袋詰め包装方法及び袋詰め包装機
【課題】印字工程又は印字検査工程において、袋の袋面が反っていたり、波打っていたりした場合でも、印字不良又は印字検査ミスが生じるのを防止する。
【解決手段】袋3の印字部Pに対応する平らな受面部26を有する背板21を、袋3の背面側に配置し、一対の袋押圧部材22,23を袋の表面側(印字部Pのある側)に配置し、互いに接離可能とする。袋押圧部材21,22は袋3の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋3の幅方向に沿って延びる押圧部31,32を有する。袋押圧部材22の押圧部31が、背板21の端面27との間で袋3を挟んで該袋3を保持し、袋押圧部材23の押圧部32が袋3の受面部26より上の位置を押圧する。これにより、印字部26を含む袋面は背板21の受面部26に沿って緊張する。この状態で印字又は印字検査を行う。
【解決手段】袋3の印字部Pに対応する平らな受面部26を有する背板21を、袋3の背面側に配置し、一対の袋押圧部材22,23を袋の表面側(印字部Pのある側)に配置し、互いに接離可能とする。袋押圧部材21,22は袋3の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋3の幅方向に沿って延びる押圧部31,32を有する。袋押圧部材22の押圧部31が、背板21の端面27との間で袋3を挟んで該袋3を保持し、袋押圧部材23の押圧部32が袋3の受面部26より上の位置を押圧する。これにより、印字部26を含む袋面は背板21の受面部26に沿って緊張する。この状態で印字又は印字検査を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装処理工程の一部として印字工程又は印字検査工程が含まれる袋詰め包装方法及び袋詰め包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は一般的な間欠回転式袋詰め包装機の一例を示すもので、一方向(白抜き矢印の向き)に間欠回転するテーブル1の周囲に、複数のグリッパー対(一対のグリッパー)2,2が等間隔に配置され、テーブル1の間欠回転に伴い、グリッパー対2,2は円形の移送経路に沿って間欠的に移動し、グリッパー対2,2が一回転する間に、グリッパー対2,2への袋3の供給(給袋)、グリッパー対2,2に両側縁を挟持された袋3への被包装物の充填、袋3の開口部(袋口)のシール等の種々の包装処理工程が実施される。なお、グリッパー対2,2の移送経路は袋3の移送経路でもある。
図12を参照して具体的に説明すると、停止位置Iは給袋工程位置であり、グリッパー対2,2に袋3を供給するコンベアマガジン式給袋装置4が配置され、供給された袋3は上縁が開口した袋で、グリッパー対2,2により開口部(袋口)付近の両側縁を挟持され、開口部を上向きにして吊り下げられる。
【0003】
停止位置IIは印字工程位置であり、グリッパー対2,2に挟持された袋3の袋面に日付等を印字する印字装置(印字器5のみ図示)が配置されている。供給される袋3に事前に日付等が印字されているのであれば、印字装置の代わりに、必要に応じて印字検査装置が配置され、印字検査工程が行われる。場合によっては、印字と印字検査が同じ停止位置で行われる。
停止位置IIIは上端開口部(袋口)の開口工程位置であり、互いに接離可能な一対の吸着部材(吸盤)6,6と一対の追従式開口ガイド7,7を有する開口装置(吸盤6,6と追従式開口ガイド7,7のみ図示)が配置され、停止位置IVは被包装物充填工程位置であり、昇降するホッパー8を有する充填装置(ホッパー8のみ図示)が配置されている。なお、追従式開口ガイド7,7は、停止位置IIIにおいて開口した袋口に挿入され、直ちに開いて袋口の開口状態を維持し、そのままテーブル1の回転(グリッパー対2,2及び袋3の移動)に伴って停止位置IVに移動し、停止位置IVにおいてホッパー8が袋口に挿入された後、上昇して袋口から抜け出し、直ちに停止位置IIIに復帰する。
【0004】
停止位置Vは第1ガス置換工程位置であり、昇降するガス吹込ノズル9を有する第1ガス置換装置(ガス吹込ノズル9のみ図示)が配置され、停止位置VIは第2ガス置換工程位置であり、昇降するガス吹込ノズル11を有する第2ガス置換装置(ガス吹込ノズル11のみ図示)が配置されている。停止位置VIではグリッパー対2,2の間隔が広がり、袋口を緊張させている。
停止位置VIIは第1シール工程位置であり、開閉する一対の第1熱板12,12を有する第1シール装置(第1熱板12,12のみ示す)が配置され、停止位置VIIIは第2シール工程位置であり、一対の第2熱板13,13を有する第2シール装置(第2熱板13,13のみ示す)が配置され、停止位置IXはシール部冷却及び製品袋放出工程位置であり、一対の冷却板14,14を有する冷却装置(冷却板14,14のみ示す)とシュート15が配置されている。
停止位置Xは不良袋放出工程位置であり、ここでは、不良袋(例えば開口不良等のため袋詰めされなかった空袋等)が放出される。
【0005】
停止位置IIでは、袋の表面に文字や記号を印字(主にインクジェット式)し、あるいは印字された文字や記号を撮像手段(カメラ)で撮像し、その画像を元に印字が適正か否か(印字の有無、欠け、かすれ、ゆがみ、誤印字等)を検査する。
特許文献1,2には、このような印字工程又は印字検査工程に用いる印字又は印字検査補助装置が記載されている。この印字又は印字検査補助装置は、背板と袋の印字部(袋面の印字予定箇所又は印字された箇所)を囲む窓穴が形成された押圧板を含み、前記背板及び押圧板で袋面を両側から挟んだ状態で、窓穴内に印字又は窓穴内の印字検査を行うというものである。この方法では、袋面を背板と押圧板とで挟むことにより、袋を完全に静止させることができるので、袋の揺れに起因する印字不良、あるいは印字検査ミスを防止できる。
【0006】
一方、通常の袋は袋面が反っていたり、波打っていたりなど湾曲していることが多く、また、その湾曲方向は袋の長さ方向(曲がりの軸が袋幅方向)であることが多い(図13(a)参照)。このような場合に、背板と押圧板で袋面を挟むと、窓穴に入った部分の袋面(印字部を含む袋面)が凸状に膨らんでゆがみ(図13(b)参照)、この状態で印字部に印字し又は印字部の印字検査を行うと、印字不良や印字検査ミスが生じる可能性がある。また、印字部の周囲の袋面を全周にわたって面で挟圧するため、挟圧された袋面に部分的にシワが生じ、見栄え(商品価値)が低下するおそれもある。
なお、図13(a),(b)は湾曲した袋形状と従来の印字補助装置又は印字検査補助装置の構造を示すもので、16は背板、17は押圧板、18は押圧板17に形成された窓穴である。また、2はグリッパー、3は袋、5は印字器又は印字検査用カメラである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−109033号公報
【特許文献2】特許第3282803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一連の袋詰め包装処理工程のうち、印字工程又は印字検査工程における上記問題点に鑑みてなされたもので、袋面が反っていたり、波打っていたりした場合でも、印字不良又は印字検査ミスが生じるのを防止することを目的とする。また、その際に袋面にシワが生じないようにすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1,2)は、袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程(又は印字検査工程)が含まれ、印字工程(又は印字検査工程)において印字部を含む袋面を袋の長手方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより印字部を平らな状態として印字(又は印字検査)を行うというものである。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もある。なお、図12,13に示すような一般的な袋であれば、包装処理工程は一般的に開口工程を含み、その開口工程の前に印字工程又は/及び印字検査工程が置かれる。
【0010】
また、本発明(請求項4,5)は、袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程(又は印字検査工程)が含まれ、印字工程(又は印字検査工程)が行われる位置に、印字装置(又は印字検査装置)と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、印字部を平らな状態に保持する印字補助装置(又は印字検査補助装置)が配置されているというものである。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もある。印字装置又は印字検査装置による印字又は印字検査に先立って、前記補助装置が作動し、印字部は平らな状態に保持される。この補助装置は、袋緊張保持手段という言い方もできる。
【0011】
前記補助装置(印字補助装置又は印字検査補助装置)は、次のような具体的構成をとることができる。
(1)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に配置される(請求項6,7)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有する。一対の袋押圧部材は、袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有する。袋底側袋押圧部材の押圧部は背板との間で袋の印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧する。背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に受面部を越えて押し込まれることで、印字部を含む袋面を背板の受面部に沿って緊張させることができる。
【0012】
(2)上記(1)の場合のより具体的な構成として、袋底側袋押圧部材の押圧部と背板の受面部との間で袋を保持すること(請求項10,11)、背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部と袋底側端面との間で袋を保持すること(請求項12,13)を挙げることができる。
