説明

誤り訂正装置、誤り訂正方法及びデジタルデータ記録再生装置

【課題】記録媒体に記録する際のページデータのデータ配列を変更することなく、ページデータ内のデータ品質に応じて誤り訂正能力を設定し、データの信頼性を向上させる誤り訂正装置、誤り訂正方法及びそれを用いたデジタルデータ記録再生装置を提供する。
【解決手段】データ入出力部11と符号化部12と誤り訂正部13と制御部14とバッファメモリ15を備え、データ入出力部11は記録時に外部機器4から送られてきたデータを制御部14により設定された複数の領域に分割して格納し、符号化部12は制御部14が設定した領域ごとに異なる誤り訂正能力を用いて符号化を行う。再生時には領域ごとの誤り訂正能力の設定値に従って誤り訂正部13により誤り訂正が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルデータ記録システムに関し、特にホログラフィックメモリに記録されているデータの再生時におけるデータ損失を低減することを目的とした誤り訂正装置および誤り訂正方法及び、該装置を備えたデジタルデータ記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、動画データやバックアップ対象データの増加に伴って、大容量かつ高転送レートを実現できるシステムの需要が高まっている。このような要望に答えるものの一つに、高密度の光学的記録を可能とするホログラフィックメモリシステムがある。
【0003】
ホログラフィックメモリシステムは、情報を有する情報光と参照光を干渉させることによって干渉縞を生じさせ、光屈折性結晶などの記録媒体に記録する。この光屈折性結晶は、干渉縞の振幅や位相などによって別様に反応し得る物質である。参照光の入射角度や振幅、位相を変えることによって、大量のデータを同一の位置に二次元からなるページを単位として重ねて記録することができる。
【0004】
また再生時には参照光のみを媒体の所定の位置に照射することで、その参照光の入射角や位相に対応したページのデータを、CCDなどの撮影素子を通して読み取ることができる。
【0005】
ここでホログラフィックメモリシステムではレーザーやレンズを使用するが、レーザーのガウス分布特性やレンズの収差などの影響により、再生時に撮影素子が読み取ることのできるページデータの中央領域よりも周辺領域(特に四隅)のほうが非常に歪みやすくなり、ページデータの一部のデータを損失することがある。
【0006】
それを解決する一つの従来技術として、記録媒体に記録する前にページデータの配列を変更するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図10を用いて従来技術を簡単に説明する。図10は従来のホログラフィックメモリシステムの構成図である。図10において、101は記録しようとするデータを符号化し、再生したデータを復号化する符号化復号化回路、102は符号化されたページデータの配列を変更する入力変更回路、103は記録媒体にデータを記録したり、記録媒体に記録されているデータを読み出したりする記録再生回路、104は読み出されたデータの配列を変更する出力変更回路、105は記録媒体、106は符号化復号化回路101にデータを入出力する外部機器である。入力変更回路102は入力分割部111と入力周辺再配列部112、入力併合部113からなる。また出力変更回路104は出力分割部114と出力周辺再配列部115、出力併合部116からなる。
【0008】
記録時には、符号化復号化回路101は外部機器106から入力データを入力し、符号化して矩形ページデータを生成し、これを入力変更回路102に出力する。ここで矩形ページデータはm×n(mとnは自然数)ピクセルのアレイからなり、各ピクセルはピクセルの輝度を表すためのバイナリ値を有する。入力分割部111は図11(a)に示す入力された矩形ページデータを図11(b)のように中央領域と周辺領域に分割する。入力周辺再配列部112は所定の変更パターンにもとづいて周辺領域を再配列し、図11(c)のように再配列周辺領域を形成する。ここで変更パターンは円形であるとする。入力併合部113は中央領域と再配列周辺領域を併合し、変更ページデータを生成する。
【0009】
記録再生回路103の詳しい構成に関してはここでの説明は省略するが、入力変更回路102で生成されたページデータを、空間光変調器を用いて情報光を生成し、参照光を用いて記録媒体105に記録する。
【0010】
一方再生時には、参照光を記録媒体105に照射し、CCDなどの撮影素子を用いてページデータを読み取る。ここでこのページデータは入力変更回路102で生成された円形のページデータが読み取られることになる。
【0011】
出力分割部114は再生された円形のページデータを図12(a)に示すように中央領域と周辺変調領域とに分割する。出力周辺再配列部115は周辺変調領域を再配列して図12(b)に示すように再配列周辺変調領域を形成する。出力併合部116は中央変調領域を再配列周辺変調領域と併合して図12(c)に示すような矩形変調ページデータを再生する。矩形変調ページデータは符号化復号化回路101に出力され、誤りがあれば訂正し、出力データを外部機器106に出力する。
【特許文献1】特開2003−76256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら前記従来の構成では、変更後のページデータの配列を円形など複雑な形にするため、配置パターンを決めるためのアドレス生成などの処理が複雑化してしまう。また配置変換を行うための手段が必要で、システム全体の回路規模の増大を招くことになる。
【0013】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ページデータの配列を変更することなく、ページデータ内を領域分割し、データ品質に応じて誤り訂正能力を設定し、データの信頼性を向上させる誤り訂正装置および誤り訂正方法を提供することを目的とする。
【0014】
また本発明は、前記誤り訂正装置を備えたデジタルデータ記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誤り訂正装置は、外部機器からの入力データを符号化し、記録再生装置を介して記録媒体に記録する、または前記記録媒体に記録されているデータを記録再生装置を介して再生し、誤り訂正処理を行った出力データを生成し、前記外部機器に出力する誤り訂正装置において、前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータを格納するメモリと、前記外部機器と前記メモリ間の前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力部と、前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化部と、前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行って前記出力データを生成する誤り訂正部と、前記データ入出力部と前記符号化部と前記誤り訂正部を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、前記データ入出力部は、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、前記符号化部は、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0016】
さらに誤り訂正装置において、前記制御部は、第二の誤り訂正能力を決定し、前記符号化部は、前記メモリの前記領域の少なくとも二つ以上の領域各々から所定の数の前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号を読み出し、前記読み出した前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号に対して前記第二の誤り訂正能力に従って第二の誤り訂正符号を生成し、前記第二の誤り訂正符号を前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0017】
さらに誤り訂正装置において、前記符号化部は、前記第二の誤り訂正符号と、前記第二の誤り訂正符号以外のデータを前記メモリから読み出し、前記メモリに格納されている前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを交換して前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0018】
