説明

表示装置

【課題】有機発光層が積層された構成で、表示ムラが小さい有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】2以上の発光層12、14、16が積層され、2以上の発光層間に中間電極13a、13b、15a、15bが配され、積層された2以上の発光層を挟むように反射電極21と光取り出し電極11とがそれぞれ配された画素P1、P2を、基板10上に2次元に配置した表示装置において、隣接する少なくとも2つの画素P1、P2について光取り出し電極21および反射電極11がそれぞれ同層にて繋がっており、電位が等しい。隣接する少なくとも二つの画素について、光取り出し電極どうし及び反射電極どうしが電気的に接続されるとともに、光取り出し電極と反射電極とが電気的に接続されている構成を取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に係わり、積層型の発光素子、特に有機EL素子を積層した発光素子を用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL表示装置において、異なる色の有機EL発光層を2層またはそれ以上に積層した積層型の発光素子を画素とする表示装置が提案されている。特許文献1に開示の有機EL装置においては、1画素が2つのサブピクセルで構成され、1つのサブピクセルは2つの発光素子が積層されている(特許文献の図1)。積層された2つの発光素子は第1電極、第1有機発光層、透明共通電極、第2有機発光層、第2電極の層構成となっており、透明共通電極は引き出し配線により電位が供給される(特許文献1の図3)。そして、第1電極と第2電極とは、サブピクセルごとに、コンタクトホールにより共通に接続されている。
【特許文献1】特開2005−174639号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、下電極となる第1電極と、上電極となる第2電極との接続は、第1及び第2有機発光層、即ち2層の有機発光層にコンタクトホールを設ける必要がある。この場合、透明共通電極との短絡を避けてサブピクセルごとに、コンタクトホールを形成することが求められ、製造工程上の歩留まりに影響を与える。そして、透明共通電極との短絡を避けるために、透明共通電極とコンタクトホールとの間に十分なマージンをとると、開口率の低下を招く。
【0004】
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決する為になされたものであり、画素(又はサブピクセル)ごとに、第1電極と第2電極との間でコンタクトホールを形成することが不要な有機EL表示装置等の表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示装置は、表示装置二以上の発光層が積層され、該二以上の発光層の間に各一層の中間電極が配され、積層された該二以上の発光層と該中間電極とを挟むように第1の電極と第2の電極とがそれぞれ配された画素を、基板上に2次元に配置した表示装置において、
前記中間電極を画素ごとに分離して設け、
少なくとも一方向に配列された複数の前記画素について、前記第1の電極が同層にて繋がっているとともに、
少なくとも前記一方向又は他方向に配列された前記画素について、前記第2の電極が同層にて繋がっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、中間電極を画素ごとに分離して設け、第1の電極および第2の電極の夫々が同層にて繋がる構成としたために、第1の電極と第2の電極とを接続するコンタクトホールを、画素ごとに設けなくても良く、開口率が向上する。そして開口率が向上することで、発光面積あたりの電流密度を低く抑えることができ、その結果、寿命を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係る表示装置の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書で特に図示または記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知または公知技術を適用する。また以下に説明する実施形態は、発明の一つの実施形態であって、これらに限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る表示装置の第1の実施形態たる有機EL表示装置の画素配列の一例を示した上面図である。図2は1画素領域における詳細な断面構造を模式的に示した図である。図3は第1実施形態の有機EL表示装置の電極の配置を示す斜視図である。図4は第1実施形態の有機EL表示装置の斜視図である。図1に示す画素配列、図2に示す断面構造を有する画素により、図4の有機EL表示装置の表示領域1が構成されている。図4において、2は画素を示す。
【0008】
図2を用いて、本発明に係る有機EL表示装置の一実施形態の構成を説明する。並列に配置した2個の画素(第1の画素P1、第2の画素P2)で画像信号の1単位を表示する1構成要素を構成し、各画素P1、P2は各々が発光素子を3層積層して構成される。各画素は絶縁性基板10上に2次元に配置される。各発光素子は、異なる色に発光する発光層を含む有機EL層が電極で挟持された構造をとる。
【0009】
有機EL層は、単層型(発光層)、2層型(発光層/正孔注入層)、3層型(電子輸送層/発光層/正孔輸送層)、4層型(電子注入層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層)、5層型(電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層)のいずれの構造を採用使用することにしてもよい。
