説明

記憶装置、記憶方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】 特定の条件のときに記憶装置が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができる記憶装置を提供する。
【解決手段】 データ制御部13は、記録要求データ20を受信したとき、許可条件が成立しているか否かを判断部15に問い合わせる。判断部15が、許可条件が成立していると判断すると、記録要求データ20を第1の記憶部11に記憶し、判断部15が、許可条件が成立していないと判断すると、記録要求データ20を第2の記憶部12に記憶する。第2の記憶部12に記憶された記録要求データ20は、許可条件が成立すると、データ制御部13によって第2の記憶部12から読み出され、第1の記憶部11に記憶される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械的な動作音を伴う記憶装置、記憶方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
機械的な動作音などの音の発生を伴う記憶装置、たとえばハードディスク装置は、待機中は情報を記録するディスクを回転させるモータ音、さらに情報の書き込みあるいは読み出し中は記録あるいは再生するためのヘッドを移動させる動作音を発生する。これらの動作音は、就寝中などに発生すると、耳障りな音となり、人に不快感を与えることがある。
【0003】
第1の従来技術として、ハードディスク装置が非動作時に、ハードディスク装置の電源をオフにすることによって、消費電力を少なくしたコンピュータシステムがある。このコンピュータシステムは、非動作時、たとえばユーザから電源オフの指示があったとき、あるいはタイマを用いて一定時間ハードディスク装置が動作しないことを検出したとき、ハードディスク装置の電源をオフにし、さらにハードディスク装置への入出力要求があったとき、ハードディスク装置の電源をオンにして、入出力を行うものである(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
第2の従来技術として、タイマを用いて、付属しているI/O(Input/Output)装置の電源をオフにすることによって、装置の寿命を延長し、電力消費を減らし、さらに騒音の発生を減らしたファクシミリ装置がある。このファクシミリ装置は、タイマによってハードディスク等の記憶装置の電源がオフになっていても、ファクシミリ信号を受信すると、記憶装置の電源を投入して、受信データを記憶するものである(たとえば特許文献2参照)。
【0005】
第3の従来技術として、複数の動作モードを時間帯によって自動的に切り換えることを可能にした電子機器がある。この電子機器は、ユーザが設定した動作モードに応じて、ハードディスク装置にアクセスが行われないことを監視する時間を変えて、ハードディスク装置をオフにすることによって、時間帯によって、省電力を図り、騒音を抑止するものである(たとえば特許文献3参照)。
【0006】
第4の従来技術として、周囲環境に応じて、内蔵のハードディスクドライブから発生するシーク動作時の騒音低減を図ったパーソナルコンピュータがある。このパーソナルコンピュータは、小型マイクロフォンを内蔵し、周囲の騒音レベルが低い状況であることを検出したときに、高速シークモードから低速シークモードに切り換えることによって、騒音の低減を図るものである(たとえば特許文献4参照)。
【0007】
第5の従来技術として、ハードディスクメモリを備えても、通話品質を劣化させることがない携帯電話機がある。この携帯電話機は、受信された音声信号の信号レベルを検出する信号検出器を設け、通話中に信号検出器が検出した信号レベルがしきい値より小さくなったとき、ハードディスクメモリを待機状態、たとえばモータなどを停止させている状態とし、データを半導体メモリなどの補助記憶手段に記憶することによって、騒音の発生を抑止して、通話品質の劣化を防ぐものである(たとえば特許文献5参照)。
【0008】
【特許文献1】特開昭64−59413号公報
【特許文献2】特開平3−101363号公報
【特許文献3】特開2004−185051号公報
【特許文献4】特開平11−126422号公報
【特許文献5】特開2003−69671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第1の従来技術〜第3の従来技術は、ハードディスク装置の電源をオフにすることによって、電力消費を減らし、さらに騒音の発生を減らすものであるが、いずれの従来技術も、情報を書き込むときあるいは読み出すときは、ハードディスク装置の電源をオンにするので、ハードディスク装置の機械的な動作音が発生するという問題がある。
【0010】
第4の従来技術は、高速シークモードから低速シークモードに切り換えることによって、騒音の発生を低減することができるが、騒音の発生を抑止することはできないという問題がある。
【0011】
第5の従来技術は、通話中でかつ受信された音声信号の信号レベルがしきい値より小さきときに、ハードディスクメモリを待機状態にして、データを半導体メモリに記憶するものであり、通話中でかつ受信された音声信号の信号レベルがしきい値より小さくないときは、騒音の発生を抑止することができないという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、特定の条件のときに記憶装置が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができる記憶装置、記憶方法、プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、情報を記憶するための第1の記憶手段であって、動作音の発生を伴う第1の記憶手段と、情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報を第1の記憶手段に記憶させる制御手段とを含む記憶装置において、
情報を記憶するための第2の記憶手段であって、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段をさらに含み、
制御手段は、予め定める条件が成立しているときに受信手段が受信した情報を、第1の記憶手段に記憶させ、予め定める条件が成立していないときに受信手段が受信した情報を、第2の記憶手段に記憶させ、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶手段に情報が記憶されていると、第2の記憶手段から情報を読み出し、読み出した情報を第1の記憶手段に記憶させることを特徴とする記憶装置である。
【0014】
本発明に従えば、記憶装置は、動作音の発生を伴う第1の記憶手段、情報を受信する受信手段、受信した情報を第1の記憶手段に記憶させる制御手段、および動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を含み、制御手段によって、予め定める条件が成立しているときに受信手段が受信した情報が、第1の記憶手段に記憶され、予め定める条件が成立していないときに受信手段が受信した情報が、第2の記憶手段に記憶され、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶手段に情報が記憶されていると、第2の記憶手段から情報が読み出され、読み出された情報が第1の記憶手段に記憶される。
