説明

認知障害の処置用の組成物および方法

【課題】アルツハイマー病、学習に関連する退行性疾患、学習能力低下、軽度認知障害のような記憶または認知機能障害、加齢に伴う認識衰退、脳老衰、血管性痴呆、AIDS関連認知症、感電により引き起こされる記憶消失、うつ病または不安症に関連する記憶障害、パーキンソン病における認知障害、ダウン症候群、脳卒中、外傷性脳損傷、ハンチントン病、および注意力欠如障害からなる群より選択される認知障害の処置に有効な薬剤の提供。
【解決手段】選択的5−HT6/5−HT2A複合アンタゴニストの使用であって、前記化合物が、5−HT6レセプターに対してpKi値8以上の親和性、5−HT2Aレセプターに対してpKi値8以上の親和性を有し、ドーパミンD2レセプター、ヒスタミンH1レセプターならびにムスカリン性M1およびM2レセプターに対して少なくとも30の選択性を有する使用に有効な薬剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特許請求された本発明は、一般に医薬および医薬品化学の分野に関する。より詳細には、本発明は、認知障害を処置するための薬剤およびその組成物の調製のための、5−HT2Aおよび5−HT6レセプターのアンタゴニストの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
認知および/または退行性の脳障害は、臨床的に、記憶、認知、理性、判断および情緒的安定性における進行性低下を呈し、徐々に重度の精神機能低下を引き起こし、最終的には死に至る。このような疾患の例として、アルツハイマー病(AD)は、高齢の人にとって進行性精神障害(痴呆)の一般的な原因であり、米国では4番目に多い一般的な医学的死亡原因であると見られている。特に、ADは、記憶を含む認知機能に基本的な役割を果たす、前脳基底部中におけるコリン作動性のニューロンの変性に関与する(Becker ら, Drug Development Research, 1988, 12, 163-195)。認知性および退行性の脳障害は、世界中の多様な人種および民族に見られており、主要な社会的健康問題となっている。現在では、これらの疾病は、米国だけでも約2〜3百万人が罹患すると推定されている。これらの疾病は、現在使用されている薬剤では治療不能であり、ヒトの寿命が長くなるにつれて、全世界で増加するであろう。
【0003】
セロトニンレセプターは、多数のファミリーおよびサブファミリー(5−HT1〜5−HT7)に分類されており、ほぼ14群がクローンされている。同定された最も新しい群の1つは、5−HT6サブタイプである。様々な三環式向精神薬(神経安定薬、抗うつ剤および非定型神経安定剤)が、ナノモルの親和性で5−HT6レセプターに結合することが観察されている(Roth ら, J. Pharmacol. Exp. Ther., 1994, 268, 1403-1410)。ラット5−HT6レセプターは、1993年に最初にクローンされ、最近になって同グループがヒト5−HT6レセプターのクローニングについて記載した。5−HT6レセプターはGタンパク質スーパーファミリーのメンバーであり、アデニル酸シクラーゼのセカンドメッセンジャー系に積極的に結合し、主に中枢神経系内で観察された。5−HT6レセプターサブグループに結合したセロトニンは、アデニル酸シクラーゼ酵素を活性化し、細胞内cAMPレベルの上昇を伴う。正確な5−HT6レセプターサブグループの生理作用および臨床的有意性は、上述のように公知ではないが、多くの抗精神病薬は、高い親和性でこれらのレセプターに結合する。また、5−HT6レセプターを発現しないラットは、コリン作動性機能の増加を伴っているように行動する。
【0004】
5−HT2Aレセプターサブタイプは、多くの皮質、大脳辺縁および前脳領域を含むヒトの脳内に広く、だが分散して発現する。このレセプターサブタイプは、5−HTが収縮に介在することが確認されている血管平滑筋(例えば、大動脈および大腿動脈)上に強く発現する。また、血管内血栓形成過程の初期段階の一つである血小板凝集を部分的にもたらす、成長した血小板上にも発現する。最近の研究は、5−HT2Aレセプターの拮抗作用は、抗精神病効能をもつ薬剤の代替的な分子機構であり、これはセロトニン作動系を介する高度の、または過度の情報伝達の拮抗作用を介しうることを示している。したがって、5−HT2Aアンタゴニストは、錐体外路への副作用なしに精神病を処置するための候補である。しかし、認知機能における5−HT2Aレセプターの関与は完全には分かっておらず、5−HT2Aレセプターの刺激が認知増強または認知欠損のいずれかを示すという研究により、議論の余地があるとみなされている(Williams ら, J. Neurosci., 2002, 22, 2843-2854; Harvey, Learn. Mem., 2003, 10, 355-362, Umbricht ら, Neuropsycho-pharmacology, 2003, 28, 170-181)。
【0005】
5−HT6および5−HT2Aレセプターの非選択的アンタゴニストである、クロザピンまたはオランザピンのような非定型抗精神病薬は、認知機能の改善に関与してきたが、幻覚症状および精神錯乱等の副作用も示すことがある(Mori ら, Prog. Neuropsycho- pharmacol. Biol. Psychiatry, 2004, 28, 659- 665; Kennedy ら, Int. J. Geriatr. Psychology, 2001, 16, S33-S61)。しかし、これらの薬剤は、精神病患者にのみ試験されており、精神病ではない患者の認知能力改善の効能は分かっていない。
【0006】
選択的5−HT6レセプターアンタゴニストおよび選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストを含む組成物の投与が、アンタゴニスト単体または非選択的アンタゴニストのいずれかを含む組成物の投与と比較して、認知障害の処置により効果的であることが、今や明らかになった。第1の選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物および第2の選択的5−HT2Aアンタゴニスト化合物、または選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニスト化合物である単一化合物のいずれかの投与は、いずれかのアンタゴニスト化合物単体での投与と比較して、より少ない投与量で同等またはよりよい効能を実現し、これにより、副作用、耐性発現、乱用傾向および効能の欠如におけるリスクの軽減等の更なる利点が得られる。
【0007】
したがって本発明は、認知障害に関連する疾病状態を処置するための薬剤の調製のための、5−HT2Aおよび5−HT6レセプターのアンタゴニストの使用、ならびに5−HT6レセプターおよび5−HT2Aレセプターを選択的に拮抗できる配合の有効量を含む医薬組成物に関する。したがって、本発明の一つの態様は、認知障害に関連する疾病状態を処置する薬剤の調製のための、選択的5−HT6レセプターアンタゴニストおよび選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト、または選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニストの使用である。
【0008】
他の実施態様では、本発明は、選択的5−HT6レセプターアンタゴニストおよび選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト、または選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニストからなる配合の有効量、ならびに薬学的に許容されうる賦形剤を含む、認知障害に関連する疾病状態を処置するための医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】スコポラミンの投与により物体認識作業の識別能力が一時的に失われた、5ヵ月齢の雄ラットについて調査した、本作業の識別能力における化合物18(A)または化合物3(B)の効果を示す。
【図2】スコポラミンの投与により物体認識作業の識別能力が一時的に失われた、5ヵ月齢の雄ラットについて調査した、本作業の識別能力における選択的5−HT2Aアンタゴニスト(MDL−100907)と選択的5−HT6アンタゴニスト(化合物32)の併用投与の効果を示す。
【図3A】ラット脳の海馬切片(CA1野)におけるシナプスシグナル伝達の長期間増強(LTP)を示す。(A)あらかじめ強縮したベースラインに対する興奮性シナプス後場電位(fEPSP)勾配の増加を示す、MDL100907による(化合物32によらない)長期間増強の増加。
【図3B】ラット脳の海馬切片(CA1野)におけるシナプスシグナル伝達の長期間増強(LTP)を示す。(B)MDL100907、SR46349、オランザピン、化合物3、18および32で処置した海馬切片における、あらかじめ強縮したベースラインを超えるfEPSPの平均増加。
【0010】
用語「選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト」は、5−HT6レセプターに結合して拮抗し、中性(neutral)アンタゴニストまたは逆(inverse)アゴニストのどちらかとして作用し、他の5−HTレセプターサブタイプと実質的には結合および拮抗せず、どのようなドーパミンレセプターサブタイプ、ヒスタミンレセプターサブタイプならびにムスカリン性レセプターサブタイプとも実質的には結合および拮抗しない化合物を意味する。ここで使用される「実質的な拮抗作用」の欠如は、pKiがおよそ7以下のオフターゲットレセプターに結合する化合物を意味する。ここで使用される「オフターゲットレセプター」は、ドーパミンレセプター(様々なサブタイプを含む)、ヒスタミンレセプター(様々なサブタイプを含む)、ムスカリン性レセプター(様々なサブタイプを含む)、5−HT6および5−HT2Aレセプター以外の5−HTレセプター等を意味する。
【0011】
用語「ターゲットレセプター」は、レセプター5−HT6および5−HT2Aの、単独あるいは組み合わせを意味する。
【0012】
用語「選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト」は、5−HT2Aレセプターに結合して拮抗し、中性アンタゴニストまたは逆アゴニストとして作用し、他の5−HTレセプターサブタイプに実質的に結合および拮抗せず、その他のいずれのオフターゲットレセプターにも実質的に結合および拮抗しない化合物を意味する。
【0013】
用語「選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニスト」は、5−HT6および5−HT2Aレセプターの両方に結合して拮抗し、中性アンタゴニストまたは逆アゴニストとして作用し、どのようなオフターゲットレセプターとも実質的に結合および拮抗しない化合物を意味する。
【0014】
好ましくは、「選択的」5−HT6および/または5−HT2Aレセプターアンタゴニストは、以下のアッセイに従って測定すると、ターゲットレセプター(5−HT6および/または5−HT2A)へおよそ8以上の親和性(pKi)を示し、ドーパミンD2レセプター、ヒスタミンH1レセプターならびにムスカリン性MlおよびM2レセプターのpKiより少なくとも30倍大きい。「選択的」5−HT6および/または5−HT2Aレセプターアンタゴニストは、5−HT2Cレセプターに対して少なくとも30倍大きい更なる選択性を示しうる。5−HT6レセプターアンタゴニストおよび/または5−HT2Aレセプターアンタゴニストの親和性および選択性を測定するのに使用されうるアッセイは、当該技術において既知であり、後述の実施例にも示されている。
【0015】
用語「有効量」および「治療有効量」は、望ましい生物学的効果を得るための薬剤の十分量を意味する。この結果として、疾病の徴候、症状もしくは原因の予防、軽減および/または緩和、あるいは徴候、症状もしくは疾病等を有する、または有する危険性のある生体のその他の望ましい変化がありうる。個々のケースにおける適切な「有効」量は、当業者により、通常の実験を用いて決定されうる。
【0016】
疾病状態「を処置する」または「の処置」という用語は、1)疾病状態の予防、すなわち疾病状態に暴露されるか、または罹患しやすくなっているが、まだ疾病状態の症状を経験または表していない被検者において、疾病状態の臨床的症状を発症させないこと;2)疾病状態の阻害、すなわち疾病状態またはその臨床症状の進展を制止すること;あるいは、3)疾病状態の緩和、すなわち疾病状態またはその臨床症状を一時的または永続的に後退させることを含む。用語「疾病状態」は、あらゆる疾病、病理状態、徴候、疾患、または兆しを意味する。
【0017】
用語「被験者」は、5−HTレセプターまたは5−HTレセプターの相同分子種を発現する哺乳動物または非哺乳動物を意味する。哺乳動物の例には、哺乳類のあらゆるメンバー:ヒト、チンパンジーならびに他の類人猿およびサル類のようなヒト以外の霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタのような家畜;ウサギ、イヌおよびネコのような愛玩動物;ラット、マウスおよびモルモットのような齧歯類を含む実験動物等を含むが、これらに限定されない。非哺乳動物の例としては、トリ、魚等が含まれるが、これらに限定されない。この用語は、特定の年齢または性別を意味するものではない。
【0018】
用語「認知障害」および「認知欠損」は、以下の徴候:
1)記憶欠損(新しい情報を学習したり以前に学習した情報を思い出す能力の低下);
2)下記障害の1つ(またはそれ以上):
a)失語症(言語障害)
b)失行症(運動機能が損なわれていない状態での運動活動を行う能力の低下)
c)失認症(感覚機能が損なわれていない状態での物体の認知または確認不能)
d)遂行機能(例えば、計画、体系化、順序立て、要約)における障害;
3)社会生活または職場生活機能における顕著な機能障害を引き起こし、以前の機能レベルから顕著な低下を示す記憶障害;ならびに
4)全身の一般的病状または中枢神経系機能障害の客観的形跡を伴う、神経心理検査または定量化された臨床評価により明らかな認知機能障害、
を1種以上含む、行動における崩壊を意味する。認知障害は、アルツハイマー病、退行性疾患による学習障害、非退行性疾患による学習障害、軽度認知障害のような記憶または認知機能障害、加齢に伴う認識衰退、脳老衰、血管性痴呆、AIDS関連痴呆、感電により引き起こされる記憶消失、うつ病または不安症に関連する記憶障害、パーキンソン病における認知障害、ダウン症候群、脳卒中、外傷性脳損傷、ハンチントン病、および注意力欠如障害を含みうる。
【0019】
用語「薬学的に許容されうる」および「薬理学的に許容されうる」は、一般的に組成物の他の成分と適合し、受容者に有害ではなく、生物学的にもそれ以外にも不適切なものでなく、ヒトに対する薬学的使用と同様に獣医学的使用に許容されうる、医薬組成物を調製するのに有用な物質を意味する。本明細書および請求の範囲で使用される「薬学的に許容されうる賦形剤」は、そのような賦形剤の1種および1種以上の両方を含む。
【0020】
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する一価の直鎖状または分岐鎖状飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、炭素原子1〜6個のアルキル基または部分、すなわちC−Cアルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル等を含むが、これらに限定されない。
【0021】
「アルキレン」は、炭素原子1〜6個の直鎖状飽和二価炭化水素基、または炭素原子3〜6個の分岐鎖状飽和二価炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン等である。
【0022】
「アルケニレン」は、炭素原子2〜6個の直鎖状不飽和二価炭化水素基、または炭素原子3〜6個の分岐鎖状飽和二価炭化水素基を意味し、例えば、エテニレン(−CH=CH−)、2,2−ジメチルエテニレン、プロペニレン、2−メチルプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等である。
【0023】
「アルコキシ」は、式−ORで示される部分を意味し、ここで、Rは本明細書で定義されたアルキル部分である。アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等を含むが、これらに限定されない。
【0024】
「アルコキシアルキル」は、式R−で示される部分を意味し、ここで、Rは本明細書で定義されたアルコキシであり、Rは本明細書で定義されたアルキレンである。アルコキシアルキル部分の例は、メトキシエチル、エトキシエチル、2,3−ジメトキシプロピル等を含む。
【0025】
「アルキルカルボニル」は、式−R′−R′′で示される部分を意味し、ここで、R′はオキソであり、R′′は本明細書で定義されたアルキルである。
【0026】
「アルキルスルホニル」は、式−R′−R′′で示される部分を意味し、ここで、R′は−SO−であり、R′′は本明細書で定義されたアルキルである。
【0027】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式R−SO−R−で示される部分を意味し、ここで、Rはアルキルであり、Rは本明細書で定義されたアルキレンである。代表的なアルキルスルホニルアルキル基は、3−メタンスルホニルプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホニルプロピル等を一例として含む。
【0028】
「アミノアルキル」は、−R−R′基を意味し、ここで、R′はアミノであり、Rは本明細書で定義されたアルキレンである。「アミノアルキル」は、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピル等を含む。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1個または2個置換されてもよく、それぞれ「アルキルアミノアルキル」および「ジアルキルアミノアルキル」が得られる。
【0029】
「アミジニル」は、式:
【0030】
【化1】