(3)上記(1)、(2)において、背板と袋底側袋押圧部材は相対的に接離移動を行う。この場合、相対的な移動形態として、(a)背板が定位置である受け位置に設置され、袋底側袋押圧部材が背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされている、(b)袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、背板が袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている、(c)袋底側袋押圧部材が背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ背板が袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている(請求項8,9)。以上のどの形態をとってもよい。一方、開口部側袋押圧部材は、背板が実際に移動可能かどうかに関わらず、袋を袋の裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている必要がある。
【0013】
(4)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、背板は袋の裏面側に配置され、一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に、袋の長手方向に所定間隔を置いて配置される(請求項14,15)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有する。押圧部材はいずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、各押圧部が背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において受面部を越えて押し込まれるようになっている。そしてこのとき、袋が開口部側端面と一方の押圧部の間、及び袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、各押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることで、印字部を含む袋面を背板の受面部に沿って緊張させることができる。
【0014】
(5)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、背板は袋の裏面側に配置され、一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に、袋の幅方向に所定間隔を置いて配置される(請求項16,17)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有する。袋押圧部材はいずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有する。また、背板及び一対の押圧部材が互いに接近したとき、各押圧部が背板の左右の端面近傍位置において受面部を越えて押し込まれるようになっている。そしてこのとき、袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることで、印字部を含む袋面を前記背板の受面部に沿って緊張させることができる。
(6)上記(4)、(5)において、背板と一対の袋押圧部材は相対的に接離移動を行う。この場合、相対的な移動形態としては、上記(3)に記載された形態(a)〜(c)と同様の形態をとることができる。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)において、袋保持部材の保持部及び袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されている(請求項18,19)。
(8)この袋詰め包装機に適用される袋は、例えば上縁が開口した袋であり、袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプである。また、この袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字工程(又は印字検査工程)が行われる停止位置に、印字装置(又は印字検査装置)と補助装置が配置されている(請求項20,21)。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もあり、この場合、印字を印字工程位置で行い、印字検査を開口工程位置の前の適当な停止位置(通常、印字工程位置の次の停止位置)で行うこともでき、あるいは、同じ停止位置で印字工程と印字検査工程を行うこともできる。後者の場合、印字装置と印字検査装置は同じ停止位置に配置され、補助装置は印字補助と印字検査補助の両方を兼ねる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る袋詰め包装方法及び袋詰め包装機によれば、印字又は印字検査に先立って、印字部(印字予定箇所又は印字された箇所)を含む袋面を平らに整形するので、袋面が反っていたり、波打っていたりした場合でも、印字不良又は印字検査ミスが生じるのを防止することができる。また、補助装置は、印字部の周囲の袋面を全周にわたって面で挟圧するのではなく、袋の長さ方向又は袋の幅方向に袋面を引っ張って緊張させるだけであるから、袋面にシワが生じるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る補助装置の構造を説明する側面図である。
【図2】同じくその正面図である。
【図3】その動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図4】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図5】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図6】本発明に係る補助装置の他の構造及び動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図7】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図8】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図9】本発明に係る補助装置のさらに他の構造を説明する側面断面図である。
【図10】本発明に係る補助装置のさらに他の構造を説明する側面図である。
【図11】その平面断面図である。
【図12】本発明に係る補助装置を適用可能な間欠回転式袋詰め包装機の斜視図である。
【図13】湾曲した袋形状と従来の補助装置の構造を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1〜図11を参照して、本発明に係る袋詰め包装方法及び袋詰め包装機の特に印字又は印字検査工程において用いられる補助装置(印字又は印字検査補助装置)の構造及びその作動について説明する。なお、この補助装置は、図12に示す間欠回転式袋詰め包装機の印字工程位置IIに設置されたものとする。
図1,2において、印字補助装置は、背板21、袋底側袋押圧部材22、開口部側袋押圧部材23、背板21の駆動手段(図示しないが、例えばエアシリンダ)、及び袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23の駆動手段(エアシリンダ)24等を備える。5は印字器である。
【0019】
背板21は、前記駆動手段に連結する取付プレート25の上端に固定され、袋3の裏面側(印字部のない袋面側)に設置され、前記駆動手段が作動することにより、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、袋底側袋押圧部材22との間で袋3を保持する受け位置(図4参照)の間を、水平面内で停止した袋3の袋面に垂直方向に進退する。背板21は袋3の印字部及びその周辺の袋面に対応する略鉛直の平らな受面部26を有し、受面部26の下側(袋底側)に略水平な袋底側端面27が形成され、受面部26の上側(袋開口部側)に略水平な開口部側端面28が形成されている。受面部26の水平方向幅(袋幅方向の長さ)は袋幅より若干大きめに形成されている。なお、図1に印字部Pの上下方向範囲を示す。
【0020】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23は、袋3の表面側(印字部のある袋面側)に設置され、背板21に対向する側に、上下方向(袋3の長手方向)に所定間隔を置いて水平方向(袋3の幅方向)に沿って延びる板状突部、すなわち押圧部31,32を有する。押圧部31は印字部Pより下側(袋底側)に位置し、押圧部32は印字部Pより上側(袋開口部側)に位置する。より詳しくは、押圧部31は背板21の袋底側端面27に近接した下方位置、押圧部32は開口部側端面28から離れた上方位置にある。押圧部31と袋底側端面27の上下方向間隔は、袋3の厚みより広くなくてはならないが、なるべく狭くして押圧部31と袋底側端面27の間に挟んだ袋を保持(袋3が長手方向に力を受けたとき力の方向に簡単に滑らない程度に袋3を保持)できるようにする必要がある。押圧部31及び押圧部32は例えばゴム製とし、プラスチックフィルムからなる袋3との摩擦力を大きくすることが好ましい。
【0021】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23は、それぞれ基部33,34が接続プレート35の上下位置に固定され、接続プレート35は前記エアシリンダ24(図示しない機台上に固定されている)のピストンロッド36の先端に固定されている。エアシリンダ24が作動すると、袋底側袋押圧部材22は、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、背板21との間で袋3を保持する保持位置(図5参照)の間を、開口部側袋押圧部材23は、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、袋3をその裏面側方向(袋面に垂直方向)に押圧する押圧位置(図5参照)の間を、それぞれ水平面内で、停止した袋3の袋面に垂直方向に同時に進退する。
【0022】
次に、図3〜5を参照して、この印字補助装置の作動について説明する。図3は、空の袋3が、グリッパー対2,2に挟持されて印字工程位置IIに移送され、該位置に停止したときの状態を示す。このとき、背板21、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23はいずれも待機位置にある。袋3は長手方向(上下方向)に沿って湾曲している。
