説明

触覚特性を有するコーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板

【課題】触覚で知覚可能な表面を有する物品を提供すること。
【解決手段】層が触覚で知覚可能な構造を有するように、コーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板に触覚特性を有する層を設け、層が構造付与無機および/またはポリシロキサン系の粒子を含み、粒子が基板上に層形成性材料により固定されており、粒子が層上に隆起を生じさせ、これにより触覚で知覚可能な構造をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般としてガラスまたは結晶化ガラス(ガラスセラミック)物品に関する。特に、本発明は、触覚で知覚可能な表面を有するような物品に関する。本発明は、また、基板の表面上に塗工できる耐熱性の層を生成するためのガラスフリットに関する。その際、耐熱性の層は特定の触覚特性を示すことができる。さらに、本発明は、そうした層を作成する方法にも関する。基板は、多様な材料、特にガラスまたは結晶化ガラスを含むことができ、例えば家庭用機器あるいは表示領域に使用できる。
【背景技術】
【0002】
ガラスまたは結晶化ガラスからなる基板の家庭用機器領域あるいは表示領域への使用は多様であり、例えば、組込みレンジの結晶化ガラスコンロや、調理機器、オーブンあるいは電子レンジのドアの透視窓に使用される。こうした基板あるいはその表面が、異なる機能を有する別個の部分面や領域を含むことが増えてきている。
【0003】
例えば、結晶化ガラスコンロ部は、もともと1つまたは複数のコンロ域として作られた領域だけを有していたが、今日ではこのコンロ域の領域に加えて、機器の操作を目的とする部分面も持つことがある。従来は、異なる部分面や領域は、主として光学的に識別されてきた。一方、異なる機能の触覚的知覚も、次第に重要になってきた。
【0004】
この触覚的知覚は、特に、対象物の表面上の特定の領域、大きさ、質感、あるいは輪郭を手で触れあるいはなぞることによる能動的感得を意味している。化粧領域での例えば表面の触覚特性が知られている。
【0005】
独国実用新案第20 2009 000 139(U1)号は、触覚特性を示す位置標識を有するボタンを記載している。使用者が知覚できるレリーフが、位置標識を伝達する。例えば切削といった機械的加工によりボタンが作製される。
【0006】
研磨や、サンドブラストといった機械的方法もまた知られている。基板の表面に、触覚特性を示す構造を、機械的方法を用いて生成するには、多くの場合非常に費用がかかる。加えて、表面の損傷を生じがちで、強度に対してマイナスの効果を及ぼす。
【0007】
欧州特許出願公開第1 876 394(A2)号は、触覚作用を有する構造を少なくとも部分的に示すスライダの付いた結晶化ガラスコンロ部を記載している。この構造は印刷により塗工される。
【0008】
独国特許出願公開第10 2007 019 853(A1)号は、面状の情報支持体に3次元のあるいは触覚で知覚できる情報を生成する方法を記載している。この情報は、印刷法により情報支持体に塗工される。
【0009】
触覚特性を示す層を印刷法により塗工することで、コスト効率は明らかに良くなるが、こうした層は、半面、しばしば耐熱性に劣り、あるいは機械的強度が小さいという欠点がある。このため、例えばポリウレタンから印刷法で塗工された結晶化ガラスコンロ部の上の局所的に構造化された層は、機械的負荷がかかったときに基板との結合が十分でないので損傷が生じる危険性が大きい。基板がガラスまたは結晶化ガラスからなる場合は、例えば融着により層と基板間の結合を良くすることが有利であろう。
【0010】
さらに、ガラス表面をエッチング法により構造化する方法が知られているが、この構造化は多くの場合フッ化水素で行われる。こうした方法は、費用や手間がかかるうえに危険とされ、さらにエッチング法では、構造の形態多様性が制限される。
【0011】
国際公開第2011/085997号が記載するさらなる方法は、ガラス板上にまずゾル−ゲル層を塗工し、これにエンボス器具を用いて、触覚知覚性の構造を作り込む。続いて、このゾル−ゲル層を硬化する。この方法も、層の塗工の他に、エンボスという別の作業工程が必要なので、費用や手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国実用新案第20 2009 000 139(U1)号
【特許文献2】欧州特許出願公開第1 876 394(A2)号
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2007 019 853(A1)号
【特許文献4】国際公開第2011/085997号
【発明の概要】
【0013】
上記に鑑み、本発明の課題は、ガラスまたは結晶化ガラス表面の触覚知覚性の特性を簡単かつ多様に生成可能とすることにある。
【0014】
この課題は、請求項1の目的物により、解決される。本発明の有利な形態および発展形態が、従属請求項により示されている。
【0015】
これによれば、本発明は、層が触覚で知覚可能な構造を有するような、触覚特性を有する層をコーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板であって、層が無機および/またはポリシロキサン系の構造付与粒子を含み、粒子が基板上に層形成性材料により固定されており、粒子が層上に隆起を生じさせ、これにより触覚で知覚可能な構造をもたらすコーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板を意図している。このとき、構造付与粒子は部分的に層形成性材料から突出していても、および/または、少なくとも部分的に層形成性材料に被覆されていなくてもよい。
【0016】
エッチングした表面に対比して本発明は、多くの利点をもたらす。まず、表面が指紋に対して明らかに汚れ難い。また、作成が容易である。例えば、局所構造化のためにマスキングを用いてのHFエッチングが必要でない。層の作成が、良好な工程管理を可能にする。典型的には、RMS(二乗平均平方根)値やRa(算術平均粗さ)値は、エッチングしたガラスよりも明白に小さい。最後に、基板としての結晶化ガラスはまたエッチングが非常に難しい。
【0017】
本発明は、とりわけ
− 表示や、さらなる光の利用のために透明なコンロ面のつや消し領域用に、
− 台所用あるいは家庭用機器領域の、つや消しあるいはエッチングしたガラス表面の代替品、として、
− オーブン、冷蔵庫等の付属板用に、
− コンロ面の液体止めコーティング層として、
− 結晶化ガラスのセラミック化用の裏打ち板のコーティング層として、
− 建築領域、例えばドアやシャワー室、ファサード要素用のつや消しあるいはエッチングしたガラス表面代替品として、
− 自動車あるいは航空領域のつや消しあるいはエッチングしたガラス表面代替品として、
ふさわしい。
【0018】
