説明

表示装置

【課題】 本発明は、表示パネルの表示部と回路基板との電気的な引き回しをフレキシブルプリント配線板によって良好に保ちつつ、表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部の距離を近づけ、操作しやすく表示部を見やすくすることが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 表示パネル1を駆動するための回路基板3と、表示パネル1と回路基板3とを接続するフレキシブルプリント配線板4と、回路基板3上に実装され、表示パネル1の表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部6と、を備えた表示装置Dにおいて、スイッチ操作部6を表示パネル1と隣接する位置に配設するとともに、スイッチ操作部6の配設位置に合わせてフレキシブルプリント配線板4に開口部40を設け、スイッチ操作部6が開口部40を介して操作可能に配置されていることを特徴とする表示装置Dである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶や有機ELなどを用いた表示装置に関し、特に表示装置の表示パネルと回路基板とをフレキシブルプリント配線板で電気的に接続するようにした表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の表示装置として、たとえば表示パネルとして液晶パネルを用いた表示装置が広く知られている。かかる表示装置の多くは、ライトボックスと称されるケースを通じて表示パネルが支持されるとともに、ケースの背後側に回路基板が配設されて支持され、回路基板に装着した光源(LED)にて表示パネルがバックライト照明される。また表示パネルと回路基板とは、表示パネルに設けられた電極端子と回路基板に設けられた回路パターンとが適宜接続部材にて導通接続され、回路基板を通じて表示パネルに駆動信号を供給し、表示パネルに所定の表示を行わせるようになっている。
【0003】
表示パネルと回路基板としては、たとえば特許文献1に示されているように、複数の金属製のリードフレームを使用するものや、たとえば特許文献2に示されているように、ラバーコネクタ(導電ゴム)を使用するものなどがある。これらのものは電極端子のピッチ間隔が比較的広い場合や電極端子数が少ない場合は実用的であるが、たとえば高解像度が要求される表示パネルのように、電極端子数が多くそのピッチ間隔が狭い場合においては不向きである。また、たとえば特許文献3に示されているように、可撓性回路基板(FPC、またはフレキシブルプリント配線板)を用いたものも知られており、フレキシブルプリント配線板を用いたものは、電極端子間が極小ピッチの場合でも接続が容易であり、表示パネルの小型化や高解像度化にも対応し得るというメリットがある。
【0004】
また、このような表示装置には、液晶パネルなどの表示パネルとは別に、表示パネルの表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部が設けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−177155号公報
【特許文献2】特開平11−305202号公報
【特許文献3】実開平5−47920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した特許文献1から特許文献3などに記載されている表示パネルの表示部の領域と表示パネルの表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部の配置が離れていると、表示部の表示情報を把握しながら操作箇所であるスイッチ操作部を押圧操作しようとした場合、そのスイッチ操作部を誤って操作してしまう虞がある。
【0007】
このため、表示パネルの表示部箇所とスイッチ操作部との位置を近づけて配置することが望ましく、このような場合において、電気的な引き回しが容易なフレキシブルプリント配線板を用いながら、スイッチ操作部を回路基板上に実装しようとした場合、液晶パネルなどからなる表示パネルと回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板の引き回しされる領域を避けてスイッチ操作部を配置しなければならず、結果として、表示パネルに対してスイッチ操作部の位置を近づけられないという問題が生じてしまい、スイッチ操作部を含む表示装置の小型化を進める上で難点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に着目し、表示パネルの表示部と回路基板との電気的な引き回しをフレキシブルプリント配線板によって良好に保ちつつ、表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部の距離を近づけ、操作しやすく表示部を見やすくすることが可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