説明

袋詰め包装装置

【課題】本発明は、包装袋の片面全体を吸着保持し、袋ホルダー上方の袋詰位置で袋開きガイドに斜め上方からエアーを吹き当て、包装袋を開口させて充填物品を袋詰する袋詰め包装装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の袋詰め包装装置は、袋ホルダー7と、該袋ホルダー7と上方の袋詰め位置との間を昇降し、包装袋5を吸着保持する吸着ホルダー1と、前記袋詰め位置と待機位置との間を往復し、斜めに切断された先端部分を有する半円筒状の袋開きホルダー3と、該袋開きホルダー3の半円筒内部を往復動し、充填物6を押し出しする押し込みロッド4と、前記袋詰め位置と前記待機位置との隙間に向かって斜め上方からエアーを送風するエアーノズル2と、前記袋ホルダー7の真上位置と側方位置間を水平往復動可能に設けられ、前記袋ホルダー7の真上位置で吸着ホルダー1から充填した包装袋5を受け取る受取りコンベアー8からなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合掌貼りによる背シール部を有するピロータイプの包装袋を開口し、自動的に充填物品を袋詰する袋詰め包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、寝かせて積重ねられた平置き状態の包装袋の最上部の1枚を取り上げ、袋口を開口させて内容物を充填する袋詰装置は、真空パッドや嘴状ガイドにより袋口縁を拡開させて充填しており、袋全体が充分な開口状態とはならないためにエアーを噴出させて袋全体を開口させるようにしている。
例えば、袋詰対象物品を傷めることなく、常に一定した早さをもって大量に、袋の表裏や袋詰対象物品の向きなどを間違えることなく袋詰する袋詰装置が知られている(特許文献1を参照)。
この公知技術は、立て掛けられた袋供給部の先端で、袋詰対象物品を収容する袋をエアー吸着してガイド部に上方回動供給する一方、上方回動途中で袋の開口部と下部面とに向けてエアーを噴出して袋を広く開口させると共にその後端の垂れを防ぎ、前記ガイド部の袋詰位置において、袋の開口部を前記ガイド部で保持し、押出位置に供給した袋詰対象物品をガイド部後方から袋内に押し出すのに続いて、前記ガイド部の前部分で保持していた袋を外すべく構成した袋詰装置である。
他の例として、袋の構成部分によって厚みが相違する袋であっても自動で内容物を挿入できる袋自動挿入装置が知られている(特許文献2を参照)。
この公知技術は、複数の袋を積層させて収納する袋収納部と、袋の孔部に挿通される保持軸と、水平状固定板と、該水平状固定板に直交状にエアーを噴出させるように配設されたダクトと、最上部の袋の高さを検出するセンサーと、最上部の袋を水平状に保持すべくセンサーの信号にて昇降する基端側リフト及び中間リフトと、複数の袋の耳片を前記水平状固定板と共働して挟持状に保持する先端側リフトと、最上部の袋の先端開口部から内部に内容物を挿入する内容物挿入手段と、最上部の袋を吸着して搬出する吸着手段とを備える袋自動挿入装置である。
【特許文献1】特開平6−8915号公報
【特許文献2】特開平6−293315号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、合掌貼りによる背シール部を有するピロータイプの包装袋を平置き状態で収納した袋ホルダーから吸着ホルダーによって包装袋の片面全体を吸着保持し、袋ホルダー上方の袋詰位置で袋開きガイドに斜め上方からエアーを吹き当て、包装袋を開口させて充填物品を袋詰する袋詰め包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の袋詰め包装装置は、平置き状態で包装袋を積層する袋ホルダーと、該袋ホルダーと上方の袋詰め位置との間を昇降し、包装袋を吸着保持する吸着ホルダーと、該吸着ホルダーの側方に設けられ、前記袋詰め位置と待機位置との間を往復し、斜めに切断された先端部分を有する半円筒状の袋開きホルダーと、該袋開きホルダーの半円筒内部を往復動し、充填物を押し出しする押し込みロッドと、前記袋詰め位置と前記待機位置との隙間に向かって斜め上方からエアーを送風するエアーノズルと、前記袋ホルダーの真上位置と側方位置間を水平往復動可能に設けられ、前記袋ホルダーの真上位置で吸着ホルダーから充填した包装袋を受け取る受取りコンベアーからなるものである。
本発明の包装袋の開口方法は、平置き状態で包装袋を積層する袋ホルダー上方の袋詰位置で上面を吸着保持している包装袋に、前記袋ホルダーから袋詰位置への供給途中にエアーノズルからの弱風を送風してエアーにより袋口部の予備開口を行い、斜めに切断された先端部分を有する半円筒状の袋開きガイドの前進により前記エアーノズルからのエアーが前記袋開きガイドに斜め上方から吹き当たり、前記袋開きガイドの前進に伴ってエアーノズルからの偏向風が袋口部に向かって吹き出し、さらに前記袋口部に前記袋開きガイドを挿入することによって包装袋の開口を完全に行うものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の袋詰め包装装置は、合掌貼りによる背シール部を有するピロータイプの包装袋を平置き状態で袋ホルダーに収納し、吸着ホルダーによって包装袋1枚を吸着保持すると共にその上方位置で袋詰めを行うことができるので、装置全体をコンパクトにできる。
