説明

角速度センサ装置、角速度計測方法及びプログラム、ナビゲーション装置、方法及びプログラム

【課題】カーナビゲーションなどに用いる角速度センサに関する技術において、相対的に角度差のある2つの振動ジャイロを用いて、ピッチ角に対してフリーでかつセット取付角を設定不要とし、しかも高精度な車両ヨー角度を取得するようにする。
【解決手段】A/D変換部15,25を通じて各振動子11,21の出力電圧を取得し、回転していないときの中点電位からの差を得る。角速度の大きさを示すスカラ量を計算し、各センサの電圧の符号から、実際の角速度を計算する。カーナビゲーション装置における実際の車両のヨー角度は、初期値をもとに、上記のように逐次算出する角速度を実時間で数値積分することにより導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーションなどに用いる角速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の普及と情報処理技術の発達に伴い、移動体の経路誘導技術が一般化し、その典型は車載型のカーナビゲーションシステムである。カーナビゲーションシステムにおいて、位置、速度、角度といった車両の状態を表す航法データを取得するセンサ群として、GPS(Global Positioning System )、車速パルスの処理回路、ジャイロセンサに加え、近年では加速度センサなどを組み合わせて用いられてきた。
【0003】
特に昨今では、道路が複雑化し、地図が詳細化する傾向にあり、経路誘導の基盤となるセンサには精度が要求されるようになっている。センサ群の中で最も伝統的ともいえるジャイロセンサすなわち角速度センサは、一般に水晶やセラミックを用いる振動ジャイロが多く、いわゆるコリオリ力を利用した角速度が電圧として観測できる仕組みであり、そのような電圧に基づく数値積分によって車両角度を求めるのに用いられる。
【0004】
その具体例として例えば、振動ジャイロの出力電圧をV[V]とし、中点電位をVM [V]とする。また、振動ジャイロの角速度ゲインをG[V/度/s]とし、振動ジャイロの垂直方向に対する傾きをβとすると、角速度ωは以下の式で計算される。
【数1】

