説明

複素環誘導体および治療薬としてのそれらの使用

本明細書中には、哺乳動物(好ましくは、ヒト)におけるSCD媒介疾患または病態を治療する方法が開示されており、ここで、この方法は、それを必要とする哺乳動物に、式(I)の化合物を投与する工程を包含する:


ここで、x、y、G、J、K、L、M、V、R、R、R、R、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、本明細書中で定義されている。式(I)の化合物を含有する医薬組成物もまた、本明細書中に開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般的に、複素環誘導体のようなステアロイル−CoAデサチュラーゼのインヒビター、ならびにステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)酵素(好ましくは、SCD1)によって媒介される疾患(特に、高い脂質レベルに関連する疾患、心臓血管疾患、糖尿病、肥満症、代謝症候群など)を含む、種々のヒトの疾患の処置および/または予防におけるこのような化合物の使用の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
アシルデサチュラーゼ酵素(acyl desaturase enzymes)は、食事性の供給源または肝臓におけるデノボ合成に由来する脂肪酸の二重結合の形成を触媒する。哺乳動物は、Δ−9位、Δ−6位およびΔ−5位における二重結合の付加を触媒する鎖長特異性が異なる少なくとも3つの脂肪酸デサチュラーゼを合成する。ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)は、飽和脂肪酸のC9−C10位にて二重結合を導入する。好ましい基質は、パルミトイル−CoA(16:0)およびステアロイル−CoA(18:0)であり、それらは、それぞれ、パルミトレオイル−CoA(16:1)およびオレオイル−CoA(18:1)に変換される。生じるモノ不飽和脂肪酸は、リン脂質、トリグリセリド、およびコレステリルエステルへの組み込みのための基質である。
【0003】
多くの哺乳動物のSCD遺伝子が、クローニングされている。例えば、2種の遺伝子(SCD1、SCD2)が、ラットからクローニングされており、そして4種のSCD遺伝子(SCD1、SCD2、SCD3、およびSCD4)が、マウスから単離されている。SCDの基本的な生化学的役割は、1970年代以来、ラットとマウスにおいて公知であった(非特許文献1;非特許文献2)が、つい最近、それはヒトの疾患プロセスに直接関与しているとされた。
【0004】
単一のSCD遺伝子であるSCD1は、ヒトにおいて特徴付けられてきた。SCD1は、Brownlieら、特許文献1(その開示は、その全体が本明細書中参考として援用される)に記載される。最近、第2のヒトSCDのアイソフォームが、同定され、そしてそれは、マウスのアイソフォームまたはラットのアイソフォームのどちらか一方に対して配列相同性をほとんど有さないので、ヒトSCD5すなわちhSCD5と命名された(特許文献2(その全体が、本明細書中に参考として援用される))。
【0005】
現在まで、SCD活性を特異的に阻害するかまたは調節する、非低分子の、薬物のような化合物は、知られていない。特定の長鎖の炭化水素は、歴史的にSCD活性を研究するために使用されてきた。公知の例としては、チア脂肪酸、シクロプロペノイド脂肪酸および特定の共役リノール酸異性体が挙げられる。具体的には、シス−12,トランス−10共役リノール酸は、SCD酵素活性を阻害し、多量のSCD1 mRNAを減少させると考えられる一方で、シス−9,トランス−11共役リノール酸にはこうした作用はない。ステルクリア(stercula)および綿実に見出されるようなシクロプロペノイド脂肪酸もまた、SCD活性を阻害することが公知である。例えば、ステルクリン酸(8−(2−オクチルシクロプロペニル)オクタン酸)およびマルバル酸(7−(2−オクチルシクロプロペニル)ヘプタン酸)は、ステルクロイル脂肪酸(sterculoyl fatty acid)のC18誘導体およびマルバロイル脂肪酸(malvaloyl fatty acid)のC16誘導体であり、それぞれ、それらのC9−C10位にシクロプロペン環を有する。これらの因子は、上記酵素との直接相互作用によってSCD酵素活性を阻害し、それによってΔ−9不飽和化を阻害すると考えられる。SCD活性を阻害し得る他の因子としては、9−チアステアリン酸(8−ノニルチオオクタン酸とも称される)およびスルホキシ部分を有する他の脂肪酸のようなチア脂肪酸が挙げられる。
【0006】
Δ−9デサチュラーゼ活性のこれらの公知の調節因子は、SCD1の生物学的活性に関連している疾患および障害を処置するのに有効ではない。公知のSCDインヒビター化合物のいずれもが、SCDまたはΔ−9デサチュラーゼに選択的ではない。なぜならそれらの化合物はまた、他のデサチュラーゼおよび酵素を阻害するからである。チア脂肪酸、共役リノール酸およびシクロプロペン脂肪酸(マルバル酸およびステルクリン酸)は、適度の生理学的用量において有用ではなく、それらはSCD1の生物学的活性の特異的インヒビターでもなく、むしろそれらは他のデサチュラーゼ(特に、Δ−5デサチュラーゼおよびΔ−6デサチュラーゼ)の、シクロプロペン脂肪酸による交差阻害を示す。
【0007】
現在、SCD活性が一般的なヒトの疾患プロセスに直接かかわっているという証拠に、説得力があるので、SCD酵素活性の低分子インヒビターが存在しないことは、大きな科学的および医学的な失望である:例えば、非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5を参照のこと。
【特許文献1】国際公開第WO01/62954号パンフレット
【特許文献2】国際公開第WO02/26944号パンフレット
【非特許文献1】Jeffcoat,Rら、Elsevier Science、1984年、第4巻、p.85−112
【非特許文献2】de Antueno,RJ、Lipids、1993年、第28巻、第4号、p.285−290
【非特許文献3】Attie,A.D.ら、「Relationship between stearoyl−CoA desaturase activity and plasma triglycerides in human and mouse hypertriglyceridemia」、J.Lipid Res.、2002年、第43巻、第11号、p.1899−907
【非特許文献4】Cohen,P.ら、「Role for stearoyl−CoA desaturase−1 in leptin−mediated weight loss」、Science、2002年、第297巻、第5579号、p.240−3
【非特許文献5】Ntambi,J.M.ら、「Loss of stearoyl−CoA desaturase−1 function protects mice against adiposity」、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.、2002年、第99巻、第7号、p.11482−6
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、SCD活性を調節すること、および脂質レベル(特に、血漿脂質レベル)を制御することにおいて有用であり、かつSCD媒介性疾患(例えば、異脂肪血症および脂質の代謝に関する疾患(特に脂質レベルの上昇に関する疾患)、心血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなど)の処置において有用な、新しい種類の化合物を提示することによって、上記課題を解決する。
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、ステアロイル−CoA不飽和化酵素の活性を調節する複素環誘導体を提供する。このような誘導体を使用してステアロイル−CoA不飽和化酵素の活性を調節する方法およびこのような誘導体を含有する医薬組成物もまた、包含される。
【0010】
従って、1局面では、本発明は、それらの立体異性体、鏡像異性体または互変異性体として、立体異性体の混合物として、それらの薬学的に受容可能な塩として、あるいはそれらのプロドラッグとしての式(I)の化合物を提供する:
【0011】
【化6】

