説明

複合酸化物焼結体、その製造方法及び用途

【課題】焼結体の表面を除いた内部の色むらを抑制した複合酸化物焼結体を提供することである。
【解決手段】酸化亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の酸化物を少なくとも1種以上含む複合酸化物焼結体において、当該焼結体の焼き上がり面を除去した焼結体表面部と焼結体中心部とのCIE1976空間で測定されるL色差:ΔEが3.0以下である、色むらの少ない、放電特性等の安定性に優れた複合酸化物焼結体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合酸化物焼結体及びその焼結体からなるスパッタリングターゲットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
錫をドーパントとして含む酸化インジウム膜はITO(Indium Tin Oxide)膜と称され、低抵抗膜が容易に得られるため透明導電膜として広範に利用されている。しかしながら、ITO膜の主原料であるInは、希少金属で高価であるため、この膜を用いたときの低コスト化には限界がある。
【0003】
そのため、ITO代替の透明導電膜用材料の開発が盛んに進められており、酸化亜鉛を主成分とする周期律表の第III族元素を含む酸化亜鉛膜は、安価な上に化学的にも安定で、透明性、導電性にも優れていることから注目されている。
【0004】
しかし、酸化亜鉛を含有する焼結体を製造した場合、得られた焼結体の表面と内部に色合いの相違(色むら)が形成される場合がある。色合いが違う部分の導電率には差異が生じるため、材質の均一性が要求されるスパッタリングターゲットとしては好ましくなく、焼結後の工程においてターゲット表面の色むら部分を機械加工等により調整する必要があった。
【0005】
色むらを抑制する方法として、酸化亜鉛粉末のみを一度400〜800℃で仮焼し、この仮焼した酸化亜鉛粉末と他の成分の粉末を混合する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、酸化亜鉛を含有する焼結体を製造する際に、色むら防止剤として希土類元素を含む化合物を添加する製造方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、これらの方法では工程が煩雑になり、薄膜の抵抗率や光学特性に影響が生じることがあった。
【0007】
【特許文献1】特開平9−111444号公報
【特許文献2】特開2001−11613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、焼き上がり面を除いた焼結体内部の色むらを抑制した複合酸化物焼結体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記問題を解決するために亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素との複合酸化物焼結体について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の態様は以下の通りである。
【0011】
(1)亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素を少なくとも1種以上含む複合酸化物焼結体において、焼き上がり面を除去した後の焼結体表面部と中心部とのCIE1976空間で測定されるL色差:ΔEが3.0以下であることを特徴とする複合酸化物焼結体。
【0012】
(2)焼結密度が4.70g/cm以上である(1)記載の複合酸化物焼結体。
【0013】
(3)酸化亜鉛と酸化アルミニウムとを含んでなる(1)又は(2)記載の複合酸化物焼結体。
【0014】
(4)酸化亜鉛と酸化アルミニウムと、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の酸化物とを少なくとも1種以上含んでなる(1)〜(3)のいずれかに記載の複合酸化物焼結体。
【0015】
(5)亜鉛化合物粉末と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の化合物を少なくとも1種以上含む粉末との混合粉末を、接粉部位を黒鉛系材料以外とした型内に充填し、希ガス雰囲気中、1000〜1400℃の温度でホットプレスすることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【0016】
(6)希ガスがアルゴンガスであることを特徴とする(5)に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【0017】
(7)ホットプレスにおける粉末への加圧を700℃以下で開始することを特徴とする(5)又は(6)に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【0018】
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の焼結体をターゲット材として用いることを特徴とするスパッタリングターゲット。
【0019】
(9)(8)に記載のスパッタリングターゲットを用いて製膜してなる透明導電膜。
【0020】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の複合酸化物焼結体は亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素少なくとも1種以上含むことを特徴とする。
