
(電子機器)
次に、上記実施形態の表示装置を構成要素とする電子機器について説明する。
図17(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図17(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態の表示装置からなる表示部を示している。図17(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図17(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態の表示装置からなる表
示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図17(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図17(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態の表示装置からなる表示部を示している。
図17に示す電子機器は、上記実施形態の表示装置を備えているので、高画質なカラー画像を表示することができる。
【0070】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0071】
本発明に係る表示装置および画素配置方法は、液晶表示装置(LCD)におけるカラーフィルタ、有機EL表示装置におけるカラーフィルタ又は発色層、プラズマ表示装置(PDP)における蛍光体、ブラウン管表示装置(CRT)における蛍光体などに適用することができる。また、本発明に係る表示装置および画素配置方法は、4色のドット(画素)でカラーを形成する全ての表示装置に適用することができる。
また、本発明において、所望の白色を表示するように4つの画素(サブ画素)の面積をそれぞれ設定する手法は、各画素についてのカラーフィルタの透過特性、又はバックライトの発光特性を直接変更する手法に、置き換えてもよい。
【0072】
また、図2又は図5に示す本発明の実施形態に係る画素配置方法は、プログラムとそのプログラムを実行するコンピュータとで実現することができる。すなわち、図2又は図5に示す手順をプログラムで規定し、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明に係る画素配置方法を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSおよび周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0073】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0074】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。
【図3】同上の画素配置方法で面積の小さい2つの画素の選択法を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。
【図6】同上の画素配置方法で輝度の小さい2つの画素の選択法を示す図である。
【図7】本発明の応用例に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図8】本発明の他の応用例に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図9】3原色を用いた表示装置の例を示す平面図である。
【図10】同上の表示装置の発光スペクトル特性を示す図である。
【図11】同上の表示装置の色度特性を示す色度図である。
【図12】3原色を用いた表示装置の他の例を示す平面図である。
【図13】同上の表示装置の発光スペクトル特性を示す図である。
【図14】同上の表示装置の色度特性を示す色度図である。
【図15】3原色表示装置について画素の配置を変更した構成を示す図である。
【図16】4原色表示装置について画素の配置を変更した構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3,4,5,6,7,8,9…表示装置、10,20,30,40,50,60,70,80,90…一組の画素、11,21,31,41,51,61,71,81,91…ブラックマトリックス、11a,11b…太い黒帯、A1,A2,A3,A4…開口面積、Aa,Ab…面積の小さい画素、B,G,C,R…画素、Ya,Yb…輝度の小さい画素
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を表現する表示装置としては、赤(R),緑(G),青(B)の三原色を合成してさまざまな色を作り出すものがある。このようにして所望の各種の色を作り出す方法を加法混色法という。また、従来においては、赤(R),緑(G),青(B)のカラーフィルタの面積比を変化させて形成して所望の白色光を表示しようとするカラー液晶表示装置が考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−84347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている従来の表示装置では、三原色で色再現を行うため、実際に製造された表示装置として色再現領域を十分に広くすることが困難である。また、上記特許文献1には、4色の表示装置についての技術は何ら考慮されていない。そして、赤(R),緑(G),青(B)の各画素の面積比を変化させる技術を4色の表示装置に単に適用しようとすると、各種の問題が生じ、縦方向に黒い筋が現れるなど、かえって画質を悪化させるおそれもある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、4色の表示装置であって、高画質に表示できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、4色の表示装置であって、縦方向に黒い筋が現れることを軽減できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は、4色の表示装置であって、所望の白色を表示でき、且つ、縦方向に黒い筋が現れることを軽減できる表示装置、画素配置方法および画素配置プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、前記4つのサブ画素は少なくとも2以上の異なる面積のサブ画素を備え、前記4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、4つの色をなす4つのサブ画素で任意の色を表示する表示装置において各画素の面積を異なる構成として、高精度に白色を表示できるとともに、面積の小さいサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)同士を離して配置している。これにより本発明は、面積の小さいサブ画素同士が隣接して配置されることによる(縦方向の)黒い筋が認識されることも回避することができる。したがって、本発明は、高画質の表示装置を実現することができる。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の表示装置は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、前記4つのサブ画素は、少なくとも2以上の異なる輝度のサブ画素を備え、前記4つのサブ画素における輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、4つの色をなす4つのサブ画素で任意の色を表示する表示装置において、輝度の小さいサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)同士を離して配置している。これにより本発明は、輝度の小さいサブ画素同士が隣接して配置されることによる(縦方向の)黒い筋が認識されることも回避することができる。したがって、本発明は、高画質の表示装置を実現することができる。なお、これらの輝度は、サブ画素の着色領域を透過した光の輝度であり、例えば、照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた値や、外光を反射して得られた値である。
