説明

記録装置

【課題】様々なロール紙に対応可能でありながら、予め残りの紙量を認識して、紙長不足による完結できない印刷を避けることができる記録装置を提供する。
【解決手段】用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、ロール設置部、ニアエンド検出手段、第1の用紙検出センサ、給紙ローラ対、第2の用紙検出センサ、分岐爪、及び、中間巻取ローラを備え、上記分岐爪が、前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、前記用紙を前記中間巻取ローラに供給する中間巻取位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、さらに仮巻取制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール紙を用いるインクジェット式、電子写真式、静電写真式、ペンプロッター式等の記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロール紙に画像記録を行う記録装置としてはインクジェット記録装置をはじめとして、電子写真方式、静電写真方式、ペンプロッター方式などさまざまな記録方式による記録装置が存在する。これらの装置に用いられるロール紙は紙管と呼ばれる巻き芯に巻かれて市場に供給されているが、ロール紙の供給メーカによって紙管の直径はまちまちであり、太さだけを判断した場合、ロールの外径がどの程度に時点で紙なしとなるのかがわかりにくい。また紙管は紙幅とほぼ同幅で加工されているので、紙管の直径を検知して、ロール紙の外径との差から残りの巻き量を推定することもむずかしい。しかし、ロール紙の残量が少ないまま、長尺の記録を行うと記録の終了間際になって紙切れとなり、それまでの記録動作が無駄となってしまうことがある。
【0003】
新品のロール紙を最後まで連続的に使い切れば、メーカの保証巻き量から使用中の残量がわかるが、使用の途中で別の種類のロール紙に交換した時点で残量は不明となってしまう。 また、この交換の際に取り出した用紙の先端に残量を記録し、再度記録装置に取り付けた時点で装置がこれを読み取り、残量を確認する方式もあるが、手差し給紙を行うなど、カット紙をそのロールから切り出してしまうと、残量はわからなくなってしまう。特願2002−338229(特許文献1)(特開2004−167931公報)によって提案されている技術のように、ニアエンド、すなわち用紙終了が近いことを検知した後、ロール紙の記録所用長さ分を機外に逃がすなどして、搬送経路を延ばし、印字相当量分の経路を確保する方法があるが、複数ロール方式においては、これを行うことは難しく、また経路を伸ばすための充分なスペースを確保しなくてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、様々なロール紙に対応可能でありながら、予め残りの紙量を認識して、紙長不足による完結できない印刷を避けることができる記録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の記録装置は、上記課題を解決するために、請求項1に記載の通り、用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、(a)前記用紙送出方向または該用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向に回転駆動されるロール設置部、(b)前記ロール設置部に設置された前記ロールの太さを検出するニアエンド検出手段、(c)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ、(d)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向または前記用紙逆送方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対、(e)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(f)前記用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪、及び、(g)前記分岐爪付近に設置された、前記用紙が巻き付く方向である用紙巻付方向または巻き付いた前記用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラを備えた記録装置において、(イ)前記分岐爪が、前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、前記用紙を前記中間巻取ローラに供給する中間巻取位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、(ロ)前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの直径が所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記給紙ローラ対によって検出される前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さとなるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙巻付方向に、それぞれ回転駆動させて前記中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さに至ったときには前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで、前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に、それぞれ回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記印字送出位置に回動させた後に前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量が前記第2の用紙検出センサから前記記録部での印字開始箇所までの距離長さと前記記録部で要求される用紙長さとの和に至るまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に回転駆動させて前記用紙を前記記録部へ送り出す仮巻取制御部を備えることを特徴とする記録装置である。
【0006】
また、本発明の記録装置は請求項2に記載の通り、用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、(a)前記用紙送出方向に回転可能であり、かつ、該用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向に回転駆動されるロール設置部、(b)前記ロール設置部に設置された前記ロールの太さを検出するニアエンド検出手段、(c)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ、(d)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向または前記用紙逆送方向に回転駆動させる給紙ローラ対、(e)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を切断するカッタ、(f)前記カッタの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(g)前記用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪、及び、(h)前記分岐爪付近に設置された前記用紙が巻き付く方向である巻付方向または巻き付いた前記用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラを備えた記録装置において、(イ)前記分岐爪が、前記用紙を巻き取る前記中間巻取ローラに用紙を供給する中間巻取位置と、該中間巻取ローラに巻き取られた該用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、(ロ)前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの太さが所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記第2駆動ローラ対によって検出される前記用紙先端から前記カッタの切断部までの用紙長さが前記記録部で要求される用紙長さになるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて該中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量から前記用紙先端から前記カッタの切断部までの前記用紙の長さが前記記録部で要求される用紙長さになったときに該カッタにより前記用紙を切断させ、次いで前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に回転駆動させて、前記切断された用紙を前記記録部へ送り出す切断巻取制御部を備えたことを特徴とする記録装置である。