【0031】
の基を意味し、ここで、各Rは独立に、水素または本明細書で定義されたアルキルである。
【0032】
「アミジニルアルキル」は、−R−R′基を意味し、ここで、R′は本明細書で定義されたアミジニルであり、Rはアルキレンである。
【0033】
「アミド」は、−C(O)−NRR′基を意味し、ここで、RおよびR′は互いに独立に、水素またはアルキルである。
【0034】
「アリール」は、単環式、二環式または三環式芳香族環からなる一価環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、場合により、本明細書で定義されたように置換されうる。アリール部分の例は、場合により置換されているフェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピペラジニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等(部分的に水素化されているこれらの誘導体も含む)を含むが、これらに限定されない。
【0035】
「アリーレン」は、二価アリール基を意味し、ここで、アリールは本明細書で定義されている。「アリーレン」は、例えば、オルト−、メタ−およびパラ−フェニレン(それぞれ1,2−フェニレン、1,3−フェニレンおよび1,4−フェニレン)を含み、これらは本明細書で定義されているように場合により置換されていてもよい。
【0036】
「アリールアルキル」および「アラルキル」は、置き換えて使用されてもよく、−R基を意味し、ここで、Rはアルキレン基であり、Rは本明細書で定義されているようなアリール基であり、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル等は、アリールアルキルの例である。
【0037】
「カルバミル」は、式:
【0038】
【化2】

【0039】
の基を意味し、ここで、RおよびRは互いに独立に、水素またはアルキルである。
【0040】
「シアノアルキル」は、式−R′−R′′の部分を意味し、ここで、R′は本明細書で定義されているようなアルキレンであり、R′′はシアノすなわちニトリルである。
【0041】
「シクロアルキル」は、単環式または二環式環からなる一価飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、場合により1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここで、特に別の指示がない限り、各置換基は独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等(部分的に不飽和のこれらの誘導体も含む)を含むが、これらに限定されない。
【0042】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R′−R′′の部分を意味し、ここで、R′はアルキレンであり、R′′は本明細書で定義されているようなシクロアルキルである。
【0043】
本明細書で使用される「グアニジニル」は、式:
【0044】
【化3】

