説明

親局管理・子局通信システムおよび親局管理・子局通信方法並びに親局管理・子局通信プログラム

【課題】親局が認めた特定の子局およびユーザーにのみ特定データの利用を可能とした新規な親局管理・子局通信システム、親局管理・子局通信方法、親局管理・子局通信プログラムの提供。
【解決手段】子局20は、親局10に対して特定データの配信要求をする際にその配信要求と共にその子局20の個体情報とオペレータ情報の送信を送信する。親局10は、その子局20の個体情報とオペレータ情報が正当なものである場合に限り、要求された特定データを子局20に配信する。これによって、親局10が子局20を管理しつつ親局10からその特定データの配信を受けられないため、親局10が認めた特定の子局20およびユーザーにのみが特定データを利用可能となり、不正なデータ配信を未然に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親局が子局を管理しつつ特定のデータを子局からの要求などに応じて配信するための親局管理・子局通信システムおよび親局管理・子局通信方法並びに親局管理・子局通信プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワーク技術の発展に伴い、自宅にいながらネットワークを介して最新の音楽や映画、書籍、ゲームなどの配信を受けて楽しむことが可能となってきているが、この種のデータ配信システムの問題としては、配信した電子データ(電子コンテンツ)の不正コピーなどといった不正利用がある。
【0003】
不正コピーの防止策として従来では、例えば以下の特許文献1や2などに開示されているように、ファイル(電子データ)にパスワードなどの暗証番号を付与し、これを知っている人だけがファイルにアクセスできるようにした暗証番号付与方式や、特殊な書き込み装置を用いて媒体の特定個所を強制的にハードエラーにする等物理的に特殊な書き込みを行い、前記ハードエラー発生をファイルアクセスの前提条件としてプログラムを作成しておくことにより不正コピー時のファイルアクセスを防止する物理ガード方式などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−250268号公報
【特許文献2】特開2001−67269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、配信された電子データの不正コピーを防止する技術として前述したような従来の暗証番号付与方式や物理ガード方式を採用した場合、第三者による不正コピーを防止することは可能となるが、その電子データ(端末)に自由にアクセスできるユーザー自身による不正コピー行為を防止することは困難である。
【0006】
また、仮にその電子データ(端末)のユーザー自身による不正コピー行為を防止する技術があっても、その電子データを保存した端末自体が盗難にあったり、貸し借りや譲渡することによって結果的に不特定多数の者がその電子データを利用することが可能となってしまう。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その主たる目的は、親局が子局を管理すると共に親局が認めた特定の子局およびユーザーにのみ特定データの利用を可能とした新規な親局管理・子局通信システムおよび親局管理・子局通信方法並びに親局管理・子局通信プログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために第1の発明は、少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続した親局管理・子局通信システムであって、
前記親局は、前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信手段と、当該配信要求受信手段で受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別手段と、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理手段と、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存手段と、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存手段に保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信手段とを有し、
さらに当該データ配信手段は、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信し、
前記子局は、当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力手段と、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力手段で入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信手段と、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信手段と、当該データ受信手段で受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生手段と、当該データ再生手段で再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶手段とを有し、
さらに当該データ再生手段は、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0009】
このような構成によれば、子局は親局に対して特定データの配信要求を、その子局の個体情報とオペレータ情報と共に配信しなければ、その特定データの配信を受けることができない。また、特定データは暗号化されてから子局に配信されるため、盗聴されてもこれを利用することができない。これによって、不正な子局やオペレータに対するデータ配信を防止することができる。
【0010】
また、子局に配信された特定データを保存する場合には、再度暗号化されて子局側に保存されるため、特定データのみをコピーしてもこれを他の子局などで復号化することができない。これによって、不正コピーによる悪用を防止することができる。なお、この子局は、子局側における暗号化方式および復号化方式を複数用意しておき、親局の指示により、あるいは一定期間ごと、またはランダムにその暗号化方式および復号化方式を変更すればより確実に不正コピーによる悪用を防止することができる。
【0011】
これにより、親局が子局を管理すると共に親局が認めた特定の子局およびユーザーに対してのみ特定データを利用させることが可能となる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、
前記子局のデータ再生手段は、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段に保存した特定データを復号化して再生するときは、前記配信要求送信手段に前記親局に対して当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に配信することを要求し、
前記親局のデータ配信手段は、前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶手段に保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を送信し、
さらに前記子局のデータ再生手段は、前記親局から前記再生許可信号を受信したときは前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0013】
このような構成によれば、子局に保存された特定データを再生(利用)するごとに、あるいは一定期間(数日〜数ヶ月など)またはランダムに、親局に対してその子局の個体情報とオペレータ情報とを配信して親局の認証を受けなければならないため、その子局が盗難された場合やその子局自体の貸し借り・譲渡などによるその特定データの不特定多数への利用を防止することができる。
【0014】
第3の発明は、第1の発明において、
前記親局のデータ配信手段は、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を送信し、
前記子局のデータ再生手段は、前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0015】
このような構成によれば、不正な子局またはオペレータへの特定データの配信を停止できるだけでなく、その子局に対する一切の操作も禁止することができる。これによって、不正な子局またはオペレータに対する不正使用を防止できる。
【0016】
第4の発明は、第4の発明において、
前記親局のデータ配信手段は、前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信し、
前記子局のデータ再生手段は、前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0017】
このような構成によれば、不正なオペレータによる子局の操作後であっても、所定時間経過すれば、正当なオペレータによる子局の操作が可能となる。
【0018】
第5の発明は、第1乃至第3の発明において、
前記親局のデータ配信手段は、当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて送信し、
前記子局のデータ再生手段は、受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0019】
このような構成によれば、親局主導の下に子局の適正な運用を図ることができる。
【0020】
第6の発明は、第1乃至第5の発明において、前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0021】
このような構成によれば、オペレータ情報の偽造が困難となるため、オペレータ認証をより正確に行うことができる。
【0022】
第7の発明は、第1乃至第6発明において、前記子局は、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知手段をさらに備え、
前記親局のデータ配信手段は、位置情報検知手段から送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御することを特徴とする親局管理・子局通信システムである。
【0023】
このような構成によれば、親局は子局の現在位置を把握することができるため、子局の位置情報をも考慮したきめ細かい特定データ配信を行うことができる。
【0024】
第8の発明は、
少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続した親局管理・子局通信方法であって、
前記親局は、前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信ステップと、当該配信要求受信ステップで受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別ステップと、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理ステップと、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存ステップと、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存ステップで保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信ステップとを含み、
