説明

認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物

本発明は、好適な不活性の医薬用キャリヤー及び/又は添加剤との混合物の形で、成分A)として、式(I)
【化1】


の(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を発揮する他の薬学上活性な成分を含有する認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物に関する。本発明による医薬組成物は、特に、アルツハイマー病又は同様の症状を呈する疾患、知的能力の機能不全(例えば、精神分裂症における精神減退)、高齢者における精神減退(高齢者における痴呆症)、コルサコフ症候群、ハンチントン症候群、パーキンソン症候群、又はアルコール中毒症によって生じた精神減退の治療に用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)
【化1】

の(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン(国際一般的名称:デラムシクラン)は、ハンガリー国特許第179,174号の一般式に含まれる抗不安医薬活性成分である。デラムシクランの製造は、ハンガリー国特許第212,574号に記載されている。
【0003】
デラムシクランは、不安及びストレスの各種動物モデルにおいて、かなりの効果を示す。Vogel罰刺激飲水テストにおいて、デラムシクランは、経口投与後、1及び10mg/kgで活性であった(Gacsalyiら, 動物モデルにおけるデラムシクラン(EGIS-3886)の受容体結合プロフィール及び抗不安活性, Drug Dev. Res. 40: p.338-348, (1997))。社会的相互作用モデルでは、この化合物は、0.7mg/kgの単回経口処置後、社会的相互作用に費やす時間を増大させた。明暗モデルにおいて、デラムシクランは、単回経口用量3mg/kg(sc.)において活性であることが証明されている(Crawley, J.N., ベンゾジアゼピンの行動作用に関する不安のシンプルモデルの神経薬理学的特異性, Pharmacol. Biochem. Behavior, 15: p.695-699 (1981))。ガラス玉覆い隠しモデルでは、この分子は、経口処置の後、10及び30mg/kgにおいて活性であった(Broekkamp, C.L.ら, メジャートランキライザーは、マウスにおけるガラス玉覆い隠し及び水浴び誘発グルーミングに対する作用に基づいて、マイナートランキライザーから区別される, J. Pharmacol. 126: p.223-229 (1986))。
【0004】
作用機序について、化合物は、中枢性5-HT2C及び5-HT2A受容体に有意に結合する(Gacsalyiら, 動物モデルにおけるデラムシクラン(EGIS-3886)の受容体結合プロフィール及び抗不安活性, Drug Dev. Res. 40: p.338-348, (1997))。多くの臨床研究者及び観察により、高齢者の知的及び精神的機能の減退及び/又は老人性痴呆症によって特徴付けられる疾患は、主に、感情及び気分の異常及び障害を伴うものであることが立証されている。高等な神経系に影響を及ぼす認知機能における変化は、適応性の障害を生じ、不安症及び/又はうつ状態を導く。文献によれば、アルツハイマー病に罹った患者の68〜71%において、不安症が存在し、認知機能の減退を促進させる(Ferrettiら, 不安症及びアルツハイマー病, J. Geriatr. Psychiatry, Neurol., Spring, 14(1), 52-58 (2001))。
【0005】
ハンチントン病に罹った患者において、多数の神経精神症状が生じ、中でも、不安症及び不快気分が最も顕著である(Paulsenら, ハンチントン病の神経精神学的特徴, J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry., 71(3), 310-314, (2001))。
【0006】
各種原因の痴呆症において、不安症はアジュバント薬物療法で治療される(Rojas-Fernandezら, 痴呆症の挙動的症状及び心理的症状の薬物治療, Pharmacotherapy, 21(1) 74-102, (2001))。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によれば、好適な不活性の医薬用キャリヤー及び添加剤との混合物の形で、成分A)として、式(I)の(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を発揮する他の薬学上活性な成分を含有する認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の複合医薬組成物の利点は、治療を受けた患者が、認知機能(記憶、注意、知覚、学習)に対する有益な作用を有すること及び同時に、感情及び気分に対する有利な影響を有することによって、患者の生活の質をかなり増大させることにある。本発明の複合医薬組成物の他の利点は、次の点にある。すなわち、治療を受ける患者は一般的に高齢者であり、高齢者にとっては、いくつかの種類の薬剤を服用することは厄介である。このような課題は、本発明の複合医薬組成物によれば、単一薬剤によって、患者の状態に対する処置が可能であり、これにより、良好なコンプライアンスを達成できるため、本発明の複合医薬組成物によって解消される。
【0009】
本発明は、成分A)として用いられた式(I)のデラムシクラン又はその好適な酸付加塩の抗不安、抗ストレス及び恐怖低減作用、及び成分B)として用いられた向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤、又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬剤の作用が、相互に、その作用を増強するとの認識に基づくものである。
【0010】
本発明の複合医薬組成物は、下記の適応症に用いられる:アルツハイマー病又はアルツハイマー病と同様の症状を呈する疾患、知的能力の機能不全(例えば、精神分裂症における精神減退)、高齢者における精神減退(高齢者における痴呆症)、コルサコフ症候群、ハンチントン症候群、パーキンソン症候群、又はアルコール中毒症によって生じた精神減退。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による複合医薬組成物は、成分A)として、好ましくは、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)を含有する。
【0012】
本発明による複合医薬組成物は、成分A)として、特に好ましくは、式(II)
【化2】

