説明

表面改質金属酸化物、その製造方法、および化粧品調製物中におけるその使用

本発明は、表面改質ナノ粒子金属酸化物、その製造方法、および化粧品調製物中でのUVフィルターとしてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面改質ナノ粒子金属酸化物、その製造方法、および化粧品調製物中におけるUVフィルターとしてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物は、様々な目的に、つまり、例えば、白色顔料として、触媒として、皮膚保護用抗菌軟膏の構成成分として、およびゴム加硫の活性化剤として使用されている。細かく砕かれた酸化亜鉛や二酸化チタンは、化粧品日焼け止め剤中にUV吸収顔料として入っている。
【0003】
本出願の範囲内においては、用語「ナノ粒子」は、電子顕微鏡による方法により測定される平均直径が5〜10,000nmである粒子を意味するのに用いられている。
【0004】
粒子径が約30nmより小さい酸化亜鉛ナノ粒子は、透明な有機・無機ハイブリッド材料、プラスチック、塗料およびコーティングにおいてUV吸収剤として使用するのに適していると思われる。これと同じように、UV感受性有機顔料を保護するための使用も考えられる。
【0005】
約30nmより大きい酸化亜鉛の粒子、粒子凝集体、または粒子集塊体は光散乱効果をもたらす。つまり、可視光領域において透明性の好ましくない低下が起こる。この理由から、再分散性、すなわち調製された酸化亜鉛ナノ粒子がコロイド状の分散状態に変換される特性は、上記した用途にとっては重要な必要前提条件である。
【0006】
粒子径が約5nmより小さい酸化亜鉛ナノ粒子は、そのサイズ量子化効果により、吸収限界の青色シフトが起こる(L. Brus、J. Phys. Chem. (1986)、90、2555-2560)ので、UV-A領域のUV吸収剤として使用するのにはあまり適していない。
【0007】
金属酸化物の調製は、公知である。例えば酸化亜鉛は乾式法および湿式法により調製される。乾式法として知られている亜鉛を焼成する古典的な方法(例えば、Gmelin Volume 32、8th edition、supplementary volume、p. 772 ff.)では、径分布が広い凝集体粒子が製造される。原理的には磨砕法により1ミクロン未満領域の粒子径を製造することは可能であるが、到達できる剪断力が低いため、そのような粉末からは平均粒子径が低ナノメーター領域にある分散物を得ることは可能でない。特に細かく砕かれた酸化亜鉛は、主として沈殿法によるウェットケミカル法で製造される。水性溶液中での沈殿では、一般に、水酸化物含有物質および/または炭酸塩含有物質が製造され、これを熱により酸化亜鉛に変換しなければならない。この熱による後処理は、細かく砕かれている特質に対して悪い影響を及ぼす。というのは、粒子はこの場合焼結工程に付されるので、ミクロンサイズの凝集体の形成を生じ、これは磨砕によっては不完全にしか第一次粒子に磨砕することができないからである。
【0008】
ナノ粒子金属酸化物は、例えばマイクロエマルジョン法により得ることができる。この方法では、金属アルコキシドの溶液が油中水型マイクロエマルジョンに滴下で加えられる。このマイクロエマルジョンの逆ミセル[これの径はナノメーター領域にある]中では、このあとアルコキシドのナノ粒子金属酸化物への加水分解が起こる。この方法の欠点は、特に、金属アルコキシドが高価な出発物質であること、乳化剤をさらに用いなければならないこと、および粒子径がナノメーター領域にあるエマルジョンの調製は複雑な工程段階であることである。
【0009】
DE 199 07 704には、沈殿反応を経て調製されたナノ粒子酸化亜鉛が記載されている。この方法では、ナノ粒子酸化亜鉛が、酢酸亜鉛溶液から出発してアルカリ沈殿を経て調製される。遠心分離されたこの酸化亜鉛を、塩化メチレンを加えることで再分散させてゾルを得ることもできる。この方法により調製された酸化亜鉛分散物は、表面改質がないため、長期安定性が良くないという欠点を有している。
【0010】
WO 00/50503には、粒子直径が≦15nmであるナノ粒子酸化亜鉛粒子を含み且つ再分散してゾルを生じることができる酸化亜鉛ゲルが記載されている。この方法では、亜鉛化合物のアルコール中またはアルコール/水混合物中での塩基性加水分解により生成された沈殿物が、ジクロロメタンまたはクロロホルムを加えることにより再分散される。この場合の欠点は、水中でも水性分散媒中でも、安定な分散物が得られないことである。
【0011】
Lin Guo and Shihe Yangによる文献Chem. Mater. 2000, 12, 2268-74 “Synthesis and Characterization of Poly(vinylpyrrolidone)-Modified Zinc Oxide Nanoparticles“では、ウルツ鉱酸化亜鉛ナノ粒子がポリビニルピロリドンで表面コートされる。この場合の欠点は、ポリビニルピロリドンでコートされた酸化亜鉛粒子は水に分散可能でないことである。
【0012】
WO 93/21127には、表面改質ナノ粒子セラミック粉末の調製方法が記載されている。この方法では、ナノ粒子セラミック粉末が、低分子量有機化合物例えばプロピオン酸をつけることで表面改質される。この方法は、改質反応が水性溶液中で行われ、酸化亜鉛が有機酸水性溶液に溶解するので、酸化亜鉛の表面改質には用いることができない。したがってこの方法は酸化亜鉛分散物を製造するのには用いることができない。さらに、その出願では、酸化亜鉛は、ナノ粒子セラミック粉末の考えられ得る出発物質としても指定されていない。
【0013】
JP-A-04 164 814には、高温の水性媒体中での沈殿の結果、熱による後処理なしでも細かく砕かれたZnOを生じる方法が記載されている。記載されている平均粒子径は、集塊の程度の表示なしの20〜50nmである。この粒子は比較的大きいものである。集塊が最小限であるとしても、これは散乱効果を生じ、透明用途では好ましくないことである。
【0014】
JP-A-07 232 919には、高温での有機酸およびアルコールのような他の有機化合物との反応による、亜鉛化合物からの、径が5〜10,000nmのZnO粒子の調製が記載されている。この場合の加水分解は、生成する副生物(用いた酸のエステル)が留去されるように行われる。この方法は、前以っての表面改質により、再分散可能ZnO粉末の調製を可能にするものである。しかしながら、この出願の開示内容からすると、平均直径が<15nmである粒子を製造することが可能でない。つまり、この出願に掲載されている実施例で、15nmが、最も小さい一次粒子平均直径として表示されている。
【0015】
特にDE 33 14 741 A1、DE 36 42 794 A1、およびEP 0 603 627 A1、ならびにWO 97/16156には、有機シリコン化合物で疎水化された金属酸化物が記載されている。
【0016】
シリコーン化合物でコートされたこれら金属酸化物例えば酸化亜鉛または二酸化チタンは、それらと一緒に調製される水中油型もしくは油中水型エマルジョンが、必要とされるpH安定性を必ずしも有してはいないという欠点を有している。
【0017】
加えて、シリコーン化合物でコートされた各種の金属酸化物の、互いに関しての不適合性が多くの場合観察されている。これは、異種粒子の望ましくない集合体形成および凝集を生じると思われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、したがって、水または極性の有機溶媒および化粧品オイル中で安定なナノ粒子分散物をつくることを可能にするナノ粒子金属酸化物を提供することである。複雑な磨砕工程を回避することができるよう、可能なら、粒子の不可逆的な凝集は回避されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、表面改質ナノ粒子金属酸化物であって、該金属が、アルミニウム、セリウム、鉄、チタン、亜鉛およびジルコニウムからなる群から選択され、該表面改質が、ポリアスパラギン酸によるコーティングを含んでなることを特徴とするナノ粒子金属酸化物によって達成される。
