説明

表示装置および表示パネルの駆動装置

【課題】詳細な時刻を表示部に表示させる場合に機器の制御部の負荷を増大させない表示装置および表示パネルの駆動装置を提供する。
【解決手段】ドライバIC12は、時刻を示す時刻情報を入力するとともに、水晶発振器31からのクロック信号にもとづいて時刻情報を更新して時刻情報を出力する時刻制御回路と、時刻制御回路から入力した時刻情報にもとづく駆動信号を作成する時計用電圧選択回路と、表示部11に形成される時刻表示ウィンドウ13に時刻情報を表示するときに、映像信号にもとづく駆動信号に代えて、時計用電圧選択回路が生成した駆動信号で、時刻表示ウィンドウ13を駆動するための切替回路とを内蔵する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルや有機ELパネルなどの表示パネルを駆動する駆動装置、および駆動装置を備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子時計にもとづく時刻情報を送信する送信局から時刻情報を受信する電波時計機能を備えた携帯電話機等の携帯端末が提案されている(例えば、特許文献1参照。)そのような携帯端末は、表示部に正確な時刻を表示することができる。そして、表示部に、電波時計機能にもとづく時刻を表示させる場合には、一般に、携帯端末に搭載されているMPU(Micro Processing Unit)が、送信局から適宜受信した時刻情報にもとづく時刻を管理し、管理している時刻を、例えば秒単位で表示部に表示させる制御を行う。
【0003】
【特許文献1】特開2004−15713号公報(段落0022−0022、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、携帯端末において時・分・秒までの詳細な時刻を表示させようとすると、MPUの時刻管理に要する負荷が重くなる。携帯端末に搭載されているMPUは、携帯端末が備える機能を実現するための能力を有し、かつ、コスト増を防止するために能力が過剰にならないように選定される。よって、時刻管理に要する負荷が重くなると、その分、携帯端末が備える機能を豊富にすることに制約が出る。
【0005】
そこで、本発明は、詳細な時刻を表示部に表示させる場合に機器の制御部の負荷を増大させない表示装置および表示パネルの駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による表示装置は、映像信号出力部(例えば、MPU)から出力される映像信号にもとづく駆動信号によって駆動されることによって表示部に表示を行い、駆動信号を出力する駆動回路を備えた表示装置であって、駆動回路は、時刻を示す時刻情報を受信するとともに、クロック信号にもとづいて時刻情報を更新して時刻情報を出力する時刻管理回路(例えば、時刻制御回路122)と、時刻管理回路から受信した時刻情報にもとづく駆動信号を作成する時刻情報駆動信号生成回路(例えば、時計用電圧選択回路128で実現される。)と、表示部に形成される時刻表示部(例えば、時刻表示ウィンドウ13)に時刻情報を表示するときに、映像信号にもとづく駆動信号に代えて、時刻情報駆動信号生成回路が生成した駆動信号で、時刻表示部を駆動する駆動信号切替回路(例えば、スイッチ制御回路130およびスイッチ127,129で実現される。)とを含むことを特徴とする。
【0007】
表示装置は、映像信号出力部から配線ケーブル(例えば、フレキシブル基板30)を介して映像信号を受信し、配線ケーブルに、クロック信号を発生する水晶発振器が搭載されていることが好ましい。そのような構成によれば、時刻情報更新のために用いる水晶発振器を駆動回路の近傍に設置でき、駆動回路との間の配線が容易である。
【0008】
原子時計にもとづく時刻情報を送信する送信局から時刻情報を受信する電波時計ICが配線ケーブルに搭載され、時刻管理回路は、電波時計ICから時刻情報を得るように構成されていてもよい。
【0009】