さらに当該データ配信ステップは、前記個体情報識別ステップで識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信することを特徴とし、
前記子局は、当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力ステップと、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力ステップで入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信ステップと、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信ステップと、当該データ受信ステップで受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生ステップと、当該データ再生ステップで再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶ステップとを含み、
さらに当該データ再生ステップは、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶ステップに記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0025】
このような方法によれば、子局は親局に対して特定データの配信要求を、その子局の個体情報とオペレータ情報と共に配信しなければ、その特定データの配信を受けることができない。また、特定データは暗号化されてから子局に配信されるため、盗聴されてもこれを利用することができない。これによって、不正な子局やオペレータに対するデータ配信を防止することができる。
【0026】
また、子局に配信された特定データを保存する場合には、再度暗号化されて子局側に保存されるため、特定データのみをコピーしてもこれを他の子局などで復号化することができない。これによって、不正コピーによる悪用を防止することができる。なお、この子局は、子局側における暗号化方式および復号化方式を複数用意しておき、親局の指示により、あるいは一定期間ごと、またはランダムにその暗号化方式および復号化方式を変更すればより確実に不正コピーによる悪用を防止することができる。
【0027】
これにより、親局が子局を管理しつつ親局が認めた特定の子局およびユーザーに対してのみ特定データを利用させることが可能となる。
【0028】
第9の発明は、第8の発明において、
前記子局のデータ再生ステップは、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶ステップで保存した特定データを復号化して再生するときは、前記親局が子局に対して当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に配信することを要求し、
前記親局のデータ配信ステップは、前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶ステップで保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を送信し、
さらに前記子局のデータ再生ステップは、前記親局から前記再生許可信号を受信したときに前記特定データ記憶ステップに記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0029】
このような方法によれば、子局に保存された特定データを再生(利用)するごとに、あるいは一定期間(数日〜数ヶ月など)またはランダムに、親局に対してその子局の個体情報とオペレータ情報とを配信して親局の認証を受けなければならないため、その子局が盗難にあったり、子局自体の貸し借り・譲渡などによるその特定データの不特定多数への利用を防止することができる。
【0030】
第10の発明は、第8の発明において、
前記親局のデータ配信ステップは、前記個体情報識別ステップで識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を送信し、
前記子局のデータ再生ステップは、前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0031】
このような方法によれば、不正な子局またはオペレータへの特定データの配信を禁止できるだけでなく、その子局に対する一切の操作も禁止することができる。これによって、不正な子局またはオペレータに対する不正使用を防止できる。
【0032】
第11の発明は、第10の発明において、
前記親局のデータ配信ステップは、前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信し、
前記子局のデータ再生ステップは、前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0033】
このような方法によれば、不正なオペレータによる子局の操作後であっても、所定時間経過すれば、正当なオペレータによる子局の操作が可能となる。
【0034】
第12の発明は、第8乃至第10の発明において、
前記親局のデータ配信ステップは、当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて送信し、
前記子局のデータ再生ステップは、受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0035】
このような方法によれば、親局主導の下に子局の適正な運用を図ることができる。
【0036】
第13の発明は、第8乃至第12の発明において、前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0037】
このような方法によれば、オペレータ情報の偽造が困難となるため、オペレータ認証をより正確に行うことができる。
【0038】
第14の発明は、第8乃至第13発明において、前記子局は、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知ステップをさらに備え、
前記親局のデータ配信ステップは、位置情報検知ステップで送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御することを特徴とする親局管理・子局通信方法である。
【0039】
このような方法によれば、親局は子局の現在位置を把握することができるため、子局の位置情報をも考慮したきめ細かい特定データ配信を行うことができる。
【0040】
第15の発明は、
少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続したシステムに組み込まれる親局管理・子局通信プログラムであって、
前記親局のコンピュータを、前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信手段と、当該配信要求受信手段で受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別手段と、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理手段と、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存手段と、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存手段で保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信手段として機能させると共に、
さらに当該データ配信手段を、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信するように機能させ、
前記子局のコンピュータを、当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力手段と、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力手段で入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信手段と、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信手段と、当該データ受信手段で受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生手段と、当該データ再生手段で再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶手段として機能させると共に、
さらに当該データ再生手段を、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段で記憶した特定データを復号化して再生するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0041】
このようなプログラムによれば、子局および親局の情報処理機能(ハードウェア構成)を利用して、子局は親局に対して特定データの配信要求を、その子局の個体情報とオペレータ情報と共に配信しなければ、その特定データの配信を受けることができないように機能させることができる。また、特定データは暗号化されてから子局に配信されるため、盗聴されてもこれを利用することができない。これによって、不正な子局やオペレータに対するデータ配信を防止することができる。
【0042】
また、子局に配信された特定データを保存する場合には、再度暗号化されて子局側に保存されるため、特定データのみをコピーしてもこれを他の子局などで復号化することができない。これによって、不正コピーによる悪用を防止することができる。なお、この子局は、子局側における暗号化方式および復号化方式を複数用意しておき、親局の指示により、あるいは一定期間ごと、またはランダムにその暗号化方式および復号化方式を変更すればより確実に不正コピーによる悪用を防止することができる。
【0043】
これにより、親局が子局を管理しつつ親局が認めた特定の子局およびユーザーに対してのみ特定データを利用させることが可能となる。
【0044】
第16の発明は、第15の発明において、
前記子局のデータ再生手段を、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段で保存した特定データを復号化して再生するときは、前記配信要求送信手段に対して当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に配信することを要求するように機能させ、
前記親局のデータ配信手段を、前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶手段で保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を送信するように機能させ、
さらに前記子局のデータ再生手段を、前記親局から前記再生許可信号を受信したときに前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0045】
