説明

製函装置

【課題】凸曲面部を有するようなユニークな形状の箱であっても、ブランクシートを自動的に折り曲げることで角筒状体を成形することができるようにした製函装置を提供する。
【解決手段】平坦な平面状金型12と、凸曲面部を有する曲面状金型13と、曲面状金型13を前記平面状金型12に接離させる駆動機構14とを有する成形手段10を備えている。ブランクシート110の凸曲面部となる部位112が、平面状金型12から離間している曲面状金型13に宛がわれ、凸曲面部となる部位112の両側のブランクシート110が平面状金型12側に折り曲げられ、内フラップとなる部位を平面状金型12に重ね、平坦面部となる部位111を内フラップとなる部位上に重ね合わせ、内フラップとなる部位と平坦面部となる部位111とを仮接着することで角筒状体120を成形し、曲面状金型13が平面状金型12に近接することで、角筒状体120を成形手段10から脱抜可能している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱内に内容物を詰める前の角筒状体を成形するための製函装置に関し、詳しくは、台紙を所定の形状に切断したブランクシートを折り曲げることで角筒状体を成形するための製函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台紙を所定の形状に切断し、かつ、折線を入れたブランクシートから箱を成形するための製函装置が各種提供されている。例えば、特許文献1には、糊付けを自動で行い、折畳みと糊付けを手作業で行い、かつ、糊付け部分の圧着を自動で行う半自動製函装置に関する発明が記載されている。
【0003】
この半自動製函装置は、自動糊付け機、折畳み作業台、プレスコンベアを備えている。自動糊付け機は、ブランクシートを1枚ずつ繰り出す給紙部と、その繰り出されたブランクシートを糊付け位置を経て待機位置まで搬送する搬送部と、その搬送部により搬送されるブランクシートの所定位置に糊付けする糊付け部と、給紙部及び搬送部の駆動及び停止を制御する制御部とを有している。
【0004】
また、折畳み作業台は、ブランクシートの折畳み作業、貼付け作業を行うための作業面を有するとともに、この作業面においてブランクシートを折り畳み、糊付けされた部分を挿入して折り畳まれた状態を保持する押さえ部材を有している。また、プレスコンベアは、前記折畳み作業台において折り畳まれ、貼付されたブランクシートを挟持搬送し、搬送中に糊付け部分を圧着するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−34770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商品を差別化するため、例えば、図4に示すようなユニークな形状の箱100が提供されている。この箱100は、横臥して使用されタイプであり、下面となる長方形状の平坦面部101、この平坦面部101に対向して上面となる凸曲面部102、平坦面部101と凸曲面部102との外周縁間で対向するように設けられる一対の側面部103及び一対の蓋部104、前記平坦面部101の裏面に重なり合う内フラップ105によって六面体に形成されている。
【0007】
ただし、凸曲面部102は、図4(b)に示すように、長手方向の中間部102aの幅が両端部102bの幅よりも狭くなるように、一対の長辺側が括れるような円弧状に形成され、かつ、図4(c)に示すように、若干盛り上がるように膨らんだ凸曲面形状をしている。したがって、凸曲面部102と側面部103との折目は円弧状に形成され、一対の側面部103は若干内向きに凹んでいる。
【0008】
このような箱100は、図5に示すような平坦なブランクシート110から成形される。このブランクシート110は、台紙を所定の形状に切断したもので、平坦面部となる部位111と一方の側面部となる部位113との境界及び両蓋部となる部位114との境界や、内フラップとなる部位115と他方の側面部となる部位113との境界には、折線Lが入れられている。また、凸曲面部となる部位112と側面部となる部位113との境界には、円弧状の折線Lが入れられている。なお、側面部となる部位113及び両蓋部となる部位114の外側には、小フラップ116が設けられている。
【0009】
このようなブランクシート110から箱100を成形するには、ブランクシート110を折線Lで折り曲げることで角筒状体を一旦、成形する。しかし、箱100は、凸曲面部102が外向きに膨らみ、側面部103が内向きに凹んでいることから、折線Lが板状の金型の角部に当たるようにしてブランクシート110を自動的に折り曲げて、角筒状体を成形することはできない。
【0010】
また、特許文献1に記載された半自動製函装置では、作業者が正面側の2か所、背面側の2か所について順次、折り畳み、貼り付けをするなどを手作業で行うため、生産性が悪い、すなわち、大量生産できない。
【0011】