【0045】
の基を意味し、ここで、R、R′、R′′およびR′′′は互いに独立に、水素またはアルキルである。
【0046】
「ヘテロアルキル」は、本明細書で定義されているようなアルキル基を意味し、ここで、1個、2個または3個の水素原子が、−OR、−NR、および−S(O)(ここで、nは0〜2の整数である)からなる群から独立に選択される置換基で置換されており、ここで、ヘテロアルキル基の結合点は炭素原子を介していることが理解され、ここで、Rは水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;RおよびRは互いに独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり;nが0のとき、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2のとき、Rはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。代表的な例は、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等を含むが、これらに限定されない。
【0047】
「ヒドロキシアルキル」は、式HO−R−の部分を意味し、ここで、Rは本明細書で定義されているようなアルキレンである。ヒドロキシアルキル部分の例は、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル等を含む。
【0048】
「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される1個、2個または3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香族環を有する環原子5〜12個の単環式または二環式基を意味し、ここで、ヘテロアリール基の結合点が芳香族環上にあることが理解される。ヘテロアリール環は、本明細書で定義されているように場合により置換されうる。ヘテロアリール部分の例は、場合により置換されているイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等(部分的に水素化されているこれらの誘導体も含む)を含むが、これらに限定されない。
【0049】
「ヘテロアリーレン」は、二価ヘテロアリール基を意味し、ここで、ヘテロアリールは本明細書で定義されているものである。「ヘテロアリーレン」は、本明細書で定義されているように、場合により置換されていてもよい。「ヘテロアリーレン」は、例えば、インドリレン、ピリミジニレン等を含む。
【0050】
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、置き換えて使用されてもよく、置換基フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。
【0051】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が同一または異なるハロゲンで置換されている、本明細書で定義されたアルキルを意味する。ハロアルキルの例は、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF)等を含む。
【0052】
「ハロアルコキシ」は、式−ORの部分を意味し、ここで、Rは本明細書で定義されているようなハロアルキル部分である。アルコキシ部分の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等を含むが、これらに限定されない。
【0053】
「ヘテロシクロアミノ」は、飽和環を意味し、ここで、少なくとも1個の環原子は、N、NHまたはN−アルキルであり、残りの環原子は、アルキレン基を形成する。
【0054】
「ヘテロシクリル」は、1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)を含む、1〜3個の環からなる一価飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書で定義されているように、場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例は、場合により置換されていてもよいピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を含むが、これらに限定されない。
【0055】
本明細書で使用される「イミダゾリニル」は、式:
【0056】
【化4】

【0057】
の基を意味し、ここで、R′は、水素またはアルキルである。イミダゾリニル基は、本明細書で定義されているように、場合により置換されていてもよい。
【0058】
「イミダゾリニルアルキル」は、基−R−R′を意味し、ここで、R′は本明細書で定義されているようなイミダゾリニルであり、Rはアルキレンである。
【0059】
「イミダゾリニルアミノアルキル」は、基−R−R′−R′′を意味し、ここで、R′′は本明細書で定義されているようなイミダゾリニルであり、R′はアミノであり、Rはアルキレンである。「イミダゾリニルアミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで場合により置換されていてもよい。
【0060】
「尿素」は、式:
【0061】
【化5】

【0062】
の基を意味し、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルである。
【0063】
「ウレアルキル」は、基R−R′を意味し、ここで、R′は尿素であり、Rはアルキレンである。
【0064】
「場合により置換された」というのは、「アリール」、「アリーレン」、「フェニル」、「フェニレン」、「ヘテロアリール」、「ヘテロアリーレン」または「ヘテロシクリル」と共に用いられるとき、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノ−アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(ここで、Rは水素、アルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、−(CR′R′′)−COOR(ここで、nが0〜5の整数であり、R′およびR″は、独立に、水素またはアルキルであり、そしてRは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)、または−(CR′R′′)−CONR(ここで、nが0〜5の整数であり、R′およびR″は、独立に、水素またはアルキルであり、そして、RおよびRは、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニルまたはフェニルアルキルである)から選択される1〜4個の置換基、好ましくは1または2個の置換基で独立に、場合により置換されている、アリール、アリーレン、フェニル、フェニレン、ヘテロアリール、ヘテロアリーレン、またはヘテロシクリルを意味する。
【0065】
「離脱基」は、有機合成化学においてそれに慣習的に伴なう意味を有する基、すなわち置換反応条件下で置換されうる原子または基を意味する。離脱基の例は、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、およびチエニルオキシ)、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等を含むが、これらに限定されない。
【0066】
「溶媒和物」は、溶媒の化学量論量または非化学量論量のいずれかを含有する溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、溶媒分子を一定のモル比で結晶質固態中に捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物が形成される。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1個以上の水の分子と、水がその分子状態をHOに維持する物質の1個との組み合わせにより形成され、そのような組み合わせにより1個以上の水和物が形成できる。
【0067】
本発明は、認知障害に関連する疾病状態を処置するための薬剤を調製するための、選択的5−HT6レセプターアンタゴニストおよび選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストの使用、および選択的5−HT6レセプターアンタゴニストと選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストからなる配合の有効量を含む医薬組成物に関する。選択的5−HT6レセプターアンタゴニストと選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストを含む組成物は、選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニストである単一化合物、または第1の選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物および第2の選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト化合物を含んでいてもよい。
【0068】
本発明の一つの態様は、認知障害に関連する疾病状態を処置するための薬剤の調製のための、5−HT6レセプターおよび5−HT2Aレセプターを選択的に阻害する、化合物または化合物の組み合わせの使用であり、前記薬剤は、投与の必要がある被験者に対して投与されることを意図されており、オフターゲットレセプターを実質的に拮抗することなく、5−HT6レセプターおよび5−HT2Aレセプターを選択的に拮抗する。本発明の一つの区分では、医薬組成物は、選択的5−HT6/2Aレセプター複合アンタゴニストである単一化合物を含む。本発明の他の区分では、医薬組成物が、選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物および選択的5−HT2Aアンタゴニスト化合物を含む。
【0069】
本発明の他の態様は、オフターゲットレセプターを実質的に拮抗することなく、5−HT6レセプターおよび5−HT2Aレセプターを選択的に阻害する医薬組成物である。本発明の一つの区分では、医薬組成物は、選択的5−HT6/2Aレセプター複合アンタゴニストである単一化合物を含む。本発明の他の区分では、医薬組成物が、選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物および選択的5−HT2Aアンタゴニスト化合物を含む。
【0070】
本発明の化合物は、後述の実施例4に詳述するように、認知機能障害の動物モデルにおいて認識力向上効果を示している。選択的5−HT6/2Aレセプター複合アンタゴニストの投与および選択的5−HT6レセプターアンタゴニストと選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストの同時投与は共に、統計的に有意な記憶力改善効果が実証されている。これらの結果は、公開された文書に報告されているような、非選択的5−HT6および/または5−HT2Aレセプターアンタゴニスト化合物(オランザピンおよびクロザピン等)の動物認知モデルにおける効果と対照的である。いくつかの研究において、オランザピンまたはクロザピンのいずれかによる処置が、記憶力の悪化を招くか、効果がないことが示されている(Addy および Levin, 2002, Neuropsychopharmacology, 27, 534-541; Skarsfeldt, 1996, Psychopharmacology, 124, 126-133; Rosengarten および Quartermain, 2002, Pharmacol. Biochem. Behav., 2002, 72, 575-579; Rosengarten および Quartermain, 2002, Prog. Neuropsychopharmacol. Biol. Psychiatry, 26, 1047-1054; Terry ら, 2002, Psychopharmacology, 164, 360-368)。ある研究により、オランザピンによる認知機能の改善が示されたが、14日間のタイムラグの後であり(Nowakowska ら, 1999, Pol. J. Pharmacol., 51, 295-300)、一方、他の研究によりオランザピンによる記憶改善が示されたが、クロザピンによる効果は示されなかった(Wolff および Leander, 2003, Psychopharmacology, 168, 410-416)。
【0071】
5−HT6および5−HT2Aレセプターの両方に対する選択的な複合アンタゴニストとして公知の化合物は、Maagらによる「Substituted Benzoxazinones and Uses Thereof」というタイトルの2002年11月8日出願の米国特許出願USSN60/424,946および2003年11月6日出願のUSSN10/702,302;Zhaoらによる「Quinazolinone and Benzoxazinone Derivatives and Uses Thereof]というタイトルの2004年1月16日出願のUSSN60/537,080および2005年1月14日出願のUSSN11/035,506;Bergerらによる「Benzoxazine Derivatives and Uses Thereof」というタイトルの2003年12月9日出願のUSSN60/528,378および2004年12月9日出願のUSSN11/008,310;Bergerらによる「Arysulfonyl Benzodioxanes, Benzoxazines and Benzothiazines as 5-HT6 Antagonists」というタイトルの2004年5月5日出願のUSSN60/568,314および2005年5月4日出願のUSSN11/121,873;Greenhouseらによる「Tetralin and Indane Derivatives and Uses Thereof」というタイトルの2004年12月21日出願のUSSN60/638,030;Sethoferらによる「Benzoxazine and Quinoxaline Derivatives and Uses Thereof」というタイトルの2004年11月24日出願のUSSN60/630,608;およびOwensらによる「Benzimidazolone Derivatives and Uses Thereof」というタイトルの2005年7月13日出願のUSSN60/xxx,xxxに開示されている。開示された化合物は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII:
【0072】
【化6】



