説明

複流動弁及び内部処理容器隔離システム

【課題】高純度ガス供給のための、精製能力が高く、長寿命の組み込みガス精製器を有し、かつ、ガスがガス精製器を通して取り出されていない間は、組み込み精製器をガスから隔離できる高純度ガス供給システムの流体流動弁アセンブリ、流体処理容器アセンブリおよび流体供給システムを提供する。
【解決手段】外部口25と、少なくとも第一の口19、第二の口21、及び第三の口23を有する入口端部とを有する弁本体9、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁11、及び弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁13を含む流体流動弁アセンブリ。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
少量から中程度の量で使用される工業ガスは、加圧ボンベに常温で貯蔵され、そこからガスを必要に応じて取り出す。常温以下の臨界温度を持つガスは、ボンベの設計定格圧力により決定される高圧で貯蔵される。これらの例として、窒素、酸素、水素、ヘリウム、メタン等の低沸点ガスが挙げられ、これらのガスは貯蔵ボンベから相変化なしで取り出される。常温以上の臨界温度を持つガスは、それぞれの蒸気圧に応じて圧縮飽和液体としてボンベに貯蔵され、これらの液体は飽和蒸気がボンベから取り出される時に蒸発する。これらの液化圧縮ガスの一般的な例として、塩素、アンモニア、軽質炭化水素、例えばプロパン、ブタン等、が挙げられる。
【0002】
特定の産業では、上記のボンベにより供給される非常に高純度のガスが必要である。例えば、非常に高純度のガスは、半導体及びオプトエレクトロニクス装置、ビデオ、ディスプレイパネル、光通信装置、微小電気機械システムを製造するエレクトロニクス産業で使用される。これらのガスの例として、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、塩素、アンモニア、六フッ化タングステン、ジシラン、ジクロロシラン、トリメチルシラン、三塩化ホウ素が挙げられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらのガスのさらに高純度レベルへの要望が、特に液化圧縮ガスとして供給されるガスに対して、大きくなっている。貯蔵ガスが取り出される時に貯蔵ガスを精製し、それにより超高純度のガス製品を供給する組み込み精製器をボンベ又は容器内に持つ、貯蔵用ボンベ又は容器を使用する傾向がある。高純度ガス供給システムの分野では、さらに精製能力が高く、長寿命の改良された組み込み精製器が必要である。また、ガスが精製器を通して取り出されていない間は、組み込み精製器をガスから隔離する方法が必要である。上記の必要性は、以下に記載され、そして特許請求の範囲で定義される、本発明の態様により対処される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様は、外部口と少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁と、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁とを含む流体流動弁アセンブリを含む。
【0005】
本発明の別の態様は、(a)外部口と、少なくとも三つの口を有する入口端部とを有する弁本体、(b)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第一シールとを有する第一弁、(c)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第二シールとを有する第二弁、(d)第一弁の入口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する第一流体流動路及び第一弁の出口を弁本体の入口端部の第二の口に接続する第二流体流動路、及び(e)第二弁の入口と弁本体の入口端部の第三の口とを接続する第三流体流動路及び第二弁の出口を弁本体の外部口に接続する第四流体流動路、を含む流体流動弁アセンブリに関する。
【0006】
上記流体流動弁アセンブリは更に、弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の追加の外部口、弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三シールとを有する第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、第三弁の入口を弁本体の追加の外部口に接続する第六流体流動路、を含んでもよい。第一及び第二シールのいずれも、入口と出口の間の流体流動を阻止するために入口と出口に対しシール可能に押し付けられるのに適合した可撓性ダイヤフラムを含むことができる。
【0007】
関連する態様は、
(a)次の(1)〜(5)、すなわち、
(1)外部口と少なくとも三つの口を備えた入口端部とを有する弁本体、
(2)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第一シールとを有する第一弁、
(3)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第二シールとを有する第二弁、
(4)第一弁の入口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する第一流体流動路及び第一弁の出口を弁本体の入口端部の第二の口に接続する第二流体流動路、
(5)第二弁の入口と弁本体の入口端部の第三の口とを接続する第三流体流動路及び第二弁の出口を弁本体の外部口に接続する第四流体流動路、
を有する流体流動弁アセンブリ、