【0015】
このように、予め定める条件が成立していないときは、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段に情報を記憶するので、特定の条件のときに第1の記憶手段が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができる。
【0016】
また本発明は、前記制御手段は、予め定める条件が成立しなくなったとき、第1の記憶手段の動作を停止し、さらに予め定める条件が成立したとき、第1の記憶手段の動作を開始することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、予め定める条件が成立しなくなったときに、動作音の発生を伴う第1の記憶手段の動作を停止し、予め定める条件が成立したときに、動作音の発生を伴う第1の記憶手段の動作を開始するので、予め定める条件が成立していない期間、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができる。
【0018】
また本発明は、時間帯を表す時間帯情報を入力する入力手段と
時刻を表す時刻情報を生成する時刻情報生成手段とをさらに含み、
前記予め定める条件は、時刻情報生成手段が生成した時刻情報が示す時刻が、入力手段によって入力された時間帯情報が示す時間帯に入っていることを条件とすることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、入力手段から入力された時間帯情報に基づいて、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができるので、時間帯情報が示す時間帯に、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができる。
【0020】
また本発明は、第1の記憶手段に情報を記憶してもよいことを表す許可信号をオンオフする切り換え手段をさらに含み、
前記予め定める条件は、切り換え手段が許可信号をオンに切り換えている状態であることを条件とすること特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、第1の記憶手段に情報を記憶してもよいことを表す許可信号を切り換え手段によってオンオフすることによって、第1の記憶手段に情報を記憶するか、第2の記憶手段に情報を記憶するかを選択することができるので、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がない。
【0022】
また本発明は、照度を検出する照度検出手段をさらに含み、
前記予め定める条件は、照度検出手段が検出した照度が予め定めるしきい値より大きいことを条件とすることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、照度検出手段が検出する照度に応じて、第1の記憶手段に情報を記憶するか、第2の記憶手段に情報を記憶するかを選択することができるので、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がない。
【0024】
また本発明は、第1の記憶手段は、情報が記録されるディスクを回転させる駆動源を含み、
前記制御手段は、第1の記憶手段に含まれる駆動源の回転を停止することによって、第1の記憶手段の動作を停止することを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、第1の記憶手段の動作の停止を、第1の記憶手段の駆動源の回転を停止することによって行うので、予め定める条件に応じて、動作音の発生を抑止することができる。
【0026】
また本発明は、第1の記憶手段は、第1の記憶手段に電力を供給する電源を含み、
前記制御手段は、第1の記憶手段に含まれる電源を切断することによって、第1の記憶手段の動作を停止することを特徴とする。
【0027】
本発明に従えば、第1の記憶手段の動作の停止を、第1の記憶手段の電源を切断することによって行うので、予め定める条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができ、かつ電力の消費を低減することができる。
【0028】
また本発明は、第2の記憶手段は、少なくとも予め定める条件が成立していない期間に、前記受信手段が受信するすべて情報の情報量以上の記憶容量を有することを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、第2の記憶手段は、少なくとも予め定める条件が成立していない期間に受信するすべての情報の情報量以上の記憶容量を有するので、受信した情報を記憶することができなくなることはない。
【0030】
また本発明は、第2の記憶手段は、半導体メモリを含むことを特徴とする。
本発明に従えば、第2の記憶手段を半導体メモリで構成しているので、第2の記憶手段を内蔵することができる。
【0031】
また本発明は、情報を記憶するための第3の記憶手段と、
前記制御手段に第3の記憶手段を接続させて情報を送受信する通信手段とをさらに含み、
第2の記憶手段に代えて、通信手段を介して接続された第3の記憶手段を用いることを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、通信手段を介して第3の記憶手段を接続するので、第1の記憶手段が設置された場所と離れた場所に、第3の記憶手段を設置することができる。
【0033】
また本発明は、第2の記憶手段に記憶される情報は、音を表す音情報および画像を表す画像情報のうち少なくともいずれかの情報を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、音を表す音情報および画像を現す画像情報を記憶することができるので、使用目的に応じた記憶装置に適用することができる。
【0035】
また本発明は、情報を受信する受信工程と、受信工程で受信された情報を、情報を記憶するための第1の記憶部であって、動作音の発生を伴う第1の記憶部に記憶する制御工程とを含む記憶方法において、
制御工程では、予め定める条件が成立しているときに受信工程で受信された情報を、第1の記憶部に記憶し、予め定める条件が成立していないときに受信工程で受信された情報を、情報を記憶するための第2の記憶部であって、動作音の発生を伴わない第2の記憶部に記憶させ、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶部に情報が記憶されていると、第2の記憶部から情報を読み出し、読み出した情報を第1の記憶部に記憶することを特徴とする記憶方法である。
【0036】
本発明に従えば、記憶方法は、受信工程で情報を受信し、制御工程で、受信工程で受信された情報を、動作音の発生を伴う第1の記憶部に記憶するにあたって、制御工程では、予め定める条件が成立しているときに受信工程で受信された情報を、第1の記憶部に記憶し、予め定める条件が成立していないときに受信工程で受信された情報を、動作音の発生を伴わない第2の記憶部に記憶させ、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶部に情報が記憶されていると、第2の記憶部から情報を読み出し、読み出した情報を第1の記憶部に記憶する。
【0037】