【0009】
また、上記表示装置においては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【0010】
また、本発明の表示装置は、前記4つのサブ画素は、前記画素内の一方向に直線上に配置されており、前記複数の画素は、前記一方向に交差する方向において同一の色相のサブ画素が連なるように、直線上に複数配置されていることが好ましい。
本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素、又は輝度の小さい2つのサブ画素が隣り同士に配置されて、その面積の小さい2つのサブ画素(遮光部の面積が大きい画素)が表示面の一方向、例えば縦方向に並んで、黒い筋として認識されることを、回避することができる。したがって、本発明は、ストライプ型の表示装置であって高画質の表示装置を実現することができる。
【0011】
また、本発明の表示装置は、前記複数の画素は、一方向の直線上に複数配置されているとともに、当該一方向に交差する方向については隣接する画素間で少なくとも1つのサブ画素分だけシフトして複数配置されているモザイク型の表示装置であることが好ましい。
本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素、又は輝度の小さい2つのサブ画素が隣り同士に配置されて、その面積の小さい2つのサブ画素(遮光部の面積が大きいサブ画素)が表示面の斜め方向に並んで、黒い筋として認識されることを、回避することができる。したがって、本発明は、モザイク型の表示装置であって高画質の表示装置を実現することができる。
【0012】
また、本発明の表示装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置のうちのいずれかをなすことが好ましい。本発明は、加法混色によって色を表現する各種の表示装置に適用することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置方法は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、前記4つのサブ画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つのサブ画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める工程と、前記求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する工程と、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、所望の白色を表示できるように、一組の4つのサブ画素それぞれの面積を求めるので、高精度に白色を表示できる表示装置を設計・製造することができる。また、本発明によれば、面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置するので、(縦方向の)黒い筋が認識される表示装置となることも回避できる。したがって、本発明の画素配置方法によれば、高画質の表示装置を設計・製造することができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置方法は、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する工程と、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置するので、(縦方向の)黒い筋が認識される表示装置となることも回避できる。したがって、本発明の画素配置方法によれば、高画質の表示装置を設計・製造することができる。
【0017】
また、上記画素配置方法においては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置プログラムは、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する白色評価処理(S1)と、前記4つの画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つの画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める白色調整処理(S2)と、前記白色調整処理で求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理(S3)と、前記選択処理で選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理(S4)と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の画素配置プログラムは、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を発光させたときの色を評価する白色評価処理と(S11)、前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め(S13)、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と(S14)、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理(S15)とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
また、上記画素配置プログラムにおいては、前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置および画素配置方法について、図面を参照して説明する。本表示装置は、本発明に係る画素配置方法を用いて設計・製造することができる。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。すなわち図1は本実施形態の表示装置1における画素の平面配置を示している。表示装置1は、4色を合成してカラー表示をするものである。具体的には表示装置1は、波長に応じて色相が変化する可視光領域(380−780nm)のうち、青系の色相の着色領域(B;第1サブ画素)、赤系の色相の着色領域(R;第2サブ画素)と、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域(C;第3サブ画素),(G;第4サブ画素)からなる。
【0023】
ここで系と用いているが、例えば青系であれば純粋の青の色相に限定されるものでなく、青紫や青緑等を含むものである。赤系の色相であれば、赤に限定されるものでなく橙を含む。また、これら着色領域は単一の着色層で構成されても良いし、複数の異なる色相の着色層を重ねて構成されても良い。また、これら着色領域は色相で述べているが、当該色相は、彩度、明度を適宜変更し、色を設定し得るものである。これら4つの画素(サブ画素)を一組の画素10として、その一組の画素10を縦横に複数規則的に配置している。
【0024】