(b)流体処理容器であって、入口と、出口と、容器内に配置された処理用物質とを含み、容器を流れる流体を処理するのに適合している流体処理容器、及び
(c)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む、流体流動弁及び流体処理容器アセンブリを含む。
【0008】
上記流体流動弁及び流体処理容器アセンブリは更に、弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の追加の外部口、弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時に入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三シールとを有する第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、及び、第三弁の入口を弁本体の追加の外部口に接続する第六流体流動路、を含んでもよい。
【0009】
該流体流動弁及び流体処理容器アセンブリは更に、(d)流体処理容器の入口管と流体処理容器の出口管の間に配置され、且つ、出口管から入口管への流体流動を可能とし、入口管から出口管への流体流動を阻止するのに適合した第一逆止弁、及び、(e)第一逆止弁と流体処理容器の出口との間の位置で出口管に配置され、且つ、流体処理容器の出口から弁本体の入口端部の第三の口への流体流動を可能とし、第三の口から流体処理容器の出口への流体流動を阻止するのに適合した第二逆止弁、を含んでもよい。
【0010】
流体処理容器内に配置される流体処理用物質は、吸着剤物質、吸収剤物質、触媒物質、ゲッター物質、ろ過物質、及びそれらの組み合わせよりなる群から選ぶことができる。
【0011】
本発明の別の関連する態様は、
(a)開口部と内部を有する流体貯蔵容器、
(b)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、弁本体内に配置され、第三の口と外部口との間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含み、弁本体がシール可能に流体貯蔵容器の開口部に装着され、且つ、第一の口、第二の口、及び第三の口が流体貯蔵容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(c)流体処理容器であり、入口、出口、及び流体処理容器内に配置された処理用物質を含み、該容器を流れる流体を選択的に処理するのに適合している流体処理容器であって、流体貯蔵容器内に配置される流体処理容器、及び
(d)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む、流体貯蔵及び送給システムを含む。
【0012】
流体貯蔵容器は加圧ガスを収容することができ、そして加圧ガスは窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、貴ガス、又はガス混合物よりなる群から選ぶことができる。これとは別に、流体貯蔵容器は加圧液化ガスを収容してもよく、加圧液化ガスは塩化水素、臭化水素、フッ化水素、塩素、アンモニア、六フッ化タングステン、ジシラン、ジクロロシラン、トリメチルシラン、及び三塩化ホウ素よりなる群から選ぶことができる。
【0013】
流体貯蔵容器は、容器内部に配置され、且つ1種以上の化合物を発生するのに適合した反応装置システムを含んでもよく、この反応装置システムは容器内部に該1種以上の化合物を放出するのに適合する。
【0014】
流体処理容器内に配置される処理用物質は、吸着剤物質、吸収剤物質、触媒物質、ゲッター物質、ろ過物質、及びそれらの組み合わせよりなる群から選択することができる。
【0015】
本発明の随意的な態様は、
(a)次の(1)〜(4)、すなわち、
(1)開口部と内部を有する流体貯蔵容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含み、弁本体がシール可能に流体貯蔵容器の開口部に装着され、且つ第一の口、第二の口、及び第三の口が流体貯蔵容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、流体貯蔵容器内に配置され、且つ流体貯蔵容器の内部から供給されて流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む、加圧流体貯蔵及び送給システムを用意すること、
(b)第一弁と第二弁を閉鎖位置に保持しながら、流体を流体貯蔵容器に導入すること、
(c)第一弁と第二弁を開放して、それによりそれぞれの弁を開放位置にすること、及び
(d)第一弁を通して流体貯蔵容器から流体を取り出し、流体を流体処理容器に導入し、処理用物質との接触により流体を処理し、流体処理容器から処理した流体を取り出し、処理した流体を第二弁を通して送り、そして処理した流体を外部口を通して取り出すこと、
を含む、流体を貯蔵及び分配するための方法に関する。
【0016】
上記流体流動弁アセンブリは、弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の充填口、弁本体内に配置されて入口と出口を有する第三弁であって、弁が開放位置にある時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉鎖位置にある時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、及び第三弁の入口を弁本体の充填口に接続する第六流体流動路、を含んでもよい。流体貯蔵容器は、流体を、開放位置の第三弁を通して充填口に導入し、第一弁と第二弁を閉鎖位置に保持しながら流体貯蔵容器に導入して、そして第三弁を閉鎖位置にすることで流体貯蔵容器の充填を終了させることにより、充填することができる。
