記録媒体
【課題】ユーザが所望するときに、簡便にアップグレードなどの処理ができるようにする。
【解決手段】記録媒体6は、鍵なしで再生可能なデータが記録されている基本データ部51、鍵がないと再生可能にならず、基本データ部51に記録されているデータとともに再生されることにより、高画質や高音質の画像や音声を提供するためのデータが記録されている付加データ部52、および、鍵がないと再生可能にならず、アーティストやジャケットなどに関するデータが記録されている付帯データ部53から構成されている。付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されているデータを再生するための鍵は、所定の条件、例えば、所定額の料金が支払らわれることにより提供される。
【解決手段】記録媒体6は、鍵なしで再生可能なデータが記録されている基本データ部51、鍵がないと再生可能にならず、基本データ部51に記録されているデータとともに再生されることにより、高画質や高音質の画像や音声を提供するためのデータが記録されている付加データ部52、および、鍵がないと再生可能にならず、アーティストやジャケットなどに関するデータが記録されている付帯データ部53から構成されている。付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されているデータを再生するための鍵は、所定の条件、例えば、所定額の料金が支払らわれることにより提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体に関し、特に、異なるサービスを受ける条件を、課金額や所定のサーバへのアクセス回数などにより変化させる際に用いて好適な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像などのコンテンツデータが、ネットワークを介して配信されたり、パッケージメディアとして販売されたりすることが一般化している。デジタルデータとしてのコンテンツデータは、コピーしたとしても、その画質や音質が劣化しないため、不正にコピーされる恐れがあり、著作権保護の観点から好ましくない状況が発生するといった問題があった。
【0003】
そこで、著作権保護の観点から、特開2000−354030号公報には、暗号化されたデータが記録媒体に記録され、その暗号を解くためのアルゴリズムが、サイト側から提供されるようにすることにより、著作権が保護される仕組みについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−354030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、上述した特開2000−354030号公報に開示されているように、著作権を保護するために、暗号化などを施すと、その暗号化を解く為のデータを、何らかの方法で取得できる装置でしか再生できないといった問題があった。
【0006】
ところで、最近は、1つのコンテンツデータでも、異なる画質や音質で提供することが増えつつある。例えば、映像に関しては、MPEG(Moving Picture Expert Group)1レベルの画質とMPEG2レベルの画質が、異なるメディアパッケージ(例えば、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disc)など)で提供されている。
【0007】
ユーザ側としては、MPEG1レベルの画質のメディアパッケージを購入した後に、高画質のMPEG2レベルのメディアパッケージを購入したいと所望した場合、2つのメディアパッケージを購入しなくてはならず、2重にお金を支払わなくてはならないといった問題があった。
【0008】
また、メディアパッケージには、記録されているコンテンツデータに関する説明、例えば、筋書きやキャスト、アーティスト名や歌詞などが、コンテンツデータの1つとして記録媒体に記録されていたり、紙媒体として付随していたりする。しかしながら、ユーザによっては、これらの情報を所望していない人もいる。所望していない人でも、これらの情報に対して、対価を支払ってパッケージメディアを購入しなくてはならない、換言すれば、ユーザ毎に、必要な情報のみを提供するといったことをパッケージメディアで実現することは難しいといった問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザ毎に、そのユーザが所望する情報のみを提供できるようにするとともに、必要な課金などは確実に行われるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の記録媒体は、暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、前記第2のデータは、前記第1のデータに補完しながら、前記第1のデータを情報処理装置によって再生可能である。
【0011】
前記第1のデータに関わる情報を提供する第3のデータがさらに記録されているようにすることができる。
【0012】
前記第2のデータを復号する鍵データを他の装置から取得する際に、前記他の装置に接続するために用いられる前記他の装置のアドレスがさらに記録されているようにすることができる。
【0013】
前記第2のデータは、前記第1のデータの外周に記録されているようにすることができる。
【0014】
再生時刻がほぼ等しい前記第1のデータと、前記第2のデータとが、交互に配置されるようにすることができる。
【0015】
パスワードを記録できるパスワード領域を有し、前記パスワードによって、前記第2のデータを利用可能とするようにすることができる。
【0016】
本発明の一側面の記録媒体においては、暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、第2のデータは、第1のデータに補完されることにより再生されるデータである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザは、異なる品質の映像や音声を取得したいために、異なる記録媒体を購入しなくてはならないといった不都合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】PC3の内部構成例を示す図である。
【図3】記録媒体6に記録されるデータについて説明する図である。
【図4】図1に示した情報処理システムの動作について説明するフローチャートである。
【図5】ステップS12におけるアクセス回数に関する処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】サーバ2の記憶部71に記憶されるデータについて説明する図である。
【図7】図1に示した情報処理システムの他の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。ネットワーク1は、インターネットやLAN(Local Area Network)などから構成される。ネットワーク1には、ユーザに対して情報(後述するパスワードなど)を提供するサーバ2、ユーザが操作するPC(パーソナルコンピュータ)3、および、コンテンツデータを配信する配信センタ4が接続されている。
【0021】
配信センタ4は、PC3に対してコンテンツデータを、ネットワーク1を介して配信する場合と、記録装置5により記録媒体6にコンテンツデータを記録させ、その記録媒体を配布することにより配信する場合とがある。記録媒体6の配布は、無料で行われても有料で行われても良い。
【0022】
以下の説明においては、配信センタ4から配信されるコンテンツデータは、記録装置5により、記録媒体6に記録され、その記録媒体6が配布されることにより配信が行われる場合を例に挙げて説明する。
【0023】
図2は、PC3の内部構成例を示す図である。PC3のCPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラムなどが適宜記憶される。入出力インタフェース25は、キーボードやマウスから構成される入力部26が接続され、入力部26に入力された信号をCPU21に出力する。また、入出力インタフェース25には、ディスプレイやスピーカなどから構成される出力部27も接続されている。
【0024】
さらに、入出力インタフェース25には、ハードディスクなどから構成される記憶部28、および、インターネットなどのネットワーク1を介して他の装置(例えば、サーバ2)とデータの授受を行う通信部29も接続されている。ドライブ30は、記録媒体6としての、磁気ディスク41、光ディスク42、光磁気ディスク43、または、半導体メモリ44などからデータを読み出したり、データを書き込んだりするときに用いられる。
【0025】
サーバ2の内部構成は、基本的に、図2に示したPC2の内部構成と同様である。ただし、サーバ2も、PC3も、その内部構成は、必要に応じ、変更することが可能である。
【0026】