【0007】
また、本発明の記録装置は、請求項3に記載の通り、用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、(a)前記ロールを回転可能に保持するロール設置部、(b)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記ロール設置部への用紙のセットの有無を検出する第1の用紙検出センサ、(c)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向へ駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対、(d)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(e)前記第2の用紙検出センサ付近に設置された前記用紙を巻き取る方向である用紙巻取方向または巻き取られた該用紙を解き戻す向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラ、(f)前記中間巻取ローラの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出するレジストローラ対、及び、(g)前記レジストローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第3の用紙検出センサを備えた記録装置において、前記第1の用紙検出センサにより前記ロール設置部と前記給紙ローラ対とに前記用紙がセットされたことが検出されたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の終端が検出されるまで、前記給紙ローラ対により前記用紙長を測定しながら前記給紙ローラ対を前記用紙送り出し方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて前記用紙を前記中間巻取ローラに巻き取るとともに、前記測定された用紙長を用紙残量として記憶し、次いで、前記第3の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させたのちに、前記用紙残長から第2の駆動ローラと第3の用紙検出センサとの前記用紙長さを減じ、その後、前記記録部より用紙の供給とその用紙の長さとを指定する用紙供給・用紙長信号を受けて前記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙の長さを減じ、該用紙残長が0か0よりも小さくなったときに前記用紙の駆動を行わず、前記用紙残長が0よりも大きいときには前記用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて前記記録部へ前記用紙を送出する全量中間巻取制御部を備えたことを特徴とする記録装置である。
【0008】
また、本発明の記録装置は、請求項4に記載の通り、請求項3に記載の記録装置において、中間巻き取り終了を通報するため中間巻取終了通報手段と再開開始指示手段とを備え、前記中間巻取ローラが、前記中間巻取ローラの駆動部から取り外し可能であるとともに、取り外された該中間巻取ローラの軸に垂直な方向に180°回転した状態で前記駆動部に取り付け可能であり、かつ、前記全量中間巻取制御部が、前記用紙の終端が検出された後に中間巻取終了通報手段により中間巻き取り終了を告知するとともに作動を一旦停止し、その後、前記再開開始指示手段からの再開開始信号を受けて動作を再開するものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の記録装置は、請求項5に記載の通り、用紙が芯軸に巻き取られてなるロールを巻替軸に巻き替えてなる巻替ロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、(a)前記ロールを回転可能に保持するロール設置部、前記巻替軸を取り外し可能に保持し前記ロール設置部に保持されたロールから該巻替軸に用紙を巻き取りながら該用紙の長さを測定するための巻替部、及び、前記ロール設置部と巻替部との間の用紙の有無を検出する巻替検出センサを備えた測長・巻替部、(b)前記測長・巻替部で前記用紙が巻き替えられた前記巻替軸を回転可能に保持する巻替軸保持部、(c)前記巻替軸保持部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出するレジストローラ対、及び、(d)前記レジストローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を検出する用紙検出センサを備えた記録装置において、前記、測長・巻替部で用紙を前記ロールから前記巻替軸に巻き替えるとともに該用紙の長さを測定し、前記測定された用紙の長さを用紙残量として保持するとともに、該用紙残量から前記印刷部と前記巻替軸保持部との間の距離長さを減じ、その後、前記記録部より用紙の供給とその用紙の長さとを指定する用紙供給・用紙長信号を受けて前記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙長を減じ、該用紙残長が0か0よりも小さくなったときに前記用紙の駆動を停止させ、前記用紙残長が0よりも大きいときには前記用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるように前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に回転駆動させて前記巻替軸保持部に保持された前記巻替ロールの用紙を前記記録部へ送り出す全量巻替制御部を備えたことを特徴とする記録装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の記録装置によれば、ロール設置部、ニアエンド検出手段、第1の用紙検出センサ、給紙ローラ対、第2の用紙検出センサ、分岐爪、及び、中間巻取ローラを備え、上記分岐爪が、前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、前記用紙を前記中間巻取ローラに供給する中間巻取位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、さらに仮巻取制御部を備えるために、最小限のスペースで、ロール紙の種類にかかわらず、画像の記録前に用紙の残量を把握でき、長さ不足の用紙への印字と云う無駄をあらかじめ防止することができる。
【0011】
また、請求項2に係る本発明の記録装置によれば、ロール設置部、ニアエンド検出手段、第1の用紙検出センサ、給紙ローラ対、カッタ、第2の用紙検出センサ、分岐爪、及び、中間巻取ローラを備え、かつ、切断巻取制御部を備えているために最小限のスペースで、ロール紙の種類にかかわらず、画像の記録前に用紙の残量を把握でき、長さ不足の用紙への印字と云う無駄をあらかじめ防止でき、かつ、ニアエンドでの印字部への用紙の供給に必要な時間を短くすることができる。
【0012】
また、請求項3に係る本発明の記録装置では、ロール設置部、第1の用紙検出センサ、給紙ローラ対、第2の用紙検出センサ、中間巻取ローラ、レジストローラ対、及び、3の用紙検出センサを備え、さらに全量中間巻取制御部を備えているために、最小限のスペースで、ロール紙の種類にかかわらず画像の記録前に用紙の残量を把握でき、長さ不足の用紙への印字と云う無駄をあらかじめ防止でき、かつ、ニアエンドでの印字部への用紙の供給に必要な時間を最小限とすることができる。
【0013】
また、請求項4に係る本発明の記録装置によれば、請求項3に記載の記録装置において、中間巻き取り終了を通報するため中間巻取終了通報手段と再開開始指示手段とを備え、前記中間巻取ローラが、前記中間巻取ローラの駆動部から取り外し可能であるとともに、取り外された該中間巻取ローラの軸に垂直な方向に180°回転した状態で前記駆動部に取り付け可能であり、かつ、前記全量中間巻取制御部が、前記分岐爪が印字送出位置に回動駆動されたときに中間巻取終了通報手段を表示して前記用紙の駆動を停止するとともに、前記再開開始指示手段からの再開開始信号を受けて、その後の動作を再開するものである構成により、請求項3の発明の効果に加えて、裏表がある用紙であっても対応可能である。
【0014】
また、請求項5に係る本発明の記録装置によれば、巻替軸、ロール設置部、および、巻替部を備えた測長・巻替部、巻替軸保持部、レジストローラ対、及び、用紙検出センサを備え、さらに、全量巻替制御部を備えているために、用紙のロール全体をいったん測長・巻取部で巻き取りながら長さを測ることにより、最小限のスペースで、ロール紙の種類にかかわらず画像の記録前に用紙の残量を把握でき、長さ不足の用紙への印字と云う無駄をあらかじめ防止でき、かつ、ニアエンドでの印字部への用紙の供給に必要な時間を最小限とすることができ、かつ、裏表がある用紙であっても対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置の一例のモデル図である。