【0010】
図2に示すように、本実施形態にかかる有機EL表示装置はボトムエミッション型の有機EL表示装置である。透光性を有する絶縁性基板10上に、光取り出し電極11、第1有機発光層12、第1中間電極13a,13b、第2有機発光層14、第2中間電極15a,15b、第3有機発光層16、反射電極21、保護層22が設けられ、画素P1,画素P2が構成される。光取り出し電極11は第1の電極、反射電極21は第2の電極となる。光取り出し電極11と反射電極21とは、積層された三層の有機発光層を挟むように形成される。中間電極13a,13b,15a,15bは有機発光層間に形成され、画素ごとに分離した形状にして設けられる。画素P1では、第1中間電極13aと第2中間電極15aが短絡され、画素P2では、第1中間電極13bと反射電極21が短絡されている。
【0011】
光取り出し電極11は透光性の導電性材料からなる。反射電極21は高反射率の導電性材料からなる。各画素から発せられた光は、絶縁性基板10を介して取り出される。
【0012】
第1有機発光層12、第2有機発光層14、第3有機発光層16はいずれも同じ順で下から電子輸送層/発光層/正孔輸送層(つまり上記の層構成のうちの3層型)で構成されている。絶縁性基板10上には必要に応じて駆動TFT、スイッチTFT等が形成され、駆動TFTと中間電極とが接続される。図3では、絶縁性基板10上に駆動TFTが形成された場合を示している。
【0013】
図3に示すように、光取り出し電極11と反射電極21はそれぞれ、2次元に配置した画素からなる表示領域に渡って共通なベタ電極で形成されている。なお、図3では第1中間電極13a,13bを中間電極13、第2中間電極15a,15bを中間電極15として示している。なお、中間電極13a,13b,15a,15bを絶縁性基板に設けた駆動TFTと接続する場合には、光取り出し電極11には接続のためのコンタクトホールが形成されている。ここで、102は駆動用TFTである。
【0014】
隣接する画素P1と画素P2との間では、図2に示すように、光取り出し電極11と反射電極21はそれぞれ、共通電極となっている。さらに、光取り出し電極11と反射電極21とは接続されており、同じ電圧が供給される。光取り出し電極11と反射電極21との接続箇所は表示領域内であっても表示領域外でもよいが、本実施形態では図3に示すように、表示領域の外で電気的な接続が行われる。表示領域内で光取り出し電極11と反射電極21とが接続される場合、表示領域内に3画素に1つなどの適当な間隔でコンタクトホールを設けて接続することができる。光取り出し電極11と反射電極21を導通させるコンタクトホールは表示領域内にて、反射電極21の電位が等しく保たれるように任意数配置してよい。
【0015】
光取り出し電極11の電極材料としては、透過率の高い材料が好ましい。例えば、ITO、IZO、ZnOなどの透明導電膜、Ag、Au、Alなどの金属を10nm〜30nm程度形成した半透過膜でもよい。光取り出し電極11のシート抵抗を小さくする為に、透明導電膜とシート抵抗の小さい金属とを組み合わせること、金属半透過膜の膜厚を適正値に設定することができる。
【0016】
図1及び図3を用いて、光取り出し11、第1中間電極13、第2中間電極15、反射電極21の平面レイアウトを説明する。
【0017】
本実施形態では、光取り出し11、反射電極21が表示領域に渡たるベタ電極で形成されるので、隣接する全ての画素の光取り出し11、反射電極21が同層にて繋がった連続膜により導通することになる。
【0018】
第1中間電極13a,13b、第2中間電極15a,15bは各画素に対応するパターン電極から構成されている。光取り出し電極11と反射電極21は隣接する全ての画素に共通の電極として形成され、図4の表示領域外にて接続される。接続された光取り出し電極11と反射電極21、第2中間電極15a,15bが図2の電源23に接続されている。
【0019】
光取り出し電極11のパターンと反射電極21のパターンは、有機EL表示装置の表示方法と関連するものであり、例えば、図1の構成では、面順次駆動を行うことができる。
【0020】
本実施形態では上述の構成のため、表示領域面内において光取り出し電極11と反射電極21は全画素内において電位が等しい。
【0021】
この電位を基準として、第2中間電極15aにプラスまたはマイナスの電位を与えることにより、画素P1の積層した3つの有機発光層うちの電極が短絡されていない第1有機発光層12と第3有機発光層16のいずれか一方に電流が流れる。そして、電流が流れた発光層を発光させることができる。また、第2中間電極15bにプラスまたはマイナスの電位を与えることにより、画素P2の積層した3つの有機発光層うちの電極が短絡されていない第2有機発光層14と第3有機発光層16のいずれか一方に電流が流れる。そして、電流が流れた発光層を発光させることができる。いずれの有機発光層が発光するかは中間電極の電位の極性で決められる。駆動方法は以下でさらに詳細に説明される。本実施形態では、光取り出し電極11と反射電極21を隣接する全ての画素に共通の電極として形成し、表示領域外で接続したので、光取り出し電極11と反射電極21とを接続するためのコンタクトホールを画素ごとに設けなくても良い。その結果、開口率が向上し、発光面積あたりの電流密度を低く抑えることが出来、有機発光層の寿命向上がもたらされる。
【0022】
