説明

認証システム

【課題】応答器の内蔵電池の消耗を抑えつつ、情報端末のログオン及びログオフ制御への利用が可能な認証システムを提供する。
【解決手段】質問器200Aは質問信号を繰り返し送信し、応答器300Aは質問信号の受信毎に自器の識別情報を含む応答信号を送信する。情報端末100Aがログオフ状態のとき、質問器200Aは300ms間隔で質問信号を送信し、受信した応答信号に含まれる識別情報と記憶している識別情報とを照合し、一致すると情報端末100Aにログオン要求信号を送信する。この後、質問器200Aは、質問信号の送信間隔を600msとし、ログオン要求信号を受信した情報端末100Aはログオン状態に移行し、ユーザ操作を受け付けると、操作信号を質問器200Aに送信し、この操作信号を受信した質問器200Aは一定期間、送信間隔を900msとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、質問信号を受信すると応答信号を送信する応答器(アクティブタグ)からの応答信号を利用した認証システムに関し、特に、情報端末のログオン及びログオフの制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
質問器と応答器(アクティブタグ)とを利用した認証システムが知られている(例えば特許文献1)。以下、この認証システムによる認証処理の流れについて説明する。
質問器は、LF帯(30〜300kHz)にて、質問信号を繰り返し送信する。質問信号はLE帯にて送信されるため、質問信号を受信可能なエリア(以下、「認証エリア」という)は、比較的狭い範囲に限られる。
【0003】
また、応答器は、電池を内蔵したアクティブタグであり、応答器を所持したユーザが、上述の認証エリアに入ると、この応答器は、質問信号を受信する毎に自器の識別情報(以下、「応答器ID」という)を含ませた応答信号を送信する。
質問器は、この応答信号を受信すると、応答信号に含まれる応答器IDを用いて、この応答信号を送信した応答器を所持するユーザの認証を行なう。
【0004】
このように従来の認証システムにおける応答器は、その応答器を所持するユーザが、質問器が送信する質問信号を受信可能な限られた範囲の認証エリアに入ったときにのみ応答信号を送信するので、エリアによらず主体的に応答信号を送信する場合と比較して内蔵電池の消費を抑えることができる。
この認証システムは、例えば、管理対象領域に対する入退場の管理や、操作者が情報端末に近づくと自動的にログオンし、情報端末から離れると自動的にログオフするような情報端末のログオン及びログオフ制御などに利用することができる。
【特許文献1】特開2007−295168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の認証システムにおいて、質問器は、非常に短い間隔(例えば、300ミリ秒程度)で繰り返し質問信号を送信するため、応答器を所持したユーザが認証エリアにいる間、応答器は、この非常に短い間隔で送信されてくる質問信号を受信する毎に応答信号を送信することになる。従って、従来の認証システムを、特に、情報端末のログオン及びログオフの制御に利用した場合、一般的には、その情報端末の付近に質問器を設置することになるので、操作者が操作等のためにその情報端末のそばにいる間、その操作者が所持する応答器は、質問信号の受信に応じて応答信号を繰り返し送信することとなり、内蔵電池が消耗してしまうという問題が生じ得る。
【0006】
そこで、本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、応答器の内蔵電池の消耗を抑えつつ、情報端末のログオン及びログオフ制御への利用が可能な認証システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る認証システムは、受信した信号に応じてログオン及びログオフを行う情報端末と、当該情報端末の近傍に設置され当該情報端末と接続しており、質問信号を送信し応答信号を受信する質問器と、質問信号を受信すると自機の識別情報を含む応答信号を内蔵電池からの電力供給を受けて送信する応答器とを含む認証システムであって、前記質問器は、質問信号を第1間隔で繰り返し送信する質問信号送信手段と、前記情報端末へのログオンを許可すべきユーザが所持する応答器の識別情報を記憶する応答器情報記憶手段と、応答信号を受信する毎に当該応答信号に含まれている応答器の識別情報と前記応答器情報記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するか否かを判定し、判定結果に基づく信号を前記情報端末に送信する第1認証手段と、前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる質問送信制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために本発明に係る認証システムにおいて用いられる質問器は、受信した信号に応じてログオン及びログオフを行う情報端末の近傍に設置され、当該情報端末と接続しており、質問信号を送信すると共に、当該質問信号を受信し内蔵電池からの電力供給を受けて応答器が送信した当該応答器の識別情報を含む応答信号を受信する質問器であって、質問信号を第1間隔で繰り返し送信する質問信号送信手段と、前記情報端末へのログオンを許可すべきユーザが所持する応答器の識別情報を記憶する応答器情報記憶手段と、応答信号を受信する毎に当該応答信号に含まれている応答器の識別情報と前記応答器情報記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するか否かを判定し、繰り返し判定した結果に基づく信号を前記情報端末に送信する第1認証手段と、前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を、第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる質問送信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上述の構成を備える本発明に係る認証システム及び本発明に係る認証システムにおいて用いられる質問器において、第1認証手段が、応答信号に含まれる識別情報と自器が記憶している識別情報とが一致するとの判定を行った場合、即ち、その応答器の所持者が、情報端末へのログオンを許可すべきユーザであった場合に、それ以降、質問器は、送信間隔が長くして質問信号を繰り返し送信するため、応答器は、一定時間当たりに質問信号を受信し送信する応答信号の送信回数を減らすことができ、応答信号の送信に用いる内蔵電池の消耗を低減することができる。
【0010】
また、前記情報端末は、ログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされると、操作信号を前記質問器に送信する操作信号送信手段を備え、前記質問器は、更に前記情報端末から送信された操作信号を受信する操作信号受信手段を備え、前記質問送信制御手段は、更に前記操作信号受信手段が操作信号を受信後所定期間内においては、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を、第2間隔よりも長い第3間隔に変更させることとしてもよい。
【0011】
これにより、情報端末がログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされたときには、質問器は、質問信号の送信間隔を更に長くするため、応答器は、一定時間当たりに質問信号を受信し送信する応答信号の送信回数を更に減らすことができ、応答信号の送信に用いる内蔵電池の消耗を更に低減することができる。このように質問信号の送信間隔を長くしても、情報端末がログオン状態である場合に、ユーザによる操作がなされたときに、質問信号の送信間隔を長くしているので、ユーザが情報端末を使用していることが明らかであり、情報端末がログオン状態のまま放置されるような、セキュリティ上好ましくない状況を防ぐことができている。
【0012】
また、前記質問送信制御手段は、前記第1認証手段が一致しないとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を第1間隔に戻させることとしてもよい。
これにより、質問器による質問信号の送信間隔が第2間隔、又は第3間隔に変更されている場合でも、情報端末へのログインが許可されていないユーザが情報端末を使用しようと情報端末に接近したときには、このユーザが所持する応答器の応答信号に含まれる応答器IDと、質問器に記憶されている応答器IDとが一致しなくなり、質問送信制御手段は質問信号の送信間隔を第1間隔に戻すため、高いセキュリティを確保できる。
【0013】
また、前記第1認証手段は、一致するとの判定を行った場合には、ログオンを要求するログオン要求信号を、前記判定結果に基づく信号として前記情報端末に送信し、前記質問器は、更に前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後に、前記質問信号送信手段が連続して送信した2以上の所定数の質問信号いずれに対する応答信号も受信していないか否かを判定し、肯定的な判定をした場合に、ログオフを要求するログオフ要求信号を前記情報端末に送信する第2認証手段を備え、前記情報端末は、前記質問器から送信されたログオン要求信号又はログオフ要求信号を受信する制御信号受信手段と、前記制御信号受信手段がログオン要求信号を受信した場合において、ログオフ状態であるときにはログオンを行い、前記制御信号受信手段がログオフ要求信号を受信した場合において、ログオン状態であるときにはログオフを行う状態制御手段を備えることとしてもよい。
【0014】
これにより、第2認証手段は、質問信号送信手段が連続して送信した2以上の所定数の質問信号いずれに対応する応答信号をも受信しない場合にログオフ要求信号を情報端末に送信し、この信号を受信したログオン状態である情報端末はログオフを行なう。つまり、応答器が、たまたま1つの質問信号を受信できず応答信号を送信できなかった場合に、ログオフしなくて済むため、通信状況によっては、頻繁にログオン、ログオフを繰り返してしまうような不具合を防げると共に、複数の応答信号を受信できなかった場合には、ログオフされるため、情報端末がログオン状態のまま放置されるような状況を適切に防ぐことができる。
【0015】
また、前記応答器情報記憶手段は、更に、記憶されている応答器の識別情報と対応付けて、当該識別情報よりもデータサイズが小さい短縮情報を記憶しており、前記質問信号送信手段は、前記第1認証手段が一致するとの判定を行った直後に送信する質問信号に当該判定に用いた応答器の識別情報と対応付けて前記応答器情報記憶手段に記憶されている短縮情報を含ませて送信し、前記応答器は、自器の識別情報を含めた応答信号を送信する応答信号送信手段とを備え、更に前記短縮情報を含む質問信号を受信すると、当該受信後は、自器の識別情報に代えて当該短縮情報を応答信号に含ませて前記応答信号送信手段に送信させる応答送信制御手段を備え、前記第1認証手段は、前記質問信号送信手段が短縮情報を含ませた質問信号を送信した後は、応答器の識別情報に代えて、応答信号に含まれている短縮情報と前記質問信号送信手段が質問信号に含めて送信した前記応答器情報記憶手段に記憶されている短縮情報とが一致するか否かを判定することとしてもよい。
