説明

製薬、パーソナルケアおよび家庭用ケア用途における凝集したヒドロキシエチルセルロースの使用

本発明は、グリオキサールを含まない組成物の使用に関し、より具体的には、消費者製品における、具体的には製薬、パーソナルケア(ただし口腔ケア組成物を除く)、加えて家庭用ケア用途における、低分子量のヒドロキシエチルセルロースと共に凝集させたヒドロキシエチルセルロースの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2007年1月10日付けで出願された米国仮出願第60/879855号の利益を主張する(この参照によりその全体が開示に含まれる)。
【0002】
発明の分野
本発明は、多糖類組成物に関し、より具体的には、水中で使用した場合、非常によく分散し、塊の形成が最小であり、さらに極めて迅速に水和して最大限の望ましい粘度に到達することができるヒドロキシエチルセルロース組成物に関する。本発明は、消費者製品における、具体的には製薬、パーソナルケア(ただし口腔ケア組成物を除く)、加えて家庭用ケア用途におけるヒドロキシエチルセルロース組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
製薬、パーソナルケア(ただし口腔ケア組成物を除く)、加えて家庭用ケア用途のような消費者製品において、洗浄、クリーニング、保護して利益を与えること、堆積および保湿および引き締め、コンディショニング、密封性のバリアを提供すること、色付け、ならびに、皮膚軟化効果の提供といった有用な特徴を提供する製品を配合することが周知である。これらの消費者製品において、水溶性ポリマーは、最終的な組成物のためのレオロジー改質剤として用いられる。これらの用途においてレオロジー改質剤として使用するのに最良の既知の多糖類のなかでも、セルロースエーテルおよびポリガラクトマンナンのような多糖類誘導体、ならびにポリガラクトマンナン誘導体生成物が挙げられる。
【0004】
様々な消費者製品において、水溶性ポリマーが頻繁に用いられている。それらは環境に優しい生分解性の利点を有するが、それらが水と接触すると塊を形成して溶解にはより長い時間がかかる傾向があるという難点がある。定義によれば、溶解はあいまいに用いられている用語であり、この場合の溶解は、ポリマーが水溶液になる二つの段階を示すのに用いられる。第一工程において、ポリマーは水溶液に分散される。ポリマーが分散するのに要する時間は、かなりの変化しやすい要因の影響を受ける。分散は、技術、機器、ポリマーの構造および界面化学に応じて、数秒もの短時間しか続かない場合もあるし、または、数時間もの長時間続く場合もある。ポリマーが分散された後、ポリマーは水和工程を経る。この工程において、ポリマー鎖がほぐれて、その流体力学上の体積に膨張して溶液全体を占めるようになるが、その過程において粘性が生じる。ポリマー分子が水と接触するとすぐに、それらは極めて迅速に膨潤して、隣接する粒子と接触しやすくなる。それらが一緒にくっつきあって様々な大きさの塊を形成するが、この塊がそれらの水和時間を有意に遅延させる原因となる。優れた分散は、塊の形成を最小化し、結果的に最終用途において迅速な水和をもたらすための必要条件である。あらゆる水溶性ポリマー系において、塊の形成は、全体の溶解時間の律速工程とみなされる。
【0005】
米国特許第5,869,029号は、ポリオールでの処理によって凝集した水溶性または水膨潤性ポリマーを含む組成物、および、練り歯磨きの製造におけるこれらの組成物の使用を開示している。この組成物で用いられているポリオールは、糖アルコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、および、それらの混合物からなる群より選択される。この組成物は、練り歯磨き調合物の製造に有用である。
【0006】
米国特許第6,258,342号は、口腔ケア組成物における、水または水性ポリマーによって凝集させた水溶性または水膨潤性ポリマーの使用を開示している。この特許で説明されている口腔ケア組成物または歯みがき剤は、剥離剤、湿潤剤、および、水溶性ポリマーを含む。
【0007】
消費者製品において、特にパーソナルケア産業において、調合物の成分にグリオキサールが存在することに関する安全性の問題がある。現在のところ、多くのヒドロキシエチルセルロース製品(HEC)、例えばナトロソル(Natrosol)HEC(ハーキュリーズ社(Hercules Incorporated)より入手可能)、および、疎水性修飾したヒドロキシエチルセルロース製品(HMHEC)ポリサーフ(Polysurf(R))67HMHEC(ハーキュリーズ社より入手可能)は、配合者による分散が容易になるようにグリオキサールで表面処理したものである。グリオキサールを含まない容易に分散させることができるポリマーによって、調合物中にグリオキサールが存在すると問題があるようなパーソナルケアおよび家庭用ケア用途で使用するための消費者製品調合物に、これらの材料を容易に取り込ませる状況が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,869,029号
【特許文献2】米国特許第6,258,342号
【発明の概要】
【0009】
本発明は、凝集したヒドロキシエチルセルロースの組成物に関し、ここでセルロースエーテル、より具体的にはヒドロキシエチルセルロースは、凝集剤として用いられる。
本発明はさらに、上述の凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物の製造方法を対象とする。
【0010】