また本実施形態では、光取り出し電極11と反射電極21とがともにベタ電極(共通電極)で形成されている。したがって、有機EL表示装置として表示されうるどのような表示パターンを形成した時にも、反射電極および光取り出し電極に起因するシェーディングが発生しにくい。シェーディングを認識させないためには、画素間における電位差が±1mV以下であることが好ましい。電位差±1mVは、表示領域の端と中央で電圧降下を許容輝度分布限界以下に抑えるために必要な画素間電圧降下量である。
【0023】
電位差±1mVは、次のように算出した。発光制御に必要となる電圧幅を3Vとし(3Vの範囲内で非発光状態から最高輝度まで制御する)、表示領域面内において±5%の輝度分布が発生した場合に、表示ムラとして認識されると設定する。そして、解像度がQVGA(320x240ピクセル)の時、表示領域中央画素までの長辺側ピクセル数を160とする。3v×(±0.05)/160=±0.94mVとなり、誤差を考慮すると、±1mV以下であることが望ましいことが分かる。
【0024】
本実施形態では、光取り出し電極11と反射電極21とがともにベタ電極(共通電極)で形成することで、画素間における電位差が±1mV以下とすることができる。よって、本実施形態の構成では、表示領域面内にて共通電極となる光取り出し電極11ならびに反射電極21での電位ムラを抑制し、シェーディングの発生を抑制することができる。
【0025】
光取り出し電極11が形成された基板に対して、公知の手段により、第1有機発光層を堆積する。
【0026】
第1有機発光層は、有機発光材料、正孔注入材料、電子注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。正孔注入材料又は正孔輸送材料に有機発光材料をドーピングする、または電子注入材料又は電子輸送材料に有機発光材料をドーピングする等により発色の選択の幅を広げることができる。さらに、有機発光層は、発光効率の観点からアモルファス膜であることが好ましい。
【0027】
各色の有機発光材料は、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体あるいは複合オリゴ体が使用できる。ただし、本実施形態の材料はこれら例示の材料に限定されるものではない。
【0028】
有機発光層は、正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送の各単機能を持つ層であってもよいし、複合機能を持つ層であってもよい。
【0029】
有機発光層の膜厚は0.05μm〜0.3μm程度が良く、好ましくは0.05〜0.15μm程度である。
【0030】
正孔注入及び輸送材料としては、フタロシアニン化合物、トリアリールアミン化合物、導電性高分子、ペリレン系化合物、Eu錯体等が使用できるが、本発明の構成として限定されるものではない。
【0031】
電子注入及び輸送材料の例としては、アルミに8−ヒドロキシキノリンの3量体が配位したAlq3、アゾメチン亜鉛錯体、ジスチリルビフェニル誘導体系等を使用できる。
【0032】
次にコンタクトホール18bを形成する。形成方法としては、レーザー加工が好ましく、YAGレーザー(SHG、THG含む)、エキシマレーザーなど一般に薄膜加工に使用するものを用いる。これらのレーザー光を数μmに絞って走査したり、面状光源にしてコンタクトホール部分を透過するマスクを介したりして、基板上に所定のパターンで照射する。コンタクトホールの径としては、2μm〜15μmが好ましい。
【0033】
次に、透明電極を成膜、及び、パターニングを行い、第1中間電極13a、13bを形成する。このとき、コンタクトホール18bを介して、光取り出し電極11と第1中間電極13bとが接続される。電極材料としては、透過率の高い材料が好ましく、例えば、ITO、IZO、ZnOなどの透明導電膜や、ポリアセチレンなどの有機導電膜からなることが好ましい、さらに、Ag、Alなどの金属を10nm〜30nm程度形成した半透過膜でもよい。パターニング方法としては、前述のレーザー加工で行うことができるが、電極材料を加熱し、メタルマスクを使用して蒸着によって形成しても良い。また、電極材料が形成された基板を基板10と対向させてレーザーアブレーションにより転写しても良い。
【0034】
次に、上述と同様の方法で、第2有機発光層14、コンタクトホール19a、第2中間電極15a,15b、第3有機発光層16を順次形成する。第2中間電極15a,15bの材料としては、第1中間電極13a、13bと同様に透過率の高い材料が好ましい。
【0035】
次に、反射電極21をスパッタ、蒸着等により形成する。電極材料としては、光反射性の部材であることが好ましく、例えばCr、Al、Ag、Au、Pt等の金属を50〜300nm程度形成した膜からなることが好ましい。反射率が高い部材であるほど、光取り出し効率を向上できるからである。上述の構成による反射電極はシート抵抗を低くすることができ、表示領域面内における電位降下の発生を極めて小さく抑えられる。
【0036】
さらに保護膜22として、窒化酸化シリコンを成膜し、有機EL表示装置を得た。
【0037】
このようにして形成された有機EL表示装置の等価回路を図5に示す。
【0038】
図5において、各画素の画素回路は、スイッチング用TFT101a、101bと、駆動用TFT102a、102bと、有機発光素子12a〜16a,12a〜16aと、コンデンサ103a、103bで構成されている。
【0039】