【0022】
Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scは正三価以上のイオン価数を取り得る元素であり、酸素イオンに4配位又は6配位を仮定したときのイオン半径が0.5〜1.2Åとなる元素である。
【0023】
このような元素を添加するのは、二価の亜鉛に対して、正三価以上の原子価の高い元素を添加することで、キャリアである電子を生成するとともに、イオン半径が0.5〜1.2Åの元素を選択することで、薄膜を形成した場合に母相の酸化亜鉛のウルツ型の結晶構造を適切にとりやすくなるからである。上記元素の中でもAlは比較的安価であることから、その一成分として好適に用いられる。
【0024】
他の各酸化物の量は酸化亜鉛に対し、0.5〜10wt%となることが好ましく、1〜7wt%となることがより好ましい。このような組成とすることで、良好な導電性と透過率を得ることができる。
【0025】
本発明の複合酸化物焼結体は、焼結体の焼き上がり面を除去した後の焼結体表面部と焼結体中心部とのCIE1976空間で測定されるL色差:ΔEが3.0以下であることを特徴とする。
【0026】
とはxyz表色系に基づく色空間であり、L値は明度を表し、aとbは色度座標になっており、色相と彩度を一緒に表している。L値は色に関係なく明るさ(明度)だけを表し、L=0(黒)からL=100(白)までの値を取っており,値が大きいほど白く明るいということになる。aは赤から緑への軸であり、+aは赤方向を−aは緑方向を表し、bは黄から青への軸であり、+bは黄方向を−bは青方向を表している。
【0027】
そして、焼結体から焼き上がり面を除去した表面部と中心部におけるL値、a値及びb値を求めた後、ΔEを下記の式から求めることができる。
ΔE=√(ΔL+Δa+Δb) (1)
このΔEが3.0を越えると、色差が目立って感じられるようになり、かつ色差の異なる部分のバルク抵抗が大きく異なる場合が生じ、異常放電が発生しやすくなり、膜特性も悪化するためである。
【0028】
一般に電気炉や電磁波加熱炉等で焼結した焼結体には、その表面に焼き上がり面が形成される。本発明においては、この焼き上がり面を色差測定が行えるように焼結体の表面から内部方向に研削して取り除き、表面粗さRa0.5μm以下の面とし、この表面においてL値等を測定すればよい。通常は0.05〜0.1mm研削すればよい。取り除く理由としては、焼き上がり表面は凹凸が多く、色差測定を行うことが困難なためである。なお、表面粗さRaはJISのB0601に従って得られる値である。
【0029】
本発明の複合酸化物焼結体の製造方法は、亜鉛化合物粉末と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素からなる化合物を少なくとも1種以上含む粉末との混合粉末を、接粉部位を黒鉛系材料以外とした型内に充填し、希ガス雰囲気中、1000〜1400℃の温度でホットプレスすることを特徴とする。
【0030】
本発明に用いられる原料粉末は特に限定されるものではないが、ホットプレスによって焼結体を製造することを考慮すると酸化物粉末が好ましく、通常BET表面積の値が2〜20m/gの粉末が好ましく、5〜20m/gの粉末がより好ましい。
【0031】
BET表面積の値が2m/gより小さいと添加成分の分散性が劣る場合があり、BET表面積の値が20m/gより大きいと粉末が嵩高くなり、取扱性が劣る場合がある。
【0032】
原料粉末の混合方法は特に限定されないが、均一に混合することが重要である。混合方法としては、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミルやメディアレスの容器回転式混合、機械撹拌式混合等の混合方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、V型混合機、パドル式混合機、二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。
【0033】
上記したような混合を行う際は、スラリー中に混合状態を良好にさせるために、添加物、例えば、分散剤と称される有機系添加剤を添加しても良いが、ホットプレスを開始する前に加熱等により燃焼させて粉末中から除去しておくことが必要である。焼結中に炭化して焼結体中に残留し、異常放電の原因となることがあるからである。
【0034】
粉末を混合した後、接粉部位を黒鉛系材料以外とした型内に粉末を充填する。黒鉛系材料以外としては、例えばアルミナ質やジルコニア質のシートやフェルト、粉末等が例示できる。
【0035】
接粉部位を黒鉛系材料以外にすることで、得られた焼結体の周辺部分、表面部分の色むら層を抑制することが可能となる。型の材質は、安価であることから通常黒鉛製の型が用いられることが多いが、アルミナ製やジルコニア製等のセラミックス型を用いた場合にも同様の手法を採用することにより、型からの焼結体の脱型が容易になる等の利点を有する。
【0036】
混合粉末の充填後、ホットプレスを行う。通常、ホットプレスは真空中や窒素等の希ガス以外の不活性ガス雰囲気で行うが、本発明においては希ガス雰囲気で行うことを特徴とする。
【0037】
希ガスとしては、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が例示され、希ガスの中では比較的安価でありアルゴンガス雰囲気が好ましい。希ガス雰囲気とすることで、肉厚な焼結体でも内部の色差を小さくすることが可能となる。
【0038】
