説明

被覆を製造する方法

【課題】基体の上に、被覆を製造する方法において、その被覆がセラミックの多層機能性層から構成され、基体とその被覆との間に、既知の機能性層と比較して改良された遷移状態が存在する、被覆を製造する方法を提供する。
【解決手段】セラミック被覆材料を有する層(3)を、プラズマビーム(30)を用い、LPPS又はLPPS−TF法を用いて処理室(6)中で基体上に製造する方法において、前記基体が、少なくとも一種類の金属Meを含み、前記基体の調節された反応温度で、反応性酸素を存在させて、表面上に拡散した金属Meと反応して得られる酸化物を、セラミック中間層(4)として生成させ、セラミック層(3)、即ち、セラミック被覆材料の層を前記中間層の上に堆積することを含む、上記製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲請求項1の前文に従う被覆を製造する方法及びその方法で被覆された物体にも関する。
【背景技術】
【0002】
特定のLPPS法(低圧プラズマ噴霧法)、即ち、US−A−5853815により知られているLPPS−TF法(LPPS−薄膜法)を用いて、大きな面積に薄い層を均一に与えることができる。この方法は、低圧溶射法であり、それによりμm範囲の厚さの層を形成することができる。均一な被覆の製造は、幾何学的に適切に設計された噴霧銃により達成され、その噴霧銃には充分大きな過剰圧力が行き渡っていることも必須である。被覆すべき表面を処理室中へ運び込む。その室内では、噴霧銃に例えば約100kPaの圧力、換言すればほぼ外部環境の圧力を行き渡らせながら、10kPaより低い圧力を発生させる。噴霧銃の内部と処理室との大きな圧力差は、熱処理ビームが広いビームへ拡張し、その中で噴霧される材料が均一に分布される効果を有する。均一な処理ビームにより緻密な薄い層が堆積する。特定の特徴を有する一層厚い被覆は、この種の層を複数適用することにより計画的に製造することができる。
【0003】
この種の被覆は機能性被覆(functional layer)として用いることができる。機能性層は、被覆すべき基体を形成する金属基礎物体(metallic bose body)に適用することができ、一般的に異なった組成の部分層を有する多重層構造体システム(multiple layer system)である。例えば、高い処理温度で操作されるガスタービン(静止ガスタービン又は航空機エンジン)のための羽根は、単一層又は多重層を含む第一部分層で被覆し、その結果、その基体が高温ガスによる腐食に対し耐えられるようになる。第二部分層(セラミック材料の層)は、熱絶縁性層を形成する。そのような熱絶縁性層構造体を製造する方法は、EP−A−1260602に記載されており、それにより複数の層(障壁層、保護層、熱絶縁性層、円滑性層)が、制御可能な処理パラメーターの設定を変化することにより1回の作業サイクルで適用される。
【0004】
特別なLPPS−TF法では、熱処理ビームを用いて混成被覆(hybrid coating)を遂行する。EP−A−1034843(=P.7192)、又はEP−A−1479788(=P.7328)により知られているこの方法は、溶射と気相蒸着との組合せ、即ち、それら二つの方法の併用を可能にしている。処理ビームの特性は、制御可能な処理パラメーター、特に、圧力、エンタルピー、処理ガス混合物及び組成物の組成、及び噴霧すべき材料の適用形態等のパラメーターにより決定される。被覆材料は制御可能なパラメーターに依存して部分的に気化する。蒸気形態及び凝縮形態、即ち、固体又は流体状で存在する被覆材料の相は、少なくとも部分的に基体上に堆積する。処理ビーム中で運ばれる材料のための蒸気相及び/又は凝縮相の相対的割合は、診断測定法(diagnostic measuring method)によって決定される。制御可能な処理パラメーターは、このやり方で得られた測定データーを用いて希望の値に関連して調節される。蒸気の特定の割合又は凝縮相の割合に対応するこれら希望の値に関し、多重層構造体の計画的製造の調整を行う。
【0005】