また、本発明の袋詰め包装装置は、袋ホルダー上方の袋詰位置で吸着保持している包装袋に、供給途中にエアーノズルからの弱風が送風されてエアーにより袋口部の予備開口が行われ、袋開きガイドの前進によりエアーノズルからのエアーが前記袋開きガイドに斜め上方から吹き当たり、袋開きガイドの前進に伴って偏向風が袋口部に向かって吹き出されるので、包装袋の開口がより完全に行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の袋詰め包装装置の一実施例を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1は袋詰め包装装置の全体を示す全体斜視図であり、1は吸着ホルダー、2はエアーノズル、3は袋開きガイド、4は押し込みロッド、5は包装袋、6は充填物、7は袋ホルダー、8は受取りコンベアーである。
前記吸着ホルダー1は、包装袋5の2/3長さを有する直方体形状であって図示しない真空装置に接続され、底面には包装袋5の長さ方向に沿って吸着する3列の吸着パッド(図示せず)を有し、袋ホルダー7と袋ホルダー7の上方位置(以下、「袋詰め位置」という。)との間を矢印で示すように上下移動させるエアーシリンダー9により、袋ホルダー7の最上部の包装袋5を吸着保持し、前記包装袋5を袋詰め位置に供給する。
なお、吸着パッド(図示せず)は、図4に示す合掌貼りによる背シール部12を有するピロータイプの包装袋5を平置き状態で積み重ねると中央部が膨らむため、前記包装袋5を確実に吸着するために両側縁と中央部に、すなわち真空作用を生じさせるための凹条部を3列に形成する。
前記エアーノズル2は、図3の正面図に示すように前記袋詰め位置の斜め前方位置に配置され、袋ホルダー7から吸着ホルダー1により吸着保持した包装袋5が袋詰め位置への供給途中に袋口部13に弱風が当たり予備開口される位置に設けられる。
さらに、予備開口された包装袋5に向かって袋開きガイド3が前進した時に、エアーノズル2からのエアーが前記袋開きガイド3に突き当たって包装袋5側へ案内され、袋詰め位置の袋口部13に偏向された風を吹き付けることができるように設けられる。
前記袋開きガイド3は、袋口部13に侵入できるように先端を斜めに切断した半円筒状容器とし、前記吸着ホルダー1の側方、すなわち前記袋口部13側に設けられ、後退した待機位置と袋口部13に侵入する袋詰め位置との間を水平往復動させるエアーシリンダー10により、エアーノズル2からのエアーを偏向すると共に充填物6を包装袋5に充填する際の案内となる。
【0007】
前記押し込みロッド4は、図2の平面図に示すように袋開きガイド3と略同断面形状で、前記袋開きガイド3の半円筒面に沿って内部を前後にスライドし、充填物6を確実に包装袋5内に押し込めるようなストロークでエアーシリンダー11により往復動される。
前記包装袋5は、本実施例では図4の斜視図に示すように、乾麺などの充填物6を袋詰めするため、合掌貼りによる背シール部12を有するピロータイプで一方に袋口部13を有する細長長方形状の包装袋となっているが、一般的な三方シールの包装袋でもよい。
前記充填物6は、手動又は滑落シュート(図示せず)を介して前記袋開きガイド3へ載せられ、押し込みロッド4で押し込むことができる固形状の物品であればよく、図2に示すような乾麺などの細長物品であれば前記袋開きガイド3の円弧面に案内され、押し込みロッド4により効率的に充填することができる。
前記袋ホルダー7は、合掌貼りによる背シール部12を有するピロータイプの包装袋5を平置き状態で積み重ねることができる固定された四側壁及び上下移動できる底部を備え、最上部の包装袋5が確実に吸着ホルダー1に吸着できるようにセンサー(図示せず)で位置検知し、底部を常にリフト14によりコントロールしている。
なお、本実施例では、包装袋5は背シール部12を下側にして平置き状態で積み重ねて袋ホルダー7に収納している。
前記受取りコンベアー8は、ベルトコンベアーからなり、エアーシリンダー15により前記袋ホルダー7の真上位置と側方位置間を水平往復動可能に設けられ、吸着ホルダー1が袋詰め位置に上昇した時に前記受取りコンベアー8が前進して袋ホルダー7の真上位置に移動して包装袋5を下方から支え、包装袋5への充填物6の充填が終了すると、前記吸着ホルダー1から包装袋5を受取り、前記受取りコンベアー8に前記包装袋5を載せたまま後退して前記袋ホルダー7の側方位置で次の包装袋5の袋詰めに待機する。
それと同時に、前記受取りコンベアー8を回転駆動して包装袋5を1袋分後方、図1では手前側へ移動させる。
【0008】
次に、本発明の袋詰め包装装置の操作動作を添付図面に基づいて、以下に説明する。
図1に示すように、始めに吸着ホルダー1が下降して袋ホルダー7の最上部から包装袋5を一枚吸着し、前記吸着ホルダー1が包装袋5の片面を吸着した状態で包装袋5を持ち上げる。