【0020】
本発明の範囲内においては、用語ポリアスパラギン酸には、その遊離の酸と、例えばそのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、亜鉛塩、および鉄塩またはその混合物のようなポリアスパラギン酸の塩の両方が含まれる。
【0021】
本発明に従ってナノ粒子金属酸化物のために用いられる表面コーティングは、好ましくはポリアスパラギン酸および/またはそのナトリウム塩を含んでなる。
【0022】
本発明による表面改質金属酸化物の好ましい実施形態は、表面コーティングが、ゲルクロマトグラフィー分析で測定される分子量MWが1000〜100,000、好ましくは1000〜20,000、特に好ましくは1000〜7000のポリアスパラギン酸を含んでなるものである。
【0023】
本発明による金属酸化物のさらに有利な実施形態は、金属酸化物粒子が、走査型・透過型電子顕微鏡により測定される粒子直径の一次粒子平均直径が5〜10,000nm、好ましくは10〜200nm、特に好ましくは10〜50nmであるものである。
【0024】
本発明の範囲内においては、言及すべき好ましい金属酸化物は、二酸化チタンおよび酸化亜鉛、特に好ましくは酸化亜鉛である。
【0025】
本発明は、ポリアスパラギン酸および/またはその塩によるナノ粒子金属酸化物の表面改質により、表面改質金属酸化物の分散物、特に化粧品調製物中の分散物の長期安定性を、これら調製物の貯蔵中、pHの望ましくない変化を伴わずに実現できるという発見に基づいている。
【0026】
本発明はさらに、表面改質ナノ粒子金属酸化物の製造方法であって、該金属が、アルミニウム、セリウム、鉄、チタン、亜鉛、およびジルコニウムからなる群から選択され、該方法が、
a. 金属酸化物を、その金属の塩のうちの1種の水性溶液から沈殿させる工程、
b. 沈殿した金属酸化物を該水性反応混合物から分離する工程、および
c. 続いて該金属酸化物を乾燥させる工程、
を含んでなり、工程a.における金属酸化物の沈殿をポリアスパラギン酸の存在下に行うことを特徴とする製造方法を提供する。
【0027】
本発明による方法の好ましい実施形態は、沈殿を、ゲルクロマトグラフィー分析によって測定される分子量MWが1000〜100,000、好ましくは1000〜20,000、特に好ましくは1000〜7000のポリアスパラギン酸の存在下に行う実施形態である。
【0028】
工程a.における金属の塩は、金属のハロゲン化物、酢酸塩、硫酸塩または硝酸塩であってよい。本発明における好ましい金属の塩は、ハロゲン化物[例えば塩化亜鉛(II)または四塩化チタン]および硝酸塩[例えば硝酸亜鉛(II)]である。
【0029】
工程a.における金属酸化物の沈殿は、温度20℃〜100℃、好ましくは25℃〜40℃で行ってもよい。
【0030】
用いる金属の塩にもよるが、沈殿はpH3〜13の範囲で行ってもよい。酸化亜鉛の場合では、沈殿中のpHは7〜11の範囲である。
【0031】
金属塩の濃度は、通常0.05〜1モル/L、好ましくは0.1〜0.5モル/L、特に好ましくは0.2〜0.4モル/Lである。
【0032】
沈殿時間は、通常2〜8時間、好ましくは3〜7時間、特に好ましくは4〜6時間である。
【0033】
本発明は、特に、
a. 塩化亜鉛(II)または硝酸亜鉛(II)の水性溶液から、アルカリ金属水酸化物または水酸化アンモニウムの存在下に温度25〜40℃、pH 7〜11で酸化亜鉛を沈殿させる工程、
b. 沈殿した酸化亜鉛をその水性反応混合物から分離する工程、および
c. 続いて乾燥させる工程、
による表面改質ナノ粒子酸化亜鉛の製造方法であって、工程a.における酸化亜鉛の沈殿を、分子量MWが1000〜7000のポリアスパラギン酸の存在下に行うことを特徴とする方法を提供するものである。
【0034】
工程a.における酸化亜鉛の沈殿は、例えば、塩化亜鉛(II)または硝酸亜鉛(II)の水性溶液にポリアスパラギン酸とアルカリ金属水酸化物もしくは水酸化アンモニウム(特にNaOH)の混合物を計量添加することによって、あるいはポリアスパラギン酸水性溶液に塩化亜鉛(II)または硝酸亜鉛(II)の水性溶液およびアルカリ金属水酸化物もしくは水酸化アンモニウムの水性溶液をそれぞれの場合同時に計量添加することによって行うことができる。
【0035】
沈殿した金属酸化物は、それ自体公知の方法例えば濾過または遠心によりその水性反応混合物から分離することができる。
【0036】
得られる濾過ケーキは、それ自体公知の方法により、例えば乾燥キャビネット中で大気圧下温度40〜100℃好ましくは50〜70℃で恒量まで乾燥させることができる。
【0037】
本発明はさらに、本発明に従って表面コートされた酸化亜鉛を含んでなる化粧品組成物つまり酸化亜鉛分散物を提供するものである。
【0038】
本発明はさらに、本発明の方法によって調製された表面改質金属酸化物特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛の、
・UV保護のための使用、
・抗菌活性成分としての使用、
を提供するものである。
【0039】
本発明の好ましい実施形態によれば、表面改質金属酸化物特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛は液体媒体に再分散可能であり、安定な分散物を形成する。これは、本発明の酸化亜鉛から調製された分散物はさらなる加工の前にもう一度分散させる必要がなくそのまま加工できるので、特に有利である。
【0040】
本発明の好ましい実施形態によれば、表面改質金属酸化物は極性有機溶媒に再分散可能であり、安定な分散物を形成する。これは、例えばプラスチックまたはフィルム中への均一な取り込みを可能にするので、特に有利である。
【0041】
本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、表面改質金属酸化物は水に再分散可能であり、水中で安定な分散物を形成する。これは、本発明の材料を例えば化粧品配合物[ここでは、有機溶媒をなくすることは大きな利点である]に使用することの可能性を開くので、特に有利である。水と極性有機溶媒の混合物も考えられる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態によれば、表面改質金属酸化物粒子は10〜200nmの直径を有している。これは、この径分布内では良好な再分散が確実なものとなるので、特に有利である。
【0043】
本発明の特に好ましい実施形態によれば、金属酸化物ナノ粒子は10〜50nmの直径を有している。この径範囲では、そのような酸化亜鉛ナノ粒子を再分散させたあとに得られる分散物は透明である、つまり、例えば、化粧品配合物に加えられた場合その着色に影響を及ぼさないので、特に有利である。さらに、これはまた、透明フィルムでの使用の可能性を生じさせるものである。
【0044】
金属酸化物特に二酸化チタンまたは酸化亜鉛をUV吸収剤として使用する場合は、直径が5nmより大きい粒子を使用することが薦められる。その理由は、この限界より下では、吸収限界が短波長領域にシフトするからである(L. Brus、J. Phys.、Chem. (1986)、90、2555 - 2560)。
【0045】