層形成性材料は、有機および/または無機、および/またはポリシロキサン系、および/またはシラザン系、および/またはガラス系の層形成性マトリックスであってよい。有機の層形成性材料の場合、これは、好ましくは、ポリウレタン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィンおよびこれらの成分の混合物、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタラート、フッ素化ポリマーおよびこれらの混合物を含むポリマーを包含する。
【0019】
ポリシロキサン樹脂が、層形成性材料として用いられる場合、メチルポリシロキサンおよび/またはフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンおよび/またはビニル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはアリル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはメタクリル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはエポキシ官能化ポリシロキサン樹脂、ヒドロイル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはカルボキシル官能化ポリシロキサン樹脂がポリシロキサンとして好ましい。
【0020】
本発明のさらなる実施形態では、層をゾル−ゲル方法に基づいて生成する。このため、層形成性材料は、無機および/またはハイブリッドポリマーのゾル−ゲル材料を含むゾル−ゲル材料からなる。
【0021】
特に、使用に際し高い温度に曝される、コンロ部やオーブン・ドア、ならびに他のガラスまたは結晶化ガラス物品に使用するためには、層形成性材料の耐熱性が150℃超、好ましくは250℃超、特に好ましくは500℃超であるのが好適である。
【0022】
明瞭な触覚作用を得るためには、層形成性材料から突出する構造付与粒子の識別できる面積占有率が5%超、好ましくは20%超、特に好ましくは30%超であるのが好適である。
【0023】
さらに、層形成性材料の構造付与粒子に対する容積比が、0.1超、好ましくは0.2超、特に好ましくは0.4超であるのが有利である。これにより粒子の良好な埋入が、またそれにより触覚作用の良好な耐久性がもたらされる。
【0024】
特に、層形成性材料の構造付与粒子に対する質量比を、20〜0.1、好ましくは3〜0.25、特に好ましくは1.8〜0.4の範囲で選ぶのが好適である。層形成性材料の割合が前述の範囲より大きいと、触覚作用が小さくなり、さらには消失してしまう。
【0025】
均一な、触覚で知覚可能な特性を達成するためには、構造付与粒子の平均間隔が、粒子中心点から粒子中心点間の間隔について、構造付与粒子の平均粒子直径の4倍未満、好ましくは2倍未満であるように粒子の量を選ぶのがさらに好ましい。
【0026】
触覚作用を達成するためには、驚くべきことに非常に小さい層厚で十分である。このため本発明の発展形態において、平均層厚は、0.5〜50μm、好ましくは1〜25μm、特に好ましくは2〜10μmである。
【0027】
マトリックスあるいは層形成性材料の構造付与粒子のないところでの平均層厚は、0.1〜20μm、好ましくは1〜5μm、特に好ましくは1.5〜3μmですでに十分である。
【0028】
さらに、層形成性材料の平均層厚が、構造付与粒子の平均直径より常に小さく、好ましくは平均粒子直径の80%未満であるように、粒径および/または層厚を選ぶのが好ましい。これにより、粒子が層から突出して、層中に完全に埋没して粒子の領域が平坦な表面になってしまうことにはならない。
【0029】
角のない球形の粒子を含む層のPV(Peak to Valley)値が、4〜10μm、好ましくは6〜10μm、特に好ましくは7.5〜9.5μmであることで、良好な触覚作用がさらに得られる。このPV値とは、2個の粒子間の最深部とこれらの粒子の一方の最高部との高さの差の平均値である。
【0030】
球形の、あるいは一般に丸みの付けられた粒子として、特にシリコーン系の球形粒子が適している。
【0031】
粗い感触をもたらす、角の出た輪郭曲線を有する粒子の場合、PV値が、好ましくは10〜20μm、特に好ましくは11〜18μm、極めて好ましくは12.5〜15μmにある。このやや高めの値は、より滑らかな感触をもたらす丸みの付けられた粒子に対して、粗めの感触を与えるのに好適である。
【0032】
構造付与粒子の材料としては、ガラスまたはポリシロキサン、特にSiO、フェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、有機官能化ポリシロキサン、低アルカリのホウケイ酸および/または、アルカリアルミノケイ酸ガラスが適している。
【0033】
層形成性材料および触覚感触を生じさせる粒子の他に、さらに無機および/または有機充填材および/または顔料を含めることが非常に有利とされる。顔料、着色料、充填あるいは添加材として、特にTiO、一般的にスピネル、ここに好ましくはCrCuスピネル、Feスピネル、雲母、雲母系機能性顔料が適している。
【0034】
柔軟で十分の強度があり粒子を強固に結びつける層を得るために、追加の顔料、充填あるいは添加材の、構造付与粒子を結合する層形成性材料の全質量に対する質量割合が、0〜60重量%、さらには1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%であるのが好適である。
【0035】
本発明の層により、触覚だけでなく光学的効果も実現できる。
好ましくはコーティングした基板は、少なくとも次の反射および透過特性の1つを示す:
550nmでの反射率が6〜9%の範囲、好ましくは7〜8%の範囲にある;
550nmでの透過率が75〜85%の範囲、好ましくは80〜85%の範囲、特に好ましくは81〜83%の範囲にある。
層は、透明結晶化ガラス、あるいはまた緑色ガラス(Gruenglas)に塗工される。後者の場合、緑色ガラスは、結晶化ガラス作成のため、すでに塗工された層とともにセラミック化される。
【0036】
同様に、基板としてのソーダ石灰ガラスの上に層を塗工して、焼き入れ過程において層を焼き付けることも可能である。
【0037】
本発明により、基板の表面あるいは表面の部分領域に耐熱性の層が設けられ得るが、生成した層が触覚特性を示す。
【0038】
そのとき、生成した層は多様な触覚特性を示すことができることになる。そのため、生成した層は、例えば、層が皮膚に触れたとき滑らかで、滑り易く感じられるように働く特性を持ち、あるいは、層が軽くブレーキがかかるように感じられるように働く特性を持つことになる。
【0039】
このとき、表面の部分領域あるいは部分面が異なる触覚特性を備えられることになる。
【0040】
生成した層は、高い化学的安定性、例えば高い耐酸性、ならびに良好な清浄衛生性を示すことになる。
【0041】
さらに、生成した層は、熱的および機械的に安定的に形成されることになる。
【0042】
生成した層は、家庭用機器の表面への使用、あるいはまた表示領域の装置用に好適となる。
【0043】
加えて、層は、簡単な方法で基板上に塗工できることになる。
【0044】