【0017】
該加圧流体貯蔵及び送給システムは、(5)流体処理容器の入口管と流体処理容器の出口管の間に配置され、出口管から入口管へ流体流動を可能とし、且つ入口管から出口管への流体流動を阻止するのに適合した第一逆止弁、及び、(6)第一逆止弁と流体処理容器の出口の間の位置で出口管に配置され、流体処理容器の出口から弁本体の入口端部の第三の口への流体流動を可能とし、且つ第三の口から流体処理容器の出口への流体流動を阻止するのに適合した第二逆止弁、を含んでもよい。流体貯蔵容器は、第一弁と第二弁を開放位置にし、流体を、第一弁を通し、第一逆止弁を通し、第二弁を通して製品送給口に導入し、そして流体貯蔵容器に導入して、第一弁と第二弁のそれぞれを閉鎖位置にすることにより流体貯蔵容器の充填を終了させることで、充填することができる。
【0018】
本発明の別の随意的な態様は、
(a)開口部と内部とを有する主容器、
(b)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(c)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、主容器内に配置され、且つ、主容器の内部から供給され該流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(d)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、及び
(e)主容器内に配置され、不純な化学製品を発生させて該不純な化学製品を主容器の内部に放出するのに適合した反応装置システム、
を含む、化学製品を発生させるためのシステムに関する。
【0019】
反応装置システムは、ヒ素含有金属から電気化学反応により湿ったアルシンガスを発生させるのに適合した電気化学アルシン発生装置であることができる。化学製品発生システムは、主容器の内部を大気圧より低い圧力に保つのに適合していてもよい。流体処理容器内に配置される処理用物質は、湿ったアルシンガスから水を除去するのに適合した乾燥用物質でもよい。
【0020】
本発明の更なる随意的な態様は、
(a)次の(1)〜(5)、すなわち、
(1)開口部と内部とを有する主容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、主容器内に配置され、且つ、主容器の内部から供給されて該流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、及び
(5)主容器内に配置され、不純な化学製品を発生させて該不純な化学製品を主容器の内部に放出するのに適合した反応装置システム、
を含む化学物質発生システムを用意すること、
(b)該不純化学製品を発生させて該不純化学製品を主容器の内部に放出すること、及び
(c)精製化学製品を提供するため、該不純化学製品を流体処理容器を通過させ、そして精製した化学製品を第二弁と弁本体の外部口を通して取り出すこと、
を含む、精製化学製品を発生させるための方法を含む。
【0021】
反応装置システムは、ヒ素含有金属から湿ったアルシンガスを電気化学反応により発生させるのに適合した電気化学アルシン発生装置であることができる。このシステムは、主容器の内部の大気圧より低い圧力を維持するよう操作してもよい。流体処理容器内に配置された乾燥用物質により湿ったアルシンガスから水を除去してもよい。
【0022】
本発明のなお別の態様は、
(a)次の(1)〜(4)、すなわち、
(1)開口部と内部とを有し、該内部に第一反応性成分が収容される主容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器の内部に配置された第一反応性成分を含む流体処理容器であって、主容器内に配置される流体処理容器、及び
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む化学物質発生システムを用意すること、
(b)第一反応性成分を第一弁を通して流体処理容器に送ること、
(c)第一反応性成分と第二反応性成分を反応させて製品成分を生成させ、該製品成分を流体処理容器から取り出すこと、及び
(d)該製品成分を第二弁と外部口を通して取り出すこと、
を含む、化学製品を発生させるための方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の態様では、主容器又は貯蔵容器内に位置する一つ以上の処理容器又はチャンバの隔離を可能にするために、単一本体の複弁式ボンベ弁アセンブリが使用される。この弁は、充填中、輸送中、又は貯蔵中の主容器内容物の連通を防止する。一つ又は複数の内部容器は、例えば貯蔵容器、反応装置、精製器、及び電解槽といったような、任意の処理機能性を有することができる。
【0024】
臨界温度を超えるガスを収容する高圧ガスボンベと平衡蒸気圧の飽和液体を収容する液化ガスボンベを包含する従来のガスボンベは、これらのガスと液体の安全な貯蔵と輸送のための手段を提供する。貯蔵ガスを取り出す際にそれを精製し、それにより超高純度のガス製品を供給する組み込み精製器をボンベ又は容器内に有する、貯蔵ボンベ又は容器が使用される傾向がある。本発明の態様はそのような組み込み精製器に適用することができる。
【0025】
また、本発の他の態様は、主容器又はボンベ内でガス状製品を貯蔵し又は発生させるための代替方法を含むこともできる。例えば、ボンベはアルシン(AsH3)を発生させるための内部電解槽を含むことができる。これとは別に、主容器又はボンベは、加圧下で固体吸着剤に吸着したガスを収容してもよく、圧力が下げられると排出のためにガスが放出される。これらのいずれにおいても、主容器又は貯蔵ボンベ内に位置する処理容器中の処理用物質との接触により、製品ガスを最終的に取り出す前に処理又は精製してもよい。単一本体の複弁式ボンベ弁アセンブリを貯蔵ボンベの出口に設置して、二つの様式のいずれで操作することもできる。ボンベの充填中、貯蔵中、及び輸送中に用いられる第一の様式では、ボンベ弁アセンブリの両方の弁は閉じられて、内部の処理容器中の処理用物質を貯蔵ボンベの内容物から隔離する。精製した製品ガスをボンベから取り出す際に使用される第二の様式では、ボンベ弁アセンブリの両方の弁は開放されて、貯蔵されていた又は発生したガスを最終の精製用にボンベから内部の処理容器を通して送る。
