説明

記録再生装置

【課題】キャッシュデータを管理するキャッシュ管理情報を記録再生装置内の揮発性メモリに格納した場合、装置の電源オフ時にキャッシュ管理情報が削除される。装置に搭載された記録媒体に効率よくキャッシュ管理情報のバックアップを取る方法が望まれる。
【解決手段】キャッシュ管理情報は記録再生装置の内蔵メモリ(例えばSRAM)に記録される。記録再生装置のストレージ制御部は、例えばキャッシュ管理情報の更新を検知した場合に、キャッシュ管理情報を例えばHDDに書き込んでバックアップを取る。また、例えば記録再生装置の電源オンを検知した場合には、例えばHDDにバックアップしておいたキャッシュ情報を読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブに代表される情報記録媒体を搭載した記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
当技術分野の背景技術として、例えば非特許文献1がある。
非特許文献1には、記録媒体に記録されたデータを、その記録媒体よりも高速転送が可能であるキャッシュメモリに記録しておき、キャッシュメモリからデータを読み出すことでデータの高速読み出しを実現する技術(キャッシュ制御システム)が記載されている。データがキャッシュメモリに記録済みかどうかの判定には、テーブル(以下、「キャッシュ管理情報」とする)を用いており、ダイレクトマップ方式、あるいはアソシアティブ方式を活用することで判定処理の高速化を図っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】David A.Patterson / John L.Hennessy 「コンピュータの構成と設計 下」 日経BP社 1996年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キャッシュ制御システムを導入する場合、上位装置から記録媒体にアクセスがある度に、アクセス対象のデータがキャッシュメモリに記録されているかどうかを、キャッシュ管理情報を参照して判定する必要がある(以下、判定の結果が有りの場合を「キャッシュヒット」、無しの場合を「キャッシュミス」とする)。そして、キャッシュミスした場合、キャッシュメモリからではなく、本来読み出すべき記録媒体からデータを読み出すこととなるため、キャッシュの判定処理だけではなく、キャッシュ管理情報の参照時間もオーバーヘッドとして処理時間の増大につながる。ゆえに、キャッシュミスによるオーバーヘッドを低減するためには、キャッシュ管理情報の読み出しを高速に実施する必要がある。そこで、キャッシュ管理情報をデータの読み出し速度が高速であるSRAM(Static Random Access Memory)に記録する方法が考えられる。ただし、一般的に記録再生装置などで用いられるSRAMは揮発性メモリであり、電源の供給が無くなるとSRAMに記録したデータも全て消去される。よって、SRAMに記録したキャッシュ管理情報も消去されてしまうといった課題があげられる。
【0005】
本発明の目的は、前述した課題を鑑みてなされたものであり、SRAMをはじめとする高速読み出し可能な揮発性メモリに記録したキャッシュ管理情報のバックアップを効率良く取る記録再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明は記録媒体に対してデータを書込み、また前記記録媒体からデータを読出す記録再生装置であって、
データを格納する第1の記録媒体と、データを格納し前記第1の記録媒体よりもデータに対するアクセス速度が高速な第2の記録媒体と、前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体に対するデータの書込み及び読出しを制御し前記第2の記録媒体よりもデータに対するアクセス速度が高速なメモリを有するストレージ制御部と、前記記録再生装置の外部に設けられ前記記録再生装置に動作を指示する上位装置と前記ストレージ制御部とを仲介してデータ通信を行う外部インタフェース部を有し、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記第1の記録媒体に書込まれたデータを前記第2の記録媒体にキャッシュするよう前記第1及び第2の記録媒体を制御する際に、前記データの前記第1の記録媒体における書込みアドレスと前記第2の記録媒体における書込みアドレスを対応づけたキャッシュ管理情報を生成して前記メモリと前記第2の記録媒体に格納し、前記上位装置から第1の記録媒体に書込まれたデータを読取るよう指示された場合には、前記メモリに格納された前記キャッシュ管理情報を参照し、前記上位装置が読取るよう指示したデータが既に前記第2の記録媒体にキャッシュされている場合には、前記第2の記録媒体にキャッシュされたデータを読出して前記外部インタフェース部を介して前記上位装置に転送するよう制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キャッシュ管理情報のバックアップを効率良く取る記録再生装置が実現でき、記録再生装置の基本性能の改善に寄与できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例に係る記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係るストレージ制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るキャッシュ管理情報を示す図である。