本発明はさらに、本発明に従って表面改質された金属酸化物特に二酸化チタンおよび/または酸化亜鉛を含んでなる化粧品組成物を提供するものである。これは、金属酸化物粒子特に酸化亜鉛粒子が細かく分布しているためそのスキン・カーミング[肌鎮静(skin-calming)]効果をより効果的に出すことができるので、特に有利である。
【0046】
さらなる利点は、例えば皮膚に塗布するとき、その粒子径が小さいことから、摩擦効果[rubbing effect]が生ぜず、むしろ皮膚に心地よい感じをもたらすソフトな塗布が可能であることである。
【0047】
化粧品組成物のさらなる実施形態によれば、本化粧品組成物は、皮膚のケアまたは保護、特に太陽光線に曝されたときの日焼け防止またはケアに役立つもので、エマルジョン(乳化物)、ディスパージョン(分散物)、サスペンジョン(懸濁物)、水性界面活性剤調製物、乳液、ローション、クリーム、バルサム(芳香性軟膏)、軟膏、ジェル、顆粒、粉末、例えば口紅のようなスティック調製物、フォーム、エアロゾル、またはスプレーの形態にある。このような配合物は、局所用調製物として非常に適している。適しているエマルジョンは水中油型エマルジョンおよび油中水型エマルジョンまたはマイクロエマルジョンである。これは、それらを日焼け止め剤中に用いることで例えば酸化亜鉛のUV吸収効果とスキン・カーミング効果を同時に利用できるので、特に有利である。さらに、本発明に従って表面改質された金属酸化物は、それら粒子を、ヒトの目には透明に見える径で調製することができるので、日焼け止め剤で使用するのに郡を抜いて適している。結果として、使用中、皮膚に白浮き(white haze)を生じることはない。
【0048】
さらなる利点は、特に酸化亜鉛はUVの広帯域フィルターであることから、これのUV吸収作用により、さらなる化学的UVフィルター物質をもはや必要としない日焼け止め剤を提供することが可能になることである。結果として、化学的フィルターの分解生成物によるあるいはそれら物質そのものによる皮膚刺激またはアレルギー反応の危険性を避けることができる。このことは、このように配合された日焼け止め剤の、一般的な適合性を著しく高めるものである。一般には、本化粧品組成物は、皮膚に局所的に塗布することに使用される。この場合、局所用調製物とは、本活性成分を皮膚に小さい分布で塗布するのに適した、好ましくは皮膚が吸収することができる形態で塗布するのに適した調製物を意味すると理解する。この目的のために適しているのは、例えば、水性溶液、水性・アルコール性溶液、スプレー、フォーム、フォームエアロゾル、軟膏、水性ジェル、O/WもしくはW/O型エマルジョン、マイクロエマルジョン、または化粧品スティック調製物である。
【0049】
本発明による化粧品組成物の好ましい実施形態によれば、この組成物は担体を含んでなる。好ましい担体は、水、気体、水性液体、オイル、ジェル、エマルジョンまたはマイクロエマルジョン、ディスパージョン、あるいはこれらの混合物である。これらの特定された担体は、良好な皮膚適合性を示す。水性のジェル、エマルジョンまたはマイクロエマルジョンは、局所用調製物として特に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
用いてもよい乳化剤は、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、または陰イオン性乳化剤である。これら乳化剤は、本発明による組成物中に組成物を基準にして0.1〜10重量%好ましくは1〜5重量%の量で存在していてもよい。
【0051】
用いる非イオン性の界面活性剤は、例えば、以下の群中の少なくとも1つの群から選択される界面活性剤であってよい:
8〜22個の炭素原子をアルキル基に有している直鎖状脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子をアルキル基に有している脂肪酸、8〜15個の炭素原子をアルキル基に有しているアルキルフェノールへのエチレンオキサイド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキサイド0〜5モルの付加生成物;
グリセロールへのエチレンオキサイド1〜30モルの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノ-エステルおよびジ-エステル;
6〜22個の炭素原子を有している飽和および不飽和脂肪酸のグリセロールモノ-およびジ-エステルおよびソルビタンモノ-およびジ-エステルならびにそれらのエチレンオキサイド付加生成物;
アルキル基に8〜22個の炭素原子を有しているアルキルモノ-およびオリゴ-グリコシドおよびそのエトキシル化類似体;
ひまし油および/または水素化ひまし油へのエチレンオキサイド15〜60モルの付加生成物;
ポリオール特にポリグリセロールエステル例えばポリグリセロールポリリシノレエート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート、または ポリグリセロールジメレート(同様に適しているのはこれらの物質の群からの2つ以上の化合物の混合物である);
ひまし油および/または水素化ひまし油へのエチレンオキサイド2〜15モルの付加生成物;
直鎖状、分岐状、不飽和または飽和のC6/22-脂肪酸、リシノール酸、および12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えばセルロース)をベースとする部分エステル;
モノ-アルキルホスフェート、ジ-アルキルホスフェートおよびトリ-アルキルホスフェート、およびモノ-PEG-アルキルホスフェート、ジ-PEG-アルキルホスフェートおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェート、ならびにこれらの塩;
羊毛脂アルコール;
ポリシロキサン・ポリアルキル・ポリエーテル・コポリマーおよび対応する誘導体;
ドイツ特許1165574に記載のペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/または6〜22個の炭素原子を有している脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
ポリアルキレングリコール;および
ベタイン。
【0052】
さらに、双性イオン性界面活性剤は乳化剤としても用いることができる。双性イオン性界面活性剤という用語は、分子中に少なくとも1個の四級アンモニウム基および少なくとも1個のカルボキシレート基または1個のスルホネート基をもつ界面活性化合物を意味するのに用いられている。特に適している双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインつまりN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム グリシネート例えばココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート例えばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリジンであってそれぞれの場合においてアルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を有しているもの、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。特に好ましいのは、CTFA名でコカミドプロピルベタイン[Cocamide Propyl Betaines]と呼ばれるその脂肪酸アミド誘導体である。
【0053】