そして、表示装置1は、一組の画素10が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については同一色の画素が連なるように直線上に複数配置されているストライプ型の表示装置となっている。ここで、4つの着色領域を具体的に述べれば、青系の色相の着色領域(B)は、青紫から青緑であり、より好ましくは藍から青である。赤系の色相の着色領域(R)は、橙から赤である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域(C)は、青から緑であり、より好ましくは青緑から緑である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域(G)は、緑から橙であり、より好ましくは緑から黄である。もしくは緑から黄緑である。色相の範囲が重なる部分があるが、各着色領域は、同じ色相を用いることはない。例えば、青から黄までの色相で選択される2つの着色領域で緑系の色相を用いる場合は、他方は一方の緑に対して青系もしくは黄緑系の色相を用いる。これにより、従来の赤、緑、青の着色領域を用いたものよりも広範囲の色再現性を実現することができる。
【0025】
また、着色領域について色相で述べたが、他の具体的な例として、着色領域を透過した光の波長で規定すれば、以下の範囲でもよい。青系の着色領域(B)は、該領域を透過した光の波長のピークが415−500nmにある着色領域、好ましくは、435−485nmにある着色領域である。赤系の着色領域(R)は、該領域を透過した光の波長のピークが600nm以上にある着色領域で、好ましくは、605nm以上にある着色領域である。青から黄までの色相で選択される一方の着色領域(C)は、該領域を透過した光の波長のピークが485−535nmにある着色領域で、好ましくは、495−520nmにある着色領域である。青から黄までの色相で選択される他方の着色領域(G)は、該領域を透過した光の波長のピークが500−590nmにある着色領域、好ましくは510−585nmにある着色領域、もしくは530−565nmにある着色領域である。
なお、これらの波長は、透過表示の場合は照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値であり、反射表示の場合は外光を反射して得られた数値である。
【0026】
他の具体的な例として、4色の着色領域をx、y色度図で表現すると以下のようになる。
青系の着色領域(B)は、x≦0.151、y≦0.200にある着色領域であり、好ましくは、x≦0.151、y≦0.056にある着色領域であり、より好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.200にある着色領域である。さらに好ましくは、0.134≦x≦0.151、0.034≦y≦0.056にある着色領域である。
赤系の着色領域(R)は、0.520≦x、y≦0.360にある着色領域であり、好ましくは、0.643≦x、y≦0.333にある着色領域であり、より好ましくは、0.550≦x≦0.690、0.210≦y≦0.360にある着色領域である。さらに好ましくは、0.643≦x≦0.690、0.299≦y≦0.333にある着色領域である。
青から黄までの色相で選択される一方の着色領域は、x≦0.200、0.210≦yにある着色領域であり、好ましくは、x≦0.164、0.453≦yにある着色領域であり、より好ましくは、0.080≦x≦0.200、0.210≦y≦0.759にある着色領域である。さらに好ましくは、0.098≦x≦0.164、0.453≦y≦0.759にある着色領域である。
青から黄までの色相で選択される他方の着色領域は、0.257≦x、0.450≦yにある着色領域であり、好ましくは、0.257≦x、0.606≦yにある着色領域であり、より好ましくは、0.257≦x≦0.520、0.450≦y≦0.720にある着色領域である。さらに好ましくは、0.257≦x≦0.357、0.606≦y≦0.670にある着色領域である。
なお、これのx、y色度図は、透過表示の場合は照明装置からの照明光がカラーフィルタを通して得られた数値であり、反射表示の場合は外光を反射して得られた数値である。
また、4つの着色領域の画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス11が配置されている。
【0027】
さらに、表示装置1では、一組の画素10をなすRGBCの4つの画素(サブ画素)全てを表示(発光)して所望の白色となるように、その4つの画素(サブ画素)それぞれの面積(開口面積)が設定されている。ここで、所望の白色とは、例えば色度特性における黒体軌跡上に設定された色とする。図1においては、色相を例として表現すると、青系の色相の着色領域(B)の画素の開口面積A1、青から黄までの色相で選択される着色領域、例えば緑から橙(G)の画素の開口面積A2、青から黄までの色相で選択される着色領域、例えば青から緑(C)の画素の開口面積A3、赤系の色相の着色領域(R)の画素の開口面積A4において、(G)の画素の開口面積A2および(R)の画素の開口面積A4が(B)の画素の開口面積A1および(C)の画素の開口面積A3よりも小さい面積に設定されている。換言すれば、A2がA1よりも小さく且つA3よりも小さく、A4がA1よりも小さく且つA3よりも小さくなっている。その他の大小関係は特に考慮してくともよい。このようにRGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積が設定されているので、一組の画素10は所望の白色を表示でき、表示装置1全体としても所望の白色を表示できる。なお、上記開口面積の大小関係は一例であり、一組の画素10として所望の白色が表示できる大小関係であればよい。
【0028】
さらに、表示装置1では、一組の画素10の4つの画素(サブ画素)における2つの面積の小さい画素Aa,Abが隣り合わないように配置されている。図1の例では、Aa=A2、Ab=A4であり、(G)の画素(開口面積A2)と(R)の画素(開口面積A4)とが隣り合わないように、すなわち(G)の画素と(R)の画素とを離して配置している。2つの面積の小さい画素Aa,Ab、以外の開口面積の大きい画素(すなわち(B)の画素および(C)の画素)は、上記条件を前提として、どこに配置してもよいとする。
ここで、開口面積の小さい2つの画素(Aa,Ab)同士を離して配置する理由は、ブラックマトリックス11がなす太い黒帯11a,11bが近接しない構成とするためである。その結果、表示装置1において縦方向に黒い筋が現れることを軽減することができる。
【0029】
これらにより、本実施形態の表示装置1は、一組の画素10をなす(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)とブラックマトリクス11とが作るパターンについて十分に考慮して前記画素を配置することができ、画質決定要因の一つである縦の黒い筋を軽減することができる。したがって、本実施形態の表示装置1は、4色を用いて再現できる色の範囲を拡大化し、且つ、各画素(サブ画素)の面積を不均一として所望の白色を高精度に表示でき、さらに、黒い筋が認識されない高画質の画像を表示することができる。一般に、縦の黒い筋は解像度の小さい表示装置ほど観察者にとって大きく認識され易いので、上記黒い筋を軽減する効果は解像度が低い表示装置1ほど顕著となる。
【0030】
(第1実施形態の画素配置方法)