【図2】請求項1にかかる記録装置の一例の用紙供給部付近を示すモデル図である。
【図3】図3の記録装置の仮巻取制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】請求項2にかかる記録装置の一例の用紙供給部付近を示すモデル図である。
【図5】図4の記録装置の仮巻取制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】請求項3にかかる記録装置の一例の用紙供給部付近を示すモデル図である。
【図7】図6の記録装置の仮巻取制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】請求項5にかかる記録装置の一例の用紙供給部付近を示すモデル図である。
【図9】図8の記録装置の仮巻取制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0017】
図1に用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であるインクジェット方式のプリンタの一例のモデル図を示す。
【0018】
この装置内ではロール給紙装置を3台備えており、それぞれロール設置部には用紙が芯軸(紙管)に巻き取られてなるロール2の芯軸の両サイドにフランジ1が2個セットされている。フランジ1の外形はこの例ではロールの最大外形よりも小さくなっている。フランジ1がセットされたロール2はフランジ受け台3上にセットされており、駆動モータ7から駆動し得る給紙ローラ対6から、用紙テンション付加手段(駆動ローラ対)へと搬送される。さらに用紙送出方向下流のレジストローラ対13aとレジスト加圧ローラ14から構成される、用紙を駆動しながらその駆動量を検出するレジストローラ対13の間に搬送された用紙はチャンバー18上のプラテン板上に搬送される。チャンバー18下部に配置された吸引ファン19にてチャンバー内に負圧が形成されて、プラテン板上に複数の穴を設けてあるため、用紙がプラテン板上に吸いつけられて用紙の平面度が維持される。プラテン板の上にはインクを吐出するためのヘッド15を搭載したキャリッジ16が配置されており、キャリッジ16は主走査ステー17に沿って用紙の幅方向に往復して、インクをプラテン板上の用紙に向かって吐出することで用紙に画像を形成する。用紙はヘッドの幅に対応してキャリッジ16が移動するたびにレジストローラ対13より所定の長さ分送り出され(間欠搬送)、画像形成がおわると、カッタ20において、所定の長さに用紙をカットして反転用紙ガイド21に沿って搬送され、排紙トレー22に排出される。
【0019】
ここで本発明のうち、請求項1にかかる記録装置の用紙供給部付近のモデル説明図を図2に示す。
【0020】
ロール2aが設置されるロール設置部30には、ロール2aの紙管(芯軸)の両端にフランジ1aがそれぞれセットされ、フランジ受け台3aに載置されており、用紙送出方向(図中実線矢印)に回転可能であり、かつ、フロントころ5aを介して巻き戻しローラ4aによって用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向(図中破線矢印)に回転駆動されるように構成されている。
【0021】
ロール2aの太さを検出するニアエンド検出手段として残量検知ころ28aがこのロール設置部Aに設置されている。
【0022】
ロール設置部30の用紙送出方向下流側に用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ27a(この例では光線式センサ)が設置されており、この第1の用紙検出センサ27aの用紙送出方向下流側には前記用紙を用紙送出方向または前記用紙逆送方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対6が設置されている。
【0023】
給紙ローラ対6の用紙送出方向下流側には給紙ローラ対6と連動して用紙を用紙送出方向または用紙逆送方向に駆動させる補助給紙ローラ対31が設置され(補助給紙ローラ対31はこの例では給紙ローラ対6に対して中間巻取ローラ24の位置が高いために備えられているが、必須ではない)、補助給紙ローラ対31の用紙送出方向下流側には用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ25が設置されている。
【0024】
この用紙検出センサ25の用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪29が、及び、この分岐爪29付近には用紙が巻き付く方向である用紙巻付方向(図中実線矢印)または巻き付いた用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向(図中破線矢印)に回転駆動される中間巻取ローラ24が備えられている。
【0025】
上記分岐爪29は、中間巻取ローラ24(給紙ローラ対6)から供給された用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、中間巻取ローラ24(給紙ローラ対6)から供給された用紙を前記中間巻取ローラに供給する中間巻取位置と、の間を回動駆動可能に設けられている(図示されている分岐爪29は中間巻取位置にある)。
【0026】
また、図中符号34は仮巻取制御部であって、内部に図示しない演算回路、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、タイマー、入力インターフェース、出力インターフェース、A/Dコンバーター、D/Aコンバーターなどを備え、記録部40、巻き戻しローラ4a、残量検知ころ28a、第1の用紙検出センサ27a、給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、第2の用紙検出センサ25、分岐爪29、および、中間巻取ローラ24にそれぞれ信号線によって接続されている。
【0027】
次にこの請求項1にかかる記録装置の仮巻取制御部34によって制御される用紙供給部の動きについて図3のフローチャートを用いて説明する。
【0028】
初期状態としては用紙の先端は、図1におけるカッタ21の切断位置(印字直後)、または給紙ローラ対6付近の下流側(待機状態)にあり、分岐爪29は前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置にある。
【0029】
ステップS1で記録部40から用紙供給要求信号が来た(Y)とき、ステップS2に進む。用紙供給要求信号が来ない場合はステップS1に戻り待機する。
【0030】
ステップS2では、ニアエンド検出手段により検出されるロール2aの直径が所定のニアエンド太さ(あらかじめ上記ROMに記録されている)太さより太い(N)場合にはまだ充分に用紙があるので、ステップS3に進み、給紙ローラ対6、および、補助給紙ローラ対31を所定量駆動し用紙供給要求信号における必要用紙長さを記録部40に供給したのち給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を停止後にステップS1に戻る。
【0031】
一方、ステップS2においてロール2aの直径が所定のニアエンド太さ以下の場合(Y)にはステップS4に進む。ステップS4で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出された(Y)場合にはステップS8に進む。
【0032】
ステップS4で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出されない(N)場合には、ステップS5で第2の用紙検出センサ25により用紙自体が検出されるかどうか調べ、検出された場合(Y)には第2の用紙検出センサ25の下流側に用紙の先端があるのでステップS6に進み、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙逆送方向に回転駆動させてステップS4に戻り、ステップS6で第2の用紙検出センサ25により用紙自体が検出されない場合(N)には、第2の用紙検出センサ25の上流側に用紙の先端があるのでステップS7に進み、ロール設置部30の巻き戻しローラ4a、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙送出方向に回転駆動させてステップS4に戻る。
【0033】
上記ステップS4で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出された(Y)場合には、ステップS8で巻き戻しローラ4a、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31に停止信号を送り停止させる(実施例において各機器は停止状態の時に停止信号を受信しても何ら動作しない。以下同じ)。
【0034】