同様に適している乳化剤は両性界面活性剤である。両性界面活性剤とは、分子中にC8,18-アルキルまたは-アシル基のほかに少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の-COOHまたは-S03H基を含み且つ内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味すると理解する。好適な両性界面活性剤の例は、それぞれの場合そのアルキル基におよそ8〜18個の炭素原子を有しているN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ-酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミド-プロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、およびアルキルアミノ酢酸である。
【0054】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12/18-アシルサルコシンである。両性界面活性剤の他には、第四級の乳化剤も適しており、好ましいのは、エステルクアットタイプ[esterquat type]のもの、好ましくはメチル-四級化二脂肪酸トリエタノールアミンエステルの塩である。さらに、用いることができる陰イオン性乳化剤は、アルキルエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、脂肪酸スルフェート、スルホスクシネート、および/またはエーテルカルボン酸である。
【0055】
適している油体は、6〜18好ましくは8〜10個の炭素原子を有している脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール[Guerbet alcohol]、直鎖状C6〜C22-脂肪酸と直鎖状C6〜C22-脂肪アルコールのエステル、分岐状C6〜C13-カルボン酸と直鎖状C6〜C22-脂肪アルコールのエステル、直鎖状C6〜C22-脂肪酸と分岐状アルコール特に2-エチルヘキサノールのエステル、直鎖状および/または分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ジメルジオール[dimerdiol]またはトリメルトリオール[trimertriol]など)および/またはゲルベアルコールのエステル、C6〜C10-脂肪酸をベースとするトリグリセリド、C6〜C18-脂肪酸をベースとする液体のモノ-グリセリド/ジ-グリセリド、トリ-グリセリド混合物、C6〜C22-脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸特に安息香酸のエステル、C2〜C12-ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有している直鎖状または分岐状アルコールもしくは2〜10個の炭素原子を有し且つ2〜6個のヒドロキシル基を有しているポリオールのエステル、植物油、分岐状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状C6〜C22-脂肪アルコールの炭酸エステル、ゲルベ炭酸エステル、安息香酸と直鎖状および/または分岐状C6〜C22-アルコールのエステル(例えばFinsolv [登録商標] TN)、ジアルキルエーテル、ポリオールのエポキシ化脂肪酸エステルの開環生成物、シリコーン油、および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素である。さらにシリコーン化合物も用いることができる油体であり、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびにアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、アルキル-、および/またはグルコシド-変性シリコーン化合物であり、これらは室温で液体形態であってもよいしレジン形態であってもよい。油体は、本発明による組成物中に、組成物を基準にして1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%の量で存在していてもよい。
【0056】
特に好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は、可溶性の化合物または他の顔料の形態にあるさらなるUV光保護フィルター成分を含んでいる。
【0057】
既に上記で述べたように、本発明による酸化亜鉛粒子の助けによって、さらなるUVフィルター物質なしでも良好なUV吸収特性を実現する日焼け止め剤組成物を提供することは可能であるが、個別のケースにおいて、化粧品組成物または日焼け止め剤組成物にさらなるUVフィルター物質を加えるのが望ましい場合がある。これは、例えば、フィルター性能が特に重要な場合、必要である。本発明による組成物には、1種または複数種のさらなるUV光保護フィルター成分を加えることができる。
【0058】
可溶性化合物の場合、UV光保護フィルター成分とは、紫外線を吸収しその吸収されたエネルギーを再びより長い波長の放射(例えば熱)の形態で放出することができる有機物質を意味すると理解する。この有機物質は油溶性であってもよいし、水溶性であってもよい。
【0059】
使用してもよい油溶性のUV-Bフィルター成分は、例えば、以下の物質である:
3-ベンジリデンショウノウおよびその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)ショウノウ;
4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは2-エチルヘキシル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-オクチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、およびアミル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート;
シンナム酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、プロピル4-メトキシシンナメート、イソアミル4-メトキシシンナメート、イソペンチル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル2-シアノ-3-フェニルシンナメート(オトクリレン[otocrylene]);
サルチル酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシルサリシレート、4-イソプロピルベンジルサリシレート、ホモメンチルサリシレート;
ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシベンズマロネート;
トリアジン誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン[octyl triazone])、ジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb [登録商標] HEB)。
【0060】
プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-t-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン。
【0061】
好適な水溶性の物質は以下である:
2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸ならびにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、およびグルカアンモニウム塩;