本発明はさらに、基板または基板の部分領域上にガラス・コーティングにより触覚特性を有する耐熱層を生成するためのガラスフリットにも関し、ガラスフリットは、ほうろうガラス形成粒子と構造付与粒子を含んでいる。
【0045】
基板に特定の表面を作るために、ガラス・コーティング、ほうろう引き、あるいは装飾付けが知られている。このとき、エナメルの作成に必要な原料をガラス中に融かし、溶融・冷却後に、磨砕することができる。この磨砕品は、ガラスフリットとも呼ばれる。こうして生成されたガラスフリットは、分散材等の補助材と混合されて、ペースト状材料(以下「ペースト」と称する)が得られる。このペーストは、例えば、スクリーン印刷、ゾル−ゲル法、あるいは、スプレーや筆積み法といった多様な方法で、基板表面上に塗工され得る。こうして塗工された層は、高温(但し通例基板の軟化領域よりは低い)で焼き付けられる。
【0046】
本件発明者等は、ほうろうガラス形成粒子用のガラスを見出したが、これによればガラスフリットを耐熱性の構造付与粒子と混合し、このガラスフリットを用いて、基板上に層として塗工することができ、かつ基板に多様な触覚特性を付与できるペーストを生成することができる。好ましくはガラスは鉛およびカドミウムを含まない。
【0047】
ガラスは、特に熱膨張係数が20℃〜700℃の温度範囲で、4*10−6/K未満、好ましくは2*10−6/K未満のガラスまたは結晶化ガラスからなる基板にコーティングしたときにおいても、曲げ強度が大きい。
【0048】
ガラスは、溶融・冷却後に磨砕して、ほうろうガラス形成粒子にできる。好適には、平均粒子直径は、≦10μm、好ましくは≦6μm、特に好ましくは≦4μmである。
【0049】
さらに、ほうろうガラス形成粒子は、構造付与粒子と混合できる。好ましくは、ほうろうガラス形成粒子の構造付与粒子に対する質量比は、20〜0.1の範囲、好ましくは3〜0.25、特に好ましくは1.8〜0.4である。
【0050】
構造付与粒子は、生成された層に特定の触覚特性を与えることができる。本発明の趣旨において、層あるいは表面の触覚特性とは、大きさ、輪郭、質感または重量といった対象物のあるいは基板表面の特定の特性であり、全ての皮膚感覚、深部感覚を統合した触覚での知覚により能動的に感得できるものと理解される。
【0051】
生成された層の触覚特性は、輪郭曲線、材料、および/または粒子濃度により調節できる。したがって、滑らかな触覚特性を持つ層、あるいはブレーキがかかるような触覚特性を持つ層を生成できる。
【0052】
例えばこうして、結晶化ガラス基板表面の、操作要素が設けられているある領域を、特定の触覚特性を持つように形成し、同じ基板のコンロ領域を含む他の領域は、別の触覚特性を持つように形成することが可能である。
【0053】
表面をコーティングした領域の触覚的知覚は、したがって、同じ領域の表面をコーティングしていない領域とは明白に異なっている。
【0054】
構造付与粒子は、好ましくは特定の輪郭曲線を有するように形成されている。そこで、構造付与粒子は、実質的に角のない、丸い輪郭曲線を有するように形成できる。そのように形成された粒子は、層中で丸みの付けられた、角のない輪郭曲線の故に、滑らかな知覚をもたらす。滑らかな知覚は、構造付与粒子の塗工された層から突出するあるいははみ出る部分により生じる。云い方を変えれば、層中に完全に埋没されていない構造付与粒子の丸みの付けられた部分領域が、滑らかな触覚知覚をもたらす。
【0055】
特に好ましくは、構造付与粒子の丸みの付けられた、角のない輪郭曲線は、例えば焼き付け等の後工程でその輪郭曲線を変えられない。したがって、例えば丸みの付けられた、角のない構造付与粒子の割れを防がないといけない。特に、滑らかな知覚を有する層を生成するための構造付与粒子は、鋭いエッジは滑らかな触覚を与えないので、こうしたエッジがあってはならない。
【0056】
有利には、滑らかな触覚を有する層を生成するためには、構造付与粒子の輪郭曲線は、焼き付け工程の温度では変化しない。構造付与粒子は、したがって、好ましくは、層あるいはまた層形成性材料の焼き付け温度より上の融点を示し、これにより層に埋入された構造付与粒子がその輪郭曲線を維持し、こうして滑らかな触覚特性を層にもたらすことができる。このため、好ましくは構造付与粒子の軟化領域は1,000℃超にある。
【0057】
粗い、および/または「ブレーキ」のかかる触覚特性を有する層を生成するためには、好ましくは角ばった輪郭曲線を有するように構造付与粒子を形成する。そうした角ばった粒子は、層中で、その角、および/または、エッジがあるため粗い知覚をもたらす。
【0058】
特に好ましくは、構造付与粒子は、層形成性材料の焼き付けの後に、角、あるいは、エッジのある輪郭曲線を有する。このことは、例えば、角があり、および/または角ばった輪郭曲線を持つ粒子により達成され得る。しかし、驚くべきほど簡単な方法により、軟化領域を層形成性材料の焼き付け温度の下方に有する材料から、球形のあるいは角のない構造付与粒子も選ぶことができる。
【0059】
このため、好ましくは、構造付与粒子は、球形のまたは角のない輪郭曲線を有し、焼き付け中に部分的に融解し球の破片を形成する、アルカリアルミノケイ酸ガラスまたは低アルカリホウケイ酸ガラスから選択される。そうした材料は、例えば軟化領域がTG=620℃あるいは525℃である。焼き付け温度が、これらの温度より高いと、粒子から、エッジあるいは尖端のある破片が生じる。これらは、塗工された層から突出することがある。構造付与粒子の破片の突出した尖端やエッジは、したがって粗い触覚的知覚を引き起こすことになり得る。
【0060】
また、丸い、また、角ばった構造付与粒子の混合物も好ましく使用できる。このようにして、触覚作用を、滑らかな側の作用と粗い側の作用の間で調節できる。
【0061】
構造付与粒子は、好ましくは、直径が、500nm〜50μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは1.5〜7μmの範囲である。構造付与粒子の好ましい直径を有するものの割合は、好ましくは、全使用構造付与粒子の90%、特に好ましくは95%超である。
【0062】
触覚特性のある層を生成するには、構造付与粒子は、好ましくは、球形のおよび/または角のない輪郭曲線を有するように形成されていてよい。
【0063】
構造付与粒子は、好ましくは、SiO、ポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、有機官能化ポリシロキサン、低アルカリのホウケイ酸ガラスおよび/またはアルカリアルミノケイ酸ガラスの群からの材料を含んでもよい。
【0064】
特別な実施形態において、構造付与粒子はまた非酸化物セラミック、例えばBN、SiN、MoS、TiN、またはZrNの群からの材料を含んでもよい。
【0065】
さらなる特別な実施形態において、構造付与粒子は酸化物材料、例えばAl、結晶性SiO、ZrO、ZrSiO4、ZnAl2O4、MgAl、Y、イットリウムをドープしたZrO、カルシウムをドープしたZrO、マグネシウムをドープしたZrO、TiO、ZnOを含んでよい。
【0066】
特定の触覚特性を有する層を生成するための構造付与粒子の好ましい粒径を、選択された材料に対して、以下の表で示す:
【0067】
【表1】