最高保持温度は1000〜1400℃とし、1100〜1300℃であることがより好ましい。1000℃未満であると焼結が十分でないため、加工中の欠け、割れ等の発生頻度が高くなり、1400℃を超えると、酸化亜鉛の蒸発は多くなってくるとともに、焼結密度が低下してくるので好ましくない。
【0039】
ホットプレスにおける粉末への加圧は700℃以下で開始することが好ましく、より好ましくは600℃以下である。酸化亜鉛粉末は、粉末粒径等の物性を考慮すると一概には言えないが、通常700℃程度から収縮が開始されるため、その温度よりも低い温度からホットプレスにおける粉末への加圧を開始することが好ましい。これにより、当該複合酸化物焼結体の緻密化が促進されることになる。
【0040】
本発明の複合酸化物焼結体は、色むらが少ない焼結体であるが、焼結密度が低すぎると取り扱いやスパッタリング時に破損等を起こすことがあるため、焼結密度としては4.70g/cm以上が好ましい。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、酸化亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の酸化物を少なくとも1種以上含む複合酸化物焼結体において、当該焼結体の焼き上がり面を除去した後の焼結体表面部と焼結体中心部とのCIE1976空間で測定されるL色差:ΔEが3.0以下とすることで、色むらが少なく、放電特性等の安定性に優れた複合酸化物焼結体を得ることができる。
【実施例】
【0042】
本発明を以下の実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(複合酸化物焼結体の色差の測定)
焼結体表面を#400番砥石を用いて平面研削盤により、その表面粗さRaが0.5μm以下になるまで研削して測定面を作製した。次いで、研削した焼結体表面部及び中心部を分光測色計CM700−d(コニカミノルタ製)を用いて測定し、CIE1976空間で評価した。
【0043】
(実施例1)
BET表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7760gとBET表面積が14m/g、純度99.99%の酸化アルミニウム粉末240gとを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を黒鉛製型内の接粉部位をジルコニアフェルトにして充填し、アルゴン雰囲気で1200℃、2時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレスの圧力は200kg/cmとし、500℃から加圧を開始した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0044】
得られた焼結体を4インチφサイズに加工し、下記のスパッタリング条件でスパッタリング評価を行った。放電特性は、30時間放電し、単位時間当たりに発生した異常放電回数として評価した結果、10回未満/時間であった。
(スパッタリング条件)
・装置 :DCマグネトロンスパッタ装置
・到達真空度 :5×10−5Pa
・スパッタリングガス :Ar
・スパッタリングガス圧:0.5Pa
・DCパワー :300W
・スパッタリング時間 :30時間
(実施例2)
黒鉛製型内の接粉部位をアルミナフェルトにして充填した以外は、実施例1と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0045】
得られた焼結体を4インチφサイズに加工し、実施例1と同様の条件でスパッタリング評価を行った。放電特性は、30時間放電し、単位時間当たりに発生した異常放電回数として評価した結果、10回未満/時間であった。
【0046】
(実施例3)
最高保持温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0047】
(実施例4)
最高保持温度を1000℃とした以外は、実施例1と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0048】
(実施例5)
BET表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7750gとBET表面積が14m/g、純度99.99%の酸化アルミニウム粉末220g、BET表面積が10m/g、純度99.9%の酸化インジウム30gとを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を黒鉛製型内に接粉部位をジルコニアフェルトとして充填し、アルゴン雰囲気で1200℃、2時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレスの圧力は200kg/cmとし、500℃から加圧を開始した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0049】
(実施例6)
BET比表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7600gとBET比表面積が8m/g、純度99.99%の酸化ガリウム粉末400gとを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を黒鉛製型内の接粉部位をジルコニアフェルトにして充填し、アルゴン雰囲気で1200℃、2時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレスの圧力は200kg/cmとし、500℃から加圧を開始した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0050】