図2は、本発明の第1実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。すなわち、図2は、図1に示す表示装置1を設計するときに用いられる手順を示すフローチャートである。したがって、本フローチャートは、一組の画素10における(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の開口面積を変化させた(異なる面積とした)ときに、その各画素(サブ画素)の配置を決定する手順を示している。
先ず、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一の面積として、その状態での4つの画素(サブ画素)の合成光について白色の評価をする白色評価処理を行う(ステップS1)。
【0031】
この白色評価処理は、RGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一として各画素(サブ画素)からの発光スペクトル特性を予測し、その色光特性から白色を計算することで実現できる。このようにシミュレーションによって白色の評価をすることで、試作などを行った場合よりも簡便に且つ迅速に所望の評価をすることができる。
次いで、ステップS1での白色の評価結果に基づきながら、RGBCの各画素(サブ画素)の開口面積を変化させて、その変化後のRGBCの各画素(サブ画素)の合成光が所望の白色となるときの該RGBCの画素それぞれの開口面積(A1,A2,A3,A4)を求める白色調整処理を行う(ステップS2)。
【0032】
このステップS2での開口面積の求めでは、各画素(サブ画素)について開口面積を変化させたときの組み合わせを用意し、その用意した組み合わせの全てについて白色(合成光)を計算する。その計算結果において所望の白色に最も近い組み合わせを選ぶことで、所望の白色となるRGBCの画素それぞれの面積を求めることができる。
次いで、ステップS2で求められたRGBCの各画素(サブ画素)の開口面積(A1,A2,A3,A4)において2つの面積の小さい画素Aa,Abを選択する選択処理を行う(ステップS3)。
【0033】
図3は、ステップS3において、開口面積(A1,A2,A3,A4)の各画素(サブ画素)から2つの面積の小さい画素Aa,Abを選択するときの候補を示すものである。すなわち図3は各画素(サブ画素)の開口面積の大小関係についての組み合わせとして考えられる候補を7つ示したものである。図3において下線で示した画素を開口面積の小さい画素として選択するものとする。また、同一の開口面積が複数ある場合などは、いずれかを選択すればよい。そして、選択された結果が2つの開口面積の小さい画素Aa,Abとなる。
最後に、ステップS3で選択された開口面積の小さい2つの画素(Aa,Ab)を離して、すなわち画素Aaと画素Abとが隣り合わないように配置する配置処理を行う(ステップS4)。
【0034】
ステップS4により、画素Aaと画素Abとの間に、他の画素(画素Aaおよび画素Ab以外の画素)が配置されることとなる。
これらにより、図1に示す表示装置1の設計において、開口面積の異なる(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の配置が決定する。したがって、本実施形態の画素配置方法によれば、高精度に白色を表示でき、且つ、縦方向の黒い筋が認識されることも回避できて、高画質のカラー画像を表示できる表示装置1を設計・製造することができる。
また、上記実施形態の画素配置方法では、コンピュータなどを用いたシミュレーションによって画素の配置を算出する例を示したが、実際に各状態の表示装置を試作してその表示装置毎に色光特性を測定することで、図2に示すように画素の配置を決定することも可能である。
【0035】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。すなわち図4は本実施形態の表示装置2における画素の平面配置を示している。表示装置2は、第1実施形態の表示装置1と同様に、4色を合成してカラー表示をするものである。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものである。ただし、本実施形態の表示装置2では、4色の画素のうちで2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを選択して、その輝度の小さい画素Ya,Yb同士を離して配置している点などが、第1実施形態の表示装置1と異なっている。
【0036】
具体的には表示装置2は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素20として、その一組の画素20を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置2は、一組の画素20が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については同一色の画素が連なるように直線上に複数配置されているストライプ型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス21が配置されている。
【0037】
さらに、表示装置2では、一組の画素20をなすRGBCの4つの画素(サブ画素)全てを表示(発光)させると、所望の白色となるように、その4つの画素(サブ画素)それぞれの面積(開口面積)が設定されている。ここで、所望の白色とは、例えば色度特性における黒体軌跡上に設定された色とする。図4においては、(B)の画素と(G)の画素と(R)の画素とをほぼ同一の開口面積として、これらの画素に比べて(C)の開口面積を小さくしている。このようにRGBCの4つの画素(サブ画素)の開口面積が設定されているので、一組の画素20は所望の白色を表示でき、表示装置2全体としても所望の白色を表示できる。なお、上記開口面積の大小関係は一例であり、一組の画素20として所望の白色が表示できる大小関係であればよい。
【0038】
このように開口面積を設定された(B),(G),(C),(R)各画素(サブ画素)の輝度Y1,Y2,Y3,Y4について比較すると、(C)の開口面積が他の画素と比べて小さいので、(C)の輝度Y3が一番小さいものとなる。(B)、(G)および(R)の各画素(サブ画素)の開口面積はほぼ同一であるが、(B)は色としての輝度が小さいので、(B)の輝度Y1が2番目に輝度が小さいものとなる。そして、4色の画素のうちで2つの輝度の小さい画素Ya,Ybとして、(B)および(C)の画素を選択して、その輝度の小さい画素Ya,Ybを離して配置している。すなわち、輝度の小さい画素Ya,Yb同士が隣り合わないように配置している。2つの輝度の小さい画素Ya,Yb以外の画素、すなわち(G)と(R)との輝度の大小関係は特に考慮しなくてもよい。したがって(G)および(R)の画素の配置は、上記条件を前提として、どこに配置してもよいとする。
ここで、2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを離して配置する理由は、輝度の小さい画素を接近させない配置とすることにより、表示装置2において縦方向に黒い筋が現れることを軽減するためである。
【0039】
これらにより、本実施形態の表示装置2は、ブラックマトリックス21が作るパターンを考慮するとともに、一組の画素20における各画素(サブ画素)の輝度Y1,Y2,Y3,Y4についても考慮してその各画素(サブ画素)を配置しているので、画質決定要因の一つである縦の黒い筋を軽減することができる。したがって、本実施形態の表示装置2は、4色を用いて再現できる色の範囲を拡大化し、且つ、各画素(サブ画素)の面積を不均一として所望の白色を高精度に表示でき、さらに、黒い筋が認識されない高画質の画像を表示することができる。一般に、縦の黒い筋は解像度の小さい表示装置ほど観察者にとって大きく認識され易いので、上記黒い筋を軽減する効果は解像度が低い表示装置2ほど顕著となる。
【0040】
