説明

証明書読取装置及び証明書読取システム

【課題】選択肢が残された規格に準拠した証明書からの情報の読み取りに優れた証明書読取システムを提供すること。
【解決手段】証明書読取システムは、情報を記憶した集積回路及び情報が印字された情報印字領域を有する証明書の前記情報印字領域から情報を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段により読み取られた情報に基づき前記集積回路に記憶された情報の読取制御に必要な制御情報を取得し、取得された制御情報に基づき前記集積回路との通信を制御する制御手段と、前記制御手段の通信制御により、通信形態を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る第2の読取手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅券、運転免許証などの証明書、特にIC(集積回路)を有するIC証明書を読み取る証明書読取装置及び証明書読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅券などの冊子には、製造時点から基体固有情報が付加されている。このような冊子に対して、画像データを転写する場合には、転写する画像データと基体固有情報との整合を取る必要があり、整合を取るための技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
一方で、近年、よりセキュリティに優れたICチップを備えた旅券(IC旅券)の実用化が進められている。ICチップには、個人情報、例えば文字や生体情報(顔画像)などの情報が記録される。
【0004】
IC旅券にはスキミング対策が講じられており、IC旅券に搭載されたICチップに記憶された情報をダイレクトに読み取ることはできない。IC旅券には、ICチップに記憶された情報以外に、IC旅券の所定ページには各種情報が印字記録されている。この印字情報を光学的に読み取り、読み取った情報からアクセスキーを生成し、このアクセスキーによりICチップへのアクセスが許可される。つまり、IC旅券の所定ページを開いて、印字情報を読み取ってからでないと、ICチップに記憶された情報を読み取ることができないようになっている。このようなアクセス制限は、基本アクセスコントロールと呼ばれ、先進国を中心に採用が予定されている。
【特許文献1】特開2004−167829
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、IC旅券は、所定の規格に準拠するよう定められているが、その規格は画一的なものではなく、その規格に対する選択肢が残された形となっており、選択肢については各発行国の裁量に任されている。これにより、IC旅券からの情報の読み取りがスムーズに行なえないなどの問題が予想される。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、選択肢が残された規格に準拠した証明書からの情報の読み取りに優れた証明書読取装置及び証明書読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の証明書読取装置及び証明書読取システムは、以下のように構成されている。
【0008】
(1)この発明の証明書読取装置は、情報を記憶した集積回路及び情報が印字された情報印字領域を有する証明書の前記情報印字領域から情報を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段により読み取られた情報から得られる制御情報に基づく制御部からの通信制御により、通信形態(アンテナ位置、暗号化方式、読取方式)を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る第2の読取手段とを備えている。
【0009】
(2)この発明の証明書読取システムは、情報を記憶した集積回路及び情報が印字された情報印字領域を有する証明書の前記情報印字領域から情報を読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段により読み取られた情報に基づき前記集積回路に記憶された情報の読取制御に必要な制御情報を取得し、取得された制御情報に基づき前記集積回路との通信を制御する制御手段と、前記制御手段の通信制御により、通信形態を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る第2の読取手段とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選択肢が残された規格に準拠した証明書からの情報の読み取りに優れた証明書読取装置及び証明書読取システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る旅券読取システムの概略構成を示すブロック図である。旅券読取システム100は、IC旅券200、300に印字記録された情報、及びIC旅券200、300に搭載されたICチップに記憶された情報を読み取る。旅券読取システム100は、パーソナルコンピュータなどの制御部110及び旅券読取装置120を備えている。