【0068】
本発明による、ほうろうガラスを形成する、また構造付与粒子を含むガラスフリットは、追加的に顔料、充填あるいは添加材と混合できる。これは、例えば、着色性顔料であってよい。好ましくは、コンロ面のほうろう・コーティング用やガラス・コーティング用に知られているように、耐熱性の無機顔料が使用できる。これらは、例えば、SiOおよび/またはTiOおよび/またはFeおよび/またはSnO系コーティングを用いた、TiO、スピネル、CrCuスピネル、Feスピネル、雲母、雲母系機能性顔料である。
【0069】
これら顔料、特に、着色性顔料の、ほうろうガラス形成顔料の全質量に対する質量割合は、1〜60重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%である。
【0070】
本発明は、さらに、ガラスフリットを用いて、基板表面の表面または部分領域のガラス・コーティング、ほうろう引き、または装飾付けのためのペーストを生成することに関する。ガラスフリットは、ペーストの生成のために使用できるが、その際、有機および/または無機のペースト化材(Anpastmittel)を含むペースト化材を使用してよい。
【0071】
ペースト全質量に対するペースト化材の質量割合は、30〜90重量%、好ましくは45〜80重量%、特に好ましくは53〜68重量%の範囲でよい。
【0072】
ペースト化材としては、例えば樹脂混合物からなる公知の高沸点のスクリーン印刷油が使用できる。さらに、紫外線硬化性のスクリーン印刷媒体も有利に使用できる。好ましくは、無溶媒のスクリーン印刷ペーストが使用できる。
【0073】
特別な実施形態において、スクリーン印刷ペーストに、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタン・ガム、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールまたは多分散シリカを含む有機および/または無機のペースト化物質を添加できる。これにより、ペーストの粘度が変えられ最適化される。
【0074】
本発明はさらに上述したようなペーストを使用して、触覚特性を有する層を作成する方法に関する。
【0075】
触覚特性を有する層を基板の表面上あるいは基板の部分領域の表面上に生成することは、ペーストを基板上に塗工し、続いて焼き付けることで行うことができる。
【0076】
ペーストの基板上への塗工は、スプレー、浸漬、ドクター法、刷毛塗りといった液体塗工法や、パッド印刷あるいは転写によって行うことができる。
【0077】
好ましくは、塗工はスクリーン印刷により行う。特に、スクリーン印刷メッシュの細かさが100〜140線/センチのものが適している。
【0078】
さらなる好ましい実施形態において、塗工は転写により行われる。この方法は、特に非平面基板、例えば、曲面の暖炉の除き窓での使用に向いている。
【0079】
焼き付けは、第1の乾燥ないしは硬化過程を含んでよい。この過程は、例えば、通風により熱的にあるいは赤外線による乾燥で行える。好ましくは温度が100〜250℃の範囲、特に好ましくは120〜200℃の範囲である。特別な実施形態においては、塗工された層の硬化を短波長の紫外線照射によっても行うことができる。
【0080】
さらに、焼き付けは好ましくは熱処理過程を含み、この過程でガラスフリットが融解できる。この熱処理過程は、400〜1,000℃、好ましくは600〜850℃、特に好ましくは750〜830℃の範囲の温度で行われる。
【0081】
特に好ましい実施形態において、焼き付けは、例えば、コンロ部や暖炉の覗き板として使用される結晶化ガラス製基板の製造の際のセラミック化の過程中に行われる。これにより、塗工された層の焼き付けが特に簡単かつ低コストで実施できる。
【0082】
さらなる好ましい実施形態において、焼き付けは二次焼き付け中に行うことができる。
【0083】
さらに、焼き付けは、例えば基板の曲げといった基板の成形中に、対応して昇温された温度で行うことができる。焼き付けは、熱的焼き入れ過程中において行うこともできる。
【0084】
本発明の特別な実施形態において、構造付与粒子に対し有機の層形成性材料を用いるときには、層の焼き付けは200℃未満の温度で行う。
【0085】
本発明のさらなる特別な実施形態において、構造付与粒子に対しポリシロキサン系および/またはゾル−ゲル系の層形成性マトリックスを用いるときには、層の焼き付けは、200℃〜700℃、好ましくは230〜500℃、とりわけ好ましくは270〜400℃の温度で行う。
【0086】
基板の表面あるいは表面の部分領域の上に生成した触覚特性を有する層は、平均層厚が1〜50μm、好ましくは2〜25μm、特に好ましくは2〜10μmでよい。さらなる実施形態においての平均層厚は、3〜5μmである。
【0087】
好ましい実施形態において、構造付与粒子は、部分的に結晶化境界層有りおよび無しで層中に埋入されている。
【0088】
さらなる好ましい実施形態において、構造付与粒子は、一部だけを融解した層で覆われている。換言すれば、構造付与粒子の幾つかからなる部分だけが生成した層の表面から突出しているか出っ張っている。
【0089】
構造付与粒子の出っ張っている部分の輪郭曲線およびその数は、層の触覚特性に著しい影響を与える。このため、丸みの付けられた、および/または角のない、出っ張った構造付与粒子は、滑らかな感触の触覚をもたらすことができるが、これに対し、エッジおよび/または尖端の付いた、出っ張った構造付与粒子は、粗い感触の触覚をもたらすことができる。
【0090】
さらなる実施形態において、構造付与粒子はまた完全に層中に埋入されていてよい。
【0091】
好ましい実施形態において、ほうろうガラス形成粒子は、生成した層中に完全にまたはほとんど完全に融解している。層のメソ孔および/またはマイクロ孔は、1容積%未満であってよい。
【0092】
さらなる実施形態においては、ほうろうガラス形成粒子が一部のみ融解している。そうして生成した層は、孔の半径が20〜1,000nmの範囲であるような孔を有するメソ孔ないし顕微鏡的多孔性を有してよい。この実施形態は高い基板強度のために特に有利である。
【0093】
走査型電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡によって平面図中に識別できる生成層の面積占有率は、5%超、好ましくは20%超、特に好ましくは30%であってよい。最大可能占有は、球形の構造付与粒子の場合、最密球充填と同じである。
しかしながら、マトリックスあるいは層形成性材料の層厚が、構造付与粒子の平均粒子直径より大である場合、マトリックス無しの粒子が基板表面上に作る実際の面積は、直接顕微鏡で観察される面積より大である。
こうした構造付与粒子の生成層中の実際の面積占有率は10%超、好ましくは25%超、特に好ましくは40%でよい。
【0094】
触覚層内で、マトリックス、あるいは層形成性材料と構造付与粒子の容積比は、0.1超、好ましくは0.2超、特に好ましくは0.4超である。
【0095】
生成した層の表面の粗さ値Raは、0.2〜1.2μmでよい。構造付与粒子のほうろうガラス形成粒子に対する質量割合を変化させて使用したときの、結晶化ガラス基板上に生成された層の粗さ値が以下の表に示される。ここに、滑らかな触覚を有する生成層(層A)と、粗い触覚を有する生成層(層B)とが区別される。
【0096】
表中に示される質量比は、ほうろうガラス形成粒子と、ガラスフリット中の構造付与粒子の比に関する。
【0097】
【表2】