本発明はさらに、製薬、家庭用ケアおよびパーソナルケア(ただし口腔ケアを除く)組成物のような消費者製品における機能的な凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物の使用を対象とする。本消費者製品は、a)凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物、b)消費者製品の活性成分の原料、および、c)水を含み、ここで凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物は、微粒子状のヒドロキシエチルセルロース、および、低分子量のヒドロキシエチルセルロース組成物を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1および2はそれぞれ、ハーケ(Haake)のモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度(センチポイズ(cps)で示す)のプロット、加えて、比較例1の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。
【図2】図1および2はそれぞれ、ハーケ(Haake)のモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度(センチポイズ(cps)で示す)のプロット、加えて、比較例1の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。
【図3】図3および4はそれぞれ、ハーケのモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度のプロット(センチポイズ(cps)で示す)、加えて、比較例2の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。図4は、二重反復試験を含む。
【図4】図3および4はそれぞれ、ハーケのモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度のプロット(センチポイズ(cps)で示す)、加えて、比較例2の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。図4は、二重反復試験を含む。
【図5】図5および6はそれぞれ、ハーケのモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度のプロット(センチポイズ(cps)で示す)、加えて、実施例1の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。図5および6はいずれも、二重反復試験を含む。図5および6は、二重反復試験を含む。
【図6】図5および6はそれぞれ、ハーケのモデルVT501粘度計を用いて測定した長期にわたる粘度のプロット(センチポイズ(cps)で示す)、加えて、実施例1の最終粘度に基づいた所定時間での粘度(パーセンテージ)のプロットを含む。図5および6はいずれも、二重反復試験を含む。図5および6は、二重反復試験を含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本消費者製品産業において、特にパーソナルケア産業において、調合物の成分にグリオキサールが存在することに関する安全性の問題がある。現在のところ、多くのヒドロキシエチルセルロース製品(HEC)(ナトロソル(R)HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、および、疎水性修飾したヒドロキシエチルセルロース製品(HMHEC)(ポリサーフ(R)67HMHEC、ハーキュリーズ社より入手可能)は、配合者による水溶液中への分散が容易になるようにグリオキサールで表面処理したものである。グリオキサールを含まない容易に分散させることができるポリマーによって、パーソナルケア(ただし口腔ケア組成物を除く)、製薬または家庭用ケア用途のような消費者製品に、これらの材料を容易に取り込ませる状況が生じる。
【0013】
本明細書において、凝集は、個々の粒子の凝集と定義され、それにより参加する材料の粒度の増加が起こる。
本発明において有用な凝集したHEC材料は、米国特許第6,258,342号(参照によりその全体を本発明に包含させる)で説明されているような凝集プロセスによって製造してもよい。本発明において有用な凝集したHEC材料は、HEC、好ましくは低分子量HECの水溶液を用いて微粒子状のHECを噴霧させることによって製造してもよい。低分子量とは、微粒子状のHECよりも低い分子量を有するHECと定義される。好ましい低分子量HECは、2%水溶液中で、約350cps未満の粘度、好ましくは約15cpsの粘度を示す。この凝集操作に市販の流動層噴霧ユニットを用いてもよい。
【0014】
本発明において有用な凝集したHEC材料(ナトロソル(R)250HHX−GF HEC)のサンプルを評価して、それらの分散、水和および溶解特性を決定した。
流動層乾燥機中で、上記HECを5%の低分子量HEC(低粘度HEC水溶液(ナトロソル(R)L HEC、ハーキュリーズ社より入手可能))と共に凝集させた。この凝集したHEC組成物の粒度範囲400〜800ミクロンの篩にかけたサンプルを試験した。
【0015】
本発明の消費者製品は、凝集したHEC組成物、消費者製品の活性成分の原料、および、所定量の水を含む。