図3は、記録媒体6に記録されるデータについて説明するための図である。図3は、円形の記録媒体6、例えば、CD(Compact Disc)やDVDなどを例示したものとなっているが、スティック上の、例えば、メモリースティック(商標)などを用いることも当然可能であり、そのような記録媒体6でも、以下に説明するデータと同様なデータが記録される。記録媒体6に記録されるデータは、その記録されているデータに基づき、基本データ部51、付加データ部52、および付帯データ部53に分けられる。
【0027】
基本データ部51には、暗号化などが施されていないデータが記録され、ユーザが購入した時点で、再生可能なデータとされている。この基本データ部51には、例えば、音楽に関するコンテンツデータの場合、サンプリング周波数が44.1kHzで、量子化ビットが16Bitのデータが記録される。これは、スタンダードな音質のCDに記録されているコンテンツデータであることを示す。
【0028】
付加データ部52には、暗号化が施されたデータが記録され、ユーザが購入した時点では、再生が不可能なデータとされている。この付加データ部52に記録されるデータと、基本データ部51に記録されるデータとの関係について説明する。基本データ部51に記録されるデータは、上述したように、そのデータのみで再生可能である。その再生可能なデータに、付加データ部52のデータを付加することにより、音楽に関するコンテンツデータであった場合、その音質が向上する、映像に関するコンテンツデータであった場合、その画質が向上するなどの、より高い品質を与えるために必要なデータが、付加データ部52に記録される。
【0029】
具体的には、基本データ部51のデータに付加データ部52のデータが付加されて再生された場合、例えば、音楽に関するコンテンツデータのときは、サンプリング周波数が48kHzで、量子化ビットが24Bitの高音質のコンテンツデータとしてユーザに対して提供される。また、映像に関するコンテンツデータの場合、基本データ部51に記録されているデータのみが再生された場合、Standardな画質がユーザに提供され、基本データ部51に記録されているデータに付加データ部52に記録されているデータが付加されて再生された場合、Hi-Visionの画質がユーザに提供される。
【0030】
このように、付加データ部52に記録さているデータは、基本データ部51に記録されているデータを補間するデータであり、そのデータが補間されることにより、より高品質の映像や音声を提供するために必要なデータである。
【0031】
付帯データ部53には、暗号化が施されたデータが記録され、ユーザが購入した時点では、再生が不可能なデータとされている。付帯データ部53には、例えば、音楽に関するコンテンツデータの場合、所定の条件(例えば、課金額の支払いなど)を満たした場合にのみ再生できる曲、アーティスト情報、ジャケットの画像などのデータが記録される。
【0032】
付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータは、暗号化されているとしたが、その暗号化の方式は、どのような方式を用いても良い。また、付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータに施される暗号化は、同一の方式によるものでも良いし、異なる方式によるものでも良い。暗号化を解くための鍵は、同一のものが用いられても良いし、異なるものが用いられるようにしても良い。
【0033】
また、付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータは、所定の条件が満たされたときに、全てのデータが一括して使用可能な状態(暗号化が解かれる状態)としても良いし、複数の条件を設け、段階的にデータが使用可能な状態になるようにしても良い。
【0034】
例えば、付帯データ部53に記録されているデータが、アーティストに関する情報と、ジャケットに関する情報である場合、所定の条件が満たされた場合、それら両方の情報が提供される状態にしても良いし、2つの条件を設け、1つ目の条件が満たされたときに、アーティストに関する情報のみが提供される状態とされ、2つ目の条件が満たされたときに、さらに、ジャケットに関する情報も提供される状態とされるようにしても良い。このようなことは、複数の鍵を用意することにより実現可能である。
【0035】
図3に示した例では、記録媒体6に記録されるデータの種類は、基本データ部51、付加データ部52、および、付帯データ部53の3つの種類としたが、3以上の種類に分類しても良いし、3以下の種類に分類されても良い。例えば、付帯データ部53に記録されるデータは、基本データ部51に記録されているデータに依存する場合が多く、必ずしも設ける必要がある種類ではない。
【0036】
また、図3に示したのは、一例であり、限定を示すものではなく、例えば、記録媒体6の中心部に近い位置に、基本データ部51が作成されるということに限定されるわけではない。基本データ部51に記録されているデータと、付帯データ部52に記録されているデータは、再生される際、それぞれ高速に、各部にアクセスされながらデータが読み出される必要があるため、この記録媒体6を再生する装置(この場合、PC3)の処理負担を軽減させるために、再生時刻が等しい基本データ部51のデータと、付加データ部52のデータが近接するように、交互にデータを配置するようにしても良い。
【0037】
次に、このような記録媒体6を用いた場合の、図1に示した情報処理システムの動作について図4のフローチャートを参照して説明する。前提として、ユーザは、図3に示したようなデータ構造でデータが記録されている記録媒体6を、購入しているとする。図4に示したようなフローチャートの処理が開始されるのは、ユーザが購入した記録媒体6を、PC3により再生させるために、PC3の、例えば、ドライブ30に、記録媒体6をセットした状態のときである。
【0038】
ステップS1において、PC3は、サーバ2にアクセスを開始する。例えば、記録媒体6には、図3に示したデータ部以外にも、サーバ2のアドレスが記録される部分(不図示)が設けられており、その部分に記録されているアドレスに基づいて、サーバ2へのアクセスが開始される。また、そのような記録されているアドレスに基づいてアクセスが開始される場合、例えば、記録媒体6がPC3にセットされ、再生が指示されたときに、ユーザ側が特に操作を行わなくても、ブラウザが起動され、記録されているアドレスが読み出され、アクセスが開始されるようなプログラムをさらに記録媒体6に記録させるようにしても良い。
【0039】
サーバ2への他のアクセス方法とし、例えば、ユーザが記録媒体6を購入した際の、その記録媒体6が収納されていたケースや、付随する紙媒体に、サーバ2のアドレスを記載し、ユーザがPC3の入力部26から、そのアドレスを入力することにより、アクセスが開始されるようにしても良い。勿論、この他の方法により、サーバ2へのアクセスが開始されるようにしても良い。
【0040】
ステップS1において、PC3から出されたアクセス要求が、サーバ2に受信されると、サーバ2は、ステップS2において、PC3に対して、記録媒体6のユニーク番号の送信を要求する。ユニーク番号とは、記録媒体6毎に割り当てられた番号であり、記録媒体6を一意に区別することが可能とされている番号である。ユニーク番号は、どのような形態のものを用いても良い。
【0041】
PC3は、サーバ2からのユニーク番号の送信要求を受信し、その要求に対応する処理として、ステップS2において、セットされている記録媒体6から、その記録媒体6のユニーク番号を読み出し、サーバ2に対して送信する。サーバ2は、PC3から送信されたユニーク番号を受信すると、ステップS12において、アクセス回数に関する処理を実行する。ステップS12において行われるアクセス回数に関する処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
ステップS21において、サーバ2は、ユニーク番号を受信する。サーバ2は、ステップS22において、受信したユニーク番号は、既に登録されているか否かを判断する。サーバ2には、図6に示したような情報が記憶される記憶部71が備えられている。記憶部71には、ユニーク番号と、そのユニーク番号をもつ記録媒体6を用いてアクセスが行われた回数が、それぞれ関連付けられて記憶されている。また、後述するパスワードを発行するための条件としての設定値と、その設定値におけるパスワードが関連付けられて記憶されている。
【0043】
ステップ22において、受信したユニーク番号は、既に、記憶部71にアクセス回数と関連付けられて登録されているか否かが判断され、その判断結果が、登録されていないというものである場合、ステップS23に進み、登録されているというものである場合、ステップS24に進む。
【0044】
サーバ2は、ステップS23において、受信したユニーク番号を、記憶部71に登録する。その登録の際、アクセス回数は1回と設定されて登録される。このような登録処理が終了されると、ステップS27において、情報の送信が行われる。この情報とは、どのようなものでも良いが、例えば、記録媒体6に記録されているコンテンツデータを作成した会社の案内や、その会社が提供する他のコンテンツデータの案内などが考えられる。
