説明

計測装置

【課題】測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、そのセンサ素子の出力信号に基づいて測定対象の流速や濃度等の状態を検知するように構成された計測装置において、簡素化且つ低廉化が可能で、迅速且つ正確に測定対象の状態を検知することができる技術を提供する。
【解決手段】センサ素子6の使用時間を累積して累積使用時間を導出する累積使用時間導出手段29と、センサ素子6の累積使用時間に基づいてセンサ素子の感度を補正する感度補正手段25とを備えると共に、センサ素子6の温度を導出する温度導出手段27を備えて、累積使用時間導出手段29が、センサ素子6の使用時間をセンサ素子6の温度に応じて補正した温度補正使用時間を累積して累積使用時間を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、前記センサ素子の出力信号に基づいて前記測定対象の状態を検知するように構成された計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の計測装置としては、流体が流れる測定流路の上流側と下流側とに、相互に超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器を上記センサ素子として設置し、その一対の超音波送受信器のうちの一方側から送信した超音波を他方側で受信して一対の超音波送受信器間の超音波の伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、その伝播時間計測手段の計測結果に基づいて上記流速値を導出する流速値演算手段とを備えた超音波式メータ装置が知られている。(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
具体的に、上記超音波式メータ装置は、上記伝播時間計測手段により、一対の超音波送受信器間において、流体の流れ方向に沿った順方向で超音波が伝播する順方向伝播時間t1と、その順方向とは逆の逆方向で超音波が伝播する逆方向伝播時間t2とを計測する。そして、一対の超音波送受信器間の対向方向において流体の瞬時流速をv’とし音速をCとし、一対の超音波送受信器間の距離をLとしたときに、上記計測した順方向伝播時間t1と逆方向伝播時間t2の夫々は下記の式(1)、(2)に示すように表すことができ、よって、上記流速v’は、音速Cに関係なく、下記の式(3)で求めることができる。
【0004】
t1=L/(C+v’)
t2=L/(C−v’)
v’=L・(1/t1−1/t2)/2
【0005】
このことを利用して、上記流速値演算手段は、上記の式(3)により求められる流速v’を用いて、測定流路における流体の流速、又は、その流速に測定流路の流路断面積を乗じて求められる流量を、流速値として導出することができる。
【0006】
また、従来の超音波式メータ装置では、超音波を受信した超音波送受信器の受信信号は、設定電圧を最大とするものに増幅しても、振幅が次第に増大した後に減衰するような波形を有するので、その受信信号が受信された直後の時点は振幅が非常に小さく、その受信時点を正確に認識することは困難である。尚、本願において、受信信号の波形とは、受信信号全体の最大電圧に対する各波の最大電圧の比率を示す。
そこで、上記伝搬時間計測手段は、超音波送受信器の超音波の受信時点を、受信信号の振幅が正確に認識可能な程度に大きくなった時点を基準として判定する形態で、当該超音波送受信器の受信信号と基準電圧との比較により判定するように構成されている。
例えば、上記伝搬時間計測手段は、受信信号が基準電圧に到達した時点の直後に受信信号がゼロレベルとなった時点(以下、「ゼロクロス点」と呼ぶ。)を求める。このように求めたゼロクロス点は、受信信号の波形が一定であると仮定すると、受信時点から特定番目の波(以下、「ターゲット波」と呼ぶ。)のゼロクロス点と一致することから、受信時点からゼロクロス点までの遅れ時間が、受信信号の周期の一定倍の値として予め認識可能となる。
よって、上記伝搬時間計測手段は、上記のように求めたゼロクロス点から上記遅れ時間分前の時点を、上記受信時点として正確に判定することができる。
【0007】
しかし、受信信号の波形が変化すると、例えば、基準電圧を越える受信信号の波が上記ターゲット波ではなく、その前後の波となってしまい、上記受信時点を正確に判定できなくなる場合がある。
そこで、従来の超音波式メータ装置では、基準電圧を変化させながら、逐次、一対の超音波送受信器間の超音波の伝搬時間や、受信信号が基準電圧に到達した時点からゼロクロス点までの時間差を求めることで、その伝搬時間や時間差の変化状態から、ターゲット波のゼロクロス点を検知するための最適な基準電圧を検出するという最適基準電圧検出処理を実行する。
そして、基準電圧を上記最適基準電圧検出処理で検出した最適なものに設定して計測した超音波の伝搬時間から、流速値を導出するように構成されている。