本消費者製品の活性成分の原料の例としては、太陽光線(紫外線)の吸収体、日焼け止め剤、モイスチャライザー、湿潤剤、毛髪、皮膚、爪に有益な物質、沈着剤、例えば界面活性剤および多糖ポリマー、吸蔵剤、防湿バリア、潤滑剤、皮膚軟化剤、老化防止剤、静電防止剤、剥離剤、抗菌剤、昆虫忌避剤、薬物送達物質、二次的なコンディショナー、剥離剤、つや出し剤、日焼け用物質、発光物質、顔料、脱臭剤、芳香剤、増粘剤、塩、脂質、リン脂質、疎水性の植物抽出物、ビタミン、泡安定剤、pH調節剤、保存剤、懸濁化剤、シリコーンオイル、シリコーン誘導体、エッセンシャルオイル、油、脂肪、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、ワックス、ポリオール、炭化水素、集塵物質、研磨材、染み抜き剤、再汚染防止剤、着色剤、色味を調節する物質、スクラブ剤、木材、タイルおよびその他の硬質の表面に有益な物質、自動車用トリートメント剤が挙げられる。
【0016】
以下の実施例は本発明を説明するのに役立つと予想され、ここで部およびパーセンテージは特に他の指定がない限り重量に基づく。
【実施例】
【0017】
ハーケ粘度計による試験を用いた分散特性
ハーケのモデルVT501粘度計を用いて、サンプルをそれらの分散(塊の形成あり/塊の形成なし)、水和および溶解特性に関して研究した。全ての試験を脱イオン水中で、FL10センサーを用いて、25℃、300rpmで行った。
【0018】
比較例として、他のHECサンプル(ナトロソル(R)250HHR CS HEC、ナトロソル(R)250HXファーム(Pharm)HEC、および、ナトロソル(R)250HHXファームHEC、いずれもハーキュリーズ社より入手可能)を用いた。本発明において有用な凝集したHECの実施例、加えて比較例を0.5%および1.0%で用いて分散液を作製した(表1を参照)。これらの分散液を1時間または2時間のいずれかで混合し、粘度を時間の関数として測定した(図1〜6)。プロットから、ハーケ粘度計によって測定された時間経過に伴う粘度が示され、さらに最終粘度に基づく所定時間での粘度(%)も示される。
【0019】
比較例1
ナトロソル(R)250HHR CS HEC(グリオキサールで処理した)
比較例1は、0.5%および1.0%のいずれの場合でも、その100%の最終粘度に達するのにほぼ80分かかった(図1および2を参照)。水和試験中にpH調節は行わなかった。
【0020】
比較例2
ナトロソル(R)250HXファームHEC(グリオキサールを含まない)
0.5%濃度において、比較例2は、その100%の最終粘度に達するのに約12分かかった(図3)。0.5%濃度では塊の形は観察されなかった。1.0%濃度では、その100%の最終粘度に達するのに約30分かかった(図4を参照)。しかしながら、粘度増加のほとんどは最初の5分間で起こった。1.0%溶液の実験を二連で行った。第一の実験において、ポリマーを最初に水に添加した際に瞬間的な塊の形成が観察された。
【0021】
比較例3
ナトロソル(R)250HHXファームHEC(グリオキサールを含まない)
このサンプルは、0.5%レベルで試験されなかった。1.0%でこのサンプルは基準を外れて、試験は失敗に終わった。
【0022】
実施例1
ナトロソル(R)250HHX−GF HEC(グリオキサールを含まない)、HECを、流動層乾燥機中で5%の低粘度HEC水溶液(ナトロソル(R)L HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)と共に凝集させた。
0.5%および1.0%溶液両方での試験を二連で行った。0.5%ではその100%の最終粘度に達するのに約10分かり、1.0%では30分間未満であった。塊の形は観察されなかった(図5および6を参照)。
【0023】
【表1】

【0024】
プロペラ型ブレードミキサーによる分散特性
以下のポリマーの溶液を1.0%濃度で製造した:
比較例4(ナトロソル(R)250HXファームHEC);
比較例5(ナトロソル(R)250HHXファームHEC);および、
実施例2(ナトロソル(R)HHX−GF HEC)。
【0025】
これらの溶液を、237ml(8オンス)のジャー、2つのプロペラ型ブレード(450rpm)で、脱イオン水を用いて、周囲温度条件で製造した。
実施例2(ナトロソル(R)HHX−GF HECを、流動層乾燥機中で5%の低粘度HEC水溶液(ナトロソル(R)Lヒドロキシエチルセルロース、ハーキュリーズ社より入手可能)と共に凝集させた)を脱イオン水に最初に添加した場合、塊の形は観察されなかった。
【0026】
比較例4(ナトロソル(R)250HXファームHEC、ハーキュリーズ社より入手可能)を用いたところ、かなり大きい塊の形成が起こった。この塊は、2時間混合した後でも溶解しなかった。
【0027】
比較例5(ナトロソル(R)250HHXファームHEC、ハーキュリーズ社より入手可能)を脱イオン水に添加したところ、最初のうちは重度の小さい塊の形成が起こったが、この物質は1分未満で溶解した。
【0028】
その他の物理的な観察
比較例4(ナトロソル(R)250HXファームHEC);−微粉末であり、その容器中で塊を形成しやすかった(流動しにくい);
比較例5(ナトロソル(R)250HHXファームHEC)−微細な顆粒状の材料であり、固化せず、乾燥状で流動しやすかった;および、
実施例2(ナトロソル(R)HHX−GF HEC)−目の粗い顆粒状であり、乾燥状で流動しやすかった。
【0029】
本発明において有用な凝集したヒドロキシエチルセルロースの組成物(凝集したHEC、ナトロソル(R)250HHX−GF)は、比較例4および5のファームグレードの製品で発生した塊形成の問題を起こすことなく、優れた分散性および溶解性を示した。
【0030】
実験手順
試験した材料は以下の通りである:
(実施例3)、流動層乾燥機中で5%の低粘度HEC水溶液(ナトロソル(R)Lヒドロキシエチルセルロース、ハーキュリーズ社より入手可能)と共に凝集させた分散性ナトロソル(R)250HHX−GF HEC;
(比較例4)ナトロソル(R)250HX−ファームHEC;