このように、予め定める条件が成立していないときは、動作音の発生を伴わない第2の記憶部に情報を記憶するので、特定の条件のときに第1の記憶部が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができる。
【0038】
また本発明は、コンピュータに前記各工程を実行させるためのプログラムである。
本発明に従えば、コンピュータに記憶方法の各工程を実行させるプログラムとして提供することができる。
【0039】
また本発明は、前記プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
本発明に従えば、コンピュータに記憶方法の各工程を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として提供することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、特定の条件のときに第1の記憶手段が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができるので、予め定める条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音、たとえば情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動源の機械的な動作音を抑止し、動作音の発生を軽減した状態で情報を第2の記憶手段に記憶することができ、たとえば夜間など静粛性が求められるときにも、動作音をあまり気にすることなく記憶装置を使用することができる。
【0041】
また本発明によれば、予め定める条件が成立していない期間、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができるので、予め定める条件が成立していない期間、第1の記憶手段が発生する音、たとえば情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動源の機械的な動作音のほかに情報を記憶するためのディスクを回転する駆動源の機械的な動作音を抑止することができ、たとえば夜間など静粛性が求められるときにも、動作音を全く気にすることなく記憶装置を使用することができる。すなわち、たとえば夜間は情報を動作音の発生を伴わない第2の記憶手段に静かに記憶し、朝になったら動作音の発生を伴う第1の記憶手段に移すことができる。
【0042】
また本発明によれば、時間帯情報が示す時間帯に、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択するので、特定の時間帯に、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができ、特定の時間帯に静寂が求められる場所に記憶装置を設置することができる。
【0043】
また本発明によれば、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がないので、時間帯情報を入力するための複雑な操作を行うことなく、人が操作することができる切り換え手段によって、随時、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができ、随時静寂を確保することができる。
【0044】
また本発明によれば、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がないので、時間帯情報を入力するための複雑な操作を行うことなく、照度検出手段が検出する照度に応じて、たとえば部屋の明るさに応じて、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができ、部屋が暗いときに静寂を確保することができる。
【0045】
また本発明によれば、予め定める条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音、たとえば駆動源が発生する動作音を抑止することができるので、使用状況に応じて静寂を確保する必要がある場所に記憶装置を設置することができる。
【0046】
また本発明によれば、予め定める条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができ、かつ電力の消費を低減することができるので、使用状況に応じて静寂を確保する必要がある場所に記憶装置を設置することができ、さらに省電力化を図ることができる。
【0047】
また本発明によれば、第2の記憶手段は、少なくとも予め定める条件が成立していない期間に受信するすべての情報の情報量以上の記憶容量を有するので、予め定める条件が成立していない期間に受信した情報は、すべて記憶することができる。
【0048】
また本発明によれば、第2の記憶手段を内蔵することができるので、記憶装置を小型化することができる。
【0049】
また本発明によれば、第3の記憶手段を、第1の記憶手段が設置された場所と離れた場所、たとえば静寂が要求されない場所に設置することができるので、第3の記憶手段として、動作音を発生する記憶手段を用いることができる。
【0050】
また本発明によれば、使用目的に応じた記憶装置に適用することができるので、使用状況に応じて静寂を保つ必要がある場所に記憶装置を設置することができる。
【0051】
また本発明によれば、特定の条件のときに第1の記憶部が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができるので、予め定める条件に応じて、第1の記憶部が発生する音、たとえば情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動源の機械的な動作音を抑止し、その動作音の発生を軽減した状態で情報を第2の記憶部に記憶することができ、たとえば夜間など静粛性が求められるときにも、動作音をあまり気にすることなく記憶装置を使用することができる。
【0052】
また本発明によれば、コンピュータに記憶方法の各工程を実行させるプログラムとして提供することができる。
【0053】
また本発明によれば、コンピュータに記憶方法の各工程を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
図1は、本発明の実施の一形態である記憶装置1の構成を示す図である。記憶装置1は、情報を記憶する装置であり、第1の記憶部11、第2の記憶部12、データ制御部13、入力部14、および判断部15を含む。第1の記憶部11は、たとえばハードディスク装置(以下、ハードディスクという)、あるいはCD(Compact Disk)もしくはDVD(Digital Versatile Disk)の記録再生装置などの音、たとえば機械的な動作音の発生を伴う比較的大容量の動的な記憶装置である。第2の記憶部12は、たとえば半導体メモリ、あるいは着脱可能なメモリカードなどの動作音の発生を伴わない静的な記憶装置である。
【0055】
データ制御部13は、情報を送受信する図示しない通信部を含み、通信部が情報、たとえば記録要求データ20を受信すると、受信した記録要求データ20を、判断部15から通知される情報に基づいて、第1の記憶部11または第2の記憶部12に記憶する。入力部14は、動作音が発生してもよいことを示す許可条件、つまり第1の記憶部11に情報を記憶してもよいことを示す許可条件を表す許可条件情報を入力する入力装置であり、たとえばキーボード、マウス、あるいはタッチパネルなどで構成される。判断部15は、入力部14から入力された許可条件情報が示す許可条件が成立しているか否かを判断した判断結果、許可条件が成立している状態から許可条件が成立していない状態へ変化したこと、あるいは許可条件が成立していない状態から許可条件が成立している状態へ変化したことをデータ制御部13に通知する。