は前述した課題を解決するため、請求項1では、表示パネルと、前記表示パネルを駆動するための回路基板と、前記表示パネルと前記回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板と、前記回路基板上に実装され、前記表示パネルの表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部と、を備えた表示装置において、前記スイッチ操作部を前記表示パネルと隣接する位置に配設するとともに、前記スイッチ操作部の配設位置に合わせて前記フレキシブルプリント配線板に開口部を設け、前記スイッチ操作部が前記開口部を介して操作可能に配置されていることを特徴とする表示装置である。
【0010】
このように構成することにより、フレキシブルプリント配線板に開口部を設け、この開口部にスイッチ操作部を配置することができるため、スイッチ操作部を含む表示装置全体を小型化することが可能となり、フレキシブルプリント配線板の少なくとも一部の領域を利用することができるため表示パネルの表示部領域とスイッチ操作部の距離を近づけることができ、これにより操作しやすく表示部を見やすくすることが可能となる。
【0011】
また請求項2では、請求項1に記載の表示装置において、前記スイッチ操作部は、前記回路基板上に実装された押釦スイッチと操作者からの作動力を伝えるキートップ部とで構成されることを特徴とするものである。
【0012】
このように構成することにより、スイッチ操作部を回路基板上に実装された押釦スイッチと操作者からの作動力を伝えるキートップ部で構成することにより、キートップ部の長さを調節(設定)することによって、主に規格品である押し釦スイッチの長さを変えることなく回路基板からキートップ部までの距離を任意の長さに設定することができ、これにより押圧による操作を良好に行うことができる。
【0013】
また請求項3では、請求項1または請求項2に記載の表示装置において、前記回路基板に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタが、前記回路基板の前記表示パネルが配置される側の面と同一の面に配置されることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成することにより、回路基板上に組み付けられる部品である表示パネルやスイッチ操作部あるいはフレキシブルプリント配線板接続用コネクタを、同一の側に面した回路基板上に組み付けることができるため、部品のセットが行いやすく組み付け作業を簡便に行うことが可能となる。
【0015】
また請求項4では、請求項1または請求項2に記載の表示装置において、前記回路基板に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタが、前記回路基板の前記表示パネルが配置される側の面と反対側の面に配置されることを特徴とするものである。
【0016】
このように構成することにより、回路基板に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタが、回路基板の表示パネルが配置される側の面と反対側の面に配置されることにより、回路基板を覆うケースに沿って引き回し案内することができ、これによりケースの小型化をさらに実現することが可能となる。
【0017】
また請求項5では、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置において、前記表示装置を上ケースと下ケースとからなるケースに収納するとともに、前記押し釦スイッチが実装された前記回路基板の背面箇所に前記下ケースから一体に突出した突き当て凸部を配置してなることを特徴とするものである。
【0018】
このように構成することにより、操作者がスイッチ操作部を作動させた際に生じやすい押圧力が、直接的に加わったとしても下ケースから一体に設けた突き当て凸部によって回路基板の下側を受けることにより、回路基板が撓んで変形することを未然に予防することができ、回路基板の損傷を防止することができる。
【0019】
また請求項6では、請求項5に記載の表示装置において、前記キートップ部の前面側に弾性を有する押圧操作部を設けるとともに、この押圧操作部を前記表示パネルの前面側を覆う前記上側ケースに取り付け固定してなることを特徴とするものである。
【0020】
