説明

誘導加熱調理器

【課題】誘導加熱と抵抗加熱とを行うことができる誘導加熱調理器において、抵抗加熱のための発熱体とその基板との線膨張率の差をできるだけ小さくして、発熱体にクラックが生じたり、剥がれを生じたりすることを極力防止する。
【解決手段】結晶化ガラス製のトッププレート3の下面に、抵抗を有する導体材料と、該導体材料よりも線膨張率の小さいフィラーとの混合材料からなる発熱体13を焼成した。導体材料は、一般的に線膨張率が大きい。この線膨張率の大なる導体材料に、線膨張率の低いフィラーを混合すると、この混合材料からなる発熱体3の線膨張率は低くなり、導体材料単独の場合よりも、トッププレート3の線膨張率に近づけることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱手段として、誘導加熱コイルの他に、通電されると発熱する発熱体を備えた誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理器では、アルミや銅などの低透磁率の材料で構成される被加熱調理器具をいかにして加熱するかが課題となっていた。この解決手段として、特許文献1には、誘導加熱コイルによる誘導加熱と、通電されると発熱する発熱体による抵抗加熱とを併用することにより、被加熱調理器具の材質を問わず加熱できるようにすることが提案されている。そして、特許文献2には、この発熱体を、ガラス基板にペースト状の抵抗体を印刷し焼成することによって製造する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第1783680号明細書
【特許文献2】特開昭62−31983号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発熱体は、その発熱に伴う温度上昇によって膨張する。このとき、特許文献2に示されているようなガラス基板に発熱体を焼成する構成のものでは、発熱体とガラス基板との間に線膨張率に大きな差があると、発熱体に熱応力が生じ、クラックや剥がれを生ずる恐れがある。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、誘導加熱と抵抗加熱とを行うことができる誘導加熱調理器において、抵抗加熱のための発熱体と当該発熱体を設ける基板との線膨張率の差をできるだけ小さくして、発熱体にクラックが生じたり、剥がれを生じたりすることを極力防止することができる誘導加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、無機質材料からなる基板に形成される発熱体を、基板よりも線膨張率が大きく且つ抵抗を有する導体材料と、該導体材料よりも線膨張率の小さいフィラーとの混合材料から形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
導体材料は、一般的に線膨張率が大きい。この線膨張率の大なる導体材料に、線膨張率の低いフィラーを混合すると、この混合物からなる導体材料の線膨張率は小さくなり、導体材料単独の場合に比べ、基板の線膨張率との差が小さくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施形態により具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1〜図5は第1の実施形態を示す。図1は、システムキッチンに組み込まれた誘導加熱調理器を示す。この図1に示されているように、調理器本体1は、本体ケース2と、この本体ケース2の上方に配置されたトッププレート3を備えており、このトッププレート3が調理器本体1の上面を構成している。
【0008】
上記トッププレート3は、例えば2箇所に載置部4,4を有しており、これら載置部4,4に被加熱調理器具を載置するようになっている。本体ケース2上には、トッププレート3の各載置部4,4の下方に位置して支持台5,5が設けられており、この支持台5,5上にコイルベース6,6が取り付けられている。そして、これらコイルベース6,6上には、載置部4,4上に載置された鍋などの被加熱調理器具7(図2参照)を誘導加熱するため誘導加熱コイル8,8が配設されている。なお、コイルベース6,6の下面側には、図2にも示すように、誘導加熱コイル8,8の磁路を形成するためのフェライト9,9が取り付けられている。
【0009】
