説明

触媒の変性方法並びに該触媒の使用

触媒の変性方法であって、1種以上の溶剤の存在下で炭素含有残分の堆積によって、その際、処理の間の触媒処理溶液上の気相が、空気又は不活性ガスであり、かつ/又は液相が、テンプレート剤及び/又は塩基を含有する方法。変性された触媒は、有機化合物の立体選択的、化学選択的及び位置選択的な変換のために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、触媒の変性方法並びに該触媒の使用である。
【0002】
立体選択性は、有機分子を、該分子中に1つ以上のキラル中心を導入するせいで光学活性分子に変換することに関連している。
【0003】
立体選択的な反応の一例は、不飽和のプロキラル化合物、例えばオレフィン、イミン、カルボニル、カルボン酸、エステル、無水物、オキシム、スルホキシド又は他の二重結合を有するプロキラル有機化合物の一方の面又はもう一方の面に2つの水素原子を制御下に付加して、少なくとも1つのキラル中心を作製することである。
【0004】
例えば、フルクトースの水素化は、マンニトール又はソルビトールのいずれかを、どちらの種類がこのケトースの変旋光から優勢に表面上に吸着され、かつ水素化されるかに応じて生成しうる。
【0005】
化学選択性は、ある種の成分を1つ以上の他の成分に好ましく変換することに関連している。この化学選択的な利点は、一方の部分と他方の部分との強力な吸着か、他方の部分での好ましい官能基の低下した立体障害か、変換された官能基が促進剤もしくは他の分別要素(differentiating factor)へと配位することによるものである。
【0006】
位置選択性は、分子中での位置に基づく官能基の好ましい変換を扱う。かかる場合に、それは、所望の官能性に優勢的に変換される少なくとも立体障害位置での官能基である。隣接部の立体効果、誘導効果及び共鳴効果のような要素は、分子の変換の位置選択性に影響を及ぼす。
【0007】
更に、本願で示していない他の要素も、反応の位置選択性を決定づけることがある。
【0008】
位置選択的な反応の場合に、同じ反応について競合する官能基は同じであるか同じでなく、かつどの部分が反応するかを決定づける唯一の基準は、分子中のその部分の位置である。
【0009】
化学選択性と同様に位置選択性であると考えられる反応の例は、シトラール(及び他の不飽和アルデヒド)を水素化して、不飽和アルコール又は飽和アルデヒドのいずれかを得ることと、不飽和脂肪ニトリルを選択的に水素化して、不飽和脂肪アミン又は飽和ニトリルのいずれかを得ることである。
【0010】
純粋な位置選択的な例は、末端炭素二重結合を、その同じ分子中に二置換、三置換又は四置換されたものが存在する中で選択的に水素化することである。もちろん、大部分が置換されたオレフィンをあまり置換されていないオレフィンのなかで水素化することも、非常に稀ではあるが位置選択的な反応の一例である。
【0011】
Degischer他によるUS6521564号は、また活性化されたNi触媒をホルムアルデヒドで処理することにより、ニトリル水素化の間に第一級アミン形成に有用な影響が及ぼされうることを見出した。
【0012】
しかしながら、彼らは、他の元素による触媒促進を用いておらず、固定床の形態の使用とそれらの処理手順は処理溶液中に高いppm水準のNiを放出し、それにより係る廃液流の廃棄及び/又は処理を通じて不所望な作用及び付加的な費用がもたらされる。更にDegischer他は、それらの処理を不活性ガス下で、かつ分子酸素の不在下でのみ実施しており、本発明者による結果によれば不活性ガスなくしては最良の結果を得ることもできないことが判明した。
【0013】
本発明によれば、触媒表面の酸化は、ホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム又は任意の他の類似の誘導体によるその処理の間にまず生ずることが判明した。このように、高価な不活性ガスの使用は必要とされず、そして付加的な酸素が事実上利益を供しうる。本発明の一部は、処理溶液中に溶解されたNi及び/又は不活性ガスの使用に関連する問題が生ずることなく前記変性手順を実施することを論じている。
【0014】
本発明の更なる一部は、前記の変性のために促進された触媒を使用することに関連しており、この触媒は場合により固定床触媒として製造及び使用してよい。
【0015】
本発明は、変性された活性化された卑金属触媒を、有機反応の改善された選択性のために用いる使用に関する。
【0016】
本発明による選択性における改善は、促進された立体選択的な、化学選択的な及び位置選択的な変換を伴い、そしてこれらの促進は、ラネー型卑金属触媒上に炭素含有残分を堆積させることによって実施された。これらの炭素含有残分は、酸素、硫黄、窒素、水素及び有機分子中に通常存在する他の原子を含有してもよい。
【0017】
炭素残分の堆積のために好ましい前駆体は、ホルムアルデヒド及びギ酸金属塩を含む。しかしながら、他の分子、例えば一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び活性化された金属表面と強力に相互作用する他の有機分子を使用することもできる。
【0018】
本発明の変性方法は、他の強力な吸着性を有する分子と組み合わせて使用することもでき、該分子は、炭素質の堆積物の構造を制御するためのテンプレートとして作用しうる。
【0019】
本発明の対象は、触媒の変性方法であってNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって変性させるにあたり、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させる触媒の変性方法において、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらない、
− 又は触媒がCu触媒である場合に、処理の間の触媒上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ液相が、テンプレート剤を含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ/又は液相が、テンプレート剤及び/又は1種以上の塩基を、変性剤の変性溶液への添加の前、その間及び/又はその後に含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ液相が、1種以上の塩基を、変性剤の変性溶液への添加の前、その間及び/又はその後に含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、固定床触媒を処理し、該工程を、触媒上の薄膜又は溶液のいずれかとして存在する不活性ガス及び/又は液相によって保護する、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、固定床触媒を処理し、かつ/又は1種以上の塩基の存在下で及び/又はテンプレートの存在下で処理し、その際、該工程を、触媒上の薄膜又は溶液のいずれかとして存在する不活性ガス及び/又は液相によって保護する、
− 又はNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を処理し、かつ該触媒は、場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ場合により変性媒体は、テンプレートを含有し、かつ場合により変性を、1種以上の塩基の存在下で行い、その際、最終的に変性された触媒は脂肪アミン中に埋入されている、
− 又はNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を処理し、かつ該触媒は、場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ場合により変性媒体は、テンプレートを含有し、かつ場合により変性を、1種以上の塩基の存在下で行い、その際、最終的な触媒は第一級脂肪アミン中に埋入されている
ことを特徴とする触媒の変性方法である。
【0020】
変性剤がホルムアルデヒドである場合に、メタアルデヒド又はパラホルムアルデヒドの形で使用することもできる。有利には、ホルムアルデヒドは、その水溶液の形で、すなわちホルマリンとして使用され、その場合に、水はその際に液状分散媒体の一部をなす。
【0021】
本発明において変性剤として使用することができる"低級脂肪族アルデヒド"は、有利には、R1CHO[式中、R1は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であって場合によりヒドロキシで置換された基である]のアルデヒドである。アルキル基は、炭素原子の数に応じて直鎖状又は分枝鎖状であってよい。アルキル基がヒドロキシで置換されている場合において、1つ以上のヒドロキシ置換基が存在してよい。有利には、かかる変性剤としてアセトアルデヒドが使用される。
【0022】
本発明において変性剤として使用することができる"芳香族アルデヒド"は、特に式R2CHO[R2は、アリール基又はヘテロアリール基である]のアルデヒドである。本願で使用される用語"アリール"は、通常の非置換のアリール基、すなわちフェニル及びナフチルだけでなく、相応して置換されたフェニル及びナフチルも、また相応して置換されたフェニル基及びナフチル基も含む。置換基は、例えばハロゲン原子及びC1〜C4−アルキル基、ヒドロキシ基、C1〜C4−アルコキシ基、アミノ基、カルバモイル基及びフェニル基であってよい。それぞれの場合に、1つ以上の置換基が存在してよい。
【0023】
フッ素、塩素、臭素又はヨウ素が、用語"ハロゲン"として解されるべきである。アルキル基又はアルコキシ基は、炭素原子の数に応じて直鎖状又は分枝鎖状であってよい。複数の置換基の場合に、置換基は同一又は異なってよい。通常は、5個以下(フェニルについて)もしくは7個以下(ナフチルについて)のハロゲン原子、3個のアルキル基、2個のヒドロキシル基、3個のアルコキシ基、2個のアミノ基、2個のカルバモイル基又は1個のフェニル基が置換基として存在してよい。
【0024】
本願で使用される用語"ヘテロアリール"は、ヘテロアリール基であって環中に1つ以上のヘテロ原子、例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子を有する基を含む。ピリジル及びピリミジニルは、かかるヘテロアリール基の例である。有利には、ベンゾアルデヒド又はアニスアルデヒドが、変性剤の役割における芳香族アルデヒドとして使用される。
【0025】
本発明において変性剤として使用することができる"脂肪族、芳香族又は脂肪族と芳香族の混合型のケトン"は、有利には、式R3COR4[式中、R3及びR4は、それぞれ無関係にアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す]のケトンである。本願で使用される用語"アルキル、アリール又はヘテロアリール"は、定義に関して前記したもの又はR1及びR2と同じであると解されるべきである。有利には、かかる変性剤としてアセトンが使用される。
【0026】
本発明の一実施態様において、一酸化炭素、ホルムアルデヒド又は低級脂肪族アルデヒドが、変性剤として使用される。本発明のもう一つの実施態様においては、二酸化炭素、ギ酸金属塩(例えばギ酸ナトリウム)又は低級脂肪族カルボン酸金属塩が、変性剤として使用される。
【0027】
本発明によれば、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒の変性方法は、該触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって処理するにあたり、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることを特徴とし、その際、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらない。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0028】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0029】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができ、その際、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらない。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0030】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0031】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、NaOH、KOH及びそれらの混合物を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0032】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0033】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0034】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0035】
Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0036】
Cu触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができ、その際、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気及び/又は不活性ガスである。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0037】
Cu触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する他の有機分子のような材料によって変性させるにあたり、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。該処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気及び/又は不活性ガスであってよい。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0038】
Cu触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0039】
Cu触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0040】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0041】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0042】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0043】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0044】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0045】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で5〜130℃の範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0046】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0047】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0048】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0049】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0050】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0051】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0052】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0053】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができる。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0054】
Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0055】
周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることができ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される。前記のようにして、ラネー型触媒及び担持型触媒の両者を変性させることができる。
【0056】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒は、液相中で変性させることができる。
【0057】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒は、液相中で変性させることができるが、一方で、その変性は、循環を有するか有さないかのいずれかのフラッディング式固定床反応器(flooded fix bed reactor)中で実施される。
【0058】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させることができるが、一方で、その変性は、固定床反応器中のトリクル相中で実施され、かつ該触媒を取り巻く雰囲気は、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかである。
【0059】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させることができるが、一方で、その変性は、変性剤のエアロゾルを用いて固定床反応器中で実施され、かつ該触媒を取り巻く雰囲気は、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかである。
【0060】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させることができるが、一方で、その変性は、変性条件下に気相で存在することができる変性剤を有する気相中で固定床反応器中で実施され、かつ該触媒を取り巻く雰囲気は、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかである。
【0061】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させることができるが、一方で、その変性は、変性条件下に気相で存在することができる請求項1の変性剤を有する気相中で固定床反応器中で実施され、その際、処理温度は、−50〜500℃であってよく、かつ該触媒を取り巻く雰囲気は、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかである。
【0062】
Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させることができるが、一方で、変性温度は、0℃を超えて150℃までの範囲であってよい。
【0063】
本発明の方法により変性されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、脂肪アミン中に埋入されていてよい。
【0064】
本発明の方法により変性されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、第一級脂肪アミン中に埋入されていてよい。
【0065】
該触媒を変性させることができるが、一方で、触媒金属は、Fe、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、V、Re、W、Mo、Rh、Ir及びそれらの混合物である。
【0066】
触媒を変性させることができるが、一方で、その変性は、テンプレート剤の存在下で実施される。
【0067】
該触媒を変性させることができるが、一方で、炭素を堆積させる変性は、還元性雰囲気下で実施される。
【0068】
変性された触媒は、化合物の改善された立体選択的な水素化のために使用することができる。
【0069】
変性された触媒をフルクトースの改善された立体選択的な水素化のために使用して、より高濃度のマンニトールを得ることができる。
【0070】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができる。
【0071】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができ、その際、より強力に吸着される部分が、あまり強力に吸着されない部分よりも水素化される。
【0072】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができ、その際、ニトリルはオレフィンより優勢的に水素化される。
【0073】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができ、その際、カルボニルはオレフィンより優勢的に水素化される。
【0074】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができ、その際、不飽和脂肪アミンが不飽和脂肪ニトリルから生成される。
【0075】
変性された触媒は、化合物の改善された位置選択的な水素化のために使用することができる。
【0076】
変性された触媒は、化合物の改善された化学選択的な水素化のために使用することができ、その際、より立体障害の小さい部分は、より立体障害の大きい部分より優勢的に水素化される。
【0077】
変性された触媒は、化合物の改善された位置選択的な水素化のために使用することができ、その際、環外の部分は、環内の部分より優勢的に水素化される。
【0078】
変性された触媒は、化合物の改善された位置選択的な水素化のために使用することができ、その際、末端の部分は、内部の部分より優勢的に水素化される。
【0079】
変性された触媒は、化合物の改善された位置選択的な水素化のために使用することができ、その際、該化合物に結合されたより少なくより嵩高さが低い基を有する部分は、該化合物に結合されたより多くかつ/又はより嵩高さが高い基を有する部分より優勢的に水素化される。
【0080】
変性された触媒は、ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のために使用することができる。
【0081】
変性された触媒は、ニトリルの、相応の二量体化された二置換イミンへの改善された転化のために使用することができる。
【0082】
変性された触媒は、ニトリルの第一級アミンへのアンモニアの存在下での改善された水素化のために使用することができる。
【0083】
変性された触媒は、ニトリルの第一級アミンへの1種以上の塩基の存在下での改善された水素化のために使用することができる。
【0084】
変性された触媒は、ニトリルの第一級アミンへのNaOH、KOH又はそれらの混合物の存在下での改善された水素化のために使用することができる。
【0085】
変性された触媒は、芳香族ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のために使用することができる。
【0086】
変性された触媒は、芳香族ニトリルの第一級アミンへのアンモニアの存在下での改善された水素化のために使用することができる。
【0087】
変性された触媒は、芳香族ニトリルの第一級アミンへの塩基の存在下での改善された水素化のために使用することができる。
【0088】
変性された触媒は、α,ω−ジニトリルのアミノニトリルへの改善された水素化のために使用することができる。
【0089】
変性された触媒は、二量体を形成しないニトロ基の改善された水素化のために使用することができる。
【0090】
変性された触媒は、化合物の改善された水素化のために使用することができ、その際、その触媒の性能は、反応器の能力に適合される。
【0091】
変性された触媒は、トリグリセライドの水素化に対して使用することができ、その際、それらのオレフィン部は、分子のヨウ素価によってモニターされるが、該オレフィン部は水素化されて、完全飽和のトリグリセライドか、又は水素化工程、触媒の設計及び反応条件、例えば温度及び水素圧に応じて決定される一定水準の飽和のトリグリセライドのいずれかが提供される。
【0092】
本発明により変性された触媒を用いた反応は、液相中、気相中、トリクル相中又は反応物のエアロゾル中のいずれかで、単通工程又は再循環工程のいずれかによって、撹拌槽反応器、流動床反応器又は固定床反応器のいずれかにおいて実施することができ、それらは反応型と触媒工学への最良の適合によって決定される。
【0093】
本発明の方法は、第二級アミン又は第三級アミンを形成しないニトリルの第一級アミンへの水素化に有用であることも判明している。これらのニトリルは、芳香族又は脂肪族のいずれかの性質であってよい。特定の一つの事例は、環状の第二級アミン、直鎖状の第二級アミン又は第三級アミンを一般に形成しないジニトリルのジアミン又はアミノニトリルへの選択的な水素化である。
【0094】
他の触媒的なニトリル水素化と同様に、ニトリルを本発明の触媒の1つを用いてアンモニアの存在下で水素化することは、反応の選択性を担う。しかしながら、所望の第一級アミンの選択性に必要なアンモニアの量は、より少なく、そして第一級アミンの選択性の増大の程度は、本発明の触媒を用いると、産業で使用される標準的な触媒を用いるより高い。
【0095】
一般に、本発明による触媒は、有機的変換のために好ましく、その際、二量体及びオリゴマーの形成は望ましくない。
【0096】
従って、本発明による触媒は、多くの反応、例えばニトロ基の水素化において使用することができ、その際、二量体及び他の不所望な嵩高い化合物の形成を回避することができる。
【0097】
本発明の触媒は、また、触媒表面上で嵩高い中間体を回避するためにも使用することができ、それにより所望の化合物の通常の収率より高い収率が得られる。
【0098】
発火性及び/又は空気過敏性の触媒(すなわちラネー型触媒及び他の型の還元型金属触媒)を、蝋状、脂様、ポリグリコール型又は他の埋入型の材料中に該触媒が埋入させることで空気から保護することができる。埋入剤の通常の一つの型は、第二級脂肪アミン、例えばジステアリルアミンであり、その相応して埋入された触媒は、通常は、脂肪ニトリルの第一級脂肪アミンへの水素化のために使用される。
【0099】
幾つかの場合に、第二級脂肪アミン埋入剤の存在は、第一級アミン生成物を僅かに混濁させることがあるので、幾つかの用途においてはその使用が制限される。このことは、埋入剤として第一級脂肪アミンを使用することによって改善することができるが、第一級脂肪アミンは、第二級脂肪アミンとアンモニアを埋入過程で形成する傾向にある。これが上述の混濁性の問題を引き起こすだけでなく、得られる埋入された触媒が、埋入過程の間だけでなく貯蔵の間にも多量のアンモニアを放出するので健康と安全性の問題も引き起こす。
【0100】
このように、第二級アミンとアンモニアを形成せずに第一級アミン中に埋入できる任意の触媒は、脂肪ニトリル水素化の使用のために、かつ任意の他の水素化のために好ましく、その際、第一級脂肪アミンは、第二級脂肪アミンよりも埋入剤として好ましい。
【0101】
本発明の変性された触媒(ホルムアルデヒド又は他の前記の変性剤のいずれかで処理された触媒)は、触媒を第一級脂肪アミン中に埋入することで、未変性の触媒よりもはるかに少ない第二級脂肪アミンしか生成されない触媒である。
【0102】
従って、本発明の一つの部分は、本発明の変性された触媒を、第一級脂肪アミンで埋入された触媒の製造のために用いる使用である。上述の変性剤による変性は、埋入過程の前に及び/又はその間に実施することができる。
【0103】
本発明は、現存の反応器の物質移動限度内で適するように触媒の活性を改変するのに使用することができる。このように、不所望なコークが水素不足により金属表面上に形成することを抑制することができる。
【0104】
もう一つの観点では、本発明により触媒表面上に炭素質の材料を制御して堆積させることは、触媒表面上でのコークの形成を制御及び抑制するために、かつ遊離の活性表面のテンプレート化による触媒失活の進行を制御及び抑制するために、かつ不可逆的なコーク前駆体と他の触媒毒を生じうる触媒中心を回避するために使用することもできる。
【0105】
活性化された金属触媒は、化学及び化学工学の分野において、ラネー型のスポンジ触媒及び/又は骨格触媒としても知られている。該触媒は、大抵は粉末形で、有機化合物の多数の水素化、脱水素化、異性体化及び水和反応のために使用される。これらの粉末状触媒は、触媒活性金属の合金(本願では触媒金属とも呼称される)とアルカリ中に可溶性の更なる合金化成分との合金から製造される。
【0106】
主に、ニッケル、コバルト、銅又は鉄が触媒金属として使用される。
【0107】
アルミニウムは、アルカリ中に可溶性の合金成分として使用されるが、他の成分、特に亜鉛及びシリコン又はこれらとアルミニウムを含むもしくは含まない混合物を使用してもよい。
【0108】
これらのいわゆるラネー合金は、一般に、インゴット鋳造法によって製造される。その方法では、触媒金属と、例えばアルミニウムとの混合物を先ず溶融させ、インゴットに鋳造する。製造規模での一般的な合金バッチは、インゴットあたり約10ないし100kgに達する。DE2159736号によれば、2時間までの冷却時間が通用している。これは、約0.2K/秒の平均冷却速度に相当する。これに対して、102〜106K/秒及びそれより高い速度は、迅速な冷却を適用する方法(例えば噴霧法)において達成される。
【0109】
冷却速度は、特に粒度及び冷却媒体によって影響される(Material Science and Technology、R.W.Chan,P.Haasen,E.J.Kramerによる編集、第15巻、Processing of Metals and Alloys,1991,VCH出版(Weinheim),第57〜110頁を参照のこと)。この種の方法は、ラネー合金粉末の製造のためにEP0437788号B1で使用される。その方法では、合金の融点より5〜500℃高い温度で溶融された合金を噴霧し、そして水及び/又は気体を用いて冷却する。
【0110】
本発明は、ゆっくりと冷却された合金、適度に冷却された合金、そして迅速に冷却された合金から製造された触媒に適用することができる。冷却媒体、例えばこれらに制限されないが、水、空気及び不活性ガス(例えばAr、He、N2及び他の不活性ガス)の使用は、苛性アルカリ液で活性化された合金の製造において用いることで、前記の変性剤で変性された触媒を生成させることもできる。
【0111】
触媒の製造のために、ラネー合金をまず微粉砕するのは、製造の間に所望の粉末形で製造されていない場合である。次いで、アルミニウムを部分的に(かつ必要であれば完全に)、アルカリ、例えば苛性ソーダ液(他の塩基、例えばKOHも適している)での抽出によって除去して、合金粉末を活性化させる。アルミニウムの抽出後に、残りの触媒粉末は、5〜150m2/gの比表面積(BET)を有し、それは活性水素が豊富である。
【0112】
活性化された触媒粉末は、発火性であり、水又は有機溶剤中で貯蔵されるか、又は室温で固体の有機化合物中に埋入される。
【0113】
これらの触媒は、また周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族からの元素及び希土類元素の1つ以上で促進させてもよい。有利には、促進性元素は、周期律表の第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族及び第VA族に由来する。
【0114】
前記の促進性元素の1つ以上を触媒中に導入するには、まず該元素を合金前駆体に添加したあとで浸出させるか、又は触媒の活性化の間又はその後のいずれかで元素を吸着させることによって行うことができる。
【0115】
もう一つの選択肢は、1種以上の促進剤元素を合金中に導入し、そして更に同一及び/又は異なる1種以上の促進剤元素を、苛性アルカリ液又は任意の他の好適な塩基で合金を活性化させる間に又はその後のいずれかで吸着させることである。これらの促進された触媒は、本発明の処理法(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム及び他の前記の変性剤での処理)に、非常に選択的な触媒を生成するために極めて良好に応じることが判明した。