ここで、スイッチング用TFT101a、101bのゲート電極は、ゲート信号線105に接続されている。また、スイッチング用TFT101a、101bのソース電極はソース信号線106a、106bに、ドレイン電極は駆動用TFT102a、102bのゲート電極に接続されている。また、駆動用TFT102a、102bのソース電極は電源供給線107に、ドレイン電極は有機EL素子16a,16bのアノード電極に接続されている。駆動用TFT102aのソース電極は有機EL素子12aのカソード電極に接続され、有機EL素子14aはアノード電極とカソード電極間がショートされている。駆動用TFT102bのソース電極は有機EL素子14bのカソード電極に接続され、有機EL素子12bはアノード電極とカソード電極間がショートされている。
【0040】
図2を参照して説明すると、第1の画素P1においては、駆動用TFT102aのソース電極が第2中間電極15aに接続され、第2の画素P2においては、駆動用TFT102bのソース電極が第2中間電極15bに接続される。なお、有機EL素子16a,16bのカソード電極は図5の反射電極21(図2の反射電極21に対応する)に接続され、有機EL素子12a,12bのアノード電極は図4の光取り出し電極11(図2の第1電極11に対応する)に接続されている。またコンデンサ103a、103bは電極のそれぞれが、駆動用TFT102a、102bのゲート電極とGND(かならずしもGNDでなくてもよく、固定電位であればよい)とに接続されるように形成されている。このように、駆動用TFT102a、102bと、有機EL素子16a,12a、16b,14bとが接続されており、有機EL素子16a,12a、16b,14bに流れる電流を駆動用TFT102a、102bで制御する。
【0041】
本実施形態において、第2中間電極15a,15bに駆動TFTが接続され、光取り出し電極11、反射電極21が全画素に対して共通電極として接続されている。更に、光取り出し電極11と反射電極21は表示領域外にて導通しており、同電位となっている。上述の構成により、基板上に形成される光取り出し電極11に電源線としての機能を持たせることが容易な構成となり、共通電極の電位降下を極めて小さくすることが可能となり、シェーディングを抑制することができる。
【0042】
次に、上記構造の有機EL装置の駆動方法について図6を参照して説明する。図6は電源手段23により有機EL表示装置の駆動波形の一例を示す図である。
【0043】
時間t1において、ゲート信号線105の電位をVgに設定すると、スイッチングTFT101a、101bがON状態となる。すると、ソース信号線106a、106bの電位Vsig1がスイッチングTFT101a、101bを介してコンデンサ103a、103b及び駆動TFT102a、102bのゲート容量に充電される。
【0044】
時間t2において、ゲート信号線105の電位が0Vに設定され、スイッチングTFT101a、101bがOFF状態となり、コンデンサ103a、103bに充電された電圧が保持される。
【0045】
時間t3において、光取り出し電極11及び反射電極21の電位がVcに設定される。このとき、電源供給線107は0Vのままなので、有機発光層及び駆動TFT102a、102bのソースドレイン間に電位差が生じる。これにより、第1有機発光層12及び第2有機発光層14に第1中間電極13aと第2中間電極15bから電子が注入されるとともに、光取り出し電極11及び第1中間電極13bからホールが注入される。すると、電子とホールの再結合により励起された有機分子が基底状態に緩和するときに発光が得られ、この発光光が絶縁性基板10側から射出される。こうして有機EL素子12a、14bが発光する。なお、第3有機発光層16には逆方向電圧が印加されるため発光しない。第1有機発光層12及び第2有機発光層14に流れる電流は駆動用TFT102a、102bで制御され、コンデンサ103a、103bに充電された電圧に応じて、駆動用TFT102a、102bのソースドレイン間に電流I1が流れる。この状態は、時間t4まで維持される。
【0046】
時間t4において、光取り出し電極11及び反射電極21の電位が0Vに設定される。すると、有機発光層及び駆動TFT102a、102bのソースドレイン間に電位差が無くなるので、第1有機発光層12及び第2有機発光層14は発光しなくなる。続いて、第3有機発光層を発光させるための信号Vsig2がソース信号線106a、106bに設定される。
【0047】
時間t5において、ゲート信号線105の電位がVgに設定される。スイッチングTFT101a、101bがON状態となり、ソース信号線106a、106bの電位Vsig2がスイッチングTFT101a、101bを介してコンデンサ103a、103b及び駆動TFT102a、102bのゲート容量に充電される。
【0048】
時間t6において、ゲート信号線105の電位が0Vに設定され、スイッチングTFT101a、101bがOFF状態となり、コンデンサ103a、103bに充電された電圧が保持される。
【0049】
時間t7において、電源供給線107の電位がVcに設定される。このとき、光取り出し電極11及び反射電極21の電位が0Vなので、有機発光層及び駆動TFT102a、102bのソースドレイン間に電位差が生じる。これにより、第3有機発光層16に反射電極21から電子が注入されるとともに、第2中間電極15a、15bからホールが注入される。すると、電子とホールの再結合により励起された有機分子が基底状態に緩和するときに発光が得られ、この発光光が絶縁性基板10側から射出される。こうして有機EL素子16a、16bが発光する。なお、第1有機発光層12及び第2有機発光層14には逆方向電圧が印加されるため発光しない。発光層に流れる電流は駆動用TFT102a、102bで制御され、コンデンサ103a、103bに充電された電圧に応じて、駆動用TFT102a、102bのソースドレイン間に電流I2が流れる。この状態は、時間t8まで維持される。