一方、本体ケース2の前面には、操作パネル10と、オーブン室(図示せず)の前面を開閉するオーブン扉11が設けられており、そのうちの操作パネル10によって、加熱調理に関する各種の操作を行うことができるようになっている。そして、トッププレート3の下面中、特に前記載置部4,5の中心部の直下位置には、サーミスタなどで構成される温度センサ12,12が設けられている。
【0010】
さて、トッププレート3は、無機質材料、例えば結晶化ガラスによって形成されている。そして、本実施形態では、このトッププレート3の下面側で載置部4,4に対応する部位に発熱体13,13が設けられている。これら発熱体13,13は、トッププレート3を基板として当該トッププレート3に直接焼成して形成されたもので、通電されるとジュール熱を発生して被加熱調理器具7を抵抗加熱(ヒータ加熱)する。
【0011】
ここで発熱体13の形成方法を説明する。まず、発熱体13を構成する材料は、抵抗を有する導体材料と、この導体材料よりも線膨張率の小さいフィラーとの混合材料からなる。基板としてのトッププレート3の線膨張率は、−4〜−7×10−7/℃で、導体材料は線膨張率がトッププレート3よりも大きい。更に、導体材料は、線膨張率がトッププレートよりも大きく、且つフィラーよりも大きい材料であれば良い。また、抵抗を有する導体材料としては、誘電加熱コイル8による誘導加熱時に高周波磁界によって起電力を生じないようにするために、非磁性材料であることが好ましく、例えば酸化ルテニウム(70〜90)を用いた。
【0012】
フィラーとしては、β‐ユークリプタイト(−40)、乾式シリカ(5)、チタン酸アルミニウム(14)、β‐スポジュメン(19)、コージェライト(25)、セルシアン(34)、ジルコン(41)、リン酸ジルコニル(8〜13)、リン酸タングステン酸ジルコニウム(−26)などが使用される。なお、()内の数値は、通常の使用温度における線膨張率(単位;10−7/℃)である。
【0013】
本実施形態では、発熱体13の線膨張率をできるだけ結晶化ガラスの線膨張率に近づけるため、および誘導加熱コイルによる高周波磁界によってき発熱体13が起電力を生じないようにするために、フィラーには、マイナスの線膨張率を有するβ‐ユークリプタイト、リン酸タングステン酸ジルコニウムを用いた。これにより、導体材料である酸化ルテニウムの線膨張率が70〜90×10−7/℃であっても、フィラーを混合することにより、発熱体13の線膨張率をトッププレート3のそれに極力近づけることができる。このうち、非磁性体のフィラーを用いることが好ましい。
【0014】
発熱体13をトッププレート3の下面に形成するには、まず、導体材料である酸化ルテニウム粉末と、フィラーであるβ‐ユークリプタイト粉末および/またはリン酸タングステン酸ジルコニウム粉末とを混合し、この混合粉末にガラスフリット、有機溶剤などを添加して均質に混合しペースト状に調製する。そして、このペースト状混合材料をスクリーン印刷によってトッププレート3の下面の2箇所に塗布し、焼成する。これにより、発熱体13,13がトッププレート3の下面に一体化された状態に形成される。
【0015】
この実施形態での発熱体13は、図3に示すように、反時計回りに円弧を描くと、その円弧端で折り返されて今度は時計回りに円弧を描き、再びその円弧端で折り返されてまた反時計回りに円弧を描く、という手順を数回繰り返すことによって同心円状をなすように形成されている。そして、この発熱体13は、両端間に電圧を印加されるとジュール熱を発生して被加熱調理器具7を抵抗加熱する。なお、発熱体13の両端には、図示しないリード線を接続するために、タングステン、銅、非磁性ステンレスなどの非磁性材料によってランド(図示せず)が形成されている。
【0016】
ここで、図5には、被加熱調理器具7である鍋を誘導加熱する際に、被加熱調理器具7の底部Pに誘導電流ieが流れる状態を平面的に示す。誘導電流ieは、誘導加熱コイル8が発生する磁束密度の高いところに多く流れるので、誘導加熱コイル8のコイル束の中央部辺り(内径と外形との中間部分)に集中して流れる。そして、斯様な誘導電流は非磁性体で構成される発熱体13にも僅かに流れようとするが、折り返し形状をなすことで隣接する導体の間では互いに逆方向に流れようとするので誘起される電圧の方向も逆向きとなる。従って、発熱体13は誘導加熱されにくくなる。
【0017】