【0016】
これにより、応答器は短縮情報を含む質問信号を受信した後は、自器の識別情報よりもデータサイズの小さい短縮情報を含めた応答信号を送信するため、1つの応答信号の送信にかかる時間を短縮することができる。従って、応答信号の送信に用いる内蔵電池の消耗を低減することができる。
また、前記情報端末は、ログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされると、操作信号を送信する操作信号送信手段を備え、前記質問器は、更に情報端末から送信された操作信号を受信する操作信号受信手段を備え、前記質問送信制御手段は、更に前記操作信号受信手段が操作信号を受信後所定期間内においては、前記質問信号送信手段による質問信号の送信を停止させることとしてもよい。
【0017】
これにより、情報端末がログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされたときには、質問器は、質問信号の送信を停止させるため、この間、応答器は応答信号を送信しなくて済み、応答信号の送信に用いる内蔵電池の消耗を更に低減することができる。このように質問信号の送信を停止させても、情報端末がログオン状態である場合に、ユーザによる操作がなされたときに、質問信号の送信を停止させているので、ユーザが情報端末を使用していることが明らかであり、情報端末がログオン状態のまま放置されるような、セキュリティ上好ましくない状況を防ぐことができている。
【0018】
また、前記質問信号送信手段は、LF帯にて質問信号を送信するものであり、前記応答器は、自器の識別情報を含めた応答信号をLF帯より高い周波数にて送信する応答信号送信手段を備え、更に前回質問信号を受信してから所定の時間以内に次の質問信号を受信した場合には、前記応答信号送信手段による応答信号の送信を停止させ、自器を所持するユーザが移動することにより、前回質問信号を受信してから2以上の所定数の質問信号を受信しているはずの時間を経過しても次の質問信号を受信しないときには、前記情報端末からのログオフを指示する指示情報を応答信号に含ませて前記応答信号送信手段に送信させる応答送信制御手段を備え、前記第1認証手段は、一致するとの判定を行った場合において、判定に係る応答信号に前記指示情報が含まれていないときには、ログオンを要求するログオン要求信号を、判定に係る応答信号に前記指示情報が含まれていたときには、ログオフを要求するログオフ要求信号を、それぞれ前記判定結果に基づく信号として前記情報端末に送信し、前記情報端末は、前記質問器から送信されたログオン要求信号又はログオフ要求信号を受信する制御信号受信手段と、前記制御信号受信手段がログオン要求信号を受信した場合において、ログオフ状態であるときにはログオンを行い、前記制御信号受信手段がログオフ要求信号を受信した場合において、ログオン状態であるときにはログオフを行う状態制御手段を備えることとしてもよい。
【0019】
これにより、応答器は、質問信号を繰り返し受信しているときは、応答信号の送信を停止させるので、応答信号の送信に用いる内蔵電池の消耗を低減することができると共に、応答器は、前回質問信号を受信してから2以上の所定数の質問信号を受信しているはずの時間を経過しても次の質問信号を受信しないときには、前記情報端末からのログオフを指示する指示情報を含む応答信号を送信する。この指示情報を含む応答信号を受信した質問器は、ログオフ要求信号を情報端末に送信するので、情報端末がログオン状態のまま放置されるような状況を適切に防ぐことができる。
【0020】
また、前記情報端末及び前記質問器はそれぞれ複数あり、各質問器の質問信号送信手段は、自器の識別情報を前記質問信号に含ませて送信し、前記応答器は、自器の識別情報を含めた応答信号を送信する応答信号送信手段を備え、更に複数の情報端末のうち、自器のユーザがログオンを許可されている情報端末と接続されている質問器の識別情報を記憶する質問器情報記憶手段と、受信した質問信号に含まれる質問器の識別情報が、前記質問器情報記憶手段に記憶されている質問器の識別情報と一致しない場合は、前記応答信号送信手段による応答信号の送信を停止させる応答送信制御手段とを備えることとしてもよい。
【0021】
これにより、応答器は、自器のユーザがログオンを許可されている情報端末と接続されている質問器の識別情報を記憶しており、この識別情報と受信した質問信号に含まれる質問器の識別情報とが一致する場合にのみ応答信号を送信するため、自器のユーザがログオンを許可されていない情報端末と接続された質問器からの質問信号を受信した場合に、応答信号を送信せずに済み、内蔵電池の消耗を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る認証システムの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
≪実施の形態≫
<概要>
実施の形態に係る認証システムは、質問器と応答器と情報端末とを含み、質問器から送信された質問信号を受信した応答器が送信する応答信号に含まれる応答器IDを用いて、情報端末のログオン及びログオフの制御を自動的に行うものである。
【0023】
質問器は、情報端末の付近に設置され、繰り返し質問信号を送信するものであり、情報端末の使用を許可されたユーザが保持する応答器の応答器IDが予め記憶されている。また、応答器は、情報端末を使用するユーザに所持され、質問器から繰り返し送信される質問信号を受信する度に内蔵電池からの電力供給を受けて自器の応答器IDを含む応答信号を送信するものである。
【0024】
以下、情報端末のログオン及びログオフの制御をどのように行うかを説明する。
応答器を所持する(つまり応答器を身に付けている)ユーザが、情報端末を使用するために情報端末に近づいてくると、このユーザは、質問器から繰り返し送信される質問信号を受信可能な認証エリアに入り、応答器は、質問信号を受信する毎に応答信号を送信する。
【0025】
質問器は、応答器から送信された応答信号を受信する毎に、この応答信号に含まれる応答器IDと自器に記憶されている応答器IDとを照合し、両応答器IDが一致するときに、情報端末に対し、ログオンを要求するログオン要求信号を送信する。情報端末はログオフ状態のときにこのログオン要求信号を受信すると、ログオン状態に移行し、応答器を所持するユーザは情報端末の使用が可能になる。つまりユーザ操作なしで自動的に情報端末にログオンすることができる。
【0026】
また、応答器を所持するユーザが、情報端末の使用を終了し、情報端末から離れていくと、応答器は質問信号を受信できなくなるので応答信号を送信せず、質問器も自器が連続して送信した複数の質問信号のいずれに対する応答信号を受信しなくなるので、情報端末に対し、ログオフを要求するログオフ要求信号を送信する。情報端末はログオン状態のときにこのログオフ要求信号を受信すると、ログオフ状態に移行する。つまりユーザ操作なしで自動的に情報端末からログオフすることができる。
【0027】
このように、本認証システムにおける質問器は、繰り返し質問信号を送信しているので、応答器から応答信号を受信しないことを契機に、ユーザが情報端末の使用を終了し離席したことを検出でき、情報端末がログオン状態のまま放置されないように制御することができる。
しかしながら、上述の通り、質問器は、繰り返し質問信号を送信しており、応答器もこの質問信号を受信する毎に内蔵電池からの電力供給を受けて応答信号を送信することになるので、応答器を所持するユーザが、情報端末にログオン後、情報端末を使用している場合にも、応答器は応答信号を送信し続けることとなり、内蔵電池は消耗していくこととなる。
【0028】
そこで、本認証システムにおける質問器は、ログオン後やユーザが情報端末を操作しているときには、質問器からの質問信号の送信間隔を長くし、応答器の応答信号の送信回数を減らしている。これにより、応答器の内蔵電池の消耗を軽減することができる。
また、本認証システムにおける質問器は、ログオン要求信号送信直後に送信する質問信号に、応答器IDよりもサイズの小さいデータ(以下、「tempID」という)を含めて送信し、以降応答器は、自器の応答器IDに代えて、このtempIDを含めた応答信号を送信する。応答器IDよりもtempIDのほうがデータサイズが小さいので、1つの応答信号の送信にかかる時間を短縮することができ、応答器の内蔵電池の消耗を軽減することができる。
【0029】
<構成>
まず、実施の形態に係る認証システムの構成について説明する。
<認証システム>
図1は、認証システム1000A及び1000Bのシステム構成図である。
同図に示すとおり、認証システム1000Aは、情報端末100A、質問器200A、応答器300Aから構成され、認証システム1000Bは、情報端末100B、質問器200B、応答器300Bから構成される。
【0030】
情報端末100Aと質問器200AとはUSB(Universal Serial Bus)ケーブル1Aにより接続され、情報端末100Bと質問器200BとはUSBケーブル1Bにより接続されている。各USBケーブルは、例えば、USB2.0規格に準拠したものであり、ケーブル長は、例えば、50cm程度である。
情報端末100Aと100Bとは同様の構成を有し、質問器200Aと200Bとは同様の構成を有し、応答器300Aと300Bとは同様の構成を有するため、以下では、認証システム1000Aを構成する情報端末100A、質問器200A、応答器300Aについて説明する。
【0031】
情報端末100Aは、ディスプレイを備えるPC(Personal Computer)等であり、質問器200Aから受信したログオン要求信号及びログオフ要求信号に応じて、ログオン状態及びログオフ状態の切替を行う機能を有する。ここで、ログオフ状態とは、マウスやキーボード等からのユーザ操作を受け付けない状態をいい、ログオン状態とはマウスやキーボード等からのユーザ操作を受け付ける状態をいう。また、ログオン状態であるときにユーザ操作がなされると、情報端末100Aは、その旨の操作信号を質問器200Aに送信する機能を有する。
【0032】
質問器200Aは、情報端末100Aの状態(ログオン状態又はログオフ状態)、及び操作信号の受信の有無に応じて送信間隔と信号の内容を変更して質問信号をLF帯にて繰り返し送信する機能と、自器が送信した質問信号に応じて応答器300Aから送信された応答信号を受信した場合にログオン要求信号を情報端末100Aに送信し、自器が複数回(例えば3回)連続して送信した質問信号のいずれに対する応答信号も応答器300Aから受信しない場合に、ログオフ要求信号を情報端末100Aに送信する機能を有する。
【0033】
なお、質問信号はLF帯にて送信されるため、質問信号を受信可能な各認証エリアの範囲は比較的狭い範囲に限られ、本実施の形態では、障害物がない状態で各質問器から1.5m程度の範囲とする。
応答器300Aは、いわゆるアクティブタグであってユーザにより所持され、質問器200Aが送信する質問信号を受信可能な認証エリアに入ると質問信号を受信し、応答信号をUHF帯にて送信する機能を有する。
【0034】
なお、応答信号は、UHF帯にて送信されるため、この応答信号を受信可能なエリアは比較的広い範囲となり、本実施の形態では、障害物がない状態で各応答器から20m程度の範囲とする。
