調理装置
【課題】 炊飯機能を有し、弁当容器としても使用できる調理装置として従来のものは、加熱調理できる副食容器も一つに限られ、その他の付随的機能は有しないものとなっている点である。
【解決手段】 加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することとする。
【解決手段】 加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は調理装置に関し、特に、炊飯機能と、その炊飯時に生じる蒸気熱で副食を加熱調理でき、かつ、加熱部に、付属されているフライパンをセットすることで、副食を焼いたり、炒めたりあるいは煮たりすることも可能とするとともに、炊飯機能における炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能とし、全体装置を弁当用容器としても用いることができることとした調理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、弁当容器として、ジャータイプの保温機能を有するものが知られている。その他、炊飯機能を有するものとして、特許文献１に示すものも知られている。しかし、保温タイプのものは、弁当に必要な副食に関し、格別な配慮はなされておらず、米飯とともに保温するものとなっており、特許文献１に示される弁当箱は、米飯は炊けるが、副食は当初に詰めた状態のまま冷えてしまう。
【０００３】
また、特許文献２として示しているものは、本件出願人の既出願のものであり、炊飯機能と、その炊飯時に発生する蒸気熱で副食を加熱調理する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】登録実用新案第３０３１８６０号公報
【特許文献２】特願２０１０−８６６９０号出願書類
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献２にあっても加熱調理できる副食容器も一つに限られ、その他の付随的機能は有しないものとなっている点である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この問題点を解決するために、本発明に係る調理装置は加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することを特徴としている。
【０００７】
また、本発明に係る調理装置は前記した加熱部は上面が皿状に構成され、上面外周にはその上面を囲む立壁部が形成され、前記したケーシングカバーの下端は、その内面を前記立壁部の外面に沿わせて嵌装され、かつ、前記した立壁部はフライパンを載置した際に、そのフライパンの外縁下に設けられた保持部との間で位置決め作用をなす構成となっていることを特徴としている。
【０００８】
さらに、本発明に係る調理装置は前記したケーシングカバーの内面には、前記した炊飯用釜の上面開口縁と接する蒸気の逆流防止弁機構を備えていることを特徴とし、前記した調理装置は全体を平面的にオーバル状とし、炊飯用釜の外面には、そのオーバル状の長軸方向端となる一方に折り畳み式の取っ手を備えるとともに、他方端の上面には注ぎ口を備え、この炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能である構成としたことを特徴としている。
【０００９】
そして、本発明に係る調理装置は前記したケーシングカバーの天面には加圧された蒸気の抜気機構が設けられていることを特徴とし、前記した加熱部の外表面に備えられたスイッチ群は、上向きのテーパ面に設けられていることを特徴とし、前記した加熱部に電源を供給するコード付きのコンセントはマグネットによりワンタッチで着脱可能としてあることを特徴とし、前記したスイッチ群の近傍に備えられるパイロット用のＬＥＤは目的により発光色を変えてあることを特徴とし、前記した副食の加熱調理用容器の蓋体には蒸気抜き機構が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る調理装置は上記のように構成されている。そのため、場所を特定、移動に関係なく、炊飯に加え、副食の加熱調理、加えてフライパンの使用や、湯沸し機能も幅広く備え、弁当容器としても好適に利用出来る。
