説明

課金情報管理システムおよび課金情報管理方法

【課題】回線契約者が構内交換機等の施設を設置する必要がなく、また不正利用を防止する。
【解決手段】端末102に端末認証情報112を記憶し、端末102と通信可能な耐タンパ性のセキュアデバイス101に利用者認証情報107を記憶する。端末102と通信可能な管理サーバ104に、端末認証情報112に基づいて端末102を認証するか否かを判断する端末認証手段118と、利用者認証情報107に基づいて利用者を認証するか否かを判断する利用者認証手段120と、端末認証手段118と利用者認証手段120とが認証すると判断したとき、端末102と利用者との課金ポリシに関する情報を含む回線、端末、利用者課金ポリシ128と、利用者の通信履歴情報131とに基づいて、課金情報を生成する課金情報生成手段125とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末を使用した通信サービスの課金情報を管理する課金情報管理システムおよび上記課金情報管理システムの課金情報管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、固定網等の通信網に接続された友人宅の端末・回線、街角端末・回線等を通じて電話、インターネット、IPTV等の通信サービスが提供されている。
【0003】
従来、たとえばホテル等の移動先で通信サービスを利用する場合において、回線契約者から利用者に対する課金情報を導出する課金情報管理システムがある。
【0004】
図9を用いて、上述の従来技術に係る課金情報管理システムについて説明する。図9は、従来技術に係る課金情報管理システムの構成図である。図に示すように、この課金情報管理システムは、端末901、構内交換機902、管理サーバ903、通信網904を備えている。端末901は、構内交換機902に接続されている。構内交換機902は、通信網904を介して、管理サーバ903に接続されている。端末901は、通信制御手段905を備えている。構内交換機902は、回線識別手段906、通信制御手段907、通信履歴管理手段908、利用者通信履歴情報記憶部909を備えている。利用者通信履歴情報記憶部909は、利用者通信履歴情報910を有している。管理サーバ903は、回線識別手段911、通信制御手段912、通信履歴管理手段913、課金管理手段914、回線通信履歴情報記憶部915、課金情報記憶部917を備えている。回線通信履歴情報記憶部915は、回線通信履歴情報916を有している。課金情報記憶部917は、課金情報918を有している。
【0005】
このような従来技術に係る課金情報管理システムにおいては、移動先の回線契約者の構内交換機902内の通信制御手段907が構内交換機902の先に接続された回線毎の通信ログを出力し、管理サーバ903の通信履歴管理手段913がこの通信ログから利用者の通信先や通信時間等の履歴情報を取り出す仕組みがある。また、構内交換機902を設けることにより、回線毎に通信サービスの利用を識別することができる。
【非特許文献1】http://www.enecom.co.jp/news/2004/20040510.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術においては、回線契約者が構内交換機902等の施設を設置しなければならない。また、提供されている機能は構内交換機902に接続された(分岐された)回線を識別する機能であり、利用者が別に割り当てられた別の構内の回線を利用した場合には、この利用を識別することができず、不正利用が可能となる。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、回線契約者が構内交換機等の施設を設置する必要がなく、また不正利用を防止することができる課金情報管理システムおよび課金情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するため、本発明においては、端末を使用した通信サービスの課金情報を管理する課金情報管理システムにおいて、上記端末に端末認証情報を記憶し、上記端末と通信可能な耐タンパ性のセキュアデバイスに利用者認証情報を記憶し、上記端末と通信可能な管理サーバが、上記端末認証情報と上記利用者認証情報とに基づいて、上記端末と利用者とを認証するか否かを判断する認証手段と、上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末と上記利用者との課金ポリシに関する情報である端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報とに基づいて、上記課金情報を生成する課金情報生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この場合、上記課金情報生成手段は、上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報と、上記利用者の課金先情報と、上記管理サーバを管理するネットワーク事業者の課金ポリシに関する情報であるネットワーク事業者課金ポリシとに基づいて、上記課金情報を生成することを特徴としてもよい。