ここで:
xおよびyは、それぞれ別個に、0、1、2または3である;
Gは、−N(R)−、−O−、−S(O)−(ここで、tは、0、1または2である)、−C(R)=または−C(R)=C(R)−である;
JおよびKは、それぞれ別個に、NまたはC(R10)である;
LおよびMは、それぞれ別個に、−N=または−C(R)=であるが、但し、Gが−C(R)=または−C(R)=C(R)−であるとき、LおよびMは、両方とも−C(R)=にはなり得ない;
Vは、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)、または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である;
各Rは、別個に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキルおよびC〜C19アラルキルからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリール、およびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;
あるいは2個の隣接R基は、それらが結合する炭素と一緒になって、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系を形成し得る;
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはRおよびR5aは、一緒になって、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR7aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基であるが、但し、Vが−C(O)−であるとき、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基を形成しないのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはR、R5a、RおよびR6aの1個は、R、R7a、RおよびR8aの1個と一緒になって、直接結合またはアルキレン架橋を形成するのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、R、およびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
各Rは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;そして
10は、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキルまたはC〜C12アルコキシから選択される。
【0012】
上記のように、式(I)の化合物または組成物に関連した本発明の範囲は、先の刊行物において具体的に開示および/または請求された化合物または組成物(これには、以下の刊行物で具体的に開示された化合物が挙げられるが、これらに限定されない)を包含するとは解釈されないことが分かる:
PCT公開特許出願、WO 2005/040136
PCT公開特許出願、WO 2005/009976
PCT公開特許出願、WO 2005/003087
PCT公開特許出願、WO 04/09587
PCT公開特許出願、WO 03/91247
PCT公開特許出願、WO 96/01822
PCT公開特許出願、WO 96/01818
PCT公開特許出願、WO 94/26720
ドイツ特許第4423044号
日本特許第10007572号
別の局面では、本発明は、哺乳動物(好ましくは、ヒト)におけるSCD媒介疾患または病態を治療する方法であって、ここで、該方法は、それを必要とする哺乳動物に、上述のような本発明の化合物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0013】
別の局面では、本発明は、SCD生物活性に関連した疾患または病態(例えば、心血管障害および/またはメタボリックシンドローム(異脂肪血症、インシュリン耐性および肥満を含めて)を包含する疾患)を治療、予防および/または診断際に有用な化合物または医薬組成物を提供する。
【0014】
別の局面では、本発明は、上昇した脂質レベル(例えば、血漿脂質レベル(特に、上昇したトリグリセリドまたはコレステロールレベル))に苦しむ患者における患者において、このような上昇したレベルに関連した疾患または病態を予防または治療する方法を提供し、該方法は、該患者に、本明細書中で開示した組成物の治療または予防有効量を投与する工程を包含する。本発明はまた、動物における脂質レベル(特に、トリグリセリドまたはコレステロールレベル)を低下させる治療性能を有する新規化合物に関する。
【0015】
別の局面では、本発明は、上述のような本発明の化合物と薬学的に受容可能な賦形剤とを含有する医薬組成物を提供する。1実施態様では、本発明は、動物(好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒト)患者に投与したとき、薬学的に受容可能な担体中にて、トリグリセリドレベルを調節するか異脂肪血症に関連した疾患および脂質代謝障害を治療するのに有効な量で、本発明の化合物を含有する医薬組成物に関する。このような組成物の実施態様では、該患者は、該化合物の投与前に、上昇した脂質レベル(例えば、上昇した血漿トリグリセリドまたはコレステロール)を有し、そして該化合物は、該脂質レベルを低下させるのに有効な量で、存在している。
【0016】
別の局面では、本発明は、ステアロイル−CoA不飽和化酵素(SCD)により媒介される疾患または病態に対して患者を治療するか、これらの発症から患者を保護する方法を提供し、該方法は、このような疾患または病態に苦しむ患者、あるいはこのような疾患または病態を発症するリスクがある患者に、そこに投与したときに患者におけるSCDの活性を阻害する化合物の治療有効量を投与する工程を包含する。
【0017】
別の局面では、本発明は、本明細書中で開示された方法により同定された化合物を利用して、脂質代謝が関与している一定範囲の疾患を治療する方法を提供する。それに従って、本明細書中では、試験化合物のライブラリから、該SCDの生物活性を調節し脂質(例えば、トリグリセリド、VLDL、HDL、LDL、および/または全コレステロール)の血清レベルに関連したヒトの障害または病態を治療する際に有用な治療薬を同定するスクリーニングアッセイに基づいて、該活性を有する一定範囲の化合物が開示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書中で命名された特定の化学基の前には、略記表示があり、これは、指定された化学基に存在している炭素原子の全数を示す。例えば;C〜C12アルキルは、以下で定義するように、全体で7個〜12個の炭素原子を有するアルキル基を記述し、そしてC〜C12シクロアルキルアルキルは、以下で定義するように、全体で4個〜12個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキル基を記述する。この略記表示における炭素の全数には、記述した基の置換基に存在し得る炭素を含まない。
【0019】
従って、本明細書および添付の請求の範囲で使用する以下の用語は、特に明記しない限り、以下で示した意味を有する:
「メトキシ」とは、−OCHラジカルを意味する。
【0020】
「シアノ」とは、−CNラジカルを意味する。
【0021】
「ニトロ」とは、−NOラジカルを意味する。
【0022】
「トリフルオロメチル」とは、−CFラジカルを意味する。
【0023】
「オキソ」とは、=O置換基を意味する。
【0024】
「チオキソ」とは、=S置換基を意味する。
【0025】
「アルキル」とは、炭素原子および水素原子だけからなり、不飽和を含まず、1個〜12個の炭素原子、好ましくは、1個〜8個の炭素原子または1個〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝炭化水素鎖ラジカルを意味し、これは、単結合により、分子の残りに結合されている(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)など)。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、アルキル基は、必要に応じて、以下の基の1個で置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)であって、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(これは、必要に応じて、ハロまたはハロアルキルから選択される1個またはそれ以上の基で置換されている)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、特に明記しない限り、非置換である。
【0026】
「C〜Cアルキル」とは、1個〜3個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0027】
「C〜Cアルキル」とは、1個〜6個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0028】
「C〜C12アルキル」とは、1個〜12個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0029】
「C〜Cアルキル」とは、2個〜6個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0030】
「C〜Cアルキル」とは、3個〜6個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0031】
「C〜C12アルキル」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0032】
「C〜C12アルキル」とは、6個〜12個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0033】
「C〜C12アルキル」とは、7個〜12個の炭素原子を含有するアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルキルラジカルは、必要に応じて、アルキル基について定義したように、置換され得る。
【0034】
「アルケニル」とは、炭素原子および水素原子だけからなり、少なくとも1個の二重結合を含有し、2個〜12個の炭素原子、好ましくは、1個〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝炭化水素鎖ラジカルを意味し、これは、単結合により、分子の残りに結合されている(例えば、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなど)。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、アルケニル基は、必要に応じて、以下の基の1個で置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)であって、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、非置換である。
【0035】
「C〜C12アルケニル」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するアルケニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルケニルラジカルは、必要に応じて、アルケニル基について定義したように、置換され得る。
【0036】
「C〜C12アルケニル」とは、2個〜12個の炭素原子を含有するアルケニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルケニルラジカルは、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0037】
「アルキレン」および「アルキレン鎖」とは、分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素だけからなり、不飽和および1個〜12個の炭素原子、好ましくは、1個〜8個の炭素を含有する直鎖または分枝二価炭化水素鎖を意味する(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなど)。このアルキレン鎖は、鎖内の1個の炭素または鎖内の任意の2個の炭素を介して、分子の残りをラジカル基に結合し得る。このアルキレン鎖は、必要に応じて、以下の基の1個で置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)であって、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(これは、必要に応じて、ハロまたはハロアルキルから選択される1個またはそれ以上の基で置換されている)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、特に明記しない限り、非置換である。
【0038】
「アルケニレン」および「アルケニレン鎖」とは、分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素だけからなり、少なくとも1個の二重結合を含有し、そして2個〜12個の炭素原子を有する直鎖または分枝二価炭化水素鎖を意味する(例えば、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレンなど)。このアルケニレン鎖は、単結合を介して、分子の残りに結合され、そして二重結合または単結合を介して、このラジカルに結合されている。このアルケニレン鎖が分子の残りおよびラジカルに結合する点は、鎖内の1個の炭素または任意の2個の炭素を介し得る。このアルケニレン鎖は、必要に応じて、以下の基の1個で置換され得る:アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、−OR14、−OC(O)−R14、−N(R14、−C(O)R14、−C(O)OR14、−C(O)N(R14、−N(R14)C(O)OR16、−N(R14)C(O)R16、−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)であって、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール(これは、必要に応じて、ハロまたはハロアルキルから選択される1個またはそれ以上の基で置換されている)、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、特に明記しない限り、非置換である。
【0039】
「アルキレン架橋」とは、同じ環構造の2個の炭素を連結し、炭素および水素だけからなり、不飽和を含有せず、そして1個〜12個の炭素原子、好ましくは、1個〜8個の炭素を有する直鎖または分枝二価炭化水素架橋を意味する(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなど)。このアルキレン架橋は、環構造内の任意の2個の炭素を連結し得る。
【0040】
「アルコキシ」とは、式−ORのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)である。このアルコキシラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキルラジカルについて上で定義したように、置換され得る。
【0041】
「C〜Cアルコキシ」とは、1個〜6個の炭素原子を含有するアルコキシラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルコキシラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0042】
「C〜C12アルコキシ」とは、1個〜12個の炭素原子を含有するアルコキシラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルコキシラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0043】
「C〜C12アルコキシ」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するアルコキシラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルコキシラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0044】
「アルコキシアルキル」とは、式−R−O−Rのラジカルを意味し、ここで、各Rは、別個に、アルキルラジカル(これは、上で定義した)である。この酸素原子は、いずれかのアルキルラジカル中の任意の炭素に結合され得る。このアルコキシアルキルラジカルの各アルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0045】
「C〜C12アルコキシアルキル」とは、2個〜12個の炭素原子を含有するアルコキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルコキシアルキルラジカルの各アルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0046】
「Cアルコキシアルキル」とは、3個の炭素原子を含有するアルコキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このCアルコキシアルキルラジカルの各アルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0047】
「C〜C12アルコキシアルキル」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するアルコキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12アルコキシアルキルラジカルの各アルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0048】
「アルキルスルホニル」とは、式−S(O)のラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキル基(これは、上で定義した)である。このアルキルスルホニルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0049】
「C〜Cアルキルスルホニル」とは、1個〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cアルキルスルホニル基は、必要に応じて、アルキルスルホニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0050】
「アリール」とは、水素および炭素だけからなり、6個〜19個の炭素原子、好ましくは、6個〜10個の炭素原子を含有する芳香族単環式または多環式炭化水素環系を意味し、ここで、この環系は、部分的または完全に飽和であり得る。アリール基には、フルオレニル、フェニルおよびナフチルのような基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、「アリール」との用語または「アラ−」との接頭辞(例えば、「アラルキル」のもの)は、アリールラジカルを含むことを意味し、これらは、必要に応じて、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、これらの置換基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)からなる群から選択され、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;各R15は、別個に、直接結合あるいは直鎖または分枝アルキレンまたはアルケニレン鎖である;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、非置換である。
【0051】
「アラルキル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、1個またはそれ以上のアリールラジカル(これは、上で定義した)である(例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなど)。このアラルキルラジカルのアリール部分は、必要に応じて、アリール基について上記のように、置換され得る。このアラルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0052】
「C〜C12アラルキル」とは、7個〜12個の炭素原子を含有するアラルキル基(これは、上で定義した)を意味する。C〜C12アラルキルラジカルのアリール部分は、必要に応じて、アリール基について上記のように、置換され得る。このC〜C12アラルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0053】
「C〜C19アラルキル」とは、7個〜19個の炭素原子を含有するアラルキル基(これは、上で定義した)を意味する。C〜C19アラルキルラジカルのアリール部分は、必要に応じて、アリール基について上記のように、置換され得る。このC〜C19アラルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0054】
「C13〜C19アラルキル」とは、13個〜19個の炭素原子を含有するアラルキル基(これは、上で定義した)を意味する。C13〜C19アラルキルラジカルのアリール部分は、必要に応じて、アリール基について上記のように、置換され得る。このC13〜C19アラルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0055】
「アラルケニル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルケニルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、1個またはそれ以上のアリールラジカル(これは、上で定義した)であり、これは、必要に応じて、上記のように置換され得る。このアラルケニルラジカルのアリール部分は、必要に応じて、アリール基について上記のように、置換され得る。アラルケニルラジカルのアルケニル部分は、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0056】
「アリールオキシ」とは、式−ORのラジカルを意味し、ここで、Rは、アリール基(これは、上で定義した)である。このアリールオキシラジカルのアリール部分は、必要に応じて、上で定義したように、置換され得る。
【0057】
「アリール−C〜Cアルキル」とは、式−R−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、1個〜6個の炭素を有する非分枝アルキルラジカルであり、そしてRは、このアルキルラジカルの末端炭素に結合されたアリール基である。
【0058】
「シクロアルキル」とは、炭素原子および水素原子だけからなり、3個〜15個の炭素原子、好ましくは、3個〜12個の炭素原子を有する安定な非芳香族単環式または二環式炭化水素ラジカルを意味し、これは、飽和または不飽和であり、そして単結合により、分子の残りに結合されている(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、デカニルなど)。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、「シクロアルキル」との用語は、シクロアルキルラジカルを含むことを意味し、これらは、必要に応じて、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、これらの置換基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)からなる群から選択され、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;各R15は、別個に、直接結合あるいは直鎖または分枝アルキレンまたはアルケニレン鎖である;そして各R16は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、ここで、上記置換基の各々は、非置換である。
【0059】
「C〜Cシクロアルキル」とは、3個〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cシクロアルキルラジカルは、必要に応じて、シクロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0060】
「C〜C12シクロアルキル」とは、3個〜12個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12シクロアルキルラジカルは、必要に応じて、シクロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0061】
「シクロアルキルアルキル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、シクロアルキルラジカル(これは、上で定義した)である。このシクロアルキルラジカルのシクロアルキル部分は、必要に応じて、シクロアルキルラジカルについて上で定義したように、置換され得る。このシクロアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキルラジカルについて上で定義したように、置換され得る。
【0062】
「C〜C12シクロアルキルアルキル」とは、4個〜12個の炭素原子を有するシクロアルキルアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12シクロアルキルアルキルラジカルは、必要に応じて、シクロアルキルアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0063】
「ハロ」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨードを意味する。
【0064】
「ハロアルキル」とは、1個またはそれ以上のハロラジカル(これは、上で定義した)で置換されたアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する(例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロメチル−2−フルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1−ブロモメチル−2−ブロモエチルなど)。このハロアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0065】
「ハロアルケニル」とは、1個またはそれ以上のハロラジカル(これは、上で定義した)で置換されたアルケニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する(例えば、2−ブロモエテニル、3−ブロモプロパ−1−エニルなど)。このハロアルケニルラジカルのアルケニル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0066】
「ヘテロシクリル」とは、安定な3員〜18員非芳香環ラジカルを意味し、これは、炭素原子と1個〜5個のヘテロ原子とからなり、このヘテロ原子は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される。本発明の目的のために、このヘテロシクリルラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、これは、縮合または架橋環系を含み得る;このヘテロシクリルラジカル中の窒素原子、炭素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、酸化され得る;この窒素原子は、必要に応じて、四級化され得る;このヘテロシクリルラジカルは、部分的または完全に飽和であり得る。このようなヘテロシクリルラジカルの例には、ジオキソラニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、「ヘテロシクリル」との用語は、ヘテロシクリルラジカル(これは、上で定義した)を含むことを意味し、これらは、必要に応じて、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、これらの置換基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)からなる群から選択され、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;各R15は、別個に、直接結合あるいは直鎖または分枝アルキレンまたはアルケニレン鎖である;そして各R16は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、そして、ここで、上記置換基の各々は、非置換である。
【0067】
「C〜C12ヘテロシクリル」とは、3個〜12個の炭素を有するヘテロシクリルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヘテロシクリルは、必要に応じて、ヘテロシクリル基について上で定義したように、置換され得る。
【0068】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、ヘテロシクリルラジカル(これは、上で定義した)であり、もし、このヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルであるなら、このヘテロシクリルは、その窒素原子において、このアルキルラジカルに結合され得る。このヘテロシクリルアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。このヘテロシクリルアルキルラジカルのヘテロシクリル部分は、必要に応じて、ヘテロシクリル基について上で定義したように、置換され得る。
【0069】
「C〜C12ヘテロシクリルアルキル」とは、3個〜12個の炭素を有するヘテロシクリルアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヘテロシクリルアルキルラジカルは、必要に応じて、ヘテロシクリルアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0070】
「ヘテロアリール」とは、5員〜18員芳香環ラジカルを意味し、これは、炭素原子と、1個〜5個のヘテロ原子とからなり、このヘテロ原子は、窒素、酸素およびイオウからなる群から選択される。本発明の目的のために、このヘテロアリールラジカルは、単環式、二環式、三環式または四環式の環系であり得、これは、縮合または架橋環系を含み得る;このヘテロアリールラジカル中の窒素原子、炭素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、酸化され得る;この窒素原子は、必要に応じて、四級化され得る。例には、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中にて具体的に述べられていなければ、「ヘテロアリール」との用語は、ヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)を含みことを意味し、これらは、必要に応じて、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、これらの置換基は、アルキル、アルケニル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルケニル、シアノ、オキソ、チオキソ、ニトロ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、−R15−OR14、−R15−OC(O)−R14、−R15−N(R14、−R15−C(O)R14、−R15−C(O)OR14、−R15−C(O)N(R14、−R15−N(R14)C(O)OR16、−R15−N(R14)C(O)R16、−R15−N(R14)(S(O)16)(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)OR16(ここで、tは、1〜2である)、−R15−S(O)16(ここで、tは、0〜2である)、および−R15−S(O)N(R14(ここで、tは、1〜2である)からなる群から選択され、ここで、各R14は、別個に、水素、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである;各R15は、別個に、直接結合あるいは直鎖または分枝アルキレンまたはアルケニレン鎖である;そして各R16は、アルキル、アルケニル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、そして、ここで、上記置換基の各々は、非置換である。
【0071】
「C〜C12ヘテロアリール」とは、1個〜12個の炭素原子を有するヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヘテロアリール基は、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。
【0072】
「C〜C12ヘテロアリール」とは、5個〜12個の炭素原子を有するヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヘテロアリール基は、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。
【0073】
「ヘテロアリールアルキル」とは、式−Rのラジカルであり、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、ヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)である。このヘテロアリールアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。このヘテロアリールアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0074】
「C〜C12ヘテロアリールアルキル」とは、3個〜12個の炭素原子を有するヘテロアリールアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヘテロアリールアルキル基は、必要に応じて、ヘテロアリールアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0075】
「ヘテロアリールシクロアルキル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、シクロアルキルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、ヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)である。このヘテロアリールシクロアルキルラジカルのシクロアルキル部分は、必要に応じて、シクロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。このヘテロアリールシクロアルキルラジカルのヘテロアリール部分は、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。
【0076】
「ヘテロアリールアルケニル」とは、式−Rのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルケニルラジカル(これは、上で定義した)であり、そしてRは、ヘテロアリールラジカル(これは、上で定義した)である。このヘテロアリールアルケニルラジカルのヘテロアリール部分は、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。このヘテロアリールアルケニルラジカルのアルケニル部分は、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0077】
「ヒドロキシアルキル」とは、式−R−OHのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルキルラジカル(これは、上で定義した)である。このヒドロキシ基は、このアルキルラジカル内の任意の炭素上のアルキルラジカルに結合され得る。このヒドロキシアルキル基のアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0078】
「C〜C12ヒドロキシアルキル」とは、2個〜12個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヒドロキシアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0079】
「C〜C12ヒドロキシアルキル」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヒドロキシアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0080】
「C〜C12ヒドロキシアルキル」とは、7個〜12個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヒドロキシアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0081】
「ヒドロキシアルケニル」とは、式−R−OHのラジカルを意味し、ここで、Rは、アルケニルラジカル(これは、上で定義した)である。このヒドロキシ基は、このアルケニルラジカル内の任意の炭素上のアルケニルラジカルに結合され得る。このヒドロキシアルケニル基のアルケニル部分は、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0082】
「C〜C12ヒドロキシアルケニル」とは、2個〜12個の炭素原子を含有するヒドロキシアルケニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヒドロキシアルケニルラジカルのアルケニル部分は、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0083】
「C〜C12ヒドロキシアルケニル」とは、3個〜12個の炭素原子を含有するヒドロキシアルケニルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜C12ヒドロキシアルケニルラジカルのアルケニル部分は、必要に応じて、アルケニル基について上で定義したように、置換され得る。
【0084】
「ヒドロキシル−C〜C−アルキル」とは、式−R−OHのラジカルを意味し、ここで、Rは、1個〜6個の炭素を有する非分枝アルキルラジカルであり、このヒドロキシラジカルは、末端炭素に結合されている。
【0085】
「トリハロアルキル」とは、3個のハロラジカル(これは、上で定義した)で置換されたアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する(例えば、トリフルオロメチル)。このトリハロアルキルラジカルのアルキル部分は、必要に応じて、アルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0086】
「C〜Cトリハロアルキル」とは、1個〜6個の炭素原子を有するトリハロアルキルラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cトリハロアルキルは、必要に応じて、トリハロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0087】
「トリハロアルコキシ」とは、式−ORのラジカルを意味し、ここで、Rは、トリハロアルキル基(これは、上で定義した)である。このトリハロアルコキシ基のトリハロアルキル部分は、必要に応じて、トリハロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。
【0088】
「C〜Cトリハロアルコキシ」とは、1個〜6個の炭素原子を有するトリハロアルコキシラジカル(これは、上で定義した)を意味する。このC〜Cトリハロアルコキシ基は、必要に応じて、トリハロアルコキシ基について上で定義したように、置換され得る。
【0089】
「多環構造」とは、2個〜4個の環から構成される多環式環系であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(これは、上で定義した)から選択される。各シクロアルキルは、必要に応じて、シクロアルキル基について上で定義したように、置換され得る。各アリールは、必要に応じて、アリール基について上で定義したように、置換され得る。各ヘテロシクリルは、必要に応じて、ヘテロシクリル基について上で定義したように、置換され得る。各ヘテロアリールは、必要に応じて、ヘテロアリール基について上で定義したように、置換され得る。これらの環は、直接結合を介して、他のものに結合され得るか、あるいはこれらの環の一部または全部は、互いに縮合され得る。例には、アリール基で置換されたシクロアルキルラジカル;アリール基で置換されたシクロアルキル基(これは、順に、別のアリール基で置換されている)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「プロドラッグ」とは、生理的条件下にて、または加溶媒分解により、本発明の生物学的に活性な化合物に変換され得る化合物を示すことを意味する。それゆえ、「プロドラッグ」との用語は、薬学的に受容可能である本発明の化合物の代謝前駆物質を意味する。プロドラッグは、それを必要とする被験体に投与したとき、不活性であり得るが、インビボで、本発明の活性化合物に変換される。プロドラッグは、典型的には、例えば、血液中の加水分解により、インビボで、急速に変換して、本発明の親化合物を生じる。このプロドラッグ化合物は、哺乳動物生物体において、溶解度、組織相溶性または徐放という利点を与える(Bundgard,H.,Design of Prodrugs(1985),pp.7−9,21−24(Elsevier,Amsterdamを参照のこと)。
【0091】
プロドラッグの論述は、Higuchi,T.ら、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S.Symposium Series,Vol.14、およびBioreversible Carriers in Drug Design,ed.Edward B.Roche,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987で提供されており、これらの内容は、本明細書中で参考として詳細に援用されている。
【0092】
「プロドラッグ」との用語はまた、このようなプロドラッグを哺乳動物被験体に投与したとき、インビボで、本発明の活性化合物を放出する任意の共有結合した単体を含むことを意味する。本発明の化合物のプロドラッグは、常套的な操作またはインビボのいずれかで本発明の親化合物に開裂するような様式で、本発明の化合物に存在している官能基を変性することにより、調製され得る。プロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基またはメルカプト基が、本発明のプロドラッグを哺乳動物被験体に投与したとき、開裂して、それぞれ、遊離のヒドロキシ基、遊離のアミノ基または遊離のメルカプト基を形成する任意の基に結合された本発明の化合物が挙げられる。プロドラッグの例には、本発明の化合物中のアルコールまたはアミン官能基の酢酸塩、ギ酸塩および安息香酸誘導体などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈である化合物を示すことを意味する。
【0094】
「哺乳動物」には、ヒトおよび家畜(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギなど)が挙げられる。
【0095】
「任意の」または「必要に応じて」とは、引き続いて記述された事象または状況が起こり得るかまたは起こり得ないこと、およびこの記述が、該事象が起こる場合および該事象が起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換したアリール」とは、そのアリールラジカルがが置換され得るか置換され得ないこと、およびその記述は、置換アリールラジカルおよび置換を有しないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
【0096】
「薬学的に受容可能な担体、希釈液または賦形剤」には、米国食品医薬品局により、ヒトまたは家畜において使用するのに許容されると認可された任意の補助剤、担体、賦形剤、グライダント、甘味剤、希釈液、防腐剤、染料/着色剤、調味料、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
「薬学的に受容可能な塩」には、酸付加塩および塩基付加塩の両方が挙げられる。
【0098】
「薬学的に受容可能な酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持する塩を意味し、これらは、生物学的あるいはそれ以外で有害ではなく、そして無機酸(これらには、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などがあるが、これらに限定されない)、および有機酸(これらには、例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、ショウノウ酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタリン(galactaric)酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などがあるが、これらに限定されない)を使って形成される。
【0099】
「薬学的に受容可能な塩基付加塩」とは、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持する塩を意味し、これらは、生物学的あるいはそれ以外で有害ではない。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に付加することから調製される。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい無機塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩がある。有機塩基から誘導された塩には、以下の塩が挙げられるが、これらに限定されない:第一級、第二級および第三級アミン、置換アミン(これには、天然に存在する置換アミンが挙げられる)、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などが。特に好ましい有機塩基には、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインがある。
【0100】
しばしば、結晶化により、本発明の化合物の溶媒和物が生成する。本明細書中で使用する「溶媒和物」との用語は、1個またはそれ以上の溶媒分子と共に1個またはそれ以上の本発明の化合物分子を含み凝集体を意味する。この溶媒は、水であり得、この場合、この溶媒和物は、水和物であり得る。あるいは、この溶媒は、有機溶媒であり得る。それゆえ、本発明の化合物は、水和物(一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などを含めて)だけでなく、対応する溶媒和形状として、存在し得る。本発明の化合物は、真の溶媒和物であり得るのに対して、他の場合には、本発明の化合物は、外来性の水だけを保持し得、あるいは水+ある程度の外来性の水の混合物であり得る。
【0101】
「医薬組成物」とは、本発明の化合物と、生物学的に活性な化合物を哺乳動物(例えば、ヒト)に送達するために当該技術分野で一般的に許容される媒体との処方を意味する。このような媒体には、そのための全ての薬学的に受容可能な担体、希釈剤または賦形剤が挙げられる。
【0102】
「治療有効量」とは、哺乳動物(好ましくは、ヒト)に投与したとき、哺乳動物(好ましくは、ヒト)におけるSCD媒介疾患または病態の治療(これは、以下で定義する)を行うのに十分な本発明の化合物の量を意味する。「治療有効量」を行成する本発明の化合物の量は、この化合物、病態およびその重症度、および治療する哺乳動物の年齢に依存して変わるが、自らの知見および本開示に基づいて、当業者により、常套的に決定できる。
【0103】
本明細書中で使用する「治療する」または「治療」とは、対象疾患または障害を有する哺乳動物(好ましくは、ヒト)における対象疾患または障害の治療を包含し、これには、以下が挙げられる:
(i)特に、哺乳動物が病態に感染し易いがまで罹ったとは診断されていないとき、このような哺乳動物において、疾患または病態が起こるのを予防すること;
(ii)疾患または病態を阻止すること、すなわち、その発症を抑えること;または
(iii)疾患または病態を軽減すること、すなわち、疾患または病態の退行を引き起こすこと。
【0104】
本明細書中で使用する「疾患」および「病態」との用語は、交換可能に使用され得るか、あるいは特定の疾患または病態が既知の原因となる物質を有し得ないこと(その結果、病因は、いまだに分かっていないこと)、従って、いまだに疾患とは認識されておらず、望ましくない病態または症候群してのみ認識されている(ここで、多少の特定セットの症候群は、臨床医により確認されている)という点で異なる。
【0105】
本発明の化合物、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩は、1個またはそれ以上の不斉中心を含み得、それゆえ、鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性形状(これは、アミノ酸について、絶対的な原子の空間的配置の点で、(R)または(S)として、あるいは(D)または(L)として、定義され得る)を生じ得る。本発明は、全てのこのような可能な異性体だけでなく、それらのラセミ形状および光学活性形状を含むことを意味する。光学活性(+)および(−)、(R)および(S)、または(D)および(L)異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製され得るか、あるいは、通常の技術(例えば、キラルカラムを使用するHPLC)を使用して、分割され得る。本明細書中で記述した化合物がオレフィン性二重結合または他の幾何学的非対称中心を含みとき、特に明記しない限り、これらの化合物は、EおよびZの両方の幾何異性体を含むと解釈される。同様に、全ての互変異性形状もまた、含まれると解釈される。
【0106】
「立体異性体」とは、異なる三次元構造(これらは、交換不可能である)を有すること以外は、同じ結合により結合された同じ原子から構成された化合物を意味する。本発明は、種々の立体異性体およびそれらの混合物を考慮しており、これらには、「鏡像異性体」が挙げられ、これは、分子が互いに重ね合わせ不可能な鏡像である2種の立体異性体を意味する。
【0107】
「互変異性体」とは、分子のある原子から同じ分子の他の原子へのプロトンのシフトを意味する。本発明は、任意の該化合物の互変異性体を包含する。
【0108】
本明細書中で使用される化学命名プロトコルおよび構造ダイアグラムは、Chemdraw version 7.0.1(これは、Cambridgesoft Corp.,Cambridge,MAから市販されている)により利用される化学命名機能を使用し、それに依存している。本明細書中で使用される複雑な化学名称については、置換基は、それが結合する基の前に、命名される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を備えたエチル骨格を含む。化学構造ダイアグラムでは、全ての結合は、原子価を完成するたのに十分な水素原子に結合していると仮定されるいくつかの炭素原子を除いて、全ての結合が同定されている。
【0109】
例えば、xおよびyが、両方とも、1である;JおよびKが、両方とも、Nである;LおよびMが、両方とも、−N=である;Gが、−C(H)=C(H)−である;Vが、−C(O)−である;Rが、2−トリフルオロメチルフェニルである;Rが、3−メチルブチルイミダゾリジン−2−オニルである;そしてR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aが、それぞれ、水素である、式(I)の化合物、すなわち、次式の化合物は、本明細書中では、(1−(3−メチルブチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オン)と命名されている:
【0110】
【化7】