【００１１】
しかも、副食の加熱調理は一容器に限らず、複数に対応でき、バラエティに富んだ副食が得られ、その他の附随機構によって、従来に比し、一層使い勝手が良く、調理の失敗を生じてしまう虞もない製品となっている。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明を実施した調理装置の一部破断した正面断面図である。
【図２】上方斜視図である。
【図３】副食の加熱調理用容器の平面図である。
【図４】炊飯用釜の側面図である。
【図５】平面図である。
【図６】炊飯用釜の取っ手を出した状態の側面図である。
【図７】平面図である。
【図８】加熱部にフライパンを載置した状態の側面図である。
【図９】平面図である。
【図１０】電源を供給するコンセントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例１】
【００１４】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中１は加熱部を示しており、この加熱部１はプラスチックあるいは金属製の筺体内部に加熱のためのコイルやヒーターが設けられている。この加熱部１の筺体は底面の四角に据え置き用の脚体２、２‥が設けられており、その正面壁面は上方に向けたテーパ面３となっており、そのテーパ面３に左から順にＯＮ／ＯＦＦ用、炊飯用、焼く、煮る、沸かすの加熱調理用のプッシュスイッチボタン４ａ、４ｂ、４ｃが設けられており、各スイッチボタン４ａ、４ｂ、４ｃの右上部分には作動状況を示すパイロット用のＬＥＤ５ａ、５ｂ、５ｃが設けられている。尚、ＯＮ／ＯＦＦ用のスイッチボタンは保温用としても使用する。
【００１５】
ここで、ＬＥＤ５ａ、５ｂ、５ｃについて、炊飯用の５ｂと加熱調理用５ｃの発光色は同色でよいが、ＯＮ／ＯＦＦ用の５ａは異なる発光色を用いることで、一見して状況が目視確認できることとなる。
【００１６】
また、この加熱部１の筺体は本願装置の基本構成に合わせ平面的にオーバル状をしている。そして、その上面は皿状となっており、この上面の外縁は立壁部６によって囲まれている。そして、別に図示しないが、加熱部１の背面には電源供給部が設けられ、この電源供給部には１００〜２００Ｖの商用電源７からコード８を介してコンセント９が装着される。このコンセント９はマグネットが利用され、ワンタッチで着脱可能なものとされている。
【００１７】
さらに、図中１０はケーシングカバーを示している。このケーシングカバー１０はプラスチック、金属あるいは耐熱ガラスで成形され、加熱部１と適合する断面オーバル状をし、下方を開口した構成としている。このケーシングカバー１０の下方開口の内面は、前記立壁部６の外面に沿って気密に嵌合被冠され、着脱自在となっている。
【００１８】
このケーシングカバー１０の天面には後述する蒸気抜き機構、本実施例では蒸気抜き栓１１が形成された透孔に嵌装されている。この蒸気抜き栓１１は側面と底面に連通する蒸気通路１１ａが形成されており、その上方フランジの下面をテーパ状とし、ケーシングカバー１０の透孔開口縁のテーパと当接させることで落下を防止している。蒸気圧で上方に持ち上げられ、蒸気を抜いた後は自重で元の位置に落下復帰する。
【００１９】
一方、図中１２は炊飯用釜を示しており、炊飯用釜１２も加熱部１と適合し、その上面の立壁部６に囲まれた部分に載置できるよう平面オーバル状となっている。この炊飯用釜１２は一般的な金属でも良いが、マーブル加工された耐熱ガラスで成形されることが好ましく、そうすることで、本実施例の加熱部１に対応するのみでなく、ガス火や炭火等の直火にも対応でき、使用用途を広げることができる。
【００２０】