【0045】
一方、ステップS22において、ユニーク番号が記憶部71に既に登録されていると判断された場合、ステップS24において、その登録されていると判断されたユニーク番号に関連付けられているアクセス回数が、1だけ加算された値に変更される。そして、ステップS25において、その変更されたアクセス回数が、設定値以上になったか否かが判断される。
【0046】
ステップS25において、アクセス回数が設定値以上になったと判断された場合、ステップS26に進み、アクセス回数が設定値以上ではない(設定値以下である)と判断された場合、ステップS26の処理をスキップし、ステップS27に進む。ステップS26において、設定値に関連付けられているパスワードが読み出される(発行される)。
【0047】
設定値は、複数設けることが可能である。上述したように、付加データ部52に記録されているデータと付帯データ部53に記録されているデータとに施されている暗号化と同一方式が用いられ、一括して暗号化が解かれるとして設定されている場合、パスワードは、その暗号化を解く1個の鍵とされ、1つの設定値と関連付けられる。
【0048】
付加データ部52に記録されているデータと、付帯データ部53に記録されているデータとに施されている暗号化が異なる場合、それぞれの暗号化を解く2個の鍵とされ、それぞれの鍵が、異なる設定値と関連付けられる。また、段階的に暗号化が解かれるようにする場合、その設けられた段階と同等数の設定値が設けられ、それぞれの段階毎の鍵と関連付けられる。
【0049】
アクセス回数が設定値以上になったと判断された場合、ユーザに対して、付加データ部52または付帯データ部53に記憶されているデータのうち、どのデータ(サービス)を受けられる状態にするかを問うステップを設け、そのステップにおけるユーザからの返答に基づいて、対応するパスワードがユーザに対して提供されるように、設定値とパスワードを関連付けても良い。
【0050】
図5に示したフローチャートの説明に戻り、ステップS26において、パスワードが発行されると、ステップS27に進む。ステップS27において情報が送信されるわけだが、その情報には、ステップS26の処理からステップS27に処理が来た場合には、発行されたパスワードに関する情報が含まれ、ステップS26の処理がスキップされステップS27に処理が来た場合には、パスワードに関する情報は含まれない。
【0051】
ステップS27において、サーバ2からPC3に対して情報が送信されると、PC3側では、その情報を受信することにより、ステップS3(図4)以降の処理が実行される。ステップS3において、PC3は、受信した情報内に、パスワードに関する情報が含まれているか否か(パスワードを受信したか否か)を判断する。ステップS3において、パスワードを受信したと判断された場合、ステップS4に進み、その受信したパスワードが、例えば、PC3の記憶部28に記憶される。
【0052】
PC3は、記憶したパスワードを用いて、ステップS5において、記録媒体6の付加データ部52または付帯データ部53に記録されているデータの解読を開始する。すなわち、パスワードは、この場合、記録媒体6の付加データ部52または付帯データ部53に記録されているデータに施されている暗号化を解く鍵であり、その鍵が用いられて、ステップS5における解読が行われる。この解読の際、解読されるのは、受信した鍵で暗号化が解ける範囲のデータである。
【0053】
ステップS6において、再生が実行される。この再生は、付加データ部52に記録されているデータが、ステップS5の解読が行われることにより用いられる状態にされた場合、そのデータも用いられた再生、すなわち、基本データ部51に記録されているデータに、付加データ部52に記録されているデータが補間されることにより、高音質、高画質用のコンテンツデータが生成され、そのコンテンツデータが再生される。ステップS7において、ユーザは、PC3の出力部27としてのディスプレイ(不図示)上に表示された画像や文章を閲覧する。そのような画像や文章をユーザが閲覧できる状態にする処理が、ステップS7において、PC3により行われる。
【0054】
ディスプレイ上に表示される画像や文章は、ステップS27(図5)において、サーバ2から送信された情報に基づくものである。勿論、画像や文章の他に、音声などが提供されるようにしても良い。
【0055】
このように、サーバ2へのアクセス回数により、記録媒体6に記録されているデータの内の、再生可能となるデータ量を増すようにすることができる。このような記録媒体6を提供する側としては、サーバ2に対するアクセスを増加させることを期待することができ、そのサーバ2において提供される情報の閲覧数を増加させることを期待することができる。従って、サーバ2により提供される情報の宣伝効率を高めることを期待することができる。
【0056】
また、ユーザ側としては、アクセスすることで高音質や高画質のコンテンツデータを得られるだけでなく、アクセス先のサーバ2から情報を得ることもできるため、積極的に、サーバ2へのアクセスを行うようになる。
【0057】
このように、ユーザは、サーバ2に対して、設定値になるまでアクセスを繰り返すわけだが、アクセスする毎に得られる情報が、いつも同じであると、何度もアクセスする気にはなれない。従って、そのような状況が発生するのを防ぐために、サーバ2側としては、提供する情報を、所定の周期で変更するなどして、新しい情報を提供するようにした方が良い。
【0058】
所定の周期で情報を変更するとともに、複数の情報を用意し、それらの複数の情報を、アクセスしてきたユーザに対して、1つずつ提供するようにし、かつ、複数回、同一の情報が提供されないように制御するようにしても良い。このようにした場合、例えば、情報に、識別子を付け、記憶部71(図6)に、ユニーク番号、アクセス回数、および、既に提供した情報の識別子を、それぞれ関連付けて記憶するようにして、同一の情報が提供されないような制御が行われるようにしても良い。
【0059】
また、複数の情報をサーバ2側で用意するような場合、1つの情報を提供する毎に、アクセス回数を1つずつ加算していくようにしても良い。換言すれば、1回のアクセスにおいて、ユーザが、所定の操作を行うことにより、1以上の情報の取得を要求した場合など、その要求した情報の数だけ、アクセス回数を増加させるようにしても良い。
【0060】
サーバ2が記憶する情報としては、サーバ2から直接PC3に対して提供される情報でも良いし、サーバ2とは異なるサーバに記憶されている情報でも良い。サーバ2とは異なるサーバに記憶されている情報が提供されるようにした場合、例えば、サーバ2は、他のサーバのアドレスを記憶し、PC3がアクセスしてきたとき、その接続を、その記憶している他のサーバのアドレスを元に、他のサーバとの接続に切り換え、そのサーバから情報が提供されるような仕組みを設けても良い。
【0061】
記録媒体6に記録されるサーバ2のアドレスが、複数記録されるようにしても良い。記録媒体6にサーバ2のアドレスが複数記録されるようにした場合、サーバ2へのアクセスが開始される際、複数記録されているアドレスのうちの1つのアドレスが、ランダムに読み出され、その読み出されたアドレスに従って、アクセスが行われるような仕組みを設けても良い。このような仕組みが設けられ、複数のサーバ2に対してアクセスが行われるようにした場合、それらの複数のサーバ2間で、共通にアドレス回数をカウントする仕組みを設ける必要はある。
【0062】
ところで、図4や図5のフローチャートの処理が実行されることにより、パスワードが、PC3の記憶部28に記憶された場合、その後、サーバ2にアクセスしなくても、その記憶されているパスワードが利用されて付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にされるようにしても良い。勿論、パスワードは、アクセスした時点のみ与えられるものとし、記憶部28に記憶させないようにしても良い。そして、付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にするためには、サーバ2に対してアクセスを、その都度行われるようにしても良い。
【0063】
また、記録媒体6の所定の領域に、パスワードを記録できる記録領域を設け、PC3により取得されたパスワードは、その記録領域に書き込まれるようにしても良い。このようにした場合、その記録媒体6は、PC3以外の装置でも、付加データ部52などのデータを利用可能とすることができる。このようにした場合、記録媒体6にパスワードなどの情報を記録させる機能を有するPC3を用いる必要はある。
【0064】
上述した実施の形態においては、アクセス回数により、暗号化を解くための鍵(パスワード)が与えられるとしたが、課金額に応じてパスワードが与えられるようにしても良い。次に、課金額に応じてパスワードが与えられる場合について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