【0116】
この変性法は、また文献中に見られる活性化された卑金属固定床触媒の種々の形に適用することもできる。これらの固定床形の例は、これらに制限されないが、タブレット(Schutz他のEP648535号、Freund他のDE19721898号、Ostgard他のUS6489521号、Ostgard他のUS6284703号)、押出物(Sauer他のEP0880996号及びCheng他のUS4826799号)、活性化された中空球(Ostgard他のDE10101647号、Ostgard他のDE10101646号、Ostgard他のEP1068900号)、活性化されたフレーク形又は繊維形(例えばOstgard他のEP1068896号におけるタブレット及びマット)、顆粒(合金粉末とバインダー及び孔形成剤との凝集によって形成される)、担持された活性化触媒金属/Al合金、活性化されたAl処理された触媒金属シート及び活性化されたAl処理されたモノリスであってAlと合金化されていてよく、かつ苛性アルカリ液で活性化して触媒とすることができる触媒金属を含有するモノリスを含む。
【0117】
ラネー型の固定床触媒は、卑金属と、場合により促進剤及びアルカリ性の浸出可能な金属、例えばAl、Zn、Si又はそれらの組み合わせとからなる合金塊の浸出(例えば苛性アルカリ液による活性化によるか又は任意の他の好適な塩基及びそれらの組合せの使用によって)によって製造することもできる。
【0118】
合金前駆体塊は、鋳造されてゆっくりと冷却された合金の粗粉砕か、気体(例えば窒素又は空気)で冷却された合金の制御された固化か、液体(例えば水)で冷却された合金の制御された固化か、又は気体及び液体で冷却された合金の制御された固化によって形成することができる。かかる制御された冷却法は、合金溶融物を、固化温度より約5〜200℃高い、又は有利には10〜100℃高い温度にまで冷却したあとで、それを液状又は気体状の冷却媒体中に導入することを含む。該塊を、次いで冷却された溶融物を冷却媒体(例えば水)に滴加(小滴と相応の塊の寸法は、小滴の形成に使用される開口の寸法に依存する)するか、又は機械的に中断できる連続流中に添加することによって、合金が急冷される前に、適切な塊寸法に形成することができる。これらの合金塊の最終冷却速度、初期冷却速度又は組み合わされた冷却速度は、前記方法によって0.1〜106で変動しうる。
【0119】
前記の合金塊を、所望量のAlを苛性アルカリ液により浸出させてから、触媒上に炭素質の残分の制御された堆積をもたらす化合物(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム、一酸化炭素及び他の化合物)で処理することによって活性化させて、本発明の触媒を製造することができる。場合により、該触媒を、活性化工程と堆積工程の間で洗浄してよい。
【0120】
粉末触媒について記載したように、前記のあらゆる固定床触媒は、また周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族からの元素及び希土類元素の1つ以上で促進させてもよい。
【0121】
有利には、促進性元素は、周期律表の第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族及び第VA族に由来する。
【0122】
前記の促進性元素の1つ以上を触媒中に導入するには、まず該元素を合金前駆体に添加したあとで浸出させるか、又は触媒の活性化の間又はその後のいずれかで元素を吸着させることによって行うことができる。
【0123】
もう一つの選択肢は、1種以上の促進剤元素を合金中に導入し、そして更に同一及び/又は異なる1種以上の促進剤元素を、苛性アルカリ液又は任意の他の好適な塩基で合金を活性化させる間に又はその後のいずれかで吸着させることである。
【0124】
これらの促進された触媒は、本発明の処理法(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム及び他の前記の変性剤での処理)に、非常に選択的な触媒を生成するために極めて良好に応じることが判明した。
【0125】
粉末触媒の場合と同様に、固定床触媒は、炭素を堆積する材料(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム、一酸化炭素及び他の材料)によって、スラリー相中で、トリクル相中で、かつ/又は気相中で、広範な条件にわたり処理することができる。
【0126】
前記の変性剤(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム、一酸化炭素及び他の変性剤)でのこれらの変性は、また固定床反応器中で、所望の反応の前に又はその間に実施することもできる。
【0127】
この変性は、また、スラリー相粉末触媒の場合に同様に反応の間に実施することもできる。
【0128】
固定床触媒は、前記の変性剤(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム、一酸化炭素及び他の変性剤)によって、特定の装備を備えたオートクレーブであって固定床触媒が処理媒体と完全混合されるオートクレーブ中で変性させることもできる。かかる方法は、撹拌槽反応器に触媒を保持する籠を装備させて、撹拌機により触媒に変性溶液を押し通すことを必要とすることがあり、又は触媒を保持する籠が撹拌機自体の一部であり、その際、触媒籠が変性溶液を通じて回転してもよい。
【0129】
この触媒を、次いで前記の変性剤によって、気相、トリクル相又はスラリー相のいずれかにおいて変性させるか、又は変性溶液の任意の型のエアロゾルによって変性させて、本発明の変性された触媒が生成される。変性温度は、室温未満からより高い温度までの範囲であってよく、それは触媒、溶剤及び/又は変性剤の特性によって決定される。
【0130】
触媒を気相中で変性させる場合に、その変性温度は、500〜1000℃のようなより高い温度に達してよい。
【0131】
変性剤が気体でなければ、この目的のためのその使用は、エアロゾルとして、かつ必要であれば好適な溶剤中で適用することができる。この変性は、トリクル相中で実施することもできる。
【0132】
気相中では、触媒変性は、より低温(周囲以下でも、例えばCOを用いて−100%で、CO2に関しては−50%で)で生じることもあり、それは変性剤の条件及び凝縮特性によって決定される。好ましい変性条件は、変性剤の水溶液中で5〜130℃の範囲であり、その際、変性剤の濃度は、触媒1gあたりの所望の変性剤の量に依存する。
【0133】
また変性法の制御を、更に変性を周囲以下の温度(すなわち室温未満)で媒体の凝固点より高い温度で実施することによって行うことも可能である。かかる状況では、温度を、変性剤が変性前に均質に分布できるように制御して上昇させて、所望の変性処理を行うことが可能である。
【0134】
1つの種類の変性方法は、分解温度未満の温度で変性剤を触媒に導入することと、触媒変性剤混合物を均質化することと、系の温度を変性剤分解温度より高い温度まで上昇させることを必要とする。こうすることで、変性は、非常に制御されて生じうる。変性剤が使用溶剤系中に溶解する温度を必要とする類似の制御された方法を使用することができ、その際、変性剤と触媒との初期接触は、溶剤中へのその溶解によって制御される。
【0135】
この一例は、0℃より高い温度(例えば約5℃)で触媒の水性ホルムアルデヒド変性が開始すべきである。
【0136】
他の溶剤系(例えば有機溶剤、混合溶剤、他の溶質を含む溶剤及び他の系)又は気体系(例えばCO)が使用される場合に、より低い温度さえもこの変性に使用することができる。
【0137】
本発明による変性は、触媒を、変性剤を含有する媒体に添加するか、変性剤を、触媒を含有する媒体に添加し、付加的な変性剤を、媒体中の変性された触媒に添加し、付加的な触媒を、媒体中の変性された触媒に添加するか、又は前記の変性法の任意の適切な変法によって実施することができる。
【0138】
本発明によれば、変性溶液中の変性剤の濃度は、重要な問題ではなく、触媒は、活性金属表面で分解されるべき化合物を含有する比較的濃縮された媒体又は希釈媒体のいずれかで変性させることができるという結果も示された。
【0139】
ホルムアルデヒドの場合に、変性過程は、変性剤が触媒と接触するとすぐに開始し、そして15分未満の変性時間も効果的である。
【0140】
また、前記のあらゆるラネー型の触媒は、Alが苛性アルカリ液又は任意の他の好適な塩基(例えばKOH)及びそれらの混合物によって浸出されるので、その塩基性活性化の間に変性させることも可能である。
【0141】
前記の触媒の他に、本発明によれば、粉末と固定床の担持型の両方のNi触媒、Co触媒、Cu触媒、Fe触媒、Pd触媒、Pt触媒及びRu触媒を、前記の変性剤(例えばホルムアルデヒド、ギ酸ナトリウム、一酸化炭素及び他の変性剤)によって変性させて、前記の反応におけるその選択性を変化させることができる。
【0142】
本発明の前記課題及び他の課題は、活性化された卑金属触媒(すなわちラネー型の卑金属触媒)又は担持型の金属触媒を、触媒表面上に炭素含有残分を堆積する変性剤で処理することで変性された触媒を製造することによって解決される。これらの炭素含有残分は、酸素、硫黄、窒素、水素及び有機分子中に通常存在する他の原子を含有してもよい。
【0143】
炭素残分の堆積のために好ましい前駆体は、ホルムアルデヒド及びギ酸金属塩を含む。しかしながら、他の分子、例えば一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド(例えばホルムアミド)、他のカルボン酸、他のカルボン酸の塩及び活性化された金属表面と強力に相互作用する他の有機分子を使用することもできる。
【0144】
処理温度は、有利には0〜150℃の温度であり、その処理は、スラリー相、トリクル相及び/又は気相中で、並びに任意の型の変性剤のエアロゾルを用いて実施することができる。
【0145】
通常の有機溶剤を、変性法で使用することもできる。
【0146】
スラリー相中では、変性は、触媒の水性懸濁液中で実施することもできる。触媒のスラリー相変性は、同様に有機溶剤を用いて実施することもできる。
【0147】
変性を実施できる水の他の好適な有機溶剤は、脂肪族炭化水素(例えばペンタン及びヘキサン)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン及びトルエン)、アルカノール(例えばメタノール、エタノール及びプロパノール)、脂肪族及び環状のエーテル(例えばジエチルエーテルあるいはテトラヒドロフラン及びジオキサン)並びに複素芳香族化合物(例えばピリジン)を含む。分散媒体は、水単独又は単一の有機溶剤からなってよく、又は2種以上のかかる液体からなってよい。例えば、水性アルカノール、例えば水性エタノールを、液状分散媒体として使用することができる。一般に、該方法は、水素化触媒を、水及び/又は係る有機溶剤中に分散させることによって実施される。それというのも触媒の溶解は、その性質のため生じないからである。他方で、変性剤は、少なくとも部分的に分散媒体中に溶解されていなければならない。
【0148】
本発明の目下の変性方法の一変法は、1種以上の塩基(例えばNaOH、KOH、有機塩基及び他の塩基)を変性媒体に適時添加することによって溶解されたニッケルの存在を回避しているので、廃棄物処理の費用が少なくなる。この変性は、不活性ガスの存在又は不在下で実施することができ、その際、不活性ガスの使用を避けることで、この方法はより費用の面で有効となる。
【0149】
この変性剤を触媒に適用して、有機的変換並びに反応におけるその立体選択性、化学選択性、位置選択性が改善され、その際、所望の反応結果のために二量体化及びオリゴマー化を回避する必要がある。
【0150】
本発明の触媒は、前記の選択性の1つが必要となる水素化のために好ましい。かかる水素化は、これらに制限されないが、ケトンの立体選択的な水素化、不飽和脂肪ニトリルからの不飽和脂肪アミンの化学選択的かつ位置選択的な形成、ニトリルの第一級アミンへの選択的水素化、ジニトリルのジアミン又はアミノニトリルへの選択的水素化、不飽和ケトンの不飽和アルコールへの化学選択的水素化、不飽和アルデヒドの不飽和アルコールへの化学選択的かつ位置選択的な水素化、及び大幅に置換されたもののなかからの末端オレフィンの位置選択的な水素化を含む。
【0151】
二量体、オリゴマー又は嵩高い中間体及び副生成物を形成しうる他の反応(例えば芳香族及び脂肪族のニトロ基の水素化)を、本発明の触媒を用いて有利に実施することで、これらの不所望な化合物が回避される。
【0152】
炭素残分の堆積による変性をする前の前駆触媒は、特定の媒体を用いて及び用いずに迅速に冷却された合金から、同様に通常はあらゆる種類の鋳造されかつゆっくりと冷却された合金から浸出させることができる。前駆触媒は、場合により、周期律表の第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族及び希土類元素からの促進性元素を含有する。有利には、促進性元素は、周期律表の第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族及び希土類元素に由来する。
【0153】
前記の促進性元素の1つ以上を触媒中に導入するには、まず該元素を合金前駆体に添加したあとで浸出させるか、又は触媒の活性化の間又はその後のいずれかで元素を吸着させることによって行うことができる。
【0154】
前記の元素の組み合わせによる促進は、1種以上の元素を合金に添加し、他の元素を、合金を苛性アルカリ溶液での処理の間に又はその後に添加する技術の組み合わせを使用することによって達成することもできる。
【0155】
前記の元素の1種以上による促進は、変性の間に又はその後のいずれかで実施することができる。
【0156】
本発明の触媒は、固定床であっても又は粉末触媒であってもよい。通常の固定床形は、押出物、タブレット、顆粒、活性化された塊(その際、本来の合金は制御されて(ゆっくりと、迅速に及び/又はその組合せで)固化された)、中空球、中空押出物、繊維状/フレーク状のタブレット/マット、モノリス、金属シート及び担持されたラネー型触媒を含む。
【0157】
該触媒は、スラリー相中で、トリクル相中で、気相中で、様々な型の変性剤のエアロゾルで、かつ/またはそれらの組み合わせで処理及び使用することができる。
【0158】
触媒の変性は、反応の間に実施することもできる。変性により堆積された材料が反応の間に除去されるのであれば、この変性処理を、次いで繰り返して、所望の特性の本発明による触媒を生成することができる。賦活工程は、反応によって使用される反応器中で実施できるか、又は該工程は、別個の反応器中で実施することができる。
【0159】
該変性法は、また、他の吸着される分子の存在下で実施することもでき、そうして炭素質の構造のより良好な制御を達成することができる。こうすることで、テンプレート効果を触媒の表面上で実現することができた。テンプレート剤は、例えばこれらに制限されないが、ソルビトール、グルコース、マンニトール、マンノース、酒石酸であってよい。
【0160】
本発明のもう一つの部分は、前記の変性された触媒を第一級脂肪アミン中に埋入させることであり、その際、埋入工程及び貯蔵の間の第一級脂肪アミンの第二級脂肪アミンとアンモニアへの転化は、未変性の触媒を用いるよりも明らかに少ない。これらの埋入された触媒は、混濁性の問題が重要となる脂肪ニトリルの第一級脂肪アミンへの水素化のために明らかに好ましい。
【0161】
ラネー型触媒の他に、この変性法は、担持された粉末触媒及び固定床の卑金属及び貴金属が担持された触媒並びにそれらの組み合わせにも適用することができる。
【0162】
実施例1:ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
市販されている53μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、種々の量のホルムアルデヒドによって、本願に記載される方法に従って処理する。
【0163】
望ましい触媒量を、ホルムアルデヒドを含有する水溶液中に懸濁させる。この懸濁液を、室温で空気又は窒素下で1時間撹拌する。
【0164】
処理後に、触媒を沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。それぞれの触媒の製造のために使用される特定の条件を第1表に詳細に示す。
【0165】
【表1】