混成被覆法を用いて、柱状微細構造を有する熱絶縁性層を製造することができる。この堆積物、即ち、層は、ほぼ円柱状粒子又は微粒子から構成されており、それらの中心軸は基体表面に垂直方向に向いている。堆積した材料の密度が微粒子の密度よりも小さい移行領域(transition region)は、微粒子をその側面で結合している。異方性微細構造を有するこの柱状層は、繰り返し起きる温度変化によりもたらされる応力の変化に対して伸びを許容することができる。被覆は殆ど可逆的仕方で応力変化に反応し、即ち、亀裂を形成することなく反応し、その結果その本来の寿命は、柱状微細構造を持たない被覆の本来の寿命と比較してかなり増大している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、基体の上に被覆を製造する方法であって、その被覆はセラミックの多層機能性層から構成され、基体とその被覆との間に、既知の機能性層と比較して改良された遷移状態が存在する上記方法を提供することである。これに関連して、セラミック被覆材料は、特に柱状部分層を含む機能性層としてLPPS及び/又はLPPS−TF法で基体に適用することができる。この目的は、請求項1に定義する方法により満足される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本方法により、基礎物体の表面を形成する被覆を基体上に製造する。基体は、特に結合層である。この方法では、セラミック被覆材料を有する層を、プラズマビームを用い、LPPS又はLPPS−TF法を用いて処理室中で基体上に適用する。基体は、少なくとも一種類の金属Meを含む。基体の調節された反応温度で、反応性酸素を存在させて、表面上に拡散した金属Meと反応して得られた酸化物が、セラミック中間層として生ずる。セラミック層をこの中間層上に堆積する。
【0008】
従属請求項2〜11は、本発明による方法の有利な態様に関する。この方法を用いて被覆した物体は、請求項12〜16の主題である。
【0009】
本発明を、図面を参照して次に説明する。
【0010】
図1の断面で例示したように、機能性層、即ち、被覆1は、基体2、セラミック被覆材料から作られた層3、及び図2に模式的に例示した方法を用いて本発明に従い製造されたセラミック中間層4を含む。基体2は、例示していない基礎物体の表面上に位置している。
【0011】
本発明による被覆方法は、柱状層3を含む機能性層のために開発され、この場合、この柱状層3は特定の基体2に適用され、その基体は、適当な反応条件で酸化することができる金属Meを含んでいる。適当な反応条件には、金属Meが基体2の表面に拡散し、そこでそれを酸化することができる反応温度が含まれる。振り返って見て、この方法は、一層一般的に、つまりセラミック機能性層で、その層3が柱状構造を持たない場合のセラミック機能性層にも適用することができることが分かる。
【0012】
基体2は基礎物体の表面であるか、又はそれは基礎物体の上に適用された結合層である。図1に例示した例では、柱状ではあるが、柱状でなくてもよいセラミック層3が基体2の上に適用されている。被覆1を製造するのにLPPS−TF法を用い、複数の均一な薄い層を処理室6(図3も参照)中でプラズマビーム30を用いて基礎物体に適用する。柱状層3は、蒸気相及び凝縮相のセラミック被覆材料が噴霧される混成法を用いて適用する。セラミック材料を含む柱状層3を適用する前に、セラミック中間層4を、基体2の上にTGO層(熱成長させた酸化物)として製造する。図2を参照して下さい。LPPS−TF法の代わりに、又はそれと組合せてLPPS法を使用することもできる。
【0013】
基体2は、少なくとも金属Meを含み、図2ではそれに参照番号24がつけられている。TGO層を形成する際に、粒子64の記号で示した酸素Oは金属Meと反応するか、又は複数の金属とも反応する。酸素64は予め定められた分圧で処理室6中に存在する。これは、処理室6中の作動圧力により0.01ミリバール〜20ミリバールの範囲にあり、規定された値の維持は、例えば、物質流動調節器により制御される。O分圧は、この構成でTGO層の形成で成長速度及び構造に影響を与える。この酸化が行われるようにするためには、基体2は、エネルギー入力により、例えば、波60による記号で示した赤外線照射により上記反応温度に持って行くようにしなければならない。金属24は基体2の反応温度でその表面及び中間層4の表面へも拡散し、その層が形成されていく。この層4は、続いて堆積される層3用の適切な土台を表している。なぜなら、それは金属材料からセラミック材料への遷移を確立するからである。セラミック中間層4は、0.001〜2μm、特に0.1〜0.06μmの範囲の値の厚さを有する。
【0014】
酸化のために必要な基体2の反応温度はその組成に依存する。プラズマビーム又は付加的源によるエネルギー入力により、それを与えることができる。付加的源は、処理室6の内部か又はその外側移動室の中に構成することができる。特に、この源は、赤外線ヒーター、レーザー、又は電子ビーム発生機である。
【0015】
金属Meは、アルミニウムAlであるのが有利であるが、セラミック中間層4を形成するのに更に別の金属を含ませることもできる。特に、基体2の反応温度は、900〜1150℃の範囲の値を有する。この範囲は大きくすることもでき、例えば、800℃〜1200℃に存在していてもよい。