【0073】
[式中、
Yは、CまたはSであり;
YがCのときmは1であり、YがSのときmは2であり;
nは、1または2であり;
pは、0〜3であり;
qは、1〜3であり;
tは、1〜3であり;
uは、0〜3であり;
vは、1〜3であり;
wは、0〜4であり;
xは、0または1であり;
yは、1〜4であり;
Zは、−(CR−または−SO−であり、ここで、rは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
Xは、CHまたはNであり;
Aは、−NR−または−O−であり、ここで、Rは、水素、アルキル、アシル、アミドアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルであり;
Arは、場合により置換されているアリール、または場合により置換されているヘテロアリールであり;
Gは、−O−、−S−または−NR−であり、ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルまたはC1−6アルキルスルホニルであり;
Jは、結合、−C(=O)−、または−SO−であり;
【0074】
各Rは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シアノ、−S(O)−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、または−C(=O)Rであり、ここで、sは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
およびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、Rおよびその間の原子と一緒になって、またはそれらが共有する炭素と一緒になって、場合により窒素または酸素へテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく;
、R、R、RおよびR10のそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、R10およびそれらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRのうち1個は、RとRのうち1個、およびそれらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく;
11およびR12は、互いに独立に、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、またはヒドロキシ−C1−6アルキルであり、あるいはR11とR12のうち1個が、水素またはC1−6アルキルであり、もう一方が、C1−6アルキルカルボニル、C3−8シクロアルキル、アリール−C1−6アルキル、ヒドロキシ、あるいは1個もしくは2個の窒素を含む5員または6員のヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりN、OおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基、アミジニル基、カルバミル基、または尿素基を形成してもよく;
各R13は、独立に、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルであり、
あるいはR13のうち2個は、それらが結合している原子と一緒になって、C4−6炭素環を形成してもよく、あるいはR13のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
【0075】
14およびR15は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR14とR15のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
【0076】
各R16は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シアノ、−SO、−C(=O)−NR、−SR、−C(=O)−Rであり、ここで、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
【0077】
17およびR18は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR17とR18は一緒になって=NRを形成してもよく、ここで、Rは、水素またはアルキルであり;
【0078】
19およびR20は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR19とR20のうち1個が水素であり、もう一方が場合により置換されているヘテロアリールであり、あるいはR19とR20は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、尿素基、グアニジニル基、または場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく、あるいはR19とR20のうち1個およびR17とR18のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく;
【0079】
21およびR22は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR21とR22は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜6員の炭素環を形成してもよく;
【0080】
23およびR24は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
【0081】
25およびR26は、互いに独立に、水素、アルキル、−(C=NR)−NR、または−(CH−NRであり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR25とR26は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4員、5員または6員環を形成してもよく、あるいはR25とR26のうち1個は、R23とR24のうち1個と一緒になり、それらが結合している原子と一緒になって、4〜6員の環を形成してもよく;
【0082】
は、−NR−、−O−、−S−、−CR−、または−C(O)−であり、ここで、Rは、水素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される1個のヘテロ原子を含む3〜6員の場合により置換された環を形成してもよく;
【0083】
は、−O−、−NR−、または−CR−であり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
【0084】
27およびR28は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
【0085】
29およびR30は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR29とR30は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換されている環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個およびR27とR28のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個は、Rおよびそれらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29およびR30のうち1個およびRとRのうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員環を形成してもよい]
からなる群、ならびにその薬学的に許容されうる酸付加塩より選択される。
【0086】
本発明における好ましい化合物は、例えば、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII(ここで、YはCであり、mは1であり、nは1であり、qは2であり、tは1であり、uは0であり、Gは−O−であり、XはNであり、R、R、R、R、R10、R14、R15、R17、R18、R21、R22は全て水素である)からなる群から選択される化合物であり、例えば下記の化合物:
【0087】
(1)4−ベンジル−6−メチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(2)4−(3−クロロ−ベンジル)−6−メトキシ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(3)4−ベンジル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(4)4−(4−フルオロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(5)4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(6)4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(7)4−(3−クロロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(8)4−ベンジル−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(9)4−ベンジル−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(10)4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ{1,4}オキサジン−3−オン、
(11)1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−l,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン、
(12)1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(13)6−フルオロ−4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(14)6−フルオロ−4−(4−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(15)4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
(16)1−(3−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(17)1−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(18)1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(19)1−(4−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(20)1−(4−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(21)1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
(22)4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(23)4−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(24)6−フルオロ−4−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(25)6−フルオロ−4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(26)6−フルオロ−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(27)[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(R)−イルメチル]−メチル−アミン、
(28)C−[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(S)−イル]−メチルアミン、
(50)(7−フェニルスルホニル−l,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(51)(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(4,5−ジヒドロ−lH−イミダゾール−2−イル)−アミン、
(52)N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−グアニジン、
(53)3−(6−フェニルスルホニル−l,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオンアミジン,
(54)C−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン、
(55)(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−アミン、
(56)N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジン,
(57)2−[6−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−エチルアミン、
(58)6−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(59)1−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−エタノン、
(60)7−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(61)7−フェニルスルホニル−4−ピロリジン−3−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(62)1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、
(63)1−ベンジル−4−(2−メチルアミノ−エトキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、および
(64)1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン;
またはその薬学的に許容されうる酸付加塩である。
【0088】
本発明の選択的5−HT6レセプターアンタゴニストおよび選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニストを含む組成物は、選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物である第1の化合物および選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト化合物である第2の化合物を含んでいてもよい。
【0089】
選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物として公知の化合物は、US2003/0073700に記載されたタイプのインドール誘導体、US2003/0232825およびUSSN60/528,378に記載されたタイプのベンゾオキサジン誘導体、US2003/0045527に記載されたタイプの4−ピペラジニルインドール類、US2004/0087593に記載されたタイプの4−ピペラジニルベンゼンスルホニルインドール類、US2003/0229069に記載されたタイプの1−スルホニル−4−アミノアルコキシインドール類、およびUS2004/0063724に記載されたタイプの2−7置換インドールを含む。ここで、好ましい化合物は:
(29)3−フェニルスルホニル−1−メチル−5−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(30)3−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−7−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(31)3−(2,3−ジクロロ−フェニルスルホニル)−1−メチル−5−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(32)3−フェニルスルホニル−7−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−インドール、
(33)3−(4−クロロ−フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(34)3−(3,5−ジクロロ−フェニルスルホニル)−5−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(35)3−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−7−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−1H−インドール;
(36)4−(2,3−ジクロロ−フェニルスルホニル)−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(37)4−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(38)6−クロロ−4−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(39)6−クロロ−4−(ナフタレン−1−スルホニル)−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
(40)6−クロロ−4−(2,3−ジクロロ−フェニルスルホニル)−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;
(41)1−(ナフタレン−1−スルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(42)1−フェニルスルホニル−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(43)1−(2,5−ジクロロ−フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(44)1−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(45)1−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(46)1−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(47)1−フェニルスルホニル−3−ブロモ−4−ピペラジン−1−イル−1H−インドール、
(48)(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(R)−イルメチル)−メチル−アミン、
(49)[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(S)−イルメチル]−メチル−アミン;
または薬学的に許容されうる酸付加塩を含む。
【0090】
選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト化合物として公知の他の化合物は、EP0815861に記載の4−アミノ−N−(2,6−ビス−メチルアミノ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミドおよび4−アミノ−N−(2,6−ビス−メチルアミノ−ピリジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド;WO98/27081に記載の5−クロロ−N−(4−メトキシ−3−ピペラジン−1−イル−フェニル)−3−メチル−2−ベンゾチオフェンスルホンアミドおよびN−[4−メトキシ−3−(4−メチル−1−ピペラジニル)−フェニル]−5−クロロ−3−メチルベンゾ−チオフェン−2−イルスルホンアミド;WO99/02502に記載のN−(2,5−ジブロモ−3−フルオロフェニル)−4−メトキシ−3−ピペラジン−1−イルベンゼンスルホンアミドを含む。
【0091】
選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト化合物として公知の化合物は、例えば、WO91/18602に記載のR−α−(2,3−ジメトキシフェニル)−1−[2−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−ピペリジンメタノール(MDL−100907)、およびEP0373998に記載の(1Z,2E)−1−(2−フルオロフェニル)−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロパ−2−エン−1−オン−O−(2−ジメチルアミノエチル)オキシムである。
【0092】
具体的に上記に挙げた本明細書における化合物のいずれの引用も、その薬学的に許容されうる酸付加塩を含む。
【0093】
本発明は、本発明の化合物の少なくとも1種、あるいは個別の異性体、異性体のラセミもしくは非ラセミ混合物または薬学的に許容されうるその塩もしくは溶媒和物を、薬学的に許容されうる担体の少なくとも1種、および場合により他の治療および/または予防成分と一緒に含む医薬組成物を含む。
【0094】
一般に、本発明の化合物は、同様の効用をもつ薬剤の許容されているあらゆる投与方法によって、治療有効量が投与されるであろう。適切な用量範囲は、処置されるべき疾患の重篤度、被検者の年齢および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与経路および形態、投与が目的とする適応症、ならびに係る医師の選択および経験のような数多くの要因に応じて、典型的には1日当たり約1〜500mg、好ましくは1日当たり約1〜100mg、最も好ましくは1日当たり約1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、必要以上に試験を行うことなく、かつ個人的な知識および本出願の開示により、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療上有効な量を確認することが可能となる。
【0095】
一般に、本発明の化合物は、経口(頬側および舌下を含む)、直腸、鼻腔、局所、肺、膣、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、鞘内、皮下および静脈内を含む)投与に適切なものを含む医薬製剤として、または吸入もしくは通気による投与に適切な形態で投与される。好ましい投与方法は、一般に、苦痛の程度に従って調整できる都合のよい1日用量を使用する経口である。
【0096】
本発明の化合物の1種または複数を、従来の佐薬、担体または希釈剤の1種以上と一緒に医薬組成物および単位用量の形態にしてよい。医薬組成物および単位投薬形態は、従来の成分を従来の割合で、更なる活性化合物もしくは有効成分と共にまたはなしで含んでもよく、単位投薬形態は、使用される1日用量の意図される範囲に相応する有効成分のあらゆる適切な有効量を含んでもよい。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセル剤、半固形剤、粉末剤、持続性放出製剤のような固体として、または液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤もしくは経口用の充填カプセル剤のような液体として;または直腸内もしくは膣内投与用の坐剤の形態;または非経口的使用の注射用滅菌液剤の形態で使用することができる。したがって、活性成分を1錠当たり約1mg、より広くは約0.01〜約100mg含有する製剤が、適切で代表的な単位投薬形態である。
【0097】
本発明の化合物を、多種多様の経口投与投薬形態で配合することができる。医薬組成物および投薬形態は、活性成分として、1種もしくは複数の本発明の化合物、または薬学的に許容されうるその塩を含むことができる。薬学的に許容されうる担体は、固体または液体のいずれかであってよい。固体形態の製剤には、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩解剤またはカプセル化材料としても作用することができる1種以上の物質であってよい。粉末剤では、担体は一般に、微粉化した活性成分との混合物である微粉化した固体である。錠剤では、活性成分は一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合され、所望の形状および大きさに圧縮成形される。粉末剤および錠剤は、好ましくは活性化合物を約1〜約70%含有する。適切な担体には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、ココアバター等が含まれるが、これらに限定されない。用語「製剤」は、担体を有するかまたは有しない活性成分がそれと関連する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を提供する、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の配合物を含むことを意図している。同様に、カシェ剤およびトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤およびトローチ剤は、経口投与に適切な固体形態であってよい。
【0098】
経口投与に適切な他の形態には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性液剤、水性懸濁剤のような液体形態の製剤、または使用の直前に液体形態の製剤に変換されることが意図されている固体形態の製剤が含まれる。乳剤は、溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液で調製でき、または例えばレシチン、ソルビタンモノオレアートもしくはアラビアゴムのような乳化剤を含有することができる。水性液剤は、活性成分を水に溶解し、適切な着色剤、風味剤、安定剤および増粘剤を加えることにより調製できる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を、天然または合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁剤のような粘性材料と共に水に分散させることにより調製できる。固体形態の製剤は、液剤、懸濁剤および乳剤を含み、活性成分に加えて、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有することができる。
【0099】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としてはボーラス注射または持続注入による)のために配合することができ、アンプル剤、充填済注射器、防腐剤を添加した小型注入容器または多用量容器に単位用量形態で提供されうる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤、例えばポリエチレングリコール水溶液における液剤のような形態をとることができる。油性または非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射用有機エステル類(例えば、エチルオレアート)が含まれ、防腐剤、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁剤、安定剤および/または分散剤のような配合剤を含有してよい。あるいはまた、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、または適切なビヒクル、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってよい。
【0100】
本発明の化合物を、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤としてまたは経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために製剤化することができる。例えば、軟膏剤およびクリーム剤を、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加え、水性または油性基剤を用いて製剤化することができる。ローション剤を、水性または油性基剤を用いて製剤化することができ、また一般に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤または着色剤も含有する。口腔内の局所投与に適切な製剤には、風味付けした基剤、通常、スクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカント中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアラビアゴムのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
【0101】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために製剤化することができる。脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物のような低融点ロウを、最初に溶融して、活性成分を例えば撹拌により均質に分散する。次に均質溶融混合物を、都合のよい大きさの成形型に注ぎ、冷却させ、凝固させる。
【0102】
本発明の化合物は、膣内投与用に製剤化することができる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーが適切であることは、当該技術で既知である。
【0103】
本発明の化合物は、鼻腔内投与用に製剤化することができる。液剤または懸濁剤を、従来の方法、例えば、滴瓶、ピペットまたはスプレーを用いて直接鼻腔に適用する。製剤は単回投与または多回投与形態で提供することができる。後者の滴瓶またはピペットの場合、液剤または懸濁剤の適切で所定の容量を患者が投与することで、それを達成することができる。スプレーの場合、例えば計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
【0104】
本発明の化合物は、特に、鼻内投与を含む、気道へのエーロゾル投与用に製剤化することができる。化合物は、一般に、例えば5μm以下のオーダーの小さい粒径を有する。そのような粒径は、当該技術で既知の方法、例えば微粉砕により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタン、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、あるいは他の適切なガスのような適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エーロゾルは、また、レシチンのような界面活性剤を都合よく含有することができる。薬剤の用量は、計量弁により制御されうる。あるいはまた、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、吸入器により粉末剤が投与される、例えばゼラチンまたはブリスターパックの、例えばカプセルまたはカートリッジのような単位用量形態で提供されうる。
【0105】
所望であれば、製剤は、活性成分の持続的または制御的放出投与に適合するように、腸溶剤皮を用いて調製できる。例えば本発明の化合物は、経皮または皮下薬剤送達装置に配合できる。これらの送達系は、化合物の持続放出が必要であり、患者の治療計画に対するコンプライアンスが重要である場合に有利である。経皮送達系における化合物は、多くの場合、皮膚付着固体支持体に付着されている。目的の化合物は、また、浸透向上剤、例えばアゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続的放出送達系は、手術または注入により皮下層に皮下的に挿入される。皮下インプラントは、脂質可溶膜、例えばシリコーンゴムまたは生物分解性ポリマー、例えばポリ乳酸で化合物を封入する。
【0106】
医薬製剤は、好ましくは単位投薬形態である。そのような形態では製剤は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位投薬形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤のような製剤の別個の分量を含有する。また、単位投薬形態は、それ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤であることができるか、またはこれらのうちのいずれかの適切な数のパッケージ形態であることができる。
【0107】
他の適切な医薬担体およびその製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, E. W. Martin, Mack Publishing Company編集, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。
【0108】
〔実施例〕
実施例1
ヒト5−HT6レセプターにおける親和性測定
5−HT6レセプターにおけるリガンド親和性を、ヒト5−HT6を組み替えて発現しているHEK−293細胞に由来する膜における、[H]−リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)との競合結合を用いて測定した。簡単に述べると、HEK293−h5−HT6細胞から均質化により調製された細胞膜を、2.2nM [H]−LSDおよび様々な濃度の標識付けされていない試験化合物と共に、37℃で75分間インキュベートした。論理式(1)への非線形回帰によりデータを分析し、IC50値を変換してリガンド親和性を測定し、Cheng−Prusoff式(2)を用いてKiを得た(Cheng および Prusoff, 1973)。これらの膜における個別の飽和結合実験より測定された[H]−LSDの親和性は、2.2nMであった。
【0109】
【数1】