【0056】
データ制御部13は、記録要求データ20を受信したとき、許可条件が成立しているか否かを判断部15に問い合わせる。判断部15は、許可条件が成立しているか否かの判断結果をデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、判断部15の判断結果が、許可条件が成立していることを示していると、記録要求データ20を第1の記憶部11に記憶し、判断部15の判断結果が、許可条件が成立していないことを示していると、記録要求データ20を第2の記憶部12に記憶する。
【0057】
第2の記憶部12に記憶された記録要求データ20は、判断部15が、許可条件が成立していない状態から許可条件が成立している状態へ変化したと判断すると、データ制御部13によって第2の記憶部12から読み出され、第1の記憶部11に記憶される。第2の記憶部12に記憶されていた記録要求データ20は、消去される。
【0058】
さらにデータ制御部13は、許可条件が成立しなくなったとき、すなわち判断部15から、許可条件が成立している状態から許可条件が成立していない状態へ変化したことを通知されたとき、第1の記憶部11に動作の停止を指示してもよい。許可条件が成立したとき、すなわち判断部15から、許可条件が成立していない状態から許可条件が成立している状態へ変化したことを通知されたとき、第1の記憶部11に動作の開始を指示する。第1の記憶部11の動作の停止は、たとえば第1の記憶部11の電源オフ、あるいは情報を記憶するディスクを回転させる駆動源、たとえばモータの動作を停止することによって行われる。
【0059】
第2の記憶部12の記憶容量は、少なくとも許可条件が成立していない期間に、データ制御部13に含まれる通信部が受信するすべての情報の情報量以上の記憶容量を有する。たとえば許可条件が、6時から21時であると、21時から翌朝の6時までの9時間の間に受信する可能性のあるすべての情報の情報量以上の記憶容量とする。
【0060】
さらに、第2の記憶部12の記憶容量は、第1の記憶部11の記憶容量より少ない記憶容量、たとえばデータ制御部13に含まれる通信部によって受信される情報を記憶するために第1の記憶部11に割り当てられている記憶領域の記憶容量以下の記憶容量としてもよい。
【0061】
第1の記憶手段は、たとえば第1の記憶部11であり、第2の記憶手段は、たとえば第2の記憶部12であり、受信手段は、たとえばデータ制御部13に含まれる通信部であり、制御手段は、たとえばデータ制御部13および判断部15であり、入力手段は、たとえば入力部14である。
【0062】
このように、予め定める条件である許可条件が成立していないときは、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段である第2の記憶部12に情報を記憶するので、特定の条件のときに第1の記憶手段が発生する音を軽減し、音の発生を軽減した状態でも情報を記憶することができる。したがって、予め定める条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音、たとえば情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動源の機械的な動作音を抑止し、動作音の発生を軽減した状態で情報を第2の記憶手段に記憶することができ、たとえば夜間など静粛性が求められるときにも、動作音をあまり気にすることなく記憶装置を使用することができる。
【0063】
さらに、予め定める条件が成立したときに、第2の記憶手段である第2の記憶部12に情報が記憶されていると、その情報を第1の記憶手段である第1の記憶部11に転送するので、予め定める条件が成立したとき、予め定める条件が成立していない期間に第2の記憶手段に記憶した情報を第1の記憶手段に移すことができる。
【0064】
さらにまた、予め定める条件である許可条件が成立しなくなったときに、動作音の発生を伴う第1の記憶手段である第1の記憶部11の動作を停止し、予め定める条件が成立したときに、動作音の発生を伴う第1の記憶手段の動作を開始するので、予め定める条件が成立していない期間、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができる。したがって、予め定める条件が成立していない期間、第1の記憶手段が発生する音、たとえば情報を記録再生するためのヘッドを駆動する駆動源の機械的な動作音のほかに情報を記憶するためのディスクを回転する駆動源の機械的な動作音を抑止することができ、たとえば夜間など静粛性が求められるときにも、動作音を全く気にすることなく記憶装置を使用することができる。すなわち、たとえば夜間は情報を動作音の発生を伴わない第2の記憶手段に静かに記憶し、朝になったら動作音の発生を伴う第1の記憶手段に移すことができる。
【0065】
さらに、第2の記憶手段である第2の記憶部12は、少なくとも予め定める条件である許可条件が成立していない期間に受信するすべての情報の情報量以上の記憶容量を有するので、受信した情報を記憶することができなくなることはない。したがって、予め定める条件が成立していない期間に受信した情報は、すべて記憶することができる。
【0066】
さらに、第2の記憶手段である第2の記憶部12が、たとえばデータ制御部13に含まれる通信部、つまり受信手段によって受信される情報を記憶するために第1の記憶手段である第1の記憶部11に割り当てられている記憶領域の記憶容量以下の記憶容量であると、第2の記憶手段の記憶領域のうち、少なくとも第2の記憶手段に記憶されている情報を第1の記憶手段に複製することができなくなる最大の情報量を超える情報を記憶する記憶領域を削減することができる。したがって、第2の記憶手段の記憶容量を削減することができる。
【0067】
図2は、図1に示した記憶装置1の実施例を示す図である。図2に示した電話機1aは、留守番録音機能を有する電話機であり、図1に示した記憶装置1の第1の記憶部11、第2の記憶部12、入力部14、および判断部15として、それぞれハードディスク11a、半導体メモリ12a、キーボード14a、および時計・タイマ部15aが用いられて構成されている。
【0068】
キーボード14aは、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する。時計・タイマ部15aは、時刻を表す時刻情報を生成する時刻情報生成手段、たとえば時刻を示す図示しないタイマ、およびキーボード14aから入力された時間帯情報を記憶する図示しない時間帯記憶部を含む。時計・タイマ部15aは、タイマが示す時刻が、時間帯記憶部に記憶された時間帯情報が示す時間帯にあるか否かを判断し、判断結果をデータ制御部13に通知する。さらに時計・タイマ部15aは、時刻が、時間帯記憶部に記憶された時間帯情報が示す時間帯になったとき、およびその時間帯でなくなったとき、その旨をデータ制御部13に通知する。
【0069】
たとえばキーボード14aから、6時から21時までの時間帯を表す時間帯情報が入力された場合、キーボード14aは、入力された時間帯情報を時計・タイマ部15aに送る。時計・タイマ部15aは、キーボード14aから送られた時間帯情報を時間帯記憶部に記憶する。
【0070】