【0010】
これらの場合、上記管理サーバが、上記端末、利用者課金ポリシから上記利用者の課金条件に関する情報である課金条件情報を取得する課金条件情報取得手段と、上記端末に対して、上記課金条件情報を送信する課金条件情報送信手段とを備えたことを特徴としてもよい。
【0011】
これらの場合、上記セキュアデバイスは、ソフトウェアトークンを有する装置、ICカード、SIMカード、セキュアチップ付きSDメモリーカード、マルチメディアカード、USBトークン、FeliCaチップ、TPMのいずれかであることを特徴としてもよい。
【0012】
また、端末を使用した通信サービスの課金情報を管理する課金情報管理システムにおける課金情報管理方法において、上記端末と通信可能な管理サーバが、上記端末に記憶された端末認証情報と上記端末と通信可能な耐タンパ性のセキュアデバイスに記憶された利用者認証情報とに基づいて、上記端末と利用者とを認証するか否かを判断する認証ステップと、上記管理サーバが、上記認証ステップにおいて認証すると判断したとき、上記端末と上記利用者との課金ポリシに関する情報である端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報とに基づいて、上記課金情報を生成する課金情報生成ステップとを有することを特徴としてもよい。
【0013】
この場合、上記課金情報生成ステップは、上記管理サーバが、上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報と、上記利用者の課金先情報と、上記管理サーバを管理するネットワーク事業者の課金ポリシに関する情報であるネットワーク事業者課金ポリシとに基づいて、上記課金情報を生成することを特徴としてもよい。
【0014】
これらの場合、上記管理サーバが、上記端末、利用者課金ポリシから上記利用者の課金条件に関する情報である課金条件情報を取得する課金条件情報取得ステップと、上記管理サーバが、上記端末に対して、上記課金条件情報を送信する課金条件情報送信ステップとを有することを特徴としてもよい。
【0015】
これらの場合、上記セキュアデバイスは、ソフトウェアトークンを有する装置、ICカード、SIMカード、セキュアチップ付きSDメモリーカード、マルチメディアカード、USBトークン、FeliCaチップ、TPMのいずれかであることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る課金情報管理システム、課金情報管理方法においては、管理サーバにより端末、利用者を認証し、端末、利用者課金ポリシと、利用者の通信履歴情報と、利用者の課金先情報とに基づいて課金情報を生成するから、回線契約者が構内交換機等の施設を設置する必要がなく、また不正利用を防止することができる。
【0017】
また、ネットワーク事業者課金ポリシに基づいて課金情報を生成するから、ネットワーク事業者の課金ポリシに応じて自動的に課金情報を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
最初に、図1を用いて、本発明に係る課金情報管理システムの構成について説明する。図1は、本発明に係る課金情報管理システムの構成図である。図に示すように、この課金情報管理システムは、セキュアデバイス101、端末102、ゲートウェイ103、管理サーバ104、通信網105を備えている。セキュアデバイス101は端末102に、端末102はゲートウェイ103にそれぞれ接続されている。ゲートウェイ103は、通信網105を介して、管理サーバ104に接続されている。
【0019】
セキュアデバイス101は、ソフトウェアトークンを有する装置、ICカード、SIMカード、セキュアチップ付きSDメモリーカード、マルチメディアカード(MMC)、USBトークン等の可搬型セキュアデバイスやFeliCaチップ、TPM(Trusted Platform Module)等の端末埋め込み型セキュアデバイスである。また、セキュアデバイス101は、通信サービスの利用者により管理される。セキュアデバイス101は、利用者認証情報記憶部106を備えている。利用者認証情報記憶部106は、利用者認証情報107を記憶する記憶手段である。ここで、利用者認証情報107は、利用者を認証するための情報であり、たとえばユーザID、パスワード等から構成される。
