説明

設計支援プログラム、設計支援装置、および設計支援方法

【課題】複数の配線層構造情報を共通化し、各配線層構造情報によって配線の特徴情報が相違することを意識することなく設計でき、設計期間の短縮化および利用者の負担の軽減化を図ること。
【解決手段】設計支援装置は、階層ごとに配線の特徴情報を有する第1の配線層構造情報から第Nの配線層構造情報までの複数の配線層構造情報100から、特徴情報が相違する階層を特定し、特製された階層の特徴情報を包含する特徴情報を生成する。つぎに、配線層構造情報を複製し、複製された配線層構造情報内の特徴情報が相違する階層の特徴情報を、生成した特徴情報に変換する。そして、変換後の配線層構造情報101と複数の配線層構造情報100とを関連付けて記憶装置に格納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路のレイアウトを支援する設計支援プログラム、設計支援装置、および設計支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設計対象回路をレイアウトする技術では、配線層ごとに配線幅および配線間隔が定義されている複数の配線層構造情報が、自動で配置配線を実行するツール(以下、「自動配置配線ツール」)へ与えられる。そして、設計対象回路がレイアウトされたレイアウトデータが、自動配置配線ツールから取得されていた。
【0003】
そして、レイアウトデータを検証する技術では、当該配線ごとに配線の抵抗値(R)および容量値(C)に関する情報とレイアウトデータとが、配線のRCを抽出するツール(以下、「RC抽出ツール」)へ与えられる。つぎに、RC抽出ツールからの抽出結果とレイアウトデータが、自動で遅延を計算するツール(以下、「遅延計算ツール」)へ与えられる。そして、遅延計算ツールからの遅延計算結果が、タイミングを解析するツール(以下、「タイミング解析ツール」)に与えられ、レイアウトデータが、タイミングの制約に違反しているか否かが解析されていた(以下、下記特許文献1〜3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−28161号公報
【特許文献2】特開2001−265826号公報
【特許文献3】特開2006−278613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一つの設計対象回路から異なる複数の配線層構造情報のレイアウトが実施される場合があった。たとえば、各配線層構造情報が多層配線層構造であり、階層1〜5までは同一の特徴情報であっても、階層6だけが異なる特徴情報となる場合、異なる配線層構造情報ごとに、設計対象回路のレイアウトと、レイアウトデータの検証が実施されていた。
【0006】
そして、設計対象回路が同一であるため、設計対象回路に変更が生じる都度、配線層構造情報ごとに、再度、レイアウトとレイアウトデータの検証が実施されていた。したがって、設計期間の長期化を招くという問題点があり、設計者または検証者の負担が増大するという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、階層ごとに配線の特徴情報を有する複数の配線層構造情報を記憶する記憶装置にアクセス可能な設計支援装置であって、前記複数の配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、前記特徴情報が相違する階層ごとに生成する生成手段と、前記複数の配線層構造情報を複製する複製手段と、前記特徴情報が相違する階層ごとに、前記複製手段により複製された各配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層の特徴情報を、前記生成手段により生成された特徴情報に変換する配線層構造情報変換手段と、前記配線層構造情報ごとに、前記配線層構造情報変換手段により変換された変換後の配線層構造情報を関連づけて前記記憶装置に格納する格納手段と、を備える設計支援装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
開示の設計支援プログラム、設計支援装置、および設計支援方法によれば、複数の配線層構造情報を共通化することで、各配線層構造情報によって配線の特徴情報が相違することを意識することなく設計することができ、設計期間の短縮化および利用者の負担の軽減化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例を示す説明図(その1)である。
【図2】本発明の一実施例を示す説明図(その2)である。
【図3−1】複数の配線層構造情報の一例を示す説明図である。
【図3−2】設計の制約に関する配線の特徴情報の一例を示す説明図である。
【図3−3】RC抽出に関する配線の特徴情報の一例を示す説明図である。
【図4】実施の形態にかかる設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】設計支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6−1】特徴情報の生成の一例を示す説明図(その1)である。
【図6−2】特徴情報の生成の一例を示す説明図(その2)である。
【図6−3】特徴情報の生成の一例を示す説明図(その3)である。
【図7】変換後の複数の配線層構造情報の一例を示す説明図である。
【図8】レイアウトデータが複製される例を示す説明図である。
【図9】レイアウトデータ801の一例を示す説明図である。
【図10】配線の特徴情報が変換される例を示す説明図である。
【図11】逆変換後のレイアウトデータの一例を示す説明図である。