【0166】
実施例2:合金前駆体がMoを含有するラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
合金前駆体がMoを含有していた触媒27.7g(乾燥基準で)を、ホルムアルデヒドを含有する水溶液121ml中に懸濁させる。この懸濁液を、室温で空気下で1時間撹拌する。処理後に、触媒を沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。それぞれの触媒の製造のために使用される特定の条件を第2表に詳細に示す。
【0167】
【表2】

【0168】
実施例3:ラネー型のNi触媒のギ酸ナトリウムによる処理
53μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒32.35g(乾燥基準で)を、ギ酸ナトリウムを含有する水溶液141ml中に懸濁させる。この懸濁液を、25℃か90℃のいずれかで空気下で1時間撹拌する。変性後に、処理された懸濁液を冷却(必要であれば)させて、容器底部に触媒を沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。これらの触媒の製造のために使用される特定の条件を第3表に詳細に示す。
【0169】
【表3】

【0170】
実施例4:合金前駆体がMoを含有するラネー型のNi触媒のギ酸ナトリウムによる処理
合金前駆体がMoを含有していた触媒27.7g(乾燥基準で)を、種々の量のギ酸ナトリウムを含有する水溶液121ml中に懸濁させる。この懸濁液を、室温でか、90℃でか、又は105℃で空気下に1〜5時間にわたり撹拌する。変性後に、処理された懸濁液を冷却させて、容器底部に触媒を沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。それぞれの触媒の製造のために使用される特定の条件を第4表に詳細に示す。
【0171】
【表4】

【0172】
実施例5:ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
28μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドによって、本願に記載される方法に従って処理する。望ましい触媒量を、ホルムアルデヒドを含有する水溶液中に懸濁させる。この懸濁液を、室温で空気下で1時間撹拌する。処理後に、触媒を容器の底部に沈降させ、水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。この触媒の製造のために使用される特定の条件を第5表に詳細に示す。
【0173】
【表5】

【0174】
実施例6:ラネー型のNi触媒のギ酸ナトリウムによる処理
28μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒を、ギ酸ナトリウムを含有する水溶液141ml中に懸濁させる。この懸濁液を、室温で又は90℃で空気下で1時間撹拌する。処理後に、変性された懸濁液を冷却(当初加熱されていれば)させて、容器底部に触媒を沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。これらの触媒の製造のために使用される特定の条件を第6表に詳細に示す。
【0175】
【表6】

【0176】
実施例7:後活性化でMoによりドープされたラネー型のNi触媒のギ酸ナトリウムでの処理
後活性化でMoによりドープされた(モリブデン酸アンモニウム化合物による)28μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒を、ギ酸ナトリウムを含有する水溶液中に懸濁させる。この懸濁液を、室温で空気下で1時間撹拌する。処理後に、変性された懸濁液中の触媒を容器の底部に沈降させ、上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。この触媒の製造のために使用される特定の条件を第7表に詳細に示す。
【0177】
【表7】