【0020】
端末102は、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)であり、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス等を有し、特にハードディスクには、ブラウザプログラムが記憶されている。さらに、携帯端末、インターネット接続機能付携帯電話、PDA等も含まれる。また、端末102は、回線契約者により管理される。端末102は、利用開始要求情報送信手段108、通信開始要求手段109、端末認証情報記憶部111を備えている。利用開始要求情報送信手段108は、利用者が端末102による通信サービスの利用開始の要求をしたとき、管理サーバ104に対して、利用開始要求情報を送信する。ここで、利用開始要求情報は、利用者が端末102による通信サービスの利用開始の要求をする情報である。通信開始要求手段109は、利用者が課金条件情報に基づいて、通信開始を要求したとき、管理サーバ104に対して、通信開始要求情報を送信する。ここで、通信開始要求情報は、利用者が端末102による通信サービスの通信開始の要求をする情報である。また、通信開始要求手段109は、利用者が課金条件情報に基づいて、通信開始を要求しないとき、処理を終了する。端末認証情報記憶部111は、端末認証情報112を記憶する記憶手段である。ここで、端末認証情報112は、端末102を認証するための情報であり、たとえば端末識別子、システムドライブのシリアル番号、システムドライブの全体容量等から構成される。
【0021】
ゲートウェイ103は、端末102と管理サーバ104との通信を仲介する。ゲートウェイ103は、回線認証情報記憶部113、通信終了通知手段134を備えている。回線認証情報記憶部113は、回線認証情報114を記憶する記憶手段である。ここで、回線認証情報114は、回線を認証するための情報であり、たとえば回線識別子、発信者番号、IPアドレス等から構成される。通信終了通知手段134は、通信終了通知手段110により管理サーバ104から通信終了が通知されたとき、端末102に通信終了を通知する。
【0022】
管理サーバ104は、たとえばサーバコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、ディスプレイ、キーボード、マウス等を有し、特にハードディスクには、ブラウザプログラムが記憶されている。また、管理サーバ104は、ネットワーク事業者により管理される。管理サーバ104は、回線認証情報取得手段115、回線認証手段116、端末認証情報取得手段117、端末認証手段118(認証手段)、利用者認証情報取得手段119、利用者認証手段120(認証手段)、課金条件情報取得手段121、課金条件情報送信手段122、通信終了通知手段110、通信履歴情報取得手段123、課金ポリシ取得手段124、課金先情報取得手段125、課金情報生成手段126、課金ポリシ記憶部127、通信履歴情報記憶部130、課金先情報記憶部132を備えている。
【0023】
回線認証情報取得手段115は、ゲートウェイ103から回線認証情報114を取得する。回線認証手段116は、回線認証情報114に基づいて回線を認証するか否かの判断をする。また、この回線認証手段116は、回線認証手段116が回線を認証しないと判断したとき、端末102にたとえば‘回線を認証することができません’というメッセージを表示する。
【0024】
端末認証情報取得手段117は、回線認証手段116が回線を認証すると判断したとき、端末102から端末認証情報112を取得する。端末認証手段118は、端末認証情報112に基づいて端末102を認証するか否かを判断する。また、この端末認証手段118は、端末認証手段118が端末102を認証しないと判断したとき、端末102にたとえば‘端末を認証することができません’というメッセージを表示する。
【0025】
利用者認証情報取得手段119は、端末認証手段118が端末102を認証すると判断したとき、セキュアデバイス101から利用者認証情報107を取得する。利用者認証手段120は、利用者認証情報107に基づいて利用者を認証するか否かを判断する。また、この利用者認証手段120は、利用者認証手段120が利用者を認証しないと判断したとき、端末102にたとえば‘利用者を認証することができません’というメッセージを表示する。