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;
3-ベンジリデンショウノウのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸ならびにそれらの塩。
【0062】
特に好ましいのは、シンナム酸のエステル、好ましくは2-エチルヘキシル4-メトキシシンナメート、イソペンチル4-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシル2-シアノ-3-フェニルシンナメート(オクトクリレン)を使用することである。
【0063】
さらに、ベンゾフェノンの誘導体特に2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、およびプロパン-1,3-ジオン例えば1-(4-t-ブチルフェニル)-3-(4-'メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンを使用するのも好ましい。
【0064】
好適な典型的なUV-Aフィルター成分は以下である:
ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1-(4'-t-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-t-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタンまたは1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン;
ベンゾフェノンのアミノヒドロキシ-置換誘導体、例えば、N,N-ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル-n-ヘキシルベンゾエート。
【0065】
上記UV-Aフィルター成分およびUV-Bフィルター成分は勿論混合物ででも使用できる。
【0066】
しかしながら、他の不溶性の顔料例えば細かく分散された金属酸化物もまた使用してもよいさらなる光保護フィルター成分である。例えば、二酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリケート(タルク)、硫酸バリウム、およびステアリン酸亜鉛である。この場合粒子は、平均直径100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に好ましくは15〜30nmを有しているべきである。
【0067】
上記した主たる光保護物質の2つの群のほかに、UV放射線が皮膚に浸透するときに起こる光化学反応連鎖を中断する抗酸化型の副たる光保護剤を使用することもできる。これの典型的な例は、スーパーオキシドジスムターゼ、トコフェロール(ビタミン E)、およびアスコルビン酸(ビタミン C)である。
【0068】
本発明による日焼け止め剤組成物中における光保護剤の総分率は、通常1〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。そのような本発明の組成物は、水を1〜95重量%、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜60重量%含んでいてもよい。
【0069】
特に好ましい実施形態によれば、本発明による化粧品組成物はまた、ケア物質、さらなる化粧品活性成分および/または助剤ならびに添加物も含んでいる。
【0070】
この使用されるさらなる化粧品活性成分は、好ましくは、スキン保湿剤、抗菌物質および/または脱臭物質または制汗物質である。これらは、皮膚のケアまたはトリートメントに貢献するという、あるいは例えば本化粧品組成物をユーザーが使用するときそのユーザーの満足度を高めるというさらなる良い効果を達成することができるという利点を有している。
【0071】
例えば、前記担体、前記表面改質酸化亜鉛、水、および生理学的に適している溶媒のほかに、本化粧品組成物は、なかでも、ケア成分、例えばオイル、ワックス、脂、リファッティング物質[refatting substances]、増粘剤、乳化剤、および芳香剤を含んでいてもよい。皮膚の予防的または化粧的な局所トリートメントには、ケア物質の分率が高いと特に有利である。
【0072】
組成物がまた、動物および植物の油脂[これらは多くの場合同じようにケア効果を有している]以外にさらなるケア成分を含んでいる場合は特に有利である。使用することができるケア活性成分の群には、例えば:8〜22個の炭素原子を有している脂肪アルコール特に天然脂肪酸の脂肪アルコール;動物タンパクおよび植物タンパクの加水分解物特にエラスチン、コラーゲン、ケラチン、ミルクタンパク、ダイズタンパク、シルクタンパク、オートムギタンパク、エンドウマメタンパク、アーモンドタンパク、およびコムギタンパクの加水分解物;ビタミンおよびビタミン前駆体特にビタミンA群およびB群のビタミン;単糖、二糖、およびオリゴ糖;植物エキス;蜂蜜エキス;セラミド;リン脂質;ワセリン、パラフィン油およびシリコーン油;脂肪酸と脂肪アルコールのエステル特に脂肪酸と3〜24個の炭素原子を有しているアルコールとのモノエステル;が挙げられる。本発明による組成物中に好ましく使用されるビタミン、プロビタミン、またはビタミン前駆体としては、特に、
A群、C群、E群、およびF群のビタミン、プロビタミン、およびビタミン前駆体、特に3,4-ジデヒドロレチノール、β-カロテン(ビタミンAのプロビタミン)、アスコルビン酸(ビタミン C)、アスコルビン酸のパルミチン酸エステル、アスコルビン酸のグルコシドまたはホスフェート、トコフェロール特にα-トコフェロールおよびそのエステル例えばその酢酸エステル、そのニコチン酸エステル、そのリン酸エステル、およびそのコハク酸エステル、ならびにビタミンF[これは、実質的に脂肪酸特にリノール酸、リノレン酸、およびアラキドン酸を意味すると理解する]が挙げられる(ビタミンAおよびその誘導体ならびにプロビタミンは、有利なことには、好ましい肌を滑らかにする効果[skin-smoothing effect]を出す)。
【0073】
本発明による組成物中に好適に使用されるビタミンB群のビタミン、プロビタミン、またはビタミン前駆体、あるいはそれらの誘導体、および2-フラノンの誘導体には、特に、以下が挙げられる:
ビタミン B1、慣用名チアミン、化学名塩化3-[(4'-アミノ-2'-メチル-5'-ピリミジニル)メチル]-5-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルチアゾリウム。好ましくは、組成物全体を基準にしてチアミン塩酸塩を0.05〜1重量%の量で用いる。
【0074】
ビタミン B2、慣用名リボフラビン、化学名7,8-ジメチル-10-(1-D-リビチル)-ベンゾ[g]プテリジン-2,4(3H,10H)-ジオン。リボフラビンは遊離の形態で例えば乳清中に生じ、他のリボフラビン誘導体は細菌や酵母から単離することができる。本発明にとって同じように好適であるリボフラビンの立体異性体はリキソフラビンであり、これは魚の肉または肝臓から単離することができ、D-リビチル基に換わってD-アラビチル基を有している。好ましくは、組成物全体を基準にしてリボフラビンまたはその誘導体を0.05〜1重量%の量で用いる。
【0075】
ビタミン B3。この呼称は、化合物ニコチン酸およびニコチンアミド(ナイアシンアミド)に対してしばしば使われる。本発明によれば、本発明による組成物中にこのニコチンアミドが好ましくは組成物全体を基準にして0.05〜1重量%の量で存在しているのが好ましい。