【0005】
このような振動ジャイロを一つだけ備えたシステムの場合、角速度ゲインGを既知の値として設定し、または、中点電位を既知の値もしくは初期化キャリブレーションにより求めた値により設定する。また、振動ジャイロの傾きについても既知の値(例えば、特許文献1に示すように、車種に応じた角速度センサの取付角度に対応した補正角度など)もしくは初期化処理によって求めた値を設定することによって、角速度検出を行う。
【0006】
ここで、車両の角度にはヨー角度(ヨー角)とピッチ角度(ピッチ角)があり、振動ジャイロが本来検出の目的とするのはヨー角度である。ヨー角度とは、真上から見て車両が地図上でどの方向を向いているか(方位角)を指す。これに対し、車両のピッチ角とは、車両側面からみて坂道などで上下運動するときの車体の角度(傾斜角)を指す。検出できるヨー角度は、その時点のピッチ角の影響を受けるが、ピッチ角が取付角度によるものか、坂道によるものかは、計算上の判別は事実上困難である。
【特許文献1】特開2004−28841
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そして、既知の値として振動ジャイロの傾きを用いるには、振動ジャイロを含むカーナビゲーションシステムの車両への取付セット角を予め用意しておく必要性があるが、車種は多数あってデータの完全な事前準備は困難なうえ取付施工は人手によるもので多少の誤差は考えられる。さらに実際には、車両のピッチ角は、坂道、荷重の偏り等を考えると時により変化するパラメータであるといえる。これらから、角速度の数値積分で得られる車両の角度の精度が劣化する可能性があるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、カーナビゲーションなどに用いる角速度センサに関する技術において、相対的に角度差のある2つの振動ジャイロを用いて、ピッチ角に対してフリーでかつセット取付角を設定不要とし、しかも高精度な車両ヨー角度を取得するようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1(7、13)の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)は、互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、前記各振動ジャイロの各出力電圧の増幅部と、前記各増幅した電圧をA/D変換するA/D変換部と、前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、を備え、振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置を制御し、前記演算部により、前記各振動ジャイロから得る各出力電圧と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理を行わせることを特徴とする。
【0010】
請求項6(12、18)のナビゲーション装置(ナビゲーション方法又はプログラム)は、請求項1から5(7から11、13から17)のいずれか一項に記載の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明では、2つの振動ジャイロすなわちジャイロ振動子を角度差を持ってすなわち相対的に異なる角度で設けてセンサを構成し、2つの各出力電圧信号からの計算により、ナビゲーションなどに用いる角速度を得る。これにより、車両に対するカーナビゲーション等の装置セットの取付角度に依存しなくなるのでそのような取付角度を初期設定等でユーザが設定する必要がなくなる。また、坂道等での水平に対する車両のピッチ運動角度の影響も排除し、車両のヨー角度を高精度に取得することで角度の累積誤差も抑制可能となる。
【0012】
請求項2(8、14)の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)は、互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、各振動ジャイロの各出力電圧の差を出力する差動アンプと、各振動ジャイロの各出力電圧の和を出力する加算器と、前記各出力電圧の差及び和をそれぞれA/D変換するA/D変換部と、前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、を備え、振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置を制御し、前記演算部により、前記各振動ジャイロの各出力電圧の差と和の値と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理を行わせることを特徴とする。
【0013】
これらの態様では、振動ジャイロの側で各電圧の差と和を算出することにより、演算部側の負荷が軽減できる。
【0014】
請求項3(9、15)の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)は、請求項1又は2(7又は8、13又は14)記載の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)において、前記演算処理(演算手段)は、前記各振動ジャイロの各出力電圧の和の二乗並びに差の二乗と、前記相対設置角度に基づく三角関数値の二乗と、の計算値の平方根に基づく値もしくはこれら計算と等値の値の絶対値に対し、前記出力電圧の符号に応じて符号を定めることにより、前記角速度を求めることを特徴とする。
