複列転がり軸受
【課題】軸側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができると共に、内輪のクリープを防止することができる複列転がり軸受を提供する。
【解決手段】複列転がり軸受10は、内周面に複列の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面12cを有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪12a,12bと、外輪11の複列の外輪軌道面11aと一対の内輪12a,12bの内輪軌道面12cとの間に転動自在に配設される複数の転動体13と、を備え、一対の内輪12a,12bは軸方向に凹凸嵌合され、且つ一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が設けられる。
【解決手段】複列転がり軸受10は、内周面に複列の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面12cを有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪12a,12bと、外輪11の複列の外輪軌道面11aと一対の内輪12a,12bの内輪軌道面12cとの間に転動自在に配設される複数の転動体13と、を備え、一対の内輪12a,12bは軸方向に凹凸嵌合され、且つ一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車の変速機等に用いられる複列円すいころ軸受や複列玉軸受等の複列転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複列転がり軸受としては、内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、外輪の複列の外輪軌道面と一対の内輪の内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
図12に、従来の複列円すいころ軸受の一例を示す。この複列円すいころ軸受は、内周面に複列の外輪軌道面1aを有する外輪1と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面2aを有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪2と、外輪1の複列の外輪軌道面1aと一対の内輪2の内輪軌道面2aとの間に保持器4を介して転動自在に配設される複数の円すいころ3と、を備える。
【0004】
ところで、複列円すいころ軸受を自動車の変速機に使用する場合、軸受には正逆方向の回転と正逆方向のアキシャル荷重、ラジアル荷重、及びモーメント荷重が負荷する。このような荷重条件下では、一対の内輪2と軸5との間にクリープを発生しやすいため、多くの場合、一対の内輪2は軸5にしめ代を持って嵌合される。
【0005】
また、一対の内輪2が軸方向にその相対位置を変えると、軸受の内部すきまの適性値が確保されなくなる可能性がある。このため、従来においては、一対の内輪2の一方の内輪2を軸5の肩に突き合わせ、他方の内輪2をワッシャ等を介してナットで固定する方法等が採用されている。
【0006】
一方、軸受の潤滑供給は、外輪1と一対の内輪2との間の空間に向けて、潤滑油をはねかける方法が一般的であるが、近年のエンジンの高速化に対応して変速機の回転数が高くなると、十分な潤滑油が軸受の内部へ供給できない場合が出てきている。これは、内輪2が回転している場合には、遠心力による油の流れが、軸受内部を通りにくい構造にあるからである。
【0007】
そこで、潤滑油不足を回避すべく、軸5側の給油孔6を延長し、図13に示すように、一対の内輪2の互いに対向する端部に溝部7を設けて、各内輪2の溝部7を向かい合わせることにより、一対の内輪2間に径方向に貫通する潤滑油路8を形成している。これにより、軸5側の給油孔6と軸受空間とが連通して、軸5側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平10−274243号公報
【特許文献2】特開2006−312986号公報
【特許文献3】特開2006−312955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の複列転がり軸受では、一対の内輪2のいずれか一方の内輪2にクリープが発生すると、一対の内輪2の突き合せ面は軸方向に予圧をかけているので、摩耗が発生し、軸受内部すきまが変化すると共に、摩耗粉が軸受内に持ち込まれて、早期剥離の原因となる可能性があった。
【0010】
また、軸受使用中に内輪2を固定するナットに緩みが生じないようにナットを締付ける際には、一対の内輪2が軸方向にその相対位置を変えることがないように十分な注意が必要であり、この作業に費用が多く掛かるというが問題があった。
【0011】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、軸側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができると共に、内輪のクリープを防止することができる複列転がり軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、外輪の複列の外輪軌道面と一対の内輪の内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える複列転がり軸受であって、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合され、且つ一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられることを特徴とする複列転がり軸受。
(2) 一対の内輪のうちの一方の内輪の軸方向内端部に凸部を設けると共に、他方の内輪の軸方向内端部に凹部を設け、凸部の数が、凹部の数と同数、又は凹部の数より少ないことを特徴とする(1)に記載の複列転がり軸受。
(3) 凸部の軸方向長さが凹部の軸方向長さより短いことを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
(4) 凸部と凹部の軸方向長さが同じであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
(5) 凸部の軸方向長さが凹部の軸方向長さより長いことを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合されるため、一対の内輪の相対回転が規制される。これにより、軸に対してしめ代を持って嵌合される一対の内輪の嵌め合い面の軸方向幅を増加することができるので、一対の内輪のクリープを防止することができる。
【0014】
また、本発明によれば、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合された状態で、一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられるため、この潤滑油路を介して軸側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る複列転がり軸受の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態について説明する。