そして、この種の超音波式メータ装置では、上記受信信号が変化した場合でも、上記最適基準電圧検出処理を実行することにより、ターゲット波のゼロクロス点を検知するための最適な基準電圧を検出して、正確な流速値を導出することができる。
【0008】
また、別の計測装置としては、測定流路に、特定成分に感応して電気抵抗が変化するガス検知素子を上記センサ素子として配置し、そのガス検知素子を加熱するヒータと、そのガス検知素子の電気抵抗の変化に応じて変化する出力電圧に基づいて特定成分の有無又は濃度を判定するガス検知手段とを備えたガス検知装置が知られている。また、かかるガス検知装置は、上記特定成分としてのメタンや一酸化炭素の濃度が危険レベルに達した場合に警報動作を行うように構成したガス警報装置等に採用されている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0009】
【特許文献1】特開2003−106882号公報
【特許文献2】特開平11−283147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような超音波メータ装置やガス検知装置等の測定装置では、測定流路を流れる流体や測定流路に存在する特定成分等の測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子の感度は、累積使用時間が長くなるほど劣化等が進行して徐々に低下する。
また、累積使用時間に基づいてセンサ素子の感度を補正した場合でも、設置環境の違いにより、センサ素子の感度を正常な状態に補正できず、結果、流体の流速値や当該特定成分の有無又は濃度等の測定対象の状態を正確に検知することは困難であった。
【0011】
また、上記特許文献1に記載の超音波式メータ装置では、上述したように最適基準電圧検出処理を実行して、正確に流速値を導出しようとするものであるが、装置構成の煩雑化及び高コスト化を招き、更には、流速値を導出するまでの時間が長くなるという問題があった。また、流速値を導出するまでの時間が長くなると、当該時間が経過する間に流体の流速が大幅に変化する場合があり、上記最適基準電圧検出処理で検出した基準電圧が、次に流速値を導出するために最適なものではなくなって、正確な流速値を導出できなくなるという問題がある。
【0012】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、そのセンサ素子の出力信号に基づいて測定対象の流速や濃度等の状態を検知するように構成された計測装置において、簡素化且つ低廉化が可能で、迅速且つ正確に測定対象の状態を検知することができる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る計測装置は、測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、前記センサ素子の出力信号に基づいて前記測定対象の状態を検知するように構成された計測装置であって、その第1特徴構成は、前記センサ素子の使用時間を累積して累積使用時間を導出する累積使用時間導出手段と、
前記累積使用時間導出手段で導出した前記センサ素子の累積使用時間に基づいて前記センサ素子の感度を補正する感度補正手段とを備えると共に、
前記センサ素子の温度を導出する温度導出手段を備えて、
前記累積使用時間導出手段が、前記センサ素子の使用時間を前記温度導出手段で導出した前記センサ素子の温度に応じて補正した温度補正使用時間を累積して前記累積使用時間を導出するように構成されている点にある。
【0014】
本願発明者らは、鋭意研究した結果、測定対象が存在する測定流路に設置したセンサ素子の出力信号に基づいて当該測定対象の流速、流量、濃度等の状態を検知するにあたり、センサ素子の累積使用時間の増加に加え、それまでのセンサ素子の温度履歴が、センサ素子の感度が低下する主な要因であることを見出した。そして、このセンサの温度履歴を考慮してセンサ素子の累積使用時間を導出すれば、その累積使用時間の増加とセンサ素子の感度の低下との間の相関関係を予め実験などにより求めて、その相関関係を用いて温度履歴を考慮した累積使用時間によりセンサ感度を補正すれば、上記測定対象の状態を正確に検知できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、上記第1特徴構成によれば、上記累積使用時間を導出するにあたり、上記累積時間導出手段によりセンサ素子の温度で逐次補正される温度補正使用時間を累積することで温度履歴を考慮した累積使用時間を導出し、その温度履歴を考慮した温度累積使用を用いて上記感度補正手段によりセンサ素子の感度を補正することができ、結果、逐次感度補正されたセンサ素子の出力信号から、迅速且つ正確に、測定対象の状態を検知することができる。
【0016】
本発明に係る計測装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記累積使用時間導出手段が、前記センサ素子の温度を用いてアレニウス則又は10℃2倍則により算出される温度影響係数を前記センサ素子の使用時間に積算して、前記温度補正使用時間を求める点にある。
【0017】