の(1R, 3S, 4R)-(−)-3-[2-N, N-(ジメチルアミノエチル)]-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン又はその薬学上許容される酸付加塩の含量が0.2%以下である(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩を含有する。
【0013】
本発明の特に好適な具体例によれば、複合医薬組成物は、成分A)として、(1R, 3S, 4R)-(−)-3-[2-N, N-(ジメチルアミノエチル)]-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)の含量が0.2%以下である(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)を含有する。
【0014】
本発明による複合医薬組成物は、成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する。
【0015】
向知性薬としては、好ましくは、ピラセタム、アニラセタム、オキシラセタム又はプラミラセタムが使用される。
【0016】
酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤としては、好ましくは、ガランタミン、リバスチグミン又はドネゼピルが使用される。
【0017】
成分B)としては、ビンポセチン、カルシウム拮抗剤(例えば、ニフェジピン、ニモジピン、アムロジピン、フェロジピン等)又は酸化防止剤(例えば、ビタミンE)が使用される。
【0018】
用語「薬学上許容される酸付加塩」は、薬学上許容される無機又は有機の酸にて形成された塩に関する。塩形成のため、例えば、塩酸、臭化水素、硫酸、リン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等が使用される。式(I)の(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンは、フマル酸塩の形、すなわち、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)として、特に有利に使用される。
【0019】
式(II)の(1R, 3S, 4R)-(−)-3-[2-N, N-(ジメチルアミノエチル)]-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン又はその薬学上許容される酸付加塩の含量が0.2%以下である(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩は、ハンガリー国特許出願第1559/99号に記載されている。
【0020】
本発明による医薬組成物は、医薬工業において一般的に使用される剤形で調製される。組成物は固体又は液体である(例えば、錠剤、被覆錠剤、糖衣錠、カプセル、溶液等)。医薬組成物は、経口又は非経口投与され、好ましくは経口投与される。本発明による複合医薬組成物は、医薬品工業において、それ自体公知の方法によって調製される。
【0021】
本発明の他の態様によれば、認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物の製法であって、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を、不活性な薬学上許容されるキャリヤー及び/又は添加剤と混合し、及び混合物を所望の剤形とすることを特徴とする複合医薬組成物の製法が提供される。
【0022】
本発明のさらに他の態様によれば、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせの、認知機能の減退を阻止するための使用が提供される。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせの、認知機能の減退を阻止するための医薬組成物の調製における使用が提供される。
【0024】
本発明の他の態様によれば、認知機能の減退を阻止する方法であって、このような治療を必要とする患者に、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせを、薬学上有効な用量で投与することを特徴とする認知機能の減退を阻止する方法が提供される。
【0025】
本発明の他の態様によれば、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩の、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を発揮する他の薬学上活性な成分の作用を増強するための使用が提供される。
【0026】
本発明のさらなる詳細は、下記の実施例において理解されるはずであるが、これら実施例は、本発明の保護の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0027】
デラムシクランとガランタミンとの組み合わせ
好適な用量範囲は、デラムシクラン0.1〜50mg/die及びガランタミン8〜32mg/dieである。さらに好適な用量範囲は、デラムシクラン1〜30mg/die及びガランタミン10〜25mg/dieである。最も好適な用量範囲は、デラムシクラン2〜10mg/die及びガランタミン10〜20mg/dieである。
【実施例2】
【0028】
デラムシクランとピラセタムとの組み合わせ
好適な用量範囲は、デラムシクラン0.1〜50mg/die及びピラセタム100〜1500 mg/dieである。さらに好適な用量範囲は、デラムシクラン1〜30mg/die及びピラセタム500〜1200 mg/dieである。最も好適な用量範囲は、デラムシクラン2〜10mg/die及びピラセタム750〜1000 mg/ダイスである。
【実施例3】
【0029】
デラムシクランとドネゼピルとの組み合わせ
好適な用量範囲は、デラムシクラン0.1〜50mg/die及びドネゼピル0.5〜10mg/dieである。さらに好適な用量範囲は、デラムシクラン1〜30mg/die及びドネゼピル1〜10mg/dieである。最も好適な用量範囲は、デラムシクラン2〜10mg/die及びドネゼピル5〜10mg/dieである。
【実施例4】
【0030】
デラムシクランとビンポセチンとの組み合わせ
好適な用量範囲は、デラムシクラン0.1〜50mg/die及びビンポセチン1〜50mg/dieである。さらに好適な用量範囲は、デラムシクラン1〜30mg/die及びビンポセチン5〜40mg/dieである。最も好適な用量範囲は、デラムシクラン2〜10mg/die及びビンポセチン10〜30mg/dieである。
【実施例5】
【0031】
デラムシクランとビタミンE(酸化防止剤)との組み合わせ
好適な用量範囲は、デラムシクラン0.1〜50mg/die及びビタミンE1〜1300 mg/dieである。さらに好適な用量範囲は、デラムシクラン1〜30mg/die及びビタミンE50〜300 mg/dieである。最も好適な用量範囲は、デラムシクラン2〜10mg/die及びビタミンE100〜300 mg/dieである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
好適な不活性の医薬用キャリヤー及び添加剤との混合物の形で、成分A)として、式(I)
【化1】