図1は本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図、図2は図1に示す一対の内輪の分解斜視図、図3は一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図4の(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は図3のB−B線矢視断面図である。
【0017】
本実施形態の複列円すいころ軸受(複列転がり軸受)10は、図1に示すように、内周面に複列の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面12cを有して、互いに軸方向に凹凸嵌合される一対の内輪12a,12bと、外輪11の複列の外輪軌道面11aと一対の内輪12a,12bの内輪軌道面12cとの間に保持器14を介して転動自在に配設される複数の円すいころ(転動体)13と、を備える。
【0018】
外輪11の外周部にはフランジ15が設けられ、このフランジ15はボルト16によりハウジング17に締結される。
【0019】
一対の内輪12a,12bは、ピニオン18の軸19にしめ代を持って嵌合される。また、一対の内輪12a,12bのうちの図1の左側の内輪12aは軸19の肩に突き当てられ、図1の右側の内輪12bはワッシャ20aを介してナット20bにより固定される。また、軸19の内部には、一対の内輪12a,12bの間に開口する潤滑油の給油孔19aが形成される。
【0020】
そして、本実施形態では、図2に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に略等間隔で4つの凸部21が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの4つの凸部21と軸方向に嵌合する4つの凹部22、及び内輪12aの4つの凸部21と嵌合しない2つの凹部22の合計6つの凹部22が設けられる。
【0021】
このため、図3及び図4(a)に示すように、一対の内輪12a,12bの4つの凸部21と4つの凹部22が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、図3及び図4(b)に示すように、内輪12aの凸部21が嵌合しない内輪12bの凹部22により一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0022】
以上説明したように、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bが凸部21及び凹部22により軸方向に凹凸嵌合されるため、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。これにより、軸19に対してしめ代を持って嵌合される一対の内輪12a,12bの嵌め合い面の軸方向幅を増加することができるので、一対の内輪12a,12bのクリープを防止することができる。
【0023】
また、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制されるため、一対の内輪12a,12bの突き合わせ面における摩耗粉の発生を防止することができるので、摩耗粉による軸受10の早期剥離等の不具合の防止することができる。また、軸受10の組み込み時に、ナット20bの締め付け調整作業を容易にすることができる。
【0024】
さらに、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bが軸方向に凹凸嵌合された状態で、一対の内輪12a,12b間に、内輪12aの凸部21が嵌合しない内輪12bの凹部22によって、径方向に貫通する潤滑油路23が設けられるため、潤滑油路23を介して軸19の給油孔19aから軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【0025】
なお、本実施形態では、一対の内輪12a,12bを共に軸19に対してしめ代を持って嵌合した場合を例示したが、これに代えて、内輪12bを軸19に対して中間ばめで嵌合するようにしてもよい。これにより、一対の内輪12a,12bの軸19への取り付け、取り外しを容易にすることができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図5は本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図6は第2実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0027】
本実施形態では、図5に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数(図では3箇所)の凸部31が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの複数の凸部31と軸方向に嵌合する複数(図では3箇所)の凹部32が設けられる。
【0028】
そして、本実施形態では、凸部31の軸方向長さが凹部32の軸方向長さより短くなるように形成される。このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部31と複数の凹部32が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、一対の内輪12a,12b間、即ち、凸部31の先端と凹部32の底部との間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0029】
なお、本実施形態では、凸部31と凹部32の数を同数としたが、上記第1実施形態と同様に、凸部31の数を凹部32の数より少なくして、凸部31が嵌合しない凹部32により潤滑油路23を形成してもよい。
【0030】
なお、本実施形態の第1変形例として、図6に示すように、凸部31及び凹部32の形状をテーパ形状にしてもよい。この場合、凸部31と凹部32を嵌合させやすくすることができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0031】
(第3実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図7は本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図8は第3実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0032】
本実施形態では、図7に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数(図では3箇所)の凸部41が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの複数の凸部41と軸方向に嵌合する複数(図では3箇所)の凹部42が設けられる。
【0033】
そして、本実施形態では、凸部41の軸方向長さが凹部42の軸方向長さより長くなるように形成される。このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部41と複数の凹部42が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、一対の内輪12a,12bの端面間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0034】