そこで、本発明は、凸曲面部を有するようなユニークな形状の箱であっても、ブランクシートを自動的に折り曲げることで角筒状体を成形することができるようにした製函装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る製函装置は、平坦面部、該平坦面部に対向する凸曲面部、平坦面部と凸曲面部との外周縁間で対向するように設けられる一対の側面部及び一対の蓋部、前記平坦面部の裏面に重なり合う内フラップを有する箱となる角筒状体を成形するため、平坦面部となる部位、凸曲面部となる部位、側面部となる部位、蓋部となる部位を有する平坦なブランクシートを折り曲げる製函装置であって、前記ブランクシートの平坦面部となる部位が宛がわれる平坦な平面状金型と、前記ブランクシートの凸曲面部となる部位が宛がわれる凸曲面部を有する曲面状金型と、該曲面状金型と前記平面状金型とを接離させる駆動機構とを有する成形手段が備えられ、所定位置に接着剤を塗布したブランクシートの凸曲面部となる部位を、前記平面状金型から離間している曲面状金型に宛がい、該凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に折り曲げ、折り曲げられたブランクシートの内フラップとなる部位を前記平面状金型に重ね、平坦面部となる部位を前記内フラップとなる部位上に重ね合わせ、内フラップとなる部位と平坦面部となる部位とを接着剤によって仮接着することで角筒状体を成形し、前記駆動機構によって曲面状金型と平面状金型とを近接させることで、角筒状体を成形手段から脱抜可能にされていることを特徴としている。
【0013】
この製函装置によれば、凸曲面部となる部位と側面部となる部位との境界などに入れられる折線に沿ってブランクシートを折り曲げる成形手段を備え、この成形手段が平面状金型と曲面状金型と駆動機構とを有し、駆動機構によって平面状金型から離間した状態で曲面状金型にブランクシートを宛がって角筒状体を成形した後、駆動機構によって曲面状金型と平面状金型とを近接させることで、曲面状金型と平面状金型とを合わせた厚さを角筒状体の凸曲面部と平坦面部との内寸よりも小さくし、角筒状体を成形手段から脱抜することができる。
【0014】
また、前記本発明に係る製函装置において、前記成形手段の曲面状金型にブランクシートの凸曲面部となる部位を宛がうロードポジションと、凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に折り曲げ、該折り曲げられたブランクシートの内フラップとなる部位を前記平面状金型に重ね、該内フラップとなる部位上に平坦面部となる部位を重ね合わせ、内フラップとなる部位と平坦面部となる部位とを仮接着することで角筒状体を成形するフォーミングポジションと、前記駆動機構によって曲面状金型と平面状金型とが近接することで、角筒状体を成形手段から脱抜させるアンロードポジションとが設けられていることが好ましい。
【0015】
この製函装置によれば、ロードポジション、フォーミングポジション、アンロードポジションが設けられることにより、一つのポジションでの処理が終了した後に次ぎのポジションへ移行することで、流れ作業のようにして角筒状体を成形することができる。
【0016】
また、前記本発明に係る製函装置において、前記成形手段は、間歇的に回転する回転軸に放射状に複数取り付けられ、周方向にロードポジション、フォーミングポジション、アンロードポジションが設けられていることが好ましい。
【0017】
この製函装置によれば、回転軸に放射状に取り付けられた成形手段がロードポジション、フォーミングポジション、アンロードポジションへと一定角度回転しては停止しながら進行することで、生産性を向上させることができる。
【0018】
また、前記本発明に係る製函装置において、前記フォーミングポジションとアンロードポジションとの間に固着ポジションが設けられ、該固着ポジションには、重なり合っている平坦面部と内フラップとを確実に接着するため、平坦面部を内フラップに押し付ける押さえ手段が備えられていることが好ましい。
【0019】
この製函装置によれば、押さえ手段が備えられていることにより、平坦面部と内フラップとを確実に接着した角筒状体を成形することができる。すなわち、押さえ手段が備えられていないと、内フラップと平坦面部とが仮接着されているだけであるため、平坦面部が内フラップから浮き上がる虞があるものの、押さえ手段が平坦面部を内フラップに押さえ付けることで、平坦面部が内フラップから浮き上がらないように確実に接着することができる。なお、内フラップとなる部位や平坦面部となる部位は、ブランクシートが折り曲げられて、角筒状体が成形された状態から、内フラップや平坦面部となる。
【0020】
また、前記本発明に係る製函装置において、押さえ手段は、シリンダから突出退入するピストンロッドと、該ピストンロッドの先端部に取り付けられ、重ね合わされている平坦面部上を往復動するローラとを備えていることが好ましい。
【0021】
この製函装置によれば、ローラが平坦面部上を往復動することにより、平坦面部と内フラップとを確実に接着することができる。ローラは、ピストンロッドがシリンダから突出退入することで平坦面部上を往復動する。
【0022】