このようなプログラムによれば、子局および親局の情報処理機能(ハードウェア構成)を利用して、子局に保存された特定データを再生(利用)するごとに、あるいは一定期間(数日〜数ヶ月など)またはランダムに、親局に対してその子局の個体情報とオペレータ情報とを配信して親局の認証を受けなければならないように機能させることができるため、その子局が盗難にあったり、その子局自体の貸し借り・譲渡などによるその特定データの不特定多数への利用を防止することができる。
【0046】
第17の発明は、第15の発明において、
前記親局のデータ配信手段を、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を送信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0047】
このようなプログラムによれば、子局および親局の情報処理機能(ハードウェア構成)を利用して、不正な子局またはオペレータによる特定データの配信を禁止できるだけでなく、その子局に対する一切の操作も禁止することができる。これによって、不正な子局またはオペレータに対する不正使用も防止できる。
【0048】
第18の発明は、第17の発明において、
前記親局のデータ配信手段を、前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0049】
このようなプログラムによれば、子局および親局の情報処理機能(ハードウェア構成)を利用して、不正なオペレータによる子局の操作後であっても、所定時間経過すれば、正当なオペレータによる子局の操作を可能とすることができる。
【0050】
第19の発明は、第15乃至第17の発明において、
前記親局のデータ配信手段を、当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて送信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0051】
このようなプログラムによれば、子局および親局の情報処理機能(ハードウェア構成)を利用して、親局主導の下に子局の適正な運用を図ることができる。
【0052】
第20の発明は、第15乃至第19の発明において、前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0053】
このようなプログラムによれば、オペレータ情報の偽造が困難となるため、オペレータ認証をより正確に行うことができる。
【0054】
第21の発明は、第15乃至第20発明において、前記子局を、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知手段としてさらに機能させ、
前記親局のデータ配信手段を、位置情報検知手段から送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラムである。
【0055】
このようなプログラムによれば、親局は子局の現在位置を把握することができるため、子局の位置情報をも考慮したきめ細かい特定データ配信を行うことができる。
【発明の効果】
【0056】
本発明によれば、以下に示すような種々の効果を発揮できる。
(1)子局は親局に対して特定データの配信要求を、その子局の個体情報とオペレータ情報と共に配信しなければ、その特定データの配信を受けることができない。また、特定データは暗号化されてから子局に配信されるため、盗聴されてもこれを利用することができない。これによって、不正な子局やオペレータに対するデータ配信を防止することができる。
(2)子局に配信された特定データを保存する場合には、再度暗号化されて子局側に保存されるため、特定データのみをコピーしてもこれを他の子局などで復号化することができない。これによって、不正コピーによる悪用を防止することができる。
(3)これにより、親局が子局を管理しつつ親局が認めた特定の子局およびユーザーに対してのみ特定データを利用させることが可能となる。
(4)子局に保存された特定データを再生(利用)する度に、親局に対してその子局の個体情報とオペレータ情報とを配信して親局の認証を受けなければならないため、その子局自体の貸し借りによるその特定データの不特定多数への利用を防止することができる。
(5)不正な子局またはオペレータによる特定データの配信を禁止できるだけでなく、その子局に対する一切の操作も禁止することができる。これによって、正当な子局に対する不正なオペレータによる悪用も防止できる。
(6)不正なオペレータによる子局の操作後であっても、所定時間経過すれば、正当なオペレータによる操作を可能とすることができる。
(7)親局主導の下に子局の適正な運用を図ることができる。
(8)オペレータ情報としてオペレータの生体情報を用いることによって、オペレータ情報の偽造が困難となるため、オペレータ認証をより正確に行うことができる。
(9)親局は子局の現在位置を把握することができるため、子局の位置情報をも考慮したきめ細かい特定データ配信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明に係る親局管理・子局通信システム100を示す概念図である。
【図2】本発明に係る親局管理・子局通信システム100を構成する親局10と子局20の機能構成を示すブロック図である。
【図3】親局10のハードウェア構成を示す図である。
【図4】子局20のハードウェア構成を示す図である。
【図5】配信要求受信手段11の機能を示すフローチャート図である。
【図6】個体情報識別手段12の機能を示すフローチャート図である。
【図7】個体情報管理手段13の機能を示すフローチャート図である。
【図8】特定データ保存手段14の機能を示すフローチャート図である。
【図9】データ配信手段15の機能を示すフローチャート図である。
【図10】オペレータ情報入力手段21の機能を示すフローチャート図である。
【図11】配信要求送信手段22の機能を示すフローチャート図である。
【図12】データ受信手段23の機能を示すフローチャート図である。
【図13】データ再生手段24の機能を示すフローチャート図である。
【図14】特定データ記憶手段25の機能を示すフローチャート図である。
【図15】本発明に係る親局管理・子局通信システム100による第1の実施の形態を示すフローチャート図である。
【図16】本発明に係る親局管理・子局通信システム100による第2の実施の形態を示すフローチャート図である。
【図17】本発明に係る親局管理・子局通信システム100による第3の実施の形態を示すフローチャート図である。
【図18】本発明に係る親局管理・子局通信システム100による第4の実施の形態を示すフローチャート図である。
【図19】本発明に係る親局管理・子局通信システム100を構成する親局10と子局20の他の機能構成を示すブロック図である。
【図20】親局10のハードウェア構成の他の例を示す図である。
【図21】子局20のハードウェア構成の他の例を示す図である。
【図22】位置情報検知手段26の機能を示すフローチャート図である。
【図23】データ配信手段15の機能の他の例を示すフローチャート図である。
【図24】本発明に係る親局管理・子局通信システム100による第5の実施の形態を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0059】
(第1の実施形態)
図1乃至図15は、本発明に係る親局管理・子局通信システム100の第1の実施形態を示したものである。図示するようにこの親局管理・子局通信システム100は、少なくとも1つ以上の親局10−1、10−2、10−3、…、10−nと、少なくとも1つ以上の子局20−1、20−2、20−3、…、20−nとをネットワークNを介して双方向通信可能に接続した構成となっている。
【0060】
ここで、ネットワークNとしては親局10と子局20とが双方向通信可能なものであれば特に限定されるものでなく、例えばインターネットワーク、携帯電話網、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)などのようなコンピュータネットワークであればいずれも利用することができる。従って、テレビ放送やラジオ放送のような一方向の通信は含まない。
【0061】
また、このネットワークNで利用される通信規約(通信プロトコル)も特に限定されるものでなく、各ネットワークや本システムで採用する通信ソフトウェアで標準的に利用されているもの、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol) やHTTP(HyperText Transfer Protocol)、PPP(point-to-point protocol)、Bluetooth、Wi−Fiなどの公知のものを用いることができる
【0062】
親局10は、図2に示すように配信要求受信手段11と、個体情報識別手段12と、個体情報管理手段13と、特定データ保存手段14と、データ配信手段15とを有して構成されており、それぞれが特有の特定データを保有している。そして、子局20からの配信要求に対して自己が保有する特定データなどを、後述する条件に従って配信するサーバとして主に機能する。
【0063】
ここで、親局10が保持する特定データとは、特に限定するものでなく、例えば電子書籍データ、音楽データ、画像データ、動画データ、ゲームソフト、アプリケーションソフト、各種制御プログラムなどのネットワーク配信可能な各種電子データを含む。そして、各親局10が保持する特定データの種類も様々であり、これらすべての電子データを保持する親局10もあれば、電子書籍データ配信専用のものや音楽データ配信専用のものが含まれる。
【0064】
この親局10は、図3に示すように電子計算機(コンピュータ:情報処理システム)から構成されており、CPU(演算装置)30、ROM(読出専用記憶装置)31、RAM(主記憶装置)32、バス33、I/F(入出力インタフェース)34、入力装置35、表示装置36、個体情報管理データベース(DB)37、特定データ管理データベース(DB)38などからなるハードウェアと、ROM31に予め記録された親局10専用の各種制御プログラム(ソフトウェア)とによって図2に示すような各手段11乃至15の機能を実現する。
【0065】
図5は、この親局10の配信要求受信手段11の機能を示すフローチャート図である。この配信要求受信手段11は、親局10がスタンバイ状態となると同時に起動し、図示するように最初のステップS111に移行する。
【0066】
ステップS111では、いずれかの子局20から送信される信号に基づいて自己が保有する特定データの配信要求があるか否かを判断し、配信要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップ113に移行する。特定データ配信要求がないと判断したとき(No)は、配信要求があるまでそのまま待機する。
【0067】
ステップS113では、受信した特定データ配信要求と共に、その子局20の固有の識別情報(以下、これを「個体情報」という)、およびその子局20を操作するオペレータ(利用者)の固有の識別情報(以下、これを「オペレータ情報」という)が付加されているか否かを判断する。なお、ここで子局20の個体情報としては特に限定されるものでなく、例えばIPアドレスやMACアドレスなどの一意に識別できる情報を用いることができる。また、オペレータ情報も特に限定されるものでなく、例えば特殊な数字や記号、文字、アルファベットの組み合わせなどからなるパスワードなどを用いることができる。
【0068】
この判断処理の結果、両方の情報が付加されていないと判断したとき(No)は、最後のステップS115に移行して配信要求してきた子局20に対して不足している情報を要求して処理を終了する。これとは反対にいずれの情報も付加されていると判断したとき(Yes)は、そのまま終了する。
【0069】