(第2実施形態の画素配置方法)
図5は、本発明の第2実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。すなわち、図5は、図4に示す表示装置2を設計するときに用いられる手順を示すフローチャートである。したがって、本フローチャートは、一組の画素20における(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の開口面積を変化させた(異なる面積とした)ときに、その各画素(サブ画素)の配置を決定する手順を示している。
先ず、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の開口面積を同一の面積として、その状態での4つの画素(サブ画素)の合成光について白色の評価をする白色評価処理を行う(ステップS11)。
【0041】
この白色の評価は、上記第1実施形態のステップS1の具体的手法と同様にして実行することができる。
次いで、ステップS11での白色の評価結果に基づきながら、RGBCの各画素(サブ画素)の開口面積を変化させて、その変化後のRGBCの各画素(サブ画素)の合成光が所望の白色となるときの該RGBCの画素それぞれの開口面積(A1,A2,A3,A4)を求める白色調整処理を行う(ステップS12)。
このステップS12は、上記第1実施形態のステップS2の具体的手法と同様にして実行することができる。
【0042】
次いで、ステップS12で求められた開口面積を反映させた4つの画素(サブ画素)それぞれの輝度Y1,Y2,Y3,Y4を求める(ステップS13)。
ステップS13での輝度の求めは積分演算などの計算によって実行することができる。
次いで、ステップS3で求められた4つの画素(サブ画素)における輝度の小さい2つの画素(Ya,Yb)を選択する選択処理を行う(ステップS14)。
【0043】
図6は、ステップS14において、4つの画素(サブ画素)それぞれの輝度Y1,Y2,Y3,Y4から2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを選択するときの候補を示すものである。すなわち図6は各画素(サブ画素)の輝度の大小関係についての組み合わせとして考えられる候補を7つ示したものである。図6において下線で示した輝度を小さい輝度として選択するものとする。また、同一の輝度が複数ある場合などは、いずれかを選択すればよい。そして、選択された結果が2つの輝度の小さい画素Ya,Ybとなる。
【0044】
最後に、ステップS14で選択された2つの輝度の小さい画素Ya,Ybを離してすなわち画素Yaと画素Ybとが隣り合わないように配置する配置処理を行う(ステップS15)。
ステップS15により、画素Yaと画素Ybとの間に、他の画素(画素Yaおよび画素Yb以外の画素)が配置されることとなる。
【0045】
これらにより、図4に示す表示装置2の設計において、開口面積の異なる(R),(G),(B),(C)の各画素(サブ画素)の配置が、その各画素(サブ画素)の輝度を考慮して決定される。したがって、本実施形態の画素配置方法によれば、高精度に白色を表示でき、且つ、縦方向の黒い筋が認識されることも回避できて、高画質のカラー画像を表示できる表示装置1を設計・製造することができる。
また、上記実施形態の画素配置方法では、コンピュータなどを用いたシミュレーションによって画素の配置を算出する例を示したが、実際に各状態の表示装置を試作してその表示装置毎に色光特性を測定することで、図5に示すように画素の配置を決定することも可能である。
【0046】
(応用例)
図7は、上記第1実施形態に係る表示装置の応用例を示す平面図である。第1実施形態の表示装置1は縦方向に同じ色の画素が並ぶストライプ型の表示装置であるが、本応用例の表示装置3は縦方向において同じ色の画素をシフトして配置するモザイク型の表示装置としている。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものである。
【0047】
すなわち、図7に示す表示装置3は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素30として、その一組の画素30を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置3では、一組の画素30が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については1ライン下がると1色分だけ右にシフトする画素配置であるモザイク型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス31が配置されている。
【0048】
表示装置3において、一組の画素30をなすRGBCの各画素(サブ画素)は、図1に示す表示装置1における一組の画素10の各画素(サブ画素)と同様に、開口面積の小さい画素Aaと画素Abとを離して(隣り合わないように)配置している。
【0049】
この応用例によれば、モザイク型の表示装置において画質決定要因の一つである縦の黒い筋が認識されることを軽減でき、高画質の表示装置を実現することができる。すなわち元々モザイク型の表示装置はストライプ型の表示装置よりも縦方向の筋パターンが目立ちにくいが、本応用例の表示装置3は従来のモザイク型の表示装置よりもさらに高画質なカラー画像を表示することができる。
【0050】
図8は、上記第1実施形態に係る表示装置の他の応用例を示す平面図である。本応用例の表示装置4は、図7に示す表示装置3と同様に、第1実施形態に係る表示装置をモザイク型の表示装置に適用した例である。ただし、本応用例の表示装置4は、縦方向については1ライン下がると2色分だけ右にシフトする画素配置となっている点が、表示装置3と異なる。後述する(R),(G),(B),(C)の4色の色は第1実施形態と同様に適用できるものであり、表示装置4についてのその他の構成および効果は、表示装置3と同様である。
【0051】
具体的には、図8に示す表示装置4は、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)を一組の画素40として、その一組の画素40を縦横に複数規則的に配置している。そして、表示装置4では、一組の画素40が、横方向の直線上に複数配置されているとともに、縦方向については1ライン下がると2色分だけ右にシフトする画素配置であるモザイク型の表示装置となっている。また、(R),(G),(B),(C)の4つの画素(サブ画素)の周囲には、遮光部をなすブラックマトリックス41が配置されている。
【0052】
表示装置4において、一組の画素40をなすRGBCの各画素(サブ画素)は、図1に示す表示装置1における一組の画素10の各画素(サブ画素)と同様に、開口面積の小さい画素Aaと画素Abとを離して(隣り合わないように)配置している。
この応用例によれば、モザイク型の表示装置において画質決定要因の一つである縦の黒い筋が認識されることを軽減でき、高画質の表示装置を実現することができる。すなわち元々モザイク型の表示装置はストライプ型の表示装置よりも縦方向の筋パターンが目立ちにくいが、本応用例の表示装置4は従来のモザイク型の表示装置よりもさらに高画質なカラー画像を表示することができる。
【0053】
(本発明の効果について)
次に、本発明が適用されていない表示装置の例を挙げて、本発明の実施形態に係る表示装置の効果について、説明する。
図9は、赤(R),緑(G),青(B)を3原色とする表示装置5の主要部を示す平面図である。表示装置5は、本発明が適用されていない表示装置であって、ストライプ型の表示装置である。赤(R),緑(G),青(B)の3つの画素を一組の画素50としている。3つの画素R,G,Bの周囲にはブラックマトリックス(遮光部)51が配置されている。