PC3におけるステップS31とステップS32の処理は、図4に示したフローチャートのステップS1とステップS2の処理と同様にして行われる。そして、サーバ2におけるステップS31の処理も、図4に示したフローチャートのステップS11の処理と同様に行われる。ユニーク番号を受信したサーバ2は、ステップS42において、そのユニーク番号により識別される記録媒体6を所有するユーザからの所定額の入金があったか否かを確認する。
【0066】
ユーザからの入金の方法としては、例えば、サーバ2と接続されている状態のときに、所定の画面に対してユーザが、例えば、名前やクレジットカード番号を入力し、ネットワーク上でデータの授受が行われることにより行われる。所定の口座への振り込みなどによる入金の方法も、勿論、用いることは可能である。
【0067】
ステップS42において、所定の額の入金が確認された場合、ステップS43に進み、パスワードの発行が行われる。ステップS42において、所定の額の入金が確認されなかった場合、これ以降の処理は行われない。ステップS43において発行されたパスワードは、PC3において受信される。PC3は、パスワードを受信した場合、ステップS33の処理として、受信したパスワードを記憶する。
【0068】
ステップS33乃至S35の処理は、図4に示したフローチャートのステップS4乃至S6の処理と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
上述した説明においては、ネットワーク上のデータの授受により入金が行われるとしたが、店頭で、料金の支払いが行われるようにしても良い。そのようにした場合、店頭で、記録媒体6のユニーク番号が用いられてパスワードが発行され、その発行されたパスワードが記録媒体6に記録される。パスワードが記録媒体6に記録されているため、PC3側の処理としては、ステップS34の解読の処理から開始されるようにすることが可能である。
【0070】
このように、料金の支払いにより、付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にされるようにしても良い。このようにした場合、アクセス回数による場合と同様に、段階的な料金を設け、その料金により、利用できるデータ量が増すような仕組みを設けても良い。また、料金の支払いとは、例えば、1アーティストの異なるCDを、所定枚数購入した場合に、所定の額の料金が支払われたとして設定しても良い。
【0071】
上述した実施の形態においては、記録媒体6にデータが記録されて配布されるとしたが、配信センタ4からネットワーク1を介して配信されるようにしても良い。そのようにした場合、まず、基本データ部51のデータが、PC3にネットワーク1を介して配信される。その配信の際、課金が行われるようにしても良い。
【0072】
その後、サーバ2に対するアクセスが所定の回数(設定値)以上になったとき、課金額を支払ったときなどに、付加データ部52に記録されるデータに相当するデータや、付帯データ部53に記録されるデータに相当するデータが、ユーザ(PC3)に対して提供される。その提供は、例えば、図5に示したフローチャートのステップS26において、パスワードが発行される際、そのパスワードとともに、データが読み出され、PC3に対して送信される。送信されるデータは、不正に利用されないように、暗号化を施して送信することが好ましい。
【0073】
このように、本発明は、予め記録媒体6に記録されているデータに対してのみでなく、ネットワークを介して授受されるデータに対しても適用することが可能である。
【0074】
上述した実施の形態においては、データとして、音楽に関するコンテンツデータや、映像に関するコンテンツデータを例に挙げて説明したが、コンピュータのプログラムなどのコンテンツデータなどでも適用できることは言うまでもない。
【0075】
また、基本データ部51に記録されるデータは、例えば、音楽の一部分のメロディのデータ、すなわち、宣伝用のデータであり、付加データ部52に記録されるデータは、その宣伝用として提供される音楽の、全部のデータとしても良い。このようにした場合、ユーザは、基本データ部51に記録されている宣伝用の音楽を試聴し、気に入った音楽に対して課金額を支払うなどしてパスワードを取得し、付加データ部52に記録されているデータを再生させることにより1楽曲分を聴取する。
【0076】
上述した実施の形態においては、付加データ部52や付帯データ部53に、それぞれ暗号化されて記録されているデータは、パスワードとしての鍵が用いられて復号されるとしたが、パスワードとユニーク番号が用いられて復号されるようにしても良い。
【0077】
本発明を適用することにより、例えば、普通の音質のCDと高音質のCDといった、異なる2枚のCDを作成するような場合においても、普通の音質のデータと高音質のデータを1枚のCDに記録させることができ、かつ、普通の音質のデータと高音質のデータとの差額分の料金を徴収することもできる。従って、ユーザ側にとっては、所望したときに、アップグレードが簡便に行うことが可能となる。さらに、本発明を適用することにより、それぞれのコンテンツに対して、きめ細やかな付加価値、価格設定が可能となる。
【0078】
上述した本発明の実施の形態においては、アクセス回数や課金額が所定の条件を満たすと、パスワードが与えられ、条件を満たす前には利用できなかったデータが利用できる状態とされるとしたが、その逆のことを実施するようにしても良い。すなわち、アクセス回数や課金額が所定の条件を満たすと、条件を満たす前には、必ず再生されていたデータが、再生されないようにしても良い。
【0079】
例えば、記録媒体6を購入した時点では、音楽のコンテンツデータが再生されている間に、コマーシャルのコンテンツデータが再生されるが、所定の条件を満たすと、そのコマーシャルのコンテンツデータが再生されなくなり、音楽のコンテンツデータのみが再生されるようになるといったことも、本発明を適用することにより可能となる。
【0080】
配信センタ4は、記録装置5により記録媒体6を製造する際、サーバ2のアドレスを記録するということで、サーバ2から所定の額の料金を徴収するようにしてもよい。また、サーバ2に対してアクセスがあった回数により、課金する仕組みを設けても良い。このように、適宜、課金の仕組みを設けることは可能である。
【0081】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0082】
記録媒体は、図2に示すように、PC3とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク41(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク42(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク43(MD(Mini-Disc)(登録商標)を含む)、若しくは半導体メモリ44などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM22や記憶部28が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0083】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0084】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【符号の説明】
【0085】
1 ネットワーク, 2 サーバ, 3 PC, 4 配信センタ, 5 記録装置, 6 記録媒体, 51 基本データ部, 52 付加データ部, 53 付帯データ部, 71 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体に関し、特に、異なるサービスを受ける条件を、課金額や所定のサーバへのアクセス回数などにより変化させる際に用いて好適な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像などのコンテンツデータが、ネットワークを介して配信されたり、パッケージメディアとして販売されたりすることが一般化している。デジタルデータとしてのコンテンツデータは、コピーしたとしても、その画質や音質が劣化しないため、不正にコピーされる恐れがあり、著作権保護の観点から好ましくない状況が発生するといった問題があった。
【0003】
そこで、著作権保護の観点から、特開2000−354030号公報には、暗号化されたデータが記録媒体に記録され、その暗号を解くためのアルゴリズムが、サイト側から提供されるようにすることにより、著作権が保護される仕組みについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−354030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、上述した特開2000−354030号公報に開示されているように、著作権を保護するために、暗号化などを施すと、その暗号化を解く為のデータを、何らかの方法で取得できる装置でしか再生できないといった問題があった。