本発明の化合物の特定のラジカル基は、本明細書中にて、本発明の化合物の2つの部分の間の連鎖として、描写されている。例えば、次式(I)では:
【0111】
【化8】

Vは、−C(O)−または−C(S)−として、記述される。この記述は、以下のようにR基に結合されたV基を記述することを意味する:−C(O)−R、または−C(S)−R。言い換えれば、V連鎖基の記述は、上で描写した式(I)の図において、左から右に読むように、意味する。
【0112】
(発明の実施態様)
発明の要旨において上で述べたような式(I)の化合物のうち、1実施態様には、JおよびKが、両方とも、Nである化合物、すなわち、次式(Ia)を有する化合物が挙げられる:
【0113】
【化9】

この群の化合物のうち、下位群の化合物には、以下である化合物が挙げられる:
xおよびyは、それぞれ、1である;Gは、−C(R)=C(R)−である;LおよびMは、両方とも、−N=である;あるいは、Lは、−C(R)=であり、そしてMは、−N=であるか、あるいは、Lは、−N=であり、そしてMは、−C(R)=である;Vは、−C(O)−である;Rは、アリール、C〜C12ヘテロシクリルおよびC〜C12ヘテロアリールからなる群から選択される;Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;そしてR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される。
【0114】
この下位群の化合物のうち、1セットの化合物には、LおよびMが、両方とも、−N=である化合物が挙げられる。
【0115】
このセットの化合物のうち、1サブセットの化合物には、Rがアリールである化合物が挙げられる。
【0116】
このサブセットの特定の実施態様には、以下の化合物が挙げられる:
[4−(6−フェニルピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン。
【0117】
上で示したセットの化合物のうち、別のサブセットの化合物には、RがC〜C12ヘテロアリールである化合物が挙げられる。
【0118】
このサブセットの特定の実施態様には、以下の化合物が挙げられる:
{4−[6−(3−ペンチル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
{4−[6−(3−プロピル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
(4−{6−[3−(3−メチル−ブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−ピリダジン−3−イル}−ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{4−[6−(5−ブチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ピリダジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)(2−トリフルオロメチル−フェニル)メタノン;
{4−[6−(5−エチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ピリダジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)(2−トリフルオロメチル−フェニル)メタノン;
[4−(6−ピリジン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{4−[6−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[6−(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;および
{4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン。
【0119】
上で示したセットの化合物のうち、別のサブセットの化合物には、RがC〜C12ヘテロシクリルである化合物が挙げられる。
【0120】
このサブセットの特定の実施態様には、以下の化合物が挙げられる:
{4−[6−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
1−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−(3−メチル−ブチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−ペンチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−エチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;および
1−メチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン。
【0121】
上で示した下位群の化合物のうち、別のセットの化合物には、Lが−C(R)=であり、そしてMが−N=であるか、あるいは、Lが−N=であり、そしてMが−C(R)=である化合物が挙げられる。
【0122】
このセットの化合物のうち、1サブセットの化合物には、RがC〜C12ヘテロアリールまたはC〜C12ヘテロシクリルである化合物が挙げられる。
【0123】
このサブセットの特定の実施態様には、以下の化合物が挙げられる:
(4−[2,3’]ビピリジニル−6’−イル−ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[5−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;および
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン。
【0124】
本発明のさらに別の実施態様では、式(I)の化合物の1群は、Kが、Nであり、そしてVが、直接結合、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である化合物に関する。
【0125】
本発明のさらに別の実施態様では、式(I)の化合物の1群は、Kが、C(R10)であり、そしてVが、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である化合物に関する。
【0126】
式(I)の化合物の調製および使用は、本明細書中にて、以下で示した反応スキーム、調製および実施例において、開示されている。
【0127】
1実施態様では、本発明の方法は、本発明の化合物の有効量を投与することによる、ステアロイル−CoA不飽和化酵素(SCD)(特に、ヒトSCD(hSCD))により媒介される疾患、好ましくは、異脂肪血症に関連した疾患および脂質代謝の障害、特に、上昇した血漿脂質レベルに関連した疾患、循環器病、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどの治療および/または予防に関する。
【0128】
本発明はまた、本発明の化合物を含有する医薬組成物に関する。1実施態様では、本発明は、動物(好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒト患者)に投与したとき、薬学的に受容可能な担体中にて、トリグリセリドレベルを調節するか異脂肪血症に関連した疾患および脂質代謝の障害を治療するのに有効な量で、本発明の化合物を含有する組成物に関する。このような組成物の実施態様では、この患者は、本発明の該化合物の投与前に、上昇した脂質レベル(例えば、上昇したトリグリセリドまたはコレステロール)を有し、そして本発明の化合物は、該脂質レベルを低下させるのに有効な量で、存在している。
【0129】
(本発明化合物の有用性および試験)
本発明は、ステアロイル−CoA不飽和化酵素(SCD)(特に、ヒトSCD(hSCD))によって媒介される疾患(好ましくは、異脂肪血症に関連する疾患および脂肪代謝障害、および特に、高い血漿高脂質レベルに関連する疾患(特に、心臓血管疾患、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなど)を、このような処置を必要とする患者に有効量のSCD調節剤(特に、阻害剤)を投与することによって、処置および/または予防するための化合物、薬剤組成物、ならびにこの化合物および薬剤組成物を使用する方法に関する。
【0130】
一般的に、本発明は、異脂肪血症に関連する疾患および/もしくは脂肪代謝障害について患者を処置するか、または異脂肪血症に関連する疾患および/もしくは脂肪代謝障害を発症することから患者を保護するための方法を提供し、ここで動物(特に、ヒト)における脂質レベルは、正常範囲を逸脱しており(すなわち、高い血漿脂質レベルのような異常な脂質レベル)、特に、正常より高いレベルであり、好ましくは、上記脂質が、脂肪酸(例えば、遊離脂肪酸または複合脂肪酸)、トリグリセリド、リン脂質、またはLDL−コレステロールレベルが上昇しているかもしくはHDL−コレステロールレベルが減少している場合のようなコレステロール、またはそれらの任意の組み合わせであり、上記脂質に関連する状態または疾患は、SCD媒介疾患または状態である。この方法は、哺乳動物(特に、ヒト患者)のような動物に、本発明の化合物または本発明の化合物を含有する薬剤組成物の治療有効量を投与する工程を包含し、本発明の化合物は、SCD(好ましくは、ヒトSCD1)の活性を調節する。
【0131】
本発明の化合物は、ヒトSCD酵素(特に、ヒトSCD1)の活性を調節する(好ましくは、阻害する)。
【0132】
SCDの活性の調節(特に、阻害)における本発明の化合物の一般的な価値は、下で実施例13において記載されるアッセイを用いて決定され得る。あるいは、障害および疾患の処置における上記化合物の一般的な価値は、肥満、糖尿病または高いトリグリセリドレベルまたは高いコレステロールレベルの処置における化合物の有効性を示すためか、または耐糖能を改善するための産業用標準動物モデルにおいて確立され得る。このようなモデルとしては、Zucker obese fa/faラット(Harlan Sprague Dawley,Inc(Indianapolis、Indiana)から入手可能)またはZucker diabetic fattyラット(ZDF/GmiCrl−fa/fa)(Charles River Laboratories(Montreal、Quebec)から入手可能)が挙げられる。
【0133】
本発明の化合物は、Δ−9不飽和化酵素インヒビターであり、そしてΔ−9不飽和化酵素の異常な生物活性の結果であるか、またはΔ−9不飽和化酵素の生物活性を調節することによって寛解し得る、ヒトの疾患および障害の全てを含む、ヒトおよび他の生物における疾患および障害を処置するのに有用である。
【0134】
本明細書中で定義される場合、SCD媒介疾患または状態としては、心臓血管疾患、異脂肪血症(トリグリセリド、高トリグリセリド血症、VLDL、HDL、LDL、脂肪酸の不飽和指数(fatty acid Desaturation index)(たとえば、本明細書において他のところで定義されるように、比率18:1/18:0の脂肪酸、または他の脂肪酸)、コレステロール、および総コレステロールの血清レベルの障害、高コレステロール血症、ならびにコレステロール障害(不完全なコレステロール逆輸送系によって特徴付けられる障害を含む))、家族性複合高脂質血症、冠動脈疾患、アテローム硬化症、心臓病、脳血管疾患(脳卒中、虚血性脳卒中および一過性脳虚血発作(TIA)が挙げられるが、これらに限定されない)、末梢血管疾患、および虚血性網膜症であるか、もしくはそれらに関連する疾患または状態が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、本発明の化合物は、患者のHDLレベルを増大させ、そして/またはトリグリセリドレベルを減少させ、そして/またはLDLコレステロールレベルもしくは非HDLコレステロールレベルを減少させる。
【0135】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、メタボリックシンドローム(異脂肪血症、肥満およびインスリン抵抗性、高血圧、低アルブミン血症、高尿酸血症、および凝固能亢進が挙げられるが、これらに限定されない)、X症候群、糖尿病、インスリン抵抗性、耐糖能減少、インスリン非依存性糖尿病、II型糖尿病、I型糖尿病、糖尿病の合併症、体重障害(body weight disorder)(肥満、体重超過、悪液質および拒食症が挙げられるが、これらに限定されない)、体重減少、ボディマス指数関連疾患およびレプチン関連疾患が挙げられる。好ましい実施形態において、本発明の化合物は、糖尿病および肥満を処置するために使用される。
【0136】
本明細書で使用される場合、用語「メタボリックシンドローム」は、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血圧、肥満、増大した腹囲、高トリグリセリド血症、低HDL、高尿酸血症、凝固能亢進および/または低アルブミン血症の組み合わせを含む状態を記載するのに使用される認められた臨床的用語である。
【0137】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、脂肪肝、肝臓脂肪症、肝炎、非アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝炎、急性脂肪肝、妊娠性脂肪肝、薬物誘発性肝炎、赤血球肝性プロトポルフィリン症、鉄過剰障害(iron overload disorders)、遺伝性ヘモクロマトーシス、肝線維症、肝硬変、肝臓癌およびそれに関連する状態が挙げられる。
【0138】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、高リポタンパク血症、家族性組織球性網膜症、リポタンパクリパーゼ欠損症、アポリポタンパク欠損症(例えば、ApoCII欠損症またはApoE欠損症)などのような原発性高トリグリセリド血症、または別の障害または疾患に付随する高トリグリセリド血症、または原因が不明であるかもしくは特定されていない高トリグリセリド血症、あるいはこれらに関連する疾患もしくは状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
SCD媒介疾患または状態はまた、多価不飽和脂肪酸(PUFA)障害(polyunsaturated fatty acid(PUFA)disorder)の障害または皮膚疾患が挙げられ、それらとしては、湿疹、アクネ、乾癬、ケロイド状の瘢痕の形成または阻止、粘膜からの産生物または分泌物(例えば、一価不飽和脂肪酸、ワックスエステルなど)に関連する疾患などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、炎症、静脈胴炎(sinusitis)、喘息、膵炎、骨関節炎、関節リウマチ、嚢胞性線維症、および月経前症候群が挙げられる。
【0141】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、癌、腫瘍形成、悪性腫瘍、転移、腫瘍(良性または悪性)、発癌、肝癌など、または関連する疾患もしくは状態をも含むが、それらに限定されない。
【0142】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、筋肉増強を通して成果を高めることにおいて望ましいような、除脂肪体重または除脂肪筋肉量(lean muscle mass)を増加させることが望まれる状態が挙げられる。カルニチンパルミトイル転移酵素欠損症(CPT IまたはCPT II)のようなミオパシーおよび脂質性ミオパシー(lipid myopathies)もまたこの中に含まれる。このような処置は、ウシ、ブタまたは鳥の飼育されている動物または他の任意の動物へ投与し、トリグリセリド産生を減少させ、そして/または脂肪のない肉製品および/もしくはより健康的な動物を提供することを含めて、ヒトおよび飼畜において有用である。
【0143】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、神経系疾患、精神障害、多発性硬化症、眼疾患、および免疫障害であるか、またはそれらに関連する疾患もしくは状態が挙げられる。
【0144】
SCD媒介疾患または状態としてはまた、ウイルス疾患もしくはウイルス感染、またはそれらに関連する疾患もしくは状態が挙げられ、それらのウイルスとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:全てのプラス鎖RNAウイルス、コロナウイルス、SARSウイルス、SARS関連コロナウイルス、トガウイルス、ピコルナウイルス、コクサッキーウイルス、黄熱病ウイルス、フラビウイルス、アルファウイルス(トガウイルス)科(風疹ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、シンドビスウイルス、セムリキ森林ウイルス、チクングニアウイルス、オニョンニョンウイルス、ロス川ウイルス、マヤロウイルス、アルファウイルスが挙げられる);アストロウイルス科(アストロウイルス、ヒトアストロウイルスが挙げられる);カリシウイルス科(ブタ口内発疹ウイルス、ノーウォークウイルス、カリシウイルス、ウシカリシウイルス、ブタカリシウイルス、E型肝炎が挙げられる);コロナウイルス科(コロナウイルス、SARSウイルス、ニワトリ伝染性気管支炎ウイルス、ウシコロナウイルス、イヌコロナウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ヒトコロナウイルス299E、ヒトコロナウイルスOC43、マウス肝炎ウイルス、ブタ伝染性下痢ウイルス、ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルス、ブタ伝播性胃腸炎ウイルス、ラットコロナウイルス、七面鳥コロナウイルス、ウサギコロナウイルス、ベルンウイルス、ブレダウイルス(Breda virus)が挙げられる);フラビウイルス科(C型肝炎ウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、デング熱群(Dengue Group)、G型肝炎ウイルス、日本脳炎B型ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、中央ヨーロッパ亜型ダニ媒介脳炎ウイルス、東洋亜型ダニ媒介脳炎ウイルス、キャサヌールフォレストウイルス、跳躍病ウイルス、ポーワッサンウイルス、オムスク出血性熱ウイルス、クミリンゲウイルス(Kumilinge virus)、アブセタロブアンザロバハイパーウイルス(Absetarov anzalova hypr virus)、イルヘウスウイルス、ロシオ脳炎ウイルス(Rocio encephalitis virus)、ランガットウイルス(Langat virus)、ペスチウイルス、ウシウイルス性下痢、ブタコレラウイルス、リオブラボー群(Rio Bravo Group)、チュレニー群(Tyuleniy Group)、ヌタヤ群(Ntaya Group)、ウガンダS群、モードック群が挙げられる);ピコルナウイルス科(コクサッキーAウイルス、ライノウイルス、A型肝炎ウイルス、脳心筋炎ウイルス、メンゴウイルス、MEウイルス、ヒトポリオウイルス1、コクサッキーBが挙げられる);ポティウイルス(Potyvirus)、ライモウイルス、バイモウイルス(Bymovirus)を含むポティウイルス科(POTYVIRIDAE)。さらに、SCD媒介疾患または状態は、肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルスなどによって引き起こされるか、それらに関連する疾患もしくは感染症であり得る。処置可能なウイルス感染症としては、ウイルスによって、複製サイクルの一部分としてRNA中間体が使用されるものが挙げられる(肝炎またはHIV);さらに、それは、RNAマイナス鎖ウイルス(例えば、インフルエンザおよびパラインフルエンザウイルス)によって引き起こされるか、またはそれらに関連する疾患もしくは感染症であり得る。
【0145】
本明細書で特定化される化合物は、ステアロイル−CoA不飽和化酵素1(SCD1)のようなΔ−9不飽和化酵素によって達成される種々の脂肪酸の不飽和化(例えば、ステアロイル−CoAのC9−C10不飽和化)を阻害する。このような化合物は、それ自体、種々の脂肪酸およびその下流の代謝産物の形成を阻害する。これによってステアロイル−CoAまたはパルミトイル−CoAおよび種々の脂肪酸の他の上流の前駆物質が蓄積する;これは、おそらく脂肪酸代謝おける全体的な変化を引き起こす負のフィードバックループを生じ得る。このような結果のいずれもが、最終的に、これらの化合物によってもたらされる治療的利益全体を担い得る。
【0146】
代表的に、首尾良いSCD阻害性治療剤は、以下の判定基準の一部または全部を満たし得る。経口での利用能は、20%かまたはそれ以上である。動物モデルでの有効性は、約2mg/Kg、1mg/Kg、または0.5mg/Kg未満であり、そして、標的がヒトの用量は、50mg/70Kgと250mg/70Kgの間であるが、この範囲の外にある用量も許容され得る(「mg/Kg」は、投与されている被験体の体重、1キログラムあたりの化合物のミリグラムを意味する)。治療指数(すなわち、治療用量に対する毒性用量の比)は、100より大きいはずである。効力(IC50値で表される)は、10μM未満、好ましくは1μM未満、最も好ましくは50nM未満であるべきである。このIC50(「50%阻害濃度」)は、SCDの生物活性のアッセイにおいて一定の期間にわたってSCDの活性を50%阻害を達成するのに必要とされる化合物の量の程度である。SCD酵素(好ましくは、マウスSCD酵素またはヒトSCD酵素)の活性を測定するための任意のプロセスは、本発明の方法において、上記のSCD活性を阻害するのに有用な化合物の活性をアッセイするために利用され得る。本発明の化合物は、15分間のミクロソームアッセイ(microsomal assay)において、好ましくは、10μM未満、5μM未満、2.5μM未満、1μM未満、750nM未満、500nM未満、250nM未満、100nM未満、50nM未満、そして最も好ましくは、20nM未満のIC50を示す。本発明の化合物は、可逆的阻害(すなわち、競合的阻害)を示し得、そして好ましくは他の鉄結合タンパクを阻害しない。必要な投薬は、好ましくは、多くても一日に約一回もしくは二回、または食事時であるべきである。
【0147】
SCDインヒビターとしての本発明の化合物を同定は、SCD酵素、およびBrownlieら(前出)に記載されるミクロソームアッセイ手順を用いて、容易に行われた。このアッセイにおいて試験される場合、本発明の化合物は、試験化合物の10μMの濃度にて50%以下の残存SCD活性、好ましくは、試験化合物の10μMの濃度にて40%以下の残存SCD活性、より好ましくは、試験化合物の10μMの濃度にて30%以下の残存SCD活性、そしてさらに好ましくは、試験化合物の10μMの濃度にて20%以下の残存SCD活性を有し、それによって本発明の化合物がSCD活性の強力なインヒビターであることを示した。
【0148】
これらの結果は、試験化合物とSCDとの間の構造活性相関(SAR)の分析についての基礎を提供する。特定のR基は、より強力な阻害性化合物を提供する傾向にある。SAR分析は、現在、当業者が治療剤として使用するための本発明の化合物の好ましい実施形態を同定するために使用し得る一つの手段であり。
【0149】
本明細書中に開示される化合物を試験する他の方法もまた、当業者にとって容易に利用可能である。従って、さらに、上記の接触(contacting)は、インビボで達成され得る。1つのこのような実施形態において、工程(a)中での上記の接触は、上記の化学的薬剤を、トリグリセリド(TG)関連障害または超低密度リポタンパク(VLDL)関連異常に冒される動物に投与し、次いで上記動物の血漿トリグリセリドレベルの変化を検出し、それによって、トリグリセリド(TG)関連障害または超低密度リポタンパク(VLDL)関連障害を処置するのに有用な治療剤を同定することによって達成される。このような実施形態において、動物は、ヒト(例えば、このような障害を罹患し、その障害の処置を必要とするヒト患者)であり得る。
【0150】
このようなインビボのプロセスの特定の実施形態において、上記動物におけるSCD1活性の上記変化は、活性の低下であり、好ましくは、上記のSCD1調節剤は、Δ−5不飽和化酵素、Δ−6不飽和化酵素または脂肪酸シンテターゼの生物活性を実質的に阻害しない。
【0151】
化合物評価に有用なモデル系としては、例えば、高炭水化物食で継続的に管理されているマウスからか、または肥満を罹患しているヒトを含むヒトドナーからの肝臓ミクロソームの使用が挙げられ得るが、これらに限定されない。HepG2(ヒト肝臓由来)、MCF−7(ヒト乳癌由来)および3T3−L1(マウス脂肪細胞由来)のような不死化細胞株もまた、使用され得る。マウス初代肝細胞のような初代細胞株もまた、本発明の化合物を試験するのに有用である。そのままの動物(whole animals)が使用される場合、初代肝細胞の供給源として使用されるマウスがまた、使用され、ここでそのマウスは、ミクロソーム中のSCD活性を増加させるためおよび/または血漿トリグリセリドレベル(すなわち、18:1/18:0比率)を上昇させるために、高炭水化物飼料で継続して管理される;あるいは、普通食のマウスまたは正常のトリグリセリドレベルを有するマウスが、使用され得る。マウスフェノムデータベース(mouse phenome database)にあるような、高トリグリセリド血症について設計されたトランスジェニックマウスを用いるマウスモデルもまた、利用可能である。ウサギおよびハムスターもまた、動物モデルとして有用であり、特に、CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)を発現するものが有用である。
【0152】
本発明の化合物のインビボ有効性を決定するための別の適切な方法は、化合物投与後の被験体の不飽和指数を測定することによって、SCD酵素の阻害に対する化合物の影響を間接的に測定することである。本明細書で使用される場合、「不飽和指数」は、所与の組織サンプルから測定される、SCD酵素についての基質に対する生成物の比を意味する。これは、3つの異なった式、18:1n−9/18:0(ステアリン酸に対するオレイン酸);16:1n−7/16:0(パルミチン酸に対するパルミトレイン酸);および/または16:1n−7+18:1n−7/16:0(16:0基質に対する16:0不飽和化のすべての反応生成物を測定する)、を用いて算出され得る。不飽和指数は、肝臓のトリグリセリドまたは血漿トリグリセリドにおいて最初に測定されるが、また、種々の組織から選択される別の脂質分画において測定され得る。不飽和指数は、一般的にいえば、血漿脂質の概要決定(plasma lipid profiling)のための手段である。
【0153】
多くのヒトの疾患および障害は、異常なSCD1生物活性の結果であり、そして本発明の治療剤を用いてSCD1生物活性を調節することによって寛解し得る。
【0154】
SCD発現の阻害はまた、膜リン脂質の脂肪酸組成、トリグリセリドおよびコレステロールエステルの生成またはレベルに影響を与え得る。リン脂質の脂肪酸組成は、究極的には膜流動性を決定し、一方、トリグリセリドおよびコレステロールエステルの組成に対する作用は、リポタンパク質代謝および脂肪過多に影響を与え得る。
【0155】
本発明の手順の実施において、特定の緩衝液、媒体、試薬、細胞、培養条件などへの言及は、限定する意図ではなく、当業者が、考察が提供される特定の状況において有益であり価値があるものとして認識するであろう関連のある物のすべてを包含するように判断されるべきであることが当然に理解されるべきである。例えば、1つの緩衝液系または培地を他のものの代わりに用い、同一でないとしてもなお同様な結果を得ることはしばしば可能である。当業者は、本明細書中に開示される方法および手順を使用する際に、過度の実験をすることなく最適に目的にかなうような置換をすることを可能にするような、このような系および方法論の十分な知識を有するであろう。
【0156】
(本発明の薬学的組成物および投与)
本発明はまた、本明細書中に開示される本発明の化合物を含む薬学的組成物に関する。1つの実施形態において、本発明は、本発明の化合物を、薬学的に受容可能なキャリア中に、動物(好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒト患者)に投与される場合にトリグリセリドレベルを調節するか、または異脂肪血症に関連する疾患および脂質代謝障害を処置するのに有効な量で含有する組成物に関する。このような組成物の1つの実施形態において、患者は、本発明の上記化合物を投与する前に、高いトリグリセリドまたは高いコレステロールのような高い脂質レベルを有し、そして本発明の化合物は、上記脂質レベルを減少させるのに有効な量で存在する。
【0157】
本明細書中の有用な薬学的組成物はまた、それ自体、この組成物を受容する個体に有害な抗体の生成を誘導しない任意の薬学的因子を含み、かつ過度の毒性を伴わずに投与され得る薬学的に受容可能なキャリア(任意の適切な希釈剤または賦形剤が挙げられる)を含む。薬学的に受容可能なキャリアとしては、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールなどのような液体が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、および他の賦形剤の完全な考察は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.current edition)に提示される。
【0158】
当業者は、本明細書で意図されている疾患および障害を処置するのに使用するための化合物の適切な用量を決定する方法を理解している。治療用量は、一般に、動物研究から得られる予備的な証拠に基づいて、ヒトにおける用量範囲探索試験(dose ranging study)によって特定化される。用量は、患者に対し好ましくない副作用を引き起こすことなく所望の治療的利益をもたらすのに十分でなければならない。動物に対する好ましい投与量範囲は、0.5mg/Kg、1.0mg/Kgおよび2.0mg/Kgを含む0.001mg/Kg〜10,000mg/Kgであるが、この範囲外の投与量が、受容可能であり得る。投薬計画は、一日あたり一回または二回であり得るが、これより多くても少なくても十分であり得る。
【0159】
当業者はまた、それを必要とする被験体への投与方法(経口、静脈内、吸入、皮下など)、投与形態、適切な薬学的賦形剤および上記化合物の送達に関連する他の物質を決定することに精通している。
【0160】
本発明の代替的な使用において、本発明の化合物は、本明細書中に開示される種々の疾患の処置またはそれらの疾患からの保護にまた有用である他の化合物を見出すための比較目的のための例示的な薬剤として、インビトロ研究またはインビボ研究において使用され得る。
【0161】
(本発明の化合物の調製)
以下の記述において、描写した式の置換基および/または変数の組み合わせは、このような寄与が安定な化合物を生じる場合に限り、許容できることが分かる。
【0162】
当業者は、下記のプロセスにおいて、中間体化合物の官能基が適当な保護基で保護される必要があり得ることを理解する。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が挙げられる。ヒドロキシに適当な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたぱトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが挙げられる。アミノ、アミジノおよびグアニジノに適当な保護基には、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。メルカプトに適当な保護基には、−C(O)−R”(ここで、R”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである)、p−メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸に適当な保護基には、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが挙げられる。
【0163】
保護基は、標準的な技術(これらは、当業者に周知であり、本明細書中で記述されている)に従って、付加または除去され得る。
【0164】
保護基の使用は、Green、T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyで詳細に記載されている。この保護基はまた、高分子樹脂(例えば、Wang樹脂または2−クロロトリチル−クロライド樹脂)であり得る。
【0165】
当業者はまた、本発明の化合物のこのような保護誘導体が、それだけでは薬理活性を有し得ないものの、哺乳動物に投与され得、その後、体内で代謝されて、薬理活性を有する本発明の化合物を形成し得ることを理解する。従って、このような誘導体は、「プロドラッグ」として、記述され得る。本発明の化合物の全てのプロドラッグは、本発明の範囲内に入る。
【0166】
以下の反応スキームは、本発明の化合物を製造する方法を図示している。当業者は、当業者に公知の方法または類似の方法により、これらの化合物を製造できることが分かる。一般に、出発成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、およびFluorochem USAなどのような業者から得られるか、または当業者に公知の原料(例えば、Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition(Wiley,December 2000)を参照のこと)に従って合成され得るか、あるいは本発明で記述したようにして調製され得る。R、R、R、R、R、R、R、R7a、RおよびR8aは、特に定義しない限り、以下の反応スキームにおいて、本明細書中で定義したとおりである。PGは、保護基(例えば、BOC、ベンジル基など)を表わす。
【0167】
本発明の化合物はまた、以下の刊行物で記載された方法と類似の方法により、当業者により調製され得る:
PCT公開特許出願、WO 04/09587
PCT公開特許出願、WO 03/91247
PCT公開特許出願、WO 96/01822
PCT公開特許出願、WO 96/01818
PCT公開特許出願、WO 94/26720
ドイツ特許第4423044号
日本特許第10007572号
一般に、本発明の式(I)の化合物(ここで、Gは、−C(R)=C(R)−である;JおよびKは、それぞれ、Nである;Mは、−N=である;Vは、−C(O)−であり、そしてRは、イミダゾリジノン基である)は、反応スキーム1で記述した一般手順に従って、合成できる:
(反応スキーム1)
【0168】
【化10】