データ制御部13は、記録要求データ20である留守録データ20aを受信すると、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯にあるか否かを、時計・タイマ部15aに問い合わせる。時計・タイマ部15aは、タイマが示す時刻が、時間帯記憶部に記憶している時間帯情報が示す時間帯にあるか否かを判断し、判断結果をデータ制御部13に通知する。たとえばデータ制御部13が時計・タイマ部12aに問い合わせたときのタイマが示す時刻が15時であると、その時の時刻つまり現在時刻は、時間帯情報が示す時間帯、つまり6時から21時の時間帯にあるので、現在時刻がハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯にある旨をデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、受信した留守録データ20aをハードディスク11aに記憶する。
【0071】
あるいはタイマが示す時刻が3時であると、現在時刻は、時間帯情報が示す時間帯、つまり6時から21時の時間帯にないので、現在時刻がハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯にない旨をデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、現在時刻がハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯にないので、受信した留守録データ20aを半導体メモリ12aに記憶する。
【0072】
時計・タイマ部15aは、タイマが示す時刻が、時間帯情報が示す時間帯でなくなったとき、つまり21時になったとき、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯でなくなったことを、データ制御部13に通知する。データ制御部13は、時計・タイマ部15aから、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯でなくなったことを通知されたとき、ハードディスク11aの動作を停止してもよい。ハードディスク11aの動作の停止は、たとえばハードディスク11aの電源オフ、あるいは情報が記録されるディスクを回転させる駆動源、たとえばモータの回転を停止することによって行う。
【0073】
さらに時計・タイマ部15aは、タイマが示す時刻が、時間帯情報が示す時間帯になったとき、つまり6時になったとき、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯になったことを、データ制御部13に通知する。データ制御部13は、時計・タイマ部15aから、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯になったことを通知されると、21時にハードディスク11aの動作を停止したときは、ハードディスク11aの動作を開始する。その時に半導体メモリ12aに留守録データ20aが記憶されていると、その留守録データ20aを半導体メモリ12aから読み出して、ハードディスク11aに記憶する。この例では、3時に受信した留守録データ20aが半導体メモリ12aに記憶されているので、データ制御部13は、半導体メモリ12aからその留守録データ20aを読み出して、ハードディスク11aに記憶する。データ制御部13は、半導体メモリ12aに記憶されていた留守録データ20aを消去して、情報を記憶することができるメモリエリアを空ける。
【0074】
図3は、図2に示した電話機1aの動作およびメモリの状態を時系列に示した図である。横軸が時間の経過を示しており、上段に時刻を示している。下段に、メモリ使用の様子、つまりハードディスク11aおよび半導体ディスク12aのメモリ内に記憶されているデータを、各時刻、たとえば左から21時00分、3時00分、6時00分、および15時00分の時刻に対応させて示している。
【0075】
データ制御部13は、21時00分に、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯ではなくなるので、ハードディスク11aに動作の停止を指示する。ハードディスク11aの動作の停止は、情報を記録するディスクの回転を駆動する駆動源、たとえばモータの回転を停止することによって行う。ハードディスク11aのモータが回転していれば、停止するので、動作音は発生しなくなる。この時、ハードディスク11aは、21時00分以前に受信した1件の留守録データを記憶しており、半導体メモリ12aは、データを何も記憶しておらず、空きエリアである。
【0076】
電話機1aは、3時00分に着信を受け、留守番録音機能を働かせて音声を録音する。データ制御部13は、この録音、つまり留守録データを半導体メモリ12aに記憶する。ハードディスク11aは動作しないので、動作音は発生しない。この時、ハードディスク11aは、21時00分以前に受信した1件の留守録データを記憶しており、半導体メモリ12aは、新たに受信した1件の留守録データを記憶する。
【0077】
データ制御部13は、6時00分に、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯になるので、ハードディスク11aに動作の開始を指示する。ハードディスク11aは、モータの回転を開始する。データ制御部13は、半導体メモリ12aに留守録データがあれば、ハードディスク11aに転送する。この例では、半導体メモリ12aには、3時00分に受信した1件の留守録データが記憶されているので、データ制御部13は、その留守録データを半導体メモリ12aから読み出し、ハードディスク11aに記憶し、半導体メモリ12aに記憶されていた留守録データを消去する。ハードディスク11aは、21時00分以前に受信した留守録データと新たに記憶した留守録データとの2件の留守録データを記憶しており、半導体メモリ12aは、3時00分に受信した留守録データが消去されたので、データを何も記憶していない状態であり、空きエリアである。
【0078】
電話機1aは、15時00分に、新たな着信を受け、留守番録音機能を働かせて音声を録音する。データ制御部13は、この録音、つまり留守録データをハードディスク11aに記憶する。ハードディスク11aが動作するので、動作音が発生する。この時、ハードディスク11aは、21時00分以前に受信した留守録データ、3時00分に受信した留守録データ、および15時00分に新たに受信した留守録データの3件の留守録データを記憶しており、半導体メモリ12aは、空きエリアのままである。
【0079】
データ制御部13は、21時00分に、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯ではなくなるので、再びハードディスク11aに動作の停止を指示する。ハードディスク11aのモータが回転していれば、停止するので、動作音は、発生しなくなる。
【0080】
このように、入力手段であるキーボード14aから入力された時間帯情報に基づいて、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段である第2の記憶部12を選択することができるので、時間帯情報が示す時間帯に、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができる。したがって、特定の時間帯に、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができ、特定の時間帯に静寂が求められる場所に記憶装置を設置することができる。
