説明

誘導案内システム及びそのシステムに用いる誘導案内装置

【課題】本発明は駅及び鉄道の交通機関において、その利用者が簡易に使用することができ、必要な最新情報を供給することかでき、且つ的確な誘導案内をすることができる誘導案内システム及びそのシステムに用いる誘導案内装置を提供することを課題とする。
【解決手段】鉄道、地下鉄、バス等の交通機関を利用する者を、駅の発券装置又は案内板等で目的地/目的物件を誘導案内する誘導案内システムにおいて、誘導案内する際に、利用者の発声する目的地/目的物件等の音声を取り込んで音声の目的地/目的物件等を正確に認識し、蓄積された情報より目的地/目的物件迄の交通機関及び各種情報を検索した後、探索された情報を音声に合成して利用者に報知することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通機関における音声による位置情報と外部案内情報等を取得可能な誘導案内システム及びそのシステムに用いる誘導案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現状、鉄道の駅を利用する場合は、各駅での駅員の削減、スムーズな各処理等のために、利用者は大半を自動化された各種機器を利用することとなる。例えば、利用者の駅構内への入・退場に際し、券媒体(定期券、乗車券)に記憶されている磁気情報を自動的に読み取る自動改札・清算機が使用され、また券媒体の購入に際し該券媒体を自動的に発券する発券装置が使用されている。
【0003】
そして、鉄道を利用して目的地に行く場合においては、目的地の最寄り駅まで行った後、駅構内にある案内板を利用して目的地までの交通の便等を確認する方法がとられていた。
【0004】
そして、これら自動改札・清算機、発券装置及び案内板には、音声装置が装備されている場合が多く、利用者は音声に従って各装置を容易に利用することができる。自動改札・清算機等に装備されている音声装置は、利用者の利用に応じて音声装置が一方的に音声を発する装置であります。例えば清算機の場合は、「不足料金は○○です」「只今、発券中です」「券を忘れないように」等のであり、発券装置の場合は、「行き先の駅を押して下さい」「料金は○○です」「只今、発券中です」「おつりを忘れないように」等の利用者の一定の手続きに対して、一方的で且つ定型の音声が装置から発声される方法であります。
【0005】
また、案内板の場合は所望のボタン等のスイッチをONにすることにより、例えば、「○○行きのバスに乗車し、○○で下車してください。」等の一方的で且つ定型の音声が装置から発声されていた。
【0006】
このため、従来の音声装置は利用者にとって必ずしも最適に利用できるものでなかった。特に、利用者にとって最もニーズの高い電車の運賃、利用駅から目的駅までの乗換、目的地の最寄り駅はどこなのか、又はどの電車を利用した方が便利なのか等に関して利用できるものでなかった。
【0007】
現状において提案されている案内情報を得る装置としては、利用者が案内映像を写し出すタッチパネル付表示部の案内に沿って画面をタッチすることで画面が切り替わり、現在地と目的地とが示され、また画面をタッチすることで各線のりばが表示され、該各線のりばを選択すると各線の電車が現れるように表示され、また、必要に応じて音声での答えを要求することも可能な装置であります(特許文献1参照)。
【0008】
また、任意の情報を伝達することができる音声装置としては、視覚障害者用誘導案内システムが提案されている。この装置は、携帯送受信機を視覚障害者に携帯させ、第1のエリアから目的とする第2のエリアへ至るまでの誘導情報を音声で案内することにより、目的地への誘導の労を回避することを目的とした装置であります。
【0009】
また駅等の公共施設を利用する場合、視覚障害者にとって、携帯送信装置を携帯しているだけで、トイレ等の諸設備の近傍に設置した音声誘導案内装置に対し所定の距離範囲内に近付いた時点で、その設備についての音声による誘導案内情報が自動的に得られるよう構成されている装置であります。