図6は、同じくこの親局10の個体情報識別手段12の機能を示すフローチャート図である。この個体情報識別手段12は、少なくとも配信要求受信手段11が起動すると同時に起動し、図示するように最初のステップS121に移行する。
【0070】
ステップS121では、前記配信要求受信手段11が取得した子局20の個体情報およびオペレータ情報を自己が所有する管理情報と照合してからステップS123に移行する。すなわち、この個体情報識別手段12は、親局10と通信可能な子局20の個体情報と、その子局20を利用するオペレータ情報とを関連付けて登録した情報(登録リスト)を、図3に示すような個体情報管理DB37に保有しており、この登録リストと照合することによってその子局20の個体情報またはその子局20を利用するオペレータ情報、あるいはその組み合わせが正しいか否かを正確に判定できるようになっている。
【0071】
ステップS123では、その照合結果をデータ配信手段15に通知して個体情報識別処理を終了する。
【0072】
図7は、同じくこの親局10の個体情報管理手段13の機能を示すフローチャート図である。この個体情報管理手段13は、少なくとも配信要求受信手段11が起動すると同時に起動し、図示するように最初のステップS131に移行する。
【0073】
ステップS131では、システム管理者などによる正当なルートを介して新たな子局20の個体情報およびオペレータ情報の登録要求があるか否かを判断し、要求があると判断したとき(Yes)には次のステップS133に移行する。これとは反対に、登録要求がないと判断したとき(No)は、新たな情報が送られてくるまでそのまま待機する。
【0074】
ステップS133では、新たに取得した子局20の個体情報およびオペレータ情報を関連付けて個体情報管理DB(記憶装置)37に保存して個体情報管理処理を終了する。なお、ここで登録された子局20の個体情報およびオペレータ情報は、前記個体情報識別手段13で利用されることはいうまでもない。
【0075】
図8は、同じくこの親局10の特定データ保存手段14の機能を示すフローチャート図である。この特定データ保存手段14も少なくとも配信要求受信手段11が起動すると同時に起動し、図示するように最初のステップS141に移行する。
【0076】
ステップS141では、システム管理者などによる正当なルートを介して新たな特定データの保存要求があるか否かを判断し、保存要求があると判断したとき(Yes)には次のステップS143に移行する。これとは反対に、保存要求がないと判断したとき(No)は、新たな保存要求があるまでそのまま待機する。
【0077】
ステップS143では、新たな特定データを特定データ管理DB(記憶装置)38に保存して特定データ保存処理を終了する。なお、ここで保存された特定データは、子局20に配信可能な特定データとして利用されることはいうまでもない。
【0078】
図9は、同じくこの親局10のデータ配信手段15の機能を示すフローチャート図である。このデータ配信手段15は、少なくとも個体情報識別手段12が起動すると同時に起動し、図示するように最初のステップS151に移行する。
【0079】
ステップS151では、個体情報識別手段12から送られてきた照合結果を判断し、いずれの情報およびその組み合わせが、個体情報管理DB37で管理された正当な情報と一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき(Yes)は次のステップS153に移行する。反対に、一致しないと判断したとき(No)は、ステップS152に移行して子局20に送信拒否通知をして処理を終了する。
【0080】
ステップS153では、その要求が正当な子局20および利用者からのものとみなして要求された特定データを特定データ管理DB38から読み出して次にステップ155に移行する。
【0081】
ステップS155では、読み出した特定データを暗号化して要求してきた子局20に対して配信して処理を終了する。ここで、特定データを暗号化する方式としては、容易に解読(復号化)できないものであれば特に限定されるものでなく、公知の暗号化技術、例えば、AES(Advanced Encryption Standard)、DES(Data Encryption Standard)(ブロック暗号)、RC4(ストリーム暗号)などの共通鍵暗号方式や、RSA、楕円曲線暗号(ECC)、ElGamalなどの公開鍵暗号方式などを用いることができる。
【0082】
一方、子局20は、図2に示すようにオペレータ情報入力手段21と、配信要求送信手段22と、データ受信手段23と、データ再生手段24と、特定データ記憶手段25とを有して構成されており、それぞれが特有の個体情報を保有している。そして、いずれかの親局10に対して特定データの配信要求を送信し、後述する手順で特定データを受信し、その特定データを利用者が認識可能な音声や映像などに変換して再生する。
【0083】
この子局20も親局10と同様、図4に示すように電子計算機(コンピュータ:情報処理システム)から構成されており、CPU(演算装置)40、ROM(読出専用記憶装置)41、RAM(主記憶装置)42、バス43、I/F(入出力インタフェース)44、入力装置45、表示装置46、印刷装置47、特定データ記憶装置48などからなるハードウェアと、ROM41に予め記録された子局20専用の各種制御プログラム(ソフトウェア)とによって図2に示すような各手段21乃至25の機能を実現する。
【0084】
なお、この子局20は、パーソナルコンピュータ(PC)などの汎用の情報処理装置(電子計算機)やデジタルテレビ、据置型ゲーム機の他に、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、携帯型ゲーム機などの携帯情報端末によっても実現することが可能であり、その場合は印刷装置47は必要となるものではない。
【0085】
図10は、この子局20のオペレータ情報入力手段21の機能を示すフローチャート図である。このオペレータ情報入力手段21は、子局20がスタンバイ状態となると同時に起動し、図示するように最初のステップS211に移行する。
【0086】
ステップS211では、子局20を操作するオペレータ固有の個体情報であるオペレータ情報の入力があるか否かを判断し、オペレータ情報の入力があったと判断したとき(Yes)は次のステップS213に移行し、オペレータ情報の入力がないと判断したとき(No)は、オペレータ情報の入力があるまでそのまま待機する(入力待ち受け状態)。
【0087】
ここで、オペレータ固有の個体情報とは、そのオペレータ個人を特定するための情報であれば特に限定されるものでなく、例えば前述したパスワードや磁気カード、電子カードなどの他に、そのオペレータ個人の指紋や声紋、網膜、虹彩、掌形、顔形、静脈、DNA、筆跡などの生体情報を利用した公知の生体認証(biometrics)技術を単独あるいは適宜組み合わせたものを用いることが好ましい。
【0088】
ステップS213では、入力されたオペレータ情報を配信要求送信手段22に通知して処理を終了する。
【0089】
図11は、同じくこの子局20の配信要求送信手段22の機能を示すフローチャート図である。この配信要求送信手段22は、少なくともオペレータ情報入力手段21が起動すると同時に起動して最初のステップS221に移行する。
【0090】
ステップS221では、特定データの配信要求があるか否かを判断し、配信要求があったと判断したとき(Yes)は、次のステップS223に移行し、配信要求がないと判断したとき(No)は、配信要求があるまでそのまま待機する(待ち受け状態)。
【0091】
ここで、特定データの配信要求とは、ユーザーとなるオペレータが希望する特定データの配信要求をいい、例えば子局20の特定データ記憶装置48などに、配信可能な多数の特定データが記載されたリストが記録されており、これを子局20の表示装置46に呼び出して表示した状態でその中からオペレータが任意に選択した特定データの配信要求をいう。
【0092】
ステップS223では、選択した特定データの配信要求を、その子局20の個体情報(IPアドレスやMACアドレスなど)と先に入力したオペレータ情報と共にその選択した特定データを有する親局10に配信して処理を終了する。
【0093】
図12は、同じくこの子局20のデータ受信手段23の機能を示すフローチャート図である。このデータ受信手段23は、少なくとも前記配信要求送信手段22が起動すると同時に起動して最初のステップS231に移行する。
【0094】
ステップS231では、いずれかの親局10から特定データが配信されてきたか否かを判断し、配信されてきたと判断したとき(Yes)は、次のステップS233に移行するが、配信されてこないと判断したとき(No)は、特定データが配信されてくるまでそのまま所定時間待機する(待ち受け状態)。
【0095】
ステップS233では、配信されてきた特定データを受信すると共に、受信した特定データをデータ再生手段24に配信してデータ受信処理を終了する。
【0096】
図13は、同じくこの子局20のデータ再生手段24の機能を示すフローチャート図である。このデータ再生手段24は、少なくとも前記データ受信手段23が起動すると同時に起動して最初のステップS241に移行する。
【0097】
ステップS241では、前記受信データ受信手段23が特定データを受信したか否かを判断し、受信したと判断したとき(Yes)は、次のステップS243に移行するが、受信してないと判断したとき(No)は、特定データを受信するまでそのまま所定時間待機する(待ち受け状態)。
【0098】
ステップS243では、受信した特定データを復号化して再生してから次のステップS245に移行する。ここで、特定データの再生とは、オペレータがその特定データを五感を介して認識(利用)できるような状態にすることをいう。例えば特定データが電子書籍データである場合には、オペレータが判読可能な文字情報に変換して表示装置36などに表示することをいい、また、特定データが音声データである場合には、オペレータが聴覚可能な音声に変換して表示装置36などに附属されているスピーカーから発音することをいう。
【0099】
ステップS245では、後述する特定データ記憶手段25で保存した特定データの再生要求があるか否かを判断し、再生要求ありと判断したとき(Yes)は、次のステップS247に移行するが、再生要求がないと判断したとき(No)は、要求があるまでそのまま待機する。
【0100】
ステップS247では、特定データ記憶装置48に保存した特定データを読み出し、再び復号化して再生することで処理を終了する。
【0101】
図14は、同じくこの子局20の特定データ記憶手段25の機能を示すフローチャート図である。この特定データ記憶手段25は、少なくとも前記データ再生手段24が起動すると同時に起動して最初のステップS251に移行する。
【0102】
ステップS251では、オペレータによる前記データ再生手段24で最初に再生した再生データの保存要求があるか否かを、入力装置35などの操作状況から判断し、保存要求があると判断したとき(Yes)は、次のステップS253に移行し、保存要求がないと判断したとき(No)は、そのまま待機する。すなわち、特定データ記憶装置48の記憶容量などからして配信されてきた特定データのすべてを保存するか否かをユーザーに委ねるようにすることが望ましいからである。
【0103】
ステップS253では、前記データ再生手段24で再生した再生データを再び暗号化して特定データ記憶装置48に保存して処理を終了する。なお、この特定データ記憶手段25による処理は、最初に受信した特定データを再生したデータを保存する際の処理であり、既に特定データ記憶装置48に保存してある特定データを再生したデータは対象としない(必要がない)。
【0104】