【0050】
時間t8において、電源供給線107の電位が0Vに設定される。すると、有機発光層及び駆動TFT102a、102bのソースドレイン間に電位差が無くなるので、第3有機発光層16は発光しなくなる。
【0051】
上述の動作を繰り返すことで、有機発光層12、14、16を時分割で発光させることができる。具体的には、電源23は、人間が識別できない程度、例えば60Hz程度あるいはそれ以上高い周期で駆動することにより、第1有機発光層12、第2有機発光層14の発光色と第3有機発光層16の発光色との任意の混合色の光を表現することができる。電源23は電圧印加手段となる。
【0052】
このような有機EL表示装置においては、表示領域面内にて共通電極となる光取り出し電極11ならびに反射電極21での電位ムラを抑制し、シェーディングを抑制することができる。故に、表示ムラを軽減又はなくすことができる。
【0053】
本実施形態では、基板側から光取り出しを行うボトムエミッション型の積層型有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動で表示する構成を示した。しかし、基板と反対側に光取り出しを行うトップエミッション型の積層型有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動で表示する構成でも同様の効果が得られる。
【0054】
更には、共通電極を接続する為のコンタクトホールを画素ごとに設けなくても良い為、開口率が向上し、発光面積あたりの電流密度を低く抑えることが出来るため寿命向上に繋がる。
(第2の実施形態)
図7、図8は本発明に係る表示装置の第2の実施形態たる有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。図9は1画素領域における詳細な断面構造を模式的に示した図である。図7もしくは図8に示す画素配列、図9に示す断面構造を有する画素により、図4に示した有機EL表示装置の表示領域1が構成されている。
【0055】
図9は本発明の第2の実施形態に係る有機EL表示装置の断面を模式的に示した図である。図9において、本実施形態にかかる有機EL表示装置は、トップエミッション型の有機EL表示装置である。本実施形態の有機EL表示装置は、画像信号の1単位を表示する1構成要素が第1の画素P1と第2の画素P2とで構成されている。30は絶縁性基板、31は反射電極、32は第1有機発光層、33a,33bは第1中間電極、34は第2有機発光層、35a,35bは第2中間電極、36は第3有機発光層、41は光取り出し電極、38b,39aはコンタクトホールを示している。42は透光性を有する保護層である。各画素から発せられた光は、光取り出し電極41を介して取り出される。中間電極33a,33b、35a,35bは画素ごとに分離して設けられる。
【0056】
第1有機発光層32、第2有機発光層34、第3有機発光層36はそれぞれ4層構成となっており、電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層で構成されている。
【0057】
必要に応じて、駆動TFT、スイッチTFT等が形成された絶縁性基板30上には、その画素領域に反射電極31が形成されている。
【0058】
図7、図8を用いて、反射電極31、第1中間電極33、第2中間電極35、光取り出し電極41のレイアウトを説明する。
【0059】
図7の構成例では、反射電極31、光取り出し電極41ともにX軸方向に隣接する画素と同層にて繋がった連続膜により導通している場合を示している。図8の構成例では、反射電極31がX軸方向に隣接する画素と導通し、光取り出し電極41がY軸方向に隣接する画素と同層にて繋がった連続膜により導通している場合を示している。ここでは、一方向に配列された複数の画素はX方向に配列された複数の画素、他方向に配列された複数の画素はY方向に配列された複数の画素をいう。一方向に配列された複数の画素をY方向に配列された複数の画素、他方向に配列された複数の画素をX方向に配列された複数の画素としてもよい。
【0060】
第1中間電極33、第2中間電極35は各画素に対応するパターン電極から構成されている。反射電極31と光取り出し電極41は図4の表示領域外にて同層にて繋がった連続膜を接続することで導通している。反射電極31と光取り出し電極41、第2中間電極35が図9の電源43に接続されている。
【0061】
本実施形態においても、各画素の第1中間電極33、第2中間電極35を分離したパターンの電極として構成し、反射電極31と光取り出し電極41をそれぞれ隣接する画素に共通の電極として形成した。そのため、反射電極31と光取り出し電極41を接続する為のコンタクトホールを画素ごとに設けなくても良い。この結果、開口率が向上し、発光面積あたりの電流密度を低く抑えることが出来、有機発光層の寿命が向上する。
【0062】
図7では、反射電極31のパターンと光取り出し電極41のパターンが一致している場合、図8では、反射電極31のパターンと光取り出し電極41のパターンが交差している場合を示している。しかし、反射電極31のパターンと光取り出し電極41のパターンは上記実施形態に限定されるものではなく、隣接する画素間を接続する反射電極31のパターンと光取り出し電極41のパターンはどのように配置されても構わない。
【0063】
反射電極31のパターンと光取り出し電極41のパターンは、有機EL表示装置の表示方法と関連するものであり、例えば、図7の構成では線順次駆動が可能であり、図8の構成では点順次駆動を行うことができる。具体的には、1ライン毎の駆動、ライン反転パターン駆動、ドット反転パターン駆動、などを選択できる。