【表2−2】

【表2−3】

【0098】
選択された層についての典型的な静止および滑り摩擦係数が、次の表に示される。
表中に示される質量比は、ほうろうガラス形成粒子と、ガラスフリット中の構造付与粒子の比である。
【0099】
【表3】

【表3−2】

【0100】
使用された測定方法:粒子の充填度の測定には、粒子の倍率100倍での光学顕微鏡像を10箇所の異なる測定箇所で光学的に計数した。
【0101】
静止摩擦係数は、「斜面」での物理実験により測定した。
【0102】
滑り摩擦係数は、摩擦計を用い、速度0.05cm/秒、荷重1N、対向物体革、適用フィンガ直径10mmで測定した。
【0103】
生成した層の接着強度は非常に大きい。これは、丈夫な透明接着フィルム(Tesafilm 型番104、Beiersdorf社)を貼り、急激に剥離して、剥離後に接着フィルムに付着している粒子の量を調べて求めることができる。生成した層に対しては、付着がないかほんのわずかで実用上問題にならない付着のみが求められた。
【0104】
生成した層の化学的および機械的安定性も非常に大きい。安定性は、構造付与粒子の割合を高くするとさらに大きくできる。
【0105】
機械的掻き傷耐性は、例えば当業者に周知のBOSCH Siemens家庭用機器試験により試験できる。炭化ケイ素突起を用いたこの引っ掻き試験によれば、本発明による層の耐掻き傷強度は、800g超、好ましくは1000g超、とりわけ好ましくは1300g超に達する。
【0106】
本発明による触覚特性を有する層は、当業者に周知の以下の規定の柔軟な化学機械的擦れおよび手の擦れ試験の全てを充たす:DIN EN 60068−2−70/IEC 68−2−70、BMW GS 97034/GS 97045、Daimler Chrysler DBL 7384、Ford WSS−M2P188−A1。
【0107】
コーティングされていない基板表面と比較して指紋が目立たない性質の試験は、DIN 5316O2:2001 BMW GS 97045−2、DBL 73084、およびVW TL 226に準拠して、当業者に周知の方法で人口汗液を用いて実施した。
【0108】
生成した層は、特にクエン酸や酢酸といった酸を含んだ接触媒体に対して化学耐性がある。この層はさらにアルカリに対して、例えばアルカリ洗浄剤に対して高い耐性がある。
【0109】
また、生成した層は、クリーニングし易く、「指紋」が付きにくい。
【0110】
生成した層は、さらに、900℃領域の温度まで耐熱性が高い特徴がある。
【0111】
スポンジたわし、あるいは結晶化ガラス用スクレーパといった機械的作用によるクリーニング手段に対する機械的耐性が非常に大きい。
【0112】
基板は、結晶化ガラス、強化ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、および/またはアルミノケイ酸ガラスの群からなる材料を含むことができる。
【0113】
好ましくは基板として、ガラスまたは結晶化ガラスからなる、透明および/または内部着色したおよび/または部分的にコーティングした基板が用いられる。熱的および/または化学的に焼き入れされたガラスも基板として使用できる。
【0114】
特に好ましくは、天火や調理機器、冷蔵庫、蒸し器、これらの機器の操作パネル、ガス調理器、流し台、あるいは食器洗い機といった白物あるいは家庭用機器の領域で使用されるように、基板ガラスが用いられる。
【0115】
さらに、強化ガラスは、電気あるいは電子機器用、例えば、携帯電話、コンピュータ、タッチパネルあるいはテレビ装置用に用いられる基板として好ましく使用される。
【0116】
強化ガラスはまた、自動車あるいは航空機製造、鉄道あるいは造船の領域でさまざまな機能で使用される基板としても使用される。
【0117】
好ましい実施形態において、ソーダ石灰ガラスおよび/またはホウケイ酸ガラスおよび/またはアルミノケイ酸ガラスおよび/または鉄減量ガラスが基板として使用される。
【0118】
厚さが30μm〜2mmの薄肉ガラスも使用できる。
【0119】
基板は、平ら、または湾曲され、曲げられた、あるいは他の形を有することができる。
【0120】
基板は、機械加工されたあるいはまたエッチングされた表面を有することができる。
【0121】
層は、基板の表面上に、あるいは部分領域上に塗工され得る。1つの基板上に異なる触覚特性を有する複数の層を塗工することも可能である。したがって、例えば基板表面の1領域に操作機能を持たせ、ここには滑らかな触覚的知覚を与える層を備えさせ、同一の基板表面の他の部分領域には、コンロ機能を持たせ、好ましくは粗い触覚的知覚を与える層を備えさせることができる。
【0122】
このため、例えば、透明な結晶化ガラス製の基板を、下面へのコーティング有りあるいはコーティング無しで用い、これをコンロ部として使用することができる。
【0123】
本発明のさらなる細目は、示された例示的実施形態の記述および付属する請求項から明らかとされる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】局所的に構造化された触覚層の実施形態である。
【図2】滑らかな触覚知覚を有する層である。
【図3】粗い触覚知覚を有する層である。
【図4】滑らかな触覚知覚を有する層の断面のREM写真である。
【図5】粗い触覚知覚を有する層の断面のREM写真である。
【図6】波長の関数としての各種試料の透過率の推移である。
【図7】各種試料の角度に依存する光散乱である。
【図8】試料の光学顕微鏡写真である。
【図9】試料の光学顕微鏡写真である。
【図10】試料の光学顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0125】
下の表に、ほうろうガラス粒子を製造する本発明による各種のガラスをその組成とともにまとめた。
【0126】
【表4】