次に、このような構成をした親局管理・子局通信システム100の全体の処理の流れを図15を主に参照しながら説明する。
【0105】
まず、子局20は、電源が投入されて操作入力待ち状態になったならば、オペレータによる入力装置35などの操作状況から特定データ配信要求があるか否かを判断する(ステップS400)。特定データ配信要求がないと判断したとき(No)は、そのまま待機するが、特定データ配信要求があったと判断したとき(No)は、次のステップS402に移行する。
【0106】
子局20は、次のステップS402においてその特定データ配信要求をネットワークNを介してその子局20の個体情報およびオペレータ情報と共に送信して次のステップS404に移行する。
【0107】
一方、親局10は、電源投入後スタンバイ状態になったならいずれかの子局20から自己宛に特定データ配信要求があるか否かを判断(ステップS300)しており、その特定データ配信要求を受信したと判断した(Yes)ならば、次のステップS302に移行する。特定データ配信要求を受信しないとき(No)は、要求を受信するまでそのまま待機する。
【0108】
親局10は、その特定データ配信要求と共に送られてきた子局20の個体情報およびオペレータ情報を、自己が保持している子局20の管理情報と照合する(ステップS304)。この結果、いずれの情報も一致していると判断したとき(Yes)は、次のステップS306に移行するが、いずれか一方の情報が一致していないと判断したときは、その子局20に対して特定データの配信を拒否する旨の通知を行う。
【0109】
これによって、親局10側に登録されていない不正な子局20や不正なユーザーに対する特定データの配信を回避できる。具体的には、登録されていない不正な子局20を用いた場合は勿論、正当な子局20を紛失した場合、これを拾得した他人が勝手にその子局20を操作して特定データを取得するなどといった不正を未然に防止することができる。
【0110】
そして、親局10は、いずれの情報も一致していると判断したときは、正当な子局20および正当なユーザーからの要求であるとみなして、要求された特定データを特定データ管理DB38から読み出すと共にこれを暗号化してからネットワークNを介してその子局20に配信する(ステップS306)。
【0111】
このように要求された特定データをそのまま配信するのではなく、これを暗号化してから配信することでその配信途中で第三者に盗聴されても第三者はこれを利用することができない。また、不正な子局やオペレータに対して配信された場合でもその利用を防止することができる。
【0112】
次に、特定データ配信要求を送信した子局20は、その後、親局10から配信拒否通知の受信の有無を判断し(ステップS404)、配信拒否通知を受信した場合には、そのまま処理を終了する。
【0113】
これによって、特定データ配信要求を行ったユーザーは、配信した子局個体情報またはオペレータ情報のいずれかが誤っていること、あるいは不正な行為ができないことを認識することができる。
【0114】
次に、特定データ配信要求を送信した子局20は、配信拒否通知を受信しなかった場合には、その要求した特定データの受信の有無を判断し(ステップS405)、所定時間経過しても特定データを受信しなかった場合には処理を終了するが、要求した特定データの受信した場合には、その特定データを復号化して再生する(ステップS406)。
【0115】
これによって、正当な子局20および利用者が、要求した特定データを利用したり、楽しんだりすることができる。なお、この子局20は、要求した特定データを正常に受信した場合には、その受信通知を親局10に自動的に送信し、これを受信した親局10がそのサービスに対して適当な課金処理などを行うようにしても良い。
【0116】
次に、この子局20は、その特定データの再生中あるいは終了後に、オペレータによる入力装置35などの操作状況から、復号化した特定データの保存要求があるか否かを判断し(ステップS408)、保存要求がなければそのまま終了するが、保存要求があった場合には、その復号化した特定データを再度暗号化して自己の特定データ記憶装置48に保存する(ステップS410)。
【0117】
そして、さらにこの子局20は、オペレータによる入力装置35などの操作状況から、自己の特定データ記憶装置48に保存した特定データを再生要求があるか否かを判断し(ステップS412)、再生要求がなければそのまま終了するが、再生要求があった場合には、自己の特定データ記憶装置48に保存してある特定データを読み出し、再度復号化してから再生する(ステップS414)。
【0118】
このように子局20は、再生した特定データを自己の特定データ記憶装置48に保存するに際してはそのまま復号化された状態で保存するのではなく、再び暗号化して保存するようにしたため、その保存した特定データを他人が不正に取得(不正コピー)した場合や利用者が不正にコピーして他人に譲渡した場合であっても、他の機器ではその特定データを復号化できない。
【0119】
これによって、子局20に配信された特定データの不正取得や不正コピーなどによる悪用を確実に防止することができる。なお、この子局20による特定データの暗号化は、親局10がその特定データを配信する際の暗号方式と同じであっても良いが、その子局20でのみ利用される特殊な暗号方式(暗号化アルゴリズム)を用いることが好ましい。
【0120】
このような本発明の親局管理・子局通信システム100によれば、親局10が認めた特定の子局20およびユーザーに対してのみ特定データを配信して利用させることが可能となる。
【0121】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る親局管理・子局通信システム100の第2の実施形態を説明する。なお、本実施の形態の親局管理・子局通信システム100の構成は前述した第1の実施形態と同じであるため、その説明は割愛する。
【0122】
図16は、第2の実施形態に係る親局管理・子局通信システム100の処理の流れを示したものであり、前記第1の実施形態において、子局20に一旦保存した特定データを復号化して再生する際(図15のステップS412、S414)の処理の流れを示したものである。
【0123】
まず、子局20は、オペレータによる入力装置35などの操作状況から、自己の特定データ記憶装置48に一旦保存した特定データの再生要求があるか否かを判断し(ステップS416)、再生要求がなければそのまま待機するが、再生要求があった場合には、その子局20のユーザーに対してそのオペレータ情報の入力を求め、入力されたオペレータ情報をその子局20の個体情報と共に親局10に送信する(ステップS418)。
【0124】
親局10は、子局20からこの個体情報を受信したかどうか判断し(ステップS308)、受信したと判断したときは、その受信した子局20の個体情報とオペレータ情報を、自己が保有している管理情報と照合し(ステップS310)、いずれの情報も管理情報と一致しているか否かを判断する(ステップS312)。
【0125】
この結果、子局20から送られてきた子局20の個体情報とオペレータ情報のいずれか一方あるいはその組み合わせが自己が保有している管理情報と一致していなければ、再生不許可通知をその子局20に通知し、反対にすべて一致している場合には、再生許可通知をその子局20に通知する(ステップS314)。
【0126】
子局20は、親局10からこの再生許可通知を受信した場合には、保存した特定データを復号化して再生することになる(ステップS422、S424)が、親局10から再生不許可通知を受信するか、あるいは所定時間経過しても再生許可通知を受信しない場合(ステップS420,S424)には、要求された特定データの再生を認めないと判断してその旨を表示して(ステップS426)処理を終了する。
【0127】
このように本実施の形態は、特定データの配信を受けるときだけでなく、子局20に保存された特定データを再生(利用)する度にも、親局10に対してその子局20の個体情報とオペレータ情報とを送信して親局10の認証(再生許可)を受けるようにしたものである。なお、このような親局10の認証(再生許可)は、常に特定データを再生(利用)するごとに行わなくても良く、一定期間(例えば数日〜数ヶ月)だけ、あるいはランダムに行うようにすれば、処理負荷が軽減することができる。
【0128】
従って、本実施の形態によれば、その子局20が盗難された場合やその子局20の盗難やその子局20自体の貸し借り・譲渡などによるその特定データの不特定多数への利用をも効果的に防止することが可能となる。
【0129】
なお、この子局20は、子局20側における暗号化方式および復号化方式を複数用意しておき、親局10の指示により、あるいは一定期間(例えば数日〜数ヶ月)ごと、またはランダムにその暗号化方式および復号化方式を変更すれば、より確実に不正コピーによる悪用を防止することが可能となる。
【0130】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る親局管理・子局通信システム100の第3の実施形態を説明する。なお、本実施の形態の親局管理・子局通信システム100の構成も前述した第1の実施の形態と同じであるため、その説明は割愛する。
【0131】
図17は、第3の実施形態に係る親局管理・子局通信システム100の処理の流れを示したものであり、特に子局20から送信されてきた個体情報(子局20の個体情報、オペレータ情報)が親局10が保有する管理情報と一致していない場合の処理の流れを示したものである。
【0132】
まず、子局20は、電源が投入されて操作入力待ち状態になったならば、オペレータによる入力装置35などの操作状況から特定データ配信要求があるか否かを判断する(ステップS400)。特定データ配信要求がないと判断したとき(No)は、そのまま待機するが、特定データ配信要求があったと判断したとき(No)は、次のステップS402に移行する。
【0133】
子局20は、次のステップS402においてその特定データ配信要求をネットワークNを介して親局10に対してその子局20の個体情報およびオペレータ情報と共に配信する。
【0134】
一方、親局10は、電源投入後スタンバイ状態になったなら自己宛にいずれかの子局20から特定データ配信要求があるか否かを判断(ステップS300)しており、その特定データ配信要求を受信したときは、その特定データ配信要求と共に送られてきた子局20の個体情報およびオペレータ情報を、自己が保持している子局20の管理情報と照合する(ステップS304)。
【0135】
この結果、いずれの情報も一致していると判断したとき(Yes)は、次のステップS306に移行して要求された特定データを暗号化してその子局20に送信するが、いずれか一方の情報が一致していないときあるいはその組み合わせが一致していないときは、その子局20に対して操作停止信号を送信する(ステップS316)。
【0136】
子局20は、配信要求を送信した親局10からこの「操作停止信号」を受信したか否かを判断し(ステップS428)、この「操作停止信号」を受信していなければさらに要求した特定データを受信したか否かを判断し(ステップS405)、特定データを受信していれば、第1の実施形態と同様に受信した特定データを復号化して再生する(ステップS406)。
【0137】
一方、この子局20は、配信要求を送信した親局10からこの「操作停止信号」を受信した場合には、子局20のすべての操作を強制的に停止する(ステップS430)。具体的には、電源オン・オフ操作以外の入力装置45からの入力操作を一切受け付けないようにすることが考えられる。
【0138】