なお、本実施の形態では、2つの認証システム1000A、1000Bを例に説明しているが、これは一例であり、情報端末の台数分の認証システムが存在してよい。
【0035】
以下、情報端末100A、質問器200A、応答器300Aの構成を更に詳しく説明する。
図2は、情報端末100A、質問器200A、応答器300Aそれぞれの主要部の機能構成を示すブロック図である。
<情報端末>
まず、情報端末100Aの構成について説明する。
【0036】
情報端末100Aは、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、操作部101、表示部102、USBインタフェース103、制御部104を備える。
ここで、操作部101は、マウスやキーボード等の入力機器であり、ユーザにより押下されたキー等に対応する入力信号を制御部104に伝達する機能を有する。
【0037】
表示部102は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示機器であり、制御部104の指示に応じて、文字や画像等を表示する機能を有する。
USBインタフェース103は、制御部104から伝達された操作信号を、USB2.0規格に準拠して質問器200AにUSBケーブル1Aを通じて伝送し、またUSB2.0規格に準拠して質問器200AからUSBケーブル1Aを通じて伝送されてきたログオン要求信号及びログオフ要求信号を制御部104に伝達する機能を有する。
【0038】
制御部104は、操作部101から伝達された入力信号に応じてユーザが所望する処理を実行すると共に、操作信号を、USBインタフェース103を介して質問器200Aに送信する機能を有する。
また、制御部104は、USBインタフェース103を介して、ログオン要求信号を受信した場合に、ログオフ状態であるときはログオン処理を実行し、ログオフ要求信号を受信した場合に、ログオン状態であるときはログオフ処理を実行する機能を有する。
【0039】
ここで、ログオン処理の実行とは、操作部101におけるユーザ操作を有効にするための処理を実行することや、予め設定されたアプリケーションプログラムを実行することをいい、ログオフ処理の実行とは、実行中のアプリケーションプログラムを終了し、操作部101におけるユーザ操作を無効にするための処理を実行することをいう。
なお、制御部104の各機能は、上述のメモリに記憶されている制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0040】
<質問器>
次に、質問器200Aの構成について説明する。
質問器200Aは、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、USBインタフェース201、質問信号送信部202、応答信号受信部203、記憶部204、計時部205、制御部206を備える。
【0041】
ここで、USBインタフェース201は、制御部206から伝達されたログオン要求信号及びログオフ要求信号をUSB2.0規格に準拠して情報端末100AにUSBケーブル1Aを通じて伝送し、またUSB2.0規格に準拠して情報端末100AからUSBケーブル1Aを通じて伝送されてきた操作信号を制御部206に伝達する機能を有する。
質問信号送信部202は、LFアンテナの他、フィルタやアンプ等(不図示)を含み、制御部206の指示に従って質問信号をLF帯の無線信号として送信する機能を有する。
【0042】
応答信号受信部203は、RFアンテナの他、フィルタやアンプ等(不図示)を含み、応答信号を受信し制御部206へ伝達する機能を有する。
記憶部204は、自器の識別情報(以下、「質問器ID」という)及び応答器300Aの応答器IDを予め記憶(例えば、認証システム1000Aの管理者により予め設定されている)し、この応答器IDの一部のデータ(tempID)を応答器IDと対応付けて記憶するメモリ領域である。
【0043】
計時部205は、複数のタイマを含み、制御部206の指示に従って、質問信号を送信してからの経過時間、操作信号を受信してからの経過時間、及び同一のtempIDの使用開始からの経過時間を計時する機能を有する。
制御部206は、機器全体を制御する機能の他、質問信号を質問信号送信部202を介して繰り返し送信する機能を有する。
【0044】
また、制御部206は、応答信号受信部203を介して受信した応答信号と、記憶部204に記憶されているデータに基づいて、その応答信号の送信元である応答器を所持するユーザについての情報端末100Aへのいわゆるログオン認証を行い、認証結果に応じてログオン要求信号又はログオフ要求信号を、USBインタフェース201を介して情報端末100Aに送信することで、情報端末100Aにおけるログオン、ログオフの状態を制御する機能を有する。
【0045】
このログオン認証とは、より詳細には、質問信号送信部202を介して質問信号を送信する毎に、その質問信号に応じた内容の応答信号を受信したか否かを、受信した応答信号及び記憶部204に記憶されているデータに基づいて判定するものであり、この判定において、送信した質問信号に応じた内容の応答信号を受信したと判定した場合には、ログオン要求信号をUSBインタフェース201を介して情報端末100Aに送信し、また、複数回(例えば3回)連続して、質問信号に応じた内容の応答信号を受信していないと判定した場合には、ログオフ信号をUSBインタフェース201を介して情報端末100Aに送信する。
【0046】
また、制御部206は、上述の判定結果と情報端末100Aからの操作信号の受信の有無に応じて、送信間隔及び信号の内容を変更して質問信号を送信する機能を有する。
送信間隔及び質問信号の内容をどのように変更するかについては後に詳細に説明するが、送信間隔は、短間隔(例えば、300ミリ秒)と、中間隔(例えば、600ミリ秒)と、長間隔(例えば、900ミリ秒)とがあり、質問信号には記憶部204に記憶されたtempIDを含むものと含まないものとがある(図3(a)、(b)参照)。このtempIDは制御部206が記憶部204に記憶されている応答器300Aの応答器IDに基づいて生成し、この応答器IDと対応付けて記憶させる。
【0047】
なお、制御部206の各機能は、上述のメモリに記憶されている制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
<応答器>
次に、応答器300Aの構成について説明する。
応答器300Aは、メモリ及びプロセッサを含み、機能面において、同図に示すとおり、内蔵電池301、質問信号受信部302、応答信号送信部303、記憶部304、計時部305、制御部306を備える。
【0048】
内蔵電池301は、応答器300Aの各部に対し電力を供給する機能を有する。
質問信号受信部302は、LFアンテナ及びフィルタ、アンプ等(不図示)を含み、質問器200Aから受信した質問信号を制御部306に伝達する機能を有する。
応答信号送信部303は、RFアンテナ及びフィルタ、アンプ等(不図示)を含み、内蔵電池301から供給される電力に基づいて、制御部306の指示に従って応答信号をUHF帯の無線信号として送信する機能を有する。
【0049】
記憶部304は、自器の応答器ID及び質問器200Aの質問器IDを予め記憶(例えば、認証システム1000Aの管理者により予め設定されている)し、また、質問器200AからtempIDを含む質問信号を受信した場合に、上述の質問器IDとこのtempIDを対応付けて記憶するためのメモリ領域である。
計時部305は、タイマを含み、制御部306の指示に従って、質問信号を受信してからの経過時間を計時する機能を有する。
【0050】
制御部306は、機器全体を制御する機能の他、内蔵電池301から供給される電力に基づいて、質問信号受信部302を介して受信した質問信号の内容に応じて、記憶部304に記憶されている自器の応答器ID又はtempIDを含ませた応答信号を、応答信号送信部303を介して送信する機能を有する。
より詳細には、tempIDを含む質問信号を受信するまでは、記憶部304に記憶されている自器の応答器IDを含めた応答信号を送信し、tempIDを含む質問信号を、質問信号受信部302を介して受信した後は、このtempIDを記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDと対応付けて記憶した上で、このtempIDを含めた応答信号を送信する。
【0051】
なお、制御部306の各機能は、上述のメモリに記憶されている制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
<データ>
以下、認証システム1000Aにおいて、使用されるデータについて説明する。
<質問信号>
まず、質問器200Aが送信する質問信号10、20について説明する。
【0052】
図3(a)は、質問信号10のデータ構成を示す図である。
質問信号10は、同図に示すように、PR(preamble)11、UW(Unique Word)12、信号種別13、質問器ID14、CRC15から構成される。
ここで、PR11は、質問信号10のデータの始まりを示すビット列(同期符号)であり、UW12は、いわゆるフレーム同期信号であり、信号種別13は、質問信号10を示す識別情報であり、応答器300Aが受信した信号の種類を識別するために使用される。以下では、信号種別13は「1」であるものとして説明する。
【0053】
また、質問器ID14は、質問信号10の送信元を示す自器(質問器200A)を識別可能な記憶部204に記憶されている識別情報であり、CRC15は、質問信号10を受信した応答器300Aが質問信号10に誤りが発生しているか否かを検出するためのデータである。
同図(b)は、質問信号20のデータ構成を示す図である。
【0054】
質問信号20は、同図に示すように、PR21、UW22、信号種別23、質問器ID14、tempID24、CRC25から構成される。
PR21、UW22、CRC25はそれぞれ、上述のPR11、UW12、CRC15と同様のデータであり、質問器ID14は、上述の質問信号10に含まれるデータと同じデータであるため、説明は省略する。
【0055】
ここで、信号種別23は、質問信号20を示す識別情報であり、応答器300Aが受信した信号の種類を識別するために使用される。以下では、信号種別23は「2」であるものとして説明する。
tempID24は、応答器300Aを識別可能な識別情報であり、記憶部204が記憶している応答器300Aの応答器ID(後述するように4バイトのデータである)に基づいて、制御部206が生成し、記憶部204に応答器300Aの応答器IDと対応付けて記憶させた1バイトのデータである。
【0056】
<応答信号>
次に、応答器300Aが送信する応答信号30、40について説明する。
図3(c)は、応答信号30のデータ構成を示す図である。
応答信号30は、同図に示すように、PR31、UW32、信号種別33、質問器ID14、応答器ID34、CRC35から構成される。
【0057】
ここで、PR31は、応答信号30のデータの始まりを示すビット列(同期符号)であり、UW32は、いわゆるフレーム同期信号であり、信号種別33は、応答信号30を示す識別情報であり、質問器200Aが受信した信号の種類を識別するために使用される。以下では、信号種別33は「3」であるものとして説明する。