なお、本実施形態の第1変形例として、図8に示すように、凸部41及び凹部42の形状をテーパ形状にしてもよい。この場合、凸部41と凹部42を嵌合させやすくすることができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0035】
(第4実施形態)
次に、図9を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図9は本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0036】
本実施形態では、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数の凸部51,凹部52が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの凸部51,凹部52と軸方向にそれぞれ嵌合する凹部62,凸部61、及び内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62が設けられる。
【0037】
このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部51,凹部52と複数の凹部62,凸部61が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、内輪12aの凸部51が嵌合しない内輪12bの凹部62により一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0038】
なお、本実施形態では、内輪12bの端部に内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62を形成したが、これに代えて、内輪12aの端部に内輪12bの凸部61と嵌合しない凹部52を形成してもよい。また、内輪12aの端部に内輪12bの凸部61と嵌合しない凹部52を形成すると共に、内輪12bの端部に内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62を形成してもよい。
【0039】
また、本実施形態において、内輪12aの凸部51,凹部52と内輪12bの凹部62,凸部61の数を同数とする場合は、上記第2,第3実施形態のように、凸部51及び凸部61の少なくとも一方の軸方向長さを、凹部62及び凹部52の少なくとも一方の軸方向長さより短く、あるいは長くすることによって、一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23を形成することができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0040】
(第5実施形態)
次に、図10及び図11を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態について説明する。
図10は本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態を説明するための要部断面図、図11は図10に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【0041】
本実施形態の複列玉軸受(複列転がり軸受)70は、図10に示すように、内周面に複列の外輪軌道面71aを有する外輪71と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面72cを有して、互いに軸方向に凹凸嵌合される一対の内輪72a,72bと、外輪71の複列の外輪軌道面71aと一対の内輪72a,72bの内輪軌道面72cとの間に保持器74を介して転動自在に配設される複数の玉(転動体)73と、を備える。
【0042】
外輪71の外周部にはフランジ75が設けられ、このフランジ75はボルト76によりハウジング77に締結される。
【0043】
一対の内輪72a,72bは、軸79にしめ代を持って嵌合される。また、一対の内輪72a,72bはナット80により固定される。また、軸79の内部には、一対の内輪72a,72bの間に開口する潤滑油の給油孔79aが形成される。
【0044】
そして、図11に示すように、一対の内輪72a,72bに上記第1〜第4実施形態で説明した凹凸嵌合構造を適用して、一対の内輪72a,72bを軸方向に凹凸嵌合することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図である。
【図2】図1に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【図3】一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図4】(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図6】第2実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図7】本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図8】第3実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図9】本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図10】本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態を説明するための要部断面図である。
【図11】図10に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【図12】従来の複列転がり軸受を説明するための要部断面図である。
【図13】図11の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0046】
10 複列円すいころ軸受(複列転がり軸受)
11 外輪
11a 外輪軌道面
12a 内輪
12b 内輪
12c 内輪軌道面
13 円すいころ(転動体)
14 保持器
21 凸部
22 凹部
23 潤滑油路
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車の変速機等に用いられる複列円すいころ軸受や複列玉軸受等の複列転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複列転がり軸受としては、内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、外輪の複列の外輪軌道面と一対の内輪の内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備えるものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