上記第2特徴構成によれば、半導体等の温度ストレスによる寿命を予測するための法則として公知であるアレニウス則や10℃2倍則により算出される温度影響係数を、センサ素子の温度を用いて算出し、その温度影響係数をセンサ素子の使用時間に積算したものを上記温度補正使用時間として求めることができる。そして、このようにアレニウス則や10℃2倍則を用いて求めた温度補正使用時間を累積した累積使用時間に基づいてセンサ素子の感度を補正することで、より正確に測定対象の状態を検知することができる。
【0018】
本発明に係る計測装置の第3特徴構成は、上記第1乃至上記第2の何れかの特徴構成に加えて、測定流路を流れる流体を前記測定対象とし、
前記測定流路の上流側と下流側とに、相互に超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器を前記センサ素子として設置し、
前記一対の超音波送受信器のうちの一方側から送信した超音波を他方側で受信して、前記超音波送受信器の超音波の受信時点を当該超音波送受信器の受信信号と基準電圧との比較により判定し、当該一対の超音波送受信器間の超音波の伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
前記伝播時間計測手段の計測結果に基づいて前記測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を導出する流速値演算手段とを備えた超音波式メータ装置として構成されている点にある。
【0019】
上記第3特徴構成によれば、これまで説明した本発明に係る測定装置を、センサ素子として一対の超音波送受信器を測定流路に配置し、その一対の超音波送受信器の出力信号を用いて上記測定対象の状態として流体の流速や流量等の流速に関する流速値を導出する超音波メータ装置として構成することができる。
即ち、上記感度補正手段により、超音波送受信器の温度履歴を考慮した累積使用時間により、超音波送受信器の出力信号やその出力信号の比較対象となる上記基準電圧を補正する形態で、超音波送受信器の感度を正確且つ迅速に補正することで、上記伝搬時間計測手段により、超音波送受信器の出力信号と基準電圧とを比較して受信時点を正確に判定し、正確な伝搬時間を計測することができる。
従って、測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を高精度に導出する超音波式メータ装置を実現することができる。
【0020】
本発明に係る計測装置の第4特徴構成は、上記第1乃至上記第2の何れかの特徴構成に加えて、測定流路に存在する特定成分を測定対象とし、
前記測定流路に、前記特定成分に感応して電気抵抗が変化するガス検知素子を前記センサ素子として配置し、
前記ガス検知素子を加熱するヒータと、
前記ガス検知素子の電気抵抗の変化に応じて変化する出力電圧に基づいて前記特定成分の有無又は濃度を判定するガス検知手段とを備えたガス検知装置として構成されている点にある。
【0021】
上記第4特徴構成によれば、これまで説明した本発明に係る測定装置を、センサ素子としてガス検知素子を測定流路に配置し、そのガス検知素子の出力電圧を用いて上記測定対象の状態として測定流路における特定成分の有無又は濃度を判定するガス検知装置として構成することができる。
即ち、上記感度補正手段により、ガス検知素子の温度履歴を考慮した累積使用時間により、ガス検知素子の出力電圧を正確且つ迅速に補正することで、上記ガス検知手段により、上記ガス検知素子の出力電圧に基づいて特定成分の有無又は濃度を高精度に判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
〔超音波メータ装置〕
本発明に係る測定装置の実施の形態としての超音波メータ装置について、図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の超音波式メータ装置(以下、「メータ装置」と略称する。)により測定流路2を流れるガスg(測定対象の一例)の流速や流量等の当該流速に関する流速値の導出を実施している状態におけるメータ装置の側断面図であり、図2は、超音波送受信器6の受信信号の状態を示す図であり、図3は、超音波送受信器6の累積使用時間に対する設定基準電圧の関係を示すグラフ図であり、図4は、別実施形態のメータ装置の側断面図である。
【0024】
先ず、メータ装置の基本構成について説明する。
メータ装置は、図1に示すように、上記測定流路2を上流側と下流側との間で斜めに横断する方向の両端部に配置されて相互に当該横断方向に沿って超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器(以下、「送受信器」と略称する。)6(センサ素子の一例)と、その一対の送受信器6により計測した測定流路2における超音波の伝搬状態により測定流路2を流通するガスgの流速値をガスgの状態として導出するように構成された制御装置50を備える。
【0025】