次いで、ステップS9で前記分岐爪29を中間巻取位置に回動させた後に、ステップS10〜S12に進み、ステップS10で第1の用紙検出センサにより用紙の後端が検出される(Y)までまたはステップS11で給紙ローラ対によって検出される用紙の駆動量が用紙供給要求信号における必要用紙長さになる(Y)までステップS12で前記給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙送出方向に、及び、中間巻取ローラ24を前記用紙巻付方向に、それぞれ回転駆動させて前記中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせる。
【0035】
上記ステップS10で第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出された(Y)ときには紙切れであるのでステップS14で、給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、及び、中間巻取ローラ24の駆動を停止させて、用紙の駆動を停止させるとともに、用紙切れ信号を記録部40に送信する。この信号を受けて、記録部40では、記録装置内の他の用紙供給部からの用紙によって記録を継続するか、あるいは、ブザーやランプ、液晶表示などで紙切れ警告を行う。
【0036】
一方、ステップS10で用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さ(この例では上記RAMに蓄えられている)になった(Y)ときにはステップS13で給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、及び、中間巻取ローラ24を停止させた後、ステップS15〜S16に進む。
【0037】
ステップS15で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出される(Y)まで、ステップS16でロール設置部の巻き戻しローラ4a、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を用紙逆送方向に、及び、中間巻取ローラ24を用紙解戻方向に、それぞれ回転駆動させる。
【0038】
ステップS15で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出された(Y)ときには、ステップS17で給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、及び、中間巻取ローラ24を停止させ、ステップS18に進む。
【0039】
ステップS18では分岐爪29を印字送出位置に回動させ、その後ステップS19〜S20に進み、ステップS19で給紙ローラ対6により検出される用紙の駆動量が第2の用紙検出センサから記録部での印字開始箇所までの距離長さ(この例では上記ROM内に保持されている)と記録部40からの用紙供給要求信号における必要用紙長さとの和(フローチャートでは”所要量”と記載)となるまでステップS20給紙ローラ対6及び補助給紙ローラ対31を用紙送出方向に回転駆動させて用紙を記録部40へ送り出す。上記ステップS19で、給紙ローラ対6により検出される用紙の駆動量が第2の用紙検出センサから記録部での印字開始箇所までの距離長さとなった(Y)ときにはステップS21で給紙ローラ対6及び補助給紙ローラ対31を駆動停止し、ステップS1に戻って待機状態となる。
【0040】
このステップS16〜S19の途中、あるいは終了後に仮巻取制御部34は記録部40に用紙の供給状況を伝える信号、あるいは用紙の供給終了信号を送り、記録部40はこの信号に従ってレジストローラ対13、ヘッド15等を制御しながら供給された用紙に記録を行う。
【0041】
仮巻取制御部34は上記のように、前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの直径が所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記給紙ローラ対によって検出される前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さとなるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙巻付方向に、それぞれ回転駆動させて前記中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さに至ったときには前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで、前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に、それぞれ回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記印字送出位置に回動させた後に前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量が前記第2の用紙検出センサから前記記録部での印字開始箇所までの距離長さと前記記録部で要求される用紙長さとの和に至るまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に回転駆動させて前記用紙を前記記録部へ送り出すものである。
【0042】
なお、この例では第2の用紙検出センサから記録部40での印字開始箇所までの距離長さはROMに記録されていたが、図1に符号36を付して示した、記録部40用紙送出方向上流の給紙センサを用いて、このセンサ位置まで送られた用紙先端を基準として用いることにより、上記ROMの第2の用紙検出センサから記録部40での印字開始箇所までの距離長さ数値を代替することも可能である(以下同じ)。
【0043】
次に本発明のうち、請求項2にかかる記録装置の用紙供給部付近のモデル説明図を図4に示す。
【0044】
ロール2aが設置されるロール設置部30には、ロール2aの紙管(芯軸)の両端にフランジ1aがそれぞれセットされ、フランジ受け台3aに載置されており、用紙送出方向(図中実線矢印)に回転可能であり、かつ、フロントころ5aを介して巻き戻しローラ4aによって用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向(図中破線矢印)に回転駆動されるように構成されている。
【0045】
ロール2aの太さを検出するニアエンド検出手段として残量検知ころ28aがこのロール設置部Aに設置されている。
【0046】
ロール設置部30の用紙送出方向下流側に用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ27a(この例では光線式センサ)が設置されており、この第1の用紙検出センサ27aの用紙送出方向下流側には前記用紙を用紙送出方向または前記用紙逆送方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対6が設置されている。
【0047】
給紙ローラ対6の用紙送出方向下流側には用紙を切断するカッタ21が設置され、このカッタ21の用紙送出方向下流側には前記給紙ローラ対6と連動して用紙を用紙送出方向または用紙逆送方向に駆動させる補助給紙ローラ対31が設置され(補助給紙ローラ対31はこの例では給紙ローラ対6に対して中間巻取ローラ24の位置が高いために備えられているが、必須ではない)、補助給紙ローラ対31の用紙送出方向下流側には用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ25が設置されている。
【0048】
この用紙検出センサ25の用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪29が、そしてこの分岐爪29付近には用紙が巻き付く方向である用紙巻付方向(図中実線矢印)または巻き付いた用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向(図中破線矢印)に回転駆動される中間巻取ローラ24が備えられている。
【0049】
上記分岐爪29は、用紙を巻き取る中間巻取ローラ24に補助給紙ローラ対31(給紙ローラ対6)からの用紙を供給する中間巻取位置と、中間巻取ローラ24に巻き取られた上記用紙を記録部40に送り出す印字送出位置と、の間を回動駆動可能に設けられている(図示されているのは印字送出位置である)。
【0050】
また、上記分岐爪29付近には、中間巻取ローラ24に巻き取られた上記用紙を記録部40に送り出すための第2の補助ローラ対39が設けられている(第2の補助ローラ対39はこの例では中間巻取ローラ24に対して記録部40の位置が高いために備えられているが、必須ではない)。
【0051】
また、図中符号35は切断巻取制御部であって、内部に図示しない演算回路、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、タイマー、入力インターフェース、出力インターフェース、A/Dコンバーター、D/Aコンバーターなどを備え、記録部40、巻き戻しローラ4a、残量検知ころ28a、第1の用紙検出センサ27a、給紙ローラ対6、カッタ21、補助給紙ローラ対31、第2の用紙検出センサ25、分岐爪29、及び、中間巻取ローラ24にそれぞれ信号線によって接続されている。