図4は、制御系の構成を示す機能ブロック図である。火力制御装置(加熱制御手段,材質判定手段,反発移動状態検出手段)14は、前記本体ケース2の内部に設けられており、マイクロコンピュータによって構成されている。火力制御装置14には、操作パネル10に配置されている操作部(操作手段)15から操作信号が入力されると共に、温度センサ12から温度検知信号が入力されている。そして、火力制御装置14は、これらの入力並びに予め記憶された制御プログラムに基づいて、操作パネル10に配置されている表示部16の作動を制御すると共にインバータ(高周波電流供給手段)17を制御し、誘導加熱コイル8にインバータ17を介して高周波電流を供給して制御する。
【0018】
また、誘導加熱コイル8には共振コンデンサ18が直列に接続されている。これらのコイル8またはコンデンサ18は、後述するように被加熱調理器具7の材質に応じて出力調整を行なうため、コイル8の高周波電流供給巻数が可変となるように(例えば、多段コイル構成)、又はコンデンサ18の容量が可変となるように構成することが好ましい。
【0019】
インバータ17には、商用交流電源19を整流回路20を介して直流に変換したものが駆動用電源として供給されている。また、商用交流電源19は、発熱体通電制御部(通電手段)21にも供給されている。この発熱体通電制御部21は、図示しないリード線を解して発熱体13の両端部に接続されて当該発熱体13に交流電源を通電するもので、その通電量は、発熱体通電制御部21を介し火力制御装置14によって制御されるようになっている。
【0020】
また、整流回路20の入力側と、インバータ17の出力側とには、夫々電流トランス22,23が配置されており、それらの検知信号は火力制御装置14に与えられる。そして、火力制御装置14は、加熱調理器への入力電流とインバータ17の出力電流(コイル電流)とを検出するようになっている。なお、以上において、誘導加熱コイル8,8インバータ17,発熱体13,13、発熱体通電制御部21は、加熱手段24を構成している。
【0021】
火力制御装置14における材質判定手段としては、被加熱調理器具7が高抵抗金属材料か否かを判定するもので、詳細は省略するが例えば一定の高周波電流を誘導加熱コイル8に供給して入力電流とインバータ17の出力電流であるコイル電流との関係に基づいて判定を行う。例えば、鉄などの磁性体の場合、誘導加熱コイル8が発生した磁束は被加熱調理器具7を介して流れ易くなり、表皮効果(被加熱調理器具7の底の誘導加熱コイル8側に渦電流が集中する効果)も大きいので誘導加熱コイル8の等価抵抗も大きくなる。
【0022】
一方、アルミや銅のように非磁性で抵抗が小さい材料の場合、誘導加熱コイル8が発生した磁束は被加熱調理器具7に届き難くなり、漏れ磁束が多くなる。そして、比抵抗が小さく表皮効果も小さいので等価抵抗も小さくなる。この結果、入力電流と出力電流との大小の変化に基づき、材質を判定するとともに、予め設定された入力電力設定値に基づき誘導加熱コイル8による誘導加熱及び発熱体13による抵抗加熱(ヒータ加熱)を実行可能な構成となっている。
【0023】
次に、上記構成の誘導加熱調理器の作用について説明する。
被調理物を収容した被加熱調理器具7をトッププレート3の例えば載置部4に載置し、操作部15から必要な入力操作が行われることで加熱調理が開始される。このとき、火力制御装置14が有する材質判定手段に基づき、被加熱調理器具7の材質が高抵抗金属材料であると判断された場合、誘導加熱コイル8による加熱調理が行われる。
【0024】
一方、被加熱調理器具7の材質が高抵抗金属材料でない場合、火力制御装置14は、材質がアルミや銅或いは非磁性SUSのような低抵抗の非磁性金属材料か、或いは土鍋のような非金属材料(若しくは無負荷)かを判断する。そして、低抵抗金属材料であれば、火力制御装置14は、被加熱調理器具7の底がトッププレート3より反発移動する「鍋浮き」現象を生じないように、予め設定された火力調整に基づく誘導加熱調理が実行される。
【0025】
上記火力調整した加熱電力が通常の入力電力設定値より小さくなった場合には、火力制御装置14は、その差の電力分が発熱体13に供給されるように発熱体通電制御部21を制御する。つまり、発熱体通電制御部21が、発熱体13に商用交流電源19から電力を供給して、発熱体13を発熱させる。この発熱体13で発生したジュール熱は、トッププレート3を介して被加熱調理器具7に伝えられ、被加熱調理器具7を加熱する。
【0026】
さらに、材質が非金属材料か或いは無負荷の場合は、誘導加熱コイル8による誘導加熱は行なわず、非金属材料である場合には、通常の入力電力設定値に等しい電力を発熱体通電制御部21に供給して発熱体13のみによる加熱を行なう。