(比較例5)ナトロソル(R)250HHX−ファームHEC;および、
(比較例1)ナトロソル(R)250HHR−CS HEC。
【0031】
各ポリマーの含水量は、105℃でザルトリウス(Sartorius)のモデルMA−30水分計を用いて決定した:
(実施例3)分散性ナトロソル250HHX−GF、1.68%の水分;
(比較例4)ナトロソル(R)250HX−ファームHEC、3.43%の水分;
(比較例4)ナトロソル(R)250HX−ファームHEC、3.88%の水分;
(比較例5)ナトロソル(R)250HHX−ファームHEC、3.26%の水分;および、
(比較例1)ナトロソル(R)250HHR−CS HEC、4.61%の水分。
【0032】
各調合物中のポリマーの重量をその含水量に応じて調節した。
FL10センサーを備えたハーケのモデルVT−501粘度計で水和試験を行った。回転速度は、300rpmであった。溶液のバッチサイズは、400gであった。測定プログラムを様々な長さの8つの時間区分に分けた;各区分の期間中に、50の測定値を得た。これらの試験において、以下のプログラムを用いた:
1時間の試験の場合:−5分間/5分間/5分間/5分間/10分間/10分間/10分間/10分間;合計で1時間。
2時間の試験の場合:−5分間/5分間/10分間/20分間/20分間/20分間/20分間/20分間;合計で2時間。
(第一の区分において、−5分間は、センサーが時間区分中ずっと徐々に回転速度を増すのではなく即座に特定の速度で回転するように規定された)。
【0033】
ハーケのプログラムのパラメーターを設定した後に、循環水槽から、25℃に維持した500mlのジャケット付きビーカーに水を入れた。センサーを降下させてビーカーに入れて、ビーカーの底部から約0.6〜1.3cm(4分の1インチ〜2分の1インチ)の位置になるようにし、センサーのシャフト上に乾燥した粉末が蓄積しないように、わずかに中心から外れた位置に設置した。センサーの回転を開始させ、生じた渦にポリマーを迅速に添加した。続いてビーカー中でセンサーを中央に置いた。既定の時間になるまで上記プログラムを行った。
【0034】
試験溶液の電荷は以下の通りであった:
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
【表4】

【0038】
実施例4−ヘアーコンディショナー
ヘアーコンディショナーの実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
【0039】
成分:
実施例3に記載の凝集したHEC、
比較例1、
比較例5、
セチルアルコール:クローダ製のクロダコール(Crodacol)C95NF、
塩化カリウム:VWR、
ミリスチン酸イソプロピル:ステパン(Stepan)製のステパンIPM、
保存剤:ISP製のガーマベン(Germaben)II。
【0040】
ヘアーコンディショナーを以下の比率で製造した:
187.5gの脱イオン水、
2.50gの実施例3に記載の凝集したHEC、
4.00gのセチルアルコール、
1.00gの塩化カリウム、
4.00gのミリスチン酸イソプロピル、
1.00gの保存剤。
【0041】
実施例3に記載の凝集したHECを水の渦に添加し、完全に溶解するまで混合した。続いてこの溶液を水槽中で65℃に加熱した。続いてセチルアルコールを添加し、均一に混合されるまで混合した。続いてこの溶液を50℃に冷却し、塩化カリウムを混合しながら添加した。続いてこの溶液にミリスチン酸イソプロピルを添加し、均一になるまで混合し、コンディショナーを製造した。
【0042】
コンディショナーのpHを、5%クエン酸および/または5%水酸化ナトリウム溶液を用いて5.25〜5.5の間に調節した。最終的なコンディショナー製品は、滑らかで全くゲルを含まないことが観察された。コンディショナー製品の最終粘度は、9,600cpsであった。
【0043】
実施例3に記載の凝集したHECを比較例5で置き換えることによって、実施例4のコンディショナーの製造を再度行った。最終的な比較コンディショナー製品はわずかなゲルを含んでいたことが観察された。最終的な比較コンディショナー製品の粘度は、ゲルのために測定されなかった。
【0044】
実施例3に記載の凝集したHECを比較例1で置き換えることによって、比較コンディショナーの製造を再度行った。このコンディショナーは、わずかな小さいゲルを含んでいた。最終的な比較コンディショナー製品の粘度は、9,000cpsであった。
【0045】
実施例5−スキンローション
スキンローションの実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
【0046】
成分:
グリセリン:スペクトラム(Spectrum)製のUSPグレードのもの、
ステアリン酸グリコール:ステパン製のケスコ(Kessco(R))EGMS、
ステアリン酸:ウイトコ社(Witco Corp)製のインダストレン(Industrene(R))5016、
ミネラルオイル:ペンレコ(Penreco)製のドラケオール(Drakeol(R))7、
アセチル化ラノリン:リポ・ケミカルズ(Lipo Chemicals)製のリポラン(Lipolan(R))98、
セチルアルコール:クローダ社製のクロダコール(R)C95、
トリエタノールアミン:99%のアクロス(Acros)、
実施例3に記載の凝集したHEC:ヒドロキシエチルセルロース−ハーキュリーズ社より入手可能なナトロソル(R)250HH−GF HEC、
比較例1、
比較例5、
保存剤:ISP社(ISP Corp)製のガーマベン(R)II。
【0047】
スキンローションを以下の比率で製造した:
【0048】
【表5】

【0049】