また、炊飯用釜１２の長軸方向に沿った一方外面には、ヒンジを介した一対の取っ手１３、１３が枢動して折り畳み自在に備えられている。この取っ手１３、１３の存在によって、直接炊飯用釜を持って炊けた米飯を食することも可能となり、後述するように炊飯用釜１２を湯沸しとして使用した際の、その湯をカップ等に注ぐ作業も行ない易くなる。
【００２１】
さらに、この炊飯用釜１２の開口縁にはフランジ１２ａが形成されており、このフランジ１２ａの前記した取っ手１３、１３と反対側には炊飯用釜１２を湯沸しとして使用した際、その湯の注ぎ口１４が形成されている。又、このフランジ１２ａの内側には後述する副食の加熱調理用容器を受ける受け段部１２ｂが形成されている。
【００２２】
そして、ケーシングカバー１０の内面には、炊飯用釜１２のフランジ１２ａの上面と当接するシリコン製の蒸気逆流防止弁１５が無端状に設けられており、炊飯用釜１２内から発生した蒸気が、この炊飯用釜１２の外周へ回り込んでしまうこと、及び炊飯時の噴きこぼれを防止する。
【００２３】
また、図中１６、１６は一対の副食の加熱調理用容器を示している。この加熱調理用容器１６は、ポリプロピレンで成形され、各々に上面開口を閉塞する蓋体１６ｂ、１６ｂを有している。この加熱調理用容器１６、１６は合同形をしており、一対で炊飯用釜１２の開口に合うオーバル状となるが、この炊飯用釜１２にセットした状態では、この加熱調理用容器１６、１６間には蒸気を通すスペースが生じるものとしている。
【００２４】
この加熱調理用容器１６、１６の底部近くの外周には、前記した炊飯用釜１２の受け段部１２ｂ上に係合して載置され、一部に蒸気を通す切り欠き１６ｄを形成したフランジ１６ａ、１６ａが一体に設けられており、底面には卓上等に据え置くための脚部１６ｃ、１６ｃ‥が形成されている。また、図では格別に示していないが、この加熱調理用容器１６の蓋体１６ｂ、１６ｂには、内部の蒸気を抜くための透孔を形成しておくこともできる。
【００２５】
また、図中１７は第三の副食の加熱調理用容器を示しており、加熱調理用容器１６と同様に蓋体１７ｂ、フランジ１７ａ、脚部１７ｃ、１７ｃ‥を備えている。この第三の加熱調理用容器１７は全体が炊飯用釜１２の開口と合うオーバル状としてあり、フランジ１７ｂを受け段部１２ｂに載置することもできるが、図１として示すように加熱調理用容器１６、１６の上面に載置し、使用することができる。
【００２６】
このように、副食の加熱調理用容器１６、１６、１７を使用することで、多彩な副食を炊飯と同様に加熱調理し、食に供することができ、この副食として味噌汁やスープ等の液状物も加えることができる。
【００２７】
さらに、図中１８は加熱部１上で使用されるフライパンを示しており、このフライパン１８を使用する時には、ケーシングカバー１０や炊飯用釜１２等は全て取り外される。このフライパン１８も加熱部１の上面に合うオーバル状をしており、左右に運搬や取り外し用の取っ手８ａ、１８ａが設けられている。
【００２８】
前記した取っ手１８ａ、１８ａの下方には位置決めする保持部１８ｂ、１８ｂが一体に垂設されており、加熱部１上にフライパン１８をセットした時、フライパン１８の外壁面と保持部１８ｂ、１８ｂの間に立壁部６が位置する構成とし、フライパン１８の位置ずれを防止し、安定させることができる。尚、図中１９は摘み１９ａを有し、蒸気の抜き孔１９ｂを形成した耐熱ガラス製の蓋体である。このフライパン１８の存在により、未調理の食品を焼いたり、炒めたり、煮たりする加熱調理が可能となり、一層副食のバリエーションを広げられる。
【００２９】
本実施例に係る調理装置は上記のように構成されている。炊飯用釜１２から発生した蒸気は図１中矢印で示すように通り、蒸気抜き栓１１から外気へ放出される。蒸気は副食の加熱調理用容器１６、１６間も通り、まんべんなく、加熱調理容器１６、１６、１７を加熱し、内部に収容されている副食を温めることとなる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