さらに誤り訂正装置において、前記誤り訂正部は、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号を用いて前記第一の誤り訂正処理を行い、前記第一の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新することを特徴としたものである。
【0019】
さらに誤り訂正装置において、前記誤り訂正部は、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第二の誤り訂正符号を用いて前記第二の誤り訂正処理を行い、前記第二の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新することを特徴としたものである。
【0020】
さらに誤り訂正装置において、前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを、前記第二の誤り訂正処理を行う前に、前記交換する前の格納アドレスに戻すことを特徴としたものである。
さらに誤り訂正装置において、前記データ入出力部は、前記メモリに格納されている前記第一の誤り訂正処理または前記第二の誤り訂正処理後の前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号および前記第二の誤り訂正符号を除いた前記ページデータを所定の順序で前記外部機器に出力することを特徴としたものである。
【0021】
さらに誤り訂正装置において、前記記録媒体がホログラフィックメモリであることを特徴としたものである。
【0022】
さらに本発明の誤り訂正方法において、外部機器からの入力データを符号化し、記録再生装置を介して記録媒体に記録する、または前記記録媒体に記録されているデータを記録再生装置を介して再生し、誤り訂正処理を行うことで出力データを生成し、前記外部機器に出力する誤り訂正方法において、前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータをメモリに格納するステップと、前記外部機器と前記メモリの間で前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力ステップと、前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化ステップと、前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行う誤り訂正ステップと、前記データ入出力ステップと前記符号化ステップと前記誤り訂正ステップを制御する制御ステップとからなり、前記制御ステップは、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、前記データ入出力ステップは、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、前記符号化ステップは、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0023】
さらに誤り訂正方法は、前記制御ステップは、第二の誤り訂正能力を決定し、前記符号化ステップは、前記メモリの前記領域の少なくとも二つ以上の領域各々から所定の数の前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号を読み出し、前記読み出した前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号に対して前記第二の誤り訂正能力に従って第二の誤り訂正符号を生成し、前記第二の誤り訂正符号を前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0024】
さらに誤り訂正方法は、前記符号化ステップは、前記第二の誤り訂正符号と、前記第二の誤り訂正符号以外のデータを前記メモリから読み出し、前記メモリに格納されている前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを交換して前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0025】
さらに誤り訂正方法は、前記誤り訂正ステップは、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号を用いて前記第一の誤り訂正処理を行い、前記第一の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新することを特徴としたものである。
【0026】
さらに誤り訂正方法において、前記誤り訂正ステップは、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第二の誤り訂正符号を用いて前記第二の誤り訂正処理を行い、前記第二の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新することを特徴としたものである。
【0027】
さらに誤り訂正方法において、前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを、前記第二の誤り訂正処理を行う前に、前記交換する前の格納アドレスに戻すことを特徴としたものである。
【0028】
さらに誤り訂正方法において、前記データ入出力ステップは、前記メモリに格納されている前記第一の誤り訂正処理または前記第二の誤り訂正処理後の前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号および前記第二の誤り訂正符号を除いた前記ページデータを所定の順序で前記外部機器に出力することを特徴としたものである。
【0029】
さらに誤り訂正方法において、前記記録媒体がホログラフィックメモリであることを特徴としたものである。
【0030】
さらに本発明のデータ記録再生装置において、干渉縞によりデータが記録される記録媒体と、前記記録媒体に光を照射して前記干渉縞を形成してデータを記録し、前記記録媒体に光を照射して得られる前記干渉縞の情報から前記記録媒体に記録されたデータを再生する記録再生部と、外部機器から前記記録媒体に記録する入力データを受信し、前記入力データに誤り訂正符号化を行い前記記録再生部に前記干渉縞に対応するページデータを出力し、前記記録再生部が前記記録媒体から読み出した前記ページデータの誤り訂正を行い、前記外部機器に出力データとして出力する誤り訂正部とを備え、前記誤り訂正部は、前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータを格納するメモリと、前記外部機器と前記メモリ間の前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力部と、前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化部と、前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行って前記出力データを生成する誤り訂正部と、前記データ入出力部と前記符号化部と前記誤り訂正部を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、前記データ入出力部は、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、前記符号化部は、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納することを特徴としたものである。
【0031】
さらにデジタルデータ記録再生装置において、前記記録媒体がホログラフィックメモリであることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0032】
本発明の誤り訂正装置、誤り訂正方法及びデジタルデータ記録再生装置によれば、ページデータの配列を変えることなく、ページデータを領域分割し、データ品質に応じて誤り訂正能力を設定することで、データの信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明の誤り訂正装置の実施の形態を、図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の第1の実施例におけるデジタルデータ記録再生装置およびその周辺装置の構成を示した図である。
【0035】