【0127】
さらなる、ほうろうガラス粒子を製造する本発明によるガラスであり、とりわけガラス、特にソーダ石灰ガラスの上に、触覚層を作成するために使用されるものを表5にまとめた。
【0128】
【表5】

【0129】
これらのガラスは融解され、冷却後、ほうろうガラス形成粒子を製造するため磨砕された。
【0130】
続いて、本発明によるガラスフリットを生成するために、ほうろうガラス形成粒子を構造付与粒子と混合した。スクリーン印刷油を加えてペーストを作り、これをスクリーン印刷により、リチウムアルミノケイ酸結晶化ガラス製の基板上に塗工した。セラミック化の間に塗工したペーストを焼き付けた。
【0131】
図1は、基板20の局所的に構造化された触覚層の各種の可能な実施形態を示す。この基板は、図1の特定の実施形態に限定することなく、特に、ガラスまたは結晶化ガラス製のキッチンユニットであり得、構造付与粒子を含む層はキッチンユニットの印刷部となる。とりわけ、層は、放射加熱体および/または誘導加熱器用の内部着色したおよび/または着色コーティングした結晶化ガラスのコンロ面用の局所的あるいは全面の印刷部として好適である。
【0132】
図1の10で示される領域は、触って知覚できるように形成された滑動スイッチの実施形態を示す。基板の表面の触って知覚できる滑動スイッチのある部分領域10は、滑らかな触覚的知覚をもたらす層を設けている。
【0133】
11で示される基板表面の部分領域は、粗い触覚知覚を生じる1つの層が施された2つの面からなる。この機能領域はコンロ面として形成されており、粗い触覚知覚は、高い静摩擦のために有利である。
【0134】
図2には、透明な基板20の上の層21が示される。ポリメチルシロキサンからなる球形の構造付与粒子は、融点が非常に高く焼き付け温度より上なので、塗工や焼き付けによってもその輪郭曲線を全くまたは実質的に変えていない。このため、粒子は、完全に層中に埋入された粒子22あるいは部分的にのみ埋入された粒子24として存在する。さらに、粒子23の表面のある部分はガラスがないように、ある部分だけが層によって被覆されてもよい。そうした、構造付与粒子が、球形の輪郭曲線の高さおよび幅に関して均一に分布している層は、触覚的に滑らかな知覚をもたらす。
【0135】
図3には、融点が焼き付け温度より上の構造付与粒子のみならず、例えば、アルカリアルミノケイ酸ガラスあるいは低アルカリホウケイ酸ガラス製の粒子からなる低い軟化温度の構造付与粒子をも使用した層が描かれている。低い軟化温度の構造付与粒子は、焼き付けの間に、部分的に融解し、破片が発生する。破片31の部分は、尖端として層から突出し、粗い触覚の知覚をもたらす。
【0136】
図4には、滑らかな触覚知覚のある層のREM写真が、また図5には粗い触覚知覚のある層が断面で示されている。
【0137】
例1:滑らかな触覚のある層の作成
19gの磨砕されたガラスCのほうろうガラス形成粒子を、61.5gのスクリーン印刷ペースト化剤および19gの構造付与性の平均粒径が4.5μmの均一に球形のメチルポリシロキサン粒子と混合する。このように生成したペーストは、ディスパーマット(Dispermat)を用いて10分間均質化する。
【0138】
続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、緑色ガラスに塗工する。このように塗工した層を180℃の温度で30分間乾燥する。焼き付けを、内部着色した結晶化ガラス製基板のセラミック化の間に約900℃で行う。
【0139】
本発明による、滑らかな触覚で、良好な化学的、機械的使用特性を有する触覚層が得られる。
【0140】
例2:粗い触覚のある層の作成(変形例A)
17gの磨砕されたガラスCのほうろうガラス形成粒子を、60gのスクリーン印刷ペースト化剤および14gの、粒径の95%が12μm以下のアルカリアルミノケイ酸ガラスの球と自形(エッジのある)粒子の混合物である構造付与性粒子と混合する。このペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、緑色ガラスに塗工する。この層を180℃で30分間乾燥する。
焼き付けを、内部着色した結晶化ガラスのセラミック化の間に約900℃で行う。
【0141】
本発明による粗い触覚で、良好な化学的、機械的使用特性を有する触覚層が得られる。
【0142】
例3:粗い触覚のある層の作成(変形例B)
17gの磨砕されたガラスCのほうろうガラス形成粒子を、60gのスクリーン印刷ペースト化剤および14gの、粒径の95%が24μm以下の低アルカリホウケイ酸ガラスの球と自形(エッジのある)粒子の混合物である構造付与性粒子と混合する。このペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、緑色ガラスに塗工する。この層を180℃で30分間乾燥する。
焼き付けを、内部着色した結晶化ガラスのセラミック化の間に約900℃で行う。
【0143】
本発明による粗い触覚で、良好な化学的、機械的使用特性を有する触覚層が得られる。
【0144】
例4:滑らかな触覚があり指紋防止作用およびマット化特性のある層の作成
19gのほうろう組成(ガラスC)の磨砕されたガラスフリットのほうろう粒子を、61.5gのスクリーン印刷ペースト化剤および19gの構造付与性の平均粒径が4.5μmの均一に球形のメチルポリシロキサン粒子と混合する。
このペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。
続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、緑色ガラスに塗工する。この層を180℃で30分間乾燥する。
焼き付けを、内部着色していない結晶化ガラスのセラミック化の間に約900℃で行う。
【0145】
本発明による、滑らかな触覚で、指紋が目立たなく、またマット性光学特性の触覚層が得られる。
【0146】
例5:滑らかな触覚があり指紋防止作用およびマット化特性のある層の作成
19gの磨砕されたガラスフリット(ホウ酸亜鉛ほうろう、ガラスJ)のほうろう粒子を、61.5gのスクリーン印刷ペースト化剤および19gの構造付与性の平均粒径が4.5μmの均一に球形のメチルポリシロキサン粒子と混合する。
このペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。
続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、4mm厚の低鉄含量ソーダ石灰ガラスに塗工する。この層を130℃度で5分間乾燥する。
触覚層の焼き付けを、焼き入れ過程の間に約710℃で3分間行う。
【0147】
本発明による滑らかな触覚で、指紋が目立たなく、またマット性光学特性の触覚層が得られる。
【0148】
例6:滑らかな触覚があり指紋防止作用およびマット化特性のある層の作成
70gの高耐熱性のフェニルメチルポリシロキサン樹脂の60質量%のキシレン溶液(商品名REN80、Wacker Silcones社)を、19gの構造付与性の平均粒径が4.5μmの均一に球形のメチルポリシロキサン粒子と混合する。
このスクリーン印刷ペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。
続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、4mm厚の焼き入れした低鉄含量ソーダ石灰ガラスに塗工する。この層を300℃で1時間硬化する。
【0149】
本発明による滑らかな触覚で、指紋が目立たなく、またマット性光学特性の触覚層が得られる。
【0150】
例7:滑らかな触覚があり指紋防止作用およびマット化特性のある層の作成
40gの無溶媒2成分系のエポキシ官能化ポリシロキサン樹脂(Silikopon EC、Evonik社)を、19gの構造付与性の平均粒径が4.5μmの均一に球形のメチルポリシロキサン粒子と混合する。
【0151】
このスクリーン印刷ペーストを、ディスパーマットで、10分間均質化する。
続いて140メッシュのスクリーンを用いて、構造化された層をスクリーン印刷で、4mm厚の焼き入れした低鉄含量ソーダ石灰ガラスに塗工する。この層を200℃で60分硬化する。
【0152】
本発明による滑らかな触覚で、指紋が目立たなく、またマット性光学特性の触覚層が得られる。
【0153】
以下に、本発明に従ってコーティングした2つの基板の特性の比較を、比較試料を用いて説明する。本発明の物品の基板として、透明結晶化ガラスを使用した。第1の試料においては、結晶化ガラスを粗い触覚感触を有する層で、第2の試料においては、滑らかな触覚感触を有する層でコーティングした。これらの試料は、エッチングしたガラス、エッチングしていないガラス、平滑なソーダ石灰ガラス(以下「KNガラス」と記す。)、および透明なコーティングしていない結晶化ガラスと比較した。以下の表は、各種の光学的また機械的特性の比較を示す:
【0154】
【表6】