【0013】
旅券読取装置120は、カメラ121及びICリーダ122により構成されている。カメラ121は、IC旅券200、300の所定ページ(パーソナルデータページ)に印字記録された各種情報を読み取る。カメラ121により読み取られた画像データは、制御部110に転送される。制御部110は、画像データに含まれる文字や数字等を認識する機能を備えており、転送された画像データに含まれる文字や数字等を認識し、認識結果に基づきIC旅券200、300のICチップに記憶された情報の読取制御に必要な制御情報を取得し、取得された制御情報に基づきIC旅券200、300のICチップとの通信(無線通信)を制御する。ICリーダ122は、第1のアンテナ122a及び第2のアンテナ122bを備えており、制御部110の制御に基づき通信形態(後述するアンテナ位置、暗号化方式、読取方式)を切り替えて、IC旅券200、300のICチップに記憶された情報を読み取る。制御部110の制御に基づく通信形態の切り替えの詳細については後述する。
【0014】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る旅券読取システムの概略構成を示すブロック図である。第1の実施形態に係る旅券読取システムは、制御部110により文字や数字等を認識するケースについて説明したが、第2の実施形態に係る旅券読取システムは、カメラ121が文字や数字等を認識する機能を備えており、カメラ121において読み取った画像データに含まれる文字や数字等を認識し、認識結果を制御部110へ送信する。その他の基本構成については、両実施形態において共通である。
【0015】
図3は、IC旅券の一例を示す図である。図3に示すように、IC旅券200(300)は、冊子状になっており、表紙201(301)、パーソナルデータページ202(302)、センターページ203(303)、裏表紙204(304)を備えている。ICチップを保護したプラスチック製のICカードは、表紙201(301)、パーソナルデータページ202(302)、センターページ203(303)、又は裏表紙204(304)のいずれかに取り付けられる。
【0016】
図4は、IC旅券200(300)のパーソナルデータページ202(302)の一例を示す図である。パーソナルデータページ202(302)には、パーソナルデータが印字記録されている。パーソナルデータには、例えば、国籍、旅券番号、氏名、生年月日、性別、発行年月日、有効期限、カラー又はモノクロの顔画像等の情報が含まれる。また、パーソナルデータページ202(302)にはOCR読取領域202a(302a)が設けられており、OCR読取領域202a(302a)には上記したパーソナルデータが記録されている。
【0017】
図5は、IC旅券200(300)に取り付けられるICチップに記録される情報の一例を示す図である。旅券番号は、IC旅券200(300)の発行管理番号にあたり、通常はシリアルでユニークな番号が付与される。発行者が記録する情報には、国籍、氏名、生年月日、性別、発行年月日、有効期限、顔画像、電子署名、公開鍵証明書がある。国籍、氏名、生年月日、性別は、IC旅券200(300)の申請者(所持者)の個人情報である。発行年月日は、このIC旅券200(300)を発行した日である。有効期限は、このIC旅券200(300)が有効な年月日であり、通常は発行年月日から5年あるいは10年といった期限である。顔画像は、パーソナルデータページ202(302)に印刷された顔画像と同一の顔画像データである。電子署名は、「旅券番号」から「顔情報」までのデータの圧縮情報(ハッシュ情報)を秘密鍵で暗号化した電子署名である。公開鍵証明書は、電子署名を作成した際に使用した秘密鍵とペアになる公開鍵の証明書である。
【0018】
図6は、旅券読取システム100を構成する旅券読取装置120の概略構成を示す図である。図6(a)は旅券読取装置120に対してIC旅券200、300が載置されていない状態を示し、図6(b)は旅券読取装置120に対してIC旅券200が載置されている状態を示し、図6(c)は旅券読取装置120に対してIC旅券300が載置されている状態を示す。
【0019】