【0016】
基体2は金属合金、特にMCrAlY合金(ここでM=Ni、Co、CoNi、又はFe)の群からの材料を含む。それは、アルミ化物、例えば、PtAl、又はPtNiAl、又は金属間相、例えば、NiAl化合物を含んでいてもよい。
【0017】
基体2の反応温度は、少なくとも一つのセンサー及びセットを用いて測定される。この構成で、センサーは、赤外線高温計、熱カメラ、又は熱センサーにすることができる。
【0018】
もし基体2が結合層であるならば、その結合層を製造した後、被覆すべき基礎物体を処理室6中に導入することができる。しかし、基礎物体は、まず処理室6中でLPPS法、LPPS−TF法、又はPVD法により結合層で被覆するのが有利である。その被覆方法を開始する時、基礎物体の表面をプラズマビーム、又は異なったエネルギーの入力手段、例えば、プラズマビーム源からのプラズマアーク(transferred arc)によりクリーニング(プラズマアーククリーニング)することができる。
【0019】
図3は、処理ビーム30の側面図を示しており、それは写真映像に従って描かれている。それは噴霧銃5のノズル51から流出している。散乱し及び/又は光を発する被覆材料の蒸気及び粒子により、処理ビーム30は目で見えるようになる。特に、示されるものよりも弱い場合でも、処理室6の残余の空間に対して境界を形成する外側表面30’が認められる。ビーム30の内部には周期的に生ずる芯領域31、34、及び35を認めることができ、その場合、噴霧される材料の密度は、表面30’の境界である連続領域33中よりも大きい。芯領域31、34、及び35と、領域33との間には平均密度を有する遷移領域32、32’、32’’が存在する。処理ビーム30は超音波的に広がり、衝撃波を形成する。ノズル51の出口53では、圧力は、処理ビーム30の外側の処理室6の雰囲気中よりも大きい。波状表面30’は、取り巻く雰囲気と処理ビーム30との相互作用により生ずる。この相互作用は、混成被覆方法で、被覆すべき材料の蒸気状部分が表面30’の内部にトラップされたままになるような結果を有する。このことは、図4を援用して一層詳しく説明することにする。
【0020】
リング53’は、ノズル出口53の所の処理ビーム30が始まる所を描いたものである。z軸の方向に流れる処理ビーム30の三つの断面、a、c、及びdが、破線リングで示されている。処理ビーム30の円状断面は、種々の半径rを有する。最初の時間点では、蒸気粒子(原子又は分子)が断面a中の小さな円によって記された部分Aに位置し、更に曲線14上を、ビーム表面30’の位置Bを通り、断面cの位置Cを通り、断面dの位置Dを通り移動する。この蒸気粒子は、流動方向に長手方向の速度成分v(超音波速度)及び、vよりも小さな横断、即ち径方向の成分vを有する。位置Aでは、v=v(A)>0である。周囲6からのガスとの相互作用により、vは、位置Bでのこの速度成分が方向を変化するまで減少する。位置Cでは、v<0であり、蒸気粒子はz軸に近づく。その処理ビーム30の中間を通って移動した後、v>0が再び位置Dで成立する。周囲6との相互作用により、蒸気粒子は、このようにして処理ビーム30の境界表面30’内で波動を作る。このことは、全ての蒸気粒子について殆ど当てはまる。表面30’が障壁として現れることにより、気化した被覆材料は処理ビーム30中に残されて保持されたままになる。蒸気相は、処理ビームから出て行かないので、柱状層の組成に寄与することができる。
【0021】
同様に、柱状層3の形成は、その層がOで適切に飽和されるのを確実にするために、規定のO分圧を調整して行うのが有利である。なぜなら、これは、化学量論的組成に影響を与えるのみならず、柱状層3の成長及び構造にも影響を与えるからである。これに関連して、処理室6中の作動圧力は、0.01〜20ミリバール、好ましくは0.05〜5ミリバールの範囲にあり、O分圧は0.01〜2ミリバール、好ましくは0.05〜1ミリバールの範囲にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
典型的な態様を次に記載する。
【0023】
PtAl(EB−PVD法による)、又はMCrAlY(LPPS法による)の金属結合層を部品(基礎物体)に適用し、この場合、この被覆の粗さは、1〜2μmより小さい値を持つべきである。
【0024】
処理室6では、その部品を、LPPS法のプラズマビーム(H又はHeを添加した処理ガスAr)により、ほぼ100ミリバールの周囲雰囲気の圧力で出発温度(900℃〜1150℃の範囲)まで加熱する。
【0025】