図1において、デジタルデータ記録再生装置は外部機器4から入力したデータを記録媒体2に記録したり、あるいは記録媒体2に記録されているデータを外部機器4に出力したりする。誤り訂正装置1は、外部機器4から入力されたデータに誤り訂正符号を付加して記録再生回路3に出力し、記録再生回路3が記録媒体2から再生したデータに誤り訂正を施したデータを外部機器4に出力するものである。ここで本実施例1では、具体的に記録媒体2がホログラフィックメモリである、ホログラフィックメモリシステムを構成するデジタルデータ記録再生装置について説明する。図1に示すデジタルデータ記録再生装置は、誤り訂正符号化や誤り訂正処理を行う誤り訂正装置1と、誤り訂正装置1が出力するページデータを空間光変調器を通すことで情報光を生成し、情報光とは別の参照光と呼ばれるものと情報光とを記録媒体2(ホログラフィックメモリ)上で干渉させて干渉縞を作ることでページデータを記録媒体2に記録し、参照光のみを記録媒体2の所定の位置に照射することでページデータを再生する記録再生回路3からなる。
【0036】
ここで、誤り訂正装置1は、外部機器4や記録再生回路3に入出力するデータを一時的に記憶しておくバッファメモリ15と、外部機器4から入力したデータをバッファメモリ15に格納したり、バッファメモリ15に記録されているデータを読み出し、外部機器4に出力したりするデータ入出力部11と、バッファメモリ15に記録されているデータに対して誤り訂正符号を生成し誤り訂正符号化を行う符号化部12と、バッファメモリ15に記録されているデータに対して誤り訂正処理を行う誤り訂正部13と、外部機器4や記録再生回路3との間でデータ送受信の制御を行い、誤り訂正装置1全体を制御する制御部14からなる。
【0037】
はじめに記録媒体2にページデータを記録する場合の処理について、図2に示すフローチャートに沿って、具体的に説明する。
【0038】
ステップ1では、外部機器4から制御部14に対して出力される制御信号に基づいて、制御部14が、外部機器4から転送されてきたデータをどのようにバッファメモリ15に格納するか、記録再生回路3に出力するページデータの領域分割をどのように行うか、その領域ごとで符号化する際の誤り訂正能力をどのようにするか、などの設定を行う。この制御信号には、記録開始などを示すコマンドや、転送データ数が含まれている。本実施例1では外部機器4が123Kバイトのデータを誤り訂正装置1に送信するものとする。
【0039】
誤り訂正装置1が外部機器4から送られてきた123Kバイトのデータに対して誤り訂正符号化を行い、最終的に記録再生回路3に出力するページデータのデータ配列を、図3(a)に示すように、1024ビット×1024ビットのアレイで構成する。記録再生回路3ではこのページデータに対して空間光変調などの処理を施して記録媒体2への記録動作を開始する。このとき記録再生回路3が使用するレンズやレーザーの性能によりページデータの周辺領域、特に四隅に歪みが生じることで、データ品質の良し悪しがページデータ内で分かれる。
【0040】
そこで最初に制御部14は、図3(a)に示すページデータのデータ配列において、データ品質の良し悪しに従って図3(b)に示すような領域分割を行う。例えば、ページデータの中央に位置する768ビット×768ビットで構成される“A”領域を、データ品質が良い領域と定義する。次に“A”領域の四辺に隣接する768ビット×128ビットで構成される四つの“B”領域を、データ品質が平均レベルである領域と定義する。最後にページデータの四隅に位置する128ビット×128ビットで構成される四つの“C”領域を、データ品質が悪い領域と定義する。
【0041】
次に制御部14は、この分割後の各領域における誤り訂正能力を設定する。ここで、本実施例1の誤り訂正符号にはGF(2^8)のリードソロモン符号を用いる。これは8ビットのデータを1バイトとし、バイト単位でデータを訂正するものである。本実施例1では“A”領域の誤り訂正能力を、データ品質が良いということを考慮して、データ128バイトのかたまりを1符号語とし、1符号語に対して1バイトまでの誤りを訂正できる1重誤り訂正とする。同様に“B”領域の誤り訂正能力を、データ品質が平均レベルということから、データ128バイトのかたまりを1符号語とし、1符号語に対して2バイトまでの誤りを訂正できる2重誤り訂正とする。最後に“C”領域の誤り訂正能力を、データ品質が悪いために、データ128バイトのかたまりを1符号語とし、1符号語に対して4バイトまでの誤りを訂正できる4重誤り訂正とする。
【0042】
さらに制御部14は、後に外部機器4が出力するデータをどのようにバッファメモリ15に格納するか(つまりどのようなメモリマップにするか)を設定する。図4はそのメモリマップの構成を表した図である。このメモリマップの構成の仕方について説明する。
【0043】
誤り訂正装置1が記録再生回路3に出力するページデータは図3(a)に示すように、1024ビット×1024ビット、つまり128Kバイト空間必要になる。よって図4に示すようにバッファメモリ15に必要なメモリ空間は、バイトアドレスで00000h(“h”は16進数表記であることを示す)番地から1FFFFh番地の128Kバイト空間となる。ここで外部機器4から送られてくるデータは123Kバイトであるので、残り5Kバイトは誤り訂正装置1によって生成される誤り訂正符号を格納できる空間となる。この図4に示すメモリマップは、縦方向の長さをバイトアドレス00000h番地から0007Fh番地の128バイトとしている。
【0044】
はじめに図3(b)に示す“A”領域は768ビット×768ビット、つまり72Kバイトのメモリ空間が必要であり、図4に示すバッファメモリ15のバイトアドレス00000h番地から11FFFh番地の72Kバイト空間を使用する。ここで、図3(b)に示す“A”領域には誤り訂正符号も含まれているため、このメモリ空間にも誤り訂正符号も含まれていることになる。ステップ1で“A”領域の1符号語の符号長を128バイトとし、1重誤り訂正であると設定しているので、1符号語あたりの誤り訂正符号は2バイト必要となる。72Kバイトメモリ空間の“A”領域には符号長128バイトの符号語が576個存在することになるので、誤り訂正符号のデータは合計で1152(=2×576)バイトとなる。72Kバイトからこの1152バイトを引いた72576バイト分だけ、外部機器4から送られてきたデータをこのバイトアドレス00000h番地から11FFFh番地の空間に格納することができる。
【0045】
ここで“A”領域に存在する576個の符号語に関して、バイトアドレス00000h番地から0007Fh番地の128バイトを1符号語とし、次のバイトアドレス00080h番地から000FFh番地の128バイトを1符号語とし、以下同様にバイトアドレス00000h番地から128バイトごとに符号語を構成していく。図5(a)は“A”領域の符号語の構成を表した図であるが、符号語の先頭から126バイトをデータ部とし、ここに外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの2バイトに誤り訂正符号を格納することにする。この各符号語に対して誤り訂正を行うが、以下、これをC1誤り訂正とし、この符号語をC1符号語、誤り訂正符号をC1誤り訂正符号と呼ぶ。つまり図4に示すメモリマップに対して、縦方向がちょうどC1符号語一つとなる。
【0046】
以上より図4において、バイトアドレス00000h番地から11FFFh番地のメモリ空間のうち、斜線領域に外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの白い領域にC1誤り訂正符号を格納することになる。
【0047】
次に図3(b)に示す“B”領域は768ビット×128ビットが4面、つまり48Kバイトのメモリ空間が必要であり、図4に示すバッファメモリ15のバイトアドレス12000h番地から1DFFFh番地の48Kバイト空間を使用する。ここで、図3(b)に示す“B”領域にはC1誤り訂正符号も含まれているため、このメモリ空間にもC1誤り訂正符号も含まれていることになる。ステップ1で“B”領域の1符号語の符号長を128バイトとし、2重誤り訂正であると設定しているので、1符号語あたりのC1誤り訂正符号は4バイト必要となる。48Kバイト存在する“B”領域には符号長128バイトのC1符号語が384個存在することになるので、C1誤り訂正符号は合計で1536(4×384)バイトとなる。48Kバイトからこの1536バイトを引いた47616バイト分だけ、外部機器4から送られてきたデータをこのバイトアドレス12000h番地から1DFFFh番地の空間に格納することができる。
【0048】
ここで“B”領域に存在する384個のC1符号語に関して、バイトアドレス12000h番地から1207Fh番地の128バイトを1符号語とし、次のバイトアドレス12080h番地から120FFh番地の128バイトを1符号語とし、以下同様にバイトアドレス12000h番地から128バイトごとに符号語を構成していく。図5(b)は“B”領域のC1符号語の構成を表した図であるが、符号語の先頭から124バイトをデータ部とし、ここに外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの4バイトにC1誤り訂正符号を格納することにする。