【0178】
実施例8:処理溶液中に溶解されたNiが存在することを回避した、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドによって本願に記載される方法に従って処理して、処理懸濁液中に溶解されたNiが存在するのを回避する。3200グラムまでの水と1000グラム(乾燥基準で)の触媒を含有する水性懸濁液のpHを、5質量%のNaOH水溶液450モルを添加することによって約13に調整する。次いで、84.69グラムのホルムアルデヒドを含有する溶液500mlを、触媒懸濁液に、30分にわたり室温で添加する。処理された触媒の懸濁液を、室温で更に1時間にわたり撹拌させる。この時間の終わりで、触媒処理懸濁液の金属分析は、溶解されたNiの濃度が0ppmであることを示し、更なる試験は、処理溶液中にホルムアルデヒドが残留していないことを指摘している。次いで触媒を容器の底部に沈降させ、上部にある溶液をデカンテーションし、そして触媒を2000mlの水で2回洗浄する。該処理溶液は、溶解されたNi又はホルムアルデヒドを含有しないので、洗浄工程は任意である。全ての工程は、空気下で実施し、そしてこの触媒製造のために使用される条件を第8表に示す。
【0179】
【表8】

【0180】
実施例9:処理溶液中に溶解されたNiが存在することを回避した、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドによって本願に記載される方法に従って処理して、処理懸濁液中に溶解されたNiが存在するのを回避する。
【0181】
640グラムまでの水と200グラム(乾燥基準で)の触媒を含有する水性懸濁液のpHを、5質量%のNaOH水溶液48mlを添加することによって約13に調整した。次いで、10.16グラムのホルムアルデヒドを含有する溶液100mlを、触媒懸濁液に、30分にわたり室温で添加する。処理された触媒の懸濁液を、室温で更に1時間にわたり撹拌させる。この時間の終わりで、触媒処理懸濁液の金属分析は、溶解されたNiの濃度が0ppmであることを示し、更なる試験は、処理溶液中にホルムアルデヒドが残留していないことを指摘している。次いで該触媒を容器の底部に沈降させる。上部にある溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの水で2回洗浄する。該処理溶液は、溶解されたNi又はホルムアルデヒドを含有しないので、洗浄工程は任意であった。全ての工程は、空気下で実施し、そしてこの触媒製造のために使用される条件を第9表に示す。
【0182】
【表9】

【0183】
実施例10:処理溶液中に溶解されたNiが存在することを回避した、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドによって本願に記載される方法に従って処理して、処理懸濁液中に溶解されたNiが存在するのを回避する。
【0184】
42.35グラムのホルムアルデヒドを含有する溶液105mlを、1350グラムまでの水と500グラム(乾燥基準で)の触媒とを含有する水性懸濁液に室温で15分にわたり添加する。ホルムアルデヒド溶液を添加する間に、触媒懸濁液のpHを、5質量%のNaOH水溶液を適時添加することによって7に維持する。ホルムアルデヒドの添加の間にスラリーに入れられる5質量%のNaOH溶液の量は、全体で105mlである。処理された触媒の懸濁液を、室温で更に45分間にわたり撹拌させた。45分の終わりで、触媒処理懸濁液の金属分析は、溶解されたNiの濃度が0ppmであることを示し、更なる試験は、処理溶液中にホルムアルデヒドが残留していないことを指摘した。次いで該触媒を容器の底部に沈降させる。上部にある溶液をデカンテーションし、そして触媒を1000mlの水で2回洗浄する。該処理溶液は、溶解されたNi又はホルムアルデヒドを含有しないので、洗浄工程は任意である。全ての工程は、空気下で実施し、そしてこの触媒製造のために使用される条件を第10表に示す。
【0185】
【表10】

【0186】
実施例11:処理溶液中に溶解されたNiが存在することを回避した、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有するラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドによって本願に記載される方法に従って処理して、処理懸濁液中に溶解されたNiが存在するのを回避する。
【0187】
42.35グラムのホルムアルデヒドを含有する溶液105mlを、5質量%のNaOH水溶液225mlと混合し、そしてこの330mlの混合物を、1350グラムまでの水と500グラム(乾燥基準で)の触媒とを含有する水性懸濁液に室温で20分にわたり添加する。処理された触媒の懸濁液を、室温で更に1時間にわたり撹拌させる。この時間の終わりで、触媒処理懸濁液の金属分析は、溶解されたNiの濃度が0ppmであることを示し、更なる試験は、処理溶液中にホルムアルデヒドが残留していないことを指摘している。
【0188】
次いで該触媒を容器の底部に沈降させる。上部にある溶液をデカンテーションし、そして触媒を1000mlの水で2回洗浄する。該処理溶液は、溶解されたNi又はホルムアルデヒドを含有しないので、洗浄工程は任意である。全ての工程は、空気下で実施し、そしてこの触媒製造のために使用される条件を第11表に示す。
【0189】
【表11】

【0190】
実施例12:テンプレート剤(ソルビトール)の存在下での、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、触媒表面上に吸着することで、ホルムアルデヒド処理による炭素質の材料の堆積前にテンプレートを作製する分子を含有する水溶液中にまず懸濁させる。最初に、触媒32.35グラム(乾燥基準で)は、撹拌している50質量%のソルビトール水溶液122ml中に室温で1時間にわたり懸濁させている。これに引き続き、37質量%のホルムアルデヒド水溶液2.011グラムを添加し、そしてこの溶液を室温で1時間にわたり撹拌し続ける。全ての工程を、空気下で行う。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。この処理の詳細を、第12表に示す。
【0191】
【表12】

【0192】
実施例13:テンプレート剤(グルコース)の存在下での、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、触媒表面上に吸着することで、ホルムアルデヒド処理による炭素質の材料の堆積前にテンプレートを作製する分子を含有する水溶液中にまず懸濁させる。
【0193】
最初に、触媒32.35グラム(乾燥基準で)は、撹拌している50質量%のグルコース水溶液122ml中に室温で1時間にわたり懸濁させている。これに引き続き、37質量%のホルムアルデヒド水溶液2.011グラムを添加し、そしてこの溶液を室温で1時間にわたり撹拌し続ける。全ての工程を、空気下で行う。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄した。この処理の詳細を、第13表に示す。
【0194】
【表13】

【0195】
実施例14:テンプレート剤(マンニトール)の存在下での、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、触媒表面上に吸着することで、ホルムアルデヒド処理による炭素質の材料の堆積前にテンプレートを作製する分子を含有する水溶液中にまず懸濁させる。最初に、触媒32.35グラム(乾燥基準で)は、撹拌している10質量%のマンニトール水溶液122ml中に室温で1時間にわたり懸濁させている。これに引き続き、37質量%のホルムアルデヒド水溶液2.011グラムを添加し、そしてこの溶液を室温で1時間にわたり撹拌し続ける。全ての工程を、空気下で行う。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。この処理の詳細を、第14表に示す。
【0196】
【表14】

【0197】
実施例15:テンプレート剤(マンノース)の存在下での、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、触媒表面上に吸着することで、ホルムアルデヒド処理による炭素質の材料の堆積前にテンプレートを作製する分子を含有する水溶液中にまず懸濁させる。
【0198】
最初に、触媒32.35グラム(乾燥基準で)は、撹拌している20質量%のマンノース水溶液122ml中に室温で1時間にわたり懸濁させている。これに引き続き、37質量%のホルムアルデヒド水溶液2.011グラムを添加し、そしてこの溶液を室温で1時間にわたり撹拌し続ける。全ての工程を、空気下で行う。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。この処理の詳細を、第15表に示す。
【0199】
【表15】

【0200】
実施例16:ラネー型のCu触媒のホルムアルデヒドによる処理
市販されている43μmまでの平均粒度を有するラネー型の銅触媒を、種々の量のホルムアルデヒドによって、本願に記載される方法に従って処理する。望ましい触媒量を、ホルムアルデヒドを含有する水溶液中に所望の温度で懸濁させる。この懸濁液を、所望の温度で空気下で1時間撹拌する。処理後に、触媒を、室温に冷却されつつ(必要であれば)沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を蒸留水で3回洗浄する。それぞれの触媒の製造のために使用される特定の条件を第16表に詳細に示す。
【0201】
【表16】

【0202】
実施例17:テンプレート剤(酒石酸とNaBr又はNaBr無し)の存在下での、ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒(乾燥基準で32.25グラム)を、まず蒸留水500mlで3回洗浄し、そして次いで、酒石酸の所望のエナンチオマー5グラムを含有する溶液500ml中に室温で5分間撹拌する。幾つかの触媒について、25グラムのNaBrをこの溶液に添加する。5分間の酒石酸での処理(NaBr有り又は無し)の間に、pHは、所望の量の10質量%のNaOH溶液を添加することによって3.1〜3.3の間に保つ。5分間の酒石酸での処理後に、37質量%のホルムアルデヒド溶液2.011グラムを添加し、そして得られた触媒懸濁液を、更に1時間撹拌する。全ての工程を、空気下で行う。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を400mlの蒸留水で3回洗浄する。これらの実施例の1つにおいて、前記の処理は、酒石酸を用いずに、NaBrの存在下のみで実施する。これらの処理の詳細を、第17表に示す。
【0203】
【表17】

【0204】
実施例18:ラネー型のNi触媒のホルムアルデヒドによる処理に引き続くMoドーピング
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、ホルムアルデヒドで処理し、引き続き本願に記載されるように触媒表面上にモリブデン酸アンモニウム塩を堆積させることでMoドーピングを行う。
【0205】
触媒(乾燥基準で110グラム)を、3.887グラムのホルムアルデヒドを含有する撹拌された水溶液400ml中に、室温で空気下に1時間にわたり懸濁させる。ホルムアルデヒドでの処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を880mlの蒸留水で3回洗浄する。
【0206】
次いで、ホルムアルデヒドで処理した触媒を、200mlの蒸留水中に懸濁させ、その後に、十分なモリブデン酸アンモニウムを該触媒に入れて、最終Mo含有率0.9質量%を得た。Moを添加した後に、得られた触媒懸濁液を次いで更に2.5時間にわたり撹拌する。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を200mlの蒸留水で2回洗浄した。この触媒の製造のために使用される特定の条件を第18表に示す。
【0207】
【表18】

【0208】
実施例19:ラネー型のNi触媒のギ酸ナトリウムによる処理に引き続くMoドーピング
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒を、ギ酸ナトリウムで処理し、引き続き本願に記載されるように触媒表面上にモリブデン酸ナトリウム塩を堆積させることでMoドーピングを行う。
【0209】
触媒(乾燥基準で110グラム)を、9.16グラムのギ酸ナトリウムを含有する撹拌された水溶液385ml中に、90℃で空気下に1時間にわたり懸濁させる。ギ酸ナトリウムでの処理後に、触媒を、室温にまで冷却しつつ沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を1360mlの蒸留水で3回洗浄する。
【0210】
次いで、ギ酸ナトリウムで処理した触媒を、200mlの蒸留水中に懸濁させ、その後に、十分なモリブデン酸ナトリウムを該触媒に入れて、最終Mo含有率1.2質量%を得た。Moを添加した後に、得られた触媒懸濁液を次いで更に2.5時間にわたり撹拌する。処理後に、触媒を沈降させる。上部にある水溶液をデカンテーションし、そして触媒を200mlの蒸留水で2回洗浄する。この触媒の製造のために使用される特定の条件を第19表に示す。
【0211】
【表19】