【0006】
ところで、最近は、1つのコンテンツデータでも、異なる画質や音質で提供することが増えつつある。例えば、映像に関しては、MPEG(Moving Picture Expert Group)1レベルの画質とMPEG2レベルの画質が、異なるメディアパッケージ(例えば、ビデオテープやDVD(Digital Versatile Disc)など)で提供されている。
【0007】
ユーザ側としては、MPEG1レベルの画質のメディアパッケージを購入した後に、高画質のMPEG2レベルのメディアパッケージを購入したいと所望した場合、2つのメディアパッケージを購入しなくてはならず、2重にお金を支払わなくてはならないといった問題があった。
【0008】
また、メディアパッケージには、記録されているコンテンツデータに関する説明、例えば、筋書きやキャスト、アーティスト名や歌詞などが、コンテンツデータの1つとして記録媒体に記録されていたり、紙媒体として付随していたりする。しかしながら、ユーザによっては、これらの情報を所望していない人もいる。所望していない人でも、これらの情報に対して、対価を支払ってパッケージメディアを購入しなくてはならない、換言すれば、ユーザ毎に、必要な情報のみを提供するといったことをパッケージメディアで実現することは難しいといった問題があった。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザ毎に、そのユーザが所望する情報のみを提供できるようにするとともに、必要な課金などは確実に行われるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面の記録媒体は、暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、前記第2のデータは、前記第1のデータに補完しながら、前記第1のデータを情報処理装置によって再生可能である。
【0011】
前記第1のデータに関わる情報を提供する第3のデータがさらに記録されているようにすることができる。
【0012】
前記第2のデータを復号する鍵データを他の装置から取得する際に、前記他の装置に接続するために用いられる前記他の装置のアドレスがさらに記録されているようにすることができる。
【0013】
前記第2のデータは、前記第1のデータの外周に記録されているようにすることができる。
【0014】
再生時刻がほぼ等しい前記第1のデータと、前記第2のデータとが、交互に配置されるようにすることができる。
【0015】
パスワードを記録できるパスワード領域を有し、前記パスワードによって、前記第2のデータを利用可能とするようにすることができる。
【0016】
本発明の一側面の記録媒体においては、暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、第2のデータは、第1のデータに補完されることにより再生されるデータである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザは、異なる品質の映像や音声を取得したいために、異なる記録媒体を購入しなくてはならないといった不都合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】PC3の内部構成例を示す図である。
【図3】記録媒体6に記録されるデータについて説明する図である。
【図4】図1に示した情報処理システムの動作について説明するフローチャートである。
【図5】ステップS12におけるアクセス回数に関する処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図6】サーバ2の記憶部71に記憶されるデータについて説明する図である。
【図7】図1に示した情報処理システムの他の動作について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。ネットワーク1は、インターネットやLAN(Local Area Network)などから構成される。ネットワーク1には、ユーザに対して情報(後述するパスワードなど)を提供するサーバ2、ユーザが操作するPC(パーソナルコンピュータ)3、および、コンテンツデータを配信する配信センタ4が接続されている。
【0021】
配信センタ4は、PC3に対してコンテンツデータを、ネットワーク1を介して配信する場合と、記録装置5により記録媒体6にコンテンツデータを記録させ、その記録媒体を配布することにより配信する場合とがある。記録媒体6の配布は、無料で行われても有料で行われても良い。
【0022】
以下の説明においては、配信センタ4から配信されるコンテンツデータは、記録装置5により、記録媒体6に記録され、その記録媒体6が配布されることにより配信が行われる場合を例に挙げて説明する。
【0023】
図2は、PC3の内部構成例を示す図である。PC3のCPU(Central Processing Unit)21は、ROM(Read Only Memory)22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラムなどが適宜記憶される。入出力インタフェース25は、キーボードやマウスから構成される入力部26が接続され、入力部26に入力された信号をCPU21に出力する。また、入出力インタフェース25には、ディスプレイやスピーカなどから構成される出力部27も接続されている。
【0024】
さらに、入出力インタフェース25には、ハードディスクなどから構成される記憶部28、および、インターネットなどのネットワーク1を介して他の装置(例えば、サーバ2)とデータの授受を行う通信部29も接続されている。ドライブ30は、記録媒体6としての、磁気ディスク41、光ディスク42、光磁気ディスク43、または、半導体メモリ44などからデータを読み出したり、データを書き込んだりするときに用いられる。
【0025】
サーバ2の内部構成は、基本的に、図2に示したPC2の内部構成と同様である。ただし、サーバ2も、PC3も、その内部構成は、必要に応じ、変更することが可能である。
【0026】
図3は、記録媒体6に記録されるデータについて説明するための図である。図3は、円形の記録媒体6、例えば、CD(Compact Disc)やDVDなどを例示したものとなっているが、スティック上の、例えば、メモリースティック(商標)などを用いることも当然可能であり、そのような記録媒体6でも、以下に説明するデータと同様なデータが記録される。記録媒体6に記録されるデータは、その記録されているデータに基づき、基本データ部51、付加データ部52、および付帯データ部53に分けられる。
【0027】
基本データ部51には、暗号化などが施されていないデータが記録され、ユーザが購入した時点で、再生可能なデータとされている。この基本データ部51には、例えば、音楽に関するコンテンツデータの場合、サンプリング周波数が44.1kHzで、量子化ビットが16Bitのデータが記録される。これは、スタンダードな音質のCDに記録されているコンテンツデータであることを示す。
【0028】
付加データ部52には、暗号化が施されたデータが記録され、ユーザが購入した時点では、再生が不可能なデータとされている。この付加データ部52に記録されるデータと、基本データ部51に記録されるデータとの関係について説明する。基本データ部51に記録されるデータは、上述したように、そのデータのみで再生可能である。その再生可能なデータに、付加データ部52のデータを付加することにより、音楽に関するコンテンツデータであった場合、その音質が向上する、映像に関するコンテンツデータであった場合、その画質が向上するなどの、より高い品質を与えるために必要なデータが、付加データ部52に記録される。
【0029】
具体的には、基本データ部51のデータに付加データ部52のデータが付加されて再生された場合、例えば、音楽に関するコンテンツデータのときは、サンプリング周波数が48kHzで、量子化ビットが24Bitの高音質のコンテンツデータとしてユーザに対して提供される。また、映像に関するコンテンツデータの場合、基本データ部51に記録されているデータのみが再生された場合、Standardな画質がユーザに提供され、基本データ部51に記録されているデータに付加データ部52に記録されているデータが付加されて再生された場合、Hi-Visionの画質がユーザに提供される。
【0030】
このように、付加データ部52に記録さているデータは、基本データ部51に記録されているデータを補間するデータであり、そのデータが補間されることにより、より高品質の映像や音声を提供するために必要なデータである。
【0031】