本発明による表示パネルの駆動装置は、映像信号出力部から出力される映像信号にもとづく駆動信号によって駆動されることによって表示部に表示を行う表示パネルに、駆動信号を出力する表示パネルの駆動装置であって、時刻を示す時刻情報を受信するとともに、クロック信号にもとづいて時刻情報を更新して時刻情報を出力する時刻管理回路と、時刻管理回路から受信した時刻情報にもとづく駆動信号を作成する時刻情報駆動信号生成回路と、表示部に形成される時刻表示部に時刻情報を表示するときに、映像信号にもとづく駆動信号に代えて、時刻情報駆動信号生成回路が生成した駆動信号で、時刻表示部を駆動する駆動信号切替回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、表示装置の側で時刻を管理することができるので、詳細な時刻を表示部に表示させる場合でも機器の制御部の負荷を増大させないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明による表示装置の第1の実施の形態を、表示装置に表示データを供給する制御を行うMPUおよび表示装置に表示データを伝達するフレキシブル基板(フレキシブルケーブル)とともに示すブロック図である。なお、ここでは、表示装置として、TFT(Thin Film Transistor )が組み込まれ、ソース配線とゲート配線とが交差するように形成され線順次駆動されるTFT型液晶表示装置を使用する場合を例にする。また、MPUが組み込まれる機器として携帯電話機等の携帯機器を想定する。また、本実施の形態では、表示パネルとフレキシブル基板とを含む部分を表示装置と捉える。
【0013】
図1に示すように、表示パネル11の表示部には、時刻表示ウィンドウ13の領域が割り当てられている。時刻表示ウィンドウ13には、時・分・秒が、それぞれ2桁で表示される。また、表示パネルには、ソースドライバ、ゲートドライバおよび電源回路を含む駆動回路(駆動装置)としてのドライバIC12が搭載されている。後述するように、ドライバIC12には、電波時計機能を実現するための回路も搭載されている。
【0014】
MPU40は、表示データを含む画像信号をフレキシブル基板30を介して表示パネル11に出力する制御を行う表示制御部41を含む。なお、表示制御部41は、主としてプロセッサに従って処理を実行する中央演算部で実現される。また、画像信号の形式として、非同期に表示データを出力する形式であるいわゆるMPUインタフェース、同期信号としてVSYNC(垂直同期信号)を含むいわゆるVSYNCインタフェース、同期信号としてVSYNCおよびHSYNC(水平同期信号)を含むいわゆるRBGインタフェース、その他いずれのインタフェースを用いてもよい。
【0015】
また、MPU40は、携帯機器においてMPU40の外部に備えられている電波時計IC51から、時・分・秒等の情報を含むタイムコード信号を受信して、時・分・秒の情報を含む時刻情報信号をフレキシブル基板30を介して表示パネル10に出力するデコード部42を含む。デコード部42は、主としてプロセッサに従って処理を実行する中央演算部で実現される。また、電波時計IC51は、アンテナ部52を介して、原子時計にもとづく時刻情報を送信する送信局から時刻情報を受信する。
【0016】
フレキシブル基板30には、水晶発振器31が搭載されている。水晶発振器31は、表示パネル10に実装されているドライバIC12に入力される。
【0017】
図2(A)は、時刻表示ウィンドウ13の構成例を示す説明図である。時刻表示ウィンドウ13には、エリア1〜エリア8が設けられている。エリア1,2は時の表示を行う領域であり、エリア4,5は分の表示を行う領域であり、エリア7,8は秒の表示を行う領域である。また、エリア1,2とエリア4,5との間に時と分の境を示すエリア3が設けられ、エリア4,5とエリア7,8との間に分と秒の境を示すエリア6が設けられている。
【0018】
エリア1,2,4,5,7,8には、a〜gの表示領域(以下、セグメントという。)がある。エリア3,6には、a,bのセグメントがある。各セグメントでは、例えば点灯時に黒表示が行われる。
【0019】
図2(B)は、エリアの一部を拡大して示す説明図である。図2(B)には、エリア1、エリア2およびエリア8の一部が示されている。図2(B)において、c4〜c11は、表示パネル10(具体的には、表示部11)における走査電極としての各ゲート電極(ゲート配線)に相当する行を示し、r13〜r66は、データ電極としての各ソース電極(ソース配線)に相当する列を示す。また、矩形は画素を示し、斜線部分はノーマリホワイトでの点灯画素を示す。以下、c4〜c11における数字を行アドレスといい、r13〜r66における数字を列アドレスという。
【0020】
図3は、エリアおよびセグメントと、行アドレスおよび列アドレスとの対応関係を示す説明図である。図3には、エリア1の場合の一部が示されている。例えば、セグメントaは、行アドレス「5」で示される行と列アドレス「15」〜「18」で示される列との交点の画素で形成されることを示す。図3に例示された対応関係を示すデータは、例えばドライバIC12に内蔵されたROMまたはレジスタ(RAM)にあらかじめ格納される。