【0026】
課金条件情報取得手段121は、利用者認証手段120が利用者を認証すると判断したとき、回線、端末、利用者課金ポリシ128から課金条件情報を取得する。ここで、課金条件情報は、利用者の課金条件に関する情報であり、後述する回線、端末、利用者課金ポリシ128の課金条件(種別)、課金条件(値)の属性から構成される。課金条件情報送信手段122は、端末102に対して、課金条件情報を送信する。通信終了通知手段110は、通信が終了したとき、ゲートウェイ103に通信終了を通知する。
【0027】
通信履歴情報取得手段123は、加入IDに基づいて、通信履歴情報記憶部130から通信履歴情報131を取得する。
【0028】
ここで、図2を用いて、通信履歴情報131の構成について説明する。図2は、通信履歴情報の構成を示す図である。図に示すように、加入ID、通信時間、通信量の属性から構成される。加入IDは、加入の識別情報であり、たとえばS1、S2、S3のデータが記憶される。通信時間は、通信の時間を示す情報であり、たとえば1000秒、2000秒、5000秒のデータが記憶される。通信量は、通信のデータ量を示す情報であり、たとえば500パケット、3000パケット、20000パケットのデータが記憶される。
【0029】
課金ポリシ取得手段124は、加入IDに基づいて、課金ポリシ記憶部127から回線、端末、利用者課金ポリシ128、ネットワーク事業者課金ポリシ129を取得する。
【0030】
ここで、図3を用いて、回線、端末、利用者課金ポリシ128の構成について説明する。図3は、回線、端末、利用者課金ポリシの構成を示す図である。図に示すように、回線、端末、利用者課金ポリシ128は、加入ID、加入者種別、資源ID、対象利用者、課金条件(種別)、課金条件(値)、マージン率、加入契約の属性から構成されている。資源IDは、資源の識別情報であり、たとえばL1(回線ID)、L2(回線ID)、L3(回線ID)、T1(端末ID)、T2(端末ID)のデータが記憶される。対象利用者は、対象となる利用者を示す情報であり、たとえばANY(自分以外の者を示している。自分は加入契約のデータと同様である。)、家族のデータが記憶される。課金条件(種別)は、課金の種別を示す情報であり、たとえば固定課金、時間課金、データ量課金、フリーのデータが記憶される。課金条件(値)は、課金の値を示す情報であり、たとえば200円/回、30円/分、0.03円/パケット、100円/回、50円/回、0円のデータが記憶される。マージン率は、加入者である回線契約者がネットワーク事業者に対して支払う必要があるマージン(単位:円)を算出するための値であり、利用者の課金料金に占める割合(単位:%)で示される。たとえば、マージン率が2%、利用者の課金料金が3000円の場合、マージンは60円と算出される。加入契約は、加入者とネットワーク事業者間の加入契約を示す情報であり、たとえば3000円/月、20円/分、0.02円/パケット、10円/回、20円/分のデータが記憶される。なお、通常、加入者がネットワーク事業者に対して支払う必要がある加入契約に基づく課金料金は、利用者が加入者に対して支払う必要がある課金条件(種別)、課金条件(値)に基づく課金料金よりも低額である。
【0031】
また、図4を用いて、ネットワーク事業者課金ポリシ129の構成について説明する。図4は、ネットワーク事業者課金ポリシの構成を示す図である。図に示すように、ネットワーク事業者課金ポリシ129は、資源ID、固定課金、時間課金、データ量課金、アクセス回数課金の属性から構成される。固定課金、時間課金、データ量課金、アクセス回数課金は、課金条件(種別)がそれぞれ固定課金、時間課金、データ量課金、アクセス回数課金の場合におけるマージン率である。すなわち、マージン率は、ネットワーク事業者課金ポリシ129の課金条件(種別)のデータに基づいて設定される。また、マージン率をネットワーク事業者課金ポリシ129の課金条件(種別)以外の属性のデータに基づいて設定されるようにしてもよい。
【0032】
課金先情報取得手段125は、加入IDに基づいて、課金先情報記憶部132から課金先情報133を取得する。
【0033】
ここで、図5を用いて、課金先情報133の構成について説明する。図5は、課金先情報の構成を示す図である。図に示すように、課金先情報133は、加入ID、加入者種別、課金タイプ、課金先の属性から構成される。課金タイプは、契約の種別を示す情報であり、たとえば単独契約、グループ契約のデータが記憶される。課金先は、課金請求先の加入IDを示す情報であり、たとえばS1、S2、S3、S5のデータが記憶される。
【0034】