【0015】
これらの態様では、単純なアルゴリズムにより、角速度を正確に算出可能となる。
【0016】
請求項4(10、16)の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)は、請求項1から3(7から9、13から15)のいずれか一項に記載の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)において、前記角速度センサ装置は車両に搭載され、前記2つの振動ジャイロは、前記車両の進行方向に対して異なるピッチ角度をもって設置され、検出する前記角速度は、前記車両のヨー角度の角速度であること、を特徴とする。
【0017】
これらの態様では、車両の進行方向に対して異なるピッチ角度で設けた2つの振動ジャイロからの出力電圧をもとにヨー角速度を得ることにより、その積分で各時点において車両の向かっている相対方位を随時把握するカーナビゲーションの処理制度が、効果的に改善可能となる。
【0018】
請求項5(11、17)の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)は、請求項1から4(7から10、13から16)のいずれか一項に記載の角速度センサ装置(角速度計測方法又はプログラム)において、前記演算部は、機器組込みマイクロコンピュータであることを特徴とする。
【0019】
これらの態様では、演算部として組込みマイコンを利用することにより、プログラムにより他の機能との兼用や機能改修も容易となり、低コストかつ容易にコンパクトな実装が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、相対的に角度差のある2つの振動ジャイロを用いて、ピッチ角に対してフリーでかつセット取付角を設定不要とし、しかも高精度な車両ヨー角度を取得することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、背景技術や課題で既に説明し本発明と共通の前提事項は繰り返さない。
【0022】
〔1.構成〕
まず、本実施形態は、振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置(以下「本装置」と呼ぶ)に関するもので、角速度計測方法、角速度計測プログラムや、これら装置、方法、プログラムを用いるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムとしても把握することができる。
【0023】
そして、図1は、カーナビゲーションシステムSと、これに組み込んだ2つのジャイロ振動子すなわち第一振動子11と第二振動子21及び処理部Pからなる角速度センサ装置を示している。すなわち、この角速度センサ装置はカーナビゲーションシステムSの一部として車両に搭載され、振動子11,21は、前記車両の進行方向に対して異なるピッチ角度をもって設置され、検出する前記角速度は、前記車両のヨー角度の角速度である。
【0024】
このように、車両の進行方向に対して異なるピッチ角度で設けた2つの振動ジャイロからの出力電圧をもとにヨー角速度を得ることにより、その積分で各時点において車両の向かっている相対方位を随時把握するカーナビゲーションの処理制度が、効果的に改善可能となる。
【0025】
そして、ジャイロ振動子11,21は、互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置してあり、図2に示すように、それぞれの各出力電圧の増幅部として接続されたアンプ13,23とともに、第一センサ系1及び第二センサ系2を構成している。
【0026】
そして、処理部P(図1)は、第一センサ系1と第二センサ系2(図2)にそれぞれ対応して、各アンプ13,23で各増幅した電圧をA/D変換するA/D変換部15,25と、各A/D変換後15,25の電圧値を入力値とする演算部7と、を備える。
【0027】
この演算部7は、ナビゲーションに用いる機器組込みマイクロコンピュータ(ナビ用マイコン)であり、その組込みプログラムにより、各振動子11,21から得る各出力電圧と、各振動子11,21の前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算手段である。
【0028】
具体的には、演算部7は、各振動子11,21からの各出力電圧の和の二乗並びに差の二乗と、前記相対設置角度に基づく三角関数値の二乗と、の計算値の平方根に基づく値もしくはこれら計算と等値の値の絶対値に対し、前記出力電圧の符号に応じて符号を定めることにより、前記角速度を求めるという単純なアルゴリズムにより、角速度を正確に算出することができる。
【0029】
〔2.計算手法〕
ここで、上記のような本実施形態において、各振動子11,21からの出力電圧に基づいて、各速度を求める計算手法を説明する。まず、本装置に対する各振動子の取付角度をそれぞれα1 ,α2 とする。
【0030】
ここで図3に示すように、車両への本装置への取付角をθ0 、車両のピッチ運動をθt とし、各振動子11,21の出力電圧をV1 2 [V]とし、それぞれの中点電位をVM1M2[V]とする。このとき、
【数2】