【0027】
この場合、非金属材料か無負荷かの判別が必要となる。そこで、温度センサ12によって、発熱体13の加熱開始からの温度上昇度合いを検出し、例えば緩やかな温度上昇であれば土鍋などが設置されていると判別するが、比較的急激な温度上昇であれば無負荷であると判別し、発熱体13への通電を停止する。このように、被加熱調理器具7の材質に応じて誘導加熱コイル8、或いは発熱体13による加熱調理、更には両者による加熱調理が実行される。
【0028】
以上のような本実施形態によれば、発熱体13を、導電材料にこれよりも線膨張率の小さいフィラーを添加してなる混合材料により形成したので、フィラーの添加によって発熱体13全体としての線膨張率を、導電材料単体で構成した場合に比べ、小さくすることができ、トッププレート3の線膨張率に近づけることができる。このため、発熱体13の発熱時に、トッププレート3との膨張量の相違により発熱体13に熱応力が生じても、その熱応力を極力小さなものにすることができ、発熱体13がクラックが生じたり、剥がれたりすることを極力防止することができる。
また、発熱体13を、隣接して流れる電流の方向が互いに逆となる部分を有する形状としたので、発熱体13が誘導加熱されにくくなる。
【0029】
(第2実施例)
図6は本発明の第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。この第2の実施形態は、発熱体13に代わる発熱体25の形状が第1の実施形態とは異なっており、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0030】
図6に示すように、発熱体25は、同一形状の分割発熱体26,27を、配線28によって接続することで構成されている。これにより、発熱体25は、誘導加熱コイル3の円周方向に対して複数、例えば2分割されて配置された形態となる。これら各分割発熱体26,27は、直線状の導体を内周側と外周側とで折り返しながら径方向に往復させた形状をなしている。そして、分割発熱体26,27の始端26S,27Sと、終端26E,27Eとは夫々隣り合うように配置され、分割発熱体26の終端26Eは、分割発熱体27の始端27Sと配線28によって接続され、分割発熱体26の始端26Sおよび分割発熱体27の終端27Eは、図示しないリード線によって発熱体通電制御部21に接続されている。
【0031】
以上のように発熱体25を構成することで、分割発熱体26,27の径方向に往復する部分は、誘導加熱コイル8を構成する導体と直交するような位置関係となるので、コイル8が発生した磁束が分割発熱体26,27に鎖交しにくくなって誘導電流が発生しにくくなる。また、分割発熱体26,27の外周および内周部分には誘導電流が発生するが、夫々の誘導電流は、分割発熱体26,27において互いに逆方向に流れることになるので、誘起電圧の発生をキャンセルすることができる。
【0032】
(第3の実施形態)
図7は本発明の第3の実施形態を示す。この実施形態が上記第1の実施形態と異なるところは、発熱体29をトッププレート13の下面にではなく、基板としての円形の平板30に形成したところにある。
【0033】
平板30としては、無機質材料、例えば窒化アルミや窒化ケイ素からなる薄いセラミックス板が用いられている。この平板30に発熱体29を形成するには、焼成前の平板30の片面、例えば下面にペースト状にした導電材料とフィラーとの混合材料をスクリーン印刷によって所定形状に塗布し、その後、平板30を焼成することにより、平板30を硬化させると共に、発熱体29を平板30に一体化させる。
【0034】
発熱体29を固着した平板30は、断熱材31を介して支持体としての例えばプラスチック製の非磁性の支持盤32上に載置されている。そして、誘導加熱コイル8を配設したコイルベース6を弾性部材としての圧縮コイルばね33により支持し、前記支持盤32をこのコイルベース6上に取り付けることによって平板30が圧縮コイルばね33の弾発力によってトッププレート3の下面に押し付けられるようにしている。
【0035】
このように構成しても、窒化アルミの線膨張率が44〜50×10−7/℃、窒化ケイ素の線膨張率が約35×10−7/℃で、導電材料である酸化ルテニウムの線膨張率に比べて小さくても、この導電材料にこれよりも線膨張率の低いβ‐ユークリプタイトやリン酸タングステン酸ジルコニウムが混入されることによって発熱体29の線膨張率を平板30に近づけることができる。