課金ポリシ記憶部127は、回線、端末、利用者課金ポリシ128、ネットワーク事業者課金ポリシ129を記憶する記憶手段である。通信履歴情報記憶部130は、通信履歴情報131を記憶する記憶手段である。課金先情報記憶部132は、課金先情報133を記憶する記憶手段である。
【0035】
課金情報生成手段126は、回線、端末、利用者課金ポリシ128、通信履歴情報131、課金先情報133、ネットワーク事業者課金ポリシ129に基づいて、課金情報を生成する。
【0036】
ここで、図6を用いて、課金情報の構成について説明する。図6は、課金情報の構成を示す図である。図に示すように、課金情報は、加入ID、資源ID、課金先、課金料金の属性から構成される。課金料金は、利用者が支払う必要がある料金を示す情報であり、たとえば400円、1800円、6000円、100円、250円、0円のデータが記憶される。
【0037】
通信網105は、インターネット、公衆網、専用線、移動体通信網等の通信網である。
【0038】
続いて、図7を用いて、管理サーバ104のハードウェア構成について説明する。図7は、管理サーバのハードウェア構成を示す図である。図に示すように、管理サーバ104は、CPU702、ROM703、RAM704より構成される制御部701、入力装置705、出力装置706、入出力制御回路707、課金ポリシ記憶部127、通信履歴情報記憶部130、課金先情報記憶部132を備えており、これらの構成要素は相互にシステムバスにより接続されている。
【0039】
制御部701は、管理サーバ104を実現するための種々な演算処理を実行する。CPU702は、中央処理装置であり、ROM703に記憶されたメインプログラムや、RAM704等に展開されたプログラム、一時的に記憶されたデータ等に基づき転送や演算処理を実行する。
【0040】
入力装置705は、たとえばキーボードやマウス等のデータ入力デバイスである。この入力装置705により課金ポリシ記憶部127、通信履歴情報記憶部130、課金先情報記憶部132へデータを入力できる。出力装置706は、LCDやCRT等の表示装置やプリンタである。入出力制御回路707は、外部装置との間でデータの入出力を実行するための制御を行う。
【0041】
課金ポリシ記憶部127は、上述のとおり、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。この課金ポリシ記憶部127は、少なくとも回線、端末、利用者課金ポリシ128、ネットワーク事業者課金ポリシ129を有している。
【0042】
通信履歴情報記憶部130は、上述のとおり、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。この通信履歴情報記憶部130は、少なくとも通信履歴情報131を有している。
【0043】
課金先情報記憶部132は、上述のとおり、データを記憶する記憶手段であり、メモリやハードディスク等によって構成される。この課金先情報記憶部132は、少なくとも課金先情報133を有している。
【0044】
続いて、図8を用いて、図1に示した課金情報管理システムの動作すなわち本発明に係る課金情報管理方法について説明する。図8は、本発明に係る課金情報管理方法の動作を示すシーケンス図である。
【0045】
まず、利用者が端末102による通信サービスの利用開始の要求をしたとき、利用開始要求情報送信手段108は、管理サーバ104に対して、利用開始要求情報を送信する(ステップS801)。つぎに、回線認証情報取得手段115は、ゲートウェイ103から回線認証情報114を取得する(ステップS802)。つぎに、回線認証手段116は、回線認証情報114に基づいて回線を認証するか否かの判断をする(ステップS803)。つぎに、回線認証手段116が回線を認証すると判断したとき、端末認証情報取得手段117は、端末102から端末認証情報112を取得する(ステップS804)。一方、回線認証手段116が回線を認証しないと判断したとき、回線認証手段116は、端末102にたとえば‘回線を認証することができません’というメッセージを表示し、処理を終了する。つぎに、端末認証手段118は、端末認証情報112に基づいて端末102を認証するか否かを判断する(ステップS805、認証ステップ)。つぎに、端末認証手段118が端末102を認証すると判断したとき、利用者認証情報取得手段119は、セキュアデバイス101から利用者認証情報107を取得する(ステップS806)。一方、端末認証手段118が端末102を認証しないと判断したとき、端末認証手段118は、端末102にたとえば‘端末を認証することができません’というメッセージを表示し、処理を終了する。