【0076】
ビタミン B5(パントテン酸およびパンテノール)。好ましくはパンテノールを使用する。本発明に従って使用することができるパンテノール誘導体は、特に、パンテノールのエステルおよびエーテルならびにカチオン誘導体化パンテノールである。本発明のさらに好ましい実施形態では、パントテン酸またはパンテノールに加えて2-フラノンの誘導体を使用することもできる。特に好ましい誘導体は、商業的に入手可能な物質である慣用名パントラクトン(Merck)のジヒドロ-3-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2(3H)-フラノン、4-ヒドロキシメチル-γ-ブチロラクトン(Merck)、3,3-ジメチル-2-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン(Aldrich)、および2,5-ジヒドロ-5-メトキシ-2-フラノン(Merck)であり、立体異性体の全ても明確に含まれる。
【0077】
これらの化合物は、有利なことには、本発明による化粧品組成物に保湿特性とスキン・カーミング特性を与える。
【0078】
この特定されたビタミンB5タイプの化合物および2-フラノン誘導体は、本発明による組成物中に好ましくは組成物全体を基準にして0.05〜10重量%の総量で存在している。0.1〜5重量%の総量は特に好ましい。
【0079】
ビタミン B6。これは1つの均一な物質を意味すると理解するのではなく、慣用名ピリドキシン、ピリドキサミンおよびピリドキサールで知られる5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリジン-3-オールの誘導体群である。本発明による組成物中には、好ましくはビタミンB6が0.0001〜1.0重量%の量、好ましくは0.001〜0.01重量%の量で存在している。
【0080】
ビタミン B7(ビオチン)。ビタミン H または「皮膚ビタミン」とも呼ばれる。ビオチンは、(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]イミダゾール-4-バレル酸である。本発明による組成物には好ましくはビオチンが0.0001〜1.0重量%の量、好ましくは0.001〜0.01重量%の量で存在している。
【0081】
本発明によれば、パンテノール、パントラクトン、ニコチンアミド、およびビオチンがなかでも特に好ましい。
【0082】
助剤、添加物とは、美容特性、性能特性および/または化粧品特性を改良するのに適している物質を意味すると理解し、例えば、乳化助剤、有機溶媒、過脂肪剤、安定剤、抗酸化剤、ワックスまたは脂、粘稠度調節剤、増粘剤、日焼け止め剤、ビタミン、カチオンポリマー、生体活性成分、保存剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、染料、および芳香剤である。
【0083】
例えば、以下の助剤、添加物を用いることができる:
・アラントイン[allantoin]、
・アロエベラ[Aloe Vera]、
・ビサボロール[bisabolol]、
・セラミドおよびシュードセラミド。
【0084】
抗酸化剤は、有利なことには本発明による組成物の安定性を向上させる。抗酸化剤は、例えば、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(例えばウロカニン酸)、ペプチド例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコペン)およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびさらなるチオ化合物(例えばチオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンならびにそのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびこれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、およびスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-チオニンスルホキシイミン、ヘキサ-チオニンスルホキシイミン、ヘプタ-チオニンスルホキシイミン)[これらは非常に少ない許容量(例えばピコモル/kg〜ピコモル/kg)で]、ならびに金属キレート化剤(例えばα-ヒドロキシ脂肪酸、EDTA、EGTA、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、没食子酸エステル(例えば没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、フラボノイド、カテキン、ビリルビン、ビリベルジンおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、アラキドン酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ヒドロキノンおよびその誘導体(例えばアルブチン)、ユビキノンおよびユビキノールならびにそれらの誘導体、ビタミン Cおよびその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、ステアレート、ジパルミテート、アセテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビン酸ナトリウムおよびマグネシウム、ジナトリウムアスコルビルホスフェートおよびスルフェート、カリウムアスコルビルトコフェリルホスフェート、アスコルビン酸キトサン)、イソアスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体(例えばトコフェリルアセテート、リノレエート、オレエート、およびスクシネート、トコフェレト(tocophereth)-5、トコフェレト-10、トコフェレト-12、トコフェレト-18、トコフェレト-50、トコフェルソラン)、ビタミン Aおよび誘導体(例えばビタミン Aのパルミチン酸エステル)、ベンゾインレジンのコニフェリルベンゾエート、ルチン、ルチン酸およびその誘導体、二ナトリウムルチニルジスルフェート、桂皮酸およびその誘導体(例えばフェルラ酸、フェルラ酸エチル、カフェー酸)、コウジ酸、キトサングリコレートおよびサリシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛および亜鉛誘導体(例えばZnO、ZnS04)、セレンおよびセレン誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)である。
【0085】
本発明によれば、これらの特定された活性成分の適している誘導体(塩、エステル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)ならびに混合物、またはこれらの抗酸化物質を含んでいる植物抽出液(例えばティー・ツリー油、ローズマリー抽出液およびローズマリー酸)を用いることができる。この群の中の親油性油溶性抗酸化物質としては、トコフェロールおよびその誘導体、没食子酸エステル、フラボノイドおよびカルテノイド、およびブチルヒドロキシトルエン/アニソールが好ましい。水溶性の抗酸化物質としては、アミノ酸(例えばチロシンおよびシステインならびにその誘導体)およびタンニン(特に植物由来のもの)が好ましい。本発明による化粧品組成物中における抗酸化物質の全体量は、0.001〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、そして非常に好ましくは0.1〜2重量%である。