【0021】
なお、ROMに代えて、書き換え可能な不揮発性のメモリ素子を用いてもよい。書き換え可能なメモリ素子を用いる場合には、容易にエリアのサイズや位置を変えることができる。また、メモリ素子を用いず、対応関係をハードウェアで固定的に実現するようにしてもよい。
【0022】
図4は、ドライバIC12に内蔵された電波時計機能を実現するための回路の一部を水晶発振器31とともに示すブロック図である。ここでは、水晶発振器31の発振周波数は20MHzであるとする。分周回路121は、20MHzのクロック信号の周波数を1/40000して、50Hzのクロック信号を出力する。このように、高精度の水晶発振器31を使用し、かつ、時刻制御回路122は、水晶発振器31が発振するクロック信号を分周して用いることになるので、高精度のクロック信号を用いつつ、計数機能を実現する際の処理負担はさほど高くならない。
【0023】
時刻制御回路122は、MPU40から時刻情報信号を受信すると、内部で記憶する時刻を示すデータを、時刻情報信号が示すデータに設定する。なお、MPU40は、例えば、1日に1回とか数時間に1回の周期で時刻情報信号を出力する。また、時刻制御回路122は、分周回路121から50クロックが入力されると、時刻を示すデータを更新する。すなわち、1秒分増やす。
【0024】
さらに、時刻制御回路122は、例えば時刻を示すデータを更新したときに、時刻を示すデータに応じて、エリア選択信号およびセグメント選択信号を作成して出力する。エリア選択信号は8つの信号(エリア1選択信号〜エリア8選択信号)で構成され、それぞれが、エリア1〜エリア8のそれぞれに対応する。セグメント選択信号は7つの信号(a選択信号〜g選択信号)で構成され、それぞれが、セグメントa〜セグメントgに対応する。
【0025】
なお、セグメント選択信号を各エリア1〜8のそれぞれに対応して出力されるようにしてもよいが、以下の説明では、セグメント選択信号は、各エリア1〜8のそれぞれについて共用されるとする。
【0026】
図5は、エリア1についての選択制御信号(1−a選択信号〜1−g選択信号)の出力回路例を示す回路図である。なお、選択制御信号とは、そのエリアのセグメントa〜セグメントgを点灯させるか否かを示す信号である。選択制御信号のうち、1−a選択信号とは、エリア1のセグメントaを点灯させるか否かを示す信号である。1−b選択信号〜1−g選択信号は、セグメントb〜セグメントgを点灯させるか否かを示す信号である。
【0027】
図5には、エリア1についての出力回路が示されているが、エリア2〜8についての出力回路も、図5に示された構成と同様に構成される。ただし、エリア3については、3−a選択信号および3−b選択信号しか出力されず、エリア6については、6−a選択信号および6−b選択信号しか出力されない。
【0028】
時刻制御回路122は、所定のタイミングで、エリア1選択信号〜エリア8選択信号を順次出力する。また、エリア1選択信号〜エリア8選択信号の出力に同期して、エリア1〜8についてのセグメント選択信号を出力する。例えば、エリア1に「1」を表示させる場合には、エリア1選択信号を出力し、セグメント選択信号のうちe選択信号およびf選択信号をオン状態にする(図2参照)。
【0029】
図5に示す例では、時刻制御回路122から出力されたセグメント選択信号は、論理積回路123a〜123gによって、エリア1選択信号がオン状態であるときに、エリア1についての選択制御信号として出力される。また、図5には示されていないが、時刻制御回路122から出力されたセグメント選択信号は、各エリアについての8つの論理積回路(エリア3,6については2つの論理積回路)によって、エリア2選択信号〜エリア8選択信号がオン状態であるときに、エリア2〜8のそれぞれについての選択制御信号として出力される。
【0030】
図6は、ドライバIC12に内蔵された電波時計機能を実現するための回路の他の部分を画像メモリ125および表示用電圧発生回路126とともに示すブロック図である。画像メモリ125には、MPU40から出力された画像データが格納される。また、表示用電圧発生回路126は、ソースドライバに相当するものであるが、シリアル−パラレル変換器およびγ補正を行うγ補正回路を含む。なお、図6における画像メモリ125内に示されている数値は、エリア1のセグメントaの行アドレスおよび列アドレスである。つまり、図6において、画像メモリ125内のエリア1のセグメントaのデータ格納部分が明示されている。