また、前記本発明に係る製函装置において、前記フォーミングポジションは、ブランクシートの凸曲面となる部位の両側に当たりながら凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に徐々に折り曲げるように、間隔が徐々に狭くされた一対のガイド板を備えていることが好ましい。
【0023】
この製函装置によれば、成形手段が一対のガイド板の間を進行することで、成形手段に押されるブランクシートの両側が一対のガイド板に当たり、一対のガイド板の間隔が徐々に狭くされていることにより、凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に徐々に折り曲げることができる。
【0024】
また、前記本発明に係る製函装置において、平面状金型と曲面状金型とが近接している成形手段から前記成形された角筒状体を1個ずつ受け取って、複数の角筒状体をストックし、連続して角筒状体を受け取らなくても、角筒状体を常に1個ずつ排出するバッファ機構が備えられていることが好ましい。
【0025】
この製函装置によれば、バッファ機構が備えられていることにより、角筒状体が成形手段から連続して成形されない場合があっても、バッファ機構によって、角筒状体を連続して後工程へ排出することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、接離する平面状金型と曲面状金型とを有する成形手段によって角筒状体を成形する製函装置が提供されることにより、例えば凸曲面部を有するような特殊な形状の角筒状体を連続して多数成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る製函装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】本発明に係る製函装置の一実施形態の要部を示す概略正面図である。
【図3】本発明に係る製函装置の一実施形態において使用される成形手段を示し、(a)はアンロードポジション以外での状態を示す概略正面図、(b)はアンロードポジションでの状態を示す概略正面図である。
【図4】本発明に係る製函装置によって成形する箱の一例を示し、(a)は概略斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【図5】箱を成形するためのブランクシートの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る製函装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における左や右の方向は、この図面での方向であり、実際に使用される場合は、異なる方向となる場合があることは、いうまでもない。
【0029】
この製函装置は、例えば図4に示すようなユニークな形状の箱100を成形するため、図5に示すようなブランクシート110を折り曲げて角筒状体120を成形するための装置であり、間歇的に60°ごと回転する回転軸1に複数の成形手段10,10,…を放射状に取り付けてたことを特徴としている。
【0030】
具体的には、例えば、図1,2に示すように、6基の成形手段10が60°の間隔を空けて回転軸1に放射状に取り付けられ、回転軸1が周方向に60°ごとに回転し、ロードポジションA、フォーミングポジションB、固着ポジションC、アンロードポジションDが設けられている。
【0031】
ロードポジションAは、成形手段10が、図面において左向きの水平姿勢(時計の文字盤で9時)となる方向に設けられている。また、フォーミングポジションBは、成形手段10が左向きの水平姿勢から左斜め下向き(時計の文字盤で7時)となるまでの間に設けられている。また、固着ポジションCは、成形手段10が右斜め下向き(時計の文字盤で5時)となる方向に設けられている。また、アンロードポジションDは、成形手段10が右向きの水平姿勢(時計の文字盤で3時)となる方向に設けられている。なお、成形手段10は、右斜め上向きの姿勢及び左斜め上向きの姿勢において何ら作用しない。
【0032】
そして、成形手段10は、図3に示すように、前記回転軸1に取付けられる基部11と、平坦な平面状金型12と凸曲面部を有する曲面状金型13と、曲面状金型13を平面状金型12に接離させる駆動機構14とを備えている。曲面状金型13は、凸曲面部が平面状金型12と反対側に膨らむように平面状金型12と平行に対峙し、また、ブランクシート110の端縁を当てて位置決めするためのストッパ15が基部11側に突設されている。
【0033】
そして、駆動機構14は、リンクによって構成され、アンロードポジションD以外において、図3(a)に示すように、曲面状金型13を平面状金型12から離間させ、アンロードポジションDにおいて、図3(b)に示すように、曲面状金型13を平面状金型12に近接させる。
【0034】
そして、ロードポジションAでは、時計の文字盤で9時の方向を向いている曲面状金型13にブランクシート110の凸曲面部となる部位112の裏面を宛がうため、ブランクシート110の両端部を支承するガイド(図示せず)が成形手段10と干渉ないように配備されている。