続いて、背板21の図示しない駆動手段及びエアシリンダ24が作動し、背板21が受け位置に向け、袋底側袋押圧部材22が保持位置に向け、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に向けてそれぞれ移動する。
【0023】
図4は、背板21が先に受け位置に到達して停止したときの状態を示すもので、背板21の受面部26の位置に袋3の印字部P及びその近傍の袋面が位置している。このとき、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23は、それぞれ保持位置又は押圧位置に到達する直前である。袋底側袋押圧部材22の押圧部31の先端部が背板21の受面部26の位置を越え、押圧部31の先端部と背板21の袋底側端面27との間で、袋3の前記受面部26より下(印字部Pより袋底側)位置を袋3の幅方向に沿って挟んでいる。同時に開口部側袋押圧部材23の押圧部32の先端部も背板21の受面部26を越え、袋3の前記受面部26より上(印字部Pより開口部側)の位置を、袋3の裏面側方向に押し始めたところである。
【0024】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が、図4の状態からそれぞれ保持位置又は押圧位置に到達するまでの間、背板21の下方位置では、袋3は押圧部31と袋底側端面27との間に挟まれた状態であり、背板21の上方位置では、押圧部32の押圧位置への移動に伴い、袋3は押圧部32の移動方向に引っ張られる。なお、押圧部31と袋底側端面27の間の隙間が十分小さく、押圧部31及び袋底側端面27の摩擦係数が小さくなければ、挟まれた袋3はその位置に保持される(袋面が上下方向に滑らない)。また、特に押圧部31がゴム等からなり例えばプラスチック製の背板21より摩擦係数が大きいときは、押圧部31が保持位置に移動するにつれて、袋3の前記挟まれた箇所は押圧部31の移動方向に押し込まれる。
【0025】
図5は、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23がそれぞれ保持位置又は押圧位置に到達したときの状態を示す。袋3は受面部26の下側(印字部Pより袋底側)の位置が、袋底側袋押圧部材22の押圧部31と背板21の袋底側端面27の間に挟まれて保持され、一方、受面部26の上側(印字部Pより開口部側)の位置は受面部26の後方側(袋3の裏面側方向)に押し込まれ、これにより、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持される。
この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
【0026】
その後、背板21の図示しない駆動手段及びエアシリンダ24が作動し、背板21と一対の袋押圧部材22,23が元の待機位置に後退する。続いて、印字工程を受けた袋3は次の停止位置III(開口工程位置)に向けて移送され、停止位置I(給袋工程位置)から新たな袋3が停止位置II(印字工程位置)に移送される。
【0027】
図6〜図8は、別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この補助装置は、背板21が受け位置に固定されている点、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23がそれぞれ独立した駆動手段(エアシリンダ24,37)を有する点、及び袋底側袋押圧部材22が保持位置に移動したとき、押圧部31が背板21の受面部26に当接する点で、図1〜図5に示す補助装置と異なる。
【0028】
図6は、袋3が、グリッパー対2,2に挟持されて印字工程位置IIに移送され、該位置に停止したときの状態を示す。このとき、背板21は受け位置にあり、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23はいずれも待機位置にある。袋3は長さ方向(上下方向)に沿って湾曲している。なお、背板21は、移送されてくる袋3との干渉がないように、受け位置を設定する必要がある。
図7は、エアシリンダ24が作動し、袋底側袋押圧部材22が保持位置に到達したときの状態を示す。この保持位置において、押圧部31の先端は背板21の受面部26に当接し、袋3の印字部Pより下方位置(袋底側の位置)を前記受面部26との間で挟み、その位置に保持する。
【0029】
続いてエアシリンダ37が作動し、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に移動する。図8は、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に到達したときの状態を示すもので、押圧部32により、袋3の受面部26の上側(印字部Pより開口部側)の位置は受面部26の後方側(袋3の裏面側方向)に押し込まれている。これにより、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持され、この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
その後、エアシリンダ24,37が作動し、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が元の待機位置に後退する。続いて、印字工程を受けた袋3は次の停止位置III(開口工程位置)に向けて移送され、停止位置I(給袋工程位置)から新たな袋3が停止位置II(印字工程位置)に移送される。
【0030】
図9はさらに別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この印字補助装置は、袋底側押圧部材22の押圧部31と開口部側押圧部材23の押圧部32の両方が、それぞれ背板21の袋底側端面27に近接した下方位置、又は背板21の開口部側端面28に近接した上方位置に配置されている点で、図1〜図5に示す印字補助装置と異なる。
この印字補助装置では、袋底側押圧部材22及び開口部側押圧部材23が、それぞれ図9に示す押圧位置に到達する直前に、各袋押圧部材22,23の押圧部31,32の先端部が背板21の受面部26の位置を越え、押圧部31,32の先端部と背板21の袋底側端面27又は開口部側端面28との間で、袋3の前記受面部26の上下位置を袋3の幅方向に沿って挟む。
【0031】
続いて、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が押圧位置に到達するまでの間、背板21の下方位置では、袋3は押圧部31と袋底側端面27との間に挟まれた状態であり、背板21の上方位置では、袋3は押圧部32と開口部側端面28との間に挟まれた状態が続く。押圧部31と背板21の袋底側端面27の隙間、及び押圧部32と背板21の開口部側端面28の隙間が十分小さく、押圧部31,32がゴム等からなり摩擦係数が大きければ、押圧部31,32が押圧位置に移動するにつれて、袋3の前記挟まれた箇所は押圧部31,32の移動方向に押し込まれる。これによって、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持される。
この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
【0032】
図10,11はさらに別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板21及び一対の袋押圧部材22,23を備える点でこれまで述べた印字保持装置と同じであるが、背板21の幅(受面部26の幅)が袋幅より相当小さく、受面部26の両側方に袋3の長手方向に沿って左右の端面38,39を有する点、袋押圧部材22,23が袋3の幅方向に所定間隔(受面部26の幅よりやや大きい間隔)を置いて配置され、いずれも袋3の長手方向に沿って伸びる押圧部31,32を有する点で異なる。
【0033】
背板21は、図示しない駆動手段(例えばエアシリンダ)により、袋3から離れた待機位置(図10参照)と、前方の受け位置(図11参照)の間を、水平面内で袋3の袋面に垂直方向に進退する。押圧部31,32は、袋3から離れた待機位置(図10参照)と、前方の押圧位置(図11参照)の間を、水平面内で袋3の袋面に垂直方向に進退する。
背板21及び袋押圧部材22,23が待機位置から受け位置又は押圧位置に移動したとき、図11に示すように、背板21の端面38,39の外側に押圧部31,32が押し込まれるようになっており、そのときの背板21の端面38,39と押圧部31,32の間隔は、袋3の厚みより広いが、ごく狭く設定されている。この間隔は図9に示す印字補助装置と同じである。
【0034】
従って、図9に示す印字補助装置と同様に、押圧部31,32が押圧位置に移動するのに伴い、袋3の背板21の左右箇所は、袋3の長手方向に沿って、押圧部31と端面38の間及び押圧部32と端面39の間に挟まれ、挟まれた状態のまま、押圧部31,32の移動方向(袋3の裏面側)に押し込まれる。これによって、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において袋幅方向に緊張状態で平らに保持される。
【0035】
上記印字補助装置によれば、先に[発明の効果]の欄に記載した事項のほか、次のような作用効果を得ることができる。
(1)図1〜図5の補助装置のように、一対の押圧部材の駆動手段(エアシリンダ)を共通化することにより、装置のコンパクト化、コストの低減が図れ、また、袋の印字部を緊張させる効果が効率よく得られる。
(2)押圧部材の押圧部をゴム材で形成することにより、袋(プラスチック)との摩擦力を高めて、背板との間で袋面を挟んだとき袋面が滑るのを抑制でき、確実な緊張作用を得ることができる。
(3)駆動手段をエアシリンダで構成したことにより、エアシリンダへ供給するエア圧を調整して袋の反発力を吸収できる(袋を緊張させるとき袋に無理な引張力が掛からない)ため、押圧時における袋へのダメージを抑えることができる。
【0036】
また、本発明に係る補助装置(印字又は印字検査補助装置)は、上記の例に限られず、例えば下記のような種々の改変が可能である。
(1)上記の例は印字工程への補助装置の適用について説明したが、印字検査工程にも全く同様に適用できる。例えば袋口の開口工程の前の停止位置で印字検査が行われる場合、当該停止位置に印字検査装置と印字検査補助装置が設置される。これには、印字を印字工程位置で行い、開口工程位置の前の適当な停止位置(通常、印字工程位置の次の停止位置が選定される)で印字検査を行う場合が含まれ、この場合、印字工程位置には印字装置及び印字補助装置が設置され、印字検査工程位置には、印字検査装置及び印字検査補助装置が設置される。また、印字工程と印字検査工程を同じ位置で行うこともでき、その場合、当該位置には印字装置、印字検査装置及び補助装置(印字補助、印字検査補助の共用)が設置される。