つぎに、利用者認証手段120は、利用者認証情報107に基づいて利用者を認証するか否かを判断する(ステップS807、認証ステップ)。つぎに、利用者認証手段120が利用者を認証すると判断したとき、課金条件情報取得手段121は、回線、端末、利用者課金ポリシ128から課金条件情報を取得する(ステップS808、課金条件情報取得ステップ)。一方、利用者認証手段120が利用者を認証しないと判断したとき、利用者認証手段120は、端末102にたとえば‘利用者を認証することができません’というメッセージを表示し、処理を終了する。つぎに、課金条件情報送信手段122は、端末102に対して、課金条件情報を送信する(ステップS809、課金条件情報送信ステップ)。つぎに、利用者が課金条件情報に基づいて、通信開始を要求したとき、通信開始要求手段109は、管理サーバ104に対して、通信開始要求情報を送信する(ステップS810)。一方、利用者が課金条件情報に基づいて、通信開始を要求しないとき、通信開始要求手段109は、処理を終了する。つぎに、端末102と通信相手間の通信が開始される(ステップS811)。つぎに、通信が終了したとき、通信終了通知手段110は、ゲートウェイ103に通信終了を通知する(ステップS812)。つぎに、通信終了通知手段110により通信終了が通知されたとき、通信終了通知手段134は、端末102に通信終了を通知する。(ステップS813)。つぎに、通信履歴情報取得手段123は、加入IDに基づいて、通信履歴情報記憶部130から通信履歴情報131を取得する(ステップS814)。つぎに、課金ポリシ取得手段124は、加入IDに基づいて、課金ポリシ記憶部127から回線、端末、利用者課金ポリシ128、ネットワーク事業者課金ポリシ129を取得する(ステップS815)。つぎに、課金先情報取得手段125は、加入IDに基づいて、課金先情報記憶部132から課金先情報133を取得する(ステップS816)。つぎに、課金情報生成手段126は、回線、端末、利用者課金ポリシ128、通信履歴情報131、課金先情報133、ネットワーク事業者課金ポリシ129に基づいて、課金情報を生成する(ステップS817、課金情報生成ステップ)。
【0046】
上述した課金情報管理システム、課金情報管理方法においては、ネットワーク事業者が管理する管理サーバ104により回線、端末102、利用者を認証し、利用者の通信履歴情報と、回線、端末、利用者課金ポリシ128と、利用者の課金先情報とに基づいて課金情報を生成するから、回線契約者が構内交換機等の施設を設置する必要がなく、また回線、端末102、利用者毎に、通信サービスの利用を識別するから、不正利用を防止することができる。
【0047】
また、ネットワーク事業者課金ポリシ129に基づいて課金情報を生成するから、ネットワーク事業者の課金ポリシに応じて自動的に課金情報を生成することができる。
【0048】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0049】
たとえば、0120で実現されている無料電話や有料電話を通信サービスとして利用する場合のように、回線、端末、利用者課金ポリシ128は通信相手の別の利用者の回線、端末、利用者課金ポリシ128を含むようにしてもよい。また、たとえば利用者が自宅の端末102や回線を利用する場合には、付加的な料金が発生しないように回線、端末、利用者課金ポリシ128を設定してもよい。
【0050】
また、ホットスポット等のインターネットの利用においても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る課金情報管理システムの構成図である。
【図2】通信履歴情報の構成を示す図である。
【図3】回線、端末、利用者課金ポリシの構成を示す図である。
【図4】ネットワーク事業者課金ポリシの構成を示す図である。
【図5】課金先情報の構成を示す図である。
【図6】課金情報の構成を示す図である。
【図7】管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図8】本発明に係る課金情報管理方法の動作を示すシーケンス図である。
【図9】従来技術に係る課金情報管理システムの構成図である。
【符号の説明】
【0052】
101…セキュアデバイス
102…端末
104…管理サーバ
105…通信網
107…利用者認証情報
112…端末認証情報
118…端末認証手段
120…利用者認証手段
121…課金条件情報取得手段
122…課金条件情報送信手段
126…課金情報生成手段
128…回線、端末、利用者課金ポリシ
129…ネットワーク事業者課金ポリシ
131…通信履歴情報