【0026】
主容器又はボンベ内に位置する一つ以上の内部処理容器又はチャンバは、いくつかの異なる単位操作を実行するのに適合させることができる。例えば、主容器又はボンベ内の電解発生装置によりアルシン(AsH3)を発生させる態様では、吸着剤乾燥用物質を収容した内部処理容器を使用して、発生させた未精製アルシンから水を除くことができる。ボンベの輸送時には、複弁式ボンベ弁アセンブリの両方の弁を閉じて、ボンベを大気から隔離し、且つ乾燥用物質を入れた内部処理容器を電解槽から隔離して輸送又は貯蔵中に槽からの水蒸気が吸着剤を飽和させるのを防止する。
【0027】
別の態様では、複弁式ボンベ弁アセンブリを現場でのガスの発生のために反応容器として操作されるボンベ内に装着してもよい。この用途においては、ボンベには二つの内部処理容器が取り付けられ、各処理容器は異なる反応物質を収容している。二つの容器は、複弁式ボンベ弁アセンブリの両方の弁を閉鎖することにより、輸送又は貯蔵中に隔離状態が維持される。システムを現場でのガスの発生用に操作するためには、二つの弁を開放することにより二つの内部処理容器を連通させて、反応物質が第一処理容器から第二処理容器に流れ、そこで反応が起こるようにし、そしてボンベからガス状製品を取り出す。
【0028】
第三の態様は、液体又は液化ガスの貯蔵、輸送及び精製のために、組み込み精製器の概念を使用することである。主容器又はボンベが流体を貯蔵し、内部処理容器又はチャンバが吸着剤精製物質を収容する。吸着剤を隔離したままにするよう両方の弁を閉鎖することにより、充填、輸送、及び貯蔵中は二つの区画を隔離する。次に、両方の弁を開放することによりボンベ内部と内部処理容器を流通させて、それにより貯蔵流体を吸着剤で精製し、精製した製品をボンベから取り出す。
【0029】
内部流体処理容器、流体流動弁アセンブリ、流体貯蔵容器、及び関連管類はステンレス鋼で製作することができ、好ましくはAISI316のようなオーステナイト系ステンレス鋼から製作することができる。これとは別に、一部の用途では、炭素鋼、低合金鋼、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金(例えばハステロイ(登録商標)C22等)、キュプロニッケル合金、及び他の同様の金属合金が好ましい。一部の選定された用途では、エンジニアリングポリマー(例えばポリフッ化ビニリデン(Kynar(登録商標)))、ガラス、セラミック物質等の非金属材料が実用的であろう。
【0030】
ボンベ内の流体は、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、貴ガス、又はガス混合物等の、臨界温度よりも高い任意のガスでよい。これとは別に、ボンベ内の流体は、共存する蒸気相と液相を含む圧縮液化ガスでもよい。典型的な圧縮液化ガスとしては、例えば、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、塩素、アンモニア、六フッ化タングステン、ジシラン、ジクロロシラン、トリメチルシラン、及び三塩化ホウ素を挙げることができる。あるいはまた、ここに列記されない他の圧縮液化ガスをボンベに貯蔵してもよい。
【0031】
ここで流体又はガス流に適用される「処理」という用語は、流れの物理的及び/又は化学的性質を変化させるいずれかの操作と定義される。処理としては、例えば、吸着作用による精製、吸収作用による精製、ゲッタリング、化学反応、電気化学反応、及びスクラビングを挙げることができる。
【0032】
原文明細書で用いられる不定冠詞「a」及び「an」は、明細書及び特許請求の範囲に記載される本発明の態様におけるいずれの態様に適用される場合にも、1又はそれ以上を意味する。「a」及び「an」の使用は、そのように限定することが特記されない限り、単一のものを意味することに限定しない。単数又は複数名詞又は名詞句に先立つ定冠詞「the」は、特に指定される1又は複数のものを示すものであり、それが用いられる文脈に応じて単数又は複数を内包的に意味することが可能である。形容詞「any」は、どんな量であるかには無関係に、一つ、いくつか、又は全てを意味する。第一要素と第二要素の間に置かれた用語「及び/又は」は、(1)第一要素、(2)第二要素、及び(3)第一要素と第二要素、のうちの一つを意味する。
【0033】
本発明の典型的な態様を図1の概略図に示す。この図では、複弁式の流体流動弁アセンブリ1が、ボンベ本体5にシール可能に取り付け又は接続された上部3を含むボンベ2に装着される。弁アセンブリは、管継手ネジシール、溶接、シールしたフランジ、又は他の任意の適切な方法により、上部3に取り付けることができる。上部3は、本体5にシール7により取り付けられ、このシールは図示のようにシール面の間で圧縮される、例えばOリング又はガスケットシールでよい。あるいはまた、フランジ付きのシールを使用してもよい(図示せず)。別の態様では、複弁式の流体流動弁アセンブリ1は、高圧ガスボンベにネジで装着してもよい(図示せず)。
【0034】