【0110】
ここで、minおよびmaxは、それぞれ標識付けされていない競合体であるAの、ゼロおよび最大濃度における置換結合のレベルであり、IC50は、曲線の中央点であり、ヒル勾配は均一に抑制されている(この値から有意に変化しないことが分かっている)。
【0111】
【数2】

【0112】
ここで、[H]−LSD親和性であるKは、飽和結合実験より2.2nMとあらかじめ測定されており、Lは使用される[H]−LSDの濃度(2.2nM)であり、Kは実験的に決定されたIC50から導き出された、標識付けされていない化合物の親和性である。
【0113】
全ての試験化合物および対照化合物を、100%DMSOに10mMで溶解し、指示のように水性アッセイ緩衝液中に希釈した。K値は、それぞれの濃度で二重に行った化合物試験をそれぞれ含む、3回の個別の測定の平均および標準偏差で示す。
【0114】
実施例2
ヒト組換え5−HT6、5−HT2Aおよび5−HT2Cレセプターにおける機能の測定
ヒト5−HT6、ヒト5−HT2Aおよびヒト5−HT2cレセプターの機能に対する試験化合物の効果を、蛍光カルシウム染料(Fluo3−AM)を用い、細胞内カルシウムの変化を計って測定した。蛍光を、蛍光測定画像解析用プレートリーダー(FLIPR、Molecular Devices)上に画像化した。試験化合物における蛍光の変化が、単体投与(アゴニスト効果の評価用)または5−HTの存在下での投与(アンタゴニスト効能の評価用)において、Gα16に融合されたヒト組換え5−HT6レセプターを安定して発現しているHEK293細胞内またはヒト組換え5−HT2Aもしくはヒト組換え5−HT2Cレセプターを安定して発現しているCHO−K1細胞内で起こった。
【0115】
いずれの場合にも、DMEMまたは10%ウシ胎児血清を補充したF12細胞培養培地中のポリ−D−リシンでコーティングされた96ウェルのブラック/クリアプレート上に、実験の12〜24時間前に細胞を接種した。EL405 96ウェルプレート洗浄器を用いて、周囲培地4×300μlを、HEPES10mM、CaCl2mMおよびプロベネシド2.5mMを含むハンクス平衡塩溶液と交換して、培養培地を取り除いた。カルシウム感受性蛍光色素Fluo−3AM(2.2μg/ml)と共に、細胞を37℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの最後に、細胞外染料を上記HEPES緩衝液中で洗浄して除去した。試験化合物を別々のウェルに濃度範囲(10−5〜10−10M)にわたって投入し、1.5分の蛍光カウントの変化としてその応答を記録した。このインターバルの最後で、全てのウェルに5−HT(5−HT6または5−HT2Aについて10nM、あるいは5−HT2Cについて1nM)を加えた。全ての試験化合物および対照化合物を100%DMSOに10mMで溶解し、指示のように水性アッセイ緩衝液中に希釈した。
【0116】
アンタゴニスト効能を、論理式(3)を用いて、5−HTに対する応答の濃度依存性阻害用データの非線形回帰分析により測定した。
【0117】
【数3】