【0049】
以上より図4において、バイトアドレス12000h番地から1DFFFh番地のメモリ空間のうち、斜線領域に外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの白い領域にC1誤り訂正符号を格納することになる。
【0050】
最後に図3(b)に示す“C”領域は128ビット×128ビットが4面、つまり8Kバイトのメモリ空間が必要であり、図4に示すバッファメモリ15のバイトアドレス1E000h番地から1FFFFh番地の8Kバイト空間を使用する。ここで、図3(b)に示す“C”領域にはC1誤り訂正符号も含まれているため、このメモリ空間にもC1誤り訂正符号も含まれていることになる。ステップ1で“C”領域の1符号語の符号長を128バイトとし、4重誤り訂正であると設定しているので、1符号語あたりの誤り訂正符号は8バイト必要となる。よって1符号語あたりのデータ部は128バイトから8バイトを引いた120バイトとなる。ここで前述の説明および図4から明らかなように、外部機器4から送られてきたデータ123Kバイトの内、すでに120192バイトは“A”領域と“B”領域に格納されており、残りの5760バイトが“C”領域に格納されることになる。前述したように、1符号語あたりのデータは120バイトであるので、“C”領域には48個(5760÷120)のC1符号語が存在することになる。“A”領域、“B”領域と同様にバイトアドレス1E000h番地から128バイト単位でC1符号語を構成する。図5(c)は“C”領域のC1符号語の構成を表した図であるが、符号語の先頭から120バイトをデータ部とし、ここに外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの8バイトにC1誤り訂正符号を格納することになる。
【0051】
以上より図4において、バイトアドレス1E000h番地から1F7FFh番地のメモリ空間のうち、斜線領域に外部機器4から送られてきたデータを格納し、残りの白い領域にC1誤り訂正符号を格納することになる。
【0052】
ここで図4のメモリマップにおいて、バイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地の黒い領域のメモリ空間に関して説明する。図4に示すように各領域の中でC1符号語を構成し、各領域で設定された誤り訂正能力にもとづいて符号化や誤り訂正処理を行うが、これだけでは場合によってはデータ品質の劣化などにより、誤りを訂正できないおそれがある。そのため、符号化後のデータを各領域から所定の数ずつ抽出して、符号語を新たに構成し、2重に符号化するようにする。以下、これをC2誤り訂正とし、この符号語をC2符号語、誤り訂正符号をC2誤り訂正符号と呼ぶ。つまり図4に示すメモリマップに対して、横方向をC2符号語一つとする。各領域で生成されるC1誤り訂正符号語の領域に対しても、C2誤り訂正方向に符号化を行う。
【0053】
このC2誤り訂正の誤り訂正能力に関して、図5(d)に示すように符号長が1024バイトのかたまりを1符号語とし、1符号語に対して8バイトまでの誤りを訂正できる8重誤り訂正とする。よって1符号語あたりC2誤り訂正符号は16バイト必要となるため、図4のメモリマップにおいて、バイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地の黒い領域のメモリ空間にC2誤り訂正符号を格納する。
【0054】
ステップ1では以上のような設定(領域分割方法や各領域における誤り訂正能力、またバッファメモリ15のメモリマップ構成など)を、制御部14が決定する。制御部14はこれらの設定をもとに、誤り訂正装置1を構成する他のブロックを制御し、各ブロックは後述するステップで様々な処理を行っていく。制御部14はこれらの設定が完了すれば、外部機器4に対してデータ転送を開始するよう要求する。
【0055】
ステップ2では、データ入出力部11が外部機器4からデータを入力し、バッファメモリ15にデータを格納していく。ここでバッファメモリ15における格納位置であるが、前述したようにステップ1で制御部14により図4のようなメモリマップ構成が既に設定されているので、制御部14がデータ入出力部11に対してメモリマップを指示し、それに従ってデータを格納していく。本実施例1では、外部機器4から送られてきたデータを、図4のメモリマップのアドレスの小さい順に格納していくとする。格納を終えた時点でデータ入出力部11は制御部14に対して終了通知をする。
【0056】
ステップ3では、バッファメモリ15に格納されたデータに対してC1符号語単位で符号化を行う。制御部14は符号化部12に対してC1誤り訂正用の符号化を開始する指示を出力すると同時にバッファメモリ15のメモリマップの構成や各領域における誤り訂正能力の設定も出力する。符号化部12は、C1符号語をバッファメモリ15から読み出し、符号化を行い、生成されたC1誤り訂正符号をバッファメモリ15の所定の位置に格納する。この処理をC1符号語の数だけ繰り返す。本実施例1では、C1符号語の先頭データのバイトアドレスの昇順に、バッファメモリ15から読み出すとする。以下、具体的に説明する。
【0057】
符号化部12はまず図4に示すメモリマップにおいて、“A”領域のC1符号語から処理を開始する。バイトアドレス00000h番地から0007Fh番地の128バイトで構成される第一のC1符号語の内、データ部(バイトアドレス00000h番地から0007Dh番地)126バイトをバイトアドレス00000h番地から順に1バイト単位で読み出し、符号化部12が順に入力していく。この符号化部12は制御部14から先に“A”領域の誤り訂正能力の設定値を入力しているので、その設定に従って符号化を開始する。符号化部12が126バイトすべてのデータを入力することにより、C1誤り訂正符号の生成が完了する。符号化部12は生成された2バイトのC1誤り訂正符号を、バッファメモリ15のバイトアドレス0007Eh番地から0007Fh番地に格納し、第一のC1符号語に対する符号化処理を終了する。
【0058】
次に、バイトアドレス00080h番地から000FFh番地の128バイトで構成される第二のC1符号語の処理に移行する。この第二のC1符号語のデータ部(バイトアドレス00080h番地から000FDh番地)126バイトをバイトアドレス00080h番地から順に1バイト単位で読み出し、第一のC1符号語の処理と同様にC1誤り訂正符号2バイトを符号化部12が生成し、バッファメモリ15のバイトアドレス000FEh番地から000FFh番地に格納し、第三のC1符号語の処理に移行する。
【0059】
以下同様に“A”領域を構成する576個のC1符号語すべての符号化が終了すれば、次は“B”領域を構成するC1符号語の符号化を開始する。“A”領域同様にあらかじめ“B”領域の誤り訂正能力の設定値を制御部14から入力しているので、その設定に従って符号化を開始する。バイトアドレス12000h番地から1207Fh番地の128バイトで構成される第一のC1符号語のデータ部(バイトアドレス12000h番地から1207Bh番地)124バイトをバイトアドレス12000h番地から順に1バイト単位で読み出し、符号化部12が順に入力していく。符号化部12が124バイトすべてのデータを入力することにより、C1誤り訂正符号の生成が完了する。符号化部12は生成された4バイトのC1誤り訂正符号を、バッファメモリ15のバイトアドレス1207Ch番地から1207Fh番地に格納し、第一のC1符号語の処理を終了し、第二のC1符号語の処理に移行する。以下、“A”領域と同様に“B”領域を構成する384個のC1符号語すべての符号化を行う。
【0060】
“C”領域を構成するC1符号語に対しても同様に、制御部14からあらかじめ設定されている“C”領域の誤り訂正能力の設定値に従って符号化を行っていく。ここで“C”領域のバイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地の領域は、C2誤り訂正符号が格納される領域であり、この時点でC2誤り訂正用の符号化は行われていないためデータが存在しない。即ちこの領域に対するC1誤り訂正用の符号化は行わないことになる。よってC2誤り訂正符号の格納領域を除いたバイトアドレス1E000h番地から1F7FFh番地までの48個のC1符号語に対して符号化する。バイトアドレス1E000h番地から1E07Fh番地の128バイトで構成される第一のC1符号語のデータ部(バイトアドレス1E000h番地から1E077h番地)120バイトをバイトアドレス1E000h番地から順に1バイト単位で読み出し、符号化部12が順に入力していく。符号化部12が120バイトすべてのデータを入力することにより、C1誤り訂正符号の生成が完了する。符号化部12は生成された8バイトのC1誤り訂正符号を、バッファメモリ15のバイトアドレス1E078h番地から1E07Fh番地に格納し、第一のC1符号語の処理を終了し、第二のC1符号語の処理に移行する。以下、“C”領域を構成する48個のC1符号語すべての符号化を行う。この時点で図4に示すメモリマップのバイトアドレス00000h番地から1F7FFh番地までの領域が、外部機器4から送られてきたデータと、C1誤り訂正符号で埋め尽くされていることになる。その後、符号化部12は制御部14に対して終了通知を行う。