【0031】
時計用電圧発生回路128には、各エリアについてのエリア選択信号とセグメント選択信号が入力される。すなわち、エリア1〜8のそれぞれについて、セグメントa〜gを点灯させるか否かを示す信号が入力される。ただし、エリア3,6については、エリア選択信号とセグメントa,bを点灯させるか否かを示す信号のみが入力される。
【0032】
時計用電圧選択回路128は、エリア1〜8のそれぞれについてセグメントa〜gを所定の電圧で点灯させるか否かを示す信号が入力されるので、この例では、第4〜16行(c4〜c16)の第13〜66列(r13〜r66)の画素のそれぞれを所定の電圧で点灯させるか否かを示す情報が入力されることになる。なお、図2(B)には、第4〜11行が例示されているが、時刻表示ウィンドウ13は、第4〜16行(c4〜c16)の第13〜66列の画素で形成されているとする。
【0033】
図6に示す回路には、セグメントイネーブル信号が入力される。セグメントイネーブル信号は、時刻表示ウィンドウ13に表示を行わせるか否かを示す信号であり、例えば、MPU40側から入力される。例えば、携帯機器の使用者が携帯機器の操作部で時刻表示を行わせることを示す操作を行うと、操作されたことを示す操作信号が、操作部からMPU40に出力される。MPU40は、操作部から操作信号が入力されたときに、セグメントイネーブル信号をオン状態にする。
【0034】
スイッチ制御回路130は、セグメントイネーブル信号がオン状態になり、かつ、時刻表示ウィンドウ13における第4〜16行のデータにもとづく電圧がソース配線に印加される時期に、すなわちc4〜c16が選択される期間において、スイッチ129をオン状態に制御し、スイッチ127をオフ状態に制御する。つまり、セグメントイネーブル信号がオン状態であって、時刻表示ウィンドウ13の領域のデータにもとづく電圧をソース配線に印加する時期に、スイッチ129をオン状態に制御する。また、セグメントイネーブル信号がオフ状態であるとき、またはオン状態であっても時刻表示ウィンドウ13の領域のデータにもとづく電圧をソース配線に印加する時期以外の時期には、スイッチ127をオン状態に制御し、スイッチ129をオフ状態に制御する。なお、スイッチ127,129は、例えばトランジスタ回路(アナログスイッチ回路)で形成される。
【0035】
スイッチ129の出力側とスイッチ127の出力側とは接続され、ソース配線に至る。なお、表示用電圧選択回路126の出力数は、ソース配線の数分である。また、時計用電圧選択回路126の出力数は、時刻表示ウィンドウ13の領域におけるソース配線の数分である。この例では、r13〜r66に応じた「54」である。よって、スイッチ129は、r13〜r66に応じた数分設けられる。r13〜r66以外の列(ソース配線)に対する表示用電圧選択回路126からの電圧は、そのままソース配線に出力される。
【0036】
次に、ドライバIC12の電波時計機能に係る動作を説明する。
セグメントイネーブル信号がオフ状態であるときには、スイッチ制御回路130によって、スイッチ129がオフ状態に制御され、スイッチ127がオン状態に制御される。その状態では、表示用電圧選択回路126は、1行分の表示データが画像メモリ125から転送される毎に表示データに応じた電圧を各ソース配線に印加する通常の駆動を行う。
【0037】
時刻制御回路122は、時刻情報信号を受信したときに、内部で記憶する時刻を示すデータを、時刻情報信号が示すデータに設定する。その後、分周回路121から50クロックが入力される度に、時刻を示すデータを1秒分増やす。そして、例えば時刻を示すデータを更新したときに、内部で記憶する時刻に応じた表示が時刻表示ウィンドウ13に表示されるように、エリア選択信号とセグメント選択信号とを出力する。
【0038】
時刻制御回路122からのエリア選択信号とセグメント選択信号とにもとづいて、各エリア1〜8について、どのセグメントを所定の電圧で点灯させるのかを特定可能な選択制御信号が、時計用電圧選択回路128に入力される(図5参照)。なお、実際に時刻表示ウィンドウ13に時刻に応じた表示がなされるのは、セグメントイネーブル信号がオン状態になったときから所定時間が経過するまでの間である。また、MPU40が、時刻に応じた表示を時刻表示ウィンドウ13にさせたい期間ではセグメントイネーブル信号のオン状態を維持し、セグメントイネーブル信号がオン状態になってからオフ状態になるまで、時刻表示ウィンドウ13に時刻に応じた表示を行うようにしてもよい。
【0039】