また、質問器ID14は、応答器300Aが受信した質問信号10に含まれている質問器200Aの質問器ID(識別情報)であり、応答器ID34は、応答信号30の送信元を示す自器(応答器300A)を識別可能な記憶部304に記憶されている4バイトの識別情報である。
【0058】
また、CRC35は、応答器300Aから送信された応答信号30を受信した質問器200Aが応答信号30に誤りが発生しているか否かを検出するためのデータである。
同図(d)は、応答信号40のデータ構成を示す図である。
応答信号40は、同図に示すように、PR41、UW42、信号種別43、質問器ID14、tempID24、CRC44から構成される。
【0059】
PR41、UW42、CRC44はそれぞれ、上述のPR31、UW32、CRC35と同様のデータであるため、説明は省略する。
ここで、信号種別43は、応答信号40を示す識別情報であり、質問器200Aが受信した信号の種類を識別するために使用される。以下では、信号種別43は「4」であるものとして説明する。
【0060】
また、質問器ID14は、応答器300Aが受信した質問信号10又は20に含まれている質問器200Aの質問器ID(識別情報)であり、tempID24は、応答信号40の送信元を示す応答器300Aの識別情報であり、応答器300Aが受信した質問信号20に含まれる1バイトのデータである。
応答信号40のtempID24は、応答信号30の応答器ID34よりもデータサイズが小さいため、応答信号40は応答信号30よりデータサイズが小さくなっている。従って、応答器300Aは、応答信号30を送信するよりも応答信号40を送信するときのほうが、1つの応答信号の送信にかかる時間を短縮でき、内蔵電池301の消耗を減らずことができる。
【0061】
<動作>
次に、上記構成を備え、上記データを取り扱う認証システム1000Aの動作を説明する。
<質問器>
まず、質問器200Aの動作について説明する。
【0062】
図4は、質問器200Aの質問信号10及び20の送信処理と応答信号30及び40の受信した際の処理とを示すフローチャートである。
質問器200Aの制御部206は、送信間隔を短間隔(300ミリ秒)に設定し、計時部205における同一のtempIDの使用開始からの経過時間を計時するためのタイマ(以下、「tempID用タイマ」という)の値を「0」に初期化し(ステップS1)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS2)。この際、制御部206は、計時部205における質問信号を送信してからの経過時間を計時するためのタイマ(以下、「送信間隔タイマ」という)の値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。
【0063】
制御部206は、送信した質問信号に対応する応答信号(30又は40)を、応答信号受信部203を介して受信したか否かを判定する(ステップS3)。つまり、1回目のステップS3の実行では、ステップS2で質問信号10を送信しており、tempIDを含む質問信号20は送信していないので、自器の質問器IDを含む応答信号30を受信したか否かを判定し、後述するステップS7で質問信号20を送信した後は、自器の質問器IDを含む応答信号40を受信したか否かを判定する。なお、応答信号30及び40のいずれかを受信したかは、応答信号の信号種別により判定する。
【0064】
以下では、まず、1回目のステップS3の実行について説明する。
ステップS3において、自器の質問器IDを含む応答信号30を受信した場合には(ステップS3:YES)、その応答信号30に含まれる応答器ID34と記憶部204に記憶されている応答器300Aの応答器IDとが一致するか否かを判定する(ステップS4)。
【0065】
一致した場合には(ステップS4:YES)、制御部206は、自器が送信した質問信号に対応する応答信号を受信しなかった回数を示す不受信回数(初期値は「0」)を「0」に初期化し、USBインタフェース201を介して情報端末100Aにログオン要求信号を送信し(ステップS5)、tempID用タイマの値が0より大きく、tempIDを更新するまでの期間(以下、「更新期間P1」といい、例えば、5分である)未満であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0066】
ステップS1で、tempID用タイマの値を「0」に初期化しているので、ステップS6の1回目の判定では、tempID用タイマの値が0より大きくなく(ステップS6:NO)、制御部206は、記憶部204に記憶されている応答器ID中の1バイトのデータをtempIDとして記憶部204に格納し、このtempIDを含む質問信号20を、質問信号送信部202を介して送信する(ステップS7)。
【0067】
なお、制御部206は、応答器ID中の任意の1バイトをtempIDとすればよいが、以下では、ステップS7を実行する毎に、4バイトの応答器ID中の1〜8ビット目、9〜16ビット目、17〜24ビット目、25〜32ビット目を順にtempIDとし、それ以降は、再び1〜8ビット目から順にtempIDとするものとする。
続いて、制御部206は、tempID用タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始し(ステップS8)、送信間隔を中間隔(600ミリ秒)に設定(ステップS9)し、再びステップS3から処理を行う。
【0068】
ステップS7でtempIDを含む質問信号20を送信しているので、制御部206は、応答信号受信部203を介して自器の質問器IDを含む応答信号40を受信したか否かを判定し(ステップS3)、自器の質問器IDを含む応答信号40を受信した場合には(ステップS3:YES)、応答信号40に含まれるtempID24と記憶部204において応答器300Aの応答器IDと対応付けて記憶されているtempIDとが一致するか否かを判定する(ステップS4)。
【0069】
一致した場合には(ステップS4:YES)、上記同様に、制御部206は、不受信回数を「0」に初期化し、ログオン要求信号を送信し(ステップS5)、tempID用タイマの値が0より大きく、更新期間P1未満であるか否かを判定する(ステップS6)。
上記ステップS8でtempID用タイマの計時を開始しており、ステップS6において、tempID用タイマの値は0より大きいので、このtempIDの値が更新期間P1より大きい場合には(ステップS6:NO)、上記同様にステップS7から処理を行い、tempIDの値が更新期間P1未満である場合には(ステップS6:YES)、制御部206は、情報端末100AからUSBインタフェース201を介して操作信号を受信しているか否かを判定する(ステップS10)。
【0070】
操作信号を受信している場合には(ステップS10:YES)、制御部206は、計時部205における操作信号を受信してからの経過時間を計時するためのタイマ(以下、「操作信号用タイマ」といい、初期値は「0」である)の値を「0」に初期化して計時を開始し、送信間隔を長間隔(900ミリ秒)に設定(ステップS11)し、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS12)、再びステップS3からの処理を行う。
【0071】
一方、操作信号を受信していない場合には(ステップS10:NO)、制御部206は、操作信号用タイマの値が、1つの操作信号を受信してから送信間隔を長間隔に設定しておく期間(以下、「有効期間P2」といい、例えば、10秒である)より大きいか否かを判定する(ステップS13)。
操作信号用タイマの値が、有効期間P2以下である場合には(ステップS13:NO)、制御部206は、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS12)、再びステップS3からの処理を行う。
【0072】
一方、操作信号用タイマの値が、有効期間P2より大きい場合には(ステップS13:YES)、制御部206は、送信間隔を中間隔に設定し(ステップS14)、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS12)、再びステップS3からの処理を行う。
ステップS3において、送信した質問信号(10又は20)に対応する自器の質問器IDを含む応答信号(30又は40)を受信していない場合(ステップS3:NO)、及びステップS4において、応答信号(30又は40)に含まれる応答器ID34又はtempID24と、記憶部204に記憶されている応答器300Aの応答器ID又はtempIDとが一致しない場合には(ステップS4:NO)、不受信回数をカウントアップし、この不受信回数が「3」と一致するか否かを判定する(ステップS15)。
【0073】
この不受信回数が「3」と一致しない場合には(ステップS15:NO)、再びステップS2から処理を行い、不受信回数が「3」と一致する場合には(ステップS15:YES)、制御部206は、USBインタフェース201を介して情報端末100Aにログオフ要求信号を送信し(ステップS16)、再びステップS1から処理を行う。
<応答器>
次に、応答器300Aの動作について説明する。
【0074】
図5は、応答器300Aの応答信号30及び40の送信処理を示すフローチャートである。
応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号10を受信する(ステップS20)。
制御部306は、受信した質問信号(10又は20)に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDとが一致するか否かを判定し(ステップS21)、一致した場合には(ステップS21:YES)、計時部305における質問信号を受信してからの経過時間を計時するためのタイマ(以下、「受信間隔タイマ」という)の値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。
【0075】
また、制御部306は、受信した質問信号に、tempID24が含まれているか否かを判定する(ステップS22)。これは、受信した質問信号の信号種別により判定することができる。
質問信号20を受信した場合にはtempID24が含まれているので(ステップS22:YES)、制御部306は、質問信号20に含まれているtempID24を、記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDと対応付けて記憶する(ステップS23)。
【0076】
ステップS23の処理を行い、又は質問信号10を受信した場合にはtempID24が含まれていないので(ステップS22:NO)、制御部306は、記憶部304にtempIDが記憶されているかを判定する(ステップS24)。
制御部306は、記憶部304にtempIDが記憶されていない場合には(ステップS24:NO)、記憶部304に記憶されている自器の応答器IDを含ませた応答信号30を、応答信号送信部303を介して送信し(ステップS25)、記憶部304にtempIDが記憶されている場合には(ステップS24:YES)、その記憶部304のtempIDを含めた応答信号40を、応答信号送信部303を介して送信する(ステップS26)。