本発明に係る調理装置は上記のように構成されている。この調理装置は携行も容易なため弁当容器として使用することも目的の一つとなる。また、副食の加熱調理用容器１６、１６、１７の底面に蒸気の通気孔を形成したものを用意すれば、副食やシューマイ、肉まん等を蒸すことも可能で、芋類等をふかし芋とすることもできる。
【００３１】
また、図として示してはいないが、スイッチ群やＬＥＤ群が設けられているテーパ面３には、セグメントを使用したデジタル表示部を設けることもでき、米飯の炊き上がり等を告知するアラームやブザー等の音響装置を付加することもできる。さらには、ＯＮ／ＯＦＦスイッチを入力することで、保温機能をもたせることもできる。この保温は炊き上がった米飯等のほか、単に既存の食品を保温しておくことにも利用できる。
【符号の説明】
【００３２】
１ 加熱部
２ 脚体
３ テーパ面
４ａ スイッチボタン
４ｂ スイッチボタン
４ｃ スイッチボタン
５ａ ＬＥＤ
５ｂ ＬＥＤ
５ｃ ＬＥＤ
６ 立壁部
７ 商用電源
８ コード
９ コンセント
１０ ケーシングカバー
１１ 蒸気抜き栓
１１ａ 蒸気通路
１２ 炊飯用釜
１２ａ フランジ
１２ｂ 受け段部
１３ 取っ手
１４ 注ぎ口
１５ 逆流防止弁
１６ 副食の加熱調理用容器
１６ａ フランジ
１６ｂ 蓋体
１６ｃ 脚部
１６ｄ 切り欠き
１７ 第三の副食の加熱調理用容器
１７ａ フランジ
１７ｂ 蓋体
１７ｃ 脚体
１８ フライパン
１８ａ 取っ手
１８ｂ 保持部
１９ ガラス蓋
１９ａ 摘み
１９ｂ 蒸気抜き孔
【技術分野】
【０００１】
本発明は調理装置に関し、特に、炊飯機能と、その炊飯時に生じる蒸気熱で副食を加熱調理でき、かつ、加熱部に、付属されているフライパンをセットすることで、副食を焼いたり、炒めたりあるいは煮たりすることも可能とするとともに、炊飯機能における炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能とし、全体装置を弁当用容器としても用いることができることとした調理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、弁当容器として、ジャータイプの保温機能を有するものが知られている。その他、炊飯機能を有するものとして、特許文献１に示すものも知られている。しかし、保温タイプのものは、弁当に必要な副食に関し、格別な配慮はなされておらず、米飯とともに保温するものとなっており、特許文献１に示される弁当箱は、米飯は炊けるが、副食は当初に詰めた状態のまま冷えてしまう。
【０００３】
また、特許文献２として示しているものは、本件出願人の既出願のものであり、炊飯機能と、その炊飯時に発生する蒸気熱で副食を加熱調理する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】登録実用新案第３０３１８６０号公報
【特許文献２】特願２０１０−８６６９０号出願書類
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明が解決しようとする問題点は、特許文献２にあっても加熱調理できる副食容器も一つに限られ、その他の付随的機能は有しないものとなっている点である。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この問題点を解決するために、本発明に係る調理装置は加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することを特徴としている。
【０００７】
また、本発明に係る調理装置は前記した加熱部は上面が皿状に構成され、上面外周にはその上面を囲む立壁部が形成され、前記したケーシングカバーの下端は、その内面を前記立壁部の外面に沿わせて嵌装され、かつ、前記した立壁部はフライパンを載置した際に、そのフライパンの外縁下に設けられた保持部との間で位置決め作用をなす構成となっていることを特徴としている。
【０００８】