【0212】
実施例20:ラネー型のNiの中空球固定床触媒の製造及びそれらのホルムアルデヒドによる処理
活性化されたラネー型のNiの中空球を、特許文献(Ostgard他のUS6747180号、Ostgard他のUS6649799号、Ostgard他のUS6573213号及びOstgard他のUS6486366号)に従って、50質量%のNi/50質量%のAl合金及びNiバインダーのポリビニルアルコール含有水溶液を、スチロフォーム球の流動床に対して噴霧することによって製造する。
【0213】
この噴霧は、2工程で実施した。含浸後に、被覆されたスチロフォーム球をまず乾燥させ、次いで700℃で焼成して、スチロフォームを焼きだし、金属シェルを安定化させる。合金の中空球を、次いで20〜30%の苛性アルカリ溶液中で、80℃までから100℃までで1.5〜2時間にわたり活性化させる。次いで該触媒を洗浄し、そして変性させる前に中程度の苛性アルカリ水溶液(pH10.5まで)中で貯蔵する。
【0214】
触媒中空球の所望量を、金属籠中に入れ、次いでそれを好適な量のホルムアルデヒドを含有する撹拌された水溶液中に室温で1時間にわたり浸す。この処理後に、変性された触媒を、ホルムアルデヒド溶液から取りだし、水で3回洗浄し、そして使用するまで水下に貯蔵する。これらの触媒の製造のために使用される条件下で、全ての最終生成物は、1mlあたり1.05グラムの嵩密度を有していた。これらのホルムアルデヒド処理の条件を、第20表に列記する。
【0215】
【表20】

【0216】
実施例21:ラネー型のNiの中空球固定床触媒の製造及びそれらのギ酸ナトリウムによる処理
活性化されたラネー型のNiの中空球を、特許文献(Ostgard他のUS6747180号、Ostgard他のUS6649799号、Ostgard他のUS6573213号及びOstgard他のUS6486366号)に従って、53質量%のNi/47質量%のAl合金及びNiバインダーのポリビニルアルコール含有水溶液を、スチロフォーム球の流動床に対して噴霧することによって製造する。
【0217】
この噴霧は、2工程で実施した。
【0218】
含浸後に、被覆されたスチロフォーム球をまず乾燥させ、次いで750℃で焼成して、スチロフォームを焼きだし、金属シェルを安定化させる。合金の中空球を、次いで20〜30%の苛性アルカリ溶液中で、80℃までから100℃までで1.5〜2時間にわたり活性化させる。次いで該触媒を洗浄し、そして変性させる前に中程度の苛性アルカリ水溶液(pH10.5まで)中で貯蔵する。触媒中空球の所望量を、金属籠中に入れ、次いでそれを第21表に記載される好適な量のギ酸ナトリウムを含有する撹拌された水溶液中に室温で1時間にわたり浸す。
【0219】
この処理後に、変性された触媒を、ギ酸ナトリウム溶液から取りだし、水で3回洗浄し、そして使用するまで水下に貯蔵する。この触媒のために使用される条件下で、最終生成物は、1mlあたり0.907グラムの嵩密度を有する。
【0220】
【表21】

【0221】
実施例22:ラネー型のNiの中空球固定床触媒の製造及びそれらのホルムアルデヒドによる処理
活性化されたラネー型のNiの中空球を、特許文献(Ostgard他のUS6747180号、Ostgard他のUS6649799号、Ostgard他のUS6573213号及びOstgard他のUS6486366号)に従って、53質量%のNi/47質量%のAl合金及びNiバインダーのポリビニルアルコール含有水溶液を、スチロフォーム球の流動床に対して噴霧することによって製造する。
【0222】
この噴霧は、2工程で実施した。
【0223】
含浸後に、被覆されたスチロフォーム球をまず乾燥させ、次いで750℃で焼成して、スチロフォームを焼きだし、金属シェルを安定化させる。合金の中空球を、次いで20〜30%の苛性アルカリ溶液中で、80℃までから100℃までで1.5〜2時間にわたり活性化させる。次いで該触媒を洗浄し、そして変性させる前に中程度の苛性アルカリ水溶液(pH10.5まで)中で貯蔵する。触媒中空球の所望量を、金属籠中に入れ、次いでそれを好適な量のホルムアルデヒドを含有する撹拌された水溶液中に室温で1時間にわたり浸す。
【0224】
この処理後に、変性された触媒を、ホルムアルデヒド溶液から取りだし、水で3回洗浄し、そして使用するまで水下に貯蔵する。これらの触媒の製造のために使用される条件下で、全ての最終生成物は、1mlあたり0.907グラムの嵩密度を有する。このホルムアルデヒド処理の条件を、第22表に列記する。
【0225】
【表22】

【0226】
比較例1:ラネー型のNi触媒
53μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒(CE1)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0227】
比較例2:ラネー型のNi触媒
28μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型のニッケル触媒(CE2)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0228】
比較例3:合金前駆体がMoを含有するラネー型のNi触媒
合金前駆体がMoを含有する市販のラネー型のニッケル触媒(CE3)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0229】
比較例4:後活性化でMoによりドープされたラネー型のNi触媒
後活性化で1.2%のMoの水準までMoによりドープされた(モリブデン酸アンモニウム化合物による)28μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒(CE4)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0230】
比較例5:Deglisher他のUS6521564号に従ってホルムアルデヒドで変性されたラネー型のNi触媒
8.47グラムのホルムアルデヒドを含有する水溶液を窒素下で25℃において、53μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒100グラムの水性懸濁液に添加する。次いで処理された懸濁液を、室温で窒素下に1時間にわたり撹拌する。得られた触媒懸濁液は、500ppmより多いNiを、かつ100ppmより多くのホルムアルデヒドを上部にある溶液中に含有し、触媒を洗浄した後でさえも含有する。該触媒懸濁液は依然として、相当な量の溶解されたNiを含有しているため、洗浄水の廃棄の問題と、この触媒(CE5)の使用に関する問題が生ずる。ホルムアルデヒドは処理の間に出てくるため、触媒1グラムあたり所望の2.82ミリモルのホルムアルデヒドのどれほどを保留するかを決定することは不可能である。
【0231】
比較例6:Deglisher他のUS6521564号に従ってホルムアルデヒドで変性されたラネー型のNi触媒
44.36グラムのホルムアルデヒドを含有する水溶液を窒素下で25℃において、53μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒500グラムの水性懸濁液に添加する。次いで処理された懸濁液を、室温で窒素下に1時間にわたり撹拌する。得られた触媒懸濁液は、500ppmより多いNiを、かつ100ppmより多くのホルムアルデヒドを上部にある溶液中に含有し、触媒を洗浄した後でさえも含有し、該触媒懸濁液は依然として、相当の量の溶解されたNiを含有しているため、洗浄水の廃棄の問題と、この触媒(CE6)の使用に関する問題が生ずる。ホルムアルデヒドは処理の間に出てくるため、触媒1グラムあたり所望の2.96ミリモルのホルムアルデヒドのどれほどを保留するかを決定することは不可能である。
【0232】
比較例7:ラネー型のCu触媒
43μmまでの平均粒度を有する市販のラネー型の銅触媒(CE7)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0233】
比較例8:後活性化でMoによりドープされたラネー型のNi触媒
後活性化で0.9%のMoの水準までMoによりドープされた(モリブデン酸ナトリウム化合物による)53μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒(CE8)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0234】
比較例9:後活性化でMoによりドープされたラネー型のNi触媒
後活性化で1.2%のMoの水準までMoによりドープされた(モリブデン酸ナトリウム化合物による)53μmまでの平均粒度を有するラネー型のNi触媒(CE9)を、本発明により変性された触媒との比較で使用する。
【0235】
比較例10:ラネー型のNiの中空球固定床触媒の製造
活性化されたラネー型のNiの中空球を、特許文献(Ostgard他のUS6747180号、Ostgard他のUS6649799号、Ostgard他のUS6573213号及びOstgard他のUS6486366号)に従って、50質量%のNi/50質量%のAl合金及びNiバインダーのポリビニルアルコール含有水溶液を、スチロフォーム球の流動床に対して噴霧することによって製造する。
【0236】
この噴霧は、2工程で実施した。
【0237】
含浸後に、被覆されたスチロフォーム球をまず乾燥させ、次いで700℃で焼成して、スチロフォームを焼きだし、金属シェルを安定化させる。合金の中空球を、次いで20〜30%の苛性アルカリ溶液中で、80℃までから100℃までで1.5〜2時間にわたり活性化させる。次いで該触媒(CE10)を洗浄し、そして中程度の苛性アルカリ水溶液(pH10.5まで)中で貯蔵する。最終生成物は、1mlあたり1.05グラムの嵩密度を有する。
【0238】
実施例11:ラネー型のNiの中空球固定床触媒の製造
活性化されたラネー型のNiの中空球を、特許文献(Ostgard他のUS6747180号、Ostgard他のUS6649799号、Ostgard他のUS6573213号及びOstgard他のUS6486366号)に従って、53質量%のNi/47質量%のAl合金及びNiバインダーのポリビニルアルコール含有水溶液を、スチロフォーム球の流動床に対して噴霧することによって製造する。この噴霧は、2工程で実施する。含浸後に、被覆されたスチロフォーム球をまず乾燥させ、次いで750℃で焼成して、スチロフォームを焼きだし、金属シェルを安定化させる。合金の中空球を、次いで20〜30%の苛性アルカリ溶液中で、80℃までから100℃までで1.5〜2時間にわたり活性化させる。次いで該触媒(CE11)を洗浄し、そして中程度の苛性アルカリ水溶液(pH10.5まで)中で貯蔵する。最終生成物は、1mlあたり0.907グラムの嵩密度を有していた。
【0239】
比較例12:酒石酸のエナンチオマーと臭化ナトリウムで変性されたラネー型のNi触媒
53μmまでの平均粒度を有する市販の酒石酸/臭化ナトリウムで変性されたラネー型のニッケル触媒を、本発明により同様に変性された触媒との比較で使用する。この変性は、L(+)酒石酸又はD(−)酒石酸のいずれかによって以下の表EC12に示されるように実施する。
【0240】
第23表:酒石酸と臭化ナトリウムで変性されたラネー型のNi触媒の特性
【表23】