【0077】
続いて制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号(10又は20)を受信したか否かを判定し(ステップS27)、受信した場合には(ステップS27:YES)、再びステップS21からの処理を行い、受信していない場合には(ステップS27:NO)、受信間隔タイマの値が、質問信号を連続して3回受信していないと判定するための閾値(以下、「不受信期間P3」といい、例えば、2.7秒)より大きいか否かを判定する(ステップS28)。なお、ここで、不受信期間P3を、2.7秒としているのは、質問器200Aが連続して送信した3つの質問信号のいずれをも受信できない場合を検出するためであり、この例では、質問器200Aによる質問信号の最長の送信間隔である長間隔(900ミリ秒)の3倍の期間(2.7秒)としている。
【0078】
制御部306は、ステップS28において、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3以下である場合には(ステップS28:NO)、再びステップS27から処理を行い、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3より大きい場合には(ステップS28:YES)、記憶部304に記憶されているtempIDを削除し(ステップS29)、応答信号30及び40の送信処理を終了する。
【0079】
<情報端末>
次に、情報端末100Aの動作について説明する。
図6は、情報端末100Aのログオン及びログオフの切替処理を示すフローチャートである。
以下、ステップS30の処理を開始する時点で、情報端末100Aはログオフ状態であるものとして説明する。
【0080】
情報端末100Aの制御部104は、USBインタフェース103を介して質問器200Aからログオン要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS30)。
ログオン要求信号を受信していない場合には(ステップS30:NO)、再びステップS30の処理を行い、ログオン要求信号を受信した場合には(ステップS30:YES)、ログオン処理を実行する(ステップS31)。これにより、操作部101におけるユーザ操作が有効となる。
【0081】
続いて、制御部104は、ユーザ操作があったか、即ち、操作部101から入力信号が伝達されたか否かを判定し(ステップS32)、ユーザ操作があった場合には(ステップS32:YES)、USBインタフェース103を介して操作信号を質問器200Aに送信する(ステップS33)。
ステップS33を処理し、又はステップS32において、ユーザ操作がなかった場合には(ステップS32:NO)、制御部104は、USBインタフェース103を介して、質問器200Aからログオフ要求信号を受信したか否かを判定する(ステップS34)。
【0082】
ログオフ要求信号を受信していない場合には(ステップS34:NO)、再びステップS32から処理を行い、ログオフ要求信号を受信した場合には(ステップS34:YES)、制御部104はログオフ処理を行い(ステップS35)、再びステップS30から処理を行う。ステップS35の処理により、操作部101におけるユーザ操作が無効となる。
【0083】
<具体例>
情報端末100A、質問器200A、応答器300Aの動作を、具体例を用いて説明する。
図7は、情報端末100A、質問器200A、応答器300Aにおける信号の送信タイミングを示す図である。
【0084】
なお、同図におけるT1では、情報端末100Aはログオフ状態であり、T1〜T14の直前まで応答器300Aを所持するユーザは、質問器200Aの認証エリアにおり、T10〜T13まで情報端末100Aの操作部101を介してユーザ操作が行われたものとして説明する。
T1において、質問器200Aの制御部206は、送信間隔を短間隔に設定し、計時部205のtempID用タイマの値を「0」に初期化し(図4のステップS1)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS2)。
【0085】
T2において、応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問信号10を受信し(図5のステップS20)、この例では、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDとが一致するので(ステップS21:YES)、計時部305の受信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始し、受信した質問信号10にtempID24が含まれておらず(ステップS22:NO)、記憶部304にtempIDが記憶されていないので(ステップS24:NO)、応答器300Aの制御部306は、記憶部304に記憶されている自器の応答器IDを含ませた応答信号30を、応答信号送信部303を介して送信する(ステップS25)。
【0086】
T3において、質問器200Aの制御部206は、ステップS2で応答器300Aが送信した応答信号30を受信し(図4のステップS3:YES)、この例では、その応答信号30に含まれる応答器ID34と記憶部204に記憶されている応答器300Aの応答器IDとが一致するので(ステップS4:YES)、制御部206は、不受信回数を「0」に初期化し、USBインタフェース201を介して情報端末100Aにログオン要求信号60を送信する(ステップS5)。
【0087】
T4において、情報端末100Aの制御部104は、USBインタフェース103を介して質問器200Aからログオン要求信号60を受信するので(図6のステップS30:YES)、ログオン処理を実行する(ステップS31)。これにより、操作部101におけるユーザ操作が有効となる。
この例では、T4においてユーザ操作はないので(ステップS32:NO)、制御部104は、操作信号70の送信は行なわず、ログオフ要求信号も受信しないので(ステップS33:NO)、ログオフ処理も実行しない。以下、T9まで情報端末100Aは同様に処理する。
【0088】
また、T4において、tempID用タイマの値は0なので(図4のステップS6:NO)、質問器200Aの制御部206は、記憶部204に記憶されている応答器ID中の1〜8ビット目のデータをtempIDとして記憶部204に記憶し、このtempIDを含む質問信号20を、質問信号送信部202を介して送信する(ステップS7)。なお、T1で、送信間隔を短間隔としているので、T1−T4間の間隔は、300ミリ秒である。また、制御部206は、tempID用タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始し(ステップS8)、送信間隔を中間隔に設定する(ステップS9)。
【0089】
T5において、応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号20を受信し(図5のステップS27:YES)、受信した質問信号20に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDとが一致するので(ステップS21:YES)、受信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始し、受信した質問信号20にtempID24が含まれているので(ステップS22:YES)、このtempID24を記憶部304に記憶する(ステップS23)。
【0090】
また、制御部306は、記憶部304にtempIDが記憶されているので(ステップS24:YES)、その記憶部304のtempIDを含めた応答信号40を、応答信号送信部303を介して送信する(ステップS26)。
T6において、質問器200Aの制御部206は、応答器300AがステップS5で送信した応答信号40を応答信号受信部203を介して受信し(図4のステップS3:YES)、応答信号40に含まれるtempID24と記憶部204において応答器300Aの応答器IDと対応付けて記憶されているtempIDとが一致するので(ステップS4:YES)、制御部206は、不受信回数を「0」に初期化し、ログオン要求信号60を送信する(ステップS5)。
【0091】
なお、情報端末100Aは、既にログオン状態であるため、このログオン要求信号60を受信しても制御部104は、特段の処理は行わない。
T7において、tempID用タイマの値が0より大きく、更新期間P1(5分)未満であり(図4のステップS6:YES)、情報端末100AからUSBインタフェース201を介して操作信号を受信しておらず(ステップS10:NO)、制御部206は、操作信号用タイマの値(0)が、有効期間P2(10秒)以下であるため(ステップS13:NO)、制御部206は、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS12)。なお、T4で、送信間隔を中間隔としているので、T4−T7間の間隔は、600ミリ秒である。
【0092】
T8において、応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号10を受信し(図5のステップS27:YES)、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている質問器200Aの質問器IDとが一致するので(ステップS21:YES)、受信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始し、受信した質問信号10にtempID24が含まれておらず(ステップS22:NO)、記憶部304にtempIDが記憶されているので(ステップS24:YES)、その記憶部304のtempIDを含めた応答信号40を、応答信号送信部303を介して送信する(ステップS26)。
【0093】
T9において、質問器200Aの制御部206は、T6と同様に、ログオン要求信号60を送信する(ステップS5)。
T10において、この例では、情報端末100Aの操作部101を介してユーザ操作があり(図6のステップS32:YES)、制御部104は、USBインタフェース103を介して操作信号70を質問器200Aに送信し(ステップS33)、ログオフ要求信号を受信していないので(ステップS33:NO)、ログオフ処理は実行しない。
【0094】
T11において、情報端末100Aの制御部104は、T10と同様に、操作信号70を質問器200Aに送信し(ステップS33)、ログオフ処理は実行しない。
また、T11において、tempID用タイマの値が0より大きく、更新期間P1(5分)未満であり(図4のステップS6:YES)、情報端末100AからUSBインタフェース201を介して操作信号を受信しているので(ステップS10:YES)、制御部206は、操作信号用タイマの値を「0」に初期化して計時を開始し、送信間隔を長間隔(900ミリ秒)に設定(ステップS11)し、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS12)。
【0095】
T12において、応答器300Aの制御部306は、T8と同様に、記憶部304のtempIDを含めた応答信号40を、応答信号送信部303を介して送信する(ステップS26)。