さらに、本発明に係る調理装置は前記したケーシングカバーの内面には、前記した炊飯用釜の上面開口縁と接する蒸気の逆流防止弁機構を備えていることを特徴とし、前記した調理装置は全体を平面的にオーバル状とし、炊飯用釜の外面には、そのオーバル状の長軸方向端となる一方に折り畳み式の取っ手を備えるとともに、他方端の上面には注ぎ口を備え、この炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能である構成としたことを特徴としている。
【０００９】
そして、本発明に係る調理装置は前記したケーシングカバーの天面には加圧された蒸気の抜気機構が設けられていることを特徴とし、前記した加熱部の外表面に備えられたスイッチ群は、上向きのテーパ面に設けられていることを特徴とし、前記した加熱部に電源を供給するコード付きのコンセントはマグネットによりワンタッチで着脱可能としてあることを特徴とし、前記したスイッチ群の近傍に備えられるパイロット用のＬＥＤは目的により発光色を変えてあることを特徴とし、前記した副食の加熱調理用容器の蓋体には蒸気抜き機構が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る調理装置は上記のように構成されている。そのため、場所を特定、移動に関係なく、炊飯に加え、副食の加熱調理、加えてフライパンの使用や、湯沸し機能も幅広く備え、弁当容器としても好適に利用出来る。
【００１１】
しかも、副食の加熱調理は一容器に限らず、複数に対応でき、バラエティに富んだ副食が得られ、その他の附随機構によって、従来に比し、一層使い勝手が良く、調理の失敗を生じてしまう虞もない製品となっている。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明を実施した調理装置の一部破断した正面断面図である。
【図２】上方斜視図である。
【図３】副食の加熱調理用容器の平面図である。
【図４】炊飯用釜の側面図である。
【図５】平面図である。
【図６】炊飯用釜の取っ手を出した状態の側面図である。
【図７】平面図である。
【図８】加熱部にフライパンを載置した状態の側面図である。
【図９】平面図である。
【図１０】電源を供給するコンセントの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例１】
【００１４】
次に、本発明の好ましい実施の一例を図面を参照して説明する。図中１は加熱部を示しており、この加熱部１はプラスチックあるいは金属製の筺体内部に加熱のためのコイルやヒーターが設けられている。この加熱部１の筺体は底面の四角に据え置き用の脚体２、２‥が設けられており、その正面壁面は上方に向けたテーパ面３となっており、そのテーパ面３に左から順にＯＮ／ＯＦＦ用、炊飯用、焼く、煮る、沸かすの加熱調理用のプッシュスイッチボタン４ａ、４ｂ、４ｃが設けられており、各スイッチボタン４ａ、４ｂ、４ｃの右上部分には作動状況を示すパイロット用のＬＥＤ５ａ、５ｂ、５ｃが設けられている。尚、ＯＮ／ＯＦＦ用のスイッチボタンは保温用としても使用する。
【００１５】
ここで、ＬＥＤ５ａ、５ｂ、５ｃについて、炊飯用の５ｂと加熱調理用５ｃの発光色は同色でよいが、ＯＮ／ＯＦＦ用の５ａは異なる発光色を用いることで、一見して状況が目視確認できることとなる。
【００１６】
また、この加熱部１の筺体は本願装置の基本構成に合わせ平面的にオーバル状をしている。そして、その上面は皿状となっており、この上面の外縁は立壁部６によって囲まれている。そして、別に図示しないが、加熱部１の背面には電源供給部が設けられ、この電源供給部には１００〜２００Ｖの商用電源７からコード８を介してコンセント９が装着される。このコンセント９はマグネットが利用され、ワンタッチで着脱可能なものとされている。
【００１７】