【特許文献1】特開平11−237855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記した従来の先行技術では、タッチパネルでの情報の提供であるためにパソコン等に馴染みのないお年寄り等の利用者にとっては容易に利用できなく、また、一番音声情報を必要とする視覚障害者にとっては最も利用し難い装置であった。
【0011】
また、特に駅及び鉄道の交通機関においては、駅名を通称名、略称名で入力したりすると、正確な情報を得ることができず、又特に利用価値の高い料金改定や路線変更等の情報の提供においては、上記装置では技術的に満足のいくものではなかった。
【0012】
また、目的地が駅以外の場合に、例えば特徴のある地名、物件名の場合においては、十分な情報提供が得られないという欠点があった。
【0013】
さらに、大きな問題点は、利用者ニーズに対応した細かな情報をタイムラグなく提供することができない点であります。
【0014】
そこで、本発明はこのような状況に鑑みて開発され、駅及び鉄道の交通機関において、その利用者が簡易に使用することができ、必要な最新情報を供給することができ、且つ的確な誘導案内をすることができる誘導案内システム及びそのシステムに用いる誘導案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、鉄道、地下鉄、バス等の交通機関を利用する者を、駅の発券装置又は案内板等で目的地/目的物件を誘導案内する誘導案内システムにおいて、誘導案内する際に、利用者の発声する目的地/目的物件等の音声を取り込んで音声の目的地/目的物件等を正確に認識し、蓄積された情報より目的地/目的物件迄の交通機関及び各種情報を検索した後、探索された情報を音声に合成して利用者に報知することを特徴とする。
【0016】
音声に合成して報知する際、報知する情報を図及び文字等の種々の表示体にて表示する。
【0017】
また装置としては、鉄道、地下鉄、バス等の交通機関を利用する者を、駅構内の発券装置又は案内板等を利用して目的地/目的物件を誘導案内する誘導案内装置において、誘導案内装置には、利用者の音声を取り込んで認識する認識手段と、該認識された音声に基づいて蓄積情報より目的地を探索及び目的地迄の各種情報を検索する検索手段とからなるナビゲーション機能を有する処理機と、該処理機で探索された目的地等の情報を音声に合成して報知する報知機とを具備することを特徴とする。
【0018】
報知機には、報知する情報を図及び文字にて表示するための表示装置が設けられている。
【作用及び効果】
【0019】
本発明は、例えば発券装置に本発明の誘導案内装置を設けた場合の誘導案内について説明する。
利用者が鉄道の駅の発券装置で券媒体を購入する際、利用者は、先ず目的地の駅名を音声で発生すると、該音声(目的駅)がマイクより取り込まれて音声(目的駅)を認識手段を介して正確に認識し、認識された音声に基づいて装置に予め又は逐次蓄積された情報より検索手段を介して認識された音声(目的駅)に該当する情報(目的地までの路線、乗換、金額等)を検索した後、検索された情報を報知機を介して音声に合成して利用者に報知する。この報知される情報は、利用者個々が必要とする情報であり、非常に便利に利用することができる。即ち、利用者は情報の金額を発券装置に投入して券媒体を購入することができる他、目的駅までの路線、及び最適な電車(例えば、特急、急行等)の選択、乗換がある場合はその駅の情報を容易に入手することができる。
【0020】
また、報知機を介して音声に合成して該当情報を報知する際、同時に同情報を表示装置を介して図及び文字等の種々の表示体にてパネル画面に表示することにより、利用者は耳で確認する以外に、目でも確認することができのでより確実にその情報を理解できる。
【0021】
このため、初めて訪問した土地、普段使用したことがない路線、東京駅などの大型駅構内での乗換又は地下鉄等への乗換の場合ても利用者は容易に乗換等が可能であり、安心して種々の電車等を利用することができる。
【0022】
次に、駅構内等の案内板に誘導案内装置を取り付ける場合の誘導案内システムについて説明する。