の(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を発揮する他の薬学上活性な成分を含有する認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物。
【請求項2】
アルツハイマー病又は同様の症状を呈する疾患、知的能力の機能不全(例えば、精神分裂症における精神減退)、高齢者における精神減退(高齢者における痴呆症)、コルサコフ症候群、ハンチントン症候群、パーキンソン症候群、又はアルコール中毒症によって生じた精神減退の治療のための請求項1記載の複合医薬組成物。行為
【請求項3】
成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)を含有する請求項1又は2記載の複合医薬組成物。
【請求項4】
成分A)として、式(II)
【化2】

の(1R, 3S, 4R)-(−)-3-[2-N, N-(ジメチルアミノエチル)]-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン又はその薬学上許容される酸付加塩の含量が0.2%以下である(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩を含有する請求項1記載の複合医薬組成物。
【請求項5】
(1R, 3S, 4R)-(−)-3-[2-N, N-(ジメチルアミノエチル)]-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)の含量が0.2%以下である(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-(E)-ブテンジオエート(1:1)を含有する請求項4記載の複合医薬組成物。
【請求項6】
成分B)として、ピラセタム、アニラセタム、オキシラセタム、プラミラセタム、ガランタミン、リバスチグミン、ドネゼピル、ビンポセチン、カルシウム拮抗剤又は酸化防止剤を含有する請求項1〜5のいずれか記載の複合医薬組成物。
【請求項7】
認知機能の減退を阻止するための複合医薬組成物の製法であって、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を、不活性な薬学上許容されるキャリヤー及び/又は添加剤と混合し、及び混合物を所望の剤形とすることを特徴とする複合医薬組成物の製法。
【請求項8】
成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせの、認知機能の減退を阻止するための使用。
【請求項9】
成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせの、認知機能の減退を阻止するための医薬組成物の調製における使用。
【請求項10】
認知機能の減退を阻止する方法であって、このような治療を必要とする患者に、成分A)として、(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩、及び成分B)として、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を有する他の薬学上活性な成分を含有する組み合わせを、薬学上有効な用量で投与することを特徴とする認知機能の減退を阻止する方法。
【請求項11】
(1R, 2S, 4R)-(−)-2-[N, N-(ジメチルアミノエトキシ)]-2-フェニル-1, 7, 7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン又はその薬学上許容される酸付加塩の、向知性薬、酵素アセチルコリンエステラーゼの阻害剤及び/又は認知過程に対して有益な作用を発揮する他の薬学上活性な成分の作用を増強するための使用。

【公表番号】特表2007−528892(P2007−528892A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502417(P2007−502417)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/HU2004/000022
【国際公開番号】WO2005/087212
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(506308688)
【Fターム(参考)】