【0086】
トリテルペン類特にトリテルペン酸例えばウルソール酸、ローズマリー酸、ベツリン酸、ボスウェリック酸[boswellic acid]、およびバイロノル酸[byronolic acid]、
単量体カテキン類特にカテキンおよびエピカテキン、ロイコアントシアニジン、カテキンポリマー(カテキンタンニン)、およびガロタンニン、
増粘剤例えばゼラチン、植物ガム(例えばカンテン、グアガム、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアガム、カラヤガムまたはイナゴマメ種子グレイン(carob seed grain)、天然および合成のクレイおよび層状ケイ酸塩例えばベントナイト、ヘクトライト、モンロリロナイトまたはLaponite [登録商標]、完全合成親水コロイド例えばポリビニルアルコール、および脂肪酸のCa、Mg、またはZn石鹸、
植物グリコシド、
構造体化物質[structurants]例えばマレイン酸および乳酸、
ジメチルイソソルビド、
αシクロデキストリン、βシクロデキストリン、およびγシクロデキストリン(特にレチノールを安定化させるため)、
溶媒、膨潤性物質、および浸透性物質例えばエタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、およびジエチレングリコール;炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素ならびに一級、二級、および三級のリン酸塩、
香油、組成物を着色するための顔料および染料、
pH調節物質例えばα-ヒドロキシカルボン酸およびβ-ヒドロキシカルボン酸、
錯化剤例えばEDTA、NTA、β-アラニン二酢酸、およびリン酸、
乳白剤例えばラテックス、スチレン/PVPコポリマー、およびスチレン/アクリルアミドコポリマー、
真珠色着色剤例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレートおよびPEG-3ジステアレート、
噴射推進剤例えばプロパン/ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2、および空気。
【0087】
本発明による化粧品組成物へのエキスの形態でのアラントイン、ビサボロール、および/またはアロエベラの添加もまた本配合物のスキン・カーミング特性、保湿特性、およびスキンケア特性を良くするので、これらも特に好ましい。
【0088】
本発明による化粧品組成物は、さらなる成分として、他の成分と適合性があるさらなる界面活性剤を少量含むことができる。
【0089】
陰イオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート,スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ-およびジ-アルキルスルホコハク酸、モノ-およびジ-アルキルスルホスクシナメート(sulfosuccinamate)、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸例えばアシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特にコムギ系植物産物)、およびアルキル(エーテル)ホスフェート。
【0090】
陰イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含んでいる場合は、これらは通常の同族体分布を有していてもよいが、好ましくは狭められた同族体分布を有しているのがよい。
【0091】
非イオン性界面活性剤の典型的な例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルおよび混合ホルマール、適切であれば部分酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドおよびグルコロン酸[glucoronic acid]誘導体、脂肪酸N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特にコムギ系植物産物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびアミン酸化物。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含んでいる場合は、それらは通常の同族体分布を有していてもよいが、好ましくは狭い同族体分布を有しているのがよい。
【0092】
陽イオン性界面活性剤の典型的な例は第四級アンモニウム化合物およびエステルクワット[ester quats]、特に四級化脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
【0093】
両性界面活性剤および双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタイン、およびスルホベタインである。
【0094】
さらなる特に好ましい実施形態によれば、本発明の化粧品組成物は、日焼け止め組成物として使用される。これから得られる利点については上に詳しく説明してある。
【0095】
本発明による酸化亜鉛分散物は、同様に、特に毛髪用化粧品例えばシャンプー、コンディショナー、リンス、ヘアートニック、整髪用ジェル、ヘアースプレーなどに使用することができる。特に、付けたあと毛髪または頭皮に残るリーブオン製品(leave-on product;付けたままにして置く製品)は、なかでも特に適している。このようにして頭皮および毛髪に付けられた酸化亜鉛は、したがって、UV保護剤として作用することもでき、および/または頭皮にそのスキン・カーミング効果を出すこともできる。
【0096】
本発明による化粧品組成物の好ましい実施形態によれば、化粧品組成物は、したがって、処置されるべきまたは保護されるべき身体表面に局所的に付けられる。この適用形態は、取り扱いが容易なので、すなわち間違った用量をつけるということが大体避けられるので、特に有利である。加えて、スキンに対する追加的なケア効果を実現することもできる。身体の個別的な部分だけが太陽光線に曝される場合は、日焼け止め組成物は、これら身体の部分に、標的的な方法で付けるだけでよい。
【0097】
本発明はさらに、UV保護のために本発明に従って表面改質された金属酸化物の使用を提供する。細かく砕かれた例えば表面改質酸化亜鉛の特質およびその良好な分布により非常に高いUV吸収が達成されるので、これは特に有利である。
【0098】
本発明はさらに、本発明に従って表面改質された金属酸化物特に酸化亜鉛の、抗菌活性成分としての使用を提供する。この目的に対しては、粒子が細かく砕かれているという特質によりまたそれから生じる大きな面積により抗菌効果が大きく改善されるので、また他方においては本物質の良好な分散特性により酸化亜鉛が細かく砕かれた形態で存在しているので、これら粒子の使用は特に有利である。本酸化亜鉛はしたがって、色々な用途形態、例えばクリーム、スキン乳液、スキンローションあるいはスキントニックの形態において問題なく用いることができる。
【0099】
本発明はさらに、本発明による表面改質金属酸化物を含んでなる医薬組成物を提供する。この医薬組成物は、粒子が細かく砕かれているという特質により医薬としての効果が大きく増大されているという事実において注目に値する。
【0100】
さらに、本発明による医薬組成物は、上記で既に述べたように、例えば酸化亜鉛分散物の長期安定性が良好なことから、分離を防止するための安定剤を加えなくても済ますことができるという利点を有している。つまり、本医薬組成物の適合性がさらに大きくなる。
【実施例】
【0101】