付帯データ部53には、暗号化が施されたデータが記録され、ユーザが購入した時点では、再生が不可能なデータとされている。付帯データ部53には、例えば、音楽に関するコンテンツデータの場合、所定の条件(例えば、課金額の支払いなど)を満たした場合にのみ再生できる曲、アーティスト情報、ジャケットの画像などのデータが記録される。
【0032】
付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータは、暗号化されているとしたが、その暗号化の方式は、どのような方式を用いても良い。また、付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータに施される暗号化は、同一の方式によるものでも良いし、異なる方式によるものでも良い。暗号化を解くための鍵は、同一のものが用いられても良いし、異なるものが用いられるようにしても良い。
【0033】
また、付加データ部52と付帯データ部53に、それぞれ記録されるデータは、所定の条件が満たされたときに、全てのデータが一括して使用可能な状態(暗号化が解かれる状態)としても良いし、複数の条件を設け、段階的にデータが使用可能な状態になるようにしても良い。
【0034】
例えば、付帯データ部53に記録されているデータが、アーティストに関する情報と、ジャケットに関する情報である場合、所定の条件が満たされた場合、それら両方の情報が提供される状態にしても良いし、2つの条件を設け、1つ目の条件が満たされたときに、アーティストに関する情報のみが提供される状態とされ、2つ目の条件が満たされたときに、さらに、ジャケットに関する情報も提供される状態とされるようにしても良い。このようなことは、複数の鍵を用意することにより実現可能である。
【0035】
図3に示した例では、記録媒体6に記録されるデータの種類は、基本データ部51、付加データ部52、および、付帯データ部53の3つの種類としたが、3以上の種類に分類しても良いし、3以下の種類に分類されても良い。例えば、付帯データ部53に記録されるデータは、基本データ部51に記録されているデータに依存する場合が多く、必ずしも設ける必要がある種類ではない。
【0036】
また、図3に示したのは、一例であり、限定を示すものではなく、例えば、記録媒体6の中心部に近い位置に、基本データ部51が作成されるということに限定されるわけではない。基本データ部51に記録されているデータと、付帯データ部52に記録されているデータは、再生される際、それぞれ高速に、各部にアクセスされながらデータが読み出される必要があるため、この記録媒体6を再生する装置(この場合、PC3)の処理負担を軽減させるために、再生時刻が等しい基本データ部51のデータと、付加データ部52のデータが近接するように、交互にデータを配置するようにしても良い。
【0037】
次に、このような記録媒体6を用いた場合の、図1に示した情報処理システムの動作について図4のフローチャートを参照して説明する。前提として、ユーザは、図3に示したようなデータ構造でデータが記録されている記録媒体6を、購入しているとする。図4に示したようなフローチャートの処理が開始されるのは、ユーザが購入した記録媒体6を、PC3により再生させるために、PC3の、例えば、ドライブ30に、記録媒体6をセットした状態のときである。
【0038】
ステップS1において、PC3は、サーバ2にアクセスを開始する。例えば、記録媒体6には、図3に示したデータ部以外にも、サーバ2のアドレスが記録される部分(不図示)が設けられており、その部分に記録されているアドレスに基づいて、サーバ2へのアクセスが開始される。また、そのような記録されているアドレスに基づいてアクセスが開始される場合、例えば、記録媒体6がPC3にセットされ、再生が指示されたときに、ユーザ側が特に操作を行わなくても、ブラウザが起動され、記録されているアドレスが読み出され、アクセスが開始されるようなプログラムをさらに記録媒体6に記録させるようにしても良い。
【0039】
サーバ2への他のアクセス方法とし、例えば、ユーザが記録媒体6を購入した際の、その記録媒体6が収納されていたケースや、付随する紙媒体に、サーバ2のアドレスを記載し、ユーザがPC3の入力部26から、そのアドレスを入力することにより、アクセスが開始されるようにしても良い。勿論、この他の方法により、サーバ2へのアクセスが開始されるようにしても良い。
【0040】
ステップS1において、PC3から出されたアクセス要求が、サーバ2に受信されると、サーバ2は、ステップS2において、PC3に対して、記録媒体6のユニーク番号の送信を要求する。ユニーク番号とは、記録媒体6毎に割り当てられた番号であり、記録媒体6を一意に区別することが可能とされている番号である。ユニーク番号は、どのような形態のものを用いても良い。
【0041】
PC3は、サーバ2からのユニーク番号の送信要求を受信し、その要求に対応する処理として、ステップS2において、セットされている記録媒体6から、その記録媒体6のユニーク番号を読み出し、サーバ2に対して送信する。サーバ2は、PC3から送信されたユニーク番号を受信すると、ステップS12において、アクセス回数に関する処理を実行する。ステップS12において行われるアクセス回数に関する処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0042】
ステップS21において、サーバ2は、ユニーク番号を受信する。サーバ2は、ステップS22において、受信したユニーク番号は、既に登録されているか否かを判断する。サーバ2には、図6に示したような情報が記憶される記憶部71が備えられている。記憶部71には、ユニーク番号と、そのユニーク番号をもつ記録媒体6を用いてアクセスが行われた回数が、それぞれ関連付けられて記憶されている。また、後述するパスワードを発行するための条件としての設定値と、その設定値におけるパスワードが関連付けられて記憶されている。
【0043】
ステップ22において、受信したユニーク番号は、既に、記憶部71にアクセス回数と関連付けられて登録されているか否かが判断され、その判断結果が、登録されていないというものである場合、ステップS23に進み、登録されているというものである場合、ステップS24に進む。
【0044】
サーバ2は、ステップS23において、受信したユニーク番号を、記憶部71に登録する。その登録の際、アクセス回数は1回と設定されて登録される。このような登録処理が終了されると、ステップS27において、情報の送信が行われる。この情報とは、どのようなものでも良いが、例えば、記録媒体6に記録されているコンテンツデータを作成した会社の案内や、その会社が提供する他のコンテンツデータの案内などが考えられる。
【0045】
一方、ステップS22において、ユニーク番号が記憶部71に既に登録されていると判断された場合、ステップS24において、その登録されていると判断されたユニーク番号に関連付けられているアクセス回数が、1だけ加算された値に変更される。そして、ステップS25において、その変更されたアクセス回数が、設定値以上になったか否かが判断される。
【0046】
ステップS25において、アクセス回数が設定値以上になったと判断された場合、ステップS26に進み、アクセス回数が設定値以上ではない(設定値以下である)と判断された場合、ステップS26の処理をスキップし、ステップS27に進む。ステップS26において、設定値に関連付けられているパスワードが読み出される(発行される)。
【0047】
設定値は、複数設けることが可能である。上述したように、付加データ部52に記録されているデータと付帯データ部53に記録されているデータとに施されている暗号化と同一方式が用いられ、一括して暗号化が解かれるとして設定されている場合、パスワードは、その暗号化を解く1個の鍵とされ、1つの設定値と関連付けられる。
【0048】
付加データ部52に記録されているデータと、付帯データ部53に記録されているデータとに施されている暗号化が異なる場合、それぞれの暗号化を解く2個の鍵とされ、それぞれの鍵が、異なる設定値と関連付けられる。また、段階的に暗号化が解かれるようにする場合、その設けられた段階と同等数の設定値が設けられ、それぞれの段階毎の鍵と関連付けられる。
【0049】
アクセス回数が設定値以上になったと判断された場合、ユーザに対して、付加データ部52または付帯データ部53に記憶されているデータのうち、どのデータ(サービス)を受けられる状態にするかを問うステップを設け、そのステップにおけるユーザからの返答に基づいて、対応するパスワードがユーザに対して提供されるように、設定値とパスワードを関連付けても良い。
【0050】
図5に示したフローチャートの説明に戻り、ステップS26において、パスワードが発行されると、ステップS27に進む。ステップS27において情報が送信されるわけだが、その情報には、ステップS26の処理からステップS27に処理が来た場合には、発行されたパスワードに関する情報が含まれ、ステップS26の処理がスキップされステップS27に処理が来た場合には、パスワードに関する情報は含まれない。
【0051】