T13において、質問器200Aの制御部206は、T9と同様に、ログオン要求信号60を送信する(ステップS5)。
【0096】
また、T13において、情報端末100Aの制御部104は、この例では、T11と同様に、操作信号70を質問器200Aに送信し(ステップS33)、ログオフ処理は実行しない。
T14において、質問器200Aの制御部206は、T11と同様に、質問信号10を送信する(ステップS12)。
【0097】
また、T14において、ユーザ操作はないので(ステップS32:NO)、情報端末100Aの制御部104は、操作信号70の送信は行なわず、ログオフ要求信号も受信しないので(ステップS33:NO)、ログオフ処理も実行しない。以下、T19まで情報端末100Aは同様に処理する。
T15において、この例では、応答器300Aは質問器200Aの認証エリアになく、応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号10を受信していないので(図5のステップS27:NO)、応答信号40を送信せず、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3(2.7秒)以下なので(ステップS28:NO)、tempIDの削除は行なわない。
【0098】
また、質問器200Aの制御部206は、応答信号40を受信しないので(図4のステップS3:NO)、不受信回数をカウントアップして「1」とするが、「3」と一致しないので(ステップS15:NO)、ログオフ信号は送信しない。
T16において、質問器200Aの制御部206は、設定されている送信間隔(長間隔)で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS2)。
【0099】
T17において、応答器300Aの制御部306は、T15と同様に応答信号40を送信せず、tempIDの削除は行なわず、また、質問器200Aの制御部206は、不受信回数をカウントアップして「2」とするが、「3」と一致しないので(ステップS15:NO)、ログオフ信号は送信しない。
T18において、質問器200Aの制御部206は、T16と同様に、質問信号10を送信する(ステップS2)。
【0100】
T19において、応答器300Aの制御部306は、質問信号受信部302を介して質問器200Aから質問信号10を受信していないので(図5のステップS27:NO)、
応答信号40を送信せず、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3(2.7秒)より大きいので(ステップS28:YES)、応答器300Aの制御部306は、記憶部304に記憶されているtempIDを削除し(ステップS29)、応答信号30及び40の送信処理を終了する。
【0101】
また、質問器200Aの制御部206は、応答信号40を受信しないので(図4のステップS3:NO)、不受信回数をカウントアップして「3」とし、「3」と一致するので(ステップS15:YES)、ログオフ要求信号61を送信する(ステップS16)。
T20において、情報端末100Aの制御部104は、ユーザ操作はないので(ステップS32:NO)、操作信号70の送信は行なわず、ログオフ要求信号を受信するので(ステップS33:YES)、ログオフ処理を実行する(ステップS35)。これにより、操作部101におけるユーザ操作が無効となる。
【0102】
T21においては、T1と同様に、質問器200Aの制御部206は、送信間隔を短間隔に設定し、計時部205のtempID用タイマの値を「0」に初期化し(図4のステップS1)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS2)。以降、上記同様に処理する。
このように、質問器200Aは、情報端末100Aがログオフ状態であるときは、短間隔で質問信号を送信し、ログオン状態であるときには、中間隔で質問信号を送信し、更に、ログオン状態であって、ユーザ操作がなされているときには、長間隔で質問信号を送信する。つまり、応答器300Aを所持するユーザが情報端末100Aを使用しているときの質問信号の送信間隔を長くするので、応答器300Aが応答信号を送信する回数を減らすことができ、応答器300Aの内蔵電池301の消耗を軽減できる。
【0103】
≪変形例≫
以下、情報端末100Aに、変形例に係る応答器(以下、「変形応答器」という)を所持するユーザがログオンする場合と、情報端末100Aからログオフする場合にのみ、応答信号を送信するように変形した一例を説明する。
これにより、変形応答器が応答信号を送信する回数を更に減らし、変形応答器の内蔵電池301の消耗を更に軽減することができる。
【0104】
以下、変形例に係る質問器(以下、「変形質問器」という)及び変形応答器について説明するが、変形質問器は、質問器200Aの制御部206の機能を変更したものであり、変形応答器は、応答器300Aの制御部306の機能を変更したものである。
具体的には、変形質問器の制御部は、質問信号20は送信せず、質問信号10のみを送信する点で質問器200Aとは異なる。また、変形応答器は、応答信号40は送信せず、変形応答器を所持するユーザが情報端末100Aにログオンする際に、応答信号30を送信し、ログオフする際に以下説明する応答信号50を送信する点で、応答器300Aとは異なる。以下、上述の実施の形態からの変更部分を中心に説明する。
【0105】
<データ>
以下、変形応答器が送信する応答信号50について説明する。
図8は、応答信号50のデータ構成を示す図である。
応答信号50は、同図に示すように、PR51、UW52、信号種別53、質問器ID14、応答器ID34、CRC54から構成される。
【0106】
PR51、UW52、CRC54はそれぞれ、応答信号30におけるPR31、UW32、CRC35と同様のデータであり、質問器ID14、応答器ID34は、応答信号30に含まれるデータと同じデータであるため、以下では、信号種別53について説明する。
ここで、信号種別53は、応答信号50を示す識別情報であり、変形質問器が受信した信号の種類を識別するために使用される。以下では、信号種別53は「5」であるものとして説明する。変形質問器は、後述するように、この信号種別53に基づき、応答信号50を受信したことを判定し、情報端末100Aにログオフ要求信号を送信する。
【0107】
<動作>
<変形質問器>
まず、変形質問器の動作について説明する。
図9は、変形質問器の質問信号の送信処理と応答信号30及び50の受信した際の処理とを示すフローチャートである。
【0108】
なお、同図において、図4に示す質問器200Aの処理と同様の処理については、同じ符号を付している。
変形質問器の制御部は、送信間隔を短間隔(300ミリ秒)に設定し(ステップS40)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS2)、計時部205の送信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。
【0109】
変形質問器の制御部は、自器の質問器IDを含む応答信号(30又は50)を、応答信号受信部203を介して受信したか否かを受信した応答信号の信号種別に基づいて判定する(ステップS41)。
自器の質問器IDを含む応答信号(30又は50)を受信していない場合には(ステップS41:NO)、ステップS10の処理に進み、応答信号(30又は50)を受信した場合には(ステップS41:YES)、変形質問器の制御部は、その応答信号に含まれる応答器ID34と記憶部204に記憶されている変形応答器の応答器IDとが一致するか否かを判定する(ステップS42)。
【0110】
一致した場合には(ステップS42:YES)、変形質問器の制御部は、不受信回数(初期値は「0」)を「0」に初期化し、信号種別が「5」と一致するか否かを判定し(ステップS43)、一致する場合には(ステップS43:YES)、情報端末100Aにログオフ要求信号を送信し(ステップS16)、再びステップS40からの処理を行い、信号種別が「5」と一致しない場合には(ステップS43:NO)、情報端末100Aにログオン要求信号を送信する(ステップS5)。
【0111】
変形質問器の制御部は、送信間隔を中間隔(600ミリ秒)に設定(ステップS9)し、情報端末100AからUSBインタフェース201を介して操作信号を受信しているか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、操作信号を受信している場合には(ステップS10:YES)、変形質問器の制御部は、計時部205の操作信号用タイマの値を「0」に初期化して計時を開始し、送信間隔を長間隔(900ミリ秒)に設定(ステップS11)し、再びステップS2からの処理を行う。
【0112】
一方、操作信号を受信していない場合には(ステップS10:NO)、変形質問器の制御部は、操作信号用タイマの値が、有効期間P2より大きいか否かを判定する(ステップS13)。
操作信号用タイマの値が、有効期間P2以下である場合には(ステップS13:NO)、変形質問器の制御部は、再びステップS2からの処理を行い、操作信号用タイマの値が、有効期間P2より大きい場合には(ステップS13:YES)、変形質問器の制御部は、送信間隔を中間隔に設定し(ステップS14)、再びステップS2からの処理を行う。
【0113】
一方、ステップS42において、応答信号(30又は50)に含まれる応答器ID34と、記憶部204に記憶されている変形応答器の応答器IDとが一致しない場合には(ステップS42:NO)、質問器200Aと同様に処理するため、説明は省略する。
<変形応答器>
次に、変形応答器の動作について説明する。
【0114】
図10は、変形応答器の応答信号30及び50の送信処理を示すフローチャートである。
なお、同図において、図5に示す応答器300Aの処理と同様の処理については、同じ符号を付している。
変形応答器の制御部は、質問信号10を受信し(ステップS20)、計時部305の受信間隔タイマの値を「0」に設定し(ステップS50)、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている変形質問器の質問器IDとが一致するか否かを判定する(ステップS51)。
【0115】
一致した場合には(ステップS51:YES)、受信間隔タイマの値が「0」と一致するか否かを判定し(ステップS52)、「0」と一致した場合には(ステップS52:YES)、変形応答器の制御部は応答信号30を送信し(ステップS25)、受信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で計時を開始する(ステップS53)。なお、この計時の開始により、次にステップS52の処理を実行するときには、受信間隔タイマの値は「0」より大きくなっているものとする。
【0116】