133…課金先情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末を使用した通信サービスの課金情報を管理する課金情報管理システムにおいて、
上記端末に端末認証情報を記憶し、
上記端末と通信可能な耐タンパ性のセキュアデバイスに利用者認証情報を記憶し、
上記端末と通信可能な管理サーバが、
上記端末認証情報と上記利用者認証情報とに基づいて、上記端末と利用者とを認証するか否かを判断する認証手段と、
上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末と上記利用者との課金ポリシに関する情報である端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報とに基づいて、上記課金情報を生成する課金情報生成手段とを備えた
ことを特徴とする課金情報管理システム。
【請求項2】
上記課金情報生成手段は、上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報と、上記利用者の課金先情報と、上記管理サーバを管理するネットワーク事業者の課金ポリシに関する情報であるネットワーク事業者課金ポリシとに基づいて、上記課金情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の課金情報管理システム。
【請求項3】
上記管理サーバが、
上記端末、利用者課金ポリシから上記利用者の課金条件に関する情報である課金条件情報を取得する課金条件情報取得手段と、
上記端末に対して、上記課金条件情報を送信する課金条件情報送信手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1または2に記載の課金情報管理システム。
【請求項4】
上記セキュアデバイスは、
ソフトウェアトークンを有する装置、ICカード、SIMカード、セキュアチップ付きSDメモリーカード、マルチメディアカード、USBトークン、FeliCaチップ、TPMのいずれかである
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の課金情報管理システム。
【請求項5】
端末を使用した通信サービスの課金情報を管理する課金情報管理システムにおける課金情報管理方法において、
上記端末と通信可能な管理サーバが、上記端末に記憶された端末認証情報と上記端末と通信可能な耐タンパ性のセキュアデバイスに記憶された利用者認証情報とに基づいて、上記端末と利用者とを認証するか否かを判断する認証ステップと、
上記管理サーバが、上記認証ステップにおいて認証すると判断したとき、上記端末と上記利用者との課金ポリシに関する情報である端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報とに基づいて、上記課金情報を生成する課金情報生成ステップとを有する
ことを特徴とする課金情報管理方法。
【請求項6】
上記課金情報生成ステップは、上記管理サーバが、上記認証手段が認証すると判断したとき、上記端末、利用者課金ポリシと、上記利用者の通信履歴情報と、上記利用者の課金先情報と、上記管理サーバを管理するネットワーク事業者の課金ポリシに関する情報であるネットワーク事業者課金ポリシとに基づいて、上記課金情報を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の課金情報管理方法。
【請求項7】
上記管理サーバが、上記端末、利用者課金ポリシから上記利用者の課金条件に関する情報である課金条件情報を取得する課金条件情報取得ステップと、
上記管理サーバが、上記端末に対して、上記課金条件情報を送信する課金条件情報送信ステップとを有する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の課金情報管理方法。
【請求項8】
上記セキュアデバイスは、
ソフトウェアトークンを有する装置、ICカード、SIMカード、セキュアチップ付きSDメモリーカード、マルチメディアカード、USBトークン、FeliCaチップ、TPMのいずれかである
ことを特徴とする請求項5、6または7に記載の課金情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−258816(P2009−258816A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104341(P2008−104341)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】