【0052】
次にこの請求項2にかかる記録装置の切断巻取制御部35によって制御される用紙供給部の動きについて図5のフローチャートを用いて説明する。
【0053】
初期状態としては用紙の先端は、図1におけるカッタ21の切断位置にあり、分岐爪29は前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置にある。
【0054】
初期状態としては用紙の先端は、図1におけるカッタ21の切断位置(印字直後)、または給紙ローラ対6付近の下流側(待機状態)にあり、分岐爪29は前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置にある。
【0055】
ステップS101で記録部40から用紙供給要求信号が来た(Y)とき、ステップS102に進む。用紙供給要求信号が来ない場合はステップS101に戻り待機する。
【0056】
ステップS102では、ニアエンド検出手段により検出されるロール2aの直径が所定のニアエンド太さ(あらかじめ上記ROMに記録されている)太さより太い(N)場合にはまだ充分に用紙があるので、ステップS103に進み、給紙ローラ対6、および、補助給紙ローラ対31を所定量駆動し用紙供給要求信号における必要用紙長さを記録部40に供給したのち給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を停止後にステップS101に戻る。
【0057】
一方、ステップS102においてロール2aの直径が所定のニアエンド太さ以下の場合(Y)にはステップS104に進む。ステップS104で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出された(Y)場合にはステップS108に進む。
【0058】
ステップS105で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出されない(N)場合には、ステップS105で第2の用紙検出センサ25により用紙自体が検出されるかどうか調べ、検出された場合(Y)には第2の用紙検出センサ25の下流側に用紙の先端があるのでステップS107に進み、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙逆送方向に回転駆動させてステップS104に戻り、ステップS105で第2の用紙検出センサ25により用紙自体が検出されない場合(N)には、第2の用紙検出センサ25の上流側に用紙の先端があるのでステップS106に進み、ロール設置部30の巻き戻しローラ4a、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙送出方向に回転駆動させてステップS104に戻る。
【0059】
上記ステップS104で第2の用紙検出センサ25により用紙の先端が検出された(Y)場合には、ステップS108で巻き戻しローラ4a、給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31に停止信号を送り停止させる。
【0060】
次いで、ステップS109で前記分岐爪を中間巻取位置に回動させた後に、ステップS110〜S112に進み、ステップS110で第1の用紙検出センサにより用紙の後端が検出された(Y)までまたはステップS111で給紙ローラ対によって検出される用紙の駆動量が用紙供給要求信号における必要用紙長さになる(Y)までステップS112で前記給紙ローラ対6、及び、補助給紙ローラ対31を前記用紙送出方向に、及び、中間巻取ローラ24を前記用紙巻付方向に、それぞれ回転駆動させて前記中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせる。
【0061】
上記ステップS111で第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出された(Y)ときには紙切れであるのでステップS114で、給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、及び、中間巻取ローラ24の駆動を停止させて、用紙の駆動を停止させるとともに、用紙切れ信号を記録部40に送信する。この信号を受けて、記録部40では、記録装置内の他の用紙供給部からの用紙によって記録を継続するか、あるいは、ブザーやランプ、液晶表示などで紙切れ警告を行う。
【0062】
一方、ステップS110で用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さ(この例では上記RAMに蓄えられている)になった(Y)ときにはステップS113で給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、及び、中間巻取ローラ24を停止させた後、ステップS115に進む。ステップS115ではカッタ21により用紙を切断する。
【0063】
次いでステップS116で分岐爪29を印字送出位置に回動させた後に、ステップS117で中間巻取ローラ24を用紙解戻方向に、第2の補助ローラ対39を用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて、切断された用紙を記録部40へ送り出す。
【0064】
このステップS117の前、途中、あるいは終了後に切断巻取制御部35は記録部40に用紙の供給状況を伝える信号、あるいは用紙の供給終了信号を送り、記録部40はこの信号に従ってレジストローラ対13、ヘッド15等を制御しながら供給された用紙に記録を行うとともに、記録部40はたとえば図1の給紙センサ36などで用紙の到着を確認して用紙到着確認信号を切断巻取制御部35に送り、切断巻取制御部35はステップS1118でこの用紙到着確認信号の入力を待ち、ステップS118で用紙到着確認信号が来た(Y)ときに、ステップS119に進んで中間巻取ローラ24を停止するとともにステップS1に戻って待機状態となる。
【0065】
切断巻取制御部35は上記のように、前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの太さが所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記第2駆動ローラ対によって検出される前記用紙先端から前記カッタの切断部までの用紙長さが前記記録部で要求される用紙長さになるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて該中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量から前記用紙先端から前記カッタの切断部までの前記用紙の長さが前記記録部で要求される用紙長さになったときに該カッタにより前記用紙を切断させ、次いで前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に回転駆動させて、前記切断された用紙を前記記録部へ送り出すものである。
【0066】
次に本発明のうち、請求項3及び4にかかる記録装置の用紙供給部付近のモデル説明図を図6に示す。
【0067】
ロール2aが設置されるロール設置部30’には、ロール2aの紙管(芯軸)の両端にフランジ1aがそれぞれセットされ、フランジ受け台3aに回転可能に載置されている。
【0068】
ロール設置部30’の用紙送出方向下流側に用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ27a(この例では光線式センサ)が設置されており、この第1の用紙検出センサ27aの用紙送出方向下流側には前記用紙を用紙送出方向または前記用紙逆送方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対6が設置されている。
【0069】
給紙ローラ対6の用紙送出方向下流側には前記給紙ローラ対6と連動して用紙を用紙送出方向または用紙逆送方向に駆動させる補助給紙ローラ対31が設置され(補助給紙ローラ対31はこの例では給紙ローラ対6に対して中間巻取ローラ24の位置が高いために備えられているが、必須ではない)、補助給紙ローラ対31の用紙送出方向下流側には用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ25が設置されている。
【0070】
この用紙検出センサ25の用紙送出方向下流側には補助給紙ローラ対31からの用紙を中間巻取ローラ24側に導くためのガイド29’が設けられている。
【0071】
このガイド29’付近には用紙が巻き付く方向である用紙巻付方向(図中破線矢印)または巻き付いた用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向(図中実線矢印)に回転駆動される中間巻取ローラ24が備えられて、さらに、中間巻取ローラ24付近(用紙送出方向下流側)に中間巻取ローラ24に巻き取られた上記用紙を記録部40に送り出すための第2の補助ローラ対39が設けられている(第2の補助ローラ対39はこの例では中間巻取ローラ24に対して記録部40の位置が高いために備えられているが、必須ではない)。