【0054】
図10は、表示装置5の3つの画素R,G,Bそれぞれの発光スペクトル特性を示す図である。図10において、横軸が波長、縦軸が最大値を100とする相対輝度を示している。図11は、表示装置5(例えばLCD)が表示できる色度特性を示す色度図である。図11における三角形の内側が表示装置5で表示できる色、すなわち画素R,G,Bの3原色による色度特性を示している。また、図11の三角形の内側に存在する曲線は、黒体軌跡を示している。
【0055】
表示装置5では、図9に示すように、各画素R,G,Bの開口面積を等しくしている。そして、表示装置5が表示する「白」色は、図11の色度特性における黒体軌跡の上方の点110となる。一般的に、所望の白色は黒体軌跡上に設定されることが多いことから、表示装置5の白色は所望の白色よりも緑味を帯びた白であるといえる。なお、色度図では上にいくほど緑色になる。
【0056】
図12は、赤(R),緑(G),青(B)を3原色とする表示装置6の主要部を示す平面図である。表示装置5は、本発明が適用されていない表示装置であって、ストライプ型の表示装置である。ただし、表示装置6は、3原色の各画素R,G,Bの開口面積が均一でない点が、表示装置5と異なっている。
具体的には、表示装置6は、3つの画素R,G,Bを一組の画素60としているが、画素Gの開口面積が画素R,Bの開口面積よりも小さくなっている。3つの画素R,G,Bの周囲にはブラックマトリックス61が配置されている。
【0057】
図13は、表示装置6の3つの画素R,G,Bそれぞれの発光スペクトル特性を示す図であり、横軸が波長、縦軸が最大値を100とする相対輝度を示している。図14は、表示装置6(例えばLCD)が表示できる色度特性を示す色度図である。図14における三角形の内側が表示装置6で表示できる色、すなわち画素R,G,Bの3原色による色度特性を示している。また、図14の三角形の内側に存在する曲線は、黒体軌跡を示している。
【0058】
表示装置6の画素Gが他の色の画素よりも開口面積を小さくされているので、図13における緑(G)のピークが図10における緑(G)のピークよりも低くなっている。その結果、図14に示されているように、表示装置6が表示する白色は、緑味がとれ、黒体軌跡上にプロットされた点140となる。このようにして、表示装置6は、3原色の画素R,G,Bの開口面積を不均一とすることにより、所望の白を表示可能としている。
【0059】
次に、上記表示装置6の技術(画素R,G,Bの開口面積を不均一とする技術)を単に4原色表示装置に適用したときの問題点について、説明する。この問題点は、画素の配置において現れる。
図15は、3原色表示装置である図12に示す表示装置6について、画素の配置を変更した構成を示す図である。そして、図15(a)は表示装置6の平面図であり、図15(b)は表示装置6の画素配置を変更してなる表示装置7の平面図である。
【0060】
表示装置6では、一組の画素60が左からB,G,Rの順に配置されている。一方、表示装置7においては、一組の画素70が左からB,R,Gの順に配置されている。すなわち、表示装置7は、表示装置6における画素Gと画素Rとの位置を入れ換えたものである。表示装置6,7のいずれも、画素Gの開口面積が他の色の画素と比べて小さい。このように画素Gの開口面積が小さいため、画素G近傍のブラックマトリックス61,71の幅が広くなり、黒い縦帯が画素Gの近傍で太く認識される。
【0061】
ここで、表示装置6と表示装置7とで、画素Gの縦帯(即ち太い黒筋)61a,61b,71a,71bについて、注目する。すると、表示装置6と表示装置7とで画素G,Rの配置を変更しているにもかかわらず、画素Gの縦帯61a,61b,71a,71bが2個の画素おきに出現し、両装置でその縦帯の間隔が等しくなっている。このことは一般に、表示装置6,7以外の3原色表示装置の画素配置についても、同様なこととなるものである。つまり、3原色表示装置においては、どのような順序で画素を配置し、かつ、開口面積を非均一にしても、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に変化が生じない。これは、3原色のストライプ型の表示装置における画素配置の周期性と左右対称性によるものである。
【0062】
図16は4色表示装置を示す平面図である。そして、図16(a)に示す表示装置8と図16(b)に示す表示装置9とでは画素の配置が異なる構成としている。すなわち、図16は、4色の各画素の開口面積を非均一にして、さらに、各画素の配置を変更することにより、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に変化が生じ、これにより画質が悪くなる場合が生じることを示している。
【0063】
具体的には、表示装置8では一組の画素80をなす4つの画素が左から(B),(G),(R),(C)の順序で配置され、表示装置9では一組の画素90をなす4つの画素が左から(B),(G),(C),(R)の順序で配置されている。したがって、表示装置9は、表示装置8の画素Rと画素Cとの位置を入れ換えた構成となっている。表示装置8,9のいずれも、画素Gと画素Rの開口面積が他の色の画素と比べて小さい。つまり、画素Gの近傍と画素Rの近傍とで、ブラックマトリックス81,91の幅が広くなり、黒い縦帯81a,81b,81c,81d,91a,91b,91c,91dが太くなっている。
【0064】
ここで、表示装置8と表示装置9とで、黒い縦帯81a,81b,81c,81d,91a,91b,91c,91dの出現間隔について注目する。すると、表示装置8では、左側から見て、黒い縦帯81a,81bが2本連続して出現したあと、2個の画素C,Bをおいて、再び黒い縦帯81c,81dが出現する。一方、表示装置9では、左側から見て、黒い縦帯91a,91b,91c,91dが1個の画素おきに出現する。つまり、表示装置8と表示装置9とで、画素とブラックマトリックスのつくるパターン(太い縦帯の間隔)に相違が生じている。これは、4色のストライプ型の表示装置における画素配置に、独立な配置(その装置固有の配置)が存在することに起因する。表示装置8における画素配置B・G・R・Cと表示装置9における画素配置B・G・C・Rとは、周期性および左右対称性を考慮しても独立な配置である。
【0065】
表示装置8,9のように、画素とブラックマトリックスとが作るパターン(黒い縦帯の間隔)が異なると、画質に影響を与える。例えば、表示装置8のように黒い縦帯91a,91bが接近する場合は、表示装置9のように接近しない場合に比べて、縦に黒い筋が入っているように知覚される可能性が高い。このため、より高画質の表示装置を実現するためには、画素とブラックマトリックスとが作るパターンについて十分に考慮する必要がある。
【0066】
一方、図1,図4,図7,図8に示す本発明の実施形態に係る表示装置1,2,3,4では、画素とブラックマトリックスとが作るパターンについて十分に考慮されており、4色の画素における開口面積が小さい2つ、又は輝度の小さい2つを、離して配置しているので、縦の黒筋が認識されることを軽減された高画質の表示装置を実現することができる。
【0067】
以上説明した、各実施形態の4色の着色領域は、液晶表示装置の場合、サブ画素に透過領域と反射領域を備えた場合、透過領域及び反射領域も適用することができるものである。透過領域及び反射領域の各4色の着色領域は、第1実施形態で述べた色と同様に適用される。
【0068】
また、4色の着色領域の構成の例としては、色相が、赤、青、緑、シアン(青緑)の着色領域の他に、色相が、赤、青、緑、黄の着色領域や、色相が、赤、青、深緑、黄の着色領域、色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄緑の着色領域、色相が、赤、青、エメラルドグリーン、黄の着色領域、色相が、赤、青、深緑、黄緑の着色領域、色相が、赤、青緑、深緑、黄緑の着色領域等の組み合わせがある。