ステップS53を処理し、又は、ステップS51において、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている変形質問器の質問器IDとが一致しない場合(ステップS51:NO)には、変形応答器の制御部は、質問信号受信部302を介して変形質問器から質問信号10を受信したか否かを判定し(ステップS54)、受信した場合には(ステップS54:YES)、再びステップS51からの処理を行い、受信していない場合には(ステップS54:NO)、応答器300Aと同様にステップS28の判定を行い、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3以下である場合には(ステップS28:NO)、再びステップS54から処理を行い、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3より大きい場合には(ステップS28:YES)、変形応答器の制御部は、応答信号送信部303を介して応答信号50を送信し、応答信号30及び50の送信処理を終了する。
【0117】
<具体例>
情報端末100A、変形質問器、変形応答器の動作を、具体例を用いて説明する。
図11は、情報端末100A、変形質問器、変形応答器における信号の送信タイミングを示す図である。
なお、同図におけるT31では、情報端末100Aはログオフ状態であり、T31〜T41まで応答器300Aを所持するユーザは、質問器200Aの認証エリアにおり、T37〜T40まで情報端末100Aの操作部101を介してユーザ操作が行われたものとして説明する。
【0118】
T31において、変形質問器の制御部は、送信間隔を短間隔に設定し(図9のステップS40)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS2)、計時部205の送信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。
T32において、変形応答器の制御部は、質問信号10を受信し(図10のステップS20)、計時部305の受信間隔タイマの値を「0」に設定し(ステップS50)、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている変形質問器の質問器IDとが一致し(ステップS51:YES)、受信間隔タイマの値が「0」と一致するので(ステップS52:YES)、変形応答器の制御部は応答信号30を送信し(ステップS25)、受信間隔タイマの値を「0」の初期化した上で、計時を開始する(ステップS53)。
【0119】
T33において、変形質問器の制御部は、応答信号受信部203を介して応答信号30を受信し(ステップS41:YES)、その応答信号30に含まれる応答器ID34と記憶部204に記憶されている変形応答器の応答器IDとが一致するので(ステップS42:YES)、変形質問器の制御部は、不受信回数を「0」に初期化し、信号種別が「5」と一致しないので(ステップS43:NO)、情報端末100Aにログオン要求信号60を送信し(ステップS5)、送信間隔を中間隔とする。
【0120】
T34において、図7に示すT4と同様に、情報端末100Aの制御部104は、ログオン要求信号60を受信して(図6のステップS30:YES)、ログオン処理を実行し(ステップS31)、この例ではユーザ操作はないので(ステップS32:NO)、制御部104は、操作信号70の送信は行なわず、ログオフ要求信号も受信しないので(ステップS33:NO)、ログオフ処理も実行しない。
【0121】
T35において、操作信号を受信せず(ステップS10:NO)、操作信号用タイマの値が、有効期間P2より小さいので(ステップS13:NO)、変形質問器の制御部は、設定されている送信間隔(中間隔)で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS2)、計時部205の送信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。
【0122】
T36において、変形応答器の制御部は、質問信号受信部302を介して変形質問器から質問信号10を受信し(ステップS54:YES)、受信した質問信号10に含まれる質問器ID14と記憶部304に記憶されている変形質問器の質問器IDとが一致し(ステップS51:YES)、受信間隔タイマの値が「0」と一致しないので(ステップS52:NO)、応答信号30を送信せずに、変形応答器の制御部は受信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始する(ステップS53)。
【0123】
T37において、この例では、ユーザ操作があるので(ステップS32:YES)、情報端末100Aの制御部104は、操作信号70を送信し(ステップS33)、ログオフ要求信号は受信しないので(ステップS33:NO)、ログオフ処理を実行しない。なお、T38、T40においても同様に処理する。
またT37において、変形質問器の制御部は、応答信号(30又は50)を受信せず(ステップS41:NO)、操作信号70を受信するので(ステップS10:YES)、送信間隔を長間隔とする(ステップS11)。T41においても同様に処理する。
【0124】
T39において、変形質問器の制御部は、設定された送信間隔(長間隔)で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信し(ステップS2)、計時部205の送信間隔タイマの値を「0」に初期化した上で、計時を開始する。T42、T44、T46おいても同様に処理する。
また、T43、T45のそれぞれにおいて、変形応答器の制御部は、質問信号10を受信せず(ステップS54:NO)、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3以下であるので(ステップS28:NO)、応答信号50を送信しない。
【0125】
また、T47において、変形応答器の制御部は、質問信号10を受信せず(ステップS54:NO)、受信間隔タイマの値が、不受信期間P3より大きいので(ステップS28:YES)、変形応答器の制御部は、応答信号50を送信し(ステップS54)、処理を終了する。
T48において、変形質問器の制御部は、応答信号50を受信し(ステップS41:YES)、その応答信号に含まれる応答器ID34と記憶部204に記憶されている変形応答器の応答器IDとが一致するので(ステップS42:YES)、不受信回数を「0」に初期化し、信号種別が「5」と一致するので(ステップS43:YES)、情報端末100Aにログオフ要求信号を送信する(ステップS16)。
【0126】
T49において、情報端末100Aの制御部104は、ユーザ操作はないので(ステップS32:NO)、操作信号70の送信は行なわず、ログオフ要求信号を受信するので(ステップS33:YES)、ログオフ処理を実行する(ステップS35)。これにより、操作部101におけるユーザ操作が無効となる。
また、変形質問器の制御部は、T31と同様に、送信間隔を短間隔に設定し(図9のステップS40)、設定した送信間隔で、質問信号送信部202を介して質問信号10を送信する(ステップS2)。
【0127】
このように、変形応答器は、最初に質問信号10を受信したとき(受信間隔タイマの値が「0」のとき)に応答信号30を送信し、最後に質問信号10を受信してから不受信期間P3を経過したときに応答信号50を送信する。つまり、情報端末100Aにログオンするときと、情報端末100Aからログオフするときにのみ応答信号を送信するので、質問信号を受信する毎に応答信号を送信する場合と比較し、変形応答器の内蔵電池301の消耗を大幅に軽減できる。
【0128】
<補足>
以上、本発明に係る認証システムを、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施の形態及び変形例で示したとおりの認証システムに限られないことは勿論である。
(1)実施の形態では、情報端末100Aのユーザは1人(応答器300Aを所持するユーザ)である場合を例に説明したが、複数人が共用することとしてもよい。その場合、認証システム1000Aにおける応答器の数も1台ではなく、ユーザの数と一致することとなるため、質問器200Aの記憶部204には、各応答器(情報端末100Aの各ユーザが所持する応答器)の応答器IDを予め記憶させておく必要があり、実際にログオンしているユーザがいずれの応答器IDと対応するユーザであるのかを管理する必要がある。
【0129】
変形例に係る認証システム(情報端末100A、変形質問器及び変形応答器からなる)についても同様の変形を行なってもよい。
(2)実施の形態では、図4に示すステップS6において条件を満たさない場合(ステップS6:NO)に、質問器200Aは、質問信号20を1回だけ送信するものとして説明したが、万一、応答器300Aがこの質問信号20を受信できない場合には、この質問信号20に含まれるtempIDを含めた応答信号40を送信できないので、情報端末100Aからログオフされることになってしまう(ステップS4:NO、S15:YES、S16)。
【0130】
これを避けるために、図4に示すステップS6において条件を満たさない場合(ステップS6:NO)に、以降連続して所定回質問信号20を送信するようにしてもよい。
また、他の方法として、質問器200Aが最初に質問信号20を送信したときには、応答器300Aから応答信号30を受信しても認証可能(図4のステップS4の条件を満たす)とし、また、質問器200が2回目以降に質問信号20を送信した場合(tempIDの更新があった場合)には、更新前のtempIDを含む応答信号40を受信しても認証可能としてもよい。この場合、質問器200Aは、更新前後のtempIDも対応づけて記憶しておく必要がある。
【0131】
(3)実施の形態では、質問器200Aは、ログオン要求信号を送信すると(情報端末100Aにログオンすると)、中間隔で質問信号を送信し、操作信号を受信すると、長間隔で質問信号を送信する、つまり、段階的に送信間隔が長くなるものとして説明したが、ログオン要求信号を送信しても質問信号の送信間隔を変更せず、操作信号を受信した場合のみに、短間隔よりも長い送信間隔(例えば600ミリ秒でもよい)にすることとしてもよい。変形質問器についても同様の変形を行なってもよい。
【0132】
(4)実施の形態では、tempIDは、応答器300Aの応答器IDのうちの1バイトのデータであるものとして説明したが、応答器IDを用いて生成するのではなく、単に1バイトの乱数データを生成するようにしてもよい。
(5)変形例に係る変形質問器は、実施の形態に係る質問器200Aと同様に、質問信号の送信間隔を変更するものとして説明したが、変更せずに一定間隔(例えば短間隔)で質問信号を送信するようにしてもよい。その場合、応答器300Aにおける不受信期間P3についても、この変更にあわせて変更する必要がある。
【0133】
(6)実施の形態1において、質問器200Aは、操作信号を受信した場合に、質問信号の送信間隔を長間隔にするものとして説明したが、操作信号を受信する毎に、一定期間(例えば、数秒程度)、質問信号の送信を停止するようにしてもよい。この場合、この質問信号の送信を停止する期間にあわせて、応答器300Aにおける不受信期間P3を変更する必要がある。これにより、応答器300Aは質問信号を受信しなくて済むため、内蔵電池301の消耗を軽減できる。変形質問器及び変形応答器についても同様の変形を行なってもよい。
【0134】