【0061】
ステップ4では、バッファメモリ15に格納されたデータに対してC2符号語単位で符号化を行う。制御部14は符号化部12に対してC2誤り訂正用の符号化を開始する指示を出力すると同時にC2誤り訂正能力の設定も出力する。符号化部12は、図4に示すメモリマップにおいて、C2誤り訂正の方向にバッファメモリ15からC2符号語を読み出し、符号化を行い、生成されたC2誤り訂正符号をバッファメモリ15の所定の位置に格納する。この処理をC2符号語の数だけ繰り返す。本実施例1では、C2符号語の先頭データのバイトアドレスの昇順に、バッファメモリ15から読み出すとする。以下、具体的に説明する。
【0062】
符号化部12はまず図4に示すメモリマップにおいて、バイトアドレス00000h番地を先頭データとする第一のC2符号語1024バイトの内のデータ部1008バイトを、バイトアドレス00000h番地から順にC2誤り訂正方向に1バイト単位で読み出し、符号化部12が順に入力していく。この符号化部12は制御部14から先にC2誤り訂正能力の設定値を入力しているので、その設定に従って符号化を開始する。符号化部12が1008バイトすべてのデータを入力することにより、C2誤り訂正符号の生成が完了する。符号化部12は生成された16バイトのC2誤り訂正符号を、バッファメモリ15のバイトアドレス1F800h番地からC2誤り訂正方向に順に格納し、第一のC2符号語に対する符号化処理を終了する。
【0063】
次にバイトアドレス00001h番地を先頭データとする第二のC2符号語の内のデータ部を、バイトアドレス00001h番地から順にC2誤り訂正方向に1バイト単位で読み出し、符号化部12が順に入力していく。符号化部12が1008バイトすべてのデータを入力することにより、C2誤り訂正符号の生成が完了する。符号化部12は生成された16バイトのC2誤り訂正符号を、バッファメモリ15のバイトアドレス1F801h番地からC2誤り訂正方向に順に格納し、第二のC2符号語に対する符号化処理を終了する。
【0064】
以下同様に、128個のC2符号語すべての符号化を行う。この時点で図4に示すメモリマップのバイトアドレス00000h番地から1FFFFh番地までの128Kバイトすべてのメモリ空間が、外部機器4から送られてきたデータと、C1誤り訂正符号、C2誤り訂正符号で埋め尽くされていることになる。その後、符号化部12は制御部14に対して終了通知を行う。
【0065】
ステップ5では、制御部14が記録再生回路3に対して、ページデータを構成するすべてのデータがバッファメモリ15にそろったことを通知すると同時にバッファメモリ15のメモリマップの構成情報も出力する。この通知に対して記録再生回路3がバッファメモリ15からページデータの読み出しを行う。
【0066】
記録再生回路3は図4に示すメモリマップにもとづいてバッファメモリ15からデータを読み出し、図3(b)に示すページデータのデータ配列を構成する。図6は図3(b)が示すページデータにおける領域ごとのデータ格納順を示した図である。本実施例1では、図4のメモリマップの“A”領域を構成するデータのアドレスの小さいデータから順に読み出し、図6の(1)が示す順にビット単位で配列する。次に図4のメモリマップの“B”領域を構成するデータのアドレスの小さいデータから順に読み出し、図6の(2)、(3)、(4)、(5)が示す順にビット単位で配列する。最後にメモリマップの“C”領域を構成するデータのアドレスの小さいデータから順に読み出し、図6の(6)、(7)、(8)、(9)が示す順にビット単位で配列する。
【0067】
以上のページデータ構成が完了した後、記録再生回路3が有する空間光変調器などを用いて情報光を生成し、参照光を用いて記録媒体2に記録する。
【0068】
ところで、本実施例1では図4のメモリマップにおいて、データ品質の悪くなる可能性のある“C”領域にC2誤り訂正符号を格納したが、この“C”領域には再生時に誤ったデータが数多く存在する可能性がある。この場合C2誤り訂正符号が誤った値となり、それゆえC2誤り訂正符号を行った場合に、誤訂正を引き起こしてしまう可能性がある。この誤訂正とは符号語を本来の値に訂正するのではなく、まったく別の符号語に訂正してしまい、かつこの符号語には誤りがないと結論付けてしまうものである。こうなればデータ品質の良い領域のデータも間違った値に訂正してしまう。そこでステップ4とステップ5の間にステップ4_2を設けて、これに対する対策処理を行うようにしても良い。
【0069】
ステップ4_2では、ステップ4で生成され図4のメモリマップの“C”領域に格納されているC2誤り訂正符号を、符号化部12により“A”領域あるいは“B”領域のデータと配置交換する処理を行う。どの位置のデータと交換するかは様々なパターンが考えられるが、本実施例1では、データ品質が良い“A”領域で、かつアドレス生成が最も簡単である図7に示すような方法とする。
【0070】
図7(a)はステップ4でC2誤り訂正符号が生成された直後のメモリマップである。図7(a)のバイトアドレス00000h番地から1F7FFh番地までの斜線領域がC2符号語のデータ部に相当する領域で、バイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地の黒い領域がC2誤り訂正符号が格納される領域である。図7(b)はC2符号語の構成を表した図である。1024バイトの符号長に対しデータ部が前部1008バイト、後部16バイトがC2誤り訂正符号である。この“C”領域に配置されているC2誤り訂正符号を、図7(c)に示すように“A”領域のバイトアドレス00000h番地から007FFh番地のデータと配置交換する。図7(d)は配置交換後のC2符号語の構成を表した図である。
【0071】
ここでステップ3の動作説明でしたように、バイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地のC2誤り訂正符号の格納領域は、C1誤り訂正用の符号化は行われていない。一方、バイトアドレス00000h番地から1F7FFh番地はC1誤り訂正用の符号化、およびC2誤り訂正用の符号化の2重に符号化が施されている。つまりデータ品質の悪い“C”領域に、さらに符号化が強化されていないデータをおくことによって、データの信頼性が低下してしまう。よって2重に符号化されていないC2誤り訂正符号を少しでもデータ品質の良い領域に移動しておき、記録媒体2に記録しておいた方が、再生時のデータの信頼性を向上させることができる。以上の動作が終了すれば、制御部14に終了通知を行う。
【0072】
以上のステップで、1ページ分のデータの記録動作が終了する。実際は、複数のページデータを記録媒体2に記録することになるので、これらのステップを繰り返し、あるいはパイプライン処理で動作することになる。
【0073】
次に記録媒体2のデータを再生する場合の処理について、図8に示すフローチャートに沿って、具体的に説明する。
【0074】
まず外部機器4から制御部14に対して再生指示が出力されることにより、制御部14は記録再生回路3に記録媒体2からページデータを再生するよう指示する。これにより記録再生回路3は参照光を記録媒体2に照射し、その回折光をCCDなどの撮影素子で読み取り、図3(a)に示すようなページデータを得る。
【0075】
ステップ11では、制御部14はあらかじめ記録時に設定した図3(b)に示すような領域分割パターンを記録再生回路3に通知し、記録再生回路3は記録媒体2から再生したページデータを、その領域分割パターンに従ってバッファメモリ15に格納する。本実施例1では、記録再生回路3は図6に示すページデータの(1)の順にデータをビット単位で抽出し、図4のメモリマップの“A”領域のバイトアドレスの小さい順にバイト単位で格納する。次に図6に示すページデータの(2)、(3)、(4)、(5)の順にデータを抽出し、図4のメモリマップの“B”領域のバイトアドレスの小さい順に格納する。最後に図6に示すページデータの(6)、(7)、(8)、(9)の順にデータを抽出し、図4のメモリマップの“C”領域のバイトアドレスの小さい順に格納する。