【図4】本発明の実施例に係る更新管理情報の状態遷移図である。
【図5】本発明の実施例に係る更新管理情報を示す図である。
【図6】実施例1におけるキャッシュ機能のフローチャートである。
【図7】実施例1におけるキャッシュ管理情報のバックアップ動作のフローチャートである。
【図8】本発明の実施例に係るHDDの記録領域のデータ構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例に係る記録再生装置1の全体構成を示すブロック図である。まず、図1を用いて記録再生装置1の構成を説明する。
記録再生装置1は、HOST PC2に接続され、HOST PC2による制御に基づき情報の読み書きを行う記録再生装置である。記録再生装置1は、CPU(Central Processing Unit)100、メモリ101、ストレージ制御部102、外部I/F部103が内部バス106を介して互いに接続されている。ストレージ制御部102にはODD(Optical Disc Drive)104、HDD(Hard Disk Drive)が接続されている。本実施例では、ODD104と比較して、HDD105はデータの高速アクセスが可能なデバイスとして扱う。記録再生装置1は外部I/F部103を介してHOST PC2と接続されている。なお、CPU100は記録再生装置1の全体動作の動作制御を行い、メモリ101は、CPU100のプログラム領域や一時作業領域として使用される。
【0011】
ストレージ制御部102は、記録再生装置1に含まれる記憶媒体の制御と外部I/F部103からの読み書き要求に対する応答を行う。ストレージ制御部102の構成について図2を用いて説明する。
図2は、本発明の実施例に係るストレージ制御部102の構成を示すブロック図である。デバイスポート制御部201はデバイスポート(以下、「DP」とする)204と205を制御し、どのポートに対してアクセス要求を出すかを制御している。例えば、シリアルATA(Advanced Technology Attachment)の規格にあるポートマルチプライヤ機能を用いても良い。図2では、デバイスが2つ接続できるようにDP204とDP205をもつ。DP204にはODD104が接続され、DP205にはHDD105が接続されている。
【0012】
キャッシュ制御部202は、DP制御部201と連携してODD104のデータをHDD105に複製する機能と、HOST PC2からのアクセス要求に対して、データの複製状況に応じて、ODD104とHDD105のどちらの記録媒体にアクセスするのかを制御する。ODD104のデータをHDD105に複製した情報は、キャッシュ管理情報203で管理される。キャッシュ管理情報203はキャッシュ制御部202に搭載する内蔵メモリ(キャッシュメモリ)208に記録される。キャッシュ制御部202が、キャッシュ管理情報203に対してHDD105に複製されたデータがODD104のどのデータに相当するのかを特定可能な情報を記録、又は更新する。特定可能な情報としては、例えばODD104の論理アドレスに対するHDD105の論理アドレスなどがある。キャッシュ管理情報203の具体例を図3の203に示す。
【0013】
図3は、本発明の実施例に係るキャッシュ管理情報203を示す図である。図3では、ODDの論理アドレスと、そのODDのデータを記録しているHDDの論理アドレスを対に記録している。また、キャッシュメモリには限りがあることから、使用中キャッシュメモリサイズが上限に来た場合、新しいデータをキャッシュするためには、古いデータを削除する必要がある。キャッシュメモリに記録されたデータを削除する優先順位を決めるための情報もキャッシュ管理情報は保持していても良い。例えば、図3ではキャッシュデータを読み出した最近の日を記録している。この日付が古い順から削除することで、最近使用されていないキャッシュデータから削除することとなり、キャッシュメモリ領域を効率的に活用できる。
【0014】
ODD104のデータをHDD105に複製する動作について説明する。ODD104のデータに対してHOST PC2からアクセスがあった場合に、ストレージ制御部102はキャッシュ管理情報203を読み出して、HOST PC2が要求するODD104のデータがHDD105にキャッシュ済みかどうかを判定する。キャッシュされていなかった場合、ストレージ制御部102は、ODD104から該当するデータを読み出して、HOST PC2に転送する。また、読み出したデータをHDD105に対しても転送し、HDD105にODD104のデータを複製する。キャッシュ制御部202は、ODD104のデータをHDD105に複製した際に、キャッシュ管理情報203を更新する。キャッシュ管理情報203が存在しない場合は新規に作成する。ODD104のデータがHDD105に複製される度にキャッシュ制御部202はキャッシュ管理情報203を更新する。
このようにして、ODD104のデータがHDD105に複製される。
【0015】
次に、既にHDD105に複製済みであるODD104のデータに対して、HOST PC2からデータの読み出しアクセスが有った場合の動作について説明する。キャッシュ制御部202はキャッシュ管理情報203を参照し、HOST PC2が要求するデータがHDD105に複製済みであるかどうかを確認する。複製済みと判定したら、キャッシュ制御部202はデータをHDD105から読み出すため、DP制御部201に対して読み出し先をODD104からHDD105に変更して、該当するデータを読み出すように指示を出す。これにより、データの読み出し処理を実施する。