【図12】設計支援装置500の設計支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】図12に示した変換処理(ステップS1201)の詳細な処理を示すフローチャートである。
【図14】図12に示した逆変換処理(ステップS1202)の詳細な処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明による設計支援プログラム、設計支援装置、および設計支援方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施例を示す説明図(その1)である。複数の配線層構造情報100は、コンピュータがアクセス可能な記憶装置に記憶され、階層ごとに配線幅と配線間隔などの配線の特徴情報が定義されている第1の配線層構造情報から第Nの配線層構造情報(N≧2)を有している。配線の特徴情報の具体的な例は後述するため、ここでは、配線の特徴情報に関する説明を省略する。
【0012】
まず、設計支援装置が、複数の配線層構造情報100のうち、特徴情報が相違する階層を特定する。図1では、階層6が特定されている。つぎに、設計支援装置が、複数の配線層構造情報100内の階層6の特徴情報を包含する特徴情報を生成する。
【0013】
そして、設計支援装置が、配線層構造情報を複製し、複製された配線層構造情報内の階層6の特徴情報を生成された特徴情報に変換する。さらに、複数の配線層構造情報100と変換後の配線層構造情報101を関連付ける。
【0014】
これにより、複数の配線層構造情報が単一の配線層構造情報に共通化される。したがって、配線層構造情報の相違を意識することなくレイアウトすることができ、設計期間の短縮化および利用者の負担の軽減化を図ることができる。
【0015】
なお、変換後の配線層構造情報101は、レイアウト時のみに用いられる仮の配線層構造情報であって、製造時に用いられる配線層構造情報ではない。
【0016】
図2は、本発明の一実施例を示す説明図(その2)である。つぎに、設計支援装置が、変換後の配線層構造情報101を自動配置配線ツールへ与えることで、自動配置配線ツールにより配線層構造情報101に基づいてレイアウトされたレイアウトデータを、自動配置配線ツールから取得する。そして、設計支援装置が、包含する特徴情報の階層ごとに、レイアウトデータから当該階層の配線を検出する。
【0017】
つづいて、設計支援装置が、検出された配線の特徴情報を、複数の配線層構造情報100から任意の配線層構造情報の当該階層の特徴情報に変換する。図2では、配線の特徴情報が、第1の配線層構造情報の階層6の特徴情報に変換されている。これにより、各配線層構造情報の種類に関係なく任意の配線層構造情報に基づくレイアウトデータを、容易に生成することができ、設計期間の短縮化を図ることができる。
【0018】
(複数の配線層構造情報)
図3−1は、複数の配線層構造情報の一例を示す説明図である。複数の配線層構造情報300では、第1の配線層構造情報301と、第2の配線層構造情報302とを含んでいる。そして、各配線層構造情報では、階層303と、レイヤー名304とを含んでいる。階層303では、最下層が階層1である。本実施の形態では、レイヤー名304を検索キーとして複数の特徴情報が得られる。なお、複数の配線層構造情報300は、コンピュータがアクセス可能な記憶装置に記憶されている。図3−2および図3−3にて配線の特徴情報を示す。
【0019】
図3−2は、設計の制約に関する配線の特徴情報の一例を示す説明図である。設計ルール305では、設計の制約に関する情報が含まれている。設計ルール305は、レイヤー名304と、配線幅306と、配線間隔307とを含んでいる。レイヤー名304がMETAL1の場合を例に挙げると、配線幅306がWiであり、配線間隔307がSiである。
【0020】
これにより、複数の配線層構造情報が単一の配線層構造情報に共通化されても、設計の制約に違反することなく設計することができる。なお、本実施の形態では、設計の制約に関する配線の特徴情報を配線幅および配線間隔のみ示しているが、配線幅および配線間隔のみに限らない。
【0021】
なお、設計ルール305は、コンピュータがアクセス可能な記憶装置に記憶されている。つぎに、図3−3にてRC抽出に関する配線の特徴情報を示す。
【0022】
図3−3は、RC抽出に関する配線の特徴情報の一例を示す説明図である。RC抽出ルール308では、RC抽出を実施するために必要な配線の特徴情報が含まれている。RC抽出ルール308では、レイヤー名304と、配線幅のばらつき値309と、配線間隔のばらつき値310と、抵抗値のばらつき値311と、高さのばらつき値312と、誘電率のばらつき値313とを有している。抵抗値(R)に関する情報が、配線幅のばらつき値309と、配線間隔のばらつき値310と、抵抗値のばらつき値311である。そして、容量値(C)に関する情報が、配線幅のばらつき値309と、配線間隔のばらつき値310と、高さのばらつき値312と、誘電率のばらつき値313である。
【0023】
レイヤー名304がMETAL1の場合を例に挙げて説明する。配線幅のばらつき値309では、設計ルール305の配線幅306にて示されているWiの場合、最小値でWiminから最大値でWimaxまでばらつくことを示している。そして、配線間隔のばらつき値310では、設計ルール305の配線間隔307にて示されているSiの場合、最小値でSiminから最大値でSimaxまでばらつくことを示している。
【0024】
そして、抵抗値のばらつき値311では、Riが規格値の場合、最小値でRiminから最大値でRimaxまでばらつき、高さのばらつき値312では、Hiが規格値の場合、最小値でHiminから最大値でHimaxまでばらつくことを示している。さらに、誘電率のばらつき値313では、εiが規格値の場合、最小値でεiminから最大値でεimaxまでばらつくことを示している。ばらつき値を含めることで複数の配線層構造情報が単一の配線層構造情報に共通化されても、RC抽出を正確に実施でき、タイミングの制約に違反しない設計ができる。