セグメントイネーブル信号がオン状態になると、スイッチ制御回路130は、c4〜c16が選択される期間において、スイッチ129をオン状態に制御し、スイッチ127をオフ状態に制御する。スイッチ129がオン状態に制御され、スイッチ127がオフ状態に制御されている間、第13〜66列(r13〜r66)には、時計用電圧選択回路128が出力する電圧が印加される。
【0040】
図2に明示されているエリア1のセグメントaの表示データについて説明すると、スイッチ129がオン状態に制御され、スイッチ127がオフ状態に制御されている間、第15〜18列(r15〜r18)の表示データにもとづく電圧はソース配線に印加され、r15〜r18のソース配線には、時計用電圧選択回路128が生成した、時刻表示のための電圧が印加される。
【0041】
なお、スイッチ制御回路130は、図3に例示された対応関係を示すデータ(以下、テーブルという。)を参照比較し制御する。また、動作時のテーブルは、内部レジスタ(RAM)に格納される。
【0042】
スイッチ制御回路130は、図3に例示するテーブルデータを参照比較して、エリアおよびセグメントに含まれる画素の表示位置を特定する。すなわち、選択制御信号で指定されるエリアおよびセグメントが、どの行とどの列との交点の画素を含むのかを特定する。例えば、エリア1のセグメントaを例にすると、選択制御信号がオン状態であれば、テーブルを参照して、第5行の第13〜20列の画素を、スイッチ192をオン状態にして点灯表示制御させるべきであると判定できる。
【0043】
そして、エリア1のセグメントaを例にすると、第5行(c5)が選択される時期に、第13〜20列(r13〜r20)に対応する出力に、点灯表示制御データに対応した電圧を出力する。エリア1の他のセグメントについても、選択制御信号がオン状態であれば、テーブルの内容から画素位置を特定し、その画素に点灯表示制御データに対応した電圧を出力する。他のエリア2〜8についても、同様に、選択制御信号がオン状態であれば、テーブルの内容から画素位置を特定し、その画素に点灯表示制御データに対応した電圧を出力する。
【0044】
時計用電圧選択回路128が出力する電圧は、スイッチ129を介して、該当する行の該当する列(ソース配線)に印加される。なお、時計用電圧選択回路128とスイッチ制御回路130には、ソースドライバに制御信号を供給するコントローラ(ドライバIC12に内蔵されている。)から、1ラインの開始を示す信号や1画素のデータシフトさせる処理に対応するクロック信号が供給されている。時計用電圧選択回路128は、それらの信号にもとづいて、電圧を出力する時期を特定できる。また、スイッチ制御回路130は、それらの信号にもとづいて、c4〜c16が選択される時期であることを特定できる。
【0045】
以上のような制御によって、時刻制御回路122が管理する時・分・秒で表される時刻が時刻表示ウィンドウ13に表示される。そのとき、表示部11における時刻表示ウィンドウ13の領域以外の領域では、画像メモリ125の記憶内容に応じた表示がなされている。また、時刻表示ウィンドウ13に時・分・秒で表される時刻を表示させるために、MPU40は、適当なタイミングにおいて、電波時計IC51から、時・分・秒等の情報を含むタイムコード信号を受信して、時・分・秒の情報を含む時刻情報信号を表示パネル10側に出力するだけでよく、詳細な時刻を表示パネル10に表示させる場合にも携帯機器の制御部の負荷は増大しない。
【0046】
(実施の形態2)
第1の実施の形態では、電波時計IC51の出力はMPU40のみに供給されたが、表示パネル10側にも供給されるようにしてもよい。図7は、電波時計IC51の出力を表示パネル10側にも供給する構成の一例を示すブロック図である。図7に示す構成では、MPU40のデコード部42とドライバIC12とがバス53で接続されている。そして、電波時計IC51の出力が、バス53を介して、デコード部42からもドライバIC12からも読み出し可能である。
【0047】
図7に示す構成によれば、表示パネル10側もMPU40も、電波時計IC51の出力を参照できる。よって、例えば、表示パネル10に表示する時刻だけなく、携帯機器の内部で管理する時刻を、電波時計機能にもとづく正確な時刻に維持することができる。
【0048】
なお、第2の実施の形態では、時刻制御回路122が時刻情報信号を得るために電波時計IC51から、適宜(例えば、1日に1回とか数時間に1回の周期)、タイムコード信号を読み出すように構成されること以外、第1の実施の形態の構成と同じである。
【0049】