【0155】
この表および図6から見てとれるように、本発明によりコーティングした試料1および2の透過率は、エッチングしたガラスでの値と近い。粗い表面で生じる光の散乱のため、透過率は、コーティングしていない透明な結晶化ガラスや、ソーダ石灰ガラスにおけるより小さい。
【0156】
本発明による試料のヘーズ値やグロスは、しかしながらエッチングしたガラスでの値と明瞭に異なる。ヘーズ値は、エッチングしたガラスより小さく、これに対しグロス値は大きい。ヘーズ値は、反射して反射光束の周りの小さな立体角領域に逸れた光の割合を意味する。これに対し、グロス値は、反射光束に沿って反射された光の割合である。こうした特性により、エッチングしたガラスに比べ異なった光学的印象がもたらされる。後者がつや消し状に見えるのに対し、本発明による試料の低いヘーズ値と高いグロス値(エッチングしたガラスに比べて)は、絹光沢の印象を与える。
【0157】
一般的に、本発明の発展形態において、例示的な表の値にも裏付けされているように、層はその光学的特長において、層で反射する光のヘーズ値が65%〜90%および/またはグロス値が15%〜35%の範囲であるように特徴づけられる。
【0158】
図7から読み取れるように、散乱角度の関数としての散乱の推移は、試料1、2とエッチングしたガラスでは、広い角度範囲において明瞭な差がなく、拡散して散乱した光での光学的印象は、本発明による基板とエッチングしたガラスとで全く同様である。しかしながら、小さな散乱角度では明瞭な差を示す。エッチングしたガラスの曲線は、ほぼ±15°の範囲ではプラトーを示す。これに対し、本発明による試料1、2の光強度は、散乱角度が小さくなるにつれ、さらに明らかな増加を見せ、コーティングしていない結晶化ガラスの散乱曲線との類似性を示す。ここで、図7の強度目盛は対数表示になっていることに注意していただきたい。
【0159】
この特性は、例えばLED運転表示のような、発光表示素子を、本発明による基板のコーティング領域の下方に配置するときに有利である。表示の読取り性や輪郭の鮮明さが層を通しても実質的に維持される。これに対し、エッチングしたガラスを透過した光は±10°の範囲で均一に散乱する。これにより、表示の輪郭の識別性が少なくとも著しく制約される。
【0160】
本発明の発展形態に従えば、例示的実施形態に限定されることなく、装置には、本発明によるコーティングした基板が備えられ、その基板の片面に発光表示を設け、少なくとも表示の反対面で、表示の対向部の基板の表面領域に、触覚特性を有する層が設けられる。特に、この装置は、ここでも、透明な結晶化ガラス板を有する結晶化ガラスコンロ部であって、上面が本発明による層でコーティングされており、下方または下面に表示素子が、運転時には層を通して上面を照らすように配置されている結晶化ガラスコンロ部であってよい。
【0161】
エッチングしたガラスと比べて基板を透過する光の強度のより大きな割合が小さな散乱角で進路を変えるという層の特性は、本発明のさらなる発展形態によって次のようにも定量化できる:基板と層を透過し、角度0°で進行した光(すなわち散乱していない光)の強度と、基板と層を透過し、角度10°で散乱した光の強度との比は少なくとも2、好ましくは少なくとも5である。これに比べ、図7から読み取れるように、エッチングした試料においては、この比は、約1である。すなわち、10°で散乱した光の強度は、ここでは、0°で透過した光とほとんど同じである。
【0162】
図8および図9は、最後に本発明によりコーティングした基板の試料の光学顕微鏡写真を示す。図8は、試料1のコーティングした表面の写真を、図9は、試料2のコーティングした表面の写真を示す。比較のため、図10はエッチングしたガラスのエッチングした表面の写真を示す。これらの光学顕微鏡写真において、図10のエッチングしたガラス試料が最も粗く見える。ここで驚くべきことは、上掲の表から読み取れるように、両方の本発明による試料の方がより高い静止摩擦を示すことである。本発明のさらなる発展形態に従えば、図示された例示的実施形態に限定されることなく、本発明によるコーティングした基板は、静止摩擦係数が少なくとも0.8であると特徴づけることもできる。このとき、層のRMS値およびRa値は、エッチングしたガラスに比べて明瞭に小さい。これらの値は両方の試料において、エッチングしたガラスの対応の値の、最大でも1/4である。本発明のさらなる発展形態に従えば、例示的実施形態に限定されることなく、本発明による層は、RMS値および/またはRa値が、高々2μmであることを特徴とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
層が触覚で知覚可能な構造を有するように、触覚特性を有する層を有するコーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板であって、層が構造付与無機および/またはポリシロキサン系の粒子を含み、粒子が基板上に層形成性材料により固定されており、粒子が層上に隆起を生じさせ、これにより触覚で知覚可能な構造をもたらすコーティングしたガラスまたは結晶化ガラス基板。
【請求項2】
層形成性材料が、有機および/または無機および/またはポリシロキサン系および/またはシラザン系および/またはガラス系の層形成性マトリックスであることを特徴とする請求項1に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項3】
層形成性材料の耐熱性が150℃超、好ましくは250℃超、極めて好ましくは500℃超であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項4】
層が以下の特徴:
− −層形成性材料から突出する構造付与粒子の識別できる面積占有率が5%超、好ましくは20%超、特に好ましくは30%超である、
− 層形成性材料の構造付与粒子に対する容積比が、0.1超、好ましくは0.2超、特に好ましくは0.4超である、
− 層形成性材料の構造付与粒子に対する質量比が20〜0.1、好ましくは3〜0.25、特に好ましくは1.8〜0.4の範囲である、
− 構造付与粒子の平均間隔が、粒子中心点から粒子中心点間の間隔について、構造付与粒子の平均粒子直径の4倍未満、好ましくは2倍未満である、
− 平均層厚が0.5〜50μm、好ましくは1〜25μm、特に好ましくは2〜10μmである、
− 平均層厚が、構造付与粒子のないところで0.1〜20μm、好ましくは1〜5μm、特に好ましくは1.5〜3μmである、
の少なくとも1つを示すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項5】
構造付与粒子が、部分的に層形成性材料から突出し、および/または少なくとも一部が層形成性材料に被覆されていないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項6】
層形成性材料の平均層厚は、構造付与粒子の平均直径より常に小さく、好ましくは平均粒子直径の80%未満であることを特徴とする請求項1に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項7】
構造付与粒子が、角のない、球形の、および/または、角の出た輪郭曲線を含む、特定の輪郭曲線を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項8】
角のない球形の粒子を含む層のPV値が、4〜10μm、好ましくは6〜10μm、特に好ましくは7.5〜9.5μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項9】
角の出た輪郭曲線を有する粒子を含む層のPV値が、10〜20μm、好ましくは11〜18μm、特に好ましくは12.5〜15μmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項10】
構造付与粒子が、特にSiO、フェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、有機官能化ポリシロキサン、低アルカリのホウケイ酸および/または、アルカリアルミノケイ酸ガラスである、ガラスまたはポリシロキサンの群からなる材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項11】
構造付与粒子が、酸化物材料、特にAl、結晶性SiO、ZrO、ZrSiO、ZnAl、MgAl、Y、イットリウムをドープしたZrO、カルシウムをドープしたZrO、マグネシウムをドープしたZrO、TiO、ZnOを含むことを特徴とする請求項1に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項12】
構造付与粒子が、層の焼き付け温度より低いかまたはその温度付近に軟化領域を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項13】
構造付与粒子の軟化領域が1,000℃より高いことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項14】
構造付与粒子が、シリコーン系で球形の粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項15】
層形成性材料中に、構造付与粒子の他に、追加的に無機および/または有機充填材および/または顔料が含まれていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項16】
層形成性材料に、TiO、スピネル、CrCuスピネル、Feスピネル、雲母、雲母系機能性顔料を含む、顔料、着色料、充填あるいは添加材が、追加的に混合されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項17】
追加の顔料、充填あるいは添加材の、構造付与粒子を結合する層形成性材料の全質量に対する質量割合が、0〜60重量%、好ましくは3〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%であることを特徴とする請求項15乃至16のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項18】
550nmでの反射率が6〜9%、好ましくは7〜8%であり、および/または550nmでの透過率が75〜85%、好ましくは80〜85%、特に好ましくは81〜83%であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項19】
層形成性材料が、下記の組成(重量%単位)
【表1】