すなわち、
【数3】

ここで式の計算のため、
【数4】

とし、
【数5】

と記述すると、
【数6】

すなわち、
【数7】

したがって、
【数8】

各両辺を2乗して整理すると α2 ≠α1 より α≠0 なので
【数9】

より
【数10】


において
求められる角速度ωの符号は、v1 もしくはv2 の符号より導出する。すなわち振動子の角度が地面に対して反転しない限り、v1 、v2 の符号と対な関係にある。
【0031】
〔3.アルゴリズムの例〕
上記のような計算手法を、図1のようなシステム構成に対して適用する場合のより具体的なアルゴリズムにおける処理手順を図4(初期化)及び図5(センサ情報の取得と計算)のフローチャートに示す。初期化(図4)では、まず、センサの相対角度の1/2を計算する(ステップA1)。この値は、2つのセンサの設置角から計算されるので、車両の運動、取付角に依存しない既知の値であり、典型的には、振動子11,21を含むセンサ作成の時点や、制御基盤作成の時に既に判明している。例えば、α1 =−20度、α2 =20度とするとα=20度である。
【0032】
また、車両停車時など所定のタイミングで、各振動子11,21について中点電位のキャリブレーションを行う(ステップA2)。なお、本発明及び本実施形態では、このキャリブレーション手法の具体的内容は問わないので、従来からある手法を自由に選択してよい。
【0033】
そして、実際の各速度計算のためには(図5)、まず、A/D変換部15,25を通じて各振動子11,21の出力電圧を取得し(ステップB1)、回転していないときの中点電位からの差を得る(ステップB2)。そして、上記計算手法を用いて、角速度の大きさを示すスカラ量を計算し(ステップB3)、各センサの電圧の符号から、実際の角速度を計算する(ステップB4)。
【0034】
カーナビゲーション装置における実際の車両のヨー角度は、初期値をもとに、上記のように逐次算出する角速度を実時間で数値積分することにより導出する。
【0035】
ここで、上記のアルゴリズムは、例えばα1 =−20度、α2 =20度において、車両取付角が20度のとき、車両が70度以上の坂道を登り降りすることが無いことを前提としている。この設置条件では、v1 とv2 の符号は一致するので、上記処理手順における符号の判定(ステップB4)では、符号条件v2 >0 か否かで判定しているが、v1 >0としてもよいし、v1 +v2 >0としてもよい。
【0036】
〔4.主な効果〕
以上のように、本実施形態では、2つの振動ジャイロすなわちジャイロ振動子を角度差を持ってすなわち相対的に異なる角度で設けてセンサを構成し、2つの各出力電圧信号からの計算により、ナビゲーションなどに用いる角速度を得る。これにより、車両に対するカーナビゲーション等の装置セットの取付角度に依存しなくなるのでそのような取付角度を初期設定等でユーザが設定する必要がなくなる。また、坂道等での水平に対する車両のピッチ運動角度の影響も排除し、車両のヨー角度を高精度に取得することで角度の累積誤差も抑制可能となる。
【0037】
特に、本実施形態では、演算部として組込みマイコンを利用することにより、プログラムにより他の機能との兼用や機能改修も容易となり、低コストかつ容易にコンパクトな実装が可能となる。
【0038】
〔5.他の実施形態〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するもの及びそれ以外を含む他の実施形態も含むものである。例えば、上記処理手順のステップB3に示した式から、v1 +v2 とv1 −v2 をセンサ出力とするようなセンサモジュールを用いて、上記アルゴリズムの処理手順の一部を回路化などによって処理し、ナビ用マイコンやソフトウエア側の負荷を減らすようなシステム構成も採用可能である。
【0039】
具体例としては、図6のように、各振動ジャイロの各出力電圧の差を差動アンプ32で、和を加算器31で、それぞれ計算して出力した値をそれぞれA/D変換部でA/D変換し、これらA/D変換後の電圧値を入力値とする演算部72により、各振動ジャイロの各出力電圧の差と和の値と、各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求めてもよい。このように、振動ジャイロの側すなわちここではセンサモジュール4で各電圧の差と和を算出することにより、演算部側の負荷が軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態において、カーナビゲーションシステムに対する各振動子の取付角度を示す概念図。
【図2】本発明の実施形態の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態において、カーナビゲーションシステムの車両に対する取付角度と、水平に対する車両のピッチ角を示す概念図。
【図4】本発明の実施形態における初期化の処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態におけるセンサ情報の取得と計算の処理手順を示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態における他の構成例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0041】
1…第一センサ系
2…第二センサ系
3…処理回路
4…センサモジュール
11,21…振動子
13,23…アンプ
15,25…A/D変換部
7,72…演算部
31,32…差動アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置において、
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
前記各振動ジャイロの各出力電圧の増幅部と、
前記各増幅した電圧をA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
前記演算部により、前記各振動ジャイロから得る各出力電圧と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする角速度センサ装置。
【請求項2】
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置において、
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
各振動ジャイロの各出力電圧の差を出力する差動アンプと、
各振動ジャイロの各出力電圧の和を出力する加算器と、
前記各出力電圧の差及び和をそれぞれA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
前記演算部により、前記各振動ジャイロの各出力電圧の差と和の値と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算手段と、