また、液晶装置のバックライトとして、赤、緑、青の光源としてLED、蛍光管、有機ELを用いても良い。または白色光源を用いていも良い。なお、白色光源は青の発光体とYAG蛍光体により生成される白色光源でもよい。赤、緑、青光源としては、青は発光する光の波長のピークが435nm−485nmにあるもの、緑は、発光する光の波長のピークが520nm−545nmにあるもの、赤は発光する光の波長のピークが610nm−650nmにあるものが好ましい。そして、赤、緑、青の光源の波長によって、上記表示画素を適切に選定すれば、白色ならびにより広範囲の色再現性を得ることができる。
また、赤、緑、青の光源の他に、発光する光の波長が例えば、450nmと565nmにピークがくるような、複数のピークを持つ光源を用いていも良い。
【0069】
(電子機器)
次に、上記実施形態の表示装置を構成要素とする電子機器について説明する。
図17(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図17(a)において、符号600は携帯電話本体を示し、符号601は上記実施形態の表示装置からなる表示部を示している。図17(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図17(b)において、符号700は情報処理装置、符号701はキーボードなどの入力部、符号702は上記実施形態の表示装置からなる表
示部、符号703は情報処理装置本体を示している。図17(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図17(c)において、符号800は時計本体を示し、符号801は上記実施形態の表示装置からなる表示部を示している。
図17に示す電子機器は、上記実施形態の表示装置を備えているので、高画質なカラー画像を表示することができる。
【0070】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
【0071】
本発明に係る表示装置および画素配置方法は、液晶表示装置(LCD)におけるカラーフィルタ、有機EL表示装置におけるカラーフィルタ又は発色層、プラズマ表示装置(PDP)における蛍光体、ブラウン管表示装置(CRT)における蛍光体などに適用することができる。また、本発明に係る表示装置および画素配置方法は、4色のドット(画素)でカラーを形成する全ての表示装置に適用することができる。
また、本発明において、所望の白色を表示するように4つの画素(サブ画素)の面積をそれぞれ設定する手法は、各画素についてのカラーフィルタの透過特性、又はバックライトの発光特性を直接変更する手法に、置き換えてもよい。
【0072】
また、図2又は図5に示す本発明の実施形態に係る画素配置方法は、プログラムとそのプログラムを実行するコンピュータとで実現することができる。すなわち、図2又は図5に示す手順をプログラムで規定し、そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明に係る画素配置方法を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSおよび周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0073】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0074】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。
【図3】同上の画素配置方法で面積の小さい2つの画素の選択法を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る画素配置方法を示すフローチャートである。
【図6】同上の画素配置方法で輝度の小さい2つの画素の選択法を示す図である。
【図7】本発明の応用例に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図8】本発明の他の応用例に係る表示装置の主要部を示す平面図である。
【図9】3原色を用いた表示装置の例を示す平面図である。
【図10】同上の表示装置の発光スペクトル特性を示す図である。
【図11】同上の表示装置の色度特性を示す色度図である。
【図12】3原色を用いた表示装置の他の例を示す平面図である。
【図13】同上の表示装置の発光スペクトル特性を示す図である。
【図14】同上の表示装置の色度特性を示す色度図である。
【図15】3原色表示装置について画素の配置を変更した構成を示す図である。
【図16】4原色表示装置について画素の配置を変更した構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る電子機器を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1,2,3,4,5,6,7,8,9…表示装置、10,20,30,40,50,60,70,80,90…一組の画素、11,21,31,41,51,61,71,81,91…ブラックマトリックス、11a,11b…太い黒帯、A1,A2,A3,A4…開口面積、Aa,Ab…面積の小さい画素、B,G,C,R…画素、Ya,Yb…輝度の小さい画素
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、
前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、
前記4つのサブ画素は少なくとも2以上の異なる面積のサブ画素を備え、
前記4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、
前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、
前記4つのサブ画素は、少なくとも2以上の異なる輝度のサブ画素を備え、
前記4つのサブ画素における輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記4つのサブ画素は、前記画素内の一方向に直線上に配置されており、
前記複数の画素は、前記一方向に交差する方向において同一の色相のサブ画素が連なるように、直線上に複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の画素は、一方向の直線上に複数配置されているとともに、当該一方向に交差する方向については隣接する画素間で少なくとも1つのサブ画素分だけシフトして複数配置されているモザイク型の表示装置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置のうちのいずれかをなすことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、
前記4つのサブ画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つのサブ画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める工程と、
前記求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択し、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする画素配置方法。
【請求項8】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、