図12に、従来の複列円すいころ軸受の一例を示す。この複列円すいころ軸受は、内周面に複列の外輪軌道面1aを有する外輪1と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面2aを有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪2と、外輪1の複列の外輪軌道面1aと一対の内輪2の内輪軌道面2aとの間に保持器4を介して転動自在に配設される複数の円すいころ3と、を備える。
【0004】
ところで、複列円すいころ軸受を自動車の変速機に使用する場合、軸受には正逆方向の回転と正逆方向のアキシャル荷重、ラジアル荷重、及びモーメント荷重が負荷する。このような荷重条件下では、一対の内輪2と軸5との間にクリープを発生しやすいため、多くの場合、一対の内輪2は軸5にしめ代を持って嵌合される。
【0005】
また、一対の内輪2が軸方向にその相対位置を変えると、軸受の内部すきまの適性値が確保されなくなる可能性がある。このため、従来においては、一対の内輪2の一方の内輪2を軸5の肩に突き合わせ、他方の内輪2をワッシャ等を介してナットで固定する方法等が採用されている。
【0006】
一方、軸受の潤滑供給は、外輪1と一対の内輪2との間の空間に向けて、潤滑油をはねかける方法が一般的であるが、近年のエンジンの高速化に対応して変速機の回転数が高くなると、十分な潤滑油が軸受の内部へ供給できない場合が出てきている。これは、内輪2が回転している場合には、遠心力による油の流れが、軸受内部を通りにくい構造にあるからである。
【0007】
そこで、潤滑油不足を回避すべく、軸5側の給油孔6を延長し、図13に示すように、一対の内輪2の互いに対向する端部に溝部7を設けて、各内輪2の溝部7を向かい合わせることにより、一対の内輪2間に径方向に貫通する潤滑油路8を形成している。これにより、軸5側の給油孔6と軸受空間とが連通して、軸5側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平10−274243号公報
【特許文献2】特開2006−312986号公報
【特許文献3】特開2006−312955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記従来の複列転がり軸受では、一対の内輪2のいずれか一方の内輪2にクリープが発生すると、一対の内輪2の突き合せ面は軸方向に予圧をかけているので、摩耗が発生し、軸受内部すきまが変化すると共に、摩耗粉が軸受内に持ち込まれて、早期剥離の原因となる可能性があった。
【0010】
また、軸受使用中に内輪2を固定するナットに緩みが生じないようにナットを締付ける際には、一対の内輪2が軸方向にその相対位置を変えることがないように十分な注意が必要であり、この作業に費用が多く掛かるというが問題があった。
【0011】
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、軸側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができると共に、内輪のクリープを防止することができる複列転がり軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、外輪の複列の外輪軌道面と一対の内輪の内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える複列転がり軸受であって、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合され、且つ一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられることを特徴とする複列転がり軸受。
(2) 一対の内輪のうちの一方の内輪の軸方向内端部に凸部を設けると共に、他方の内輪の軸方向内端部に凹部を設け、凸部の数が、凹部の数と同数、又は凹部の数より少ないことを特徴とする(1)に記載の複列転がり軸受。
(3) 凸部の軸方向長さが凹部の軸方向長さより短いことを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
(4) 凸部と凹部の軸方向長さが同じであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
(5) 凸部の軸方向長さが凹部の軸方向長さより長いことを特徴とする(1)又は(2)に記載の複列転がり軸受。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合されるため、一対の内輪の相対回転が規制される。これにより、軸に対してしめ代を持って嵌合される一対の内輪の嵌め合い面の軸方向幅を増加することができるので、一対の内輪のクリープを防止することができる。
【0014】
また、本発明によれば、一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合された状態で、一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられるため、この潤滑油路を介して軸側から軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る複列転がり軸受の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態について説明する。
図1は本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図、図2は図1に示す一対の内輪の分解斜視図、図3は一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図4の(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は図3のB−B線矢視断面図である。
【0017】
本実施形態の複列円すいころ軸受(複列転がり軸受)10は、図1に示すように、内周面に複列の外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面12cを有して、互いに軸方向に凹凸嵌合される一対の内輪12a,12bと、外輪11の複列の外輪軌道面11aと一対の内輪12a,12bの内輪軌道面12cとの間に保持器14を介して転動自在に配設される複数の円すいころ(転動体)13と、を備える。
【0018】
外輪11の外周部にはフランジ15が設けられ、このフランジ15はボルト16によりハウジング17に締結される。
【0019】
一対の内輪12a,12bは、ピニオン18の軸19にしめ代を持って嵌合される。また、一対の内輪12a,12bのうちの図1の左側の内輪12aは軸19の肩に突き当てられ、図1の右側の内輪12bはワッシャ20aを介してナット20bにより固定される。また、軸19の内部には、一対の内輪12a,12bの間に開口する潤滑油の給油孔19aが形成される。
【0020】
そして、本実施形態では、図2に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に略等間隔で4つの凸部21が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの4つの凸部21と軸方向に嵌合する4つの凹部22、及び内輪12aの4つの凸部21と嵌合しない2つの凹部22の合計6つの凹部22が設けられる。
【0021】