ステップS27において、サーバ2からPC3に対して情報が送信されると、PC3側では、その情報を受信することにより、ステップS3(図4)以降の処理が実行される。ステップS3において、PC3は、受信した情報内に、パスワードに関する情報が含まれているか否か(パスワードを受信したか否か)を判断する。ステップS3において、パスワードを受信したと判断された場合、ステップS4に進み、その受信したパスワードが、例えば、PC3の記憶部28に記憶される。
【0052】
PC3は、記憶したパスワードを用いて、ステップS5において、記録媒体6の付加データ部52または付帯データ部53に記録されているデータの解読を開始する。すなわち、パスワードは、この場合、記録媒体6の付加データ部52または付帯データ部53に記録されているデータに施されている暗号化を解く鍵であり、その鍵が用いられて、ステップS5における解読が行われる。この解読の際、解読されるのは、受信した鍵で暗号化が解ける範囲のデータである。
【0053】
ステップS6において、再生が実行される。この再生は、付加データ部52に記録されているデータが、ステップS5の解読が行われることにより用いられる状態にされた場合、そのデータも用いられた再生、すなわち、基本データ部51に記録されているデータに、付加データ部52に記録されているデータが補間されることにより、高音質、高画質用のコンテンツデータが生成され、そのコンテンツデータが再生される。ステップS7において、ユーザは、PC3の出力部27としてのディスプレイ(不図示)上に表示された画像や文章を閲覧する。そのような画像や文章をユーザが閲覧できる状態にする処理が、ステップS7において、PC3により行われる。
【0054】
ディスプレイ上に表示される画像や文章は、ステップS27(図5)において、サーバ2から送信された情報に基づくものである。勿論、画像や文章の他に、音声などが提供されるようにしても良い。
【0055】
このように、サーバ2へのアクセス回数により、記録媒体6に記録されているデータの内の、再生可能となるデータ量を増すようにすることができる。このような記録媒体6を提供する側としては、サーバ2に対するアクセスを増加させることを期待することができ、そのサーバ2において提供される情報の閲覧数を増加させることを期待することができる。従って、サーバ2により提供される情報の宣伝効率を高めることを期待することができる。
【0056】
また、ユーザ側としては、アクセスすることで高音質や高画質のコンテンツデータを得られるだけでなく、アクセス先のサーバ2から情報を得ることもできるため、積極的に、サーバ2へのアクセスを行うようになる。
【0057】
このように、ユーザは、サーバ2に対して、設定値になるまでアクセスを繰り返すわけだが、アクセスする毎に得られる情報が、いつも同じであると、何度もアクセスする気にはなれない。従って、そのような状況が発生するのを防ぐために、サーバ2側としては、提供する情報を、所定の周期で変更するなどして、新しい情報を提供するようにした方が良い。
【0058】
所定の周期で情報を変更するとともに、複数の情報を用意し、それらの複数の情報を、アクセスしてきたユーザに対して、1つずつ提供するようにし、かつ、複数回、同一の情報が提供されないように制御するようにしても良い。このようにした場合、例えば、情報に、識別子を付け、記憶部71(図6)に、ユニーク番号、アクセス回数、および、既に提供した情報の識別子を、それぞれ関連付けて記憶するようにして、同一の情報が提供されないような制御が行われるようにしても良い。
【0059】
また、複数の情報をサーバ2側で用意するような場合、1つの情報を提供する毎に、アクセス回数を1つずつ加算していくようにしても良い。換言すれば、1回のアクセスにおいて、ユーザが、所定の操作を行うことにより、1以上の情報の取得を要求した場合など、その要求した情報の数だけ、アクセス回数を増加させるようにしても良い。
【0060】
サーバ2が記憶する情報としては、サーバ2から直接PC3に対して提供される情報でも良いし、サーバ2とは異なるサーバに記憶されている情報でも良い。サーバ2とは異なるサーバに記憶されている情報が提供されるようにした場合、例えば、サーバ2は、他のサーバのアドレスを記憶し、PC3がアクセスしてきたとき、その接続を、その記憶している他のサーバのアドレスを元に、他のサーバとの接続に切り換え、そのサーバから情報が提供されるような仕組みを設けても良い。
【0061】
記録媒体6に記録されるサーバ2のアドレスが、複数記録されるようにしても良い。記録媒体6にサーバ2のアドレスが複数記録されるようにした場合、サーバ2へのアクセスが開始される際、複数記録されているアドレスのうちの1つのアドレスが、ランダムに読み出され、その読み出されたアドレスに従って、アクセスが行われるような仕組みを設けても良い。このような仕組みが設けられ、複数のサーバ2に対してアクセスが行われるようにした場合、それらの複数のサーバ2間で、共通にアドレス回数をカウントする仕組みを設ける必要はある。
【0062】
ところで、図4や図5のフローチャートの処理が実行されることにより、パスワードが、PC3の記憶部28に記憶された場合、その後、サーバ2にアクセスしなくても、その記憶されているパスワードが利用されて付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にされるようにしても良い。勿論、パスワードは、アクセスした時点のみ与えられるものとし、記憶部28に記憶させないようにしても良い。そして、付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にするためには、サーバ2に対してアクセスを、その都度行われるようにしても良い。
【0063】
また、記録媒体6の所定の領域に、パスワードを記録できる記録領域を設け、PC3により取得されたパスワードは、その記録領域に書き込まれるようにしても良い。このようにした場合、その記録媒体6は、PC3以外の装置でも、付加データ部52などのデータを利用可能とすることができる。このようにした場合、記録媒体6にパスワードなどの情報を記録させる機能を有するPC3を用いる必要はある。
【0064】
上述した実施の形態においては、アクセス回数により、暗号化を解くための鍵(パスワード)が与えられるとしたが、課金額に応じてパスワードが与えられるようにしても良い。次に、課金額に応じてパスワードが与えられる場合について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
PC3におけるステップS31とステップS32の処理は、図4に示したフローチャートのステップS1とステップS2の処理と同様にして行われる。そして、サーバ2におけるステップS31の処理も、図4に示したフローチャートのステップS11の処理と同様に行われる。ユニーク番号を受信したサーバ2は、ステップS42において、そのユニーク番号により識別される記録媒体6を所有するユーザからの所定額の入金があったか否かを確認する。
【0066】
ユーザからの入金の方法としては、例えば、サーバ2と接続されている状態のときに、所定の画面に対してユーザが、例えば、名前やクレジットカード番号を入力し、ネットワーク上でデータの授受が行われることにより行われる。所定の口座への振り込みなどによる入金の方法も、勿論、用いることは可能である。
【0067】
ステップS42において、所定の額の入金が確認された場合、ステップS43に進み、パスワードの発行が行われる。ステップS42において、所定の額の入金が確認されなかった場合、これ以降の処理は行われない。ステップS43において発行されたパスワードは、PC3において受信される。PC3は、パスワードを受信した場合、ステップS33の処理として、受信したパスワードを記憶する。
【0068】
ステップS33乃至S35の処理は、図4に示したフローチャートのステップS4乃至S6の処理と基本的に同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
上述した説明においては、ネットワーク上のデータの授受により入金が行われるとしたが、店頭で、料金の支払いが行われるようにしても良い。そのようにした場合、店頭で、記録媒体6のユニーク番号が用いられてパスワードが発行され、その発行されたパスワードが記録媒体6に記録される。パスワードが記録媒体6に記録されているため、PC3側の処理としては、ステップS34の解読の処理から開始されるようにすることが可能である。
【0070】
このように、料金の支払いにより、付加データ部52や付帯データ部53に記録されているデータが利用可能な状態にされるようにしても良い。このようにした場合、アクセス回数による場合と同様に、段階的な料金を設け、その料金により、利用できるデータ量が増すような仕組みを設けても良い。また、料金の支払いとは、例えば、1アーティストの異なるCDを、所定枚数購入した場合に、所定の額の料金が支払われたとして設定しても良い。
【0071】