【0025】
本実施の形態では、RC抽出に関する配線の特徴情報の一例として配線幅のばらつき値と、配線間隔のばらつき値と、抵抗値のばらつき値と、高さのばらつき値と、誘電率のばらつき値を示しているが、これに限らない。さらに、本実施の形態では、階層の異なる配線間を接続するビアに関する説明を省略したが、配線の特徴情報と同様にビアのサイズや抵抗値、容量値などの特徴情報に関する特徴情報を配線層構造情報内に含めてもよい。
【0026】
なお、RC抽出ルール308は、コンピュータがアクセス可能な記憶装置に記憶されている。
【0027】
(設計支援装置のハードウェア構成)
図4は、実施の形態にかかる設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、設計支援装置は、CPU(Central Processing Unit)401と、ROM(Read‐Only Memory)402と、RAM(Random Access Memory)403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、ディスプレイ408と、I/F(Interface)409と、キーボード410と、マウス411と、スキャナ412と、プリンタ413と、を備えている。また、各構成部はバス400によってそれぞれ接続されている。
【0028】
ここで、CPU401は、設計支援装置の全体の制御を司る。ROM402は、設計支援プログラムなどのプログラムを記憶している。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0029】
光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御で書き込まれたデータを記憶したり、光ディスク407に記憶されたデータをコンピュータに読み取らせたりする。
【0030】
ディスプレイ408は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。当該ディスプレイ408は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0031】
I/F409は、通信回線を通じてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク414に接続され、当該ネットワーク414を介して他の装置に接続される。そして、I/F409は、ネットワーク414と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。I/F409には、たとえばモデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0032】
キーボード410は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス411は、カーソルの移動や範囲選択、あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0033】
スキャナ412は、画像を光学的に読み取り、設計支援装置内に画像データを取り込む。なお、スキャナ412は、OCR(Optical Character Reader)機能を持たせてもよい。また、プリンタ413は、画像データや文書データを印刷する。プリンタ413には、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0034】
(設計支援装置の機能的構成)
図5は、設計支援装置の機能的構成を示すブロック図である。設計支援装置500は、特定部501と、生成部502と、複製部503と、変換部504と、格納部505と、取得部506と、検出部507と、逆変換部508と、出力部509と、を含む構成である。各機能(特定部501〜出力部509)は、具体的には、たとえば、図4に示したROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F409により、各機能を実現する。
【0035】
まず、特定部501は、複数の配線層構造情報のうち、特徴情報が相違する階層を特定する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、第1の配線層構造情報301と第2の配線層構造情報302の階層303ごとにレイヤー名304が同一か否かを判断する。ここで、階層303が6の場合、第1の配線層構造情報301のレイヤー名304では、METAL7が記述され、第2の配線層構造情報302のレイヤー名304では、METAL8が記述されている。よって、CPU401が階層6を特徴情報が相違する階層として特定する。
【0036】
なお、特定結果は、一旦、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶される。
【0037】
つぎに、生成部502は、特定部501により特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、特徴情報が相違する階層ごとに生成する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、第1の配線層構造情報301と第2の配線層構造情報302から、特徴情報が相違する階層の特徴情報を取得し、いずれの特徴情報も包含する特徴情報を生成する。図6−1〜図6−3を用い階層の特徴情報を包含する特徴情報が生成される詳細な説明をする。
【0038】