測定流路2の上流側に設置された送受信器6aと、測定流路2の下流側に設置された送受信器6bとは、距離Lを隔てた位置に互いに対向して設置され、それら一対の送受信器6の対向方向と測定流路2を流通するガスgの流れ方向(測定流路2の中心軸に沿った方向)とが角度θをなす。
【0026】
また、この送受信器6は、制御装置50側から電気信号である駆動パルスが入力されると、超音波を他方の送受信器6側に向けて送信し、一方、他方の送受信器6側から送信された超音波を受信すると、電気信号である受信信号を制御装置50側に出力するように構成されている。
【0027】
制御装置50は、メモリ等からなる記憶媒体、CPU、入出力部等を備えたマイクロコンピュータで構成され、そのコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、後述の伝搬時間計測手段10、流速値演算手段20、基準電圧設定手段25、温度導出手段27、累積使用時間導出手段29等の様々な手段として機能する。以下、各手段の詳細構成について説明を加える。
【0028】
制御装置50が機能する伝播時間計測手段10は、一対の送受信器6の夫々に対する駆動パルスの送信及び受信信号の受信の状態を切り換える切換部11、上記切換部11を通じて上記送受信器6に超音波を発生させるための駆動パルスを出力する駆動部12、上記切換部11を通じて入力された送受信器6の受信信号を増幅させる増幅部13、上記増幅部13で増幅された受信信号を後述する基準電圧と比較して送受信器6の超音波の受信時点を判定する受信時点判定部14、上記受信時点判定部14の判定結果に基づいて一対の送受信器6間の超音波の伝播時間として計測する計時部15とからなる。
【0029】
上記切換部11は、一対の送受信器6のうち上流側の送受信器6aに駆動部12から入力された駆動パルスを送信すると共に、下流側の送受信器6bから受信した受信信号を増幅部13に出力する順方向伝播状態と、逆に、一対の送受信器6のうち下流側の送受信器6bに駆動部12から入力された駆動パルスを送信すると共に上流側の送受信器6aから受信した受信信号を増幅部13に出力する逆方向伝播状態とを切り換えるように構成されている。
【0030】
上記受信時点判定部14は、図1に示すように、増幅部13で増幅された受信信号が、所定の基準電圧に到達した時点の直後にゼロレベルとなったゼロクロス点を求め、そのゼロクロス点から予め設定されている所定の遅れ時間分前の時点を、上記受信時点として判定するように構成されている。
【0031】
そして、上記計時部15は、タイマ28で計測される時間を参照しながら駆動部12で駆動パルスを出力した送信時点から受信時点判定部14で判定した受信時点までの時間を、一対の送受信器6間の超音波の伝播時間として計測するように構成されている。
【0032】
そして、制御装置50は、上記切換部11を上記順方向伝搬状態と上記逆方向伝搬状態とを切り換えることで、上記計時部15において、測定流路2を流れるガスgの流れ方向に沿った順方向で超音波が一対の送受信器6間を伝播する順方向伝播時間t1と、測定流路2を流れるガスgの流れ方向に沿った上記順方向とは逆の逆方向で超音波が一対の送受信器6間を伝播する逆方向伝播時間t2とを計測するように構成されている。
【0033】
制御装置50が機能する流速値演算手段20は、上記伝搬時間計測手段10の計測結果に基づいて、測定流路2を流れるガスgの流速に関する流速値を導出するように構成されており、その流速値の導出方法について、以下に説明を加える。
【0034】
一対の送受信器6間の対向方向に沿ったガスgの瞬時流速をv’とし、測定流路2の流れ方向に沿った瞬時流速をvとし、これら対向方向と流れ方向とがなす角度をθとし、一対の送受信器6間の距離をLとし、ガスg内の音速をCとすると、上記伝搬時間計測手段10で計測される順方向伝播時間t1と逆方向伝播時間t2とは、次式に示すように表すことができる。
t1=L/(C+v’)=L/(C+v・cosθ)
t2=L/(C−v’)=L/(C−v・cosθ)
【0035】
そして、これらの式から、瞬時流速vは、次式に示すように、順方向伝播時間t1、逆方向伝播時間t2、距離Lのみで求められる関数となる。
v=L・(1/t1−1/t2)/(2・cosθ)
【0036】
よって、流速値演算手段20は、伝播時間計測手段10により計測された順方向伝播時間t1と逆方向伝播時間t2とから、上記の関数を用いて、測定流路2を流れるガスgの瞬時流速vを導出し、その瞬時流速v自身、又は、その瞬時流速vに測定流路2の断面積を乗じて求めた瞬時流量、又は、単位時間における瞬時流量を時間積分して求めた単位時間あたりの流量等を、上記流速値として導出する。
また、制御装置50は、このように導出した流速値を表示又は記憶したり、外部に出力することができる。
【0037】
次に、メータ装置の特徴構成について説明する。
上記増幅部13は、送受信器の増幅後の受信信号の強さを安定させるために、切換部11を通じて入力された送受信器6の受信信号を、予め設定された設定電圧を最大とするものに増幅させる増幅手段として構成されている。