【0016】
次に、キャッシュ制御部202が保有しているキャッシュ管理情報203のバックアップについて説明する。
キャッシュ管理情報203は、キャッシュミス時に発生する処理時間のオーバーヘッドを削減するため、高速に読み出す事が必要である。ゆえに、キャッシュ管理情報203はキャッシュ制御部202の内蔵メモリ、例えばSRAMに記録する事が考えられる。SRAMは一般的に揮発性メモリであるため、記録再生装置1の電源がオフになった場合、SRAMに記録されているデータは消去される。よって、キャッシュ管理情報203をHDD105にバックアップする事で、記録再生装置1の電源がオフになった場合でも電源オフ前のキャッシュ管理情報203を保持しておく事が可能となる。
【0017】
ここで、キャッシュ管理情報203のバックアップ動作について説明する。
キャッシュ制御部202はキャッシュ制御部202が保有しているキャッシュ管理情報203と、HDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206の差異を示す更新管理情報207を生成、更新、保有する。なお、更新管理情報207はキャッシュ制御部202に搭載する内蔵メモリ208に記録する。これにより、キャッシュ制御部202は、キャッシュ管理情報203をHDD105にバックアップする必要性を判断する。例えば、新たにODD104のデータをHDD105に複製した場合、キャッシュ制御部202が持つキャッシュ管理情報203とHDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206は異なるため、キャッシュ制御部202は更新管理情報207を“更新有”とする。即ち、新たにODD104のデータをHDD105に複製したにもかかわらず、HDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206がまだ更新されないため、キャッシュ管理情報206を更新する必要が有ることを更新管理情報207が示す。逆に、キャッシュ管理情報203をHDD105にバックアップした際には、キャッシュ制御部202は更新管理情報207を“更新無”とする。即ち、HDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206が更新されたため、現時点ではキャッシュ管理情報206を更新する必要が無いことを更新管理情報207が示す。このように、HDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206の更新の必要性を更新管理情報207で管理することで、無駄なバックアップをとることをなくすことができる。
【0018】
図4は、本発明の実施例に係る更新管理情報の状態遷移図である。“更新無”の状態でODD104のデータをHDD105にキャッシュすると、更新管理情報207は“更新有”(ステップS401)となる。即ち、キャッシュ管理情報206を更新する必要が有ることを更新管理情報207が示す。“更新有”(ステップS401)の状態でキャッシュ管理情報203のデータをHDD105にバックアップすると、更新管理情報207の状態は“更新無”S402となる。即ち、現時点ではキャッシュ管理情報206を更新する必要が無い状態であることを更新管理情報207が示す。なお、“更新有”(ステップS401)の状態の時に、ODD104のデータをHDD105にキャッシュしたとしても、状態は“更新有”(ステップS401)のままである。
【0019】
図5は、本発明の実施例に係る更新管理情報207を示す図である。図5の更新管理情報207では、キャッシュ管理情報206を更新する必要の有無を示す情報を保持しており、この情報をキャッシュ制御部202が参照することで、キャッシュ管理情報203のバックアップの要否判断が可能となる。また、図5に示す更新管理情報207では、有無情報以外に、更新回数、前回更新時間も情報として保持している。これにより、例えば、更新回数が20回になればバックアップを開始する、10分おきにバックアップを開始するなど設定して、バックアップ回数を低減し、低消費電力化することもできる。
【0020】
図6は、実施例1におけるキャッシュ機能のフローチャートである。前述したキャッシュ制御の一連の動作について、図6を用いて説明する。記録再生装置1はHOST PC2からODD104に対してデータのリード要求を受信した場合に、ステップS601でキャッシュ制御部202はキャッシュ管理情報203を参照し、HDD105にODD104のデータが既に複製済みであるか否かを判定する。
【0021】
ステップS601の判定で複製済みであれば(図中のYes)、キャッシュ制御部202はステップS602でHDD105から該当するデータを読み出すようにDP制御部201に指示を出し、データを読み出す。そして、HOST PC2にデータを転送することで、動作を完了する。
【0022】
ステップS601の判定で複製済みでなければ(図中のNo)、キャッシュ制御部202はステップS603でODD104から該当するデータを読み出すようにDP制御部201に指示を出し、データを読み出し、HOST PC2及びHDD105に対してデータを転送する。転送が完了するとキャッシュ制御部202は、ステップS604でキャッシュ管理情報203を更新する。またステップS604でキャッシュ管理情報203が更新されたことにより、HDD105が有するキャッシュ管理情報206を更新する必要があるため、ステップS605で更新管理情報207を“更新有”として、動作を完了する。
【0023】