【0037】
(2)印字部の位置が変更される場合を考慮し、背板、袋押圧部材、押圧部等は位置調整自在であることが望ましい。
(3)袋の袋底側を印字工程位置又は印字検査工程位置に配置したチャックで挟んで袋底側(下方)に引っ張り、開口部側のグリッパーとの間で袋面を袋の長手方向に緊張させ、あるいは袋の印字部の両側(両側縁)を前記位置に対向配置した一対のチャックで挟んで左右に引っ張り、両チャック間で袋面を袋の幅方向に緊張させ、続いて印字又は印字検査を行う場合等も本発明に含まれる。
【0038】
(4)上記の例は、本発明を、通常の袋を開口部(袋口)を上に向け円形の移送経路に沿って移送し、その過程で各種包装処理工程を順次行うようにした間欠回転式袋詰め包装機に適用したものだが、レーストラック形の移送経路あるいは直線的な移送経路を有する包装機なども含め、間欠移送式縦型(グリッパーに挟持された袋が袋口を上に向けた状態で各種包装処理を受けるタイプ)袋詰め包装機一般に適用することができるほか、連続移送式(袋を連続移送するタイプ)袋詰め包装機、横型(袋口を横に向けた状態で袋を移送し各種包装処理を行うタイプ)袋詰め包装機、さらには開口部としてスパウトを有するスパウト付き袋に内容物を充填する袋詰め包装機(袋の両側縁をグリッパーで保持して移送する代わりにスパウト部をスパウト保持部材の溝内に保持して移送)等にも適用可能である。なお、連続移送式の場合、補助装置自体を袋の移送に追従させ、印字又は印字検査終了後、元の位置に復帰させる必要がある。
【符号の説明】
【0039】
3 袋
5 印字器
21 背板
22,23 袋押圧部材(袋底側袋押圧部材、開口部側袋押圧部材)
26 背板の受面部
27 背板の袋底側端面
28 背板の開口部側端面
31,32 押圧部
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装処理工程の一部として印字工程又は印字検査工程が含まれる袋詰め包装方法及び袋詰め包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
図12は一般的な間欠回転式袋詰め包装機の一例を示すもので、一方向(白抜き矢印の向き)に間欠回転するテーブル1の周囲に、複数のグリッパー対(一対のグリッパー)2,2が等間隔に配置され、テーブル1の間欠回転に伴い、グリッパー対2,2は円形の移送経路に沿って間欠的に移動し、グリッパー対2,2が一回転する間に、グリッパー対2,2への袋3の供給(給袋)、グリッパー対2,2に両側縁を挟持された袋3への被包装物の充填、袋3の開口部(袋口)のシール等の種々の包装処理工程が実施される。なお、グリッパー対2,2の移送経路は袋3の移送経路でもある。
図12を参照して具体的に説明すると、停止位置Iは給袋工程位置であり、グリッパー対2,2に袋3を供給するコンベアマガジン式給袋装置4が配置され、供給された袋3は上縁が開口した袋で、グリッパー対2,2により開口部(袋口)付近の両側縁を挟持され、開口部を上向きにして吊り下げられる。
【0003】
停止位置IIは印字工程位置であり、グリッパー対2,2に挟持された袋3の袋面に日付等を印字する印字装置(印字器5のみ図示)が配置されている。供給される袋3に事前に日付等が印字されているのであれば、印字装置の代わりに、必要に応じて印字検査装置が配置され、印字検査工程が行われる。場合によっては、印字と印字検査が同じ停止位置で行われる。
停止位置IIIは上端開口部(袋口)の開口工程位置であり、互いに接離可能な一対の吸着部材(吸盤)6,6と一対の追従式開口ガイド7,7を有する開口装置(吸盤6,6と追従式開口ガイド7,7のみ図示)が配置され、停止位置IVは被包装物充填工程位置であり、昇降するホッパー8を有する充填装置(ホッパー8のみ図示)が配置されている。なお、追従式開口ガイド7,7は、停止位置IIIにおいて開口した袋口に挿入され、直ちに開いて袋口の開口状態を維持し、そのままテーブル1の回転(グリッパー対2,2及び袋3の移動)に伴って停止位置IVに移動し、停止位置IVにおいてホッパー8が袋口に挿入された後、上昇して袋口から抜け出し、直ちに停止位置IIIに復帰する。
【0004】
停止位置Vは第1ガス置換工程位置であり、昇降するガス吹込ノズル9を有する第1ガス置換装置(ガス吹込ノズル9のみ図示)が配置され、停止位置VIは第2ガス置換工程位置であり、昇降するガス吹込ノズル11を有する第2ガス置換装置(ガス吹込ノズル11のみ図示)が配置されている。停止位置VIではグリッパー対2,2の間隔が広がり、袋口を緊張させている。
停止位置VIIは第1シール工程位置であり、開閉する一対の第1熱板12,12を有する第1シール装置(第1熱板12,12のみ示す)が配置され、停止位置VIIIは第2シール工程位置であり、一対の第2熱板13,13を有する第2シール装置(第2熱板13,13のみ示す)が配置され、停止位置IXはシール部冷却及び製品袋放出工程位置であり、一対の冷却板14,14を有する冷却装置(冷却板14,14のみ示す)とシュート15が配置されている。
停止位置Xは不良袋放出工程位置であり、ここでは、不良袋(例えば開口不良等のため袋詰めされなかった空袋等)が放出される。
【0005】
停止位置IIでは、袋の表面に文字や記号を印字(主にインクジェット式)し、あるいは印字された文字や記号を撮像手段(カメラ)で撮像し、その画像を元に印字が適正か否か(印字の有無、欠け、かすれ、ゆがみ、誤印字等)を検査する。
特許文献1,2には、このような印字工程又は印字検査工程に用いる印字又は印字検査補助装置が記載されている。この印字又は印字検査補助装置は、背板と袋の印字部(袋面の印字予定箇所又は印字された箇所)を囲む窓穴が形成された押圧板を含み、前記背板及び押圧板で袋面を両側から挟んだ状態で、窓穴内に印字又は窓穴内の印字検査を行うというものである。この方法では、袋面を背板と押圧板とで挟むことにより、袋を完全に静止させることができるので、袋の揺れに起因する印字不良、あるいは印字検査ミスを防止できる。
【0006】
一方、通常の袋は袋面が反っていたり、波打っていたりなど湾曲していることが多く、また、その湾曲方向は袋の長さ方向(曲がりの軸が袋幅方向)であることが多い(図13(a)参照)。このような場合に、背板と押圧板で袋面を挟むと、窓穴に入った部分の袋面(印字部を含む袋面)が凸状に膨らんでゆがみ(図13(b)参照)、この状態で印字部に印字し又は印字部の印字検査を行うと、印字不良や印字検査ミスが生じる可能性がある。また、印字部の周囲の袋面を全周にわたって面で挟圧するため、挟圧された袋面に部分的にシワが生じ、見栄え(商品価値)が低下するおそれもある。
なお、図13(a),(b)は湾曲した袋形状と従来の印字補助装置又は印字検査補助装置の構造を示すもので、16は背板、17は押圧板、18は押圧板17に形成された窓穴である。また、2はグリッパー、3は袋、5は印字器又は印字検査用カメラである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−109033号公報
【特許文献2】特許第3282803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、一連の袋詰め包装処理工程のうち、印字工程又は印字検査工程における上記問題点に鑑みてなされたもので、袋面が反っていたり、波打っていたりした場合でも、印字不良又は印字検査ミスが生じるのを防止することを目的とする。また、その際に袋面にシワが生じないようにすることを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1,2)は、袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程(又は印字検査工程)が含まれ、印字工程(又は印字検査工程)において印字部を含む袋面を袋の長手方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより印字部を平らな状態として印字(又は印字検査)を行うというものである。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もある。なお、図12,13に示すような一般的な袋であれば、包装処理工程は一般的に開口工程を含み、その開口工程の前に印字工程又は/及び印字検査工程が置かれる。
【0010】
また、本発明(請求項4,5)は、袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程(又は印字検査工程)が含まれ、印字工程(又は印字検査工程)が行われる位置に、印字装置(又は印字検査装置)と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、印字部を平らな状態に保持する印字補助装置(又は印字検査補助装置)が配置されているというものである。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もある。印字装置又は印字検査装置による印字又は印字検査に先立って、前記補助装置が作動し、印字部は平らな状態に保持される。この補助装置は、袋緊張保持手段という言い方もできる。
【0011】
前記補助装置(印字補助装置又は印字検査補助装置)は、次のような具体的構成をとることができる。
(1)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に配置される(請求項6,7)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有する。一対の袋押圧部材は、袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有する。袋底側袋押圧部材の押圧部は背板との間で袋の印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧する。背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に受面部を越えて押し込まれることで、印字部を含む袋面を背板の受面部に沿って緊張させることができる。
【0012】
(2)上記(1)の場合のより具体的な構成として、袋底側袋押圧部材の押圧部と背板の受面部との間で袋を保持すること(請求項10,11)、背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部と袋底側端面との間で袋を保持すること(請求項12,13)を挙げることができる。