【0081】
さらに、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯でなくなると、ハードディスク11aのモータを停止し、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯になると、ハードディスク11aの動作を開始するので、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯でない期間、モータの回転音の発生を抑止することができる。すなわち第1の記憶手段であるハードディスク11aの動作の停止を、第1の記憶手段の駆動源、たとえばモータの回転を停止することによって行うので、予め定める条件である許可条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音、たとえば駆動源が発生する動作音を抑止することができる。したがって、使用状況に応じて静寂を確保する必要がある場所に記憶装置1を設置することができる。
【0082】
さらにまた、第2の記憶手段である第2の記憶部12を半導体メモリ12aで構成しているので、第2の記憶手段を内蔵することができる。したがって、記憶装置を小型化することができる。
【0083】
上述した実施の形態では、ハードディスク11aの動作の停止を、ハードディスク11aのモータの回転を停止することによって行ったが、ハードディスク11aに電力を供給する電源を切断することによって行ってもよい。具体的には、データ制御部13は、時刻21時00分に、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯ではなくなるので、ハードディスク11aの電源を切断し、時刻6時00分に、ハードディスク11aに情報を記憶してもよい時間帯になるので、ハードディスク11aの電源を投入する。
【0084】
このように、第1の記憶手段であるハードディスク11aの動作の停止を、第1の記憶手段の電源を切断することによって行うので、予め定める条件である許可条件に応じて、第1の記憶手段が発生する音を抑止することができ、かつ電力の消費を低減することができる。したがって、使用状況に応じて静寂を確保する必要がある場所に記憶装置1を設置することができ、さらに省電力化を図ることができる。
【0085】
図4は、本発明の実施の他の形態である記憶方法による処理手順を示すフローチャートである。図1に示した記憶装置1は、たとえばCPU(Central Processing Unit)およびメモリを含むコンピュータを用いて構成してもよく、コンピュータに含まれるメモリに記憶されたプログラムによって、この処理手順が実行される。このプログラムは、データ制御部13および判断部15に含まれる機能をコンピュータに実現させる。記憶装置1の電源が投入され、記憶装置1の初期設定が完了すると、ステップS1に移る。
【0086】
ステップS1では、判断部15は、入力部14から入力された時刻情報に基づいて、判断部15に含まれるタイマの現在時刻を設定し、入力部14から入力された第1の記憶部動作可能時間を表す時間帯情報、つまり第1の記憶部11aに情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を、判断部15に含まれる時間帯記憶部に記憶する。
【0087】
ステップS2では、判断部15は、タイマが示す時刻が、時間帯記憶部に記憶した時間帯情報が示す時間帯の時間であるか否か、つまり第1の記憶部動作可能時間であるか否かを判断する。タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間であるとき、ステップS3に進み、タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間でないとき、ステップS6に進む。ステップS3では、データ制御部13は、記録要求データが発生したか否か、つまりデータ制御部13に含まれる通信部が、情報、たとえば記録要求データを受信したか否かを判断する。記録要求データを受信したとき、ステップS4に進み、記録要求データを受信していないとき、ステップS2に戻る。
【0088】
ステップS4では、データ制御部13は、現在時刻が第1の記憶部動作可能時間であるか否かを判断部15に問い合わせる。判断部15は、タイマが示す時刻が、時間帯記憶部に記憶された時間帯情報が示す第1の記憶部動作可能時間であるか否かを判断して、判断結果をデータ制御部13に通知する。タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間であるとき、ステップS5に進み、タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間でないとき、ステップS8に進む。ステップS5では、データ制御部13は、受信した記録要求データを第1の記憶部11に記憶して、ステップS2に戻る。
【0089】
ステップS6では、判断部15は、タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間へ変化したか否か、すなわちタイマが示す時刻が第1の記憶部11に記憶された時間帯情報が示す時間帯でない時間帯からその時間帯情報が示す時間帯へ変化したか否かを判断する。タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間へ変化したとき、ステップS7に進み、第1の記憶部動作可能時間へ変化していないとき、ステップS3に進む。
【0090】
ステップS7では、判断部15は、タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間へ変化したことをデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、判断部15からタイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間へ変化したことを通知されたとき、第2の記憶部12に記録要求データが記憶されていると、第2の記憶部12から第1の記憶部11に記録要求データを転送して、ステップS3に進む。すなわち、第2の記憶部12に記録要求データが記憶されていると、その記録要求データを第2の記憶部12から読み出し、第1の記憶部11に記憶し、第2の記憶部12に記憶されていた記録要求データを消去して、ステップS3に進む。
【0091】
ステップS8では、データ制御部13は、受信した記録要求データを第2の記憶部12に記憶して、ステップS2に戻る。
【0092】
上述したフローチャートでは、第1の記憶部11の動作の停止と開始とを行っていないが、ステップS2とステップS3の間で、判断部15が、タイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間でない時間へ変化したか否かを判断し、データ制御部13は、判断部15からタイマが示す時刻が第1の記憶部動作可能時間ではない時間へ変化したことを通知されたときに、第1の記憶部11の動作を停止し、さらにステップS7で、第1の記憶部11の動作を開始してもよい。
【0093】
このように、本発明によれば、コンピュータに上述した記憶方法の各手順、つまり各工程を実行させるプログラムとして提供することができる。
【0094】