図7は、実施例1におけるキャッシュ管理情報203のバックアップ動作のフローチャートである。
まずステップS701でキャッシュ制御部202は更新管理情報207を参照し、キャッシュ制御部202が保有するキャッシュ管理情報203がHDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206から更新されているか否か、即ちキャッシュ管理情報206の更新が必要であるか否かを判定する。
【0024】
ステップS701での判定で更新があれば、即ち前記した“更新有”であるならば(図中のYes)、ステップS702でHDD105が有するキャッシュ管理情報206にキャッシュ制御部202が保有するキャッシュ管理情報203を書込む。そして、ステップS703でキャッシュ制御部202が更新管理情報207を“更新無”に設定して、フローを終了する。
ステップS701での判定で更新がなければ(図中のNo)、キャッシュ管理情報206を更新する必要は無いので、そのままフローを終了する。
【0025】
バックアップを取るタイミングとしては、キャッシュ制御部202が定期的に更新管理情報207を参照して実施しても良いし、キャッシュ管理情報203が更新されたタイミングでも良い。または、ストレージ制御部102が記録再生装置1の電源がオフになることを検知したタイミングでも良い。あるいは、ストレージ制御部102がHDD105に対してアクセスが無いことを検知したタイミングでも良い。または、キャッシュにヒットした場合、ODD104のデータをHDD105から読み出すため、高速に読み出す事ができるため、高速に読み出すことで発生した空き時間を利用して、キャッシュ制御部202が保有するキャッシュ管理情報203をHDD105に書き込んでも良い。また、上述したそれぞれのバックアップ動作開始条件を組み合わせても良い。例えば、キャッシュ制御部202が、更新管理情報207が“更新有”であることを検知し、ストレージ制御部102がHDD105に対するアクセスが無いことを検知したタイミングでキャッシュ管理情報203のバックアップを取っても良い。
【0026】
図8は、本発明の実施例に係るHDDの記録領域のデータ構成を示す図である。HDD105内には、ODD104のデータをキャッシュするためのキャッシュメモリとして使用する領域801と、キャッシュ管理情報203のバックアップを記録しておくキャッシュ管理情報格納領域802と、一般的なHDD同様にユーザが自由にデータの読み出し書き込みが可能なユーザデータ領域803が存在する。キャッシュメモリとして使用する領域801とキャッシュ管理情報格納領域802に関しては、記録再生装置2が独自に使用する領域となる。
【0027】
上記の通り、キャッシュ制御部202が保有するキャッシュ管理情報203をHDD105にバックアップを取ることで、記録再生装置1の電源がオフになった場合でも、キャッシュ情報を保有することが可能となる。また、バックアップを取るタイミングとして、キャッシュヒット時の空き時間もしくは、HDD105がアクセスされていない時間、または電源をオフにするタイミングを利用することで、記録再生装置1の性能に影響することなくバックアップを取る事が可能である。また、キャッシュ管理情報203とHDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206の差異を確認してから、バックアップ動作を開始することで、不要なバックアップ動作がなくなって効率の良い動作を行うことができ、さらには低消費電力化も見込めるという効果がある。
【実施例2】
【0028】
次に、ストレージ制御部102がHDD105にバックアップしたキャッシュ管理情報206を読み出して、キャッシュ制御部202が保有するキャッシュ管理情報203を復元する動作について説明する。復元の契機としては、記録再生装置1の電源がオンを検知したことまたは、キャッシュ制御システムの開始を契機に実施する。電源オン時、SRAM内のデータは消去されていることから、キャッシュ制御部202はキャッシュ管理情報203を保有していない。キャッシュ制御部202は記録再生装置1の電源オンを検知すると、HDD105に対して、バックアップしたキャッシュ管理情報206の読み出し命令をDP制御部201に対して行う。DP制御部201は指示された命令に従って、HDD105からバックアップしたキャッシュ管理情報206を読み出し、キャッシュ制御部202に転送する。これにより、キャッシュ管理情報のキャッシュ制御部202への書き戻しが可能である。
【0029】
なお、上記実施例のストレージ制御部102はシリアルATA規格のポートマルチプライヤ機能を実現する処理ブロックとしても良いし、複数のデバイスが接続されその伝送路の切り替えを行うものであってもよい。
また、本発明の構成は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、ストレージ制御部に接続された低速デバイスはテープドライブやMOなどがあげられ、高速かつ電源を切ってもデータが消去されないデバイスとしてSSD(Solid State Drive)やRAMディスクなどがあるが、これらの構成要素を使用した場合も本発明の範疇にある。
【符号の説明】
【0030】
1:記録再生装置、2:HOST PC、100:CPU、101:メモリ、102:ストレージ制御部、103:外部インタフェース部(外部I/F部)、104:ODD、105:HDD、106:内部バス、201:デバイスポート制御部、202:キャッシュ制御部、203:キャッシュ管理情報、204:デバイスポート、205:デバイスポート、206:バックアップしたキャッシュ管理情報、207:更新管理情報、208:内蔵メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対してデータを書込み、また前記記録媒体からデータを読出す記録再生装置であって、