そして、超音波を受信した送受信器6の受信信号(増幅部13の出力)は、図2に示すように、振幅が次第に増大した後に減衰するような波形を有し、送受信器6の温度や累積使用時間の変化により、その受信信号の波形が変化するので、上記受信時点判定部14により、送受信器6の超音波の受信時点を、送受信器6の受信信号と基準電圧との比較により判定するにあたり、基準電圧を一定とすると、上記温度や上記累積使用時間の変化により、受信信号の波形が変化して、その一定の基準電圧を越える受信信号の波が、所定のターゲット波ではなくなってしまい、結果、上記受信時点を正確に判定できなくなる場合がある。
【0038】
そこで、メータ装置は、簡素化且つ低廉化が可能で、迅速且つ正確に流速値を導出するために、図1に示すように、送受信器6の使用時間を累積して累積使用時間を導出する累積使用時間導出手段29と、前記累積使用時間導出手段29で導出した送受信器6の累積使用時間に基づいて送受信器6の感度を補正する感度補正手段として、当該送受信器6の累積使用時間に基づいて基準電圧を設定する基準電圧設定手段25と、送受信器6の温度を導出する温度導出手段27とを、制御装置50が機能する形態で備えており、更には、上記累積使用時間導出手段29が、送受信器6の使用時間を温度導出手段27で導出した送受信器6の温度に応じて補正した温度補正使用時間を累積して上記累積使用時間を導出するように構成されている。
以下、こられの詳細構成について説明する。
【0039】
増幅手段としての増幅部13に入力された、送受信器6における増幅前の受信信号のピーク電圧を計測するピーク電圧計測手段26を備え、上記温度導出手段27は、そのピーク電圧に基づいて、送受信器6の温度を導出するように構成されている。
【0040】
即ち、送受信器6の温度が低いほど上記ピーク電圧が小さくなることを利用し、その送受信器6の温度と、送受信器6の受信信号のピーク電圧との相関関係を予め実験等により求めておくことができる。
また、上記ピーク電圧計測手段26は、上記伝播時間計測手段10による伝搬時間の計測に先立って、一方側の送受信器6に駆動部12から入力された駆動パルスを送信して他方側の送受信器6から受信した増幅前の受信信号の最大電圧を上記ピーク電圧として計測する。
【0041】
そして、上記温度導出手段27は、上記予め求めておいた送受信器6の温度と当該ピーク電圧との相関関係を参照して、上記ピーク電圧計測手段26により導出した受信信号のピーク電圧から、上記送受信器6の温度を導出することができる。
【0042】
一方、上記累積使用時間導出手段29は、タイマ28で計測される時間を参照しながら、メータ装置の使用を開始してから、又は、送受信器6を新品に交換してから、現時点までの使用時間の累積値を、上記送受信器6の累積使用時間として導出するように構成されている。
【0043】
更に、上記累積使用時間導出手段29は、上記累積使用時間がより正確に送受信器6の経年劣化状態を示すものとなるように、例えば温度が高くなるほど使用時間を長めに補正し、逆に温度が低くなるほど使用時間を短めに補正する形態で、送受信器6の使用時間を温度導出手段27で導出した送受信器6の温度により補正して、その補正後の温度補正使用時間を累積して、上記累積使用時間を導出するように構成されている。
【0044】
また、上記温度補正使用時間の導出方法としては、半導体等の温度ストレスによる寿命を予測するための法則として公知であるアレニウス則や10℃2倍則により算出される温度影響係数K(T)を、送受信器6の温度Kを用いて算出し、その温度影響係数K(T)を送受信器6の使用時間tに積算した〔K(T)×t〕を上記温度補正使用時間として求めることができる。
即ち、アレニウス則で求めた温度影響係数Ka(T)及び10℃2倍則で求めた温度影響係数K10(T)は、下記の式により求めることができる。
Ka(T)=AeΔE/kT
10(T)=B×2ΔT/10
A,B:定数
k:ボツマン定数(8.6159×10-5[eV/K])
ΔE:活性化エネルギ[eV]
T:送受信器6の温度[K]
t:送受信器6の使用時間[h]
【0045】
また、温度影響係数K(T)としては、上記の温度影響係数Ka(T),K10(T)の代わりに、下記に示す式により求めた温度影響補正係数K’(T)を用いても構わない。
【0046】
K’(T)=CTmeΔE'/kT
ΔE’=ΔE−mkT
C,m:定数
【0047】
そして、基準電圧設定手段25は、上記累積使用時間導出手段29の導出結果、即ち上記温度補正使用時間〔K(T)×t〕を時間積分して求めた送受信器6の累積使用時間に基づいて、上記伝搬時間計測手段10の受信時点判定部14で受信信号における受信時点を判定するのに使用される基準電圧を、受信信号の波形に合った最適な設定基準電圧に迅速に設定する。
【0048】
具体的に、上記基準電圧設定手段25は、例えば図3に示すように、累積使用時間導出手段29で導出される送受信器6の累積使用時間Tiが長いほど、増幅後の受信信号におけるターゲット波直前の波の最大電圧が上昇するので、その上昇に合わせて上記設定基準電圧を高い側に移行させる。
【0049】