図6−1は、特徴情報の生成の一例を示す説明図(その1)である。上述したように特徴情報が相違する階層として階層303の階層6が特定されている。したがって、第1の配線層構造情報301内の階層303が階層6の場合の特徴情報と第2の配線層構造情報302内の階層303が階層6の場合の特徴情報を包含する特徴情報が生成される。第1の配線層構造情報301内の階層303が階層6の場合、レイヤー名304がMETAL7であり、第2の配線層構造情報302内の階層303が階層6の場合、レイヤー名304がMETAL8である。そして、METAL78が、METAL7とMETAL8とを包含する特徴情報のレイヤー名304である。つぎに、図6−2にて設計ルールに関する配線の特徴情報が生成される例を示す。
【0039】
図6−2は、特徴情報の生成の一例を示す説明図(その2)である。まずは、METAL78の配線幅306が生成される例を説明する。生成部502が、METAL7の配線幅306とMETAL8の配線幅306に基づいて、METAL7とMETAL8の配線幅306を包含するMETAL78の配線幅306を生成する。METAL7の配線幅306は、Wsであり、METAL8の配線幅306は、Wgである。WsはWg以下であるため、WgがMETAL78の配線幅306として生成される。
【0040】
つぎに、METAL78の配線間隔307が生成される例を説明する。生成部502が、METAL7の配線間隔307とMETAL8の配線間隔307に基づいて、METAL7の配線間隔307とMETAL8の配線間隔307を包含するMETAL78の配線間隔307を生成する。METAL7の配線間隔307は、Ssであり、METAL8の配線間隔307は、Sgである。SsはSg以下であるため、SgがMETAL78の配線間隔307として生成される。つぎに、図6−3にてRC抽出に関する配線の特徴情報が生成される例を示す。
【0041】
図6−3は、特徴情報の生成の一例を示す説明図(その3)である。RC抽出ルール602では、RC抽出ルール308内のMETAL7とMETAL8の各ばらつき値に基づいて、METAL78の各ばらつき値が生成されている。
【0042】
まず、METAL78の配線幅のばらつき値309が生成される例を説明する。METAL7の配線幅のばらつき値309は、最小値でWsmin、最大値でWsmaxである。そして、METAL8の配線幅のばらつき値309は、最小値でWgmin、最大値でWgmaxである。
【0043】
まず、METAL78の配線幅のばらつき値309の最小値が生成される例を説明する。生成部502が、METAL7の配線幅のばらつき値309の最小値とMETAL8の配線幅のばらつき値309の最小値とを比較し、小さい方の最小値をMETAL78の配線幅のばらつき値309の最小値として生成する。ここで、WsminがWgmin以下であるため、WsminがMETAL78の配線幅のばらつき値309の最小値として生成される。
【0044】
つぎに、METAL78の配線幅のばらつき値309の最大値が生成される例を説明する。生成部502が、METAL7の配線幅の最大値とMETAL8の配線幅の最大値との値を比較し、大きい方の最大値をMETAL78の配線幅のばらつき値309の最大値として生成する。ここで、WsmaxがWgmax以下であるため、WgmaxがMETAL78の配線幅のばらつき値の最大値として生成される。配線間隔のばらつき値310と、抵抗値のばらつき値311と、高さのばらつき値312と、誘電率のばらつき値313とは、配線幅のばらつき値309と同様に生成されるため、生成に関する説明を省略する。
【0045】
つぎに、図5に戻って、複製部503は、複数の配線層構造情報を複製する機能を有する。そして、変換部504は、特徴情報が相違する階層ごとに、複製部503により複製された各配線層構造情報のうち、特徴情報が相違する階層の特徴情報を、生成部502により生成された特徴情報に変換する機能を有する。図7にて複製部503および変換部504の具体的な処理を説明する。
【0046】
図7は、変換後の複数の配線層構造情報の一例を示す説明図である。まず、複製部503が、複数の配線層構造情報300を複製し、複数の配線層構造情報701を生成する。つぎに、変換部504が、複数の配線層構造情報701内の第1の配線層構造情報702の階層303が6のレイヤー名304をMETAL7からMETAL78に変換する。そして、変換部504が、複数の配線層構造情報701内の第2の配線層構造情報703の階層303が6のレイヤー名304をMETAL8からMETAL78に変換する。
【0047】
複数の配線層構造情報704には、変換部504により変換された後の第1の配線層構造情報705と第2の配線層構造情報706を有している。第1の配線層構造情報705と第2の配線層構造情報706とは、同一である。
【0048】
つぎに、図5に戻って、格納部505は、配線層構造情報ごとに、変換部504により変換された変換後の配線層構造情報を関連づけて記憶装置に格納する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、複数の配線層構造情報300内の第1の配線層構造情報301と、複数の配線層構造情報704内の第1の配線層構造情報705とを関連付ける。関連付けるとは、たとえば、第1の配線層構造情報705に、第1の配線層構造情報301が記憶されている記憶装置内のアドレスを付してもよい。
【0049】
そして、たとえば、CPU401が、複数の配線層構造情報300内の第2の配線層構造情報302と、複数の配線層構造情報704内の第2の配線層構造情報706とを関連付ける。そして、複数の配線層構造情報300と複数の配線層構造情報704とをRAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶する。
【0050】