(3)上記(1)、(2)において、背板と袋底側袋押圧部材は相対的に接離移動を行う。この場合、相対的な移動形態として、(a)背板が定位置である受け位置に設置され、袋底側袋押圧部材が背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされている、(b)袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、背板が袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている、(c)袋底側袋押圧部材が背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ背板が袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている(請求項8,9)。以上のどの形態をとってもよい。一方、開口部側袋押圧部材は、背板が実際に移動可能かどうかに関わらず、袋を袋の裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされている必要がある。
【0013】
(4)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、背板は袋の裏面側に配置され、一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に、袋の長手方向に所定間隔を置いて配置される(請求項14,15)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有する。押圧部材はいずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、各押圧部が背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において受面部を越えて押し込まれるようになっている。そしてこのとき、袋が開口部側端面と一方の押圧部の間、及び袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、各押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることで、印字部を含む袋面を背板の受面部に沿って緊張させることができる。
【0014】
(5)補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、背板は袋の裏面側に配置され、一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に、袋の幅方向に所定間隔を置いて配置される(請求項16,17)。背板は印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有する。袋押圧部材はいずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有する。また、背板及び一対の押圧部材が互いに接近したとき、各押圧部が背板の左右の端面近傍位置において受面部を越えて押し込まれるようになっている。そしてこのとき、袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることで、印字部を含む袋面を前記背板の受面部に沿って緊張させることができる。
(6)上記(4)、(5)において、背板と一対の袋押圧部材は相対的に接離移動を行う。この場合、相対的な移動形態としては、上記(3)に記載された形態(a)〜(c)と同様の形態をとることができる。
【0015】
(7)上記(1)〜(6)において、袋保持部材の保持部及び袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されている(請求項18,19)。
(8)この袋詰め包装機に適用される袋は、例えば上縁が開口した袋であり、袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプである。また、この袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字工程(又は印字検査工程)が行われる停止位置に、印字装置(又は印字検査装置)と補助装置が配置されている(請求項20,21)。包装処理工程の一部として印字工程と印字検査工程の両方が含まれる場合もあり、この場合、印字を印字工程位置で行い、印字検査を開口工程位置の前の適当な停止位置(通常、印字工程位置の次の停止位置)で行うこともでき、あるいは、同じ停止位置で印字工程と印字検査工程を行うこともできる。後者の場合、印字装置と印字検査装置は同じ停止位置に配置され、補助装置は印字補助と印字検査補助の両方を兼ねる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る袋詰め包装方法及び袋詰め包装機によれば、印字又は印字検査に先立って、印字部(印字予定箇所又は印字された箇所)を含む袋面を平らに整形するので、袋面が反っていたり、波打っていたりした場合でも、印字不良又は印字検査ミスが生じるのを防止することができる。また、補助装置は、印字部の周囲の袋面を全周にわたって面で挟圧するのではなく、袋の長さ方向又は袋の幅方向に袋面を引っ張って緊張させるだけであるから、袋面にシワが生じるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る補助装置の構造を説明する側面図である。
【図2】同じくその正面図である。
【図3】その動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図4】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図5】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図6】本発明に係る補助装置の他の構造及び動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図7】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図8】同じくその動作を経時的に説明する側面断面図である。
【図9】本発明に係る補助装置のさらに他の構造を説明する側面断面図である。
【図10】本発明に係る補助装置のさらに他の構造を説明する側面図である。
【図11】その平面断面図である。
【図12】本発明に係る補助装置を適用可能な間欠回転式袋詰め包装機の斜視図である。
【図13】湾曲した袋形状と従来の補助装置の構造を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1〜図11を参照して、本発明に係る袋詰め包装方法及び袋詰め包装機の特に印字又は印字検査工程において用いられる補助装置(印字又は印字検査補助装置)の構造及びその作動について説明する。なお、この補助装置は、図12に示す間欠回転式袋詰め包装機の印字工程位置IIに設置されたものとする。
図1,2において、印字補助装置は、背板21、袋底側袋押圧部材22、開口部側袋押圧部材23、背板21の駆動手段(図示しないが、例えばエアシリンダ)、及び袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23の駆動手段(エアシリンダ)24等を備える。5は印字器である。
【0019】
背板21は、前記駆動手段に連結する取付プレート25の上端に固定され、袋3の裏面側(印字部のない袋面側)に設置され、前記駆動手段が作動することにより、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、袋底側袋押圧部材22との間で袋3を保持する受け位置(図4参照)の間を、水平面内で停止した袋3の袋面に垂直方向に進退する。背板21は袋3の印字部及びその周辺の袋面に対応する略鉛直の平らな受面部26を有し、受面部26の下側(袋底側)に略水平な袋底側端面27が形成され、受面部26の上側(袋開口部側)に略水平な開口部側端面28が形成されている。受面部26の水平方向幅(袋幅方向の長さ)は袋幅より若干大きめに形成されている。なお、図1に印字部Pの上下方向範囲を示す。
【0020】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23は、袋3の表面側(印字部のある袋面側)に設置され、背板21に対向する側に、上下方向(袋3の長手方向)に所定間隔を置いて水平方向(袋3の幅方向)に沿って延びる板状突部、すなわち押圧部31,32を有する。押圧部31は印字部Pより下側(袋底側)に位置し、押圧部32は印字部Pより上側(袋開口部側)に位置する。より詳しくは、押圧部31は背板21の袋底側端面27に近接した下方位置、押圧部32は開口部側端面28から離れた上方位置にある。押圧部31と袋底側端面27の上下方向間隔は、袋3の厚みより広くなくてはならないが、なるべく狭くして押圧部31と袋底側端面27の間に挟んだ袋を保持(袋3が長手方向に力を受けたとき力の方向に簡単に滑らない程度に袋3を保持)できるようにする必要がある。押圧部31及び押圧部32は例えばゴム製とし、プラスチックフィルムからなる袋3との摩擦力を大きくすることが好ましい。
【0021】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23は、それぞれ基部33,34が接続プレート35の上下位置に固定され、接続プレート35は前記エアシリンダ24(図示しない機台上に固定されている)のピストンロッド36の先端に固定されている。エアシリンダ24が作動すると、袋底側袋押圧部材22は、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、背板21との間で袋3を保持する保持位置(図5参照)の間を、開口部側袋押圧部材23は、袋3から離れた待機位置(図1参照)と、袋3をその裏面側方向(袋面に垂直方向)に押圧する押圧位置(図5参照)の間を、それぞれ水平面内で、停止した袋3の袋面に垂直方向に同時に進退する。
【0022】
次に、図3〜5を参照して、この印字補助装置の作動について説明する。図3は、空の袋3が、グリッパー対2,2に挟持されて印字工程位置IIに移送され、該位置に停止したときの状態を示す。このとき、背板21、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23はいずれも待機位置にある。袋3は長手方向(上下方向)に沿って湾曲している。