これによって、不正な子局20またはオペレータへの特定データの配信を停止できるだけでなく、その子局20に対する一切の操作も禁止することができるため、正当な子局20に対する不正なオペレータによる悪用も防止できる。具体的には、紛失した子局20を拾得した悪意のある第三者がその子局20の特定データ配信・再生機能以外の機能の悪用(個人情報の取得など)を効果的に防止することができる。
【0139】
なお、この子局20の強制停止処理は、第2の実施形態のように子局20に保存した特定データを再生する際に親局10に送信した子局20の個体情報およびオペレータ情報が一致しない場合にも同様に適用しても良い。
【0140】
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る親局管理・子局通信システム100の第4の実施形態を説明する。なお、本実施の形態の親局管理・子局通信システム100の構成も前述した第1の実施形態と同じであるため、その説明は割愛する。
【0141】
図18は、第4の実施形態に係る親局管理・子局通信システム100の処理の流れを示したものであり、第3の実施形態と同様に、特に子局20から送信されてきた個体情報(子局20の個体情報、オペレータ情報)が親局10が保有する管理情報と一致していない場合の他の処理の流れを示したものである。
【0142】
まず、子局20は、電源が投入されて操作入力待ち状態になったならば、オペレータによる入力装置35などの操作状況から特定データ配信要求があるか否かを判断する(ステップS400)。特定データ配信要求がないと判断したとき(No)は、そのまま待機するが、特定データ配信要求があったと判断したとき(No)は、次のステップS402に移行する。
【0143】
子局20は、次のステップS402においてその特定データ配信要求をネットワークNを介して親局10に対してその子局20の個体情報およびオペレータ情報と共に送信する。
【0144】
一方、親局10は、電源投入後スタンバイ状態になったなら自己宛にいずれかの子局20から特定データ配信要求があるか否かを判断(ステップS300)しており、その特定データ配信要求を受信したときは、その特定データ配信要求と共に送られてきた子局20の個体情報およびオペレータ情報を、自己が保持している子局20の管理情報と照合する(ステップS304)。
【0145】
この結果、いずれの情報も一致していると判断したとき(Yes)は、次のステップS306に移行して要求された特定データを暗号化してその子局20に送信するが、いずれか一方の情報が一致していないときあるいはその組み合わせが一致していないときは、その子局20に対して操作停止信号を送信する(ステップS316)。
【0146】
子局20は、配信要求を送信した親局10からこの「操作停止信号」を受信したか否かを判断し(ステップS428)、この「操作停止信号」を受信していなければさらに要求した特定データを受信したか否かを判断し(ステップS405)、特定データを受信していれば、第1の実施形態と同様に受信した特定データを復号化して再生する(ステップS406)。
【0147】
一方、この子局20は、配信要求を送信した親局10からこの「操作停止信号」を受信した場合には、子局20のすべての操作を強制的に停止する(ステップS430)。具体的には、電源オン・オフ操作以外の入力装置45からの入力操作を一切受け付けないようにすることが考えられる。
【0148】
これによって、不正な子局20またはオペレータへの特定データの配信を停止できるだけでなく、その子局20に対する一切の操作も禁止することができるため、正当な子局20に対する不正なオペレータによる悪用も防止できる。具体的には、紛失した子局20を拾得した悪意のある第三者がその子局20の特定データ配信・再生機能以外の機能の悪用(個人情報の取得など)を効果的に防止することができる。
【0149】
なお、この子局20の強制停止処理は、第2の実施形態のように子局20に保存した特定データを再生する際に親局10に送信した子局20の個体情報およびオペレータ情報が一致しない場合にも同様に適用しても良い。
【0150】
他方、子局20に対して操作停止信号を送信した親局10は、送信経過時間を計測し(ステップS318)、その後一定時間経過したならば、その子局20に対して操作停止解除信号を送信して(ステップS320)処理を終了する。
【0151】
操作を強制停止した子局20は、この「操作停止解除信号」の有無を判断し(ステップ432)、この「操作停止解除信号」を受信したときはその子局20の操作停止を解除して操作受付可能状態に戻すことになる(ステップS434)。
【0152】
これによって、不正なオペレータによる子局の操作後であっても、所定時間経過すれば、正当なオペレータによる操作が可能となる。
【0153】
また、本発明の他の実施形態として、前記親局10は、子局20に特定データを配信するときに、その子局20の運用可能な時間に関する情報も併せて配信して、その運用可能な時間に関する情報に基づいて子局20の運用可能な時間を制限できるようにしても良い。
【0154】
これによって、親局10主導の下に子局20の適正な運用を図ることができるため、例えば特定データとして子供向けのゲームソフトなどを配信した場合に、予め保護者らがその子局20の運用時間を制限する旨の契約や設定などをすることその子局20を利用する子供のゲームのやり過ぎなどを防止することができる。
【0155】
(第5の実施形態)
次に、本発明に係る親局管理・子局通信システム100の第5の実施形態を図19〜図24を参照しながら説明する。なお、以下の説明は前記各実施の形態と異なる点を主に述べ、共通する点についてはその説明を割愛する。
【0156】
図19は、親局10と子局20の機能を示したブロック図である。図示するように、親局10は、前述したような配信要求受信手段11と、個体情報識別手段12と、個体情報管理手段13と、特定データ保存手段14と、データ配信手段15とを有して構成されている。
【0157】
この親局10は、図20に示すように電子計算機(コンピュータ:情報処理システム)から構成されており、CPU(演算装置)30、ROM(読出専用記憶装置)31、RAM(主記憶装置)32、バス33、I/F(入出力インタフェース)34、入力装置35、表示装置36、個体情報管理データベース(DB)37、特定データ管理データベース(DB)38などからなるハードウェアと、ROM31に予め記録された親局10専用の各種制御プログラム(ソフトウェア)とによって図19に示すような各手段11乃至15の機能を実現する。
【0158】
そして、本実施の形態においては、さらに復調機30aと、GPS受信機30bとを備えた構成となっており、公知のGPS(Global Positioning System:衛星測位システム)機能を用いた親局10の位置情報をも取得可能となっている。すなわち、GPS信号受信機能は、GPS信号受信アンテナを備えたGPS受信機30bと復調機30aとによってGPS信号を受信し、この受信信号から所定バンドを共振抽出してその信号を増幅し、この入力信号から緯度経度情報などを用いて親局10の現在位置を算出するようになっている。
【0159】
一方、子局20は、前述したようなオペレータ情報入力手段21と、配信要求送信手段22と、データ受信手段23と、データ再生手段24と、特定データ記憶手段25の他に位置情報検知手段とを有して構成されている。
【0160】
この子局20も図21に示すように電子計算機(コンピュータ:情報処理システム)から構成されており、CPU(演算装置)40、ROM(読出専用記憶装置)41、RAM(主記憶装置)42、バス43、I/F(入出力インタフェース)44、入力装置45、表示装置46、印刷装置47、特定データ記憶装置48などからなるハードウェアと、ROM41に予め記録された子局20専用の各種制御プログラム(ソフトウェア)とによって図19に示すような各手段21乃至26の機能を実現する。
【0161】
そして、この子局20も親局10と同様に、さらに復調機40aと、GPS受信機40bとを備えた構成となっており、公知のGPS(Global Positioning System:衛星測位システム)機能を用いた子局20の位置情報をも取得可能となっている。すなわち、GPS信号受信機能は、GPS信号受信アンテナを備えたGPS受信機30bと復調機30aとによってGPS信号を受信し、この受信信号から所定バンドを共振抽出してその信号を増幅し、この入力信号から緯度経度情報などを用いて子局20の現在位置を算出するようになっている。
【0162】
図22は、この子局20の新しい機能である位置情報検知手段26の機能を示したものである。この位置情報検知手段26は、前記配信要求送信手段22が起動すると同時に起動して最初のステップS261に移行する。
【0163】
ステップS261では、前述したようなGPS信号受信機能を用いてGPS受信信号に基づき子局の現在位置を検出して次のステップS263に移行する。すなわち、本実施の形態における子局20は、携帯電話や車載型のコンピュータ(カーナビゲーションシステム)などといった移動端末を対象としている。
【0164】
ステップS263では、検知した現在位置の位置情報を配信要求送信手段22に送信して処理を終了する。
【0165】
図23は、親局10のデータ配信手段15の他の機能を示したものである。このデータ配信手段15は、最初のステップS151において前述したように個体情報識別手段12から送られてきた照合結果を判断し、いずれの情報およびその組み合わせが、個体情報管理DB37で管理された正当な情報と一致するか否かを判断し、一致すると判断したとき(Yes)は次のステップS152に移行する。反対に、一致しないと判断したとき(No)は、ステップS154に移行して子局20に送信拒否通知をして処理を終了する。
【0166】
ステップS152では、さらにその子局20の位置情報を受信したか否かを判断し、受信したと判断したとき(Yes)は、次のステップS153に移行し、反対に受信していないと判断したとき(No)は、ステップS154に移行して子局20に送信拒否通知をして処理を終了する。
【0167】
ステップS153では、その要求が正当な子局20および利用者からのものとみなして要求された特定データを特定データ管理DB38から読み出して次にステップ155に移行する。ステップS155では、読み出した特定データを暗号化して要求してきた子局20に対して配信して処理を終了する。
【0168】
図24は、第5の実施形態に係る親局管理・子局通信システム100の処理の流れを示したものであり、特に子局20から送信されてきた位置情報が親局10が管理するサービスエリアと一致していない場合の処理の流れを示したものである。
【0169】
まず、子局20は、電源が投入されて操作入力待ち状態になったならば、オペレータによる入力装置35などの操作状況から特定データ配信要求があるか否かを判断する(ステップS400)。特定データ配信要求がないと判断したとき(No)は、そのまま待機するが、特定データ配信要求があったと判断したとき(No)は、次のステップS401に移行する。
【0170】
子局20は、次のステップS401において前述したGPS位置検出機能によりその子局20の現在地に関する位置情報を取得して次のステップS402に移行し、その特定データ配信要求を、ネットワークNを介して親局10に対してその子局20の個体情報およびオペレータ情報とその子局20の位置情報と共に配信する。
【0171】
一方、親局10は、電源投入後スタンバイ状態になったなら自己宛にいずれかの子局20から特定データ配信要求があるか否かを判断(ステップS300)しており、その特定データ配信要求を受信したときは、その特定データ配信要求と共に送られてきた子局20の個体情報およびオペレータ情報を、自己が保持している子局20の管理情報と照合する(ステップS302、S303)。
【0172】