保護ピペラジン101は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンがあるが、これに限定されない)の存在下にて、溶媒(例えば、ジクロロメタンがあるが、これに限定されない)中で、適当な塩化アシルと反応でき、アミド生成物102が得られる。化合物102中のの保護基(これは、一般に、t−ブチルオキシカルボニル基である)は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyで記載された酸性条件を使用することにより、除去でき、所望生成物103が得られる。103とクロロアミノピリダジン104との混合物は、共に加熱でき、カップリング生成物105が提供される。エタノールおよびジクロロメタンの溶媒系にて、105とイソシアン酸2−クロロエチルとを反応させると、尿素化合物106が得られ、これは、溶媒(例えば、ブタノールがあるが、これに限定されない)中で、塩基(例えば、水酸化カリウム)で処理でき、イミダゾリジノン化合物107が形成される。塩基(例えば、水素化ナトリウムがあるが、これに限定されない)の存在下にて、溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)中で、107を適当なハロゲン化アルキルでアルキル化すると、最終生成物108が得られる。
【0169】
一般に、本発明の式(I)の化合物(ここで、Gは、−C(R)=C(R)−である;JおよびKは、両方とも、Nである;Mは、−N=である;Vは、−C(O)−であり、そしてRは、複素環(例えば、オキサジアゾール、ピリドイミダゾールまたはジヒドロイミダゾール)である)は、反応スキーム2で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0170】
(反応スキーム2)
【0171】
【化11】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
エステル110(これは、当業者に公知の方法により、対応する酸109から得られる)は、オキシ塩化リンで処理することにより、クロロ化合物111に変換できる。還流している溶媒(例えば、1,4−ジオキサンがあるが、これに限定されない)中で、塩基(例えば、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エンまたは炭酸カリウム)および触媒量のヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウムの存在下にて、クロロピリダジン化合物111と環状アミン103とを反応させると、化合物112が得られる。112を適当なジアミンで処理し、次いで、オキシ塩化リンで処理すると、ジヒドロイミダゾール化合物113が得られる。化合物112は、当業者に公知の方法により、酸114に加水分解できる。当業者に公知の方法により、酸114と適当なN−ヒドロキシアミジン(これは、ニトリル化合物から得られる)とを反応させると、オキサジアゾール化合物115が形成される。オキシ塩化リンの存在下にて、酸114と5−ブロモピリジン−2,3−ジアミンとを反応させると、化合物116が得られる。
【0172】
一般に、本発明の式(I)の化合物(ここで、Gは、−C(R)=C(R)−である;JおよびKは、両方とも、Nである;Mは、−N=である;Vは、−C(O)−であり、そしてRは、複素環(例えば、オキサジアゾール)である)は、反応スキーム3で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0173】
(反応スキーム3)
【0174】
【化12】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
化合物117中の保護基(これは、一般に、t−ブチルオキシカルボニル基)は、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis(1999),3rd Ed.,Wileyで記載された酸性条件を使用して、除去でき、所望生成物118が得られる。化合物118は、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンがあるが、これに限定されない)の存在下にて、溶媒(例えば、ジクロロメタンがあるが、これに限定されない)中で、適当な塩化アシルと反応でき、アミド生成物119が得られる。化合物119中のクロロ基は、パラジウム触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0))、配位子(例えば、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)、Zn粉末およびZn(CN)との反応により、シアノ基に変換できる。塩基(例えば、ナトリウムエトキシドがあるが、これに限定されない)の存在下にて、エタノール中で、シアノ化合物120をヒドロキシルアミンで処理すると、ヒドロキシルアミジン化合物121が得られる。塩基(例えば、トリエチルアミンがあるが、これに限定されない)の存在下にて、溶媒(例えば、ジクロロメタンがあるが、これに限定されない)中で、121と適当な塩化アシルとを反応させると、オキサジアゾール化合物122が形成される。
【0175】
一般に、本発明の式(I)の化合物を合成するための中間体は、反応スキーム4で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0176】
(反応スキーム4)
【0177】
【化13】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
適当なメチルケトン123とグリオキサル酸エチルとを反応させると、化合物125が得られ、これは、溶媒(例えば、ブタノールがあるが、これに限定されない)中で、ヒドラジンと共に、ホルムピリダジノン126に環化でき、引き続いて、オキシ塩化リンで処理することにより、クロロピリダジン127に環化できる。
【0178】
一般に、本発明の式(I)の化合物を合成するための中間体は、反応スキーム5で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0179】
(反応スキーム5)
【0180】
【化14】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で、低温(例えば、−78℃)で、ブロモ化合物128をリチウム試薬(例えば、ブチルリチウムがあるが、これに限定されない)で処理することに続いて、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸トリメチルまたはホウ酸トリイソプロピル)を加えると、酸性ワークアップ後、ボロン酸129が得られる。パラジウム触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0))、塩基(例えば、炭酸ナトリウム)の存在下にて、溶媒(例えば、トルエン、ジメトキシエタンまたはN,N−ジメチルホルムアミド)中で、129と適当なハロゲン化物とをスズキ反応させると、化合物130が得られる。
【0181】
一般に、本発明の式(I)の化合物を合成するための中間体は、反応スキーム6で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0182】
(反応スキーム6)
【0183】
【化15】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
ポリリン酸の存在下にて、ジアミン131と酸132とを反応させると、ベンゾイミダゾール化合物133が得られる。
【0184】
一般に、本発明の式(I)の化合物を合成するための中間体は、反応スキーム7で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0185】
(反応スキーム7)
【0186】
【化16】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
ポリリン酸の存在下にて、ジアミン134とピリダジノン酸135とを反応させると、ベンゾイミダゾール化合物136が得られる。ピリダジノン136は、溶媒(例えば、クロロホルムがあるが、これに限定されない)中で、オキシ塩化リンおよび五塩化リンで処理することにより、クロロピリダジン化合物137に変換できる。
【0187】
一般に、本発明の式(I)の化合物(ここで、Gは、−C(R)=C(R)−である;JおよびKは、両方とも、Nである;Mは、−N=である;Vは、−C(O)−である)は、反応スキーム8で記述した一般手順に従って、合成できる。
【0188】
(反応スキーム8)
【0189】
【化17】