よって、上記伝搬時間計測手段10の受信時点判定部14で受信信号における受信時点を判定するために使用される基準電圧が、上記基準電圧設定手段25により上記最適な設定基準電圧に設定されるので、受信信号において最初に上記設定基準電圧を超える波が略確実に受信時点から特定番目のターゲット波となり、そのターゲット波における受信信号が基準電圧に到達した時点を基準に、ゼロクロス点及び受信時点が正確に判定され、正確な伝搬時間が計測されることになる。
【0050】
更に、上記累積使用時間導出手段29により導出される累積使用時間は、送受信器6の温度履歴を考慮したものとなり、送受信器6の劣化状態を正確に判断しえるものとなる。
従って、この累積使用時間導出手段29により導出された累積使用時間が予め設定しておいた許容値を超えた場合には、使用者に送受信器6の交換やメンテナンスを促すためにLEDを点灯させたりアラームを出力するなどの報知処理を実行するように構成することができる。
【0051】
尚、上記実施の形態では、上記温度導出手段27を、送受信器6の受信信号のピーク電圧に基づいて送受信器6の温度を導出するように構成したが、別に、以下のように構成することもできる。
【0052】
即ち、図4に示すメータ装置は、伝播時間計測手段10の計測結果に基づいて測定流路2における音速を導出する音速演算手段30を備え、制御装置51が機能する温度導出手段31は、その音速に基づいて送受信器6の温度を導出するように構成されている。尚、送受信器6は、測定流路2内に設置されているので、送受信器6の温度は、測定流路2における温度になるとする。
尚、図4に示すメータ装置の説明において、図1に示すメータ装置と同様の構成については、同じ符号を付すことで、説明を割愛する。
【0053】
測定流路における音速Cは、次式に示すように、送受信器6の温度Thの関数となるので、その音速Cを求めれば、送受信器6の温度Thを求めることができる。
C=C1+C2・Th
C1,C2:定数
【0054】
そして、上記音速演算手段30は、次式に示すように、例えば直前に上記伝搬時間計測手段10により計測した順方向伝播時間t1と逆方向伝播時間t2とから音速Cを導出することができる。
t1=L/(C+v’)=L/(C+v・cosθ)
t2=L/(C−v’)=L/(C−v・cosθ)
C=L・(1/t1+1/t2)/(2・cosθ)
【0055】
そして、上記温度導出手段31は、上記音速演算手段30により導出した音速Cを、その音速Cと上記送受信器6の温度Thとの関数に代入して、送受信器6の温度Thを求めることができる。
【0056】
尚、当然、温度導出手段31は、送受信器6近傍に設置した温度センサの出力により直接送受信器6の温度を導出するように構成しても構わない。
【0057】
また、上記実施の形態では、受信時点判定部14が、上記増幅部13で増幅された後の受信信号が基準電圧に到達した時点の直後にゼロレベルとなったゼロクロス点から遅れ時間分前の時点を、上記受信時点として判定するように構成したが、例えば、上記受信信号が基準電圧に到達した時点や上記ゼロクロス点自身を上記受信時点として判定するなどのように、別の形態で、受信信号を基準電圧と比較して送受信器6の超音波の受信時点を判定するように構成することもできる。
【0058】
また、上記実施形態では、送受信器6の受信信号を、設定電圧を最大とするものに増幅させる増幅部13を設けたが、特に問題がなければ、この増幅部を、受信信号を所定の増幅率で増幅させるものに改変したり、増幅部を省略しても、構わない。
また、このように増幅部を改変又は省略する場合には、受信信号のピーク電圧に対する比率を基準として基準電圧を設定及び調整することができる。
【0059】
また、上記増幅部において受信信号を所定の増幅率で増幅させるように構成する場合には、基準電圧設定手段25で設定する基準電圧を固定値とすると共に、送受信器6の感度を補正する感度補正手段として、その増幅部の増幅率を、例えば累積使用時間導出手段29で導出される送受信器6の累積使用時間Tiが長いほど増幅率を増加側に移行させる形態で、補正するように構成しても構わない。
【0060】
〔ガス検知装置〕
次に、本発明に係る測定装置の実施の形態としてのガス検知装置について、図面に基づいて説明する。
図5は、本実施形態のガス検知装置により測定流路52を流れる空気aにおけるメタンや一酸化炭素(測定対象としての特定成分の一例)の有無又は濃度の判定を実施している状態におけるガス検知の側断面図である。
【0061】
ガス検知装置は、空気aにおけるメタンや一酸化炭素の有無や濃度を判定し、メタンや一酸化炭素の濃度が危険レベルに達した場合に警報動作を行うように構成したガス警報装置として構成されている。
即ち、図5に示すように、空気aが流れる測定流路52にメタンや一酸化炭素に感応して電気抵抗が変化するガス検知素子56をセンサ素子として配置し、更に、そのガス検知素子56を加熱するヒータ58と、そのガス検知素子56の電気抵抗の変化に応じて変化する出力電圧に基づいて空気aにおけるメタンや一酸化炭素の有無又は濃度を判定するガス検知手段63として機能する制御装置60とを備える。
【0062】