【0118】
ここで、maxは、アンタゴニストであるAの非存在下における5−HTに対する応答であり、IC50は、曲線の中央点であり、ヒル勾配は均一に抑制されている。バックグラウンド蛍光を非線形回帰の前に差し引くことに留意されたい。
【0119】
全ての測定を二重に行った。蛍光の全ての変化をFLIPR96(励起波長488nM、0.3w)で検出し、発光をカメラ露出0.4秒で、510〜560nMの間で検出した。応答を、全てのアゴニストおよびアンタゴニスト添加の最後に投入されたイオノマイシン(5μM)に対するウェル内応答の割合として示した。
【0120】
実施例3
ドーパミンD2、ヒスタミンH1、ムスカリン性M1およびM2レセプターにおける親和性測定
ドーパミンD2レセプターにおけるリガンド結合親和性を、Grandy ら, Proc. Natl. Acad. Sci., 1989, 86, 9762-9766に記載のように、ヒト組換えD2レセプターを用いて測定した。ヒスタミンH1レセプターへの親和性を、Dini ら, Agents and Actions, 1991, 33, 181-184に記載のように、モルモットの小脳を用いて測定した。ムスカリン性M1およびM2レセプターにおける結合親和性を、ヒト組換えM1およびM2レセプターを用いて、Dorje ら, 1991, J. Pharmacol. Exp. Ther., 256,727-733に記載の手順に従って測定した。
【0121】
様々なレセプターにおけるいくつかの代表的な化合物の親和性評価を、非選択的5−HT6/5−HT2Aレセプターアンタゴニスト化合物、オランザピンおよびクロザピンの親和性評価と比較し、表1にまとめた。
【0122】
【表1】

【0123】
実施例4
新規物体認識モデル
24匹の5ヵ月齢Wistar雄ラットを使用した。動物を、空調管理された部屋(約20℃)内で、おがくずを敷いた標準Makrolonケージに個別に収容した。動物を12/12時間の明/暗周期(18:00〜6:00点灯)に維持し、食物と水を自由に摂取させた。ラットを別々の部屋に収容し、試験した。全ての部屋にラジオを軽く流し、背景雑音とした。試験は全て9:00〜16:00に行った。
【0124】
臭化水素酸スコポラミンを毎日調製し、生理食塩水に溶解した。臭化水素酸スコポラミンを、0および0.1mg/kg(1投与につきn=24)で、実験1の30分前に腹腔内投与(注入容量1ml/kg)により試験した。試験化合物を毎日調製し、生理食塩水に溶解し、NaOH(0.1N)を使用してpHを5〜7に調整した。化合物を、経口または腹腔内に動物1投与につき(注入容量1ml/kg)n=12〜24の範囲で投与した。目標血漿のCmaxが化合物にマッチするよう、第1実験(T1)の前の投与時間を選ぶことができる。常に腹腔内に投与した(注入量1ml/kg)。
【0125】
物体認識試験を、Ennaceur and Delacour, Behav. Brain Res., 1988, 31, 47-59に記載のように行った。本試験は、周囲に新しい物体があることを認識する動物の能力を試験することで、その記憶力を測定するものである。装置は、直径83cmの円形アリーナからなる。高さ40cmの壁の半分は、灰色のポリ塩化ビニル、他の半分は透明なポリ塩化ビニルでできている。光強度は装置内のどの部分も等しい。2個の物体を、灰色の壁から約10cm離して対称位置に配置した。各物体を3重に利用した。4組の個別の物体セット:1)真鍮のカラーが上部に付いた灰色のポリ塩化ビニル基盤(最大径18cm)からなる円錐(全高16cm)、2)砂を充填した標準1L透明ガラス瓶(直径10cm、高さ22cm)、3)2個の穴(直径1.9cm)を有する大きな金属ブロック(10.0×5.0×7.5cm)、および4)先細の上部を有する大きなアルミニウムブロック(13.0×8.0×8.0cm)を使用した。ラットは物体を移動させられなかった。蛍光赤管および電球により、装置の床に約20luxの連続照明を行った。
【0126】
試験セッションは2つの実験を含む。各実験の継続時間は3分であった。第1実験(T1)中、装置には2個の同一物体(サンプル)を入れた。1匹のラットを常に装置内のフロント(透明)セグメントの中間で壁に向けて配置した。第1の調査時間の後、ラットを元のケージに戻した。続いて、所定の遅延間隔の後、第2の実験(T2)のためにラットを装置に戻すが、今回は異なる2個の物体(既知の物体(サンプル)1個および新規の物体1個)を入れておく。T1およびT2の間に各物体を調査するのにかかった時間を手作業でパソコンに入力した。「調査」とは、2cm未満の距離で物体に鼻先を向けること、および/または鼻で物体に触れることと定義された。物体に座ることは調査行動とは見なされなかった。嗅覚による実験となるのを避けるため、物体を常に十分に洗浄した。特定の配置または物体の好みによる潜在的な性向を軽減するために、物体の全ての組み合わせおよび配置をバランスよく使用した。
【0127】
第1週に、動物を3日間毎日取り扱い、手順に使用した。すなわち、動物に各日2回5分間装置(物体無し)を調査させた。また、ラットには、第1の調査実験の30分前に、生理食塩水注入(0.5ml)による腹腔内注射を行った。
【0128】
図1は、2種の選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニスト化合物、化合物18(A)および化合物3(B)を用いた本研究の結果を示す。スコポラミン(0.1mg/kg、腹腔内)投与の90分前または60分前に、ラットを化合物18(0.3、1、3mg/kg、経口)または化合物3(0.1、0.3、1および3mg/kg、腹腔内)で処理した。スコポラミン投与30分後に始まる3分間隔の間に、各動物がアリーナ内の新規および既知の物体を調査するのにかけた時間を記録した。識別指数(d2)を、(b−a)/(a+b)(ここでaおよびbはそれぞれ、既知の物体および新規の物体を調査するのにかかる時間である)から算出した。データをAnovaにより分析した。データを平均+S.E.M(P<0.05;**P<0.01)として表わす。化合物18(0.3mg/kgおよび1mg/kg投与)を用いる処置および化合物3(0.3mg/kg投与)を用いる処置は、スコポラミンにより誘発される記憶障害の統計的に有意な反作用を示した。
【0129】
選択的5−HT6レセプターアンタゴニストである化合物32および選択的5−HT2AレセプターアンタゴニストであるMDL−100907の同時投与を用いた、同様の研究結果を図2に示す。既知の物体および新たに導入された新規の物体の入ったアリーナの中に再放出する30分前に、ラットを化合物32(1もしくは3mg/kg、腹腔内)および/またはMDL−100907(0.1もしくは0.3mg/kg、腹腔内)ならびにスコポラミン(0.1mg/kg、皮下注射)で処理した。スコポラミン投与30分後に始まる3分間隔の間に、各動物がアリーナ内の新規および既知の物体を調査するのにかけた時間を記録した。識別指数(d2)を、(b−a)/(a+b)(ここでaおよびbはそれぞれ、既知の物体および新規の物体を調査するのにかかる時間である)から算出した。データをAnovaにより分析した。さらに、5−HT6および5−HT2Aレセプター阻害の相加効果の有無を測定するために、5−HT2Aアンタゴニストおよび/または5−HT6アンタゴニストで単独に、あるいは組み合わせて処置した動物のd2スコアを、互いに、ならびにビヒクルまたはスコポラミンで処置された動物の本研究の対照と、t検定のみにより比較した。データを平均+S.E.M、(P<0.05;**P<0.01)として表わす。スコポラミンにより誘発される記憶障害に対する統計的に有意な反作用が、0.3mg/kg投与におけるMDL−100907および3mg/kg投与における化合物32について観察された。更に高いレベルの記憶障害に対する反作用が、MDL−100907と化合物32の組合せ処置(MDL−100907 0.1mg/kgおよび化合物32 3mg/kg、ならびにMDL−100907 0.3mg/kgおよび化合物32 3mg/kgの投与)において見られた。
【0130】
基本的な測定値は、ラットがT1およびT2の間物体を調査するのにかけた時間であった。2個の同一サンプルを調査するのにかけた時間を、「a1」および「a2」として示す。T2におけるサンプルと新規の物体を調査するのにかけた時間を、それぞれ「a」および「b」として示す。下記の変数を算出した:e1=a1+a2、e2=a+b、h1=e1−e2、d1=b−aおよびd2=d1/e2(表1参照)。e1およびe2は、それぞれT1およびT2の間に両物体を調査するのにかかる総時間の測定値である。h1を、T1からT2への調査行動の全体的な馴化の測定指標とした。d1およびd2を、新規の物体と既知の物体の識別の測定指標とした。実際、d2は識別の相対測定値であり、調査行動(e2)に対しd1を修正する。よって、同様の間隔で同様の処置を行う実験間でのd2指標の相違はあるべきではない。しかし、調査行動の違いにより、このことはd1の場合には必要ない。
【0131】
【表2】