データを格納する第1の記録媒体と、
データを格納し前記第1の記録媒体よりもデータに対するアクセス速度が高速な第2の記録媒体と、
前記第1の記録媒体及び前記第2の記録媒体に対するデータの書込み及び読出しを制御し前記第2の記録媒体よりもデータに対するアクセス速度が高速なメモリを有するストレージ制御部と、
前記記録再生装置の外部に設けられ前記記録再生装置に動作を指示する上位装置と前記ストレージ制御部とを仲介してデータ通信を行う外部インタフェース部を有し、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記第1の記録媒体に書込まれたデータを前記第2の記録媒体にキャッシュするよう前記第1及び第2の記録媒体を制御する際に、前記データの前記第1の記録媒体における書込みアドレスと前記第2の記録媒体における書込みアドレスを対応づけたキャッシュ管理情報を生成して前記メモリと前記第2の記録媒体に格納し、
前記上位装置から第1の記録媒体に書込まれたデータを読取るよう指示された場合には、前記メモリに格納された前記キャッシュ管理情報を参照し、前記上位装置が読取るよう指示したデータが既に前記第2の記録媒体にキャッシュされている場合には、前記第2の記録媒体にキャッシュされたデータを読出して前記外部インタフェース部を介して前記上位装置に転送するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記第2の記録媒体へのアクセスが無いことを検知した際に前記キャッシュ管理情報を第2の記録媒体に格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記メモリに格納した前記キャッシュ管理情報が更新されたか否かに応じて、前記第2の記録媒体に格納された前記キャッシュ管理情報の更新が必要であるか否かを示す更新管理情報を生成して前記メモリに格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記更新管理情報を参照し、前記ストレージ制御部のメモリに格納されたキャッシュ管理情報に更新がある場合には、前記ストレージ制御部のメモリに格納されたキャッシュ管理情報により、前記第2の記録媒体に格納されたキャッシュ管理情報を更新するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記第2の記録媒体へのアクセスが無いことを検知した際に前記第2の記録媒体に格納されたキャッシュ管理情報を更新するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項6】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記キャッシュ管理情報が生成及び/または更新された際に、前記キャッシュ管理情報を前記第2の記録媒体に格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項7】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
記録再生装置の電源が切断される際に、前記キャッシュ管理情報を前記第2の記録媒体格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項8】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記上位装置が読取るよう指示した第1の記録媒体に書込まれたデータが既に前記第2の記録媒体にキャッシュされている場合には、前記第2の記録媒体から前記データを読み出した後に、前記キャッシュ管理情報を前記第2の記録媒体に格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項9】
請求項1に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
前記ストレージ制御部が有するメモリにキャッシュ管理情報が格納されていない場合には、前記第2の記録媒体に格納されたキャッシュ管理情報を読出し、前記ストレージ制御部有するメモリに格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。
【請求項10】
請求項9に記載の記録再生装置であって、
前記ストレージ制御部は前記記録再生装置を、
記録再生装置の電源が供給された際に、前記第2の記録媒体に記録されたキャッシュ管理情報を読出し、前記ストレージ制御部が有するメモリに格納するよう
制御することを特徴とする記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−113474(P2012−113474A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261161(P2010−261161)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【出願人】(509189444)日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 (998)
【Fターム(参考)】