包装袋5を持ち上げる途中で、エアーノズル2のエアーは袋開きガイド3の袋詰め位置と待機位置との隙間に斜め向きに送風されているので、前記袋開きガイド3が後退している状態では袋開きガイド3に当ることなく拡散して弱風となっており、前記エアーノズル2からのエアーは、その弱風が前記隙間を通って袋口部13に当たり、包装袋5を予備開口させる。
すなわち、包装袋5の上面側が吸着ホルダー1により吸着保持されているので、前記エアーノズル2からの弱風が袋口部13に当たる時には、前記吸着ホルダー1の上昇途中であって重力と弱風により速やかに予備開口される。
予備開口された包装袋5が袋詰め位置に到達すると、予備開口された状態の包装袋5方向ヘ袋開きホルダー3が前進する。
同時に、受取りコンベアー8が袋詰め位置の包装袋5の下方、すなわち袋ホルダー7の真上位置ヘ前進する。
【0009】
前記袋開きホルダー3が前進すると、エアーノズル2からのエアーが前記袋開きホルダー3の斜めに切断した先端部分に突き当たり、エアーが袋開きガイド3に偏向されて予備開口されている袋口部13へ送風される。
したがって、前記袋開きガイド3に偏向された風は予備開口された包装袋5を更に膨らませ、包装袋5を開口させ、引き続き前記袋開きガイド3の先端部分が袋口部13に挿入されると、さらに包装袋5全体を開口させる。
次に、エアーノズル2のエアーを中断し、前記袋口部13に先端部分が挿入されている袋開きガイド3に袋詰めする充填物6を手動又は滑落シュート(図示せず)を介して載せる。
前記充填物6の充填が終了したら、押し込みロッド4を作動させて充填物6を前記袋開きガイド3上を滑らせて包装袋5に押し込み、その後、前記押し込みロッド4を袋口部13に残して袋開きガイド3のみを後退させる。
前記袋開きガイド3の後退が終了したら、吸着ホルダー1の吸着を解除し、充填済み包装袋5を下方に待機している受取りコンベアー8に載せる。
それと同時に、前記袋口部13から押し込みロッド4を後退させると共に、前記受取りコンベアー8を後退させて前記袋ホルダー7の側方位置で次の包装袋5の袋詰め動作に待機させる。
その時に、前記受取りコンベアー8を回転駆動して包装袋5を1袋分だけ後方、図1では手前側へ移動させる。
そして再び、エアーノズル2からエアーを吹き出し、前記吸着ホルダー1を下降させて袋ホルダー7から包装袋5を取り出し、前述した工程を繰り返す。
なお、図2に示すように、あらかじめ袋開きガイド3に充填物6を載せて置き、充填物6は前記袋開きガイド3の斜めに切断した先端部分に掛からないようにしてセットしておくことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の袋詰め包装装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の袋詰め包装装置の平面図である。
【図3】本発明の袋詰め包装装置の正面図である。
【図4】包装袋の斜視図である。
【符号の説明】
【0011】
1 吸着ホルダー
2 エアーノズル
3 袋開きガイド
4 押し込みロッド
5 包装袋
6 充填物
7 袋ホルダー
8 受取りコンベアー
9 エアーシリンダー
10 エアーシリンダー
11 エアーシリンダー
12 背シール部
13 袋口部
14 リフト
15 エアーシリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平置き状態で包装袋を積層する袋ホルダーと、該袋ホルダーと上方の袋詰め位置との間を昇降し、包装袋を吸着保持する吸着ホルダーと、該吸着ホルダーの側方に設けられ、前記袋詰め位置と待機位置との間を往復し、斜めに切断された先端部分を有する半円筒状の袋開きホルダーと、該袋開きホルダーの半円筒内部を往復動し、充填物を押し出しする押し込みロッドと、前記袋詰め位置と前記待機位置との隙間に向かって斜め上方からエアーを送風するエアーノズルと、前記袋ホルダーの真上位置と側方位置間を水平往復動可能に設けられ、前記袋ホルダーの真上位置で吸着ホルダーから充填した包装袋を受け取る受取りコンベアーからなることを特徴とする袋詰め包装装置。
【請求項2】
平置き状態で包装袋を積層する袋ホルダー上方の袋詰位置で上面を吸着保持している包装袋に、前記袋ホルダーから袋詰位置への供給途中にエアーノズルからの弱風を送風してエアーにより袋口部の予備開口を行い、斜めに切断された先端部分を有する半円筒状の袋開きガイドの前進により前記エアーノズルからのエアーが前記袋開きガイドに斜め上方から吹き当たり、前記袋開きガイドの前進に伴ってエアーノズルからの偏向風が袋口部に向かって吹き出し、さらに前記袋口部に前記袋開きガイドを挿入することによって包装袋の開口を完全に行うことを特徴とする包装袋の開口方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−320610(P2007−320610A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152088(P2006−152088)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(597123870)株式会社トーヨー (3)
【Fターム(参考)】