または、下記の組成(重量%単位)
【表2】

または、下記の組成(重量%単位)
【表3】

を有するガラスからなることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項20】
層を作成するために、ほうろうガラスを形成する粒子の平均粒子径が、≦10μm、好ましくは≦6μm、特に好ましくは≦4μmであるガラスフリットが使用されることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項21】
層形成性材料が、ポリウレタン、ポリアクリラート、ポリメタクリラート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリオレフィンおよびこれらの成分の混合物、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボナート、ポリエチレンテレフタラート、フッ素化ポリマーおよびこれらの混合物を含む有機ポリマーを包含することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項22】
層形成性材料が、メチルポリシロキサンおよび/またはフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンおよび/またはビニル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはアリル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはメタクリル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはエポキシ官能化ポリシロキサン樹脂、ヒドロキシル官能化ポリシロキサン樹脂および/またはカルボキシル官能化ポリシロキサン樹脂を含むポリシロキサン樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項23】
層形成性材料が、無機および/またはハイブリッドポリマーのゾル−ゲル材料を含むゾル−ゲル材料からなることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項24】
基板がガラスまたは結晶化ガラスからなるキッチンユニットであり、構造付与粒子を含む層がキッチンユニットの印刷体であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項25】
層が、放射加熱器および/またはガス調理器、および/または誘導加熱器用の、内部着色された、および/または着色コーティングした結晶化ガラスコンロ面の局所的または全面印刷体であることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項26】
層で反射する光のヘーズ値は、65%〜90%の範囲にあり、および/または層で反射する光のグロス値は15%〜35%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至25のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項27】
基板および層を透過し角度0°で透過した光の強度と、基板および層を透過し角度10°に散乱した光の強度の比が少なくとも2、好ましくは少なくとも5を示すことを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板。
【請求項28】
請求項1乃至27のいずれか1項に記載の触覚性表面を有するコーティングした基板を含む結晶化ガラスコンロ部であって、基板が透明結晶化ガラス板であり、上面が触覚特性を有する層でコーティングされており、結晶化ガラス板の下方または下面に表示素子が、運転時には層を通して上面を照らすように配置されている結晶化ガラスコンロ部。

【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−82615(P2013−82615A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225145(P2012−225145)
【出願日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(504299782)ショット アクチエンゲゼルシャフト (346)
【氏名又は名称原語表記】Schott AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr.10,D−55122 Mainz,Germany
【Fターム(参考)】