弁アセンブリ1は、それぞれ外部ハンドル又はレンチコネクタ15及び17を有する統合第一弁11及び統合第二弁13を含む弁本体9を含む。弁本体の入口端部は図示のように上部3にシール可能に挿入され、入口端部は3つの口19、21、23を有し、そして弁本体は出口25を有する。弁11の出口は流体流動路27を介して口19に接続され、弁11の入口は流体流動路29を介して口21に接続される。弁13の入口は流体流動路31を介して口23に接続され、弁13の出口は出口25に接続される。ボンベ本体5の内部には流体処理容器33が位置し、この容器は入口35と出口37を有する。口19と入口35は入口管36で接続され、口23と出口37は出口管39で接続される。流体処理容器は、例えば吸着剤物質、吸収剤物質、触媒物質、ゲッター物質、ろ過物質を始めとする、処理用物質を収容する。
【0035】
弁11が閉じられると、ボンベ2内の流体又はガスは流体処理容器33の処理用物質から隔離される。弁13が閉じられると、システム全体が周囲外気から隔離される。弁11と13が開放されると、ボンベ内部からの流体又はガスが、口21、流路29、弁11、流路27、口19、及び入口管37を通り処理容器33中へと流れる。この流体又はガスは容器33内で反応し又は精製されて、精製された製品は出口管39、口23、流路31、弁13、出口25を通って流れる。
【0036】
本発明の態様では、ボンベ2の内部にガスを内部で発生させるのに適合したガス発生装置41が含まれる。この発生装置は、例えば、アルシン(AsH3)製造用の電解発生装置でよい。この態様では、ヒ素含有金属から湿ったアルシンガスが電気化学反応で製造されて、ボンベ2の内部へ流入し、そして処理容器33内の乾燥用吸着剤物質を通過することにより精製される。ボンベの輸送及び貯蔵中は、弁11と13が閉じられて乾燥用吸着剤物質をガス発生装置41から隔離し、操作中は弁11と13は開放される。
【0037】
ボンベ本体5には液体又は液化ガスを充填することができ、上部3が本体にシール可能に接続されてボンベ2を形成する。これとは別に、ボンベ2は、シールして閉じてから、別の充填管路と弁(図示せず)によって充填してもよい。もう一つの態様では、追加の外部口に接続した入口と、この入口で弁本体9の第四の口に第四流体流動路を介して接続した出口とを有する別の統合弁(図示せず)を含むように、弁本体9を変更してもよい。この追加の外部口と弁をボンベ2を充填するのに使用することができる。
【0038】
ボンベ2を充填するための別の態様を図2に示す。この態様では、図示のように入口管36と出口管39の間に逆止弁43を取り付けることにより、処理容器33の入口及び出口の管類を変更する。逆止弁43は出口管39から入口管36への流れを可能とし、その逆方向の流れを阻止する。出口管39には図示のように逆止弁45が取り付けられ、処理容器33からの流れを可能とし、処理容器33への逆方向の流れを阻止する。この変更は、弁11と13を開放し出口25を介して流体を導入することにより、シールされたボンベ2を充填するのに使用することができる。流体は、弁13、流路31、管39、逆止弁43、管36、流路27、弁11、及び流路29を通りボンベ2の内部へ流入する。流体を弁13を介してボンベから取り出すときには、弁アセンブリは図1を参照して述べた上記の様式で動作する。
【0039】
図1の態様では、弁11はハンドル15で作動される弁内にシール又はシール機構を有し、弁が開放した時に流路29から流路27への流体の流れを可能とし、弁が閉じた時には流路29から流路27への流体の流れを阻止する。同様に図1の態様では、弁13はハンドル17で作動される弁内にシール又はシール機構を有し、弁が開放した時に流路31から出口25への流体の流れを可能とし、弁が閉じ時には流路31から出口25への流体の流れを阻止する。
【0040】
図2の態様では、弁11内のシール又はシール機構が、弁が開放した時に流路29から流路27への又は流路27から流路29への流体の流れを可能とし(どちらの操作様式が使用されるかに依存して)、弁が閉じた時には流路29から流路27への又は流路27から流路29への流体の流れを阻止する(どちらの操作様式が使用されるかに依存して)。同様に図2の態様では、弁13内のシール又シール機構が、弁が開放した時に出口25から流路31への又は流路31から出口25への流体の流れを可能とし(どちらの操作様式が使用されるかに依存して)、弁が閉じた時には出口25から流路31への又は流路31から出口25への流体の流れを阻止する(どちらの操作様式が使用されるかに依存して)。
【0041】
弁11と17のいずれか又は両方は、シール又はシール機構がそれぞれハンドル15及び/又は17によって作動されるダイヤフラムであるダイヤフラム式の弁であることができる。あるいはまた、弁11と17のいずれか又は両方は、同等のシール機能を提供する当該技術分野で既知の他のどのようなタイプの弁であってもよい。
【0042】
図1と2のシステムは、別の処理機能のために使用してもよい。例えば、反応性成分Aをボンベ2の内部に貯蔵し、もう一つの反応性成分Bを処理容器33に貯蔵してもよい。成分AとBは弁11と13が閉じている時に隔離される。弁11と13を開放すると、成分Aは流路29、弁11、流路36を通って処理容器33へ流入し、そこで成分AとBが反応して一つ以上の反応生成物を生成する。これらの反応生成物は、出口管39、流路31、弁13、そして口25を通して取り出される。もう一つの態様では、二つの容器をボンベ2内に取り付けることができ、一方の容器は反応性成分Aを収容し、他方は反応性成分Bを収容する。これらの容器はボンベ2内に、両者を隔離することができ、且つボンベ2が二つの容器を安全に封じ込めることができるように取り付けられる。これは、弁45と流路31への入口との間の出口管路39に第二内部容器(図示せず)を配置する図2のシステムの変更でもって行うことができる。成分Aは容器33内に加圧下で貯蔵され、成分Bは第二内部容器内に加圧下で貯蔵される。成分AとBは、弁11と13の閉鎖時に隔離される。弁11と13を開放すると、成分Aは逆止弁45を通って第二内部容器に流入し、そこで成分Bと反応して一つ以上の製品成分を生成し、そしてそれはその後、流路31、弁13、及び口25を通って流れる。