このように構成することにより、ケース内に表示装置の収納することにより外部側からの接触を防ぐことができ、保護することが可能となり、しかもスイッチ操作部に設けられたキートップ部の前面側に弾性を有する押圧操作部を設け、この押圧操作部を上側ケースに取り付け固定してなることにより、ケースの外部からの塵埃や水滴などの浸入を未然に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、表示パネルと、前記表示パネルを駆動するための回路基板と、前記表示パネルと前記回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板と、前記回路基板上に実装され、前記表示パネルの表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部と、を備えた表示装置において、前記スイッチ操作部を前記表示パネルと隣接する位置に配設するとともに、前記スイッチ操作部の配設位置に合わせて前記フレキシブルプリント配線板に開口部を設け、前記スイッチ操作部が前記開口部を介して操作可能に配置されていることを特徴とする表示装置であるため、フレキシブルプリント配線板に設けた開口部にスイッチ操作部を配置することができ、表示装置全体を小型化することが可能となり、フレキシブルプリント配線板の少なくとも一部の領域を利用することができるために表示パネルの表示部領域と設定切り替えスイッチ操作部の距離を近づけることができ、これにより操作しやすく表示部を見やすくすることが可能となるものであり、これにより所期の目的を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態である液晶表示素子からなる表示装置を車両などの指示計器に組み付けた状態を示す正面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線に沿った表示装置の断面図である。
【図3】図3は、図2の表示装置における表示パネルとスイッチ操作部の組み付け前の状態を示す要部の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態を示す指示計器に組み付けられた表示装置を示す正面図である。
【図5】図5は、図4のB−B線に沿った表示装置の断面図である。
【図6】図6は、図5の表示装置における表示パネルとスイッチ操作部の組み付け前の状態を示す要部の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態である表示装置の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1から図3は本発明の第1の実施形態を示すもので、例えば車両用計器に搭載される指針の指示によるアナログ式指示計器に組み込まれた液晶による表示装置を例にして説明する。
【0024】
本実施形態による車両用の計器装置は、例えば自動車のダッシュボードに搭載されるコンビネーションメータからなるもので、図1に示すように外装部材であるケースCの内部には、速度計(スピードメータ)、エンジン回転計(タコメータ)などの情報を表示する表示部材である周知な指針式の計器からなるアナログ式の指示計器Mが収納固定されるとともに、指示計器Mの間にはフラットディスプレイパネルとなる液晶による表示装置Dが配置されている。この場合、各指示計器Mを構成する計器本体(図示せず)の前面側には表示板Pが取り付け固定され、指示計器Mに設けられた指針Sの指示を表示板Pに施された目盛や文字などの表示部P1と対比判読するようにしている。また、表示板Pには、中央箇所に開口窓部P2が設けられ、この開口窓部P2を介して液晶による表示装置Dの表示形態(車両の表示情報)が読み取れるように設けられている。
【0025】
表示装置Dは、透過型の液晶表示素子からなる矩形状の表示パネル1と、この表示パネル1の裏面側に配置され表示パネル1を保持する合成樹脂材料からなるホルダー2と、このホルダー2の背後に配置され、表示パネル1を駆動するための電子部品が実装された硬質材料からなる回路基板3と、この回路基板3側と表示パネル1側との間を電気的に接続するフレキシブルプリント配線板4と、このフレキシブルプリント配線板4の端部側と接続される回路基板3上に設けられたフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5と、回路基板3上に実装され表示パネル1の表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部6と、回路基板3上に実装され液晶表示素子からなる表示パネル1を背後から照明する光源としての発光ダイオード7と、これらの実装部品は下ケース8と上ケース9とからなるケースC内に収納されて構成されている。
【0026】
表示装置Dにおける表示パネル1は、たとえば一対のガラス基板間に液晶分子を封入した液晶パネルからなり、その端部にはフレキシブルプリント配線板4と導通接続される複数の電極端子(図示せず)が設けられている。
【0027】
ホルダー2は白色の合成樹脂からなり、枠状の側周壁部20と、側周壁部20の上端側にて水平方向に延びて表示パネル1が載置される載置部21が設けられている。この載置部21から奥まった位置において、たとえば白色で発光する発光ダイオード7が点灯すると、発光ダイオード7側からの照射光が表示パネル1の背後から透過照明するように構成されている。この場合、図示はしないが、発光ダイオード7と表示パネル1との間に光を拡散するための拡散板や発光ダイオード7からの光を導き入れるための導光板を設けるようにしても良い。