これにより、複数の配線層構造情報を単一の配線層構造情報に共通化でき、共通化された配線層構造情報を用いてレイアウトすることができる。したがって、配線層構造情報の相違を意識することなくレイアウトすることができ、設計期間の短縮化および利用者の負担の軽減化を図ることができる。
【0051】
つぎに、取得部506は、格納部505により記憶装置へ格納された変換後の配線層構造情報に基づいてレイアウトされた設計対象回路の回路情報を取得する機能を有する。
【0052】
さらに、取得部506は、変換後の配線層構造情報を用いて配線の抵抗値および容量値が抽出され、タイミングの制約に違反がないと判断された設計対象回路の回路情報を取得する機能を有する。
【0053】
具体的には、たとえば、CPU401が、記憶装置にアクセスして複数の配線層構造情報704を読み出す。そして、複数の配線層構造情報704のレイヤー名304に基づいて、設計ルール601からレイヤー名304ごとに配線幅306と配線間隔307を読み出す。そして、レイヤー名304ごとに読み出された配線幅306および配線間隔307を自動配置配線ツールへ与える。ここで、CPU401は、実行されている自動配置配線ツールへアクセス可能もしくは自動配置配線ツールを実行可能とする。
【0054】
つぎに、たとえば、CPU401が、自動配置配線ツールにアクセスしてレイアウトされた設計対象回路のレイアウトデータを取得する。なお、取得されたレイアウトデータは、一旦、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶される。
【0055】
さらに、たとえば、CPU401が、複数の配線層構造情報704のレイヤー名304に基づいて、RC抽出ルール602から配線幅のばらつき値309と、配線間隔のばらつき値310と、抵抗値のばらつき値311を読み出す。さらに、高さのばらつき値312と、誘電率のばらつき値313とを読み出す。そして、読み出されたすべての情報とレイアウトデータとをRC抽出ツールへ与える。ここで、CPU401は、実行されているRC抽出ツールと遅延計算ツールとタイミング解析ツールへアクセス可能、もしくはRC抽出ツールと遅延計算ツールとタイミング解析ツールを実行可能とする。
【0056】
つぎに、たとえば、CPU401が、RC抽出ツールにアクセスしてRC抽出結果を取得する。そして、RC抽出結果とレイアウトデータを、遅延を計算する遅延計算ツールへ与え、遅延計算ツールから当該レイアウトデータの遅延計算結果を取得する。つぎに、遅延計算結果とレイアウトデータをタイミング解析ツールへ与え、タイミング解析ツールにからタイミング解析結果を取得する。そして、タイミング解析によりレイアウトデータが、タイミングの制約を遵守していると判断されるまで、自動配置配線ツールによる配置配線と、RC抽出ツールによるRC抽出と、遅延計算ツールによる遅延計算とが繰り返される。
【0057】
そして、たとえば、タイミング解析によりレイアウトデータが、タイミングの制約に遵守していると判断された場合、CPU401が、設計対象回路のレイアウトデータを取得し、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶する。これにより、タイミングの制約に違反していないレイアウトデータを取得することができる。
【0058】
つぎに、複製部503は、配線層構造情報ごとに、取得部506により取得された回路情報を、各配線層構造情報に関連付けて複製する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、複数の配線層構造情報300内の配線層構造情報ごとにレイアウトデータを複製する。図8にて複製される例を示す。
【0059】
図8は、レイアウトデータが複製される例を示す説明図である。レイアウトデータ801は、複数の配線層構造情報704に基づいて設計対象回路がレイアウトされたレイアウトデータである。そして、複製部503が、レイアウトデータ801を複数の配線層構造情報300内の配線層構造情報ごとに複製する。レイアウトデータ801が複製され、レイアウトデータ802が第1の配線層構造情報301に関連付けられ、レイアウトデータ803が、第2の配線層構造情報302に関連付けられる。つぎに、図9にてレイアウトデータ801の一例を示す。
【0060】
図9は、レイアウトデータ801の一例を示す説明図である。レイアウトデータ801は、METAL1〜METAL5と、METAL78により配線されている。配線901は、階層6の配線であり、METAL78の配線幅306および配線間隔307に基づいて配線されている。なお、上述したレイアウトデータ802およびレイアウトデータ803は、レイアウトデータ801と同一である。
【0061】
図5に戻って、つぎに、検出部507は、取得部506により取得された回路情報内の複数の配線から、包含する特徴情報の階層ごとに、当該階層の配線を検出する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、レイアウトデータ801から階層6の配線を検出する。
【0062】
または、検出部507は、複製部503により複製された回路情報ごとに、当該回路情報内の複数の配線から、特徴情報が相違する階層ごとに配線を抽出する機能を有する。具体的には、たとえば、CPU401が、レイアウトデータ802内の複数の配線から、階層6の配線を抽出する。そして、レイアウトデータ803内の複数の配線から、階層6の配線を抽出する。
【0063】
そして、逆変換部508は、包含する特徴情報の階層ごとに、検出部507により検出された配線の特徴情報を、複数の配線層構造情報から選択された配線層構造情報内の当該階層の特徴情報に変換する機能を有する。
【0064】
さらに、逆変換部508は、回路情報ごとに、検出部507により検出された配線の特徴情報を、各配線層構造情報内の当該階層の特徴情報に変換する機能を有する。具体的なCPU401による詳細な処理については、図10を用いて説明する。