【0132】
実施例5
ラット海馬切片(CA1)における長期増強
長期増強(LTP)は、脳における学習と記憶のモデルである。LTPを高める方法および物質により、通常、認知機能の改善が見られる。下記の実験の目的は、ラットの脳から分離した無傷の海馬切片を用意して記録し、シナプス伝達における様々な化合物の効果を確認することである。CA1錐体神経の興奮性シナプス後場電位(fEPSP)を、シナプス伝達の研究に使用した。
【0133】
実験動物の人道的使用に関する局地的制限が尊守された。3〜6週齢の雄ラットを場電位の記録に使用した。Sprague-Dawleyラットを、Charles River Laboratoriesから入手した。2.5%ハロタンおよび含酸素空気を用いて、最低10分間、円筒麻酔チャンバー内で動物に麻酔をかけた。
【0134】
ハロタンによりラットに麻酔をかけ、ギロチンで断頭した。脳を取り出し、O95%/ CO5%で泡立てた氷冷溶液(NaCl 120mM、KCl 3.5mM、CaCl 0.7mM、MgCl 4.0mM、NaHPO 1.25mM、NaHCO 26mM、グルコース 10mM)の中に入れた。同様の冷却溶液を、伝達物質の放出を妨げて細胞の損傷を最小限に抑えるために解剖処理を通して使用し、溶液をO 95%/CO 5%で連続して泡立てて、脳への酸素状態を維持した。後脳を真っ直ぐな刃のかみそりで切り取り、前脳の平らな面をシアノアクリラート接着剤(Loctite)を用いてLeica VT1000E vibratomeの皿に接着した。vibratomeを使用して低速および高周波の振動で350μmの切片に切断した。海馬を、皮質を付けたまま各切片に切り分け、O 95%/CO 5%で灌流させた記録緩衝液(NaCl 120mM、KCl 3.5mM、CaCl 2.5mM、MgCl 1.3mM、NaHPO 1.25mM、NaHCO 26mM、グルコース 10mM)を含むチャンバーに入れた。切片を、記録の少なくとも1時間前に保持チャンバー内で、室温にてインキュベートした。
【0135】
電気生理学
全ての実験を室温で行った。個々の切片を浸漬記録チャンバー内に入れ、平らにした白金ワイヤーおよびナイロン糸からなるネットにより固定した。切片をO 95%/CO 5%で1〜2ml/分の割合で飽和した記録溶液(NaCl 120mM、KCl 3.5mM、 CaCl 2.6mM、MgCl 1.3mM、NaHPO 1.25mM、NaHCO 26mM、グルコース 10mM)に灌流させた。
【0136】
シェーファー側枝−交連線維(schaffer collateral-commissural fibers)を、極小同軸二極電極(FHC Inc., Bowdoinham, ME)で0.1msパルス送達しながら刺激した。通常刺激における最大反応の30〜40%が誘起されるように、刺激強度を調整した。特に指定しない場合には、反応を20秒ごとに誘起した。
【0137】
ピペットを、ホウケイ酸ガラス毛管(World Precision Instrumentsより7052型、フィラメント無し、寸法1.5/1.0、長さ4インチ)から引き出した。ピペット(3.5〜5MΩ抵抗)に、NaCl 120mM、KCl 3.5mM、 CaCl 2.6mM、MgCl 1.3mM、NaHPO 1.25mM、NaHCO 26mM、グルコース 10mMを含む溶液を充填した。ピペットを放線層の樹枝状層の中に降下させ、十分な応答を検出するまで徐々に降下させた。
【0138】
Axopatch 200増幅器を用いて記録を行い、2kHzでフィルターにかけ、そしてVisual BasicおよびMicrocal Originで書かれたプログラムを用いてオフラインで分析した。特に指定しない場合には、fEPSPの初期の勾配を測定した。データを、平均+/−SEMとして示した。
【0139】
長期間増強(LTP)を、一連が50Hz刺激で500ms持続する弱い強縮により誘発した。データを、LTP誘発前のベースライン応答に標準化した。化合物を、以下の安定したベースライン応答の規定に適応した。図3は、本研究の結果を電流記録(A)および棒グラフ(B)として示す。選択的5−HT2Aレセプターアンタゴニスト、MDL−100907による長期間増強の増加は、あらかじめ強縮したベースラインと比較して、興奮性シナプス後場電位(fEPSP)の勾配における増加として見られるが、選択的5−HT6レセプターアンタゴニスト、化合物32には見られない(A)。MDL−100907、SR46349B、オランザピン、化合物3、18および32で処置した海馬切片において、fEPSPの平均があらかじめ強縮したベースラインを超えて増加した(B)。化合物と未処置対照動物との効果の違い(同動物からの切片で測定)を、スチューデントt検定により分析した。データを平均およびS.E.Mで示す(p<0.05を意味する)。グラフBの棒グラフは、強縮性刺激の終了後の20〜40分におけるfEPSP勾配の平均増加を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知障害に関連する疾病状態を処置するための薬剤の製造のための、選択的5−HT6/5−HT2A複合アンタゴニストの使用であって、前記化合物が、5−HT6レセプターに対してpKi値8以上の親和性、5−HT2Aレセプターに対してpKi値8以上の親和性を有し、ドーパミンD2レセプター、ヒスタミンH1レセプターならびにムスカリン性M1およびM2レセプターに対して少なくとも30の選択性を有する、使用。
【請求項2】
認知障害が、アルツハイマー病、学習に関連する退行性疾患、学習能力低下、軽度認知障害のような記憶または認知機能障害、加齢に伴う認識衰退、脳老衰、血管性痴呆、AIDS関連認知症、感電により引き起こされる記憶消失、うつ病または不安症に関連する記憶障害、パーキンソン病における認知障害、ダウン症候群、脳卒中、外傷性脳損傷、ハンチントン病、および注意力欠如障害からなる群より選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物が、5−HT2Cレセプターに対して少なくとも30の更なる選択性を有する、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記化合物が、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII:
【化7】