上記反応スキームのための出発物質は、市販されているか、あるいは、当業者に公知の方法または本明細書中で開示された方法に従って、調製できる。一般に、本発明の化合物は、以下のようにして、上記反応スキームにおいて、調製される:
溶媒(例えば、N−メチルピロリジノンがあるが、これに限定されない)中で、上で得た中間体138(スキーム4〜7)とピペラジン139とを反応させると、カップリング生成物140が得られ、これは、塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミンがあるが、これに限定されない)の存在下にて、溶媒(例えば、ジクロロメタンがあるが、これに限定されない)中で、適当な塩化アシルと反応でき、アミド生成物141が得られる。
【0190】
当業者は、上で開示した一般的な技術に従って、本発明の化合物を調製できるものの、本発明の化合物の合成技術に関するさらに具体的な詳細は、便宜上、本明細書中の他の箇所で提供されている。この場合もやはり、合成において使用される全ての試薬および反応条件は、当業者に公知であり、通常の業者から入手できる。
【0191】
(調製1)
([4−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
A.1−Boc−ピペラジン(1.96g、10.5mmol)のジクロロメタン(50ml)撹拌溶液に、トリエチルアミン(3ml)の存在下にて、0℃で、ジクロロメタン溶液として、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイル(2.09g、10.0mmol)を加えた。得られた混合物を、周囲温度で、18時間撹拌し、次いで、水(25ml)でクエンチした。有機相を、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、次いで、真空中で濃縮して、淡黄色固形物として、所望生成物を得、これを、さらに精製することなく、次の工程の反応に使用した。
【0192】
B.トリフルオロ酢酸およびジクロロメタンの1:4混合物50mL中の上で得た化合物(10mmol)の溶液を、周囲温度で、5時間撹拌した。真空中で濃縮した後、残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、そして1N NaOH(10ml)、水、ブラインで順次洗浄し、次いで、MgSOで乾燥し、濾過し、そして真空中で濃縮して、淡黄色油状物として、ピペラジン−1−イル−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンを得た。この化合物のジクロロメタン10mL溶液にエーテル中の2N HCl(10mL)を加えることにより、この油状物をHCl塩に変換した。形成された白色固形物を濾過し、そして乾燥して、このHCl塩を得た。
【0193】
C.3−アミノ−6−クロロピリダジン(0.648g、5.00mmol)と上で得たHCl塩(7.5mmol)との混合物を、150℃で、24時間加熱した。その反応混合物に、1N NaOH(10mL)およびジクロロメタン100mLを加え、そして水層をジクロロメタン100mLで2回抽出した。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、乾燥状態まで蒸発させた。粗化合物をフラッシュクロマトグラフィーで精製して、黄色固形物として、表題化合物を得た。
【0194】
(調製2)
(N−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミジンの合成)
EtOH(21ml)および水(5ml)中のイソカプロニトリル(1.00g、10.30mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.786g、11.32mmol)および水酸化ナトリウム(0.453g、11.32mmol)の混合物を、室温で、48時間撹拌した。その反応混合物を真空中で濃縮して、白色固形物を得、これを、ジクロロメタン(100ml)に再溶解した。濾過により、不溶な塩を除去した。有機層を真空中で乾燥状態まで濃縮した。白色固形物として、収率55%(0.730g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 6.6(br., s, 1H), 4.5 (br., s, 2H), 2.2 (m, 2H), 1.50 (m, 1H), 1.4 (m, 2H), 0.85(m, 6H)。
【0195】
(調製3)
(6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸の合成)
A.6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸一水和物のメタノール溶液(5.00g、31.6mmol)に、塩化チオニル(0.36ml、0.59g、4.94mmol)を加えた。その反応混合物を、80℃で、16時間にわたって、還流状態まで加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却した後、生成物が結晶化した。結晶を集め、そしてメタノールで洗浄し、母液を濃縮し、そして再度結晶化した。単離した生成物の全量は、4.954g(収率100%)であった。
【0196】
B.上で得た6−ヒドロキシピリダジン−3−カルボン酸メチルエステルとオキシ塩化リンとの混合物を、還流状態まで慎重に加熱し、そこで、2.5時間維持した。次いで、この反応混合物を冷却し、そして真空中で蒸発させて、過剰の塩化ホスホリルを除去し、次いで、残渣を氷水に注いだ。沈殿物を濾過により集め、飽和NaHCOおよび水で洗浄し、そして真空乾燥して、黄色固形物(4.359g、収率79%)として、生成物を得た。
【0197】
C.KCO(10.14g、73.4mmol)およびヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.071g、0.192mmol)の存在下にて、上で得た6−クロロピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル(4.359g、25.3mmol)のジオキサン(145ml)溶液を、1−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン塩酸塩(7.80g、26.5mmol)で処理した。その反応混合物を、24時間にわたって、還流状態まで加熱し、そして蒸発させて、ジオキサンを除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、所望生成物(8.666g、収率87%)を得た。
【0198】
D.6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル(4.436g、11.25mmol)のテトラヒドロフラン(50ml)および水(25ml)溶液に、水酸化リチウム一水和物(2.30g、54.81mmol)を加えた。その反応混合物を、周囲温度で、23時間撹拌し、その溶液のpHを、0℃で、濃塩酸(5.3ml)で、約3に調節した。この混合物を濃縮した。残渣に酢酸エチル(100ml)を加え、そして生成物を沈殿させた。固形物を濾過により集め、酢酸エチルで洗浄し、そして真空乾燥して、表題化合物(3.60g)を得た。水層を酢酸エチルで抽出し、NaSOで乾燥し、そして濃縮して、表題化合物の第二部分(0.463g)を得た。生成物の全量は、4.063g(収率95%)であった。
【0199】
(調製4)
(N−ヒドロキシ−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボキサミジンの合成)
A.4−(6−クロロピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−カルボン酸第三級ブチルエステル(2.00g、6.69mmol)のジクロロメタン(10ml)氷冷溶液に、トリフルオロ酢酸(2ml)を慎重に加えた。その混合物を、室温で、45分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮して、粗3−クロロ−6−ピペラジン−1−イルピリダジン(約1.0g)を得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。MS(ES+)m/z 199.1(M+1)。
【0200】
B.3−クロロ−6−ピペラジン−1−イルピリダジン(1.00g、6.69mmol)のジクロロメタン(10ml)氷冷溶液に、トリエチルアミン(2.0ml)を加え、続いて、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイル(2.10g、10.03mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、次いで、30分間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、そして粗混合物を酢酸エチル(15ml)に溶解し、水で洗浄し、そして無水NaSOで乾燥した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、収率79%(1.96g)で、濃厚液状物として、[4−(6−クロロピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンを得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.71(d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.63-7.50 (m, 2H), 7.32 (d, J = 7.3 Hz, 1H),7.21 (t, J = 4.4 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.20-3.92 (m,1H), 3.92-3.80 (m, 1H), 3.70-3.55 (m, 4H), 3.30 (t, J = 5.3 Hz, 1H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 167.6, 158.7, 147.7, 134.2, 134.2, 132.3,129.5, 129.1, 127.2, 126.8, 126.8, 115.6, 46.3, 45.2, 44.7, 41.2. MS (ES+) m/z371.1および373.1 (M+1)。
【0201】
C.オーブン乾燥した丸底フラスコにて、窒素雰囲気下にて、[4−(6−クロロピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン(1.80g、4.85mmol)、Pd(dba)(0.130g、0.14mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.161g、0.29mmol)、Zn粉末(0.317g、4.85mmol)およびZn(CN)(0.569g、4.85mmol)を入れた。ジメチルアセトアミド(10ml)を加え、その懸濁液を窒素でパージした。次いで、その混合物を、110℃で、一晩加熱し、次いで、室温まで冷却し、次いで、真空中で濃縮した。褐色残渣を酢酸エチル(15ml)に溶解し、そして水(2×10ml)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーを使用して精製して、淡黄色シロップとして、収率59%(1.03g)で、6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリルを得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.71(d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.63-7.50 (m, 2H), 7.48 (d, J = 9.6 Hz, 1H),7.32 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.12-3.98 (m,1H), 3.92-3.70 (m, 5H), 3.31 (t, J = 5.3 Hz, 2H), 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ 167.7, 158.4, 132.4, 130.8, 130.0, 129.6, 127.1,126.9, 126.8, 116.5, 110.2, 46.2, 44.2, 43.9, 41.1. MS (ES+) m/z 362.3(M+H)。
【0202】
D.氷冷エタノール(10ml)に、ナトリウム金属(0.116g、4.98mmol)を加えた。全てのナトリウム金属が溶解した後、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.346g、4.98mmol)を一度に導入した。その懸濁液を、室温で、15分間撹拌し、次いで、6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−カルボニトリル(0.900g、2.49mmol)のエタノール(2ml)を加えた。この混合物を、さらに、室温で、一晩撹拌した。真空中で溶媒を除去し、そして残渣を酢酸エチル(10ml)に懸濁し、そしてセライトで濾過した。濾液を濃縮し、そして生成物をカラムクロマトグラフィーで精製した。淡黄色シロップとして、収率55%(0.54g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.82(d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.70-7.52 (m, 2H),7.35 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 5.53 (s, 2H),4.10-3.95 (m, 1H), 3.98-3.82 (m, 1H), 3.82-3.60 (m, 4H), 3.32 (t, J =5.1 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 157.5, 147.5,142.1, 132.2, 130.2, 127.3, 125.1, 123.2, 110.8, 44.2, 42.6, 42.3, 39.1.MS(ES+) m/z 395.3 (M+H)。
【0203】
(調製5)
(6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸の合成)
テトラヒドロフラン−水(1:1、5ml)混合物中の6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル(1.000g、2.535mmol)の懸濁液に、LiOH・HO(0.106g、2.535mmol)を一度に加えた。その混合物を、室温で、一晩撹拌した。次いで、この透明溶液を0℃まで冷却し、そして1N HCl溶液で、pH4〜5までクエンチした。分離した固形物を濾過した。残渣を冷水で洗浄し、そして真空乾燥して、淡黄色固形物として、6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(0.771g、2.027mmol、80%)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.82(t, J = 9.6 Hz, 2H), 7.74 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.64 (t, J =7.6 Hz, 1H), 7.52 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.27 (t, J = 9.6 Hz, 1H),3.87-3.60 (m, 6H), 3.31-3.10 (m, 2H), 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6)δ 166.8, 165.7, 160.0, 143.7, 134.9, 134.9, 133.4, 130.1, 129.0, 128.0, 127.1,127.0, 127.0, 126.0, 125.9, 125.5, 122.4, 112.5, 46.3, 44.3, 44.1. MS (ES+) m/z381.2 (M+1)。
【0204】
(調製6)
(N−ヒドロキシブチルアミジンの合成)
95%エタノール(15ml)および水(2ml)中のブチロニトリル(4.000g、57.878mmol)、NaOH(2.315g、57.878mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(4.022g、57.878mmol)の混合物を、還流状態で、12時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、油状残渣をクロロホルム(30ml)に溶解し、そして濾過して、不溶なNaClを除去した。濾液を真空中で濃縮して、無色油状物(2.950g、28.884mmol、50%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.10(br., s, 1H), 4.61 (br., s, 2H), 2.12 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 1.64-1.51 (m,2H), 0.95 (t, J = 7.3 Hz, 3H). MS (ES+) m/z 103.0 (M+1)。
【0205】
(調製7)
(N−ヒドロキシヘキサンアミジンの合成)
ヘキサンニトリル(4.000g、41.169mmol)、NaOH(1.646g、41.169mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2.861g、41.169mmol)の95%エタノール(15ml)および水(2mL)溶液を、還流状態で、12時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、油状残渣をクロロホルム(30ml)に溶解し、そして濾過して、不溶なNaClを除去した。濾液を真空中で濃縮して、無色シロップ(2.950g、22.660mmol、55%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.11(br., s, 1H), 4.63 (br., s, 2H), 2.12 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 1.70-1.55 (m,2H), 1.49-1.23 (m, 4H), 0.91 (t, J = 7.3 Hz, 3H). MS (ES+) m/z131.1 (M+1)。
【0206】
(調製8)
(1−(2−クロロエチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}尿素の合成)
エタノールおよびジクロロメタン(1:1、15ml)の混合物中の[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン(0.070g、0.200mmol)の撹拌溶液に、イソシアン酸2−クロロエチル(80.0μL、0.79mmol)を一度に加えた。次いで、その混合物を、室温で、10分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣を、5%HCl溶液、水で洗浄し、そして乾燥した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、収率30%(0.028g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.98(b., s, 1H), 7.75 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.64 (t, J = 7.0 Hz, 1H),7.56 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 7.12 (d, J= 10.0 Hz, 1H), 4.99 (m, 1H), 4.06-3.89 (m, 2H), 3.69-3.59 (m, 6H), 3.56-3.53(m, 2H), 3.47-3.44 (m, 2H), 3.35-3.33 (m, 2H)。
【0207】
(調製9)
(3−ピペラジン−1−イル−6−ピリジン−2−イル−ピリダジンの合成)
A.グリオキサル酸エチル(3.060g、30.000mmol)(50%トルエン溶液6.2mL)および2−アセチルピリジン(3.630g、30.000mmol)の混合物を、油浴中にて、135℃で、16時間加熱した。トルエンを除去した後、粗残渣をカラムクロマトグラフィーで精製した。収率44%(2.910g、13.000mmol)で、純粋な2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−ピリジン−2−イル酪酸エチルエステルを単離した。
【0208】
B.2−ヒドロキシ−4−オキソ−4−ピリジン−2−イル酪酸エチルエステル(2.910g、13.000mmol)の1−ブタノール20mL溶液を、ヒドラジン水和物0.65mL(1:1の比)で処理し、その混合物を一晩還流した。溶媒を乾燥状態まで蒸発させて、黒色固形物として、2.000g(11.500mmol)の6−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オンを得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0209】
C.固形6−ピリジン−2−イル−2H−ピリダジン−3−オン(0.500g、2.900mmol)に、POCl(20mL)を加え、その混合物を、還流状態で、4時間撹拌した。真空中で過剰のPOClを除去した。残渣を氷に注ぎ、そしてNaHCOを使用して中和した。生成物をエーテルおよび酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をMaSOで乾燥し、そして蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、収率45%(0.250g)で、3−クロロ−6−ピリジン−2−イルピリダジンを得た。
【0210】
D.3−クロロ−6−ピリジン−2−イルピリダジン(0.250g、1.300mmol)のアセトニトリル(15ml)溶液に、ピペラジン(0.335g、3.900mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、4時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、収率77%(0.240g)で、表題化合物を得た。
【0211】
(調製10)
(3−フェニル−6−ピペラジン−1−イル−ピリダジンの合成)
3−クロロ−6−フェニルピリダジン(0.960g、5.000mmol)のアセトニトリル(25ml)溶液に、ピペラジン(2.580g、30.00mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、16時間撹拌した。真空中で溶媒を除去し、そして残渣をジクロロメタンに溶解した。得られた溶液を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。収率99%(1.200g)で、表題化合物が得られた。
【0212】
(調製11)
(6’−ピペラジン−1−イル−[2,3’]ビピリジニルの合成)
A.5−ブロモ−2−クロロピリジン(0.770g、4.000mmol)の無水THF(10ml)溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(ヘキサン中で1.6M、2.5ml、4mmol)を滴下した。その反応混合物を、−78℃で、30分間撹拌し、次いで、ホウ酸トリイソプロピル(1.8ml、7.800mmol)を迅速に加えた。その反応物を、−78℃で、さらに30分間撹拌し、次いで、水でクエンチし、そして2日間撹拌しつつ、室温まで温めた。真空中で有機溶媒を除去し、そして水層を、5%NaOH溶液で、pH10に吸収させ、次いで、エーテルで洗浄した。水層を、濃HCl溶液で、pH1に酸性化して、ホウ酸を沈殿させ、これを、濾過により除き、そして捨てた。その水溶液をpH6に中和し、そして乾燥状態まで蒸発させた。残渣にメタノールを加えて、生成物である2−クロロピリジニル−5−ボロン酸を得た。溶媒を除去した後、白色固形物(0.628g、4.000mmol)として、生成物を得た。それを、精製することなく、次の工程で使用した。
【0213】
B.脱気したDMF(15ml)に、上で得たボロン酸(0.628g、4.000mmol)、2−ブロモピリジン(0.700g、4.400mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(約5mol%、0.260g)を加え、その混合物を、室温で、1時間撹拌した。脱気したNaCO水溶液を加え、この反応混合物を、窒素下にて、80℃で、48時間加熱した。真空中で溶媒を除去し、次いで、残渣に、酢酸エチルを加えた。有機層をブラインで洗浄し、分離し、MgSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、収率61%(0.463g、2.440mmol)で、6’−クロロ−[2,3’]ビピリジニルを得た。
【0214】
C.6’−クロロ−[2,3’]ビピリジニル(0.275g、1.440mmol)のアセトニトリル(10ml)溶液に、ピペラジン(0.310g、3.600mmol)を加え、その混合物を、還流状態で、32時間撹拌した。真空中で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタンに溶解し、そしてNaHCO飽和溶液(10ml)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、そして濾過した。生成物を単離することなく、濾液を次の工程で使用した。
【0215】
(調製12)
(2−(6−ピペラジン−1−イル−ピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールの合成)
A.予め加熱した(150°C)ポリリン酸(5g)に、撹拌しながら、6−クロロニコチン酸(0.785g、5.000mmol)およびo−フェニレンジアミン(0.540g、5.000mmol)の混合物を加えた。撹拌を、150℃で、一晩継続した。その反応混合物に水を加え、得られた溶液をNaHCOで中和し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、そして蒸発させて、収率40%(0.468g、2.04mmol)で、2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールを得た。
【0216】
B.1−メチル−2−ピロリドン中の2−(6−クロロピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.468g、2.040mmol)およびピペラジン(0.516g、6.000mmol)の混合物を、2時間にわたって、撹拌しながら、140℃まで加熱した。真空中で溶媒を除去した。残渣を水(100ml)で希釈し、そして15分間撹拌した。白色沈殿物が形成され、これを、濾過により集め、そして乾燥して、収率93%(0.529g、1.900mmol)で、表題化合物を得た。
【0217】
(調製13)
(2−(6−ピペラジン−1−イル−ピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールの合成)
A.6−クロロピリダジン−3−カルボン酸(0.800g、5.060mmol)、o−フェニレンジアミン(0.550g、5.080mmol)およびポリリン酸(25g)の混合物を、150〜170℃で、撹拌しながら、3時間加熱した。その反応混合物に水を加え、得られた溶液をNaHCOで中和し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、そして蒸発させて、6−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−オールを得、これを、収率31%(0.322g、1.570mmol)で、白色固形物として、単離した。
【0218】
B.6−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−ol(0.322g、1.570mmol)を二塩化エチレン(10ml)に懸濁した。オキシ塩化リン(15ml)を加え、その混合物を、還流状態で、48時間撹拌した。全ての溶媒を除去し、残渣を飽和NaHCOで洗浄し、そして酢酸エチルで抽出した。有機溶液を乾燥し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーで精製して、0.075gの2−(6−クロロ−ピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.32mmol、収率20%)を得た。
【0219】
C.1−メチル−2−ピロリドン(35ml)中の2−(6−クロロピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.280g、2.040mmol)およびピペラジン(0.516g、6.000mmol)の混合物を、30分間にわたって、撹拌しながら、140℃まで加熱した。真空中で溶媒を蒸発させ、残渣を水(100ml)で希釈し、そして15分間撹拌した。白色沈殿物が形成され、これを、濾過により集め、そして乾燥して、表題化合物を得た。
【0220】
(調製14)
(6−クロロ−2−(6−ピペラジン−1−イルピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールの合成)
A.予め加熱した(150℃)ポリリン酸(5g)に、撹拌しながら、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−カルボン酸(0.790g、5.000mmol)および4−クロロベンゼン−1,2−ジアミン(0.720g、5.000mmol)の混合物を加え。その反応物を、150℃で、2時間撹拌した。この反応混合物に水を加え、得られた溶液をNaHCOで中和し、そして酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥し、そして蒸発させて、黒色固形物(0.210g、0.85mmol、収率17%)として、6−(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−ピリダジン−3−オンを得た。
【0221】
B.6−(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−2H−ピリダジン−3−オン(0.210g、0.850mmol)の黒色固形物をクロロホルム(10ml)に懸濁させた。オキシ塩化リン(1.5ml)および五塩化リン(1.0g)を加え、その混合物を、還流状態で、16時間撹拌した。真空中で全ての溶媒を蒸発させ、残渣を飽和NaHCOで洗浄し、そして酢酸エチルで抽出した。有機溶液を乾燥し、濃縮し、そして精製することなく、次の工程で使用した。
【0222】
C.1−メチル−2−ピロリドン(15ml)中の6−クロロ−2−(6−クロロピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.212g、0.800mmol)およびピペラジン(0.260g、3.000mmol)の混合物を、140℃で加熱し、そして30分間撹拌した。真空中で溶媒を蒸発させ、残渣を水(100ml)で希釈し、そして15分間撹拌した。白色沈殿物が形成され、これを、濾過により集め、そして乾燥して、表題化合物を得た。
【0223】
(調製15)
(1,2−ジアミノペンタンの合成)
NaCN(5.50g、112mmol)の水(22ml)撹拌溶液に、NHCl(6.59g、123mmol)を加えた。全てのNHClが溶解したとき、ブチルアルデヒド(8.05g、112mmol)のMeOH(22ml)溶液を加えた。得られた反応混合物を3時間撹拌し、次いで、水でクエンチした。水相を酢酸エチルで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、黄色がかった油状物(5.00g、45%)として、所望化合物である2−アミノペンタンニトリルを得た。粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程の反応で使用した。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.86-3.64 (m, 1H), 1.84-1.68 (m, 2H), 1.65-1.45 (m,2H), 1.04-0.91 (m, 3H)。
【0224】
LiAlH(5.30g、140mmol)の激しく撹拌したTHF(50ml)懸濁液に、0℃で、窒素下にて、濃HSO(7.36g、75.0mmol)を滴下した。得られた混合物を、周囲温度で、1時間撹拌し、次いで、2−アミノペンタンニトリル(5.00g、50.9mmol)のTHF(20ml)溶液を滴下した。その反応混合物を2時間還流し、次いで、周囲温度まで冷却した。それを、0℃で、水に次いで2.9M NaOHでクエンチした。酢酸エチル(50ml)を加え、有機相をデカントし、そして固形物を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、そして濃縮して、褐色油状物(3.50g、67%)として、表題化合物を得た。粗生成物を、さらに精製することなく、次の工程の反応で使用した。
【0225】
(調製16)
(5−フェニルオキサゾリジンの合成)
THF(10ml)中の2−アミノ−1−フェニルエタノール(1.000g、0.007mmol)およびホルムアルデヒド(37%、0.92ml、0.012mmol)の混合物を、3時間にわたって、還流状態まで加熱し、そして撹拌しながら、周囲温度まで冷却した。この混合物を濃縮し、そして残渣をジクロロメタンに溶解した。得られた溶液を水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空中で濃縮した。黄色がかった残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、収率91%(0.990g)で、表題化合物を得た。MS(ES+)m/z 419.2(M+1)。
【0226】
本発明の化合物の合成は、以下の実施例で例示されるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0227】
(実施例1)
((1−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オン)の合成)
BuOH(20ml)中の1−(2−クロロエチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}尿素(0.296g、0.650mmol)、水酸化カリウム(0.364g、0.650mmol)の混合物を、一晩還流した。この反応混合物を濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーで精製した。淡黄色粉末として、収率71%(0.213g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.43(d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.48-1.64 (m, 2H),7.34 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 9.9 Hz, 1H),4.91-5.12 (br., 1H), 4.22 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 3.82-4.03 (m, 2H),3.43-3.65 (m, 6H), 3.31 (t, J = 5.7 Hz, 2H)。
【0228】
(実施例2)
((1−(3−メチルブチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オン)の合成)
DMF(10ml)中の1−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オン(0.080g、0.180mmol)、水素化ナトリウム(60%鉱油(0.0035g、0.150mmol)の混合物を、室温で、30分間撹拌した。1−ヨード−3−メチルブタン(0.0376g、0.190mmol)を加え、その混合物を、60℃で、24時間撹拌し、続いて、水50mLで希釈し、次いで、酢酸エチル(100ml)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィーで精製した後、収率32%(0.028mg)で、淡黄色固形物として、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.45(d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.48-7.65 (m, 2H),7.32 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 9.9 Hz, 1H),3.82-4.12 (m, 4H), 3.42-3.64 (m, 6H), 3.24-3.34 (m, 4H), 1.38-1.66 (m,3H), 0.92 (d, J = 6.5 Hz, 6H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ 167.8, 157.3, 150.5, 134.8, 132.6, 129.7, 127.5, 127.1, 125.8, 122.1, 120.4,116.6, 46.8, 46.3, 45.9, 42.5, 42.1, 41.5, 36.5, 26.1, 22.8. MS (ES+) m/z 491(M+1)。
【0229】
(実施例2.1)
(1−ペンチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オンの合成)
実施例2で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、1−ヨード−3−メチルブタンに代えて1−ヨードペンタンを使用するという変更を行って、1−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オンと反応させて、白色固形物として、収率13%(7.4mg)で、表題化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 8.45 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.71 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 7.47-7.64 (m, 2H), 7.33 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J= 9.9 Hz, 1H), 3.82-4.13 (m, 4H), 3.43-3.65 (m, 6H), 3.23-3.34 (m,4H), 1.48-1.62 (m, 2H), 1.20-1.36 (m, 4H), 0.87 (d, J = 7.5 Hz,3H). MS (ES+) m/z 491 (M+1)。
【0230】
(実施例2.2)
(1−エチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オンの合成)
実施例2で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、1−ヨード−3−メチルブタンに代えて1−ヨードエタンを使用するという変更を行って、1−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オンと反応させて、白色固形物として、収率72%(0.061g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.44(d, J = 9.9 Hz, 1H), 7.72-7.69 (m, 1H), 7.62-7.49 (m, 2H), 7.34-7.32 (m,1H), 6.99 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.08 (t, J = 7.8 Hz, 2H),3.95-3.84 (m, 2H), 3.6 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 3.52-3.47 (m, 4H), 3.38-3.25(m, 4H), 1.16 (t, J = 6.9 Hz, 3H). 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ167.4, 156.9, 156.8, 150.03, 134.4, 132.2, 129.3,127.4, 127.2, 127.02, 126.8, 126.6, 126.2, 125.4, 121.7, 119.9, 118.1, 116.2,46.4, 45.9, 45.5, 41.2, 41.1, 41.03, 38.3, 12.5. MS (ES+) m/z 449 (M+1)。
【0231】
(実施例2.3)
(1−メチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オンの合成)
実施例2で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、1−ヨード−3−メチルブタンに代えて1−ヨードメタンを使用するという変更を行って、1−{6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−イル}イミダゾリジン−2−オンと反応させて、白色固形物として、収率39%(0.020g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ8.47-8.44 (m, 1H), 7.71 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.62-7.49 (m, 2H), 7.33 (d,J = 7.8 Hz, 1H), 7.03-6.99 (m, 1H), 4.08 (t, J = 7.8 Hz, 2H),4.02-3.82 (m, 2H), 3.65-3.42 (m, 6H), 3.31-3.28 (m, 2H), 2.89 (m, 3H). 13CNMR (75 MHz, CD3OD) δ 170.4, 135.4, 133.9, 131.0, 128.8, 127.99,127.91, 127.85, 47.8, 46.7, 46.6, 45.1, 42.5, 42.4, 31,01, 30.8. MS (ES+) m/z435 (M+1)。
【0232】
(実施例3)
((4−{6−[3−(3−メチルブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]ピリダジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸を塩化チオニル(2ml)に溶解し、その混合物を4時間還流した。真空中で溶媒を除去し、次いで、高真空下にて1時間乾燥した。得られた褐色油状物をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。この溶液に、ジクロロメタン(10ml)中のトリエチルアミンおよびN−ヒドロキシ−4−メチルペンタンアミジンの冷(0℃)混合物を滴下し(およそ20分間)、次いで、温度を室温まで上昇させた。次いで、得られた反応混合物を、窒素下にて、6時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣にピリジン(15ml)を加え、その混合物を一晩還流し、次いで、真空中で濃縮し、そして褐色沈殿物が得られ、次いで、これを、ジクロロメタン(200ml)に溶解し、そして水(2×100ml)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィーで精製した。淡黄色固形物として、収率11%(0.014g)で、表題化合物が得られた。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.97(d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.48-7.65 (m, 2H),7.34 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 3.70-4.10 (m,6H), 3.25-3.40 (m, 2H), 2.78 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 1.50-1.70 (m, 3H),0.91 (d, J = 6.5 Hz, 6H). MS (ES+)m/z 449.7 (M+1)。
【0233】
(実施例4)
({4−[6−(5−エチル−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