【0065】
図10は、配線の特徴情報が変換される例を示す説明図である。まず、配線1001は、レイアウトデータ802から検出された階層6の配線である。そして、配線1002は、レイアウトデータ803から検出された階層6の配線である。なお、上述した配線901と、配線1001と、配線1002とは同一である。
【0066】
具体的には、たとえば、CPU401が、第1の配線層構造情報301から階層6のレイヤー名304を読み出す。そして、読み出されたMETAL7に基づいて設計ルール601から配線幅306を読み出す。ここで、Wsが読み出される。つぎに、たとえば、CPU401が、配線1001の配線幅を、Wsに変換する。そして、配線1003が、配線1001の特徴情報が変換された後の配線である。
【0067】
つぎに、具体的には、たとえば、CPU401が、第2の配線層構造情報302から階層6のレイヤー名304を読み出す。そして、読み出されたMETAL8に基づいて設計ルール601から配線幅306を読み出す。ここで、Wgが読み出される。つぎに、たとえば、CPU401が、配線1002の配線幅を、Wgに変換する。そして、配線1004が、配線1002の特徴情報が変換された後の配線である。
【0068】
本実施の形態では、配線幅が変換される例を説明したが、半導体集積回路を製造するために必要な配線の高さなどの配線の特徴情報も配線幅と同様に変換される。図11にて逆変換後のレイアウトデータを示す。
【0069】
図11は、逆変換後のレイアウトデータの一例を示す説明図である。まず、レイアウトデータ1100が、レイアウトデータ802が第1の配線層構造情報301に基づいて逆変換された逆変換後のレイアウトデータである。よって、レイアウトデータ1100内の配線1003の配線幅がWsである。一方、レイアウトデータ1101が、レイアウトデータ803が第2の配線層構造情報302に基づいて変換された後のレイアウトデータである。よって、レイアウトデータ1101内の配線1004の配線幅がWgである。
【0070】
つぎに、図5に戻って、出力部509は、逆変換部508により変換された逆変換後の回路情報を出力する機能を有する。具体的には、たとえば、レイアウトデータ1100とレイアウトデータ1101とが出力される。
【0071】
出力形式としては、たとえば、ディスプレイ408への表示、プリンタ413への印刷出力、I/F409による外部装置への送信がある。また、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などの記憶装置に記憶することとしてもよい。
【0072】
これにより、各配線層構造情報の種類に関係なく任意の配線層構造情報に基づくレイアウトデータを、容易に生成することができる、設計期間の短縮化を図ることができる。さらに、一度のレイアウトを実施するのみで、配線層構造情報の異なる複数のレイアウトデータを生成でき、利用者の負担を軽減することができる。
【0073】
(設計支援装置500の設計支援処理手順)
図12は、設計支援装置500の設計支援処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、特定部501と、生成部502と、複製部503と、変換部504と、格納部505とにより、変換処理が実施される(ステップS1201)。つぎに、取得部506と、複製部503と、検出部507と、逆変換部508とにより、逆変換処理が実施され(ステップS1202)、出力部509により、出力処理が実施され(ステップS1203)、一連の処理が終了する。
【0074】
つぎに、図13は、図12に示した変換処理(ステップS1201)の詳細な処理を示すフローチャートである。まず、記憶装置から複数の配線層構造情報を読み出し(ステップS1301)、複製部503により、複数の配線層構造情報を複製する(ステップS1302)。
【0075】
つぎに、i=1とし(ステップS1303)、階層i≦配線層構造情報内の最大の階層であるか否かを判断する(ステップS1304)。まず、階層i≦最大の階層であると判断された場合(ステップS1304:Yes)、複数の配線層構造情報内の階層iの特徴情報が相違するか否かを判断する(ステップS1305)。階層iの特徴情報が相違すると判断された場合(ステップS1305:Yes)、特定部501により、階層iを特徴情報が相違する階層に特定する(ステップS1306)。
【0076】
ステップS1306のつぎに、生成部502により、階層iの特徴情報を包含する仮特徴情報を生成する(ステップS1307)。そして、複製された配線層構造情報内の階層iの特徴情報を、仮特徴情報に変換する(ステップS1308)。
【0077】
つづいて、i=i+1とし(ステップS1309)、ステップS1304へ戻る。一方、ステップS1305において、複数の配線層構造情報内の階層iの特徴情報が相違しないと判断された場合(ステップS1305:No)、ステップS1309へ移行する。
【0078】
つぎに、ステップS1304において、階層i≦最大の階層でないと判断された場合(ステップS1304:No)、各配線層構造情報と変換後の配線層構造情報とを関連付けて格納し(ステップS1310)、ステップS1202へ移行する。
【0079】
つぎに、図14は、図12に示した逆変換処理(ステップS1202)の詳細な処理を示すフローチャートである。まず、変換後の配線層構造情報の配線幅と配線間隔とを自動配置配線ツールへ与える(ステップS1401)。
【0080】
つぎに、レイアウトが終了したか否かを判断し(ステップS1402)、レイアウトが終了していないと判断された場合(ステップS1402:No)、ステップS1402の処理を繰り返す。一方、レイアウトが終了したと判断された場合(ステップS1402:Yes)、取得部506により、自動配置配線ツールからレイアウトデータを取得する(ステップS1403)。