IC旅券200は、ICチップを保護したプラスチック製のICカード210及びICアンテナ210aを備えている。IC旅券200のパーソナルデータページ202(OCR読取領域202a含む)を開いたとき、パーソナルデータページ202と異なるサイドにICカード210及びICアンテナ210aが位置する(図6(b)参照)。一方のIC旅券300も、ICカード310及びICアンテナ310aを備えている。IC旅券300のパーソナルデータページ302(OCR読取領域302a含む)を開いたとき、パーソナルデータページ302と同じサイドにICカード310及びICアンテナ310aが位置する(図6(c)参照)。
【0020】
旅券読取装置120は、第1情報読取面120a及び第2情報読取面120bを備えている。第1情報読取面120aに対向して、IC旅券200のICアンテナ210aと通信するICリーダ122の第1のアンテナ122aが設けられている。また、第2情報読取面120bに対向して、IC旅券300のICアンテナ310aと通信するICリーダ122の第2のアンテナ122bが設けられている。さらに、第2情報読取面120bに対向して、IC旅券200のOCR読取領域202a又はIC旅券300のOCR読取領域302aに記録されたパーソナルデータを光学的に読み取るカメラ121が配置されている。つまり、第2情報読取面120bの少なくともカメラ121との対向面は、光透過部材で構成されている。
【0021】
また、第1情報読取面120aと第2情報読取面120bが成す角度θは、旅券200、300を図6(b)、図6(c)に示すように載置したときに、旅券200、300がずれ落ちない角度に設定されている。さらに、旅券200、300がずれ落ちを防止するために、第1情報読取面120a及び第2情報読取面120bには、エンボス加工等が施されている。
【0022】
上記した旅券読取装置120及びIC旅券200、300の構成から、IC旅券200については、図6(b)に示すように、旅券読取装置120に載置することにより、カメラ121とIC旅券200のOCR読取領域202aとが向かい合い、カメラ121によりIC旅券200のOCR読取領域202aに記録されたパーソナルデータを読み取ることができる。しかも、ICリーダ122の第1のアンテナ122aとIC旅券200のICカード210のICアンテナ210aとが向かい合うので、ICリーダ122によりIC旅券200のICカード210に記録された情報を読み取ることもできる。
【0023】
一方のIC旅券300については、図6(c)に示すように、旅券読取装置120に載置することにより、カメラ121とIC旅券300のOCR読取領域302aとが向かい合い、カメラ121によりIC旅券300のOCR読取領域302aに記録されたパーソナルデータを読み取ることができる。しかも、ICリーダ122の第2のアンテナ122bとIC旅券300のICカード310のICアンテナ310aとが向かい合うので、ICリーダ122によりIC旅券300のICカード310に記録された情報を読み取ることもできる。
【0024】
以上により、基本アクセスコントロールにスムーズに対応することができる。カメラ121によりIC旅券200のOCR読取領域202a又はIC旅券300のOCR読取領域302aに記録されたパーソナルデータを読み取り、読み取った情報からアクセスキーを生成し、このアクセスキーを利用して、ICリーダ122によりIC旅券200のICカード210又はIC旅券300のICカード310に記録された情報を読み取ることができる。なお、ICリーダ122は、単体でも動作するが、LAN等のネットワーク上に構成してもよい。
【0025】
IC旅券は、所定の規格に準拠するよう定められているが、その規格は画一的なものではなく、その規格に対する選択肢が残された形となっている。例えば、IC旅券200、300のように、ICカード210、310の挿入位置にばらつきが見られる。
【0026】
そこで、IC旅券200のパーソナルデータページ202のOCR読取領域202a又はIC旅券300のパーソナルデータページ302のOCR読取領域302aに印字されている国籍コードから、ICカード210、310の挿入位置を特定する。つまり、IC旅券のICカードが、表紙、パーソナルデータページ、センターページ、裏表紙のいずれに挿入されているのかを判断して、最適な位置のアンテナ(第1のアンテナ122a又は第2の122bのいずれかに切り替えて)でIC旅券に挿入されているICカードから情報を読み取る。
【0027】
さらに、以下に挙げる問題がある。
【0028】
(1)同一発行国のIC旅券でも発行された年代によりアンテナ位置が変更されることが有り得る。この場合、発行国を特定するだけではICカードの挿入位置を特定できない。
【0029】
(2)IC旅券の規格に対する選択肢の一つとして、IC旅券とICリーダ間でアクセス制御と暗号化通信を行うことができる。これに対応するために、まず、非暗号化でアクセス制御認証を試し、エラーになった場合に初めて暗号化でアクセス認証する。しかし、エラーになる場合、通信性能が低下する。