【0076】
ページデータを構成する128Kバイトすべてのデータがバッファメモリ15に格納し終わった時点で、記録再生回路3は制御部14に対して終了通知を行う。
【0077】
ステップ12では、バッファメモリ15に格納されたデータに対してC1符号語単位で誤り訂正を行う。制御部14は誤り訂正部13に対してC1誤り訂正を開始する指示を出力すると同時にバッファメモリ15のメモリマップ構成や各領域における誤り訂正能力の設定も出力する。この設定値は記録時のステップ1で設定した値である。
【0078】
誤り訂正部13はまず図4のメモリマップに示す“A”領域のC1符号語から処理を開始する。バイトアドレス00000h番地から0007Fh番地の128バイトで構成される第一のC1符号語を、バイトアドレス00000h番地から順に1バイト単位で読み出し、誤り訂正部13が順に入力していく。この誤り訂正部13は制御部14から先に“A”領域の誤り訂正能力の設定値を入力しているので、その設定に従って誤り訂正を開始する。誤り訂正部13が128バイトすべてのデータを入力することにより、誤りの有無を判断でき、もし誤りがあると判断し、訂正可能であれば、バッファメモリ15に格納されている第一のC1符号語の誤っている値を正しい値に更新する。訂正不能であれば、どこに誤りが存在するか判断できないため、後のステップで処理するC2誤り訂正に委ねることになる。これで第一のC1符号語に対する符号化処理を終了する。
【0079】
次に、バイトアドレス00080h番地から000FFh番地の128バイトで構成される第二のC1符号語の処理に移行し、誤り訂正を行う。以下同様に、“A”領域を構成する576個すべてのC1符号語に対する処理が終了すれば、次に“B”領域を構成するC1符号語の処理に移行する。
【0080】
まず“B”領域のバイトアドレス12000h番地から1207Fh番地の128バイトで構成される第一のC1符号語に対する処理を行う。ここで制御部14からあらかじめ“B”領域の誤り訂正能力の設定値が通知されているので、誤り訂正部13はそれに従って処理を行う。これ以降の動作は“A”領域のC1符号語に対する処理と同様である。
【0081】
“B”領域の処理が終了すれば、最後に“C”領域の処理に移行する。こちらも“A”領域、“B”領域の処理と同様であるが、“C”領域のC1符号語はバイトアドレス1E000h番地から1F7FFh番地までの48個の符号語しか存在しない。バイトアドレス1F800h番地以降はC2符号語が格納されており、この領域はC1誤り訂正用の符号化はされていないためである。この48個のC1符号語に対するC1誤り訂正が終了すれば、図4に示すメモリマップのバイトアドレス00000h番地から1F7FFh番地に格納されているC1符号語すべての処理が終了したことになる。誤り訂正部13は制御部14に対して終了通知を行い、次のステップに移行する。
【0082】
ステップ13では、バッファメモリ15に格納されたデータに対してC2符号語単位で誤り訂正を行う。制御部14は誤り訂正部13に対してC2誤り訂正を開始する指示を出力すると同時にバッファメモリ15のメモリマップ構成や各領域における誤り訂正能力の設定も出力する。この設定値は記録時に採用した値である。
【0083】
ここで、記録時に符号化部12がステップ4で“C”領域に生成したC2誤り訂正符号を、ステップ4_2において別の領域のデータと配置交換していた場合、誤り訂正部13はもとの配置に戻した後にC2誤り訂正を開始する。例えば、記録時に符号化部12がステップ4で生成したC2誤り訂正符号を図7(a)の黒い領域(バイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地)に格納したとし、ステップ4_2で図7(c)のようにバイトアドレス00000h番地から007FFh番地のデータと配置交換していた場合、誤り訂正部13はもとの図7(a)の配置に戻す。その後、以下で説明するC2誤り訂正を開始する。
【0084】
誤り訂正部13はまず図4に示すメモリマップにおいて、バイトアドレス00000h番地を先頭データとする第一のC2符号語1024バイトを、バイトアドレス00000h番地から順にC2誤り訂正方向に1バイト単位で読み出し、誤り訂正部13が順に入力していく。この誤り訂正部13は制御部14から先にC2誤り訂正能力の設定値を入力しているので、その設定に従って誤り訂正を開始する。誤り訂正部13が1024バイトすべてのデータを入力することにより、誤りの有無を判断でき、もし誤りがあると判断し、訂正可能であれば、バッファメモリ15に格納されている第一のC2符号語の誤っている値を正しい値に更新する。訂正不能であれば、どこに誤りが存在するか判断できないため、この第一のC2符号語は誤りが存在したままになる。
【0085】
次にバイトアドレス00001h番地を先頭データとする第二のC2符号語を、バイトアドレス00001h番地から順にC2誤り訂正方向に1バイト単位で読み出し、誤り訂正符号部23が順に入力していく。誤り訂正部13が1024バイトすべてのデータを入力することにより、誤りの有無を判断でき、第一のC2符号語と同様に誤りがあり、かつ訂正可能であれば、バッファメモリ15に格納されている第二のC2符号語の誤っている値を正しい値に更新する。以下、同様に128個のC2符号語すべての誤り訂正を行い、誤り訂正部13は制御部14に対して、終了通知を行う。
【0086】
しかし、128個のC2符号語のうち、訂正不能のC2符号語が一つ以上存在した場合、誤り訂正部13が制御部14に対してこの結果を通知し、制御部14は記録再生回路3に対して、この訂正不能のC2符号語が存在するページデータを記録媒体2から再度再生するよう要求する。もしくはステップ12に戻り、再度C1誤り訂正を行う。このようにC1誤り訂正とC2誤り訂正を交互に複数回行うことを、繰り返し訂正と呼ぶ。これにより、訂正不能となる符号語が徐々に減少し、いずれはすべてのC1符号語、C2符号語が正しい値に訂正できる可能性がある。
【0087】
図9を用いて繰り返し訂正について簡単に説明する。図9はメモリマップを表した図であり、一マスが1バイトとする。C1符号語は図9(a)の縦一列が1符号語で、全部で8個(第1列、第2列、第3列、…、第8列)ある。C2符号語は図9(a)の横一行が1符号語で、全部で8個(第A行、第B行、第C行、…、第H行)ある。そしてC1符号語、C2符号語ともに符号長8バイトのうち、1バイトまで訂正できる1重誤り訂正とする。
【0088】
図9(a)の黒く塗られた位置のデータに誤りが存在するとする。最初にステップ12のC1誤り訂正により、図9(b)に示す斜線部分のデータの誤りが正しく訂正できる。つまり第4列から第8列までのC1符号語が訂正でき、第1列から第3列はC1符号語の中に2バイトの誤りが存在していたため、訂正不能となり、結局図9(b)の黒い部分の誤りが残る。次にステップ13のC2誤り訂正により、図9(c)に示す斜線部分のデータの誤りが正しく訂正できる。つまり第B行と第C行はC2符号語の中に2バイトの誤りが存在していたため、訂正不能となり、それ以外のC2符号語は誤りがなかったか、あるいは1バイトの誤りであったため、正しい値に訂正できる。結局図9(c)の黒い部分の誤りが残る。
【0089】
次にステップ12に戻り、C1誤り訂正をサイド行うことにより、図9(d)に示す斜線部分のデータの誤りが正しい訂正できる。つまり第1列と第3列のC1符号語が訂正でき、第2列はC1符号語の中に2バイトの誤りが存在していたため、訂正不能となり、結局図9(d)の黒い部分の誤りが残る。次にステップ13のC2誤り訂正により、図9(e)に示す斜線部分のデータの誤りが正しい訂正できる。これにより、すべてのC1符号語、C2符号語が正しい値に訂正できたことになる。
【0090】
よってステップ13のC2誤り訂正で訂正不能のC2符号語が存在した場合、記録再生回路3に再度再生要求を出力するのではなく、ステップ12のC1誤り訂正、およびステップ13のC2誤り訂正を複数回行う繰り返し訂正を行うことで、本来の正しい値に訂正できる可能性が高くなり、データの信頼性を向上させることができる。
【0091】
以上により、バッファメモリ15に外部機器4へ出力するデータの準備ができたことになり、ステップ14に移行する。
【0092】
ステップ14では、データ入出力部11がバッファメモリ15に格納されたデータを外部機器4へ出力する。制御部14がデータ入出力部11に対してバッファメモリ15から外部機器4に出力するデータを読み出すよう指示し、外部機器4はデータ入出力部11からそのデータを受け取ることになる。ここで、バッファメモリ15には図4に示すメモリマップに沿ったデータが格納されているが、斜線部分以外の領域はC1誤り訂正符号、もしくはC2誤り訂正符号である。これらの誤り訂正符号は再生時の誤り訂正に用いるために付加したものであるため、外部機器4に出力はしない。よって本実施例1では、データ入出力部11はバッファメモリ15から、図4のメモリマップの斜線部分に格納されている123Kバイトのデータをアドレスの小さい順に読み出し、外部機器4に出力する。すべて出力した時点で制御部14に対し終了通知を行う。