【0072】
さらに、前記第2の補助ローラ対39の用紙送出方向下流側に前記中間巻取ローラ24に巻き取られた用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら用紙の駆動量を検出するレジストローラ対13、及び、レジストローラ対13の用紙送出方向下流側に用紙の端部を検出する第3の用紙検出センサ36が設けられている。
【0073】
また、図中符号37は全量中間巻取制御部であって、内部に図示しない演算回路、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、タイマー、入力インターフェース、出力インターフェース、A/Dコンバーター、D/Aコンバーターなどを備え、記録部40、第1の用紙検出センサ27a、給紙ローラ対6、補助給紙ローラ対31、第2の用紙検出センサ25、中間巻取ローラ24、第2の補助ローラ対39、レジストローラ対13、及び、第3の用紙検出センサ36にそれぞれ信号線によってつながれている。
【0074】
次にこの請求項3にかかる記録装置の全量中間巻取制御部37によって制御される用紙供給部の動きについて図7のフローチャートを用いて説明する。
【0075】
ステップS201で第1の用紙検出センサ27aによりロール設置部30’と給紙ローラ対6とに用紙がセットされたかを調べ、用紙がセットされた(Y)場合に、ステップS202〜S203に進み、セットされていない場合にはステップS201を繰り返し、待機する。
【0076】
ステップS202で第2の用紙検出センサ25により用紙終端が検出される(Y)まで、給紙ローラ対6及び補助給紙ローラ対31を用紙送出方向に、中間巻取ローラ24を用紙巻付方向に、給紙ローラ対6で用紙長を測定しながら、それぞれ回転駆動させる。ステップS202で用紙終端が検出された(Y)場合にステップS204に進み、用紙終端が検出されない場合(N)は、ステップS202〜S203を繰り返す。
【0077】
ステップS204では給紙ローラ対6及び補助給紙ローラ対31の駆動を停止する。また、同時に上記で測定された用紙長を用紙残量として上記RAMに保持する。このとき中間巻取ローラ24に用紙が全量巻き取られている。
【0078】
次いで、ステップS205〜S206で、第3の用紙検出センサ36により前記用紙の先端が検出されるまで、中間巻取ローラ24を用紙解戻方向に、第2の補助ローラ対39、及び、レジストローラ対13を用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させる。ステップS205で用紙の先端が検出されたとき(Y)にはステップS207に進み、用紙の先端が検出されない場合(N)にはステップS205〜S206を繰り返す。
【0079】
ステップS207で中間巻取ローラ24、第2の補助ローラ対39、及び、レジストローラ対13を停止させ、ついでステップS208で、上記用紙残量から中間巻取ローラ24と第3の用紙検出センサ36との間の距離(フローチャートでは”基準長さ”とする)を減じ、ステップS209にすすむ。
【0080】
ステップS209では記録部40からの用紙供給要求信号を待ち、来た場合(Y)はステップS210に進み、来ない場合(N)にはステップS209を繰り返す。
【0081】
ステップS210では上記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙の長さを減じ、次いで、ステップS211で用紙残長が0か0よりも小さい(Y)ときにステップS212に進み、0よりも大きい(N)ときにはステップS213に進む。
【0082】
ステップS211では前記用紙の駆動を行わず、停止状態となるとともに、用紙切れ信号を記録部40に送信する。この信号を受けて、記録部40では、記録装置内の他の用紙供給部からの用紙によって記録を継続するか、あるいは、ブザーやランプ、液晶表示などで紙切れ警告を行う。
【0083】
一方、ステップS213〜ステップS214では、レジストローラ対13で測定される用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるまで中間巻取ローラ24を用紙解戻方向に、及び、レジストローラ対13を用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて記録部40へ用紙を送出し、ステップS214で、上記用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになった(Y)場合にはステップS215に進み中間巻取ローラ24とレジストローラ対13とを停止し、次いでステップS209に戻り、用紙供給・用紙長信号を待機する。
【0084】
一方、ステップS214で、用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さとなっていない場合(N)はステップS214を繰り返す。
【0085】
上記ステップS213〜ステップS214の前、途中、あるいは終了後に全量中間巻取制御部37は記録部40に用紙の供給状況を伝える信号、あるいは用紙の供給終了信号を送り、記録部40はこの信号に従ってヘッド15等を制御しながら供給された用紙に記録を行う。
【0086】
全量中間巻取制御部37は上記のように、前記第1の用紙検出センサにより前記ロール設置部と前記給紙ローラ対とに前記用紙がセットされたことが検出されたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の終端が検出されるまで、前記給紙ローラ対により前記用紙長を測定しながら前記給紙ローラ対を前記用紙送り出し方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて前記用紙を前記中間巻取ローラに巻き取るとともに、前記測定された用紙長を用紙残量として記憶し、次いで、前記第3の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させたのちに、前記用紙残長から第2の駆動ローラと第3の用紙検出センサとの前記用紙長さを減じ、その後、前記記録部より用紙の供給とその用紙の長さとを指定する用紙供給・用紙長信号を受けて前記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙の長さを減じ、該用紙残長が0か0よりも小さくなったときに前記用紙の駆動を行わず、前記用紙残長が0よりも大きいときには前記用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて前記記録部へ前記用紙を送出するものである。
【0087】
ここで、たとえば、この記録装置にさらに中間巻き取り終了を通報するため中間巻取終了通報手段(たとえば、ランプやブザー等)と再開開始指示手段(たとえばボタン)とを備え、中間巻取ローラ24が、中間巻取ローラの駆動部から取り外し可能であるとともに、取り外された中間巻取ローラの、軸に垂直な方向に180°回転した状態で中間巻取ローラの駆動部に取り付け可能として、かつ、全量中間巻取制御部が、前記用紙の終端が検出され、用紙長が用紙残量として保存された(ステップS204)後に中間巻取終了通報手段で中間巻き取り終了を告知し、操作者がこの告知によって、中間巻取ローラを、軸に垂直な方向に180°回転して再度装置に取り付け、再開開始指示手段であるボタンを押すことにより再開開始信号を全量中間巻取制御部に送ることにより、全量中間巻取制御部はステップS205より動作を再開するものであると、裏表が区別される用紙等であっても何ら問題なく用いることができる。
【0088】
次に本発明のうち、請求項5にかかる記録装置の用紙供給部付近のモデル説明図を図8に示す。
【0089】
ロール2aが設置されるロール設置部30“には、ロール2aの紙管(芯軸)の両端にフランジ1aがそれぞれセットされ、フランジ受け台3aに回転可能に載置されている。このロール設置部30”に隣接して、巻替軸24’を取り外し可能に保持し、ロール設置部30“にセットされたロール2aの用紙を巻替軸24’に巻き取りながら、その用紙の長さを測定するための測長機28bを備えた巻替部30Aが配置されている。巻替軸24’はその両端にフランジ1bがそれぞれセットされ巻替部30Aに回転可能に載置されており、回転駆動される巻替ローラ4bにより巻替方向に駆動可能となっている。
【0090】
ロール設置部30”と巻替部30Aとの間には用紙の有無を検出する用紙検出センサ27b(この例では光線式センサ)が設置されており、この用紙検出センサによりロール設置部30”と巻替部30Aの間の用紙の有無が検出される。
【0091】