を備えたことを特徴とする角速度センサ装置。
【請求項3】
前記演算手段は、前記各振動ジャイロの各出力電圧の和の二乗並びに差の二乗と、前記相対設置角度に基づく三角関数値の二乗と、の計算値の平方根に基づく値もしくはこれら計算と等値の値の絶対値に対し、前記出力電圧の符号に応じて符号を定めることにより、前記角速度を求めること
を特徴とする請求項1又は2記載の角速度センサ装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の角速度センサ装置において、その角速度センサ装置は車両に搭載され、
前記2つの振動ジャイロは、前記車両の進行方向に対して異なるピッチ角度をもって設置され、
検出する前記角速度は、前記車両のヨー角度の角速度であること、
を特徴とする角速度センサ装置。
【請求項5】
前記演算部は、機器組込みマイクロコンピュータであること、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に角速度センサ装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の角速度センサ装置を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
前記各振動ジャイロの各出力電圧の増幅部と、
前記各増幅した電圧をA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
を備え、
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置による角速度計測方法において、
前記演算部により、前記各振動ジャイロから得る各出力電圧と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理 を含むことを特徴とする角速度計測方法。
【請求項8】
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
各振動ジャイロの各出力電圧の差を出力する差動アンプと、
各振動ジャイロの各出力電圧の和を出力する加算器と、
前記各出力電圧の差及び和をそれぞれA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
を備え、
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置による角速度計測方法において、
前記演算部により、前記各振動ジャイロの各出力電圧の差と和の値と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理を含むことを特徴とする角速度計測方法。
【請求項9】
前記演算処理は、前記各振動ジャイロの各出力電圧の和の二乗並びに差の二乗と、前記相対設置角度に基づく三角関数値の二乗と、の計算値の平方根に基づく値もしくはこれら計算と等値の値の絶対値に対し、前記出力電圧の符号に応じて符号を定めることにより、前記角速度を求めること
を特徴とする請求項7又は8記載の角速度計測方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の角速度計測方法において、前記角速度センサ装置は車両に搭載され、
前記2つの振動ジャイロは、前記車両の進行方向に対して異なるピッチ角度をもって設置され、
検出する前記角速度は、前記車両のヨー角度の角速度であること、
を特徴とする角速度計測方法。
【請求項11】
前記演算部は、機器組込みマイクロコンピュータであること、
を特徴とする請求項7から10のいずれか一項に角速度計測方法。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか一項に記載の角速度計測方法を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項13】
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
前記各振動ジャイロの各出力電圧の増幅部と、
前記各増幅した電圧をA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
を備え、
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置を制御する角速度計測プログラムにおいて、
前記演算部に、前記各振動ジャイロから得る各出力電圧と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理を行わせることを特徴とする角速度計測プログラム。
【請求項14】
互いに異なる所定の相対設置角度をもって設置した2つの振動ジャイロと、
各振動ジャイロの各出力電圧の差を出力する差動アンプと、
各振動ジャイロの各出力電圧の和を出力する加算器と、
前記各出力電圧の差及び和をそれぞれA/D変換するA/D変換部と、
前記各A/D変換後の電圧値を入力値とする演算部と、
を備え、
振動ジャイロを用いて与えられる角速度を検出する角速度センサ装置を制御する角速度計測プログラムにおいて、
前記演算部に、前記各振動ジャイロの各出力電圧の差と和の値と、前記各振動ジャイロの前記相対設置角度に基づいて、角速度を演算により求める演算処理を行わせることを特徴とする角速度計測プログラム。
【請求項15】
前記演算処理は、前記各振動ジャイロの各出力電圧の和の二乗並びに差の二乗と、前記相対設置角度に基づく三角関数値の二乗と、の計算値の平方根に基づく値もしくはこれら計算と等値の値の絶対値に対し、前記出力電圧の符号に応じて符号を定めることにより、前記角速度を求めること
を特徴とする請求項13又は14記載の角速度計測プログラム。
【請求項16】
請求項13から15のいずれか一項に記載の角速度計測プログラムにおいて、前記角速度センサ装置は車両に搭載され、
前記2つの振動ジャイロは、前記車両の進行方向に対して異なるピッチ角度をもって設置され、
検出する前記角速度は、前記車両のヨー角度の角速度であること、
を特徴とする角速度計測プログラム。
【請求項17】
前記演算部は、機器組込みマイクロコンピュータであること、
を特徴とする請求項13から16のいずれか一項に角速度計測プログラム。
【請求項18】
請求項13から17のいずれか一項に記載の角速度計測プログラムを含むことを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−162550(P2006−162550A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358381(P2004−358381)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】