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。
【0102】
表面改質酸化亜鉛の調製
実施例 1
8g/LのNaOHおよび10g/Lのポリアスパラギン酸を含んでなる水性溶液を15g/Lの硝酸亜鉛(II)水性溶液と一緒にそれぞれの場合流量100mL/分で容積が0.15mm3の混合チャンバーの中に連続的に計量投入した。約4秒反応させたあと、反応混合物を連続的にビーカーの中にポンプ送りし、そしてUltra Turraxを用いてさらに均質化した。マグネット撹拌をしながらの2.5時間の熟成時間ののちミルク様懸濁液が生成した。これから、ポリアスパラギン酸により表面改質された酸化亜鉛を濾過分離し、次いで乾燥キャビネット中で50℃にて9時間乾燥させた。
【0103】
実施例 2
0.2Mの硝酸亜鉛(II)溶液 1000mLを40℃に加熱し、撹拌しながら4時間かけて、同様に40℃に加熱されていてさらにポリアスパラギン酸(ナトリウム塩)20gを含んでいる0.2MのNaOH溶液1000mLの中に計量投入した。ポリアスパラギン酸により表面改質された沈殿酸化亜鉛を濾過分離し、乾燥キャビネット中で50℃にて乾燥させた。
【0104】
実施例 3
0.2Mの塩化亜鉛(II)溶液 1000mLを40℃に加熱し、撹拌しながら4時間かけて、同様に40℃に加熱されていてさらにポリアスパラギン酸(ナトリウム塩)20gを含んでいる0.2MのNaOH溶液1000mLの中に計量投入した。ポリアスパラギン酸により表面改質された沈殿生成物を濾過分離し、乾燥キャビネット中で50℃にて乾燥させた。
【0105】
実施例 4
0.4Mの硝酸亜鉛溶液500mLを40℃に加熱した。蠕動ポンプを用いて、同様に40℃に加熱されていてさらにポリアスパラギン酸40g/Lを含んでいる0.8MのNaOH溶液500mLを撹拌しながら5L/時で計量投入した。沈殿物を40℃にて4時間撹拌した。ポリアスパラギン酸により表面改質されたZnOをこのあと濾過分離し、そして室温にて乾燥させた。
【0106】
実施例 5
0.5Mの硝酸亜鉛溶液200mLおよび1MのNaOH溶液200mL(いずれも40℃に加熱されている)を、撹拌しながらそれぞれの場合蠕動ポンプにより約1.68L/時で、40℃に加熱されているポリアスパラギン酸溶液(33.34g/L)600mLの中に計量投入した。沈殿物を40℃にて2時間撹拌した。ポリアスパラギン酸により表面改質されたZnOをこのあと遠心分離し、そして室温にて乾燥させた。
【0107】
実施例 6
さらに20g/Lのポリアスパラギン酸を含んでいる0.4MのNaOH溶液250mLを40℃に加熱し、同様に40℃に加熱された0.2Mの酢酸亜鉛溶液250mLの中に約5秒内で撹拌しながらかき混ぜた。沈殿物を40℃にて2時間撹拌した。ポリアスパラギン酸により表面改質されたZnOをこのあと濾過し、室温にて乾燥させた。
【0108】
化粧品配合物の実施例
本発明による調製物をエマルジョンとして製造するための一般的手順
相AおよびCのそれぞれを別々に約85℃に加熱する。次に相Cおよび金属酸化物を均質化させながら相Aの中に撹拌投入する。均質化のあと短時間置いたあと、得られたエマルジョンを撹拌しながら室温まで冷却させ、そのあとボトルに詰めた。全ての定量データは、調製物の全重量を基準にするものである。
【0109】
実施例 7:Uvinul [登録商標] T150 3重量%を含んでいるエマルジョン Aおよび実施例5で調製した酸化亜鉛4重量%
【表1】

【0110】
実施例 8:Uvinul [登録商標] T150 3重量%、Uvinul [登録商標] A Plus 2重量%を含んでいるエマルジョン B、および実施例5で調製した酸化亜鉛4重量%
【表2】

【0111】
実施例 9:Uvinul [登録商標] T150 3重量%を含んでいるエマルジョン Aおよび実施例2で調製した酸化亜鉛4重量%
【表3】

【0112】
実施例 10:Uvinul [登録商標] T150 3重量%、Uvinul [登録商標] A Plus 2重量%を含んでいるエマルジョン B、および実施例2で調製した酸化亜鉛4重量%
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面改質ナノ粒子金属酸化物であって、前記金属が、アルミニウム、セリウム、鉄、チタン、亜鉛およびジルコニウムからなる群から選択され、前記表面改質がポリアスパラギン酸によるコーティングを含んでなることを特徴とする、前記表面改質ナノ粒子金属酸化物。
【請求項2】
前記金属酸化物粒子が5〜10,000nmの一次粒子平均直径を有している請求項1に記載の表面改質金属酸化物。
【請求項3】
前記表面が、分子量MWが1000〜100,000のポリアスパラギン酸により改質されている請求項1または2に記載の表面改質金属酸化物。
【請求項4】
表面改質酸化亜鉛である請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属酸化物。
【請求項5】
表面改質ナノ粒子金属酸化物の製造方法であって、前記金属が、アルミニウム、セリウム、鉄、チタン、亜鉛およびジルコニウムからなる群から選択され、前記方法が、
a. 金属酸化物を、その金属の塩のうちの1種の水性溶液から沈殿させる工程、
b. 沈殿した金属酸化物をその水性反応混合物から分離する工程、および
c. 続いて前記金属酸化物を乾燥させる工程、
を含んでなり、工程aにおける金属酸化物の沈殿をポリアスパラギン酸の存在下に行うことを特徴とする、前記製造方法。
【請求項6】
前記金属の塩が金属のハロゲン化物、酢酸塩、硫酸塩または硝酸塩である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記沈殿を、分子量MWが1000〜100,000のポリアスパラギン酸の存在下に行う請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記沈殿を20℃〜100℃の温度で行う請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記沈殿を3〜12のpHで行う請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
表面改質ナノ粒子酸化亜鉛を製造するための、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程a.における酸化亜鉛の沈殿を、塩化亜鉛(II)または硝酸亜鉛(II)の水性溶液から、分子量MWが1000〜7000のポリアスパラギン酸の存在下に温度25〜40℃、pH 7〜11で行う請求項10に記載の方法。
【請求項12】
化粧品調製物を製造するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面改質ナノ粒子金属酸化物の使用。
【請求項13】
化粧品日焼け止め調製物を製造するための請求項12に記載の使用。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面改質ナノ粒子金属酸化物を含んでなる化粧品調製物。

【公表番号】特表2007−537116(P2007−537116A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505470(P2007−505470)
【出願日】平成17年3月26日(2005.3.26)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003217
【国際公開番号】WO2005/094156
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】