【0030】
(3)IC旅券の規格に対する選択肢の一つとして、IC旅券とICリーダ間のデータ読み出しでは、オプションコマンドで一括読み出しして通信性能向上を図ることができる。これに対応するため、まず、拡張コマンドで読み出しを要求し、エラーになった場合に初めて標準の逐次読み出しコマンドを要求する。しかし、エラーになる場合、通信性能が低下する。
【0031】
上記に限らず各国独自仕様、独自解釈部分がある場合は、国別に処理を切り替える必要がある。
【0032】
そこで、本旅券読取システムでは、図7に示す各国対応情報(制御情報)を利用して、IC旅券の通信形態(アンテナ位置、暗号化方式、読取方式)を十分に特定した上で、通信を行なう。これにより、選択肢が残された規格に準拠したIC旅券から効率良く情報を読み取ることができる。
【0033】
各国対応情報は、例えば制御部110のメモリに記憶される。つまり、制御部110は、IC旅券200のOCR読取領域202a又はIC旅券300のOCR読取領域302aから読み取った国籍、発行年月日に基づき、図7に示す各国対応情報を参照して、通信形態(アンテナ位置、暗号化方式、読取方式)を特定し、ICリーダ122の通信形態を制御する。
【0034】
例えば、国籍コード「JPN」で発行年月日が2006年3月31日の場合は、ICシート(ICカード)位置が1:表紙、暗号化設定が1:あり、一括読出し設定が1:あり、であることがわかる。また、そのような設定項目が将来増えることを想定して予備領域を準備しておくこともできる。
【0035】
次に、図8及び図9に示すフローチャートを参照して、本旅券読取システムによるIC旅券の読取処理について説明する。
【0036】
旅券読取装置120(カメラ121)は、載置されたIC旅券200又は300のOCR読取領域202a又は302aを読み取り(ST1)、制御部110は、読み取られた画像データに含まれる文字や数字等を認識し、IC旅券200又は300の国籍コード、発行年月日、有効期限満了日を特定する。さらに、制御部110は、国籍コード、発行年月日、有効期限満了日に基づき、各国対応情報(通信形態を制御するための制御情報)を取得する(ST2)。この時点で、IC旅券200又は300の通信形態を特定することができる。つまり、IC旅券200又は300のICアンテナの位置を特定し、暗号化設定(暗号化設定の有り/無し)を特定し、情報読取方式(一括情報読取方式/分割情報読取方式)を特定することができる。
【0037】
制御部110は、特定されたICアンテナの位置に対応する最適なアンテナ位置の選択を制御する。これに対応して、ICリーダ122は、第1のアンテナ122a又は第2の122bのどちらかを選択し(ST3)、通信の初期化処理を行う(ST4)。ここで通信エラーになると(ST5、YES)、アンテナ位置を変更する(ST6)。それでも、通信エラーになる場合は(ST6、YES)、エラーが案内表示される(ST25)。
【0038】
通信の初期化処理が正常に終了し(ST5、NO)(ST7、NO)、暗号化設定が「あり」の場合は(ST8、NO)、制御部110は暗号化設定ありを指示し、ICリーダ122は暗号化通信でアクセス認証とファイル選択を行う(ST9)。ここでエラーの場合は(ST10、YES)、制御部110は暗号化設定なしを指示し、ICリーダ122は非暗号化通信でファイル選択を行う(ST11)。それでもエラーの場合は(ST12、YES)、エラーが案内表示される(ST25)。暗号化設定が「なし」の場合は(ST8、YES)、制御部110は暗号化設定なしを指示し、ICリーダ122は非暗号化通信でファイル選択を行う(ST13)。ここでエラーの場合は(ST14、YES)、制御部110は暗号化設定ありを指示し、ICリーダ122は暗号化通信でアクセス認証とファイル選択を行う(ST15)。それでもエラーの場合は(ST16、YES)、エラーが案内表示される(ST25)。
【0039】
ファイル選択が正常に終了し(ST10、NO)(ST12、NO)(ST16、NO)、一括読出し設定が「あり」の場合は(ST17、NO)、制御部110は一括読出しを指示し、ICリーダ122は一括読出しでファイル読出しを行う(ST18)。ここでエラーの場合は(ST19、YES)、制御部110は逐次読出し(分割読出し)を指示し、ICリーダ122は逐次読出しでファイル読出しを行なう(ST20)。一括読出し設定が「なし」の場合は(ST17、YES)、制御部110は逐次読出しを指示し、ICリーダ122は逐次読出しでファイル読出しを行なう(ST20)。ICリーダ122は、逐次読出し後に全データ読出しできているかチェックし(ST21)、未完了の場合は(ST21、NO)、継続読出しを行い(ST22)、全データ読出しチェックに戻る。