スキンローションを以下の手法を用いて製造した:II部分に記載の成分をビーカー中で混合し、80℃に加熱した。別のビーカー中で、I部分に記載の成分を混合し、80℃に加熱した。続いてI部分の混合物をII部分の混合物に混合しながら添加した。別の第三のビーカー中で、III部分の成分を混合し、続いて80℃でI部分およびIIの混合物に混合しながら添加した。続いて、実施例3に記載の凝集したHECを、I、IIおよびIII部分からなる混合物の渦に添加した。混合を約10分間続け、続いてこの混合物を40℃に冷却させた。この混合物が40℃に冷却したら、エマルジョンのpHを6.0〜6.5に調節し、続いて保存剤を添加し、この混合物をさらに混合しながら室温まで冷却させ、最終的なスキンローションを得た。
【0050】
最終的なスキンローションは、滑らかで全くゲルを含まないことが観察された。スキンローションの最終粘度は、13400cpsであった。
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例5に記載のスキンローションを製造する手法を繰り返した。比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECを、I、IIおよびIII部分からなる混合物に添加したところ、最初のうちは多少の塊の形成が起こり、比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECは、本発明において有用な実施例3の凝集したHECと比較したところ、溶解にそれより長い時間かかることが観察された。得られた比較用スキンローションは、ゲルを全く含んでいなかった。比較用スキンローションの最終粘度は、18,800cpsであった。
【0051】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例5に記載のスキンローションを製造する手法を再度繰り返した。比較用スキンローションにおいて、比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECを溶解させるのに十分な量の熱が必須であり、その他の点において、実施例3に記載の凝集したHECと比較してより長い混合時間が必要であることが観察され、さらに、得られた比較用スキンローションは、滑らかであることが観察された。比較用スキンローションの最終粘度は、10,600cpsであった。
【0052】
実施例6−コンディショニングシャンプー
コンディショニングシャンプーの実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
【0053】
成分:
ラウレス硫酸ナトリウム2EO(SLES):コグニス(Cognis)製のテキサポン(Texapon(R))N70NA、
ココアミドプロピルベタイン(CAPB):コグニス製のベルベテックス(Velvetex(R))BA35、
ヤシ油脂肪酸のジエタノールアミド:コグニス製のコンパーラン(Comperlan(R))COD、
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、
比較例1、
比較例5、
カチオン性グアー:N−ハンス(N−Hance(R))3205、アクアロン(Aqualon)製のカチオン性グアー、
シリコーンエマルジョン:ダウ・コーニング(Dow Corning)製のダウ・コーニング1784、
保存剤:DMDMヒダントイン、ロンザ(Lonza)製のグライダント(Glydant(R))。
【0054】
コンディショニングシャンプーを以下の比率で製造した:
146.36gの脱イオン水、
34.24gのラウレス硫酸ナトリウム2EO(SLES)、
6.00gのココアミドプロピルベタイン(CAPB)、
4.00gのヤシ油脂肪酸のジエタノールアミド、
2.00gの実施例3の凝集したHEC、
0.40gのカチオン性グアー、
6.00gのシリコーンエマルジョン、
1.00gの保存剤。
【0055】
コンディショニングシャンプーを以下の手法を用いて製造した:カチオン性グアーを水の渦に添加した。カチオン性グアーを30分間混合し、続いてこのカチオン性グアー混合物に実施例3に記載の凝集したHECを添加し、追加の30分間混合した。続いてこの混合物に、上記の列挙の残りの成分を列挙した順番で添加した。それに続くそれぞれの添加の間に、この混合物が均一に見えるようになるまで混合を継続した。ラウレス硫酸ナトリウムを添加した後は、より長い混合時間が必要であった。最終的なコンディショニングシャンプーのpHを、クエン酸を用いて5.0〜5.5に調節した。最終的なコンディショニングシャンプーは、滑らかで不透明であり、全くゲルを含まないことが観察された。最終的なコンディショニングシャンプーは、約8500cpsの粘度を有していた。
【0056】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例6に記載のコンディショニングシャンプーを製造する手法を繰り返した。最終的な比較用コンディショニングシャンプーは、比較的大きいゲルをわずかに含んでいた。最終的な比較用コンディショニングシャンプーの粘度は15,800cpsであった。
【0057】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例6に記載のコンディショニングシャンプーを製造する手法を再度繰り返した。最初のうちは、実施例3に記載の凝集したHECが溶解したように比較例1のHECポリマーは溶解しなかった。最終的な比較用コンディショニングシャンプーは、安定で不透明であり、7500cpsの粘度を有することが観察された。
【0058】
実施例7−シャンプー