続いて、背板21の図示しない駆動手段及びエアシリンダ24が作動し、背板21が受け位置に向け、袋底側袋押圧部材22が保持位置に向け、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に向けてそれぞれ移動する。
【0023】
図4は、背板21が先に受け位置に到達して停止したときの状態を示すもので、背板21の受面部26の位置に袋3の印字部P及びその近傍の袋面が位置している。このとき、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23は、それぞれ保持位置又は押圧位置に到達する直前である。袋底側袋押圧部材22の押圧部31の先端部が背板21の受面部26の位置を越え、押圧部31の先端部と背板21の袋底側端面27との間で、袋3の前記受面部26より下(印字部Pより袋底側)位置を袋3の幅方向に沿って挟んでいる。同時に開口部側袋押圧部材23の押圧部32の先端部も背板21の受面部26を越え、袋3の前記受面部26より上(印字部Pより開口部側)の位置を、袋3の裏面側方向に押し始めたところである。
【0024】
袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が、図4の状態からそれぞれ保持位置又は押圧位置に到達するまでの間、背板21の下方位置では、袋3は押圧部31と袋底側端面27との間に挟まれた状態であり、背板21の上方位置では、押圧部32の押圧位置への移動に伴い、袋3は押圧部32の移動方向に引っ張られる。なお、押圧部31と袋底側端面27の間の隙間が十分小さく、押圧部31及び袋底側端面27の摩擦係数が小さくなければ、挟まれた袋3はその位置に保持される(袋面が上下方向に滑らない)。また、特に押圧部31がゴム等からなり例えばプラスチック製の背板21より摩擦係数が大きいときは、押圧部31が保持位置に移動するにつれて、袋3の前記挟まれた箇所は押圧部31の移動方向に押し込まれる。
【0025】
図5は、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23がそれぞれ保持位置又は押圧位置に到達したときの状態を示す。袋3は受面部26の下側(印字部Pより袋底側)の位置が、袋底側袋押圧部材22の押圧部31と背板21の袋底側端面27の間に挟まれて保持され、一方、受面部26の上側(印字部Pより開口部側)の位置は受面部26の後方側(袋3の裏面側方向)に押し込まれ、これにより、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持される。
この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
【0026】
その後、背板21の図示しない駆動手段及びエアシリンダ24が作動し、背板21と一対の袋押圧部材22,23が元の待機位置に後退する。続いて、印字工程を受けた袋3は次の停止位置III(開口工程位置)に向けて移送され、停止位置I(給袋工程位置)から新たな袋3が停止位置II(印字工程位置)に移送される。
【0027】
図6〜図8は、別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この補助装置は、背板21が受け位置に固定されている点、袋底側袋押圧部材22と開口部側袋押圧部材23がそれぞれ独立した駆動手段(エアシリンダ24,37)を有する点、及び袋底側袋押圧部材22が保持位置に移動したとき、押圧部31が背板21の受面部26に当接する点で、図1〜図5に示す補助装置と異なる。
【0028】
図6は、袋3が、グリッパー対2,2に挟持されて印字工程位置IIに移送され、該位置に停止したときの状態を示す。このとき、背板21は受け位置にあり、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23はいずれも待機位置にある。袋3は長さ方向(上下方向)に沿って湾曲している。なお、背板21は、移送されてくる袋3との干渉がないように、受け位置を設定する必要がある。
図7は、エアシリンダ24が作動し、袋底側袋押圧部材22が保持位置に到達したときの状態を示す。この保持位置において、押圧部31の先端は背板21の受面部26に当接し、袋3の印字部Pより下方位置(袋底側の位置)を前記受面部26との間で挟み、その位置に保持する。
【0029】
続いてエアシリンダ37が作動し、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に移動する。図8は、開口部側袋押圧部材23が押圧位置に到達したときの状態を示すもので、押圧部32により、袋3の受面部26の上側(印字部Pより開口部側)の位置は受面部26の後方側(袋3の裏面側方向)に押し込まれている。これにより、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持され、この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
その後、エアシリンダ24,37が作動し、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が元の待機位置に後退する。続いて、印字工程を受けた袋3は次の停止位置III(開口工程位置)に向けて移送され、停止位置I(給袋工程位置)から新たな袋3が停止位置II(印字工程位置)に移送される。
【0030】
図9はさらに別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この印字補助装置は、袋底側押圧部材22の押圧部31と開口部側押圧部材23の押圧部32の両方が、それぞれ背板21の袋底側端面27に近接した下方位置、又は背板21の開口部側端面28に近接した上方位置に配置されている点で、図1〜図5に示す印字補助装置と異なる。
この印字補助装置では、袋底側押圧部材22及び開口部側押圧部材23が、それぞれ図9に示す押圧位置に到達する直前に、各袋押圧部材22,23の押圧部31,32の先端部が背板21の受面部26の位置を越え、押圧部31,32の先端部と背板21の袋底側端面27又は開口部側端面28との間で、袋3の前記受面部26の上下位置を袋3の幅方向に沿って挟む。
【0031】
続いて、袋底側袋押圧部材22及び開口部側袋押圧部材23が押圧位置に到達するまでの間、背板21の下方位置では、袋3は押圧部31と袋底側端面27との間に挟まれた状態であり、背板21の上方位置では、袋3は押圧部32と開口部側端面28との間に挟まれた状態が続く。押圧部31と背板21の袋底側端面27の隙間、及び押圧部32と背板21の開口部側端面28の隙間が十分小さく、押圧部31,32がゴム等からなり摩擦係数が大きければ、押圧部31,32が押圧位置に移動するにつれて、袋3の前記挟まれた箇所は押圧部31,32の移動方向に押し込まれる。これによって、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において緊張状態で平らに保持される。
この状態で、印字器5が作動し、印字部Pに印字が行われる。
【0032】
図10,11はさらに別の印字補助装置及びその作動を説明する図である。この印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板21及び一対の袋押圧部材22,23を備える点でこれまで述べた印字保持装置と同じであるが、背板21の幅(受面部26の幅)が袋幅より相当小さく、受面部26の両側方に袋3の長手方向に沿って左右の端面38,39を有する点、袋押圧部材22,23が袋3の幅方向に所定間隔(受面部26の幅よりやや大きい間隔)を置いて配置され、いずれも袋3の長手方向に沿って伸びる押圧部31,32を有する点で異なる。
【0033】
背板21は、図示しない駆動手段(例えばエアシリンダ)により、袋3から離れた待機位置(図10参照)と、前方の受け位置(図11参照)の間を、水平面内で袋3の袋面に垂直方向に進退する。押圧部31,32は、袋3から離れた待機位置(図10参照)と、前方の押圧位置(図11参照)の間を、水平面内で袋3の袋面に垂直方向に進退する。
背板21及び袋押圧部材22,23が待機位置から受け位置又は押圧位置に移動したとき、図11に示すように、背板21の端面38,39の外側に押圧部31,32が押し込まれるようになっており、そのときの背板21の端面38,39と押圧部31,32の間隔は、袋3の厚みより広いが、ごく狭く設定されている。この間隔は図9に示す印字補助装置と同じである。
【0034】
従って、図9に示す印字補助装置と同様に、押圧部31,32が押圧位置に移動するのに伴い、袋3の背板21の左右箇所は、袋3の長手方向に沿って、押圧部31と端面38の間及び押圧部32と端面39の間に挟まれ、挟まれた状態のまま、押圧部31,32の移動方向(袋3の裏面側)に押し込まれる。これによって、袋3の印字部Pを含む袋面は受面部26上において袋幅方向に緊張状態で平らに保持される。
【0035】
上記印字補助装置によれば、先に[発明の効果]の欄に記載した事項のほか、次のような作用効果を得ることができる。
(1)図1〜図5の補助装置のように、一対の押圧部材の駆動手段(エアシリンダ)を共通化することにより、装置のコンパクト化、コストの低減が図れ、また、袋の印字部を緊張させる効果が効率よく得られる。
(2)押圧部材の押圧部をゴム材で形成することにより、袋(プラスチック)との摩擦力を高めて、背板との間で袋面を挟んだとき袋面が滑るのを抑制でき、確実な緊張作用を得ることができる。
(3)駆動手段をエアシリンダで構成したことにより、エアシリンダへ供給するエア圧を調整して袋の反発力を吸収できる(袋を緊張させるとき袋に無理な引張力が掛からない)ため、押圧時における袋へのダメージを抑えることができる。
【0036】
また、本発明に係る補助装置(印字又は印字検査補助装置)は、上記の例に限られず、例えば下記のような種々の改変が可能である。
(1)上記の例は印字工程への補助装置の適用について説明したが、印字検査工程にも全く同様に適用できる。例えば袋口の開口工程の前の停止位置で印字検査が行われる場合、当該停止位置に印字検査装置と印字検査補助装置が設置される。これには、印字を印字工程位置で行い、開口工程位置の前の適当な停止位置(通常、印字工程位置の次の停止位置が選定される)で印字検査を行う場合が含まれ、この場合、印字工程位置には印字装置及び印字補助装置が設置され、印字検査工程位置には、印字検査装置及び印字検査補助装置が設置される。また、印字工程と印字検査工程を同じ位置で行うこともでき、その場合、当該位置には印字装置、印字検査装置及び補助装置(印字補助、印字検査補助の共用)が設置される。