前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択し、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする画素配置方法。
【請求項9】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画素配置方法。
【請求項10】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する白色評価処理と、
前記4つの画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つの画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める白色調整処理と、
前記白色調整処理で求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と、
前記選択処理で選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画素配置プログラム。
【請求項11】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、
前記4つのサブ着色領域の画素の面積を同一として該4つのサブ画素を発光させたときの色を評価する白色評価処理と、
前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と、
前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする画素配置プログラム。
【請求項12】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項10又は11に記載の画素配置プログラム。
【請求項1】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、
前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、
前記4つのサブ画素は少なくとも2以上の異なる面積のサブ画素を備え、
前記4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素と、
前記第1、第2、第3及び第4サブ画素を含み、縦横に規則的に配置された複数の画素とを備え、
前記4つのサブ画素は、少なくとも2以上の異なる輝度のサブ画素を備え、
前記4つのサブ画素における輝度の小さい2つの画素が隣り合わないように配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記4つのサブ画素は、前記画素内の一方向に直線上に配置されており、
前記複数の画素は、前記一方向に交差する方向において同一の色相のサブ画素が連なるように、直線上に複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の画素は、一方向の直線上に複数配置されているとともに、当該一方向に交差する方向については隣接する画素間で少なくとも1つのサブ画素分だけシフトして複数配置されているモザイク型の表示装置であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、ブラウン管表示装置のうちのいずれかをなすことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、
前記4つのサブ画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つのサブ画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める工程と、
前記求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択し、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする画素配置方法。
【請求項8】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いてカラー表示する表示装置の画素配置方法であって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する工程と、
前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択し、前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する工程と、を備えることを特徴とする画素配置方法。
【請求項9】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画素配置方法。
【請求項10】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、
前記4つのサブ画素の面積を同一として該4つのサブ画素を表示させたときの色を評価する白色評価処理と、
前記4つの画素それぞれの面積を変化させ、該変化させた4つの画素を表示させたときに所望の白色となる該4つのサブ画素それぞれの面積を求める白色調整処理と、
前記白色調整処理で求められた面積の4つのサブ画素における面積の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と、
前記選択処理で選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする画素配置プログラム。
【請求項11】
波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青系の色相の着色領域からなる第1サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、赤系の色相の着色領域からなる第2サブ画素と、波長に応じて色相が変化する可視光領域のうち、青から黄までの色相の中で選択された2種の色相の着色領域からなる第3及び第4サブ画素とを一組として用いて、カラー表示する表示装置の製造に用いられるコンピュータに実行される画素配置プログラムであって、
前記4つのサブ着色領域の画素の面積を同一として該4つのサブ画素を発光させたときの色を評価する白色評価処理と、
前記4つのサブ画素それぞれの輝度を求め、該4つのサブ画素における輝度の小さい2つのサブ画素を選択する選択処理と、
前記選択された2つのサブ画素が隣り合わないように配置する配置処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする画素配置プログラム。
【請求項12】
前記第1サブ画素は、該第1サブ画素を透過した光の波長のピークが415−500nmであり、前記第2サブ画素は、該第2サブ画素を透過した光の波長のピークが600nm以上であり、
前記第3サブ画素は、該第3サブ画素を透過した光の波長のピークが485−535nmであり、前記第4サブ画素は、該第4サブ画素を透過した光の波長のピークが500−590nmであることを特徴とする請求項10又は11に記載の画素配置プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−140456(P2007−140456A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−123391(P2006−123391)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]