図5は、本発明の実施のさらに他の形態である電話機1bの構成を示す図である。電話機1bは、図2に示した電話機1aの半導体メモリ12aを、ネットワークなどの通信回線16を介して接続された第3の記憶手段であるハードディスク17に置き換えたものであり、ハードディスク17は、動作音を発生する記憶装置であり、ハードディスク17を除く電話機1bとは、たとえばハードディスク17が発生する音の聞こえない離れた場所に設置される。ハードディスク17は、動作音を発生する記憶装置であるが、離れた場所に設置されるので、動作音を発生しない半導体メモリ12aの代わりに用いることができる。第3の記憶手段は、ハードディスク17に限定されるものではなく、たとえばNAS(Network Attached Storage)などの記憶装置であてもよい。通信回線16は、LAN(Local Area Network)などのネットワークであり、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよく、通信の形態は問わない。
【0095】
このように、通信手段である通信回線16を介して第3の記憶手段であるハードディスク17をデータ制御部13に接続するので、第1の記憶手段である第1の記憶部11が設置された場所と離れた場所に、第3の記憶手段を設置することができる。したがって、第3の記憶手段を、第1の記憶手段が設置された場所と離れた場所、たとえば静寂が要求されない場所に設置することができるので、第3の記憶手段として、動作音を発生する記憶手段を用いることができる。
【0096】
上述した実施の形態では、入力部14から入力された時間帯情報、つまり第1の記憶部11に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報に基づいて、第1の記憶部11に情報を記憶するか、第2の記憶部12に情報を記憶するかを判断したが、人が操作することができるスイッチなどの切り換え手段を設けて、その切り換え手段によって、第1の記憶部11に情報を記憶するか、第2の記憶部12に情報を記憶するかを判断してもよい。
【0097】
具体的には、切り換え手段によって、判断部15に入力される許可信号をオンオフする。判断部15は、入力された許可信号がオンであるかオフであるかを示す許可情報および許可信号が変化したことを示す変化情報をデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、データ制御部13に含まれる通信部が情報、たとえば記録要求データを受信したとき、判断部15から通知された許可情報がオンを示していると、受信した記録要求データを第1の記憶部11に記憶し、許可情報がオフを示していると、受信した記録要求データを第2の記憶部12に記憶する。データ制御部13は、判断部15から許可信号がオンからオフへ変化したことを示す変化情報を通知されると、第1の記憶部11の動作を停止し、さらに判断部15から許可信号がオフからオンへ変化したことを示す変化情報を通知されると、第1の記憶部11の動作を開始し、かつ第2の記憶部12に記録要求データが記憶されていると、第2の記憶部12に記憶されている記録要求データを読み出し、読み出した記録要求データを第1の記憶部11に記憶し、第2の記憶部に記憶されていた記録要求データを消去する。
【0098】
このように、第1の記憶手段である第1の記憶部11に情報を記憶してもよいことを表す許可信号を、切り換え手段であるスイッチによってオンオフすることによって、第1の記憶手段に情報を記憶するか、第2の記憶手段である第2の記憶部12に情報を記憶するかを選択することができるので、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がない。したがって、たとえば時間帯情報を入力するための複雑な操作を行うことなく、人が操作することができるスイッチなどの切り換え手段によって、随時、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができ、随時静寂を確保することができる。
【0099】
あるいは、スイッチなどの切り換え手段に代えて、記憶装置1が設置された場所の照度を検出する照度検出手段である照度センサを用いてもよいし、併用してもよい。
【0100】
具体的には、判断部15は、照度センサが検出した照度が予め定められたしきい値より大きいか否かを判断し、判断結果をデータ制御部13に通知する。データ制御部13は、データ制御部13に含まれる通信部が、情報、たとえば記録要求データを受信したとき、判断部15から通知された判断結果が、照度がしきい値より大きいことを示していると、受信した記録要求データを第1の記憶部11に記憶し、照度がしきい値より大きくないことを示していると、受信した記録要求データを第2の記憶部12に記憶する。データ制御部13は、判断部15から照度がしきい値より大きくなくなったことを通知されると、第1の記憶部11の動作を停止し、さらに判断部15から照度がしきい値より大きくなったことを通知されると、第1の記憶部11の動作を開始し、かつ第2の記憶部12に記録要求データが記憶されていると、第2の記憶部12に記憶されている記録要求データを読み出し、読み出した記録要求データを第1の記憶部11に記憶し、第2の記憶部に記憶されていた記録要求データを消去する。
【0101】
このように、照度検出手段である照度センサが検出する照度に応じて、第1の記憶手段である第1の記憶部11に情報を記憶するか、第2の記憶手段である第2の記憶部12に情報を記憶するかを選択することができるので、たとえば第1の記憶手段に情報を記憶してもよい時間帯を表す時間帯情報を入力する必要がない。したがって、たとえば時間帯情報を入力するための複雑な操作を行うことなく、照度検出手段が検出する照度に応じて、たとえば部屋の明るさに応じて、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段を選択することができ、部屋が暗いときに静寂を確保することができる。
【0102】
上述した実施の形態では、第1の記憶部11の動作が許可されていないとき、電話機1aへの留守録データを第2の記憶部12に記憶したが、第2の記憶部12に記憶される情報は、留守録データなどの音を表す音情報に限られるものではない。たとえば記憶装置1がファクシミリ装置あるいはMFP(Multi Function Peripheral)であれば、ファクシミリのデータなどの画像を表す画像情報を記憶してもよいし、記憶装置1がパーソナルコンピュータであれば、電子メールおよび電子メールに添付される情報などの電子メール情報を記憶してもよく、あるいは録画装置の録画データもしくはVOD(Video On
Demand)などの配信データなど音と画像とを含む情報であってもよく、記憶装置1の実施形態に応じた種類の情報を記憶することができる。
【0103】
このように、留守録データなどの音を表す音情報および画像を現す画像情報を記憶することができるので、使用目的に応じた記憶装置に適用することができる。したがって、使用状況に応じて静寂を保つ必要がある場所に記憶装置を設置することができる。
【0104】
上述した実施の形態では、プログラムをコンピュータに含まれるメモリに記憶したが、プログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記憶されていればよく、記録媒体としては、外部記憶装置としてプログラム読取装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することによって読取り可能となるような記録媒体であってもよい。