(実施例7)
BET比表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7840gとBET比表面積が7m/g、純度99.9%の酸化ニオブ粉末160gとを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を黒鉛製型内の接粉部位をジルコニアフェルトにして充填し、アルゴン雰囲気で1200℃、2時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレスの圧力は200kg/cmとし、500℃から加圧を開始した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0051】
(実施例8)
BET比表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7680gとBET比表面積が8m/g、純度99.99%の酸化ガリウム粉末240、BET比表面積が10m/g、純度99.9%の酸化イットリウム粉末80gとを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を黒鉛製型内の接粉部位をジルコニアフェルトにして充填し、アルゴン雰囲気で1200℃、2時間保持の条件でホットプレスを行った。このときのホットプレスの圧力は200kg/cmとし、500℃から加圧を開始した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0052】
(比較例1)
最高保持温度を1000℃、アルゴン雰囲気を真空中とした以外は、実施例1と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0053】
(比較例2)
アルゴン雰囲気を真空中とした以外は、実施例1と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0054】
(比較例3)
アルゴン雰囲気を真空中とした以外は、実施例5と同様の条件でホットプレスを行った。得られた複合酸化物焼結体の特性を表1に示す。
【0055】
得られた焼結体を4インチφサイズに加工し、実施例1と同様の条件でスパッタリング評価を行った。放電特性は、30時間放電し、単位時間当たりに発生した異常放電回数として評価した結果、100回/時間以上であった。
【0056】
(比較例4)
BET表面積が4m/g、純度99.8%の酸化亜鉛粉末7760gとBET表面積が14m/g、純度99.99%の酸化アルミニウム粉末240gを機械撹拌式混合機で5時間混合した。得られた混合粉末を3.0ton/cmでCIP成形し、1400℃、窒素雰囲気で5時間、常圧で焼結した。得られた複合酸化物焼結体の特性を表2に示す。
【0057】
得られた焼結体を4インチφサイズに加工し、実施例1と同様の条件でスパッタリング評価を行った。放電特性は、30時間放電し、単位時間当たりに発生した異常放電回数として評価した結果、100回/時間以上であった。
【0058】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素を少なくとも1種以上含む複合酸化物焼結体において、焼き上がり面を除去した後の焼結体表面部と中心部とのCIE1976空間で測定されるL色差:ΔEが3.0以下であることを特徴とする複合酸化物焼結体。
【請求項2】
焼結密度が4.70g/cm以上である請求項1記載の複合酸化物焼結体。
【請求項3】
酸化亜鉛と酸化アルミニウムとを含んでなる請求項1又は2記載の複合酸化物焼結体。
【請求項4】
酸化亜鉛と酸化アルミニウムと、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の酸化物とを少なくとも1種以上含んでなる請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物焼結体。
【請求項5】
亜鉛化合物粉末と、Al、Ga、B、Nb、In、Y、Scから選ばれる元素の化合物を少なくとも1種以上含む粉末との混合粉末を、接粉部位を黒鉛系材料以外とした型内に充填し、希ガス雰囲気中、1000〜1400℃の温度でホットプレスすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【請求項6】
希ガスがアルゴンガスであることを特徴とする請求項5に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【請求項7】
ホットプレスにおける粉末への加圧を700℃以下で開始することを特徴とする請求項5又は6に記載の複合酸化物焼結体の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の焼結体をターゲット材として用いることを特徴とするスパッタリングターゲット。
【請求項9】
請求項8に記載のスパッタリングターゲットを用いて製膜してなる透明導電膜。

【公開番号】特開2010−150107(P2010−150107A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−332466(P2008−332466)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】