上記の各実施の形態では、表示装置としてTFT型液晶表示装置を例にしたが、表示パネルが、信号電極と走査電極とが交差するように形成されSTN(Super Twisted Nematic )型表示パネルである場合や、陽極配線と陰極配線とが交差するように形成され有機EL(Electroluminescence ) 表示パネルである場合にも、本発明を適用することができる。
【0050】
また、上記の各実施の形態では、表示装置が組み込まれる機器として携帯機器を想定したが、本発明による表示装置が組み込まれる機器は携帯機器に限られず、固定的に設置される機器にも、本発明による表示装置を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、電波時計機能を内蔵する携帯端末を始めとする機器に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明による表示装置の第1の実施の形態を示すブロック図。
【図2】時刻表示ウィンドウの構成例を示す説明図。
【図3】エリアおよびセグメントと、行アドレスおよび列アドレスとの対応関係を示す説明図。
【図4】ドライバICに内蔵された電波時計機能を実現するための回路の一部を示すブロック図。
【図5】選択制御信号の出力回路例を示す回路図。
【図6】ドライバICに内蔵された電波時計機能を実現するための回路の他の部分を示すブロック図。
【図7】本発明による表示装置の第2の実施の形態を示すブロック図。
【符号の説明】
【0053】
10 表示パネル
11 表示部
12 ドライバIC
13 時刻表示ウィンドウ
30 フレキシブル基板
31 水晶発振器
40 MPU
41 表示制御部
42 デコード部
51 電波時計IC
121 分周回路
122 時刻制御回路
125 画像メモリ
126 表示用電圧選択回路
127 スイッチ
128 時計用電圧選択回路
129 スイッチ
130 スイッチ制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号出力部から出力される映像信号にもとづく駆動信号によって駆動されることによって表示部に表示を行い、前記駆動信号を出力する駆動回路を備えた表示装置において、
前記駆動回路は、
時刻を示す時刻情報を受信するとともに、クロック信号にもとづいて時刻情報を更新して時刻情報を出力する時刻管理回路と、
前記時刻管理回路から受信した時刻情報にもとづく駆動信号を作成する時刻情報駆動信号生成回路と、
前記表示部に形成される時刻表示部に時刻情報を表示するときに、映像信号にもとづく駆動信号に代えて、前記時刻情報駆動信号生成回路が生成した駆動信号で、時刻表示部を駆動する駆動信号切替回路とを含む
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
表示装置は、映像信号出力部から配線ケーブルを介して映像信号を受信し、
配線ケーブルに、クロック信号を発生する水晶発振器が搭載されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
原子時計にもとづく時刻情報を送信する送信局から時刻情報を受信する電波時計ICが配線ケーブルに搭載され、
時刻管理回路は、前記電波時計ICから時刻情報を得るように構成された
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
映像信号出力部から出力される映像信号にもとづく駆動信号によって駆動されることによって表示部に表示を行う表示パネルに、前記駆動信号を出力する表示パネルの駆動装置において、
時刻を示す時刻情報を受信するとともに、クロック信号にもとづいて時刻情報を更新して時刻情報を出力する時刻管理回路と、
前記時刻管理回路から受信した時刻情報にもとづく駆動信号を作成する時刻情報駆動信号生成回路と、
前記表示部に形成される時刻表示部に時刻情報を表示するときに、映像信号にもとづく駆動信号に代えて、前記時刻情報駆動信号生成回路が生成した駆動信号で、時刻表示部を駆動する駆動信号切替回路とを備えた
ことを特徴とする表示パネルの駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−83589(P2008−83589A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265783(P2006−265783)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】