さらに、図中１０はケーシングカバーを示している。このケーシングカバー１０はプラスチック、金属あるいは耐熱ガラスで成形され、加熱部１と適合する断面オーバル状をし、下方を開口した構成としている。このケーシングカバー１０の下方開口の内面は、前記立壁部６の外面に沿って気密に嵌合被冠され、着脱自在となっている。
【００１８】
このケーシングカバー１０の天面には後述する蒸気抜き機構、本実施例では蒸気抜き栓１１が形成された透孔に嵌装されている。この蒸気抜き栓１１は側面と底面に連通する蒸気通路１１ａが形成されており、その上方フランジの下面をテーパ状とし、ケーシングカバー１０の透孔開口縁のテーパと当接させることで落下を防止している。蒸気圧で上方に持ち上げられ、蒸気を抜いた後は自重で元の位置に落下復帰する。
【００１９】
一方、図中１２は炊飯用釜を示しており、炊飯用釜１２も加熱部１と適合し、その上面の立壁部６に囲まれた部分に載置できるよう平面オーバル状となっている。この炊飯用釜１２は一般的な金属でも良いが、マーブル加工された耐熱ガラスで成形されることが好ましく、そうすることで、本実施例の加熱部１に対応するのみでなく、ガス火や炭火等の直火にも対応でき、使用用途を広げることができる。
【００２０】
また、炊飯用釜１２の長軸方向に沿った一方外面には、ヒンジを介した一対の取っ手１３、１３が枢動して折り畳み自在に備えられている。この取っ手１３、１３の存在によって、直接炊飯用釜を持って炊けた米飯を食することも可能となり、後述するように炊飯用釜１２を湯沸しとして使用した際の、その湯をカップ等に注ぐ作業も行ない易くなる。
【００２１】
さらに、この炊飯用釜１２の開口縁にはフランジ１２ａが形成されており、このフランジ１２ａの前記した取っ手１３、１３と反対側には炊飯用釜１２を湯沸しとして使用した際、その湯の注ぎ口１４が形成されている。又、このフランジ１２ａの内側には後述する副食の加熱調理用容器を受ける受け段部１２ｂが形成されている。
【００２２】
そして、ケーシングカバー１０の内面には、炊飯用釜１２のフランジ１２ａの上面と当接するシリコン製の蒸気逆流防止弁１５が無端状に設けられており、炊飯用釜１２内から発生した蒸気が、この炊飯用釜１２の外周へ回り込んでしまうこと、及び炊飯時の噴きこぼれを防止する。
【００２３】
また、図中１６、１６は一対の副食の加熱調理用容器を示している。この加熱調理用容器１６は、ポリプロピレンで成形され、各々に上面開口を閉塞する蓋体１６ｂ、１６ｂを有している。この加熱調理用容器１６、１６は合同形をしており、一対で炊飯用釜１２の開口に合うオーバル状となるが、この炊飯用釜１２にセットした状態では、この加熱調理用容器１６、１６間には蒸気を通すスペースが生じるものとしている。
【００２４】
この加熱調理用容器１６、１６の底部近くの外周には、前記した炊飯用釜１２の受け段部１２ｂ上に係合して載置され、一部に蒸気を通す切り欠き１６ｄを形成したフランジ１６ａ、１６ａが一体に設けられており、底面には卓上等に据え置くための脚部１６ｃ、１６ｃ‥が形成されている。また、図では格別に示していないが、この加熱調理用容器１６の蓋体１６ｂ、１６ｂには、内部の蒸気を抜くための透孔を形成しておくこともできる。
【００２５】
また、図中１７は第三の副食の加熱調理用容器を示しており、加熱調理用容器１６と同様に蓋体１７ｂ、フランジ１７ａ、脚部１７ｃ、１７ｃ‥を備えている。この第三の加熱調理用容器１７は全体が炊飯用釜１２の開口と合うオーバル状としてあり、フランジ１７ｂを受け段部１２ｂに載置することもできるが、図１として示すように加熱調理用容器１６、１６の上面に載置し、使用することができる。
【００２６】
このように、副食の加熱調理用容器１６、１６、１７を使用することで、多彩な副食を炊飯と同様に加熱調理し、食に供することができ、この副食として味噌汁やスープ等の液状物も加えることができる。
【００２７】
さらに、図中１８は加熱部１上で使用されるフライパンを示しており、このフライパン１８を使用する時には、ケーシングカバー１０や炊飯用釜１２等は全て取り外される。このフライパン１８も加熱部１の上面に合うオーバル状をしており、左右に運搬や取り外し用の取っ手８ａ、１８ａが設けられている。