【0028】
回路基板3は、たとえばガラスエポキシ系材料からなる硬質の基板によって形成されており、その所定箇所にはフレキシブルプリント配線板4を介して表示パネル1の各電極端子(図示せず)と導通接続される。この際、表示パネル1に駆動信号を供給する複数の回路パターン(図示せず)が回路基板3上に設けられており、回路基板3上の回路パターンから引き出し形成された複数の電極端子と回路基板3に実装されたフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5とを電気的に接続し、このコネクタ5を介してフレキシブルプリント配線板4の電極端子(図示せず)と接続するように構成している。
【0029】
フレキシブルプリント配線板4は、合成樹脂製の樹脂フィルムに所望の導電回路パターンを形成したものであり、この場合、表示パネル1に設けられた電極端子(図示せず)と回路基板3上に引き回し形成された回路パターン(図示せず)に設けられた電極端子(図示せず)側とが適宜接続部材にて導通接続され、回路基板3を通じて表示パネル1に駆動信号を供給し、表示パネル1に所定の表示を行わせるようになっている。
【0030】
フレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5は、回路基板3上に実装されており、この実施形態においては、回路基板3の表示パネル1が配置される側の面と同一の面に配置されており、フレキシブルプリント配線板4の端部側に設けられた電極端子(図示せず)と電気的に接続されるように設けられている。
【0031】
スイッチ操作部6は、回路基板3上に実装されたタクトスイッチなどからなる押釦スイッチ60と操作者からの押し圧による作動力を伝えるキートップ部61とで構成されている。
【0032】
本実施形態にあっては、スイッチ操作部6を表示パネル1と隣接する位置に配設するとともに、スイッチ操作部6の配設位置に合わせてフレキシブルプリント配線板4には中央部分がスイッチ操作部6のキートップ部61が挿通可能なように開口部40が設けられ、スイッチ操作部6が開口部40を介して操作可能に配置されている。この場合、図2に示すように、フレキシブルプリント配線板4の破線で示した箇所が開口部40に相当し、図3においては、フレキシブルプリント配線板4の中央箇所を切り欠き形成し両側に配線パターンが迂回してフレキシブルプリント配線板4が引き回し形成されるように開口部40が設けられている。
【0033】
また表示パネル1の表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部6に設けられたキートップ部61の先端部分は、上ケース9に設けられた挿通孔90を介して上ケース9の前面側から上側に突出するように設けられている。
【0034】
なお、表示装置Dを上ケース9と下ケース8とからなるケースCに収納するとともに、押釦スイッチ60が実装された回路基板3の背面箇所に下ケース8から一体に突出した突き当て凸部80が配置されるように構成されている。
【0035】
このように構成された本実施形態における表示装置Dは、フレキシブルプリント配線板4に開口部40を設け、この開口部40にスイッチ操作部6を配置することができるため、スイッチ操作部6を含む表示装置D全体を小型化することが可能となり、フレキシブルプリント配線板4の少なくとも一部の領域を利用することができるため表示パネル1の表示部領域とスイッチ操作部6の距離を近づけることができ、これにより操作しやすく表示部を見やすくすることが可能となる。
【0036】
また回路基板3上に組み付けられる部品である表示パネル1やスイッチ操作部6の押釦スイッチ60あるいはフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5を、同一の側に面した回路基板3上に組み付けることができるため、部品のセットが行いやすく組み付け作業を簡便に行うことが可能となる。
【0037】
またスイッチ操作部6を回路基板3上に実装された押釦スイッチ60と操作者からの作動力を伝えるキートップ部61とによって構成することにより、キートップ部61の長さを調節(設定)することによって、主に規格品である押釦スイッチ60(タクトスイッチ)の長さを変えることなく回路基板3からキートップ部61までの距離を任意の長さに設定することができ、これにより押圧による操作をケースC(上ケース9)の前面側にて良好に行うことができる。
【0038】
また表示装置Dを上ケース9と下ケース8とからなるケースCに収納するとともに、押釦スイッチ60が実装された回路基板3の背面箇所に下ケース8から一体に突出した突き当て凸部80を配置してなることにより、操作者がスイッチ操作部6を作動させた際に生じやすい押圧力が、直接的に加わったとしても下ケース8から一体に設けた突き当て凸部80によって回路基板3の下側を受けることにより、回路基板3が撓んで変形することを未然に予防することができ、回路基板3の損傷を防ぐことができる。
【0039】