【0064】
上述のいずれの電極パターンにおいても、電極パターン幅が画素幅程度確保することができ、更に電極膜厚を適正値に設定することにより、シート抵抗を小さくし、隣接する画素間で電位降下を小さくすることができる。
【0065】
反射電極31は光反射性の部材であることが好ましく、例えばCr、Al、Ag、Au、Pt等の金属を50〜300nm程度形成した膜からなることが好ましい。反射率が高い部材であるほど、光取り出し効率を向上できるからである。反射電極31はX方向について共通電極となっており、隣接する画素間で同層にて繋がった連続膜により導通している。
【0066】
レーザー加工により、コンタクトホール38b、39aが形成されており、第1の画素P1の第1中間電極33aと第2中間電極35aとが接続され、第2の画素P2の反射電極31と第1中間電極33bがそれぞれ接続されている。
【0067】
上述の構成による反射電極31はシート抵抗を低くすることができ、表示領域面内における電位降下の発生を極めて小さく抑えられる。
【0068】
本実施形態では、上述の構成のため、同時に発光駆動を行う反射電極31と光取り出し電極41は表示領域面内の画素において電位が等しい。任意の画素において、隣接する少なくとも2以上の画素において、反射電極および光取り出し電極の電位が等しい関係にある。よって、本実施形態の構成では、表示領域面内にて共通電極となる反射電極31ならびに光取り出し電極41での電位ムラを抑制し、シェーディングを抑制することができる。
【0069】
本実施形態の有機EL表示装置の駆動は実施形態1と同様の方法で行うことができる。ただし、本実施形態では図7の構成では反射電極31と光取り出し電極41は線順次走査が行われ、図8の構成では反射電極31と光取り出し電極41は点順次走査が行われる。線順次操作、点順次走査の構成及び動作は公知なので、ここでは説明を省略する。
【0070】
このような有機EL表示装置においては、表示領域面内にて共通電極となる反射電極31ならびに光取り出し電極41での電位ムラを抑制し、シェーディングの発生を抑制することができる。故に、表示ムラを軽減又はなくすことができる。
【0071】
本実施形態では、トップエミッション型の積層型有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動で表示する構成を示したが、ボトムエミッション型の積層型有機EL表示装置をアクティブマトリクス駆動で表示する構成でも同様の効果が得られる。
(第3の実施形態)
図10は本発明に係る表示装置の第3の実施形態たる有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。図11は1画素領域における詳細な断面構造を模式的に示した図である。図10に示す画素配列、図11に示す断面構造を有する画素により、図4に示した有機EL表示装置の表示領域1が構成されている。
【0072】
図11は本発明の第3の実施形態に係る有機EL表示装置の断面を模式的に示した図である。図11において、本実施形態にかかる有機EL表示装置は、トップエミッション型の有機EL表示装置である。本実施形態の有機EL表示装置は、画像信号の1単位を表示する1構成要素が第1画素P1と第2画素P2とで構成されている。50は絶縁性基板、51は反射電極、52は第1有機発光層、53a,53bは第1中間電極、54は第2有機発光層、55a,55bは第2中間電極、56は第3有機発光層、61は光取り出し電極、58b,59aはコンタクトホールを示している。中間電極53a,53b、55a,55bは画素ごとに分離して設けられる。
【0073】
第1有機発光層52、第2有機発光層54、第3有機発光層56はそれぞれ5層構成となっており、電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層で構成されている。
【0074】
必要に応じて駆動TFT、スイッチTFT等が形成された絶縁性基板50上には、その画素領域に反射電極51が形成されている。
【0075】
図10、図11を用いて、反射電極51、第1中間電極53、第2中間電極55、光取り出し電極61のレイアウトを説明する。
【0076】
反射電極51はX軸方向に隣接する画素間で同層にて繋がった連続膜により導通している。光取り出し電極61は各画素でパターン形成されており、X軸方向に延びた配線64により表示領域外に引き出されている。配線64は充分にシート抵抗の低い材料と構成とし、高反射性の導電性材料を用いることも出来る。高反射性の導電性材料を用いる場合には、発光画素領域以外に配置する。
【0077】
本実施形態の構成も、反射電極51と光取り出し電極61を接続する為のコンタクトホールを設けなくても良い為、開口率が向上し、発光面積あたりの電流密度を低く抑えることが出来、寿命向上に繋がる。
【0078】
また、光取り出し電極61にはより透過率の高い電極材料を用いることができ、光取り出し効率を向上させることができる。透過率の高い電極材料を採用することでシート抵抗が高くなる場合に、配線を配置することにより電位降下を防止することができる。
【0079】
反射電極51のパターンと光取り出し電極61のパターンは、有機EL表示装置の表示方法と関連するものであり、例えば図10の構成では面順次駆動、線順次駆動、点順次駆動などを行うことができる。
【0080】
上述の電極パターンにおいて、反射電極51は画素幅にてライン上にパターン形成されており、更に電極膜厚を適正値に設定することにより、シート抵抗を小さくし、隣接する画素間で電位降下を極めて小さくすることができる。