【0035】
また、このロードポジションAに位置している成形手段10には、図1に示すように、ブランクシート供給手段20によってブランクシート110が1枚ずつ供給される。
【0036】
ブランクシート供給手段20は、多数枚のブランクシート110を裏面を上側にして積み重ねてストックしておくホッパー21と、このホッパー21内のブランクシート110を1枚ずつ取り出すサクションカップ22と、ホッパー21とロードポジションAとの間に架け渡されてブランクシート110を載せた状態で移動させるテーブル23と、ホッパー21内から取り出されてテーブル23上に載せられたブランクシート110をロードポジションAまで移動させるプッシャ24とを備えている。
【0037】
そして、テーブル23の上方には、ホットメルトのような接着剤を、ブランクシート110の平坦面部となる部位111の裏面に、例えば二条に接着剤を塗布するための接着剤供給手段30が配備されている。この接着剤供給手段30は、接着剤を排出するノズルを備え、このノズルによって接着剤がブランクシート110の平坦面部となる部位111の裏面の所定箇所に線状に塗布される。
【0038】
そして、フォーミングポジションBには、凸曲面部となる部位112の両側のブランクシート110を平面状金型12の方へ折り曲げる一対のガイド板41が図面において表面側と裏面側に配備されている。一対のガイド板41の間隔は、ロードポジションA側の初期位置(時計の文字盤で9時の位置)から最終位置(時計の文字盤で7時の位置)にかけて次第に狭くなり、最終位置において、平面状金型12及び曲面状金型13の幅よりも若干広いだけとされる。
【0039】
そして、フォーミングポジションBの最終位置には、ブランクシート110の内フラップとなる部位を平面状金型12に重ね、この内フラップとなる部位115上に平坦面部となる部位111を重ね合わせるようにブランクシート110を折り曲げる折曲手段42が配備されている。
【0040】
なお、内フラップとなる部位115の表面に、接着剤が塗布された平坦面部となる部位111が重ね合わされ、接着剤によって両者115,111が仮接着されることで、角筒状体120が成形される。平坦面部となる部位111や凸曲面部となる部位112、内フラップとなる部位115は、角筒状体120が成形されることによって、平坦面部101や凸曲面部102、内フラップ105となる。
【0041】
そして、固着ポジションCには、押さえ手段50が配備されている。押さえ手段50は、シリンダ51から突出退入するピストンロッド52と、このピストンロッド52の先端に取付けられるローラ53とを備え、ローラ53が内フラップ105に重ね合わされた平坦面部101の表面上を往復動することにより、平坦面部101を内フラップ105に強固に接着した角筒状体120を成形する。
【0042】
そして、アンロードポジションDには、曲面状金型13が平面状金型12に近接した状態となった後、凸曲面部102が上側にある角筒状体120を成形手段10から引き出すチャック機構60が配備されている。チャック機構60は、水平姿勢とされたピストン61のシリンダから伸長退入するロッド62の先端に角筒状体120の端部を掴むクリップ(図示せず)を備えたものとされている。
【0043】
そして、チャック機構60のロッド62は、バッファ機構70を突き抜けるように伸長する。すなわち、アンロードポジションDの成形手段10に隣接して、バッファ機構70が配備されている。
【0044】
このバッファ機構70は、多段調整手段であり、角筒状体120の平坦面部となる部位111を支承する開閉部71を鉛直方向に間隔を空けて多段重ねたもので、上側の開閉部71が開き、下側の開閉部71が閉じた状態とすることにより、角筒状体120を1段ずつ落下させる。
【0045】
開閉部71は、例えば水平方向に往復動する一対のシャッタ、水平方向と下向き鉛直方向とに揺動する一対の羽根板、あるいは、一対の反対方向に回転する十字羽根車によって構成される。このような開閉部71にあっては、シャッタが閉じ、あるいは、羽根板、羽根車が水平姿勢となって角筒状体120の平坦面部となる部位111を支承する。そして、シャッタが開き、あるいは、羽根板、羽根車が90°回転し、下向きとなることで、角筒状体120を落下させる。
【0046】
そして、バッファ機構70の下部には、一般的なカートナ(図示せず)に角筒状体120を送るための移送手段80が配備されている。移送手段80は、角筒状体120を載せるテーブル81と、このテーブル81の角筒状体120を押して進行させるプッシャ82とを備えている。なお、カートナは、角筒状体120の一方の蓋部104を閉じ、角筒状体120内に内容物を収納し、他方の蓋部104を閉じるといった一連の処理をする。
【0047】
この製函装置は、以上のように構成され、次に、動作について説明する。
【0048】
ホッパー21内のブランクシート110が1枚ずつサクションカップ22によって取り出され、プッシャ24によってテーブル23上を移動し、接着剤供給手段30の下方で一旦停止する。このブランクシート110の平坦面部となる部位111の裏面が上向きとされ、この裏面には、接着剤供給手段30によって接着剤が例えば二条に塗布される。