図4から図6は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、前述した第1の実施形態と同様にして、ケースCの内部には、速度計(スピードメータ)、エンジン回転計(タコメータ)などの情報を表示する表示部材である周知な指針式の計器からなるアナログ式の指示計器Mが収納固定されるとともに、指示計器Mの間にはフラットディスプレイパネルとなる液晶による表示装置Dが配置されている。この場合、各指示計器Mを構成する計器本体(図示せず)の前面側には表示板Pが取り付け固定され、指示計器Mに設けられた指針Sの指示を表示板Pに施された目盛や文字などの表示部P1と対比判読するようにしている。また、表示板Pには、中央箇所に開口窓部P2が設けられ、この開口窓部P2を介して液晶による表示装置Dの表示形態(車両の表示情報)が読み取れるように設けられている。
【0040】
また表示装置Dも前述した第1の実施形態と同様にして、透過型の液晶表示素子からなる矩形状の表示パネル1と、この表示パネル1の裏面側に配置され表示パネル1を保持する合成樹脂材料からなるホルダー2と、このホルダー2の背後に配置され、表示パネル1を駆動するための電子部品が実装された硬質材料からなる回路基板3と、この回路基板3側と表示パネル1側との間を電気的に接続するフレキシブルプリント配線板4と、このフレキシブルプリント配線板4の端部側と接続される回路基板3上に設けられたフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5と、回路基板3上に実装され表示パネル1の表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部6と、回路基板3上に実装され液晶表示素子からなる表示パネル1を背後から照明する光源としての発光ダイオード7と、これらの実装部品は下ケース8と上ケース9とからなるケースC内に収納されて構成されている。
【0041】
スイッチ操作部6は、前述した第1の実施形態とほぼ同様にして、回路基板3上に実装されたタクトスイッチなどからなる押釦スイッチ60と操作者からの押し圧による作動力を伝えるキートップ部61とで構成されている。
【0042】
また表示パネル1の表示部の表示情報を切り替えるためのスイッチ操作部6に設けられたキートップ部61の先端部分は、上ケース9に設けられた挿通孔90を介して上ケース9の前面側から上側に突出するように設けられている。
【0043】
この第2の実施形態においては、表示パネル1と隣接する位置にスイッチ操作部6が配設されるとともに、スイッチ操作部6の配設位置に合わせてフレキシブルプリント配線板4の折り返し領域の中央部分にはスイッチ操作部6のキートップ部61が近接配置されるように開口部40が設けられ、スイッチ操作部6が開口部40を介して操作可能に配置されている。この際、図5に示すようにフレキシブルプリント配線板4の破線で示した折り返されたフレキシブルプリント配線板4箇所が開口部40に相当し、図6においては、フレキシブルプリント配線板4の中央箇所が切り欠き形成され、その切り欠き形成された箇所がフレキシブルプリント配線板4の開口部40として形成され、その開口部40領域が折り返されながら引き回し形成されるように設けられている。
【0044】
また第2の実施形態においては、回路基板3に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5が、回路基板3の表示パネル1が配置される側の面と反対側の面に配置されるように設けられている。
【0045】
また回路基板3の背面側に配置されたフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5の位置関係に合わせて、フレキシブルプリント配線板4は、表示パネル1側と接続されたフレキシブルプリント配線板4の一端部から引き回し配設され、回路基板3の表面側から裏面側の周縁に沿いながら折り返されて引き回し配設され、回路基板3の裏面側に実装されたフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5と電気的に接続されるように設けられている。
【0046】
このように構成することによって、前述した第1の実施形態の効果に加えて、回路基板3に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタ5が、回路基板3の表示パネル1が配置される側の面と反対側の面に配置されることにより、回路基板3を覆うケースC(下ケース8と上ケース9)の側壁に沿って引き回し案内することが可能となり、これにより表示装置Dのスペースを抑えることができるとともに、ケースCを含む計器装置の小型化をさらに実現することが可能となる。
【0047】
また図7は、本発明の実施形態である表示装置の変形例を示すものであり、ここではキートップ部61の前面側に弾性を有する押圧操作部62を設けるとともに、この押圧操作部62を表示パネル1の前面側を覆う上ケース9に設けられた挿通孔90に水密を保つように取り付け固定している。