このため、図3及び図4(a)に示すように、一対の内輪12a,12bの4つの凸部21と4つの凹部22が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、図3及び図4(b)に示すように、内輪12aの凸部21が嵌合しない内輪12bの凹部22により一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0022】
以上説明したように、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bが凸部21及び凹部22により軸方向に凹凸嵌合されるため、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。これにより、軸19に対してしめ代を持って嵌合される一対の内輪12a,12bの嵌め合い面の軸方向幅を増加することができるので、一対の内輪12a,12bのクリープを防止することができる。
【0023】
また、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制されるため、一対の内輪12a,12bの突き合わせ面における摩耗粉の発生を防止することができるので、摩耗粉による軸受10の早期剥離等の不具合の防止することができる。また、軸受10の組み込み時に、ナット20bの締め付け調整作業を容易にすることができる。
【0024】
さらに、本実施形態の複列円すいころ軸受10によれば、一対の内輪12a,12bが軸方向に凹凸嵌合された状態で、一対の内輪12a,12b間に、内輪12aの凸部21が嵌合しない内輪12bの凹部22によって、径方向に貫通する潤滑油路23が設けられるため、潤滑油路23を介して軸19の給油孔19aから軸受空間に潤滑油を効率よく供給することができる。
【0025】
なお、本実施形態では、一対の内輪12a,12bを共に軸19に対してしめ代を持って嵌合した場合を例示したが、これに代えて、内輪12bを軸19に対して中間ばめで嵌合するようにしてもよい。これにより、一対の内輪12a,12bの軸19への取り付け、取り外しを容易にすることができる。
【0026】
(第2実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図5は本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図6は第2実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0027】
本実施形態では、図5に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数(図では3箇所)の凸部31が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの複数の凸部31と軸方向に嵌合する複数(図では3箇所)の凹部32が設けられる。
【0028】
そして、本実施形態では、凸部31の軸方向長さが凹部32の軸方向長さより短くなるように形成される。このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部31と複数の凹部32が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、一対の内輪12a,12b間、即ち、凸部31の先端と凹部32の底部との間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0029】
なお、本実施形態では、凸部31と凹部32の数を同数としたが、上記第1実施形態と同様に、凸部31の数を凹部32の数より少なくして、凸部31が嵌合しない凹部32により潤滑油路23を形成してもよい。
【0030】
なお、本実施形態の第1変形例として、図6に示すように、凸部31及び凹部32の形状をテーパ形状にしてもよい。この場合、凸部31と凹部32を嵌合させやすくすることができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0031】
(第3実施形態)
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図7は本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図、図8は第3実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0032】
本実施形態では、図7に示すように、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数(図では3箇所)の凸部41が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの複数の凸部41と軸方向に嵌合する複数(図では3箇所)の凹部42が設けられる。
【0033】
そして、本実施形態では、凸部41の軸方向長さが凹部42の軸方向長さより長くなるように形成される。このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部41と複数の凹部42が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、一対の内輪12a,12bの端面間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0034】
なお、本実施形態の第1変形例として、図8に示すように、凸部41及び凹部42の形状をテーパ形状にしてもよい。この場合、凸部41と凹部42を嵌合させやすくすることができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0035】
(第4実施形態)
次に、図9を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
図9は本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【0036】
本実施形態では、内輪12aの内輪12bと軸方向に対向する端部に、円周方向に複数の凸部51,凹部52が設けられ、内輪12bの内輪12aと軸方向に対向する端部に、内輪12aの凸部51,凹部52と軸方向にそれぞれ嵌合する凹部62,凸部61、及び内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62が設けられる。
【0037】
このため、一対の内輪12a,12bの複数の凸部51,凹部52と複数の凹部62,凸部61が軸方向に嵌合することにより、一対の内輪12a,12bの相対回転が規制される。また、内輪12aの凸部51が嵌合しない内輪12bの凹部62により一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23が形成される。
【0038】
なお、本実施形態では、内輪12bの端部に内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62を形成したが、これに代えて、内輪12aの端部に内輪12bの凸部61と嵌合しない凹部52を形成してもよい。また、内輪12aの端部に内輪12bの凸部61と嵌合しない凹部52を形成すると共に、内輪12bの端部に内輪12aの凸部51と嵌合しない凹部62を形成してもよい。
【0039】