この用紙供給部の記録部40の用紙流れ方向(用紙送出方向)一番上流側には、上記測長・巻替部30Aで用紙が巻き替えられた巻替軸24’を回転可能に保持する巻替軸保持部2a1、巻替軸保持部2a1の用紙送出方向下流側には前記巻替軸24’に巻き替えられた用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら用紙の駆動量を検出するレジストローラ対13が、レジストローラ対13の用紙送出方向下流側には用紙の有無を検出する給紙センサ36aが設けられている。
【0092】
また、図中符号38は全量巻替制御部であって、内部に図示しない演算回路、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、タイマー、入力インターフェース、出力インターフェース、A/Dコンバーター、D/Aコンバーターなどを備え、記録部40、測長機28b、用紙検出センサ27b、給紙センサ36a、及び、レジストローラ対13にそれぞれ信号線によってつながれている。
【0093】
次にこの請求項5にかかる記録装置の全量巻替制御部38によって制御される用紙供給部の動きについて図9のフローチャートを用いて説明する。
【0094】
作業者が、ロール2aをロール設置部30”に、巻替軸24’を巻替部30Aにセットしてロール2aの用紙先端を巻替軸24’に巻き替え可能に巻き付けるまでステップS301を繰り返す。
【0095】
用紙がセットされると待機していた用紙検出センサ27bによって検出され(Y)て、ステップS302〜S303に進み、ステップS303で巻替ローラ4bが巻替方向に駆動され、用紙が巻替軸24’に巻替えられる。このときに用紙長さが測長機28bによって測定される。
【0096】
用紙全量が巻替られると、ステップS302で、用紙検出センサ27bにより用紙終端が検出され(Y)、ステップS304に進んで巻替ローラ4bによる駆動が停止され、そしてステップS305では測長機28bによって測定された用紙長さが上記RAM内に用紙残量として保持される。
【0097】
ここで巻替終了後に全量巻替制御部38に接続された、ブザーやランプなどの図示しない巻替終了告知手段などによって巻替終了が作業者に通知されても良い。
【0098】
作業者は巻替終了後に用紙が巻き替えられた巻替軸24’を巻替軸保持部2a1に取り付け、用紙を引き出してレジストローラ対13にセットし、先端を給紙センサ36aで用紙が検出される、印刷部30の上流側に合わせる。
【0099】
給紙センサ36aにより用紙セットが確認される(Y)とステップS306での待機が解除されてステップS307に進み、上記用紙残量から巻替軸保持部2a1と用紙検出センサ36aとの間の距離(フローチャートでは”基準長さ”とする)を減じ、ステップS308にすすむ。
【0100】
ステップS308では記録部40からの用紙供給要求信号を待ち、来た場合(Y)はステップS309に進み、来ない場合(N)にはステップS308を繰り返す。
【0101】
ステップS309では上記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙の長さを減じ、次いで、ステップS310で用紙残長が0か0よりも小さい(Y)ときにステップS311に進み、0よりも大きい(N)ときにはステップS312に進む。
【0102】
ステップS31では前記用紙の駆動を行わず、停止状態となるとともに、用紙切れ信号を記録部40に送信する。この信号を受けて、記録部40では、記録装置内の他の用紙供給部からの用紙によって記録を継続するか、あるいは、ブザーやランプ、液晶表示などで紙切れ警告を行う。
【0103】
一方、ステップS312〜ステップS313では、レジストローラ対13で測定される用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるまで中間巻取ローラ24を用紙解戻方向に、及び、レジストローラ対13を用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて記録部40へ用紙を送出し、ステップS312で、上記用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになった(Y)場合にはステップS314に進み中間巻取ローラ24とレジストローラ対13とを停止し、次いでステップS308に戻り、用紙供給・用紙長信号の受信を待機する。
【0104】
一方、ステップS312で、用紙駆動量が用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さとなっていない場合(N)はステップS312〜ステップS313を繰り返す。
【0105】
上記ステップS312〜ステップS313の前、途中、あるいは終了後に全量巻替制御部38は記録部40に用紙の供給状況を伝える信号、あるいは用紙の供給終了信号を送り、記録部40はこの信号に従ってヘッド15等を制御しながら供給された用紙に記録を行う。
【符号の説明】
【0106】
2a ロール
30 ロール設置部
30’ ロール設置部
30“ ロール設置部
30A 巻替部
1a フランジ
2a1 巻替軸保持部
3a フランジ受け台
4a 巻き戻しローラ
4b 巻替ローラ
5a フロントころ
6 給紙ローラ対
13 レジストローラ対
21 カッタ
24 中間巻取ローラ
24’ 巻替軸
25 第2の用紙検出センサ
27a 第1の用紙検出センサ
27b 用紙検出センサ
28a 残量検知ころ
28b 測長機
29 分岐爪
31 補助給紙ローラ対
34 仮巻取制御部
35 切断巻取制御部
36 第3の用紙検出センサ(給紙センサ)
36a 給紙センサ
37 全量中間巻取制御部
38 全量巻替制御部
39 第2の補助ローラ対
40 記録部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【特許文献1】特開2004−167931公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、
(a)前記用紙送出方向または該用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向に回転駆動されるロール設置部、(b)前記ロール設置部に設置された前記ロールの太さを検出するニアエンド検出手段、(c)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ、(d)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向または前記用紙逆送方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対、(e)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(f)前記用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪、及び、(g)前記分岐爪付近に設置された、前記用紙が巻き付く方向である用紙巻付方向または巻き付いた前記用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラを備えた
記録装置において、
(イ)前記分岐爪が、前記用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、前記用紙を前記中間巻取ローラに供給する中間巻取位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、
(ロ)前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの直径が所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記給紙ローラ対によって検出される前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さとなるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙巻付方向に、それぞれ回転駆動させて前記中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記用紙の駆動量が前記記録部で要求される用紙長さに至ったときには前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで、前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向に、及び、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に、それぞれ回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記印字送出位置に回動させた後に前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量が前記第2の用紙検出センサから前記記録部での印字開始箇所までの距離長さと前記記録部で要求される用紙長さとの和に至るまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に回転駆動させて前記用紙を前記記録部へ送り出す仮巻取制御部を備える