シャンプーの実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
成分:
ラウレス硫酸ナトリウム3EO(SLES):ステパン製のステオール(Steol(R))CS330
ココアミドプロピルベタイン(CAPB):ステパン製のアンフォソル(Amphosol(R))CA
ラウロイルサルコシン酸ナトリウム:クローダ社製のクロダシニック(R)LS−30
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)
比較例1、
比較例5、
保存剤:ローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)製のケーソン(Kathon(R))CG。
【0059】
シャンプーを以下の比率で製造した:
126.06gの脱イオン水、
39.20gのラウレス硫酸ナトリウム3EO(SLES)、
13.34gのココアミドプロピルベタイン(CAPB)、
19.20gのラウロイルサルコシン酸ナトリウム、
2.00gの実施例3に記載の凝集したHEC、
00.20gの保存剤。
【0060】
シャンプーを以下の手法を用いて製造した:成分を列挙した順番で水の渦に添加した。それぞれを添加した後、成分を均一に混合するためにこの溶液を混合した。最終的なシャンプーは、滑らかでわずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかった。シャンプーの最終粘度は、約6,000cpsであった。
【0061】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例7に記載のシャンプーを製造する手法を繰り返した。比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECは、溶解するのに実施例3に記載の凝集したHECよりも長い時間を要し、最初のうちは多少の塊の形成が観察された。最終的な比較用シャンプーは、滑らかでわずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかった。比較用シャンプーの最終粘度は、約6,000cpsであった。
【0062】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例7に記載のシャンプーを製造する手法を再度繰り返した。最初のうちは、比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECは、実施例3の凝集したHECが溶解したように溶解しなかった。最終的な比較用シャンプーは、わずかにきめが粗く、わずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかったことが観察された。比較用シャンプーの最終粘度は、約5,900cpsであった。
【0063】
実施例8−ボディ洗剤
ボディ洗剤の実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
成分:
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、
比較例1、
比較例5、
ラウレス硫酸ナトリウム(SLES):ステパン製のステオール(R)CS330、
ココアミドプロピルベタイン(CAPB):ステパン製のアンフォソル(R)CA、
カチオン性グアー:ハーキュリーズ社より入手可能なアクアキャット(AquaCat(R))CG、
メチルグルセス20:ノベオン(Noveon)製のグルカム(Glucam(R))E20、
保存剤:ロンザ製のグライダント(R)。
【0064】
ボディ洗剤を以下の比率で製造した:
102.00gの脱イオン水、
2.00gの実施例3に記載の凝集したHEC、
84.00gのラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、
6.00gのココアミドプロピルベタイン(CAPB)、
4.0gのカチオン性グアー、
1.0gのメチルグルセス20、
1.00gの保存剤。
【0065】
ボディ洗剤を以下の手法を用いて製造した:実施例3に記載の凝集したHECを、撹拌器によって発生した水の渦に添加した。続いて、残りの成分を溶液の渦に上記で列挙した順番で添加し、それに続く各添加の間に均一に混合させるために所定時間を置いた。最終的なボディ洗剤のpHを、クエン酸を用いて5.0〜6.0に調節した。最終的なボディ洗剤は、滑らかでわずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかったことが観察された。最終的なボディ洗剤の粘度は、約6,200cpsであった。
【0066】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例8に記載のボディ洗剤を製造する手法を繰り返した。比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECは、最初のうちは完全に溶解しなかった。最終的な比較用ボディ洗剤は、滑らかでわずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかったことが観察された。最終的な比較用ボディ洗剤の粘度は、約6,800cpsであった。
【0067】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例8に記載のボディ洗剤を製造する手法を再度繰り返した。最初のうちは、比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECは、実施例3に記載の凝集したHECが溶解したように溶解しなかった。最終的な比較用ボディ洗剤は、わずかにざらざらした、わずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかったことが観察された。最終的な比較用ボディ洗剤の粘度は、約5,000cpsであった。