先ず、利用者は目的物件名を音声で発生すると、上記と同様に該音声(目的物件)がマイクより取り込まれて認識手段を介して正確に認識し、逐次蓄積された情報より該当する情報(目的地までの交通手段、乗換、目的地からの距離、金額等)を検索し音声に合成して利用者に報知することで、利用者は複数の交通機関を利用しての目的地までの情報、及び目的地の種々の情報等を容易に入手することが可能となる。
【0023】
このように、利用者は必要とする種々の情報を容易に、且つ確実に入手することができる。
【0024】
また、装置も大型の装置を設置することなく、従来の発券装置、又は案内板に取り付けて使用することができるので、その利用価値も格段に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例を示す誘導案内装置の概略説明図であり、図2は本発明の誘導案内システムを示す全体模試図である。
【0026】
誘導案内装置1は、表示装置としての液晶表示パネル2と、該液晶表示パネル2の近傍に埋設して設けられた利用者の音声を取り込むためのマイク3と、誘導案内装置1内に設けられ前記マイク3により取り込まれた音声を正しい情報として認識する音声認識機能4と、各種(駅名、利用料金、乗換手段、乗車時間、利用電車の種類、のりば等)の情報の蓄積された蓄積情報機能5(情報は例えばICメモリー等)と、前記音声認識機能4で認識された音声に基づいて蓄積情報機能5より目的地を探索及び目的地迄の各種情報を検索する検索機能6とから構成されたナビゲーション機能を有する処理機7と、該処理機7で探索された目的地等の情報を音声に合成して報知する報知機能8とから構成されている。
【0027】
前記音声認識機能4は予め利用する略称名、通称名を入力し蓄積しておくことで、一般に略称名で発音される駅名、通称名で発音される駅名を正確な駅名に認識することができ、これにより利用者かより容易に利用することができる。
【0028】
前記報知機能8には合成された音声を発するスピーカー9が設けられている。このスピーカー9は、設置場所、設置状況等に応じて利用者が聞き取りやすいように複数設けることも可能である。
【0029】
前記誘導案内装置1は、データ入出力端子にインターネット端末を接続することで、蓄積情報機能5へ料金改正、ダイヤ改正、路線改正等のデータの改正、路線事故や車両事故、天災による不通告知、代替えバス告知、路線振り替え運行告知等を短時間で行うことが可能となる。
【0030】
本発明の誘導案内装置1は上記のような構成よりなり、次に該誘導案内装置1を鉄道の駅に使用した場合の誘導案内システムについて説明する。
【0031】
予め、駅の発券装置の近傍に又は発券装置に組み込む形で誘導案内装置1を設置する。この際、利用駅に応じた情報か蓄積情報機能5に入力されている。
【0032】
上記状態で、駅の利用者が発券装置の前に行くとマイク3が自動的に作動し、利用者の発声する駅名、沿線の目的地、又は住所を取り込む。この際、音声は駅名の通称名、一般に利用されている略称で発してもよい。尚、利用者の発声を取り込む際は、マイク3が自動的に作動する場合に限定されるものでなく、例えばセンサーで利用者を認知することでマイク3が作動するようにしてもよく、また利用者の少ない駅等では利用者が直接スイッチをオンすることでマイク3が作動するように構成してもよい。要は、それぞれの駅に最適な方法を利用すればよい。
【0033】
次に、取り込まれた音声は、音声認識機能4で音声を正しく認識した後、前記音声認識機能4で認識された音声を蓄積情報機能5より目的地を探索及び目的地迄の各種情報を検索機能6を介して検索する。
【0034】
そして、前記検索された各種情報を音声に合成した後、報知機能8のスピーカー9を介して報知することで、利用者は容易に目的の駅までの行き方(路線、乗換、電車の種類)、運賃、目的地の最新の情報等を容易に理解でき、利用することができる。尚、駅名の代わりに沿線の目的地を音声で発した場合は、その目的地の最寄りの駅等の情報を得ることとなる。
【0035】