【0040】
データの読出しが完了したら(ST19、NO)(ST21、YES)、引き続き制御部110は、IC内の電子署名を検証し(ST23)、読出したデータと検証結果を画面に表示して(ST24)、一連の処理を終了する。
【0041】
以上により、IC旅券のような生体情報をICに記録したIDや証明書に関して、IC旅券の券面に印字されている文字情報の国籍、発行年月日、あるいは有効年月日から各国対応情報を読出し、アンテナ位置設定、暗号化設定、一括読出し設定等を入手する。それらの情報を使用して、そのIC旅券に合ったアンテナ位置、仕様・順序で通信を実施する。つまり、IC旅券のIC位置が、表紙、パーソナルデータページ、センターページ、裏表紙、のいずれにあるのかを判断して、最適な位置のアンテナでIC旅券の読取りを行う。また、IC旅券とIC旅券リーダ間で「アクセス制御と暗号化通信」を行うかどうかについて最適な選択を行う。さらに、IC旅券とIC旅券リーダ間で「データ読み出しをオプションの一括読み出し」するかどうかについて最適な選択を行う。これらにより、各種エラーを回避することで通信時間を削減し、読取り性能の向上を図ることができる。また、各国のIC旅券仕様が変った場合でも、発行年月日で区別して異なる対応を実施することができる。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る旅券読取システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る旅券読取システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】IC旅券の一例を示す図である。
【図4】IC旅券のパーソナルデータページの一例を示す図である。
【図5】IC旅券に取り付けられるICチップに記録される情報の一例を示す図である。
【図6】旅券読取システムを構成する旅券読取装置の概略構成を示す図である。
【図7】各国対応情報(制御情報)の一例を示す図である。
【図8】旅券読取システムによるIC旅券の読取処理の一例を説明するフローチャートである。
【図9】旅券読取システムによるIC旅券の読取処理の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0044】
100…旅券読取システム、110…制御部、120…旅券読取装置、121…カメラ、122…ICリーダ、122a…第1のアンテナ、122b…第2のアンテナ、200、300…IC旅券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶した集積回路及び情報が印字された情報印字領域を有する証明書の前記情報印字領域から情報を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段により読み取られた情報から得られる制御情報に基づく制御部からの通信制御により、通信形態を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る第2の読取手段と、
を備えたことを特徴とする証明書読取装置。
【請求項2】
前記第2の読取手段は、前記集積回路側のアンテナと通信するためのアンテナを有し、前記制御情報に含まれる前記集積回路の位置情報に基づく前記制御部からのアンテナ位置の切り替え制御により、前記第2の読取手段側のアンテナの位置を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の証明書読取装置。
【請求項3】
前記第2の読取手段は、前記集積回路側のアンテナと通信するための異なる配置の第1及び第2のアンテナを有し、前記制御情報に含まれる前記集積回路の第1の位置情報に基づく前記制御部からのアンテナ位置の第1の切り替え制御により、前記第1のアンテナを選択して、前記集積回路に記憶された情報を読み取り、前記制御情報に含まれる前記集積回路の第2の位置情報に基づく前記制御部からのアンテナ位置の第2の切り替え制御により、前記第2のアンテナを選択して、前記集積回路に記憶された情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載の証明書読取装置。
【請求項4】
前記第2の読取手段は、前記制御情報に含まれる暗号化設定情報に基づく前記制御部からの暗号化通信方式又は非暗号化通信方式の選択制御により、暗号化通信方式又は非暗号化通信方式を選択し、選択した通信方式により前記集積回路に記憶された情報を読み取ることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の証明書読取装置。
【請求項5】