また、本実施形態において、内輪12aの凸部51,凹部52と内輪12bの凹部62,凸部61の数を同数とする場合は、上記第2,第3実施形態のように、凸部51及び凸部61の少なくとも一方の軸方向長さを、凹部62及び凹部52の少なくとも一方の軸方向長さより短く、あるいは長くすることによって、一対の内輪12a,12b間に径方向に貫通する潤滑油路23を形成することができる。
その他の構成および作用効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0040】
(第5実施形態)
次に、図10及び図11を参照して、本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態について説明する。
図10は本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態を説明するための要部断面図、図11は図10に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【0041】
本実施形態の複列玉軸受(複列転がり軸受)70は、図10に示すように、内周面に複列の外輪軌道面71aを有する外輪71と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面72cを有して、互いに軸方向に凹凸嵌合される一対の内輪72a,72bと、外輪71の複列の外輪軌道面71aと一対の内輪72a,72bの内輪軌道面72cとの間に保持器74を介して転動自在に配設される複数の玉(転動体)73と、を備える。
【0042】
外輪71の外周部にはフランジ75が設けられ、このフランジ75はボルト76によりハウジング77に締結される。
【0043】
一対の内輪72a,72bは、軸79にしめ代を持って嵌合される。また、一対の内輪72a,72bはナット80により固定される。また、軸79の内部には、一対の内輪72a,72bの間に開口する潤滑油の給油孔79aが形成される。
【0044】
そして、図11に示すように、一対の内輪72a,72bに上記第1〜第4実施形態で説明した凹凸嵌合構造を適用して、一対の内輪72a,72bを軸方向に凹凸嵌合することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る複列転がり軸受の第1実施形態を説明するための要部断面図である。
【図2】図1に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【図3】一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図4】(a)は図3のA−A線矢視断面図、(b)は図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】本発明に係る複列転がり軸受の第2実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図6】第2実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図7】本発明に係る複列転がり軸受の第3実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図8】第3実施形態の複列転がり軸受の第1変形例の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図9】本発明に係る複列転がり軸受の第4実施形態の説明図であり、一対の内輪の凹凸嵌合部の部分展開図である。
【図10】本発明に係る複列転がり軸受の第5実施形態を説明するための要部断面図である。
【図11】図10に示す一対の内輪の分解斜視図である。
【図12】従来の複列転がり軸受を説明するための要部断面図である。
【図13】図11の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0046】
10 複列円すいころ軸受(複列転がり軸受)
11 外輪
11a 外輪軌道面
12a 内輪
12b 内輪
12c 内輪軌道面
13 円すいころ(転動体)
14 保持器
21 凸部
22 凹部
23 潤滑油路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、前記外輪の前記複列の外輪軌道面と前記一対の内輪の前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える複列転がり軸受であって、
前記一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合され、且つ前記一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられることを特徴とする複列転がり軸受。
【請求項2】
前記一対の内輪のうちの一方の内輪の軸方向内端部に凸部を設けると共に、他方の内輪の軸方向内端部に凹部を設け、
前記凸部の数が、前記凹部の数と同数、又は前記凹部の数より少ないことを特徴とする請求項1に記載の複列転がり軸受。
【請求項3】
前記凸部の軸方向長さが前記凹部の軸方向長さより短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【請求項4】
前記凸部と前記凹部の軸方向長さが同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【請求項5】
前記凸部の軸方向長さが前記凹部の軸方向長さより長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道面を有する外輪と、外周面にそれぞれ単列の内輪軌道面を有して、互いに軸方向に当接する一対の内輪と、前記外輪の前記複列の外輪軌道面と前記一対の内輪の前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える複列転がり軸受であって、
前記一対の内輪が軸方向に凹凸嵌合され、且つ前記一対の内輪間に径方向に貫通する潤滑油路が設けられることを特徴とする複列転がり軸受。
【請求項2】
前記一対の内輪のうちの一方の内輪の軸方向内端部に凸部を設けると共に、他方の内輪の軸方向内端部に凹部を設け、
前記凸部の数が、前記凹部の数と同数、又は前記凹部の数より少ないことを特徴とする請求項1に記載の複列転がり軸受。
【請求項3】
前記凸部の軸方向長さが前記凹部の軸方向長さより短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【請求項4】
前記凸部と前記凹部の軸方向長さが同じであることを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【請求項5】
前記凸部の軸方向長さが前記凹部の軸方向長さより長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の複列転がり軸受。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−185977(P2009−185977A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28966(P2008−28966)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
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