N−ヒドロキシ−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボキサミジン(0.200g、0.500mmol)のジクロロメタン(6ml)氷冷溶液に、トリエチルアミン(0.5ml)を加え、続いて、次いで、塩化プロピオニル(0.05ml、0.55mmol)を加えた。その混合物を室温まで温め、次いで、30分間撹拌した。真空中で溶媒を除去した。粗残渣および炭酸セシウム(0.200g)を1,4−ジオキサン/水(1:1、8ml)の混合物に懸濁し、次いで、一晩にわたって、還流状態まで加熱した。この反応混合物を冷却し、そして濃縮して、1,4−ジオキサンを除去し、そして水(10ml)で希釈した。生成物を酢酸エチル(2×10ml)で抽出した。有機層を合わせ、水で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、そして酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した。白色結晶として、収率52%(0.113g)で、表題化合物を得た。融点204℃。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ7.93 (d, J = 9.6 Hz, 1H),7.90 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.68-7.50 (m, 2H), 7.32 (d, J = 7.6 Hz,1H), 6.97 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.11-3.90 (m, 6H), 3.34 (t, J =5.1 Hz, 2H), 2.95 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 1.44 (t, J = 7.6 Hz, 3H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 181.4, 167.6, 166.5, 142.0, 134.3, 134.2,132.3, 129.4, 127.2, 127.1, 127.1, 126.8, 126.8, 126.7, 111.7, 46.4, 44.6,44.2, 41.2, 20.3, 10.7. MS (ES+) m/z 433.0 (M+1)。
【0234】
(実施例4.1)
({4−[6−(5−ブチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例4で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、塩化プロピオニルに代えて、塩化バレリルを使用するという変更を行って、N−ヒドロキシ−6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボキサミジンと反応させて、白色結晶として、収率48%(0.110g)で、表題化合物を得た。融点175℃。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ7.90 (d, J = 9.3 Hz, 1H),7.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.67-7.48 (m, 2H), 7.30 (d, J = 7.5 Hz,1H), 7.00 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 4.15-3.65 (m, 6H), 3.32 7.30 (t, J= 4.9 Hz, 2H), 2.95 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 1.92-1.75 (m, 2H), 1.48-1.35(m, 2H), 0.90 (t, J = 7.3 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ 167.6, 166.5, 142.0, 134.3, 134.3, 132.3, 129.4, 127.3, 127.2, 127.1, 126.9,126.8, 126.8, 111.8, 46.4, 44.6, 44.3, 41.2, 28.5, 26.3, 22.1, 13.5. MS (ES+) m/z461.2 (M+1)。
【0235】
(実施例5)
([4−(6−ピリジン−2−イルピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
ジクロロメタン(15ml)中の3−ピペラジン−1−イル−6−ピリジン−2−イルピリダジン(0.240g、1.000mmol)およびトリエチルアミン(0.7ml)の撹拌混合物に、室温で、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイル(0.210g、1.000mmol)を加えた。15分後、その混合物をクエン酸およびNaHCOで洗浄した。有機層を分離し、無水MgSOで乾燥し、そして蒸発させて、固形残渣を得、これを、エーテルから結晶化して、白色固形物として、収率23%(0.097g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.6 (d,J = 4.4 Hz, 1H), 8.5 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 8.3 (d, J = 9.5Hz, 1H), 7.8 (m, 1H), 7.7 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.6 (t, J = 7.3Hz, 1H), 7.5 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.28(m, 1H), 7.0 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 4.1-3.6 (m, 6H), 3.35-3.31 (m, 2H). 13CNMR (75 MHz, CDCl3) δ 167.6, 159.3, 153.9, 151.4, 148.9, 137.0,134.4, 132.3, 127.3, 126.8, 123.6, 120.3, 113.1, 46.5, 44.9, 44.6, 41.3. MS(ES+) m/z 414.1 (M+1)。
【0236】
(実施例5.1)
([4−(6−フェニルピリダジン−3−イル)ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例5で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、3−ピペラジン−1−イル−6−ピリジン−2−イルピリダジンに代えて、3−フェニル−6−ピペラジン−1−イルピリダジンを使用するという変更を行って、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイルと反応させて、灰白色固形物として、収率67%(0.312g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl-3-) δ7.97-7.95 (m, 2H), 7.73-7.71 (m, 2H), 7.63-7.51 (m, 2H), 7.47-7.39 (m, 3H),7.34 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 4.10-3.67 (m,6H), 3.35-3.32 (m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl-3-) δ167.6, 158.2, 151.7, 135.9, 134.3, 132.4, 129.5, 129.2, 128.9, 127.3, 126.9,126.1, 114.2, 46.5, 45.2, 44.9, 41.3. MS (ES+) m/z 413.0 (M+1)。
【0237】
(実施例5.2)
((4−[2,3’]ビピリジニル−6’−イル−ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例5で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、3−ピペラジン−1−イル−6−ピリジン−2−イルピリダジンに代えて、6’−ピペラジン−1−イル−[2,3’]ビピリジンを使用するという変更を行って、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイルと反応させて、白色固形物として、20%(0.102g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.75(m, 1H), 8.62 (m, 1H), 8.19 (m, 1H), 7.73-7,67 (m, 2H), 7.63-7.58 (m, 2H), 7.53(t, J = 7.4 Hz, 7.39, 1H), 7.35 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.16 (m,1H), 6.73 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 4.01-3.85 (m, 2H), 3.73-3.69 (m, 2H),3.59-3.56 (m, 2H), 3.31-3.28 (m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ 167.5, 158.9, 155.1, 149.7, 146.6, 136.7, 136.3, 132.2, 129.3, 127.3, 126.8,126.7, 125.3, 121.5, 119.2, 106.9, 134.6, 46.7, 45.0, 44.9, 41.4. MS (ES+) m/z413.1 (M+1)。
【0238】
(実施例6)
({4−[5−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
THF:ジクロロメタン(1:1)の混合物25mL中の2−(6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾール(0.403g、1.440mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(1ml)の存在下にて、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイル(0.300g、1.440mmol)を加えた。その混合物を、室温で、1時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、そして酢酸エチルを加えた。この懸濁液を超音波処理し、そして濾過した。濾液を真空中で濃縮し、そして残渣をカラムクロマトグラフィーにかけた。白色固形物として、収率15%(0.097g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.71(s, 1H), 8.24 (dd, J = 2.4 および 9.0 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 7.5 Hz,1H), 7.74 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.63 (t, J = 7.5 Hz, 1H),7.52-7.48 (m, 2H), 7.51 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.14-7.11 (m, 2H), 6.97 (d,J = 9.0 Hz, 1H), 3.78-3.71 (m, 4H), 3.60-3.46 (m, 2H), 3.29-3.11 (m,2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ166.8, 159.2,150.4, 146.8, 136.1, 135.1, 135.1, 133.4, 130.1, 128.0, 127.1, 127.0, 126.1,126.0, 125.6, 122.4, 116.2, 107.4, 46.6, 44.6, 44.4, 41.4. MS (ES+) m/z452.3 (M+1)。
【0239】
(実施例6.1)
({4−[6−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例6で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、2−(6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールに代えて、2−(6−ピペラジン−1−イルピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールを使用するという変更を行って、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイルと反応させて、白色粉末として、収率27%(0.122g)で、表題化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 13.25 (s, 1H), 8.16 (d, J = 9.6 Hz, 1H),7.82 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.75 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.65 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.6 Hz,1H), 7.42 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.22-7.13 (m, 2H), 3.87-3.56 (m, 6H),3.26-3.12 (m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)δ165.1, 158.2, 148.1, 142.8, 142.5, 133.7, 133.4,131.8, 128.4, 126.4, 125.4, 124.9, 124.4, 124.3, 123.9, 121.8, 120.8, 117.8,112.4, 110.6, 44.8, 42.9, 42.7, 39.6. MS (ES+) m/z453.3 (M+1)。
【0240】
(実施例6.2)
({4−[6−(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例6で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、2−(6−ピペラジン−1−イルピリジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールに代えて、6−クロロ−2−(6−ピペラジン−1−イル−ピリダジン−3−イル)−1H−ベンゾイミダゾールを使用するという変更を行って、塩化2−トリフルオロメチルベンゾイルと反応させて、白色粉末として、収率24%(0.118g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 13.4(m, 1H), 8.15 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.82 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.76(t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.70-7.63 (m, 2H), 7.54 (d, J = 7.5 Hz, 1H),7.48-7.45 (m, 1H), 7.42 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.24-7.16 (m, 1H),3.83-3.59 (m, 6H), 3.30-3.20 (m, 2H). MS (ES+) m/z 487.4 (M+1)。
【0241】
(実施例7)
({4−[6−(3−プロピル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(0.500g、1.314mmol)のクロロホルム懸濁液に、DMF1滴を加え、続いて、塩化チオニル(0.5ml)を加えた。その混合物を、還流状態で、一晩加熱した。その透明溶液を、真空下にて、乾燥状態まで蒸発させて、淡黄色シロップを得た。次いで、このシロップを無水ジクロロメタン(1ml)に溶解し、そして0℃で、ジクロロメタン(5ml)中にN−ヒドロキシブチルアミジン(0.134g、1.314mmol)およびトリエチルアミン(0.5ml)を含有する溶液に移した。その混合物を室温まで温め、さらに30分間撹拌した。真空中で溶媒を除去した。粗混合物を1,4−ジオキサン−水(1:1、9ml)(これは、炭酸セシウム(0.3g)を含有する)に懸濁し、そして還流状態で一晩加熱し、冷却し、濃縮し、水(10ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、そして酢酸エチル−ヘキサンから再結晶した。白色固形物として、収率39%(0.228g)で、表題化合物を得た。融点226℃。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ7.98 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.71 (d, J= 7.7 Hz, 1H), 7.65-7.50 (m, 2H), 7.34 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.97 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 4.11-3.98 (m, 1H), 3.96-3.70 (m, 5H), 3.34 (t, J = 5.1Hz, 2H), 2.77 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.90-1.75 (m, 2H), 0.99 (t, J= 7.3 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 172.6, 171.1,167.7, 159.2, 139.7, 134.1, 132.4, 129.5, 127.8, 127.2, 126.9, 126.8, 111.3,46.3, 44.5, 44.1, 41.2, 27.9, 20.4, 13.7. MS (ES+) m/z 447.0 (M+1)。
【0242】
(実施例7.1)
({4−[6−(3−ペンチル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例7で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、N−ヒドロキシブチルアミジンに代えて、N−ヒドロキシヘキサンアミジンを使用するという変更を行って、白色固形物として、収率33%(0.205g)で、表題化合物を得た。融点164℃。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.99 (d, J = 9.8 Hz, 1H), 7.71 (d,J = 7.9 Hz, 1H), 7.60-7.50 (m, 2H), 7.34 (d, J = 7.4 Hz, 1H),6.97 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.11-3.98 (m, 1H), 3.96-3.70 (m, 5H), 3.34 (t,J = 5.2 Hz, 2H), 2.77 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 1.85-1.70 (m, 2H),1.40-1.30 (m, 4H), 0.87 (t, J = 6.8 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz,CDCl3) δ 172.6, 171.3, 167.6, 159.3, 139.8, 134.1, 134.1, 132.4,129.5, 127.7, 127.2, 127.1, 126.9, 126.8, 111.2, 46.3, 44.4, 44.1, 41.2, 31.2,26.7, 26.0, 22.2, 13.9. MS (ES+) m/z 475.0 (M+1)。
【0243】
(実施例8)
({4−[6−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
A.6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸メチルエステル(0.200g、0.502mmol)およびプロパン−1,2−ジアミン(2ml)の混合物を、封管にて、140℃で、12時間加熱した。この混合物を冷却し、そして高真空下にて濃縮して、過剰量のプロパン−1,2−ジアミンを除去した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、白色発泡体として、6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(2−アミノプロピル)アミド(0.188g、85%)を得た。
1H NMR(300 MHz, MeOH-d4) δ 7.92 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.81 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 7.78-7.61 (m, 2H), 7.50 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.30 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 4.00-3.82 (m, 4H), 3.72 (t, J = 4.9 Hz, 2H), 3.45-3.23(m, 5H), 1.10 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS (ES+) m/z 437.0 (M+1)。
【0244】
B.6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(2−アミノプロピル)アミド(0.100g、0.229mmol)を、POCl(3ml)中にて、6時間還流した。その混合物を冷却し、濃縮し、そして1N NaOH(3ml)でクエンチした。この褐色溶液をジクロロメタンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥し、そして濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、濃厚シロップとして、収率55%(0.053g)で、表題化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 9.6 Hz, 1H),7.71 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 7.65-7.50 (m, 2H), 7.34 (d, J = 7.4 Hz,1H), 6.94 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.25-4.12 (m, 1H), 4.10-3.60 (m, 7H),3.41 (dd, J = 7.6, 11.8 Hz, 1H), 3.30 (t, J = 5.1 Hz, 2H), 1.30(d, J = 6.3 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ167.6,160.9, 159.5, 143.2, 134.2, 134.2, 132.4, 129.5, 127.5, 127.2, 127.1, 126.9,126.9, 126.8, 126.7, 125.4, 121.8, 112.2, 46.3, 44.5, 44.4, 41.2, 21.6. MS(ES+) m/z 419.2 (M+1)。
【0245】
(実施例9)
({4−[6−(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
POCl(7ml)中の5−ブロモピリジン−2,3−ジアミン(0.188g、1.000mmol)および6−[4−(2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(0.380g、1.000mmol)の混合物を、24時間にわたって、還流状態まで加熱した。真空中で溶媒を蒸発させ、そして黒色残渣を氷冷NaOH溶液で中和した。この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、MgSOで乾燥し、そしてシリカゲルのショートパッドで濾過した。濾液を濃縮し、エーテルを加えた。10〜15℃まで冷却した後、白色沈殿物が形成され始めた。これを濾過により除き、そして真空乾燥して、収率74%(0.394g、0.810mmol)で、{4−[6−(6−ブロモ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンを得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ13.64 (br.,s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.17 (d, J = 9.6 Hz, 1H),8.03 (br, s, 1H), 7.82 (d, J = 7.8 Hz,1H), 7.76 (t, J = 7.4 Hz,1H), 7.65 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 9.6 Hz, 1H),3.90-3.20 (m, 8H13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.8, 159.9, 152.8, 144.9, 143.5, 135.0,133.4, 130.1, 128.0, 127.1, 127.0, 126.9, 126.0, 125.9, 125.6, 122.4, 113.8,46.4, 44.5, 44.3, 41.2. MS (ES+) m/z 532, 534(M+1)。
【0246】
(実施例10)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ニコチン酸(0.509g、1.281mmol)のPOCl(10ml)の撹拌溶液に、1,2−ジアミノペンタン(3.50g、34.0mmol)を滴下した。得られた混合物を、還流状態で、16時間撹拌し、次いで、周囲温度まで冷却し、そして濃縮した。残渣を飽和NaHCOに吸収させ、そしてジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、そして濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーで精製して、収率9%(0.052g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 9.09 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.56 (dd, J =2.2, 9.2 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 5.1, 8.8 Hz, 1H), 7.22 (d, J =7.8 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 2.4, 8.0 Hz, 1H), 6.65 (d, J = 9.2 Hz,1H), 4.32-3.49 (m, 9H), 1.92-0.75 (m, 9H). MS (ES+) m/z 464 (M+1)。
【0247】
(実施例10.1)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
実施例10で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、1,2−ジアミノペンタンに代えて、1,2−ジアミノプロパンを使用するという変更を行って、淡黄色固形物として、収率46%(0.260g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CD3OD) δ 8.63 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.98-7.86 (m, 2H),7.48-7.35 (m, 2H), 6.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 4.55-4.41 (m, 1H),3.98-3.33 (m, 10H), 1.44 (d, J = 6.3 Hz, 3H). MS (ES+) m/z 436(M+1)。
【0248】
(実施例11)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
塩化オキサリル(0.029g、0.228mmol)のCHCl(1.5ml)撹拌溶液に、窒素下にて、−78℃で、DMSO(0.028g、0.358mmol)を滴下した。得られた混合物を10分間撹拌した。この混合物に、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン(0.052g、0.112mmol)のジクロロメタン(1.5ml)を滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、続いて、トリエチルアミン(0.056g、0.553mmol)を加えた。その反応混合物を、−78℃で、1時間撹拌し、次いで、周囲温度まで温め、そして水でクエンチした。水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗生成物を分取TLCで精製して、収率10%(0.005g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.58 (s, 1H), 8.07 (dd, J = 1.0, 9.0 Hz, 1H),7.75 (dd, J = 5.1, 8.8 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 2.3, 7.9 Hz, 1H),6.81 (s, 1H), 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H),4.01-3.64 (m, 4H), 3.58-3.51 (m,2H), 3.35-3.27 (m, 2H), 2.64-2.55 (m, 2H), 1.74-1.61 (m, 2 H), 0.96 (t, J= 7.3 Hz, 3H). MS (ES+) m/z 462 (M+1)。
【0249】
(実施例11.1)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
実施例11で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンに代えて、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンを使用するという変更を行って、収率22%(0.033g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.54 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.03 (dd,J = 2.5, 8.9 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 5.1, 8.8 Hz, 1H), 7.22 (dd, J= 1.8, 8.1 Hz, 1H), 7.08 (dd, J = 2.5, 8.0 Hz, 1H), 6.79 (d, J =1.0 Hz, 1H), 6.67 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.02-3.80 (m, 2H), 3.74-3.64 (m, 2H),3.58-3.51 (m, 2H), 3.34-3.26 (m, 2H), 2.28 (s, 3H). MS (ES+) m/z 434(M+1)。
【0250】
(実施例11.2)
({4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例11で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンに代えて、(2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンを使用するという変更を行って、濃厚シロップとして、収率55%(0.053g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.71 (d, J =7.4 Hz, 1H), 7.65-7.50 (m, 2H), 7.34 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.94 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 4.25-4.12 (m, 1H), 4.10-3.60 (m, 7H), 3.41 (m, 1H), 3.30 (t, J= 5.1 Hz, 2H), 1.30 (d, J = 6.3 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz,CDCl3) δ 167.6, 160.9,159.5, 143.2, 134.2, 134.2, 132.4, 129.5, 127.5, 127.2, 127.1, 126.9, 126.9,126.8, 126.7, 125.4, 121.8, 112.2, 46.3, 44.5, 44.4, 41.2, 21.6. MS (ES+) m/z417.1 (M+1)。
【0251】
(実施例11.3)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
実施例11で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンに代えて、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンを使用するという変更を行って、濃厚シロップとして、収率56%(0.062g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 8.37 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78-7.73 (m, 1H), 7.28-7.22 (m, 1H),7.16-7.09 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.23-3.96 (m,4H), 3.63-3.45 (m, 2H), 3.41-3.33 (m, 2H) 2.33 (s, 3H). 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ 169.5, 162.1, 143.8, 141.2, 139.3, 133.8, 132.6,129.1, 119.9, 119.7, 117.8, 117.5, 116.2, 49.2, 47.1, 46.8, 44.2, 12.5. MS (ES+) m/z 435.6 (M+1)。
【0252】
(実施例11.4)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
実施例11で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンに代えて、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンを使用するという変更を行って、濃厚シロップとして、収率65%(0.155g)で、表題化合物を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ 8.46 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78-7.75 (m, 1H), 7.32-7.22 (m, 2H),7.17-7.01 (m, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.02 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.31-4.02 (m,4H), 3.63-3.35 (m, 4H), 2.64 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 169-1.56 (m, 2H), 0.84(t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ166.3, 166.0, 162.6, 161.7, 161.2, 159.2, 141.0, 138.5, 136.4, 135.8, 129.7,126.5, 125.1, 123.3, 122.8, 121.5, 118.2, 117.1, 116.8, 116.5, 114.9, 114.6,114.3, 112.5, 46.5, 44.5, 44.1, 41.9, 26.5, 21.8, 13.3. MS (ES+) m/z 463 (M+1)。
【0253】
(実施例11.5)
({4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンの合成)
実施例11で記述した手順に従って、必要に応じてのみ、(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンに代えて、{4−[6−(4−プロピル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノンを使用するという変更を行って、濃厚シロップとして、収率68%(0.162g)で、表題化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 8.46 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.78-7.76 (m,1H), 7.68-7.51 (m, 2H), 7.41-7.39 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 7.01 (d, J =9.6 Hz, 1H), 4.3-4.1 (m, 4H), 3.6-3.35 (m, 4H), 2.62 (t, J = 7.5 Hz,2H), 1.67-1.54 (m, 2H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H). 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ 167.9, 161.7, 167.3, 159.2, 141.1, 138.6, 135.9,133.9, 133.8, 132.6, 129.8, 127.1, 126.9, 116.5, 112.4, 46.6, 44.7, 44.3, 41.9,26.5, 21.8, 13.3. MS (ES+) m/z 445.8 (M+1)。
【0254】
(実施例12)
((5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノンの合成)
6−[4−(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボン酸(2−オキソ−2−フェニルエチル)アミド(0.100g、0.194mmol)に、数滴の濃硫酸を加えた。この混合物を、周囲温度で、一晩撹拌した。その反応を氷水でクエンチし、続いて、5%アンモニア溶液2mLを加えた。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、白色固形物として、収率82%(0.079g)で、表題化合物を得た。融点122〜125℃。
1H NMR(300 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 7.80-7.71 (m,3H), 7.49-7.37 (m, 3H), 7.36-7.29 (m, 1H), 7.28-7.19 (m, 1H), 7.1-7.04 (m, 1H),7.01 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 4.08-3.96 (1H), 3.93-3.71 (m, 5H), 3.4-3.32(m, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 166.1 158.8, 158.4,152.5, 142.3, 129.8, 129.6, 128.9, 128.8, 127.6, 126.8, 125.1, 124.6, 123.4,122.9, 116.8, 116.6, 114.9, 114.7, 112.4, 46.4, 44.7, 44.4, 41.4. MS (ES+) m/z498.1 (M+1)。
【0255】
(実施例13)
(マウス肝臓ミクロソームを使用した、試験化合物のステアロイル−COAデサチュラーゼ阻害活性の測定)
SCDインヒビターとしての本発明の化合物の同定を、SCD酵素およびBrownlieらの公開されたPCT特許出願(WO01/62954)に記載されるミクロソームアッセイ手順を使用して容易に達成した。
【0256】
(マウス肝臓ミクロソームの調製)
オスICRマウス(高炭水化物の低脂肪食)を、軽いハロタン麻酔(鉱油中の15%)下で、高い酵素活性の期間の間に瀉血によって屠殺する。肝臓を、0.9%の冷NaCl溶液を用いて直ちにリンスし、秤量し、そして鋏によって細かく刻む。特に明記されない限り、全ての手順を、4℃にて行った。肝臓を、Potter−Elvehjem組織ホモジナイザーの4ストロークを使用して、0.25Mのスクロース、62mMのリン酸カルシウム緩衝液(pH7.0)、0.15MのKCl、1.5mMのN−アセチルシステイン(acetyleysteine)、5mMのMgCl、および0.1mMのEDTAを含む溶液(1:3 w/v)中でホモジナイズする。このホモジネートを、10,400×gにて20分間遠心分離して、ミトコンドリアおよび細胞の破片を除去する。上清を、3層の寒冷紗を通して濾過し、そして105,000×gにて60分間遠心分離する。ミクロソームのペレットを、小さなガラス/テフロン(登録商標)ホモジナイザーを用いて同じホモジナイズ溶液中に穏やかに懸濁し、そして−70℃にて保存する。ミトコンドリアの混入の非存在を、酵素的に評価する。タンパク質濃度を、標準としてウシ血清アルブミンを使用して測定する。
【0257】
(試験化合物とマウス肝臓ミクロソームとのインキュベーション)
反応を、1.5mlのホモジナイズ溶液(42mMのNaF、0.33mMのナイアシンアミド、1.6mMのATP、1.0mMのNADH、0.1mMの補酵素Aおよび10μMの濃度の試験化合物を含む)中に33.3μMの最終濃度にて、0.20μCiの基質の脂肪酸(1−14Cパルミチン酸)を含むプレインキュベートしたチューブに2mgのミクロソームタンパク質を添加することによって開始する。このチューブを、激しくボルテックスし、そして振盪水浴(37℃)中で15分間インキュベートした後、この反応を停止し、そして脂肪酸を分析する。
【0258】
脂肪酸を、以下の通りに分析する:反応混合物を10%のKOHによってけん化して、遊離脂肪酸を得る。この遊離脂肪酸を、メタノール中のBFを使用してさらにメチル化する。この脂肪酸メチルエステルを、205nmに設定したダイオードアレイ検出器、固体シンチレーションカートリッジ(14C−検出ついて97%の効率)を有する放射性同位体検出器(Model 171、Beckman、CA)、およびμBondapak C−18(Beckman)インサートを有するプレカラムに接続された逆相ODS(C−18)Beckmanカラム(250mm×4.6mm i.d.;5μmの粒子サイズ)を取り付けたHewlett Packard 1090,Series IIクロマトグラフを使用した、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析する。脂肪酸メチルエステルを、1mL/分の流速にてアセトニトリル/水(95:5 v:v)を用いて定組成的に(isocratically)分離し、そして確実な標準と比較することによって同定する。あるいは、脂肪酸メチルエステルは、キャピラリーカラムガスクロマトグラフィー(GC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分析され得る。
【0259】
当業者は、ミクロソームにおけるステアロイル−CoAデサチュラーゼ活性の試験化合物による阻害を測定するのに有用であり得るこのアッセイに対する種々の改変を理解する。
【0260】
本発明の代表的な化合物は、このアッセイにおいて試験した場合、SCDのインヒビターとしての活性を示した。この活性を、上記試験化合物の所望の濃度において残存するSCD酵素活性の%によって定義した。
【0261】
本明細書中に引用され、そして/または出願データシートに記載される全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0262】
上記のことによって、本発明の特定の実施形態は例示目的で記載されており、種々の改変は本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、理解される。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定されることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトステアロイル−CoA不飽和化酵素(hSCD)活性を阻害する方法であって、hSCD源と式(I)の化合物とを、それらの立体異性体、鏡像異性体または互変異性体として、立体異性体の混合物として、それらの薬学的に受容可能な塩として、あるいはそれらのプロドラッグとして、接触させる工程を包含する、方法:
【化1】