【0081】
反射電極51と光取り出し電極61は同じ電源63に接続されているが、別に電圧を制御できる電源に接続されていても良い。同じ電源に接続されている場合には、反射電極51と光取り出し電極61とを接続させることができ、接続箇所は表示領域内であっても表示領域外でもよく、同じ電圧が供給される。
【0082】
レーザー加工により、コンタクトホール58b、59aが形成されており、第1画素の第1中間電極53aと第2中間電極55aとが接続され、第2画素の反射電極51と第2中間電極53bがそれぞれ接続されている。
【0083】
上述の構成による反射電極51はシート抵抗を低くすることができ、表示領域面内における電位降下の発生を極めて小さく抑えられる。
【0084】
また、光取り出し電極61においても、配線層、反射層51との接続により隣接する画素間で電位降下を極めて小さくすることができる。
【0085】
本実施形態では、上述の構成のため、同時に発光駆動を行う反射電極51と光取り出し電極61は表示領域面内の画素において電位が等しい。任意の画素において、隣接する少なくとも2以上の画素において、反射電極および光取り出し電極の電位が等しい関係にある。よって、本実施形態の構成では、表示領域面内にて共通電極となる反射電極51ならびに光取り出し電極61での電位ムラを抑制し、シェーディングを抑制することができる。
【0086】
本実施形態の有機EL表示装置の駆動は実施形態1と同様の方法で行うことができる。
(第4の実施形態)
図12は本発明に係る表示装置の第4の実施形態たる有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。
【0087】
図12において、71は反射電極、73は第1中間電極、75は第2中間電極、81は光取り出し電極を示している。84a、84bは第2中間電極75に接続される引き出し配線である。本実施形態の構成は、図7に示した有機EL表示装置の構成に対して、絶縁性基板上に駆動TFTを設けず、絶縁性基板上に引き出し配線84a、84bを設けて表示領域外に設けた駆動トランジスタで駆動するようにしている。つまり、第2の実施形態ではデータの書き込みを画素回路で行い、発光を線順次や点順次で行うようにしているが、本実施形態では、反射電極71と光取り出し電極81に順次走査信号を加え、中間電極73、75と接続される引き出し配線84a、84bにデータを信号を与えるパッシブマトリクス駆動を行っている。本実施形態では、駆動トランジスタをTFTで構成しなくともよい。
【0088】
以上説明した各実施形態では、表示装置の代表的な一例として有機EL表示装置を取り上げて説明したが、本発明は有機EL表示装置に限定されず、無機EL表示装置やその他の積層型表示装置にも適用可能である。また、第1の電極が光取り出し電極、第2の電極が反射電極である反射型表示装置を説明したが、反射電極を光取り出し電極として両面が表示可能な表示装置を構成することもできる。
【0089】
本発明は二以上の発光層を有する表示装置に適用できる。各実施形態では、二層の中間電極が三層の発光層間に形成されているが、二層の発光層を有する場合には、中間電極は一層となる。
【0090】
また、各実施形態では、三層の発光層と二層の中間電極とを有し、うち一層の中間電極を他の電極と短絡した画素を有する表示装置について説明した。しかし、二層の中間電極のいずれも短絡せず独立に駆動して、三層の発光層をすべて発光させる画素を持つ表示装置にも、本発明を適用することができる。
【0091】
また、各実施形態では、P1とP2の2画素が組みになって1つの画像データを表示する構成になっている。しかし、本発明はこれに限定されず、上記の三層の発光層をすべて発光させる画素を用いて、1画素にRGBの3原色を発光させ、それを1つの画像データの表示単位とするような表示装置にも適用できる。
【0092】
さらに、第2から第4の実施形態では、反射電極、光取り出し電極がライン状に設けられているが、画素がハニカム状等に配置される場合もあり、かかる場合には画素配置に合わせて蛇行して反射電極、光取り出し電極が配置される場合もある。したがって、本発明おいては、反射電極、光取り出し電極がライン状に設けられなくてもよい。
【0093】
また、第1の実施形態では反射電極、光取り出し電極がベタ電極で形成され、第2〜第4の実施形態では反射電極、光取り出し電極がライン状に形成された例について説明したが、反射電極、光取り出し電極の一方がベタ電極、他方がライン状に形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明はEL表示装置、特に有機EL表示装置に用いられる。具体的には、携帯電話の表示部、平面テレビ、カメラのビューファインダ等に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明に係わる表示装置の第1の実施形態たる有機EL表示装置の画素配列の一例を示した上面図である。
【図2】第1の実施形態における有機EL表示装置の1画素を示す概略断面図である。
【図3】第1の実施形態の有機EL表示装置の電極の配置を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態の有機EL表示装置の斜視図である。
【図5】第1の実施形態における有機EL表示装置の等価回路を示す図である。
【図6】第1の実施形態における有機EL表示装置において、電源の波形の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る表示装置の第2の実施形態を示す有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。