【0068】
実施例9−シャンプー(HECを後で添加した)
シャンプーの実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。この実施例は、本発明の凝集したHECが、シャンプーにHECを後で添加することによって製品を安定化することが可能かどうかを決定するために製造した。
【0069】
成分:
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、
比較例1、
比較例5、
ラウレス硫酸ナトリウム(SLES):ステパン製のステオール(R)CS330、
ココアミドプロピルベタイン(CAPB):ステパン製のアンフォソル(R)CA、
カチオン性グアー:ハーキュリーズ社製のアクアキャット(R)CGグアー、
メチルグルセス20:ノベオン製のグルカム(Glucam(R))E20、
保存剤:ロンザ製のグライダント(R)。
【0070】
シャンプーを以下の比率で製造した:
102.00gの脱イオン水、
84.00gのラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、
6.00gのココアミドプロピルベタイン(CAPB)、
4.0gのカチオン性グアー、
1.0gのメチルグルセス20、
2.00gの実施例3に記載の凝集したHEC、
1.00gの保存剤。
【0071】
上記成分を、撹拌器によって発生した水の渦に列挙した順番で添加し、各添加の間に均一に混合させるために所定時間を置いた。最終的なシャンプーのpHを、クエン酸を用いて5.0〜6.0に調節した。最終的なシャンプーは、滑らかでわずかに濁っており、ゲルを全く含んでいなかったことが観察された。最終的なシャンプーの粘度は、約6,100cpsであった。
【0072】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例9に記載のシャンプーを製造する手法を繰り返した。比較例5に記載のグリオキサールで処理したHECは、完全に溶解しなかった。最終的な比較用シャンプーは、ゲル層を有していた。最終的な比較用シャンプーの粘度は、約7,200cpsであった。
【0073】
比較するために、実施例3に記載の凝集したHECを比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECで置き換えることによって、実施例9に記載のシャンプーを製造する手法を再度繰り返した。比較例1に記載のグリオキサールで処理したHECは溶解しなかった。最終的な比較用シャンプーは、ゲル層を有していた。最終的な比較用シャンプーの粘度は、ゲル層のために測定されなかった。
【0074】
この実施例から、実施例3に記載の凝集したHECは、シャンプーに添加しても安定なシャンプー製品が作製できることが示されたが、一方で、比較例1および5の比較のためのグリオキサールで処理したHECでは、シャンプー製品に後で添加した場合、安定なシャンプー製品が得られなかった。
【0075】
実施例10−床クリーナー
前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて床クリーナーの実施例を製造した。
成分:
ダイズ油、メチルエステル:ステパン製のステポソル(Steposol(R))SB−W、
D−リモネン:フロリダ・ケミカル社(Florida Chemical Co.)、
脂肪アルカノミド(fatty alkanomide):ステパン製のニノール(Ninol(R))11−CM、
トリエタノールアミン:アクロス、
プロピレングリコール、
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、
保存剤:DMDMヒダントイン、ロンザ製のグライダント(R)。
【0076】
床クリーナーを以下の比率で製造した:
【0077】
【表6】

【0078】
床クリーナーを以下の手法を用いて製造した:I部分に記載の成分を上記で列挙した順番で合わせ、各添加の間に約10分間混合した。
続いてこの混合物に、脱イオン水を非常にゆっくり添加し、この混合物を約1時間混合を継続し、混合速度を成分が十分に混合されるように調節した。最後にプロピレングリコールを添加し、得られた混合物を、均一に見えるようになるまで約30分間混合した。それにより、I部分に記載の床クリーナー濃縮物が得られた。
【0079】
II部分を製造するために、実施例3に記載の凝集したHECを、脱イオン水を混合しながら添加した。この溶液を約15分間混合し、続いてこの溶液に保存剤のDMDMヒダントインを添加した。この混合物を約5分間混合した。
【0080】
III部分(I部分およびII部分を合わせたもの)。床クリーナー濃縮物(I部分)を、実施例3に記載の凝集したHEC溶液(II部分)に添加した。この溶液を約15分間混合して、最終的な床クリーナーを得た。
【0081】
床クリーナーの最終粘度は4760cpsであり、そのpHは9.16であった。完成した床クリーナーは、透明な黄色の様相を示した。
実施例3に記載の凝集したHECを添加しないで、実施例10に記載の床クリーナーのコントロール用実施例を製造した。この比較用床クリーナー材料は、わずか350cpsの粘度しか有していなかった。
【0082】
実施例11−食器洗い用液体
食器洗い用液体の実施例を、前記の実施例で説明した凝集したHECを用いて製造した。
【0083】