【００２８】
前記した取っ手１８ａ、１８ａの下方には位置決めする保持部１８ｂ、１８ｂが一体に垂設されており、加熱部１上にフライパン１８をセットした時、フライパン１８の外壁面と保持部１８ｂ、１８ｂの間に立壁部６が位置する構成とし、フライパン１８の位置ずれを防止し、安定させることができる。尚、図中１９は摘み１９ａを有し、蒸気の抜き孔１９ｂを形成した耐熱ガラス製の蓋体である。このフライパン１８の存在により、未調理の食品を焼いたり、炒めたり、煮たりする加熱調理が可能となり、一層副食のバリエーションを広げられる。
【００２９】
本実施例に係る調理装置は上記のように構成されている。炊飯用釜１２から発生した蒸気は図１中矢印で示すように通り、蒸気抜き栓１１から外気へ放出される。蒸気は副食の加熱調理用容器１６、１６間も通り、まんべんなく、加熱調理容器１６、１６、１７を加熱し、内部に収容されている副食を温めることとなる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
本発明に係る調理装置は上記のように構成されている。この調理装置は携行も容易なため弁当容器として使用することも目的の一つとなる。また、副食の加熱調理用容器１６、１６、１７の底面に蒸気の通気孔を形成したものを用意すれば、副食やシューマイ、肉まん等を蒸すことも可能で、芋類等をふかし芋とすることもできる。
【００３１】
また、図として示してはいないが、スイッチ群やＬＥＤ群が設けられているテーパ面３には、セグメントを使用したデジタル表示部を設けることもでき、米飯の炊き上がり等を告知するアラームやブザー等の音響装置を付加することもできる。さらには、ＯＮ／ＯＦＦスイッチを入力することで、保温機能をもたせることもできる。この保温は炊き上がった米飯等のほか、単に既存の食品を保温しておくことにも利用できる。
【符号の説明】
【００３２】
１ 加熱部
２ 脚体
３ テーパ面
４ａ スイッチボタン
４ｂ スイッチボタン
４ｃ スイッチボタン
５ａ ＬＥＤ
５ｂ ＬＥＤ
５ｃ ＬＥＤ
６ 立壁部
７ 商用電源
８ コード
９ コンセント
１０ ケーシングカバー
１１ 蒸気抜き栓
１１ａ 蒸気通路
１２ 炊飯用釜
１２ａ フランジ
１２ｂ 受け段部
１３ 取っ手
１４ 注ぎ口
１５ 逆流防止弁
１６ 副食の加熱調理用容器
１６ａ フランジ
１６ｂ 蓋体
１６ｃ 脚部
１６ｄ 切り欠き
１７ 第三の副食の加熱調理用容器
１７ａ フランジ
１７ｂ 蓋体
１７ｃ 脚体
１８ フライパン
１８ａ 取っ手
１８ｂ 保持部
１９ ガラス蓋
１９ａ 摘み
１９ｂ 蒸気抜き孔
【特許請求の範囲】
【請求項１】
加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することを特徴とする調理装置。
【請求項２】
前記した加熱部は上面が皿状に構成され、上面外周にはその上面を囲む立壁部が形成され、前記したケーシングカバーの下端は、その内面を前記立壁部の外面に沿わせて嵌装され、かつ、前記した立壁部はフライパンを載置した際に、そのフライパンの外縁下に設けられた保持部との間で位置決め作用をなす構成となっていることを特徴とする請求項１に記載の調理装置。
【請求項３】
前記したケーシングカバーの内面には、前記した炊飯用釜の上面開口縁と接する蒸気の逆流防止弁機構を備えていることを特徴とする請求項１または２に記載の調理装置。
【請求項４】
前記した調理装置は全体を平面的にオーバル状とし、炊飯用釜の外面には、そのオーバル状の長軸方向端となる一方に折り畳み式の取っ手を備えるとともに、他方端の上面には注ぎ口を備え、この炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能である構成としたことを特徴とする請求項１から３のうち１項に記載の調理装置。
【請求項５】
前記したケーシングカバーの天面には加圧された蒸気の抜気機構が設けられていることを特徴とする請求項１から４のうち１項に記載の調理装置。