ここで:
xおよびyは、それぞれ別個に、0、1、2または3である;
Gは、−N(R)−、−O−、−S(O)−(ここで、tは、0、1または2である)、−C(R)=または−C(R)=C(R)−である;
JおよびKは、それぞれ別個に、NまたはC(R10)である;
LおよびMは、それぞれ別個に、−N=または−C(R)=であるが、但し、Gが−C(R)=または−C(R)=C(R)−であるとき、LおよびMは、両方とも−C(R)=にはなり得ない;
Vは、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)、または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である;
各Rは、別個に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキルおよびC〜C19アラルキルからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリール、およびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;
あるいは2個の隣接R基は、それらが結合する炭素と一緒になって、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系を形成し得る;
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはRおよびR5aは、一緒になって、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR7aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基であるが、但し、Vが−C(O)−であるとき、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基を形成しないのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはR、R5a、RおよびR6aの1個は、R、R7a、RおよびR8aの1個と一緒になって、直接結合またはアルキレン架橋を形成するのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、R、およびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
各Rは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;そして
10は、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキルまたはC〜C12アルコキシから選択される、
方法。
【請求項2】
哺乳動物におけるステアロイル−CoA不飽和化酵素(SCD)により媒介される疾患または病態を治療する方法であって、ここで、該方法は、それを必要とする該哺乳動物に、式(I)の化合物の治療有効量を、それらの立体異性体、鏡像異性体または互変異性体として、立体異性体の混合物として、それらの薬学的に受容可能な塩として、あるいはそれらのプロドラッグとして、投与する工程を包含する:
【化2】