【0043】
上記の単一本体の複弁式ボンベ弁アセンブリの一例を図3の外観図に示す。図1を参照して先に説明したように、弁本体9は二つの統合内部弁と、流体流動路を有する。二つの内部弁11と13は、それぞれハンドル301と303で操作される。あるいはまた、ハンドル301に代えて安全目的ためにレンチ操作弁ステムを用いてもよい。入口端部305は、必要に応じネジ式のボンベ入口又はフランジ式のボンベ上部への挿入のためにネジ切りしてもよい。出口307は図1の出口25に対応する。
【0044】
図3の4−4断面を図4に示し、この図において弁401は図1の弁13に対応し、流体流動路403、405、407はそれぞれ図1の流路31、29、27に対応する。図4の口409、411、413は、それぞれ図1の口23、21、19に対応する。図4は、例えばシール可能なネジ接続による、典型的なボンベ415への、単一本体の複弁式ボンベ弁アセンブリの装着を示している。典型的なボンベキャップ417を使用して、必要に応じ輸送及び貯蔵中におけるボンベ弁アセンブリを保護してもよい。
【0045】
図5は図3の外観図を90度回転したものであり、本体9、ハンドル301、及びハンドル303を示している。図6は図5の6−6断面であり、それぞれ図1の弁13と15に対応する弁401と601を示している。出口307は図1の出口25に対応し、流体流動路405は流路29に対応し、口411は口21に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の態様による流体貯蔵及び送給システムの概略断面図である。
【図2】本発明の別の態様による流体貯蔵及び送給システムの概略断面図である。
【図3】図1と2の流体貯蔵及び送給システムで使用するための流体流動弁アセンブリの側面図である。
【図4】図3の流体流動弁アセンブリの4−4線断面図である。
【図5】図3の流体流動弁アセンブリを90度回転した側面図である。
【図6】図5の流体流動弁アセンブリの6−6線断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部口と少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体と、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁と、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁とを含む流体流動弁アセンブリ。
【請求項2】
(a)外部口と、少なくとも三つの口を有する入口端部とを有する弁本体、
(b)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第一シールとを有する第一弁、
(c)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第二シールとを有する第二弁、
(d)第一弁の入口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する第一流体流動路及び第一弁の出口を弁本体の入口端部の第二の口に接続する第二流体流動路、及び
(e)第二弁の入口と弁本体の入口端部の第三の口とを接続する第三流体流動路及び第二弁の出口を弁本体の外部口に接続する第四流体流動路、
を含む流体流動弁アセンブリ。
【請求項3】
弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の追加の外部口、弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三シールとを有する第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、及び、第三弁の入口を弁本体の追加の外部口に接続する第六流体流動路、を更に含む、請求項2に記載の流体流動弁アセンブリ。
【請求項4】
第一及び第二シールのいずれも、入口と出口の間の流体流動を阻止するために入口と出口に対しシール可能に押し付けられるのに適合した可撓性ダイヤフラムを含む、請求項2に記載の流体流動弁アセンブリ。
【請求項5】
(a)次の(1)〜(5)、すなわち、
(1)外部口と少なくとも三つの口を備えた入口端部とを有する弁本体、
(2)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第一シールとを有する第一弁、
(3)弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第二シールとを有する第二弁、
(4)第一弁の入口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する第一流体流動路及び第一弁の出口を弁本体の入口端部の第二の口に接続する第二流体流動路、
(5)第二弁の入口と弁本体の入口端部の第三の口とを接続する第三流体流動路及び第二弁の出口を弁本体の外部口に接続する第四流体流動路、
を有する流体流動弁アセンブリ、
(b)流体処理容器であって、入口と、出口と、容器内に配置された処理用物質とを含み、容器を流れる流体を処理するのに適合している流体処理容器、及び
(c)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む流体流動弁及び流体処理容器アセンブリ。
【請求項6】
弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の追加の外部口、弁本体内に配置され、入口と、出口と、弁が開いた時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉じた時に入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三シールとを有する第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、及び、第三弁の入口を弁本体の追加の外部口に接続する第六流体流動路、を更に含む、請求項4に記載の流体流動弁及び流体処理容器アセンブリ。