上記ガス検知素子56は、当該ガス検知素子56の電気抵抗の変化を電圧値に変換したもの(以下、単に「出力電圧」と呼ぶ場合がある。)を、上記制御装置60が機能する出力検出手段61側に出力するガス検知素子出力回路57に接続されている。
一方、上記ヒータ58は、当該ヒータ58を駆動するヒータ駆動回路59に接続されており、このヒータ駆動回路59は、制御装置60が機能する加熱制御手段68からの制御指令に応じてヒータ58の出力を制御する。
【0063】
上記制御装置60は、メモリ等からなる記憶媒体、CPU、入出力部等を備えたマイクロコンピュータで構成され、そのコンピュータが所定のプログラムを実行することにより、後述の出力検出手段61、出力補正手段62、ガス検知手段63、報知手段64、温度導出手段65、累積使用時間導出手段66、加熱制御手段68等の各種手段として機能する。以下、各種手段の詳細構成について説明を加える。
【0064】
上記出力検出手段61は、上記ガス検知素子56の出力電圧を所定周期でサンプリングし、後述する出力補正手段62を介して、ガス検知手段63に送る。
一方、上記加熱制御手段68は、ガス検知素子56の動作温度を、上記出力検出手段61による出力電圧のサンプリング周期で、高温域と低温域とに交互に切り換える形態で、ヒータ駆動回路59の加熱制御を行う。尚、上記高温域は、ガス検知素子56がメタンに対して感応性を発揮する温度(例えば420℃)に設定され、上記低温域は、ガス検知素子56が一酸化炭素に対して感応性を発揮する温度(例えば80℃)として設定されている。
【0065】
そして、上記ガス検知手段63は、上記高温域での出力電圧から、ガス検知素子56のメタン感応性に基づいて、空気aにおけるメタンの有無又は濃度を判定し、一方、上記低温域での出力電圧から、ガス検知素子56の一酸化炭素感応性に基づいて、空気aにおける一酸化炭素の有無又は濃度を判定する。
更に、上記報知手段64は、上記ガス検知手段63によりメタンや一酸化炭素を検知した場合に、LEDを点灯させたりアラームを出力するなどして外部に報知する。
【0066】
次に、ガス検知装置の特徴構成について説明する。
上記ガス検知素子56の出力電圧は、ガス検知素子56の温度や累積使用時間の変化により、その大きさが変化するので、上記ガス検知手段63により、メタンや一酸化炭素の有無又は濃度を、その出力電圧の大きさに基づいて正確に判定できなくなる場合がある。
【0067】
そこで、ガス検知装置は、簡素化且つ低廉化が可能で、迅速且つ正確にメタンや一酸化炭素の有無又は濃度を判定するために、図5示すように、ガス検知素子56の使用時間を累積して累積使用時間を導出する累積使用時間導出手段66と、前記累積使用時間導出手段66で導出したガス検知素子56の累積使用時間に基づいてガス検知素子56の感度を補正する感度補正手段として、当該ガス検知素子56の累積使用時間に基づいて出力電圧を補正する出力補正手段62と、ガス検知素子56の温度を導出する温度導出手段65とを、制御装置60が機能する形態で備えており、更には、上記累積使用時間導出手段66が、ガス検知素子56の使用時間を温度導出手段65で導出したガス検知素子56の温度に応じて補正した温度補正使用時間を累積して上記累積使用時間を導出するように構成されている。
以下、こられの詳細構成について説明する。
【0068】
上記温度導出手段65、測定流路52に設けられた温度センサ(図示せず)の出力信号によりガス検知素子56の温度を導出する。尚、上記温度導出手段27は、加熱制御手段68の加熱制御信号からガス検知素子56の温度を導出するように構成することもできる。
【0069】
一方、上記累積使用時間導出手段66は、タイマ28で計測される時間を参照しながら、ガス検知装置の使用を開始してから、又は、ガス検知素子56を新品に交換してから、現時点までの使用時間の累積値を、上記ガス検知素子56の累積使用時間として導出するように構成されている。
【0070】
更に、上記累積使用時間導出手段66は、上記累積使用時間がより正確にガス検知素子56の経年劣化状態を示すものとなるように、例えば温度が高くなるほど使用時間を長めに補正し、逆に温度が低くなるほど使用時間を短めに補正する形態で、ガス検知素子56の使用時間を温度導出手段65で導出したガス検知素子56の温度により補正して、その補正後の温度補正使用時間を累積して、上記累積使用時間を導出するように構成されている。
【0071】
また、上記温度補正使用時間の導出方法としては、上述した超音波式メータ装置の実施形態と同様に、アレニウス則や10℃2倍則により算出される温度影響係を、ガス検知素子56の温度を用いて算出し、その温度影響係数をガス検知素子56の使用時間に積算したものを温度補正使用時間として求める。
【0072】
そして、出力補正手段62は、上記累積使用時間導出手段66の導出結果、即ち上記温度補正使用時間を時間積分して求めたガス検知素子56の累積使用時間に基づいて、上記ガス検知素子56の出力電圧を、補正する。
【0073】
具体的に、上記出力補正手段62は、ガス検知素子56の累積使用時間が長いほどガス検知素子56の劣化により出力電圧が低下することから、当該累積使用時間が長いほど上記出力電圧を増加側に補正する。