【0241】
適用例1:ベンゾニトリル水素化
ベンゾニトリル(BN)の水素化を、1.3グラムの触媒(乾燥基準で)、32.5グラムのベンゾニトリル及び514.15グラムのメタノールを溶剤として有する1リットルの鋼製オートクレーブ中で実施する。該反応器を、まず窒素で3回パージし、引き続き水素で3回パージし、そのあとで水素圧を、反応混合物の2000rpmでの撹拌をしつつ38バールに調整する。次いで温度を室温から105℃に65分間かけて上昇させ、そして水素消費が始まったら、水素圧を41バールで一定に保つ。幾らかの反応は、また32%のアンモニア水溶液の測定量の存在下で行われる。反応が完了したら、オートクレーブを冷却し、該反応混合物をガスクロマトグラフィー(GC)によって分析する。前記の試験の間に、出発反応温度と98%の水素消費に至るまでの時間は、触媒活性の指標として列記される。GC分析によって、百分率での転化率(%Conv.)及びベンジルアミン(BA)とジベンジルイミン(DBI)とジベンジルアミン(DBA)の百分率での選択性が提供される。これらの試験の結果を第24に列記する。
【0242】
第24表:ベンゾニトリル水素化試験の結果
【表24】

【0243】
【表25】

【0244】
適用例2:タローニトリル混合物(tallow nitrile mixture)のスラリー相水素化
主にC16及びC18からなり、少量のC14、C20及び51までのヨウ素価(IV)を有する他の長鎖の脂肪族脂肪ニトリルを有するタローニトリル混合物のスラリー相水素化を、1リットルの鋼製オートクレーブ中で実施する。まず、オートクレーブに、1グラムの触媒(乾燥基準で)及び500グラムの前記のタローニトリルを装入し、引き続き窒素で3回パージし、次いでアンモニアで3回パージする。次いで試薬を、混合物の2000rpmでの撹拌をしつつ6バールのアンモニアで飽和させ、引き続き約90分において室温から140℃に昇温させる。140℃に達した後に、撹拌を止め、アンモニア圧を所望の値(10バール、16.5バール又は20バール)に調整し、水素を添加して40バールの圧力にし、反応は2000rpmでの撹拌によって再び開始する。毎20リットルの水素が消費された後か又は毎1時間後に、反応混合物から試料採取をするが、それはどちらが最初に生じたかによって決定される。また反応が完了した時点で試料を採取する。ヨウ素価(IV)、第二級アミン価及び第三級アミン価(2/3A)及び全アミン価(TAV)を、新たなタローニトリルと水素化試料について測定する。ヨウ素価(IV)は、アメリカ油化学会(AOCS)の方法Tg1−64に類似しているが、四塩化炭素の代わりにシクロヘキサンを使用することが異なるWijs法の改変法によって測定する。第二級アミン価及び第三級アミン価(2/3A)は、AOCSの公式法Tf2a−64によって測定し、全アミン価(TAV)は、AOCSの電位差滴定法Tf1a−64によって測定する。これらの試験の結果を第25表及び第26表に列記する。
【0245】
第25表:スラリー相でのタローニトリル水素化試験の結果
【表26】

【0246】
【表27】

【0247】
【表28】

【0248】
【表29】

【0249】
【表30】

【0250】
第26表:スラリー相でのタローニトリル水素化試験からの結果の大まかなまとめ
【表31】

【0251】
適用例3:タローニトリル混合物の固定床水素化
主にC16及びC18からなり、少量のC14、C20及び51までのヨウ素価(IV)を有する他の長鎖脂肪族の脂肪ニトリルを有するタローニトリル混合物の固定床水素化を、管形反応器を用いてトリクル相において60mlの触媒上で、タローニトリル混合物の全飽和に関して4倍過剰の水素による60バールの圧力で実施する。該反応を、140℃の温度で、LHSV列2h-1、1h-1、0.5h-1又はLHSV列1h-1、0.5h-1で実施する。毎LHSVについて、2つ又は3つの試料を回収する。ヨウ素価(IV)、第二級アミン価及び第三級アミン価(2/3A)及び全アミン価(TAV)を、新たなタローニトリルと水素化試料について測定する。ヨウ素価(IV)は、アメリカ油化学会(AOCS)の方法Tg1〜64に類似しているが、四塩化炭素の代わりにシクロヘキサンを使用することが異なるWijs法の改変法によって測定する。第二級アミン価及び第三級アミン価(2/3A)は、AOCSの公式法Tf2a−64によって測定し、全アミン価(TAV)は、AOCSの電位差滴定法Tf1a−64によって測定する。これらの試験結果を第27表に列記する。
【0252】
第27表:固定床トリクル相でのタローニトリル水素化試験からの結果
【表32】

【0253】
適用例4:アジポニトリルのスラリー相水素化
アジポニトリルのスラリー相水素化を、3グラムの触媒(乾燥基準で)、86.4グラムのアジポニトリル、314グラムのエタノール及び20グラムの水を有する1リットルの鋼製オートクレーブ中で実施する。反応器を窒素で3回パージし、水素で3回パージした後で、オートクレーブを25バールに加圧し、2000rpmで撹拌た後で、室温から75℃までの約60分にわたる昇温を開始する。反応が始まったら、反応圧を25バールで一定に保つ。反応が止まった後で、反応混合物を触媒と分離し、GCによって分析する。結果を第28表に列記する。
【0254】
第28表:アジポニトリルのスラリー相水素化からの結果
【表33】

【0255】
適用例5:フルクトースのスラリー相水素化
フルクトースを、その40%水溶液500グラムとして50バールで1リットルのオートクレーブ中で水素化する。反応温度100℃及び2.4質量%の触媒をNiのために使用し、そして110℃及び7.2質量%の触媒をCuのために使用する。まずオートクレーブに触媒とフルクトース溶液を装入し、引き続き窒素で3回パージし、そして5バールの水素で4回パージする。次いで反応器を45バールに加圧し、撹拌を1015rpmで開始し、反応混合物を、室温から所望の最終反応温度に加熱する。反応混合物が加熱されると、水蒸気の増大により圧力が形成され、そしてこの圧力が初期水素消費のため低下したら、次いで圧力を反応の期間にわたって50バールに調整する。反応の進行に伴い試料を採取し、これらをHPLCで分析する。これらの試験の結果を第29に列記する。
【0256】
【表34】

【0257】
【表35】

【0258】
適用例6:固定床トリクル相でのフルクトースの水素化
40質量%のフルクトース溶液を、60mlの触媒上でトリクル相において80バールの水素のもとで固定床管形反応器を用いて水素化する。そこには20倍過剰の水素が存在し、これらの試験のために使用される液空間速度(LHSV)は、0.2h-1、0.3h-1、0.4h-1、0.5h-1であった。前記のLHSVのそれぞれについて、90℃、100℃、110℃、120℃の反応温度を使用する。生成混合物を、HPLCによって分析し、そして結果を第30表に列記する。そこで表される結果から、触媒上での炭素質の物質種の制御された堆積によって、マンニトール選択性に増大がもたらされ、そして使用される条件下での反応器の物質移動限度に触媒活性の適合がもたらされることを理解することができる。
【0259】
第30表:固定床トリクル相でのフルクトースの水素化の結果
【表36】

【0260】
実施例22:本発明のホルムアルデヒド処理の前及び後での、触媒のプログラムされた温度での酸化特性
ホルムアルデヒド処理を行った触媒の表面とそれを行っていない触媒の表面を、温度プログラムされた酸化(TPO)を用いることによって実施する。ニッケルの場合には、それぞれの活性化されたニッケル原子は、酸化の結果として1つの酸素原子を取り込み、そして任意の吸着された炭素原子は、最大1つの酸素原子を取り込んで一酸化炭素を形成するか、又は最大2つの酸素原子を取り込んで二酸化炭素を形成することがある。それぞれの吸着された炭素原子は、2つ未満の酸素原子を取り込んで、その吸着された状態が酸素との結合を伴えば二酸化炭素を形成することがある。酸素との結合を伴う吸着された前駆炭素物質種からの一酸化炭素の形成についても同じことが言える。
【0261】
TPOを実施するために、約5〜10グラムの水湿した触媒を、10l/hで流動する窒素流中で120℃において17時間にわたり乾燥させる。次いでその炉を、慎重に20℃に冷却する。一定の反応温度に達した後に、純粋な水素を、窒素混合物中4%の酸素に切り替え、触媒上を10l/hの速度で通過させる一方、温度を、6℃/分の速度で約800℃の最終温度に昇温させる。酸素含有率は、実験の間に"Oxynos 100"型の磁気検出器を用いて測定し、そして消費量を、酸素カーブの面積から決定する。CO2含有率とCO含有率は、それらの特定の検出器で測定する。これらの実験では、CO2のみが検出される。触媒のホルムアルデヒド処理を、本発明に従って前記の実施例によって記載されるようにして、処理溶液上で不活性ガスを用いずに触媒をホルムアルデヒドで水性処理することで実施し、そして得られた触媒は、ニトリル(すなわちベンゾニトリル)の水素化による第一級アミンの形成について非常に選択性であると判明する。これらの試験の結果を、図1及び図2に示す。図1によれば、処理された触媒は、そのTPOの間にCO2を生成し、このことは、その表面が炭素含有残分で覆われていることを示している。
【0262】
図1と図2の比較により、また、吸着された炭素原子あたり最大2つの酸素原子までを炭素残分が取り込むことができるにもかかわらず、ホルムアルデヒド処理された触媒については、触媒1グラムあたり消費される全酸素はより少ないことが示される。このことは、両方の処理が、炭素で表面を覆い、そして触媒の利用可能な全表面を変性させることを示している。この変性の一つの部分は、ホルムアルデヒド中に存在する酸素及び/又は処理溶液中に溶解された残留酸素による処理中の表面酸化である。
【0263】
実施例23:ホルムアルデヒド処理された触媒の第一級脂肪アミン中での埋入
埋入前に、ラネー型のNi触媒を、ホルムアルデヒドによって、本発明に従って前記の実施例によって記載されるようにして、処理溶液上で不活性ガスを用いずに触媒をホルムアルデヒドで水性処理することで処理し、そして得られた触媒は、ニトリル(すなわちベンゾニトリル)の水素化による第一級アミンの形成について非常に選択性であると判明する。この処理された触媒を、まず沈降させて、次いで上部にある溶液を吸引により除去する。残留する湿った触媒を、真空下で加熱して、できる限り多くの残留湿分を除去し、引き続き第一級のタローアミン(tallow amine)を添加し、混合物を均質化し、この均質な混合物を冷えた面上でペレット化(pastillation)させて、第一級アミン中に変性された触媒が埋入された小滴を形成する。非変性触媒と比較すると、本発明の触媒は、かなり少ないアンモニアしか生成せず、かつ埋入過程及び貯蔵の間にはるかに多くの第一級脂肪アミンを留める。
【0264】
実施例24:ギ酸ナトリウム処理された触媒の第一級脂肪アミン中での埋入
標準的なラネー型のNi触媒を、まず沈降させ、そして殆どの上部にある溶液を吸引により除去する。次いでギ酸ナトリウムを、その湿った触媒塊に入れ、撹拌して均質化する。残留する湿った均質な触媒とギ酸ナトリウムの混合物を90℃に加熱する一方、1時間にわたって撹拌し続け、その後で真空を加えて、できる限り多くの水を除去し、引き続き第一級のタローアミンを添加し、該混合物を均質化させ、この均質な混合物を冷えた面上でペレット化させて、第一級アミン中に変性された触媒が埋入された小滴を形成する。非変性触媒と比較すると、本発明の触媒は、かなり少ないアンモニアしか生成せず、かつ埋入過程及び貯蔵の間にはるかに多くの第一級脂肪アミンを留める。
【図面の簡単な説明】
【0265】
【図1】図1は、ホルムアルデヒド処理され活性化されたNi触媒のTPO特性を示している
【図2】図2は、未処理の触媒のTPO特性を示している