【0036】
(その他の実施形態)
本発明は上記し図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
発熱体の形状は上記実施例にて開示したものに限ることなく、個別の設計に応じて適宜変更して実施すれば良い。
被加熱調理器具の材質は、加熱調理器側が自動的に判定するものに限らず、例えば、ユーザが材質を入力して設定するものであっても良い。
線膨張率において、トッププレート3と発熱体13の中間の値を持つ中間基板の下面に発熱体13を焼成し、この中間基板をトッププレート3の下面に接着する構成としても良い。
【0037】
第2の実施形態において、発熱体26,27の内周部分を埋めるように、相似形の発熱体を同心円状に配置しても良い。このように構成すれば、発熱体の輻射熱による加熱密度を高め、より面に近い状態で被加熱調理器具の加熱を行なうことで効率を向上させることができる。
また、第2の実施形態において、発熱体25は、誘導加熱コイル3の円周方向に対して、3分割或いはそれ以上に分割されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す誘導加熱調理器の縦断正面図
【図2】図1における一方の載置部側の拡大図
【図3】発熱体の形状を示す平面図
【図4】制御系の構成を示す機能ブロック図
【図5】鍋を誘導加熱する際に、鍋底部に誘導電流ieが流れる状態を平面的に示す図
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図3相当図
【図7】本発明の第3の実施形態を示す図2相当図
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は調理器本体、3はトッププレート(基板)、7は被加熱調理器具、8は誘導加熱コイル、13は発熱体、17はインバータ、21は発熱体通電制御部、25,29は発熱体、30は平板(基板)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器本体の上面を構成し、被加熱調理器具を載置可能とした無機質材料からなるトッププレートと、
このトッププレートの下方に配置され、高周波電流の供給により前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を誘導加熱する誘導加熱コイルと、
前記トッププレート、または、前記トッププレートと前記誘導加熱コイルとの間に設けられる無機質材料からなる平板を基板として当該基板に形成され、通電されると発熱して前記トッププレート上に載置された被加熱調理器具を加熱する発熱体と、
を具備し、前記発熱体は、前記基板よりも線膨張率が大きく且つ抵抗を有する導体材料と、該導体材料よりも線膨張率の小さいフィラーとの混合材料から形成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
フィラーは、線膨張率が負であることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
導体材料は、非磁性体であることを特徴とする請求項1または2記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
フィラーは、非磁性体であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
発熱体は、隣接して流れる電流の方向が互いに逆となる部分を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
発熱体は、その一部が誘導加熱コイルを構成する導体と直交するように配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項7】
発熱体は、誘導加熱コイルの円周方向に対して複数分割されて配置されると共に、隣り合う部分の通電方向が互いに逆となるように接続されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−311058(P2008−311058A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157491(P2007−157491)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】