成分:
実施例3に記載の凝集したHEC(ヒドロキシエチルセルロース−ナトロソル(R)250HH−GF HEC、ハーキュリーズ社より入手可能)、
ステパン製のラウレス硫酸アンモニウム:ステオール(R)CA460、
ナトリウムアルファスルホメチルC12〜18エステル(および)二ナトリウムアルファスルホC12〜18脂肪酸塩:ステパン製のアルファ−ステップ(Alpha−Step)MC−48、
コカミドプロピルベタイン(CAPB):ステパン製のアンフォソルCG、
ラウラミンオキシド:ステパン製のアンモニクス(R)、
エタノール、
保存剤:DMDMヒダントイン、ロンザ製のグライダント(R)。
【0084】
食器洗い用液体を以下の比率で製造した。
159.94gの脱イオン水、
0.32gの実施例3の凝集したHEC、
0.81gの保存剤、
80.85gのラウレス硫酸アンモニウム(ステオールCA460、ステパン)、
26.10gのナトリウムアルファスルホメチルC12〜18エステル(および)二ナトリウムアルファスルホC12〜18脂肪酸塩、
12.99gのコカミドプロピルベタイン(CAPB)、
12.99gのラウラミンオキシド、
6.00gのエタノール。
【0085】
食器洗い用液体を以下の手法を用いて製造した。実施例3に記載の凝集したHECを、混合しながら脱イオン水に添加した。この溶液を約15分間混合を継続した。続いてこの溶液にDMDMヒダントインを添加し、この溶液をさらに約5分間混合を継続した。成分の残りを、連続的に撹拌しながら上記の列挙に記載の順番で添加した。各成分を添加した後、次の成分を添加する前に、得られた溶液を約10分間または均一になるまで混合を継続した。完了したら、食器洗い用液体のpHを、クエン酸を用いて7.6に調節した。
【0086】
最終的な食器洗い用液体は、99cpsの粘度を有していた。そのpHは7.55であり、透明な様相を示した。
実施例3に記載の凝集したHECを添加しないで、実施例11に記載の食器洗い用液体のコントロール用実施例を製造した。この比較のための食器洗い用液体材料は、わずか30cpsの粘度しか有しておらず、透明な様相を示した。
【0087】
本発明を記載し、開示し、現実的に想定される具体的な実施態様または改変の様々な観点で説明したが、それによって本発明の範囲が限定されることを目的としないし、限定されるとみなされるべきでもなく、本明細書に記載の教示によって示され得るようなその他の改変または実施態様も、それらが特に本明細書に添付された請求項の幅および範囲内に含まれるように具体的に確保される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者製品であって;
a)凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物、
b)消費者製品の活性成分の原料、および、
c)水、
を含み、ここで該凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物は、微粒子状のヒドロキシエチルセルロース、および、低分子量のヒドロキシエチルセルロース組成物を含み、ここで該消費者製品は、製薬、パーソナルケア(ただし口腔ケア組成物を除く)、および、家庭用ケア用途からなる群より選択される、上記消費者製品。
【請求項2】
前記低分子量HECが、2%水溶液中で、約350cps未満の粘度を示す、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項3】
前記低分子量HECが、2%水溶液中で、約15cpsの粘度を示す、請求項2に記載の消費者製品。
【請求項4】
前記消費者製品が、ヘアーコンディショナーを含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項5】
前記消費者製品が、スキンローションを含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項6】
前記消費者製品が、シャンプーを含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項7】
前記消費者製品が、コンディショニングシャンプーを含む、請求項6に記載の消費者製品。
【請求項8】
前記消費者製品が、ボディ洗剤を含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項9】
前記消費者製品が、床クリーナーを含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項10】
前記消費者製品が、食器洗い用液体を含む、請求項1に記載の消費者製品。
【請求項11】
前記凝集したヒドロキシエチルセルロース組成物が、400〜800ミクロンの粒度範囲を有する、請求項1に記載の消費者製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−515735(P2010−515735A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545598(P2009−545598)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/000350
【国際公開番号】WO2008/086023
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(591020249)ハーキュリーズ・インコーポレーテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】HERCULES INCORPORATED
【Fターム(参考)】