【請求項６】
前記した加熱部の外表面に備えられたスイッチ群は、上向きのテーパ面に設けられていることを特徴とする請求項１から５のうち１項に記載の調理装置。
【請求項７】
前記した加熱部に電源を供給するコード付きのコンセントはマグネットによりワンタッチで着脱可能としてあることを特徴とする請求項１から６のうち１項に記載の調理装置。
【請求項８】
前記したスイッチ群の近傍に備えられるパイロット用のＬＥＤは目的により発光色を変えてあることを特徴とする請求項１から７のうち１項に記載の調理装置。
【請求項９】
前記した副食の加熱調理用容器の蓋体には蒸気抜き機構が設けられていることを特徴とする請求項１から８のうち１項に記載の調理装置。
【請求項１】
加熱部とその加熱部の上方に被冠されるケーシングカバーとを有し、前記した加熱部上には炊飯用釜もしくはフライパンを載置可能とし、炊飯用釜の場合、その上面開口縁に形成された段部に副食の加熱調理用容器を一つまたは複数個掛け置き可能とし、炊飯用釜を用いての炊飯時に発生する高温蒸気で副食の蓋付き加熱調理用容器を加熱することを特徴とする調理装置。
【請求項２】
前記した加熱部は上面が皿状に構成され、上面外周にはその上面を囲む立壁部が形成され、前記したケーシングカバーの下端は、その内面を前記立壁部の外面に沿わせて嵌装され、かつ、前記した立壁部はフライパンを載置した際に、そのフライパンの外縁下に設けられた保持部との間で位置決め作用をなす構成となっていることを特徴とする請求項１に記載の調理装置。
【請求項３】
前記したケーシングカバーの内面には、前記した炊飯用釜の上面開口縁と接する蒸気の逆流防止弁機構を備えていることを特徴とする請求項１または２に記載の調理装置。
【請求項４】
前記した調理装置は全体を平面的にオーバル状とし、炊飯用釜の外面には、そのオーバル状の長軸方向端となる一方に折り畳み式の取っ手を備えるとともに、他方端の上面には注ぎ口を備え、この炊飯用釜を湯沸し用としても使用可能である構成としたことを特徴とする請求項１から３のうち１項に記載の調理装置。
【請求項５】
前記したケーシングカバーの天面には加圧された蒸気の抜気機構が設けられていることを特徴とする請求項１から４のうち１項に記載の調理装置。
【請求項６】
前記した加熱部の外表面に備えられたスイッチ群は、上向きのテーパ面に設けられていることを特徴とする請求項１から５のうち１項に記載の調理装置。
【請求項７】
前記した加熱部に電源を供給するコード付きのコンセントはマグネットによりワンタッチで着脱可能としてあることを特徴とする請求項１から６のうち１項に記載の調理装置。
【請求項８】
前記したスイッチ群の近傍に備えられるパイロット用のＬＥＤは目的により発光色を変えてあることを特徴とする請求項１から７のうち１項に記載の調理装置。
【請求項９】
前記した副食の加熱調理用容器の蓋体には蒸気抜き機構が設けられていることを特徴とする請求項１から８のうち１項に記載の調理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１２−２２５６０６（Ｐ２０１２−２２５６０６Ａ）
【公開日】平成２４年１１月１５日（２０１２．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−９４７９０（Ｐ２０１１−９４７９０）
【出願日】平成２３年４月２１日（２０１１．４．２１）
【出願人】（５０８３５２５０６）株式会社琳聡堂 (5)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月１５日（２０１２．１１．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年４月２１日（２０１１．４．２１）
【出願人】（５０８３５２５０６）株式会社琳聡堂 (5)
【Ｆターム（参考）】
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