【0049】
そして、このブランクシート110は、プッシャ24によって再度、押され、ロードポジションAにおいて時計の文字盤で9時の方を向いている成形手段10まで移動する。すると、図3(a)に示すように、ブランクシート110の先端側の端縁が成形手段10のストッパ15に当たることで位置決めされ、ブランクシート110の凸曲面部となる部位112が、成形手段10の曲面状金型13に宛がわれる。
【0050】
なお、ブランクシート110の凸曲面部となる部位112の両側は、ガイドによって支承され、接着剤が塗布された平坦面部となる部位111は、成形手段10の曲面状金型13に接触しない。
【0051】
そして、回転軸1が反時計方向に回転することで、凸曲面部となる部位112の両側のブランクシート110が一対のガイド板41に沿って徐々に折り曲げられ、成形手段10の側面を挟む状態とされる。そして、成形手段10がフォーミングポジションBの最終位置まで来ると、回転軸1が一旦停止する。
【0052】
そして、折曲手段42が作動することによって、ブランクシート110の内フラップとなる部位115が成形手段10の平面状金型12に重ねられ、続いて、平坦面部となる部位111が内フラップとなる部位115上に重ね合わされると、接着剤によって仮接着された角筒状体120が成形される。
【0053】
このとき、一対の側面部となる部位113が曲面状金型13の各側面と平面状金型12の各側面に重なるため、ブランクシート110は折線Lで折り曲げられ、凸曲面部102が前方(図面において右下向き)に膨らんだ角筒状体120に成形される。この角筒状体120は、内フラップ105の裏面が平面状金型12と重なり、凸曲面部102の裏面が曲面状金型13と重なり、さらに、凸曲面部102の裏面が曲面状金型13の基部11側(図面では上側)の凸曲面部に支承される状態となるため、成形手段10から脱落しない。
【0054】
その後、回転軸1が60°反時計方向に回転することで、角筒状体120が固着ポジションCまで移動し、一旦停止する。固着ポジションCでは、角筒状体120の仮接着された状態の内フラップ105と平坦面部101とが押さえ手段50によって確実に接着される。すなわち、押さえ手段50のピストンロッド52がシリンダ51から突出退入することで、ローラ53が平坦面部011の表面を往復動し、内フラップ105と平坦面部101とが確実に接着される。
【0055】
その後、回転軸1が60°反時計方向に回転することで、角筒状体120がアンロードポジションDまで移動し、一旦停止する。アンロードポジションDでは、角筒状体120の凸曲面部102が上向きとなる。そして、曲面状金型13は、図3(b)に示すように、駆動機構14によって平面状金型12に近接する。
【0056】
その後、チャック機構60のロッド62が伸長し、クリップが角筒状体120の端部を掴む。そして、ロッド62が退入することで、クリップに掴まれた角筒状体120を成形手段10から脱抜し、バッファ機構70の最上段の開閉部71に移載する。角筒状体120は、開閉部71が開くことで、下側に落下する。そして、最下段まで落下した角筒状体120は、移送手段80によってカートナの方へ移送される。
【0057】
角筒状体120は、バッファ機構70から移送手段80の方に次々と供給される。仮に、角筒状体120が連続して成形されず、連続して開閉部71上に移載されない場合があっても、バッファ機構70によって角筒状体120は連続して移送手段80の方に供給される。そして、角筒状体120は、移送手段80によってカートナまで送られ、カートナによって、角筒状体120の一方の蓋部104が閉じられ、内容物が内部に収納された後、他方の蓋部104が閉じられることで、商品の製造が終了する。
【0058】
また、アンロードポジションDにおいて角筒状体120が脱抜された成形手段10は、60°ずつ回転することで、ロードポジションAに戻る。いうまでもなく、6個の成形手段10も前記のように同時に作動することで、角筒状体120は連続して流れ作業のように成形される。
【0059】
なお、本発明は、前記の実施形態に限定することなく種々変更することができる。例えば、フォーミングポジションBにおいて内フラップとなる部位と平坦面となる部位とを確実に接着することができる場合は、固着ポジションCを省略してもよい。この場合は、成形手段10を90°ずつ回転し、回転軸1に4基の成形手段10を取り付けてもよい。
【0060】
また、固着ポジションCを備える場合にあっては、押さえ手段50は、ピストンロッド52とローラ53との組合わせでなく、一瞬にして加圧するプレスによって構成してもよい。また、成形手段10は、曲面状金型13が平面状金型12に対して接離するのではなく、平面状金型12が曲面状金型13に接離するようにしてもよい。
【0061】
さらに、製函装置は、ロードポジションA、フォーミングポジションB、固着ポジションC、アンロードポジションDを設けることなく、一箇所において角筒状体120を成形してもよい。また、ブランクシート供給手段20やバッファ機構70は、オプションであって、本願発明の製函装置に必須ではない。