もし、路線事故や車両事故、天災による不通の場合が発生すると、データ入出力端子にインターネット端末を接続して蓄積情報機能5へ路線事故や車両事故の情報(例えば、発生場所、路線名等)、天災による不通情報(例えば、不通区間等)、代替えバス情報、路線振り替え運行情報等を短時間で入力することができる。また、料金改正、ダイヤ改正、路線改正等のデータの改正等の場合も同様にしてデータ入出力端子にインターネット端末を接続して蓄積情報機能5へ入力することができる。従って、利用者は、常に最新の情報を入手することができる。
【0036】
又、上記実施例では、全てを音声を取り込むことで対応したが、例えば駅の利用者が音声を利用するのが不都合の場合(発声するのがにがてな人、又は人の密集でマイク3が音声を確実に取り込めない)は、液晶表示パネル2の案内に沿って、タッチパネル方式で画面をタッチ又は簡易なキー入力することにより、音声の代わりに必要な情報を取り込むことも可能である。また、検索された各種情報を報知する際、音声とともに液晶表示パネル2に文字、図形、施設の選択等ので表示、又は液晶表示パネル2に文字、図形等ので表示することのみで、明確に利用者に伝達することが可能となる。
【0037】
更に、上記実施例の検索された各種情報を音声により報知する際、同時に各路線の表示された案内板の目的駅がランプ点灯、又は目的駅までの路線がランプ点灯することで表示することもできる。
【0038】
又、上記実施例の誘導案内装置1の前面では、利用者がいない場合は報知機能8により特定の広告がスピーカー9より流され、また同時に液晶表示パネル2面に広告映像が流れているように利用することも可能である。
【0039】
又、上記実施例では誘導案内システムを駅で使用したが、本発明の誘導案内システムの使用は駅に限定されるものでなく、例えば駅周辺地図の道案内、大型遊技施設等で使用することも可能である。
【0040】
又、上記実施例では表示体として液晶パネルを使用したが、本発明の表示体はこれに限定されるものでなく、現状で使用されている表示機能を有するものすべて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】は、本発明の一実施例を示す誘導案内装置の概略説明図。
【図2】は、本発明の誘導案内システムを示す全体模試図。
【符号の説明】
【0042】
1…誘導案内装置
2…液晶表示パネル
3…マイク
4…音声認識機能
5…蓄積情報機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道、地下鉄、バス等の交通機関を利用する者を、駅の発券装置又は案内板等で目的地/目的物件を誘導案内する誘導案内システムにおいて、誘導案内する際に、利用者の発声する目的地/目的物件等の音声を取り込んで音声の目的地/目的物件等を正確に認識し、蓄積された情報より目的地/目的物件迄の交通機関及び各種情報を検索した後、探索された情報を音声に合成して利用者に報知することを特徴とする誘導案内システム。
【請求項2】
前記音声に合成して報知する際、報知する情報を図及び文字等の種々の表示体にて表示する請求項1に記載の誘導案内システム。
【請求項3】
鉄道、地下鉄、バス等の交通機関を利用する者を、駅の発券装置又は案内板等を利用して目的地/目的物件を誘導案内する誘導案内装置において、誘導案内装置には、利用者の音声を取り込んで認識する認識手段と、該認識された音声に基づいて蓄積情報より目的地を探索及び目的地迄の各種情報を検索する検索手段とからなるナビゲーション機能を有する処理機と、該処理機で探索された目的地等の情報を音声に合成して報知する報知機とを具備することを特徴とする誘導案内装置。
【請求項4】
前記報知機には、報知する情報を図及び文字にて表示するための表示装置が設けられている請求項3に記載の誘導案内装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−36175(P2006−36175A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240156(P2004−240156)
【出願日】平成16年7月23日(2004.7.23)
【出願人】(599085769)有限会社日本メディテックス (2)
【Fターム(参考)】