【図8】本発明に係る表示装置の第2の実施形態における別の構成例を示す有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。
【図9】本発明に係る表示装置の第2の実施形態を示す有機EL表示装置の1画素を示す概略断面図である。
【図10】本発明に係る表示装置の第3の実施形態を示す有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。
【図11】本発明に係る表示装置の第3の実施形態を示す有機EL表示装置の1画素を示す概略断面図である。
【図12】本発明に係る表示装置の第4の実施形態を示す有機EL表示装置の画素配列の一例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0096】
1 表示領域
2 画素
10 絶縁性基板
11 光取り出し電極
12 第1有機発光層
13a、13b 第1中間電極
14 第2有機発光層
15a、15b 第2中間電極
16 第3有機発光層
17a、17b コンタクトホール
21 反射電極
22 保護膜
23 電源
30 絶縁性基板
31 反射電極
32 第1有機発光層
33a、33b 第1中間電極
34 第2有機発光層
35a、35b 第2中間電極
36 第3有機発光層
38b、39a コンタクトホール
41 光取り出し電極
42 保護膜
43 電源手段
50 絶縁性基板
51 反射電極
52 第1有機発光層
53a、53b 第1中間電極
54 第2有機発光層
55a、55b 第2中間電極
56 第3有機発光層
58b コンタクトホール
61 光取り出し電極
62 保護膜
63 電源手段
101a、101b スイッチング用TFT
102a、102b 駆動用TFT
103a、103b コンデンサ
105 ゲート信号線
106a、106b ソース信号線
107 電源供給線
P1 第1画素
P2 第2画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二以上の発光層が積層され、該二以上の発光層の間に各一層の中間電極が配され、積層された該二以上の発光層と該中間電極とを挟むように第1の電極と第2の電極とが配された画素を、基板上に2次元に配置した表示装置において、
前記中間電極を画素ごとに分離して設け、
少なくとも一方向に配列された複数の前記画素について、前記第1の電極が同層にて繋がっているとともに、
少なくとも前記一方向又は他方向に配列された前記画素について、前記第2の電極が同層にて繋がっていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の電極と前記第2の電極とが電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画素は前記発光層を3つ積層してなり、
隣接する二つの画素において、
一の画素は積層された3つの発光層のうち中央の発光層を挟む2つの中間電極が電気的に接続され、
他方の画素は、前記第1の電極又は前記第2の電極と、前記第1の電極又は前記第2の電極に対して発光層を介して対向する中間電極とが電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の電極と前記第2の電極との電気的な接続が、前記画素が配列された表示領域外で行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記中間電極が透光性を有する導電性材料からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1の電極と前記第2の電極が同じ電圧印加手段に接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の電極は光取り出し電極、前記第2の電極は反射電極であり、
前記基板側に前記光取り出し電極が形成され、前記画素は基板側に光取り出しを行うボトムエミッション型の画素であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1の電極は光取り出し電極、前記第2の電極は反射電極であり、
前記基板側に前記反射電極が形成され、前記画素は、前記基板と反対側に光取り出しを行うトップエミッション型の画素であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
アクティブマトリクス駆動を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記中間電極に各画素を独立に駆動する駆動トランジスタが接続されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
パッシブマトリクス駆動を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1の電極と前記第2の電極のうちの少なくとも一方が、2次元に配置した画素に対して共通な電極となっていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−21098(P2010−21098A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182627(P2008−182627)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】