(7)本発明に係る認証システムを構成する質問器が備える質問信号送信手段は、質問器200A及び変形質問器が備える質問信号送信部202及び制御部に相当し、応答器情報記憶手段は、質問器200A及び変形質問器が備える記憶部204に相当し、第1認証手段、第2認証手段、及び操作信号受信手段それぞれは、質問器200A及び変形質問器が備えるUSBインタフェース201及び制御部に相当し、質問送信制御手段は、質問器200A及び変形質問器が備える制御部に相当する。
【0135】
また、本発明に係る認証システムを構成する応答器が備える応答信号送信手段は、応答器300A及び変形応答器の応答信号送信部303及び制御部に相当し、応答送信制御手段は、応答器300A及び変形応答器の制御部に相当し、質問器情報記憶手段は、応答器300A及び変形応答器の記憶部304に相当する。
また、本発明に係る認証システムを構成する情報端末が備える操作信号送信手段及び制御信号受信手段それぞれは、情報端末100AのUSBインタフェース103及び制御部104に相当し、状態制御手段は、情報端末100Aの制御部104に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】認証システム1000A及び1000Bのシステム構成図である。
【図2】情報端末100A、質問器200A、応答器300Aそれぞれの主要部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】質問信号10及び20、応答信号30及び40それぞれのデータ構成を示す図である。
【図4】質問器200Aの質問信号10及び20の送信処理と応答信号30及び40の受信した際の処理とを示すフローチャートである。
【図5】応答器300Aの応答信号30及び40の送信処理を示すフローチャートである。
【図6】情報端末100Aのログオン及びログオフの切替処理を示すフローチャートである。
【図7】情報端末100A、質問器200A、応答器300Aにおける信号の送信タイミングを示す図である。
【図8】応答信号50のデータ構成を示す図である。
【図9】変形質問器の質問信号の送信処理と応答信号30及び50の受信した際の処理とを示すフローチャートである。
【図10】変形応答器の応答信号30及び50の送信処理を示すフローチャートである。
【図11】情報端末100A、変形質問器、変形応答器における信号の送信タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0137】
100A、100B 情報端末
101 操作部
102 表示部
103、201 USBインタフェース
104、206、306 制御部
200A、200B 質問器
202 質問信号送信部
203 応答信号受信部
204、304 記憶部
205、305 計時部
300A,300B 応答器
301 内蔵電池
302 質問信号受信部
303 応答信号送信部
1000A,1000B 認証システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した信号に応じてログオン及びログオフを行う情報端末と、当該情報端末の近傍に設置され当該情報端末と接続しており、質問信号を送信し応答信号を受信する質問器と、質問信号を受信すると自機の識別情報を含む応答信号を内蔵電池からの電力供給を受けて送信する応答器とを含む認証システムであって、
前記質問器は、
質問信号を第1間隔で繰り返し送信する質問信号送信手段と、
前記情報端末へのログオンを許可すべきユーザが所持する応答器の識別情報を記憶する応答器情報記憶手段と、
応答信号を受信する毎に当該応答信号に含まれている応答器の識別情報と前記応答器情報記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するか否かを判定し、判定結果に基づく信号を前記情報端末に送信する第1認証手段と、
前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる質問送信制御手段とを備える
ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
前記情報端末は、
ログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされると、操作信号を前記質問器に送信する操作信号送信手段を備え、
前記質問器は、更に
前記情報端末から送信された操作信号を受信する操作信号受信手段を備え、
前記質問送信制御手段は、更に
前記操作信号受信手段が操作信号を受信後所定期間内においては、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を、第2間隔よりも長い第3間隔に変更させる
ことを特徴とする請求項1記載の認証システム。
【請求項3】
前記質問送信制御手段は、前記第1認証手段が一致しないとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を第1間隔に戻させる
ことを特徴とする請求項2記載の認証システム。
【請求項4】
前記第1認証手段は、
一致するとの判定を行った場合には、ログオンを要求するログオン要求信号を、前記判定結果に基づく信号として前記情報端末に送信し、
前記質問器は、更に
前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後に、前記質問信号送信手段が連続して送信した2以上の所定数の質問信号いずれに対する応答信号も受信していないか否かを判定し、肯定的な判定をした場合に、ログオフを要求するログオフ要求信号を前記情報端末に送信する第2認証手段を備え、
前記情報端末は、
前記質問器から送信されたログオン要求信号又はログオフ要求信号を受信する制御信号受信手段と、
前記制御信号受信手段がログオン要求信号を受信した場合において、ログオフ状態であるときにはログオンを行い、前記制御信号受信手段がログオフ要求信号を受信した場合において、ログオン状態であるときにはログオフを行う状態制御手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の認証システム。
【請求項5】
前記応答器情報記憶手段は、更に、
記憶されている応答器の識別情報と対応付けて、当該識別情報よりもデータサイズが小さい短縮情報を記憶しており、
前記質問信号送信手段は、
前記第1認証手段が一致するとの判定を行った直後に送信する質問信号に当該判定に用いた応答器の識別情報と対応付けて前記応答器情報記憶手段に記憶されている短縮情報を含ませて送信し、
前記応答器は、
自器の識別情報を含めた応答信号を送信する応答信号送信手段とを備え、更に
前記短縮情報を含む質問信号を受信すると、当該受信後は、自器の識別情報に代えて当該短縮情報を応答信号に含ませて前記応答信号送信手段に送信させる応答送信制御手段を備え、
前記第1認証手段は、
前記質問信号送信手段が短縮情報を含ませた質問信号を送信した後は、応答器の識別情報に代えて、応答信号に含まれている短縮情報と前記質問信号送信手段が質問信号に含めて送信した前記応答器情報記憶手段に記憶されている短縮情報とが一致するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項3記載の認証システム。
【請求項6】
前記情報端末は、
ログオン状態である場合において、ユーザによる操作がなされると、操作信号を送信する操作信号送信手段を備え、
前記質問器は、更に
情報端末から送信された操作信号を受信する操作信号受信手段を備え、
前記質問送信制御手段は、更に
前記操作信号受信手段が操作信号を受信後所定期間内においては、前記質問信号送信手段による質問信号の送信を停止させる
ことを特徴とする請求項1記載の認証システム。
【請求項7】
前記質問信号送信手段は、LF帯にて質問信号を送信するものであり、
前記応答器は、
自器の識別情報を含めた応答信号をLF帯より高い周波数にて送信する応答信号送信手段を備え、更に
前回質問信号を受信してから所定の時間以内に次の質問信号を受信した場合には、前記応答信号送信手段による応答信号の送信を停止させ、自器を所持するユーザが移動することにより、前回質問信号を受信してから2以上の所定数の質問信号を受信しているはずの時間を経過しても次の質問信号を受信しないときには、前記情報端末からのログオフを指示する指示情報を応答信号に含ませて前記応答信号送信手段に送信させる応答送信制御手段を備え、
前記第1認証手段は、
一致するとの判定を行った場合において、判定に係る応答信号に前記指示情報が含まれていないときには、ログオンを要求するログオン要求信号を、判定に係る応答信号に前記指示情報が含まれていたときには、ログオフを要求するログオフ要求信号を、それぞれ前記判定結果に基づく信号として前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、
前記質問器から送信されたログオン要求信号又はログオフ要求信号を受信する制御信号受信手段と、
前記制御信号受信手段がログオン要求信号を受信した場合において、ログオフ状態であるときにはログオンを行い、前記制御信号受信手段がログオフ要求信号を受信した場合において、ログオン状態であるときにはログオフを行う状態制御手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の認証システム。
【請求項8】
前記情報端末及び前記質問器はそれぞれ複数あり、
各質問器の質問信号送信手段は、
自器の識別情報を前記質問信号に含ませて送信し、
前記応答器は、
自器の識別情報を含めた応答信号を送信する応答信号送信手段を備え、更に
複数の情報端末のうち、自器のユーザがログオンを許可されている情報端末と接続されている質問器の識別情報を記憶する質問器情報記憶手段と、
受信した質問信号に含まれる質問器の識別情報が、前記質問器情報記憶手段に記憶されている質問器の識別情報と一致しない場合は、前記応答信号送信手段による応答信号の送信を停止させる応答送信制御手段とを備える
ことを特徴する請求項1記載の認証システム。
【請求項9】
受信した信号に応じてログオン及びログオフを行う情報端末の近傍に設置され、当該情報端末と接続しており、質問信号を送信すると共に、当該質問信号を受信し内蔵電池からの電力供給を受けて応答器が送信した当該応答器の識別情報を含む応答信号を受信する質問器であって、
質問信号を第1間隔で繰り返し送信する質問信号送信手段と、
前記情報端末へのログオンを許可すべきユーザが所持する応答器の識別情報を記憶する応答器情報記憶手段と、
応答信号を受信する毎に当該応答信号に含まれている応答器の識別情報と前記応答器情報記憶手段に記憶されている識別情報とが一致するか否かを判定し、繰り返し判定した結果に基づく信号を前記情報端末に送信する第1認証手段と、
前記第1認証手段が一致するとの判定を行った後は、前記質問信号送信手段による質問信号の送信間隔を、第1間隔よりも長い第2間隔に変更させる質問送信制御手段とを備える
ことを特徴とする質問器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−128538(P2010−128538A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−299332(P2008−299332)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】