前記第2の読取手段は、前記制御情報に含まれる情報読取設定情報に基づき一括情報読取方式又は分割情報読取方式を選択し、選択した読取方式により前記集積回路に記憶された情報を読み取ることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の証明書読取装置。
【請求項6】
情報を記憶した集積回路及び情報が印字された情報印字領域を有する証明書の前記情報印字領域から情報を読み取る第1の読取手段と、
前記第1の読取手段により読み取られた情報に基づき前記集積回路に記憶された情報の読取制御に必要な制御情報を取得し、取得された制御情報に基づき前記集積回路との通信を制御する制御手段と、
前記制御手段の通信制御により、通信形態を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る第2の読取手段と、
を備えたことを特徴とする証明書読取システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報に基づき前記集積回路の位置情報を取得し、取得された位置情報に基づきアンテナ位置の切り替えを制御し、
前記第2の読取手段は、前記集積回路側のアンテナと通信するためのアンテナを有し、前記制御手段からのアンテナ位置の切り替え制御により、前記第2の読取手段側のアンテナの位置を切り替えて、前記集積回路に記憶された情報を読み取る、
ことを特徴とする請求項6に記載の証明書読取システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報に基づき前記集積回路の第1又は第2の位置情報を取得し、取得された第1の位置情報に基づきアンテナ位置の第1の切り替えを制御し、取得された第2の位置情報に基づきアンテナ位置の第2の切り替えを制御し、
前記第2の読取手段は、前記集積回路側のアンテナと通信するための異なる配置の第1及び第2のアンテナを有し、前記制御手段からのアンテナ位置の第1の切り替え制御により、前記第1のアンテナを選択して、前記集積回路に記憶された情報を読み取り、前記制御手段からのアンテナ位置の第2の切り替え制御により、前記第2のアンテナを選択して、前記集積回路に記憶された情報を読み取る、
ことを特徴とする請求項6に記載の証明書読取システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報及び発行年月日情報に基づき前記集積回路の位置情報を取得し、取得された位置情報に基づきアンテナ位置の切り替えを制御することを特徴とする請求項7に記載の証明書読取システム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報に基づき暗号化設定情報を取得し、取得された暗号化設定情報に基づき暗号化通信方式又は非暗号化通信方式の選択を制御し、
前記第2の読取手段は、前記制御手段からの暗号化通信方式又は非暗号化通信方式の選択制御により、暗号化通信方式又は非暗号化通信方式を選択し、選択した通信方式により前記集積回路に記憶された情報を読み取る、
ことを特徴とする請求項6、7、又は8に記載の証明書読取システム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報及び発行年月日情報に基づき暗号化設定情報を取得し、取得された暗号化設定情報に基づき暗号化通信方式又は非暗号化通信方式の選択を制御することを特徴とする請求項10に記載の証明書読取システム。
【請求項12】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報に基づき情報読取設定情報を取得し、取得された情報読取設定情報に基づき一括情報読取方式又は分割情報読取方式の選択を制御し、
前記第2の読取手段は、前記制御手段からの一括情報読取方式又は分割情報読取方式の選択制御により、一括情報読取方式又は分割情報読取方式を選択し、選択した読取方式により前記集積回路に記憶された情報を読み取る、
ことを特徴とする請求項6、7、8、又は10に記載の証明書読取システム。
【請求項13】
前記制御手段は、前記第1の読取手段により読み取られた情報を認識し、この情報に含まれる国情報及び発行年月日情報に基づき情報読取設定情報を取得し、取得された情報読取設定情報に基づき一括情報読取方式又は分割情報読取方式の選択を制御することを特徴とする請求項12に記載の証明書読取システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−249799(P2007−249799A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74747(P2006−74747)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】