【符号の説明】
【0062】
1………回転軸
10……成形手段
12……平面状金型
13……曲面状金型
14……駆動機構
41……ガイド板
42……折曲手段
50……押さえ手段
51……シリンダ
52……ピストンロッド
53……ローラ
100…箱
101…平坦面部
102…凸曲面部
104…蓋部
110…ブランクシート
120…角筒状体
A………ロードポジション
B………フォーミングポジション
C………固着ポジション
D………アンロードポジション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦面部、該平坦面部に対向する凸曲面部、平坦面部と凸曲面部との外周縁間で対向するように設けられる一対の側面部及び一対の蓋部、前記平坦面部の裏面に重なり合う内フラップを有する箱となる角筒状体を成形するため、平坦面部となる部位、凸曲面部となる部位、側面部となる部位、蓋部となる部位を有する平坦なブランクシートを折り曲げる製函装置であって、
前記ブランクシートの平坦面部となる部位が宛がわれる平坦な平面状金型と、前記ブランクシートの凸曲面部となる部位が宛がわれる凸曲面部を有する曲面状金型と、該曲面状金型と前記平面状金型とを接離させる駆動機構とを有する成形手段が備えられ、所定位置に接着剤を塗布したブランクシートの凸曲面部となる部位を、前記平面状金型から離間している曲面状金型に宛がい、該凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に折り曲げ、折り曲げられたブランクシートの内フラップとなる部位を前記平面状金型に重ね、平坦面部となる部位を前記内フラップとなる部位上に重ね合わせ、内フラップとなる部位と平坦面部となる部位とを接着剤によって仮接着することで角筒状体を成形し、前記駆動機構によって曲面状金型と平面状金型とを近接させることで、角筒状体を成形手段から脱抜可能にされていることを特徴とする製函装置。
【請求項2】
前記成形手段の曲面状金型にブランクシートの凸曲面部となる部位を宛がうロードポジションと、凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に折り曲げ、該折り曲げられたブランクシートの内フラップとなる部位を前記平面状金型に重ね、該内フラップとなる部位上に平坦面部となる部位を重ね合わせ、内フラップとなる部位と平坦面部となる部位とを仮接着することで角筒状体を成形するフォーミングポジションと、前記駆動機構によって曲面状金型と平面状金型とが近接することで、角筒状体を成形手段から脱抜させるアンロードポジションとが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の製函装置。
【請求項3】
前記成形手段は、間歇的に回転する回転軸に放射状に複数取り付けられ、周方向にロードポジション、フォーミングポジション、アンロードポジションが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記フォーミングポジションとアンロードポジションとの間に固着ポジションが設けられ、該固着ポジションには、重なり合っている平坦面部と内フラップとを確実に接着するため、平坦面部を内フラップに押し付ける押さえ手段が備えられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の製函装置。
【請求項5】
押さえ手段は、シリンダから突出退入するピストンロッドと、該ピストンロッドの先端部に取り付けられ、重ね合わされている平坦面部上を往復動するローラとを備えていることを特徴とする請求項4に記載の製函装置。
【請求項6】
前記フォーミングポジションは、ブランクシートの凸曲面となる部位の両側に当たりながら凸曲面部となる部位の両側のブランクシートを平面状金型側に徐々に折り曲げるように、間隔が徐々に狭くされた一対のガイド板を備えていることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載の製函装置。
【請求項7】
平面状金型と曲面状金型とが近接している成形手段から前記成形された角筒状体を1個ずつ受け取って、複数の角筒状体をストックし、連続して角筒状体を受け取らなくても、角筒状体を常に1個ずつ排出するバッファ機構が備えられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の製函装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−10208(P2013−10208A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143175(P2011−143175)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(593089666)池田機械産業株式会社 (21)
【Fターム(参考)】