上述した実施の形態においては、記録媒体6にデータが記録されて配布されるとしたが、配信センタ4からネットワーク1を介して配信されるようにしても良い。そのようにした場合、まず、基本データ部51のデータが、PC3にネットワーク1を介して配信される。その配信の際、課金が行われるようにしても良い。
【0072】
その後、サーバ2に対するアクセスが所定の回数(設定値)以上になったとき、課金額を支払ったときなどに、付加データ部52に記録されるデータに相当するデータや、付帯データ部53に記録されるデータに相当するデータが、ユーザ(PC3)に対して提供される。その提供は、例えば、図5に示したフローチャートのステップS26において、パスワードが発行される際、そのパスワードとともに、データが読み出され、PC3に対して送信される。送信されるデータは、不正に利用されないように、暗号化を施して送信することが好ましい。
【0073】
このように、本発明は、予め記録媒体6に記録されているデータに対してのみでなく、ネットワークを介して授受されるデータに対しても適用することが可能である。
【0074】
上述した実施の形態においては、データとして、音楽に関するコンテンツデータや、映像に関するコンテンツデータを例に挙げて説明したが、コンピュータのプログラムなどのコンテンツデータなどでも適用できることは言うまでもない。
【0075】
また、基本データ部51に記録されるデータは、例えば、音楽の一部分のメロディのデータ、すなわち、宣伝用のデータであり、付加データ部52に記録されるデータは、その宣伝用として提供される音楽の、全部のデータとしても良い。このようにした場合、ユーザは、基本データ部51に記録されている宣伝用の音楽を試聴し、気に入った音楽に対して課金額を支払うなどしてパスワードを取得し、付加データ部52に記録されているデータを再生させることにより1楽曲分を聴取する。
【0076】
上述した実施の形態においては、付加データ部52や付帯データ部53に、それぞれ暗号化されて記録されているデータは、パスワードとしての鍵が用いられて復号されるとしたが、パスワードとユニーク番号が用いられて復号されるようにしても良い。
【0077】
本発明を適用することにより、例えば、普通の音質のCDと高音質のCDといった、異なる2枚のCDを作成するような場合においても、普通の音質のデータと高音質のデータを1枚のCDに記録させることができ、かつ、普通の音質のデータと高音質のデータとの差額分の料金を徴収することもできる。従って、ユーザ側にとっては、所望したときに、アップグレードが簡便に行うことが可能となる。さらに、本発明を適用することにより、それぞれのコンテンツに対して、きめ細やかな付加価値、価格設定が可能となる。
【0078】
上述した本発明の実施の形態においては、アクセス回数や課金額が所定の条件を満たすと、パスワードが与えられ、条件を満たす前には利用できなかったデータが利用できる状態とされるとしたが、その逆のことを実施するようにしても良い。すなわち、アクセス回数や課金額が所定の条件を満たすと、条件を満たす前には、必ず再生されていたデータが、再生されないようにしても良い。
【0079】
例えば、記録媒体6を購入した時点では、音楽のコンテンツデータが再生されている間に、コマーシャルのコンテンツデータが再生されるが、所定の条件を満たすと、そのコマーシャルのコンテンツデータが再生されなくなり、音楽のコンテンツデータのみが再生されるようになるといったことも、本発明を適用することにより可能となる。
【0080】
配信センタ4は、記録装置5により記録媒体6を製造する際、サーバ2のアドレスを記録するということで、サーバ2から所定の額の料金を徴収するようにしてもよい。また、サーバ2に対してアクセスがあった回数により、課金する仕組みを設けても良い。このように、適宜、課金の仕組みを設けることは可能である。
【0081】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0082】
記録媒体は、図2に示すように、PC3とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク41(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク42(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク43(MD(Mini-Disc)(登録商標)を含む)、若しくは半導体メモリ44などよりなるパッケージメディアにより構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記憶されているROM22や記憶部28が含まれるハードディスクなどで構成される。
【0083】
なお、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に従って、時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0084】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【符号の説明】
【0085】
1 ネットワーク, 2 サーバ, 3 PC, 4 配信センタ, 5 記録装置, 6 記録媒体, 51 基本データ部, 52 付加データ部, 53 付帯データ部, 71 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、
前記第2のデータは、前記第1のデータに補完しながら、前記第1のデータを情報処理装置によって再生可能である
記録媒体。
【請求項2】
前記第1のデータに関わる情報を提供する第3のデータがさらに記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
前記第2のデータを復号する鍵データを他の装置から取得する際に、前記他の装置に接続するために用いられる前記他の装置のアドレスがさらに記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項4】
前記第2のデータは、前記第1のデータの外周に記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項5】
再生時刻がほぼ等しい前記第1のデータと、前記第2のデータとが、交互に配置される
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項6】
パスワードを記録できるパスワード領域を有し、
前記パスワードによって、前記第2のデータを利用可能とする
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項1】
暗号化されていない第1のデータ、および、所定の方式により暗号化された第2のデータが少なくとも記録され、
前記第2のデータは、前記第1のデータに補完しながら、前記第1のデータを情報処理装置によって再生可能である
記録媒体。
【請求項2】
前記第1のデータに関わる情報を提供する第3のデータがさらに記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項3】
前記第2のデータを復号する鍵データを他の装置から取得する際に、前記他の装置に接続するために用いられる前記他の装置のアドレスがさらに記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項4】
前記第2のデータは、前記第1のデータの外周に記録されている
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項5】
再生時刻がほぼ等しい前記第1のデータと、前記第2のデータとが、交互に配置される
請求項1に記載の記録媒体。
【請求項6】
パスワードを記録できるパスワード領域を有し、
前記パスワードによって、前記第2のデータを利用可能とする
請求項1に記載の記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−283011(P2009−283011A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196324(P2009−196324)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【分割の表示】特願2007−35730(P2007−35730)の分割
【原出願日】平成13年11月1日(2001.11.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【分割の表示】特願2007−35730(P2007−35730)の分割
【原出願日】平成13年11月1日(2001.11.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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