【0037】
(2)印字部の位置が変更される場合を考慮し、背板、袋押圧部材、押圧部等は位置調整自在であることが望ましい。
(3)袋の袋底側を印字工程位置又は印字検査工程位置に配置したチャックで挟んで袋底側(下方)に引っ張り、開口部側のグリッパーとの間で袋面を袋の長手方向に緊張させ、あるいは袋の印字部の両側(両側縁)を前記位置に対向配置した一対のチャックで挟んで左右に引っ張り、両チャック間で袋面を袋の幅方向に緊張させ、続いて印字又は印字検査を行う場合等も本発明に含まれる。
【0038】
(4)上記の例は、本発明を、通常の袋を開口部(袋口)を上に向け円形の移送経路に沿って移送し、その過程で各種包装処理工程を順次行うようにした間欠回転式袋詰め包装機に適用したものだが、レーストラック形の移送経路あるいは直線的な移送経路を有する包装機なども含め、間欠移送式縦型(グリッパーに挟持された袋が袋口を上に向けた状態で各種包装処理を受けるタイプ)袋詰め包装機一般に適用することができるほか、連続移送式(袋を連続移送するタイプ)袋詰め包装機、横型(袋口を横に向けた状態で袋を移送し各種包装処理を行うタイプ)袋詰め包装機、さらには開口部としてスパウトを有するスパウト付き袋に内容物を充填する袋詰め包装機(袋の両側縁をグリッパーで保持して移送する代わりにスパウト部をスパウト保持部材の溝内に保持して移送)等にも適用可能である。なお、連続移送式の場合、補助装置自体を袋の移送に追従させ、印字又は印字検査終了後、元の位置に復帰させる必要がある。
【符号の説明】
【0039】
3 袋
5 印字器
21 背板
22,23 袋押圧部材(袋底側袋押圧部材、開口部側袋押圧部材)
26 背板の受面部
27 背板の袋底側端面
28 背板の開口部側端面
31,32 押圧部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程が含まれ、前記印字工程において印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより前記印字部を平らな状態として印字を行うことを特徴とする袋詰め包装方法。
【請求項2】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に袋面の印字検査工程が含まれ、前記印字検査工程において印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより前記印字部を平らな状態として印字検査を行うことを特徴とする袋詰め包装方法。
【請求項3】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持して前記移送経路に沿って移送することを特徴とする請求項1又は2に記載された袋詰め包装方法。
【請求項4】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程が含まれ、前記印字工程が行われる位置に、印字装置と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、前記印字部を平らな状態に保持する印字補助装置が配置されていることを特徴とする袋詰め包装機。
【請求項5】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字検査工程が含まれ、前記印字検査工程が行われる位置に、印字検査装置と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、前記印字部を平らな状態に保持する印字検査補助装置が配置されていることを特徴とする袋詰め包装機。
【請求項6】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部は前記背板との間で袋の前記印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は前記受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧するものであり、前記背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に前記受面部を越えて押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項7】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部は前記背板との間で袋の前記印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は前記受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧するものであり、前記背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に前記受面部を越えて押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項8】
前記背板が定位置である受け位置に設置され、かつ前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているかのいずれかであり、さらに、前記開口部側袋押圧部材が袋を裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされていることを特徴とする請求項6に記載された袋詰め包装機。
【請求項9】
前記背板が定位置である受け位置に設置され、かつ前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているかのいずれかであり、さらに、前記開口部側袋押圧部材が袋を裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされていることを特徴とする請求項7に記載された袋詰め包装機。
【請求項10】
前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記背板の受面部との間で袋を保持することを特徴とする請求項6又は8に記載された袋詰め包装機。
【請求項11】
前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記背板の受面部との間で袋を保持することを特徴とする請求項7又は9に記載された袋詰め包装機。
【請求項12】
前記背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記袋底側端面との間で袋を保持することを特徴とする請求項6又は8に記載された袋詰め包装機。
【請求項13】
前記背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記袋底側端面との間で袋を保持することを特徴とする請求項7又は9に記載された袋詰め包装機。
【請求項14】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の各押圧部が前記背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記開口部側端面と一方の押圧部の間、及び前記袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項15】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の各押圧部が前記背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記開口部側端面と一方の押圧部の間、及び前記袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項16】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の幅方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の押圧部が前記左右の端面近傍において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項17】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の幅方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の押圧部が前記左右の端面近傍において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項18】
前記袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されていることを特徴とする請求項6、8,10,12,14,16のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項19】
前記袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されていることを特徴とする請求項7,9,11,13,15,17のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項20】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプであり、前記袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字工程が行われる停止位置に、印字装置と印字補助装置が配置されていることを特徴とする請求項4,6、8,10,12,14,16,18のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項21】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプであり、前記袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字検査工程が行われる停止位置に、印字検査装置と印字検査補助装置が配置されていることを特徴とする請求項5,7,9,11,13,15,17,19のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項1】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程が含まれ、前記印字工程において印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより前記印字部を平らな状態として印字を行うことを特徴とする袋詰め包装方法。