【0105】
記録媒体に格納されているプログラムは、CPUがアクセスして実行可能な構成であればよい。あるいはプログラムを読み出し、読み出したプログラムを図示されていないプログラム記録エリアにダウンロードして、プログラムを実行する構成であればよい。このダウンロード用のプログラムは、予めCPU内のROM(Read Only Memory)などに格納しておく。
【0106】
記録媒体が記憶装置1と分離可能に構成される場合、記録媒体は、磁気テープ/カセットテープなどのテープ系、フレキシブルディスク/ハードディスクなどの磁気ディスクもしくはCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)/MO(Magneto Optical
Disk)/MD(Mini Disk)/DVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクのディスク系、メモリカードを含むIC(Integrated Circuit)カード/光カードなどのカード系、あるいはマスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)/フラッシュROMなどによる半導体メモリ系の記録媒体を含め、固定的にプログラムを担持する記録媒体であればよい。
【0107】
このように、本発明によれば、コンピュータに上述した記憶方法の各工程を実行させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の一形態である記憶装置1の構成を示す図である。
【図2】図1に示した記憶装置1の実施例を示す図である。
【図3】図2に示した電話機1aの動作およびメモリの状態を時系列に示した図である。
【図4】本発明の実施の他の形態である記憶方法による処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態である電話機1bの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
1 記憶装置
1a,1b 電話機
11 第1の記憶部
11a,17 ハードディスク
12 第2の記憶部
12a 半導体メモリ
13 データ制御部
14 入力部
14a キーボード
15 判断部
15a 時計・タイマ部
16 通信回線
20,20a 記録要求データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するための第1の記憶手段であって、動作音の発生を伴う第1の記憶手段と、情報を受信する受信手段と、受信手段が受信した情報を第1の記憶手段に記憶させる制御手段とを含む記憶装置において、
情報を記憶するための第2の記憶手段であって、動作音の発生を伴わない第2の記憶手段をさらに含み、
制御手段は、予め定める条件が成立しているときに受信手段が受信した情報を、第1の記憶手段に記憶させ、予め定める条件が成立していないときに受信手段が受信した情報を、第2の記憶手段に記憶させ、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶手段に情報が記憶されていると、第2の記憶手段から情報を読み出し、読み出した情報を第1の記憶手段に記憶させることを特徴とする記憶装置。
【請求項2】
前記制御手段は、予め定める条件が成立しなくなったとき、第1の記憶手段の動作を停止し、さらに予め定める条件が成立したとき、第1の記憶手段の動作を開始することを特徴とする請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
時間帯を表す時間帯情報を入力する入力手段と
時刻を表す時刻情報を生成する時刻情報生成手段とをさらに含み、
前記予め定める条件は、時刻情報生成手段が生成した時刻情報が示す時刻が、入力手段によって入力された時間帯情報が示す時間帯に入っていることを条件とすることを特徴とする請求項1または2に記載の記憶装置。
【請求項4】
第1の記憶手段に情報を記憶してもよいことを表す許可信号をオンオフする切り換え手段をさらに含み、
前記予め定める条件は、切り換え手段が許可信号をオンに切り換えている状態であることを条件とすること特徴とする請求項1または2に記載の記憶装置。
【請求項5】
照度を検出する照度検出手段をさらに含み、
前記予め定める条件は、照度検出手段が検出した照度が予め定めるしきい値より大きいことを条件とすることを特徴とする請求項1または2に記載の記憶装置。
【請求項6】
第1の記憶手段は、情報が記録されるディスクを回転させる駆動源を含み、
前記制御手段は、第1の記憶手段に含まれる駆動源の回転を停止することによって、第1の記憶手段の動作を停止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項7】
第1の記憶手段は、第1の記憶手段に電力を供給する電源を含み、
前記制御手段は、第1の記憶手段に含まれる電源を切断することによって、第1の記憶手段の動作を停止することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項8】
第2の記憶手段は、少なくとも予め定める条件が成立していない期間に、前記受信手段が受信するすべて情報の情報量以上の記憶容量を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項9】
第2の記憶手段は、半導体メモリを含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項10】
情報を記憶するための第3の記憶手段と、
前記制御手段に第3の記憶手段を接続させて情報を送受信する通信手段とをさらに含み、
第2の記憶手段に代えて、通信手段を介して接続された第3の記憶手段を用いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項11】
第2の記憶手段に記憶される情報は、音を表す音情報および画像を表す画像情報のうち少なくともいずれかの情報を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の記憶装置。
【請求項12】
情報を受信する受信工程と、受信工程で受信された情報を、情報を記憶するための第1の記憶部であって、動作音の発生を伴う第1の記憶部に記憶する制御工程とを含む記憶方法において、
制御工程では、予め定める条件が成立しているときに受信工程で受信された情報を、第1の記憶部に記憶し、予め定める条件が成立していないときに受信工程で受信された情報を、情報を記憶するための第2の記憶部であって、動作音の発生を伴わない第2の記憶部に記憶させ、さらに予め定める条件が成立したとき、第2の記憶部に情報が記憶されていると、第2の記憶部から情報を読み出し、読み出した情報を第1の記憶部に記憶することを特徴とする記憶方法。
【請求項13】
コンピュータに請求項12に記載の各工程を実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−331315(P2006−331315A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157671(P2005−157671)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】