【0093】
以上のステップで、1ページ分のデータの再生動作が終了する。実際は、複数のページデータを記録媒体2から再生することになるので、これらのステップを繰り返し、あるいはパイプライン処理で動作することになる。
【0094】
以上のように本実施例1においては、記録媒体2に記録する際のページデータのデータ配列を変更することなく、ページデータ内のデータ品質に応じて誤り訂正能力を設定し、データの信頼性を向上させる誤り訂正装置1および方法を提供することができる。
【0095】
なお本実施例1では、記録媒体2をホログラフィックメモリとし、デジタルデータ記録システムをホログラフィックメモリシステムとして説明したが、記録媒体2はテープなど、記録媒体2の記録位置によりデータ品質が異なるものにも適用することができる。
【0096】
さらに外部機器4が入出力する転送データ数や、記録媒体2に記録する際のデータ配列、ページデータのデータ品質の良し悪しによる領域分割方法、各領域における符号化する際の符号語の構成や誤り訂正能力など、本実施例1で説明した際に用いた設定値や設定方法は、具体的な数値を用いて説明したが、それに限るものではない。
【0097】
さらに外部機器4に入出力するデータや記録再生回路3に入出力するデータと、バッファメモリ15の格納位置との対応は、本実施例1で説明したものと異なってもよいが、記録時と再生時では一致しておかなければならない。
【0098】
さらに符号化部12が記録時に行うC1符号化やC2符号化、また誤り訂正部13が再生時に行うC1誤り訂正やC2誤り訂正のそれぞれの順番は、本実施例1で説明した順番と逆でもよい。
【0099】
さらに本実施例1では、記録時のステップ4_2で符号化部12が生成したC2誤り訂正符号をデータ品質の良い領域のデータと配置交換したが、その配置交換のパターンはこの限りではない。
【0100】
さらに本実施例1では、記録時にはC1符号化およびC2符号化を行い、再生時にはC1誤り訂正およびC2誤り訂正を行ったが、C2符号化およびC2誤り訂正を省略してもよい。つまり、記録時は図2に示すフローチャートにおいて、符号化部12がステップ3で行うC1符号化が終了すれば、ステップ4ならびにステップ4_2を行わず、ステップ5に移行し、再生時には図8が示すフローチャートにおいて、誤り訂正部13がステップ12で行うC1誤り訂正処理が終了すれば、ステップ13を行わず、ステップ14に移行してもよい。この場合、図4に示すメモリマップのバイトアドレス1F800h番地から1FFFFh番地のC2誤り訂正符号格納領域にはダミーデータを格納してもいいし、外部機器4から追加でデータを入力し、バイトアドレス1E000h番地から1F7FF番地の領域と同様にC1符号語を構成し、ステップ3によるC1符号化、およびステップ12によるC1誤り訂正処理をしてもよい。あるいはデータではなく、誤り訂正装置1や外部機器4が記録時や再生時に必要とする情報を格納してもよい。また、図6に示すページデータのデータ格納順序および読み出し順序と、図4に示すメモリマップにおけるデータの読み出し順序および格納順序との対応は、C2誤り訂正符号が格納されていた場合と同様の対応でよい。
【0101】
さらに本実施例1では、外部機器4から入力されたデータをそのまま誤り訂正符号化して記録媒体2に記録し、記録媒体2から読み出されたデータをそのまま誤り訂正を行った後で外部機器4に出力する場合について説明を行ったが、ホログラフィックメモリ記録に適した符号として提案されている1−4符号や3−16符号等を用いて、これらの符号化変調を行ったデータを記録媒体2に記録するようにしても良い。この場合には、例えば符号化部12が誤り訂正符号化を行う前に前記符号化変調を行った後にC1符号化やC2符号化を行ってから記録媒体2に記録し、記録媒体2から読み出したデータにC1誤り訂正やC2誤り訂正を行った後に前記符号化変調の復号化を行っても良いし、誤り訂正装置1が出力したページデータを記録再生回路3で前記符号化変調を行った後に記録媒体2に記録し、記録媒体2から読み出したデータを記録再生回路3で前記符号化変調の復号化を行ったページデータを誤り訂正装置1に入力するようにしても良い。但し、この際には前記符号化変調の符号化効率に伴って記録媒体2に記録するデータ数が増えるため、ステップ1においてメモリマップを作成する際には、実際に記録媒体2に書き込まれるデータ数を考慮してマップの大きさを決定する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明にかかる誤り訂正装置、誤り訂正方法及びデジタルデータ記録再生装置は、データの信頼性を向上させることが出来、ホログラフィックメモリシステム記録再生装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施例1におけるデジタルデータ記録再生装置および周辺装置の構成図
【図2】本発明の実施例1における記録時の処理の流れを示したフローチャート
【図3】本発明の実施例1におけるページデータの構成と、領域分割方法を示した図
【図4】本発明の実施例1におけるバッファメモリのメモリマップを示した図
【図5】本発明の実施例1におけるC1符号語、C2符号語の構成を示した図
【図6】本発明の実施例1におけるページデータの領域ごとのデータ格納順を示した図
【図7】本発明の実施例1におけるC2誤り訂正符号の配置交換方法を示した図
【図8】本発明の実施例1における再生時の処理の流れを示したフローチャート
【図9】本発明の実施例1における繰り返し訂正について示した図
【図10】従来のホログラフィックメモリシステムの構成図
【図11】従来のホログラフィックメモリシステムにおける記録時のページデータ変換方法を表した図
【図12】従来のホログラフィックメモリシステムにおける再生時のページデータ変換方法を表した図
【符号の説明】
【0104】
1 誤り訂正装置
2 記録媒体
3 記録再生回路
4 外部機器
11 データ入出力部
12 符号化部
13 誤り訂正部
14 制御部
15 バッファメモリ
101 符号化復号化回路
102 入力変更回路
103 記録再生回路
104 出力変更回路
105 記録媒体
106 外部機器
111 入力分割部
112 入力周辺再配列部
113 入力併合部
114 出力分割部
115 出力周辺再配列部
116 出力併合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器からの入力データを符号化し、記録再生装置を介して記録媒体に記録する、または前記記録媒体に記録されているデータを記録再生装置を介して再生し、誤り訂正処理を行った出力データを生成し、前記外部機器に出力する誤り訂正装置において、
前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータを格納するメモリと、
前記外部機器と前記メモリ間の前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力部と、
前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化部と、
前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行って前記出力データを生成する誤り訂正部と、
前記データ入出力部と前記符号化部と前記誤り訂正部を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、
前記データ入出力部は、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、
前記符号化部は、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納する、
ことを特徴とする誤り訂正装置。
【請求項2】
前記制御部は、第二の誤り訂正能力を決定し、
前記符号化部は、前記メモリの前記領域の少なくとも二つ以上の領域各々から所定の数の前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号を読み出し、前記読み出した前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号に対して前記第二の誤り訂正能力に従って第二の誤り訂正符号を生成し、前記第二の誤り訂正符号を前記メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正装置。