この結果、いずれの情報も一致していると判断したとき(Yes)は、次のステップS304に移行するが、いずれか一方の情報が一致していないときあるいはその組み合わせが一致していないとき(No)は、その子局20に対して配信拒否通知を送信する。
【0173】
親局10は、ステップS304において、個体情報およびオペレータ情報と共に送信されてきた子局20の位置情報からその子局20の現在位置がサービスエリア内であるか否かを判断する。
【0174】
この結果、サービスエリア内であるとき(Yes)は、次のステップS306に移行するが、サービスエリア内でないとき(No)はその子局20に対して配信拒否通知を送信する。
【0175】
親局10は、最後のステップS306において、すべての条件を満たすとして要求された特定データを暗号化してその子局20に対して送信して処理を終了する。
【0176】
一方、この子局20は、配信要求を送信した親局10からこの「配信拒否通知」を受信した場合、およびこの「配信拒否通知」を受信しなかったが何らかのトラブルなどで特定データを受信しなかった場合には、処理を終了する(ステップS404、S405)が、特定データを受信した場合には、受信した特定データを復号化して再生して処理を終了する。
【0177】
これによって、親局10は子局20の現在位置を把握することができるため、配信サービスエリアを設定することが可能となり、例えば移動体である子局20が配信サービスエリア内から外れたときには、特定データの配信を停止するなどといったきめ細かな配信サービスを実施することができる。
【0178】
なお、前記各実施の形態において、親局10を構成する配信要求受信手段11は、具体的には、図3に示す親局10のROM31に記録された配信要求受信用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU30,RAM32、バス33、入力装置35、表示装置36、I/F34などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0179】
また、親局10を構成する個体情報識別手段12は、具体的には、図3に示す親局10のROM31に記録された個体情報識別用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU30,RAM31、個体情報管理DB37などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0180】
また、親局10を構成する個体情報管理手段13は、具体的には、図3に示す親局10のROM31に記録された個体情報管理用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU30,RAM32、バス33、個体情報管理DB37などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0181】
また、親局10を構成する特定データ保存手段14は、具体的には、図3に示す親局10のROM31に記録された特定データ保存用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU30,RAM32、バス33、特定データ管理DB38などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0182】
さらに、親局10を構成するデータ配信手段15は、具体的には、図3に示す親局10のROM31に記録された配信要求受信用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU30,RAM32、バス33、I/F34、特定データ管理DB38などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0183】
一方、子局20を構成するオペレータ情報入力手段21は、具体的には、図4に示す子局20のROM41に記録されたオペレータ情報入力用のプログラム(ソフトウェア)が、CPU40,RAM42、バス43、入力装置45、表示装置46などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0184】
また、子局20を構成する配信要求送信手段22は、具体的には、図4に示す子局20のROM41に記録された配信要求送信用プログラム(ソフトウェア)が、CPU40,RAM42、バス43、I/F44、入力装置45、表示装置46などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0185】
また、子局20を構成するデータ受信手段23は、具体的には、図4に示す子局20のROM41に記録されたデータ受信用プログラム(ソフトウェア)が、CPU40,RAM42、バス43、I/F44、表示装置46などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0186】
また、子局20を構成するデータ再生手段24は、具体的には、図4に示す子局20のROM41に記録されたデータ再生用プログラム(ソフトウェア)が、CPU40,RAM42、バス43、I/F44、表示装置46、印刷装置47などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0187】
また、子局20を構成する特定データ記憶手段25は、具体的には、図4に示す子局20のROM41に記録された特定データ記憶用プログラム(ソフトウェア)が、CPU40,RAM42、バス43、I/F44、入力装置45,特定データ記憶装置48などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【0188】
また、第5の実施の形態における子局20を構成する位置情報検知手段26は、具体的には、図21に示す子局20のROM41に記録された位置情報検知用プログラム(ソフトウェア)が、復調機40a、GPS受信機40b、CPU40,RAM42、バス43、I/F44などのハードウェアと協動することによって実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明の親局管理・子局通信システム100は、単一のネットワークのみならず、複数のネットワークを介した親局管理・子局通信システムにも適用できる。
【符号の説明】
【0190】
100 親局管理・子局通信システム
10 親局(電子計算機)
11 配信要求受信手段
12 個体情報識別手段
13 個体情報管理手段
14 特定データ保存手段
15 データ配信手段
20 子局(電子計算機)
21 ペレータ情報入力手段
22 配信要求送信手段
23 データ受信手段
24 データ再生手段
25 特定データ記憶手段
26 位置情報検知手段
30、40 CPU(演算装置)
31、41 ROM(読出専用記憶装置)
32、42 RAM(主記憶装置)
33、43 バス
34、44 I/F(入出力インタフェース)
35、45 入力装置
36、46 表示装置
37 個体情報管理DB(データベース)
38 特定データ管理DB(データベース)
47 印刷装置
48 特定データ記憶装置
30a、40a 復調機
30b、40b GPS受信機
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続した親局管理・子局通信であって、
前記親局は、
前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信手段と、当該配信要求受信手段で受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別手段と、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理手段と、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存手段と、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存手段に保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信手段とを有し、
さらに当該データ配信手段は、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信し、
前記子局は、
当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力手段と、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力手段で入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信手段と、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信手段と、当該データ受信手段で受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生手段と、当該データ再生手段で再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶手段とを有し、
さらに当該データ再生手段は、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記子局のデータ再生手段は、
当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段に保存した特定データを復号化して再生するときは、前記配信要求送信手段に前記親局に対して当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に配信することを要求し、
前記親局のデータ配信手段は、
前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶手段に保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を送信し、
さらに前記子局のデータ再生手段は、
前記親局から前記再生許可信号を受信したときは前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記親局のデータ配信手段は、
前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を配信し、
前記子局のデータ再生手段は、
前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記親局のデータ配信手段は、
前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信し、
前記子局のデータ再生手段は、
前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記親局のデータ配信手段は、
当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて送信し、
前記子局のデータ再生手段は、
受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の親局管理・子局通信システムにおいて、
前記子局は、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知手段をさらに備え、
前記親局のデータ配信手段は、位置情報検知手段から送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御することを特徴とする親局管理・子局通信システム。
【請求項8】