【0081】
そして、変換後の配線層構造情報の抵抗値に関する情報と容量値に関する情報とレイアウトデータとをRC抽出ツールへ与える(ステップS1404)。ここでは、RC抽出ツールへ抵抗値に関する情報と容量値に関する情報とを与えることで、RCが抽出され、さらに、RC抽出結果が遅延計算ツールに与えられ、遅延計算結果がタイミング解析ツールへ自動で与えられるとする。
【0082】
ステップS1404のつぎに、タイミング解析が終了したか否かを判断する(ステップS1405)。ここで、タイミング解析が終了したとは、レイアウトデータがタイミングの制約に違反していないこととする。
【0083】
ステップS1405において、タイミング解析が終了していないと判断された場合(ステップS1405:No)、ステップS1405の処理を繰り返す。一方、タイミング解析が終了したと判断された場合(ステップS1405:Yes)、複製部503により、レイアウトデータを配線層構造情報ごとに複製する(ステップS1406)。
【0084】
つぎに、変換後の配線層構造情報の複製元である複数の配線層構造情報から未選択の配線層構造情報があるか否かを判断する(ステップS1407)。未選択の配線層構造情報があると判断された場合(ステップS1407:Yes)、未選択の配線層構造情報から1つの配線層構造情報を選択する(ステップS1408)。
【0085】
そして、未選択の仮特徴情報の階層があるか否かを判断する(ステップS1409)。未選択の仮特徴情報の階層があると判断された場合(ステップS1409:Yes)、未選択の仮特徴情報の階層から1つの仮特徴情報の階層を選択する(ステップS1410)。
【0086】
つぎに、レイアウトデータから選択された階層の配線を検出し(ステップS1411)、選択された配線層構造情報から選択された階層の特徴情報を検索する(ステップS142)。そして、検出された配線の仮特徴情報を検索された特徴情報に変換し(ステップS1413)、ステップS1409へ戻る。
【0087】
一方、ステップS1409において、未選択の仮特徴情報の階層がないと判断された場合(ステップS1409:No)、逆変換後のレイアウトデータと配線層構造情報とを関連付け(ステップS1414)、ステップS1407へ戻る。
【0088】
一方、ステップS1407において、未選択の配線層構造情報がないと判断された場合(ステップS1407:No)、ステップS1203へ移行し、出力処理により逆変換後のレイアウトデータが出力される。
【0089】
以上説明したように、設計支援プログラム、設計支援装置、および設計支援方法によれば、複数の配線層構造情報のうち、特徴情報が相違する階層を特定する。そして、特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、特徴情報が相違する階層ごとに生成し、特徴情報が相違する階層の特徴情報を、生成された特徴情報に変換する。
【0090】
これにより、各配線層構造情報の種類を識別することなくレイアウトを実施することができ、配線層構造情報の相違を意識することなくレイアウトをおこなうことができ、設計期間を短縮することができ、利用者の負担を軽減することができる。
【0091】
また、変換後の配線層構造情報を用いてレイアウトされたレイアウトデータから特徴情報が相違する階層の配線を検出し、当該配線の特徴情報を、変換前の各配線層構造情報内の任意の配線層構造情報の当該階層の特徴情報に変換する。
【0092】
これにより、各配線層構造情報の種類に関係なく任意の配線層構造情報に基づくレイアウトデータを容易に生成することができ、設計期間を短縮することができる。
【0093】
また、変換後の配線層構造情報を用いてレイアウトされたレイアウトデータを、変換前の配線層構造情報ごとに複製して、各配線層構造情報に基づくレイアウトデータに自動で変換する。これにより、一度のレイアウトを実施するだけで、配線層構造情報の異なる複数のレイアウトデータを容易に生成でき、利用者の負担を軽減することができる。
【0094】
また、特徴情報が配線幅と配線間隔であり、複数の配線層構造情報が共通化されても、設計の制約に違反することなく設計することができる。
【0095】
また、特徴情報が、配線の抵抗値に関する情報と配線の容量値に関する情報とを含み、変換後の配線層構造情報を用いて配線の抵抗値および容量値が抽出され、タイミングの解析によりタイミングの制約に違反がないと判断された後のレイアウトデータを取得する。そして、当該レイアウトデータを、各配線層構造情報に基づくレイアウトデータに自動で変換する。これにより、複数の配線層構造情報が共通化されても、タイミングの制約に違反しないレイアウトデータを設計することができる。
【0096】
また、配線の抵抗値に関する情報と配線の容量値に関する情報が、それぞればらつき情報を有することで複数の配線層構造情報が共通化されても、RC抽出を正確にでき、精度の高いタイミング解析ができる。よって、タイミングの制約に違反しないレイアウトデータを設計することができる。
【0097】
なお、本実施の形態で説明した設計支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本設計支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また本設計支援プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【符号の説明】
【0098】
100,300 複数の配線層構造情報
101 変換後の配線層構造情報
500 設計支援装置
501 特定部
502 生成部
503 複製部
504 変換部
505 格納部
506 取得部