約0.1〜0.5μm厚さのTGO層を、約10〜15分の間、0.05〜5ミルバールの範囲の分圧で、Oを環境ガスに添加して形成する。この構成では、部品を処理プラズマビームにより作動温度に維持する。温度及びO分圧を、この構成で制御された仕方で一定の値に維持する。
【0026】
約100〜200μmの厚さを有する柱状層(TBC、「熱障壁被覆」)、層3を、次に約0.5〜5バールで(EP−A−1034843に従って)LPPS−TF法により部品上に適用し、この場合、約0.05〜0.5ミリバールのO分圧を維持し、全被覆工程中監視する。
【0027】
被覆された部品を、最後に別のロック室で冷却し、Ar雰囲気で保護する。
【0028】
金属材料から製造された物体を本発明による方法を用いて被覆することができる。そのような物体の被覆1は、0.001〜2μmの間の厚さのセラミック中間層4を有する。この厚さは0.1〜0.6μmであるのが有利である。セラミック中間層4は、0.05mmより大きな高さにわたって均一に形成することができる。
【0029】
セラミック中間層4の上に適用したセラミック層3は、次の選択肢の一つに従って、形成される:
a)層3は、LPPS−TF法により上に溶射された被覆柱状構造体を有する。
b)薄い柱状部分層は、層3の中の非柱状部分層になる。
c)層3は、柱状部分層と非柱状部分層の組合せを含み、特に薄い柱状部分層と、非柱状部分層と、柱状構造を有する更に少なくとも一つの層とが交互に含まれた多層構造体からなる。
【0030】
更に別の態様として、セラミック層3は、二つの柱状部分層を形成する二つの金属酸化物の組合せを含む。第一の金属酸化物は、特に部分的に安定化された酸化ジルコニウムであり、第二の金属酸化物は、例えば、ジスプロシウムで完全に安定化された酸化ジルコニウムである。第二金属酸化物は、ジルコン酸ランタン又はAパイロクローリン(pyrochlorine)(式中、Aは、ランタン系の元素であるのが好ましく、特にガドリニウムであり、Eはジルコニウムである)にすることもできる。それら金属酸化物は、ペロブスカイト相又はスピネル相をもっていてもよい。セラミック層3は、二種類の金属酸化物の組合せを複数回適用することにより形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は本発明の方法を用いて製造した被覆の断面図である。
【図2】図2は、薄いセラミック中間層を製造することに関連して例示した模式的図である。
【図3】図3は、写真映像に従って描いた、個々の領域を点線で例示した処理ビームの側面図である。
【図4】図4は、図3の処理ビームの模式的斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 被覆
2 基体
3 柱状層(セラミック層)
4 セラミック中間層
5 噴霧銃
6 処理室
13 蒸気粒子
30 プラズマビーム
31、34、35 芯領域
32、32’、32’’ 遷移領域
51 ノズル
53 ノズル出口
64 酸素粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎物体の表面上に位置する基体(2)の上に被覆(1)を製造する方法であって、セラミック被覆材料を有する層(3)を、プラズマビーム(30)を用い、LPPS又はLPPS−TF法を用いて処理室(6)中で前記基体上に適用する前記製造方法において、
前記基体が、少なくとも一種類の金属Meを含み、前記基体の調節された反応温度で、反応性酸素を存在させて、表面上に拡散した金属Meと反応して得られる酸化物を、セラミック中間層(4)として生成させ、セラミック層(3)、即ち、セラミック被覆材料の層を前記中間層の上に堆積することを含んでなる、
上記製造方法。
【請求項2】
基体(2)が、基礎物体の表面であるか、又はその基礎物体に適用された結合層であり、前記基体の、その組成に依存する反応温度を、プラズマビーム又は付加的源によるエネルギー入力(60)により生じさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
付加的源が、処理室(6)の中、又はその外側の移動室中に構成され、前記源が、特に赤外線ヒーター、レーザー、又は電子ビーム発生機である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
基体(2)の反応温度が800℃〜1200℃、特に900℃〜1150℃の範囲の値を有し、金属Meが少なくとも部分的にアルミニウムAlであり、それにより前記基体がアルミニウム含有化合物を含み、90%超までα−Alを含むセラミック中間層(4)が、特に形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