【請求項2】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行う袋詰め包装方法において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に袋面の印字検査工程が含まれ、前記印字検査工程において印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、これにより前記印字部を平らな状態として印字検査を行うことを特徴とする袋詰め包装方法。
【請求項3】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持して前記移送経路に沿って移送することを特徴とする請求項1又は2に記載された袋詰め包装方法。
【請求項4】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字工程が含まれ、前記印字工程が行われる位置に、印字装置と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、前記印字部を平らな状態に保持する印字補助装置が配置されていることを特徴とする袋詰め包装機。
【請求項5】
袋の開口部側を保持して所定の移送経路に沿って移送するとともに、移送の過程で被包装物の充填、開口部の閉鎖等の包装処理工程を順次行うようにした袋詰め包装機において、前記包装処理工程の一部として被包装物の充填工程の前に印字検査工程が含まれ、前記印字検査工程が行われる位置に、印字検査装置と、印字部を含む袋面を袋の長さ方向又は幅方向に引っ張って緊張させ、前記印字部を平らな状態に保持する印字検査補助装置が配置されていることを特徴とする袋詰め包装機。
【請求項6】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部は前記背板との間で袋の前記印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は前記受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧するものであり、前記背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に前記受面部を越えて押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項7】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置された袋底側袋押圧部材と開口部側袋押圧部材からなり、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、袋底側袋押圧部材の押圧部は前記背板との間で袋の前記印字部より袋底側の位置を袋の幅方向に沿って挟んで袋を保持し、開口部側袋押圧部材の押圧部は前記受面部より袋の開口部側の位置を袋の裏面側方向に押圧するものであり、前記背板と袋底側袋押圧部材の押圧部で袋を保持した状態で、開口部側袋押圧部材の押圧部が袋の裏面側方向に前記受面部を越えて押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項8】
前記背板が定位置である受け位置に設置され、かつ前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているかのいずれかであり、さらに、前記開口部側袋押圧部材が袋を裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされていることを特徴とする請求項6に記載された袋詰め包装機。
【請求項9】
前記背板が定位置である受け位置に設置され、かつ前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が定位置である保持位置に設置され、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているか、前記袋底側袋押圧部材が前記背板との間で袋を保持する保持位置と袋から離れた待機位置との間を移動可能とされ、かつ前記背板が前記袋底側袋押圧部材との間で袋を保持する受け位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされているかのいずれかであり、さらに、前記開口部側袋押圧部材が袋を裏面側方向に押圧する押圧位置と袋から離れた待機位置の間で移動可能とされていることを特徴とする請求項7に記載された袋詰め包装機。
【請求項10】
前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記背板の受面部との間で袋を保持することを特徴とする請求項6又は8に記載された袋詰め包装機。
【請求項11】
前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記背板の受面部との間で袋を保持することを特徴とする請求項7又は9に記載された袋詰め包装機。
【請求項12】
前記背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記袋底側端面との間で袋を保持することを特徴とする請求項6又は8に記載された袋詰め包装機。
【請求項13】
前記背板が受面部の袋底側に袋底側端面を有し、前記袋底側袋押圧部材の押圧部と前記袋底側端面との間で袋を保持することを特徴とする請求項7又は9に記載された袋詰め包装機。
【請求項14】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の各押圧部が前記背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記開口部側端面と一方の押圧部の間、及び前記袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項15】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の開口部側及び袋底側にそれぞれ袋の幅方向に沿って開口部側端面及び袋底側端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の長手方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の幅方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の各押圧部が前記背板の開口部側端面及び袋底側端面の近傍位置において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記開口部側端面と一方の押圧部の間、及び前記袋底側端面と他方の押圧部の間で袋の幅方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項16】
前記印字補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の幅方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の押圧部が前記左右の端面近傍において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項4に記載された袋詰め包装機。
【請求項17】
前記印字検査補助装置は、対向配置され互いに接離可能とされた背板及び一対の袋押圧部材を備え、前記背板は袋の裏面側に配置され、前記印字部に対応する平らな受面部を有し、かつ受面部の両側方にそれぞれ袋の長手方向に沿って左右の端面を有し、前記一対の袋押圧部材は袋の表面側、すなわち前記印字部のある袋面側に袋の幅方向に所定間隔を置いて配置され、いずれも袋の長手方向に沿って延びる押圧部を有し、前記背板及び一対の袋押圧部材が互いに接近したとき、前記一対の袋押圧部材の押圧部が前記左右の端面近傍において前記受面部を越えて押し込まれるようになっており、このとき袋が前記左右の端面と各押圧部との間で袋の長手方向に沿って挟まれ、前記押圧部とともに袋の裏面側方向に押し込まれることを特徴とする請求項5に記載された袋詰め包装機。
【請求項18】
前記袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されていることを特徴とする請求項6、8,10,12,14,16のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項19】
前記袋押圧部材の押圧部がゴム材で形成されていることを特徴とする請求項7,9,11,13,15,17のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項20】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプであり、前記袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字工程が行われる停止位置に、印字装置と印字補助装置が配置されていることを特徴とする請求項4,6、8,10,12,14,16,18のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【請求項21】
前記袋は上縁が開口した袋であり、前記袋詰め包装機は、前記袋の両側縁部を左右一対のグリッパーで挟持して袋を吊り下げ状に保持し、前記移送経路に沿って移送するタイプであり、前記袋詰め包装機は、間欠回転するテーブルの周囲に複数対のグリッパーが等間隔に配置され、前記テーブルの間欠回転に伴い前記グリッパーが円形の移送経路に沿って移動する間欠回転式袋詰め包装機であり、前記印字検査工程が行われる停止位置に、印字検査装置と印字検査補助装置が配置されていることを特徴とする請求項5,7,9,11,13,15,17,19のいずれかに記載された袋詰め包装機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−121614(P2011−121614A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281169(P2009−281169)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】
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