[式中、
Yは、CまたはSであり;
YがCのときmは1であり、YがSのときmは2であり;
nは、1または2であり;
pは、0〜3であり;
qは、1〜3であり;
tは、1〜3であり;
uは、0〜3であり;
vは、1〜3であり;
wは、0〜4であり;
xは、0または1であり;
yは、1〜4であり;
Zは、−(CR−または−SO−であり、ここで、rは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
Xは、CHまたはNであり;
Aは、−NR−または−O−であり、ここで、Rは、水素、アルキル、アシル、アミドアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルであり;
Arは、場合により置換されているアリール、または場合により置換されているヘテロアリールであり;
Gは、−O−、−S−または−NR−であり、ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルまたはC1−6アルキルスルホニルであり;
Jは、結合、−C(=O)−、または−SO−であり;
各Rは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シアノ、−S(O)−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、または−C(=O)Rであり、ここで、sは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
およびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、Rおよびその間の原子と一緒になって、またはそれらが共有する炭素と一緒になって、場合により窒素または酸素へテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく;
、R、R、RおよびR10のそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、R10およびそれらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRのうち1個は、RとRのうち1個、およびそれらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく;
11およびR12は、互いに独立に、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、またはヒドロキシ−C1−6アルキルであり、あるいはR11とR12のうち1個が、水素またはC1−6アルキルであり、もう一方が、C1−6アルキルカルボニル、C3−8シクロアルキル、アリール−C1−6アルキル、ヒドロキシ、あるいは1個もしくは2個の窒素を含む5員または6員のヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりN、OおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基、アミジニル基、カルバミル基、または尿素基を形成してもよく;
各R13は、独立に、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルであり、
あるいはR13のうち2個は、それらが結合している原子と一緒になって、C4−6炭素環を形成してもよく、あるいはR13のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
14およびR15は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR14とR15のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
各R16は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シアノ、−SO、−C(=O)−NR、−SR、−C(=O)−Rであり、ここで、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
17およびR18は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR17とR18は一緒になって=NRを形成してもよく、ここで、Rは、水素またはアルキルであり;
19およびR20は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR19とR20のうち1個が水素であり、もう一方が、場合により置換されているヘテロアリールであり、あるいはR19とR20は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、尿素基、グアニジニル基、または場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく、あるいはR19とR20のうち1個およびR17とR18のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく;
21およびR22は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいは、R21およびR22は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜6員の炭素環を形成してもよく;
23およびR24は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
25およびR26は、互いに独立に、水素、アルキル、−(C=NR)−NR、または−(CH−NRであり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR25とR26は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4員、5員または6員環を形成してもよく、あるいはR25とR26のうち1個は、R23とR24のうち1個と一緒になり、それらが結合している原子と一緒になって、4〜6員の環を形成してもよく;
は、−NR−、−O−、−S−、−CR−、または−C(O)−であり、ここで、Rは、水素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される1個のヘテロ原子を含む3〜6員の場合により置換された環を形成してもよく;
は、−O−、−NR−、または−CR−であり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
27およびR28は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
29およびR30は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR29とR30は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換されている環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個およびR27とR28のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個は、Rおよびそれらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個およびRとRのうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員環を形成してもよい]
からなる群、ならびにその薬学的に許容されうる酸付加塩より選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記化合物が、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII(ここで、YはCであり、mは1であり、nは1であり、qは2であり、tは1であり、uは0であり、Gは−O−であり、XはNであり、R、R、R、R、R10、R14、R15、R17、R18、R21、R22は水素である)からなる群より選択される、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
前記化合物が、
4−ベンジル−6−メチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−メトキシ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(4−フルオロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ{l,4}オキサジン−3−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−1,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
6−フルオロ−4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−フルオロ−4−(4−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
1−(3−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(4−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(4−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
4−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(R)−イルメチル]−メチル−アミン、
C−[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(S)−イル]−メチルアミン、
(7−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、
N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−グアニジン、
3−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオンアミジン、
C−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン、
(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−アミン、
N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジン、
2−[6−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−エチルアミン、
6−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
1−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−エタノン、
7−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
7−フェニルスルホニル−4−ピロリジン−3−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、
1−ベンジル−4−(2−メチルアミノ−エトキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、および
1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン
からなる群、ならびにその薬学的に許容されうる酸付加塩より選択される、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
有効量の選択的5−HT6/5−HT2Aレセプター複合アンタゴニスト、および薬学的に許容されうる賦形剤を含む、認知障害に関連する疾病状態を処置するための医薬組成物であって、前記化合物が、5−HT6レセプターに対してpKi値8以上の親和性を有し、5−HT2Aレセプターに対してpKi値8以上の親和性を有し、ドーパミンD2レセプター、ヒスタミンH1レセプター、ならびにムスカリン性M1およびM2レセプターに対して少なくとも30の選択性を有する、医薬組成物。
【請求項8】
前記化合物が、5−HT2Cレセプターに対して少なくとも30の更なる選択性を有する、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記化合物が、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII:
【化8】




[式中、
Yは、CまたはSであり;
YがCのときmは1であり、YがSのときmは2であり;
nは、1または2であり;
pは、0〜3であり;
qは、1〜3であり;
tは、1〜3であり;
uは、0〜3であり;
vは、1〜3であり;
wは、0〜4であり;
xは、0または1であり;
yは、1〜4であり;
Zは、−(CR−または−SO−であり、ここで、rは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
Xは、CHまたはNであり;
Aは、−NR−または−O−であり、ここで、Rは、水素、アルキル、アシル、アミドアルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコキシアルキルであり;
Arは、場合により置換されているアリール、または場合により置換されているヘテロアリールであり;
Gは、−O−、−S−または−NR−であり、ここで、Rは、水素、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルまたはC1−6アルキルスルホニルであり;
Jは、結合、−C(=O)−、または−SO−であり;
各Rは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、ヘテロアルキル、アルコキシ、シアノ、−S(O)−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、または−C(=O)Rであり、ここで、sは、0〜2であり、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
は、アリールまたはヘテロアリールであり;
およびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、Rおよびその間の原子と一緒になって、またはそれらが共有する炭素と一緒になって、場合により窒素または酸素へテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく;
、R、R、RおよびR10のそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり、あるいはRとRのうち1個は、R10およびそれらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく、あるいはRとRのうち1個は、RとRのうち1個、およびそれらが結合している原子と一緒になって3〜7員のシクロアルキル環を形成してもよく;
11およびR12は、互いに独立に、水素、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、またはヒドロキシ−C1−6アルキルであり、あるいはR11とR12のうち1個が、水素またはC1−6アルキルであり、もう一方が、C1−6アルキルカルボニル、C3−8シクロアルキル、アリール−C1−6アルキル、ヒドロキシ、あるいは1個または2個の窒素を含む5員または6員ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであり、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりN、OおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む3〜7員環を形成してもよく、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素と一緒になって、グアニジニル基、アミジニル基、カルバミル基、または尿素基を形成してもよく;
各R13は、独立に、C1−6アルキル、ヒドロキシ−C1−6アルキルまたはC1−6アルコキシ−C1−6アルキルであり、
あるいはR13のうち2個は、それらが結合している原子と一緒になって、C4−6炭素環を形成してもよく、あるいはR13のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
14およびR15は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR14とR15のうち1個は、R11とR12のうち1個およびそれらが結合している原子と一緒になって、5員または6員環を形成してもよく;
各R16は、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シアノ、−SO、−C(=O)−NR、−SR、−C(=O)−Rであり、ここで、R、RおよびRのそれぞれは、独立に、水素またはアルキルであり;
17およびR18は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR17とR18は一緒になって、=NRを形成してもよく、ここで、Rは、水素またはアルキルであり;
19およびR20は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR19およびR20のうち1個が水素であり、もう一方が、場合により置換されているヘテロアリールであり、あるいはR19とR20は、それらが結合している窒素と一緒になって、アミジニル基、尿素基、グアニジニル基、または場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく、あるいはR19とR20のうち1個およびR17とR18のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む5員または6員環を形成してもよく;
21およびR22は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR21とR22は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、4〜6員の炭素環を形成してもよく;
23およびR24は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
25およびR26は、互いに独立に、水素、アルキル、−(C=NR)−NR、または−(CH−NRであり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR25とR26は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4員、5員または6員環を形成してもよく、あるいはR25とR26のうち1個は、R23とR24のうち1個と一緒になり、それらが結合している原子と一緒になって、4〜6員の環を形成してもよく;
は、−NR−、−O−、−S−、−CR−、または−C(O)−であり、ここで、Rは、水素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素またはアルキルであり、Rは、水素、フッ素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシであり、あるいはRとRは、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される1個のヘテロ原子を含む3〜6員の場合により置換された環を形成してもよく;
は、−O−、−NR−、または−CR−であり、ここで、R、RおよびRは、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
27およびR28は、互いに独立に、水素またはアルキルであり;
29およびR30は、互いに独立に、水素またはアルキルであり、あるいはR29とR30は、それらが結合している窒素と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換されている環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個およびR27とR28のうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個は、Rおよびそれらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員の、場合により置換された環を形成してもよく、あるいはR29とR30のうち1個およびRおよびRのうち1個は、それらが結合している原子と一緒になって、場合によりO、NおよびSから選択される更なる1個のヘテロ原子を含む4〜7員環を形成してもよい]
からなる群、およびその薬学的に許容されうる酸付加塩より選択される、請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記化合物が、式I、式II、式III、式IV、式V、式VIおよび式VII(ここで、YはCであり、mは1であり、nは1であり、qは2であり、tは1であり、uは0であり、Gは−O−であり、XはNであり、R、R、R、R、R10、R14、R15、R17、R18、R21、R22は水素である)からなる群より選択される、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記化合物が、
4−ベンジル−6−メチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−メトキシ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(4−フルオロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−ベンジル−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2,6−トリメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ{l,4}オキサジン−3−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−1,4−ジヒドロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
6−フルオロ−4−(3−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
6−フルオロ−4−(4−フルオロ−ベンジル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
4−(3−クロロ−ベンジル)−6−フルオロ−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、
1−(3−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(4−フルオロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(4−クロロ−ベンジル)−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
1−(3−フルオロ−ベンジル)−7−メチル−5−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−1H−キナゾリン−2−オン、
4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
4−(3−クロロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
6−フルオロ−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2,2−ジメチル−8−ピペラジン−1−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(R)−イルメチル]−メチル−アミン、
C−[7−(3−フルオロ−フェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−(S)−イル]−メチルアミン、
(7−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−アミン、
(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン、
N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−グアニジン、
3−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオンアミジン、
C−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン、
(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−アミン、
N−(6−フェニルスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジン、
2−[6−(2−フルオロ−フェニルスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−エチルアミン、
6−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
1−(7−フェニルスルホニル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−2−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−エタノン、
7−フェニルスルホニル−4−ピペリジン−4−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
7−フェニルスルホニル−4−ピロリジン−3−イル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン、
1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、
1−ベンジル−4−(2−メチルアミノ−エトキシ)−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン、および
1−ベンジル−4−ピペラジン−1−イル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン
からなる群、ならびにその薬学的に許容されうる酸付加塩より選択される、請求項10に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2011−157394(P2011−157394A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88392(P2011−88392)
【出願日】平成23年4月12日(2011.4.12)
【分割の表示】特願2007−533919(P2007−533919)の分割
【原出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】