基体(2)の上に複数の均一な薄い層を適用することによりLPPS−TF法を用いて噴霧されているセラミック層(3)が柱状部分層であるか又はそれを含み、特に、セラミック被覆材料の蒸気相及び凝縮相が適用される混成法を用いる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基体(2)が、金属合金、特にMCrAlY合金(式中、M=Ni、Co、CoNi、又はFeである)の群からの材料から作られるか、又は前記基体が、例えば、PtAl、又はPtNiAlのアルミ化物、又は例えば、NiAl化合物の金属間相を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
基体(2)の反応温度を、少なくとも一種類の、センサーを用いて測定及び調節し、前記センサーが赤外線高温計、熱カメラ、又は温度センサーである請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
基体(2)が結合層であり、基礎物体が、前記結合層を製造した後、処理室(6)中へ導入されるか、又はLPPS又はLPPS−TF法により、導入後の基礎物体上に結合層を単に堆積する、請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
開始時に基礎物体の表面をプラズマビーム(30)又は別のエネルギー入力手段によりクリーニングする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
セラミック中間層(4)を形成するために、処理室(6)の必要な酸素分圧について、0.01〜20ミリバールの範囲、好ましくは0.05〜5ミリバールの範囲の値を設定し、特に全工程中で点検されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
規定した層構造体を形成するため、0.01〜2ミリバールの範囲、好ましくは0.05〜1ミリバールの範囲の適当な酸素分圧を、柱状部分層を適用する間、処理室内に設定し、特に全工程中で点検されている、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
金属材料から製造された被覆物体であって、その被覆(1)が請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法を用いて適用された被覆物体において、セラミック中間層(4)の厚さが0.001〜2μmであり、その厚さが有利には0.1〜0.6μmであり且つ/又は前記セラミック中間層が0.05μmより大きな高さにわたって均一に形成されている、上記被覆物体。
【請求項13】
セラミック層(3)が、次の選択肢:
a)前記セラミック層が、LPPS−TF法により上に溶射された非柱状構造を有する;
b)薄い柱状部分層(3)が、セラミック層中の非柱状部分層中へ入っている;
c)前記セラミック層が、柱状部分層と非柱状部分層との組合せを含み、特に薄い柱状部分層と、非柱状部分層と、柱状構造を有する更に少なくとも一つの層とが交互に含まれた多層を含む;
の一つに従って形成されているセラミック中間層(4)の上に適用されている、請求項12に記載の被覆物体。
【請求項14】
セラミック層(3)が、二つの柱状部分層を形成する二種類の金属酸化物の組合せを含み、特に、第一の金属酸化物が、部分的に安定化された酸化ジルコニウムであり、第二の金属酸化物が、ジスプロシウムで完全に安定化された酸化ジルコニウムであるか、又はジルコン酸ランタン、又はAパイロクローリン(式中、Aはランタン系の元素であるのが好ましく、特にガドリニウムであり、Eはジルコニウムである)である、請求項12又は13に記載の被覆物体。
【請求項15】
金属酸化物が、ペロブスカイト相又はスピネル相を有する、請求項14に記載の被覆物体。
【請求項16】
セラミック層(3)が、二種類の金属酸化物の組合せを複数回適用することにより形成されている、請求項14又は15に記載の被覆物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−297711(P2007−297711A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117867(P2007−117867)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(500063790)ズルツァー・メットコ・アクチェンゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】Sulzer Metco AG
【Fターム(参考)】