ここで:
xおよびyは、それぞれ別個に、0、1、2または3である;
Gは、−N(R)−、−O−、−S(O)−(ここで、tは、0、1または2である)、−C(R)=または−C(R)=C(R)−である;
JおよびKは、それぞれ別個に、NまたはC(R10)である;
LおよびMは、それぞれ別個に、−N=または−C(R)=であるが、但し、Gが−C(R)=または−C(R)=C(R)−であるとき、LおよびMは、両方とも−C(R)=にはなり得ない;
Vは、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)、または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である;
各Rは、別個に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキルおよびC〜C19アラルキルからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリール、およびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;
あるいは2個の隣接R基は、それらが結合する炭素と一緒になって、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系を形成し得る;
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはRおよびR5aは、一緒になって、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR7aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基であるが、但し、Vが−C(O)−であるとき、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基を形成しないのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはR、R5a、RおよびR6aの1個は、R、R7a、RおよびR8aの1個と一緒になって、直接結合またはアルキレン架橋を形成するのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、R、およびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
各Rは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;そして
10は、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキルまたはC〜C12アルコキシから選択される、
方法。
【請求項3】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記疾患または病態が、II型糖尿病、糖耐性障害、インシュリン耐性、肥満、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、異脂肪血症およびメタボリックシンドロームならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記疾患または病態が、II型糖尿病である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記疾患または病態が、肥満である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記疾患または病態が、メタボリックシンドロームである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記疾患または病態が、脂肪肝である、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患または病態が、非アルコール性脂肪肝である、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
それらの立体異性体、鏡像異性体または互変異性体として、立体異性体の混合物として、それらの薬学的に受容可能な塩として、あるいはそれらのプロドラッグとしての、式(I)の化合物:
【化3】

ここで:
xおよびyは、それぞれ別個に、0、1、2または3である;
Gは、−N(R)−、−O−、−S(O)−(ここで、tは、0、1または2である)、−C(R)=または−C(R)=C(R)−である;
JおよびKは、それぞれ別個に、NまたはC(R10)である;
LおよびMは、それぞれ別個に、−N=または−C(R)=であるが、但し、Gが−C(R)=または−C(R)=C(R)−であるとき、LおよびMは、両方とも−C(R)=にはなり得ない;
Vは、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)、または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である;
各Rは、別個に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキルおよびC〜C19アラルキルからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリール、およびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;
あるいは2個の隣接R基は、それらが結合する炭素と一緒になって、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系を形成し得る;
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはRおよびR5aは、一緒になって、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR7aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基であるが、但し、Vが−C(O)−であるとき、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基を形成しないのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはR、R5a、RおよびR6aの1個は、R、R7a、RおよびR8aの1個と一緒になって、直接結合またはアルキレン架橋を形成するのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、R、およびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
各Rは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;そして
10は、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキルまたはC〜C12アルコキシから選択される、
化合物。
【請求項11】
JおよびKが、両方とも、Nである、すなわち、次式(Ia)を有する化合物である、請求項10に記載の化合物:
【化4】

【請求項12】
請求項11に記載の化合物であって、ここで:
xおよびyは、それぞれ、1である;
Gは、−C(R)=C(R)−である;
LおよびMは、両方とも、−N=である;
あるいはLは、−C(R)=であり、そしてMは、−N=であるか、あるいは、Lは、−N=であり、そしてMは、−C(R)=である;
Vは、−C(O)−である;
は、アリール、C〜C12ヘテロシクリルおよびC〜C12ヘテロアリールからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;そして
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される、
化合物。
【請求項13】
LおよびMが、両方とも、−N=である、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
が、アリールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
以下からなる群から選択される、請求項14に記載の化合物:
[4−(6−フェニルピリダジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン。
【請求項16】
が、C〜C12ヘテロアリールである、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
以下からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物:
{4−[6−(3−ペンチル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
{4−[6−(3−プロピル[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
(4−{6−[3−(3−メチル−ブチル)−[1,2,4]オキサジアゾール−5−イル]−ピリダジン−3−イル}−ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{4−[6−(5−ブチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ピリダジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)(2−トリフルオロメチル−フェニル)メタノン;
{4−[6−(5−エチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル]ピリダジン−3−イル}ピペラジン−1−イル)(2−トリフルオロメチル−フェニル)メタノン;
[4−(6−ピリジン−2−イル−ピリダジン−3−イル)−ピペラジン−1−イル]−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
{4−[6−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[6−(6−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(5−フェニルオキサゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;および
{4−[6−(4−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン。
【請求項18】
が、C〜C12ヘテロシクリルである、請求項13に記載の化合物。
【請求項19】
以下からなる群から選択される、請求項18に記載の化合物:
{4−[6−(4−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリダジン−3−イル]ピペラジン−1−イル}(2−トリフルオロメチルフェニル)メタノン;
1−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−(3−メチル−ブチル)−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−ペンチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;
1−エチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン;および
1−メチル−3−{6−[4−(2−トリフルオロメチル−ベンゾイル)−ピペラジン−1−イル]−ピリダジン−3−イル}−イミダゾリジン−2−オン。
【請求項20】
Lが、−C(R)=であり、そしてMが、−N=であるか、あるいは、Lが、−N=であり、そしてMが、−C(R)=である、請求項12に記載の化合物。
【請求項21】
が、C〜C12ヘテロアリールまたはC〜C12ヘテロシクリルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
以下からなる群から選択される、請求項21に記載の化合物:
(4−[2,3’]ビピリジニル−6’−イル−ピペラジン−1−イル)−(2−トリフルオロメチルフェニル)−メタノン;
{4−[5−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ピリジン−2−イル]−ピペラジン−1−イル}−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン;および
(5−フルオロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−{4−[5−(5−プロピル−1H−イミダゾール−2−イル)ピリジン−2−イル]ピペラジン−1−イル}メタノン。
【請求項23】
薬学的に受容可能な賦形剤または担体と、式(I)の化合物とを、それらの立体異性体、鏡像異性体または互変異性体として、立体異性体の混合物として、それらの薬学的に受容可能な塩として、あるいはそれらのプロドラッグとして、含有する医薬組成物:
【化5】

ここで:
xおよびyは、それぞれ別個に、0、1、2または3である;
Gは、−N(R)−、−O−、−S(O)−(ここで、tは、0、1または2である)、−C(R)=または−C(R)=C(R)−である;
JおよびKは、それぞれ別個に、NまたはC(R10)である;
LおよびMは、それぞれ別個に、−N=または−C(R)=であるが、但し、Gが−C(R)=または−C(R)=C(R)−であるとき、LおよびMは、両方とも−C(R)=にはなり得ない;
Vは、直接結合、−N(R)−、−N(R)C(O)−、−O−、−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−C(O)N(R)−、−S(O)−(ここで、pは、1または2である)、または−S(O)N(R)−(ここで、pは、1または2である)である;
各Rは、別個に、水素、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキルおよびC〜C19アラルキルからなる群から選択される;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリール、およびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
は、C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルキル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシアルキル、C〜C12シクロアルキル、C〜C12シクロアルキルアルキル、アリール、C〜C19アラルキル、C〜C12ヘテロシクリル、C〜C12ヘテロシクリルアルキル、C〜C12ヘテロアリールおよびC〜C12ヘテロアリールアルキルからなる群から選択される;
あるいはRは、2個〜4個の環を有する多環構造であり、ここで、該環は、は、別個に、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該環の一部または全部は、互いに縮合され得る;
各Rは、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキル、C〜C12アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、ニトロまたは−N(Rから選択される;
あるいは2個の隣接R基は、それらが結合する炭素と一緒になって、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環系を形成し得る;
、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはRおよびR5aは、一緒になって、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR7aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基であるが、但し、Vが−C(O)−であるとき、RおよびR6aは、一緒になって、またはRおよびR8aは、一緒になって、オキソ基を形成しないのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、RおよびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
あるいはR、R5a、RおよびR6aの1個は、R、R7a、RおよびR8aの1個と一緒になって、直接結合またはアルキレン架橋を形成するのに対して、残りのR、R5a、R、R6a、R、R7a、R、およびR8aは、それぞれ別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;
各Rは、別個に、水素またはC〜Cアルキルから選択される;そして
10は、別個に、水素、フルオロ、クロロ、C〜C12アルキルまたはC〜C12アルコキシから選択される、
組成物。

【公表番号】特表2008−513514(P2008−513514A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532681(P2007−532681)
【出願日】平成17年9月20日(2005.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/034129
【国際公開番号】WO2006/034440
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(506030826)ゼノン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】XENON PHARMACEUTICALS INC.
【Fターム(参考)】