少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続した親局管理・子局通信方法であって、
前記親局は、
前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信ステップと、当該配信要求受信ステップで受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別ステップと、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理ステップと、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存ステップと、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存ステップで保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信ステップとを含み、
さらに当該データ配信ステップは、前記個体情報識別ステップで識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信することを特徴とし、
前記子局は、
当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力ステップと、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力ステップで入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信ステップと、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信ステップと、当該データ受信ステップで受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生ステップと、当該データ再生ステップで再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶ステップとを含み、
さらに当該データ再生ステップは、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶ステップに記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の親局管理・子局通信方法において、
前記子局のデータ再生ステップは、
当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶ステップで保存した特定データを復号化して再生するときは、前記親局が子局に対して当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に送信することを要求し、
前記親局のデータ配信ステップは、
前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶ステップで保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を送信し、
さらに前記子局のデータ再生ステップは、
前記親局から前記再生許可信号を受信したときは前記特定データ記憶ステップに記憶した特定データを復号化して再生することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項10】
請求項8に記載の親局管理・子局通信方法において、
前記親局のデータ配信ステップは、
前記個体情報識別ステップで識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理ステップで管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を配信し、
前記子局のデータ再生ステップは、
前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項11】
請求項10に記載の親局管理・子局通信方法において、
前記親局のデータ配信ステップは、
前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信し、
前記子局のデータ再生ステップは、
前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項12】
請求項8乃至10のいずれかに記載の親局管理・子局通信方法において、
前記親局のデータ配信ステップは、
当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて配信し、
前記子局のデータ再生ステップは、
受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項13】
請求項8乃至12のいずれかに記載の親局管理・子局通信方法において、
前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれかに記載の親局管理・子局通信方法において、
前記子局は、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知ステップをさらに備え、
前記親局のデータ配信ステップは、位置情報検知手段から送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御することを特徴とする親局管理・子局通信方法。
【請求項15】
少なくとも1つ以上の親局と、少なくとも1つ以上の子局とをネットワークを介して双方向通信可能に接続したシステムに組み込まれる親局管理・子局通信プログラムであって、
前記親局のコンピュータを、
前記子局からの特定データ配信要求を受信する配信要求受信手段と、当該配信要求受信手段で受信した当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータの個体情報とを識別する個体情報識別手段と、子局の個体情報とオペレータの個体情報とを管理する個体情報管理手段と、前記子局が配信要求する特定データを保存する特定データ保存手段と、前記子局からの配信要求に応じて前記特定データ保存手段で保存された特定データを暗号化して配信するデータ配信手段として機能させると共に、
さらに当該データ配信手段を、前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときに前記特定データを暗号化して配信するように機能させ、
前記子局のコンピュータを、
当該子局を操作するオペレータの個体情報を入力するオペレータ情報入力手段と、前記親局に対して前記特定データの配信要求を、当該子局の個体情報と前記オペレータ情報入力手段で入力されたオペレータ情報と共に配信する配信要求送信手段と、前記親局から配信されてきた特定データを受信するデータ受信手段と、当該データ受信手段で受信した特定データを復号化して当該子局のオペレータが認識可能な情報で再生するデータ再生手段と、当該データ再生手段で再生した特定データを再び暗号化して保存する特定データ記憶手段として機能させると共に、
さらに当該データ再生手段を、当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段で記憶した特定データを復号化して再生するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記子局のデータ再生手段を、
当該子局のオペレータの要求に応じて前記特定データ記憶手段で保存した特定データを復号化して再生するときは、前記配信要求送信手段に当該子局の個体情報と当該子局を操作するオペレータ情報と共に配信することを要求するように機能させ、
前記親局のデータ配信手段を、
前記特定データ配信要求と共に送信されてきた当該子局の個体情報とオペレータ情報とが、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致するときは前記特定データ記憶手段で保存した特定データを復号化して再生することを許可する信号を配信するように機能させ、
さらに前記子局のデータ再生手段を、
前記親局から前記再生許可信号を受信したときに前記特定データ記憶手段に記憶した特定データを復号化して再生するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項17】
請求項15に記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記親局のデータ配信手段を、
前記個体情報識別手段で識別した子局の個体情報およびオペレータ情報が、前記識別情報管理手段で管理された情報と一致しないときは、当該子局に対して当該子局の操作を停止する信号を送信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、
前記操作停止信号を受信したときは当該子局の操作を停止するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項18】
請求項17に記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記親局のデータ配信手段を、
前記操作停止信号を配信した後、所定時間経過後に当該子局に対して当該子局の操作を停止を解除する信号を配信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、
前記操作停止解除信号を受信したときは当該子局の操作の停止を解除するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項19】
請求項15乃至17のいずれかに記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記親局のデータ配信手段を、
当該子局に前記特定データを暗号化して配信するときは、当該子局の運用可能な時間に関する情報も併せて送信するように機能させ、
前記子局のデータ再生手段を、
受信した当該子局の運用可能な時間に関する情報に基づいて当該子局の運用可能な時間を制限するように機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項20】
請求項15乃至19のいずれかに記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記子局が送信するオペレータ情報は、当該子局を操作するオペレータの生体情報であることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。
【請求項21】
請求項15乃至20のいずれかに記載の親局管理・子局通信プログラムにおいて、
前記子局を、当該子局の位置を検出すると共に検知した位置情報を前記親局に送信する位置情報検知手段としてさらに機能させ、
前記親局のデータ配信手段を、位置情報検知手段から送信されてきた前記子局の位置情報に基づいて前記特定データの配信を制御するようにさらに機能させることを特徴とする親局管理・子局通信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−38232(P2012−38232A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180055(P2010−180055)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(595167292)株式会社デージーエス・コンピュータ (18)
【Fターム(参考)】