よって、上記ガス検知手段63には、上記累積使用時間に起因する変動が抑制された出力電圧が送られてくるため、その出力電圧から正確にメタンや一酸化炭素の有無又は濃度が判定されることになる。
【0074】
更に、上記累積使用時間導出手段66により導出される累積使用時間は、ガス検知素子56の温度履歴を考慮したものとなり、ガス検知素子56の劣化状態を正確に判断しえるものとなる。
従って、この累積使用時間導出手段66により導出された累積使用時間が予め設定しておいた許容値を超えた場合には、使用者に送受信器6の交換やメンテナンスを促すためにLEDを点灯させたりアラームを出力するなどの報知処理を実行するように構成することができる。
【0075】
尚、上述した夫々の実施の形態では、測定対象を、測定流路2、52に存在するガスg及び空気a中のメタンや一酸化炭素としたが、当然、別の測定対象に対しても本願発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る計測装置は、超音波メータ装置やガス検知装置等のように、測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、そのセンサ素子の出力信号に基づいて測定対象の流速や濃度等の状態を検知するように構成された計測装置において、簡素化且つ低廉化が可能で、迅速且つ正確に測定対象の状態を検知することができるものとして有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】超音波式メータ装置の概略構成図
【図2】超音波送受信器6の受信信号の状態を示す図
【図3】超音波送受信器6の累積使用時間に対する設定基準電圧の関係を示すグラフ図
【図4】ガス検知装置の概略構成図
【図5】ガス検知装置の概略構成図
【符号の説明】
【0078】
2,52:測定流路
6:超音波送受信器(センサ素子)
25:基準電圧設定手段(感度補正手段)
27,31,65:温度導出手段
29,66:累積使用時間導出手段
50,51,60:制御装置
56:ガス検知素子(センサ素子)
62:出力補正手段(感度補正手段)
a:空気
g:ガス(測定対象)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の状態に応じた出力信号を出力するセンサ素子を設置し、前記センサ素子の出力信号に基づいて前記測定対象の状態を検知するように構成された計測装置であって、
前記センサ素子の使用時間を累積して累積使用時間を導出する累積使用時間導出手段と、
前記累積使用時間導出手段で導出した前記センサ素子の累積使用時間に基づいて前記センサ素子の感度を補正する感度補正手段とを備えると共に、
前記センサ素子の温度を導出する温度導出手段を備えて、
前記累積使用時間導出手段が、前記センサ素子の使用時間を前記温度導出手段で導出した前記センサ素子の温度に応じて補正した温度補正使用時間を累積して前記累積使用時間を導出するように構成されている計測装置。
【請求項2】
前記累積使用時間導出手段が、前記センサ素子の温度を用いてアレニウス則又は10℃2倍則により算出される温度影響係数を前記センサ素子の使用時間に積算して、前記温度補正使用時間を求める請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
測定流路を流れる流体を前記測定対象とし、
前記測定流路の上流側と下流側とに、相互に超音波を送受信可能な一対の超音波送受信器を前記センサ素子として設置し、
前記一対の超音波送受信器のうちの一方側から送信した超音波を他方側で受信して、前記超音波送受信器の超音波の受信時点を当該超音波送受信器の受信信号と基準電圧との比較により判定し、当該一対の超音波送受信器間の超音波の伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
前記伝播時間計測手段の計測結果に基づいて前記測定流路を流れる流体の流速に関する流速値を導出する流速値演算手段とを備えた超音波式メータ装置として構成されている請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
測定流路に存在する特定成分を測定対象とし、
前記測定流路に、前記特定成分に感応して電気抵抗が変化するガス検知素子を前記センサ素子として配置し、
前記ガス検知素子を加熱するヒータと、
前記ガス検知素子の電気抵抗の変化に応じて変化する出力電圧に基づいて前記特定成分の有無又は濃度を判定するガス検知手段とを備えたガス検知装置として構成されている請求項1又は2に記載の計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−256513(P2008−256513A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−98584(P2007−98584)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】