507 検出部
508 逆変換部
509 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層ごとに配線の特徴情報を有する複数の配線層構造情報を記憶する記憶装置にアクセス可能なコンピュータを、
前記複数の配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層を特定する特定手段、
前記特定手段により特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、前記特徴情報が相違する階層ごとに生成する生成手段、
前記複数の配線層構造情報を複製する複製手段、
前記特徴情報が相違する階層ごとに、前記複製手段により複製された各配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層の特徴情報を、前記生成手段により生成された特徴情報に変換する変換手段、
前記配線層構造情報ごとに、前記変換手段により変換された変換後の配線層構造情報を関連づけて前記記憶装置に格納する格納手段、
として機能させることを特徴とする設計支援プログラム。
【請求項2】
前記コンピュータを、
前記格納手段により格納された変換後の配線層構造情報を用いてレイアウトされた設計対象回路の回路情報を取得する取得手段、
前記取得手段により取得された回路情報内の複数の配線から、前記包含する特徴情報の階層ごとに、当該階層の配線を検出する検出手段、
前記包含する特徴情報の階層ごとに、前記検出手段により検出された配線の特徴情報を、前記複数の配線層構造情報から選択された配線層構造情報内の当該階層の特徴情報に変換する逆変換手段、
前記逆変換手段により逆変換された回路情報を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする請求項1に記載の設計支援プログラム。
【請求項3】
前記複製手段は、
前記配線層構造情報ごとに、前記取得手段により取得された回路情報を複製し、
前記検出手段は、
前記複製手段により複製された各回路情報内の複数の配線から、前記包含する特徴情報の階層ごとに、当該階層の配線を検出し、
前記逆変換手段は、
前記回路情報ごとに、前記検出手段により検出された配線の特徴情報を、前記各配線層構造情報内の当該階層の特徴情報に変換し、
前記出力手段は、
前記逆変換手段により変換された回路情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の設計支援プログラム。
【請求項4】
前記配線の特徴情報が、配線幅と配線間隔を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の設計支援プログラム。
【請求項5】
前記配線の特徴情報が、配線の抵抗値に関する情報と配線の容量値に関する情報を含み、
前記取得手段は、
前記変換後の配線層構造情報を用いて配線の抵抗値および容量値が抽出され、タイミング解析によりタイミングの制約に違反がないと判断された設計対象回路の回路情報を取得することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の設計支援プログラム。
【請求項6】
前記配線の抵抗値に関する情報と配線の容量値に関する情報が、それぞれのばらつき情報を有することを特徴とする請求項5に記載の設計支援プログラム。
【請求項7】
階層ごとに配線の特徴情報を有する複数の配線層構造情報を記憶する記憶装置にアクセス可能な設計支援装置であって、
前記複数の配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、前記特徴情報が相違する階層ごとに生成する生成手段と、
前記複数の配線層構造情報を複製する複製手段と、
前記特徴情報が相違する階層ごとに、前記複製手段により複製された各配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層の特徴情報を、前記生成手段により生成された特徴情報に変換する配線層構造情報変換手段と、
前記配線層構造情報ごとに、前記配線層構造情報変換手段により変換された変換後の配線層構造情報を関連づけて前記記憶装置に格納する格納手段と、
を備えることを特徴とする設計支援装置。
【請求項8】
階層ごとに配線の特徴情報を有する複数の配線層構造情報を記憶する記憶装置にアクセス可能なコンピュータが、
前記複数の配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層を特定する特定工程、
前記特定工程により特定された階層の特徴情報を包含する特徴情報を、前記特徴情報が相違する階層ごとに生成する生成工程、
前記複数の配線層構造情報を複製する複製工程、
前記特徴情報が相違する階層ごとに、前記複製工程により複製された各配線層構造情報のうち、前記特徴情報が相違する階層の特徴情報を、前記生成工程により生成された特徴情報に変換する配線層構造情報変換工程、
前記配線層構造情報ごとに、前記配線層構造情報変換工程により変換された変換後の配線層構造情報を関連づけて前記記憶装置に格納する格納工程、
を実行させることを特徴とする設計支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−34488(P2011−34488A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182363(P2009−182363)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【出願人】(308014341)富士通セミコンダクター株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】