【請求項7】
(d)流体処理容器の入口管と流体処理容器の出口管の間に配置され、且つ、出口管から入口管への流体流動を可能とし、入口管から出口管への流体流動を阻止するのに適合した第一逆止弁、及び
(e)第一逆止弁と流体処理容器の出口との間の位置で出口管に配置され、且つ、流体処理容器の出口から弁本体の入口端部の第三の口への流体流動を可能とし、第三の口から流体処理容器の出口への流体流動を阻止するのに適合した第二逆止弁、を含む、請求項5に記載の流体流動弁及び流体処理容器アセンブリ。
【請求項8】
流体処理容器内に配置される流体処理用物質が、吸着剤物質、吸収剤物質、触媒物質、ゲッター物質、ろ過物質、及びそれらの組み合わせよりなる群から選ばれる、請求項5に記載の流体流動弁及び流体処理容器アセンブリ。
【請求項9】
(a)開口部と内部を有する流体貯蔵容器、
(b)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、弁本体内に配置され、第三の口と外部口との間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含み、弁本体がシール可能に流体貯蔵容器の開口部に装着され、且つ、第一の口、第二の口、及び第三の口が流体貯蔵容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(c)流体処理容器であり、入口、出口、及び流体処理容器内に配置された処理用物質を含み、該容器を流れる流体を選択的に処理するのに適合している流体処理容器であって、流体貯蔵容器内に配置される流体処理容器、及び
(d)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む流体貯蔵及び送給システム。
【請求項10】
流体貯蔵容器が加圧ガスを収容する、請求項9に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項11】
加圧ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、貴ガス、又はガス混合物よりなる群から選ばれる、請求項10に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項12】
流体貯蔵容器が加圧液化ガスを収容する、請求項9に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項13】
加圧液化ガスが、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、塩素、アンモニア、六フッ化タングステン、ジシラン、ジクロロシラン、トリメチルシラン、及び三塩化ホウ素よりなる群から選ばれる、請求項12に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項14】
流体貯蔵容器が更に、容器内部に配置され、且つ1種以上の化合物を発生するのに適合した反応装置システムを含み、この反応装置システムは容器内部に該1種以上の化合物を放出するのに適合している、請求項9に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項15】
流体処理容器内に配置される処理用物質が、吸着剤物質、吸収剤物質、触媒物質、ゲッター物質、ろ過物質、及びそれらの組み合わせよりなる群から選ばれる、請求項9に記載の流体貯蔵及び送給システム。
【請求項16】
(a)次の(1)〜(4)、すなわち、
(1)開口部と内部を有する流体貯蔵容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含み、弁本体がシール可能に流体貯蔵容器の開口部に装着され、且つ第一の口、第二の口、及び第三の口が流体貯蔵容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、流体貯蔵容器内に配置され、且つ流体貯蔵容器の内部から供給されて流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む、加圧流体貯蔵及び送給システムを用意すること、
(b)第一弁と第二弁を閉鎖位置に保持しながら、流体を流体貯蔵容器に導入すること、
(c)第一弁と第二弁を開放して、それによりそれぞれの弁を開放位置にすること、及び
(d)第一弁を通して流体貯蔵容器から流体を取り出し、流体を流体処理容器に導入し、処理用物質との接触により流体を処理し、流体処理容器から処理した流体を取り出し、処理した流体を第二弁を通して送り、そして処理した流体を外部口を通して取り出すこと、
を含む流体の貯蔵及び分配方法。
【請求項17】
流体流動弁アセンブリが、弁本体の入口端部の第四の口、弁本体の充填口、弁本体内に配置されて入口と出口を有する第三弁であって、弁が開放位置にある時に入口から出口への流体流動を可能とし、弁が閉鎖位置にある時には入口から出口への流体流動を阻止するのに適合した第三弁、第三弁の出口と弁本体の入口端部の第四の口とを接続する第五流体流動路、及び第三弁の入口を弁本体の充填口に接続する第六流体流動路、を更に含み、流体を開放位置の第三弁を通して充填口に導入し、第一弁と第二弁を閉鎖位置に保持しながら流体貯蔵容器に導入して、そして第三弁を閉鎖位置にすることで流体貯蔵容器の充填を終了させることにより、流体貯蔵容器を充填する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