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、
(a)前記用紙送出方向に回転可能であり、かつ、該用紙送出方向とは逆の方向である用紙逆送方向に回転駆動されるロール設置部、(b)前記ロール設置部に設置された前記ロールの太さを検出するニアエンド検出手段、(c)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第1の用紙検出センサ、(d)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向または前記用紙逆送方向に回転駆動させる給紙ローラ対、(e)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を切断するカッタ、(f)前記カッタの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(g)前記用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の経路を切り替えるための回動駆動される分岐爪、及び、(h)前記分岐爪付近に設置された前記用紙が巻き付く方向である巻付方向または巻き付いた前記用紙を解き戻す方向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラを備えた
記録装置において、
(イ)前記分岐爪が、前記用紙を巻き取る前記中間巻取ローラに用紙を供給する中間巻取位置と、該中間巻取ローラに巻き取られた該用紙を前記記録部に送り出す印字送出位置と、の間を回動駆動可能に設けられ、
(ロ)前記ニアエンド検出手段により検出される前記ロールの太さが所定のニアエンド太さ以下となっている場合であって前記記録部より用紙供給を求められたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記ロール設置部、及び、前記給紙ローラ対を前記用紙逆送方向または前記用紙送出方向に回転駆動させ、次いで、前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されるまでまたは前記第2駆動ローラ対によって検出される前記用紙先端から前記カッタの切断部までの用紙長さが前記記録部で要求される用紙長さになるまで前記給紙ローラ対を前記用紙送出方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて該中間巻取ローラに前記用紙を巻き取らせ、前記第1の用紙検出センサにより前記用紙の後端が検出されたときには前記用紙の駆動を停止させ、前記給紙ローラ対により検出される前記用紙の駆動量から前記用紙先端から前記カッタの切断部までの前記用紙の長さが前記記録部で要求される用紙長さになったときに該カッタにより前記用紙を切断させ、次いで前記分岐爪を前記中間巻取位置に回動させた後に、前記中間巻取ローラを前記用紙解戻方向に回転駆動させて、前記切断された用紙を前記記録部へ送り出す切断巻取制御部を備えた
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
用紙が芯軸に巻き取られてなるロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、(a)前記ロールを回転可能に保持するロール設置部、(b)前記ロール設置部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記ロール設置部への用紙のセットの有無を検出する第1の用紙検出センサ、(c)前記第1の用紙検出センサの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向へ駆動させながら該用紙の駆動量を検出する給紙ローラ対、(d)前記給紙ローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第2の用紙検出センサ、(e)前記第2の用紙検出センサ付近に設置された前記用紙を巻き取る方向である用紙巻取方向または巻き取られた該用紙を解き戻す向である用紙解戻方向に回転駆動される中間巻取ローラ、(f)前記中間巻取ローラの前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出するレジストローラ対、及び、(g)前記レジストローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙の端部を検出する第3の用紙検出センサを備えた
記録装置において、
前記第1の用紙検出センサにより前記ロール設置部と前記給紙ローラ対とに前記用紙がセットされたことが検出されたときに、前記第2の用紙検出センサにより前記用紙の終端が検出されるまで、前記給紙ローラ対により前記用紙長を測定しながら前記給紙ローラ対を前記用紙送り出し方向に、及び、前記中間巻取ローラを用紙巻取方向に、それぞれ回転駆動させて前記用紙を前記中間巻取ローラに巻き取るとともに、前記測定された用紙長を用紙残量として記憶し、次いで、前記第3の用紙検出センサにより前記用紙の先端が検出されるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させたのちに、前記用紙残長から第2の駆動ローラと第3の用紙検出センサとの前記用紙長さを減じ、その後、前記記録部より用紙の供給とその用紙の長さとを指定する用紙供給・用紙長信号を受けて前記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙の長さを減じ、該用紙残長が0か0よりも小さくなったときに前記用紙の駆動を行わず、前記用紙残長が0よりも大きいときには前記用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるまで前記中間巻取ローラを用紙解戻方向に、及び、前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に、それぞれ回転駆動させて前記記録部へ前記用紙を送出する全量中間巻取制御部を備えた
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
中間巻き取り終了を通報するため中間巻取終了通報手段と再開開始指示手段とを備え、
前記中間巻取ローラが、前記中間巻取ローラの駆動部から取り外し可能であるとともに、取り外された該中間巻取ローラの軸に垂直な方向に180°回転した状態で前記駆動部に取り付け可能であり、かつ、
前記全量中間巻取制御部が、前記用紙の終端が検出された後に中間巻取終了通報手段により中間巻き取り終了を告知するとともに作動を一旦停止し、その後、前記再開開始指示手段からの再開開始信号を受けて動作を再開するものであることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
【請求項5】
用紙が芯軸に巻き取られてなるロールを巻替軸に巻き替えてなる巻替ロールの用紙送出方向下流側に設けられた記録部で画像を該用紙上に形成する記録装置であって、
(a)前記ロールを回転可能に保持するロール設置部、前記巻替軸を取り外し可能に保持し前記ロール設置部に保持されたロールから該巻替軸に用紙を巻き取りながら該用紙の長さを測定するための巻替部、及び、前記ロール設置部と巻替部との間の用紙の有無を検出する巻替検出センサを備えた測長・巻替部、(b)前記測長・巻替部で前記用紙が巻き替えられた前記巻替軸を回転可能に保持する巻替軸保持部、(c)前記巻替軸保持部の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を前記用紙送出方向に駆動させながら該用紙の駆動量を検出するレジストローラ対、及び、(d)前記レジストローラ対の前記用紙送出方向下流側に設置された前記用紙を検出する用紙検出センサを備えた
記録装置において、
前記、測長・巻替部で用紙を前記ロールから前記巻替軸に巻き替えるとともに該用紙の長さを測定し、前記測定された用紙の長さを用紙残量として保持するとともに、該用紙残量から前記印刷部と前記巻替軸保持部との間の距離長さを減じ、その後、前記記録部より用紙の供給とその用紙の長さとを指定する用紙供給・用紙長信号を受けて前記用紙残長から用紙供給・用紙長信号で指定された用紙長を減じ、該用紙残長が0か0よりも小さくなったときに前記用紙の駆動を停止させ、前記用紙残長が0よりも大きいときには前記用紙供給・用紙長信号で指定される用紙の長さになるように前記レジストローラ対を前記用紙送出方向に回転駆動させて前記巻替軸保持部に保持された前記巻替ロールの用紙を前記記録部へ送り出す全量巻替制御部を備えた
ことを特徴とする記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−208272(P2010−208272A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59437(P2009−59437)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】