【請求項3】
前記符号化部は、前記第二の誤り訂正符号と、前記第二の誤り訂正符号以外のデータを前記メモリから読み出し、前記メモリに格納されている前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを交換して前記メモリに格納する
ことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正装置。
【請求項4】
前記誤り訂正部は、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号を用いて前記第一の誤り訂正処理を行い、前記第一の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新する
ことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正装置。
【請求項5】
前記誤り訂正部は、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第二の誤り訂正符号を用いて前記第二の誤り訂正処理を行い、前記第二の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新する
ことを特徴とする請求項1または請求項3記載の誤り訂正装置。
【請求項6】
前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを、前記第二の誤り訂正処理を行う前に、前記交換する前の格納アドレスに戻す
ことを特徴とする請求項5記載の誤り訂正装置。
【請求項7】
前記データ入出力部は、前記メモリに格納されている前記第一の誤り訂正処理または前記第二の誤り訂正処理後の前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号および前記第二の誤り訂正符号を除いた前記ページデータを所定の順序で前記外部機器に出力する
ことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正装置。
【請求項8】
前記記録媒体がホログラフィックメモリである、
ことを特徴とする請求項1記載の誤り訂正装置。
【請求項9】
外部機器からの入力データを符号化し、記録再生装置を介して記録媒体に記録する、または前記記録媒体に記録されているデータを記録再生装置を介して再生し、誤り訂正処理を行うことで出力データを生成し、前記外部機器に出力する誤り訂正方法において、
前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータをメモリに格納するステップと、
前記外部機器と前記メモリの間で前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力ステップと、
前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化ステップと、
前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行う誤り訂正ステップと、
前記データ入出力ステップと前記符号化ステップと前記誤り訂正ステップを制御する制御ステップとからなり、
前記制御ステップは、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、
前記データ入出力ステップは、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、
前記符号化ステップは、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納する、
ことを特徴とする誤り訂正方法。
【請求項10】
前記制御ステップは、第二の誤り訂正能力を決定し、
前記符号化ステップは、前記メモリの前記領域の少なくとも二つ以上の領域各々から所定の数の前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号を読み出し、前記読み出した前記入力データまたは前記第一の誤り訂正符号に対して前記第二の誤り訂正能力に従って第二の誤り訂正符号を生成し、前記第二の誤り訂正符号を前記メモリに格納する
ことを特徴とする請求項9記載の誤り訂正方法。
【請求項11】
前記符号化ステップは、前記第二の誤り訂正符号と、前記第二の誤り訂正符号以外のデータを前記メモリから読み出し、前記メモリに格納されている前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを交換して前記メモリに格納する
ことを特徴とする請求項9記載の誤り訂正方法。
【請求項12】
前記誤り訂正ステップは、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号を用いて前記第一の誤り訂正処理を行い、前記第一の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新する
ことを特徴とする請求項9記載の誤り訂正方法。
【請求項13】
前記誤り訂正ステップは、前記メモリに格納されている前記ページデータを読み出し、前記第二の誤り訂正符号を用いて前記第二の誤り訂正処理を行い、前記第二の誤り訂正処理の結果誤りが存在し、かつ訂正可能であれば、前記メモリに格納されている前記ページデータの前記誤りを正しい値に更新する
ことを特徴とする請求項9または請求項11記載の誤り訂正方法。
【請求項14】
前記第二の誤り訂正符号の格納アドレスと、前記第二の誤り訂正符号以外のデータの格納アドレスを、前記第二の誤り訂正処理を行う前に、前記交換する前の格納アドレスに戻す
ことを特徴とする請求項13記載の誤り訂正方法。
【請求項15】
前記データ入出力ステップは、前記メモリに格納されている前記第一の誤り訂正処理または前記第二の誤り訂正処理後の前記ページデータを読み出し、前記第一の誤り訂正符号および前記第二の誤り訂正符号を除いた前記ページデータを所定の順序で前記外部機器に出力する
ことを特徴とする請求項9記載の誤り訂正方法。
【請求項16】
前記記録媒体がホログラフィックメモリである、
ことを特徴とする請求項9記載の誤り訂正方法。
【請求項17】
干渉縞によりデータが記録される記録媒体と、
前記記録媒体に光を照射して前記干渉縞を形成してデータを記録し、前記記録媒体に光を照射して得られる前記干渉縞の情報から前記記録媒体に記録されたデータを再生する記録再生部と、
外部機器から前記記録媒体に記録する入力データを受信し、前記入力データに誤り訂正符号化を行い前記記録再生部に前記干渉縞に対応するページデータを出力し、前記記録再生部が前記記録媒体から読み出した前記ページデータの誤り訂正を行い、前記外部機器に出力データとして出力する誤り訂正部とを備え、
前記誤り訂正部は、
前記入力データあるいは前記出力データあるいは前記記録媒体に記録再生するページデータを格納するメモリと、
前記外部機器と前記メモリ間の前記入力データと前記出力データの入出力を行うデータ入出力部と、
前記メモリに格納された前記入力データに対する第一の誤り訂正符号を生成する符号化部と、
前記記録媒体から再生し前記メモリに格納した前記ページデータから前記入力データおよび前記第一の誤り訂正符号を読み出し、第一の誤り訂正処理を行って前記出力データを生成する誤り訂正部と、
前記データ入出力部と前記符号化部と前記誤り訂正部を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記メモリのデータ格納領域を前記ページデータに対応付けし、少なくとも二つ以上の領域に分割したメモリマップを生成するとともに、前記分割した領域ごとに第一の誤り訂正能力を決定し、
前記データ入出力部は、前記外部機器から入力した前記入力データを前記メモリ内の前記メモリマップによって定められた場所に格納し、
前記符号化部は、前記メモリの前記分割された領域の一つの領域から所定の数の前記入力データを読み出し、前記第一の誤り訂正能力に従って前記第一の誤り訂正符号を生成し、前記メモリに格納する、
ことを特徴とするデジタルデータ記録再生装置。
【請求項18】
前記記録媒体がホログラフィックメモリである、
ことを特徴とする請求項17記載のデジタルデータ記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−260619(P2006−260619A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72547(P2005−72547)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】