加圧流体貯蔵及び送給システムが、(5)流体処理容器の入口管と流体処理容器の出口管の間に配置され、出口管から入口管へ流体流動を可能とし、且つ入口管から出口管への流体流動を阻止するのに適合した第一逆止弁、及び(6)第一逆止弁と流体処理容器の出口の間の位置で出口管に配置され、流体処理容器の出口から弁本体の入口端部の第三の口への流体流動を可能とし、且つ第三の口から流体処理容器の出口への流体流動を阻止するのに適合した第二逆止弁、を更に含み、第一弁と第二弁を開放位置にし、流体を、第一弁を通し、第一逆止弁を通し、第二弁を通して製品送給口に導入し、そして流体貯蔵容器に導入して、第一弁と第二弁のそれぞれを閉鎖位置にすることにより流体貯蔵容器の充填を終了させることにより、流体貯蔵容器を充填する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
(a)開口部と内部とを有する主容器、
(b)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(c)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、主容器内に配置され、且つ、主容器の内部から供給され該流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(d)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、及び
(e)主容器内に配置され、不純な化学製品を発生させて該不純な化学製品を主容器の内部に放出するのに適合した反応装置システム、
を含む化学製品発生システム。
【請求項20】
該反応装置システムが、ヒ素含有金属から電気化学反応により湿ったアルシンガスを発生させるのに適合した電気化学アルシン発生装置である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
化学製品発生システムが主容器の内部を大気圧より低い圧力に保つのに適合している、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
流体処理容器内に配置される処理用物質が、湿ったアルシンガスから水を除去するのに適合した乾燥用物質である、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
(a)次の(1)〜(5)、すなわち、
(1)開口部と内部とを有する主容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器内に配置された処理用物質を含む流体処理容器であって、主容器内に配置され、且つ、主容器の内部から供給されて該流体処理容器を流れる流体を処理するのに適合した流体処理容器、
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
(5)主容器内に配置され、不純な化学製品を発生させて該不純な化学製品を主容器の内部に放出するのに適合した反応装置システム、
を含む化学物質発生システムを用意すること、
(b)該不純化学製品を発生させて該不純化学製品を主容器の内部に放出すること、及び
(c)精製化学製品を提供するため、該不純化学製品を流体処理容器を通過させ、そして精製化学製品を第二弁と弁本体の外部口を通して取り出すこと、
を含む、精製化学製品発生方法。
【請求項24】
反応装置システムが、ヒ素含有金属から湿ったアルシンガスを電気化学反応により発生させるのに適合した電気化学アルシン発生装置である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
化学製品を発生させるためのシステムを主容器の内部の大気圧より低い圧力を維持するよう操作する、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
流体処理容器内に配置された乾燥用物質により湿ったアルシンガスから水を除去する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
(a)次の(1)〜(4)、すなわち、
(1)開口部と内部とを有し、該内部に第一反応性成分が収容される主容器、
(2)外部口と、少なくとも第一の口、第二の口、及び第三の口を有する入口端部とを有する弁本体、弁本体内に配置され、第一の口と第二の口の間の流体流動を制御するのに適合した第一弁、及び、弁本体内に配置され、第三の口と外部口の間の流体流動を制御するのに適合した第二弁を含む流体流動弁アセンブリであって、弁本体が主容器の開口部にシール可能に装着され、そして第一の口、第二の口、及び第三の口が主容器内に位置する流体流動弁アセンブリ、
(3)流体処理容器であり、入口、出口、及び該流体処理容器の内部に配置された第一反応性成分を含む流体処理容器であって、主容器内に配置される流体処理容器、
(4)流体処理容器の入口と弁本体の入口端部の第二の口とを接続する入口管及び流体処理容器の出口と弁本体の入口端部の第一の口とを接続する出口管、
を含む化学物質発生システムを用意すること、
(b)第一反応性成分を第一弁を通して流体処理容器に送ること、
(c)第一反応性成分と第二反応性成分を反応させて製品成分を生成させ、該製品成分を流体処理容器から取り出すこと、及び
(d)該製品成分を第二弁と外部口を通して取り出すこと、
を含む、化学製品発生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−54821(P2007−54821A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−113521(P2006−113521)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】