【0048】
このように構成することによって、ケースC内に表示装置Dを収納することにより保護することができるとともに、しかもスイッチ操作部6に設けられたキートップ部61の前面側に弾性を有する押圧操作部62を設け、この押圧操作部62を上ケース9の挿通孔90に水密状態にて取り付け固定してなることにより、ケースCの外部からの塵埃や水滴などの浸入を未然に防ぐことができるものであり、例えばオートバイや船舶などの外部雰囲気中において雨や海水などに晒されやすい使用条件においても雨水の浸入などを未然に防ぐことができる。
【0049】
なお本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。たとえば、各実施形態においては、表示装置Dとアナログ式の指示計器Mとを実装するための回路基板3を一体に形成していたが、個別に分離状態にして回路基板3をそれぞれ備えるように構成しても良いものであり、また各実施形態においては、スイッチ操作部6として、回路基板3上に実装されたタクトスイッチなどからなる押釦スイッチ60と操作者からの押し圧による作動力を伝えるキートップ部61とで構成していたが、ゴムスイッチなどからなるスイッチ操作部にて構成しても良いものであり、またフレキシブルプリント配線板4に形成する開口部40の形状や大きさなどは電気的に引き回し配線される配線パターンなどの数やフレキシブルプリント配線板4の長さや幅寸法などによって適宜設定すればよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
また、前述した実施形態にあっては、表示パネル1として液晶による表示パネルを例にして説明したが、EL表示パネルなどの表示パネル構造による表示装置であっても同様の効果を得ることができるものであり、車両用に限らず船舶用計器あるいは農業用機械や建設機械などの指示計器などにおいても適用することが可能であり、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0051】
C ケース
D 表示装置
M 指示計器
P 表示板
P1 表示部
P2 開口窓部
S 指針
1 表示パネル
2 ホルダー
3 回路基板
4 フレキシブルプリント配線板
5 フレキシブルプリント配線板接続用コネクタ
6 スイッチ操作部
7 発光ダイオード(光源)
8 下ケース
9 上ケース
20 側周壁部
21 載置部
40 開口部
60 押釦スイッチ
61 キートップ部
62 押圧操作部
80 突き当て凸部
90 挿通孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、前記表示パネルを駆動するための回路基板と、前記表示パネルと前記回路基板とを接続するフレキシブルプリント配線板と、前記回路基板上に実装され、前記表示パネルの表示設定などを切り替えるためのスイッチ操作部と、を備えた表示装置において、前記スイッチ操作部を前記表示パネルと隣接する位置に配設するとともに、前記スイッチ操作部の配設位置に合わせて前記フレキシブルプリント配線板に開口部を設け、前記スイッチ操作部が前記開口部を介して操作可能に配置されていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記スイッチ操作部は、前記回路基板上に実装された押釦スイッチと操作者からの作動力を伝えるキートップ部とで構成されること、を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記回路基板に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタが、前記回路基板の前記表示パネルが配置される側の面と同一の面に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記回路基板に実装されるフレキシブルプリント配線板接続用コネクタが、前記回路基板の前記表示パネルが配置される側の面と反対側の面に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置を上ケースと下ケースとからなるケースに収納するとともに、前記押釦スイッチが実装された前記回路基板の背面箇所に前記下ケースから一体に突出した突き当て凸部を配置してなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記キートップ部の前面側に弾性を有する押圧操作部を設けるとともに、この押圧操作部を前記表示パネルの前面側を覆う前記上ケースに取り付け固定してなることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−95178(P2013−95178A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237064(P2011−237064)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】