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の変性方法であってNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって変性させるにあたり、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させる触媒の変性方法において、
− 処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらない、
− 又は触媒がCu触媒である場合に、処理の間の触媒上の気相は、不活性ガスである、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ液相が、テンプレート剤を含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ/又は液相が、テンプレート剤及び/又は1種以上の塩基を、変性剤の変性溶液への添加の前、その間及び/又はその後に含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ液相が、1種以上の塩基を、変性剤の変性溶液への添加の前、その間及び/又はその後に含有する場合に、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、不活性ガス又は空気である、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、固定床触媒を処理し、該工程を、触媒上の薄膜又は溶液のいずれかとして存在する不活性ガス及び/又は液相によって保護する、
− 又は触媒がNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒であって該触媒が場合により1種以上の元素でドープ又は促進されている場合に、固定床触媒を処理し、かつ/又は1種以上の塩基の存在下で及び/又はテンプレートの存在下で処理し、その際、該工程を、触媒上の薄膜又は溶液のいずれかとして存在する不活性ガス及び/又は液相によって保護する、
− 又はNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を処理し、かつ該触媒は、場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ場合により変性媒体は、テンプレートを含有し、かつ場合により変性を、1種以上の塩基の存在下で行い、その際、最終的に変性された触媒は脂肪アミン中に埋入されている、
− 又はNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を処理し、かつ該触媒は、場合により1種以上の元素でドープ又は促進されており、かつ場合により変性媒体は、テンプレートを含有し、かつ場合により変性を、1種以上の塩基の存在下で行い、その際、最終的な触媒は第一級脂肪アミン中に埋入されている
ことを特徴とする触媒の変性方法。
【請求項2】
触媒の変性方法であってNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって処理するにあたり、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させる触媒の変性方法において、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらないことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1記載の触媒の変性方法であってNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって変性させるにあたり、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させる方法において、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1記載の触媒の変性方法であってNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させる触媒の変性方法において、処理の間の触媒処理溶液上の気相は、空気であり、かつ溶存酸素を処理溶液から除去するための対策はとらないことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、NaOH、KOH及びそれらの混合物といった塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒は、炭素含有残分の堆積により、ギ酸金属塩によって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Cu触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する他の有機分子のような材料によって変性させるにあたり、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Cu触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する他の有機分子のような材料によって変性させるにあたり、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Cu触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項1記載の触媒の変性方法であって、Cu触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用される方法。
【請求項15】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒド、ギ酸金属塩、一酸化炭素、二酸化炭素、アルデヒド、ケトン、アミド、カルボン酸、カルボン酸の塩及び金属表面と強力に相互作用する有機分子のような材料によって、前記材料と前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、変性剤の添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で5〜130℃の範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ホルムアルデヒドによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ホルムアルデヒドの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、該触媒が処理溶液中に貯蔵されるべき場合には、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で瞬間的な接触から24時間より長時間にわたって接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で0℃を超えて150℃までの範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Mo、Cr、Fe、Re及びVの群からの1種以上の元素で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項1記載の触媒の変性方法において、周期律表の第1A族、第2A族、第IIIB族、第IVB族、第VB族、第VIB族、第VIIB族、第VIII族、第IB族、第IIB族、第IIIA族、第IVA族、第VA族、第VIA族の元素及び希土類元素の1種以上で促進されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、炭素含有残分の堆積により、ギ酸ナトリウムによって、それと前記触媒とを液相中で1種以上の溶剤の存在下で70〜130℃の範囲の温度で接触させることで変性させ、その際、1種以上の塩基を、ギ酸ナトリウムの添加の前、その間及び/又はその後に添加することが使用されることを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を、液相中で変性させることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を、液相中で変性させるが、但し、その変性を、循環を有するか有さないかのいずれかのフラッディング式の固定床反応器中で実施することを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させるが、但し、その変性を、固定床反応器中のトリクル相中で実施し、かつ該触媒を取り巻く雰囲気が、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させるが、但し、その変性を、変性剤のエアロゾルを用いて固定床反応器中で実施し、かつ該触媒を取り巻く雰囲気が、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させるが、但し、その変性を、変性条件下に気相で存在することができる変性剤を有する気相中で固定床反応器中で実施し、かつ該触媒を取り巻く雰囲気が、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項1記載の触媒の変性方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させるが、但し、その変性を、変性条件下に気相で存在することができる変性剤を有する気相中で固定床反応器中で実施し、その際、処理温度が、−50〜500℃であってよく、かつ該触媒を取り巻く雰囲気が、不活性雰囲気又は還元性雰囲気のいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項31記載の方法において、Ni固定床触媒、Cu固定床触媒、Co固定床触媒及びそれらの混合物の固定床触媒を変性させるが、但し、その変性温度が、0℃を超えて150℃までの範囲であってよいことを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項1記載の触媒の変性方法において、変性されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、第一級脂肪アミン中に埋入させることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項1記載の触媒の変性方法において、変性されたNi触媒、Cu触媒、Co触媒及びそれらの混合物の触媒を、脂肪アミン中に埋入させることを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項1記載の触媒の変性方法において、触媒を変性させるが、その際、触媒金属が、Fe、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、V、Re、W、Mo、Rh、Ir及びそれらの混合物であることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項1記載の触媒の変性方法において、触媒を変性させ、その際、その変性をテンプレート剤の存在下で実施することを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項1記載の触媒の変性方法において、炭素堆積による変性を、還元性雰囲気下で実施することを特徴とする方法。
【請求項43】
化合物の改善された立体選択的な水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項44】
フルクトースの改善された立体選択的な水素化により高濃度のマンニトールを生成させるための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項45】
化合物の改善された化学選択的な水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項46】
化合物の改善された化学選択的な水素化のための方法であって、より強力に吸着された部分をあまり強力に吸着されていない部分のなかで水素化させる方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項47】
化合物の改善された化学選択的な水素化のための方法であって、ニトリルをオレフィンのなかで優勢的に水素化させる方法において、請求項1、38又は39記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項48】
化合物の改善された化学選択的な水素化のための方法であって、カルボニルをオレフィンのなかで優勢的に水素化させる方法において、請求項1、38又は39記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項49】
化合物の改善された化学選択的な水素化のための方法であって、不飽和脂肪酸を不飽和脂肪ニトリルから製造する方法において、請求項1、38又は39記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項50】
化合物の改善された位置選択的な水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項51】
化合物の改善された位置選択的な水素化のための方法であって、立体障害が低い部分を、より立体障害が高い部分のなかで優勢的に水素化させる方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項52】
化合物の改善された位置選択的な水素化のための方法であって、環外の部分を、環内の部分のなかで優勢的に水素化させる方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項53】
化合物の改善された位置選択的な水素化のための方法であって、末端の部分を、内部の部分より優勢的に水素化させる方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項54】
化合物の改善された位置選択的な水素化のための方法であって、該化合物に結合されたより少ない嵩高さが低い基を有する部分を、該化合物に結合されたより多い及び/又はより嵩高さが高い基を有する部分のなかで優勢的に水素化させる方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項55】
ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項56】
ニトリルの相応の二量体化された二置換イミンへの改善された転化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項57】
ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項58】
1種以上の塩基の存在下でのニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項59】
NaOH、KOH又はそれらの混合物の存在下でのニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項60】
芳香族ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項61】
アンモニアの存在下での芳香族ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項62】
塩基の塩基の存在下での芳香族ニトリルの第一級アミンへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項63】
α,ω−ジニトリルのアミノニトリルへの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項64】
二量体を形成しない、ニトロ基の改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項65】
化合物の改善された水素化のための方法であって、触媒の性能が反応器の能力に適合させる方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項66】
トリグリセリドの所望のヨウ素価までの改善された水素化のための方法において、請求項1記載の方法によって変性された触媒を使用することを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項43から66までのいずれか1項記載の方法において、請求項1記載の方法により変性された触媒を、液相中、気相中、トリクル相中又は反応物のエアロゾル中のいずれかで、単通工程又は再循環工程のいずれかによって、撹拌槽反応器、流動床反応器又は固定床反応器のいずれかにおいて使用し、それらを反応型と触媒工学への最良の適合によって決定することを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項43から66までのいずれか1項記載の方法において、請求項40記載の方法により変性された触媒を、液相中、気相中、トリクル相中又は反応物のエアロゾル中のいずれかで、単通工程又は再循環工程のいずれかによって、撹拌槽反応器、流動床反応器又は固定床反応器のいずれかにおいて使用し、それらを反応型と触媒工学への最良の適合によって決定することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−519677(P2008−519677A)
【公表日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540502(P2007−540502)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012862
【国際公開番号】WO2006/050749
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】